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特許7464716ハイベイ倉庫における規格化された貯蔵貨物のための貯蔵装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】ハイベイ倉庫における規格化された貯蔵貨物のための貯蔵装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20240402BHJP
   B65G 63/00 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
B65G1/00 501A
B65G63/00 D
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022536802
(86)(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2020081477
(87)【国際公開番号】W WO2021121775
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-06-15
(31)【優先権主張番号】102019134527.8
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517360594
【氏名又は名称】アモヴァ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】AMOVA GmbH
【住所又は居所原語表記】Wiesenstrasse 30, 57271 Hilchenbach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド ヨハネス ファン デル メール
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ボル
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー ブリュック
(72)【発明者】
【氏名】カーステン ハイデ
(72)【発明者】
【氏名】ベアント クライン
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特公昭47-025313(JP,B1)
【文献】特公昭49-008181(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
B65G 63/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイベイ倉庫(1)において規格化された貯蔵貨物(3)貯蔵する装置であって、前記ハイベイ倉庫(1)が、前記貯蔵貨物(3)を貯蔵するための少なくとも1つのハイラック(11)と、該ハイラック(11)から前記貯蔵貨物(3)を出し入れし、水平方向かつ/または前記ハイラック(11)の貯蔵平面(13)に対して平行な運動平面(141)内で鉛直方向に前記貯蔵貨物(3)を搬送し、かつ前記倉庫に前記貯蔵貨物(3)を供給または導出する外部の運輸手段(2)へ少なくとも1つの交換場所(143)において前記貯蔵貨物(3)を引き渡すための倉庫内部の少なくとも1つの搬送システム(14)と、を含んでおり、
-前記倉庫内部の搬送システム(14)の前記運動平面(141)に対して垂直な、x,y座標システムにより記述可能な水平方向の運輸平面(12)を有しており、
-前記運輸平面(12)が、前記外部の運輸手段(2)により走行可能な少なくとも1つのルートを有しており、
-前記運輸平面(12)には、少なくとも一方の側から前記外部の運輸手段(2)がアクセス可能であり、
-前記搬送システム(14)は、前記貯蔵貨物(3)を、該貯蔵貨物(3)の鉛直方向の運動によって前記外部の運輸手段(2)から引き取り、かつ/または前記外部の運輸手段(2)へと引き渡す手段を有しており、かつ
-前記搬送システム(14)の前記運動平面(141)内の、前記運輸平面(12)に一致するかまたは平行な線(142)に沿って、供給および導出する前記外部の運輸手段(2)に前記貯蔵貨物(3)を引き渡すための前記交換場所(143)が自由に位置決め可能であ
-前記運輸平面内の前記走行可能なルートが、前記交換場所(143)を有する前記運動平面(141)に到達するために、前記運動平面(141)に対して十分に垂直に延びる進入または進出道路(121)を有しており、
