(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】光ディスクドライブ及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G11B 17/028 20060101AFI20240402BHJP
G11B 33/12 20060101ALI20240402BHJP
G11B 17/051 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G11B17/028
G11B33/12 313D
G11B17/051
(21)【出願番号】P 2022512091
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 JP2021012746
(87)【国際公開番号】W WO2021200608
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】P 2020061439
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 順
(72)【発明者】
【氏名】中川 和人
【審査官】中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-010075(JP,A)
【文献】特開2013-131266(JP,A)
【文献】特開2012-181887(JP,A)
【文献】特開平10-092073(JP,A)
【文献】特開2018-055751(JP,A)
【文献】特開2004-095113(JP,A)
【文献】特許第4882547(JP,B2)
【文献】特開2006-048837(JP,A)
【文献】特開平11-162058(JP,A)
【文献】特開平08-045156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 17/028
G11B 33/12
G11B 17/051
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクを受け入れる挿入口と、
前記挿入口から後方に離れているスピンドルモータと、
軸線を中心に回転する搬送ローラを有し、前記挿入口から挿入された光ディスクを
、前記搬送ローラを用いて前記スピンドルモータの位置まで搬送する機構と、
前記スピンドルモータの位置に達した光ディスクの外縁にあたり前記光ディスクの後方への動きを規制するストッパ部を有しているフレームと、
前記スピンドルモータの位置に達した前記光ディスクを挟んで前記ストッパ部とは反対側に位置するコンタクト部を有し、前記コンタクト部によって前記光ディスクを前記ストッパ部に向けて押す付勢部材と
を有して
おり、
前記付勢部材は、前記搬送ローラの前記軸線とは交差する方向に沿っている軸線を中心に回転可能である
光ディスクドライブ。
【請求項2】
前記フレームは前記スピンドルモータを保持しているフレームである
請求項1に記載される光ディスクドライブ。
【請求項3】
前記ストッパ部は前記フレームに一体的に形成されている
請求項1に記載される光ディスクドライブ。
【請求項4】
前記コンタクト部は、前後方向に沿っており前記スピンドルモータの回転中心線を通る第1平面の右側又は左側にだけ配置されている
請求項1に記載される光ディスクドライブ。
【請求項5】
前記付勢部材の数は1つである
請求項1に記載される光ディスクドライブ。
【請求項6】
前記スピンドルモータに前記光ディスクを固定するチャッキングプーリと、
前記チャッキングプーリの位置を操作するチャッキングプーリ操作機構と、をさらに有し、
前後方向に沿っており前記スピンドルモータの回転中心線を通る第1平面を挟んで前記付勢部材とは反対側に前記チャッキングプーリ操作機構が配置されている
請求項1に記載される光ディスクドライブ。
【請求項7】
前記コンタクト部は、前後方向に沿っており前記スピンドルモータの回転中心線を通る第1平面の右側と左側のうちの一方の側に位置し、且つ、前記第1平面に直交し且つ前記スピンドルモータの回転中心線を通る第2平面によりも前方に位置している
請求項1に記載される光ディスクドライブ。
【請求項8】
前記付勢部材は、前記第2平面を挟んで前記コンタクト部とは反対側に位置し且つ前記第1平面の前記一方の側に位置している回転中心線を中心として回転可能である
請求項7に記載される光ディスクドライブ。
【請求項9】
前記光ディスクを搬送する前記機構は、前記光ディスクに接して前記光ディスクを搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラを回転させるローディングモータと、前記光ディスクの位置を検知するためのスイッチとを有し、
前記付勢部材は前記スイッチを操作するスイッチ操作部を有している
請求項1に記載される光ディスクドライブ。
【請求項10】
前記フレームは、前記ストッパ部として、前記光ディスクの回転方向に離れている複数のストッパを有している
請求項1に記載される光ディスクドライブ。
【請求項11】
前記光ディスクが前記スピンドルモータの位置に向かって搬送される過程で前記光ディスクの衝突を受けて動く可動部材を有し、
前記可動部材は前記付勢部材と係合し、前記光ディスクが前記スピンドルモータの位置に達したときに、前記コンタクト部が前記光ディスクから離れるように前記付勢部材を動かす
請求項1に記載される光ディスクドライブ。
【請求項12】
請求項1に記載される光ディスクドライブを収容しているキャビネットを有している
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスクドライブ及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1及び2は、ゲーム機や、パーソナルコンピュータ、AV機器などの電子機器に搭載可能な光ディスクドライブを開示している。光ディスクドライブは、その前面に形成された挿入口から挿入された光ディスクに接し、該光ディスクをスピンドルモータの位置まで搬送する搬送ローラと、スピンドルモータの位置に達した光ディスクをスピンドルモータに対して磁力で固定するチャッキングプーリとを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-022780号公報
【文献】特開2015-022779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2で開示されている光ディスクドライブは、さらに光ディスクの中心をスピンドルモータの位置に案内する機構を有しているが、この機構は複数のアームによって実現されるため、部品数が多いという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、光ディスクの中心をスピンドルモータの位置に案内することができ、且つ、部品数を低減できる光ディスクドライブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る光ディスクドライブは、光ディスクを受け入れる挿入口と、前記挿入口から後方に離れているスピンドルモータと、前記挿入口から挿入された光ディスクを前記スピンドルモータの位置まで搬送する機構と、前記スピンドルモータの位置に達した光ディスクの外縁にあたり前記光ディスクの後方への動きを規制するストッパ部を有しているフレームと、前記スピンドルモータの位置に達した前記光ディスクを挟んで前記ストッパ部とは反対側に位置するコンタクト部を有し、前記コンタクト部によって前記光ディスクを前記ストッパ部に向けて押す付勢部材とを有している。本発明によれば、光ディスクの中心をスピンドルモータの位置に案内することができ、且つ、部品数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る光ディスクドライブ1の分解斜視図である。
【
図3】トップフレーム及びトップフレームに配置される各部材について示した分解斜視図である。
【
図5】搬送ローラ及びローラブラケットの背面図である。
【
図6】ボトムフレームの右側面の部分拡大図である。
【
図7】ローディングモータ、ギアについて示した分解斜視図である。
【
図8】ギア及びローラブラケットの左側面図である。
【
図9A】スライダー、ギア、及びローラブラケットの左側面図であり、スライダーが第1スライド位置に配置される場合について示した図である。
【
図9B】スライダー、ギア、及びローラブラケットの左側面図であり、スライダーが第2スライド位置に配置される場合について示した図である。
【
図10A】トップフレームの上面図であり、光ディスクドライブにディスクが存在しない場合を示す図である。
【
図11】トップフレームの上面図であり、光ディスクドライブの挿入口にディスクが配置される場合を示す図である。
【
図12A】トップフレームの上面図であり、光ディスクドライブにディスクがドライブ位置に配置される場合を示す図である。
【
図13】スイッチアーム及びロータリーアームの裏側を示す斜視図である。
【
図14】ベースフレーム及びトップフレームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施形態に係る光ディスクドライブ1の分解斜視図である。以下の説明では、
図1に示すX1及びX2をそれぞれ左方向及び右方向とし、Y1及びY2をそれぞれ前方及び後方とし、Z1及びZ2をそれぞれ上方及び下方とする。本実施形態では、後述するスピンドルモータ11の軸線CB(
図10B及び
図12Bを参照)において、スピンドルモータ11に光ディスクが載せられた状態で、スピンドルモータ11から光ディスクに向かう方向を上方とし、その反対方向を下方とする。また、スピンドルモータ11の軸線CBに対して垂直な方向のうち、スピンドルモータ11の配置位置から挿入口が配置される方向を前方とし、その反対の方向を後方とする。また、スピンドルモータ11の軸線CBに対して垂直な平面を水平面とする。また、部材(部品)において、最も上の位置、最も下の位置、最も左の位置、最も右の位置、最も前の位置、最も後の位置を、それぞれ、上端、下端、左端、右端、前端、後端とする。また、部材の上端、下端、左端、右端、前端、後端を少なくとも含む部材の一部分を、それぞれ、上端部、下端部、左端部、右端部、前端部、後端部とする。
