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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022011046
(22)【出願日】2022-01-27
(65)【公開番号】P2023109500
(43)【公開日】2023-08-08
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】葛原 裕輝
(72)【発明者】
【氏名】工藤 祐介
【審査官】山田 克典
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-107322(JP,A)
【文献】特開2018-183547(JP,A)
【文献】特開2021-069506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行うことが可能な遊技機において、
所定画像を表示可能な表示手段と、
前記表示手段の前方に配置された演出役物と、を備え、
前記表示手段は、第1状態と、第2状態と、を有し、
前記第1状態は、相対的に明るい画像が表示される状態であり、
前記第2状態は、相対的に暗い画像が表示される状態であり、
前記演出役物は、前記第2状態において発光演出を実行可能な発光部を有し、
前記発光部は、互いの背面と正面とが対向するよう、所定の間隔をあけて配置される複数の導光板と、前記所定の間隔に配置され、前記導光板の一方の端部側の側面に光を出射することで、前記導光板を発光させる発光基板と、を少なくとも含み、
前記発光基板は、前記発光基板の一方の面に設けられ、当該面に垂直となる方向に光を発する第1発光体と、前記発光基板の他方の面に設けられ、当該面と平行となる方向に光を発する第2発光体と、を有し、
前記第1発光体によって発光される前記導光板の前記一方の端部は、前記第1発光体に当該導光板の側面が向かうように湾曲する形状となっており、
前記表示手段と前記発光部との間には、前記発光演出によって前記表示手段に向かって出射された光を遮断する遮断部材が設けられていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機として、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個数の賞球が遊技者に払い出され、識別情報の変動表示(「変動」ともいう。)の表示結果が特定表示結果となった場合に、遊技状態を変更する遊技機(いわゆる、パチンコ機)が知られている。
【0003】
また、1ゲームに対して所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより識別情報の変動表示を開始し、遊技者がストップスイッチを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で識別情報の変動表示を停止し、全ての変動表示を停止したときに導出された表示結果に従って入賞が発生し、入賞に応じて予め定められた所定の遊技媒体が払い出され、特定入賞が発生した場合に、遊技状態を変更する遊技機(いわゆる、スロットマシン)が知られている。
【0004】
そのような遊技機において、発光素子が照射した光を導光板の内部を通過させることで発光演出を行う演出役物を備えた遊技機が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-190161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機においては、演出役物は演出表示装置の前方に配置されているため、演出役物が発光演出を実行したときに、導光板の内部を通過して当該導光板から出射された光が演出表示装置に映り込んでしまう場合があった。このような場合、演出効果を低減させてしまうため、その改善が望まれていた。
【0007】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、演出効果の低減を抑制できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機において、所定画像を表示可能な表示手段と、前記表示手段の前方に配置された演出役物と、を備え、前記表示手段は、第1状態と、第2状態と、を有し、前記第1状態は、相対的に明るい画像が表示される状態であり、前記第2状態は、相対的に暗い画像が表示される状態であり、前記演出役物は、前記第2状態において発光演出を実行可能な発光部を有し、前記発光部は、互いの背面と正面とが対向するよう、所定の間隔をあけて配置される複数の導光板と、前記所定の間隔に配置され、前記導光板の一方の端部側の側面に光を出射することで、前記導光板を発光させる発光基板と、を少なくとも含み、前記発光基板は、前記発光基板の一方の面に設けられ、当該面に垂直となる方向に光を発する第1発光体と、前記発光基板の他方の面に設けられ、当該面と平行となる方向に光を発する第2発光体と、を有し、前記第1発光体によって発光される前記導光板の前記一方の端部は、前記第1発光体に当該導光板の側面が向かうように湾曲する形状となっており、前記表示手段と前記発光部との間には、前記発光演出によって前記表示手段に向かって出射された光を遮断する遮断部材が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、演出効果の低減を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】パチンコ機の正面図である。
図2】パチンコ機の背面図である。
図3】遊技盤ユニットの正面図である。
図4】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
図5】可動体ユニットを示す正面図である。
図6】下可動体ユニットを示す斜視図である。
図7】下可動体ユニットの分解斜視図である。
図8】下可動体ユニットが備えている右可動体の分解斜視図である。
図9】右可動体が有する演出役物の分解斜視図である。
図10】演出役物の右側面図である。
図11図10に示すA部の拡大図である。
図12】演出役物が有する発光部を前面側から視たときの分解斜視図である。
図13】演出役物が有する発光部を背面側から視たときの分解斜視図である。
図14】発光装置の正面図である。
図15】発光装置の背面図である。
図16】(a),(b)は図14のXVI-XVI線断面図である。
図17】演出役物の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
[全体構成]
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
【0014】
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
【0015】
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
【0016】
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
【0017】
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
【0018】
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
【0019】
