(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】半導体構造及び当該半導体構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 12/00 20230101AFI20240402BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240402BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20240402BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240402BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20240402BHJP
H01L 23/532 20060101ALI20240402BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240402BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20240402BHJP
H01L 21/764 20060101ALI20240402BHJP
H01L 21/76 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
H10B12/00 671B
H01L29/78 613B
H01L29/78 626A
H01L21/88 J
H01L21/90 N
H01L29/78 301H
H01L29/78 301V
H01L21/76 A
H01L21/76 L
(21)【出願番号】P 2022551562
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 CN2022077900
(87)【国際公開番号】W WO2023029405
(87)【国際公開日】2023-03-09
【審査請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】202111007675.5
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(73)【特許権者】
【識別番号】522337543
【氏名又は名称】ベイジン スーパーストリング アカデミー オブ メモリー テクノロジー
【氏名又は名称原語表記】BEIJING SUPERSTRING ACADEMY OF MEMORY TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】Room 501-12, 5F, Building 52, Jingyuan North Street, BDA, Daxing District, Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャオ グアンスー
(72)【発明者】
【氏名】バイ ウェイピン
(72)【発明者】
【氏名】シャオ デユアン
(72)【発明者】
【氏名】チウ ユンソン
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0146958(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110957319(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0229011(US,A1)
【文献】特開2000-031440(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0221914(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 12/00
H01L 29/786
H01L 21/3205
H01L 21/768
H01L 21/336
H01L 21/764
H01L 21/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を提供するステップであって、前記基板に間隔を置いて設けられた複数の第1のトレンチが形成され、前記第1のトレンチが第1の方向に沿って延伸する、提供するステップと、
各前記第1のトレンチ内に犠牲層、及び前記犠牲層に位置する第1の保護層を形成するステップであって、前記犠牲層及び前記第1の保護層が前記第1のトレンチを満たし、各前記第1のトレンチ内の前記第1の保護層には前記第1の保護層を貫通するエッチング穴が設けられる、形成するステップと、
前記エッチング穴を利用して前記犠牲層を除去し、エアギャップを形成するステップと、
隣接する前記第1のトレンチの間に位置しかつ前記第1のトレンチの溝底に接近する前記基板にケイ化反応を行うことにより、前記基板内に前記第1の方向に沿って延伸するビット線を形成するステップであって、前記ビット線の側面部分が前記エアギャップ内に露出される、形成するステップと、を含
み、
隣接する前記第1のトレンチの間に位置しかつ前記第1のトレンチの溝底に接近する前記基板にケイ化反応を行うことにより、前記基板内に前記第1の方向に沿って延伸するビット線を形成するステップであって、前記ビット線の側面部分が前記エアギャップ内に露出される、形成するステップは、
前記基板及び前記第1の保護層をエッチングし、間隔を置いて設けられた複数の第2のトレンチを形成するステップであって、前記第2のトレンチは第2の方向に沿って延伸しかつ前記エアギャップと連通しない、ステップと、
前記第2のトレンチの側壁に第2の保護層を形成し、前記第2のトレンチ内に位置する前記第2の保護層は第3のトレンチを形成するように取り囲むステップと、
前記第3のトレンチの溝底に金属を堆積し、アニール処理し、ケイ化反応を行うことにより、前記ビット線を形成するステップと、を含む、半導体構造の製造方法。
【請求項2】
各前記第1のトレンチ内に犠牲層、及び前記犠牲層に位置する第1の保護層を形成するステップであって、前記犠牲層及び前記第1の保護層が前記第1のトレンチを満たし、各前記第1のトレンチ内の前記第1の保護層には前記第1の保護層を貫通するエッチング穴が設けられる、形成するステップは、
各前記第1のトレンチ内に前記犠牲層を堆積するステップであって、前記犠牲層が前記第1のトレンチの底部に充填される、堆積するステップと、
前記犠牲層に前記第1の保護層を堆積するステップであって、前記第1の保護層が前記第1のトレンチを満たす、堆積するステップと、
各前記第1のトレンチのエッジの前記第1の保護層をエッチングすることにより、前記エッチング穴を形成するステップと、を含む、請求項1に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項3】
前記犠牲層及び前記基板に前記第1の保護層を堆積するステップであって、前記第1の保護層が前記第1のトレンチを満たす、堆積するステップは、
前記犠牲層及び前記基板に前記第1の保護層を堆積するステップであって、前記第1の保護層が前記第1のトレンチ内に充填されかつ前記基板の頂面をカバーする、堆積するステップと、
