(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】マルチコネクティビティにおける信頼性のある通信のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H04L 1/16 20230101AFI20240402BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20240402BHJP
H04W 28/14 20090101ALI20240402BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20240402BHJP
【FI】
H04L1/16
H04W28/04
H04W28/14
H04W72/0457
(21)【出願番号】P 2021074225
(22)【出願日】2021-04-26
(62)【分割の表示】P 2018563494の分割
【原出願日】2016-06-02
【審査請求日】2021-05-26
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーリング,インゴ
(72)【発明者】
【氏名】マイカロプーロス,ディオミディス
(72)【発明者】
【氏名】メーダー,アンドレアス
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】丸山 高政
【審判官】稲葉 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-9741(JP,A)
【文献】国際公開第03/049484(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L
H04W
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムにおける装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、
マルチノードコントローラの少なくとも一部を有するネットワーク要素と
を備え、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記装置に、
ユーザ端末に送信されるべきデータパケットをネットワークから受信するステップ、
少なくとも2つの基地局装置からデータパケットを前記ユーザ端末に送信するために、前記少なくとも2つの基地局装置に前記データパケットを送信するステップ、
データパケットが正しく受信されたか否かの情報を基地局装置から受信するステップ、及び
前記情報を他方の基地局装置に送信するステップ
を少なくとも実行させるように構成され
、
1以上のデータパケットが前記ユーザ端末に正しく送信されたという情報を前記他方の基地局装置から受信したことに応じて、前記基地局装置のうちの少なくとも1つは、
前記基地局装置のうちの少なくとも1つによって保持されている1以上の送信バッファが正しく送信された前記データパケットを含んでいるかを特定し、
正しく送信された前記データパケットを、保持されている前記送信バッファから除去する
ように構成された、装置。
【請求項2】
通信システムにおける装置であって、
少なくとも1つのプロセッサ、及び
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリを備え、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記装置に、
2以上の基地局との接続を維持するステップ、
2以上の基地局から同じデータパケットを受信するステップ、
各データパケットの肯定応答を全基地局に送信するステップ、及び
正しく送信されたデータパケットを少なくとも1つの基地局によって維持されているバッファから除去することについての情報を、前記少なくとも1つの基地局から受信するステップ
を少なくとも実行させるように構成された、装置。
【請求項3】
通信システムにおけるマルチノードコントローラの少なくとも一部を有するネットワーク要素のための方法であって、
ユーザ端末に送信されるべきデータパケットをネットワークから受信するステップ、
少なくとも2つの基地局装置からデータパケットを前記ユーザ端末に送信するために、前記少なくとも2つの基地局装置に前記データパケットを送信するステップ、
データパケットが正しく受信されたか否かの情報を基地局装置から受信するステップ、及び
前記情報を他
方の基地局装置に送信するステップ
を備え
、
1以上のデータパケットが前記ユーザ端末に正しく送信されたという情報を前記他方の基地局装置から受信したことに応じて、前記基地局装置のうちの少なくとも1つは、
