(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】コネクタのオス型端子位置保証(TPA)デバイス、および、それを組み付ける方法
(51)【国際特許分類】
H01R 13/42 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
H01R13/42 E
H01R13/42 F
(21)【出願番号】P 2021517035
(86)(22)【出願日】2019-04-27
(86)【国際出願番号】 US2019029536
(87)【国際公開番号】W WO2020176120
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-04-11
(32)【優先日】2019-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507164434
【氏名又は名称】ジェイ.エス.ティー.コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100128912
【氏名又は名称】松岡 徹
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド デマラトス
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン ホラブ
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-326645(JP,A)
【文献】特開2006-079922(JP,A)
【文献】特開2007-188783(JP,A)
【文献】特開平10-027640(JP,A)
【文献】特開平11-307164(JP,A)
【文献】特開2018-113251(JP,A)
【文献】特開2004-288443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側ハウジングを有するオス型コネクタアセンブリのオス型端子位置保証(TPA)デバイスであって、
中央部材と該中央部材の両側に対称に設けられて対向する側部部材
とを有する上側部材であって、前記対向する側部部材は、そこからそれぞれ
下方に延在する対応する中間部材を有する、上側部材と、
前記内側ハウジング内でロック前位置または完全ロック位置にある下側部材であって、該オス型TPAデバイスを前記内側ハウジング内にロックする、下側部材と、を特徴とし、
前記中間部材は、該オス型TPAデバイスが前記内側ハウジング内で前記完全ロック位置にあるときに、対応する端子を前記内側ハウジング内にロックし、
前記内側ハウジングの少なくとも一つのアクセス孔が作用デバイスを一つの方向に受け入れ、これにより、該オス型TPAデバイスが別の方向に移動させられ、該オス型TPAデバイスが前記内側ハウジング内で前記ロック前位置または前記完全ロック位置に配置され
、
前記下側部材は、該オス型TPAデバイスを前記内側ハウジング内にロックする可撓性アーム部材を含み、
前記可撓性アーム部材は、前記下側部材を通過する細長いスロットに隣接して設けられることで、可撓性を有するように構成され、
前記上側部材は、前記中央部材と前記中央部材の両側に対称に設けられた前記対向する側部部材とを有することで、翼状の形状を有し、
前記中央部材及び前記対向する側部部材は、該オス型TPAデバイスが前記ロック前位置及び前記完全ロック位置のいずれの状態でも前記端子の外側に配置され、
前記中間部材は、該オス型TPAデバイスが前記完全ロック位置の状態で前記端子の内側に挿入される、オス型端子位置保証(TPA)デバイス。
【請求項2】
前記内側ハウジングは、該内側ハウジング内で前記端子に一次的なロックを提供するように前記端子の切り欠き部と係合するための前記内側ハウジングの下側部分から延在する突起を含むことを特徴とする、請求項1に記載のオス型TPAデバイス。
【請求項3】
前記可撓性アーム部材は、そこから延在する少なくとも突出部材または突起部材を含み、
前記内側ハウジングは、前記TPAデバイスが該内側ハウジング内で前記ロック前位置にあるときに前記可撓性アーム部材の第1の突出部材または第1の突起部材と係合する突出部材または突起部材を含むことを特徴とする、請求項
1に記載のオス型TPAデバイス。
【請求項4】
前記内側ハウジングの前記突出部材または前記突起部材は、前記TPAデバイスが該内側ハウジング内で前記完全ロック位置にあるときに、前記可撓性アーム部材の第2の突出部材または第2の突起部材と係合することを特徴とする、請求項
3に記載のオス型TPAデバイス。
【請求項5】
