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特許7464714低ピーク平均電力比に関する時間ドメイン変調スキーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】低ピーク平均電力比に関する時間ドメイン変調スキーム
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
H04L27/26 200
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022535863
(86)(22)【出願日】2019-12-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 CN2019125218
(87)【国際公開番号】W WO2021093075
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】シン, ユー
(72)【発明者】
【氏名】シュー, ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ユー, グアンフイ
(72)【発明者】
【氏名】フア, ジアン
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-071855(JP,A)
【文献】特開2002-164801(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0052486(US,A1)
【文献】特開2007-325072(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
IEEE 802.11
15
16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信方法であって、
入力シーケンスに対して、出力シーケンスを決定することであって、前記出力シーケンスは、係数のセットと中間シーケンスとの間の畳み込み変調の出力に対応し、前記中間シーケンスは、前記入力シーケンスの係数の後にN個のゼロ係数のそれぞれを挿入することによって生成され、前記係数のセットは、[f(0),f(1),...,f(2N)]または[f(0),f(1),...,f(2N+1)]として表される非ゼロ係数を含み、前記係数のセットにおける非ゼロ係数の数は、2N+1または2N+2であり、Nは、正の整数であり、前記非ゼロ係数の値は、cos(θ )に基づき、iは、0~Nであり、θ は、0~π/2であり、前記係数のセットに対するcos(θ )の複数の異なる値の数は、N+1である、ことと、
前記出力シーケンスを使用して、波形を生成することと
を含む、無線通信方法。
【請求項2】
前記畳み込み変調は、マルチパス遅延動作を含み、
前記マルチパス遅延動作は、
複数の異なる遅延値を使用して、前記中間シーケンスに基づいて複数経路を生成することと、
前記非ゼロ係数を使用して、前記複数経路の加重和を算出することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記入力シーケンスは、変調スキームに従って、データビットを配置点にマッピングすることによって決定される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
無線通信方法であって、
係数のセットと中間シーケンスとの間の畳み込み変調の出力に基づいて生成されたシーケンスを受信することであって、前記中間シーケンスは、入力シーケンスの各係数の後にN個のゼロ係数のそれぞれを挿入することによって生成され、前記係数のセットは、[f(0),f(1),...,f(2N)]または[f(0),f(1),...,f(2N+1)]として表される非ゼロ係数を含み、前記係数のセットにおける前記非ゼロ係数の数は、2N+1または2N+2であり、Nは、正の整数であり、前記非ゼロ係数の値は、cos(θ )に基づき、iは、0~Nであり、θ は、0~π/2であり、前記係数のセットに対するcos(θ )の複数の異なる値の数は、N+1である、ことと、
記シーケンスを復調することにより、前記入力シーケンスを決定すること
を含む、無線通信方法。
【請求項5】
前記方法は、
変調スキームに従って、前記入力シーケンスから対応するマッピングされた配置点を決定することと、
前記マッピングされた配置点に基づいて、データビットを決定することと
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記シーケンスを復調することは、前記非ゼロ係数を使用して、前記入力シーケンスにおける対応する要素を決定するために、前記シーケンスの隣接する要素を組み合わせることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記非ゼロ係数は、p・[g(0),g(1),...,g(2N)]および[1,1]の畳み込みである[f(0),f(1),...,f(2N+1)]として表され、pは、スカラー値である、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
g(0)=g(2N)、g(1)=g(2N-1)、...g(N-1)=g(N+1)である、請求項に記載の方法。
【請求項9】
g(i)=cos(θ)、0≦i≦N、かつ、0≦θ≦π/2である、請求項に記載の方法。
【請求項10】
pは、正規化パラメータを備え、pは、1、または、
【数11】
、または
【数12】
である、請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記畳み込み変調は、マルチパス遅延動作を含む、請求項1、4のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記マルチパス遅延動作は、円形遅延または線形遅延を含み、前記円形遅延では、前記中間シーケンスにおける要素が円形様式で時間ドメインにおいて偏移され、前記線形遅延では、前記中間シーケンスにおける要素が線形様式で時間ドメインにおいて偏移される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載の方法を実装するように構成されているプロセッサを備える通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許文書は、概して、無線通信を対象とする。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信技術は、世界をますます接続およびネットワーク化された社会に向かわせている。モバイル通信の急速な成長および技術の進歩は、容量およびコネクティビティのさらなる需要につながった。エネルギー消費、デバイスコスト、スペクトル効率、および待ち時間等の他の側面もまた、種々の通信シナリオの必要性を満たすために重要である。サービスのより高い品質、より長いバッテリ寿命、および改良された性能を提供するための新しい方法を含む、種々の技法が、議論されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本特許文書は、とりわけ、信号伝送におけるピーク平均電力比率(PAPR)を低減させるための技法を説明する。
【0004】
1つの例示的側面では、無線通信方法が、入力シーケンスに関して、出力シーケンスを判定するステップを含む。出力シーケンスは、係数のセットと中間シーケンスとの間の畳み込み変調の出力に対応する。中間シーケンスは、入力シーケンスの係数の間にN個のゼロ係数を挿入することによって発生される。係数のセットにおける非ゼロ係数の数は、Nに基づき、Nは、正の整数である。非ゼロ係数の値は、0~π/2の値に対応する。本方法はまた、出力シーケンスを使用して、波形を発生させるステップを含む。
【0005】
別の例示的側面では、無線通信方法が、係数のセットと中間シーケンスとの間の畳み込み変調の出力に基づいて、発生されるシーケンスを受信するステップを含む。中間シーケンスは、N個のゼロ係数を入力シーケンスの係数の間に挿入することによって発生される。係数のセットにおける非ゼロ係数の数は、Nに基づき、Nは、正の整数である。非ゼロ係数の値は、0~π/2の値に対応する。本方法はまた、入力シーケンスを判定するために、シーケンスを復調するステップを含む。
【0006】
別の例示的側面では、通信装置が、開示される。本装置は、上記に説明される方法を実装するように構成される、プロセッサを含む。
【0007】
さらに別の例示的側面では、コンピュータプログラム記憶媒体が、開示される。コンピュータプログラム記憶媒体は、その上に記憶されたコードを含む。コードは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに説明される方法を実装させる。
【0008】
これらおよび他の側面が、本書に説明される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
無線通信方法であって、
入力シーケンスに関して、出力シーケンスを判定することであって、前記出力シーケンスは、係数のセットと中間シーケンスとの間の畳み込み変調の出力に対応し、前記中間シーケンスは、前記入力シーケンスの係数の間にN個のゼロ係数を挿入することによって発生され、前記係数のセットにおける非ゼロ係数の数は、Nに基づき、Nは、正の整数であり、前記非ゼロ係数の値は、0~π/2の値に対応する、ことと、
前記出力シーケンスを使用して、波形を発生させることと
を含む、方法。
(項目2)
前記非ゼロ係数の数は、2N+1である、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記非ゼロ係数は、[f(0),f(1),...,f(2N)]=p・[g(0),g(1),...,g(2N)]として表され、pは、スカラー値である、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記非ゼロ係数の数は、2N+2である、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記非ゼロ係数は、p・[g(0),g(1),...,g(2N)]および[h(0),h(1)]の畳み込みである[f(0),f(1),...、f(2N+1)]として表され、pは、スカラー値である、項目4に記載の方法。
(項目6)
[h(0),h(1)]=[1,1]である、項目5に記載の方法。
(項目7)
g(0)=g(2N)、g(1)=g(2N-1)、...、およびg(N-1)=g(N+1)であり、g(0)、g(1)、...、g(N)の値は、0~π/2の値に対応する、項目2~6のいずれか1項またはそれを上回る項に記載の方法。
(項目8)
g(i)=cos(θ )、0≦i≦N、および0≦θ ≦π/2である、項目6に記載の方法。
(項目9)
pは、正規化パラメータを備える、項目2~8のいずれか1項またはそれを上回る項に記載の方法。
(項目10)
pは、1、
【数1】

