(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】メッセージカード
(51)【国際特許分類】
B42D 15/02 20060101AFI20240403BHJP
B42D 15/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
B42D15/02 511A
B42D15/00 341B
(21)【出願番号】P 2023161754
(22)【出願日】2023-09-05
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】522259968
【氏名又は名称】後藤 善一
(72)【発明者】
【氏名】後藤 善一
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3231375(JP,U)
【文献】実公昭5-5736(JP,Y1)
【文献】登録実用新案第3007197(JP,U)
【文献】特開平11-89692(JP,A)
【文献】特開昭50-41628(JP,A)
【文献】実開昭63-125567(JP,U)
【文献】特開2000-25165(JP,A)
【文献】特開2000-281853(JP,A)
【文献】特開2010-286806(JP,A)
【文献】特表平9-502815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00-25/485
(57)【特許請求の範囲】
【請求項4】
前記第一の外表面保護材の少なくとも一部を被うマスキング部材を備えることを特徴とする請求項1記載のメッセージカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結婚式や夫婦の記念日、親子の記念日、大会や式典などにて贈るメッセージカードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的にメッセージカードはプレゼントや記念品に添えたり、単体で贈られたりする。このようなメッセージカードは、贈る人達の気持ちを受け取る人に伝えるものとして使用される。
従来から特開平11-011053号公報に記載のように、贈り物等に添えるメッセージカードを想い出として大切に保管してもらうことができる、実用に即したメッセージカードなどがある事が知られている。また実用新案登録第3231375号(U3231375)公報に記載のように記入したメッセージの劣化を防ぎ、保存や保護をする事ができるメッセージカードが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-011053号公報
【文献】実用新案登録第3231375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、贈られたメッセージカードを受け取った人は贈った人への感謝の気持ちを常に感じたい為に自分の身近に置いておきたい。その為持ち歩いたり常に目のつく所に置いたりするが、持ち歩くとメッセージカードが傷んだり、他人に見られたりするおそれがある。又は持ち歩かずに常に目のつく所に保管すると他人に見られたりするため、目のつかない場所に保管する場合もあり、長い時間保管しておくとメッセージカードの存在が薄れていき最初にもらった時の想いを継続するのが難しくなる。特許文献1に開示されたメッセージカードは持ち歩いたり長く保管するとメッセージカードに記載されたメッセージが傷んだり、メッセージや写真が貼り付き剥がれたりする問題がある。また特許文献2に開示されたメッセージカードは長時間保管したり常に持ち歩いたりすると透明保護フィルム部分が傷ついたり、接する物に貼りついて剥がれたりするという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、請求項1に示すメッセージカードは、メッセージカードの少なくとも一方の面上にメッセージ記載部を備え、当該メッセージ記載部を覆う第一の外表面保護材と当該一方の面上のメッセージ記載部以外を覆う第二の外表面保護材を備え、上記第一の外表面保護材は第二の外表面保護材より非粘着性が高い事を特徴とする。
【0006】
請求項2に示すメッセージカードは、前記メッセージ記載部が、当該メッセージ記載部に形成される文字及び/又は図柄を構成する膜の厚み以上くぼんで構成されることを特徴とする。
【0007】
請求項3に示すメッセージカードは、前記第一の外表面保護材が前記第二の外表面保護材に対して面一又はくぼんで構成される事を特徴とする。
