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▶ アルノルト ウムフォルムテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフトの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】結合部材
(51)【国際特許分類】
   F16B 4/00 20060101AFI20240402BHJP
   F16B 15/06 20060101ALI20240402BHJP
   F16B 15/00 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
F16B4/00 E
F16B15/06 C
F16B15/00 D
F16B15/06 A
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021569507
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 EP2020063464
(87)【国際公開番号】W WO2020239460
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】102019207681.5
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517027011
【氏名又は名称】アルノルト ウムフォルムテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(72)【発明者】
【氏名】フローリアーン ルッツ
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-009509(JP,U)
【文献】特開昭54-152744(JP,A)
【文献】実開昭51-154659(JP,U)
【文献】特開平10-054410(JP,A)
【文献】特開2018-004074(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0195123(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101403407(CN,A)
【文献】特開平08-170619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 4/00
F16B 15/06
F16B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成部品内へ圧入し、あるいは埋め込むための、シャフトを有する結合部材であって、前記シャフトが前記結合部材の中心長手軸に沿って延びており、前記シャフトが、前記シャフトに対して径方向に延びるリブを有しており、かつ前記シャフトが少なくとも部分的に多葉形状の横断面を有し、前記多葉形状の横断面の周囲がその全長にわたって凸状に湾曲されており、かつ、径方向に見て、より大きい半径又はより小さい曲率を有する領域と、より小さい半径又はより大きい曲率を有する領域を有している、ものにおいて、
中心長手軸に沿って見て、より小さい半径又はより大きい曲率を有する領域と、より大きい半径又はより小さい曲率を有する領域の角度位置が、前記シャフトに沿って変化し、
多葉形状の横断面を有する前記シャフトのセクション内で、中心長手軸を中心とする各角度位置において、前記シャフトの切断面図が波形の外側輪郭を示し、かつ切断面図において、2つのリブの間の最も低い点を結合する仮想のラインが波形に延びている、ことを特徴とする結合部材。
【請求項2】
より小さい半径又はより大きい曲率を有する領域と、より大きい半径又はより小さい曲率を有する領域の前記角度位置が、前記シャフトに沿って単位長さあたり一定の大きさだけ変化する、ことを特徴とする請求項1に記載の結合部材。
【請求項3】
前記シャフトの長さに沿って見て、異なる多葉形状の横断面を有する領域が交代する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の結合部材。
【請求項4】
前記シャフトの長さに沿って見て、円形の横断面を有する領域と、多葉形状の横断面を有する領域とが交代する、ことを特徴とする請求項1からいずれか1項に記載の結合部材。
【請求項5】
多葉形状の横断面を有する前記シャフトのセクション内で、前記シャフトが前記セクションの各箇所において多葉形状の横断面を有している、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の結合部材。
【請求項6】
多葉形状の横断面を有する前記シャフトのセクション内で、リブのプロフィール深さが最大50%変化する、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の結合部材。
【請求項7】
多葉形状の横断面を有する前記シャフトのセクション内で、リブのプロフィール深さが最大で10%変化する、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の結合部材。
【請求項8】
横断面が、より小さい半径又はより大きい曲率を有する3つの領域と、より大きい半径又はより小さい曲率を有する3つの領域とを有している、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の結合部材。
【請求項9】
横断面の周囲が、角部なしで連続的に形成されている、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の結合部材。
【請求項10】
リブが、少なくとも部分的に、周方向に延びている、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の結合部材。
