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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】仕切弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 3/02 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
F16K3/02 E
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022538833
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 US2021013059
(87)【国際公開番号】W WO2021146178
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-08-01
(31)【優先権主張番号】62/961,452
(32)【優先日】2020-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/981,165
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/885,721
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522249257
【氏名又は名称】ワールドワイド オイルフィールド マシーン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】カリムトゥ,アナンド
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0032793(US,A1)
【文献】特開平05-141548(JP,A)
【文献】特開2007-298071(JP,A)
【文献】特開平10-061786(JP,A)
【文献】実開昭62-163665(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 3/00-3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切弁であって、
前記仕切弁を貫通して延びる前記仕切弁内の貫通孔を備え、
前記仕切弁内の弁体空洞が前記貫通孔を横切って配向され、前記仕切弁内の前記弁体空洞は、前記仕切弁が直立しているとき、前記貫通孔の上から前記貫通孔の下まで延び、
仕切りが、前記弁体空洞を通して軸に沿って開位置と閉位置との間で前記弁体空洞内を軸方向に移動可能であり、
ステムが、ステム-仕切り接続部で前記仕切りに接続され、
前記仕切りは、前記開位置で前記貫通孔と整列する仕切り開口部と、前記閉位置で前記貫通孔と整列するブランク部分と、を備え、
前記ブランク部分は、2つの側面を備え、
前記仕切弁は、前記仕切りの両側で前記弁体空洞内に取り付けられたスカートプレートと、各前記スカートプレートに接続されたトッププレートと、を備え、
前記トッププレートは、その中に開口部をさらに有し、
前記ステム又は前記ステム-仕切り接続部は、前記トッププレートの前記開口部を通って延び、
各前記スカートプレートは、前記仕切りが前記閉位置に移動されるときに、前記仕切り開口部を覆うようにサイズ決めされ且つ位置決めされる、仕切弁。
【請求項2】
2つの平坦な側面を備える前記ブランク部分と、前記仕切りの両側の座部と、をさらに備え、
各前記座部は、その中に開口部を備え、前記貫通孔とは取り囲む関係にあり、
各前記座部は、前記仕切弁が閉じているときに前記仕切りの前記2つの平坦な側面のうちの一方に係合するシール端部を備え、
各前記スカートプレートは、対応する座部と係合する、請求項1に記載の仕切弁。
【請求項3】
各前記対応する座部と係合する半円形部を、各スカートプレートにさらに備える、請求項2に記載の仕切弁。
【請求項4】
前記弁体空洞は、デブリが前記仕切り開口部に入ることを抑制するようにグリースで満たされる、請求項1に記載の仕切弁。
【請求項5】
前記弁体空洞は、前記仕切弁が直立しているときに、前記仕切りを摺動式に受け入れる少なくとも2つの平坦な表面を前記貫通孔の下に備える、請求項1に記載の仕切弁。
【請求項6】
前記少なくとも2つの平坦な表面が長方形断面の一部であることをさらに備える、請求項に記載の仕切弁。
【請求項7】
前記貫通孔の下の前記弁体空洞は、前記仕切りの長方形断面をぴったりと受け入れる長方形断面を有する、請求項に記載の仕切弁。
【請求項8】
前記貫通孔の上の前記弁体空洞は、長円形の形状を備える、請求項1に記載の仕切弁。
【請求項9】
各前記スカートプレートは、弾性材料から構成される、請求項1に記載の仕切弁。
【請求項10】
前記仕切弁が直立しているとき及び前記閉位置にあるときに、前記仕切り開口部が前記貫通孔より上にあるように前記仕切りが取り付けられる、請求項1に記載の仕切弁。
【請求項11】
前記スカートプレートは、前記仕切り開口部と前記弁体空洞との間でデブリの移動を制限するように位置決めされている、請求項1に記載の仕切弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
本発明は、概して弁アセンブリに関し、より詳細には、改良された仕切弁アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
仕切弁は油田で使用され、仕切弁の貫通孔を通る流体流れを制御する内部スライド式仕切りを有する。スライド式仕切りは、開口側とブランクシール側を有する平坦なものである。仕切りの開口側が貫通孔と整列されると、流体は仕切弁を通って流れることができる。仕切りのブランクシール側が坑井と整列されると、流体は仕切弁を通って流れることを阻止される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発明の概要
本発明の目的は、改良された仕切弁アセンブリを提供することである。
【0004】
