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特許7464731種々のパックの流動性製品を分注するための押圧機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】種々のパックの流動性製品を分注するための押圧機構
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/34 20060101AFI20240402BHJP
   B05B 11/00 20230101ALI20240402BHJP
   B05B 11/10 20230101ALI20240402BHJP
   F04B 9/14 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
B65D47/34 110
B05B11/00 101H
B05B11/00 101J
B05B11/00 101K
B05B11/00 101N
B05B11/10 101H
B05B11/10 101J
B05B11/10 101K
B05B11/10 101N
F04B9/14 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022547131
(86)(22)【出願日】2020-02-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 BR2020050025
(87)【国際公開番号】W WO2021155449
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】520489662
【氏名又は名称】ズェンブロッド エリック
【氏名又は名称原語表記】ZEMBROD, Eric
【住所又は居所原語表記】Alameda Paris, 615, Boituva-SP Brazil
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(74)【代理人】
【識別番号】100180253
【弁理士】
【氏名又は名称】大田黒 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100169236
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 貴史
(72)【発明者】
【氏名】ズェンブロッド エリック
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0326567(US,A1)
【文献】特開2018-047956(JP,A)
【文献】米国特許第10335816(US,B1)
【文献】特開2002-239426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/34
B05B 11/00
B05B 11/10
F04B 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に実質的に中空(3)の作動ステム(2)が取り付けられた、管状のカプセル体(1)を備え、前記作動ステム(2)が、弾性記憶を有し上端が前記作動ステム(2)の対応部分に係止リング(5)で連結されたベローズ(4)によって提供される流出および逆流と同時に下方および上方への動作を行うように摺動可能に装着され、前記ベローズ(4)の上には、ボタン/ノズル(6)も連結され、一方、前記ベローズ(4)の下端は、前記カプセル体(1)上に支持されており、前記ステムは、環状キャップ(7)によって摺動可能に誘導され、前記カプセル体(1)の内径内に係止され、その下には、前記作動ステム(2)の下端がピストン(8)に連結されており、その下にある逆止弁(9)は、前記ピストン(8)の下側から水密的に離れるかまたは密接して両者間に形成された通路(10)を開閉し、この通路(10)は、前記作動ステム(2)の内側中空部(3)と連通しており、かつ、その作動が圧力または吸引によって決定される第2の逆止弁(12)によってその底部が制限されているチャンバ(11)と連通しており、すなわち、吸引の場合、製品はカプセル体(1)の管状の下端を通って吸い込まれ、上方へ流れて前記逆止弁(12)を押し上げ、チャンバ(11)内に放出されて蓄積され、逆の場合には、ピストン(8)によってかけられる圧力によって前記弁が閉じ、製品は通路(10)を通ってノズルボタン(6)まで流れ込むことを特徴とする、種々のパックの流動性製品を分注するための押圧機構。
【請求項2】