【請求項11】
より小さい半径又はより大きい曲率を有する領域と、より大きい半径又はより小さい曲率を有する領域の前記角度位置が、前記シャフトの長手方向に見て、各リブにおいて周方向に10°から40°まで変化している、ことを特徴とする請求項に記載の結合部材。
【請求項12】
リブが、少なくとも部分的に軸方向に延びている、ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の結合部材。
【請求項13】
リブが、前記シャフトの長さの少なくとも部分領域にわたって周方向に延びており、かつ
リブが前記シャフトの長さの少なくとも部分領域にわたって軸方向に延びている、
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の結合部材。
【請求項14】
リブが、前記シャフトの長さの少なくとも部分領域にわたって周方向に延びており、かつ
より小さい半径又はより大きい曲率を有する領域と、より大きい半径又はより小さい曲率を有する領域の前記角度位置が、第1のリブから始まって交互に正の方向と負の方向に変化する、
ことを特徴とする請求項1から13の少なくとも1項に記載の結合部材。
【請求項15】
より小さい半径又はより大きい曲率を有する領域と、より大きい半径又はより小さい曲率を有する領域の前記角度位置が、前記シャフトのミリメートル長さあたり、10度から40度、変化する、ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の結合部材。
【請求項16】
より小さい半径又はより大きい曲率を有する領域と、より大きい半径又はより小さい曲率を有する領域の前記角度位置が、中心長手軸に沿って見て、時計方向及び/又は反時計方向に変化する、ことを特徴とする請求項又はに記載の結合部材。
【請求項17】
前記結合部材が、少なくとも部分的に鋼、アルミニウム、銅又は真鍮から形成されている、ことを特徴とする請求項1から16いずれか1項に記載の結合部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構成部品内へ圧入し、あるいは埋め込むための、シャフトを有する結合部材に関するものであって、そのシャフトは結合部材の中心長手軸に沿って延びており、その場合にシャフトは、シャフトに対して径方向に延びるリブを有しており、かつその場合にシャフトは少なくともセクション的に多葉状の横断面を有し、その場合に多葉状の横断面の周囲がその全長にわたって凸状に湾曲しており、特に外接円と内接円との間に配置されており、かつ径方向に見て、より大きい半径又はより小さい曲率を有する領域と、より小さい半径又はより大きい曲率を有する領域とを有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明によって、構成部品内へ圧入し、あるいは埋め込むための結合部材を、構成部品内の係止に関して改良しようとしている。
【課題を解決するための手段】
【0003】
そのために、本発明によれば、請求項1の特徴を有する結合部材が設けられている。構成部品内へ圧入し、あるいは埋め込むための、シャフトを有する結合部材において、そのシャフトは結合部材の中心長手軸に沿って延びており、その場合にシャフトは、シャフトに対して径方向に延びるリブを有しており、かつその場合にシャフトが少なくとも部分的に多葉形状の横断面を有し、その場合に多葉形状の横断面の周囲がその全長にわたって、特に凸状に湾曲されて、特に外接円と内接円との間に配置されており、かつ径方向に見て、より大きい半径又はより小さい曲率を有する領域と、より小さい半径又はより大きい曲率を有する領域を有し、中心長手軸に沿って見て、より小さい半径を有する領域とより大きい半径を有する領域の角度位置が、シャフトに沿って変化している。言い換えると、シャフトの長さにわたって見て、シャフトの多葉形状の横断面が捻れている。それによって、シャフトの中心長手軸に沿って見て、多葉形状の横断面の外接円まで延びる、より小さい半径を有する領域が、互いに対して変位している。より小さい半径を有する、外側へ張り出すこの領域は、主として構成部品内に結合部材を係止する役割を担う。結合部材を構成部品内へ圧入し、あるいは埋め込む場合に、径方向に張り出す、より小さい半径を有する領域が、投影において、あるいは中心長手軸に沿って見て、重なり合わず、あるいは整合しないようにすることができる。それによって、より高い引き出し力を得ることができる。これは特に、本発明に基づく結合部材が圧入される場合に、効果的である。というのは、シャフトの個々のリブのより小さい半径を有する領域は、少なくとも部分的に異なる角度位置を有するからである。従来の結合部材において生じる、より小さい半径を有する、これらの張り出す領域が構成部品の材料を径方向に押し離し、その材料はその後以降のリブの係止には、もはや提供されないという、効果は、本発明に係る結合部材においては発生しない。まさに、従来の結合部材が圧入のためにアルミニウム内へ圧入される場合に、材料は横ローレット内へはごくわずかしか流れず、大部分はただ剪断されて、押し出されることが、観察される。それによってシャフトの前方に位置する、第1の横ローレットピッチのみが、構成部品の材料をまとい、それによって引き出し力は比較的わずかである。さらに、圧入するための従来の結合部材の引き出し力は、高い程度においてコア孔の許容誤差に依存している。本発明によれば、シャフトの多葉形状の横断面は、シャフト軸線に沿って捻れており、たとえば螺旋形状に回動している。それによって、横断面のより小さい半径を有する領域によって形成される、ローレットの高い点は、もはや整合しない。それによって、さらに後方に位置するローレットもしくは横ローレットも、まだ押しやられていない材料を、まだ吸収することができる。それによってローレットもしくはリブの全充填度とそれに伴って構成部品内へ圧入し、あるいは埋め込む場合の引き出し力は、著しく改良することができる。これは特に、構成部品がアルミニウム又はプラスチックからなる場合である。より大きい半径に対するより小さい半径の比率は、シャフトの寸法、したがって最大の横寸法に伴って変化する。