-前記走行可能なルートが、前記自由に位置決め可能な交換場所(143)の前記平行な線(142)に沿った走行可能な交換ルート(122)を有している、
装置。
【請求項2】
対応する搬送システム(14)を備えた、2つより多くの動平面(141)が存在している、請求項1記載の装置。
【請求項3】
供給または導出する前記外部の運輸手段(2)に前記貯蔵貨物(3)を引き渡すための前記交換場所(143)が、前記運輸平面(12)に対して平行な線(142)の少なくとも50%内で自由に位置決め可能である、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
1つの運動平面(141)内に少なくとも2つの搬送システム(14)が存在している、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記運輸平面(12)が、種々異なる外部の運輸手段(2)により同時に走行可能である、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
前記運輸平面(12)が、自律走行式の搬送車両により走行可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記運輸平面(12)が、搬送車両としてのトラクタよって走行可能である、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
前記運輸平面(12)が、前記ハイベイ倉庫(1)の複数のから走行可能である、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
前記運輸平面(12)が、少なくとも1つの貯蔵平面(13)の下ある、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
-前記運輸平面(12)が、少なくとも1つの斜面および/または地形切込みにより、外部の交通供給部に接続されており、かつ
-前記斜面または地形切込みが、1.5m未満高度差を克服する、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
前記ハイベイ倉庫(1)が、前記外部の運輸手段(2)の通過のために必要となる高さだけ持ち上げられている、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
前記運輸平面(12)が、50%より多く至るまで走行可能なルートから成っている,請求項1から11までのいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
イベイ倉庫(1)における規格化された貯蔵貨物(3)のための貯蔵方法であって、前記ハイベイ倉庫(1)が、前記貯蔵貨物(3)を貯蔵するための少なくとも1つのハイラック(11)と、該ハイラック(11)から前記貯蔵貨物(3)を出し入れし、水平方向および/または前記ハイラック(11)の平面(13)に対して平行な運動平面(141)内で鉛直方向に前記貯蔵貨物(3)を搬送し、かつ前記ハイベイ倉庫(1)に前記貯蔵貨物(3)を供給または導出する外部の運輸手段(2)に少なくとも1つの交換場所(143)において前記貯蔵貨物(3)を引き渡すための少なくとも1つの倉庫内部の搬送システム(14)とから成っており、
-前記ハイベイ倉庫(1)内の前記交換場所への、前記外部の運輸手段(2)による前記貯蔵貨物(3)の供給および導出を、前記搬送システム(14)の前記運動平面(141)に対して垂直である前記水平方向の運輸平面(12)内のルートに沿って行い、
-前記搬送システム(14)が、前記貯蔵貨物(3)を前記運輸手段(2)から前記貯蔵貨物(3)の鉛直方向の運動により引き取りかつ/または引き渡し、
-前記貯蔵貨物(3)の引取りおよび/または引渡しのための鉛直方向の運動を、前記交換場所(143)において、前記搬送システム(14)の前記運動平面(141)の、前記運輸平面(12)に一致するかまたは平行な線(142)内で行い、
-前記交換場所(143)を、前記一致するかまたは平行な線(142)内で自由に位置決め
-前記外部の運輸手段(2)が、前記交換場所(143)を有する前記運動平面(141)に、前記運動平面(141)に対して十分に垂直に延びる進入道路または進出道路(121)により到達し、かつ