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
【0020】
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
【0021】
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はカードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
【0022】
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではカードユニットに接続する遊技機を例に挙げているが、パチンコ機1は現金機(カードユニットに接続しない遊技機)であってもよい。
【0023】
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0024】
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素としてレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうちレンズユニット47にはランプ46が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のランプ50が組み込まれている。
【0025】
上述した各種ランプ46,50は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4にはそれぞれスピーカ54a~54dが組み込まれている。これらスピーカ54a~54dは、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
【0026】
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
【0027】
さらに、演出切替ボタン45の周囲には、演出切替ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(操作入力受付手段、回転型セレクター)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転させることで、例えば液晶表示器42に表示される演出内容を変化させることができる。
【0028】
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
【0029】
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
【0030】
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
【0031】
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
【0032】
[遊技盤ユニットの構成]
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技盤8bを備えており、この遊技盤8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技盤8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技盤8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技盤8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に上記の遊技領域8aが形成されている。
【0033】
遊技領域8aは左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、有利遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。遊技球は、第2遊技領域へ流通させる案内通路19e(発射レールや遊技領域の天井部、誘導部など)によって第2遊技領域に導かれる。また、遊技領域8a内には、第1始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28(第2始動入賞口)、可変入賞装置31(大入賞口)等が分布して設置されている。始動ゲート20は、案内通路19eから右打ち領域へ導かれた遊技球を主対象にして通過させることで作動抽選(普通図柄抽選)の抽選契機を発生させる。
【0034】
このうち、第1始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。第1始動入賞口26は、始動口ユニット300により形成されており、始動口ユニット300は遊技盤8bの盤面に着脱自在に取り付けられている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28、可変入賞装置31は、遊技領域8aの右側部分に配置されている。
【0035】
遊技領域の最上部には、遊技領域の上部に向かって発射された遊技球の移動方向を規制可能として右打ち領域に導くための入口領域と出口領域を有する区画に基づく案内通路19eが形成されている。
【0036】
遊技領域8aに発射された遊技球は、その流下の過程で第1始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、始動ゲート20を通過したり、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の可変入賞装置31に入球したりする。
【0037】
ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、第1始動入賞口26又は普通入賞口22,24に入球するか、各種入賞口に入球(入賞)しなかった場合は最終的にアウト口32に入球する。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に始動ゲート20を通過するか、アウト口19cに入球するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の可変入賞装置31に入球する可能性がある。
【0038】
始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、第1始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、可変入賞装置31、アウト口19cに入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
【0039】
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、第1始動入賞口26や普通入賞口22,24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
【0040】
一方、可変始動入賞装置28や、可変入賞装置31に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
【0041】
