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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】自動倉庫システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
B65G1/04 521
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021001985
(22)【出願日】2021-01-08
(62)【分割の表示】P 2019158327の分割
【原出願日】2018-11-06
(65)【公開番号】P2021050102
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2021-10-20
(31)【優先権主張番号】P 2018028675
(32)【優先日】2018-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503002732
【氏名又は名称】住友重機械搬送システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】小島 宏志
(72)【発明者】
【氏名】日野 克美
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-160040(JP,A)
【文献】特開2015-214381(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0072391(US,A1)
【文献】実開昭48-039682(JP,U)
【文献】特開平10-087020(JP,A)
【文献】特開2005-078395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B65G 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷を保管する棚と、
入庫部および出庫部からなる入出庫部と、
前記棚と前記入出庫部との間で荷を移動させる搬送機構と、
を備え、
前記搬送機構は、
電池を備え、前記電池の電力によって移動する第1台車と、
前記第1台車を搭載して移動する第2台車と、
を有し、
前記棚は、複数段の保管ステージを備え、
前記各段の保管ステージは、第1方向に延在することで複数の保管場所を構成する保管行が、前記第1方向と交差する第2方向に沿って複数配置されることで構成されており、
前記各段の保管ステージに、前記第1台車および前記第2台車のセットが配置されており、
前記第1台車は、前記保管行に対応する第1の移動路を移動し、
前記第2台車は、前記第1台車を搭載して前記第2方向に沿った方向に延在する第2移動路を移動し、
前記各段の前記セットが共用する、各段の保管ステージに対して荷を昇降させる昇降手段が設けられ、
前記第1台車は、前記第2台車から電力の供給を受ける受電端子を有し、
前記第2台車は、前記第1台車が、前記第2台車上を移動するときに前記受電端子と接触する端子であって、前記受電端子と接触することで、前記第1台車へ電力を供給する給電端子を有し、
前記第1台車が、前記第2台車から電力の供給を受ける前記受電端子と前記給電端子とが接触する給電位置に移動するとき、
前記第1台車は、前記受電端子と前記給電端子とが接触する位置よりも手前であって、前記受電端子と前記給電端子とが接触する前に減速して、当該減速前よりも遅い速度で前記受電端子が前記給電端子に近づくように移動することを特徴とする自動倉庫システム。
【請求項2】
前記各段の第2台車に常時給電可能な給電部が、前記各段の前記第2移動路に沿って延在しており、
前記各段の第1台車の前記電池は、前記第1台車が前記第2台車の上で停止し、且つ、前記第2台車が移動している間、前記第2台車から供給される電力により充電される、請求項1に記載の自動倉庫システム。
【請求項3】
前記第1台車は、前記第1台車の側面に設けられた端子を前記第2台車に設けられた端子に接触させることによって給電される、請求項1または2に記載の自動倉庫システム。
【請求項4】
前記第1台車は、前記第1台車の底面に設けられた端子を前記第2台車に設けられた端子に接触させることによって給電される、請求項1または2に記載の自動倉庫システム。
【請求項5】
前記第1台車に設けられた端子と前記第2台車に設けられた端子の少なくとも一方は、他方に向けて付勢される、請求項3または4に記載の自動倉庫システム。
【請求項6】
前記第2台車に設けられた端子は、前記第1方向と前記第2方向の少なくとも1つの方向で異なる位置に設けられた2つの電極を含む、請求項3から5のいずれか1項に記載の自動倉庫システム。
【請求項7】
前記第2台車に設けられた端子は、前記第1方向に長手方向を有する、請求項3から6のいずれか1項に記載の自動倉庫システム。
【請求項8】
前記第1方向における前記第2台車に対する前記第1台車の位置関係を検知するセンサをさらに備える、請求項1から7のいずれか1項に記載の自動倉庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