【0004】
本発明の展開において、より小さい半径を有する領域と、より大きい半径を有する領域の角度位置は、シャフトに沿って単位長さあたり一定の大きさだけ変化する。
【0005】
このようにして、一定のピッチを有する、シャフトの多葉形状の横断面の螺旋形状の回動が生じる。
【0006】
本発明の展開において、多葉形状の横断面は、より小さい半径を有するnの領域を有し、かつ角度位置は、シャフトの完全な長さにそって360°/nの角度だけ変化する。
【0007】
このようにして、シャフトの完全な長さに沿って、より小さい半径を有する領域が整合しないことが可能である。それによって特に高い引き出し力とそれに伴って結合部材のきわめて確実な係止が得られる。
【0008】
本発明の展開において、シャフトの長さに沿って見て、異なる多葉形状の横断面を有する領域が交代する。
【0009】
本発明の展開において、シャフトの長さに沿って見て、円形の横断面を有する領域と、多葉形状の横断面を有する領域が交代する。
【0010】
本発明の展開において、多葉形状の横断面を有するシャフトのセクション内で、シャフトがこのセクションの各箇所において多葉形状の横断面を有している。
【0011】
その場合にシャフトの外形も、シャフトのコア直径も、多葉形状に形成されている。このようにしてリブを有するシャフトを安定的に形成することができる。
【0012】
本発明の展開において、多葉形状の横断面を有するシャフトのセクション内で、中心長手軸を中心とする各角度位置において、シャフトの断面図は波形の外側輪郭を有している。
【0013】
中心長手軸を含む切断平面内の波形の外側輪郭は、取り巻く材料内の結合部材の確実な係止をもたらす。これは、本発明によれば、結合部材の全周にわたって実現される。好ましくは、この切断平面内で、2つのリブの間のもっとも低い点又は中心長手軸にもっとも近い点を結合する、仮想のラインも、同様に波形に延びている。
【0014】
本発明の展開において、多葉形状の横断面を有するシャフトのセクション内で、リブのプロフィール深さが最大50%変化する。
【0015】
このようにしても、結合部材を圧入された状態に確実に保持することを保証することができる。
【0016】
本発明の展開において、多葉形状の横断面を有するシャフトのセクション内で、リブのプロフィール深さは、最大で10%変化し、特にプロフィール深さは一定である。
【0017】
プロフィール深さのこの種のわずかな変化あるいは一定のプロフィール深さが、結合部材を圧入された状態に確実に保持することをもたらす。
【0018】
本発明の展開において、横断面は定幅図形として形成されている。
【0019】
それによって、多葉形状の横断面の径方向に測定した横寸法は、角度位置に関係なく常に等しい。これが、圧延工具、特に圧延ジョウによる結合部材の形成を容易にする。
【0020】
本発明の展開において、横断面は、より小さい半径又はより大きい曲率を有する3つの領域と、より大きい半径又はより小さい曲率を有する3つの領域を有している。
【0021】
したがって周囲にわたって見て、横断面は外側へ張り出す3つの領域、すなわちより小さい半径又はより大きい曲率を有する領域を有し、その頂点が外接円上に位置し、かつ横断面はより大きい半径又はより小さい曲率を有する3つの領域を有し、その頂点が内接円上に位置する。より小さい半径を有する領域とより大きい半径を有する領域は、互いに均一に離隔している。この種の横断面は、圧延方法を用いて、特に圧延ジョウを用いて、高い精度で、かつ大量の個数でコスト的に好ましく形成される。
【0022】
本発明の展開において、横断面の周囲は、角部なしで連続的に形成されている。
【0023】
このことも、本発明に係る結合部材の形成を容易にする。
【0024】
本発明の展開において、リブは少なくとも部分的に周方向に延びている。
【0025】
周方向のリブによって、高い充分な圧入力を得ることができる。
【0026】
本発明の展開において、より小さい半径又はより大きい曲率を有する領域とより大きい半径又はより小さい曲率を有する領域の角度位置が、シャフトの長手方向に見て、各リブにおいて約10°から40°変化する。
【0027】
このようにして約10のリブの後に、より小さい半径を有する領域とより大きい半径を有する領域の角度位置の完全な1周回を得ることができる。それによって、結合部材のシャフトが比較的短い場合でも、高い引き出し力を得ることができる。より小さい半径を有する領域とより大きい半径を有する領域の角度位置は、シャフトのミリメートル長さあたり、約10°から40°までも変化することができる。
【0028】
本発明の展開において、リブは少なくとも部分的に軸方向に延びている。
【0029】
軸方向に延びるリブを用いて、構成部品内で結合部材の確実な回動防止が得られる。
【0030】
本発明の展開において、リブはシャフトの長さの少なくとも部分領域にわたって周方向に延びており、かつリブはシャフトの長さの少なくとも部分領域にわたって軸方向に延びている。
【0031】
このようにしてシャフトの周方向においても、長手方向においても、結合部材のきわめて確実な係止が得られる。その場合に、軸方向に延びるリブを有する部分領域か、あるいは周方向に延びるリブを有する部分領域が、多葉形状の横断面及びより小さい半径又はより大きい曲率を有する領域とより大きい半径又はより小さい曲率を有する領域の変化する角度位置を有することができ、あるいは周方向のリブを有する部分領域も、軸方向のリブを有する部分領域も、それに応じて多葉形状の横断面を有することができる。
【0032】
本発明の展開において、リブはシャフトの長さの少なくとも部分領域にわたって周方向に延びており、かつより小さい半径又はより大きい曲率を有する領域とより大きい半径又はより小さい曲率を有する領域の角度位置が、第1のリブから始まって交互に正の方向と負の方向に変化する。