可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(例えば、始動ゲート20を通過したときに行われる抽選に当選し、普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って第2始動入賞口29への入球を可能にする。可変始動入賞装置28は板状の開閉部材28aを備えている。開閉部材28aは、ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。常態では、開閉部材28aは盤面の内部に引き込まれた退避位置にある。この状態では、遊技球は開閉部材28aによって第2始動入賞口29に導かれることなく落下する。そして、可変始動入賞装置28が作動(すなわち、ソレノイドが駆動)すると、開閉部材28aが盤面から突出する突出位置に変位し、遊技球が開閉部材28aの上面を転動することが可能になって、遊技球が第2始動入賞口29に導かれる。
【0042】
可変入賞装置31は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当り又は小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口31aへの入球を可能にする。可変入賞装置31は開閉部材31bを有している。開閉部材31bは、ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。常態では、開閉部材31bは、盤面から遊技者側に突出した突出位置にあり、このとき遊技球は開閉部材31bの上面を転動することになるため、大入賞口31aへの入球は不能である。そして、可変入賞装置31が作動(すなわち、ソレノイドが駆動)すると、開閉部材31bが盤面の内部に引き込まれる退避位置に変位し、大入賞口31aを開放する。この間に可変入賞装置31への遊技球の入球が可能になり、大入賞口31aへの入球が可能になる。
【0043】
可変入賞装置31は、確変ゲート31cと非確変ゲート31dを備えている。そして、大入賞口31a内に入球した遊技球が確変ゲート31cを通過すると大当りの終了後に確変状態に制御され、大入賞口31a内に入球した遊技球が非確変ゲート31dを通過すると大当りの終了後に非確変状態に制御される。確変ゲート31cの上方には、開閉部材31eが設けられている。開閉部材31eは、ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。常態では、開閉部材31eは、盤面から遊技者側に突出した突出位置にあり、このとき遊技球は開閉部材31eの上面を転動することになるため、確変ゲート31cを通過することは不能である(すなわち、非確変ゲート31dを通過する)。そして、可変入賞装置31が作動(すなわち、ソレノイドが駆動)すると、開閉部材31bが盤面の内部に引き込まれ、確変ゲート31cへの入球が可能になる。
【0044】
また、遊技盤ユニット8の中央部には、液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。
【0045】
また、液晶表示器42は、通常状態(第2状態)と、特定状態(第1状態)と、を有する。通常状態は、遊技者が通常の遊技を行っているときの液晶表示器42の状態であり、本実施形態では相対的に暗い画像が表示される状態である。例えば、通常状態では、特定状態に比べて黒い画像が表示される割合が高くなっている。一方で、特定状態は、遊技者が大当たりやリーチに当選したときの液晶表示器42の状態であり、相対的に明るい画像が表示される状態である。例えば、特定状態では、通常状態に比べて白い画像が表示される割合が高くなっている。なお、図3において図示は省略しているが、遊技盤8bと液晶表示器42との間には後述する可動体ユニット(図5参照)が配置されている。
【0046】
その他、普通入賞口22,24や第1始動入賞口26、第2始動入賞口29、可変入賞装置31、アウト口19c、アウト口32に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
【0047】
[遊技の進行の説明]
パチンコ機1では、遊技状態が通常状態である場合には、遊技者は遊技領域の左方を狙って発射操作(いわゆる左打ち)が行われる。ハンドルユニット16への遊技者による回転操作により、左打ちを行い、第1始動入賞口26に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置による第1特別図柄の変動表示が開始される。
【0048】
なお、第1特別図柄の変動表示中の期間や、大当り遊技や小当り遊技に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく第1特別図柄の変動表示を直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特別図柄の変動表示は所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
【0049】
第1特別図柄の変動表示において、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となる。また、大当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、第1特別図柄の変動表示であっても、極低い割合で小当り図柄が停止表示され、「小当り」となる場合があるように構成してもよい。
【0050】
第1特別図柄の変動表示の表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。
【0051】
大当り遊技状態では、可変入賞装置31により形成される大入賞口31aが所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口31aに進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口31aを開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口31aが開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
【0052】
大当り遊技状態においては、遊技者は、右打ちを行って、遊技球を大入賞口31aに進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
【0053】
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口31aの開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、確変状態(高確率状態)、小当たりラッシュ状態、時短状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
【0054】
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、確変状態や小当りラッシュ状態、高ベース状態に制御されることがある。
【0055】
確変状態(確率変動状態)では、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
【0056】
小当りラッシュ状態では、通常状態よりも小当りになりやすい小当りラッシュ制御が実行される。このパチンコ機1では、小当り遊技状態でもある程度の賞球を得ることができるので、大当り遊技状態と比べると得られる賞球が少ないが遊技者にとって有利な状態である。
【0057】