、または
【数2】

である、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記変調動作は、マルチパス遅延動作を備える、項目1~10のいずれか1項またはそれを上回る項に記載の方法。
(項目12)
前記マルチパス遅延動作は、その中で前記中間シーケンスにおける係数が円形様式で時間ドメインにおいて偏移される円形遅延、または、その中で前記中間シーケンスにおける係数が線形様式で時間ドメインにおいて偏移される線形遅延を含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記マルチパス遅延動作は、
異なる遅延値を使用して、前記中間シーケンスに基づいて複数の遅延される経路を発生させることと、
前記非ゼロ係数を使用して、前記複数の遅延される経路の加重和を算出することと
を含む、項目11または12に記載の方法。
(項目14)
前記入力シーケンスは、変調スキームに従って、データビットを配置点にマッピングすることによって判定される、項目1~13のいずれか1項またはそれを上回る項に記載の方法。
(項目15)
前記変調スキームは、π/2バイナリ位相偏移キーイング(BPSK)を含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記入力シーケンスは、データシーケンスまたは基準シーケンスを含む、項目1~15のいずれか1項またはそれを上回る項に記載の方法。
(項目17)
前記入力シーケンスは、1つまたはそれを上回るゼロ要素を備える、項目1に記載の方法。
(項目18)
前記ゼロ係数は、前記入力シーケンスの各係数の前または後に挿入される、項目1~17のいずれかに記載の方法。
(項目19)
無線通信方法であって、
係数のセットと中間シーケンスとの間の畳み込み変調の出力に基づいて発生されるシーケンスを受信することであって、前記中間シーケンスは、N個のゼロ係数を入力シーケンスの係数の間に挿入することによって、発生され、前記係数のセットにおける前記非ゼロ係数の数は、Nに基づき、Nは、正の整数であり、前記非ゼロ係数の値は、0~π/2の値に対応する、ことと、
前記入力シーケンスを判定するために、前記シーケンスを復調することと
を含む、方法。
(項目20)
前記非ゼロ係数の数は、2N+1である、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記非ゼロ係数は、[f(0),f(1),...,f(2N)]=p・[g(0),g(1),...,g(2N)]として表され、pは、スカラー値である、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記非ゼロ係数の数は、2N+2である、項目19に記載の方法。
(項目23)
前記非ゼロ係数は、p・[g(0),g(1),...,g(2N)]および[h(0),h(1)]の畳み込みである[f(0),f(1),...,f(2N+1)]として表され、pは、スカラー値である、項目22に記載の方法。
(項目24)
[h(0),h(1)]=[1,1]である、項目23に記載の方法。
(項目25)
g(0)=g(2N)、g(1)=g(2N-1)、...、およびg(N-1)=g(N+1)であり、g(0)、g(1)、...、およびg(N)は、0~π/2である値に対応する、項目20~24のいずれか1項またはそれを上回る項に記載の方法。
(項目26)
g(i)=cos(θ )、0≦i≦N、および0≦θ ≦π/2である、項目25に記載の方法。
(項目27)
pは、正規化パラメータを備える、項目20~26のいずれか1項またはそれを上回る項に記載の方法。
(項目28)
pは、1、
【数3】