前記オス型TPAデバイスの端部部材は、前記TPAデバイスが前記内側ハウジング内で前記ロック前位置にあるときに、前記内側ハウジング上の対応する細長い溝内にそれぞれ収容されることを特徴とする、請求項
3に記載のオス型TPAデバイス。
【請求項6】
前記オス型TPAデバイスの端部部材は、前記TPAデバイスが前記内側ハウジング内で前記完全ロック位置にあるときに、前記内側ハウジング上の対応する細長い溝内にそれぞれ収容されることを特徴とする、請求項
3に記載のオス型TPAデバイス。
【請求項7】
前記中間部材は、前記オス型TPAデバイスが前記内側ハウジング内で前記完全ロック位置にあるときに、前記端子の対応するスロット内にそれぞれ収容され、前記内側ハウジング内で前記端子に二次的なロックを提供することを特徴とする、請求項
4に記載のオス型TPAデバイス。
【請求項8】
前記中間部材は、前記オス型TPAデバイスが前記内側ハウジング内で前記完全ロック位置にあるときに、前記端子の対応するスロット内にそれぞれ収容され、前記内側ハウジング内で前記端子に二次的なロックを提供することを特徴とする、請求項
6に記載のオス型TPAデバイス。
【請求項9】
オス型端子位置保証(TPA)デバイスをオス型内側ハウジングにおいて組み付ける方法であって、
少なくとも1つの端子を前記内側ハウジング内に挿入するとともに、前記内側ハウジング内で前記端子に一次的なロックを提供するステップと、
前記TPAデバイスを、前記内側ハウジングにその開口部を通して挿入するステップと、
前記内側ハウジング内で前記TPAデバイスのロック前位置を提供するように、前記TPAデバイスを押すステップと、
その後、前記内側ハウジング内で前記TPAデバイスの完全ロック位置を提供するように、作用デバイスを前記内側ハウジングのアクセス孔に一つの方向に挿入して前記TPAデバイスを別の方向にさらに押すステップと、
を特徴と
し、
前記TPAデバイスを前記内側ハウジング内で前記ロック前位置において押す前記ステップは、前記内側ハウジング内で延在する突出部材または突起部材と、前記TPAデバイスの可撓性アーム部材から延在する下側突出部材または下側突起部材とを係合させるステップをさらに含み、
前記可撓性アーム部材は、前記TPAデバイスを通過する細長いスロットに隣接して設けられることで、可撓性を有するように構成され、
前記TPAデバイスは、上側部材と、前記可撓性アーム部材を含むとともに前記内側ハウジング内で前記ロック前位置または前記完全ロック位置にある下側部材とを有し、
前記上側部材は、中央部材と該中央部材の両側に対称に設けられて対向する側部部材とを有することで、翼状の形状を有し、
前記対向する側部部材は、そこからそれぞれ下方に延在する対応する中間部材を有し、
前記中央部材及び前記対向する側部部材は、前記TPAデバイスが前記ロック前位置及び前記完全ロック位置のいずれの状態でも前記端子の外側に配置され、
前記中間部材は、前記TPAデバイスが前記完全ロック位置の状態で前記端子の内側に挿入されることを特徴とする、方法。
【請求項10】
前記端子を前記内側ハウジング内に挿入する前記ステップは、前記端子にある対応するスロットが、内部に、前記オス型TPAデバイスの対応する
前記中間部材を収容することを確実にするステップと、前記オス型TPAデバイスの前記中間部材が前記対応する端子の前記対応するスロット内に収容されているときに二次的なロックを前記端子に提供するステップとを含むことを特徴とする、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記二次的なロックを前記端子に提供する前記ステップは、前記端子が前記内側ハウジング内で完全にロックされていることを保証するステップを含むことを特徴とする、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記オス型TPAデバイスを前記内側ハウジング内で前記ロック前位置において押す前記ステップは、前記オス型TPAデバイスの少なくとも端部部材が前記内側ハウジングにある対応する細長い溝内に収容されるステップを含むことを特徴とする、請求項
9に記載の方法。
【請求項13】
前記オス型TPAデバイスを前記内側ハウジング内で前記完全ロック位置においてさらに押す前記ステップは、前記オス型TPAデバイスの少なくとも端部部材が前記内側ハウジングにある対応する細長い溝内に収容されるステップを含むことを特徴とする、請求項
9に記載の方法。
【請求項14】
前記オス型TPAデバイスを前記内側ハウジング内で前記完全ロック位置においてさらに押す前記ステップは、前記内側ハウジング内で延在する突出部材または突起部材と、前記オス型TPAデバイスの