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行され(時短状態)、普通図柄の変動表示で「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口29に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、時短制御)も実行される。時短状態は、特別図柄の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
【0058】
確変状態や小当りラッシュ状態、時短状態は、特別図柄の変動表示が所定回数実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特別図柄の変動表示が実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り確変等)ともいう。
【0059】
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、確変状態、小当たりラッシュ状態、時短状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、特別図柄の変動表示における表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ機1が、パチンコ機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
【0060】
大当り遊技を終了し、遊技状態が確変状態や小当りラッシュ状態、時短状態に制御されると、遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作(右打ち)を行うのが有利である。ハンドルユニット16への遊技者による回転操作により、右打ちを行い、遊技球が始動ゲート20を通過すると、普通図柄表示器による普通図柄の変動表示が開始される。なお、前回の普通図柄の変動表示の実行中の期間等に遊技球が始動ゲート20を通過した場合(遊技球が始動ゲート20を通過したが当該通過に基づく普通図柄の変動表示を直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普通図柄の変動表示は所定の上限数(例えば4)まで保留される。
【0061】
この普通図柄の変動表示では、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変始動入賞装置28を所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口29が開放状態になる)。
【0062】
第2始動入賞口29に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置による第2特別図柄の変動表示が開始される。
【0063】
第2特別図柄の変動表示において、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
【0064】
第2特別図柄の変動表示の表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。第2特別図柄の変動表示の表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
【0065】
小当り遊技状態では、可変入賞装置31により形成される大入賞口31aが所定の開放態様で開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
【0066】
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、第2特別図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特別図柄の変動表示が、上記回数切りにおける上記所定回数目の特別図柄の変動表示である場合には、当然遊技状態が変更される)。
【0067】
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
【0068】
[演出の進行について]
パチンコ機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、液晶表示器42に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ54a~54dからの音声出力、各種ランプ46,50や盤面ランプ53の動作等により行われてもよい。
【0069】
遊技の進行に応じて実行される演出として、液晶表示器42に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアでは、第1特別図柄の変動表示又は第2特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄による変動表示が開始される。第1特別図柄の変動表示や第2特別図柄の変動表示において表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、演出図柄の変動表示の表示結果となる確定演出図柄(3つの演出図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
【0070】
演出図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、液晶表示器42の画面上にて停止表示された演出図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動表示が継続している態様などのことである。
【0071】
また、演出図柄の変動表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ機1では、演出態様に応じて表示結果(特別図柄の変動表示の表示結果や演出図柄の変動表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
【0072】
特別図柄の変動表示の表示結果が「大当り」となるときには、液晶表示器42の画面上において、演出図柄の変動表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定演出図柄が導出される(演出図柄の変動表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上に同一の演出図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
【0073】
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の演出図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の演出図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の演出図柄を確変図柄、偶数の演出図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
【0074】
特別図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となるときには、液晶表示器42の画面上において、演出図柄の変動表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定演出図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(演出図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する演出図柄が停止表示される。なお、特別図柄の変動表示の表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定演出図柄が導出表示されてもよい。
