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特許7464733配送制御システム、配送制御装置、及び配送制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】配送制御システム、配送制御装置、及び配送制御方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 61/00 20060101AFI20240402BHJP
   G06Q 10/047 20230101ALI20240402BHJP
   G06Q 10/0836 20230101ALI20240402BHJP
【FI】
B65G61/00 550
G06Q10/047
G06Q10/0836
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2022549266
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(86)【国際出願番号】 JP2021028105
(87)【国際公開番号】W WO2023007653
(87)【国際公開日】2023-02-02
【審査請求日】2022-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】田爪 敏明
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-544848(JP,A)
【文献】特許第6779396(JP,B1)
【文献】荷物が増える!人が足りない! ロボットが救う物流現場,日経情報ストラテジー No.294 NIKKEI INFORMATION STRATEGY,日本,日経BP社 Nikkei Business Publications,Inc.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 61/00
G06Q 10/047
G06Q 10/0836
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する決定部と、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動させる移動制御部と、
を備え
前記受取位置決定情報には、各配送先住所と前記受取位置との許容距離に関する情報が含まれ、
前記決定部は、前記配送先住所から前記許容距離内にある位置を、前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御システム。
【請求項2】
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する決定部と、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動させる移動制御部と、
を備え、
前記決定部は、前記受取位置決定情報を用いて、複数の候補位置を特定し、前記複数の候補位置のうち、前記配送先住所との距離偏差が最も小さい候補位置を、前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御システム。
【請求項3】
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する決定部と、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動させる移動制御部と、
を備え、
前記受取位置決定情報には、基準重量に関する情報が含まれ、
前記決定部は、前記基準重量以上の前記商品に係る前記配送先住所を前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御システム。
【請求項4】
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する決定部と、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動させる移動制御部と、
を備え、
前記受取位置決定情報には、基準体積に関する情報が含まれ、
前記決定部は、前記基準体積以上の前記商品に係る前記配送先住所を、前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御システム。
【請求項5】
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する決定部と、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動させる移動制御部と、
を備え、
前記受取位置決定情報には、各配送先住所から前記受取位置までの移動の基準所要時間に関する情報が含まれ、
前記決定部は、前記配送先住所のうち、該配送先住所からの移動の所要時間が前記基準所要時間以内である位置を、前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御システム。
【請求項6】
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する決定部と、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動させる移動制御部と、
を備え、
前記受取位置決定情報には、天候の影響を受けない退避場所に関する情報が含まれ、
前記決定部は、前記配送先住所の地域に係る天候情報を取得し、前記天候情報に応じて、前記退避場所の位置を前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御システム。
【請求項7】
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する決定部と、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動させる移動制御部と、
を備え、
前記受取位置決定情報には、基準高低差を示す情報が含まれ、
前記決定部は、前記受取位置から前記配送先住所までの高低差を特定し、特定した前記高低差に基づいて前記配送先住所を前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御システム。
【請求項8】
前記許容距離に関する情報として、前記注文情報に係るユーザにより指定された距離を示す情報を取得する取得部を更に備える、
請求項に記載の配送制御システム。
【請求項9】
前記受取位置決定情報には、前記商品を注文したユーザの属性に関する情報が含まれ、
前記決定部は、前記属性に基づいて前記配送先住所を前記受取位置として決定する、
請求項1~8のうちいずれか一項に記載の配送制御システム。
【請求項10】
前記決定部は、前記配送先住所のうち、前記許容距離内に存在する二つ以上の配送先住所について、共通の前記受取位置を決定する、
請求項に記載の配送制御システム。
【請求項11】
前記配送機が前記受取位置に到着した場合、ユーザに前記配送機の到着を通知する通知部を更に備える、
請求項1のうちいずれか一項に記載の配送制御システム。
【請求項12】
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所
とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する決定部と、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動を指示する移動指示部と、
を備え
前記受取位置決定情報には、各配送先住所と前記受取位置との許容距離に関する情報が含まれ、
前記決定部は、前記配送先住所から前記許容距離内にある位置を、前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御装置。
【請求項13】
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所
とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する決定部と、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動を指示する移動指示部と、
を備え、
前記決定部は、前記受取位置決定情報を用いて、複数の候補位置を特定し、前記複数の候補位置のうち、前記配送先住所との距離偏差が最も小さい候補位置を、前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御装置。
【請求項14】
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所
とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する決定部と、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動を指示する移動指示部と、
を備え、
前記受取位置決定情報には、基準重量に関する情報が含まれ、
前記決定部は、前記基準重量以上の前記商品に係る前記配送先住所を前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御装置。
【請求項15】
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所
とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する決定部と、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動を指示する移動指示部と、