前記基板の頂面に位置する前記第1の保護層を除去することにより、前記基板を露出させるステップと、を含む、請求項2に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項4】
前記エッチング穴は前記犠牲層内に延伸する、請求項1に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項5】
前記ビット線の材質は金属シリサイドを含む、請求項1に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項6】
前記基板及び前記第1の保護層をエッチングし、間隔を置いて設けられた複数の第2のトレンチを形成するステップであって、前記第2のトレンチは第2の方向に沿って延伸しかつ前記エアギャップと連通しない、ステップの前に、
前記基板及び前記第1の保護層に第3の保護層を堆積して形成するステップをさらに含み、
前記基板及び前記第1の保護層をエッチングし、間隔を置いて設けられた複数の第2のトレンチを形成するステップは、前記基板、前記第1の保護層、及び前記第3の保護層をエッチングし、間隔を置いて設けられた複数の前記第2のトレンチを形成し、隣接する前記第2のトレンチの間に位置する前記第3の保護層を保留するステップを含む、請求項
1~5のいずれか一項に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項7】
前記第2のトレンチの側壁に第2の保護層を形成し、前記第2のトレンチ内に位置する前記第2の保護層は第3のトレンチを形成するように取り囲むステップは、
前記第2のトレンチの側壁と溝底、及び前記第3の保護層に第2の初期保護層を堆積して形成するステップと、
前記第3の保護層上、及び前記第2のトレンチの溝底に位置する前記第2の初期保護層をエッチング除去することにより、前記第2のトレンチの溝底を露出させ、保留された前記第2の初期保護層は前記第2の保護層を形成するステップと、を含む、請求項
6に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項8】
前記第1の保護層、前記第2の保護層及び前記第3の保護層の材料は同じである、請求項
6に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項9】
前記第2のトレンチの側壁に第2の保護層を形成し、前記第2のトレンチ内に位置する前記第2の保護層は第3のトレンチを形成するように取り囲むステップの前に、
前記第1のトレンチの溝底から離れた前記基板に活性領域を形成するステップであって、前記活性領域はソース領域、ドレイン領域及びチャネル領域を含み、前記ソース領域、前記チャネル領域及びドレイン領域は前記第1のトレンチの溝底に垂直する方向に沿って順に配列される、形成するステップをさらに含む、請求項
1~5のいずれか一項に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項10】
前記第3のトレンチの溝底に金属を堆積し、アニール処理し、ケイ化反応を行うことにより、前記ビット線を形成するステップの後に、
前記第3のトレンチ内に第1の絶縁層を形成し、前記第1の絶縁層が前記第3のトレンチ内に充填されるステップと、
前記基板に垂直する方向に沿って前記第1の保護層及び前記第2の保護層を所定の深さまで除去し、充填スペースを形成するステップであって、前記充填スペースが前記活性領域の側面を露出させる、ステップと、
前記充填スペース内にゲート構造を形成するステップであって、前記ゲート構造が第2の方向に沿って延伸し、かつ前記活性領域を取り囲む、形成するステップと、をさらに含む、請求項
9に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項11】
前記第1の保護層と前記第1の絶縁層の材料が異なる、請求項
10に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項12】
前記基板に垂直する方向に沿って前記第1の保護層及び前記第2の保護層を所定の深さまで除去し、充填スペースを形成するステップであって、前記充填スペースが前記活性領域の側面を露出させる、ステップは、
前記第2の保護層及び前記第1の保護層を初期深さまでエッチングし、充填チャネルを形成するステップと、
前記充填チャネルに第2の絶縁層を堆積し、前記第2の絶縁層は前記基板と前記第1の絶縁層との間に位置する前記充填チャネルを満たすステップと、
残りの前記第1の保護層及び前記第2の保護層を所定の深さまでエッチングし、前記充填スペースを形成するステップと、を含む、請求項
10に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項13】
前記充填スペース内にゲート構造を形成するステップであって、前記ゲート構造が第2の方向に沿って延伸し、かつ前記活性領域を取り囲む、形成するステップは、
前記充填スペースの内面には、酸化物層を形成するステップと、
前記酸化物層を形成した後の前記充填スペース内に導電層を形成するステップであって、前記導電層は少なくとも一部の前記チャネル領域に対向する、形成するステップと、を含む、請求項
10に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項14】
前記充填スペース内にゲート構造を形成するステップであって、前記ゲート構造が第2の方向に沿って延伸し、かつ前記活性領域を取り囲む、形成するステップの後に、
前記ゲート構造に第3の絶縁層を堆積するステップであって、前記第3の絶縁層が前記ゲート構造をカバーし、かつ残りの前記充填チャネルを満たす、堆積するステップをさらに含む、請求項
12に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項15】
前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層及び前記第3の絶縁層の材料は同じである、請求項
14に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項16】
基板であって、前記基板内には間隔を置いて設けられた複数のビット線が形成され、前記ビット線は第1の方向に沿って延伸し、隣接する2本の前記ビット線の間に第1のトレンチが形成され、各前記ビット線に少なくとも1つの活性領域が設けられ、前記活性領域は順に積層して設けられたソース領域、チャネル領域及びドレイン領域を含み、前記ソース領域及び前記ドレイン領域のうちの1つは前記ビット線に電気的に接続される基板と、
前記第1のトレンチ内に設けられた保護層であって、前記保護層と第1のトレンチの溝底との間にエアギャップが形成され、前記ビット線の側面部分が前記エアギャップ内に露出される保護層と、
前記保護層に間隔を置いて設けられた複数の第1の絶縁層であって、第2の方向に沿って延伸し、第2の方向において隣接する2行の前記活性領域の間に位置し、かつ前記活性領域との間に間隔がある第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層と前記活性領域との間に設けられたゲート構造であって、前記第2の方向に沿って延伸し、かつ前記活性領域を取り囲み、少なくとも一部の前記チャネル領域に対向するゲート構造と、