前記カプセル体(1)が、前記ピストン(8)を摺動させるための、円筒形スリーブ(13)を形成し、テーパ状の下端(14)を有する中間管状部分を備え、その下により直径が小さい別の管状部分(15)が続き、それによって、前記中間管状部分の内部の円錐台面がシールシート(16)を構成し、その下には、半径方向の歯(17)がフィレット(18)状に下方に延びる狭窄部があり、前記第2の逆止弁(12)の首部(19)を把持することにより、首部(19)の下側には、フィレット(18)を介して半径方向の歯(17)に抗して作用する環状ストッパ(20)があり、上側には、前記シールシート(16)を密に開閉する円錐台形のシーリングヘッド(21)があり、そのために、前記首部(19)は、前記弁(12)が短い動きで上方または下方に変位するのに十分な高さがあり、これらの動きは、半径方向の歯(17)、環状ストッパ(20)、および円錐台形のシーリングヘッド(21)によって制限されて、チャンバ(11)内で圧力または吸引があった時に製品の流れを確立または遮断することを特徴とする、請求項1に記載の種々のパックの流動性製品を分注するための押圧機構。
【請求項3】
前記カプセル体(1)が、同様に管状で上方により大きい直径(22)を有し、外部フランジ(23)によって下方制限され、この地点の内側に段差(24)を形成しており、一方、前記のより大きい直径部(22)は、前記環状キャップ(7)用の嵌込係止デバイスを前記段差(24)と共に形成する1本の内側環状溝(25)を有しており、前記環状キャップ(7)は、外側環状部(26)に、前記内側環状溝(25)に干渉して入り込む、同様に環状外側係止リブ(27)を有し、前記環状キャップ(7)の内側には、前記作動ステム(2)を摺動させるためのガイド穴(28)が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の種々のパックの流動性製品を分注するための押圧機構。
【請求項4】
前記ベローズ(4)の両端部(29)が、環状であり、それぞれ対応する段差(30)を有しており、下端は、内側に僅かに凹んだ前記環状キャップ(7)によって画定される対応する段差のある、前記カプセル体(1)上に嵌め込むことができ、一方、前記ベローズの上端もまた、前記ベローズ(4)の上端を嵌め込むための同様に環状の嵌合部(32)を形成する逆U字形である環状カラー(31)を有する係止リング(5)に嵌め込まれ、前記係止リング(5)の内側は、前記作動ステム(2)の対応する端部用の嵌込係止溝(34)を備える管状部(33)を有し、前記係止リング(5)は、前記作動ステム(2)と共に上下動でき、この動作によって、前記ベローズ(4)も作動して、前記作動ステム(2)の前記中空部(3)に圧力または吸引が確立されることを特徴とする、請求項1に記載の種々のパックの流動性製品を分注するための押圧機構。
【請求項5】
前記作動ステム(2)の上端が前記係止リング(5)上に露出しており、この露出部分の直径は、前記ノズルボタン(6)を係止するための同様に環状のフィレット(35)を含み、前記ノズルボタン(6)は、前記環状フィレット(35)に係止するための環状溝(37)を備えた内部チューブ(36)を含んでおり、一方、前記ボタン/ノズルは、上部(39)が閉じた別の同心円状の外壁(38)を有し、ここに、半径方向にノズル(41)で終了する水平内部チャネル(40)を備え、反対側は、管状部(33)の内部および前記中空部(3)に接続されて、製品流出チャネルを形成していることを特徴とする、請求項1に記載の種々のパックの流動性製品を分注するための押圧機構。
【請求項6】
前記作動ステム(2)の下3分の1にはストッパフランジ(42)があり、その下には摺動可能に装着されたピストン(8)があり、そのピストンには下側小径部(43)と上側大径部(44)の二つの内径があって、これらの間に段差ストッパ(45)を形成し、前記下側小径部(43)は、前記作動ステム(2)に摺動可能に嵌合し、また、前記上側大径部(44)は、前記ストッパフランジ(42)の周囲に摺動可能に嵌合し、これにより、前記ピストン(8)は、円筒形スリーブ(13)内を摺動することに加えて、前記作動ステム(2)上で短く上下動し、この動きは、前記段差ストッパ(45)と前記上側大径部(44)の高さによって画定されており、前記ピストン(8)のより厚みのある下部には、上部溝(46)と下部溝(47)の2つの「V」字型の溝があり、これにより、外径(48a~48b)に2つ、内径(49)に1つ、の3つの環状シールリップが形成され、後者は、前記作動ステム(2)の下端にあり、前記チャンバ(11)と前記作動ステム(2)の前記中空部(3)とを接続する横方向中間通路(50)を開閉するように配置され、この開閉動作は前記ストッパフランジ(42)と前記段差ストッパ(45)によって画定され、前記環状シールリップの防漏効果は、逆止弁(9)と連携して行われることを特徴とする、請求項1に記載の種々のパックの流動性製品を分注するための押圧機構。
【請求項7】