、または
【数4】

である、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記変調動作は、マルチパス遅延動作を備える、項目19~28のいずれかに記載の方法。
(項目30)
前記マルチパス遅延動作は、その中で前記中間シーケンスにおける要素が円形様式で時間ドメインにおいて偏移される円形遅延、または、その中で前記中間シーケンスにおける要素が線形様式で時間ドメインにおいて偏移される線形遅延を含む、項目29に記載の方法。
(項目31)
変調スキームに従って、前記入力シーケンスから対応するマッピングされた配置点を判定することと、
前記マッピングされた配置点に基づいて、データビットを判定することと
を含む、項目19~30のいずれか1項またはそれを上回る項に記載の方法。
(項目32)
前記変調スキームは、π/2-バイナリ位相偏移キーイング(BPSK)を含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記入力シーケンスは、データシーケンスまたは基準シーケンスを含む、項目19~32のいずれか1項またはそれを上回る項に記載の方法。
(項目34)
前記入力シーケンスは、1つまたはそれを上回るゼロ要素を備える、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記シーケンスを復調することは、前記非ゼロ係数を使用して、前記入力シーケンスにおける対応する要素を判定するために、前記シーケンスの隣接する要素を組み合わせることを含む、項目19~34のいずれかに記載の方法。
(項目36)
項目1~35のいずれか1項またはそれを上回る項に列挙される方法を実装するように構成されるプロセッサを備える通信装置。
(項目37)
その上に記憶されたコードを有するコンピュータプログラム製品であって、前記コードは、プロセッサによって実行されると、項目1~35のいずれか1項またはそれを上回る項に列挙される方法を前記プロセッサに実装させる、コンピュータプログラム製品。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本技術による、無線通信方法のフローチャート表現である。
【0010】
図2図2は、本技術による、別の無線通信方法のフローチャート表現である。
【0011】
図3図3は、本技術による、動作の例示的シーケンスを図示する。
【0012】
図4図4は、本技術の1つまたはそれを上回る実施形態による技法が適用され得る、無線通信システムのある実施例を示す。
【0013】
図5図5は、本技術の1つまたはそれを上回る実施形態による、無線局の一部が適用され得るブロック図表現である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
節の見出しは、可読性を改良するためのみに本書で使用され、各節内の開示される実施形態および技法の範囲をその節のみに限定しない。ある特徴が、5G無線プロトコルの実施例を使用して説明される。しかしながら、開示される技法の適用可能性は、5G無線システムのみに限定されない。
【0015】
高周波数無線通信シナリオでは、パス損失および陰影減衰は、比較的に大きい。したがって、セルの縁における一部のエリア内の信号対雑音比は、低い。さらに、電力増幅器(PA)の効率性は、高周波数では比較的に低い。信号対干渉および雑音比(SINR)を改良し、また、ユーザ機器(UE)の電力消費を節約するために、UEがより低いピーク平均電力比率(PAPR)において信号を伝送させることが望ましい。
【0016】
さらに、端末デバイスは、大型マシンタイプ通信(mMTC)の場合において、電力消費を大幅に低減させることを所望し得る。例えば、いくつかのシナリオでは、バッテリを交換するためにメンテナンスチームを派遣する必要性を低減させるために、(例えば、10年以上の)長いバッテリ寿命を有することが望ましい。そのような端末デバイスのPA効率性を改良するために、伝送される信号は、より低いPAPRを伴うべきである。特に、多数のユーザデバイスが、非直交アクセスを得るとき、SINRは、非常に低い。伝送品質を改良するために、低変調およびコーディングスキーム(MCS)ならびに低PAPR信号変調を使用する必要性が存在する。
【0017】
現在の第5世代(5G)の新しい無線(NR)規格において、DFT-s-OFDM信号のピーク対平均比率は、比較的に低いが、依然として、B5Gまたは6Gの種々のアプリケーションシナリオの低PAPR要件を満たすことは困難である。本特許文書は、PAPRをさらに低減させる変調スキームを使用するために、種々の実施形態で実装され得る技法を説明する。
【0018】
図1は、本技術による、無線通信方法100のフローチャート表現である。方法100は、本書に説明されるように、基地局または無線デバイス等の無線ステーションによって実装されてもよい。例えば、無線ステーションにおけるプロセッサ(例えば、本書に説明されるプロセッサ電子機器)が、方法100を実装するように構成されてもよい。方法100は、動作110において、入力シーケンスに関して、出力シーケンスを判定するステップを含む。出力シーケンスは、係数のセットと中間シーケンスとの間の畳み込み変調の出力に対応する。中間シーケンスは、入力シーケンスの係数の間にN個のゼロ係数を挿入することによって発生される。係数のセットは、ゼロ係数と、非ゼロ係数とを含むことができる。係数のセットにおける非ゼロ係数の数は、Nに基づき、Nは、正の整数である。非ゼロ係数の値は、出力シーケンスのピーク対平均電力比を低減させるために、0~π/2の値に対応する。方法100はまた、動作120では、出力シーケンスを使用して、波形を発生させるステップも含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、上記に説明される方法は、好ましくは、以下の特徴のうちの1つまたはそれを上回るものをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、非ゼロ係数の数は、2N+1である。いくつかの実施形態では、非ゼロ係数は、[f(0),f(1),...,f(2N)]=p・[g(0),g(1),...,g(2N)]として表され、pは、スカラー値である。いくつかの実施形態では、非ゼロ係数の数は、2N+2である。いくつかの実施形態では、非ゼロ係数は、畳み込み、例えば、
【化1】

として表される。pは、スカラー値である。いくつかの実施形態では、[h(0),h(1)]=[1,1]である。いくつかの実施形態では、g(0)=g(2N)、g(1)=g(2N-1)、...、およびg(N-1)=g(N+1)、ならびにg(0)、g(1)、...、およびg(N)は、0~π/2である値に対応する。いくつかの実施形態では、g(i)=cos(θ)、0≦i≦N、および0≦θ<π/2である。いくつかの実施形態では、pは、正規化パラメータを備える。pの値は、1であり得る。pの値はまた、Nに基づき得る。例えば、N=1であるとき、
【化2】

である、またはN=2であるとき、
【化3】

である。いくつかの実施形態では、pは、全ての要素に関して同一である。いくつかの実施形態では、pは、シーケンスにおいて異なる要素に関して変動し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、変調動作は、マルチパス遅延動作を備える。いくつかの実施形態では、マルチパス遅延動作は、その中で中間シーケンスにおける要素が円形様式で時間ドメインにおいて偏移される、円形遅延、またはその中で中間シーケンスにおける要素が線形様式で時間ドメインにおいて偏移される、線形遅延を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、マルチパス遅延動作は、異なる遅延値を使用して、中間シーケンスに基づいて複数の遅延される経路を発生させるステップと、非ゼロ係数のセットを使用して、複数の遅延される経路の加重和を算出するステップとを含む。入力シーケンスの係数間にゼロ係数を挿入することの利点は、2つのステップのパス差異を伴うデータが、複数のパスの加重和の影響を受けないことである。例えば、3つのパス、すなわち、D-1、D、およびD-1を前提として、パスDにおけるデータは、パスD-1およびDにおけるデータに影響を及ぼさない。パスD-1に関する係数がd(-1)であると仮定して、パスDに関する係数は、d(0)であり、パスDに関する係数は、d(1)である。いくつかの実施形態では、パスDに関するデータに影響を及ぼさないように、d(0)=1である。いくつかの実施形態では、マルチパス遅延動作の後、D-1およびDを重畳させることによって取得される位相が2つの隣接する要素の位相間にあり、それによって、PAPRを低減させるように、
【化4】