【0075】
特別図柄の変動表示の表示結果が「ハズレ」となる場合には、演出図柄の変動表示の態様がリーチ態様とならずに、演出図柄の変動表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定演出図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(演出図柄の変動表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、演出図柄の変動表示の態様がリーチ態様となった後に、演出図柄の変動表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定演出図柄が停止表示される(演出図柄の変動表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
【0076】
パチンコ機1が実行可能な演出には、保留表示を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が演出図柄の変動表示中に実行される。予告演出には、実行中の変動表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の変動表示(実行が保留されている変動表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、保留表示の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
【0077】
また、液晶表示器42において、演出図柄の変動表示中に演出図柄を一旦仮停止させた後に変動表示を再開させることで、1回の変動表示を擬似的に複数回の変動表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
【0078】
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
【0079】
また、例えば特別図柄の変動表示等が実行されていないときには、液晶表示器42にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
【0080】
[制御上の構成]
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図4は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。
【0081】
図4に示すように、パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
【0082】
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
【0083】
始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、第1始動入賞口26に対応して第1始動入賞口スイッチ80が設けられている。また、第2始動入賞口29に対応して第2始動入賞口スイッチ82が設けられている。第1始動入賞口スイッチ80は、第1始動入賞口26への遊技球の入球を検出し、第2始動入賞口スイッチ82は、第2始動入賞口29への遊技球の入球を検出する。また、可変入賞装置31に対応してカウントスイッチ84が設けられている。カウントスイッチ84は、可変入賞装置31(大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。また、確変用スイッチ85は確変ゲート31cを通過した遊技球を検出し、非確変用スイッチ86は非確変ゲート31dを通過した遊技球を検出する。
【0084】
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22や普通入賞口24への遊技球の入球を検出する普通入賞口スイッチ81が装備されている。なお、普通入賞口22及び普通入賞口24については、共通の普通入賞口スイッチ81を用いる構成を例に挙げているが、例えば2つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22,24に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
【0085】
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、普通入賞口スイッチ81、確変用スイッチ85、非確変用スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
【0086】
普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0087】
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28において第2始動入賞口29に遊技球を導く開閉部材28aを変位させる普通電動役物ソレノイド88、可変入賞装置31において確変ゲート31cを開閉する開閉部材31eを変位させる確変ゲート用ソレノイド90、可変入賞装置31において大入賞口31aを開閉する開閉部材31bを変位させる大入賞口用ソレノイド97が設けられている。普通電動役物ソレノイド88、確変ゲート用ソレノイド90、大入賞口用ソレノイド97は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれの開閉部材を突出位置(第1位置)と退避位置(第2位置)との間で変位させる。なお、これらソレノイド88,90,97についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0088】
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
【0089】
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(払出手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
【0090】
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ、払出手段)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
【0091】
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
【0092】
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
【0093】
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
【0094】
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
【0095】
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
【0096】
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