【0033】
その場合に、角度位置が変化する方向は、リブからリブへ変化することができ、あるいはたとえば複数のリブに次々と正の方向の変化が発生し、かつその後1つ又は複数のリブに負の方向の変化が発生することも可能である。角度位置が変化する方向が交代することによって、シャフトの長さにわたって最大の半径を有する領域と最小の半径を有する領域が整合することを完全に回避することができるか、あるいは比較的多い数のリブの後に初めて、再び整合が生じるように、調節することができる。それによって本発明に係る結合部材の引き抜き力を増大させることができる。
【0034】
本発明の展開において、より小さい半径を有する領域とより大きい半径を有する領域の角度位置は、中心長手軸に沿って見て、時計方向及び/又は反時計方向に変化する。
【0035】
本発明の展開において、結合部材は少なくとも部分的に鋼、アルミニウム、銅又は真鍮から形成されている。
【0036】
本発明の他の特徴と利点が、請求項及び、図面との関連において以下で行う本発明の好ましい実施形態についての説明から、明らかにされる。その場合に図示され、かつ説明される様々な実施形態の個別特徴は、本発明の枠を逸脱することなしに、任意のやり方で互いに組み合わせることができる。これは、他の個別特徴に関連して記述され、かつ図示されている個別特徴なしの、個別特徴の組合せについても、言えることである。
【0037】
図面において:
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】第1の実施形態に基づく本発明に係る結合部材を示す側面図である。
図2図1の結合部材の正面図である。
図3図1の切断平面A-Aを示す断面図である。
図4図1の平面B-Bを示す断面図である。
図5図1の結合部材を斜め上から示す斜視図である。
図6】他の実施形態に基づく本発明に係る結合部材の側面図である。
図7図6の結合部材を斜め上から示す斜視図である。
図8】他の実施形態に基づく本発明に係る結合部材を斜め上から示す斜視図である。
図9図8の結合部材の側面図である。
図10図8の結合部材の正面図である。
図11図9の切断平面A-Aの断面図である。
図12図9の切断平面B-Bの断面図である。
図13図9の切断平面C-Cの断面図である。
図14】他の実施形態に基づく本発明に係る結合部材を斜め後方から示す斜視図である。
図15図14の結合部材の側面図である。
図16図15の切断平面A-Aを示す断面図である。
図17】本発明に係る結合部材の他の実施形態の周展開のセクションを図式的に示している。
図18】他の実施形態に基づく結合部材の周展開のセクションを図式的に示している。
図19】本発明の他の実施形態に基づく結合部材の周展開を図式的に示している。
図20】本発明の他の実施形態に基づく結合部材を下から示している。
図21図20の切断平面A-Aを示す断面図である。
図22図20の切断平面B-Bを示す断面図である。
図23図20の切断平面C-Cを示す断面図である。
図24図20の結合部材の側面図である。
図25図24の切断平面A-Aを示す断面図である。
図26図24の切断平面B-Bを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、第1の実施形態に基づいて本発明に係る結合部材10を示している。結合部材10は、図示されない構成部品内へ圧入し、あるいは埋め込むために設けられており、かつシャフト12を有し、そのシャフトが結合部材10の中心長手軸14に沿って延びている。図1の左に示す、シャフト12の端部に、結合部材10のヘッド16が設けられており、そのヘッドはシャフト12に比べてより大きい直径を有している。ヘッド16は、ディスク形状に形成されている。ヘッド16はその、図1の左に示す側に駆動用の形状を有することができるが、通常ヘッド16には駆動用の形状は設けられない。というのは、結合部材10は構成部品内へ圧入し、あるいは埋め込むために設けられているからである。
【0040】
シャフト12は、図1の右に示す端部に、円錐台形状の先細り18を有しており、それがコア穴内への挿通を容易にする。
【0041】
シャフト12は、径方向に延びる多数のリブ20を有している。リブ20は、周方向に延びており、かつ、図1に見られるように、それぞれ三角形状の横断面を有している。中心長手軸14に沿って測定された、リブの高さは、すべてのリブにおいて等しい。リブ20は、それぞれ円錐台形状に形成されており、その場合に各リブ20の小さい直径を有する側がシャフト12の自由端部18へ向いており、したがって結合部材10の圧入方向にある。各リブ20の円錐台形状のセクションに、ヘッド16の側へ向かって著しく短いセクションが連続しており、そのセクションは中心長手軸14に対してほぼ垂直であり、かつそのセクション内で直径の減少が行われる。各リブの図1において左に位置する端部の直径と、各リブ20の右に位置する端部の直径はほぼ等しい。それによってシャフト12は全体として、リブ20の領域内で鋸歯状の外側輪郭を有している。それによってシャフト12は、構成部品のコア穴内へ圧入される。それに対して構成部品のコア穴からのシャフト12の引き出しは、リブ20を有するシャフト12の外側輪郭の鋸歯状の形態によって、著しく困難である。これは、結合部材10をコア穴から、したがって図1において左へ、引き出す場合に、リブ20が、それを取り巻くコア穴の壁の材料内へ埋没することによるものである。
【0042】