前記基地局装置のうちの少なくとも1つによって保持されている1以上の送信バッファが正しく送信された前記データパケットを含んでいるかを特定し、
正しく送信された前記データパケットを、保持されている前記送信バッファから除去する
ように構成された、方法。
【請求項4】
通信システムにおける方法であって、
2以上の基地局との接続を維持するステップ、
前記2以上の基地局から同じデータパケットを受信するステップ、
各データパケットの肯定応答を全基地局に送信するステップ、及び
正しく送信されたデータパケットを少なくとも1つの基地局によって維持されているバッファから除去することについての情報を、前記少なくとも1つの基地局から受信するステップ
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例示的及び非限定的な実施形態は、概して通信に関する。
【背景技術】
【0002】
技術的背景の以下の説明には、洞察、発見、理解若しくは開示又は本発明に先立つ関連技術には既知ではないが本発明によって提供される開示との関連を含み得る。本発明のそのような寄与の一部は、以下に具体的に指摘されるが、本発明の他のそのような寄与はそれらの文脈から明らかとなる。
【0003】
通信システムにおいて、通信当事者間の接続は、過去においては単一の接続であった。近年、マルチコネクティビティは、ますます増える研究の課題となっている。これは特に、基地局などによってサービングされるセルにおけるユーザ端末を備える無線通信システムに当てはまる。マルチコネクティビティにおいて、ユーザ端末などの通信当事者は単一の周波数層上の単一セルのみに接続するのではなく、異なる周波数層上の、又は必ずしも共存しない異なる無線インターフェース上でさえも複数のセルに同時に接続される。
【0004】
現在のLTE(ロングタームエボリューション)は、ユーザ端末が二つの異なる基地局の複数のセルに接続され得るデュアルコネクティビティ(及びキャリアアグリゲーション)をサポートする。現在開発されている第5世代モバイルネットワーク(略して5G)は、マルチコネクティビティに関してさらに多くのオプションを提供することになる。ユーザ端末は異なるキャリア周波数上の異なる基地局だけでなく、(例えばLTE+cmW、cmW+mmWなどの)異なる無線インターフェース上の基地局にも接続可能となり得る。
【0005】
超信頼性通信は、ますます関係が深くなる他のトピックである。極めて低いパケットロス率を必要としつつ、同時に、多数の再送信を許容しないタイトな遅延バジェットを有する使用事例はますます多くなる。そのような使用事例の顕著な例は、自律運転、一般的な車両安全性及び産業通信である。マルチコネクティビティは、信頼性のある通信リンクを提供するソリューションと考えられている。
【0006】
高速かつ信頼性のあるデータの送信が多くのアプリケーションにおいて重要となるにつれて、2以上の送信リンクを介して送信されるデータパケットを処理することに課題が生じる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の態様によれば、請求項1及び2の装置が提供される。
【0008】
本発明の態様によれば、請求項3及び4の方法が提供される。
【0009】
1以上の実施例が、添付の図面及び以下の説明においてより詳細に説明される。他の特徴は、説明及び図面並びに請求項からさらに明らかとなる。
【0010】
以下では、添付の図面を参照して好ましい実施形態を用いて本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】
図3は、本発明の実施形態を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態を示すフローチャートである。
【
図5A】
図5Aは、本発明の幾つかの実施形態を適用する装置の簡略化された例を示す。
【
図5B】
図5Bは、本発明の幾つかの実施形態を適用する装置の簡略化された例を示す。
【
図5C】
図5Cは、本発明の幾つかの実施形態を適用する装置の簡略化された例を示す。
【
図6】
図6は、本発明の幾つかの実施形態を適用する装置の簡略化された例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態は、任意の基地局、通信ネットワーク要素、ユーザ機器(UE)、ユーザ端末(UT)、サーバ、対応する構成要素及び/又は必要な機能をサポートする任意の通信システム若しくは異なる通信システムの任意の組合せに適用可能である。
【0013】
特に無線通信において、使用されるプロトコル、通信システムの仕様、サーバ及びユーザ端末は急速に展開している。そのような展開は、実施形態に対する追加の変更を必要とすることもある。したがって、全ての単語及び表現は、広義に解釈されるべきであり、実施形態を制限するためではなく、例示するために意図されている。