【0009】
[1.光ディスクドライブの構成]
光ディスクドライブ1は、ゲーム機や、パーソナルコンピュータ、AV機器などの電子機器が有するキャビネット内に収容される。
図1に示すように、光ディスクドライブ1はベースフレーム2(ベースユニット)を有している。ベースフレーム2は略板状であり、光ディスクが載せられ、光ディスクを回転させるターンテーブルとしてのスピンドルモータ11を有している。スピンドルモータ11は、ベースフレーム2の上面に対して垂直な軸線CB(
図10B及び
図12Bを参照)を中心に回転する。また、ベースフレーム2は、スピンドルモータ11が実装されている回路基板、光ピックアップ(光学素子)、光ピックアップを前後方向において移動させるモーターなどを含んでいる。
【0010】
なお、光ディスクは、例えば、CDやDVD、Blu-Ray Disc(登録商標)などである。本実施形態で説明する光ディスクドライブ1は、直径12cmの光ディスクに対応している。
【0011】
また、光ディスクドライブ1はボトムフレーム3を有している。
図1に示すように、ボトムフレーム3は箱状であり、そこに、ベースフレーム2などの各種部材が配置される。また、光ディスクドライブ1は、ボトムフレーム3の上側に取り付けられるトップフレーム4を有している。トップフレーム4は略板状であり、ボトムフレーム3に取り付けられることによって、ボトムフレーム3と共に、ベースフレーム2と、搬送ローラ20と、ローラブラケット50と、後述するローディングモータ60及びギア61a~61g(
図7を参照)とを収容する内ケースを構成する。ボトムフレーム3及びトップフレーム4は、樹脂により形成されてよい。
【0012】
図2Aはボトムフレーム3の上面図であり、
図2Bはボトムフレーム3の斜視図である。
図2A及び
図2Bは。ボトムフレーム3に各種部材が配置された状態を示す。
図2A、
図2Bに示すように、ボトムフレーム3の内側には、ベースフレーム2と、搬送ローラ20が取り付けられた状態のローラブラケット50が配置される。また、ボトムフレーム3の外側には、スライダー70が配置される。
【0013】
箱状のボトムフレーム3は、その前側の上縁に、矩形の切り欠き部31を有している。この切り欠き部31と略板状のトップフレーム4の前端部の下縁とによって、光ディスクを挿入するための挿入口が構成される。挿入口に挿入された光ディスクは、ボトムフレーム3とトップフレーム4との間に配置される。より詳細には、光ディスクは、ボトムフレーム3の内側に配置された搬送ローラ20とトップフレーム4との間に配置され、搬送機構A(搬送ローラ20など)に搬送されることによって、ボトムフレーム3の内側に配置されたベースフレーム2とトップフレーム4との間に配置される。
【0014】
図3はトップフレーム4と、トップフレーム4に配置される各部材について示した分解斜視図である。
図3に示すように、トップフレーム4には、チャッキングプーリ12と、スイッチ基板15と、スイッチアーム80と、ロータリーアーム90と、第1チェックアーム110と、第2チェックアーム120と、複数のばね85,96,116が配置される。各部材の詳細については後述する。
【0015】
また、
図1に示すように、光ディスクドライブ1は、光ディスクドライブ1の最外殻である外ケースの構成部材として、ボトムケース5とカバー6を有している。ボトムケース5は箱状であり、その内側に、ボトムフレーム3及びトップフレーム4によって構成される内ケースが収容される。このように、外ケース(ボトムケース5及びカバー6)が内ケース(ボトムフレーム3及びトップフレーム4)の全体を覆うことによって、光ディスクドライブ1の内側やボトムフレーム3の内側に塵が入りこむことを抑制できる。また、ボトムケース5及びカバー6は金属により構成されてよい。このようにすることで、光ディスクドライブ1の内側に電磁波が侵入したり、光ディスクドライブ1の外側に電磁波が漏れ出たりすることを抑制できる。
【0016】
ボトムケース5の前面には矩形の穴部Hが形成されている。光ディスクドライブ1の前面視において、穴部Hは、ボトムフレーム3に形成された切り欠き部31と重なり、切り欠き部31と共に光ディスクの挿入口を構成する。すなわち、光ディスクドライブ1は、挿入口が形成された部材としてのボトムフレーム3と、ボトムケース5とを有している。
【0017】
また、光ディスクドライブ1は、光ディスクを搬送する搬送機構Aと、光ディスクの位置合わせを行うセンタリング機構Bと、光ディスクを固定するチャッキング機構Cと、光ディスクドライブ1の振動を抑制する振動抑制機構Dとを有している。搬送機構Aは、光ディスクドライブ1の外部から挿入口に挿入された光ディスクをスピンドルモータ11の位置まで搬送したり、スピンドルモータ11の上に載せられた光ディスクを挿入口の外側まで搬送したりするものである。センタリング機構Bは、光ディスクの中心位置がスピンドルモータ11の回転中心である軸線CBの位置(以下、ドライブ位置とも呼ぶ)に一致するように光ディスクを位置決めするための機構である。チャッキング機構Cは光ディスクをドライブ位置に固定するための機構である。振動抑制機構Dは、ドライブ位置において光ディスクが回転しているときに、ベースフレーム2に生じる振動が内ケース(ボトムフレーム3及びトップフレーム4)及び外ケース(ボトムケース5及びカバー6)に伝わるのを抑制するための機構である。本実施形態において、搬送機構Aはボトムフレーム3に設けられ、センタリング機構Bはベースフレーム2及びトップフレーム4に設けられ、チャッキング機構Cはトップフレーム4に設けられ、振動抑制機構Dはベースフレーム2、ボトムフレーム3、及びボトムケース5に設けられる。以下では、搬送機構A、センタリング機構B、チャッキング機構C、振動抑制機構Dについて説明する。
【0018】
[2.搬送機構]
搬送機構Aについて説明する。搬送機構Aは、光ディスクドライブ1の挿入口から挿入された光ディスクをスピンドルモータ11の位置に向けて搬送する搬送ローラ20を含んで構成される。搬送ローラ20は、光ディスクドライブ1の挿入口(ボトムフレーム3の切り欠き部31とトップフレーム4との間のスペース)に挿入された光ディスクに接するように配置されている。本実施形態では、搬送ローラ20は光ディスクが通る搬送路の下方に位置している。このため、搬送ローラ20は光ディスクの下面に接し、光ディスクを前後方向において搬送する。
【0019】
ボトムフレーム3の内側にはベースフレーム2が配置され、ベースフレーム2に搭載されるスピンドルモータ11は、挿入口を構成するボトムフレーム3の切り欠き部31から後方に離れて配置される。また、ボトムフレーム3の内側において、搬送ローラ20はローラブラケット50に取り付けられた状態で、ベースフレーム2の前方に配置される。
【0020】
図2Bに示すように、光ディスクドライブ1は、搬送ローラ20を光ディスクが通る搬送路に近づく方向(ここでは上方)に付勢するためのばね25を有する。ばね25はローラブラケット50の中央より左側に形成された穴部53に取り付けられる。ばね25は、搬送ローラ20が搬送位置に配置されるように、ローラブラケット50及び搬送ローラ20を付勢している。これにより、搬送ローラ20(後述する左ローラ21L及び右ローラ21R)は光ディスクの下面に接する。
【0021】
搬送機構Aは、ローディングモータ60から受ける動力によって作動する。搬送ローラ20が搬送位置に配置されて光ディスクの下面に接している状態において、ローディングモータ60からの動力によって搬送ローラ20が回転することにより、挿入口(ボトムフレーム3の切り欠き部31)から挿入された光ディスクは、スピンドルモータ11の位置に向けて搬送される。搬送ローラ20は、後述する搬送ローラ位置操作機構によって、搬送ローラ20が光ディスクに接し、光ディスクを搬送する搬送位置(第1ローラ位置)と、この搬送位置から離れた待避位置(第2ローラ位置)との間で移動できる。待避位置は、搬送ローラ20が光ディスクの搬送路から下方に離れ、光ディスクと接しない位置である。
【0022】
図4は搬送機構Aの構成部材について示す斜視図である。
図4に示すように、搬送ローラ20は、左右方向に並び、軸線CL(第1の軸線)を中心として回転可能な左ローラ21L(左ローラ部)と、軸線CR(第2の軸線)を中心として回転可能な右ローラ21R(右ローラ部)とを有する。左ローラ21L及び右ローラ21Rは別個に形成された円筒形の部材である。このように、左ローラ21L及び右ローラ21Rを別個の部材にすることで、左ローラ21L及び右ローラ21Rの形成を容易に行うことができる。
【0023】
搬送ローラ20はトップフレーム4の下に配置される。
図3に示すように、トップフレーム4は、搬送ローラ20を構成する左ローラ21Lと右ローラ21Rとにそれぞれ対応する位置に、開口41L,41Rを有している。搬送ローラ20が搬送位置にある場合、左右のローラ21L,21Rの各外側部分は、それぞれ開口41L,41Rの内側に配置される。
【0024】
図4に示すように、左ローラ21Lは左端部に軸部22Lを有し、右端部に連結部23Lを有している。同様に、右ローラ21Rは右端部に軸部22Rを有し、左端部に連結部23Rを有している。左ローラ21Lと右ローラ21Rは、連結部23L,23Rによって互いに連結されている。連結部23Lは左ローラ21Lに固定され、先端が枠状に形成されている。同様に連結部23Rは右ローラ21Rに固定され、先端が枠状に形成されている。搬送ローラ20の中央位置において、連結部23L,23Rは、一方の先端が他方の枠の内側に嵌まることによって互いに連結している。枠形状は左右ローラ21L,21Rにおいて同じ形状で形成されてもよい。
【0025】
このように、連結部23L,23Rが互いに接続した状態で、左ローラ21Lの左端部と右ローラ21Rの右端部のうちの一方の端部である第1端部は、軸線CLと軸線CRとの相対的な位置を変えずに、他方の端部である第2端部に対して上下方向で動くことができる。ここで、上記第1端部は、連結部23L,23Rが支持部51Lb,51Rbにそれぞれ固定された状態、軸線CLと軸線CRとの間の角度が変わらない状態で、上記第2端部に対して上下方向で動くことができる。これにより、ユーザが光ディスクを挿入する際にその位置が左右方向においてずれていた場合でも、左ローラ21Lの左端部又は右ローラ21Rの右端部がローラ間の角度を維持した状態で上下方向において動くため、左ローラ21L及び右ローラ21Rと、光ディスクとが光ディスクの所定領域において接触し、光ディスクが把持された状態を維持することができる。また、例えば、左ローラ21Lと右ローラ21Rとが独立して動くことで軸線CLと軸線CRとの相対的な位置が変わるようなものに比べて、軸線CLと軸線CRとの相対的な位置が変わらないようにすることで構造がシンプルになり、光ディスクドライブ1の部品数を低減できる。