本発明の別の目的は、弁体の重量を減らすために、少なくとも部分的に長方形である弁体空洞を有する仕切弁アセンブリを提供することであり、そうすることで座部及び仕切りを弁体空洞が丸型である場合よりもスリムにして、さらに重量を減らすことができる。
【0005】
本発明のさらに別の目的は、第1の側に円形空洞を、第2の側に長方形空洞を有する弁体空洞を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、仕切弁アセンブリのための縮小されたサイズの座部を提供することである。
【0007】
本発明のさらに別の目的は、坑井内の流体流れのシールを補助するために、座部上に双方向シールを提供することである。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、仕切弁の信頼できる動作を確実にするために、汚染物質が弁体空洞に入ることを防止するスカートアセンブリを提供することである。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、上流及び/又は下流シールを提供することである。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、油田用途で遭遇する温度、圧力、及び流体種のすべての範囲で動作するシールを提供することである。
【0011】
仕切弁はBOPよりもはるかに軽量であるが、別の目的は、機能を犠牲にすることなく、同じサイズの貫通孔に対して仕切弁の重量とサイズを減少させることであろう。部品点数を減らし、同じサイズの仕切弁を多くの異なる用途で使用できるようにすることが望ましいであろう。
【0012】
場合によっては、仕切弁がどこで使用されるか、又はどこに移動されるかわからないため、適切なシールを選択することが問題となる。さらに別の目的は、油田用途で遭遇する温度、圧力、流体種のすべての範囲に対して、所望の貫通孔サイズに同じ仕切弁を使用できるようにすることであろう。
【0013】
別の目的は、双方向性で、下流側のバックアップシールを備えた上流シールを有する仕切弁を有することである。しかしながら、下流でシールする仕切弁のみを有することを好むユーザもいるので、仕切弁が、単に1つ又は複数のシールを除去することによって下流シールに変換可能であることも、可能な目的である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1つの一般的な態様は、仕切弁を含む。仕切弁はまた、仕切弁を貫通して延びる仕切弁内の貫通孔を含む。弁はまた、貫通孔に対して直角に配向された仕切弁内の弁体空洞を含む。仕切りは弁体空洞内で軸に沿って開位置と閉位置との間で軸方向に移動可能である。ステムは、ステム-仕切り接続部で仕切りに接続され、ステムは、貫通孔の第1の側にある。貫通孔の第1の側の弁体空洞は、丸型の断面部分と第1の長方形断面部分とを含み得る。弁体空洞は、第1の側とは反対側の貫通孔の第2の側に第2の長方形断面部分を含み得る。弁体の第2の長方形断面は、仕切りの長方形断面を受け入れる。仕切りは、開位置で貫通孔と整列する仕切り開口部と、閉位置で貫通孔と整列するブランク部分とを含み得る。ブランク部分は2つの平坦な側面を有する。弁は、仕切りの両側に座部を含む。座部は、その中に開口部を有していてもよく、貫通孔とは取り囲む関係にある。各座部は、仕切弁が閉じているときに仕切りの2つの平坦な側面のうちの1つに係合するシール端部を有する。さらに、各座部は、仕切弁内の対応するポケットに嵌合する、シール端部とは反対側の外端部を有する。仕切りのブランク部分の2つの平坦な側面の間の仕切り幅は、各座部のシール端部と外端部との間の座部幅よりも大きい。各座部は、各座部の少なくとも1つの非エラストマーU字形シールの開口部が仕切りに向けられ、下流シールを形成するように配向された少なくとも1つの非エラストマーU字形シールを有してもよい。これにより、仕切りが閉じられると、仕切りの下流側の少なくとも1つの非エラストマーU字形シールは、仕切弁が下流シールを有する双方向仕切弁を形成するように、シールのために開口部内に流体圧力を受け入れるように位置決めされる。
【0015】
実践形態は、各座部が、非エラストマーU字形シールの開口部が互いに離れる方に向けられるように配向された2つの非エラストマーU字形シールを含み得る仕切弁の以下の特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。各U字形シールは、非エラストマーU字形シールの脚部を外側に付勢するばねを有する。2つの非エラストマーU字形シールは、上流シール及び下流シールを形成するように配置される。仕切弁は、上流シール及び下流シールを有する双方向仕切弁であり得る。各座部用のばねは、外端部に配置され、各座部を仕切りに向かって付勢する。金属フランジは、2つの非エラストマーU字形シールの間で座部に形成されている。金属フランジに直接隣接する2つの非エラストマー支持リングは、非押出しリングとして機能する材料であり得る。1つの保持リングは、座部に形成されたスロットに適合する脚部を有する。仕切弁は、2つの非エラストマー支持リング及び2つの非エラストマーU字形シールを座部上の所定位置に保持する、座部上に形成された2つの金属リップを含み得る。仕切り開口部は、ブランク部分とステム-仕切り接続部との間に配置されるように、ステム-仕切り接続部に隣接している。仕切弁は、仕切りがスカートプレートに対して摺動できるように取り付けられたスカートプレートを仕切りの各側に有する。仕切りの両側にあるスカートプレートは、仕切りが閉位置に移動されたときに仕切り開口部を覆う。各スカートプレートは、対応する座部に係合する。ステム-仕切り接続部は、ねじ山のないラッチを含み得る。仕切弁は、各座部のシール端部と外端部との間の長さよりも大きい、2つの平坦な側面の間の仕切り幅を有し得る。
【0016】