【0014】
通信システムで使用される異なる無線プロトコルは多数存在する。異なる通信システムの幾つかの例としては、ユニバーサル モバイル テレコミュニケーション システム(UMTS)無線アクセスネットワーク(UTRAN)、ロングタームエボリューション(LTE、E-UTRAとしても知られている)、ロングタームエボリューション アドバンスト(LTE-A)、第5世代モバイルネットワーク、IEEE802.11標準に基づくワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワールドワイド インターオペラビリティ フォー マイクロウェイブアクセス(WiMAX)、Bluetooth(登録商標)、パーソナルコミュニケーションサービス(PCS)及びウルトラワイドバンド(UWB)技術を使用するシステムがある。IEEEは、Institute of Electrical and Electronics Engineersのことである。
【0015】
図1に、本発明の幾つかの実施形態が適用され得る通信システムの例を示す。
図1の例は、5Gの用語に従うが、本発明の実施形態は5Gに限定されず、デュアル又はマルチコネクティビティをサポートする他のシステムにおいても適用され得る。
【0016】
5Gシステムは、現在展開されている。より小さな局と連携して動作するマクロサイトを含み、おそらくはより良好なカバレッジ及びデータレート向上のために様々な無線技術も採用して、多入力多出力(MIMO)アンテナ、LTE(いわゆるスモールセルコンセプト)よりも多数の基地局又はノードを使用する可能性がある。5Gでは、2以上の無線インターフェース(RI)を備える可能性があり、各々が特定の使用事例及び/又はスペクトルに対して最適化される。5Gモバイル通信は、ビデオストリーミング、拡張現実、データ共有の様々な方法及び車両安全性、異なるセンサ及びリアルタイム制御を含むマシン型アプリケーションの種々のフォームを含むより広範囲の使用事例及び関連するアプリケーションを有することになる。5Gは、複数の無線インターフェース、すなわち6GHz以下のcmWave及びmmWaveを有することが期待され、LTEなどの既存の古い無線アクセス技術と統合もされ得る。LTEとの統合は、少なくとも初期段階で、マクロカバレッジがLTEによって提供され5G無線インターフェースアクセスがLTEへの集約によってスモールセルから来るシステムとして実施され得る。換言すれば、5Gは、(LTE-5Gなどの)inter-RAT運用性及びinter-RI運用性(6GHz以下の-cmWave、6GHz以下の-cmWave-mmWaveなどの相互無線インターフェース運用性)をサポートすることが想定されている。5Gネットワークにおいて使用されると考えられる概念の1つは、同一のインフラストラクチャ内に複数の独立した専用の仮想サブネットワーク(ネットワークインスタンス)を作成して、レイテンシ、信頼性、スループット及びモビリティに関する様々な要件を有するサービスを実行するネットワークスライシングである。
【0017】
図1の例において、ユーザ端末100は、2つの基地局106及び108に同時に接続されている(102及び104)。例えば基地局は、マクロセル106及びスモールセル108であり得る。スモールセル108は、それ自体のベースバンドを有しており、すなわちマクロ基地局106のリモート無線ヘッドではない。
【0018】
さらに、基地局は、マルチノードコントローラMNC112という中央ネットワーク要素に接続される(110)。MNCとBSとの間のインターフェース110は、Fh(「フロントホール」)といわれる。基地局は、X2インターフェースとなり得るインターフェース118を介して相互に接続し得る。
【0019】
一実施形態では、MNCは、集中型ネットワーク集線層NCSを実行する。NCSは、LTEシステムにおけるパケットデータ集線プロトコルPDCPと同様の機能(ヘッダ圧縮、暗号化、マルチ/デュアルコネクティビティ用のパケットの配信)を有する。
【0020】
MNC112内のNCSは、基地局106及び108内の無線集線サブ層RCS層と通信する。RCSは、LTEシステムにおける無線リンク制御層RLCと同様の機能を有する。それゆえ、無線リンク制御層パケットデータユニットRLCサービスデータユニットSDUにおいてパケットデータ集線プロトコルパケットデータユニットPDCP PDUがセグメント化/連結され、ARQ(自動再送要求)が実行される。メディアアクセス制御MACは、LTEと同様の機能を有し、高速ハイブリッドARQを実行し、(再送信されたRLC PDUの潜在的な再セグメント化と共に)トランスポートブロックにRCS PDUを割り当てる。基地局は、物理層PHY及び無線周波数セクションRFをさらに備える。