-前記一致するかまたは平行な線(142)に沿った前記交換場所(143)に、走行可能な交換ルート(122)により到達する、
方法。
【請求項14】
外部の運輸手段(2)の種々異なる構造形式を、前記貯蔵貨物(3)の供給および導出のために使用する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
少なくとも2つの貯蔵貨物流れ方向(4,5)を、前記ハイベイ倉庫(1)内への前記貯蔵貨物(3)の供給および導出のために使用する、請求項13または14記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも2つの貯蔵貨物流れ方向(4,5)が、1つの運輸平面(12)内で運用される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも2つの貯蔵貨物流れ方向(4,5)が、前記水平方向の運輸平面(12)内で平行な進入または進出道路(121)に沿って運用される、請求項15または16記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの貯蔵貨物流れ方向(4,5)の前記貯蔵貨物(3)の供給および導出のために、自律式の搬送車両を使用する、請求項13から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの貯蔵貨物流れ方向(4,5)の前記貯蔵貨物(3)の供給および導出のために、セミトレーラートラック使用する、請求項13から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
港湾におけるハイベイ倉庫において、1つの貯蔵貨物流れ方向(5)が海側に向かって運用され、第2の貯蔵貨物流れ方向(4)が陸側に向かって運用される、請求項13から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
前記外部の運輸手段(2)が、前記貯蔵貨物(6)の供給および導出のために、前記ハイベイ倉庫(1)を少なくとも部分的に下側で横切る、請求項13から20までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイベイ倉庫における規格化された貯蔵貨物のための貯蔵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
規格化された貯蔵貨物を異なる運輸手段間で積み替えるために、特に海上運輸手段から陸上運輸手段への積替時に、種々異なる貯蔵貨物の流れを互いに切り離し、場合によっては貯蔵貨物を短期間保管することが必要である。このためには通常、倉庫、特に対応する搬送装置を備えたハイベイ倉庫(Hochregallager)が使用される。種々異なる運輸手段がハイベイ倉庫に貯蔵貨物を供給し、かつハイベイ倉庫から貯蔵貨物を導出する。このために、自律走行式の運輸手段も、人が操作する運輸手段も使用することができる。
【0003】
規格化された貯蔵貨物は、ハイベイ倉庫のインタフェースにおける入庫時に、積替装置によって運輸手段および/または置き場から引き取られて、倉庫内部の搬送システムに引き渡される。この搬送システムは、規格化された貯蔵貨物をハイベイ倉庫のそれぞれの貯蔵場所に運ぶ。出庫プロセスは、対応して逆の順序で行われる。
【0004】
積替装置は、典型的にはハイベイ倉庫の外縁部に設置されており、倉庫内部の搬送システムと、ハイベイ倉庫への規格化された貯蔵貨物の外部の供給部との間のインタフェースを形成する。
【0005】
ハイベイ倉庫の積替プロセスの経済性は、量または規格化された貯蔵貨物の積替に必要となる時間に依存する。現在、海運船舶の積載量は増大し、既存の港湾のスペース状況は制限されているので、ハイベイ倉庫のスペース要求を拡大することなしに、積替時間をさらに短縮し、これにより経済性を改善するという需要が生じている。
【0006】