1つの一般的な態様は、仕切弁を含む。仕切弁は、仕切弁を貫通して延びる貫通孔を仕切弁内に有する。仕切弁内の弁体空洞は、貫通孔に対して直角に配置されている。仕切りは、弁体空洞内で、軸に沿って開位置と閉位置との間で移動可能である。弁はまた、ステム-仕切り接続部で仕切りに接続可能なステムを有し、ステムは貫通孔の第1の側にある。弁体空洞は、貫通孔の第1の側にあり、丸型断面部分と第1の長方形断面部分とを含み得る。弁体空洞は、第1の側とは反対側の貫通孔の第2の側に第2の長方形断面部を有する。弁体の第2の長方形断面は、仕切りの長方形断面を受け入れる。仕切りは、開位置で貫通孔と整列する仕切り開口部と、閉位置で貫通孔と整列するブランク部分とを有する。ブランク部分は、2つの平坦な側面を有する。弁はまた、仕切りの両側に座部を含む。座部は、その中に開口部を有し、貫通孔と取り囲む関係にある。ばねが、各座部の外端部にある。各ばねは、仕切弁内の仕切りの両側で対応する壁と係合する。各ばねは、仕切弁が閉じているときに、各座部のシール端部を仕切りの2つの平坦な側面のうちの1つと係合するように付勢する。2つの平坦な側面の間の仕切り幅は、各座部のシール端部と外端部との間の長さよりも大きい。弁はまた、下流シールを形成する位置で座部の少なくとも1つに取り付けられた少なくとも1つの非エラストマーU字形シールを含む。
【0017】
実践形態は、各座部が、非エラストマーU字形シールの開口部が互いに離れる方に向けられるように配向された2つの非エラストマーU字形シールを含み得る仕切弁の以下の特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。2つの非エラストマーU字形シールは、上流シール及び下流シールを形成するように配置される。仕切弁は、上流シール及び下流シールを有する双方向仕切弁である。仕切弁は、2つの非エラストマーU字形シールのうちの1つと係合する座部の外端部の周りに配置された非金属保持リングを含み得る。金属フランジは、各座部から半径方向外側に延び、2つの非エラストマーU字形シールの間に配置される。第2の非金属保持リングは、座部のシール端部にある。第2の非金属保持リングは、各座部の周囲に形成された溝内に延びるリップを含み得る。仕切弁は、2つの非エラストマーU字形シールのそれぞれのために各座部の周りに形成された2つの金属溝と、2つの非エラストマーU字形シールの間に配置される、各座部から半径方向外側に延びる金属フランジとを含み得る。仕切り開口部は、ブランク部分とステム-仕切り接続部との間に配置されるように、ステム-仕切り接続部に隣接している。ステム-仕切り接続部は、ねじ山のないラッチを含み得る。仕切弁は、仕切りの両側にスカートプレートを含み、仕切りがスカートプレートに対して摺動するようにしてもよい。仕切りの両側のスカートプレートは、仕切りが開位置に移動したときに、仕切り開口部を覆う。
【0018】
本発明のこれら及び他の目的、特徴、及び利点は、図面、本明細書に与えられた記載、及び添付の請求項から明らかになるであろう。しかしながら、本発明の上記目的及び/又は利点は、本発明の態様を理解するための補助としてのみ意図され、本発明をいかなる形でも限定することを意図せず、したがって、目的、及び/又は特徴、及び/又は利点の包括的なリストも制限的なリストも形成していないことが理解されるであろう。
【0019】
図面の簡単な説明
以下の詳細な記載及び請求項は、全体的な発明を単に例示するものである。本発明の追加の態様、利点、及び特殊性は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者に容易に示唆されるであろう。本発明及びそれに付随する利点の多くのより完全な理解は、同様の参照数字が同様の部品を指す、添付の図面と併せて考慮される場合、以下の詳細な記載を参照することによって容易に認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態による長方形下部弁体空洞及び丸型上部弁体空洞を有する仕切弁の斜視図である。
図2】ボンネットのない仕切弁の側面立面図であり、本発明の一実施形態による丸型弁体空洞のない長方形の弁体空洞を示している。
図3】本発明の一実施形態による仕切弁アセンブリについて、円形上部弁体空洞を通して下部長方形弁体空洞まで弁体空洞を見下ろした上面図である。
図4】本発明の一実施形態による丸型弁体空洞で可能であるよりもスリムな座部を長方形弁体空洞内の仕切りの側部に示す仕切弁アセンブリの側面断面図である。
図5】本発明の一実施形態による弁体空洞の長方形部分内の仕切りの両側にある2つの座部及びシールアセンブリを示す仕切弁の側面図である。
図6】本発明の一実施形態による仕切弁アセンブリの2つの座部のうちの一方の上にある可能なシールアセンブリの側面図である。
図7】本発明の一実施形態による仕切弁のためのシールアセンブリを有する座部の一実施形態の分解斜視図である。
図8】本発明の一実施形態による仕切弁の1つの座部上の別の可能なシールアセンブリの側面図である。
図9】本発明の一実施形態による仕切弁のT字形ステムコネクタ上に摺動式に嵌合するT字形スロットコネクタ仕切りの斜視図である。
図10】本発明の一実施形態による仕切弁のデブリが弁体空洞に入ることを防止又は制限するためのスカートアセンブリの斜視図である。
図11】本発明の一実施形態による仕切弁のための仕切りを開閉するときにデブリが弁体空洞に入るのを防止するために弁体空洞の丸型部分と長方形部分に挿入されたスカートアセンブリの部分断面斜視図である。
図12】本発明の一実施形態による仕切弁の弁体空洞の丸型部分と長方形部分に挿入されたスカートアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
本発明の詳細な記載が本明細書に提供される。しかしながら、本発明は様々な形態で具現化され得ることを理解されたい。したがって、本明細書に開示された特定の詳細は、限定的に解釈されるものではなく、むしろ、特許請求の範囲の根拠として、また、実質的に任意の適切に詳述されたシステム、構造又は態様に本発明を採用することを当業者に教示するための代表的な根拠として解釈されるものである。
【0022】