少ないスペースで多数の荷を効率的に入庫・出庫可能な自動倉庫システムが知られている。自動倉庫システムとしては様々な構成が提案されている。例えば、特許文献1には、物品を複数収容できる収容棚が複数配置された大型倉庫等において、指定された物品を収容棚の所定の収容部に対して搬入もしくは搬出を行う搬送台車を備えた倉庫が記載されている。特許文献1に記載の搬送台車は、敷設されたレールを自走し、指定された収容棚に対してアクセスすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-157683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、自動倉庫システムについて以下の認識を得た。
自動倉庫システムにおいて、収容棚に対する荷の搬入・搬出を自動化するために、各収容棚に接続されるレールを設け、このレール上を自走可能な台車によって、荷を搬送することが考えられる。このような台車では、車体内に搭載したバッテリーからの電力によりモータを回転させて車輪を駆動する構成が考えられる。この場合、台車の稼働量に応じて搭載バッテリーを適宜充電する必要がある。搭載バッテリーを充電すると、その期間中は台車が走行できないため、それだけ台車の稼働率が低下し、ひいては自動倉庫システムの稼働効率が低下するという問題がある。
【0005】
特許文献1に記載の搬送台車では、台車の載置台に開口が設けられ、この開口を通じてバッテリーを交換するように構成されている。しかし、この搬送台車では、一時的に台車を回収し、人手によりバッテリーを交換してレール上に戻す必要があり、バッテリーの交換に時間や手間がかかるという問題がある。
これらから、本発明者は、自動倉庫システムには、台車に搭載された電池を充電するために、台車への効率的な電力供給を可能とする観点から改善すべき余地であることを認識した。
【0006】
本発明の目的は、このような課題に鑑みてなされたもので、台車への効率的な電力供給を可能とする自動倉庫システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の自動倉庫システムは、荷を保管可能な自動倉庫システムであって、荷を搭載可能であって、第1方向に移動する第1台車と、第1台車を搭載可能であって、第1方向と交差する第2方向に移動する所定部と、を有する。第1台車は、電池を搭載し、所定部に第1台車が搭載された状態において、所定部から電池に充電が行われる。
【0008】
この態様によると、第1台車は、所定部上において搭載電池を充電することができる。
【0009】
本発明の別の態様もまた、自動倉庫システムである。この自動倉庫システムは、荷を保管可能な自動倉庫システムであって、荷を搭載可能であって、第1方向に移動する第1台車と、第1台車を搭載可能であって、第1方向と交差する第2方向に移動する所定部と、を有する。第1台車は、所定部に第1台車が搭載された状態において、所定部から給電が行われる。
【0010】
この態様によると、第1台車は、所定部から給電されるので、その所定部上において給電された電力により走行または搭載電池を充電することができる。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、台車への効率的な電力供給を可能とする自動倉庫システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態に係る自動倉庫システムの一例を概略的に示す平面図である。
図2図1の自動倉庫システムの保管棚の配置を示す平面図である。
図3図1の自動倉庫システムを概略的に示す正面図である。
図4図1の自動倉庫システムの保管棚の配置を示す正面図である。
図5図1の自動倉庫システムの第1台車の一例を概略的に示す平面図である。
図6図5の第1台車の側面図である。
図7図1の自動倉庫システムの第2台車の一例を概略的に示す平面図である。
図8図7の第2台車の側面図である。
図9図1の自動倉庫システムの構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図10図1の自動倉庫システムの充電動作の一例を示すフローチャートである。
図11】第2実施形態のスタッカークレーンの一例を概略的に示す平面図である。
図12図11のスタッカークレーンの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施の形態、比較例および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
【0015】
[第1実施形態]
図面を参照して第1実施形態に係る自動倉庫システム100の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る自動倉庫システム100の一例を概略的に示す平面図である。図2は、自動倉庫システム100の保管棚20の配置を示す平面図である。図3は、自動倉庫システム100を概略的に示す正面図である。図4は、自動倉庫システム100の保管棚20の配置を示す正面図である。これらの図では、説明に重要でない柱や梁などの記載を省略しており、以下の図についても同様である。
【0016】
説明の便宜上、図示のように、水平なある方向をX方向、X方向に直交する水平な方向をY方向、両者に直交する方向すなわち鉛直方向をZ方向とするXYZ直交座標系を定める。なお、以降の説明ではXYZ直交座標系を用いて説明するが、必ずしもX方向、Y方向、Z方向は互いに直交していなくとも、略90度で交差していればよい。X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの正の方向は、各図における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。また、X軸の正方向側を「右側」、X軸の負方向側を「左側」ということもある。また、Y軸の正方向側を「前側」、Y軸の負方向側を「後側」、Z軸の正方向側を「上側」、Z軸の負方向側を「下側」ということもある。このような方向の表記は自動倉庫システム100の構成を制限するものではなく、自動倉庫システム100は、用途に応じて任意の構成で使用されうる。
