(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックの安定化させるためのプロセス、プラスチック組成物、安定剤組成物、及び安定剤組成物の使用
(51)【国際特許分類】
C08J 11/04 20060101AFI20240402BHJP
C08L 23/00 20060101ALI20240402BHJP
C08K 5/00 20060101ALI20240402BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
C08J11/04 CES
C08L23/00 ZAB
C08K5/00
C08L101/00
(21)【出願番号】P 2021542450
(86)(22)【出願日】2020-01-24
(86)【国際出願番号】 EP2020051777
(87)【国際公開番号】W WO2020152337
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】102019200905.0
(32)【優先日】2019-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515230084
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツゥア フェアデルング デア アンゲヴァンドテン フォァシュング エー.ファウ.
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】プフェンダー ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】メッツェシュ-ツィリゲン エルケ
【審査官】岡部 佐知子
(56)【参考文献】
【文献】特表平08-511045(JP,A)
【文献】特表2000-506185(JP,A)
【文献】特表平10-503790(JP,A)
【文献】特表平10-503791(JP,A)
【文献】特開2012-118325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08K 3/00-13/08
C08L 1/00-101/16
C08J 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化劣化、熱劣化及び/又は光劣化に対してハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックを安定化させるためのプロセスであって、
(A)カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物を、
以下と組み合わせて
(B)少なくとも1つの一次酸化防止剤及び/又は
(C)少なくとも1つの二次酸化防止剤
アルジトールやシクリトールを使用せずに、ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックに導入
し、前記ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックを構成する樹脂は、ポリオレフィンであり、
前記カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)が、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカンジアミン、ドデカンジアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、1-ドデカンチオール、1-ヘキサダカンチオール、ポリカプロラクトン-テトラ-3-メルカプトプロピオネート、重量平均分子量1,000g/mol以上50,000g/mol以下のポリビニルアルコール、重量平均分子量1,000g/mol以上50,000g/mol以下のポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、イミダゾリジン-2-4-ジオン、及び以下の構造を有する化合物からなる群から選択され、
【化A】
少なくとも1つの前記一次酸化防止剤(B)は、フェノール系酸化防止剤、アミン類、ラクトン類、ヒドロキシルアミン類、及びそれらの混合物からなる群から選択され、ただし、前記少なくとも1つの前記一次酸化防止剤(B)には、前記カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)に該当するものは含まず、
前記少なくとも1つの二次酸化防止剤(C)が、リン化合物、有機-硫黄化合物、並びにそれらの混合物からなる群から選択され、ただし、前記少なくとも1つの前記二次酸化防止剤(C)には、前記カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)に該当するものおよび前記少なくとも1つの前記一次酸化防止剤(B)に該当するものは含まない、
プロセス。
【請求項2】
前記カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)、少なくとも1つの前記一次酸化防止剤(B)、及び少なくとも1つの前記二次酸化防止剤(C)を、前記ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックに導入することを特徴とする、
請求項
1に記載のプロセス。
【請求項3】
成分(A)を、成分(B)及び/又は成分(C)に対して、90:10~10:9
0の重量比で、ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックに導入することを特徴とする、
請求項1
または2に記載のプロセス。
【請求項4】
いずれの場合も、前記再生
熱可塑性プラスチックと成分(A)~(C)の総重量に関して、
前記カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)を0.02重量%以上3.00重量%以
下、及び
少なくとも1つの前記一次酸化防止剤(B)を0.02重量%以上3.00重量%以
下、及び/又は
少なくとも1つの前記二次酸化防止剤(C)を0.02重量%以上3.00重量%以下
、
前記ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックに導入することを特徴とする、
請求項1~
3の何れか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
固体の形で存在する成分(A)及び成分(B)及び/又は成分(C)を、固体の形で存在するハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックと混合して得られた混合物を溶融した後に冷却する;又は
固体の形で存在する成分(A)及び成分(B)及び/又は成分(C)を溶融して得られた溶融物をハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックの溶融物に導入する
ことにより、成分(A)及び成分(B)及び/又は成分(C)を前記ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックに導入することを特徴とする、
請求項1~
4の何れか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックに、以下を含む、又は以下からなり
(A)カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物、
以下と組み合わせて
(B)少なくとも1つの一次酸化防止剤及び/又は
(C)少なくとも1つの二次酸化防止剤、
アルジトールやシクリトールを含まない、
プラスチック組成物
であって、
前記ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックを構成する樹脂は、ポリオレフィンであり、
前記カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)が、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカンジアミン、ドデカンジアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、1-ドデカンチオール、1-ヘキサダカンチオール、ポリカプロラクトン-テトラ-3-メルカプトプロピオネート、重量平均分子量1,000g/mol以上50,000g/mol以下のポリビニルアルコール、重量平均分子量1,000g/mol以上50,000g/mol以下のポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、イミダゾリジン-2-4-ジオン、及び以下の構造を有する化合物からなる群から選択され、
【化B】
少なくとも1つの前記一次酸化防止剤(B)は、フェノール系酸化防止剤、アミン類、ラクトン類、ヒドロキシルアミン類、及びそれらの混合物からなる群から選択され、ただし、前記少なくとも1つの前記一次酸化防止剤(B)には、前記カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)に該当するものは含まず、
前記少なくとも1つの二次酸化防止剤(C)が、リン化合物、有機-硫黄化合物、並びにそれらの混合物からなる群から選択され、ただし、前記少なくとも1つの前記二次酸化防止剤(C)には、前記カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)に該当するものおよび前記少なくとも1つの前記一次酸化防止剤(B)に該当するものは含まない、プラスチック組成物。
【請求項7】
前記プラスチック組成物に、成分(A)は、成分(B)及び/又は成分(C)に対する重量比が90:10~10:9
0で含まれることを特徴とする、
請求項
6に記載のプラスチック組成物。
【請求項8】
いずれの場合も、前記再生
熱可塑性プラスチックと成分(A)~(C)の総重量に関して、
前記カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)を0.02重量%以上3.00重量%以
下、及び
少なくとも1つの前記一次酸化防止剤(B)を0.02重量%以上3.00重量%以
下、及び/又は
少なくとも1つの前記二次酸化防止剤(C)を0.02重量%以上3.00重量%以下
、
含まれることを特徴とする、
請求項
6又は
7に記載のプラスチック組成物。
【請求項9】
前記カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)、少なくとも1つの前記一次酸化防止剤(B)、及び少なくとも1つの前記二次酸化防止剤(C)が含まれることを特徴とする、
請求項
6~
8の何れか一項に記載のプラスチック組成物。
【請求項10】
前記プラスチック組成物は、
紫外線吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、フィラー不活性化剤、オゾン防止剤、核生成剤、核生成防止剤、強度向上剤、可塑剤、潤滑剤、レオロジー改質剤、チキソトロピー剤、鎖延長剤、光増白剤、抗菌活性
剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、カップリング剤、架橋剤、分岐剤、抗架橋剤、親水化剤、疎水化剤、接着剤、分散剤、相溶化剤、酸素捕捉剤、酸捕捉剤、膨張剤、分解添加剤、消泡剤、消臭剤、マーキング剤、防曇剤、電気伝導性及び/又は熱伝導性を増大させるための添加剤、赤外線吸収剤又は赤外線反射剤、光沢向上剤、艶消し剤、防虫剤、充填剤、補強剤、及びこれらの混合物
からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含むことを特徴とする、
請求項
6~
9の何れか一項に記載のプラスチック組成物。
【請求項11】
a)酸捕捉剤
、
b)光安定剤
、
c)分散剤
、
d)フィラー不活性化剤、及び
e)それらの混合物
からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含むことを特徴とする、
請求項
6~
10の何れか一項に記載のプラスチック組成物。
【請求項12】
前記プラスチック組成物は、請求項1~
5の何れか一項に記載のプロセスによって製造可能であることを特徴とする、
請求項
6~
11の何れか一項に記載のプラスチック組成物。
【請求項13】
請求項
6~
12の何れか一項に記載のプラスチック組成物から製造可能な成形化合物又は成形部品であって
、射出成形品、フォイル、フィルム、ラッカー、コーティング、発泡体、繊維、ケーブル、チューブ、外殻(profiles)、中空体、リボン、膜
、潤滑剤、着色剤、及び/又は接着剤の形態で、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー加工、プレス加工、スピニング加工及び/又は回転成形の方法で製造される
、電気産業、建設産業、輸送産業、医療用途、家電製品、車両部品、消費者製品、包装、家具、及び繊維製品のためのものである、
成形化合物又は成形部品。
【請求項14】
ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックを酸化劣化、熱劣化及び/又は光劣化に対して安定化させるための安定剤組成物であって、
(A)カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物、
以下と組み合わせて
(B)少なくとも1つの一次酸化防止剤及び/又は
(C)少なくとも1つの二次酸化防止剤
からなり、
前記安定剤組成物は、アルジトール及びシクリトールを含ま
ず、
前記ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックを構成する樹脂は、ポリオレフィンであり、
前記カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)が、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカンジアミン、ドデカンジアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、1-ドデカンチオール、1-ヘキサダカンチオール、ポリカプロラクトン-テトラ-3-メルカプトプロピオネート、重量平均分子量1,000g/mol以上50,000g/mol以下のポリビニルアルコール、重量平均分子量1,000g/mol以上50,000g/mol以下のポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、イミダゾリジン-2-4-ジオン、及び以下の構造を有する化合物からなる群から選択され、
【化C】
少なくとも1つの前記一次酸化防止剤(B)は、フェノール系酸化防止剤、アミン類、ラクトン類、ヒドロキシルアミン類、及びそれらの混合物からなる群から選択され、ただし、前記少なくとも1つの前記一次酸化防止剤(B)には、前記カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)に該当するものは含まず、
前記少なくとも1つの二次酸化防止剤(C)が、リン化合物、有機-硫黄化合物、並びにそれらの混合物からなる群から選択され、ただし、前記少なくとも1つの前記二次酸化防止剤(C)には、前記カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)に該当するものおよび前記少なくとも1つの前記一次酸化防止剤(B)に該当するものは含まない、
安定剤組成物。
【請求項15】
前記
安定剤組成物に、成分(A)は、成分(B)及び/又は成分(C)に対する重量比が90:10~10:9
0で含まれることを特徴とする、
請求項
14に記載の安定剤組成物。
【請求項16】
前記安定剤組成物は、前記カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)、少なくとも1つの前記一次酸化防止剤(B)、及び少なくとも1つの前記二次酸化防止剤(C)を含むことを特徴とする、
請求項
14又は
15に記載の安定剤組成物。
【請求項17】
前記安定剤組成物は、
(A)アルジトール及びシクリトールを含まない、
10.00重量%以上
90.00重量%以
下のカルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物
以下と組み合わせて
(B)10.00重量%以上90.00重量%以
下の少なくとも1つの一次酸化防止剤及び/又は
(C)10.00重量%以上90.00重量%以
下の少なくとも1つの二次酸化防止剤
からなる、
請求項
15又は16に記載の安定剤組成物。
【請求項18】
ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックを酸化劣化、熱劣化及び/又は光劣化に対して安定化させるための、請求項
15~
17のいずれか一項に記載の安定剤組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックを酸化劣化、熱劣化及び/又は光劣化に対して安定化させるプロセスに関する。本発明の主題は、同様に安定化されたプラスチック組成物、ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックを安定化するための安定剤組成物、及びそれらの使用である。
【背景技術】
【0002】
プラスチックのリサイクルは、成長市場であり、天然資源のリサイクル管理における重要な要素であり、理想的には、同一又は少なくとも同等の特性プロファイルを有する新生プラスチックの代替を意図している。しかしながら、プラスチック部品の製造工程からの再生物(いわゆる「ポストインダストリアル(postindustrial)」再生物)、及びとりわけ廃プラスチック(いわゆる「ポストコンシューマ(postconsumer)」再生物)では、最初の処理段階(例えば、配合、射出成形)及び使用(例えば、R. Pfaendner et al., Angew. Makromol. Chemie 1995, 232, 193-227, J. Pospisil et al., Pol. Degr. Stab. 1995, 48, 351-358参照)において、長年にわたって不可逆なメカノケミカル、ケミカル、又は光誘起プロセスにより、ポリマー鎖に変化がしばしば生じる。一般に自動酸化と呼ばれる、酸素存在下でのラジカル反応によって、ポリマー鎖中に新しい化学基が生成され、及び/又はポリマーの組成が分子レベルで変化する。老化プロセスで生成される基は、ここでは、カルボニル基、アルデヒド基、又は酸基であることが多く、特にポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィンである。これらの新たに形成された基の濃度は、使用の長さ及び使用される領域(紫外線、高温、接触媒体)に応じて増加する。再生物の構造的不均一性は、機械的性質のような塑性特性に影響する。このことは、再生プラスチック又は損傷前のプラスチックは、劣化による生成物がさらなる酸化の開始部位として、又は前駆物質として働くため、新しい材料よりも酸化に敏感であることにも適用される(A. S. Maxwell, Pol. Eng. Sci. 2008, 381-385, , I. H. Craig, J. R. White, J. Mater.. Sci. 2006, 41, 993-1006)。酸化防止剤のような選択された安定剤によるポストスタビライゼーション(Post-stabilization)は、再生プラスチックの品質改善を達成するための重要な方法である。安定剤は、再生物をさらなる酸化(又は光酸化)損傷から保護するため、少なくともそれを遅延させるため、用いられている。再生物と新製品の上記の構造の違いにより、再生物のために最適化された安定剤組成物も新製品の安定剤組成物とは異なる(例えば、R. Pfaendner, Kunststoffe International 12/2015, 41-44参照)。
【0003】
現在では、新生プラスチック製品と再生プラスチック製品との違いが認識されているため、特殊な再生物安定剤組成物が知られるようになり、市販製品(例えば、BYK-ChemieGmbH、Bensheim社のRecyclostab製品)としても入手可能である。再生物の要求を考慮した既知の技術的な安定化の解決策は、例えば、以下の特許/特許出願に記載されている。
フェノール系酸化防止剤、亜リン酸塩、及び脂肪酸塩からなる安定剤組成物(欧州特許出願公開第0662101号明細書)。
フェノール系酸化防止剤、亜リン酸塩、及び酸化カルシウム等の金属酸化物からなる安定剤組成物(米国特許第6,525,158号明細書、米国特許6,251,972号明細書)。
フェノール系酸化防止剤及び多官能性エポキシドからなる安定剤組成物(欧州特許出願公開第0702704号明細書)。
大環状ピペリジンによる安定化(米国特許出願公開第5,789,470号明細書)。
第二級芳香族アミン及び多官能性エポキシドからなる安定剤組成物(国際公開第97/30112号)。
ヒドロキシルアミンによる損傷ポリオレフィンの変色(欧州特許出願公開第0470048号明細書)。
再生フィルム用の、酸化防止剤、潤滑剤、ブロッキング防止剤、紫外線安定剤、帯電防止剤の混合物(旧東ドイツ国経済特許第288161号明細書)。
フェノール系酸化防止剤及び亜リン酸塩/ホスホナイトからなる、混合プラスチック用安定剤組成物(欧州特許出願公開第0506614号明細書)。
【0004】
再生物のポストスタビライゼーションのための既知の解決策にもかかわらず、本発明に係る組成物を用いて得られる、特に高性能で、環境に優しく、安価な、再生物のための安定剤組成物に対する需要が依然として存在する。
【0005】
従来の再生物安定剤(上記参照)は、新生プラスチックの安定剤を改良したものであり、これらの組合せのいずれも、老化/酸化で頻繁に生じるカルボニル基との相互作用又は反応を可能にするものではない。従って、本発明は、再生プラスチックの安定化における新しいアプローチを開示する。
【0006】