である。
【0022】
いくつかの実施形態では、畳み込み変調の動作は、フィルタモジュールによるフィルタリング動作とも称される。フィルタリング動作のパラメータは、非ゼロ係数f(n)に対応する。
【0023】
いくつかの実施形態では、入力シーケンスは、変調スキームに従って、データビットを配置点にマッピングすることによって判定される。いくつかの実施形態では、変調スキームは、π/2-バイナリ位相偏移キーイング(BPSK)を含む。π/2-BPSKを変調スキームとして使用することは、データシーケンスにおける各隣接する2つの要素の間の位相が、π/2である利点を与える。いくつかの実施形態では、マルチパス遅延動作の後、重畳データパス後の位相が、差異0またはπ/4(例えば、N=1に関して)、または代替として、0または隣接する要素を伴うπ/6(例えば、N=2に関して)を有し、それによって、結果として生じるデータシーケンスのピーク/平均比率(PAPR)を低減させる。
【0024】
いくつかの実施形態では、入力シーケンスは、データシーケンスまたは基準シーケンスを含む。いくつかの実施形態では、入力シーケンスは、1つまたはそれを上回るゼロ要素を備える。いくつかの実施形態では、ゼロ係数は、入力シーケンスの各係数の前または後に挿入される。いくつかの実施形態では、入力シーケンスは、無線デバイスによって伝送される、データシーケンスの一部である。
【0025】
図2は、本技術による、別の無線通信方法200のフローチャート表現である。方法200は、動作210において、係数のセットと中間シーケンスとの間の畳み込み変調の出力に基づいて、発生されるシーケンスを受信するステップを含む。中間シーケンスは、入力シーケンスの係数の間にN個のゼロ係数を挿入することによって、発生される。係数のセットは、ゼロ係数および非ゼロ係数を含むことができる。係数のセットにおける非ゼロ係数の数は、Nに基づき、Nは、正の整数である。非ゼロ係数の値は、シーケンスのピーク対平均電力比を低減させるために、0~π/2の値に対応する。方法200はまた、動作220において、入力シーケンスを判定するために、シーケンスを復調するステップを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、上記に説明される方法は、好ましくは、さらに、以下の特徴のうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。いくつかの実施形態では、非ゼロ係数の数は、2N+1である。いくつかの実施形態では、非ゼロ係数は、[f(0),f(1),...,f(2N)]=p・[g(0),g(1),...,g(2N)]として表され、pは、スカラー値である。いくつかの実施形態では、非ゼロ係数の数は、2N+2である。いくつかの実施形態では、非ゼロ係数は、畳み込み、例えば、
【化5】

として表され、pは、スカラー値である。いくつかの実施形態では、[h(0),h(1)]=[1,1]である。いくつかの実施形態では、g(0)=g(2N)、g(1)=g(2N-1)、...、およびg(N-1)=g(N+1)、ならびにg(0)、g(1)、...であり、g(N)は、0~π/2である値に対応する。いくつかの実施形態では、g(i)=cos(θ)、0≦i≦N、および0≦θ<π/2である。いくつかの実施形態では、pは、正規化パラメータを備える。pの値は、1であることができる。pの値はまた、Nに基づくことができる。例えば、N=1であるとき、
【化6】

である、またはN=2であるとき、
【化7】

である。いくつかの実施形態では、pは、全ての要素に関して同一である。いくつかの実施形態では、pは、シーケンスにおいて異なる要素に関して変動し得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、変調動作は、マルチパス遅延動作を備える。いくつかの実施形態では、マルチパス遅延動作は、その中で中間シーケンスにおける要素が円形様式で時間ドメインにおいて偏移される、円形遅延、またはその中で中間シーケンスにおける要素が線形様式で時間ドメインにおいて偏移される、線形遅延を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、入力シーケンスは、データシーケンスまたは基準シーケンスを含む。いくつかの実施形態では、入力シーケンスは、1つまたはそれを上回るゼロ要素を備える。いくつかの実施形態では、シーケンスを復調するステップは、非ゼロ係数のセットを使用して、入力シーケンスにおける対応する要素を判定するために、シーケンスの隣接する要素を組み合わせるステップを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、係数の入力シーケンスは、変調スキームに従って、データビットを配置点にマッピングすることによって判定される。変調スキームは、π/2バイナリ位相偏移キーイング(BPSK)を含む。変調スキームとしてπ/2-BPSKを使用することは、データシーケンス内の各隣接する2つの要素間の位相が、π/2であるという利点を与える。いくつかの実施形態では、マルチパス遅延動作の後、重畳データパスの後の位相が、差異0またはπ/4(例えば、N=1に関して)、もしくは代替として、隣接する要素を伴う、0またはπ/6(例えば、N=2に関して)を有し、それによって、結果として生じるデータシーケンスのピーク対平均比率(PAPR)を低減させる。いくつかの実施形態では、本方法はまた、変調スキームに従って、入力シーケンスから対応するマッピングされた配置点を判定するステップと、マッピングされた配置点に基づいて、データビットを判定するステップとを含む。
【0030】
π/2-BPSKの変調スキームが、パス係数と組み合わせられるとき、パス(例えば、D-1およびD)のデータを重畳させた後、結果として生じるモジュラス値は、パスDのモジュラスに等しい。したがって、データシーケンス[s(k)]の要素データの全てのモジュラス値は、等しく、隣接する要素間の位相差は、比較的に小さく、それによって、データシーケンス[s(k)]のPAPRを低減させる。さらに、データシーケンス[s(k)]を含むデータを受信後、受信端は、最大比合成等の相関検出アルゴリズムを使用することによって、データシーケンス[x(i)]を含むデータを取得し、受信側における処理複雑性を低減させる。データシーケンス[x(i)]は、復調の間、データ要素間に誤差伝搬を生じさせない。加えて、[s(k)]の長さは、[x(i)]の長さの2倍であり、これは、より多くの物理的リソースを要求し、信号対雑音比(SNR)の改良(例えば、実験は、SNRが3dBを上回って改良され得ることを示している)は、伝送効率性の損失を補償することができる。
【0031】
本書にさらに説明されるように、上記に説明される方法は、低PAPRを達成するための入力データシーケンスを操作するようにフレキシブルなスキームを提供する。例えば、経路遅延動作および係数は、入力データシーケンス(すなわち、Nの値は、可変であり得る)に基づいて、可変であり得る。結果として生じるシーケンスの全ての要素の絶対値は、同一である。特に、絶対値は、パラメータpによって正規化されると、1に等しく、これは、PAPRを低減させる。開示される技法はまた、低複雑性を伝送および/または受信端上に課す。開示される技法のいくつかの実施例は、以下の実施例実施形態で説明される。
【0032】
実施形態1
【0033】
入力データシーケンスは、[x(i)]=[x(1),x(2),..,x(I)]である。ゼロ係数は、第2のデータシーケンス[y(j)]=[x(1),0,x(2),0,..,x(I),0]を形成するために、各要素の後に挿入される。故に、y(1)=x(1)、y(2)=0、y(3)=x(2)、y(4)=0、..、およびJ=2Iである。次いで、第2のデータシーケンス[y(j)]は、
【化8】