【0017】
まず、自動倉庫システム100の全体構成を先に説明する。自動倉庫システム100は、多数の荷12を保管可能な保管棚20を含むシステムである。自動倉庫システム100は、保管棚20と、第1台車14と、第2台車16と、第1レール40と、第2レール44と、給電部50と、電源部52と、充電部54と、制御部18と、を含む。保管棚20は、荷12を保管する。第1実施形態では、第1方向としてX軸方向を例示している。第1レール40は、保管部26に接続しX軸方向に延在する。給電部50は、第2レール44の近傍をY軸方向に延在する給電線36を含む。電源部52は、給電部50に電力を供給する。充電部54は、後述する第1台車14に搭載された電池を充電する。
【0018】
第1台車14は、第1レール40上をX軸方向に走行する。第2台車16は、第2レール44上をY軸方向に走行する。第1台車14および第2台車16を総称するときは単に台車ということがある。また、第1台車14と、第2台車16と、第1レール40と、第2レール44と、を総括するときは単に「内部搬送機構」ということがある。制御部18は、第1台車14および第2台車16の動作を制御する。
【0019】
なお、第1実施形態では、荷12をパレット12pに載せた状態で扱うが、これに限られず、パレットを用いずに荷12を単独で扱うようにしてもよい。なお、荷12をパレット12pに載せた状態で搬送することを、単に荷12を搬送するという。
【0020】
自動倉庫システム100の搬入・搬出動作を説明する。自動倉庫システム100は、例えばフォークリフト(不図示)によって倉庫外部からの荷12を入庫部30に搬入する。自動倉庫システム100は、入庫部30に搬入された荷12を、第1台車14および第2台車16を含む内部搬送機構によって所定の保管部26に搬送して保管する。自動倉庫システム100は、所定の保管部26で保管していた荷12を、内部搬送機構によって出庫部32に搬送する。自動倉庫システム100は、出庫部32に搬送された荷12を、例えばフォークリフトによって倉庫外部に搬出する。
【0021】
(保管棚)
保管棚20は、多数の荷12を保管可能ないわば高密度保管型の保管スペースである。保管棚20の構成は、複数の荷12を収容・保管可能であれば、特に限定されない。この例では、保管棚20は、上下方向に層状に重ねられた複数段(例えば3段)の保管ステージ22を含む。各保管ステージ22は、Y軸方向に並べられた複数(例えば6つ)の保管行24を含み、各保管行24はX軸方向に接続された複数(例えば6つ)の保管部26を含む。保管部26は、荷12を保管する単位である。各保管行24の第2レール44側の端部には、荷12を出し入れするための出入口部24bが設けられる。
【0022】
ここで、複数段の保管ステージ22にはそれぞれ入庫部30と出庫部32が設けられており、フォークリフトで各段の保管ステージ22に荷12を搬入、搬出してもよい。また、各段の保管ステージ22に荷を昇降させる昇降機構(不図示)が別途設けられており、入庫部30と出庫部32は最下段の保管ステージ22のみに設けられていてもよい。この場合、入庫部30から入庫された荷12は昇降機構によって上げられて各段の保管ステージ22に移動し、また各段の保管ステージ22から出庫された荷12は昇降機構によって下げられて出庫部32に出庫される。
【0023】
(レール)
第1レール40は、保管行24において、X軸方向に延在する。第2レール44は、保管行24の出入口部24bの近傍において、Y軸方向に延在する。第1レール40および第2レール44を総称するときは単にレールということがある。本明細書において、レールは、その延在方向に台車を走行させるように構成された車輪の転動面を有する部材または部分である。したがって、レールは、棒状または帯状の部材に形成された転動面を有するレールであってもよいし、平面上に形成された転動面を有するレールであってもよい。
【0024】
(第1台車)
次に、図5図6も参照して第1台車14について説明する。図5は、第1台車14の一例を概略的に示す平面図である。図6は、第1台車14の側面図である。第1台車14は、荷12を搬送するために、保管行24の中で第1レール40をX軸方向に走行する。第1台車14は、保管部26に対して荷12を出し入れする。第1台車14は、第2台車16に乗降するために、第2台車16上をX軸方向に走行する。
【0025】
第1台車14は、車体14bと、載置部14cと、リフト機構14dと、複数(例えば4個)の車輪14fと、受電端子46と、電池28と、を主に含む。車体14bは、上下方向に偏平な略直方体形状の輪郭を有する。車体14bの内部には、複数の車輪14fを駆動するモータ(不図示)と、このモータを制御する制御回路(不図示)と、電池28と、を搭載している。第1台車14は、電池28の電力によってモータを駆動するように構成されている。電池28は繰り返し充電可能なリチウムイオン電池などの二次電池であってもよい。第1台車14は、後述する第2台車16から給電された電力により電池28を充電するように構成されている。
【0026】