を備え、
前記受取位置決定情報には、基準体積に関する情報が含まれ、
前記決定部は、前記基準体積以上の前記商品に係る前記配送先住所を、前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御装置。
【請求項16】
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所
とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する決定部と、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動を指示する移動指示部と、
を備え、
前記受取位置決定情報には、各配送先住所から前記受取位置までの移動の基準所要時間に関する情報が含まれ、
前記決定部は、前記配送先住所のうち、該配送先住所からの移動の所要時間が前記基準所要時間以内である位置を、前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御装置。
【請求項17】
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所
とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する決定部と、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動を指示する移動指示部と、
を備え、
前記受取位置決定情報には、天候の影響を受けない退避場所に関する情報が含まれ、
前記決定部は、前記配送先住所の地域に係る天候情報を取得し、前記天候情報に応じて、前記退避場所の位置を前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御装置。
【請求項18】
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所
とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する決定部と、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動を指示する移動指示部と、
を備え、
前記受取位置決定情報には、基準高低差を示す情報が含まれ、
前記決定部は、前記受取位置から前記配送先住所までの高低差を特定し、特定した前記高低差に基づいて前記配送先住所を前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御装置。
【請求項19】
コンピュータが、
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定することと
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動させることと
を含み、
前記受取位置決定情報には、各配送先住所と前記受取位置との許容距離に関する情報が含まれ、
前記配送先住所から前記許容距離内にある位置を、前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御方法。
【請求項20】
コンピュータが、
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定することと、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動させることと、
を含み、
前記受取位置決定情報を用いて、複数の候補位置を特定し、前記複数の候補位置のうち、前記配送先住所との距離偏差が最も小さい候補位置を、前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御方法。
【請求項21】
コンピュータが、
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定することと、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動させることと、
を含み、
前記受取位置決定情報には、基準重量に関する情報が含まれ、
前記基準重量以上の前記商品に係る前記配送先住所を前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御方法。
【請求項22】
コンピュータが、
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定することと、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動させることと、
を含み、
前記受取位置決定情報には、基準体積に関する情報が含まれ、
前記基準体積以上の前記商品に係る前記配送先住所を、前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御方法。
【請求項23】
コンピュータが、
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定することと、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動させることと、
を含み、
前記受取位置決定情報には、各配送先住所から前記受取位置までの移動の基準所要時間に関する情報が含まれ、
前記配送先住所のうち、該配送先住所からの移動の所要時間が前記基準所要時間以内である位置を、前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御方法。
【請求項24】
コンピュータが、
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定することと、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動させることと、
を含み、
前記受取位置決定情報には、天候の影響を受けない退避場所に関する情報が含まれ、
前記配送先住所の地域に係る天候情報を取得し、前記天候情報に応じて、前記退避場所の位置を前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御方法。
【請求項25】
コンピュータが、
第1ユーザの商品の配送先住所と、第2ユーザの商品の配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定することと、
商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動させることと、
を含み、
前記受取位置決定情報には、基準高低差を示す情報が含まれ、
前記受取位置から前記配送先住所までの高低差を特定し、特定した前記高低差に基づいて前記配送先住所を前記受取位置として決定することを特徴とする配送制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、配送制御システム、配送制御装置、及び配送制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動体等の配送機により、荷物等の商品を配送する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/216502号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、商品の配送を受けるユーザが近傍に複数存在する場面において、配送機がユーザ毎に移動して配送を行うと、配送効率が低下するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する配送制御システムは、第1ユーザに商品の配送先として指定された配送先住所と、第2ユーザに商品の配送先として指定された配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する決定部と、商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動させる移動制御部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
かかる構成によれば、複数の配送先住所に対して共通の受取位置を決定し、商品を受け取らせることにより、配送効率の低下を抑制することができる。
【0007】
上記配送制御システムにおいて、前記受取位置決定情報には、各配送先住所と前記受取位置との許容距離に関する情報が含まれ、前記決定部は、前記配送先住所から前記許容距離内にある位置を、前記受取位置として決定してもよい。
【0008】
かかる構成によれば、許容距離内の受取位置においてユーザに商品を受け取らせることができる。
【0009】
上記配送制御システムにおいて、前記許容距離に関する情報として、前記注文情報に係るユーザにより指定された距離を示す情報を取得する取得部を更に備えてもよい。
【0010】
かかる構成によれば、ユーザの状況に応じて、受取位置を決定することができる。
【0011】
上記配送制御システムにおいて、前記決定部は、前記受取位置決定情報を用いて、複数の候補位置を特定し、前記複数の候補位置のうち、前記配送先住所との距離偏差が最も小さい候補位置を、前記受取位置として決定してもよい。
【0012】
かかる構成によれば、商品の受け取りを促す複数のユーザと受取位置との距離の偏りを小さくし、受取位置までの移動にかかるユーザ間の公平性を担保できる。
【0013】
上記配送制御システムにおいて、前記受取位置決定情報には、基準重量に関する情報が含まれ、前記決定部は、前記基準重量以上の前記商品に係る前記配送先住所を前記受取位置として決定してもよい。