の遅延長を有するために、非ゼロ係数
【化9】

に従って、マルチパス遅延動作を受ける。非ゼロ係数は、ゼロ係数と非ゼロ係数との両方を含む、係数のセット内にあり得る。
【0034】
本実施形態では、マルチパス遅延動作は、以下のステップを含む、マルチパス巡回遅延動作である。
【0035】
(1)第1のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、-2の遅延値を伴う巡回遅延を受ける。結果として生じるデータシーケンスは、P/2×[x(2),0,..,x(I),0,x(1),0]である。要素[x(1),0]は、遅延動作の巡回または循環性に起因して、シーケンスの終りに偏移されることに留意されたい。
【0036】
(2)第2のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、-1の遅延値を伴って巡回遅延を受ける。結果として生じるデータシーケンスは、
【化10】

である。要素x(1)は、遅延動作の巡回または循環性に起因して、シーケンスの終りに偏移されることに留意されたい。
【0037】
(3)第3のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、0の遅延値を伴って巡回遅延を受ける。遅延値が、0であるため、本パスのデータシーケンスは、[y(j)]のままである。結果として生じるデータシーケンスは、p×[x(1),0,x(2),0,..,x(I),0]である。
【0038】
(4)第4のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、1の遅延値を伴って巡回遅延を受ける。結果として生じるデータシーケンスは、
【化11】

である。
【0039】
(5)第5のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、2の遅延値を伴って巡回遅延を受ける。要素x(I)は、遅延動作の巡回または循環性に起因して、シーケンスの初めに偏移されることに留意されたい。結果として生じるデータシーケンスは、P/2×[x(I),0,x(1),0,x(2),0,...,x(I-1),0]である。
【0040】
5つのパスによって取得されるデータシーケンスを追加後、データシーケンス[s(k)]は、以下のように取得される。
【0041】
【化12】
【0042】
s(k)の隣接する要素の間の位相差は、
【化13】

(例えば、N=2であるとき)であり得る。位相差はまた、N>2に関して、
【化14】

より小さくてもよい。いくつかの実施形態では、pは、正規化パラメータを備える。pの値は、1であり得る。pの値はまた、Nに基づき得る。例えば、N=2であるとき、
【化15】

である。いくつかの実施形態では、pは、全ての要素に関して同一である。いくつかの実施形態では、pは、シーケンスにおいて異なる要素に関して変動し得る。
【0043】
データシーケンス[s(k)]は、伝送のために物理的時間周波数リソース上で搬送される。物理的時間周波数リソース上で伝送するとき、リソースを節約するために、s(K)要素のいくつかを破棄することもまた、可能性として考えられる。
【0044】
実施形態2
【0045】
入力データシーケンスは、[x(i)]=[x(1),x(2),..,x(I)]である。ゼロ係数が、第2のデータシーケンス[y(j)]=[x(1),0,x(2),0,..,x(I),0]を形成するために、各要素の後に挿入される。故に、y(1)=x(1)、y(2)=0、y(3)=x(2)、y(4)=0、..、およびJ=2Iである。次いで、第2のデータシーケンス[y(j)]は、非ゼロ係数
【化16】

に従って、マルチパス遅延動作を受け、
【化17】

の遅延長を有する。非ゼロ係数は、ゼロ係数と非ゼロ係数との両方を含む、係数のセット内にあり得る。
【0046】
本実施形態では、マルチパス遅延動作は、以下のステップを含む、マルチパス線形遅延動作である。
【0047】
(1)第1のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、-2の遅延値を伴う線形遅延を受ける。結果として生じるデータシーケンスは、P/2×[x(1),0,x(2),0,..,x(I),0]である。第1の要素x(1)は、遅延動作の線形本質に起因して、時間ドメイン位置t=-2に線形に偏移されることに留意されたい。
【0048】
(2)第2のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、-1の遅延値を伴う線形遅延を受ける。結果として生じるデータシーケンスは、
【化18】