【0021】
ユーザ端末は基地局と同様のロジック層を備えるが、単純化のために
図1には図示しない。
【0022】
図1の例において、信頼性又は超信頼性サービスを必要とするアプリケーションは、5つのパケット(例えばIPパケット)114を生成し、MNC112のNCSエンティティは基地局106及び108によって提供される2つの利用可能なリンク上でパケットを複製することを決定する。ここで、マクロリンク102がスモールセルリンク104よりも強力であると仮定する。このことは、チャネル品質がより良好であるために、より大きなスループットが提供されることを意味する。さらに、最初の4個のパケット116は強力なリンクを素早く正しく通過するが、5個目のパケットがロスすると仮定する。
【0023】
なお、そのようなロスは、適応変調及び符号化、ハイブリッドARQ及びARQの従来の構成ではあまり起こらない。しかしながら、低レイテンシ要求は、それらのロスをより多くし得る多数の再送信を許可しないこともある。
【0024】
図1に示す状況において、パケット#5がマクロ基地局リンク102でロスした時、スモールセルリンク104はリンクのスループットがより小さいためにパケット#2でまだビジー状態にある。問題のあるパケット#5の送信がリンク104上で開始されるのにさえ多くの時間がかかることになる。なお、基地局108は、パケット#1から#4がすでに正しく受信されていることを認識していない。
【0025】
関連する問題は、(
図1の例のような6個以上のパケットを含む)より大きなバーストで発生し得る。フロー制御は、MNCと、基地局内のバッファがオーバーフローしないことを保証する各基地局との間で利用される。パケット複製では、どのバッファがフロー制御によって観察されるべきかは不明である。どのバッファもオーバーフロー可能でないことをフロー制御が考慮する場合、結果として生じるスループットは、明らかに望ましくない最弱のリンクのスループットとなる。一方、フロー制御は、いずれのバッファも空にならないように注意する場合、(最強のリンクが空のときそれらはまだビジー状態であるので)弱いリンクのバッファをオーバーフローさせることになる。
【0026】
たとえリンクの品質が同様であっても、予想されるロバスト性は得られないこともある。
図2に、リンク102及び104が同様の品質及び同様のスループットを有する他の例を示す。ただし、ここでスモールセルリンク104はNCS PDU#4よりも先にロスしているものと仮定する。端末100においてRCSを受信することはRCSセグメントのシーケンス内配信を提供しなければならないので、NCS PDU#4のすべてのRCSセグメントが正しく受信されるまでは、端末のNCSにはいかなるRCSセグメントも配信されない。したがって、RCSの再順序付けは、期待されるマクロダイバーシティゲインをも阻害する。
【0027】
上記の観点から、複製の利点を達成するのに明らかな問題がある。一実施形態では、通信システムは、信頼性を向上するためにネットワークとユーザ端末との間で複数のリンク(例えば異なる周波数、異なる無線インターフェース)を使用し、かつ情報が利用可能な複数のリンク上で複製される場合、各リンクの送信バッファは、一方のレッグ上で正しく送信された情報が他方のリンク上で破棄されるような方法で同期を維持し得る。それゆえ、基地局は、他のリンクを介してユーザ端末によって正しく受信されたNCS-PDUからセグメント化された(又は連結された)いかなるRCS又はMAC PDUの送信も停止する必要がある。これは、基地局のRCS及びMAC層内のARQ及びHARQバッファをフラッシュすることによってそれぞれ達成され得る。
【0028】
図3は、本発明の実施形態を示すフローチャートである。図は、基地局又は基地局の一部などの装置又はネットワーク要素の動作の例を示す。フローチャートのステップは、
図3に示すものとは異なる順序であってもよい。
【0029】
ステップ302において、基地局は、ユーザ端末に送信されるデータパケットを中央ネットワーク要素から受信するように構成される。中央ネットワーク要素は、例えばMNC112となり得る。
【0030】
ステップ304において、基地局は、データパケットをユーザ端末に送信する1以上の送信バッファを維持するように構成される。バッファは、それぞれ基地局のRCS又はMAC層内のARQ及びHARQバッファであり得る。
【0031】
ステップ306において、基地局は、データパケットをユーザ端末に送信するように構成される。
【0032】
ステップ308において、基地局は、1以上のデータパケットが正しく受信されたか又は正しく受信されなかったかについての情報をユーザ端末から受信するように構成される。情報は、例えばACK/NACKシグナリングの形態で受信され得る。