従来のハイベイ倉庫およびその運用方法における制限要素は、ハイベイ倉庫の外縁部における積替工程と、ハイベイ倉庫内での続く搬送工程とである。ハイベイ倉庫の規模が大きくなるにつれて貯蔵量は増大するが、外縁部における積替可能性は同じようには増大しない。これらの定義されたインタフェースにより、特に拡張されたハイベイ倉庫では、貯蔵物品はハイベイ倉庫内の長い区間にわたって、倉庫内部の搬送システムによって運輸手段から運動させ、または運輸手段に向かって運動させなければならない。さらに、積替工程は、積替装置における付加的な時間を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、ハイベイ倉庫における可能積替数を増大させ、必要な積替時間を短縮することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題は、請求項1に記載の装置の特徴によって解決される。装置は、搬送システムの運動平面に対して垂直である水平方向の少なくとも1つの運輸平面を有している。運輸平面は、少なくとも外部の運輸手段により走行可能であり、運輸平面には、少なくとも一方の側から外部の運輸手段がアクセス可能である。ハイベイ倉庫の搬送システムは、貯蔵貨物を、貯蔵貨物の鉛直方向の運動によって、外部の運輸手段から直接引き取り、かつ/または運輸手段へと引き渡す手段を備えている。搬送システムの運動平面内の、運輸平面に対して平行な線に沿って、供給または導出する外部の運輸手段に貯蔵貨物を引き渡すための交換場所が自由に位置決め可能である。自由に位置決め可能とは、交換位置が自由に位置決め可能である平行な線が、構造上必要となる区分けを除いて、交換位置を決定する離散した区分けを有していないことを意味している。これにより、付加的な積替装置が不要となるので、1つの作業ステップを完全に省略することができる。外縁部または予め定義された箇所での積込みがなくなることによって、発生した自由度を、貯蔵場所と交換場所との間の距離を減らすために利用することができる。積替工程の線状のインタフェース設計を面状のインタフェースに変更することで、貯蔵場所と交換場所との間の必要となる距離を拡大することなしに、底面積に関してより大きなハイベイ倉庫が可能になる。
【0009】
さらに、本装置の好適な実施形態が、請求項2から請求項13に記載の特徴部に示されている。好適には、対応する倉庫内部の搬送システムを備えた、2つより多くの、さらにより好適には5つより多くの、極めて好適には10より多くの運動平面が存在している。ハイベイ倉庫が大きくなるにつれて、本発明に係る装置によって得られる柔軟性を積替時間の短縮のためによりよく利用することができる。
【0010】
好適な1つの構成では、供給または導出する外部の運輸手段に貯蔵貨物を引き渡すための交換場所は、運輸平面に一致するかまたは平行な線の少なくとも50%、より好適には少なくとも70%、さらにより好適には少なくとも90%以内で自由に位置決め可能である。一致するかまたは平行な線に沿った交換場所の位置決めの自由度が高いほど、貯蔵場所と交換場所との間の倉庫内部の搬送距離をより短縮することができる。
【0011】
理想的には、1つの運動平面内に、少なくとも2つの搬送システムが存在している。これにより、複数の運輸手段を同時に積み降ろしすることができる。これに対して代替的には、1つの搬送手段により運輸手段の荷降ろしを行い、すぐ続いて第2の搬送手段により積込みを行うことができる。
【0012】
運輸平面は、好適には、種々異なる外部の運輸手段によって同時に走行可能である。この好適な構成により、種々異なる運輸手段によりハイベイ倉庫内で運ばれる互いに異なる貯蔵貨物流を同時に積み替えることが達成される。
【0013】
さらに、運輸平面が、自律走行する搬送車両により走行可能であると好適である。このことは、海港では貯蔵貨物の積替のために自律走行式の搬送車両が使用されることが多くなっているので、海港において特に好適である。これにより、通常のメイン運輸手段により貯蔵貨物を出し入れすることが達成される。
【0014】
運輸平面は、複数の、好適には互いに反対に位置する側から走行可能である。これにより、たとえばトラックおよび自律走行式の搬送車両のような類似する複数の運輸手段が、貯蔵貨物流の妨げとなることなしに、1つの平面内で運動することが可能である。対応する走行軌道または貯蔵貨物流が互いに妨げにならないと有利である。このことは、特に、自律走行式の搬送車両と手動で操作する搬送車両とが出会う場合に考慮される。対応する安全規則および/または交通規則が好適には考慮される。
【0015】
運輸平面は、少なくとも1つの貯蔵平面の下、好適には全ての貯蔵平面の下にある。大抵の運輸手段には上から貯蔵貨物が積み込まれるので、これにより、運輸手段から貯蔵貨物を積み降ろしする倉庫内部の搬送システムの機構が簡略化される。
【0016】