前記可撓性アーム部材から延在する上側突出部材または上側突起部材とを係合させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項
9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2019年2月25日に出願された米国仮特許出願第62/810,179号に対する優先権を主張するものであり、この出願は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
オス型コネクタアセンブリにおいて、オス型内側ハウジング内で端子に一次的なロックを提供することに加えて、端子に二次的なロックをさらに提供することが望ましい。端子の二次的なロックは、(一次的なロックのみと比較して)はるかに高い保持力を提供し、また、端子がオス型内側ハウジング内でロックされたままであるというより高い保証を提供する。端子がオス型内側ハウジング内に完全に挿入または据え付けされていない場合に検出がなされることがさらに望ましく、それによって、そのような検出がされる場合は端子の二次的なロックが機能しない。
【0003】
本発明のオス型端子位置保証(TPA)デバイスは、はるかに高い保持力を提供するために必須の二次的なロック、および、端子がオス型内側ハウジング内でロックされたままであるというより高い保証を提供する。本発明のオス型TPAデバイスはまた、端子がオス型内側ハウジング内に完全に挿入または据え付けされていない場合に、必要な検出を提供し、それによって、そのような検出がされる場合は、オス型TPAデバイスによって提供される二次的なロックが生じない。すなわち、端子がオス型内側ハウジング内に完全に挿入されたこと、および、内側ハウジング内の端子の一次的なロックが生じていることが検出されると、本発明のオス型TPAデバイスは、オス型内側ハウジング内に挿入されることが可能であり、それによって、端子が内側ハウジング内でロックされたままであるというはるかに高い保証のため端子に二次的なロックを提供する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、オス型コネクタアセンブリ、好ましくは高電圧オス型コネクタアセンブリのオス型TPAデバイスに関する。本発明のオス型TPAデバイスは、対応する端子がオス型コネクタアセンブリ内に完全に挿入または据え付けされていないことを検出する場合、また同時に、その対応する端子がオス型コネクタアセンブリ内の完全にロックされた位置にない場合に、オス型コネクタアセンブリ内でロックせず、端子は、オス型TPAデバイスがオス型コネクタアセンブリ内でロックされることを阻止するかまたは防止する。
【0005】
その上、オス型TPAがオス型コネクタアセンブリ内で完全ロック位置にない場合、オス型コネクタアセンブリはさらに、メス型コネクタアセンブリと嵌合することができない。オス型TPAデバイスは、完全ロック位置にあるとき、端子をオス型コネクタアセンブリ内でロックして保持するために必要な保持力の高い保証を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1はコネクタアセンブリにおいて使用するための、本発明のオス型端子位置保証(TPA)デバイスの正面斜視図である。
【
図2】
図2は本発明のオス型TPAデバイスの側面図である。
【
図3】
図3は本発明のオス型TPAデバイスの上面図である。
【
図4】
図4は本発明のオス型TPAデバイスの正面図である。
【
図5A】
図5Aはオス型内側ハウジング内でロック前位置において嵌まっているかまたは据え付けられている、本発明のオス型TPAデバイスの斜視図である。
【
図5B】
図5Bはオス型内側ハウジング内で完全ロック位置において嵌まっているかまたは据え付けられている、本発明のオス型TPAデバイスの斜視図である。
【
図6】
図6はオス型内側ハウジング内のロック前位置におけるオス型TPAデバイスの下側部材を示す、
図5Aの断面線6-6に沿った断面図である。
【
図7】
図7はオス型内側ハウジング内の完全ロック位置におけるオス型TPAデバイスの下側部材を示す、
図5Bの断面線7-7に沿った断面図である。
【
図8】
図8はオス型内側ハウジング内でオス型TPAデバイスの下側部材が完全ロック位置にある状態の、
図7において示されているものと同様の断面図であり、オス型内側ハウジングは、オス型TPAデバイスとともに、オス型コネクタアセンブリを形成するオス型外側ハウジング内に配置されている。
【
図9】
図9はオス型内側ハウジング内の前記ロック前位置におけるオス型TPAデバイスの中間部材を示す、
図5Aの断面線9-9に沿った断面図である。
【
図10】