図2は、図1の結合部材10の前側を示しており、その場合に図2の視線は、シャフト12の円錐台形状に先細る端部18へ向けられている。この表示において認識されるように、シャフト12の横断面は円形ではなく、外側へ張り出す3つの領域と、外側へ張り出す領域を結合する3つの領域とを有する多葉形状である。この種の横断面は、3葉と称することもできる。シャフト12の横断面は、より小さい半径又はより大きい曲率を備有する、互いに対して均一に120°離隔した3つの領域22を備えた周囲を有している。より小さい半径を有するこれらの領域22は、シャフト12の横断面の周囲の径方向に張り出す領域を形成している。より小さい半径を有する領域22の間には、それぞれより大きい直径あるいはより小さい曲率を有する領域24が配置されており、それらも必然的に同様に互いに対して均一に、特に互いに対して120°の角度で、離隔している。より大きい半径を有するこれらの領域24が、より小さい半径を有する、外側へ張り出す領域22を結合している。シャフト12の横断面の周囲は、つながって凸状に湾曲しており、かつ角部又はエッジをもたない。シャフト12の、図2において認識される周囲は、図1の切断平面A-Aの領域内の横断面に相当する。
【0043】
図1において、各リブ20においてより小さい半径を有する領域22の頂点が、バーを用いて図式的に示唆されている。より小さい半径を有する領域がシャフト12の長手方向に見て、したがって中心長手軸14の方向に、その角度位置を変化させていることが、認識される。シャフト12のヘッド16から端部18の方向に、各リブ20を有するシャフト12の横断面が少しずつ時計方向に回動される。したがって、より小さい半径を有する領域22は、図1から読みとれるように、より小さい半径を有する領域22を通って引いたラインがシャフト12の回りに螺旋を形成するように、配置されている。これは、リブ20からリブ20へ、より小さい半径を有する領域22の角度位置及びそれに伴ってより大きい半径を有する領域24の角度位置も、一定の大きさだけ変化することによって、生じる。
【0044】
図3は、図1の切断平面A-Aの断面図を示している。より小さい半径を有する領域22が、互いに対して120°の角度で離隔しており、かつ図3の左に示す、より小さい半径を有する領域22が、水平に延びる軸線に対して0°の角度を有していることが、認識される。
【0045】
図4は、図1の切断平面B-Bの断面図を示している。切断平面B-Bは、切断平面A-Aから5xPの距離で、したがって各リブ20の高さの5倍の距離で、配置されている。図4において認識されるように、図3においてまだ左に位置していた、より小さい半径を有する領域22が、ここでは角度Aだけ下方へ回動して配置されている。この角度Aは、図示される実施形態において、約50°である。図4においてはまだ、図3から取り出した、切断平面A-A内の領域22の角度位置が、黒い領域によって認識される。したがって図1の切断平面A-Aから始まって、より小さい半径を有する領域22の角度位置とより大きい半径を有する領域24の角度位置が、各リブ20においてヘッド16の方向に10°だけ変化する。その後、5つのリブ後及び切断平面B-Bにおいて、より小さい半径を有する領域22の角度位置と、より大きい半径を有する領域24の角度位置が、切断平面A-Aにおける角度位置に比較して50°だけ反時計方向に回動されている。それによって、シャフト12の全長にわたって見て、リブ20の多葉状の横断面の螺旋形状の回動が生じ、あるいはシャフト12の長さにわたって見て、多葉状の横断面のねじれが生じる。
【0046】
図5は、図1の結合部材10を斜め上から斜視図で示している。より小さい半径を有する領域22の頂点は、個々のリブ20において、ここでもバーで示唆されており、全体としてシャフト12の全長にわたって見て、リブ20の多葉状の横断面の螺旋形状のねじれが認識される。
【0047】
図6は、本発明の他の実施形態に基づく本発明に係る結合部材30を示している。結合部材30はシャフト32を有しており、そのシャフトが中心長手軸14に沿って円錐台形状の端部18とヘッド16との間に延びている。シャフト32は、2つの部分セクション34と36を有している。
【0048】
ヘッド16から始まって延びる、部分セクション34内には、図1の結合部材10におけるように、周方向に延びる複数のリブ20が設けられている。部分セクション34内ではシャフト32は、図1の結合部材10のシャフト12と等しく形成されている。個々のリブ20は、それぞれ、より小さい半径を有する3つの領域22と、より大きい半径を有する3つの領域24を備えた多葉状の横断面を有しており、かつ、より小さい半径を有する領域22の角度位置とより大きい半径を有する領域24の角度位置がシャフト32の長手方向に変化する。これが、図6において、バーでマークされた、より小さい半径を有する領域22を用いて認識される。
【0049】
しかし、シャフト32の部分セクション34は、互いに連続する9つのリブ20のみを有し、その後部分セクション36へ移行し、その中に、軸方向に延びるリブ40が設けられている。リブ40は、それぞれ三角形状の横断面を有している。部分セクション36内のシャフト32の横断面は、一般的に円形である。したがってリブ40の、中心長手軸14に対して平行に延びる外側のエッジは、すべて中心長手軸14を中心とする円上に位置している。
【0050】
本発明の枠内で、シャフト32の横断面は、部分セクション36内でも、より小さい半径を有する複数の領域と、より大きい半径を有する複数の領域によって多葉状に形成することができる。その場合により小さい半径とより大きい半径を有する領域の角度位置は、一定とすることができるので、シャフトは部分セクション36内で多葉状かつ円筒状に形成されている。代替的に、より小さい半径とより大きい半径を有する領域の角度位置は、部分セクション326内でもシャフト32の長手方向に変化することができる。好ましくは、より小さい半径を有する領域とより大きい半径を有する領域の角度変化は、シャフト32のミリメートル長さにつき、10°から40°、特に10°から20°である。
【0051】
シャフト32に対して、したがって図6内でヘッド16の左側において、結合部材30にねじボルト42が設けられている。結合部材30を構成部品内へ圧入し、あるいは埋め込んだ後に、ねじボルト42に他の構成部品を固定することができ、かつたとえばナットによってねじボルト42上に固定することができる。