【0014】
かかる構成によれば、基準重量以上の商品を受け取るユーザの負担を低減することができる。
【0015】
上記配送制御システムにおいて、前記受取位置決定情報には、基準体積に関する情報が含まれ、前記決定部は、前記基準体積以上の前記商品に係る前記配送先住所を、前記受取位置として決定してもよい。
【0016】
かかる構成によれば、基準体積以上の商品を受け取るユーザの負担を低減することができる。
【0017】
上記配送制御システムにおいて、前記受取位置決定情報には、各配送先住所から前記受取位置までの移動の基準所要時間に関する情報が含まれ、前記決定部は、前記配送先住所のうち、該配送先住所からの移動の所要時間が前記基準所要時間以内である位置を、前記受取位置として決定してもよい。
【0018】
かかる構成によれば、ユーザが商品を受け取るまで配送機が待機する時間を短縮しつつ、受取位置までの移動にかかるユーザの負担を低減することができる。
【0019】
上記配送制御システムにおいて、前記受取位置決定情報には、天候の影響を受けない退避場所に関する情報が含まれ、前記決定部は、前記配送先住所の地域に係る天候情報を取得し、前記天候情報に応じて、前記退避場所の位置を前記受取位置として決定してもよい。
【0020】
かかる構成によれば、ユーザは、天候に関わらず商品を受け取ることができる。
【0021】
上記配送制御システムにおいて、前記受取位置決定情報には、基準高低差を示す情報が含まれ、前記決定部は、前記受取位置から前記配送先住所までの高低差を特定し、特定した前記高低差に基づいて前記配送先住所を前記受取位置として決定してもよい。
【0022】
かかる構成によれば、受取位置において商品を受け取るユーザの負担を低減することができる。
【0023】
上記配送制御システムにおいて、前記受取位置決定情報には、前記商品を注文したユーザの属性に関する情報が含まれ、前記決定部は、前記属性に基づいて前記配送先住所を前記受取位置として決定してもよい。
【0024】
かかる構成によれば、属性に応じて、ユーザの負担を低減することができる。
【0025】
上記配送制御システムにおいて、前記決定部は、前記配送先住所のうち、前記許容距離内に存在する二つ以上の配送先住所について、共通の前記受取位置を決定してもよい。
【0026】
かかる構成によれば、距離に応じて、複数の配送先住所に対して、共通の受取位置を設定するグループを特定することができる。
【0027】
上記配送制御システムは、前記配送機が前記受取位置に到着した場合、ユーザに前記配送機の到着を通知する通知部を更に備えてもよい。
【0028】
かかる構成によれば、ユーザに配送機の到着を把握させて、商品の受け取りを促すことができる。
【0029】
上記目的を達成する配送制御装置は、第1ユーザに商品の配送先として指定された配送先住所と、第2ユーザに商品の配送先として指定された配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する決定部と、商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動を指示する移動指示部と、を備えることを特徴とする。
【0030】
上記目的を達成する配送制御方法は、コンピュータが、第1ユーザに商品の配送先として指定された配送先住所と、第2ユーザに商品の配送先として指定された配送先住所とについて、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定し、商品の注文に係る注文情報が示す商品を積載した配送機を前記受取位置まで移動させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本開示によれば、複数の配送先住所に対して共通の受取位置を決定し、商品を受け取らせることにより、配送効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】第1実施形態に係る配送制御システムの構成の一例を示す図である。
図2】顧客情報DBの内容の一例を示す図である。
図3】第1実施形態に係る配送シーケンスの一例を示す図である。
図4】第1実施形態に係る端末装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図5】第1実施形態に係る配送機の処理の一例を示すフローチャートである。
図6】受取位置の説明に用いられる図である。
図7】退避場所情報の内容の一例を示す図である。
図8】第2実施形態に係る端末装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図9】受取位置の説明に用いられる図である。
図10】距離偏差の説明に用いられる図である。
図11】第3実施形態に係る配送機の処理の一例を示すフローチャートである。
図12】第3実施形態に係る配送機の処理の一例を示すフローチャートである。
図13】第4実施形態に係る配送制御システムの構成の一例を示す図である。
図14】第4実施形態に係る配送シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照し、配送制御システム、配送制御装置、及び配送制御方法を具体化した実施形態について説明する。
【0034】
<第1実施形態>
[全体構成]
図1に示すように、配送制御システム1は、サーバ装置10と、一以上の配送機20と、一以上の管理装置30と、一以上の端末装置40とを備える。配送制御システム1が備える各装置は、ネットワークNWを介して互いに通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ端末、無線通信網、無線基地局、専用回線等を含む。なお、図1に示す各装置の全ての組み合わせが相互に通信可能である必要はなく、ネットワークNWは、一部にローカルなネットワークを含んでもよい。
【0035】
サーバ装置10は、例えば、端末装置40によってアクセスされ、商品の販売を仲介するための装置、いわゆるショッピングサイトを提供する装置である。ここで、「サイト」とは、ブラウザによって表示されるウェブサイトの他、アプリケーションプログラムによって表示されるアプリ画面の元データを含むものとする。以降の説明において、ショッピングサイトを利用して商品を購入する人を、「ユーザ」と記載する。
【0036】
配送機20は、ユーザに商品を配送する機器である。配送機20は、例えば、運転手等の乗員が乗車せず、自動制御により地上を走行するUGV(Unmanned Ground Vehicle)等により実現される。図1に示す場面では、配送制御システム1が、配送機20-1,20-2の二つの配送機20を備える場合について説明する。なお、配送制御システム1が備える配送機20の数は一例であってこれに限られず、配送制御システム1は、一つの配送機20を備えていてもよく、三つ以上の配送機20を備えていてもよい。以降の説明において、配送機20-1,配送機20-2を区別しない場合には、単に「配送機20」と記載する。
【0037】
管理装置30は、商品を配送する配送拠点に設けられる装置である。配送拠点は、例えば、ショッピングサイトにおいて販売される商品の一部、又は全部が格納される倉庫等である。管理装置30には、一以上の配送機20が配備される。管理装置30は、サーバ装置10からネットワークNWを介して受信した情報に基づいて、倉庫に格納される商品のうち、同一時間帯にユーザに配送する商品を特定する。配送拠点の作業者は、管理装置30により特定された商品を収集し、配送機20に積載する。
【0038】
端末装置40は、例えば、スマートフォン、デスクトップ型PC(Personal Computer)、ノート型PC、タブレット型PC等のクライアント装置を含む、任意のタイプの情報処理装置である。以下、ショッピングサイトのユーザA,B,Cのうち、ユーザAが端末装置40-1を使用し、ユーザBが端末装置40-2を使用し、ユーザCが端末装置40-3を使用するものとする。以降の説明において、端末装置40-1,40-2,40-3を互いに区別しない場合には、単に、「端末装置40」と記載する。端末装置40では、ブラウザやアプリケーションなどのUA(User Agent)45が起動する。UA45は、サーバ装置10から提供された販売画面を表示すると共に、端末装置40の利用者によってなされた入力操作に応じたリクエストをサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、UA45からのリクエストに応じて商品の販売を決定する。
【0039】
[サーバ装置10]
サーバ装置10は、例えば、制御部100と、記憶部110と、通信部120と、操作部130とを備える。制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0040】
記憶部110は、RAM(Random Access Memory)やHDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)などの非一過性の記憶媒体により実現される。記憶部110には、制御部100を実現するプログラムの他、顧客情報DB(Database)111が記憶される。
【0041】
図2に示すように、顧客情報DB111は、例えば、ショッピングサイトを利用するユーザを識別可能なユーザIDと、ユーザ名を示す情報と、ユーザの属性を示す情報と、ユーザの住所を示す情報と、商品情報と、配送日時情報とが互いに対応付けられたレコードが一以上含まれる情報を記憶する。ユーザIDは、例えば、ユーザがショッピングサイトの利用に係るアカウントを作成した際に、ユーザ毎に付与されるものであって、ユーザを識別可能な情報である。ユーザの属性を示す情報とは、例えば、ユーザの年齢や性別を示す情報である。ユーザの住所は、「配送先住所」の一例である。顧客情報DB111に含まれる情報のうち、ユーザIDと、ユーザ名と、ユーザの属性と、ユーザの住所とを示す情報は、ショピングサイトの利用に係るアカウントを作成した際に取得され、顧客情報DB111に予め記憶される情報である。