【0026】
搬送ローラ20を構成する左ローラ21L及び右ローラ21Rは、1つのローラブラケット50に取り付けられ、ローラブラケット50によって回転可能に支持される。このように、1つのローラブラケット50が左ローラ21L及び右ローラ21Rを支持することにより、例えば、左ローラ21Lと右ローラ21Rとを2つのブラケットがそれぞれ支持するような構成に比べて、光ディスクドライブ1の部品数を低減できる。
【0027】
図5は搬送ローラ20及びローラブラケット50の背面図である。
図4及び
図5に示すように、ローラブラケット50は、左ローラ21Lの軸部22Lを支持する支持部51Laと、左ローラ21Lの連結部23Lを支持する支持部51Lbと、右ローラ21Rの軸部22Rを支持する支持部51Raと、右ローラ21Rの連結部23Rを支持する支持部51Rbとを有している。
図4及び後述する
図8に示すように、支持部51Laは環状である。また、支持部51Lb,51Rbは上方向に開口した円弧状である。これらの内側に、それぞれ、軸部22L、連結部23L,23Rが嵌まっている。また、支持部51Raは突起であり、右ローラ21Rの軸部22Rの右端に形成された穴に嵌まっている。
【0028】
左ローラ21Lの連結部23Lと右ローラ21Rの連結部23Rとを支持する支持部51Lb,51Rbは、左ローラ21Lの軸部22Lと右ローラ21Rの軸部22Rとを支持する支持部51La,51Raよりも下方に位置している。このため、左ローラ21Lの軸線CLと右ローラ21Rの軸線CRは、水平面(スピンドルモータ11の軸線CBに対して垂直な平面)に対して傾斜している。
図5に示すように、円盤状の光ディスクOは、水平面に沿って光ディスクドライブ1の挿入口に挿入されて、スピンドルモータ11の位置に搬送される。このため、左ローラ21Lの軸線CLと右ローラ21Rの軸線CRは、搬送ローラ20の上に載せられた光ディクスOに対して傾斜している。
【0029】
左ローラ21Lの軸線CLは、搬送ローラ20の左端部から搬送ローラ20の中心部に向かって軸線CLと光ディクスOとの距離が徐々に大きくなるように傾斜している。同様に、右ローラ21Rの軸線CRは、搬送ローラ20の右端部から搬送ローラ20の中心部に向かって軸線CRと光ディクスOとの距離が徐々に大きくなるように傾斜している。このように光ディクスOに対して左右のローラ21L,21Rの軸線CL,CRが傾斜しているため、光ディクスOにおいてデータ記録されている領域(光ディクスOの中心から所定距離を半径とする円領域)を避けて、左右のローラ21L,21Rを光ディクスOに接触させることができる。
【0030】
ローラブラケット50の左端部と右端部のうちの一方は、他方に対して相対的に上下方向で動くことができる。このため、左ローラ21Lの左端部と右ローラ21Rの右端部のうちの一方の端部(第1端部)は、他方の端部(第2端部)に対して相対的に上下方向で動くことができる。本実施形態では、右ローラ21Rの右端部である軸部22Rが、左ローラ21Lの左端部である軸部22Lに対して相対的に上下方向で動くことができる。
【0031】
ローラブラケット50の左端部と右端部はボトムフレーム3に支持される。
図4に示すように、ローラブラケット50は、左端部に軸部52Lを有し、右端部に軸部52Rを有する。ローラブラケット50は、左右方向に沿った軸線CAを有し、この軸線CAに沿って回転可能である。軸部52L,52Rは、それぞれローラブラケット50の左方向、右方向に突出した円筒形の突起であり、左右方向に離れてローラブラケット50の軸線CA上に位置している。
図2Bに示すように、ローラブラケット50の左端部に形成された軸部52Lは、ボトムフレーム3に形成された軸受部33Lに嵌まる。また、ローラブラケット50の右端部に形成された軸部52Rは、ボトムフレーム3に形成された軸受部33Rに嵌まる。
図4に示すように、ローラブラケット50の軸線CAは、搬送ローラ20に対して前方に離れて位置している。このため、ローラブラケット50が軸線CAを中心に回転すること
によって、ローラブラケット50に取り付けられた搬送ローラ20は軸線CAを中心に回転移動する。この動きにより、搬送ローラ20は、搬送ローラ20(左ローラ21L及び右ローラ21R)が光ディスクに接する搬送位置と、搬送位置から下方に離れた待避位置との間で移動することができる。
【0032】
ローラブラケット50の右端部と左端部のうちの一方に形成された被支持部(軸部52L又は軸部52R)と、当該被支持部を支持する支持部であって、ボトムフレーム3に形成された支持部(軸受部33L又は軸受部33R)は、当該被支持部の上下方向での動きが許容されるように形成されてよい。このようにすることで、ローラブラケット50は、左端部と右端部のうちの一方が他方に対して上下方向で動くことができ、左ローラ21Lの左端部と右ローラ21Rの右端部のうちの一方の端部(第1端部)は他方の端部(第2端部)に対して相対的に上下方向で動くことができる。すなわち、挿入された光ディスクの状態に応じてローラブラケット50の左端部と右端部のうちの一方が他方に対して上下方向に変位し、それにより左ローラ21Lの左端部と右ローラ21Rの右端部のうちの一方の端部(第1端部)が他方の端部(第2端部)に対して上下方向に変位することになり、光ディスクの状態に応じたローラとの適切な接触状態を維持できる。
【0033】
図6は、ボトムフレーム3の右側面の部分拡大図である。
図2A、
図2B、及び
図6に示すように、本実施形態では、ボトムフレーム3は、ボトムフレーム3の右端部(箱の右枠部)を構成する右側壁部32Rを有し、そこに、軸受部33Rが形成されている。ローラブラケット50がばね25により上方に付勢されている状態で、ローラブラケット50の軸部52Rとボトムフレーム3の軸受部33Rとの間には、上下方向の隙間dが生じている。この隙間dにより、軸受部33Rの内側において、ローラブラケット50の右端部(軸部52R)の上下方向での動きが許容される。なお、
図6では、軸受部33Rは切り欠きとして形成されているが、軸受部33Rは上下方向に長い長穴であってもよい。
【0034】
また、
図2Bに示すように、ボトムフレーム3は、ボトムフレーム3の左端部(箱の左枠部)を構成する左側壁部32Lを有する。また、ボトムフレーム3の内側には、左側壁部32Lと並行するように平板状の左内壁部34が形成されている。この左内壁部34に、ローラブラケット50の軸部52Lが嵌まる左側の軸受部33Lが形成されている。軸受部33Lの内側において、ローラブラケット50の左端部(軸部52L)の上下方向での動きは規制される。
【0035】
搬送機構Aは、搬送ローラ20を回転させる搬送ローラ駆動機構を有する。ローラ駆動機構は、左ローラ21Lの左端部又は右ローラ21Rの右端部のうち、上下方向での動きが規制される側(第2端部)に連結されてよい。このように、上下方向での動きが規制される第2端部にローラ駆動機構を配置することで、ローラ駆動機構と搬送ローラとの連結を容易にできる。本実施形態では、ボトムフレーム3の軸受部33Lによってローラブラケット50の左端部(軸部52L)の上下方向での動きが規制されるため、左ローラ21Lの左端部である軸部22Lにおいて上下方向での動きが規制される。そして、
図4に示すように、その左端部である軸部22Lにギア24が取り付けられており、これに、搬送ローラ駆動機構(後述するギア61e)が連結されている。ギア24の回転中心線は、左ローラ21Lの軸線CL上に位置する。なお、上下方向の動きが許容される右ローラ21Rの右端部(第1端部)である軸部22Rには、搬送ローラ駆動機構と連結するようなギアは取り付けられていない。
【0036】
図7はローディングモータ60、ギア61a~61gについて示した分解斜視図である。
図8はギア61
a~61g及びローラブラケット50の左側面図である。ギア61aはウォームギアであり、ローディングモータ60の回転シャフトに嵌まり、ギア61bに噛み合っている。ギア61をウォームギアにすることによって、ローディングモータ60のシャフトの回転速度に対する減速比を確保できる。また、
図8に示すように、ギア61bはギア61a,61cに噛み合っている。ギア61cはギア61b,61d,61fに噛み合っている。ギア61dはギア61c,61eに噛み合っている。ギア61eはギア61cに噛み合い、左ローラ21Lに連結しているギア24に噛み合っている。ギア61fはギア61c,61gに噛み合っている。
【0037】
搬送機構Aは、搬送ローラ20を回転させる搬送ローラ駆動機構の一部として、ローディングモータ60の回転を搬送ローラ20に伝達する第1伝達機構を有する。本実施形態では、ギア61a~61eが第1伝達機構に相当する。すなわち、ローディングモータ60の回転は、ギア61a~61eである第1伝達機構を介してギア24に伝達される。そして、ギア24が時計回り又は反時計回りで回転することによって、ギア24が取り付けられている左ローラ21L、及び連結部23Rを介して左ローラ21Lの連結部23Lと連結している右ローラ21Rが、ギア24と同じ方向(時計回り又は反時計回り)に、ギア24と同じ速度で回転する。
図8に示すように、ローディングモータ60の少なくとも一部は、第1伝達機構の前端を構成するギア61eよりも後方に位置している。なお、第1伝達機構は、ギアに限らずベルトなどにより構成されてもよい。
【0038】
また、搬送機構Aは、搬送ローラ20の位置を動かす搬送ローラ位置操作機構として、ローラブラケット50と、スライダー70とを有する。
図2Bに示すように、スライダー70はボトムフレーム3の左端部(左側壁部32L)に取り付けられている。スライダー70は、搬送ローラ20を光ディスクに接する搬送位置(第1ローラ位置)と、搬送ローラ20が光ディスクから離れた、搬送位置から離れた位置(第2ローラ位置)とに動かす搬送ローラ操作部材として機能する。
【0039】
図9A、
図9Bはスライダー70、ギア、及びローラブラケット50の左側面図である。スライダー70は、ボトムフレーム3の左端部において、第1スライド位置(第1操作部材位置)と、この第1スライド位置から前方に離れた第2スライド位置(第2操作部材位置)との間で動くことができる。