国際公開第97/30112号には、第二級芳香族アミン及び多官能性エキソキシドからなる安定化組成物が記載されている。しかし、これらは(半)芳香族アミンであり、脂肪族アミンではない。欧州特許出願公開第0470048号明細書(付録、ヒドロキシルアミンによる損傷ポリオレフィンの変色を参照)もある。これに言及されたヒドロキシルアミン類は、フリーのOH基を有しているので、フリーのアミノ基を含む、言及されたヒドロキシルアミンエーテル類又はヒドロキシルアミンエステル類とは構造的に異なる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の課題は、ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックを安定化するための手段及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、安定化させるプロセスに関しては請求項1に記載の特徴によって、安定化された再生プラスチック組成物に関しては請求項11に記載の特徴によって、安定剤組成物に関しては請求項20に記載の特徴によって、そして、安定剤組成物の使用に関しては請求項24に記載の特徴によって解決される。それぞれの従属請求項は、有利な更なる発展を表している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
このように、本発明の主題の第1の態様は、酸化劣化、熱劣化及び/又は光劣化に対してハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックを安定化させるためのプロセスであって、
(A)カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物を、
以下と組み合わせて
(B)少なくとも1つの一次酸化防止剤及び/又は
(C)少なくとも1つの二次酸化防止剤
アルジトールやシクリトールを使用せずに、ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックに導入する、
プロセスである。
【0010】
驚くべきことに、再生プラスチック中に存在するカルボニル基と反応できる化合物は、当該再生プラスチックを酸化劣化、熱劣化及び/又は光劣化から効果的に保護する高い可能性を有することが見出された。
【0011】
好ましい実施形態によれば、前記カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物は、第一級脂肪族アミン、第二級脂肪族アミン、チオール、ヒドロキシルアミンエーテル、ヒドロキシルアミンエステル、ヒドラジン、ポリビニルアルコール等の脂肪族炭素に結合したアルコール基を有するオリゴマー又はポリマー、及び酢酸ビニルとのそれらのコポリマー、又はポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、ヒダントイン、及びチオヒダントインを含む群から選択される。
【0012】
脂肪族炭素に結合したアルコール基を有するオリゴマー/ポリマーの例としては、例えば、以下に示す構造を有する化合物が挙げられる。
【0013】
【0014】
上記化合物に関する指標nは、1以上10以下であることが好ましい。
【0015】
好ましくは、前記カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物が、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカンジアミン、ドデカンジアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、1-ドデカンチオール、1-ヘキサダカンチオール、ポリカプロラクトン-テトラ-3-メルカプトプロピオネート、重量平均分子量1,000g/mol以上50,000g/mol以下のポリビニルアルコール、重量平均分子量1,000g/mol以上50,000g/mol以下のポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、イミダゾリジン-2-4-ジオン、及び以下の構造を有する化合物からなる群から選択される。
【0016】
【0017】
本発明によれば、再生プラスチックは、標準DI NEN15347:2007に従った用語の定義による再生物として理解される。さらに、多くの種類の再生プラスチックに関連する国際基準が存在する。DIN EN15353:2007は、例えば、PETプラスチックの再生物に関連している。DIN EN15342:2008には、再生PSの詳細について記載されている。再生PEは、DIN EN15344:2008で処理される。再生PPは、DIN EN15345:2008に記載されている。当該特定の再生プラスチック材料の目的のため、本発明はこれらの国際基準の定義を組み込んでいる。
【0018】
新生プラスチックとは異なり、再生プラスチックでは、通常、酸化又は(光)酸化プロセスによってポリマー鎖上に新しい化学基が生成されるプレダメージ(pre-damage)がある。ポリオレフィンの場合、これらは、例えば、新規生成物には存在しないか、又は非常に従属的な程度でしか存在しないカルボニル基である。したがって、カルボニル基の濃度は、同時にポリマーのプレダメージの尺度でもある。カルボニル基の濃度は、E.Richaudetal.Pol.Degr.Stab.2009,94,410-420に記載されているような赤外分光法等の公知の分析方法に従って決定することができる。この場合、1720cm-1の領域でのカルボニル振動の吸収が測定される。
【0019】
本発明において「ハロゲンフリー」は、熱可塑性プラスチックがPVC又はPVDC等のハロゲン化ポリマーを1%未満含有すると理解されるべきである。ハロゲンフリー熱可塑性プラスチックは、好ましくは0.5%未満、特に好ましくは0.1%未満のハロゲン化ポリマーを含有する。ハロゲンフリー熱可塑性プラスチックは、さらに好ましくは、ハロゲン化ポリマーを全く含有しない。
【0020】
本発明に係るプロセスでは、カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(成分(A))を、少なくとも1つの一次酸化防止剤(成分(B))及び/又は少なくとも1つの二次酸化防止剤(成分(C))と組み合わせて、ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックに導入する。ここで、成分(A)~(C)は、別々に又は独立して再生プラスチックに導入されてもよい。また、成分(A)~(C)を含有する組成物として、又は成分(A)~(C)を含有する組成物として、成分(A)~(C)を一緒に再生プラスチックに導入してもよい。
【0021】
少なくとも1つの一次酸化防止剤及び少なくとも1つの二次酸化防止剤が使用される場合、それらはまた、別々に、又は互いに独立して、又は混合物の形態で一緒に、再生プラスチックに導入されてもよい。
【0022】
本発明に従って使用される成分(A)は、成分(A)に加えて使用される成分(B)及び/又は成分(C)と組み合わせて、ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックの安定剤として一緒に作用し、ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックの酸化劣化、熱劣化及び/又は光劣化が阻害又は防止される。換言すれば、ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックへの成分(A)の導入、及び任意選択的な成分(B)の追加により、プラスチックは酸化劣化、熱劣化及び/又は光劣化に対して安定化される。
【0023】
本発明に係るプロセスで使用されるハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックは、再生ポリオレフィン、例えば再生ポリプロピレン又は再生ポリエチレンであることが好ましい。
【0024】
本発明に係る組成物は、さらに、予め損傷を受けた再生物、特に、赤外スペクトルの吸収によって決定されるカルボニル基含有量が少なくとも0.01mol/kg、好ましくは0.02mol/kgよりも大きく、特に好ましくは0.05mol/kgよりも大きいカルボニル基含有量を有する再生ポリオレフィンを安定化するのに特に適している。
【0025】
好ましい態様において、少なくとも1つの一次酸化防止剤(B)は、フェノール系酸化防止剤、アミン、ラクトン、及びそれらの混合物を含む群から選択される。
【0026】
例えば、以下に示すフェノール系酸化防止剤として用いることができる。
【0027】
アルキル化されたモノフェノール類、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、直鎖状又は分岐状のノニルフェノール、例えば2,6-ジノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルウンデック-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルヘプタデック-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルトリデック-1’-イル)フェノール及びこれらの混合物;
【0028】
2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノール、2,6-ジドデシルチオメチル-4-ノニルフェノール等のアルキルチオメチルフェノール;
【0029】
ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルオキシフェノール2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレートビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジペート;
【0030】
α-、β-、γ-、δ-トコフェロール及びこれらの混合物(ビタミンE)等のトコフェロール;
【0031】
2,2'-チオビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2'-チオビス(4-オクチルフェノール)、4,4'-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4,4'-チオビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4'-チオビス(3,6-ジ-sec-アミルフェノール)、4,4'-ビス(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ジスルフィド等の水酸化チオジフェニルエーテル;
【0032】
アルキリデンビスフェノール類、例えば、2,2'メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール)、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2'-メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2'-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4'-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、4,4'-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-n-ドデシルメルカプタン、エチレングリコール-ビス[3,3-ビス(3'-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5-テトラ(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタン;