【0042】
制御部100は、端末装置40とネットワークNWを介して通信し、上述した、ショッピングサイトとしての各種処理を実行する。制御部100は、ユーザの注文に伴い、端末装置40から商品情報と、配送日時情報と、ユーザIDと受信する。制御部100は、受信したユーザIDを検索キーとして顧客情報DB111を検索し、対応するユーザに係るレコードを特定する。制御部100は、特定したレコードに、受信した商品情報と、配送日時情報とを対応付けて、顧客情報DB111のレコードを生成、又は更新する。
【0043】
また、制御部100は、顧客情報DB111を、配送日時情報を用いてソートして、同一配送時間帯のレコードを特定する。制御部100は、特定した同一配送時間帯のレコードのうち、各配送拠点が配送するエリアの住所毎にグループ分けを行う。制御部100は、配送時間帯の所定時間前に、各グループのレコードを注文情報として、対応する配送拠点の管理装置30と、当該配送拠点に存在する配送機20に送信する。
【0044】
なお、制御部100は、ある一台の配送機20に注文情報を送信してもよく、一台の配送機20が配送可能な商品の数や量に応じて、複数の配送機20に注文情報を送信してもよい。例えば、配送機20-1に注文情報の一部を送信し、配送機20-2に残りの注文情報を送信してもよい。
【0045】
図1に戻り、通信部120は、ネットワークNWを介して管理装置30や端末装置40と通信し、各種情報を送受信する。
【0046】
操作部130は、表示出力デバイス、及び入力デバイス等のインターフェース等により実現される。表示出力デバイスは、制御部100の制御に基づく画像を表示させ、サーバ装置10の利用者に各種情報を提示する。また、入力デバイスには、サーバ装置10の利用者の操作が入力され、制御部100は、当該操作に基づいて各種処理を実行する。
【0047】
[配送機20]
配送機20は、例えば、制御部200と、記憶部210と、通信部220と、移動制御部230とを備える。制御部200は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部を含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0048】
制御部200は、決定部202を備える。決定部202は、サーバ装置10から受信した注文情報に基づく複数のユーザの住所について、受取位置決定情報を用いて、共通の受取位置を決定する。受取位置とは、複数のユーザが、ショッピングサイトにおいて購入した商品を受け取るための位置である。受取位置決定情報とは、受取位置を決定する際に用いられる情報であって、受取位置の決定に係る指針を示す情報である。受取位置決定情報は、記憶部210に記憶されていてもよく、決定部202が必要に応じて、サーバ装置10から取得してもよい。
【0049】
本実施形態では、受取位置決定情報には、ユーザの住所と受取位置との許容距離に関する情報が含まれる。この場合、決定部202は、複数のユーザの住所から許容距離内にある位置を、受取位置として決定する。決定部202が受取位置を決定する処理の詳細については、後述する。
【0050】
記憶部210は、RAMやHDD、フラッシュメモリ、ROMなどの非一過性の記憶媒体により実現される。記憶部210には、制御部200を実現するプログラム等が記憶される。
【0051】
通信部220は、ネットワークNWを介してサーバ装置10や端末装置40と通信し、各種情報を送受信する。
【0052】
移動制御部230は、商品を積載した配送機20を受取位置まで移動させる。詳しくは、移動制御部230は、配送機20がユーザの住所や、決定部202により決定された受取位置まで移動するように、速度、及び操舵を制御する。移動制御部230は、例えば、ユーザの住所や受取位置までの目標軌道を、予定の時刻通りに配送機20が通過するように、配送機20が備える各種駆動系を制御する。各種駆動系とは、例えば、駆動輪に出力する走行駆動力(トルク)、ブレーキキャリパー、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダ、シリンダに油圧を発生させる電動モータ、及び転舵輪の向きを変更する電動モータ等である。移動制御部230の処理は、例えば、フィードフォワード制御とフィードバック制御との組み合わせにより実現される。一例として、移動制御部230は、配送機20の前方の道路の曲率に応じたフィードフォワード制御と、目標軌道からの乖離に基づくフィードバック制御とを組み合わせて実行する。
【0053】
[配送制御シーケンス]
以下、図3を参照し、配送制御システム1による商品の配送の一連の流れについて説明する。まず、ユーザは、端末装置40を用いてショッピングサイトにアクセスし、商品を注文する。ここでは、端末装置40-1~40-3を用いて、ユーザA、B、及びCが、商品を注文し、且つ同一の配送日時を希望するものとする。
【0054】
サーバ装置10は、端末装置40から注文を受け付けることに伴い、顧客情報DB111のレコードを生成、又は更新する。サーバ装置10は、直近の配送時間帯よりも所定時間前に、各グループの注文情報を、対応する配送拠点の管理装置30と、当該配送拠点に存在する配送機20とに送信する。
【0055】
配送機20は、サーバ装置10から注文情報を受信してから、配送時間帯まで待機する。そして、配送機20の決定部202は、後述で詳細に説明する受取位置の決定処理により、ユーザA,Bが、商品を受け取る受取位置を決定する。配送機20は、決定した受取位置まで移動し、受取位置に到着したことを当該受取位置で商品を受け取るユーザに通知する。詳しくは、配送機20が受取位置に到着した後、通信部220は、対象のユーザの端末装置40にプッシュ通知し、到着を通知する。この場合、通信部220は、ユーザA,B,Cのうち、ユーザA,Bのみに、到着を通知する。ユーザの端末装置40に通知を行う処理において、通信部220は、「通知部」の一例である。
【0056】
配送機20は、ユーザA,Bが商品を受け取った後、又は待機時間が経過した後に、残るユーザCの住所を受取位置として移動する。通信部220は、ユーザCの住所まで到着したことをユーザCの端末装置40に通知する。配送機20は、ユーザCが商品を受け取った後、又は待機時間が経過した後に、配送拠点まで帰還する。
【0057】
[ユーザの注文処理]
以下、図4を参照し、ユーザが商品を注文する処理の詳細について説明する。図4に示す処理は、図3に示すシーケンスの内、「注文」の処理に対応する。図4に示すように、サーバ装置10は、ユーザが購入する商品を示す商品情報を取得する(ステップS100)。詳しくは、制御部100は、UA45を介して、商品の選択を促す販売画面を表示し、ユーザに購入する商品を選択させる。次に、サーバ装置10は、ユーザが希望する商品の配送日時を示す配送日時情報を取得する(ステップS102)。詳しくは、制御部100は、UA45を介して、配送日時の候補を提示する画面を表示し、ユーザに配送日時を選択させる。制御部100は、UA45に指示し、ユーザIDと、ステップS100,S102において取得した商品情報と、配送日時情報とを、サーバ装置10に送信させる(ステップS104)。制御部100は、ユーザにより販売画面に対して行われるショッピングサイトへのログイン操作により、ユーザのユーザIDを特定する。
【0058】
[配送機20の処理]
以下、図5図6を用いて配送機20の処理の詳細について説明する。図5に示す処理は、図3に示すシーケンスの内、「注文情報送信」,「配送時間帯まで待機」,「受取位置決定」,「移動」,「到着通知送信」の処理に対応する。
【0059】
まず、配送機20は、サーバ装置10から注文情報を受信する(ステップS200)。この場合、配送機20は、受信した注文情報を記憶部210に記録する。配送拠点の作業者は、配送時間帯が到来する前に、管理装置30により特定された商品を配送機20に積載する。次に、配送機20は、配送時間帯が到来した場合、商品の配送を開始する(ステップS202)。配送機20は、例えば、注文情報に示される住所のうち、配送拠点から近い順に商品の配送を開始する。決定部202は、次に商品を配送するユーザの住所の周辺に他のユーザの住所が存在するか否かを判定する(ステップS204)。決定部202は、例えば、受信した注文情報に、次に商品を配送するユーザの住所の地域と同一の地域のユーザの住所を示す注文情報が含まれる場合、次に商品を配送するユーザの住所の周辺に他のユーザの住所が存在すると判定する。次に商品を配送するユーザの住所は、「第1ユーザの商品の配送先住所」の一例である。また、次に商品を配送するユーザの住所の周辺に存在する他のユーザの住所は、「第2ユーザの商品の配送先住所」の一例である。
【0060】
決定部202は、次に商品を配送するユーザの住所の周辺に他のユーザの住所が存在しないと判定した場合、次に商品を配送するユーザの住所を受取位置に決定する(ステップS206)。決定部202は、次に商品を配送するユーザの住所の周辺に他のユーザの住所が存在すると判定した場合、受取位置決定情報に基づいて、受取位置を決定する(ステップS208)。
【0061】
以下、図6を参照し、受取位置を決定する処理の詳細について説明する。ここでは、配送機20が、ユーザA,B,Cの順に商品を配送する場合を想定する。そして、決定部202は、ユーザAの住所RP1の周辺には、他の住所RPとして、ユーザBの住所RP2と、ユーザCの住所RP3とが存在すると判定する。
【0062】