【0097】
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
【0098】
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46,50や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54a~54dから実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
【0099】
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
【0100】
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、ランプ46,50の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。
【0101】
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、スピーカ54a~54dを駆動して音響出力を行う。
【0102】
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46,50やスピーカ54a~54dに印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、ガラス枠電飾基板136には、ジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、受皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受皿電飾基板に接続されていてもよい。
【0103】
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53が接続されている。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53にそれぞれ印加される。
【0104】
また、後述する可動体ユニットは、演出制御CPU126によって制御される。演出制御CPU126は、可動体ユニッが備えている可動体を駆動するモータや可動体に内蔵されたLEDの点灯制御などを行う。
【0105】
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
【0106】
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上述したように各種ランプ46,50等やスピーカ54a~54dを用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
【0107】
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
【0108】
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
【0109】
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
【0110】
[可動体ユニットの説明]
次に、図5を参照して、可動体ユニット200について説明する。図5は、可動体ユニット200を示す正面図である。
【0111】
図5に示すように、可動体ユニット200は、上可動体ユニット201と、下可動体ユニット202と、を備えている。上可動体ユニット201は、上可動体201aと、駆動機構201bと、ガイド機構201cと、を有する。上可動体201aは、略矩形状に形成されており、その前面には機種のコンテンツに応じたデザインが施されている。上可動体ユニット201の長手方向の左端部は駆動機構201bと連結されており、右端部はガイド機構201cと連結されている。詳細な説明は省略するが、上可動体201aは、駆動機構201bおよびガイド機構201cによって上下方向に沿って昇降動作可能となっている。
【0112】
下可動体ユニット202は、上可動体201aの駆動機構201bの下端部と、ガイド機構201cの下端部と、の間に配置されている。この下可動体ユニット202には、後述するように演出役物208が設けられており、上述した通常状態において演出役物208が昇降動作するとともに所定演出を実行する。
【0113】
[下可動体ユニットの説明]
図6および図7を参照して、下可動体ユニット202の詳細について説明する。図6は下可動体ユニット202を示す斜視図、図7は下可動体ユニット202の分解斜視図である。
【0114】
図6および図7に示すように、下可動体ユニット202は、右下可動体203と、左下可動体204と、ベース部材205と、前面カバー部材206と、背面カバー部材207と、を備えている。右下可動体203は、ベース部材205の前面右側に取り付けられている。左下可動体204は、ベース部材205の前面左側に取り付けられている。前面カバー部材206は、右下可動体203および左下可動体204の下方であって、ベース部材205の前面下部に取り付けられている。背面カバー部材207は、ベース部材205の背面を覆うように当該ベース部材205に取り付けられている。
【0115】
右下可動体203および左下可動体204は、互いに左右対称になっている点を除いて同じ構成である。そこで、以下においては、右下可動体203についての説明を行い、左下可動体204についての説明は省略する。
【0116】
[右下可動体の説明]
図8を参照して、右下可動体203の詳細について説明する。図8は、右下可動体203の分解斜視図である。
【0117】
図8に示すように、右下可動体203は、演出役物208と、駆動部材209と、を有する。演出役物208は駆動部材209に取り付けられており、駆動部材209はベース部材205に取り付けられている(図6参照)。詳細な説明は省略するが、駆動部材209は、ベース部材205に設けられたモータ(不図示)の回転力を伝達する動力伝達機構209a等を有しており、モータが回転することで動力伝達機構209a等が演出役物208を昇降動作させる。この際に、演出役物208は、後述する発光演出を実行する。
【0118】
[演出役物の説明]
次に、図9図11を参照して、演出役物208の詳細について説明する。図9は、演出役物208の分解斜視図、図10は演出役物208の右側面図、図11図10に示すA部の拡大図である。
【0119】
図9および図10に示すように、演出役物208は、発光装置210と、ベース部211と、カバー部212と、を有する。発光装置210は、ベース部211の前面に取り付けられている。カバー部212は、発光装置210の下部を覆うようにベース部211の前面に取り付けられている。
【0120】
発光装置210は、第1導光板213と、第2導光板214と、基板215と、を有する。第1導光板213および第2導光板214は、透明性を有する樹脂材料から成る板状部材である。第1導光板213および第2導光板214は、これらの内部に光を通過可能に構成されている。これら第1導光板213および第2導光板214は、基板215を前後方向から挟み込むように配置されている。
【0121】
基板215は、詳細は後述するが、複数の発光素子(例えば発光ダイオード)を有している(例えば図14,15参照)。これら発光素子は、第1導光板213および第2導光板214に近接して配置されている。これら発光素子から照射された光は、第1導光板213および第2導光板214に入射してその内部を通過した後に外部に出射される。