逆止弁(9)が、通常カップ状で、底壁(51)と円筒壁(52)を有し、前記底壁(51)には、前記作動ステム(2)の下端を挿入させて保持するための中心穴(53)があり、前記作動ステム(2)は、挿入するための貫通係止チップ(54)を備えており、一方、前記円筒壁(52)の基部には、円筒形スリーブ(13)の内径に調整されたスペーサ部(55)があり、製品がそれらの間を通過できるようになっており、前記円筒壁(52)は、シールリップ(48b)と(49)の間に入り込むように配置されたくさび形の上側エッジ(56)を有し、その結果、中間通路(50)の漏れ防止を確実にするために、前記2つのリップにある程度の圧力を作用させることができることを特徴とする、請求項1に記載の種々のパックの流動性製品を分注するための押圧機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
より詳細には、本発明は、作動時に、流体製品をパックの内側から外側へ移すのに十分な内圧を確立する弾性記憶を備えたベローズ要素を有する、特定のタイプのポンプに導入された技術的および機能的改良に関し、特に、美容、治療、またはその両方を目的とした、その中のいくつかは作用が医薬品と同等であり薬用化粧品とも呼ばれる、化粧品に多く見られる、液体、油性、クリーム状、半固体などの様々な凝集状態にある、様々な製品の異なるパックに使用できる理想的な機構である。
【背景技術】
【0002】
現在、例えば、以下の文書、欧州特許公開第1154863号明細書、米国特許第2833448号明細書、米国特許第4732549号明細書、米国特許第4863070号明細書、米国特許第4915601号明細書、米国特許第5014881号明細書、米国特許第5238156号明細書、米国特許第5363993号明細書、米国特許第5518147号明細書、米国特許第5544789号明細書、米国特許第5673824号明細書、米国特許第5924603号明細書、米国特許第6193112号明細書、米国特許第6279784号明細書、米国特許第6672486号明細書、米国特許第6715649号明細書、米国特許第7246723号明細書、米国特許公開第2017326567号明細書、米国特許公開第20030111551号明細書、国際公開第9628257号パンフレットおよび国際公開第2012104694号パンフレットで教示されているように、上記と同様の機能を持つパックが無数に存在する。論理的には、各文書には製品を容易に吐出するための独自の方法が記述されており、常に製品の取り扱い、包装および適用をより効率的に管理する方法が提供されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の目的のために使用される公知の機構が、製品を正しく適用するために十分であることは間違いない。しかし、内部弁を用いた機構は効率的ではあるが、それらの多くが、バネ、ボールおよびあらゆる種類の可動機構部品を用いているため、実質的に複雑な機構を構成する結果となり、一方で、製品は依然として所望の方法で供給されず、部品の製造工程と最終組立段階の両方で複雑な産業要件となり、デバイスが過度に高価になってしまうなど、大幅な改善が望まれている。
【0004】
特に、従来のデバイスでは、まずは複雑であること、また、常にしっかりと閉まるわけではないため、たとえわずかでも漏れが生じ、無駄が生じる可能性があるため、開閉を行うときに望ましい効率を得られない。同様に、効率的に密閉されないと、空気がパック内に入り込み、主に酸化によって製品の特性に経時的に負の変化を与える可能性がある。
【0005】
多くの場合、通常のアセンブリにはバネや同様の部品が使用されており、アセンブリの機能がやや非効率的になりがちである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの一体化部品を有するカプセル体の実施形態は、言い換えれば、上部外側に、任意のパックの首部内に水密に組み立てるための手段を含み、内側に、ピストンと管状の作動ステムが摺動するシリンダ状の第1の一体化部品を有し、作動ステムの露出した上端は、作動用アプリケータボタン/ノズルに接続され、その下には、弾性記憶を有する作動ベローズの上端が取り付けられ、ベローズの下端は、カプセル体の対応する部品に挿入されて支持されるため、前記ステムは、作動用ボタンが押下されると下方向に変位し、前記ボタンが押下されなくなると、自動的に戻り、その結果、ピストンが同じように上下に動き、これらの動きと下弁との組み合わせによって、一回分の製品をカプセル体のチャンバ内に位置決めして押し込むことが可能となり、この一回分の製品は、管状ステムを上方に移動してアプリケータボタン/ノズルから分注される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明をよりよく理解するために、本発明の詳細な説明を、添付の図面を参照しながら、以下に示す。
図1】装着されたアセンブリを前上方から見た斜視図である。
図2】装着されたアセンブリを前下方から見た斜視図を示す。
図3】断面線を示した正面図を示す。
図4図3に示す断面の拡大図である。
図5図3に示す断面の拡大等角図を示す。