【0033】
ステップ310において、基地局は、受信された情報に基づいて、通信システムの他のネットワークに肯定応答情報を送信するように構成される。ネットワーク要素は、MNCなどの中央ネットワーク要素であってもよく、又は以下に説明するような他の基地局であってもよい。
【0034】
ステップ312において、基地局は、1以上のパケットが第2の対応する装置からユーザ端末に正しく送信されたという通知を受信するように構成される。第2の対応する装置は、例えば他の基地局であり得る。通知は、ユーザ端末、他方の基地局又は以下に説明するような中央ネットワーク要素から来てもよい。
【0035】
1以上の送信バッファが第2の対応する装置によって正しく送信されたパケットを備える場合、基地局はステップ314においてバッファからパケットを除去するように構成される。
【0036】
図4は、本発明の実施形態を示すフローチャートである。図は、マルチノードコントローラMNC112又はMNCの一部などの装置又はネットワーク要素の動作の例を示す。フローチャートのステップも、
図4に示すものとは異なる順序であってもよい。
【0037】
ステップ402において、装置は、ユーザ端末に送信されるデータパケットをネットワークから受信するように構成される。データは、ネットワークにおいて実行され、信頼性又は超信頼性サービスが必要なアプリケーションから発生し得る。
【0038】
ステップ404において、装置は、ユーザ端末にデータパケットを送信する少なくとも2つの基地局装置にデータパケットを送信するように構成される。基地局は、例えば異なる周波数及び/又は異なる無線インターフェースを使用してもよい。
【0039】
ステップ406において、装置は、データパケットが正しく受信されたか否かの情報を基地局装置から受信するように構成される。
【0040】
ステップ408において、装置は、同一のデータを送信するように構成された他の基地局装置に情報を送信するように構成される。
【0041】
説明したように、ユーザ端末は、各受信パケットに関するACK/NACKを送信基地局に送信する。基地局は、MNC内のNCS層にACK/NACK情報を送信するように構成される。
【0042】
一実施形態では、MNC内のNCS層は、ユーザ端末に正しく送信されたNCS PDUについて基地局又は基地局内のRCS層に通知するように構成される。
【0043】
図1の例を参照すると、最初に基地局106内のRCSは、NCS-PDUがユーザ端末100によって正しく受信されたことを検出する。基地局のRCSは、MNCのNCSに通知する。同様の手順は、すでにLTEのデュアルコネクティビティソリューションの一部となっている。
【0044】
上述のように、一実施形態において、MNCのNCSは、さらに基地局108に情報を送信する。一般に、これは従来のソリューションでは必要ではなく、さらに、そのようなACKのフローは直感的な方向に反している-通常ACKはデータソースに向けて(すなわちデータフローに対向して)送信され、ここではACKはデータシンクに向けて(すなわちデータフローと同じ方向に)送信される。
【0045】
受信された情報に応じて、基地局は、他の基地局によって正しく送信されたデータパケット(又はそのセグメント)の複製がそれ自体の送信バッファ内にあるか否かを特定するように構成される。その場合、RCS(ARQ)及びMAC(HARQ)内の送信バッファは、フラッシュされる。それ以外の場合、上記の
図1の例において、RCS及びMACは、パケット#2の残りを不必要に送信し続けることになる。代わりに、問題のあるパケット#5の送信が開始され得る。
【0046】
アーキテクチャが(現在のLTEのように)中央集中型MNCのない分散型アーキテクチャである他の実施形態では、基地局はACK/NACK情報を他の基地局に直接送信し得る。
図1の例において、基地局106は、ACK/NACK情報を基地局108に送信し、その逆もまた同様である。送信には、X2インターフェース118が利用され得る。同じように、対応するACK/NACK情報が他の基地局、例えば106から受信された場合は、基地局108のRCS及びMACバッファはフラッシュされ得る。
【0047】
他の実施形態では、ユーザ端末がNCS PDUを正しく受信する場合、正しく受信したNCS PDUについての肯定応答がすべてのリンクに送信され得る。
図1の例において、いずれの基地局がパケットを送信したかに関わらず、ACKは両方の基地局に送信される。そのようなNCS ACKシグナリング(又はLTE用語ではPDCK ACK)は現在では存在せず、
図1の場合のように複製が適用される場合を除いて通常は不要である。
【0048】