上述したように、本実施形態の受取位置決定情報には、住所RPと受取位置DPとの許容距離SDに関する情報が含まれる。許容距離SDは、例えば、ユーザが一般に商品を取りに行くために移動することが可能な距離であり、具体的には、数[m]~数十[m]程度の距離である。決定部202は、例えば、地図情報を用いて住所RP1からの距離が許容距離SD以下の所定範囲SA1と、住所RP2からの距離が許容距離SD以下の所定範囲SA2と、住所RP3からの距離が許容距離SD以下の所定範囲SA3との間で重畳する範囲を特定する。この場合、決定部202は、サーバ装置10や、地図情報を提供する他のサービスから住所RP1~RP3を含む地図情報を取得してもよい。また、決定部202は、予め記憶部210に記憶される地図情報であって、配送機20が商品を配送するエリアを少なくとも含む地図情報を用いてもよい。
【0063】
図6に示す一例では、所定範囲SA1の一部と、所定範囲SA2との一部が重畳する。決定部202は、所定範囲SA1と、所定範囲SA2とが重畳する範囲内の位置を受取位置DPとして決定する。つまり、決定部202は、複数の住所RP1~RP2のそれぞれから許容距離SD内にある位置を受取位置DPとして決定する。
【0064】
また、所定範囲SA3は、他の所定範囲SAと重畳しない。このため、決定部202は、所定範囲SA1と所定範囲SA2とが重畳する範囲内にある受取位置DPにおいて商品を受け取る対象からユーザCを除外する。
【0065】
図5に戻り、配送機20は、決定部202が決定した受取位置DPに移動する(ステップS210)。通信部220は、受取位置DPにおいて商品を受け取る対象のユーザの端末装置40に、配送機20が受取位置DPに到着したことを通知する(ステップS212)。図6の一例では、通信部220は、受取位置DPに到着したことをユーザAの端末装置40-1と、ユーザBの端末装置40-2とに通知する。次に、配送機20は、受取位置DPにおいて待機を開始する(ステップS214)。
【0066】
ユーザは、ステップS212の通知に応じて、受取位置DPまで移動し、配送機20に積載された商品のうち、自身が注文した商品を受け取る。ユーザは、端末装置40のUA45を操作したり、配送機20に設けられた操作部(不図示)を操作したりすることにより、配送機20に商品を受け取ったことを通知する。
【0067】
配送機20は、ステップS212にて到着を通知したユーザが、商品の受け取りを完了したか否かを判定する(ステップS216)。配送機20は、商品の受け取りが完了していないと判定した場合、ステップS214において受取位置DPにおける待機を開始してから、所定の待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS218)。待機時間とは、例えば、他のユーザへの商品の配送の妨げにならない程度の時間であり、具体的には、数[分]~数十[分]程度の時間である。配送機20は、待機を開始してから所定の待機時間が経過していないと判定した場合、ステップS216の処理に戻る。
【0068】
配送機20は、対象のユーザが商品の受け取りを完了したと判定した場合、又は待機を開始してから所定の待機時間が経過したと判定し、待機処理がタイムアウトした場合、ステップS200において受信した注文情報に係る配送が終了したか否かを判定する(ステップS220)。決定部202は、配送が終了していないと判定した場合、ステップS204に戻る。
【0069】
[所要時間に基づく受取位置DPの決定処理]
なお、上述では、決定部202が住所RPからの許容距離SDに基づいて、受取位置DPを決定する場合について説明したがこれに限られない。決定部202は、例えば、住所RPからの移動の所要時間に基づいて、受取位置DPを決定してもよい。この場合、受取位置決定情報には、基準所要時間に関する情報が含まれる。基準所要時間は、例えば、一般にユーザが商品を取りに行くため、住所RPから受取位置DPまでの移動に許容できる時間であり、具体的には、数[分]~十数[分]程度の時間である。
【0070】
決定部202は、地図情報に基づいて、あるユーザの住所RPから該住所RPの周辺に存在する他のユーザの住所RPの方向に移動するために一般に要する時間や、信号を有する交差点や踏切等の通過に一般に要する時間等に基づいて、住所RPからの移動の所要時間が許容時間(基準所定時間)以内の範囲を特定する。そして、決定部202は、特定した範囲が重畳する範囲内の位置を受取位置DPとして決定する。つまり、決定部202は、住所RPからの移動の所要時間が基準所定時間以内である位置を受取位置DPとして決定する。
【0071】
また、決定部202は、階層間の移動にかかる時間を考慮して所要時間が所定時間以内の範囲を特定してもよい。この場合、決定部202は、注文情報に含まれるユーザの住所RPに基づいて、ユーザの居所が建物の何階であるかを特定する。そして、決定部202は、エレベータや階段等を用いて移動する際に一般に要する時間に基づいて、住所RPからの移動の所要時間が基準所定時間以内の範囲を特定する。例えば、決定部202が、建物の4階から所要時間が基準所定時間以内の範囲が上下にそれぞれ2階の範囲であると特定し、受取位置DPを4階に決定した場合、通信部220は、同一の建物内の2階~6階に住所RPが存在する他のユーザに対して4階の受取位置DPに配送機20が到着したことを通知する。
【0072】
[高低差に基づく受取位置DPの決定処理]
また、決定部202は、例えば、住所RPと、受取位置DPとの高低差に基づいて、受取位置DPを決定してもよい。この場合、受取位置決定情報には、基準高低差に関する情報が含まれる。基準高低差は、例えば、ユーザが一般に商品を取りに行くための移動に際して移動可能な上下方向の距離の程度であり、上下方向の距離の上限の程度を示すものである。例えば、基準高低差は、数[%]の値をとる。基準高低差が1[%]である場合、10[m]の移動につき、10[cm]の上昇が、上下方向の距離の上限を示している。
【0073】
決定部202は、高低差が示された地図情報を取得する。次に、決定部202は、ある住所RPから該住所RPの周辺に存在する他のユーザの住所RPの方向に移動するために生じる高低差が基準高低差以内の範囲を特定する。そして、決定部202は、特定した範囲が重畳する範囲内の位置を受取位置DPとして決定する。つまり、決定部202は、住所RPからの高低差が基準高低差以内である位置を受取位置DPとして決定する。
【0074】
なお、基準高低差は、高低差に係る距離の下限の程度を示してもよい。ここで、住所RPから受取位置DPまでの高低差が、マイナスの値をとる場合、住所RPから受取位置DPまでの移動経路が下り坂であることを示す。この場合、ユーザは、受取位置DPにおいて商品を受け取った後、上り坂を登って住所RPまで移動することが求められる。商品を受け取った後に上り坂を登ることはユーザにとって負担である。一方、基準高低差が、下限が0以上、上限が数[%]の値をとる場合、決定部202は、基準高低差の範囲内の高低差の範囲において、受取位置DPを決定する。これにより、決定部202は、ユーザの移動にかかる負担を低減することができる。
【0075】
また、決定部202は、階層間の高低差を考慮して基準高低差内の範囲を特定してもよい。この場合、基準高低差は、例えば、ユーザが一般に商品を取りに行くための移動に際して移動可能な上下方向の距離であり、階層で数階程度の距離である。具体的には、基準高低差は、数[m]程度の距離である。この場合、決定部202は、注文情報に含まれるユーザの住所に基づいて、ユーザの居所が建物の何階であるかを特定する。そして、決定部202は、住所RPからの高低差が基準高低差内の範囲を特定する。例えば、決定部202が、建物の4階から基準高低差内の範囲が上下2階の範囲であると特定し、受取位置DPを4階に決定した場合、通信部220は、同一の建物内の2階~6階に住所RPが存在する他のユーザに対して4階の受取位置DPに配送機20が到着したことを通知する。
【0076】
[天候に基づく受取位置DPの決定処理]
また、決定部202は、例えば、住所RPの地域に係る天候情報に基づいて、受取位置DPを決定してもよい。この場合、受取位置決定情報には、退避場所情報112が含まれる。退避場所情報112は、例えば、天候の影響を受けない退避場所の位置を示す情報である。天候の影響を受けない退避場所とは、例えば、その地域に降雨や降雪があった場合に、雨や雪がかからない、又はかかりにくい場所である。詳しくは、退避場所は、庇がある屋外の場所であってもよく、屋内の場所であってもよく、商品の受け取りのために配送機20が待機することについて予め承諾を受けた場所であってもよい。
【0077】
図7に示すように、退避場所情報112には、退避場所の位置を示す情報が一以上含まれる。退避場所情報112は、配送機20の記憶部210に予め記憶されてもよく、必要に応じて、配送機20がサーバ装置10から取得してもよい。
【0078】
決定部202は、天候情報サイト等から、移動先の住所RPの地域の天候情報を取得し、当該地域に降雨や降雪があるか否かを判定する。決定部202は、降雨や降雪があると判定した場合、退避場所情報112に基づいて、移動先の住所RPの近傍に存在する退避場所の位置を受取位置DPとして決定する。
【0079】
[第1実施形態まとめ]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0080】
(1-1)本実施形態の配送制御システム1は、受取位置DPにおいて商品を受け取るユーザに対して、受取位置DPにおける商品の受け取りを促す。これにより、配送制御システム1は、近傍に存在する複数の住所RPのそれぞれに商品を配送する場合に比して、配送効率の低下を抑制することができる。また、ユーザは、近傍に存在する配送機20が自身の住所RPまで到着するのを待たずに受取位置DPにて商品を受け取ることができる。このため、配送制御システム1は、ユーザが商品の配送まで待機する時間を短くすることができる。
【0081】