載置部14cは、荷12を持上げて保持する部分である。リフト機構14dは、載置部14cを昇降させる機構である。図6において、破線で示す載置部14cは上昇した状態にあり、実線で示す載置部14cは下降した状態にある。リフト機構14dは載置部14cを上昇させて荷12を保管部26から持上げることができる。リフト機構14dは、載置部14cを降下させて荷12を保管部26に降ろすことができる。複数の車輪14fは第1レール40上および第2台車16上を走行する。
【0027】
(受電端子)
受電端子46は、後述する第2台車16の給電端子42と電気的に接触して、電池28を充電するための電力を受け取る電極として機能する。一例として、受電端子46は、車体14bの両側面に設けられる受電端子46bと、受電端子46cと、を含んでもよい。一例として、受電端子46は、車体14bの外側の底面に設けられる受電端子46dと、受電端子46eと、を含んでもよい。説明の便宜上、図5図6には、受電端子46b、46cの組と、受電端子46d、46eの組とを両方記載しているが、これらは、一方の組のみを設けてもよいし、両方の組を設けてもよい。受電端子46の形状に特別な限定はないが、この例では、受電端子46の中心部分が相手側に突出た球面を有している。なお、ここでは受電端子46に球面を有している形態を記載したが、後述する給電端子42の方に球面を有していてもよい。
【0028】
(付勢機構)
給電端子42と受電端子46の少なくとも一方は、他方に向けて付勢されてもよい。例えば、受電端子46は、給電端子42に向けて付勢されてもよい。一例として、受電端子46は、給電端子42に向けて鉛直方向または水平方向に進退可能に支持され、付勢部材によって付勢されてもよい。図6の例では、受電端子46dは、収容部46hによって上下方向に可動に収容され、受電端子46dは、収容部46hに設けられたコイルスプリング46jによって下向きに付勢されている。受電端子46dは、給電端子42に当接するとき、上向きに移動して給電端子42に下向きの接触圧力を加えるように配置される。この場合、受電端子46に給電端子42に対する接触圧力を加えることにより、受電端子46と給電端子42との接触を安定させることができる。受電端子46b、46c、46eも同様に構成されている。
【0029】
(第2台車)
次に、所定部について説明する。第1実施形態では、所定部として第2台車16を、第2方向としてY軸方向を例示している。前述したように、Y軸方向は、X軸方向に対して水平方向に交差する。図7図8を参照して第2台車16を説明する。図7は、第2台車16の一例を概略的に示す平面図である。図8は、第2台車16の側面図である。第2台車16は、第2レール44をY軸方向に走行する。第2台車16は、空荷の状態または荷12を積載した状態の第1台車14を搬送する。
【0030】
第2台車16は、車体16bと、凹部16cと、複数の車輪16fと、集電ユニット38と、給電端子42と、を主に含む。車体16bは、上下方向に偏平な略直方体形状の輪郭を有する。車体16bの内部には、各車輪16fを駆動するモータ(不図示)と、このモータを制御する制御回路(不図示)と、を搭載している。車輪16fは、第2レール44上を走行する。集電ユニット38は、後述する給電線36に接触して電力の供給を受ける。第2台車16は、その集電ユニット38を介して給電線36から電力を受け取る。第2台車16は、受け取った電力によってモータを駆動すると共に、第1台車14に給電するように構成されている。
【0031】
(給電部)
給電部は、第2台車16に電力の供給を行うための部材である。第2台車16は、給電部から常時給電が行われるように構成されてもよい。このため、給電部は、第2台車16に対して常時給電可能に構成される。第1実施形態では、給電部として軸方向に沿って延在する給電線36を例示している。前述したように、給電線36は、第2レール44の近傍をY軸方向に沿って延在する。給電線36は、集電ユニット38を通じて第2台車16へ給電する接触電線として機能する。給電線36は、トロリ線と称されることがある。
【0032】
(電源部)
電源部52は、給電部50に電力を供給する。例えば、電源部52は商用電源の電圧を給電部50に供給可能な電圧に変換する変換装置を含んでもよいし、所定の電圧を発電する発電機を含んでもよい。本実施形態の電源部52は、商用電源からの交流電圧を所定の電圧に変換するトランス(不図示)や整流回路(不図示)などを含んでいる。
【0033】
(充電部)
充電部54は、第1台車14に搭載された電池28を充電するための充電ステーションとして機能する。充電部54は、第1台車14に充電可能な箇所であれば何処に配置されてもよい。本実施形態の充電部54は、図1に示すように、所定の保管行24の出入口部24bとは反対側の端部24cに隣接して設けられている。充電部54を備えることにより、第1台車14は、第2台車16による充電と充電部54による充電とを併用することができる。例えば、第2台車16によって一の第1台車14を充電している間にも、充電部54によって別の第1台車14を充電することができるので、充電待ちの時間を短くすることができる。
【0034】
充電部54は、第1台車14に充電電力を供給する充電用の充電端子56d、56eを有する。充電端子56d、56eは、第1台車14が所定の充電用の位置24dに停止した状態で、第1台車14の受電端子46d、46eに対応する位置に配置される。図1に示すように、充電端子56d、56eは、X軸方向に異なる位置に設けられている。図1に示すように、充電端子56d、56eのX軸方向の位置は異なっており、同位置の場合より端子間距離が大きいので、一方の端子に導電性異物が付着した場合にも短絡する可能性を低減できる。充電端子56d、56eを総称する場合は充電端子56という。