図6図3に示す断面に従って、前上方から見たアセンブリの分解斜視図を示す。
図7】前上方から見たアセンブリを示す別の分解斜視図である。
図8】前下方から見たアセンブリの別の分解斜視図を示す。
図9】下部逆止弁とデバイス本体を強調して詳細を拡大した斜視図を伴う断面図である。
図10】ベローズ支持カバーアセンブリを強調して詳細を拡大した斜視図を伴う断面図である。
図11】ベローズを強調して詳細を拡大した斜視図を伴う断面図である。
図12】デバイスのボタン/作動ノズルを強調して詳細を拡大した斜視図を伴う断面図である。
図13】デバイスのピストンを強調して詳細を拡大した斜視図を伴う断面図を示す。
図14】デバイスの別の逆止弁を強調して詳細を拡大した斜視図を伴う断面図である。
図15図3に示したものと同じ断面を示している。
図16図3に示したものと同じ断面を示しているが、デバイスを作動させ、その機能を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
これらの図およびその詳細、特に図1図8に示すように、本発明の種々のパックの流動性製品を分注するための押圧機構は、実質的に中空(3)の作動ステム(2)が内部に取り付けられた、管状のカプセル体(1)を備え、前記作動ステム(2)が、弾性記憶を有し上端が前記作動ステム(2)の対応部分に係止リング(5)で連結されたベローズ(4)によって提供される流出および逆流と同時に下方および上方への動作を行うように摺動可能に装着され、ベローズの上には、ボタン/ノズル(6)も連結され、一方、前記ベローズ(4)の下端は、カプセル体上に支持されており、前記ステムは、環状キャップ(7)によって摺動可能に誘導され、カプセル体(1)の内径内に係止され、その下には、前記作動ステム(2)の下端がピストン(8)に連結されており、その下にある逆止弁(9)は、ピストン(8)の下側から水密的に離れるかまたは密接して、両者間に形成された通路(10)を開閉し、この通路(10)は、前記作動ステム(2)の内側中空部(3)と連通しており、かつ、その作動が正圧または負圧によって決定される第2の逆止弁(12)によってその底部が制限されているチャンバ(11)と連通しており、すなわち、負圧であれば、製品はカプセル体(1)の管状の下端を通って吸い込まれ、上方へ流れて、前記逆止弁(12)を押し上げ、チャンバ(11)内に放出されて蓄積され、逆の場合には、ピストン(8)によってかけられる圧力によって前記弁が閉じ、製品は通路(10)を通ってノズルボタン(6)まで流れ込む。
【0009】
図9に示すように、カプセル体(1)は、ピストン(8)を摺動させるための、円筒形スリーブ(13)を構成し、テーパ状下端(14)を有する中間管状部分を備え、その下により直径が小さい別の管状部分(15)が続き、中間管状部分の内部の円錐台面がシールシート(16)を構成し、その下には、半径方向の歯(17)がフィレット(18)状に下方に延びる狭窄部があり、前記第2の逆止弁(12)の首部(19)を把持することにより、首部(19)の下側には、フィレット(18)を介して半径方向の歯(17)に抗して作用する環状ストッパ(20)があり、上側には、シールシート(16)を密に開閉する円錐台形のシーリングヘッド(21)があり、そのため、前記首部(19)は、前記弁(12)が短い動きで上方または下方に変位するのに十分な高さがあり、これらの動きは、半径方向の歯(17)、環状ストッパ(20)、および円錐台形のシーリングヘッド(21)によって制限されて、チャンバ(11)内で圧力または吸引があるときに製品の流れを確立または遮断する。
【0010】
図10に示すように、カプセル体(1)は、同様に管状で上方により大きい直径(22)を有し、外部フランジ(23)によって下方制限され、この地点の内側に段差(24)を形成しており、一方、前記のより大きい直径部(22)は、環状キャップ(7)用の嵌込係止デバイスを段差(24)と共に形成する一本の内側環状溝(25)を有しており、環状キャップ(7)は、外側環状部(26)に、内側環状溝(25)に干渉して入り込む、同様に環状外側係止リブ(27)を有し、前記環状キャップ(7)の内側には、作動ステム(2)を摺動させるためのガイド穴(28)が設けられている。
【0011】
図11に示すように、ベローズ(4)の両端部(29)は、環状であり、それぞれ対応する段差(30)を有しており、下端は、内側に僅かに凹んだ環状キャップ(7)によって画定される対応する段差のある、カプセル体(1)上に嵌め込むことができ、一方、前記ベローズの上端もまた、ベローズ(4)の上端を嵌め込むための同様に環状の嵌合部(32)を形成する逆U字形である環状カラー(31)を有する係止リング(5)に嵌め込まれ、係止リングの内側は、作動ステム(2)の対応する端部用の嵌込係止溝(34)を備える管状部(33)を有し、前記係止リング(5)は、前記作動ステム(2)と共に上下動でき、この動作によって、前記ベローズ(4)も作動して、作動ステム(2)の中空部(3)に圧力または吸引が確立される。