前記ゲート構造をカバーする第2の絶縁層及び第3の絶縁層と、を含む、半導体構造。
【請求項17】
前記ソース領域及び前記ドレイン領域のうちの1つに位置する接続点と、前記接続点に位置するコンデンサと、をさらに含む、請求項
16に記載の半導体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体の技術分野に関し、特に半導体構造及び当該半導体構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体技術の発展に伴い、半導体構造(例えばメモリ)の集積度が向上し続け、半導体構造における各素子の間隔が縮小し続け、さらに半導体構造において隣接する導電性素子(例えばビット線)の間隔も縮小し続ける。隣接する導電性素子及び導電性素子の間に位置する絶縁材料は寄生容量を形成し、寄生容量は絶縁材料の誘電率に正比例し、2つの導電性素子との間の距離に反比例する。ビット線の間隔の縮小に伴い、寄生容量が増大し続け、半導体構造の抵抗容量(Resistor Capacitor、RCと略称する)が遅延し、半導体構造の作業効率に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記問題に鑑み、本開示の実施例は、半導体構造及び当該半導体構造の製造方法を提供し、半導体構造の寄生容量を低減させ、半導体構造の作業効率を向上させるために用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例の第1の態様は、
基板を提供するステップであって、前記基板に間隔を置いて設けられた複数の第1のトレンチが形成され、前記第1のトレンチが第1の方向に沿って延伸する、提供するステップと、
各前記第1のトレンチ内に犠牲層、及び前記犠牲層に位置する第1の保護層を形成するステップであって、前記犠牲層及び前記第1の保護層が前記第1のトレンチを満たし、各前記第1のトレンチ内の前記第1の保護層には前記第1の保護層を貫通するエッチング穴が設けられる、形成するステップと、
前記エッチング穴を利用して前記犠牲層を除去し、エアギャップを形成するステップと、
隣接する前記第1のトレンチの間に位置しかつ前記第1のトレンチの溝底に接近する前記基板にケイ化反応を行うことにより、前記基板内に前記第1の方向に沿って延伸するビット線を形成するステップであって、前記ビット線の側面部分が前記エアギャップ内に露出される、形成するステップと、を含む、半導体構造の製造方法を提供する。
【0005】
本開示の実施例が提供する半導体構造の製造方法は少なくとも以下の利点を有する。
【0006】
本開示の実施例が提供する半導体構造の製造方法において、犠牲層を除去することにより、第1の方向に沿って延伸するビット線の間にエアギャップを形成し、かつビット線の一部の側面がエアギャップ内に露出され、空気の誘電率が約1である特性を利用して、ビット線の間に位置する構造の誘電率を低減させ、それにより半導体構造の寄生容量を低減し、半導体構造の作業効率を向上させる。
【0007】
本開示の実施例の第2の態様は、基板であって、前記基板内には間隔を置いて設けられた複数のビット線が形成され、前記ビット線は第1の方向に沿って延伸し、隣接する2本の前記ビット線の間に第1のトレンチが形成され、各前記ビット線に少なくとも1つの活性領域が設けられ、前記活性領域は、順に積層して設けられたソース領域、チャネル領域及びドレイン領域を含み、前記ソース領域及び前記ドレイン領域のうちの1つは前記ビット線に電気的に接続される、基板と、前記第1のトレンチ内に設けられた保護層であって、前記保護層と第1のトレンチの溝底との間にエアギャップが形成され、前記ビット線の側面部分が前記エアギャップ内に露出される、保護層と、前記保護層に間隔を置いて設けられた複数の第1の絶縁層であって、第2の方向に沿って延伸し、第2の方向において隣接する2行の前記活性領域の間に位置し、かつ前記活性領域との間に間隔がある、第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層と前記活性領域との間に設けられたゲート構造であって、前記第2の方向に沿って延伸し、かつ前記活性領域を取り囲み、少なくとも一部の前記チャネル領域に対向する、ゲート構造と、前記ゲート構造をカバーする第2の絶縁層及び第3の絶縁層と、を含む、半導体構造を提供する。
【0008】
本開示の実施例における半導体構造は少なくとも以下の利点を有する。
【0009】
本開示の実施例における半導体構造において、ビット線が第1の方向に沿って延伸し、かつ隣接する2本のビット線の間に第1のトレンチが形成され、第1のトレンチ内に保護層が設けられ、保護層と第1のトレンチの溝底との間にエアギャップが形成され、ビット線の側面部分がエアギャップ内に保留され、空気の誘電率が約1である特性を利用することにより、ビット線の間に位置する構造の誘電率を低減させ、それにより半導体構造の寄生容量を低減し、半導体構造の作業効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施例における半導体構造の製造方法のフローチャートである。
【
図2】本開示の実施例における半導体構造の平面図である。
【
図3】本開示の実施例における基板のA-A位置での断面模式図である。
【
図4】本開示の実施例における基板のB-B位置での断面模式図である。
【
図5】本開示の実施例における基板のC-C位置での断面模式図である。
【
図6】本開示の実施例における基板のD-D位置での断面模式図である。
【
図7】本開示の実施例における第1のトレンチを形成した後のA-A位置での断面模式図である。
【
図8】本開示の実施例における第1のトレンチを形成した後のB-B位置での断面模式図である。
【
図9】本開示の実施例における第1のトレンチを形成した後のC-C位置での断面模式図である。
【
図10】本開示の実施例における第1のトレンチを形成した後のD-D位置での断面模式図である。
【
図11】本開示の実施例における第1の保護層を形成した後のA-A位置での断面模式図である。
【
図12】本開示の実施例における第1の保護層を形成した後のB-B位置での断面模式図である。
【
図13】本開示の実施例における第1の保護層を形成した後のC-C位置での断面模式図である。
【
図14】本開示の実施例における第1の保護層を形成した後のD-D位置での断面模式図である。
【
図15】本開示の実施例におけるエッチング穴を形成した後のA-A位置での断面模式図である。
【
図16】本開示の実施例におけるエッチング穴を形成した後のB-B位置での断面模式図である。
【
図17】本開示の実施例におけるエッチング穴を形成した後のC-C位置での断面模式図である。
【
図18】本開示の実施例におけるエッチング穴を形成した後のD-D位置での断面模式図である。
【
図19】本開示の実施例におけるエッチング穴を形成した後の平面図である。
【
図20】本開示の実施例におけるエアギャップを形成した後のA-A位置での断面模式図である。
【
図21】本開示の実施例におけるエアギャップを形成した後のB-B位置での断面模式図である。
【
図22】本開示の実施例におけるエアギャップを形成した後のC-C位置での断面模式図である。
【
図23】本開示の実施例におけるエアギャップを形成した後のD-D位置での断面模式図である。
【