である。第1の要素x(1)は、遅延動作の線形性に起因して、時間ドメイン位置t=-1に線形に偏移され、先行ゼロは、シーケンスが、時間ドメイン位置t=-2から開始する、第1のシーケンスと整合し得るように、シーケンスに追加されることに留意されたい。
【0049】
(3)第3のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、0の遅延値を伴う線形遅延を受ける。遅延値が、0であるため、本パスのデータシーケンスは、[y(j)]のままである。結果として生じるデータシーケンスは、p×[0,0,x(1),0,x(2),0,..,x(I),0]である。2つの先行ゼロは、シーケンスが、時間ドメイン位置t=-2から開始する第1のシーケンスと整合し得るように、シーケンスに追加されることに留意されたい。
【0050】
(4)第4のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、1の遅延値を伴う線形遅延を受ける。結果として生じるデータシーケンスは、
【化19】

である。第4のパスは、1の遅延値のみを受けるが、シーケンスが、時間ドメイン位置t=-2から開始する他のシーケンスと整合し得るように、3つの先行ゼロがシーケンスに追加されることに留意されたい。
【0051】
(5)第5のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、2の遅延値を伴う線形遅延を受ける。結果として生じるデータシーケンスは、p/2×[0,0,0,0,x(1),0,x(2),0,...,x(I),0]である。4つの先行ゼロは、シーケンスが、時間ドメイン位置t=-2から開始する他のシーケンスと整合し得るように、シーケンスに追加される。
【0052】
5つのパスによって取得されるデータシーケンスを(1)、(2)、(3)、および(4)に追加後、データシーケンス[s(k)]は、以下のように取得される。
【0053】
【化20】
【0054】
s(k)の隣接する要素の間の位相差は、
【化21】

(例えば、N=2であるとき)であり得る。位相差はまた、N>2に関して、
【化22】

より小さくあり得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、pは、正規化パラメータを備える。pの値は、1であり得る。pの値はまた、Nに基づき得る。例えば、N=2であるとき、
【化23】

である。いくつかの実施形態では、pは、全ての要素に関して同一である。いくつかの実施形態では、pは、シーケンスにおいて異なる要素に関して変動し得る。
【0056】
データシーケンス[s(k)]は、伝送のために物理的時間周波数リソース上で搬送される。物理的時間周波数リソース上で伝送するとき、第1のデータ要素(1)が、前のデータブロックと重畳および伝送され、最後のデータ要素(K)は、後のデータブロックと重畳および伝送される。
【0057】
実施形態3
【0058】
入力データシーケンスは、[x(i)]=[x(1),x(2),..,x(I)]である。ゼロ係数は、第2のデータシーケンス[y(j)]=[x(1),0,x(2),0,..,x(I),0]を形成するために、各要素の後に挿入される。故に、y(1)=x(1)、y(2)=0、y(3)=x(2)、y(4)=0、..、およびJ=2Iである。次いで、第2のデータシーケンス[y(j)]は、
【化24】

を有するように、非ゼロ係数
【化25】

に従って、マルチパス遅延動作を受ける。非ゼロ係数は、ゼロ係数と非ゼロ係数との両方を含む、係数のセット内にあり得る。異なる遅延長はまた、
【化26】

または
【化27】

等の異なる係数に割り当てられることができる。
【0059】
本実施形態では、マルチパス遅延動作は、以下のステップを含む、マルチパス線形遅延動作である。
【0060】
(1)第1のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、-1の遅延値を伴う線形遅延を受ける。結果として生じるデータシーケンスは、
【化28】

である。要素x(1)は、遅延動作の巡回または循環性に起因して、シーケンスの終りに偏移されることに留意されたい。
【0061】
(2)第2のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、0の遅延値を伴って巡回遅延を受ける。遅延値が、0であるため、本経路のデータシーケンスは、[y(j)]のままである。結果として生じるデータシーケンスは、
【化29】

である。
【0062】
(3)第3の経路では、データシーケンス[y(j)]は、-1の遅延値を伴って巡回遅延を受ける。結果として生じるデータシーケンスは、
【化30】

である。
【0063】
(4)第4のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、2の遅延値を伴って巡回遅延を受ける。要素x(I)は、遅延動作の巡回または循環性に起因してシーケンスの始まりに偏移されることに留意されたい。結果として生じるデータシーケンスは、
【化31】

である。
【0064】
3つの経路によって取得されるデータシーケンスを(1)、(2)、(3)、および(4)に追加後、データシーケンス[s(k)]は、以下のように取得される。
【0065】
【化32】
【0066】
したがって、
【化33】

およびK=J=2Iである。
【0067】
いくつかの実施形態では、s(k)の隣接する要素の間の位相差は、0または
【化34】

(例えば、N=1であるとき)である。いくつかの実施形態では、s(k)の隣接する要素の間の位相差は、0または
【化35】

(例えば、N=2であるとき)である。位相差はまた、N>2に関して
【化36】

より小さくあり得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、pは、正規化パラメータを備える。pの値は、1であり得る。pの値はまた、Nに基づき得る。例えば、N=1であるとき、
【化37】

である、またはN=2であるとき、
【化38】

である。いくつかの実施形態では、pは、全ての要素に関して同一である。いくつかの実施形態では、pは、シーケンスにおいて異なる要素に関して変動し得る。
【0069】
データシーケンス[s(k)]は、伝送のために物理的時間周波数リソース上で搬送される。物理的時間周波数リソース上で伝送するとき、リソースを節約するために、s(K)要素のいくつかを破棄することもまた、可能性として考えられる。
【0070】
実施形態4
【0071】
入力データシーケンスは、[x(i)]=[x(1),x(2),..,x(I)]である。ゼロ係数は、第2のデータシーケンス[y(j)]=[x(1),0,x(2),0,..,x(I),0]を形成するために、各要素の後に挿入される。故に、y(1)=x(1)、y(2)=0、y(3)=x(2)、y(4)=0、..、およびJ=2Iである。次いで、第2のデータシーケンス[y(j)]は、
【化39】