【0033】
3,5,3'、5'-tetra-tert-ブチル-4,4'-ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)ジチオテレフタル酸、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル-3,5-di-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート等のO-、N-及びS-ベンジル化合物;
【0034】
ジオクタデシル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)マロン酸塩、ジオクタデシル-2-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)マロン酸塩ジドデシルメルカプトエチル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロン酸塩、ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロン酸塩等のヒドロキシベンジル化マロン酸塩;
【0035】
1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール等の芳香族ヒドロキシベンジル化合物;
【0036】
2,4-ビス(オクチルメルカプト)-6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,3,5トリアジン、2,4,6トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,2,3トリアジン、1,3,5トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1,3,5トリアジン、1,3,5トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ-1,3,5トリアジン、1,3,5トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等のトリアジン化合物;
【0037】
ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル-2、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホナート、ジエチル-3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホナート、ジオクタデシル-3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホナート、ジオクタデシル-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホナート、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩;
【0038】
4-ヒドロキシラウラアニリド、4-ヒドロキシステアラニリド、オクチル-N-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバメート等のアシルアミノフェノール;
【0039】
β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-リン-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル;
【0040】
β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と、一価又は多価のアルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-フォスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンタンとのエステル;
【0041】
β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価又は多価のアルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-フォスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル;
【0042】
β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸と、一価又は多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-フォスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル;
【0043】
β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’ビス[2-(3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Addivant社が販売するNaugard(登録商標)XL-1);
【0044】
アスコルビン酸(ビタミンC)
【0045】
特に好ましいフェノール系酸化防止剤は、以下の構造である。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
特に好ましいフェノール系酸化防止剤は、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、及びペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)である。
【0052】
さらに好ましいフェノール系酸化防止剤は、トコフェロール(ビタミンE)、トコトリエノール、トコモノエノール、カロテノイド、ヒドロキシチロソール、クリシン等のフラボノール、ケルセチン、ヘスペリジン、ネヘスペリジン、ナリンギン、モリン、カンファー油、フィセチン、デルフィニジン及びマルビジン等のアントシアニン、クルクミン、カルノシン酸、カルノソール、ローズマリン酸、タンニン及びレスベラトロール等の持続可能な天然資源に基づくフェノール系酸化防止剤である。
【0053】
フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリトール-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、又はオクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを一次酸化防止剤として用いることが特に好ましい。
【0054】
例えば、アミン酸化防止剤として以下を使用することができる。
【0055】
N,N'-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N'-ジメチル-N,N'-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p'-ジ-tert-オクチルジフェニルアミン、4-n-ブチルアミノフェノール、4-ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4-メトキシフェニル)アミン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチル-フェノール、2,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジ-アミノジフェニルメタン、N,N,N',N'-テトラメチル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス[(2-メチル-フェニル)アミノ]エタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアニド、ビス[4-(1',3'-ジメチルブチル)-フェニル]アミン、tert-オクチル化N-フェニル-1-ナフチルアミン、モノ及びジアルキル化されたtert-ブチル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化されたノニルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化されたドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化されたイソプロピル/イソヘキシル-ジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化されたtert-ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-4H-1,4-ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ及びジアルキル化されたtert-ブチル/tert-オクチルフェノチアジンの混合物、モノ及びジアルキル化されたtert-オクチルフェノチアジンの混合物、N-アリルフェノチアジン、N,N,N',N'-テトラフェニル-1,4-ジアミノブト-2-エン、及びこれらの混合物又は組み合わせ。
【0056】
好ましいアミン酸化防止剤は以下の通りである。
【0057】
N,N'-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン。
【0058】
さらに好ましいアミン系酸化防止剤は、以下の式に従って、ヒドロキシルアミン又はN-オキシド(ニトロン)、例えば、N,N-ジアルキルヒドロキシルアミン、N,N-ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N-ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N-ジステアリルヒドロキシルアミン、N-ベンジル-α-フェニルニトロン、N-オクタデシル-α-ヘキサデシルニトロン、及びGenoxEP(Addivant社により市販されている)である。
【0059】
【0060】
好ましいラクトンは以下の通りである。
【0061】
ベンゾフラノン類及びインドリノン類、例えば、3-(4-(2-アセトキシエトキシ)フェニル]-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-[4-(2-ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン-2-オン、3,3'-ビス[5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)ベンゾフラン-2-オン]、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-エトキシフェニル)ベンゾフラン-2-オン、3-(4-アセトキシ-3,5-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、3-(3,5-ジメチル-4-ピバロイルオキシフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、3-(3,4-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、3-(2,3-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、及びさらに以下に示すホスファイト基を有するラクトン類。