ここで図面、より詳細には図1を参照すると、仕切弁100が弁体18を備えて示されている。弁体18の内部には、丸型断面の上部弁体空洞28と長方形断面の下部弁体空洞38とを備える弁体空洞16がある。同じく丸型貫通孔36は、弁体空洞16に垂直に仕切弁100を貫通して延びている。ボンネット17はまた、丸型上部弁体空洞28の一部を画定する。床21は、丸型弁体空洞28の底部及び長方形の弁体空洞38の始まりであり、貫通孔36の上の弁体空洞16の長方形の喉部19を含んでいる。換言すると、貫通孔36の直ぐ上には、弁体空洞の第1の長方形断面部分があるが、図面に示すように床21から上方に弁体空洞16は丸型である。上部弁体空洞28全体が図2に示すように長方形であることも可能であるが、後述するように上部弁体空洞28が丸型であることが有利であることが分かっている。丸型弁体空洞は円形又は楕円形のいずれであってもよい。
【0023】
仕切り20は、弁体空洞16と座部70とに接触する平坦な側面26を備える。1つの可能な実施形態において、仕切り20は、仕切りの上部に開口部22を有する。貫通孔36と整列したときの開口部22は、仕切弁100の開位置であり、貫通孔36を通る流体流れを可能にする。ブランクシール面24は、開口部22から仕切り20の反対側にあり、貫通孔36と整列したときに流体の流れを阻止し、貫通孔36をシールする。
【0024】
仕切り20は、開位置で仕切りを通る流体流れを許容し、閉位置で流体流れを止める貫通孔36と同じ大きさの丸型開口部22を備える。好ましい実施形態では、この開口部は、仕切りが図に示すように直立に配向されたとき、仕切り20の上部に位置する。開口部22を貫通孔の上部に有することの1つの利点は、弁体空洞16に入るデブリの量を減少させるスカート60の使用である。開位置から閉位置の間の移動の間、デブリが弁体空洞16内に集まるか、又は弁体空洞16の周りを移動するのを防ぐ仕切りと摺動係合する仕切り20を取り巻くスカート60を示す図10~12を参照されたい。上部に開口部を有する別の実用的な利点は、必要とされる異なる部品の数を減らして、すべての仕切弁サイズにわたって単純化を可能にする。異なるサイズの仕切弁に必要な部品の数を減らすためのこの標準化は、所望の用途向けの仕切弁、すなわち特定の環境向けの2インチ仕切弁、4インチ仕切弁、又は5インチ仕切弁の製造に必要なストック要件及び時間を低下させる。
【0025】
座部70は、仕切り20の両側で仕切り20と弁体18の間に配置される。仕切りは、金属座部70に係合して、座部との金属間シールを提供する。金属間シールは、油田作業で遭遇する温度、圧力、及び流体の種類の広い範囲にわたって作動する。ポケット32内の座部と弁体18との間の座部70の周りの漏れについては、以下で考察する。
【0026】
仕切弁100は、回転されるハンドル12の使用により手動で操作することができる。しかしながら、動力式操作装置を利用することもできる。この事例では、ハンドル12は、仕切り20を上昇又は下降させるために回転する弁ステム14に接続される。
【0027】
より詳細には、そして上記の考察を続けると、弁体空洞16は、床21の上の、上部丸型又は円形空洞側28と、床21の下の、下部長方形空洞側38との、2つの部分に分割されてもよい。上部弁体空洞28は、円形断面、長円形断面、楕円形断面などを有していてもよい。長円形断面は、重量/サイズ削減を最大化するために、弁体サイズ、ボルト数などを減らし得るが、円形断面の弁体空洞を使用して製造することがより容易であり得る。
【0028】
長方形断面に対する上部弁体空洞28の円形断面の利点は、上部弁体空洞28が、空洞内の仕切りの移動及びシール形成を容易にするためにグリース又は他の適切な潤滑剤をより良く充填できることである。長方形の上部弁体空洞と比較して上部円形弁体空洞28のサイズが大きいため、より多くのグリースを利用することができ、これはより多くの潤滑を提供し、貫通孔36を通る流体流れからデブリを遮断することが理解されよう。仕切りの開閉の間、デブリは、仕切り開口部22における蓄積のために、弁体空洞16に入り込むことができる。
【0029】
仕切り20は、下部弁体空洞38の長方形断面にぴったりと合う長方形断面を有する。下部弁体空洞38の長方形断面の見た目は、図3に示すように、(ボンネットを取り外した)弁を上から見下ろすと見ることができる。第2の長方形断面部とも呼ばれ得る長方形断面弁体空洞38は、所与のサイズの貫通孔36に対して仕切弁を構築するために必要な材料量を減らし、それによって重量を減少させることができる。長方形弁体空洞の別の利点は、座部70が嵌るポケット32に達する前に円形弁体空洞の半径を通って延びるのに十分な幅である必要がないため、座部70に必要な座部幅62(図2参照)を減らすことができることである。これにより、後述するように、仕切り20の幅を狭めることも可能である。
【0030】
仕切弁の下側30は、長方形弁体空洞38を備える。上で説明したように、長方形弁体空洞の使用は、より小さい座部幅62(及び重量)の座部を利用することを可能にし、より細い仕切りを実現することを可能にする。座部は、仕切りから外側に延び、仕切り幅63(図2)と比較して減少した座部幅62(図2)を有し得る。これは、ひいては、必要な材料の量、構築に必要なコストを低減し、仕切弁の全体重量を減少させる。
【0031】
図2に目を向けると、本発明の一実施形態による仕切弁100の側面立面図が示されている。弁体空洞16を通る軸74は、貫通孔36に垂直であり、弁体空洞16を二等分している。開閉動作の間、仕切り20は軸74に沿って軸方向に移動する。軸74は仕切り20も二等分する。図2において、仕切り20は、開口部22が貫通孔36と整列するように軸方向に位置付けられ、それによって流体が貫通孔36を通って流れることができる。
【0032】
座部幅62は、各座部のシール端61と外端65との間の距離である。従来技術のシステムでは、丸型空洞が平坦な仕切りと共に一般的に使用され、これはより幅広い座部を必要とする。一実施形態では、仕切り20の2つの平坦なシール側面26の間の仕切り幅63は、各座部の前記シール端61と外端65との間の座部幅62より大きい。したがって、長方形弁体空洞の使用は、丸型弁体空洞の拡大されたサイズを作るために必要な材料の量を減少させ、重量を減らし、同じサイズの貫通孔36及び仕切弁の圧力定格に対して弁のサイズを小さくするという利点を提供する。弁体18の重量は、この方法で約32%減少させることができる。他の可能な実施形態では、低減される重量の量は、同様に32%より多い又は少ない可能性がある。