図9Aはスライダー70が第1スライド位置に配置される場合を示し、
図9Bはスライダー70が第1スライド位置の前方の第2スライド位置に配置される場合を示す。
図9Aに示すように、スライダー70が第1スライド位置にあるときに搬送ローラ20は搬送位置に配置される。また、
図9Bに示すように、スライダー70が第2スライド位置にあるときに搬送ローラ20は搬送位置よりも下方の待避位置に配置される。
【0040】
図2Bに示すように、スライダー70の前端部は、ボトムフレーム3の左端部(左側壁部32L)に形成されたガイド穴35の内側に嵌まっている。スライダー70の前端部には、前方且つ下方の斜めに向いたガイド面71が形成されており、また、
図4に示すように、ローラブラケット50の左端部には被ガイド部54が形成されている。被ガイド部54はローラブラケット50から左方に突出している。スライダー70が第1スライド位置から第2スライド位置に移動する際、ボトムフレーム3の内側又はガイド穴35の内側において、ローラブラケット50の被ガイド部54はスライダー70のガイド面71に当たり、ガイド面71によって押し下げられる。この際、ローラブラケット50が軸線CAに沿って回転することで、軸線CAの後方に位置する搬送ローラ20は待避位置に移動する(
図9Bを参照)。
【0041】
ローラブラケット50の前端部は、光ディスクドライブ1の挿入口を塞ぐためのシャッター部55を構成する。ローラブラケット50がスライダー70に押されて軸線CAを中心に回転することで、軸線CAよりも前方に位置する。このとき、シャッター部55は搬送ローラ20よりも上方に配置され、光ディスクドライブ1の挿入口を塞ぐ。これにより、光ディスクがスピンドルモータ11の上に載せられているときに、ユーザがさらに挿入口に別の光ディスクを挿入しようとすることを防ぐことができる。
【0042】
搬送機構Aは、搬送ローラ20の位置を動かす搬送ローラ位置操作機構として、ローディングモータ60と、ローディングモータ60の回転を搬送ローラ操作部材であるスライダー70に伝達する第2伝達機構とを有する。
図9Bに示すように、スライダー70の内側には前後方向に沿ったラック状の被操作部72が形成されており、この被操作部72が、ギア61gに噛み合う。本実施形態では、ギア61a~61c,61f,61gが第2伝達機構に相当する。ギア61gが回転し、且つ、ギア61が被操作部72に噛み合っている状態で、スライダー70は前方又は後方へ移動する。
図2B及び
図7に示すように、ローディングモータ60の少なくとも一部は、第2伝達機構の後端を構成するギア61gよりも前方に位置している。なお、第2伝達機構は、ギアに限らずベルトなどにより構成されてもよい。
【0043】
また、搬送機構Aは、ローディングモータ60の回転を搬送ローラ20に伝達する第1伝達機構と、ローディングモータ60の回転を搬送ローラ操作部材であるスライダー70に伝達する第2伝達機構のそれぞれに係合し、ローディングモータ60の回転を第1伝達機構と第2伝達機構とに分配する分配機構を有している。これにより、ローディングモータ60の回転の伝達経路が長くなることを抑制できる。本実施形態では、
図8に示すように、ローディングモータ60に直接的に取り付けられる部材であるギア61a(ウォームギア)とは異なる部材である中間のギア61cが、分配機構を構成する。分配機構であるギア61cは、第1伝達機構のみに含まれるギア61dと第2伝達機構のみに含まれるギア61fとの双方に噛み合っている。
【0044】
また、第1伝達機構を構成するうちの一部の部材は、分配機構に対して第1の方向に配置され、第2伝達機構を構成するうちの一部の部材は、分配機構に対して第1の方向とは逆の方向である第2の方向に配置される。
図8に示すように、第1伝達機構を構成するうち、第2伝達機構を構成しないギア61d,61eは、分配機構を構成するギア61cの前方に配置され、第2伝達機構を構成するうち、第1伝達機構を構成しないギア61f,61gは、ギア61cの後方に配置されている。このようにすることで、例えば、第1伝達機構のみを構成する部材と第2伝達機構のみを構成する部材とが分配機構の先で同じ方向に並ぶような場合に比べて、第1伝達機構と第2伝達機構との双方の経路を短くすることができる。これにより、光ディスクドライブ1の全体を小型化でき、且つ、伝達経路が長くなることによるトルク損失を低減できる。
【0045】
図7に示すように、光ディスクドライブ1は、第1伝達機構と第2伝達機構とローディングモータとを保持しているホルダー62を有している。ローディングモータ60はホルダー62に嵌まり、ギア61c~61gはホルダー62によって支持される。
図2B及び
図7に示すように、ローディングモータ60と、第1及び第2の伝達機構を構成するギア61a~61gは、ホルダー62に保持された状態で略箱状のボトムフレーム3の内側の左端部に配置される。ここで、搬送ローラ20は、ローディングモータ60、ギア61a~61g、及びホルダー62よりも前方に配置されている。すなわち、搬送ローラ20は、ローディングモータ60、ギア61a~61g、及びホルダー62よりも光ディスクの挿入口の近くに配置される。このようにすることで、挿入口の付近で光ディスクが後方へ搬送されるため、光ディスクの挿入が容易になる。
【0046】
また、第1伝達機構と第2伝達機構はボトムフレーム3の内側に配置され、搬送ローラ操作部材であるスライダー70はボトムフレーム3の外側に配置されている。スライダー70は、略箱状のボトムフレーム3の左側壁部32Lの左に配置され、この左側壁部32Lを挟んでギア61a~61gに隣接している。このようにスライダー70をボトムフレーム3の外側に配置することで、スライダー70が前後方向に動いた際に、ボトムフレーム3の内部部品がスライダー70に干渉しないようにすることができる。
【0047】
図10A、
図11、
図12Aは、トップフレーム4に各種部材が配置された状態を示す上面図である。
図10Aは光ディスクドライブ1にディスクが存在しない場合を示し、
図11は光ディスクドライブ1の挿入口に光ディスクOが配置される(挿入される)場合を示し、
図12Aは光ディスクドライブ1がドライブ位置に配置される場合を示す。搬送ローラ20を回転させる搬送ローラ駆動機構は、ローディングモータ60及びギア61a~61e(第1伝達機構)の他にも、トップフレーム4に配置されているスイッチ基板15、スイッチアーム80を含んで構成される。
【0048】
図10Aに示すように、スイッチ基板15はトップフレーム4の左端部であってトップフレーム4の後端部に配置される。スイッチ基板15の右側及び前側の縁部には、後述するスタートスイッチ15aと、ストップスイッチ15bとが配置されている。スイッチ基板15は、配線などを介してローディングモータ60と電気的に接続している。スタートスイッチ15a及びストップスイッチ15bは、ローディングモータの駆動期間(ローディングモータを駆動させるべき期間)を制御するためのものである。より具体的には、スタートスイッチ15a及びストップスイッチ15bは、光ディスクの位置を検知して、検知した光ディスクの位置に応じてローディングモータ60の回転を制御するためのものである。スタートスイッチ15aが押されることでローディンクモータ60の回転が開始する(
図11を参照)。また、スタートスイッチ15aが押されている状態でストップスイッチ15bが押されることで、ローディンクモータ60の回転が停止する(
図12Aを参照)。
【0049】
図2A及び
図12Aに示すように、ローディングモータ60は、スピンドルモータ11の回転軸(軸線CB)の方向から見て、スピンドルモータ11の位置に配置された光ディスクOと重なる位置に配置されている。このようにすることで、例えば、スピンドルモータ11の位置に配置された光ディスクOの後方にローディングモータ60を配置するような場合に比べて、ローディングモータ60の回転を搬送ローラ20に伝達する第1伝達機構の経路を短くすることができ、ローディングモータ60の回転の伝達経路が長くなることによるトルク損失を低減できる。
【0050】
また、
図12Aに示すように、ローディングモータの駆動期間を制御するためのスタートスイッチ15a及びストップスイッチ15bが実装されているスイッチ基板15は、スピンドルモータ11の回転軸(軸線CB)の方向から見て、スピンドルモータ11の位置に配置された光ディスクOより後方に位置している。このようにすることで、例えば、スピンドルモータ11の位置に配置された光ディスクOと重なる位置にスイッチ基板15を配置するような場合に比べて、上下方向において光ディクスドライブ1を小型にできる。
【0051】
スイッチアーム80は、スピンドルモータ11の位置に搬送された光ディスクを位置決めするためのセンタリング機構Bとしても機能する。本実施形態において、スイッチアーム80の数は1つである。スイッチアーム80はトップフレーム4の右側及び後側に位置し、トップフレーム4の外縁に沿って湾曲した形状を有している。スイッチアーム80は、一端(前端部)が光ディスクの挿入口まで延び、他端(後端部)がトップフレーム4の左側及び後側まで延びている。スイッチアーム80はトップフレーム4に取り付けられる筒状の被支持部81を有する。スイッチアーム80は、被支持部81の中心で上下方向に伸びる軸線(回転中心線)を中心として回転可能である。
図12Aに示すように、スイッチアーム80の回転中心線は、スピンドルモータ11の回転中心線(軸線CB)を通る前後方向に沿った第1平面(
図12Aのb-b線を含む平面)の右側であって、その第1平面に直交し且つスピンドルモータ11の回転中心線(軸線CB)を通る第2平面(
図12Aのb´-b´線を含む平面)の後側(後述するコンタクト部82a,82bとは反対側)に配置されている。このように、スイッチアーム80の回転中心線をスピンドルモータ11よりも後方に配置することで、スイッチアーム80の回転中心線から前端までの長さを確保することができ、スイッチアーム80の前端部の左右方向における可動範囲を確保することができる。
【0052】
図3に示すように、スイッチアーム80には、ばね85が取り付けられている。
図10Aに示したトップフレーム4の上面図において、ばね85はスイッチアーム80を時計回りの方向に付勢している。また、スイッチアーム80は、トップフレーム4の内部構造に接する板ばね部86を有している。