【0122】
図11に示すように、第1導光板213の高さ方向の寸法と、第2導光板214の高さ方向の寸法と、は異なっている。具体的には、第1導光板213の高さ方向の寸法は、第2導光板214の高さ方向の寸法よりも小さい。換言すれば、第2導光板214の高さ方向の寸法は、第1導光板213の高さ方向の寸法よりも大きい。
【0123】
また、第1導光板213は、その上端部に当該第1導光板213の内部を通過した光を外部へ出射する第1出射面213aを有する。第1出射面213aは、液晶表示器42が配置されている方向を向いている。具体的には、第1出射面213aは、第1導光板213の頂部から背面部に向かって下り傾斜するように面取り加工されている。そして、第1出射面213aと対向するように第2導光板214が配置されており、第1出射面213aから出射した光は第2導光板214に照射されるようになっている。つまり、第1出射面213aの第1傾斜角度θは、第1出射面213aから出射した光が第2導光板214の上端部に照射されることで液晶表示器42に直接照射されないような角度に設定されている。
【0124】
また、図11に示すように、第2導光板214は、その上端部に当該第2導光板214の内部を通過した光を外部へ出射する第2出射面214aを有する。第2出射面214aは、液晶表示器42と反対側(つまり、遊技者側)を向いている。具体的には、第2出射面214aは、第2導光板214の頂部から前面部に向かって下り傾斜するように面取り加工されている。そして、第2出射面214aから出射した光は、一体扉ユニット4の窓4a内に設けられたガラスユニット、すなわち、遊技者側に向かうようになっている。つまり、第2出射面214aの第2傾斜角度θは、第2出射面214aから出射した光が液晶表示器42に照射されないような角度に設定されている。
【0125】
図10に戻り、ベース部211は、その上部にスモーク板211aを有する。スモーク板211aは、例えば黒色の樹脂材料から成る板状部材である。スモーク板211aの光の透過率は、概ね0%に設定されている。スモーク板211aは、前後方向において、第2導光板214と液晶表示器42との間に配置されている。そして、このスモーク板211aの前面は、第2導光板214の背面と対向している。スモーク板211aは、第1導光板213の背面または第2導光板214の背面から漏れた光を吸収することで、その光が液晶表示器42に照射されることを防止する。
【0126】
[発光装置の説明]
次に、図12図15を参照して、発光装置210の詳細について説明する。図12は発光装置210を前面側から視たときの分解斜視図、図13は発光装置210を背面側から視たときの分解斜視図、図14は発光装置210の正面図、図15は発光装置210の背面図である。
【0127】
図12および図13に示すように、発光装置210は、上述した第1導光板213、第2導光板214、および基板215が組み合されて構成されている。第1導光板213は、基板215の前面上端部を覆っている(図14参照)。また、第2導光板214は、基板215の背面上端部を覆っている(図15参照)。
【0128】
基板215は、複数(本例では16個)の発光素子(例えば発光ダイオード)215a,215bを有する。16個の発光素子215a,215bは、基板215の前面側に設けられた複数(本例では8個)の第1発光素子215aと、基板215の背面側に設けられた複数(本例では8個)の第2発光素子215bと、を含む。
【0129】
図12および図14に示すように、8個の第1発光素子215aは、基板215の前面上端部に沿って並ぶように配置されている。これら第1発光素子215aは、第1導光板213の下端部によって覆われている。そして、これら第1発光素子215aの発光面は、前方を向いており、第1導光板213の下端部と対向している。第1導光板213の下端部は、8個の第1発光素子215aから照射された光を上方に反射する反射部213bを形成している。そのため、8個の発光素子215aから照射された光は、第1導光板213の反射部213bで反射された後に、第1導光板213の内部を上方に向かって通過する。
【0130】
図13および図14に示すように、第1導光板213は、その背面に第1加工溝213cを有している(図14において点線で示す)。第1加工溝213cは、製造工程において第1導光板213の背面に微細な凹凸加工を施すことによって形成される。上述した8個の発光素子215aが照射した光が、第1導光板213の内部を通過する際に、第1加工溝213cに照射されると、その光が前方に向かって拡散する。これにより、第1加工溝213cの形状に応じた文字等の情報が第1導光板213の前面に表示される。本実施形態では、前方から視たときに、第1導光板213の左側に「乙」という文字が表示され、右側に「一」という文字が表示される発光演出が実行される。
【0131】
一方、図13および図15に示すように、8個の第2発光素子215bは、基板215の背面上端部に沿って並ぶように配置されている。これら第2発光素子215bは、第2導光板214の下端部によって覆われることなく、露出している。そして、これら第2発光素子215bの発光面は、上方を向いており、第2導光板214の下端部と対向している。そのため、8個の第2発光素子215bから照射された光は、直接第2導光板214の内部を上方に向かって通過する。なお、基板215の背面には、基板215に電力を供給するためのコネクタ接続部215cが設けられている。
【0132】
また、第2導光板214は、その背面に第2加工溝214bを有している。第2加工溝214bは、製造工程において第2導光板214に微細な凹凸加工を施すことによって形成される。第2加工溝214bは、第1加工溝213cよりもひとまわり大きく形成されている。8個の発光素子215bが照射した光が、第2導光板214の内部を通過する際に、第2加工溝214bに照射されると、その光が前方に向かって拡散する。これにより、第2加工溝214bの形状に応じた文字等の情報が第2導光板214の前面に表示される。本実施形態では、前方から視たときに、第2導光板214の左側に「乙」という文字が、第1導光板213に表示された文字(「乙」)を縁取りするように表示され、右側に「一」という文字が第1導光板213に表示された文字(「一」)を縁取りするように表示される発光演出が実行される。なお、このように第1導光板213による発光演出と第2導光板214による発光演出を組み合わせることで、遊技者は第1導光板213および第2導光板214に表示される文字を立体的に視認できるようになり、演出効果を向上できる。
【0133】
[第2導光板の役割]
次に、図16(a),(b)を参照して、第2導光板214の役割について説明する。図16(a)、(b)は図14のXVI-XVI線断面図である。なお、図16(a),(b)においては、光が通過する態様を明確にするため、第1導光板213および第2導光板214にハッチングを施していない。また、同図においては液晶表示器42を模式的に描いている。
【0134】
図16(a)に示すように、8個の第1発光素子215aが照射した光は、第1導光板213の反射部213bに向かい、当該反射部213bで反射する。その後、その反射光は、第1導光板213の内部を上方に向かって通過する。その際に、第1導光板213の第1加工溝213cに反射光が照射されると、前方に向かって光が拡散することで上述した発光演出が実行される。
【0135】