【0052】
結合部材30のシャフト32を構成部品内へ圧入し、あるいは埋め込んだ後に、シャフト32の部分セクション36は、中心長手軸14を中心に回動することに対して、結合部材30の回動防止をもたらす。シャフト32の部分セクション34は、図1の結合部材10を用いて説明したように、中心長手軸14に沿った、したがって図6内で左への、引き抜き防止をもたらす。
【0053】
図7は、図6の結合部材30を斜め上から斜視図で示している。ねじボルト42は、図7においては図式的にのみ示されている。シャフト32における、かつ特に部分セクション34内の、より小さい半径を有する領域22の位置が認識される。個々のリブ20の、より小さい半径を有する領域22は、互いに対して整合しておらず、シャフト32の長手方向に見て、互いに対して変位して配置されている。
【0054】
図8は、本発明の他の実施形態に基づく結合部材50を、斜め上からの斜視図で示している。結合部材50は、周方向に延びる多数のリブ20を備えたシャフト52を有している。リブ20の横断面は、図1を用いてすでに説明した横断面に相当する。それによって全体としてシャフト52は、鋸歯状の輪郭を有している。
【0055】
結合部材50は、ヘッド16及び円錐台形状に形成された自由端部18を有している。
【0056】
個々のリブ20は、図1から5を用いて説明したように、等しく形成されている。しかし図1の結合部材10とは異なり、図8の結合部材50においては、各リブ20においてより小さい直径を有する領域22とより大きい直径を有する領域24の角度位置が異なる。これは図8においてすでに、より小さい直径を有する領域22の頂点の位置をマークする、各リブ20におけるバーの配置を用いて認識される。
【0057】
図9は、図8の結合部材50の側面図を、そして図10図9の結合部材50の正面図を、したがって図9内の右から、示している。図8から10の結合部材50において、より小さい直径を有する領域22とより大きい直径を有する領域24の角度位置が、リブ20からリブ20へ、一部は時計方向に、そして一部は反時計方向に変化している。図11は、図9の切断平面A-Aの横断面を示している。図11においてより小さい直径を有する領域22とより大きい直径を有する領域24の角度位置が、第1のリブ20(図9を参照)において認識され、そのリブは、ヘッド16へ向かう方向において、円錐台形状の端部18に直接連続している。図11の左に示す、より小さい直径を有する領域22は、水平のライン上に位置する。
【0058】
図12は、図9内の切断平面B-Bの横断面を示している。したがって図12は、円錐台形状の端部18から始まって5つ目のリブ20における、より小さい直径を有する領域22とより大きい直径を有する領域24の角度位置を示している。図12の左に位置する、より小さい直径を有する領域22は、水平のラインに対して角度ARだけ時計方向に回動して配置されていることが、認識される。
【0059】
図13は、図9内の切断平面C-Cの横断面を示しており、かつそれによって、シャフト52の、円錐台形状の端部18から始まって6番目のリブ20における、より小さい直径を有する領域22とより大きい直径を有する領域24の角度位置を示している。図13からは、図13の左に位置する、より小さい直径を有する領域22が、水平のラインに対して角度ALだけ反時計方向に回動して配置されていることが、理解される。
【0060】
したがってより小さい直径を有する領域22とより大きい直径を有する領域24の角度位置が、シャフト52の長手方向に見て、一部時計方向、あるいは負の回転方向に、一部は反時計方向、あるいは負の回転方向に変化している。それによって、より小さい直径を有する領域22は、比較的大きい数のリブの後に初めて、径方向に張り出す個々のリブ20において互いに整合し、もしくは投影において互いに重なり合うことができる。それによって結合部材50の引き出し力を、さらに改良することができる。
【0061】
図9内で、より小さい直径を有する領域22の、個々のリブ20におけるバーを用いて示唆される位置を用いて、円錐台形状の端部18から始まって、領域22の角度位置が、第1のリブ20と第2のリブ20の間でまず時計方向に変化されるが、第2のリブから第3のリブへと、再び時計方向に変化されることが、認識される。
【0062】
結合部材のシャフトに沿った、より小さい直径を有する領域22とより大きい直径を有する領域24の可能な変化方向と配置についての詳細な説明を、さらに図17から19を用いて行う。
【0063】
図14は、本発明に係る他の結合部材70の斜視図を示している。結合部材70は、2つの部分セクション74と76を備えたシャフト72を有している。部分セクション74内では、リブ20は周方向に配置されており、部分セクション76内ではリブ40は軸方向に延びている。部分セクション76にヘッド78が連続している。結合部材70には、透孔又は通過開口部80が設けられている、図16も参照。結合部材70は、構成部品内へ埋め込み、あるいは圧入することができ、その場合に透孔80によってコア穴孔が提供され、その中へたとえば他の構成部品を挿入することができ、あるいは固定ねじを螺合することができる。
【0064】
図15は、図14の結合部材70の側面図を示している。シャフト72jの部分セクション74内には全部で5つのリブ20が相前後して配置されており、それらは図1の結合部材10のリブ20のように形成されており、したがって新たに説明はしない。個々のリブ20の領域内のシャフト22の周囲の、より小さい半径を有する領域22が、図15において再びバーで示唆されている。より小さい半径を有する領域22の位置と、したがってより大きい半径を有する領域の位置も、リブ20からリブ20へ時計方向に変化していることが、認識される。
【0065】