【0053】
スイッチアーム80の前端部は、トップフレーム4の内側において、搬送ローラ20(トップフレーム4に形成される開口41R)よりも前方に到達している。
図3に示すように、スイッチアーム80は、下方に突出する2つのコンタクト部82a,82bを有する。コンタクト部82aはスイッチアーム80の前端部に形成され、コンタクト部82bはコンタクト部82aと被支持部81との間に形成されている。また、トップフレーム4の右側には、左右方向に対して斜め方向に伸びる開口42a,42bが形成されている。開口42a,42bは、開口41Rを挟んで前後方向に並ぶようにして形成されている。スイッチアーム80のコンタクト部82a,82bは、トップフレーム4に形成された開口42a,42bを上下方向に貫いている。そして、コンタクト部82a,82bの各先端部は、ボトムフレーム3の内側において光ディスクが通る搬送路まで到達している。
【0054】
スイッチアーム80の後端部には、スタートスイッチ15a及びストップスイッチ15bを操作するためのスイッチ操作部83が形成されている。トップフレーム4の内側で、スイッチ操作部83は左右方向においてスイッチ基板15と隣接している。
図10Aに示すように、光ディスクドライブ1に光ディスクOが存在しない場合、スイッチ操作部83は、スタートスイッチ15aとストップスイッチ15bとのいずれも押さない。
図11に示すように、光ディスクドライブ1の挿入口に光ディスクOが挿入される場合、光ディスクOの縁がコンタクト部82aを右方に押すことでスイッチアーム80が回転中心線(被支持部81の中心)に対して反時計回りに動き、スイッチ操作部83はスタートスイッチ15aのみを押す。これにより、ローディングモータ60の回転が開始され、第1伝達機構(ギア61a~61e)を介して搬送ローラ20に回転が伝わる。そして、搬送ローラ20が回転することによって、搬送ローラ20の上に載せられた光ディスクOは、スピンドルモータ11の位置に向けて搬送される。
【0055】
さらに、光ディスクOがスピンドルモータ11の位置に搬送されることにより、光ディスクOの縁がコンタクト部82bを右方に押す。これにより、スイッチアーム80が回転中心線(被支持部81の中心)に対して更に反時計回りに動き、スイッチ操作部83はスタートスイッチ15aとストップスイッチ15bとの双方を押す。そうすると、ローディングモータ60の回転が止まり、第1伝達機構を介して回転していた搬送ローラ20の回転も止まる。このように光ディスクOがスピンドルモータ11の位置に搬送された際にローディングモータ60の回転を止めることによって、光ディスクドライブ1の消費電力量を低減することができる。
【0056】
搬送ローラ20の位置を動かす搬送ローラ位置操作機構は、ローラブラケット50、ローディングモータ60、ギア61a~61c,61f,61g(第2伝達機構)、及びスライダー70の他にも、トップフレーム4に配置されているロータリーアーム90(可動部材)を含んで構成される。
図3に示すように、ロータリーアーム90は円板状の基部91を有し、トップフレーム4の内側においてスイッチ基板15の前方に位置し、前後方向においてスイッチ基板15と隣接している。ロータリーアーム90は基部91の中心位置にトップフレーム4に取り付けられる筒状の被支持部92を有し、被支持部92の中心で上下方向に伸びる回転中心線に沿って回転可能である。ロータリーアーム90の内側には、ばね96が取り付けられている。トップフレーム4の上面図(
図10A)において、ばね96は、ロータリーアーム90を回転中心線(被支持部92の中心)に対して時計回りの方向に付勢している。
【0057】
図13は、スイッチアーム80及びロータリーアーム90の裏側を示す斜視図である。
図13に示すように、ロータリーアーム90の基部91には、被支持部92から離れた位置に、下方に突出するコンタクト部93が形成されている。また、
図3に示すように、トップフレーム4の左側には、左右方向に円弧状に伸びている開口43が形成されている。ロータリーアーム90のコンタクト部93はトップフレーム4の開口43を上下方向に貫いている。そして、コンタクト部93の先端部は、ボトムフレーム3の内側において光ディスクが通る搬送路まで到達している。
図13に示すように、ロータリーアーム90のコンタクト部93は、スイッチアーム80のコンタクト部82a,82bよりも後方に位置している。別の言い方をすると、スイッチアーム80のコンタクト部82a,82bは、ロータリーアーム90のコンタクト部93よりも前方に位置している。
【0058】
ロータリーアーム90は、スピンドルモータ11の位置に近づく光ディスクの衝突を受けて動く。
図11に示した上面図において、光ディスクドライブ1の挿入口に挿入された光ディスクOがスピンドルモータ11の位置に搬送される過程で、ロータリーアーム90に形成されたコンタクト部93がディスクの縁によって左方に押されることにより、ロータリーアーム90は回転中心線(被支持部92の中心)に対して反時計回りに回転する。
【0059】
また、
図3に示すように、ロータリーアーム90には、ロータリーアーム90の外縁部(より詳細には、後述する張り出し部98)から被支持部92に向かって伸びている長穴部94が形成されている。
図2Bに示すように、スライダー70はボトムフレーム3の左側壁部32Lの一部分を覆うカバー部75を有し、このカバー部75の右端部に、上下方向に伸びる軸部76が形成されている。トップフレーム4の左側には、前後方向に伸びている開口44が形成されており、その開口44の内側を、スライダー70の軸部76が貫通する。すなわち、軸部76の先端部はトップフレーム4の内側に配置される。
【0060】
図4に示すように、スライダー70に形成された軸部76は、ロータリーアーム90に形成された長穴部94の内側に嵌まる。この状態でロータリーアーム90が反時計回りに回転すると、長穴部94の位置は前方に動く。ここで、長穴部94の縁によって軸部76が前方へ押されるため、スライダー70も前方へ動く。スライダー70が
図9Aに示した第1スライド位置にあるとき、スライダー70の内側に形成されているラック状の被操作部72は、第2伝達機構を構成するギア61gと噛み合っていない。ここで、光ディスクドライブ1に挿入された光ディスクに押されることによってロータリーアーム90が回転し、ロータリーアーム90の長穴部94がスライダー70の軸部76を前方へ押し出すことによって、スライダー70の内側の被操作部72とギア61gとが噛み合った状態になる。その後、スライダー70がローラブラケット50を押し下げることで、搬送ローラ20は退避位置に配置される。このように、光ディスクをスピンドルモータ11の位置に搬送する過程でスライダー70の移動を開始することにより、光ディスクがスピンドルモータ11の上に載せられた後に、搬送ローラ20を退避位置に移動させることができる。
【0061】
[3.センタリング機構]
次に、搬送機構Aにより搬送された光ディスクの中心位置をスピンドルモータ11の中心位置(ドライブ位置)に合わせるセンタリング機構Bの構成について説明する。
図14はベースフレーム2及びトップフレーム4の斜視図である。センタリング機構Bは、ベースフレーム2と、トップフレーム4に配置されるスイッチアーム80により実現される。
【0062】
図14に示すように、スピンドルモータ11を保持するベースフレーム2には、スピンドルモータ11の位置に達した光ディスクの外縁にあたり光ディスクの後方への動きを規制する複数のストッパ部26a,26bが形成されている。ストッパ部26a,26bは、何れもベースフレーム2の上面から上方に伸びる柱状であり、ベースフレーム2と一体的に形成されている。このように、スピンドルモータ11を保持するベースフレーム2にストッパ部26a,26bを一体的に形成することにより、スピンドルモータ11に対する相対的なストッパ部26a,26bの位置の変化を抑制でき、光ディスクの中心位置とドライブ位置とのずれを抑制できる。また、
図2Aに示すように、2つのストッパ部26a,26bは、光ディスクの回転方向に離れて配置されている。また、2つのストッパ部26a,26bは、スピンドルモータ11が取付られるベースフレーム2に一体成型され、スピンドルモータ11に対して所定の位置に固定的に設けられてもよい。このように複数のストッパ部26a,26bを設けることにより、光ディスクの中心位置をドライブ位置に安定して配置させることができる。なお、ベースフレーム2に一体的に形成されるストッパ部の数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0063】
また、センタリング機構Bは、スピンドルモータ11の位置に向けて移動する光ディスクの外縁にあたるコンタクト部82a,82bを有し、コンタクト部82a,82bによって光ディスクの中心をスピンドルモータ11の位置に合わせる付勢部材としてのスイッチアーム80を有する。スイッチアーム80は、ばね85により付勢されることにより、コンタクト部によって光ディスクをストッパ部26a,26bに向けて押す付勢部材として機能する。このスイッチアーム80及びコンタクト部82a,82bの働きにより、光ディスクの中心位置をスピンドルモータ11の回転中心であるドライブ位置に案内することができる。また、スイッチアーム80の数は1つであるため、例えば、複数の付勢部材を設ける場合に比べて、光ディスクドライブ1の部品数を低減できる。
【0064】
図12Aに示すように、スイッチアーム80に形成されているコンタクト部82a,82bは、スピンドルモータ11の位置に達した光ディスクを挟んでストッパ部26a,26bとは反対側に配置されている。コンタクト部82a,82bは、上述した第1平面(
図12Aのb-b線を含む平面)の右側と左側のうちの一方の側に配置されている。本実施形態では、コンタクト部82a,82bは、上述した第1平面の右側だけに配置されている。また、コンタクト部82a,82bは、上述した第2平面(
図12Aのb´-b´線を含む平面)の前側に配置されている。
【0065】
また、
図2Aに示すように、ベースフレーム2において、ストッパ部26bは、上述した第1平面(
図2Aのb-b線を含む平面)の他方の側(本実施形態では左側)に配置され、ストッパ部26a,26bは、いずれも上述した第2平面(