【0035】
充電部54は、複数の保管行24に設けられてもよいし、すべての保管行24それぞれに設けられてもよい。この場合、同時に複数の第1台車14を充電することができる。また、第1台車14の充電のための移動距離を短くできる。充電部54は、所定の1段の保管ステージ22に設けられてもよいし、複数段の保管ステージ22に設けられてもよいし、全段の保管ステージ22に設けられてもよい。この場合、複数の保管ステージ22において同時に第1台車14を充電することができる。また、第1台車14の充電のための移動距離を短くできる。
【0036】
(凹部)
第2台車16は、第1台車14を搭載するための凹型形状の凹部16cを有する。凹部16cは、第1台車14を載せるために、車体16bの上面から下向に窪んで形成されている。凹部16cの大きさは、第1台車14が凹部16cの周囲と干渉することなくX軸方向に走行できるように、第1台車14の大きさに十分な量のマージンを加えた大きさとされる。第1台車14は凹部16c上を走行する。凹部16cの内側には、下部平面上に延在する底部16hと、底部16hのY軸方向の両側から上向きに延在する一対の側壁部16jと、を有する。底部16hは、第1台車14がX軸方向に走行する走行路の一部である。一対の側壁部16jは、第1台車14の車体14bの側壁と狭い隙間を介してY軸方向に対向する。
【0037】
(給電端子)
第2台車16は、第1台車14に対して給電可能に構成されている。第2台車16は、第2台車16がY軸方向に移動しているときと停止しているときに、第2台車16から第1台車14に対して給電が行われる。
【0038】
第2台車16は、第1台車14に対して給電を行うための給電端子42を有する。給電端子42は、X軸方向に異なる位置に設けられた複数の給電端子を含む。この場合、各端子の離間距離を大きくすることができるので、導電性の部材が凹部16cに落下しても、複数の給電端子間で短絡する可能性を低くすることができる。複数の給電端子は、底部16hのX軸方向およびY軸方向の中心を挟む位置に配置されてもよい。
【0039】
給電端子42は、凹部16cの内側の各側壁部16jに設けられた給電端子42b、42cを含む。給電端子42b、42cはX軸方向に異なる位置に設けられている。この例では、給電端子42bは、Y軸正方向側の側壁部16jにおいて、X軸正方側の端部近傍に設けられる。給電端子42c、Y軸負方向側の側壁部16jにおいて、X軸負方側の端部近傍に設けられる。給電端子42b、42cは、それぞれ第1台車14の受電端子46b、46cに対応する位置に設けられる。給電端子42b、42cは、Z軸方向に異なる位置に設けられている。この例では、給電端子42bは、給電端子42cよりZ軸方向で高い位置に設けられている。
【0040】
給電端子42は、凹部16cの内側の底部16hに設けられた給電端子42d、42eを含む。給電端子42d、42eは、X軸方向に異なる位置に設けられている。この例では、給電端子42dは、底部16hのX軸正方向側で、Y軸負方向側に寄った位置に配置される。給電端子42eは、底部16hのX軸負方向側で、Y軸正方向側に寄った位置に配置される。給電端子42d、42eは、それぞれ第1台車14の受電端子46d、46eに対応する位置に設けられる。給電端子42d、42eのX軸方向の位置を異ならせると、同じ位置としたときに比べて、給電端子間の距離を長くすることができる。このため、第2台車16に導電性の異物が混入した場合であっても、その異物によって給電端子間が電気的に接続されてしまい、ショートを起こす可能性を小さくすることができる。
【0041】
給電端子42b、42c、42d、42eの形状に特別の制限はない。この例では、給電端子42b、42cはX-Z平面に平行な板状の電極であり、給電端子42d、42eはX-Y平面に平行な板状の電極である。給電端子42b、42cは、X軸方向に沿った長辺と、Z軸方向に沿った短辺とを有する。給電端子42d、42eは、X軸方向に沿った長辺と、Y軸方向に沿った短辺とを有する。これらは、X軸方向に長いので、第1台車14の停止位置精度が低い場合にも、受電端子46との接触を確保して給電が可能である。
【0042】
第1台車14の停止位置精度を高めるために、第1台車14の移動速度を低くすることが考えられるが、この場合、第1台車14の稼働効率が低下する懸念がある。そこで、第1実施形態では、給電端子42b、42c、42d、42eのX軸方向範囲は、第1台車14の停止位置精度の2倍以上に設定している。一例として、第1台車14の停止位置精度が±15mmである場合に、給電端子42b、42c、42d、42eのX軸方向範囲は、30mm以上に設定されてもよい。この場合、第1台車14の稼働効率の低下を抑制することができる。
【0043】
説明の便宜上、図7図8には、給電端子42b、42cの組と、給電端子42d、42eの組とを両方記載しているが、これらは、一方の組のみを設けてもよいし、両方の組を設けてもよい。
【0044】
第1台車14は、第2台車16が第2方向に移動している際に、第2台車16から給電が行われるように構成されている。この場合、第2台車16の移動中に給電が行われない場合と比べて、第2台車16の移動中にも充電を行うことができるため第1台車14への充電に要する時間を短縮することが可能となる。
【0045】