【0012】
図12に示すように、作動ステム(2)の上端は係止リング(5)上に露出しており、この露出部分の直径が、ノズルボタン(6)を係止するための同様に環状のフィレット(35)を含み、ノズルボタン(6)は、環状フィレット(35)に係止するための環状溝(37)を備えた内部チューブ(36)を含んでおり、一方、前記ボタン/ノズルは、上部(39)が閉じた別の同心円状の外壁(38)を有し、ここに、半径方向にノズル(41)で終了する水平内部チャネル(40)を備え、反対側は、管状部(33)の内部および中空部(3)に接続されて、製品流出チャネルを形成している。
【0013】
図13に示すように、作動ステム(2)の下3分の1にはストッパフランジ(42)があり、その下には摺動可能に装着されたピストン(8)があり、そのピストンには下側小径部(43)と上側大径部(44)の二つの内径があって、これらの間に段差ストッパ(45)を形成している。
【0014】
下側小径部(43)は、前記作動ステム(2)に摺動可能に嵌合し、また、上側大径部(44)は、ストッパフランジ(42)の周囲に摺動可能に嵌合し、これにより、前記ピストン(8)は、円筒形スリーブ(13)内を摺動することに加えて、作動ステム(2)上で短く上下動し、この動きは、段差ストッパ(45)と上側大径部(44)の高さによって画定されている。
【0015】
ピストン(8)のより厚みのある下部には、上部溝(46)と下部溝(47)の2つの「V」字型の溝があり、これにより、外径(48a~48b)に2つ、内径(49)に1つ、の3つの環状シールリップが形成され、後者は、前記作動ステム(2)の下端にあり、前記チャンバ(11)と作動ステム(2)の中空部(3)とを接続する横方向中間通路(50)を開閉するように配置され、この開閉動作はストッパフランジ(42)と段差ストッパ(45)によって画定され、環状シールリップの防漏効果は、逆止弁(9)と連携して行われる。
【0016】
逆止弁(9)の詳細を図14に示すが、通常カップ状で、底壁(51)と円筒壁(52)を有し、前者には、作動ステム(2)の下端を挿入させて保持するための中心穴(53)があり、作動ステム(2)は、挿入するための貫通係止チップ(54)を備えており、一方、円筒壁(52)の基部には、円筒形スリーブ(13)の内径に調整されたスペーサ部(55)があり、製品がそれらの間を通過できるようになっている。
【0017】
円筒壁(52)は、シールリップ(48b)と(49)の間に入り込むように配置されたくさび形の上側エッジ(56)を有し、その結果、中間通路(50)の漏れ防止を確実にするために、2つのリップにある程度の圧力を作用させることができる。
【0018】
アセンブリの機能は、2つの主要な機能状態を示す図15図16に示すように、実質的に単純である。図15では、デバイスは静止している。この状態では、チャンバ(11)は製品で満たされていると考えられ、ボタン(6)を押すだけでデバイスを作動させることができる状態になっている。図16に示す動作では、いくつかの動きが付随的に発生し、ベローズ(4)の収縮と作動ステム(2)の下方変位から始まり、それに伴って逆止弁(9)とピストン(8)も移動することになる。後者は、その段差(45)が作動ステム(2)のフランジ(42)に接触した時点で初めて下方に移動し始め、その瞬間、そのシールリップ(48b―49)は逆止弁の通路(50)とくさび形部分(56)から離れ、このとき、チャンバ(11)内の製品にかかる圧力が徐々に増加し、ここで、2つの別の効果が同時に発生する。すなわち、1つ目は、圧力の増加により、他方の逆止弁(12)がそのシールシート(16)に押し付けられて製品がボトル内に逆流するのを防ぐことであり、2つ目は、圧力の漸増により、チャンバ(11)内の製品が、逆止弁(9)とピストン(8)の間の隙間を通って流れて通路(50)に入り、そこから中空部(3)へ、チャネル(40)へと続き、ノズル(41)を介して吐出され、この場合の吐出量が、ボタン(6)を押すことにより制御されることである。図16は、前記ボタン(6)の最大押圧移動量を示す図である。この位置で、ボタン(6)が押されなくなると、ベローズ(4)の弾性記憶により、アセンブリ全体が図15に示す位置に戻り、上記の操作がすべて逆に行われる。すなわち、始めに、作動ステム(2)の上方変位に伴い、逆止弁(9)のくさび形エッジ(56)がシールリップ(48bおよび49)の間に再び挿入され、一方で、内側シールリップ(49)が通路(10)を密閉するので、この瞬間、ピストン(8)は実際に上方に動き始め、この時点でチャンバ(11)内で吸引相が継続される。これにより、逆止弁は開位置になり、言い換えれば、上方に移動して、図15に示すように、製品をチャンバ(11)内に吸引することができ、チャンバ(11)は次の動作のために再び充填される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16