図2Aのb´-b´線を含む平面)の後側に配置されている。以上のようにコンタクト部82a,82b及びストッパ部26a,26bを配置することで、スピンドルモータ11の位置に搬送された光ディスクを前後方向及び左右方向の双方に押すことができ、この2つ方向で光ディスクの位置合わせを行うことができる。
【0066】
先述したように、ロータリーアーム90は光ディスクがスピンドルモータ11の位置に向かって搬送される過程で、光ディスクの衝突を受けて回転する。ここで、ロータリーアーム90は、スイッチアーム80に係合する部分として、円盤状の基部91から伸びたアーム部91aの端部に、上方に突出する第1凸部97aを有している。ロータリーアーム90に形成された長穴部94、アーム部91a、及び後述する第2凸部97bは、円盤状の基部91の周方向に離れて配置されている。
【0067】
図13に示すように、スイッチアーム80の後端部の下面には、溝部84が形成されている。センタリング機構Bを構成する部材であるスイッチアーム80は、溝部84を介してロータリーアーム90と連結する。すなわち、センタリング機構Bは、可動部材であるロータリーアーム90と連結する部材としてのスイッチアーム80を有している。ロータリーアーム90は第1凸部97aを介してスイッチアーム80と係合し、光ディスクがスピンドルモータ11の位置に達したときに、スイッチアーム80のコンタクト部82a,82bが光ディスクから離れるようにスイッチアーム80を動かす。ロータリーアーム90が光ディスクの衝突を受けて回転することにより、ロータリーアーム90の第1凸部97aがスイッチアーム80の溝部84の内側に嵌まり、溝部84の縁を前方に押すことでスイッチアーム80を動かす。これにより、スイッチアーム80はばね85が付勢する方向とは逆方向(
図11において反時計回りの方向)に動き、スイッチアーム80に形成されたコンタクト部82a,82bは、スピンドルモータ11の位置(ドライブ位置)に配置された光ディスクから離れるように動く。
図12Aに示すように、光ディスクOがドライブ位置に配置された状態で、コンタクト部82a,82bは光ディスクOの縁から離れて配置される。これにより、ドライブ位置に配置された光ディスクOとコンタクト部82a,82bとの接触を避け、光ディスクOの円滑な回転を実現できる。
【0068】
[4.チャッキング機構]
次に、光ディスクをスピンドルモータ11の中心位置(ドライブ位置)に固定するチャッキング機構Cについて説明する。
図3に示すように、チャッキング機構Cはチャッキングプーリ12を有している。チャッキングプーリ12はスピンドルモータ11に光ディスクを固定する部材であり、スピンドルモータ11から上方に離れている位置(第1プーリ位置)と、スピンドルモータ11に近接し光ディスクを挟む位置(第2プーリ位置)との間で移動可能となっている。チャッキングプーリ12はその内側の中心部に磁石13を有する。また、チャッキングプーリ12には、その内側に、磁石13を固定するための固定部材14が取り付けられている。チャッキングプーリ12は磁石13の磁力によってスピンドルモータ11に引き寄せられている。
【0069】
図10B及び
図12Bはチャッキング機構Cの動作を示す図である。
図10Bは
図10Aのb-b線で示す断面図であり、
図12Bは
図12Aのb-b線で示す断面図である。
図10A及び
図10Bに示すチャッキングプーリ12は第1プーリ位置に配置されており、
図12A及び
図12Bに示すチャッキングプーリ12は、第1プーリ位置の下方かつ前方に位置する第2プーリ位置に配置されている。チャッキングプーリ12が第2プーリ位置に配置されると、チャッキングプーリ12とスピンドルモータ11はそれらの間に作用する磁力によって、光ディスクを挟む。これにより、光ディスクはスピンドルモータ11と一体的に回転する。
【0070】
チャッキング機構Cは、チャッキングプーリ12の位置を操作するためのプーリ位置操作機構を有している。
図3、
図10A、及び
図12Aに示すように、プーリ位置操作機構は、チャッキングプーリ12に係合し、チャッキングプーリ12の位置を動かす第1チェックアーム110(操作アーム)を有している。また、プーリ位置操作機構を構成する第1チェックアーム110と、光ディスクの衝突を受けて回転し、第1チェックアーム110を動かす可動部材であるロータリーアーム90とは、共通の支持板上(トップフレーム4)に配置されている。トップフレーム4の内側において、第1チェックアーム110は左側かつロータリーアーム90の前方に配置されている。すなわち、プーリ位置操作機構を構成する第1チェックアーム110と、可動部材であるロータリーアーム90とは、上述した第1平面(
図10A、及び
図12Aに示したb-b線)を挟んでスイッチアーム80とは反対側(本実施形態では左側)に配置されている。このように、トップフレーム4の内側においてスイッチアーム80の反対側にプーリ位置操作機構を配置することにより、トップフレーム4の内側スペースを有効的に利用できる。
【0071】
また、トップフレーム4の中央位置には、第2チェックアーム120が配置されている。第2チェックアーム120は、第1チェックアーム110と共にチャッキングプーリ12の外周部を支持する。
図3に示すように、トップフレーム4の中央位置には開口45が形成されている。その開口45の内側に、第2チェックアーム120が配置される。第2チェックアーム120はその後端部に左右方向に並ぶ軸部121L,121Rを有しており、第2チェックアーム120は、軸部121L,121Rの中心で左右方向に伸びた軸線CEを中心に、上下方向に回転可能である。第2チェックアームは、図示しないばねによって上方へ付勢されている。
【0072】
第1チェックアーム110は扇状の基部111とその中心位置に被支持部112を有し、被支持部112の中心の上下方向に沿った回転中心線である軸線CC(
図10B、
図12Bを参照)を中心に回転可能である。また、第1チェックアーム110には、ばね116が取り付けられている。第1チェックアーム110は、ばね116の弾性力によって軸線CCを中心に反時計回りに付勢されている。
【0073】
また、チャッキングプーリ12は、その外周部に、半径方向に張り出す2つのフランジ部12a,12bを有している。2つのフランジ部12a,12bは上下方向において離れている。第1、第2のチェックアーム110,120は、チャッキングプーリ12を支持する支持部113,122をそれぞれ有している。
図10Aに示すように、支持部113は第1チェックアーム110の扇状の基部111から外側に伸びるアーム部111aの端部に形成され、その端部から後方に伸びている。支持部122は第2チェックアーム120に形成され、左右方向において軸部121L,121Rの間に位置し、軸線CEよりも前方に配置される。チャッキングプーリ12が第1プーリ位置に配置される場合、
図10Bに示すように、支持部113,122は上下方向に並ぶ2つのフランジ部12a,12bの間に配置され、上側のフランジ部12aに引っ掛かる。第1チェックアーム110の支持部113はフランジ部12aの前端に引っ掛かり、第2チェックアーム120の支持部122はフランジ部12aの後端に引っ掛かる。これにより、支持部113,122は重力及び磁石13の磁力に抗してチャッキングプーリ12を支持している。
【0074】
第2チェックアーム120の支持部122の後端部には、支持部122の上面122aから上方に突出するガイド壁122bと、上面122aから前方に下がった傾斜面122cが形成されている。
図10Bに示すように、チャッキングプーリ12は第1プーリ位置に配置されているとき、チャッキングプーリ12は第1チェックアーム100の支持部113によって後方へ押されており、フランジ部12aの後端の縁がガイド壁122bに当たる。これにより、チャッキングプーリ12が支持部122の後方へ動くことを抑制することができ、第1プーリ位置において、チャッキングプーリ12が支持部113,122から外れることを抑制できる。
【0075】
図10Aに示すように、第2チェックアーム120は、支持部122の左側から前方へ伸びる左アーム部と123Lと、支持部122の右側から前方へ伸びる右アーム部123Rとを有している。左右のアーム部123L,123Rは左右方向に離れて位置し、これらの間に、下方に開いた切り欠き部124が形成されている。支持部122は切り欠き部124の後方において、左右のアーム部123L,123Rよりも上方に突出している。チャッキングプーリ12は、左右のアーム部123L,123Rの間(切り欠き部124の内側)に嵌まる。チャッキングプーリ12に形成されているフランジ部12a,12bの直径は切り欠き部124(
図3を参照)の左右方向での幅よりも大きく、上下方向において、フランジ部12a,12bは左右のアーム部123L,123Rと重なっている。これにより、チャッキングプーリ12が第2チェックアーム120に形成される切り欠き部124の内側から外れることを抑制できる。
【0076】
また、
図10Aに示すように、第1チェックアーム110には、扇状の基部111から外側に張り出している張り出し部114を有しており、この張り出し部114が、第2チェックアーム120の左アーム部123Lの前端部に位置する被押圧部126と重なり、被押圧部126を下方に押している。このように張り出し部114が第2チェックアーム120の前端部(被押圧部126)を下方に押すことで、第2チェックアーム120が、ばねの弾性力で上方に傾くことを規制している。
図10Bに示すように、チャッキングプーリ12が第1プーリ位置に配置される場合、第2チェックアーム120は張り出し部114によって水平面(スピンドルモータ11の軸線CBに対して垂直な平面)に沿って配置される。この場合、
図10Bに示すように、第2チェックアーム120の支持部122は、チャッキングプーリ12のフランジ部12aを支持する位置(以下では支持位置と称する)に配置され、支持部122の上面122aは、水平面に沿った位置に配置される。
【0077】
また、第1チェックアーム110は、扇状の基部111から外側に突出し、その中央で切り欠いた形状の凹部115を有する。支持部113が形成されるアーム部111aと、張り出し部114と、凹部115とは、第1チェックアーム110の回転方向に離れて配置されている。