図9を参照して、自動倉庫システム100のその他の構成について説明する。図9は、自動倉庫システム100の構成の一例を概略的に示すブロック図である。図9に示すように、自動倉庫システム100は、第1検知部14gと、第2検知部16gと、を備える。第1検知部14gは、第1レール40および第2台車16における、第1台車14のX軸方向の位置を検知して、その検知結果を制御部18に与える。第1検知部14gは、第1台車14中に設けられた各種センサやステレオカメラであってもよい。第2検知部16gは、第2レール44における第2台車16のY軸方向の位置を検知して、その検知結果を制御部18に与える。第2検知部16gは、第2台車16中に設けられた各種センサやステレオカメラであってもよい。
【0046】
(制御部)
制御部18について説明する。制御部18は、第1台車14および第2台車16の動作を制御する。図9に示す制御部18の各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのMPU(Micro Processing Unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0047】
制御部18は、第1台車位置取得部18bと、第2台車位置取得部18cと、第1台車制御部18eと、第2台車制御部18fと、給電制御部18gと、を主に含む。第1台車位置取得部18bは、第1検知部14gから第1台車14のX軸方向の位置を取得する。第2台車位置取得部18cは、第2検知部16gから第2台車16のY軸方向の位置を取得する。第1台車制御部18eは、第1台車14の走行を制御する。第2台車制御部18fは、第2台車16の走行を制御する。給電制御部18gは、第2台車16から第1台車14への給電を制御する。
【0048】
(充電動作)
図10を参照して、自動倉庫システム100の充電動作を説明する。図10は自動倉庫システム100の充電動作の一例を示すフローチャートであり、この動作に関する処理S80を示している。処理S80は、第1台車14が第2台車16に進入を開始してから、給電が行われ、第1台車14が第2台車16から退出するまでのプロセスを含んでいる。この充電プロセスでは、第1台車14を第2台車16の所定の給電位置に停止させ、その状態で第2台車16から第1台車14に対して給電を行う。このとき、第1台車14は給電された電力により第1台車14に備えた電池28に充電を行う。給電位置は、受電端子46が給電端子42に接触可能な位置であってもよい。
【0049】
第1台車14の停止位置のずれが大きいと、受電端子46が給電端子42に接触せず、給電不能となるおそれがある。そこで、第1実施形態では、第1台車14は給電位置よりも手前の位置(以下、第1位置という)で減速され、徐々に給電位置に近づくように制御される。ゆっくりと給電位置に近づくことにより第1台車14の停止位置のずれを小さくすることができる。一例として、第1位置は、給電位置よりも10cm~30cm手前の位置であってもよい。以下、この充電プロセスを含む処理S80について説明する。
【0050】
処理S80を開始したら、制御部18は、第1台車14をX軸方向に移動させて第2台車16に進入を開始させる(ステップS81)。ステップS81を実行したら、制御部18は、第1検知部14gから第1台車14のX軸方向の位置を取得し、第1台車14が第1位置を過ぎたか否かを判定する(ステップS82)。第1台車14が第1位置を過ぎていない場合(ステップS82のN)、制御部18は、第1台車14をX軸方向に移動させる(ステップS83)。ステップS83を実行したら、制御部18は、処理をステップS82の先頭に戻し、ステップS82~S83を繰り返す。この処理により、第1台車14は、第1位置を過ぎるまでは通常速度でX軸方向に移動する。
【0051】
第1台車14が第1位置を過ぎた場合(ステップS82のY)、制御部18は、第1台車14を減速し低速モードでX軸方向に移動させる(ステップS84)。低速モードの速度は直ぐに止まれる徐行速度であってもよい。ステップS84を実行したら、制御部18は、第1検知部14gから第1台車14のX軸方向の位置を取得し、第1台車14が給電位置に到着したか否かを判定する(ステップS85)。第1台車14が給電位置に到着していない場合(ステップS85のN)、制御部18は、処理をステップS84の先頭に戻し、ステップS84~S85を繰り返す。この処理により、第1台車14は通常速度より低速でゆっくりと給電位置に接近する。
【0052】
第1台車14が給電位置に到着した場合(ステップS85のY)、制御部18は、第1台車14を停止させる(ステップS86)。ステップS86を実行したら、制御部18は、第2台車16をY軸方向に移動させる(ステップS87)。ステップS87を実行したら、制御部18は、第2台車16から第1台車14への給電を行う(ステップS88)。移動と給電とは同時に開始されてもよいし、給電が先行して開始されてもよい。第1台車14は、給電された電力に基づき電池28を充電する。第1台車14は、第2台車16から給電されている間、常時、電池28を充電するように構成されてもよい。第1台車14は、電池28の充電率が所定の上限を超えたら充電を停止するようにしてもよい。
【0053】
ステップS88を実行したら、制御部18は、第2台車16がY軸方向の目的位置に到着したか否かを判定する(ステップS89)。第2台車16が目的位置に到着していない場合(ステップS89のN)、制御部18は、処理をステップS87の先頭に戻し、ステップS87~S89を繰り返す。この処理により、第2台車16は、目的位置に向かってY軸方向に移動しながら第1台車14に給電し、第1台車14はこの電力により電池28を充電する。第2台車16が目的位置に到着した場合(ステップS89のY)、制御部18は、第2台車16を停止させる(ステップS90)。