提案される送信方法に基づいて、NCK ACKがユーザ端末によって、他の基地局によって、又は中央ネットワーク要素によって送信されたかにかかわらず、オーバーヘッドに関するトレードオフは確実に存在する。すなわち、NCS ACKがより高頻度で送信されると、より多くのオーバーヘッドが(エアインターフェース上で、X2インターフェース上で又はFhインターフェース上で)システムに導入される。一方で、他のリンクがその間に既に受信した古いパケットで未だビジー状態にあり得るか、又はその間に既に受信したが肯定応答はされていないパケットのセグメントを未だ待機しているという意味では、送信される頻度が低いほどそれはより危険である。
【0049】
最も直感的かつ簡単なアプローチは、肯定応答されたすべてのNCS PDUに対して個々のNCS ACKが送信されることである。
【0050】
あるいは、オーバーヘッドが重大になる場合には、幾つかのNCS ACKが集められ、「バルク」又はグループとして送信されてもよい。これは、明らかに幾つかのシグナリングを節約するが、上記のアプローチと同程度に効果的に問題を解決するものでもない。
【0051】
リンクが均等ではない、すなわち、1つのリンクが他よりも強力であると仮定する。これは、より良好なチャネル品質を有し、そのため、より大きなスループットを提供できることを意味する。単純な近似として、弱いリンクはx倍弱いと仮定することができ、すなわちxはスループット比:
x=throughput_strong/throughput_weak
である。
【0052】
「バルク」又はグループのNCS ACKがt0毎に送信される場合、t0は所与の時刻であり、そしてより弱いリンクが(ACKが受信されなかったものに関する)「古い」パケットを送信し、他のリンクでロスしたパケットを開始するまでに、x*t0までかかることもある。
【0053】
なお、この遅延にはX2インターフェース又は他のインターフェース上の可能なレイテンシが追加され得る。
【0054】
一実施形態では、肯定応答は、RCSとNCSの間のフロー制御プロトコルのバッファサイズに対する構成可能な閾値によって、又はRCSセグメンテーション/Quality of Serviceキューのバッファサイズによってトリガされてもよい。これらの閾値は、少なくとも部分的にユーザ端末とNCS層との間の全体的なレイテンシ制約に基づいて選択され得る。
【0055】
一実施形態では、基地局は、送信バッファからのパケット除去についての情報をユーザ端末に送信するように構成される。これは、ユーザ端末が再送信を待機し続けないように必要となり得る。さらに、ユーザ端末は、RCS層における再順序付けを停止する必要があり、そうでなければ例えばパケット#2、3及び4(のセグメント)を正しく受信する前にパケット#5(のセグメント)をそのNCS層に配信することになる。
【0056】
図5Aに一実施形態を示す。図は、本発明の実施形態を適用した装置の単純化した例を示す。実施形態によっては、装置は、基地局又は基地局の一部であってもよい。
【0057】
装置は幾つかの実施形態を示す例としてここに示されることが理解されるはずである。当業者には、装置が他の機能及び/又は構造も備えてもよく、かつ説明される機能及び構造のすべては必要ではないことが明らかである。装置は一つのエンティティとして示されているが、異なるモジュール及びメモリが1以上の物理的又は論理的エンティティとして実施されてもよい。
【0058】
例示の装置は、装置の動作を少なくとも部分的に制御するように構成された制御回路500を含む。
【0059】
装置は、データを記憶するメモリ502を備え得る。さらに、メモリは、制御回路400によって実行可能なソフトウェア504を記憶し得る。メモリは、制御回路内に統合され得る。
【0060】
装置は、送受信機506を備える。送受信機は、制御回路500に動作上接続される。それは、アンテナ配置(不図示)に接続されてもよい。
【0061】
装置は、装置を他のデバイス並びに通信システムのネットワーク要素、例えば他の対応する装置及びMNCなどの中央ネットワーク要素に接続するように構成されたインターフェース回路508をさらに備え得る。インターフェースは、通信ネットワークへの有線又は無線接続を提供し得る。
【0062】
ソフトウェア504は、装置の制御回路500に、ユーザ端末に送信されるべきデータパケットをネットワーク要素から受信させ、ユーザ端末にデータパケットを送信するための1以上の送信バッファを維持させ、ユーザ端末にデータパケットを送信させ、ユーザ端末から1以上のデータパケットが正しく受信されたか否かに関する情報を受信させ、受信された情報に基づいて肯定応答情報を通信システムの他のネットワーク要素に送信させ、第2の対応する装置からユーザ端末に1以上のパケットが正しく送信されたことの通知を受信させ、1以上の送信バッファが正しく送信されたパケットを備える場合、そのパケットをバッファから除去させるのに適合されたプログラムコード手段を備えるコンピュータプログラムを備え得る。