【0008】
請求項4に示すメッセージカードは、前記第一の外表面保護材の少なくとも一部を被うマスキング部材を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記本発明に係るメッセージカードは、上記のような構成を採用する事により、メッセージ記載部の非粘着性を確保しつつ、メッセージカードが接触する物品の表面で滑ったり擦れたりすることによる損傷の発生を抑制する事ができる。故にメッセージ記載部を備えた面が物品に接した状態で保管される場合であっても、第二の外表面保護材より非粘着性が高い第一の外表面保護材で覆われているメッセージ記載部は、接触している物品に貼りついたりせずにメッセージ記載部以外の第二の外表面保護材により滑ったり擦れたりすることなく保管できるようになる。メッセージカードを自分の身近に置いておく為に、携帯用物品収納具である財布、鞄、小物入れ、名刺入れ又は手帳などと一緒に持ち歩いたり、他人に見られないようにメッセージ記載部を隠し被う為に他の物品と常に接触した状態であっても、第一の外表面保護材で覆われたメッセージを記入及び/又は印刷した時の文字及び/又は図柄を構成する膜が、接触した物に貼りついて剥がれたり傷ついたりする事なく保護する事ができるようになり、メッセージカードに込められた想いも長く持ち続ける事ができる。又常に目のつく所に置いておく為に、他人に見られないようにメッセージ記載部をトロフィー、楯、賞状や証明書などの額縁、時計などの物品に常に接触した状態で保管しても大丈夫になり、メッセージカードの存在を常に意識させることで、込められた想いも長く持ち続ける事ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第一の実施例に係るメッセージカードの構成を示す図である。
【
図2】第二の実施例に係るメッセージカードの構成を示す図である。
【
図3】本発明に係るメッセージカードを財布に2枚取り付けた一例を示す斜視図である。
【
図4】本発明に係るマスキング部材を備えたメッセージカードを財布に2枚取り付けた構成を示す図である。
【
図5】本発明に係るメッセージカードを鞄に2枚取り付けた一例を示す斜視図である。
【
図6】本発明に係るメッセージカードをトロフィーに取り付けた一例を示す斜視図である。
【
図7】本発明に係るメッセージカードの一例を示す図である。
【
図8】本発明に係るメッセージカードの他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第一の実施例に係るメッセージカード1について
図1を用いて説明する。(b)はメッセージカード本体6にメッセージ記載部95とメッセージ記載部以外の周辺部(以下周辺部という)92を備えた一方の面(以下面Aという)を表す図であり、(a)はメッセージカード本体6に面Aの反対側の一方の面(以下面Bという)に図柄意匠40を備えた状態を表す図であり、(c)はメッセージカード本体6をZ-Z′で切断した断面図を拡大したものを表す図である。
【0012】
図1はメッセージカード1の構成を示したもので、メッセージカード本体6にメッセージ記載部95と周辺部92を面Aに備え、メッセージ記載部95をD′の膜厚の第一の外表面保護材95aで覆い、周辺部92をE′の膜厚の第二の外表面保護材92aで覆ったものである。
【0013】
(c)に表す図において、面Aのメッセージ記載部95に施した文字41を覆う第一の外表面保護材95aの厚みd′はD′>d′になり、周辺部92に施した図柄42を覆う第二の外表面保護材92aの厚みe′はE′>e′になり、文字41や図柄42は第一の外表面保護材95aと第二の外表面保護材92aから突起することなく施してある。又面Bに施した図柄意匠40も周辺部92と同じ第二の外表面保護材92aにて覆っている物を示しているが、周辺部92とは異なる保護材で覆ってもよく、保護材で覆わなくてもよい。
【0014】
メッセージカード1のメッセージ記載部95に施すメッセージの文字41は手書き又は印刷でもよく、メッセージ記載部95には文字41だけではなく図柄も記載してもよい。上記文字及び図柄にはインク、塗料、顔料などやカッティングシート(接着剤付き塩化ビニールシート)等が用いられ、それぞれが構成する膜を第一の外表面保護材95aにて覆い保護する。
【0015】
メッセージカード1の周辺部92に施す図柄42は手書き又は印刷でもよく、周辺部92には図柄だけではなく文字も記載してもよい。上記図柄及び文字にはインク、塗料、顔料などやカッティングシート(接着剤付き塩化ビニールシート)等が用いられ、それぞれが構成する膜を第二の外表面保護材92aにて覆い保護する。