【0062】
【0063】
酸化防止剤のさらなる好適な群は、イソインドロール[2、1-A]キナゾニルであり、例えば、
【0064】
【0065】
本発明に係るプロセスのさらに好ましい変形例は、少なくとも1つの二次酸化防止剤が、リン化合物、特にホスファイト及びホスホナイト、有機-硫黄化合物、特にスルフィド及びジスルフィド、ならびにそれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする。
【0066】
例えば、次のものをホスファイト又はホスホナイトとして用いることができる。
【0067】
トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス-(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリス(tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト)、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4'-ビフェニルエンジホスホナイト、6-イソオクチルオキシ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12H-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、6-フルオロ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12-メチル-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、2,2'2”-ニトリロ[トリエチルトリス(3,3",5,5'-テトラ-tert-ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト]、2-エチルヘキシル(3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2’-ジイル))ホスファイト、5-ブチル-5-エチル-2-(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノキシ)-1,3,2-ジオキサホスフィラン。
【0068】
特に好ましいホスファイト/ホスホナイトは以下の通りである。
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
二次酸化防止剤としては、亜リン酸トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトが特に好ましい。
【0073】
好ましい硫黄化合物は以下の通りである。
【0074】
ジステアリルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート;ジトリデシルジチオプロピオネート、ジテトラデシルチオジプロピオネート、3-(ドデシルチオ)-1,1'-[2,2-ビス[[3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]プロパン酸エステル。
【0075】
以下の構造を有する硫黄化合物が特に好ましい。
【0076】
【0077】
一次及び二次酸化防止剤の両方を使用する場合、成分(B)(一次酸化防止剤)がフェノール系酸化防止剤であり、成分(C)(二次酸化防止剤)がホスファイト又はホスホナイトであることが好ましい。
【0078】
さらに好ましい態様において、成分(B)及び(C)は、持続可能な天然資源を含む。
【0079】
本発明に係るプロセスのさらに好ましい変形例によれば、成分(A)は、成分(B)及び/又は成分(C)に対して、90:10~10:90、好ましくは80:20~20:80、特に好ましくは60:40~40:60の重量比で、ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックに導入される。
【0080】
さらに、何れの場合も、再生プラスチックと成分(A)~(C)の総重量に関して、カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)が0.02重量%以上3.00重量%以下、好ましくは0.03重量%以上1.00重量%以下、特に好ましくは0.02重量%以上0.50重量%以下、さらに好ましくは0.10重量%以上0.30重量%以下、及び少なくとも1つの一次酸化防止剤(B)が0.02重量%以上3.00重量%以下、好ましくは0.03重量%以上1.00重量%以下、特に好ましくは0.02重量%以上0.50重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以上0.20重量%以下、及び/又は少なくとも1つの二次酸化防止剤(C)が0.02重量%以上3.00重量%以下、好ましくは0.03重量%以上1.00重量%以下、特に好ましくは0.02重量%以上0.50重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以上0.20重量%以下、ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックに導入されることが好ましい。
【0081】
そして、成分(A)及び(B)及び/又は(C)をハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックに導入することができ、固体の形で存在する成分(A)及び(B)及び/又は(C)を、固体の形で存在するハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックと混合して得られた混合物を溶融した後に冷却する、あるいは、固体の形で存在する成分(A)及び(B)及び/又は(C)を溶融して得られた溶融物をハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックの溶融物に導入する。
【0082】
成分(A)及び(B)及び/又は(C)は、粉末、圧縮され、ペレット、溶液又はフレークであってもよく、好ましくは、安定化のためのポリマーと混合され、ポリマーマトリックスは、溶融され、次いで冷却される。これに代えて、溶融状態の溶融ポリマーに添加剤を導入してもよい。
【0083】
ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックは、好ましくは、以下を含む群から選択される。
【0084】
a)オレフィン又はジオレフィンの再生ポリマー、例えばポリエチレン、特にLDPE、LLDPE、VLDPE、ULDPE、MDPE、HDPE、及びUHMWPE、メタロセンPE(m-PE)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ-4-メチル-ペンテン-1、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリシクロオクテン、ポリアルキレン-一酸化炭素コポリマー、並びにランダム構造又はブロック構造の対応するコポリマー、例えばポリプロピレン-ポリエチレン(EP)、EPM又はEPDM、エチレン-酢酸ビニル(EVA)、エチレン-アクリル酸エステル、例えばエチレンブチルアクリレート、エチレン-アクリル酸グリシジルアクリレート、及び対応するグラフトポリマー、例えばポリプロピレン無水マレイン酸、ポリプロピレン-g-アクリル酸、及びポリエチレン-g-アクリル酸、
【0085】
b)再生ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルナフタレン、スチレンブタジエン(SB)、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレン、スチレンイソプレン、スチレンイソプレンスチレン(SIS)、スチレンブタジエンアクリロニトリル(ABS)、スチレンアクリロニトリルアクリレート(ASA)、スチレンエチレン、スチレン-無水マレイン酸ポリマー(対応するグラフトコポリマー、例えばブタジエン上のスチレン、SBS又はSEBS上の無水マレイン酸、並びにメチルメタクリレート、スチレンブタジエン、及びABS(MABS)のグラフトコポリマーを含む
【0086】
c)ポリアクリレート等の不飽和エステル及びポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリアウリルアクリレート、ポリステアリルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル-ポリアルキルアクリレート等のコポリマー等の再生ポリマー
【0087】
d)ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール等の不飽和アルコール及びその誘導体の再生ポリマー
【0088】
e)ポリオキシメチレン(POM)等の再生ポリ酢酸、及びブタナールとのコポリマー等の対応するコポリマー、
【0089】
f)再生ポリフェニレンオキシド及びそのポリスチレン又はポリアミドとの混合物
【0090】
g)環状エーテルの再生ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド
【0091】
h)ヒドロキシ末端ポリエーテル又はポリエステル及び芳香族又は脂肪族イソシネートの再生ポリウレタン、特に直鎖状ポリウレタン、ポリウレア
【0092】
i)例えば、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸及び脂肪族ジアミンから、又はアジピン酸又はセバシン酸のような脂肪族ジカルボン酸及び1,4-又は1,3-ジアミノベンゾールのような芳香族ジアミンから調製された再生ポリアミド、例えば、ポリアミド-6、6.6、6.10、4.6、4.10、6.12、12.12、ポリアミド11、ポリアミド12、及びポリフタルアミド等の(半)芳香族ポリアミド
【0093】
j)再生ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリ(エーテル)ケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミドアゾール、ポリヒダントイン
【0094】
k)脂肪族又は芳香族ジカルボン酸及びジオールの、又はヒドロキシカルボン酸の再生ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフチレート、ポリ-1,4-ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシ安息香酸、ポリヒドロキシナフタレート、ポリ乳酸
【0095】