図24】本開示の実施例における第2のトレンチを形成した後のA-A位置での断面模式図である。
【
図25】本開示の実施例における第2のトレンチを形成した後のB-B位置での断面模式図である。
【
図26】本開示の実施例における第2のトレンチを形成した後のC-C位置での断面模式図である。
【
図27】本開示の実施例における第2のトレンチを形成した後のD-D位置での断面模式図である。
【
図28】本開示の実施例における第2の保護層を形成した後のA-A位置での断面模式図である。
【
図29】本開示の実施例における第2の保護層を形成した後のB-B位置での断面模式図である。
【
図30】本開示の実施例における第2の保護層を形成した後のC-C位置での断面模式図である。
【
図31】本開示の実施例における第2の保護層を形成した後のD-D位置での断面模式図である。
【
図32】本開示の実施例における第3の保護層を形成した後のA-A位置での断面模式図である。
【
図33】本開示の実施例における第3の保護層を形成した後のB-B位置での断面模式図である。
【
図34】本開示の実施例における第3の保護層を形成した後のC-C位置での断面模式図である。
【
図35】本開示の実施例における第3の保護層を形成した後のD-D位置での断面模式図である。
【
図36】本開示の実施例における第2の保護層を形成した後のA-A位置での他の断面模式図である。
【
図37】本開示の実施例における第2の保護層を形成した後のB-B位置での他の断面模式図である。
【
図38】本開示の実施例における第2の保護層を形成した後のC-C位置での他の断面模式図である。
【
図39】本開示の実施例における第2の保護層を形成した後のD-D位置での他の断面模式図である。
【
図40】本開示の実施例におけるビット線を形成した後のA-A位置での断面模式図である。
【
図41】本開示の実施例におけるビット線を形成した後のB-B位置での断面模式図である。
【
図42】本開示の実施例におけるビット線を形成した後のC-C位置での断面模式図である。
【
図43】本開示の実施例におけるビット線を形成した後のD-D位置での断面模式図である。
【
図44】本開示の実施例における第1の絶縁層を形成した後のA-A位置での断面模式図である。
【
図45】本開示の実施例における第1の絶縁層を形成した後のB-B位置での断面模式図である。
【
図46】本開示の実施例における第1の絶縁層を形成した後のC-C位置での断面模式図である。
【
図47】本開示の実施例における第1の絶縁層を形成した後のD-D位置での断面模式図である。
【
図48】本開示の実施例における充填チャネルを形成した後のA-A位置での断面模式図である。
【
図49】本開示の実施例における充填チャネルを形成した後のB-B位置での断面模式図である。
【
図50】本開示の実施例における充填チャネルを形成した後のC-C位置での断面模式図である。
【
図51】本開示の実施例における充填チャネルを形成した後のD-D位置での断面模式図である。
【
図52】本開示の実施例における第2の絶縁層を形成した後のA-A位置での断面模式図である。
【
図53】本開示の実施例における第2の絶縁層を形成した後のB-B位置での断面模式図である。
【
図54】本開示の実施例における第2の絶縁層を形成した後のC-C位置での断面模式図である。
【
図55】本開示の実施例における第2の絶縁層を形成した後のD-D位置での断面模式図である。
【
図56】本開示の実施例における充填スペースを形成した後のA-A位置での断面模式図である。
【
図57】本開示の実施例における充填スペースを形成した後のB-B位置での断面模式図である。
【
図58】本開示の実施例における充填スペースを形成した後のC-C位置での断面模式図である。
【
図59】本開示の実施例における充填スペースを形成した後のD-D位置での断面模式図である。
【
図60】本開示の実施例における導電層を形成した後のA-A位置での断面模式図である。
【
図61】本開示の実施例における導電層を形成した後のB-B位置での断面模式図である。
【
図62】本開示の実施例における導電層を形成した後のC-C位置での断面模式図である。
【
図63】本開示の実施例における導電層を形成した後のD-D位置での断面模式図である。
【
図64】本開示の実施例における第3の絶縁層を形成した後のA-A位置での断面模式図である。
【
図65】本開示の実施例における第3の絶縁層を形成した後のB-B位置での断面模式図である。
【
図66】本開示の実施例における第3の絶縁層を形成した後のC-C位置での断面模式図である。
【
図67】本開示の実施例における第3の絶縁層を形成した後のD-D位置での断面模式図である。
【
図68】本開示の実施例における容量を形成した後のA-A位置での断面模式図である。
【
図69】本開示の実施例における容量を形成した後のC-C位置での断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施例は半導体構造の製造方法を提供し、ビット線の間にエアギャップを形成することにより、ビット線の側面部分がエアギャップ内に露出し、空気の誘電率が1であることを利用して、2つのビット線の間に位置する構造の誘電率を低減させ、それにより半導体構造の寄生容量を低減し、半導体構造の作業効率を向上させる。
【0012】
本開示の実施例の上記目的、特徴及び利点をより明確にするために、以下は本開示の実施例における図面を参照して、本開示の実施例における技術案を明確で、完全に説明する。明らかに、説明された実施例は本開示の一部の実施例だけであり、全ての実施例ではない。本開示における実施例に基づいて、当業者が創造的労働を要しない前提で獲得した全ての他の実施例は、いずれも本開示が保護する範囲に属する。
【0013】
図1を参照し、本開示の実施例は半導体構造の製造方法を提供し、当該製造方法は以下のステップを含む。
【0014】
ステップS101において、基板を提供し、基板に間隔を置いて設けられた複数の第1のトレンチが形成され、第1のトレンチが第1の方向に沿って延伸する。
【0015】
図2を参照し、
図2は本開示の実施例における半導体構造の平面図であり、当該半導体構造にワード線83(Word Line、WLと略称する)及びビット線52(Bit Line、BLと略称する)が形成される。ここで、ビット線52は第1の方向に沿って延伸し、ワード線83は第2の方向に沿って延伸し、第1の方向と第2の方向との間になす角を有し、例えば第1の方向と第2の方向は互いに垂直であってもよい。具体的には、
図2に示すように、ビット線52は垂直方向(Y方向)に沿って延伸し、ワード線83は水平方向(X方向)に沿って延伸し、ゲート構造はワード線83に形成される。ワード線83又はビット線52は直線であってもよく、折れ線であってもよい。
【0016】
図2には、異なる位置の断面を有する。具体的には、A-A位置での断面はビット線52の延伸方向に平行し、かつビット線52に位置する断面であり、B-B位置での断面はビット線52の延伸方向に平行し、かつ隣接するビット線52の間に位置する断面である。C-C位置での断面はワード線83の延伸方向に平行し、かつワード線83に位置する断面であり、D-D位置での断面はワード線83の延伸方向に平行し、かつ隣接するワード線83の間に位置する断面である。
【0017】
図3~