【0016】
メッセージカード本体6の平面視形状は、本実施例における平面視長方形状に限る物ではなく、多角形状、円形状、ハート形状等の任意の形状で形成されても良い。材質も金属、樹脂板、セラミック板、紙、木板、革など板状の物であれば使用する事ができる。
【0017】
図1においてE′=D′であるがE′>D′であってもよい。つまり第一の外表面保護材95aの表面と第二の外表面保護材92aの表面は面一であってもよく、前者が後者に対してくぼんでいてもよい。
【0018】
第一の外表面保護材95aと第二の外表面保護材92aは一般的に塗料を使用するが、第二の外表面保護材92aは粘着剤や接着剤であってもよく、第一の外表面保護材95aは第二の外表面保護材92aより非粘着性が高い物を使用する。
【0019】
周辺部92に施される図柄42や面Bの図柄意匠40は場合により施されなくてもよい。
【0020】
第一の外表面保護材95aは、第二の外表面保護材92aより非粘着性が高い任意の公知の材料を適宜選択し用いる。例えば非粘着性が高い材料として以下の物が知られている。
▲1▼ アクリルシリコーン(silicone)合成樹脂やフッ素合成樹脂
▲2▼ ガラスビーズ・骨材などの粉粒物入りの塗料(一様な凸凹面を形成)
▲3▼ 熱可塑性樹脂を主剤とし、易剥離性被膜を形成するもの
▲4▼ ▲1▼▲2▼の組成からなるシート
これらは撥水性・撥油性に優れ、接触角が大きいことに加え、その分子構造からぬれにくい性質があり付着物を滑りやすくさせ、付着性の強い粘着物に対しても離型しやすく、付着しないか、または付着しにくい性質の非粘着性がある為施された箇所を貼りつかせにくくする。これらによって非粘着性を向上させてもよく、任意の公知の方法を適宜選択し、非粘着性が高い第一の外表面保護材95aとして用いる。
【0021】
第二の外表面保護材92aは第一の外表面保護材95aよりも非粘着性が低い任意の材質のものを適宜選択して用いる事ができる。アクリル合成樹脂やポリウレタン合成樹脂などが好適である。
【0022】
図1においてメッセージカード本体6に面Aと面Bを備えているが両面ともに面Aを備えても良い。
【0023】
本発明の第二の実施例に係るメッセージカード2について
図2を用いて説明する。尚、第一の実施例に係るメッセージカード1と同様の部分については詳しい説明を省略する。(b)はメッセージカード本体6にメッセージ記載部95と周辺部92を備えた面Aを示す図であり、(a)は図柄意匠40を備える面Bを示す図である。(c)はメッセージカード本体6をZ-Z′で切断した断面図を拡大したものを表す図である。
【0024】
図2のメッセージカード2の断面図(c)に示す第一の外表面保護材95aの厚みDと、文字45を覆う第一の外表面保護材95aの厚みdはD>dであり、第二の外表面保護材92aの厚みEと図柄42を覆う第二の外表面保護材92aの厚みeはE>eであり、文字45や図柄42は第一の外表面保護材95aと第二の外表面保護材92aから突起することなく施してある。またメッセージ記載部95に施す第一の外表面保護材95aの厚みDは、周辺部92の箇所を覆う第二の外表面保護材92aの厚みEより大きく、メッセージ記載部95の箇所に施された文字45を覆う第一の外表面保護材95aの厚みdは、周辺部92に施された図柄42を覆う第二の外表面保護材92aの厚みeよりも大きくてもよい。
図2(c)では第一の外表面保護材95aの表面が第二の外表面保護材92aの表面よりも僅かにくぼんだ状態を示しているが両者は面一であってもよい。
【0025】
図2はメッセージカード2の構成を示したもので、メッセージカード2のメッセージカード本体6に図柄意匠40を施した面Bとその反対側のメッセージ記載部95と周辺部92を備えた面Aにて構成される。上記メッセージ記載部95は所定の深さのくぼみにて構成され、このくぼみの深さαはメッセージ記載部95に文字45を構成する膜の膜厚以上の厚みを設けてある。この厚みは一般的にスクリーン印刷時のインキ膜厚は薄い場合は5μm、厚い場合で100μmくらいになるので本発明は100μmを基準として設けてある。ゆえに周辺部92とメッセージ記載部95には段差があり周辺部92から見てメッセージ記載部95は100μm以上くぼんでいる。故にαは100μm以上ある。これによりメッセージ記載部95に施された第一の外表面保護材95aの厚みDは、周辺部92に施された第二の外表面保護材92aの厚みEより大きい。
【0026】