【0054】
ステップS90を実行したら、制御部18は、第2台車16から第1台車14への給電を停止する(ステップS91)。移動と給電とは同時に停止されてもよいし、給電が先行して停止されてもよい。ステップS91を実行したら、制御部18は、第1台車14をX軸方向に移動させて第2台車16から退出させる(ステップS92)。この処理により、第1台車14、第1レール40に向かって移動する。ステップS92を実行したら、制御部18は、処理S80を終了する。上述の処理S80はあくまでも一例であり、他のステップを追加したり、一部のステップを変更または削除したり、ステップの順序を入れ替えてもよい。
【0055】
この充電動作の処理S80は、荷12を搬入・搬出する動作の過程において、荷12を搭載した状態の第1台車14に対して実行されてもよいし、荷12を搭載していない空荷状態の第1台車14に対して実行されてもよい。
【0056】
次に、複数の第1台車14を備える場合における、充電の優先順位について説明する。充電率の低い第1台車14の充電を後回しにすると、充電率が下がりすぎて自走できなくなるおそれがある。そこで、第1実施形態では、第2台車16は、複数の第1台車14のうち、搭載する電池28の充電率が相対的に低い第1台車14を優先して充電を行うように構成されている。例えば、制御部18は、第1台車14それぞれから電池28の充電率を取得し、取得した各充電率に基づき優先順位を決定し、この優先順位にしたがって、第1台車14に充電するように、第1台車14と第2台車16とを制御してもよい。
【0057】
[第2実施形態]
図11図12を参照して第2実施形態に係る自動倉庫システム200の構成について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して所定部の構成が異なる点で相違し、他の構成は同様であり、相違点を重点的に説明する。第2実施形態では、所定部として、スタッカークレーン66とスタッカークレーン66に備えられた昇降機構64とを例示している。
【0058】
図11は、スタッカークレーン66を概略的に示す平面図である。図12は、スタッカークレーン66の側面図である。第2実施形態は、第2レール44は最下段にのみ設けられ、第2台車16の代わりに、第2レール44上をY軸方向に移動するスタッカークレーン66を備える。スタッカークレーン66は、昇降機構64を有しており、第1台車14をZ軸方向に昇降することができる。また、スタッカークレーン66は、載置した第1台車14をY軸方向に搬送することができる。つまり、第2実施形態では、第2方向としてY軸方向およびZ軸方向(高さ方向)を例示している。
【0059】
スタッカークレーン66は、基台部66bと、凹部16cと、4つの車輪16fと、一対の支柱66hと、昇降機構64と、集電ユニット38と、給電端子42と、を主に含む。基台部67bは、スタッカークレーン66の下部に設けられる上下方向に偏平な板状の部材である。基台部66bには、車輪16fを駆動するモータ(不図示)と、を搭載している。一例として、スタッカークレーン66は、集電ユニット38により上部に布設された給電線36から受電した電力によりモータを駆動するように構成されている。
【0060】
凹部16cは、第1台車14を載置した状態で昇降可能に構成される。4つの車輪16fは、基台部66bの4隅に回転可能に支持される。一対の支柱66hは、上下方向に伸びる支柱であり、凹部16cを昇降可能にガイドする。一対の支柱66hは、その間に凹部16cを挟むようにY軸方向に離隔されて基台部66bに固定される。支柱66hは、例えば上面視で略矩形の断面を有する。昇降機構64は、凹部16cを上下に昇降駆動する機構である。昇降機構64は、支柱66hの近傍において基台部66bに設けられる。昇降機構64が凹部16cを吊っているワイヤーロープ(不図示)を巻取り・送出しすることで、凹部16cを昇降駆動する。この構成により、凹部16cは昇降可能な昇降台として機能する。スタッカークレーン66は、4つの車輪16fを第2レール44にて回転させることによって、第2レール44を走行する。スタッカークレーン66は、荷12および第1台車14を載せた状態で第2レール44上を走行することができる。なお、ここでは第2レール44を走行可能なスタッカークレーンについて説明したが、走行機能を有さず、昇降機能のみを有する昇降機構であってもよい。
【0061】
凹部16cの内側には、下部平面上に延在する底部16hと、底部16hのY軸方向の両側から上向きに延在する一対の側壁部16jと、を有する。給電端子42は、第2台車16と同様に、凹部16cの内側の側壁部16jと底部16hとに設けられる。凹部16cの内側の構成および給電端子42の構成は第1実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0062】
このように構成された第2実施形態では、第1台車14は、スタッカークレーン66がY軸方向に移動している際に、スタッカークレーン66から給電が行われ、給電された電力により第1台車14に備えた電池28を充電する。また、第1台車14は、昇降機構64によってZ軸方向に移動している際に、スタッカークレーン66から給電が行われ、給電された電力により第1台車14に備えた電池28を充電する。
【0063】