図6を参照し、基板10は半導体基板であってもよく、当該半導体基板内にシリコン元素を含有してもよく、例えば、基板はシリコン基板、シリコンゲルマニウム基板又はエスオーアイ(Silicon on Insulator、SOIと略称する)基板などであってもよい。説明を容易にするために、本開示の実施例及び以下の各実施例において、基板10がシリコン基板であることを例として詳述する。
【0018】
図7~
図10を参照し、基板10内に複数の第1のトレンチ11が形成され、複数の第1のトレンチ11は第1の方向に沿って延伸し、かつ複数の第1のトレンチ11の間に間隔を置いて設けられる。例示的には、基板10をエッチングして基板10内に複数の第1のトレンチ11を形成する。具体的には、セルフ・アラインド・ダブルパターニング(Self-Aligned Patterning、略称SADP)プロセス又は自己整合四重パターニング(Self- Aligned Quadruple Patterning、SAQPと略称する)プロセスにより上記複数の第1のトレンチ11を形成することにより、第1のトレンチ11の密度を増大させる。
【0019】
ステップS102において、各第1のトレンチ内に犠牲層、及び犠牲層に位置する第1の保護層を形成し、犠牲層及び第1の保護層が第1のトレンチを満たし、各第1のトレンチ内の第1の保護層には第1の保護層を貫通するエッチング穴が設けられる。
【0020】
図7~
図14を参照し、各第1のトレンチ11の底部に犠牲層20が充填され、各第1のトレンチ11の残りの部分に第1の保護層30が充填される。犠牲層20の材質は第1の保護層30の材質と異なり、例えば、犠牲層20と第1の保護層30は大きな選択比を有し、後続に犠牲層20を除去するとき、第1の保護層30に対するエッチングを減少させる。例示的に、第1の保護層30の材質は酸化シリコンであってもよく、犠牲層20の材質は窒化ケイ素であってもよい。
【0021】
図15~
図19を参照し、第1のトレンチ11により隔てられた各第1の保護層30にいずれもエッチング穴31が設けられ、エッチング穴31は第1の保護層30を貫通し、エッチング穴31は犠牲層20を露出させる。基板10に平行する平面を断面とし、エッチング穴31の断面形状は円形、楕円形、正方形、矩形又は他の多角形であってもよい。
図19に示すように、エッチング穴31の一部の穴壁はさらに第1のトレンチ11の側壁であってもよい。エッチング穴31は第1のトレンチ11のエッジに設けられてもよく、それはワード線83を形成するための領域から離れる。各第1のトレンチ11内のエッチング穴31の数は単一であってもよく、複数であってもよく、例えば、第1のトレンチ11の両端にそれぞれエッチング穴31が形成される。
【0022】
エッチング穴31内に露出した犠牲層20の表面積を増加させるために、後続にエッチング層を除去するために、
図16に示すように、エッチング穴31は犠牲層20内に延伸してもよい。例示的には、エッチング穴31の穴底は犠牲層20内に位置し、又はエッチング穴31は犠牲層20を貫通する。
【0023】
1つの可能な例示において、
図7~
図18を参照し、各第1のトレンチ内に犠牲層20、及び犠牲層20に位置する第1の保護層30を形成し、犠牲層20及び第1の保護層30が第1のトレンチ11を満たし、各第1のトレンチ11内の第1の保護層30には第1の保護層30を貫通するエッチング穴31が設けられるステップは、以下のステップを含んでもよい。
【0024】
ステップS1021において、各第1のトレンチ内に犠牲層を堆積し、犠牲層が第1のトレンチの底部に充填される。
【0025】
図7~
図14を参照し、化学蒸着(Chemical Vapor Deposition、CVDと略称する)、物理蒸着(Physical Vapor Deposition、PVDと略称する)又は原子層堆積(Atomic Layer Deposition、ALDと略称する)などのプロセスにより、第1のトレンチ11内に犠牲層20を形成する。犠牲層20の厚さ方向は第1のトレンチ11の深さ方向と同じであり、いずれも基板10に垂直する方向(
図12に示すZ方向)である。
【0026】
ステップS1022において、犠牲層に第1の保護層を堆積し、第1の保護層が第1のトレンチを満たす。
【0027】
図11~
図14を参照し、犠牲層20及び基板10に第1の保護層30を堆積し、第1の保護層30は第1のトレンチ11内に充填され、かつ基板10の頂面にカバーされ、
図11~
図14に示すように、基板10の頂面は基板10の上面を指す。さらに基板10の頂面に位置する第1の保護層30を除去することにより、基板10を露出させる。例示的には、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing、CMPと略称する)により基板10の頂面に位置する第1の保護層30を除去し、当該第1の保護層30を除去した後、基板10の頂面が露出される。
【0028】
ステップS1023において、各第1のトレンチのエッジの第1の保護層をエッチングすることにより、エッチング穴を形成する。
【0029】
図15~
図18に示すように、いくつかの可能な例示において、基板10及び第1の保護層30にマスクプレートを堆積して形成する。マスクプレートをマスクとし、第1の保護層30をドライエッチング又はウェットエッチングによってエッチングし、
図16に示すようなエッチング穴31を形成する。さらにマスクプレートを除去する。
【0030】
ステップS103において、エッチング穴を利用して犠牲層を除去し、エアギャップを形成する。
【0031】
図20~
図23を参照し、エッチング穴31内にエッチングガス又はエッチング液を利用して犠牲層20を除去する。各第1のトレンチ内の犠牲層20を除去した後、各第1のトレンチ内にいずれもエアギャップ21が形成される。
図21に示すように、エアギャップ21はエッチング穴31の下方に位置し、かつエッチング穴31と連通する。
【0032】
ステップS104において、隣接する第1のトレンチの間に位置しかつ第1のトレンチの溝底に接近する基板にケイ化反応を行うことにより、基板内に第1の方向に沿って延伸するビット線を形成し、ビット線の側面部分がエアギャップ内に露出される。
【0033】
図24~
図43を参照し、基板10内にビット線52が形成され、ビット線52は第1の方向に沿って延伸する。ビット線52は隣接する第1のトレンチの間に位置し、かつビット線52は第1のトレンチの溝底に近接する。ビット線52の幅は隣接する第1のトレンチの間に位置する基板10の幅と等しく、それによりビット線52の側面部分がエアギャップ21内に露出させる。
図40~
図43に示すように、ビット線52の側面の下部がエアギャップ21内に露出され、ビット線52の側面の上部は第1の保護層30に接触する。
【0034】
ビット線52はケイ化反応により形成されてもよく、ビット線52の材質は金属シリサイド、例えばコバルトシリサイド、タングステンシリサイド、チタンシリサイド、白金シリサイド又はニッケルシリサイド等を含み、それによりビット線52の抵抗を低減させる。例示的に、
図24~
図43に示すように、隣接する第1のトレンチの11間に位置しかつ第1のトレンチ11の溝底に接近する基板10にケイ化反応を行うことにより、基板10内に第1の方向に沿って延伸するビット線52を形成し、ビット線52の側面部分がエアギャップ21内に露出されるステップは、以下のステップを含む。