【0033】
一例として、従来技術の丸型弁体空洞は、3と1/16インチの貫通孔36の直径及び15K圧力定格を有する弁に対して、約5.5インチの座部幅及び4.5インチの仕切り幅を必要とした。長方形弁体空洞を有する同じサイズの貫通孔36の新しい設計では、仕切りは2.62インチの厚さ63を有し、座部は1.6インチの厚さ62を有することができる。この例では、座部幅は仕切り幅の62%である。したがって、座部幅は、仕切り幅の100%未満、又は90%未満、又は80%未満、又は70%未満、又はこの範囲内の任意の割合であり得る。これにより、弁体の重量だけでなく、仕切りや座部の重量もかなり抑えられる。仕切りは、貫通孔36の直径より小さい厚さ63を有し、この例では、貫通孔の85%又は貫通孔の90%未満である。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態による仕切弁アセンブリ100用の仕切弁体18の弁体空洞16の中を見下ろした上面図である。弁体空洞16の円形空洞28部分は、床21で底を打つ弁体18の上方部分内に形成されている。仕切り20は、円形空洞28及び長方形弁体空洞38内に配置される。仕切り20は、軸74に垂直な長方形断面40を有する長方形である。仕切り20は、座部(図1及び2参照)に係合する平坦なシール側面26から構成されている。長方形の仕切り20は、長方形の弁体空洞38にぴったりと収まる。円形空洞28には、グリース又は他の適切な潤滑剤を充填することもでき、仕切りが開位置又は閉位置から移動する間の弁体空洞内の仕切りの移動の間、より滑らかな動作とより少ない摩耗を可能にする。上述したように、上部弁体空洞が丸型であることは、弁体空洞が弁の上部でも長方形である場合よりも、より多くのグリースを入れることを可能にする。しかしながら、弁の上部に長方形の弁体空洞を有することもまた、本発明に従う可能な設計であろう。
【0035】
図4に目を向けると、本発明の一実施形態による仕切弁100の側面断面図が示されている。弁体空洞16は、仕切弁の第2の側又は下側30で貫通孔36の下方に長方形に形成されている下部弁体空洞部分又は長方形弁体空洞38を有する。弁体空洞16の上部弁体空洞部分は、仕切弁の第1の側又は上側10で床21の上にある円形空洞28を備える。他の実施形態では、上部弁体空洞部分は、長円形又は長方形の形状であってもよい。
【0036】
一実施形態では、仕切弁100が開位置に移動されると、仕切弁の下側30上の弁体空洞の下方部分は、長方形の仕切り20を摺動式に受け入れる。別の可能な実施形態では、仕切り20は、仕切りの下側部分に開口部22を有し、仕切り20の上側にブランクを有し得る。図示のように、仕切り20は、開口部22が貫通孔36と整列した開位置にあり、それによって流体が流れることができる。所望するとき又は必要なとき、仕切り20は、ステム14に接続され、さらに仕切り20に接続されているハンドル12を回転させることによって下げることができる。長方形仕切り20は次に、長方形空洞38の中に軸方向に移動する。座部70が減少した幅を有することも理解されよう。長方形の弁体空洞形状は、座部70を仕切り20に近づけ、いくつかの従来技術の仕切弁で使用される座部保持器の必要性をなくす。仕切り20に対してポケット32内の位置に座部を維持するための座部保持器の必要性を排除することは、本発明と一致する仕切弁を製造するためのストック要件及び時間的制約をさらに減らす。
【0037】
図5において、本発明の一実施形態による座部アセンブリ150の側面図が示されている。示されるように、仕切り20は、開口部22が貫通孔36と整列された開位置にある。座部70は、弁体18のポケット32内に取り付けられている。上流側を流れ矢印42で示す一方、下流側を流れ矢印44で示す。仕切り20が閉位置に移動されると、貫通孔36内の流体流れは、仕切り20のブランクセクション24の平坦な側面によって遮断される(図1参照)。上流シール48、46及び下流シール66及び68は、座部と弁体18との間の座部70の周りの流体流れを防止する。しかしながら、上流シールと下流シールは、各流れ方向に対して1つずつしか使用されない。
【0038】
例えば、弁が閉じている場合、上流シール46は、上流座部と弁体18との間の流体流れを防止する。シール46が故障するか、動作不能であるか、又は設置されていない場合、流体はシール48を通り越して上流座部及び仕切り20の周囲を流れ得るが、下流シール68によって止められる。言い換えれば、U字形の上流シール48と下流U字形シール68は、その開放端が上流流れの方を向いており、流れ矢印42で示すような流体流れを遮断する。2つのシールを使用することにより、上流シールが流体流れを止めない場合に冗長性があるため、シール能力がより高くなるという利点がある。言い換えれば、上流シール46が上流座部70の周りの流体流れを阻止する場合、下流シール68は、シール機能を果たさない、又はその瞬間に流体の流れを阻止するため使用されない。
【0039】
弁の購入者の中には、仕切弁に双方向の下流シールのみを設けることを好む人もいる。上記の例では、シール46及び66は、下流シールのみが利用されるように除去される。そのようにして、弁が閉じられると、下流シール68が下流座部と弁体18との間をシールして、下流座部を越える漏れを防止する。双方向の上流シールだけを設けることが望まれる場合、シール48と68を使用することができる。何らかの理由で単一方向のシール、例えば上流シールのみを設けることが望まれる場合、シール46を除くすべてのシールが除去されることがある。このように、シール構成はユーザの好みに応じて変更可能であるが、双方向冗長シールのためにはすべてのシールが設置される。本明細書に記載された方法で座部アセンブリ150を製造することにより、各別個の所望の用途のために異なる座部アセンブリ150を製造する必要なく、様々なシールニーズ、すなわち、下流のみ、上流のみ、又は双方向に機能する1つの標準化部品アセンブリを製造することが可能になる。
【0040】