l)再生ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、及びそれらの混合物、例えばPC/ABS、PC/PBT、PC/PET/PBT、
【0096】
m)再生セルロース誘導体、例えば硝酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース
【0097】
n)又は2つ以上の上記ポリマーの混合物、組合せ又は混合物。
【0098】
更なる成分がハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックに添加される場合には、これらの成分は、別々に、液体、粉末、ペレット、又は圧縮生成物の形態で、又は上記のような本発明に係る添加剤組成物と共に、ポリマーに添加されてもよい。
【0099】
以下からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤が、ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックにさらに導入されることが好ましい。紫外線吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、フィラー不活性化剤、オゾン劣化防止剤、核生成剤、核生成防止剤、強度向上剤、可塑剤、潤滑剤、レオロジー改質剤、チキソトロピー剤、鎖延長剤、光増白剤、抗菌活性剤(例えば殺生物剤)、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、カップリング剤、架橋剤、分岐剤、抗架橋剤、親水化剤、疎水化剤、接着剤、分散剤、相溶化剤、酸素捕捉剤、酸捕捉剤、膨張剤、分解添加剤、消泡剤、消臭剤、マーキング剤、防曇剤、電気伝導性及び/又は熱伝導性を増大させるための添加剤、赤外線吸収剤又は赤外線反射剤、光沢向上剤、艶消し剤、防虫剤、充填剤、補強剤、及びこれらの混合物。
【0100】
さらに、以下からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤が、ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックに追加的に導入されることが好ましい。
a)酸捕捉剤、好ましくはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアロイル-2-乳酸カルシウム、ハイドロタルサイト、特にアルミニウム、マグネシウム及び亜鉛を主成分とする合成ハイドロタルサイト、ハイドロカルマイト、ゼオライト、アルカリ土類酸化物、特に酸化カルシウム及び酸化マグネシウム、アルカリ土類炭酸塩、特に炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びドロマイト、及び水酸化物、特にブルーサイト
b)光安定剤、好ましくはヒンダードアミン類の光安定剤、
c)分散剤
d)フィラー不活性化剤、及びそれらの混合物
【0101】
適切な光安定剤は、例えば、2-(2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシベンゾフェノン、安息香酸のエステル、アクリレート、オキサミド、及び2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジンをベースにした化合物である。
【0102】
適切な2-(2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールは、例えば、2-(2'-ヒドロキシ-5'メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(5'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-tert-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3'-sec-ブチル-5'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-4'-オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-tert-アミル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-オクチルオキシ-カルボニルエチル)フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-5'-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2'-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-5'-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-ドデシル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2'-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-ベンゾトリアゾール-2-イルフェノール];等、2-[3'-tert-ブチル-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)-2'-ヒドロキシフェニル]-2H-ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコール300によるトランスエステル化の生成物;[R-CH2CH2-COO-CH2CH2-]-2、ここで、R=3'-tert-ブチル-4'-ヒドロキシ-5'-2H-ベンゾトリアゾール-2-イルフェニル、2-[2'-ヒドロキシ-3'-(α,α-ジメチルベンジル)-5'-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-3'-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-5'-(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾールである。
【0103】
適切な2-ヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば、4-ヒドロキシ-、4-メトキシ-、4-オクチルオキシ-、4-デシルオキシ-4-ドデシルオキシ、4-ベンジルオキシ、4,2',4'-トリヒドロキシ-及び2'-ヒドロキシ-4,4'-ジメチルオキシ等の2-ヒドロキシベンゾフェノンの誘導体が挙げられる。
【0104】
好適なアクリレートとしては、例えば、エチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、イソオクチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチル-α-カルボメトキシシンナメート、メチル-α-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、ブチル-α-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、メチル-α-カルボメトキシ-p-メトキシシンナメート及びN-(β-カルボメトキシ-β-シアノビニル)-2-メチルインドリン等が挙げられる。
【0105】
適切な安息香酸のエステルとしては、例えば、サリチル酸4-tert-ブチルフェニル、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチルフェニル、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4-tert-ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-メチル-4,6-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
【0106】
適切なオキサミドとしては、例えば、4,4'-ジオクチルオキシオキサニリド、2,2'-ジエトキシオキサニリド、2,2'-ジオクチルオキシ-5,5'-ジ-tert-ブトキサニリド、2,2'-ジドデシルオキシ-5,5'-ジ-tert-ブトキサニリド、2-エトキシ-2'-エチルオキサニリド、N,N'-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2-エトキシ-5-tert-ブチル-2'-エトキシアニリド、及びその2-エトキシ-2'-エチル-5,4'-ジ-tert-ブトキサニリドとの混合物、o-及びp-メトキシ-二置換オキサニリドの混合物、o-及びp-エトキシ-二置換オキサニリドの混合物である。
【0107】
適切な2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5トリアジンとしては、例えば、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-プロピルオキシフェニル)-6-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(4-メチルフェニル-1,3,5-トリアジン)、2-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-トリデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ブチルオキシプロポキシ)-フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ)-フェニル-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジン、2-{2-ヒドロキシ-4-[3-(2-エチルヘキシル-1-オキシ)-2-ヒドロキシプロピロキシ]フェニル}-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル-1,3,5-トリアジンが挙げられる。
【0108】
適切な金属不活性化剤としては、例えば、N,N'-ジフェニルオキサミド、N-サリチル-N'-サリチルイルヒドラジン、N,N'-ビス(サリチルイル)ヒドラジン、N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3-サリチルイルアミノ-1,2,4トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイル-ビス-フェニルヒドラジド、N,N'-ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N'-ビス(サリチルイル)オキシリルジヒドラジド、N,N'-ビス(サリチルイル)チオプロピオニルジヒドラジドが挙げられる。
【0109】