(1-2)本実施形態において、決定部202は、受取位置DPを住所RPから許容距離SD内の位置に決定する。上述したように、許容距離SDは、ユーザが一般に商品を取りに行くために移動することが可能な距離である。したがって、決定部202は、ユーザが一般に商品を取りに行くために移動することが可能な位置に受取位置DPを決定し、ユーザが商品を取りに行くための移動にかかる負担を少なくすることができる。
【0082】
(1-3)本実施形態の配送制御システム1は、各住所RPから受取位置DPまでの移動の所要時間が基準所要時間以内である住所RPに対応するユーザに対して、共通の受取位置DPにおける商品の受け取りを促す。これにより、配送制御システム1は、ユーザが商品を受け取るまで配送機20が待機する時間を短縮しつつ、受取位置DPまでの移動にかかるユーザの負担を低減することができる。
【0083】
(1-4)本実施形態の配送制御システム1は、住所RPと受取位置DPとの高低差が基準高低差内である複数の住所RPに対応するユーザに対して、受取位置DPにおける商品の受け取りを促す。これにより、配送制御システム1は、配送効率の低下を抑制しつつ、商品を取りに行くための移動にかかるユーザの負担を低減することができる。
【0084】
(1-5)本実施形態の決定部202は、移動先の住所RPの地域の天候情報を取得し、当該地域に降雨や降雪があるか否かを判定する。決定部202は、降雨や降雪があると判定した場合、退避場所情報112に基づいて、移動先の住所RPの近傍に存在する退避場所の位置を受取位置DPとして決定する。これにより、配送制御システム1は、天候に関わらずユーザが受取位置DPにおいて商品を受け取れるようにすることができる。
【0085】
(1-6)本実施形態の通信部220は、配送機20が受取位置DPに到着した場合、ユーザに配送機20の到着を通知する。これにより、配送制御システム1は、ユーザに配送機20の到着を把握させて、商品の受け取りを促すことができる。
【0086】
<第2実施形態>
以下、第2実施形態の配送制御システム1について説明する。第1実施形態では、決定部202が予め定められた許容距離SD等に基づいて、受取位置DPを決定する場合について説明した。第2実施形態では、ユーザが所望する条件に基づいて、受取位置DPを決定する場合について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0087】
図8に示すように、本実施形態のUA45は、図2に示すフローチャートのステップS102と、ステップS104の処理との間に、ステップS103の処理を実行する。詳しくは、サーバ装置10は、ユーザが所望する、受取位置DPまでの許容距離SDを取得する(ステップS103)。制御部100は、例えば、UA45を介して、許容距離SDの入力を促す販売画面を表示し、ユーザに許容距離SDを入力させる。したがって、本実施形態において、許容距離SDは、ユーザが所望する距離であって、ユーザが商品を取りに行くために移動することを許容する距離である。
【0088】
また、本実施形態において、制御部100は、ステップS104において、UA45に指示し、商品情報と、配送日時情報と、ユーザIDと、許容距離SDを示す情報とをサーバ装置10に送信させる。制御部100は、受信した注文情報に基づいて、顧客情報DB111を更新する。この場合、顧客情報DB111は、ユーザIDと、ユーザ名を示す情報と、ユーザの属性を示す情報と、ユーザの住所を示す情報と、商品情報と、配送日時情報と、許容距離SDを示す情報とが互いに対応付けられたレコードが一以上含まれる情報を含む。ユーザから許容距離SDを取得する処理において、制御部100は、「取得部」の一例である。
【0089】
以下、第2実施形態に係る決定部202の処理の詳細について説明する。
【0090】
図9に示す場面では、配送機20は、ユーザA、ユーザB、ユーザCの順に商品を配送すると決定し、且つ決定部202は、ユーザAの住所RP1の周辺には、他のユーザの住所RPとして、ユーザBの住所RP2と、ユーザCの住所RP3が存在すると判定する。
【0091】
本実施形態の決定部202は、例えば、地図情報を用いて住所RP1からの距離がユーザAの許容距離SD1以下の許容範囲TA1と、住所RP2からの距離がユーザBの許容距離SD2以下の許容範囲TA2と、住所RP3からの距離がユーザCの許容距離SD3以下の許容範囲TA3とが重畳する範囲を特定する。図9に示す一例では、許容範囲TA1と、許容範囲TA2と、許容範囲TA3との一部が重畳する。決定部202は、許容範囲TA1と、許容範囲TA2と、許容範囲TA3とが重畳する範囲内の位置を受取位置DPとして決定する。つまり、決定部202は、住所RP1~RP3のそれぞれから、それぞれのユーザが所望する許容距離SD1~SD3内にある位置を受取位置DPとして決定する。
【0092】
[第2実施形態のまとめ]
第2実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0093】
(2-1)本実施形態の配送制御システム1の決定部202は、受取位置DPを、住所RPからユーザが所望する許容距離SD内の位置に決定する。したがって、配送制御システム1は、ユーザの状況に応じて、受取位置DPを決定することができる。
【0094】
<変形例>
以下、上述した実施形態に係る変形例について説明する。変形例では、複数の受取位置DPの候補位置が存在する場合に、決定部202が受取位置DPを決定する場合について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0095】
以下の説明において、受取位置DPの候補位置を、候補位置SDPと記載する。上述した処理によって、決定部202が、受取位置決定情報を用いて、複数の候補位置SDPを特定できる場合がある。詳しくは、所定範囲SAが重畳している範囲が広い場合、許容範囲TAが重畳している範囲が広い場合、住所RPの近傍に退避場所が複数存在する場合等がある。この場合、決定部202は、重畳している範囲内における複数の位置や、複数の退避場所を、複数の候補位置SDPとして特定する。決定部202は、複数の候補位置SDPと、住所RPとの距離偏差が小さくなる候補位置SDPを受取位置DPとして決定する。
【0096】
図10に示す一例では、決定部202は、ユーザA、ユーザB、ユーザC、及びユーザDの受取位置DPの候補として、候補位置SDP1~SDP4の四つの候補位置SDPを特定する。決定部202は、各候補位置SDPと、各ユーザの住所RPとの距離をそれぞれ算出する。そして、決定部202は、算出した距離のうち、候補位置SDPから最も近い住所RPまでの距離と、候補位置SDPから最も遠い住所RPまでの距離との差分を、距離偏差として算出する。図10に示す一例では、決定部202は、候補位置SDP1から最も近い住所RPがユーザAの住所RP1であり、候補位置SDP1から最も遠い住所RPがユーザDの住所RP4であると特定する。そして、決定部202は、候補位置SDP1の距離偏差が、50[m]と、5[m]との差分である45[m]であると算出する。決定部202は、候補位置SDP2~SDP4についても同様の処理を行い、候補位置SDP2の距離偏差が40[m]、候補位置SDP3の距離偏差が35[m]、候補位置SDP4の距離偏差が30[m]であると算出する。そして、決定部202は、最も距離偏差が小さい候補位置SDP4を受取位置DPとして決定する。
【0097】
[変形例のまとめ]
以上説明したように、変形例の決定部202は、受取位置決定情報を用いて、複数の候補位置SDPを特定し、複数の候補位置SDPのうち、候補位置SDPと、複数の住所RPとの距離偏差が最小である候補位置SDPを、受取位置DPとして決定する。これによれば、配送制御システム1は、商品の受け取りを促す複数のユーザと受取位置DPとの距離の偏りを小さくし、受取位置DPまでの移動にかかるユーザ間の公平性を担保できる。
【0098】
<第3実施形態>
以下、第3実施形態の配送制御システム1について説明する。第3実施形態では、決定部202が住所RPを受取位置DPとして決定する場合について説明する。なお、上述した実施形態、及び変形例と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0099】
本実施形態の決定部202は、受取位置決定情報に含まれる除外条件に基づいて、ユーザが除外対象であるか否かを判定する。決定部202は、除外対象のユーザであると判定した場合、判定されたユーザを、受取位置DPにおいて複数のユーザと一緒に商品を受け取る対象から除外し、判定されたユーザの住所RPを受取位置DPとして決定する。
【0100】
本実施形態では、受取位置決定情報には、除外条件を示す情報として、基準重量に関する情報と、基準体積に関する情報と、ユーザの属性に関する情報とが含まれる。
【0101】
決定部202は、受取位置決定情報に基づいて、ユーザが注文した商品の重量が、基準重量以上であると判定した場合、当該ユーザの住所RPを受取位置DPとして決定する。
【0102】
例えば、サーバ装置10の記憶部110、又はサーバ装置10がアクセス可能な他のサーバ装置の記憶部には、商品情報データベース(DBが記憶される。商品情報DBは、ショッピングサイトにおいて販売される商品の情報を、商品識別子毎に示す情報である。商品の情報には、商品の重量や体積が含まれる。決定部202は、注文情報の商品について、商品情報DBを参照し、ユーザが注文した商品の重量を特定する。決定部202は、特定した商品の重量が、基準重量以上であると判定した場合、当該ユーザが除外対象のユーザであるものとして、当該ユーザの住所RPを受取位置DPとして決定する。
【0103】
また、決定部202は、受取位置決定情報に基づいて、ユーザが注文した商品の体積が、基準体積以上であると判定した場合、当該ユーザの住所RPを受取位置DPとして決定する。詳しくは、決定部202は、注文情報の商品について、商品情報DBを参照し、ユーザが注文した商品の体積を特定する。決定部202は、特定した商品の体積が、基準体積以上であると判定した場合、当該ユーザが除外対象のユーザであるものとして、当該ユーザの住所RPを受取位置DPとして決定する。