【0063】
図5Bに一実施形態を示す。図は、本発明の実施形態を適用した装置の単純化した例を示す。実施形態によっては、装置は、MNCなどの中央ネットワーク要素又はそのような要素の一部であってもよい。
【0064】
装置は幾つかの実施形態を示す例としてここに示されることが理解されるはずである。当業者には、装置が他の機能及び/又は構造も備えてもよく、かつ説明される機能及び構造のすべては必要でないことが明らかである。装置は一つのエンティティとして示されているが、異なるモジュール及びメモリが1以上の物理的又は論理的エンティティにおいて実施されてもよい。
【0065】
例示の装置は、装置の動作の少なくとも一部を制御するように構成された制御回路520を含む。
【0066】
装置は、データを記憶するメモリ522を備え得る。さらに、メモリは、制御回路500によって実行可能なソフトウェア524を記憶し得る。メモリは、制御回路内に統合されてもよい。
【0067】
装置は、装置を通信システムの他のデバイス及びネットワーク要素に、例えば他の対応する装置及びMNCなどの中央ネットワーク要素に接続するように構成された1以上のインターフェース回路526をさらに備え得る。インターフェースは、通信ネットワークへの有線又は無線接続を提供し得る。
【0068】
ソフトウェア524は、装置の制御回路520に、ユーザ端末に送信されるデータパケットをネットワークから受信させ、ユーザ端末にデータパケットを送信するための少なくとも2つの基地局装置にデータパケットを送信させ、データパケットが正しく受信されたか否かの情報を基地局装置から受信させ、その情報を他の基地局装置に送信させるのに適合されたプログラムコード手段を備えるコンピュータプログラムを備え得る。
【0069】
図5Cに一実施形態を示す。図は、本発明の実施形態を適用した装置の単純化した例を示す。実施形態によっては、装置は、ユーザ端末、ユーザ機器又はユーザ端末の一部であってもよい。
【0070】
装置は幾つかの実施形態を示す例としてここに示されることが理解されるはずである。当業者には、装置が他の機能及び/又は構造も備えてもよく、かつ説明される機能及び構造のすべては必要でないことが明らかである。装置は一つのエンティティとして示されているが、異なるモジュール及びメモリが1以上の物理的又は論理的エンティティにおいて実施されてもよい。
【0071】
例示の装置は、装置の動作を少なくとも部分的に制御するように構成された制御回路530を含む。
【0072】
装置は、データを記憶するメモリ532を備え得る。さらに、メモリは、制御回路400によって実行可能なソフトウェア534を記憶し得る。メモリは、制御回路内に統合され得る。
【0073】
装置は、送受信機536を備える。送受信機は、制御回路530に動作上接続される。それは、アンテナ配置(不図示)に接続されてもよい。
【0074】
ソフトウェア534は、装置の制御回路530に、2以上の基地局との接続を維持させ、2以上の基地局から同じデータパケットを受信させ、全基地局に各データパケットの肯定応答を送信させ、少なくとも1つの基地局によって維持されるバッファからパケットが除去されることについての情報を少なくとも1つの基地局から受信させるのに適合されたプログラムコード手段を備えるコンピュータプログラムを備え得る。
【0075】
一実施形態では、
図6に示すように、
図5Aの装置の機能の少なくとも一部は、一つの動作可能なエンティティを構成する物理的に分離された2つのデバイス間で共有されてもよい。したがって、装置は、説明される処理の少なくとも一部を実行する物理的に分離された1以上のデバイスを備える動作上のエンティティを示すものとしてみなされ得る。したがって、
図6の装置は、共有されたアーキテクチャを利用するが、基地局に位置するリモート無線ヘッドRRH602に(例えば無線又は有線ネットワークを介して)動作上結合されるホストコンピュータ又はサーバコンピュータなどのリモート制御ユニットRCU600を備え得る。一実施形態では、説明される処理の少なくとも一部は、RCU600によって実行され得る。一実施形態では、説明される処理の少なくとも一部の実行は、RRH602及びRCU600間で共有され得る。
【0076】