の遅延長を有するように、非ゼロ係数
【化40】

に従って、マルチパス遅延動作を受ける。非ゼロ係数は、ゼロ係数と非ゼロ係数との両方を含む、係数のセット内にあり得る。異なる遅延長はまた、
【化41】

または
【化42】

等の異なる係数に割り当てられ得る。
【0072】
本実施形態では、マルチパス遅延動作は、以下のステップを含む、マルチ経路線形遅延動作である。
【0073】
(1)第1のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、-1の遅延値を伴って線形遅延を受ける。結果として生じるデータシーケンスは、
【化43】

である。第1の要素x(1)は、遅延動作の線形本質に起因して、時間ドメイン位置t=-1に線形に偏移されることに留意されたい。
【0074】
(2)第2のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、0の遅延値を伴う線形遅延を受ける。遅延値が、0であるため、本パスのデータシーケンスは、[y(j)]のままである。結果として生じるデータシーケンスは、
【化44】

である。第2のシーケンスが、時間ドメイン位置t=-1から開始する第1のシーケンスと整合し得るように、先行ゼロがシーケンスに追加されることに留意されたい。
【0075】
(3)第3のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、1の遅延値を伴う線形遅延を受ける。結果として生じるデータシーケンスは、
【化45】

である。第3のパスは、1の遅延値のみを受けるが、第3のシーケンスが、時間ドメイン位置t=-1から開始する他の2つのシーケンスと整合し得るように、2つの先行ゼロがシーケンスに追加されることに留意されたい。
【0076】
(4)第4のパスでは、データシーケンス[y(j)]は、2の遅延値を伴う線形遅延を受ける。結果として生じるデータシーケンスは、
【化46】

である。
【0077】
3つのパスによって取得されるデータシーケンスを(1)、(2)、(3)、および(4)に追加後、データシーケンス[s(k)]は、以下のように取得される。
【0078】
【化47】
【0079】
したがって、
【化48】

、S(K)=0、およびK>J=2Iである。
【0080】
いくつかの実施形態では、s(k)の隣接する要素の間の位相差は、0または
【化49】

(例えば、N=1であるとき)である。いくつかの実施形態では、s(k)の隣接する要素の間の位相差は、0または
【化50】

(例えば、N=2であるとき)である。位相差はまた、N>2に関して、
【化51】

より小さくあり得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、pは、正規化パラメータを備える。pの値は、1であり得る。pの値はまた、Nに基づき得る。例えば、N=1であるとき、
【化52】

である、またはN=2であるとき、
【化53】

である。いくつかの実施形態では、pは、全ての要素に関して同一である。いくつかの実施形態では、pは、シーケンスにおいて異なる要素に関して変動し得る。
【0082】
データシーケンス[s(k)]は、伝送のために物理的時間周波数リソース上で搬送される。物理的時間周波数リソース上で伝送するとき、第1のデータ要素(1)が、前のデータブロックと重畳および伝送され、最後のデータ要素(K)は、後のデータブロックと重畳および伝送される。
【0083】
実施形態5
【0084】
図3は、本技術による、動作の例示的シーケンスを図示する。伝送されるべきユーザデータシーケンス[b(m)]は、最初に、データシーケンス[x(i)]を発生させるために配置点によって変調される。配置変調は、π/2-BPSK、π/4-QPSK、QPSK、16QAM、および/またはAPSKを含む。ゼロ係数が、次いで、データシーケンス[y(j)]を発生させるためにデータシーケンス[x(i)]の中に挿入される。ゼロ係数は、データシーケンス[x(i)]の各要素の前または後に挿入されることができる。結果として生じるデータシーケンス[y(j)]は、次いで、係数のセットに基づいて、データシーケンス[s(k)]を発生させるために畳み込み変調される。畳み込み変調は、円形畳み込み、線形畳み込み、巡回遅延動作、または線形遅延動作を含む。係数のセットは、上記に説明される実施形態に従って導出される、非ゼロ係数を含む。例えば、非ゼロ係数は、
【化54】