ステップS1041において、基板及び第1の保護層をエッチングし、間隔を置いて設けられた複数の第2のトレンチを形成し、第2のトレンチは第2の方向に沿って延伸しかつエアギャップと連通しない。
【0035】
図24~
図27を参照し、基板10及び第1の保護層30をエッチングし、複数の第2のトレンチ12を形成し、第2のトレンチ12は間隔を置いて設けられかつ第2の方向に沿って延伸する。第2のトレンチ12はエアギャップ21と連通せず、すなわち第2のトレンチ12の溝底は基板10と第1の保護層30内に位置し、第1の保護層30を貫通しない。このように設けられることにより、残りの第1の保護層30はエアギャップ21の頂部を密封することにより、後続のプロセスにおける他の材料がエアギャップ21内に落ち込むことを防止し、エアギャップ21が寄生容量を低減させる効果を保証する。
【0036】
ステップS1042において、第2のトレンチの側壁に第2の保護層を形成し、第2のトレンチ内に位置する第2の保護層は第3のトレンチを形成するように取り囲む。
【0037】
図24~
図31を参照し、第2のトレンチ12の側壁に第2の保護層50を形成し、第2の保護層50は第2のトレンチ12の側壁をカバーする。第2のトレンチ12内に位置する第2の保護層50は第3のトレンチ51を形成するように取り囲み、第3のトレンチ51は第2のトレンチ12の一部の溝底を露出させる。第1の保護層30の材質は第2の保護層50の材質と同じであってもよく、それにより第1の保護層30と第2の保護層50は一体に形成される。
【0038】
1つの可能な実施例において、第2のトレンチ12の側壁及び溝底、基板10、及び第1の保護層30に第2の初期保護層を堆積し、第2のトレンチ12内に位置する第2の初期保護層は第3のトレンチ51を形成するように取り囲む。さらに第3のトレンチ51に沿って第2の初期保護層をエッチングし、第2のトレンチ12の溝底の一部の第2の初期保護層を除去し、保留された第2の初期保護層は第2の保護層50を形成する。
【0039】
他の1つの可能な実施例において、
図32~
図35を参照し、基板10及び第1の保護層30にさらに第3の保護層40が堆積され、つまり基板10の頂面に第3の保護層40がカバーされる。第3の保護層40の材質、第2の保護層50の材質及び第1の保護層30の材質は同じであってもよく、これらの3者は一体に形成されることができる。
【0040】
図32~
図39を参照し、第2のトレンチ12の側壁及び溝底、及び第3の保護層40に第2の初期保護層を堆積し、さらに第3の保護層40上に位置する第2の初期保護層、及び第2のトレンチ12の溝底に位置する一部の第2の初期保護層
をエッチング除去することにより、第2のトレンチ12の溝底を露出させ、保留された第2の初期保護層は第2の保護層50を形成する。
【0041】
理解できるように、異方性エッチングを利用して第3のトレンチ51に沿って第2の初期保護層をエッチングすることにより、第2のトレンチ12の溝底の一部の第2の初期保護層を除去する場合、必然的に第3の保護層40での第2の初期保護層までエッチングされる。第3の保護層40を設けることにより、基板10の頂面が露出されることを防止することができ、それにより第2のトレンチ12に位置する基板10のみを露出させ、それによりビット線52の形成位置を保証する。
【0042】
図36~
図37に示すように、基板10の上部に複数のコラムが形成され、当該コラムの外周面に第2の保護層50がカバーされ、当該コラムの頂面に第3の保護層40がカバーされ、第3のトレンチ51の溝底に位置する基板10が露出される。説明を容易にするために、本開示の実施例及び以下の各実施例において、基板10には第3の保護層40が形成されることを例として詳述する。
【0043】
説明すべきものとして、基板10及び第1の保護層30に第3の保護層40を堆積して形成するステップは、基板10及び第1の保護層30をエッチングし、間隔を置いて設けられた複数の第2のトレンチ12を形成し、第2のトレンチ12は第2の方向に沿って延伸しかつエアギャップ21と連通しないステップ(ステップS1041)の前に位置してもよく、つまり当該ステップはステップS104の前に位置する。具体的には、当該ステップはステップS1022の後に位置してもよく、ステップS1023の後に位置してもよく、さらにステップS103の後に位置してもよい。
【0044】
好ましくは、犠牲層20に第1の保護層30を堆積し、第1の保護層30は第1のトレンチ11を満たすステップ(ステップS1023)の後、さらに基板10及び第1の保護層30に第3の保護層40を堆積して形成する。このように設けると、製造しやすくようになり、第3の保護層40の製造難度を低減させる。一方、第3の保護層40がエッチング穴31又はエアギャップ21内に落ちることを低減し、半導体構造の性能を向上させることができる。
【0045】
これに応じて、基板10及び第1の保護層30をエッチングし、間隔を置いて設けられた複数の第2のトレンチ12を形成し、第2のトレンチ12は第2の方向に沿って延伸しかつエアギャップ21と連通しないステップ(ステップS1041)は、基板10、第1の保護層30、及び第3の保護層40をエッチングし、間隔を置いて設けられた複数の第2のトレンチ12を形成し、隣接する第2のトレンチ12の間に位置する第3の保護層40を保留するステップを含む。
【0046】
ステップS1043において、第3のトレンチの溝底に金属を堆積し、アニール処理し、ケイ化反応を行うことにより、ビット線を形成する。
【0047】
図40~
図43を参照し、金属はコバルト、チタン、タンタル、ニッケル、タングステンのうちの1種類であってもよく、高融点金属であってもよい。金属は基板10と反応して金属シリサイドを形成して、隣接する第1のトレンチの間に位置する一部の基板10を完全にケイ化し、かつ金属シリサイドは第1の方向に沿って接続されてビット線52を形成する。ビット線52の頂面部分は第3のトレンチ51内に露出され、ビット線52の側面部分はエアギャップ21内に露出される。
【0048】
アニール処理は、高温短時間アニール(Rapid Thermal Annealing、RTAと略称する)を含み、アニールの温度は金属の材質、基板10の材質と一致する。例えば、基板10の材質がシリコンであり、金属がコバルトである場合、アニールの温度は400℃~800℃であってもよい。
【0049】
以上のように、本開示の実施例に係る半導体構造の製造方法において、犠牲層20を除去することにより、第1の方向に沿って延伸するビット線52の間にエアギャップ21を形成し、かつビット線52の一部の側面がエアギャップ21内に露出される。空気の誘電率が約1である特性を利用して、ビット線52の間に位置する構造の誘電率を低減させ、それにより半導体構造の寄生容量を低減し、半導体構造の作業効率を向上させる。
【0050】
説明すべきものとして、第2のトレンチ12の側壁に第2の保護層50を形成し、第2のトレンチ12内に位置する第2の保護層50は第3のトレンチ51を形成するように取り囲むステップの前に、半導体構造の製造方法はさらに、第1のトレンチ11の溝底から離れた基板10に活性領域13を形成し、活性領域13はソース領域、ドレイン領域及びチャネル領域を含み、ソース領域、チャネル領域及びドレイン領域は第1のトレンチ11の溝底に垂直する方向に沿って順に配列されるステップを含む。
【0051】