一実施形態では、RCU600は、RCU600がRRH602と通信する仮想ネットワークを生成し得る。一般に、仮想ネットワーキングには、ハードウェア及びソフトウェアリソース及びネットワーク機能を単一のソフトウェアベースの管理エンティティ、仮想ネットワークに組み合わせる処理を含み得る。ネットワーク仮想化にはプラットフォーム仮想化が関連することもあり、リソース仮想化と組み合わされることが多い。ネットワーク仮想化は、多数のネットワーク又はネットワークの一部をサーバコンピュータ又はホストコンピュータ(例えばRCU)に組み合わせる外部仮想ネットワーキングとして分類され得る。外部ネットワーク仮想化は、最適化されたネットワーク共有を目標としている。他のカテゴリとしては、単一のシステム上のソフトウェアコンテナにネットワーク様の機能を提供する内部仮想ネットワーキングである。仮想ネットワーキングもまた、端末デバイスのテストに使用され得る。
【0077】
一実施形態では、仮想ネットワークは、RRHとRCUとの間の動作を柔軟に配分し得る。実際には、任意のデジタル信号処理タスクは、RRH又はRCUのいずれかで実行されてもよく、責任がRRH及びRCUの間でシフトされる境界は、実施に従って選択されてもよい。
【0078】
上記及び添付の図に記載されたステップ及び関連する機能は絶対的な時系列ではなく、幾つかのステップは同時に又は所与のステップとは異なる順序で実行されてもよい。他の機能も、ステップの間又はステップ内で実行することができる。幾つかのステップも除外されてもよく、対応するステップと置き換えられてもよい。
【0079】
上記のステップを実行可能な装置又はコントローラは、ワーキングメモリ(RAM)、中央処理装置(CPU)及びシステムクロックを備え得る電子デジタルコンピュータとして実施されてもよい。CPUは、一組のレジスタ、算術論理ユニット及びコントローラを備え得る。コントローラは、RAMからCPUに転送されたプログラム命令のシーケンスによって制御される。コントローラは、基本動作についての多数のマイクロ命令を含み得る。マイクロ命令の実施は、CPU設計によって変化し得る。プログラム命令は、C、Javaなどの高レベルプログラミング言語又は機械語、アセンブリ言語などの低レベルプログラミング言語であるプログラミング言語によって符号化され得る。電子デジタルコンピュータも、プログラム命令で記述されたコンピュータプログラムにシステムサービスを提供し得る動作システムを有していてもよい。
【0080】
この出願で使用されるように、「回路」という用語は、以下のすべてをいう:(a)アナログ及び/又はデジタル回路のみにおける実施などのハードウェアのみの回路実装、(b)(該当する場合は)(i)プロセッサの組合せ又は(ii)装置に種々の機能を実行させるように協働するデジタル信号プロセッサ、ソフトウェア及びメモリを含むプロセッサ/ソフトウェアの一部などの回路及びソフトウェア(及び/又はファームウェア)の組合せ、並びに(c)ソフトウェア又はファームウェアが物理的に存在しない場合であっても、動作のためにソフトウェア又はファームウェアを必要とするマイクロプロセッサ又はマイクロプロセッサの一部などの回路。
【0081】
この「回路」の定義は、この出願のこの用語のすべての使用に適用される。さらなる例示として、この出願で使用されるように、「回路」という用語は、単にプロセッサ(若しくは複数のプロセッサ)又はプロセッサ並びにその(若しくはそれらの)付属ソフトウェア及び/若しくはファームウェアの一部の実施も包含することになる。「回路」という用語はまた、例えば特定の要素に適用可能な場合は、携帯電話用のベースバンド集積回路若しくはアプリケーションプロセッサ集積回路又はサーバ、セルラーネットワークデバイス若しくは他のネットワークデバイスにおける同様の集積回路もカバーすることになる。
【0082】
実施形態は、電子装置に読み込まれると、上記の実施形態を実行するように装置を制御するように構成されたプログラム命令を備える、配布媒体上に具体化されたコンピュータプログラムを提供する。
【0083】
コンピュータプログラムは、ソースコード形式、オブジェクトコード形式又は一部の中間形式であってもよく、プログラムを運搬可能な任意のエンティティ又はデバイスであり得る任意の種類のキャリア内に記憶され得る。そのようなキャリアには、例えば記憶媒体、コンピュータメモリ、読み出し専用メモリ及びソフトウェア配布パッケージが含まれる。必要な処理能力に応じて、コンピュータプログラムは、単一の電子デジタルコンピュータにおいて実行されてもよいし、多数のコンピュータに分散されてもよい。
【0084】
装置は、特定用途向け集積回路ASICなどの1以上の集積回路としても実施され得る。別個の論理構成要素で構築された回路などの他のハードウェア実施形態もまた、実現可能となる。これらの異なる実施のハイブリッドも、実現可能となる。実施の方法を選択する場合、当業者は、例えば装置のサイズ及び電力消費、必要な処理容量、製造コスト並びに生産量について設定された要件を考慮することになる。
【0085】
技術の進歩につれて、本発明の概念が種々の方法で実施され得ることが、当業者には明らかとなる。本発明及びその実施形態は、上記の例示に限定されず、請求の範囲内で変更され得る。