運輸平面は、理想的には、少なくとも1つの斜面および/または地形切込みによって外部の交通供給部に接続されており、斜面および/または地形切込みは、運輸平面と外部の交通供給部との間の1.5m未満、好適には1.0m未満、さらにより好適には0.5m未満の高度差を克服する。これに基づいて、種々異なる運輸手段にとってハイベイ倉庫へのアクセスが容易になるという利点が生じる。特に、たとえばトラックとレールに結合された運輸手段との組合せ時には、これにより、簡単なルート設定が達成される。特に、海上貿易のための積替装置としてのハイベイ倉庫では、海岸付近における喫水線以下の地下工事は高いコストに結びつくので、このことが好まれる。
【0017】
さらに、好適な構成は、ハイベイ倉庫が、外部運輸手段の通行に必要な高さだけ持ち上げられていることである。これに基づいて、運輸平面およびこの運輸平面に対応する運輸供給部に依存せずに、運輸経路がハイベイ倉庫の下に存在していてよいという利点が生じる。このことは、ハイベイ倉庫が内陸水運への積替を実現し、対応する接続を実現すべき場合に利点となり得る。
【0018】
理想的には、運輸平面内の走行可能なルートは、交換場所を有する運動平面に到達するために、倉庫内部の搬送システムの運動平面に対して十分に垂直に延びる進入または進出道路と、自由に位置決め可能な交換場所の平行な線に沿った走行可能な交換ルートとを有している。この構成により、平行な線に沿った外部の運輸手段の渋滞のリスクを低減することができる。
【0019】
さらに、運輸平面が、50%より多く、好適には70%より多く、さらに好適には90%より多くに至るまで走行可能なルートから成っていると好適である。これにより、外部の運輸手段のさらに大きな処理量を、少ない渋滞リスクで可能にする。
【0020】
さらに、本発明の課題は、独立請求項14に記載の特徴を有する方法によって解決される。倉庫内部の搬送手段との交換場所への、外部の運輸手段による貯蔵貨物の供給および/または導出は、ハイベイ倉庫内で、搬送システムの運動平面に対して垂直である、水平方向の運輸平面内の少なくとも1つのルートに沿って行われる。搬送システムは、貯蔵貨物を外部の運輸手段から、貯蔵貨物の垂直方向の運動によって引き取りかつ/または引き渡す。貯蔵貨物の引取りおよび/または引渡しのための鉛直方向の運動は、交換場所において、搬送システムの運動平面の、運輸平面に対して一致するかまたは平行な線内で行い、交換場所を、一致するかまたは平行な線内で自由に位置決めする。
【0021】
方法の好適な構成は、請求項15から24に記載の特徴によって示される。外部の運輸手段は、交換場所を構成する移動平面に、運動平面に対して十分に垂直に延びる進入道路または進出道路により到達し、外部の運輸手段は、走行可能な交換ルートにより、一致線または平行線に沿って交換場所に到達する。これにより、交換ルートにおける移動距離を短縮し、交換ルート内の渋滞を回避することができる。
【0022】
好適には、貯蔵貨物の供給および導出のために、種々異なる構造形式の外部の運輸手段が使用される。運輸手段の種々異なる構造形式とは、この場合、たとえば、線路と道路との組合せ、および/または、たとえば、運輸手段としての手動の走行車両と自律運転式の走行車両との組合せを意味する。
【0023】
理想的には少なくとも2つの貯蔵貨物流れ方向をハイベイ倉庫への貯蔵貨物の供給および導出のために使用する。これにより、互いに妨害せず、種々異なる運輸手段の可能な容量差または速度差を考慮した2つの貯蔵貨物流れ方向を実現することができる。ハイベイ倉庫の需要および貯蔵容量に応じて、貯蔵貨物流または積替プロセスを運輸手段に有利に適合させることが望ましい。
【0024】
理想的には、1つの貯蔵貨物流れ方向の貯蔵貨物の供給および導出のために、自律式の搬送車両が使用され、別の貯蔵貨物品流れ方向の貯蔵貨物の供給および導出のために、好適にはセミトレーラートラック、好適にはトラックが使用される。これにより、この方法は、港湾における既存の貯蔵貨物流の条件に理想的に適合されている。
【0025】
好適には、少なくとも2つの貯蔵貨物流れ方向が、1つの運輸平面内で好適には同時に運行される。これにより、貯蔵貨物流とハイベイ倉庫の搬送システムの運動との連携が容易になる。さらに、運輸平面を通過する貯蔵貨物の鉛直方向の運動のための通過点を実現する必要がないので、運輸平面の構造が簡略化される。
【0026】
さらに、2つの貯蔵貨物流れ方向が、好適には同時に、水平方向の運輸平面内で平行なルートに沿って運用されると好適である。このことは、運輸平面内での運輸案内を、たとえば交差しているルートに比べて簡略化する。
【0027】