第2実施形態は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0064】
以上、本発明の各実施形態をもとに説明した。これらの実施形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求の範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
【0065】
(変形例)
以下、変形例について説明する。変形例の図面および説明では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0066】
第1実施形態の説明では、荷12を搬入・搬出する動作の過程の第1台車14に対して電池28を充電する例を示したが、第1台車14および第2台車16は、荷12の搬送動作とは別に、荷12の搬送指令がない状態で電池28を充電するように制御されてもよい。
つまり、制御部18は、当面荷12を搬送する予定のない第1台車14を第2台車16の給電位置または充電部54に移動させ、その第1台車14の電池28を充電するように制御してもよい。この場合、荷12を搬送する機会が少ない第1台車14についても充電できる。
【0067】
第1実施形態の説明では、充電部54を備える例を示したが、充電部54を備えることは必須ではない。
【0068】
第1実施形態の説明では、第1台車14が電池28を備える例を示したが、電池28を備えることは必須ではない。第1台車14は、第2台車16や別設の給電手段(不図示)から給電された電力により走行するように構成されてもよい。
【0069】
給電端子42は、周囲から窪んだ部分に設けられ、受電端子46は、進退機構によって給電端子42に向けて進退するようにしてもよい。給電端子42の周囲を囲むことにより、活電部の短絡防止を図ることができる。
【0070】
給電端子42は、中空な筒状端子であり、受電端子46は、筒状端子に挿入される棒状端子で、進退機構によって給電端子42に向けて進退可能であってもよい。この場合、給電端子42の筒状端子を絶縁材料で覆うことにより、活電部の短絡防止を図ることができる。また、挿入・抜去時に一方が他方を清掃することができる。
【0071】
第1台車14は、非接触給電により所定部から給電されるように構成されてもよい。この場合、活電部の短絡防止を図ることができる。
【0072】
第1台車14は、満充電時に電池28の充電を停止するように構成されてもよい。所定部は第1台車14と通信するように構成されてもよい。例えば、所定部は、第1台車14との通信により電池28の充電率を取得するように構成されてもよい。この場合、電池28の過充電防止を図ることができる。
【0073】
受電端子46は、車体14bに対して遊びをもった状態で支持され、所定部は、受電端子46を所定の位置に案内するための案内部材を備えてもよい。第1台車14が所定部上を移動する際に、案内部材が受電端子46の位置をより適切な位置に修正することができる。この場合、給電可能な第1台車14の停止位置精度の範囲を拡大することができる。
【0074】
受電端子46は、給電端子42と接触した状態で給電端子42を擦るよう構成されてもよい。また、第1台車14にブラシなどの清掃部材を設け、第1台車14が移動するとき、清掃部材が給電端子42を擦るようにしてもよい。この場合、受電端子46や給電端子42の異物除去を図ることができる。
【0075】
第2台車16やスタッカークレーン66が給電線36から常時給電を受けることは必須ではない。第2台車16やスタッカークレーン66は、バッテリー駆動されてもよい。この場合、給電線36の布設が難しい倉庫でも使用することができる。
【0076】
第1台車14を各段の各行に設けることは必須ではなく、第1台車14は各段に設けられなくてもよい。
【0077】
保管棚20は1列の保管行24から構成されてもよい。保管棚20は1段の保管行24から構成されてもよい。
【0078】
保管行24の保管部26の数を一様に構成することは必須ではない。保管行24を構成する保管部26の数は、保管棚20を収容する建物の壁の凹凸に応じて、数が多い行と少ない行とが設けられてもよい。
【0079】
上下方向に積層される保管行24の段数を一様に構成することは必須ではない。保管行24の段数は、保管棚20を収容する建物の天井の高さに応じて、段数が多い領域と少ない領域とが設けられてもよい。
【0080】
荷12がパレット12pを含むことは必須ではない。本自動倉庫システムは、パレットを含まない荷を取り扱うようにしてもよい。
【0081】
フォークリフトに代えて、クレーンを備えた移載装置など、別の種類の移載装置によって、荷12を搬入・搬出するようにしてもよい。
【0082】
これらの各変形例は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0083】
上述した実施形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0084】
12・・荷、 14・・第1台車、 16・・第2台車、 16c・・凹部、 18・・制御部、 20・・保管棚、 28・・電池、 30・・入庫部、 32・・出庫部、 36・・給電線、 38・・集電ユニット、 40・・第1レール、 42・・給電端子、 44・・第2レール、 46・・受電端子、 64・・昇降機構、 66・・スタッカークレーン、 100、200・・自動倉庫システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12