流体流れが逆であれば、シール66は上流シールとなり、シール48は座部の周りの下流バックアップシールになることが理解されよう。したがって、弁は双方向性であり、両方向の流体流れに対して効果的に動作する。貫通孔36内の流体流れの方向に応じて、2つのシールだけが動作する。この構成は、様々な条件下で使用するのに最適なものである。
【0041】
図6及び図8において、座部シール46及び48の構成要素がより詳細に示されている。座部シール66、68は同じ構造である。各座部70は、複数の非エラストマーシール部材を有する金属座部本体を備える。好ましい実施形態では、座部70の金属座部本体自体は、インコネル金属である。シール部材は、下流シールを付勢するためのステンレス鋼製ばねを備えたPTFEシールと、上流シール及び下流シールの両方のためのPEEK材料支持及び保持リングとを備える。エラストマー製のOリングを使用しないことで、仕切弁は、より過酷な条件下での使用に耐えるとともに、メンテナンスの必要性が少なく、より長い寿命を備える。動作温度範囲は-50F°から350F°である。シール部材は、油田で遭遇する腐食性流体や酸性流体を含むすべての流体、又は実質的にすべての流体に適している。さらにシールは20,000psiまでのすべての圧力に適している。またこの材料は長持ちする。このように、遭遇する圧力、流体、温度に応じて適切なOリングを選択するという問題は解消される。同様に、経年変化によるシールの定期的な交換の問題も解消される。
【0042】
再び図6に目を向けると、本発明の一実施形態による座部70の拡大側面図が示されている。流体が矢印79で示されるように座部70の背後に流れようとする場合、シール46は流体流れを阻止する。これは、貫通孔36内の流体流れが42で示される方向である図5で考察された状況であろう。
【0043】
流体流れが図5に示す方向とは逆方向で、上流シール66を介して漏れた場合、座部70に向かう流体流れ矢印81で示すように、流体は座部の周りをシールするシール48に向けられる。
【0044】
図7よりも図6におそらく良く示されているように、金属フランジ73の片側で座部70と共に用いられるU字形シール48と支持リング72のシールアセンブリは、保持リング56によって適所に保持される。保持リングは、非金属又は非エラストマー保持リングであってもよい。保持リング56は、保持リング56から延びる脚部59をスロット57に挿入することによって、所定位置にスナップ嵌めされるか、又は押し込まれる。保持リング56は、U字形シール48及び支持リング72を、座部70の金属フランジ73に対して適所に維持する。支持リング72はまた、好ましくは、U字形シール46及び48のベース領域41及び43よりも硬い材料で構成されていることにより、押出し防止又は非押出し機能を提供する。支持リングは、非エラストマーであってもよい。この実施形態では、弁体18がU字形シール46及び対応する支持リング75を適所に維持するように動作可能であるため、保持リング76を保持リング56と反対側の適所にスナップ嵌めする必要はない。支持リング72及び75は、金属フランジ73に直接隣接し、U字形シール46及び48の間にある。座部70のシール端部又は表面82は、仕切りが閉じて貫通孔36をシールするときに、仕切り20の平坦な側面の1つに係合する。座部70の外端部84にある外側ばね78は、座部70を仕切り20に対して付勢して初期シールを形成する。外端部84の半径方向の長さは、シール端部82の半径方向の長さよりも大きいので、ポケット壁32と外端部84との間の圧力は、仕切りが閉じられたときに貫通孔36内の圧力が上昇すると、座部を仕切りに対してしっかりと保持する、仕切り20に向かって座部70を押す力を生じさせる。
【0045】
動作の1つの可能な例として、矢印81の方向の流体流れは、保持リング56を通過してU字形シール48に流れ、それによって流体の圧力がU字形シール48を拡張して広げ、流体がシールを越えて移動するのを阻止し得る。脚部拡張ばね52の端部にある実際のシール47及び49は、上述したようにPTFEで形成されている。脚部拡張ばね52は、ポケット32の金属壁と係合し、適切なシールのために適切な方向でシールを保持するために利用される。ばね52は、ポケット32内で弁体18を圧迫するシール47及び49を拡張して、初期シールを形成する。貫通孔36内の圧力によるU字形シール48内の圧力は、シール49がより高い圧力でシールを維持するように、ばね52の翼又は脚を開くように促す。貫通孔36内の圧力が高いほど、シールのU字形内部内の圧力によりシール49に生じる力が大きくなり、それによってU字形内部の開口部が大きくなる。ばね52は、ステンレス鋼又は他の適切な材料で構成することができる。
【0046】
外側ばね78は、座部と仕切り20との間に初期張力又は圧力を生じさせ、それによって仕切り20の平坦な側と座部70の面又はシール端部82との間に初期金属間シールを形成するために仕切り20とは反対の座部70の側に設置される。
【0047】
図7に目を向けると、本発明の1つの可能な実施形態による、シールアセンブリを有する座部70の分解斜視図が示されている。座部70と対応するシールとの組み合わせは、座部アセンブリと呼ばれることがある。上述したように、座部アセンブリは、仕切り表面と座部70の金属表面との間に初期金属間シールが形成される初期張力を生じさせるために仕切りに対して座部70を押し付けるために利用される外側ばね78からさらに構成される。
【0048】