好適には、海港のハイベイ倉庫において、1つの貯蔵貨物流れ方向が海側に向かって運用され、第2の貯蔵貨物流れ方向が陸側に向かって運用される。これにより、貯蔵貨物流れ方向が、貯蔵貨物の超域的な搬送方向の条件を引き受け、不都合な影響を与えないことが有利に達成される。外部の運輸手段が、少なくとも1つの貯蔵平面、好適には全ての貯蔵平面を下側で横切ると有利である。通常外部の運輸手段に上から積み降ろしが行われるので、これにより、倉庫内の貯蔵貨物のための搬送システムは、外部の運輸手段に簡単に積み降ろしを行うことができる。
【0028】
明細書には、以下の4つの図が添付されている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】ハイベイ倉庫を示す側面図である。
図2】トラックへの積み降ろしを示す図である。
図3】貯蔵貨物流れ方向と可能な引渡し位置を示す図である。
図4】運輸平面と隣接する貯蔵平面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明を上述の図面を参照しながら以下に実施例の形態で詳細に説明する。全ての図面において、同一の技術要素には同一の参照符号を付している。
【0031】
図1は、運輸平面12と、この運輸平面12の上に位置する複数の貯蔵平面13とを有するハイベイ倉庫1の断面を示している。種々異なる24個の搬送システム14が、ハイベイ倉庫1内で貯蔵貨物3を、ハイラック11の貯蔵列に沿って貯蔵貨物3の特定の貯蔵位置へと運動させる。さらに、搬送システム14は、貯蔵貨物3を貯蔵平面13の下側で運輸手段2から引き取りまたは引き渡すことができる。この場合、ハイベイ倉庫1は、規格化された海上コンテナの積替に合わせて設計されている。運輸平面12は、本実施例では、運輸手段であるトラック8のために地上階に達成されている。
【0032】
図2は、図1に示したハイベイ倉庫1の一部を図示している。運輸平面12の一部と、この運輸平面12上に位置する3つの貯蔵レベル13と、2つの貯蔵列間に配置されている搬送システム14とを確認することができる。搬送システム14は、たとえば下に位置するトラック8からコンテナ3を鉛直方向の運動により取り出し、次いでこのコンテナ3をハイラック11内の対応する位置へと入れることができる。たとえば幅および高さに関して運輸平面12を対応して構成することにより、運輸平面12は、種々異なる運輸手段2によって走行可能であってよい。このことは、特に、レールに関連する運輸手段21を使用することが望ましい場合に、注目される。
【0033】
図3は、本発明によるハイベイ倉庫1における貯蔵貨物流れ方向4,5の概略図を示している。海上船舶6からコンテナ3が陸揚げクレーン7によって荷揚げされ、理想的には自律走行式の運輸手段2に積み込まれる。この運輸手段2は海側からハイベイ倉庫1に入り、たとえばコンテナ3をハイベイ倉庫1の搬送システム14に引き渡し、再び海側の方向へとハイベイ倉庫1から出る。これとは反対方向に、たとえばトラック8が陸側から同一の運輸平面12に入る。トラック8は、ハイベイ倉庫1の運輸平面12内の予め定義された交換場所143または通過点15へと走行し、この箇所で搬送システム14がコンテナ3をハイベイ倉庫1からトラック8に引き渡す。次いで、トラック8は、再びハイベイ倉庫1を陸側に向かって出る。通過点15は、関与する運輸手段2,21,8のそれぞれのために、運輸平面12内で変化させることができる。これにより、ハイベイ倉庫1の外縁部における従来の線的なインタフェース設計と比較して、搬送システム14への貯蔵貨物3の引き渡しのための運輸平面12内での二次元のインタフェース設計が生じる。
【0034】
図4に図示したように、対応して構成された運輸平面12により、走行可能なルートが交換場所143であってもよいことを達成することができる。ここでは、3台のトラック8が並走することができる。これに対して、トラック8が走行可能なルート内で垂直に位置している場合、このトラックに搬送システム14によって積み降ろしを行うことができる。
【符号の説明】
【0035】
1 ハイベイ倉庫
11 ハイラック
12 運輸平面
13 貯蔵平面
14 搬送システム
143 交換場所
2 運輸手段
21 レールに関連する運輸手段
3 貯蔵貨物
4 陸側の貯蔵貨物流
5 海側の貯蔵貨物流
6 海上船舶
7 荷揚げクレーン
8 トラック
141 運動平面
142 平行な線
121 進入道路/進出道路
122 交換ルート
15 通過点
図1
図2
図3
図4