第1導光板213の上端部まで反射光が到達すると、その反射光は第1導光板213の第1出射面213aから外部に出射される。この出射光は、第2導光板214の上端部に照射される。このように、第1導光板213の第1出射面213aから出射された光は、液晶表示器42に直接照射されない。つまり、第2導光板214は第1導光板213から出射した光を遮断して、その光が液晶表示器42に映り込まないようにしている。
【0136】
図14(b)に示すように、8個の第2発光素子215bから出射した光は、直接第2導光板214の内部に侵入し、第2導光板214の内部を上方に向かって通過する。その際に、第2導光板214の第2加工溝214bに入射光が照射されると、前方に向かって光が拡散することで上述した発光演出が実行される。
【0137】
第2導光板214の上端部まで入射光が到達すると、その入射光は第2導光板214の第2出射面214aから前方に向かって出射される。この出射光は、一体扉ユニット4の窓4a内に設けられたガラスユニット、つまり、遊技者側に向かう。このように、第2導光板214の第2出射面214aから出射された光は、液晶表示器42に照射されない。つまり、第2導光板214は、当該第2導光板214から出射した光が液晶表示器42に照射されないようにしている。
【0138】
[スモーク板の役割]
次に、図17を参照して、スモーク板211aの役割について説明する。図15は、演出役物208の右側面図である。なお、図17においては液晶表示器42を模式的に描いている。
【0139】
図17に示すように、第1導光板213および第2導光板214による発光演出の実行中において、第1導光板213の背面に形成された第1加工溝213cの周辺、または第2導光板214の背面に形成された第2加工溝214bの周辺から液晶表示器42に向かって光が漏れる場合がある。この場合、スモーク板211aは、その漏れた光を吸収できる。つまり、スモーク板211aは、その漏れた光を遮断して、その光が液晶表示器42に映り込まないようにしている。なお、スモーク板211aの上端部は、上下方向において第1加工溝213cまたは第2加工溝214bよりも十分に上方に位置しているため、その漏れた光がスモーク板211aの上端部を超えて液晶表示器42に映り込むことはない。
【0140】
本実施形態では、液晶表示器42が通常状態(第2状態)である場合、上述したように相対的に暗い画像が表示される。また、それと同時に、抽選の判定の結果を示唆する保留画像、および先読みの判定の結果を示唆する先読み画像を含む示唆演出が実行される。そして、この示唆演出が実行されている際に、上述した演出役物208による発光演出も実行される。ここで、従来のパチンコ機においては、この発光演出により示唆演出を実行している液晶表示器42に光が映り込んでしまうことに起因して、遊技者が示唆演出を視認し難くなり、示唆演出の演出効果を低減させていた。しかしながら、本実施形態のパチンコ機1においては、演出役物208が上記のように構成された第1導光板213、第2導光板214およびスモーク板211aを備えているので、示唆演出を実行している液晶表示器42に発光演出による光が映り込んでしまうことがない。そのため、遊技者は示唆演出を明確に視認できるようになっているので、演出効果の低減を抑制できる。
【0141】
特に、液晶表示器42が通常状態(第2状態)である場合、示唆演出では、比較的黒い画像を多く含む示唆画像が表示される。このような示唆画像として、例えば、期待度を数値により示唆するものであって「70%」や「30%」を黒文字で表示した画像、期待度を図柄により示唆するものであって「★」(☆の内部は黒色)を複数個表示した画像、または期待度を所定のキャラクタにより示唆するものであって比較的黒色の割合が多いキャラクタを表示した画像等が挙げられる。このような示唆画像は、上述した発光演出による光が映り込むことで示唆した期待度が遊技者に伝わり難くなり易いため、上記した本実施形態の構成を採用することは極めて有効である。すなわち、本実施形態の構成を採用することで、発光演出による光が示唆画像に映り込まなくなり、示唆した期待度を遊技者に明確に伝えることができる。
【0142】
[本実施形態の効果]
本実施形態においては、遊技を行うことが可能な遊技機(本例では、パチンコ機1)において、所定画像を表示可能な表示手段(本例では、液晶表示器42)と、前記表示手段の前方に配置された演出役物(本例では、演出役物208)と、を備え、前記表示手段は、第1状態(本例では、特定状態)と、第2状態(本例では、通常状態)と、を有し、前記第1状態は、相対的に明るい画像が表示される状態であり、前記第2状態は、相対的に暗い画像が表示される状態であり、前記演出役物は、前記第2状態において発光演出を実行可能な発光部(本例では、第1導光板213および8個の第1発光素子215a)を有し、前記表示手段と前記発光部との間には、前記発光演出によって前記表示手段に向かって出射された光を遮断する遮断部材(本例では、第2導光板214またはスモーク板211a)が設けられていることを特徴とする。そのため、前記遮断部材によって前記発光部から出射された光が前記表示手段に照射されることを防止できる。したがって、前記表示手段に前記発光部から出射された光が映り込まなくなり、演出効果の低減を抑制できる。
【0143】
特に、前記演出役物の前記発光部は、相対的に暗い画像が表示される状態である前記第2状態において発光可能であり、前記発光演出によって前記表示手段に向かって出射された光が映り込み易い。そのため、前記遮蔽部材によって、前記表示手段に前記発光部から出射された光が映り込まないようにすることは極めて有効である。
【0144】
また、本実施形態においては、前記発光部は、光を出射する出射面(本例では、第1出射面213a)を有し、前記出射面は、前記表示手段が配置されている方向を向いており、前記遮断部材(本例では、第2導光板214)は、前記出射面と対向する位置に設けられていることを特徴とする。そのため、前記遮断部材によって前記出射面から出射された光が前記表示手段に照射されることをさらに防止できる。したがって、前記表示手段に前記出射面から出射された光が映り込まなくなり、演出効果の低減を確実に抑制できる。
【0145】
[その他、上記実施形態の変形例]
上記実施形態では、第2導光板214と液晶表示器42との間にスモーク板211aが配置されていたが、この構成に限定されない。例えば有色の樹脂材料から成る部材であって、第1導光板213の背面または第2導光板214の背面にから漏れた光を遮断できる部材であれば、種々の構成を採用できる。
【0146】
上記実施形態では、第1発光素子215aの個数は8個であり、第2発光素子215bの個数は8であったが、この個数に限定されることなく、第1導光板213または第2導光板214の大きさ等に応じて、適宜変更可能である。
【0147】
上記実施形態では、本発明を構成する「発光部」として第1発光素子215aおよび第1導光板213を例に挙げて説明したが、この構成に限定されない。例えば第1導光板213は複数配置されても良い。そして、これら複数の第1導光板213の高さ方向の寸法は、第2導光板214の高さ方向の寸法より小さくすれば良い。この場合でも、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0148】
1 パチンコ機(遊技機)
42 液晶表示器(表示手段)
208 演出役物
211a スモーク板(遮蔽部材)
213 第1導光板(発光部)
213a 第1出射面(出射面)
214 第2導光板(遮蔽部材)
215a 第1発光素子(発光部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17