ビット線52を形成する前に、基板10に間隔を置いて設けられた複数の活性領域を形成し、各活性領域はいずれもソース領域、ドレイン領域及びチャネル領域を含み、チャネル領域はソース領域とドレイン領域との間に位置する。本開示の実施例において、ソース領域、チャネル領域及びドレイン領域は垂直に配列され、つまり第1のトレンチ11の溝底に垂直する方向に沿って順に配列され、それにより縦型トランジスタを形成する。ソース領域又はドレイン領域は第1のトレンチ11の溝底に近接し、第1のトレンチ11の溝底に近接するソース領域又はドレイン領域は後続に形成されたビット線52に電気的に接続され、つまりソース領域又はドレイン領域はビット線52に電気的に接続される。このように設けることにより、同じ基板10の面積を占有する前提で、活性領域の高さを増加させることによりチャネル領域の有効長さを増加させ、短チャネル効果を減少させるか又は回避し、半導体構造の性能を向上させることができる。
【0052】
本開示のいくつかの可能な実施例において、基板10及び第1の保護層30をエッチングし、間隔を置いて設けられた複数の第2のトレンチ12を形成し、第2のトレンチ12は第2の方向に沿って延伸しかつエアギャップ21と連通しないステップ(ステップS1041)の後に、第1のトレンチ11及び第2のトレンチ12が基板10を間隔を置いて設けられた複数の柱状構造に仕切る。さらに各柱状構造をドーピングすることにより、柱状構造においてソース領域及びドレイン領域を形成し、それにより第1のトレンチ11の溝底から離れた基板10に活性領域を形成する。
【0053】
本開示の他の可能な実施例において、基板10を提供し、基板10に間隔を置いて設けられた複数の第1のトレンチ11が形成され、第1のトレンチ11が第1の方向に沿って延伸するステップ(ステップS101)の後、隣接する第1のトレンチ11の間の基板10にドーピングを行うことにより、活性領域を形成し、つまり活性領域がストライプ状であり、かつ第1の方向に沿って延伸する。第2のトレンチ12を形成した後、第2のトレンチ12は活性領域を切断し、間隔を置いて設けられた複数の柱状活性領域を形成する。
【0054】
説明すべきものとして、
図44~
図67を参照し、第3のトレンチ51の溝底に金属を堆積し、アニール処理し、ケイ化反応を行うことにより、ビット線を形成するステップの後、半導体構造の製造方法はさらに以下のステップを含む。
【0055】
ステップaにおいて、第3のトレンチ内に第1の絶縁層を形成し、第1の絶縁層が第3のトレンチ内に充填される。
【0056】
図40~
図47を参照し、堆積プロセスにより第3のトレンチ51内に第1の絶縁層61を形成し、第1の絶縁層61が第2の方向に沿って延伸し、第1の絶縁層61が第3のトレンチ51を満たし、例えば、第1の絶縁層61は第3のトレンチ51を満たす。
図40~
図47に示すように、基板10における第3の保護層40を除去し、基板10を露出させ、第1の絶縁層61のエアギャップ21から離れた表面は基板10と面一であり、又は、第1の絶縁層61の頂面は基板10の頂面と面一であり、それにより第1の絶縁層61と基板10は平坦な表面を形成させ、他の構造の製造に役立つ。
【0057】
第1の絶縁層61の材質と第2の保護層50の材質が異なり、第1の絶縁層61の材質と第1の保護層30の材質も異なり、それにより後続に第2の保護層50又は第1の保護層30を単独で除去することができる。例示的に、第1の絶縁層61の材質は窒化シリコンであってもよく、第1の保護層30及び/又は第2の保護層50の材質は酸化シリコンであってもよい。
【0058】
ステップbにおいて、基板に垂直する方向に沿って第1の保護層及び第2の保護層を所定の深さまで除去し、充填スペースを形成し、充填スペースが活性領域の側面を露出させる。
【0059】
図48~
図59を参照し、エッチングプロセスにより一部の第1の保護層30及び一部の第2の保護層50を除去することにより、基板10に垂直する方向に沿って一部の第1の保護層30及び第2の保護層50を除去し、基板10に所定の深さを有する窪みを形成し、窪みは充填スペース72を含み、充填スペース72において活性領域の側面を露出させる。具体的には、充填スペース72に少なくとも一部のチャネル領域が露出される。
【0060】
1つの可能な実施例において、
図48~
図59に示すように、基板10に垂直する方向に沿って第1の保護層30及び第2の保護層50を所定の深さまで除去し、充填スペース72を形成し、充填スペース72が活性領域13の側面を露出させるステップは、
第2の保護層50及び第1の保護層30を初期深さまでエッチングし、充填チャネル71を形成するステップを含む。
図48~
図51を参照すると、基板10に垂直する方向に沿って第1の保護層30及び第2の保護層50をエッチングし、初期深さを有する充填チャネル71を形成し、ソース領域及びドレイン領域のうちの上方に位置する方が充填チャネル71に対向する。充填チャネル71の数は複数であり、複数の充填チャネル71は第1の絶縁層61により隔てられる。
【0061】
充填チャネル71を形成した後、充填チャネル71に第2の絶縁層62を堆積し、第2の絶縁層62は基板10と第1の絶縁層61との間に位置する充填チャネル71を満たす。
図52~
図55を参照し、充填チャネル71内に第2の絶縁層62を堆積し、第2の絶縁層62は基板10と第1の絶縁層61との間に位置する充填チャネル71を満たす。具体的に、充填チャネル71の側壁に第2の絶縁層62を形成し、第2の絶縁層62は活性領域と第1の絶縁層61との間に位置する充填チャネル71を閉塞する。第2の絶縁層62を形成した後、充填チャネル71は間隔を置いて設けられた複数の開口に仕切られる。
【0062】
第1の絶縁層61を堆積した後、残りの第1の保護層30及び第2の保護層50を所定の深さまでエッチングし、充填スペース72を形成する。
図56~
図59を参照し、残りの充填チャネル71により第1の保護層30及び第2の保護層50を所定の深さまでエッチングし続け、残りの一部の第1の保護層30及び第2の保護層50を除去した後に充填スペース72を形成し、充填スペース72は充填チャネル71の下方に位置しかつ充填チャネル71に連通する。
【0063】
ステップcにおいて、充填スペース内にゲート構造を形成し、ゲート構造が第2の方向に沿って延伸し、かつ活性領域を取り囲む。
【0064】
例示的に、
図60~67を参照し、充填スペース72内にゲート構造80を形成し、ゲート構造80が第2の方向に沿って延伸し、かつ活性領域を取り囲むステップは、
充填スペース72の内面には、酸化物層81を形成するステップを含む。
図56~
図63を参照し、充填スペース72の内面に酸化物層81が堆積され、酸化物層81は活性領域の露出した外周面、第1の絶縁層61の一部の側面及び第2の絶縁層62の底面をカバーする。活性領域の外周面に周設された酸化物層81は縦型トランジスタのゲート酸化層を形成し、酸化物層81は酸化シリコン層であってもよい。
【0065】
さらに酸化物層81を形成した後の充填スペース72内に導電層82を形成し、導電層82は少なくとも一部のチャネル領域に対向する。
図60~
図63を参照すると、充填スペース72内に導電層82を堆積してエッチバックし、導電層82は少なくとも一部の充填スペース72を充填する。酸化物層81及び導電層82はゲート構造80を形成し、ゲート構造80は第2の方向に沿って延伸しかつ活性領域を取り囲み、ゲート構造80はワード線83の中に形成され、つまりゲート構造80はワード線83の一部である。