図10はオス型内側ハウジング内の前記完全ロック位置におけるオス型TPAデバイスの中間部材を示す、
図5Bの断面線10-10に沿った断面図である。
【
図11】
図11はオス型内側ハウジング内でオス型TPAデバイスを下降させるための作用デバイスの経路を示す、オス型TPAデバイスが完全ロック位置において内部に挿入または収容されている状態の、オス型内側ハウジングアセンブリの上面斜視図である。
【
図12】
図12はオス型内側ハウジングのみの、オス型TPAデバイスが内部に挿入されていない状態の上面図である。
【
図13】
図13は端子が内部に完全に挿入されている状態の、内側ハウジングの上面図である。
【
図14】
図14はオス型内側ハウジング内でオス型TPAデバイスを下方に押すために作用デバイスが挿通される上側アクセス孔および下側アクセス孔を示す、オス型コネクタアセンブリの正面図である。
【
図15】
図15はオス型内側ハウジング内でオス型TPAデバイスを上方に押すために作用デバイスが挿通される上側アクセス孔および下側アクセス孔を示す、オス型コネクタアセンブリの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、全体を通して参照符号1として参照される、オス型端子位置保証(TPA)デバイスの正面斜視図を示している。オス型TPAデバイス1は、上側部材3および下側部材5を含む。上側部材3は、側部10,14を有する実質的に翼状の形状を有する。下側部材5は、その前部に可撓性アーム部材18を含む。
【0008】
図2において示されているように、可撓性アーム部材18は、少なくとも突出部材または突起部材20を含む。
図2において示されている突出部材または突起部材20の数は2つであるが、2つに限定されない。2つの突出部材または突起部材20は、下側突出部材または下側突起部材21、および、上側突出部材または上側突起部材22である。下側部材5を通過する実質的に細長いスロット25が、可撓性アーム部材18に隣接して位置付けられている。可撓性アーム部材18に隣接する実質的に細長いスロット25は、可撓性アーム部材18に必要な可撓性を提供する。可撓性アーム部材18の上側前部11は、
図1において示されているように、傾斜している。また、可撓性アーム部材18の下側前部12は、
図1において示されているように、傾斜している。可撓性アーム部材18の上側の傾斜した前部11および下側の傾斜した前部12の機能または重要性は以下でさらに説明する。
【0009】
図3において示されているのは、上側部材3の側部10,14を実質的に対称なものとして示している、本発明のオス型TPAデバイス1の上面図である。同様に
図3において
示されているのは、上側部材3の側部10,14をその両側においてそれぞれ接合する、上側部材3に沿って前方から後方に横断する中央部材23である。
【0010】
上側部材3の翼状の形状は、本発明のオス型TPAデバイス1の
図4における正面図において最も良く分かる。
図4においてさらに示されているのは、側部10,14からそれぞれ実質的に下方に延在する端部部材24,26である。側部10,14から同様に実質的に下方に延在するのは、それぞれ中間部材28,29である。それぞれの中間部材28,29は、そこからそれぞれ下方に延在する対応する突起31,33を有する。後に説明するように、端部部材24,26は、オス型内側ハウジング30の上側側部74に沿ってそれぞれ位置付けられている細長い溝70,72内に収容される(
図12を参照のこと)。同様に後に説明するように、オス型TPAデバイス1の中間部材28,29は、対応する端子65の対応するスロット68内に挿入または収容される(例えば、
図9および
図10を参照のこと)。
図4はまた、可撓性アーム部材18の傾斜した上側前部11、および、可撓性アーム部材18の傾斜した下側前部12を示している。
【0011】
オス型TPAデバイス1は、
図5Aにおいて、オス型内側ハウジング30の上側部分を通過する開口部8を通して挿入されており、オス型内側ハウジング30内でロック前位置において嵌められているかまたは据え付けられているものとして示されており、一方で、
図5Bは、オス型内側ハウジング30の上側部分を通過する開口部8を通して挿入されており、オス型内側ハウジング30内で完全ロック位置において嵌められているかまたは据え付けられているオス型TPAデバイス1を示している。
図5Aおよび
図5Bのそれぞれは、オス型TPAデバイス1をオス型外側ハウジング60内に据え付けまたは挿入することを可能にするためのオス型内側ハウジング30の外面上の嵌め込み溝32,34,36を示している(
図6を参照のこと)。
【0012】
図5Aおよび