であり得る。
【0085】
実施形態6
【0086】
図3における畳み込み変調が、円形畳み込み変調であるとき、巡回畳み込み変調は、データシーケンス[y(j)]およびデータシーケンスf(n)の円形畳み込みを含む。データシーケンスf(n)の異なる巡回偏移は、異なるマルチ経路遅延長を達成するために、実装されることができる。畳み込み変調の他の詳細は、上記の実施形態に説明されるように、類似する。
【0087】
いくつかの実施形態では、他の動作、例えば、基準シーケンスをデータシーケンス[s(k)]内に追加する、基準シーケンスをデータシーケンス[s(k)]の前または後に追加する、高速フーリエ変換(FFT)を実施する、周波数成形を実施する、逆数FFT(IFFT)を実施する、および/または、データシーケンス[s(k)]のフィルタリングが、データシーケンス[s(k)]が、伝送のために物理的時間周波数リソース上で搬送される前に実施されることができる。
【0088】
図4は、本技術の1つまたはそれを上回る実施形態による技法が適用され得る、無線通信システム400の実施例を示す。無線通信システム400は、1つまたはそれを上回る基地局(BS)405a、405bと、1つまたはそれを上回る無線デバイス410a、410b、410c、410dと、コアネットワーク425とを含むことができる。基地局405a、405bが、無線サービスを1つまたはそれを上回る無線セクタにおける無線デバイス410a、410b、410c、および410dに提供することができる。いくつかの実装では、基地局405a、405bは、無線カバレッジを異なるセクタ内に提供するために、2つまたはそれを上回る指向性ビームを生産するための指向性アンテナを含む。
【0089】
コアネットワーク425は、1つまたはそれを上回る基地局405a、405bと通信することができる。コアネットワーク425は、他の無線通信システムおよび有線通信システムとのコネクティビティを提供する。コアネットワークは、サブスクライブされた無線デバイス410a、410b、410c、および410dに関連する情報を記憶するために、1つまたはそれを上回るサービスサブスクリプションデータベースを含んでもよい。第1の基地局405aは、第1の無線アクセス技術に基づいて無線サービスを提供し得る一方、第2の基地局405bは、第2の無線アクセス技術に基づいて無線サービスを提供することができる。基地局405aおよび405bは、展開シナリオに従って、フィールド内に共同設置され得る、または別個に配設され得る。無線デバイス410a、410b、410c、および410dは、複数の異なる無線アクセス技術をサポートすることができる。本書に説明される技法および実施形態は、本書に説明される無線デバイスの基地局によって実装されてもよい。
【0090】
図5は、本技術の1つまたはそれを上回る実施形態による無線ステーションの一部が適用され得る、ブロック図表現である。基地局または無線デバイス(またはUE)等の無線ステーション505は、本書で提示される無線技法のうちの1つまたはそれを上回るものを実装するマイクロプロセッサ等のプロセッサ電子機器510を含むことができる。無線ステーション505は、アンテナ520等の1つまたはそれを上回る通信インターフェースを経由して無線信号を送信および/または受信するために、送受信機電子機器515を含むことができる。無線ステーション505は、データを伝送および受信するための他の通信インターフェースを含むことができる。無線ステーション505は、データおよび/または命令等の情報を記憶するように構成される、1つまたはそれを上回るメモリ(明示的に示されない)を含むことができる。いくつかの実装では、プロセッサ電子機器510は、送受信機電子機器515の少なくとも一部を含むことができる。いくつかの実施形態では、開示される技法、モジュールまたは機能のうちの少なくともいくつかが、無線ステーション505を使用して実装される。
【0091】
本書は、信号伝送におけるPAPRを効率的に低減させ、それによって、種々の無線通信用途の低PAPR要件を満たすために、種々の実施形態において具現化され得る技法を開示することを理解されたい。本書に説明される、開示される他の実施形態、モジュール、および機能的動作は、デジタル電子回路で、または本書に開示される構造およびそれらの構造均等物を含む、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアで、またはそれらのうちの1つまたはそれを上回るものの組み合わせで、実装されることができる。開示される他の実施形態は、1つまたはそれを上回るコンピュータプログラム製品、すなわち、データ処理装置による実行のために、もしくはその動作を制御するために、コンピュータ可読媒体上にエンコードされるコンピュータプログラム命令の1つまたはそれを上回るモジュールとして、実装されることができる。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝搬信号を生じさせる組成物、もしくは1つまたはそれを上回るそれらの組み合わせであり得る。用語「データ処理装置」は、一例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む、データを処理するための全ての装置、デバイス、および機械を包含する。本装置は、ハードウェアに加えて、当該コンピュータプログラムのための実行環境を生成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、もしくはそれらのうちの1つまたはそれを上回るものの組み合わせを構成するコードを含むことができる。伝搬される信号は、人工的に発生される信号、例えば、好適な受信機装置への伝送のための情報をエンコードするように発生される、機械発生型電気、光学、または電磁信号である。
【0092】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとしても公知である)は、コンパイラ型またはインタープリタ型言語を含む、プログラミング言語の任意の形態で書かれ得、これは、独立型プログラムとして、またはコンピュータ環境で使用するために好適なモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくは他のユニットとしてのものを含む、任意の形態で展開されることができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応しない。プログラムが、他のプログラムまたはデータ(例えば、マークアップ言語文書内に記憶された1つまたはそれを上回るスクリプト)を保持するファイルの一部内に、当該プログラム専用の単一のファイル内に、または複数の協調的ファイル(例えば、1つまたはそれを上回るモジュール、サブプログラム、もしくはコードの一部を記憶するファイル)内に記憶されることができる。コンピュータプログラムが、1つのコンピュータ上で、または1つの場所に位置する、もしくは複数の場所を横断して分配され、通信ネットワークによって相互接続される複数のコンピュータ上で実行されるように、展開されることができる。
【0093】
本書に説明されるプロセスおよび論理フローは、入力データに作用し、出力を発生させることによって機能を実施するように、1つまたはそれを上回るコンピュータプログラム上で実行される、1つまたはそれを上回るプログラマブルプロセッサによって、実施されることができる。プロセスおよび論理フローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって実施されることもでき、装置もまた、それとして実装されることができる。
【0094】
コンピュータプログラムの実行のために好適なプロセッサは、一例として、汎用および専用マイクロプロセッサの両方、ならびに任意の種類のデジタルコンピュータのいずれか1つまたはそれを上回るプロセッサを含む。概して、プロセッサは、読取専用メモリまたはランダムアクセスメモリ、もしくは両方から、命令およびデータを受信するであろう。コンピュータの不可欠な要素は、命令を実施するためのプロセッサ、および命令ならびにデータを記憶するための1つまたはそれを上回るメモリデバイスである。概して、コンピュータはまた、データを記憶するための1つまたはそれを上回る大容量記憶デバイス、例えば、磁気、磁気光学ディスク、または光学ディスクを含む、もしくはそこからデータを受信する、またはそこにデータを転送する、もしくは両方を行うように動作可能に結合されるであろう。しかしながら、コンピュータは、そのようなデバイスを必要としない。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するために好適なコンピュータ可読媒体は、一例として、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス、磁気ディスク、例えば、内部ハードディスク、またはリムーバブルディスク、磁気光学ディスク、ならびにCD ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、全ての形態の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリデバイスを含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補足される、またはそれに組み込まれることができる。
【0095】
本特許文書は、多くの詳細を含有するが、これらは、任意の発明または請求され得るものの範囲に対する限定としてではなく、むしろ、特定の発明の特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈において本特許文書に説明されるある特徴もまた、単一の実施形態において組み合わせて実装されることもできる。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実施形態では、別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されることもできる。さらに、特徴が、ある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらに最初にそのように請求され得るが、請求される組み合わせからの1つまたはそれを上回る特徴は、ある場合には、組み合わせから削除されることができ、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象としてもよい。
【0096】
同様に、動作が、特定の順序で図面に描写されるが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、または連続順序で実施される、もしくは全ての図示される動作が実施されることを要求するものとして理解されるべきではない。さらに、本特許文書に説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態においてそのような分離を要求するものとして理解されるべきではない。
【0097】
いくつかの実装および実施例のみが、説明され、他の実装、強化、および変形例も、本特許文書に説明および例証される内容に基づいて行われることができる。
図1
図2
図3
図4
図5