部分セクション74の端部とヘッド16との間に位置する部分セクション76内に、軸方向に延びるリブ40が配置されている。しかし、部分セクション76内のシャフト72の横断面は、同様に多葉状に形成されており、かつより小さい半径を有する3つの領域と、より大きい半径を有する3つの領域24とを有している。図15の表示において、より小さい半径を有する領域22が観察者へ向いている。それによって部分セクション76内でも、シャフト72は多葉状の横断面を有している。それによって、結合部材70の中心長手軸を中心とする回動に対する固定を強化することができる。
【0066】
図16は、図15内の切断平面A-Aの横断面を示している。
【0067】
図17は、本発明に係る結合部材の周展開の1部分を図式的に示しており、それにおいて、より小さい半径又はより大きい曲率を有する領域と、より大きい半径又はより小さい曲率を有する領域の角度位置の変化又は回動は、シャフトに沿って時計方向に行われる。その場合に展開の個々の行は、周方向に延びるリブ20を示しており、かつ垂直のバーを用いて、より小さい半径を有する領域22の頂点が示されている。図17からは、より小さい半径を有する領域22の角度位置がリブからリブへ一定の大きさだけ変化していることが、認識される。それによって、結合部材のシャフトに沿って見て、より小さい半径を有する領域22の頂点の螺旋形状の配置が生じ、それは、図1を用いて説明したのと同様である。
【0068】
図18は、図17の表示と同様な表示である。図18は、より小さい半径を有する領域22の角度位置の、反時計方向の変化又は回動を示しており、その場合にリブ20からリブ20へ角度位置が一定の大きさだけ変化している。この種の実施形態においても、結合部材のシャフトの長さにわたって、より小さい半径を有する領域22の螺旋形状の連なりが見られ、これもすでに図を用いて説明されているのと同様である。
【0069】
図19は、図17及び18と比較可能な表示において、本発明に係る結合部材の周展開の1部分の図式的な表示を示している。図19を用いて、異なる方向における、したがって時計方向と反時計方向における、より小さい半径を有する領域22とより大きい半径を有する領域24の角度位置の変化又は回動を説明する。
【0070】
図19には、結合部材のシャフトの自由端部における第1のリブ20が示されており、図9と比較して、これは図9の右に示す、円錐台形状の端部18に続く、第1のリブ20である。このリブ20は、図90の中央に配置された、より小さい半径を有する領域22を有している。たとえば頂点の、より小さい半径を有する領域22は、多葉状の横断面の高い点と称することもできる。
【0071】
この第1のリブ20から始まって、領域22の角度位置はその後次のリブへ向かって時計方向に変化する。したがって図19において、第2のリブの領域22は、第1のリブの領域22の右に配置されている。しかしそれに続くリブにおいて、角度位置の変化が反時計方向に、かつ特に第1のリブにおける領域22の角度位置に対して、第1のリブ20から第2のリブ20への角度と同じ大きさだけ、行われる。したがって領域22は、図19内の第3のリブにおいては、第1のリブにおける領域22の左に示されている。第4のリブにおいては、再び角度位置の変化は時計方向に、特に第2のリブにおける角度位置に関して同じ大きさの角度だけ、行われる。第5のリブにおいては、再び角度位置の変化は反時計方向に、特に第3のリブにおける位置に関して同じ大きさの角度だけ、行われる。
【0072】
シャフトに沿って見て(図9も参照)、より小さい半径を有する領域22が偶数番号のリブに、したがって2番目のリブに、4番目のリブに、6番目のリブに、8番目のリブに、そして10番目のリブにある。シャフトを中心に時計方向に延びる螺旋の形状が生じる。それに対して奇数の番号を有するリブにおいて、したがって3番目、5番目、7番目、9番目及び11番目においては、より小さい半径を有する領域22は、シャフトに沿って反時計方向に回動する螺旋上に位置する。
【0073】
図19からは、さらに、12番目のリブ20において、より小さい半径を有する領域22とより大きい半径を有する領域24が、第1のリブにおけるのと、再び同一の位置に達することが、理解される。
【0074】
図19の表示を用いて、より小さい半径を有する領域22又は多葉形状の横断面の高い点が、第12のリブの後に初めて、整合し、あるいは投影において重なり合うことが、良好に認識される。それによってすべてのリブは確実にコア孔の材料内へ嵌入することができ、その材料内へ圧入され、あるいは埋め込まれ、かつきわめて高い引き出し力を有する、きわめて確実な係止を得ることができる。
【0075】
図20は、本発明に係る他の結合部材10を下から示している。結合部材10は、図1の結合部材10と実質的に等しく形成されており、その場合に小さい差異については図24を用いて説明する。
【0076】
良好に認識できるのは、ヘッド16と、円錐台形状の先細り18を有する、横断面において多葉形状に形成されたシャフト12である。図20には、3つの切断平面A-A、B-B及びC-Cが記入されており、それらは中心長手軸14(図1も参照)に対して平行に延びており、かつそれぞれ中心長手軸を含んでおり、したがって径方向に方向づけされている。切断平面A-A、B-B及びC-Cは、それぞれ異なる角度で配置されている。切断平面A-AとC-Cの間には、120°の角度が存在する。切断平面A-AとB-Bの間には、60°の角度が存在する。切断平面B-BとC-Cの間には、同様に60°の角度が存在する。シャフト12の多葉形状の横断面は、互いにそれぞれ120°だけ均一に離隔した、より小さい半径又はより大きい曲率を有する3つの領域を有し、かつその場合により小さい半径を有する領域の間には、それぞれより大きい半径又はより小さい曲率を有する領域が配置されており、それらが同様に互いに対して均一に離隔しているので、切断平面A-AとC-Cの間の横断面がシャフト12の全周囲の回りに3回繰り返される。したがって、見やすくするために、3つの切断平面A-A、B-B及びC-Cのみが記入されている。