1つの可能なシールリングアセンブリの実施形態では、保持リング56は、複数の他のリング及び座部の位置を弁体に対して所定位置に保持するために、所定位置に押し込まれることができる。保持リング56の反対側には、保持リング76がある。シールリング48及び46は、流体が通過するのを阻止するために拡張するように動作可能である。このシールは双方向シールのために動作可能である。これらのシールリングは、PTFEで構成され、より高いシール能力を得るためにシールを弁体に押し付けるのを助けるステンレススチールばねが付属している場合がある。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、多くの用途を有するテトラフルオロエチレンの合成フルオロポリマーである。従来技術のゴム製リングに比べ、PTFEを使用することで、より幅広い温度、圧力、条件を許容することができる。これらのシールは、非エラストマーシールと呼ばれることもある。非エラストマーシールは、エラストマーに比べてメンテナンスの必要性が低く、温度範囲が広いという利点があり、さらに化学的適合性も広い。したがって、非エラストマーシールを使用することにより、オペレータは1つのリングセットを幅広い様々な用途に使用することが可能になり、これはシール交換の時間短縮、メンテナンスコストの削減、運用の柔軟性向上につながる。座部70は、異なる用途ごとに別々の座部70を持つのではなく、複数の用途に使用することができるため、多数の用途のためにストックを保つ必要がある部品の数は、著しく減少する。押出し防止支持リング72、75及び保持リング56、76は、PEEK材料で構成されてもよい。PEEKは、高温まで保持される優れた機械的特性及び耐薬品性を有する半結晶性熱可塑性プラスチックである。
【0049】
図6では、座部70上にシールリング48、46を含む外側バリアを形成するために外側保持リング56、76が使用される一方、図8では、座部金属本体自体が、座部70上にシールリングを含む金属製外側バリア又はリップを備えている。
【0050】
図6図8を比較すると、異なるシールアセンブリが示されている。座部を仕切りに配置した状態で保持するための外側座部保持リング56、76が必要ないので、より少ないシールリングが必要である。図8で分かるように、保持リング56は、リップ54を使用することで省略される。
【0051】
この実施形態では、U字形シールリング46、48は、円錐形状の工具(図示せず)を用いてリップ54を通過させて摺動可能に設置することができる。言い換えると、円錐形状の工具は、U字形シールリングが載置され、リップの直径まで滑らかに直径が増加するより小さい直径を有する。U字形シールは、シール側付近の金属リップ54や反対側の金属リップ55などのリップ上を滑るように十分に圧縮されるまで、円錐形状の工具に沿って摺動する。工具なしでU字形シールリングを取り付ける場合、リップがU字形シールの直径を損傷なく滑らせることができる円周の外側の範囲にあるようにサイズ決めされているために、U字部分が一緒に強く押されるので、U字形シールが損傷する可能性が非常に高くなる。
【0052】
リップ54は、もはや必要とされない保持リング56(図6)の機能も果たしながら、シールを所定の位置に滑り込ませるためにチャネル又はギャップに突出する。さらに、リップ54と反対側の端部では、保持リング76が省略されている。同様に、リップ55が、本実施形態で省略された保持リングの機能を果たすために、リップ54と同様に追加されている。したがって、同じ機能を保持しながら、組み立てに必要な部品は少なくなる。
【0053】
図9において、本発明の一実施形態による仕切弁用の仕切りの斜視図が示されている。1つの可能な実施形態において、仕切り20は、前述のように一般に長方形であり、平坦な側面26と長方形断面40とを備えている。仕切り20は、貫通孔と整列したときに、貫通孔を通る流体の流れをシールするか、又は許容する開口部22及びブランクシール領域24を有する。上述したように、座部は、ブランクシール領域24と金属間シールを形成する。仕切りが垂直方向に配向される場合、ステムコネクタ、仕切りコネクタ、ステム-仕切り接続部、又はラッチとも呼ばれ得るT字形スロット58が、上部に配置されてもよい。このコネクタ58は、仕切り20にフライス加工又は鍛造加工されてもよい。コネクタ58はまた、コネクタ58に挿入されるようにステムに設けられた相互コネクタを有する。T字形スロット58は、ステムを仕切り20上の接続部に滑り込ませる又は押し込むことを可能にするために、ねじ山のないラッチであってもよい。このタイプのコネクタは、仕切り及び仕切りとステムとの間の接続に追加の強度及び剛性を提供し、さらに仕切弁を組み立てるのに必要な時間を短縮することができる。
【0054】
図10~12に目を向けると、本発明の一実施形態による仕切弁100のためのスカートアセンブリの様々な眺めが示されている。スカート60は、仕切りが閉じられたときに、仕切り20の開口部22を覆う。このようにして、スカート60は、動作中に開口部22に引っ掛かる可能性のある汚れ、デブリなどが、弁が閉じているときに弁体空洞16に入ることを防止する。これにより、仕切弁の詰まり、障害、又はその他の動作の妨げにつながる可能性のある汚れ又はデブリが弁体空洞を汚染することが防止される。さらに、スカート60の使用は、適切な動作を保証し、仕切りを清掃し維持するために必要な中断時間を減少させながら、動作時間を増加させる。
【0055】
1つの可能な実施形態では、図10に示すように、スカート60は、仕切り20と相補的な長方形フレームで構成されている。図11~12に見られるように、スカート60は、弁体空洞16に、仕切り20を覆うように挿入され、そこで弁体18に対して所定位置に固定される。スカート60は、仕切りに摺動可能に係合する2つの側面又はスカートプレート81を有し、それによって空洞を汚染からシールする。スカート60は、座部70との密接な係合を可能にする2つの半円形凹部83を含んでいる。スカートは、ステムと仕切りの接続を可能にするために、上部に円形の開口部85を有する。スカート60は、坑井作業中に存在する圧力及び温度に耐えるのに十分な弾力性を有する金属又は他の適当な材料で構成されてもよい。
【0056】
図12において、スカート60の2つの側面81は、円形又は丸型の空洞28を通って延び、丸型空洞28の床21を越えて、座部70と係合することが分かる。上で説明したように、仕切りが開かれ、デブリが仕切りの開口部22に捕捉されるとき、側面81はデブリが弁体空洞に入るのを防止する。同じく上で考察したように、弁体空洞は、好ましくは、デブリが弁体空洞に入るのをさらに防ぐためにグリースで満たされている
【0057】
従来技術の弁と本発明を比較すると、弁体空洞サイズが全体的に減少しているので、改良された仕切弁アセンブリの仕切り及び座部は共によりスリムである。これは、特定の貫通孔のサイズ、非常に広い範囲の温度、圧力及び流体での動作に対する減少した重量及びサイズという利点を提供する。また、従来技術の仕切弁と比較して、現在の用途のパラメータと適応性があるように、個々の構成要素を頻繁に交換する必要がないので、メンテナンスの必要性が制限される。