図5Bのそれぞれにおいて同様に示されているのは、上側の細長い溝40および下側の細長い溝42である。上側の細長い溝40は、実質的に半円の溝であり、オス型内側ハウジング30の前部45から、オス型TPAデバイス1に当接するその中間部分48まで延在する。同様に、下側の細長い溝42は、実質的に半円の溝であり、オス型内側ハウジング30の前部45から、オス型TPAデバイス1に当接するその中間部分48まで延在する。上側の細長い溝40および下側の細長い溝42の機能または重要性は後に説明する。
【0013】
図6は、オス型内側ハウジング3内で突出部材または突起部材50と係合している可撓性アーム部材18の突出部材または突起部材20を示す、
図5Aの線6-6に沿った断面図である。
図6において示されているように、可撓性アーム部材18の下側突出部材または下側突起部材21は、オス型TPAデバイス1の下側部材5が下方向に押されると、オス型内側ハウジング30の突出部材または突起部材50の下に向かって迂回して移動する。この時点で、下側部材5すなわちオス型TPAデバイス1は、オス型内側ハウジング30内でロック前位置になる。
【0014】
図6においてさらに示されているのは、上側溝40に沿って通る矢印であり、この上側溝40を通して、作用デバイス(図示せず)が挿入され、可撓性アーム部材18の傾斜した上側前部11に向かって押され、このとき、上記で記載したように、可撓性部材18の下側突出部材または下側突起部材21がオス型内側ハウジング30の突出部材または突起部材50の下に向かって通って移動するまで、中央部材23が下方に押され、さらに、オス型TPAデバイス1が下方に押され、それによって、下側部材5すなわちオス型TPAデバイス1は、オス型内側ハウジング30内でロック前位置になる。
【0015】
作用デバイス(図示せず)が、オス型内側ハウジング30の上側の細長い溝40に沿っ
て、可撓性アーム部材18の傾斜した上側部分11に向かってさらに挿入されて押されると(
図6の矢印を参照のこと)、オス型TPAデバイス1の中央部材23は下方にさらに押され、それによって、可撓性アーム18の上側突出部材または上側突起部材22が、内側ハウジング30の突出部材または突起部材50の下に向かって移動することで、下側部材5すなわちオス型TPAデバイス1は、オス型内側ハウジング30内で完全ロック位置になる。オス型内側ハウジング30内で完全ロック位置にある下側部材5すなわちオス型TPAデバイス1が
図7において示されている。
【0016】
図8において示されているのは、全体を通して参照符号80として参照されるオス型コネクタアセンブリであり、このオス型コネクタアセンブリにおいて、オス型TPAデバイス1はオス型内側ハウジング30内で完全ロック位置にあり、オス型内側ハウジング30はオス型外側ハウジング60内にある。
【0017】
例えば
図4を参照して上記で説明したように、オス型TPAデバイス1は、端部部材24,26が側部10,14からそれぞれ実質的に下方に延在している状態の側部10,14がある実質的に翼状の形状を有する。同様に側部10,14から実質的に下方に延在するのは、それぞれ中間部材28,29である。それぞれの中間部材28,29は、そこから下方にそれぞれ延在する対応する突起31,33を有する。
【0018】
図9において示されているように、先端部68を有する端子65が、オス型内側ハウジング30内に完全に挿入または据え付けされており、オス型TPAデバイス1の対応する中間部材28,29および対応する突起31,33が、対応する端子65の対応するスロット72内に嵌まるかまたは収容されることを可能にする。
図9において示されているように、端子65がオス型内側ハウジング30内に挿入されると、斜面状の後方縁73を有する、オス型内側ハウジング30内の下側部分において上方に延在する突起70が、端子65の下側部分にある切り欠き部72の内部に向かってスナップする。上方に延在する突起70の斜面状の後方縁73は、オス型内側ハウジング30内の下側部分において上方に延在する突起70が端子65の下側部分にある切り欠き部72内でスナップするような時点まで、端子65をオス型内側ハウジング30内に容易に挿入することを可能にし、このことは、端子65をロックし(すなわち、端子65をオス型内側ハウジング30内で一次的にロックし)、端子65がオス型内側ハウジング30から引き出されることを防止する。
【0019】
図9は、オス型内側ハウジング30内に完全に挿入された端子65を明瞭に示しており、これは、その結果として、対応する端子65の対応するスロット72を、オス型TPAデバイス1の中間部材28,29のうちの対応する1つ(突起31,33のうちの対応する1つを有する)の下に位置合わせし、それによって、例えば
図6および