【0077】
図21は、切断平面A-Aの断面図の部分的な表示である。シャフト12が切断平面A-A内で波形の外側輪郭を示していることが、認識される。さらに、シャフト12の長さに沿ってリブ20のプロフィール深さがわずかであるが変化していることが、認識される。本発明の枠内において、リブ20のプロフィール深さは、最大で50%変化する。図示される実施形態において、リブ20のプロフィール深さは、最大で10%しか変化しない。
【0078】
図22は、図20の切断平面B-Bの横断面を示している。この切断平面においても、シャフト12は波形の外側輪郭を有している。この切断平面においても、リブ20のプロフィール深さはシャフト12の長さにわたって見てわずかであり、図示される実施形態においては最大で約10%変化していることが、認識される。
【0079】
図23は、図20の切断平面C-Cの横断面を示している。切断平面C-Cは、中心長手軸14を中心に見て切断平面A-Aから120°だけ離隔しているので、切断平面C-Cの横断面は、切断平面A-Aの横断面に相当する。切断平面C-Cにおいても、シャフト12は波形の外側輪郭を有しており、かつリブ20のプロフィール高さは、シャフトの長さにわたって見て、ごくわずか変化している。
【0080】
図20から23を用いて、シャフト12が各箇所において多葉形状の横断面を有することも、認識される。シャフトの外径も、リブ20の間のシャフトのコア直径も、それぞれ多葉形状に形成されている。これは、図21、22及び23内のシャフト12の外側輪郭の波形において認識され、かつその場合にリブ20の間の谷の、同様に波形を有する、仮想の結合ラインにおいても、認識される。リブ20の間の波の谷を結合する、この内側の破線で記入されたラインが、コア直径を表す。図21から23を用いて、シャフト12の外径もコア直径も多葉形状の推移を示すことが、良好に認識される。外径あるいは外側輪郭は、図21、22及び23に記入されている、波の山、したがってリブの外側セクションを互いに結合する、仮想の破線によって示されている。
【0081】
図24は、図20の結合部材の側面図を示している。ヘッド16と、リブ20及び円錐台形状の先細り18を有するシャフト12とが認識される。図24の結合部材10は、ヘッド16にもっとも近いリブ20とヘッド16との間の間隔がより小さいことを除いて、図1の結合部材10と等しく形成されている。したがって図の結合部材と等しく形成されている、結合部材10の部材は、あらたに説明されず、かつ同一の参照符号を有している。
【0082】
図24には、2つの切断平面A-AとB-Bが記入されている。切断平面A-Aは、最大の直径を有する先細り18の箇所を通って延びている。最大の直径を有する先細り18のこの箇所は、その外側寸法においてリブ20の外側寸法に相当するが、すでに説明したように、残りのリブ20に対して中心長手軸を中心に回動されている。
【0083】
切断平面B-Bは、最大の直径を有する先細り18の箇所と、ヘッド16の方向において先細り18に続くリブ20との間の谷を通って延びている。したがって切断平面B-B内では、コア直径の推移又は2つのリブ20の間のシャフトの横寸法が認識される。その場合に切断平面B-B内のシャフト12の寸法は、その大きさに関して、それぞれ2つのリブ20の間のシャフトの寸法に相当する。しかし、説明したように、切断平面B-B内の横断面は、2つの任意のリブ20の間の横断面に対して、中心長手軸14を中心に回動されている。
【0084】
図25は、図24内の切断平面A-Aの横断面を示している。視線は、先細り18の先細り方向を向いている。この視線方向によっては、先細り18の外径もしくは最大の横寸法のみが認識され、したがって切断平面A-Aのこの位置が選択されている。図25において、切断平面A-A内の横断面が多葉形状であることが認識される。これは、図25内の実線を用いて認識される。すべてのリブは、図25に示すように、この種の多葉形状の横断面を有し、中心軸線14を中心とする角度位置のみが、上で詳細に説明したように、変化する。
【0085】
付加的に、図25において仮想のエンベロープ円80が記入されており、それが破線を用いて記入されている。さらに、仮想の柵円又は内接円82が示されており、そでも同様に破線で示唆されている。すでに説明したように、より大きい半径とより小さい曲率を有する3つの領域が、中心長手軸を中心とする120°の間隔でエンベロープ円80と接触し、かつより小さい半径とより大きい曲率とを有する3つの領域が、柵円又は内接円82と接触する。
【0086】
図26は、図24内の切断平面B-Bの横断面を示している。図25図26を用いて、シャフト12がリブ20の間においても、リブ20の最高の箇所においても、それぞれ多葉の形状を有していることが、認識される。図26において、先細り18の外側輪郭も、それが最大の横寸法を有する箇所において認識される。これが、実線の円84を用いて示されている。切断平面B-B内の外側輪郭は、実線のライン86によって示されている。図26から、プロフィール深さ、したがって中心長手軸14から始まって径方向におけるライン86と84の間の間隔が、シャフト12の周囲にわたってわずかしか変化しないことが、理解される。図示される実施形態において、プロフィール深さは、約10%しか変化しない。
【0087】
図26において、切断平面B-B内の最大の横寸法の角度位置と、切断平面A-A内の最大の横寸法の角度が、したがってライン86と84の間で、変化することも、認識される。ライン84、したがって切断平面A-A内の横断面において、最大の横寸法は中心長手軸の垂直上方に位置する。それに対してライン86においては、最大の横寸法は、少し左へ向かって、もしくは反時計方向に変位している。すでに説明したように、リブ20の最大の横寸法の角度位置は、リブからリブへ変化する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26