長期安定剤として同時に作用することができる適切なヒンダードアミンは、例えば、1,1-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバゼート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバゼート、1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-オクタデシルアミノピペリジン、ビス(1-アシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバゼート1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オキソ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N'-ビス-ホルミル-N,N'-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、(33a)ビス(1-ウンデカニルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カーボネート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-アミノピペリジン、2-ウンデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソ-スピロ[4,5]デカントリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ニトリロトリアセタート1,1'-(1,2-エタンジイル)-ビス(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン)、3-n-オクチル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、3-ドデシル-1-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合物、N,N'-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5トリアジンの直鎖状又は環状の縮合物、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ニトリロトリアセタート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,1'-(1,2-エタンジイル)-ビス(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン)、4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、N,N'-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンの直鎖状又は環状の縮合物、7,7,9,9-テトラメチル-2-シクロウンデシル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ-[4,5]デカンとエピクロルヒドリンの反応生成物が挙げられる。
【0110】
ここで、上記の構造には、N-メチル又はN-オクチルのような立体障害を有するN-H、N-アルキル、N-メトキシ又はN-オクチルオキシのようなN-アルコキシ誘導体、N-シクロヘキシルオキシのようなシクロアルキル誘導体、及びN-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)類似体もまた、それぞれ含まれる。
【0111】
好ましいヒンダードアミンはまた、以下の構造を有する。
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
好ましいオリゴマー及びポリマーのヒンダードアミンは、以下の構造を有する。
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
上記化合物において、nは、それぞれ3~100を意味する。
【0122】
適切な分散剤としては:
【0123】
ポリアクリレート、例えば、長鎖側鎖基を持つコポリマー、ポリアクリレートブロックコポリマー、アルキルアミド:例えば、N,N'-1,2-エタンジイルビスオクタデカンアミド ソルビタンエステル、例えば、モノステアリルソルビタンエステル、チタネート、及びジルコネート、官能基を有する反応性コポリマー、例えば、ポリプロピレン-co-アクリル酸、ポリプロピレン-co-無水マレイン酸、ポリエチレン-co-グリシジルメタクリレート、ポリスチレン-alt-無水マレイン酸-ポリシロキサン:例えば、ジメチルシランジオール-エチレン-オキシド共重合体、ポリフェニルシロキサン共重合体、両親媒性共重合体:例えば、ポリエチレン-ブロック-ポリエチレンオキシド、デンドリマー、例えば、ヒドロキシル基を含むデンドリマー等が挙げられる。
【0124】
適切な核形成剤は、例えば、タルク、安息香酸、コハク酸、アジピン酸等の単官能及び多官能カルボン酸のアルカリ又はアルカリ土類の塩、例えば、安息香酸ナトリウム、グリセロール酸亜鉛、ヒドロキシ-ビス(4-tert-ブチル)安息香酸アルミニウム、1,3:2,4-ビス(ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4-ビス(4-メチルベンジリデン)ソルビトール、2,2-メチレン-ビス-(4,6-ジ-ブチルフェニル)ホスフェート等のベンジリデンソルビトール、及びトリセシン酸トリシクロヘキシラミ、トリメシン酸トリ(4-メチルシクロ-ヘキシルアミド)、トリメシン酸トリ(tert-ブチルアミド)、N,N',N”-1,3,5ベンゼントリルトリス(2,2-ジメチルプロパンアミド)、又は2,6-ナフタリンジカルボン酸-シクロヘキシルアミド等のトリアミド及びジアミドである。
【0125】
適切な抗核剤としては、例えば、ニグロシン等のアジン系色素、イオン液体及び/又はリチウム塩等が挙げられる。
【0126】
適切な難燃剤としては、例えば、
【0127】
a)無機系難燃剤、例えば、Al(OH)3、Mg(OH)2、AlO(OH)、MgC03、モンモリロナイトやセピオライト等のシート状ケイ酸塩、Mg-Al珪酸塩、POSS(多面体オリゴメリックシルセスキオキサン)化合物、ハンタイト、ハイドロマグネサイト又はハロイサイト、及びSb203、Sb205、Mo03、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスタン酸亜鉛等の非修飾又は有機修飾の二重塩、
【0128】
b)窒素含有難燃剤、例えば、メラミン、メレム、メラム、メロン、メラミン誘導体、メラミン縮合物又はメラミン塩、ベンゾグアナミン、ポリイソシアヌレート、アラントイン、ホスファセン、特にメラミンシアヌレート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メラミンアルミニウムホスフェート、メラミン亜鉛ホスフェート、メラミンマグネシウムホスフェート等のメラミン金属ホスフェート、及びこれらに対応するピロホスフェート及びポリホスフェート、ポリ-[2,4-(ピペラジン-1,4-イル)-6-(モルホリン-4-イル)-1,3,5-トリアジン]、ポリリン酸アンモニウム、ホウ酸メラミン、ホウ酸メラミンヒドロブロミド、
【0129】
c)ラジカル形成剤、例えば、アルコキシアミン、ヒドロキシルアミンエステル、アゾ化合物、スルフェンアミド、スルフェンイミド、ジクミル又はポリクミル、ヒドロキシイミド及びその誘導体、例えばヒドロキシイミドエステル又はヒドロキシイミドエーテル、
【0130】
d)赤リン、レゾルシノール二リン酸、ビスフェノールA二リン酸、及びそれらのオリゴマー、リン酸トリフェニル、エチレンジアミン二リン酸等のリン酸塩、ホスフィン酸塩等の次亜リン酸塩、及びアルキルホスフィン酸塩等のその誘導体等のリン含有難燃剤、例えばジエチルホスフィネートアルミニウム又はジエチルホスフィネート亜鉛又はホスフィネートアルミニウム、亜リン酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウム、ホスホン酸エステル、メタンホスホン酸のオリゴマー及びポリマー誘導体、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスホリルフェナントレン-10-オキシド(DOPO)及びその置換化合物、
【0131】
e)ポリ臭素化ジフェニルオキシド等の塩素及び臭素ベースのハロゲン化難燃剤、例えば、デカブロモジフェニルオキシド、トリス(3-ブロモ-2,2-ビス(ブロモメチル)プロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、テトラブロモフタル酸、1,2-ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化ジフェニルエタン、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、エチレン-ビス-(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモ-ビスフェノールA、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリブタジエン又はそれぞれポリスチレン-臭素化ポリブタジエン共重合体、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化エポキシ樹脂、ポリペンタブロモベンジルアクリレート、任意にSb203やSb205と組み合わせて使用される、
【0132】
f)ホウ酸亜鉛やホウ酸カルシウム等のホウ酸塩、任意にシリカ等のキャリアー材料上に存在する、
【0133】
g)元素状硫黄、二硫化物、ポリ硫化物、硫化チウラム、ジチオカルバメート、メルカプトベンゾチアゾール、スルフェンアミド等の含硫黄化合物、
【0134】
h)ポリテトラフルオロエチレン等の滴下防止剤、
【0135】
i)ポリフェニルシロキサン等のケイ素含有化合物、
【0136】
j)カーボンナノチューブ(CNT)、剥離性のグラファイト、グラフェン等の炭素修飾物、
【0137】
k)及びその組み合わせ又は混合物。
【0138】
適切な可塑剤は、例えば、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、クエン酸のエステル類、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸のエステル類、トリメリット酸エステル類、イソロビドエステル類、リン酸エステル類、エポキシ化大豆油のようなエポキシド類、又は脂肪族ポリエステル類である。
【0139】
充填材及び補強材としては、例えば、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、ガラスビーズ(中実又は中空)、タルク、ドロマイト、マイクラ、フェルトスパー、カオリン、石英、ウォラストナイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、カルボランダム、金属酸化物及び金属水酸化物、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸炭素、ケイ酸ジルコニウム、黒色炭素、グラファイト、カーボンナノチューブ、グラフェン、木粉、又はセルロース等の天然物の繊維又は合成繊維等の合成又は天然物が挙げられる。他の適切な充填剤は、モンモリロナイト、ベントナイト、ベイデライト、マイカ、ヘクトライト、サポナイト、バーミキュライト、レディカイト、マガダイト、イライト、カオリナイト、ウォラストナイト、アタパルジャイト等のハイドロタルサイト又はゼオライト又はフィロシリケートである。