図7を参照して上記で説明したように、オス型TPAデバイス1が下方に押されると、中間部材28,29のうちの対応する1つ(突起31,33のうちの対応する1つを有する)を、対応する端子65の対応するスロット72内に収容するかまたは挿入することを可能にする。
図9において示されているのは、オス型TPAデバイス1が完全ロック位置においてさらに下方に押される場合に、中間部材28,29のうちの対応する1つが、対応する端子65の対応するスロット72内に挿入されるかまたは収容される準備が整った状態の、ロック前位置にあるオス型TPAデバイス1である。
【0020】
図10において示されているのは、完全ロック位置にあるオス型TPAデバイス1である。図示のように、オス型TPAデバイス1は、オス型TPAデバイス1の中間部材28,29のうちの対応する1つが、対応する端子65の対応するスロット72内に完全に挿入されているかまたは収容されている状態で、ロック前位置(
図9を参照のこと)から完全ロック位置(
図10を参照のこと)までさらに下方に押されている。結果として、オス
型TPAデバイス1がオス型内側ハウジング30内で完全ロック位置にある状態で、端子65は、オス型内側ハウジング30から引き離すことができない(すなわち、オス型内側ハウジング30内の端子65の二次的なロック)。
【0021】
図11は、上側溝40に沿って通る矢印を示しており(
図6において同様に示されている)、この上側溝40を通して、作用デバイス(図示せず)が挿入され、可撓性アーム部材18の傾斜した上側前部11に向かって押され、このとき、上記で説明したように、オス型TPAデバイス1の中央部材23が下方に押され、さらに、TPAデバイス1が、ロック前位置に向かって下方に押され、その後、完全ロック位置に向かって押される。換言すると、
図11は、上面斜視図において、内側ハウジング30内で完全ロック位置にあるオス型TPAデバイス1を示している。
図11においてさらに示されているのは、作用デバイス(図示せず)が、内側ハウジング30の上側溝40に沿って、可撓性アーム部材18の傾斜した上側前部11に向かって通るときに通過する経路を示す矢印であり、このとき、オス型TPAデバイス1の中央部材23、さらに、オス型TPAデバイス1がロック前位置に向かって下方に押され、最終的には完全ロック位置に向かって押される。
【0022】
図12は、オス型内側ハウジング30のみの、オス型TPAデバイス1が内部に挿入されていない状態の上面図を示している。ここで見られるのは、オス型内側ハウジング30をオス型外側ハウジング60内に据え付けるかまたは挿入することを可能にするためのオス型内側ハウジング30の外面上にある嵌め込み溝32,34,36である。さらに、オス型内側ハウジング30の上側外面には、オス型内側ハウジング30の上側側部74,75に沿ってそれぞれ延在する細長い溝70,72がある。オス型TPAデバイス1が、例えば
図9および
図10を参照して上記で説明したように、ロック前位置に向かって押され、その後、最終ロック位置に向かって押されると、オス型内側ハウジング30の上側側部74に沿って延在する細長い溝70は、内部に、オス型TPAデバイスの端部部材24を収容し、一方で、オス型内側ハウジング30の上側側部74に沿って延在する細長い溝72は、内部に、オス型TPAデバイス1の端部部材26を収容する。
【0023】
図13は、端子65が内部に完全に挿入されている状態の内側ハウジング30を上面図において示している。
図13において、オス型内側ハウジング30の開口部8を通してさらに見られるのは、オス型TPAデバイス1がロック前位置および完全ロック位置においてオス型内側ハウジング30の開口部9に挿通されるときに、オス型TPAデバイス1の対応する中間部材28,29(対応する突起31,33を有する)を受け入れる準備が整った端子65のスロット72である。
【0024】
図14は、上側アクセス孔81を示すオス型コネクタアセンブリ80の正面図であり、上側アクセス孔81を通して、オス型TPAデバイス1をオス型内側ハウジング30内で下方に押すために作用デバイス(図示せず)が挿入され、一方で、
図15は、下側アクセス孔83を示すオス型コネクタアセンブリ80の正面図であり、下側アクセス孔83を通して、オス型TPAデバイス1をオス型内側ハウジング内で上方に押すために作用デバイス(図示せず)が挿入される。換言すると、
図14および
図15は、オス型内側ハウジング30の上側溝40および下側溝42によってそれぞれ提供される、オス型コネクタアセンブリ80の上側アクセス孔81および下側アクセス孔83を示しており、上側アクセス孔81および下側アクセス孔83を通して、例えば
図6および