図12Aに示すように、チャッキングプーリ操作機構を構成する部材である第1チェックアーム110は、凹部115を介してロータリーアーム90と連結する。すなわち、チャッキングプーリ操作機構は、可動部材であるロータリーアーム90と連結する部材としての第1チェックアーム110を有している。より具体的には、第1チェックアーム110に形成された凹部115は、ロータリーアーム90に形成された第2凸部97bの形状に対応しており、第1チェックアーム110は、凹部115を介してロータリーアーム90の第2凸部97bと直接的に連結し、ロータリーアーム90と連動する。スライダー70が第2スライド位置に動かされることによってロータリーアーム90が回転中心線(被支持部92の中心)に対して反時計回りに回転した際、第1チェックアーム110の凹部115は、ロータリーアーム90の第2凸部97bと係合し、第2凸部97bに引っ張られるようにして第1チェックアーム110も軸線CCを中心に時計回りに回転する。これにより、第1チェックアーム110のアーム部111aに形成された支持部113は前方へ動き、チャッキングプーリ12のフランジ部12aから外される。
【0078】
図13に示すように、ロータリーアーム90には、基部91の外縁から外側に張り出した張り出し部98が形成されている。また、
図10Aに示すように、第2チェックアーム120の左アーム部123Lの左側面には、左方に張り出した張り出し部125が形成されている。
図12Aに示すように、ロータリーアーム90が反時計回りに回転すると、ロータリーアーム90の張り出し部98が第2チェックアーム120の張り出し部125と重なり、張り出し部125を下方に押す。これにより、水平面に位置する第2チェックアーム120はさらに下方に押し下げられ、水平面に対して下方に傾く。この場合、第2チェックアーム120の支持部122は、
図12Bに示した位置(以下では解放位置と称する)に配置され、支持部122の上面122aは、水平面に対して傾斜した方向に沿った位置に配置される。
【0079】
図12Bに示すように、支持部122が解放位置に配置される場合、支持部122の上面122aは水平面に対して傾斜しており、また、第1チェックアーム110の支持部113はチャッキングプーリ12のフランジ部12aから外れている。このため、支持部122が解放位置に移動したとき、フランジ部12aが支持部122の上面122aから前方の傾斜面122cを滑るようにしてスピンドルモータ11に接近し、スピンドルモータ11と共に光ディスクを挟む第2プーリ位置に配置される。この際、チャッキングプーリ12が磁石13の磁力によってスピンドルモータ11に引っ付くよりも先に、フランジ部12aが第2チェックアーム120の左右のアーム部123L,123Rに当たる。これにより、チャッキングプーリ12がスピンドルモータ11に引っ付く際の衝撃を緩和し、衝撃によってチャッキングプーリ12が第2プーリ位置から動くことを抑制できる。
【0080】
また、
図12Aに示した状態からロータリーアーム90が時計回りに回転すると、ロータリーアーム90の第2凸部97bと第1チェックアーム110の凹部115との係合が解消されて、第1チェックアーム110は、ばね116の弾性力によって反時計回りに回転する。そうすると、第1チェックアーム110の支持部113は、第2プーリ位置に配置されたチャッキングプーリ12を後方へ押す。チャッキングプーリ12のフランジ部12aが第2チェックアーム12に形成された傾斜面122cを乗り上げて支持部122の上に配置される。これにより、チャッキングプーリ12は、第2プーリ位置から、第2プーリ位置の後方かつ上方の第1プーリ位置に押し上げられ、光ディスクをドライブ位置から挿入口の外側へ搬送(排出)することが可能になる。このように、第2チェックアーム120の支持部122は、
図10Bに示した支持位置と、
図12Bに示した解放位置との間で移動可能である。
【0081】
[5.全体の動き]
光ディスクドライブ1の挿入口に光ディクスが挿入されたときの各機構の動きについて説明する。
図11に示すように、トップフレーム4の上面図において、スイッチアーム80のコンタクト部82aが光ディスクの縁に右方向に押されることにより、スイッチアーム80は回転中心線(被支持部81の中心)に対して反時計回りに回転し、スイッチアーム80の後端部に形成されるスイッチ操作部83がスイッチ基板15のスタートスイッチ15aを押す。これにより、ローディングモータ60の回転が開始され、第1伝達機構(ギア61a~61e)及びギア24(
図2Bを参照)を介して、搬送ローラ20が回転する。ここで、第1伝達機構を構成するギア61a~61eの他にも、第2伝達機構を構成するギア61f,61gも回転する。搬送ローラ20は搬送位置において光ディスクの下縁と接しているため、搬送機構Aを構成する搬送ローラ20が回転することによって、光ディスクはスピンドルモータ11の方向へ搬送される。
【0082】
光ディスクが搬送される過程で、光ディスクの縁が、ロータリーアーム90から下方に突出するコンタクト部93(
図13を参照)に当たり、トップフレーム4の上面図(
図11)において、ロータリーアーム90が反時計回りに回転する。これにより、ロータリーアーム90の長穴部94に係合するスライダー70の被押圧部73が前方へ押し出され、スライダー70の内側に形成されたラック状の被操作部72(
図9Aを参照)が、第2伝達機構を構成するギア61gに噛み合う。
図9Aにおいて、ギア61gは、ローディングモータ60の回転によって時計
回りに回転しているため、被操作部72がギア61gに噛み合うことにより、スライダー70は第1スライド位置の前方の第2スライド位置に搬送される(
図9Bを参照)。すると、スライダー70の前端部に形成されたガイド面71が、ローラブラケット50の左端部に形成された被ガイド部54(
図4を参照)に当たり、ローラブラケット50を押し下げる。これにより、搬送ローラ20は光ディスクの搬送路から下方に離れた退避位置に配置される。
【0083】
スイッチアーム80がばね85の弾性力によって付勢されることにより、スイッチアーム80に形成されたコンタクト部82a,82bが、スピンドルモータ11の位置に搬送された光ディスクを押し、光ディスクの中心位置をスピンドルモータ11の回転軸(軸線CB)の位置(ドライブ位置)に案内する。また、スイッチアーム80の後端部に形成されるスイッチ操作部83がスイッチ基板15のストップスイッチ15bを押すことで、ローディングモータ60の回転が停止する(
図12Aを参照)。
【0084】
その間、スライダー70がローディングモータ60及び第2伝達機構(ギア61a~61c、及びギア61f,61g)によって第2スライド位置に搬送される過程で、長穴部94を介してスライダー70に係合しているロータリーアーム90は、トップフレーム4の上面図において、更に時計回りに回転する。そうすると、
図12Aに示したように、ロータリーアーム90の第2凸部97bが第1チェックアーム110の凹部115に係合し、第1チェックアーム110が時計回りに回転する。これにより、第1チェックアーム110の支持部113が
チャッキングプーリ12のフランジ部12aから外れる。さらに、ロータリーアーム90の張り出し部98が第2チェックアーム120の張り出し部125を押し下げ、第2チェックアーム120の支持部122が下方に傾く。これにより、第1プーリ位置において支持されていた
チャッキングプーリ12が第2プーリ位置に配置され、磁石13とスピンドルモータ11との間に作用する磁力によって、光ディスクを挟む。これにより、光ディクスはスピンドルモータ11と一体的に回転可能になる。
【0085】
また、光ディスクがスピンドルモータ11の位置に達したときに、ロータリーアーム90に形成された第1凸部97aがスイッチアーム80に形成された溝部84(
図13を参照)の縁を前方に押すことで、スイッチアーム80のコンタクト部82a,82bが光ディスクから離れる。これにより、光ディスクの円滑な回転を実現できる。
【0086】
[6.振動抑制機構]
最後に、振動抑制機構Dについて説明する。
図15は、ベースフレーム2の分解斜視図である。
図16Aは、外ケースを構成するボトムケース5の下面図である。
図15及び
図16Aに示すように、振動抑制機構Dは、複数の(本実施形態では3つの)第1ダンパー130と、複数の(本実施形態では4つの)第2ダンパー140とにより実現される。第1及び第2のダンパー130,140は、ゴムなどの弾性体によって形成されている。
【0087】
図15に示すように、第1ダンパー130は、円筒状の外筒部131の内側の中央位置に、それよりも径の小さい円筒状の内筒部132が配置された二重構造を有する。外筒部131と内筒部132との間には、外
筒部131の径に沿って等間隔に配置された複数の(本実施形態では6つの)スポーク部が形成されており、これらスポーク部が外筒部131と内筒部132との間を繋いでいる。外筒部131と内筒部132との間においてスポーク部が弾性的に撓むことで振動を吸収するため、外筒部131に取り付けられた部材と、内筒部132とに取り付けられた部材との間で振動が伝わることを抑制できる。
【0088】
先述したように、ベースフレーム2は、スピンドルモータ11と、光ピックアップである光学素子とを有している。このベースフレーム2を、ボトムフレーム3及びトップフレーム4により構成される内ケースが収容している。ボトムフレーム3は、上方に開いた箱形状であり、搬送機構Aである搬送ローラ20を支持している。そのボトムフレーム3に、ベースフレーム2が配置される。ここで、ベースフレーム2は、第1ダンパー130を介して内ケース(ボトムフレーム3及びトップフレーム4)内で固定される。本実施形態では、ベースフレーム2は、第1ダンパー130を介してボトムフレーム3に固定される。
【0089】
また、内ケース(ボトムフレーム3及びトップフレーム4)は、第2ダンパー140を介して、内ケースを収容する外ケース(ボトムケース5及びカバー6)内で固定される。先述したように、ボトムケース5は、ボトムフレーム3と同様に上方に開いた箱形状であり、そこに、内ケース(ボトムフレーム3及びトップフレーム4)が固定される。本実施形態では、ボトムフレーム3は、第2ダンパー140を介してボトムケース5に固定されている。
【0090】
多くの場合、光ディスクの重心は光ディスクの中心からごく僅かにずれている。そのため、スピンドルモータ11が光ディスクを回転させると、スピンドルモータ11を有しているベースフレーム2が振動する。ここで、内ケース内と外ケース内との双方で第1及び第2のダンパー130,140を設けることにより、ベースフレーム2の振動が外ケースに伝わることを抑制し、外に配置されている他の部品に振動が伝わることを効果的に防ぐことができる。