【0104】
なお、配送機20は、例えば、ユーザの注文した商品の重量を示す情報や体積を示す情報を、管理装置30、又は配送拠点の作業者の配送機20に対する入力等から取得してもよい。
【0105】
また、決定部202は、ユーザが複数の商品を購入している場合、複数の商品の重量の合計、又は複数の商品を収納する収納物の重量を、商品の重量として特定してもよい。また、決定部202は、ユーザが複数の商品を購入している場合、複数の商品の体積の合計、又は複数の商品を収納する収納物の体積を、商品の体積として特定してもよい。
【0106】
また、決定部202は、受取位置決定情報に基づいて、ユーザの属性に応じて、ユーザが除外対象であるか否かを判定してもよい。除外対象であるかを判定するために用いられる属性には、例えば、ユーザが受取位置DPまで商品を受け取りに移動することが困難なことを示す属性(以下、除外対象属性)を用いる。具体的には、除外対象属性とは、ユーザの年齢が所定の年齢以上であること、ユーザの性別が女性であること等である。詳しくは、決定部202は、記憶部210に記録されている注文情報に示されるユーザについて、サーバ装置10から属性情報を取得する。そして、決定部202は、ユーザ属性が除外対象属性を示す場合、当該ユーザの住所RPを受取位置DPとして決定する。
【0107】
なお、上述したユーザの属性を示す情報は、一例であってこれに限られない。例えば、除外対象属性には、ユーザと同居する家族の有無や、ユーザが日中在宅であるか不在であるか、ユーザは歩行が困難であるか否か等が含まれてもよい。これらの除外対象属性は、例えば、ユーザがショッピングサイトの利用に係るアカウントを作成した際に取得され、顧客情報DB111に予め記憶される。決定部202は、例えば、同居する家族がいないユーザは、ユーザ属性が除外対象属性であるものとみなし、当該ユーザの住所RPを受取位置DPとして決定してもよい。また、決定部202は、日中不在のユーザは、ユーザ属性が除外対象属性であるものとみなし、当該ユーザの住所RPを受取位置DPとして決定してもよい。また、決定部202は、歩行が困難であるユーザは、ユーザ属性が除外対象属性であるものとみなし、当該ユーザの住所RPを受取位置DPとして決定してもよい。
【0108】
図11に示すように、本実施形態の配送機20は、図5に示すフローチャートのステップS202と、ステップS204との間に、ステップS300の処理と、ステップS302の処理とを実行する。また、図12に示すように、本実施形態の配送機20は、図5に示すフローチャートのステップS216、又はステップS218と、ステップS220との間に、ステップS304の処理と、ステップS306の処理とを実行する。
【0109】
詳しくは、決定部202は、ステップS202において、配送機20がユーザに商品の配送を開始した後、受取位置決定情報に基づいて、ステップS200において受信した注文情報のユーザに、ユーザ属性が除外対象属性であるユーザが含まれるか否かを判定する(ステップS300)。決定部202は、ユーザ属性が除外対象属性であるユーザが含まれると判定した場合、当該ユーザの住所RPを受取位置DPに決定し(ステップS302)、ステップS204に戻る。また、決定部202は、ユーザ属性が除外対象属性であるユーザが含まれないと判定した場合、ステップS204に戻る。
【0110】
また、決定部202は、ステップS216において対象のユーザが商品の受け取りを完了したと判定した場合、又はステップS218において待機を開始してから待機時間が経過したと判定し、待機処理がタイムアウトした場合、ステップS304に戻る。決定部202は、ステップS302において、ユーザ属性が除外対象属性であるユーザの住所RPが受取位置DPとして決定されたか否かを判定する(ステップS304)。決定部202は、ユーザ属性が除外対象属性であるユーザの住所RPが受取位置DPとして決定されたと判定した場合、当該受取位置DPまで移動し(ステップS306)、ステップS216に戻る。また、決定部202は、ユーザ属性が除外対象属性であるユーザの住所RPが受取位置DPとして決定されていないと判定した場合、ステップS220に戻る。これにより、ユーザ属性が除外対象属性であるユーザは、受取位置DPにおいて近傍に存在する他のユーザと一緒に商品を受け取らず、自身の住所RPにおいて商品を受け取る。
【0111】
第3実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0112】
(3-1)本実施形態の配送制御システム1において、受取位置決定情報には、基準重量に関する情報が含まれ、決定部202は、基準重量以上の商品に係るユーザの住所RPを受取位置DPとして決定する。これにより、配送制御システム1は、基準重量以上の商品を受け取るユーザの負担を低減することができる。
【0113】
(3-2)本実施形態の配送制御システム1において、受取位置決定情報には、基準体積に関する情報が含まれ、決定部202は、基準体積以上の商品に係るユーザの住所RPを、受取位置DPとして決定する。これにより、配送制御システム1は、基準体積以上の商品を受け取るユーザの負担を低減することができる。
【0114】
(3-3)本実施形態の配送制御システム1において、受取位置決定情報には、商品を注文したユーザの属性に関する情報が含まれ、決定部202は、ユーザの属性に応じてユーザの住所RPを受取位置DPとして決定してもよい。これにより、配送制御システム1は、属性に応じて受取位置DPを決定し、ユーザの負担を低減することができる。
【0115】
<第4実施形態>
以下、第4実施形態の配送制御システム2について説明する。上述した実施形態、及び変形例では、配送機20が受取位置DPを決定する場合について説明した。本実施形態では、受取位置DPを決定する構成を他の装置が有する場合について説明する。なお、上述した実施形態、及び変形例と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0116】
図13に示すように、本実施形態の配送制御システム2は、サーバ装置10に代えて、受取位置DPを決定する決定部202を備えたサーバ装置11を備える。なお、配送制御システム2の配送機21は、配送機20に代えて、受取位置DPを決定する構成を備えない制御部200aを備えてもよい。
【0117】
サーバ装置11は、サーバ装置10が備える制御部100に代えて制御部100aを備える。制御部100aは、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部を含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0118】
制御部100aは、決定部202と、移動指示部102とを備える。本実施形態の決定部202は、各配送拠点が配送するエリアの住所毎にグループ分けを行った注文情報について、受取位置DPを決定する処理を行う。決定部202が受取位置DPを決定する処理は、上述した処理と同様の処理であるため、説明を省略する。
【0119】
移動指示部102は、決定部202により決定された受取位置DPまでの移動を配送機21に指示する。詳しくは、移動指示部102は、決定された受取位置DPを示す情報を通信部120により配送機21に送信させ、配送機21の移動を指示する。
【0120】
本実施形態において、配送機21は、サーバ装置11から受信した受取位置DPを示す情報に基づいて、受取位置DPまで移動し、ユーザに商品を配送する。
【0121】
なお、移動指示部102は、1つの受取位置DPを示す情報を配送機21に送ることによって該受取位置DPへの移動を指示してもよい。この場合、移動指示部102は、配送機21が受取位置DPに到着後、次の受取位置DPへの移動を指示する。また、移動指示部102は、グループ分けを行ったエリアにおける一連の受取位置DPを走行する経路を示す走行経路情報として配送機21に送ることによって一連の受取位置DPへの移動を指示してもよい。
【0122】
[配送制御シーケンス]
図14を参照し、配送制御システム2による商品の配送の一連の流れについて説明する。図13に示すように、サーバ装置11は、端末装置40から注文を受け付けることに伴い、顧客情報DB111のレコードを生成、又は更新する。サーバ装置11は、配送時間帯の所定時間前に、各グループの注文情報に基づいて、グループ毎の受取位置DPを決定する処理を行う。サーバ装置11は、決定した受取位置DPを示す情報を、対応する配送拠点に存在する配送機21に送信する。
【0123】
配送機21は、サーバ装置11から受取位置DPを受信してから、配送時間帯まで待機する。そして、配送機21は、受信した受取位置DPまで移動し、受取位置DPに到着したことを当該受取位置DPで商品を受け取るユーザに通知する。配送機21は、ユーザAと、ユーザBとが商品を受け取った後、又は待機時間が経過した後に、残るユーザであるユーザCの住所RPを受取位置DPとして移動する。配送機21は、ユーザCの住所RPまで到着したことをユーザCに通知する。配送機21は、ユーザCが商品を受け取った後、又は待機時間が経過した後に、配送拠点まで帰還する。
【0124】
第4実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0125】
(4-1)本実施形態の配送制御システム2では、サーバ装置11において受取位置DPが決定され、配送機21は、サーバ装置11により決定された受取位置DPまで移動する。これにより、配送制御システム2は、上述した配送制御システム1と同様の効果を得ることができる。
【0126】
[受取位置DPを決定する処理の組み合わせ]