図11を参照して上記で説明したように、作用デバイス(図示せず)が横切るかまたは通過する。
【0025】
内部で端子65の二次的なロックを提供するためにオス型TPAデバイス1をオス型内側ハウジング30内で組み付けるかまたは操作する方法を以下で記載する。端子65を内側オス型ハウジング30内に最初に挿入する。例えば、端子65のうちの1つを、斜面状の後方縁73を有する、内側ハウジング30内の下側部分において上方に延在する突起7
0が、端子65の下側部分にある切り欠き部72の内部に向かって切り欠き部72の内部にスナップするまで、オス型内側ハウジング30内に完全に挿入する。端子65は次に、一次ロック位置になり、端子65は、オス型内側ハウジング30から引き出すことができない(すなわち、オス型内側ハウジング30内の端子65の一次的なロックがこのとき有効である)。
【0026】
端子65がオス型内側ハウジング30内にロックされたままであるということを完全に保証するため、以下の付加的なステップを以下で記載する。例えば、端子65が上記で記載したように内側ハウジング30内で一次的にロックされているとき、オス型TPAデバイス1が下降してオス型内側ハウジング30の開口部8を通って入ると、端子65のスロット72は、オス型TPAデバイス1の中間部材28,29のうちの対応する1つ(突起部材31,33のうちの対応する1つを有する)を受け入れる準備が整っている。
【0027】
オス型TPAデバイス1は、オス型内側ハウジング30内で、またオス型内側ハウジング30の開口部8を通過してしまうと、作用デバイスが上側アクセス孔81内に挿入され、オス型内側ハウジング30の上方の上側の細長い溝40を通って可撓性アーム部材18の傾斜した上側部分11に向かって挿入された状態で、下方にさらに押されることができる。作用デバイスが傾斜した上側部分11に向かってさらに押されると、オス型TPAデバイス1の下側部材5が下降し、可撓性アーム部材18の下側突出部材または下側突起部材21が、オス型内側ハウジング30の突出部材または突起部材50の下に向かって迂回して移動する。そのような時点において、下側部材5すなわちオス型TPAデバイス1は、オス型内側ハウジング30内でロック前位置になる。またそのような時点において、オス型TPAデバイス1の端部部材24,26は、オス型内側ハウジング30の細長い溝70、72内にそれぞれ収容されている。
【0028】
オス型TPAデバイス1をオス型内側ハウジング30内の完全ロック位置に配置する方法を以下で記載する。オス型TPAデバイス1が作用デバイスによってさらに下降されると、可撓性アーム部材18の上側突出部材または上側突起部材22が内側ハウジング30内の突出部材または突起部材50の下へ移動するように、オス型TPAデバイス1の中央部材23が下方にさらに押され、それによって、オス型TPAデバイス1の下側部材5、および続いて、オス型TPAデバイス1は、オス型内側ハウジング30内で完全ロック位置になる。下側部材5すなわちオス型TPAデバイス1が完全ロック位置までさらに下降する間に同時に、オス型TPAデバイス1の中間部材28,29は、対応する端子65の対応するスロット72内に完全に挿入されるかまたは収容される。その結果、オス型TPAデバイス1の下側部材3すなわちオス型TPAデバイス1がオス型内側ハウジング30内の完全ロック位置にある状態で、端子65は、オス型内側ハウジング30から引き離すことができない(すなわち、オス型内側ハウジング30内の端子65の二次的なロックがこのとき有効である)。端子65の二次的なロックは、(端子65の一次的なロックのみが有効であるときと比較して)はるかに高い保持力を提供し、端子65がオス型内側ハウジング30内でロックされたままであるというより高い保証を提供する。
【0029】
オス型TPAデバイス1をオス型内側ハウジング30から取り出すことが所望される場合に、作用デバイスが下側アクセス孔83(
図14を参照のこと)内に挿入され、作用デバイスは、オス型TPAデバイス1の可撓性アーム部材18の傾斜した下側前部12に向かって押される。作用デバイスを可撓性アーム部材18の傾斜した下側前部12に向かってさらに押すことによって、オス型TPAデバイス1の下側部材5が上方に押され、それによって、可撓性アーム部材18の下側および上側の突出部材または下側および上側の突起部材21、22の係合を、オス型内側ハウジング30の突出部材または突起部材50から外す。その結果、オス型TPAデバイス1を、オス型内側ハウジング30の開口部8を通して、オス型内側ハウジング30から取り出すことができる。
【0030】
本発明は、上記で記載した実施形態に限定されず、設計、構造的な配置などにおける種々の変更を、本発明の範囲または均等物から逸脱することなく使用することができる。