【0091】
図15に示すように、複数の第1ダンパー130は、ベースフレーム2の外周部に形成された第1ダンパー130の外周部に倣った形状の複数の被取付部27にそれぞれ嵌まる。ここで、被取付部27は、ベースフレーム2に形成された円弧状の切り欠きであり、第1ダンパー130の外周部の半分以上を囲む大きさに設けられる。このように、ペースフレーム2の外周部の切り欠きに第1ダンパー130を取り付けるようにすることで、ベースフレーム2の内側に第1ダンパー130の配置スペースを設けなくてもよいので、ベースフレーム2の大型化を回避できる。
【0092】
図2Cは、
図2Aのc-c線で示す断面図である。
図2Cに示すように、第1ダンパー130は、外筒部131の外面に周方向に沿った溝部131aを有しており、この溝部131aの内側に、ベースフレーム2の被取付部27が嵌まる。溝部131aは被取り付け部27と接する部分、すなわち第1ダンパー130の外周部の半分以上に設けられる。また、ボトムフレーム3は、ボトムフレーム3から上方に突出する第1凸部36(
図1を参照)を有している。第1凸部36は、第1ダンパー130の内筒部132の内側に挿通されることによって、第1ダンパー130に固定される。第1凸部36は、上端に開口を有する筒形状であり、その開口の内側にリベット135が挿入されている。これにより、ボトムフレーム3の第1凸部36から第1ダンパー130が外れることを抑制できる。また、第1凸部36は上端に開口を有するため、ボトムフレーム3の上からリベット135を挿入できる。
【0093】
このように、左右方向又は/及び前後方向(平面方向)において第1ダンパー130がベースフレーム2に取り付けられ、上下方向(垂直方向)において当該第1ダンパー130がボトムフレーム3に取り付けられる。第1ダンパー130は、平面方向においてベースフレーム2に対して弾性変形可能に取り付けられ、垂直方向においてボトムフレーム3に対して弾性変形可能に取り付けられる。これにより、ベースフレーム2の振動が内ケースを構成するボトムフレーム3に伝わることを抑制できる。
【0094】
図1に示すように、ボトムケース5は、複数の第2ダンパー140がそれぞれ取り付けられる複数の被取付部56が形成されている。本実施形態において、被取付部56は円形の穴部として形成され、ボトムフレーム3に向かって上方に凹んだ円形の窪みの内側に配置されている。このように、ボトムケース5において被取付部56を窪みの内側に形成することにより、ボトムケース5の下方に第2ダンパー140が突出することを抑制できる。
【0095】
図16Bは、
図16Aのb-b線で示す断面図である。
図16Bに示すように、第2ダンパー140は、外筒部141の外面に周方向に沿った溝部141aを有しており、この溝部141aの内側に、ボトムケース5の被取付部56である穴部の縁が嵌まる。また、溝部141aよりも下側の外筒部141の直径は溝部141aよりも上側の外筒部141の直径よりも小さく、外筒部141の下端の外縁は上方へ向かって傾斜している。この外筒部141の形状により、ボトムケース5の被取付部56である穴部の内側に第2ダンパー140を上から押しこむことが可能である。
【0096】
また、
図16Bに示すように、ボトムフレーム3は、ボトムフレーム3から下方に突出する第2凸部37を有している。第2凸部37は、第2ダンパー140の内筒部142の内側に挿通されることによって、第2ダンパー140に固定される。第2凸部37は、下端に開口を有する筒形状であり、その開口の内側にリベット145が挿入されている。これにより、ボトムフレーム3の第2凸部37から第2ダンパー140が外れることを抑制できる。また、第2凸部37は下端に開口を有するため、ボトムフレーム3及びボトムケース5の下からリベット145を挿入できる。
【0097】
このように、左右方向又は/及び前後方向(平面方向)において第2ダンパー140がボトムケース5に取り付けられ、上下方向(垂直方向)において当該第2ダンパー140がボトムフレーム3に取り付けられる。第2ダンパー140は、平面方向においてボトムケース5に対して弾性変形可能に取り付けられ、垂直方向においてボトムフレーム3に対して弾性変形可能に取り付けられる。これにより、ボトムフレーム3により構成される内ケースの振動が、外ケースを構成するボトムケース5に伝わることを抑制できる。以上のように、ボトムフレーム3の内側と外側との双方に第1及び第2のダンパー130,140を設けることによって、ベースフレーム2の振動がボトムケース5に伝わることを効果的に防ぐことができる。
【0098】
[7.効果]
以上説明したように、光ディスクドライブ1は、ローディングモータ60の回転を搬送ローラ20に伝達する第1伝達機構であるギア61a~61eと、ローディングモータ60の回転を搬送ローラ操作部材であるスライダー70に伝達する第2伝達機構であるギア61a~61c,61f,61gのそれぞれに係合し、ローディングモータ60の回転を第1伝達機構と第2伝達機構とに分配する分配機構であるギア61cを有している。このようにローディングモータ60の回転を2つの機構に分配する分配機構を設けることにより、例えば、ローディングモータ60の回転を搬送ローラ20に伝達する第1伝達機構と、ローディングモータ60の回転を搬送ローラ操作部材(スライダー70)に伝達する第2伝達機構との経路とを独立して設けるような場合に比べて、ローディングモータ60の回転の伝達経路が長くなることを抑えることができ、回転が伝達される過程でのトルク損失を低減することができる。
【0099】
また、搬送ローラ20を構成する左ローラ21Lの左端部と右ローラ21Rの右端部のうちの一方の端部である第1端部は、軸線CLと軸線CRとの相対的な位置を変えずに、他方の端部である第2端部に対して上下方向で動くことができる。これにより、光ディスクドライブ1の挿入口に挿入される光ディスクの位置が左右方向においてずれていた場合でも、左ローラ21Lの左端部又は右ローラ21Rの右端部が上下方向において動き、左ローラ21L及び右ローラ21Rと、光ディスクとの接触を維持することができる。また、例えば、左ローラ21L及び右ローラ21Rが互いに独立して動くようなものに比べて、搬送ローラ20の構造がシンプルになり、光ディスクドライブ1の部品数を低減できる。
【0100】
また、センタリング機構Bを構成する付勢部材であるスイッチアーム80は、スイッチアーム80に形成されたコンタクト部82a,82bによって、スピンドルモータ11の位置に達した光ディスクをストッパ部26a,26bに向けて押す。これにより、光ディスクの中心位置をスピンドルモータ11の回転中心線の位置(ドライブ位置)に合わせることができる。また、コンタクト部82a,82bを有するスイッチアーム80の数は1つで足りるため、例えば、複数の付勢部材で光ディスクを押すような場合に比べて、光ディスクドライブ1の部品数を低減できる。
【0101】
また、ロータリーアーム90は、スピンドルモータ11の位置に近づく光ディスクの衝突を受けて動く可動部材であり、スライダー70及びローラブラケット50を介して搬送ローラ20の位置を動かす搬送ローラ位置操作機構を構成する。そして、センタリング機構Bとチャッキングプーリ操作機構のうち少なくとも一方が、可動部材であるロータリーアーム90と連結する部材を有している。本実施形態では、センタリング機構Bとチャッキングプーリ操作機構との双方が、ロータリーアーム90と連結する部材として、スイッチアーム80と、第1チェックアーム110とをそれぞれ有している。このように、ロータリーアーム90を、搬送ローラ位置操作機構と、センタリング機構Bと、チャッキングプーリ操作機構とが共用することによって、各機構がロータリーアーム90を共用しない場合に比べて、光ディスクドライブ1の部品数を低減できる。
【0102】
また、ベースフレーム2は、第1ダンパー130を介してボトムフレーム3及びトップフレーム4により構成される内ケース内で固定され、内ケースは、第2ダンパー140を介して内ケースを収容する、ボトムケース5及びカバー6により構成される外ケース内で固定される。このようにすることで、ベースフレーム2の振動が外ケースに伝わることを抑制し、外に配置されている他の部品に振動が伝わることを効果的に防ぐことができる。また、内ケース内と外ケース内とのうちの一方にのみダンパーが形成される場合に比べて、第1又は第2のダンパー130,140を大きくしなくてよくなるので、光ディスクドライブ1の大型化を回避できる。さらに、外ケース内に第2ダンパー140を設けない場合に比べて、第1ダンパー130を小さくできるので、光ディスクドライブ1を縦置きしたとき(光ディスクドライブ1の左側面と右側面とのうちの一方が、他方の上方に配置されるように光ディスクドライブ1を置いたとき)に、ボトムフレーム3に支持される搬送機構Aと、ベースフレーム2の位置ずれを低減することができる。
【0103】
[8.変形例]
本発明は以上説明した光ディスクドライブ1に限られず、種々の変更がなされてよい。例えば、本発明の一態様では、上述した光ディスクドライブ1の構造に対して左右対称の構造を有してもよい。すなわち、左右の位置関係が逆であってもよい。この場合、説明に記載される「左」「右」「時計回り」「反時計回り」を、それぞれ「右」「左」「反時計回り」「時計回り」に置き換えることができる。例えば、ボトムフレーム3の内側に配置されるローディングモータ60、ギア24,61a~61g、ギアホルダー62、及びスライダー70は、スピンドルモータ11の回転中心線(軸線CB)を通る前後方向に沿った平面の右側に配置されてもよい。また、ローラブラケット50の右側の軸部52Rで上下方向での動きが規制され、左側の軸部52Lで上下方向での動きが許容されてもよい。また、トップフレーム4の内側において、スイッチ基板15と第1チェックアームは右側に、スイッチアーム80は左側に配置されてもよい。スイッチアーム80に形成されるコンタクト部82a,82bは、スピンドルモータ11の回転中心線(軸線CB)を通る前後方向に沿った平面の左側だけに配置されてもよい。
【0104】
また、センタリング機構Bとチャッキングプーリ操作機構のうち少なくとも一方だけが、ロータリーアーム90(搬送ローラ位置操作機構を構成する可動部材)と連結する部材を有していてもよい。このようにすることでも、センタリング機構B及びチャッキングプーリ操作機構の双方がロータリーアーム90を共用しない場合に比べて、光ディスクドライブ1の部品数を低減することができる。