なお、上述した実施形態、及び変形例では、受取位置決定情報に含まれる各種情報に基づいて、決定部202が受取位置DPを決定する場合について説明したが、これに限られない。決定部202は、例えば、受取位置決定情報に含まれる各種情報のうち、一つの情報に基づいて受取位置DPを決定してもよく、複数の情報の組み合わせに基づいて、受取位置DPを決定してもよい。例えば、決定部202は、複数の情報の組み合わせとして、ユーザが所望する許容距離SDまでの許容範囲TA内、且つ住所RPと受取位置DPとの高低差が基準高低差内の位置を受取位置DPとして決定してもよい。
【0127】
また、受取位置決定情報に含まれる各種情報には、優先度が付加されていてもよい。この場合、決定部202は、受取位置決定情報に含まれる情報のうち、優先度の高い情報を用いて受取位置DPを決定する処理を行う。例えば、決定部202は、ユーザが所望する許容距離SDまでの許容範囲TAと、住所RPと受取位置DPとの高低差が基準高低差内である範囲とが重畳しない場合、優先度の高い情報に基づいて、受取位置DPを決定してもよい。
【0128】
また、受取位置決定情報に含まれる各種情報のうち、受取位置DPの決定に用いられる情報をユーザが選択してもよい。また、受取位置決定情報に含まれる各種情報に、ユーザが優先度を付加してもよい。この場合、サーバ装置10は、ステップS103の処理に代えて、或いは加えて、受取位置決定情報のうちユーザが選択した受取位置DPの決定に用いられる情報の選択結果を示す情報、又は受取位置決定情報に含まれる各種情報にユーザが付した優先度を示す情報を取得する処理を実行する。
【0129】
例えば、ユーザが、受取位置決定情報のうち、ユーザが所望する許容距離SDを示す情報と、基準高低差を示す情報とを受取位置DPの決定に用いると選択した場合、決定部202は、許容距離SDを示す情報と、基準高低差を示す情報との両方を用いて受取位置DPを決定する。つまり、決定部202は、ユーザが所望する許容距離SDまでの許容範囲TAと、住所RPと受取位置DPとの高低差が基準高低差内の範囲とが重畳する範囲内の位置を受取位置DPとして決定する。また、決定部202は、ユーザが所望する許容範囲TAと、高低差が基準高低差内の範囲とが重畳しない場合、ユーザが高い優先度を付した情報に基づいて、受取位置DPを決定してもよい。これにより、配送制御システム1,2は、よりユーザが所望する条件に合った受取位置DPに商品を配送することができる。
【0130】
なお、配送制御システム1,2は、ユーザの選択に関わらず、受取位置決定情報に含まれる情報のうち、サービスの提供者(この場合、ショッピングサイトの提供者)が高い優先度を付した情報を用いて受取位置DPを決定するものであってもよい。例えば、サービスの提供者は、雷雨や豪雨等の危険があることを想定し、受取位置決定情報に含まれる各種情報のうち、退避場所情報112に高い優先度を付す場合がある。この場合、決定部202は、ユーザの住所RPの地域に係る天候情報に基づいて、ユーザの住所RPの地域に雷雨や豪雨等がある、又は今後雷雨や豪雨があると判定した場合、ユーザの選択に関わらず、退避場所情報112に基づいて受取位置DPを決定してもよい。これにより、配送制御システム1,2は、サービスの提供者が優先したい情報に基づいて、受取位置DPを決定することができる。
【0131】
[受取位置DPから除外する処理の組み合わせ]
また、上述した実施形態、及び変形例では、受取位置決定情報に含まれる各種除外条件に基づいて、決定部202が、他のユーザと受取位置DPにおいて商品を受け取る対象から除外し、ユーザの住所RPを受取位置DPとする場合について説明したが、これに限られない。決定部202は、例えば、受取位置決定情報に含まれる除外条件を示す各種情報のうち、一つの情報に基づいて対象から除外してもよく、複数の情報の組み合わせに基づいて、対象から除外してもよい。詳しくは、決定部202は、いずれかの除外条件に当てはまる場合に、ユーザが除外対象であると判定してもよく、すべての除外条件にも当てはまる場合に、ユーザが除外対象であると判定してもよい。
【0132】
また、受取位置決定情報に含まれる各種除外条件のうち、対象から除外する処理に用いられる情報をユーザが選択してもよい。この場合、サーバ装置10は、ステップS103の処理に代えて、或いは加えて、受取位置決定情報のうちユーザが選択した除外条件として用いられる情報の選択結果を示す情報を取得する処理を実行する。
【0133】
なお、配送制御システム1,2は、ユーザの選択に関わらず、サービス提供者が指定する受取位置決定情報に含まれる各種除外条件を用いて受取位置DPを決定するものであってもよい。例えば、サービスの提供者は、ユーザの指定に関わらず、受取位置決定情報に含まれる除外条件を示す情報のうち、基準重量を用いて対象から除外する処理を指示してもよい。この場合、決定部202は、ユーザが注文した商品の重量が、基準重量以上であると判定した場合、ユーザの選択に関わらず、ユーザが除外対象であると判定して、当該ユーザの住所RPを受取位置DPとして決定してもよい。これにより、配送制御システム1,2は、サービスの提供者が優先したい情報に基づいて、受取位置DPを決定することができる。
【0134】
上記各実施形態は以下のように変更してもよい。なお、上記実施形態および以下の各別例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせてもよい。
【0135】
○配送機20,21には、配送機20,21の操縦を行う運転者等の乗員が乗車してもよい。この場合、配送機20,21の運転者は、サーバ装置10,11や配送機20,21が決定した受取位置DPまで配送機20,21を走行させる。
【0136】
また、配送機20,21が自動制御により走行する場合であっても、配送機20,21には、商品の積み降ろし等を行う乗員が乗車していてもよい。
【0137】
○配送拠点の作業者が、配送機20,21に商品を積載する構成に代えて、配送拠点内を自動制御により走行するUGVが、商品を収集、積載してもよい。この場合、管理装置30は、配送拠点内を自動制御により走行するUGVを制御してもよい。また、配送機20,21が、配送拠点内を自動制御により走行し、商品を収集、積載してもよい。
【0138】
○UA45は、ユーザから注文を受け付けた際、ユーザIDに代えて、或いは加えて、ユーザの住所を示す情報をサーバ装置10に送信してもよい。また、UA45は、ユーザが初めてショッピングサイトを利用する際、注文と合わせて、ユーザ名を示す情報と、ユーザの属性を示す情報と、ユーザの住所を示す情報とを取得してもよい。
【0139】
○注文情報は、顧客情報DB111のレコードのうち、少なくとも受取位置を示す情報と商品情報とを含む情報であってもよい。この場合、制御部100,100aは、特定したレコードから受取位置を示す情報と、商品情報とを読み出して、注文情報を生成し、管理装置30と、配送機20,21とに送信する。この場合において、決定部202がユーザ属性に基づく受取位置DPの決定処理を行うには、決定部202は、サーバ装置10,11にアクセスし、対応する顧客情報DB111を検索して、ユーザ属性を特定する。
【0140】
○サーバ装置10,11は、操作部130を備えていなくてもよく、サーバ装置10,11のクライアント装置が操作部130を備えていてもよい。
【0141】
○上述では、決定部202は、次に商品を配送するユーザの住所RPの地域と同一の地域のユーザの住所RPに対して、受取位置DPを決定する処理について説明したが、これに限られない。決定部202は、複数のユーザの住所RPのうち、次に商品を配送するユーザの住所RPから許容範囲TA内に存在する二つ以上の住所RPについて、共通の受取位置DPを決定してもよい。
【0142】
例えば、図6の一例では、決定部202は、次に商品を配送するユーザAの住所RPから所定範囲SA内に存在する二つ以上の住所RPについて、共通の受取位置DPを決定してもよい。上述では、図6の場面において、決定部202は、ユーザA,ユーザB,ユーザCのそれぞれについて、所定範囲SAを特定し、ユーザCの住所RP3を除外した。一方、かかる構成によれば、決定部202は、他の住所RPについて、一旦、ある住所RPの許容距離SD内にいることを条件に、受取位置DPを決定する。これにより、決定部202は、同一の地域内に存在する住所RPの全てについて、所定範囲SAを特定する場合に比して、受取位置DPを決定する処理に係る負荷を低減することができる。したがって、配送制御システム1,2は、商品の配送を受ける複数のユーザに受取位置DPにおいて商品の受け取らせることにより、配送効率の低下を抑制することができる。
【0143】
○決定部202は、上記実施形態では、第1ユーザとしてのユーザAと、第2ユーザとして複数のユーザB~Dを想定したが、少なくとも2人のユーザ(第1ユーザ、第2ユーザ)の住所RPに適用すればよく、決定部202の決定処理におけるユーザの住所RPの数は限定されるものではない
○住所RPは、ユーザの居住所だけではなく、ユーザが指定した住所でもよい。
【符号の説明】
【0144】
1,2…配送制御システム、10,11…サーバ装置、20,20-1,20-2,21…配送機、30…管理装置、40,40-1,40-2,40-3…端末装置、100,100a,200…制御部、102…移動指示部、110,210…記憶部、112…退避場所情報、120,220…通信部、130…操作部、202…決定部、230…移動制御部、111…顧客情報DB、DP…受取位置、RP,RP1,RP2,RP3,RP4…住所、SD,SD1,SD2,SD3…許容距離、SDP,SDP1,SDP2,SDP3,SDP4…候補位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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