【0140】
適切な顔料は、無機物でも有機物でもよい。無機顔料は、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化鉄、ウルトラマリン、ブラックカーボンである。有機顔料は、例えば、アントラキノン類、アンタントロン(Anthanthrone)類、ベンズイミダゾロン類、キナクリドン類、キノフタロン類、ジケトチラロピロール類(diketoptyrrolopyrrols)、ジオキサジン類、インダントロン類、イソインドリン類、イソインドリノン類、アゾ化合物、ペリノン類、ペリレン類、フタロシアニン類又はピラントロン類である。他の適切な顔料としては、金属ベース上の効果顔料又は金属酸化物ベース上のパール光沢顔料が挙げられる。
【0141】
ポリエステル又はポリアミド等の重縮合ポリマーの直鎖状分子量構造に適した鎖延長剤としては、例えば、ジエポキシド、ビス-オキサゾリン、ビス-オキサゾロン、ビス-オキサジン、ジイソシアナート、ジアンヒドリド、ビス-アシルラクタム、ビス-マレイミド、ジシアネート、カルボジイミドが挙げられる。その他の適切な鎖延長剤としては、ポリスチレンポリアクリレートポリグリシジル(メタ)アクリレート共重合体、ポリスチレン無水マレイン酸共重合体、及びポリエチレン無水マレイン酸共重合体等の高分子化合物が挙げられる。
【0142】
適切な蛍光増白剤は、例えば、ビス-ベンゾオキサゾール、フェニルクマリン、又はビス(スチリル)ビフェニルであり、特に、下記式の蛍光増白剤である:
【0143】
【0144】
適切なフィラー不活性化剤は、例えば、ポリシロキサン、ポリアクリレート、特に、ポリメタクリル酸ポリアルキレンオキシド又はポリグリシジル(メタ)アクリレート及びそれらの共重合体等のブロック共重合体、例えば、以下の構造のスチレン及びエポキシドである。
【0145】
【0146】
【0147】
適切な帯電防止剤は、例えば、エトキシル化アルキルアミン、脂肪酸エステル、アルキルスルホン酸塩、及びポリエーテルアミド等のポリマーである。
【0148】
適当なオゾン防止剤としては、以下のような上述のアミン類が挙げられ、例えばN,N’-ジ-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン等がある。
【0149】
適切な導電性添加剤としては、例えば、上述の帯電防止剤のほか、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン等の炭素化合物、銅粉末等の金属粉末、並びにポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性ポリマーが挙げられる。適切な熱伝導性添加剤としては、例えば、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素が挙げられる。
【0150】
適切な離型剤としては、例えば、シリコーン、石鹸、及びモンタンワックス等のワックスが挙げられる。
【0151】
成分(A)及び(B)、並びに必要に応じて追加の添加剤を再生プラスチックに組み込むことは、従来の処理方法で行うことができ、ポリマーを溶融し、本発明に係る添加剤組成物、及び必要に応じて追加の添加剤と、好ましくは混合機、ニーダー、押出機によって混合する。加工機としては、単軸押出機、二軸押出機、遊星歯車押出機、リング押出機、コークニーダー等の押出機が好ましく、これらは真空脱気装置を備えていてもよい。この場合、処理は空気中、あるいは必要に応じて窒素等の不活性ガス条件下で行うことができる。
【0152】
さらに、成分(A)、(B)及び/又は(C)は、例えば、ポリマー中に成分(A)及び成分(B)及び/又は成分(C)を含む安定剤組成物を10%以上90%以下で含む、いわゆるマスターバッチ又は濃縮物の形で含まれ、製造され、導入されてもよい。
【0153】
本発明は、さらに、ハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックに、以下を含む、又は以下からなるプラスチック組成物に関するものである、
(A)カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物、
以下と組み合わせて
(B)少なくとも1つの一次酸化防止剤及び/又は
(C)少なくとも1つの二次酸化防止剤。
また、プラスチック組成物は、アルジトール及びシクリトールを含まない。
【0154】
本発明に係るプロセスに関連して上記の好ましい実施形態及び態様の全てはまた、上記のプラスチック組成物に限定されることなく適用される。
【0155】
好ましい実施形態は、プラスチック組成物に、成分(A)は、成分(B)及び/又は成分(C)に対する重量比が90:10~10:90、好ましくは80:20~20:80、特に好ましくは60:40~40:60で含まれることを提供する。
【0156】
さらに、いずれの場合も、再生プラスチックと成分(A)~(C)の総重量に関して、カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)が0.02重量%以上3.00重量%以下、好ましくは0.03重量%以上1.00重量%以下、特に好ましくは0.02重量%以上0.50重量%以下、さらに好ましくは0.10重量%以上0.30重量%以下、及び少なくとも1つの一次酸化防止剤(B)が0.02重量%以上3.00重量%以下、好ましくは0.03重量%以上1.00重量%以下、特に好ましくは0.02重量%以上0.50重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以上0.20重量%以下、及び/又は少なくとも1つの二次酸化防止剤(C)が0.02重量%以上3.00重量%以下、好ましくは0.03重量%以上1.00重量%以下、特に好ましくは0.02重量%以上0.50重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以上0.20重量%以下、含まれることが好ましい。
【0157】
さらに、カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)と、少なくとも1つの一次酸化防止剤(B)と、少なくとも1つの二次酸化防止剤(C)とが含まれることが好ましい。
【0158】
少なくとも1つのハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックは、特に再生ポリオレフィン、特に再生ポリプロピレン又は再生ポリエチレンである。
【0159】
上述のプラスチック組成物は、特に、本発明に係る最初に記載したプロセスを用いて製造され得る。
【0160】
また、本発明は、上記プラスチック組成物から製造可能な成形化合物又は成形部品に関する。成形化合物又は成形部品の好ましい実施形態は、射出成形品、フォイル、フィルム、ラッカー、コーティング、発泡体、繊維、ケーブル、チューブ、外殻(profiles)、中空体、リボン、膜、例えばジオメンブレン、潤滑剤、着色剤、及び/又は接着剤を提供し、これらは、電気産業、建設産業、輸送産業、医療用途、家電製品、車両部品、消費者製品、包装、家具、及び繊維製品のために、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー加工、プレス加工、スピニング加工及び/又は回転成形によって製造される。
【0161】
さらに、本発明は、酸化劣化、熱劣化及び/又は光劣化に対してハロゲンフリー熱可塑性リサイクリング化合物を安定化させるための、以下からなる安定剤組成物に関し、
(A)カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物、
以下と組み合わせて
(B)少なくとも1つの一次酸化防止剤及び/又は
(C)少なくとも1つの二次酸化防止剤
ここで、安定剤組成物はアルジトール及びシクリトールを含まない。
【0162】
安定剤組成物に関する好ましい実施形態は、プラスチック組成物に、成分(A)は、成分(B)及び/又は成分(C)に対する重量比が90:10~10:90、好ましくは80:20~20:80、特に好ましくは60:40~40:60で含まれることを提供する。
【0163】
特に、安定剤組成物は、カルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物(A)と、少なくとも1つの一次酸化防止剤(B)と、少なくとも1つの二次酸化防止剤(C)とからなる。
【0164】
さらに、安定剤組成物が、
(A)アルジトール及びシクリトールを含まない、90.00重量%以上10.00重量%以下、又は80.00重量%以上20.00重量%以下、好ましくは60.00%以上40.00重量%以下のカルボニル基と反応可能な少なくとも1つの化合物
以下と組み合わせて
(B)10.00重量%以上90.00重量%以下、好ましくは20.00重量%以上30.00重量%以下の少なくとも1つの一次酸化防止剤及び/又は
(C)10.00重量%以上90.00重量%以下、好ましくは20.00重量%以上30.00重量%以下の少なくとも1つの二次酸化防止剤
からなることが好ましい。
【0165】
本発明はさらに、酸化劣化、熱劣化及び/又は光劣化に対してハロゲンフリー再生熱可塑性プラスチックを安定化するための、前述の安定剤組成物の使用に関する。
【0166】
適切な化合物(C)は、ポリマーの通常の処理温度で揮発性ではないか、又はわずかに揮発性であるように、選択されることが好ましい。好ましい再生ポリオレフィンの通常の処理温度は、例えば、180℃~250℃である。
【0167】
以下、本発明を、実施例を参照しながら、具体的なパラメータに限定することなく、説明する。
【0168】
本発明に係る安定剤組成物の効果を試験するため、アキュムレータ箱粉砕ストック(サプライヤー:BSB Braubach)由来の消費後再生ポリプロピレンを、表に示す添加剤と共に、二軸マイクロ押出機(MC 5、メーカーDSM)により90回転/分の連続モード及び210℃の溶融状態で、30分間再循環させ、10分後、20分後、及び30分後に、それぞれの場合における力の減少を測定した。この力は、溶融物の靭性であり、すなわち、分子量の尺度である。残存している力が高い程(溶融時間2分後を100%とした)、ポリマーの劣化は小さい。
【0169】
【表1】
AO-1:ペンタエリスリトール-テトラキス「3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸塩
P-1:トリス-(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト
【0170】
本試験では、試験時間にわたってポリマーの劣化がより小さいことから、本発明に係る相乗的な組み合わせは、AO-1とP-1との市販の相乗的な組み合わせ(比較例1)よりも優れていることが証明された。
【0171】
【0172】
使用したポリ(ビニルアルコール-co-ビニルアセテート)は、80%のポリ(ビニル)アルコールを含み、分子量は9,000~10,000である。
【0173】
本発明に係る組成物は、ポリマーの劣化が小さく(残存する力が高く)、ポリマーの安定性が改善される。