【0066】
説明すべきものとして、充填スペース72内にゲート構造80を形成し、ゲート構造80が第2の方向に沿って延伸し、かつ活性領域を取り囲むステップの後に、ゲート構造80に第3の絶縁層63を堆積し、第3の絶縁層63がゲート構造80をカバーし、かつ残りの充填チャネル71を満たすステップをさらに含む。
【0067】
図64~
図67を参照し、残りの充填チャネル71内に第3の絶縁層63を堆積し、第3の絶縁層63は充填チャネル71を満たす。第3の絶縁層63によりゲート構造80をカバーすることにより、ゲート構造80を絶縁させる。第3の絶縁層63、第2の絶縁層62及び第1の絶縁層61の材質は同じであってもよく、これらの3者を一体に形成させ、これによりゲート構造80を電気的に分離させる。
図68及び
図69を参照し、第3の絶縁層63を形成した後、基板10にさらに接続点91及びコンデンサ92を形成し、接続点91により縦型トランジスタとコンデンサ92を電気的に接続する。
【0068】
図2、及び
図64~
図67を参照し、本開示の実施例はさらに半導体構造を提供し、前記半導体構造は基板10を含み、基板10はシリコンを含有する基板であってもよく、例えば、シリコン基板、シリコンゲルマニウム基板又は絶縁体上シリコン基板などである。基板10内に間隔を置いて設けられた複数のビット線52が形成され、ビット線52は第1の方向に沿って延伸し、隣接する2本のビット線52の間に第1のトレンチが形成され、つまり第1のトレンチも第1の方向に沿って延伸する。
図2に示すように、第1の方向はY方向であり、ビット線52の材質は金属シリサイド、例えばコバルトシリサイド、タングステンシリサイド、チタンシリサイド、白金シリサイド又はニッケルシリサイド等を含み、それによりビット線52の抵抗を低減させる。
【0069】
各ビット線52に少なくとも1つの活性領域13が設けられ、活性領域13は順に積層して設けられたソース領域、チャネル領域及びドレイン領域を含み、つまりソース領域、チャネル領域及びドレイン領域が垂直に配置される。ソース領域及びドレイン領域のうちの1つはビット線52に電気的に接続され、例えば、ソース領域はチャネル領域の上方に位置し、ドレイン領域はチャネル領域の下方に位置し、ドレイン領域はビット線52に電気的に接続される。
【0070】
第1のトレンチ内には保護層(第1の保護層30及び第2の保護層50を含む)が設けられ、保護層と第1のトレンチの溝底との間にエアギャップ21が形成され、ビット線52の側面部分がエアギャップ21内に露出される。
図66に示すように、ビット線52の側面の下部がエアギャップ21内に露出され、ビット線52の側面の上部は保護層に接触する。
【0071】
保護層はさらに隣接する活性領域の間に充填され、
図66に示すように、保護層の頂面はビット線52の頂面より高く、ここで、頂面は第1のトレンチの溝底から離れた表面を指す。保護層に間隔を置いて設けられた複数の第1の絶縁層61が設けられ、第1の絶縁層61は第2の方向(
図2に示すX方向)に沿って延伸する。第2の方向に位置する活性領域13は1行を形成し、隣接する2行の活性領域13の間には第1の絶縁層61が設けられ、かつ第1の絶縁層61と活性領域13との間に間隔がある。第1の絶縁層61は隣接する2行の活性領域13を仕切ることにより、第2の方向に沿った1行の活性領域13を1つのゲート構造80に接続させる。
【0072】
ゲート構造80は第1の絶縁層61と活性領域13との間に設けられ、ゲート構造80は第2の方向に沿って延伸し、かつ活性領域13を取り囲み、ゲート構造80は少なくとも一部のチャネル領域に対向する。ゲート構造80は酸化物層及び導電層82を含み、酸化物層は導電層82の外面をカバーし、
図66に示すように、導電層82の側面、底面及び一部の頂面には酸化物層81がカバーされる。
【0073】
ゲート構造80にはさらに第2の絶縁層62及び第3の絶縁層63がカバーされ、
図66に示すように、第2の絶縁層62はゲート構造80のエッジ領域に対向し、第3の絶縁層63はゲート構造80の中間領域に対向し、第2の絶縁層62及び第3の絶縁層63は一つの全体の層を形成し、それによりゲート構造80をカバーする。第1の絶縁層61、第2の絶縁層62及び第3の絶縁層63の材質は同じであってもよく、例えば窒化シリコンであってもよく、これらの3者を一体に形成させ、ゲート構造80を電気的に絶縁させる。
【0074】
図68及び
図69を参照し、活性領域13には接続点91がさらに設けられ、接続点91にコンデンサ92が設けられ、コンデンサ92が接続点91を介して活性領域13に電気的に接続される。ソース領域及びドレイン領域のうちの1つは接続点91に接触し、例えば、ソース領域は接続
点91に接触する。接続点91は多結晶シリコンであってもよく、コンデンサ92はデータ情報を記憶するために用いられる。
【0075】
本開示の実施例における半導体構造において、ビット線52が第1の方向に沿って延伸し、かつ隣接する2本のビット線52の間に第1のトレンチ11が形成され、第1のトレンチ11内に保護層が設けられ、保護層と第1のトレンチ11の溝底との間にエアギャップ21が形成され、ビット線52の側面部分がエアギャップ21内に保留され、空気の誘電率が約1である特性を利用することにより、ビット線52の間に位置する構造の誘電率を低減させ、それにより半導体構造の寄生容量92を低減し、半導体構造の作業効率を向上させる。
【0076】
本明細書における各実施例又は実施形態は漸進の方式を採用して説明し、各実施例が重点的に説明することはいずれも他の実施例との相違点であり、各実施例の間の同じ又は類似する部分は互いに参照すればよい。本明細書の説明において、参照用語「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示的な実施形態」、「例示」、「具体的な例示」、又は「いくつかの例示」などの説明は実施形態又は例示を結合して説明した具体的な特徴、構造、材料又は特徴が本開示の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。
【0077】
本明細書において、上記用語への概略的な記述は必ずしも同じ実施形態又は例示を指すとは限らない。かつ、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特点は任意の1つ又は複数の実施形態又は例示において適切な方式で結合することができる。最後に説明すべきことは、以上の各実施例は本開示の技術案を説明するだけであり、それを限定するものではない。前述の各実施例を参照して本開示を詳細に説明したが、当業者であれば理解すべきことは、それは依然として前述の各実施例に記載の技術案を修正するか、又はそのうちの一部又は全ての技術的特徴に対して同等置換を行うことができる。これらの修正又は置換は、対応する技術案の本質を本開示の各実施例の技術案の範囲から逸脱させない。
【0078】
本開示は2021年08月30に中国特許局に提出された、出願番号が202111007675.5であり、出願の名称が「半導体構造及び当該半導体構造の製造方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用により本願に組み込まれる。