【0058】
さらに、低減された部品数、及び非常に広い範囲の温度、圧力、及び流体動作は、同じ弁を多くの異なるタイプの用途で使用することを可能にする。サイズ、圧力定格、及び材料クラスを考慮すると980のオプションがあり、サイズ、圧力、材料、及び温度を考慮すると3,920の組み合わせがある。しかしながら、所望の用途向けに、孔サイズ、圧力定格、温度定格、材料クラス、PSLレベル、PRレベル、サードパーティ要件、API規制、ボルト締め要件、オーバーレイ、作業媒体、地上又は海中環境、モデル、エンドコネクションタイプ、オペレータタイプ、インジケータタイプ、及び座部スカートに依存して必要とされる可能性がある少なくとも380億の弁の組み合わせがある。多くの場合、これらのオプションを満たすために、異なる設計の複数のモデルを製造する必要がある。温度定格、材料クラス、PSLレベル、ボルト締め要件、オーバーレイ、モデル、インジケータタイプ、及び座部スカートに基づいて部品を標準化することにより、本発明は、製造される仕切弁の可能な組み合わせの数を1700万未満に減らすことができる。これにより、特定の用途向けにそれぞれの弁を作るために必要なエンジニアリングコストが削減され、さらに、弁及び関連構成要素をストックとして保持することができる。本発明は、上記の所望のパラメータ概要を完全に満たすために必要なモデル数を減少させる可能性を有し得る。
【0059】
現在、API規格に基づく弁には4つの異なる温度範囲のオプションがある:1)P+U(-20°Fから250°F)、2)P+X(-20°Fから350°F)、3)L+U(-50°Fから250°F)、及び4)L+X(-50°Fから350°F)。本発明では、L+Xのオプションを満足する非エラストマーシール(図7参照)のみを使用し、したがって他の3つの温度オプションもカバーする。これにより、仕切弁を製造するために従来必要であった4つのストックオプションのうち3つが不要になる。
【0060】
現在、1.5、360、及び「無制限」のH2S分圧からなる材料クラスオプションを、材料クラスDD~FFの「無制限」オプションのみに標準化することにより、本発明は、従来、在庫に保持される(これはコストがかかる)か、需要に応じて製造される(これは時間がかかる)必要があった6つのオプションを排除する。材料クラスAA~CCのさらなる標準化は、仕切弁を製造するためのストック要件及び時間を減少させる方法を教示する本明細書の教示と一致するものである。
【0061】
図6及び8を参照して本明細書で考察されるように、座部70はインコネルで製造される。座部重量及び壁厚設計係数を考慮すると、座部70の座部形状は、以下の弁サイズ及び圧力定格のために組み合わせることができる:1)2”:5KSI、10KSI、15KSI、及び20KSI用途向けの1つの座部設計、2)3”:5KSI、10KSI、15KSI、及び20KSI用途向けの1つの座部設計、3)4”:5KSI及び10KSI用の1つの座部設計、15KSI及び20KSI用の1つの座部設計、4)5”:5KSI及び10KSI用の1つの座部設計、15KSI及び20KSI用の1つの座部設計。
【0062】
さらに、手動弁、油圧弁、及びフェールセーフ閉鎖弁用の仕切りの製造は、インコネルと4140鋼のみであり、仕切り20の上方部分に孔を設けるように標準化することができる。仕切り重量と壁厚設計係数を考慮し、仕切り形状は以下の弁サイズと圧力定格のために組み合わせることができる:1)2”:5KSI、10KSI、15KSI、及び20KSI用途向けの1つの仕切り設計、2)3”:5KSI、10KSI、15KSI、及び20KSI用途向けの1つの仕切り設計、3)4”:5KSI及び10KSI用の1つの仕切り設計、15KSI及び20KSI用の1つの仕切り設計、4)5”:5KSI及び10KSI用の1つの仕切り設計、15KSI及び20KSI用の1つの仕切り設計。
【0063】
さらに、ステムはインコネルと4140鋼のみであるように標準化することができる。ステム重量と壁厚設計係数を考慮すると、ステム形状は以下の弁サイズと圧力定格のために組み合わせることができる:1)2”:5KSI、10KSI、15KSI、及び20KSI用途向けの1つのステム設計、2)3”:5KSI、10KSI、15KSI、及び20KSI用途向けの1つのステム設計、3)4”:5KSI及び10KSI用の1つのステム設計、15KSI及び20KSI用の1つのステム設計、4)5”:5KSI及び10KSI用の1つのステム設計、15KSI及び20KSI用の1つのステム設計。
【0064】
上記のように、温度定格、材料クラス、PSLレベル、ボルト締め要件、オーバーレイ、モデル、インジケータタイプ、及び座部スカートに基づいて部品を標準化することにより、本発明は、仕切弁の可能な組み合わせの数を380億超から1700万未満-可能な組み合わせの2千分の1を超える減少-に減らすことができる。これにより、特定の用途向けにそれぞれの弁を作るために必要なエンジニアリングコストが削減され、さらに、弁をストックとして保持することができる。これにより納期をさらに早めることができる。
【0065】
要約すると、仕切弁100は、長方形の下部弁体空洞38を利用する。上部弁体空洞28は円形であってもよい。座部70は狭く、仕切り20よりもかなり小さい幅であってもよい。非エラストマーのU字形シールは、下流側のバックアップシールとともに双方向の上流側シールを提供する。スカート60は、デブリが弁体空洞16に入るのを防止する。
【0066】
本発明の前述の開示及び記載は、その例示及び説明であり、当業者には、サイズ、形状及び材料並びに図示された構造の詳細又は種々のコアリング要素の特徴の組み合わせにおける種々の変更が、本発明の趣旨から逸脱せずに行われ得ることが理解されよう。さらに、この特許の範囲は、その文字通りの用語に限定されるものではなく、代わりに、記載された請求項のすべての等価物を包含する。
図1
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図12