メッセージ記載部95を100μm以上くぼませることによりメッセージ記載部95を第一の外表面保護材95aで覆った時の文字45を覆う膜厚dは、周辺部92を第二の外表面保護材92aで覆った時の図柄42を覆う膜厚eより大きい。
図2において文字45を覆う事ができればd>eまたはd<eでもよいが、d≧eが好ましい。
【0027】
メッセージカード2のメッセージ記載部95に施されたメッセージの文字45は、手書き又は印刷でもよく、メッセージ記載部95には文字45以外に図柄などを施してもよい。文字及び図柄にはインク、塗料、顔料やカッティングシート(接着剤付き塩化ビニールシート)等が用いられ、それぞれが構成する膜を第一の外表面保護材95aにて覆い保護する。
【0028】
メッセージ記載部95をくぼませることにより面Aに施す第一の外表面保護材95aと第二の外表面保護材92aの表面を面一に施した場合でも第二の外表面保護材92aの厚みEより第一の外表面保護材95aの厚みDを大きくする事ができ、第一の外表面保護材95aの表面を第二の外表面保護材92aの表面よりくぼんで施した場合でも、EよりDを大きくする事ができる。
【0029】
メッセージ記載部のくぼみの形成はメッセージカード本体6の材質に応じて任意の公知の方法を適宜選択して用いる事ができる。例えばメッセージ記載部のくぼみの深さαは金属や木材や樹脂板やセラミック板など一定の硬さがある物は、メッセージ記載部95の位置をマーキングしてそれに合わせて削り出していく。又メッセージ記載部95のくぼみは、メッセージ記載部95の箇所に施す第一の外表面保護材95aと、周辺部92の箇所に施す第二の外表面保護材92aとの密着や塗膜強度を増すために、周辺部92からメッセージ記載部95に向けて内側に丸く削り取る逆R加工で仕上げるのが好ましい。又革や紙など削り出しが難しい物は、メッセージ記載部95の位置を決め、その場所をメッセージ記載部95サイズの凸版でインキを使わず印圧を入れて空押し加工を行う事でくぼみの深さαを作る。メッセージカードの材質により削り出しや空押し加工または金型によるプレスなどにより、くぼみの深さαのメッセージ記載部95を作る。メッセージ記載部のくぼみの形成に際して、鋭利なエッジが形成されないように逆R加工を施してもよい。
【0030】
図2に示すようにメッセージカード2全体には、メッセージカード本体6との密着を高める下塗り密着膜90と、メッセージカード本体6の保護及び面Aや面Bに施す文字や図柄の下地になる上塗り塗膜91を施してもよい。下塗り密着膜90に上塗り塗膜91を施しその上から面Bには図柄意匠40が施され、面Aの周辺部92には図柄42が設けられている。メッセージ記載部分95には受け取る人に向けたメッセージなどの文字45が記入及び/又は印刷され、上塗り塗膜91の上に文字や図柄を施すことで素材に直接施すよりも、より文字や図柄を密着させる事ができる。上記はメッセージカード1にあてはめる事で同じ効果を奏する。
【0031】
第一の外表面保護材95a及び第二の外表面保護材92aの材質の選択については実施例1に示した内容と同様であるため省略する。
【0032】
メッセージカード2のメッセージ記載部95に深さαのくぼみを設ける事で、第二の外表面保護材92aの表面より第一の外表面保護材95aの表面をくぼませても第一の外表面保護材95aは一定の膜厚を施す事ができ、面Aを
図3に示すように積極的に物品の表面形状を構成する面に合わせるように取り付けた場合、第一の外表面保護材95aは直接的な接触がより少なくなるので上記箇所はより貼りつきにくくなり塗膜の剥離を防ぎ文字45を保護する事ができる。
【0033】
図2では下塗り密着膜90、上塗り塗膜91の両者が形成された場合を図示しているが、メッセージカード2の下塗り密着膜90や上塗り塗膜91を施さなくてもよいし、下塗り密着膜90か上塗り塗膜91どちらか一方施す場合でもよく、
図1のメッセージカード1についても同様である。
【0034】
本発明に係るメッセージカードを取り付けた財布50の一例を、
図3を用いて説明する。
図3は財布50にメッセージカードを2枚取り付けた状態を示す。なお
図3ではメッセージカード1,2を各1枚取り付けた状態を示しているがメッセージカード1のみ2枚やメッセージカード2のみ2枚でも同じ効果を奏する。メッセージカード1,2はそれぞれ図柄意匠40を施した面Bを外側に向け、メッセージ記載部95を備えた面Aを、財布50に合わせるように金具30にて取り付ける。又取り付けるメッセージカードの枚数は取り付ける物品や状況により変わる。
【0035】
第二の外表面保護材92aとして、非粘着性が低い塗料を用い、メッセージカード1、2の面Aを他の物品に触れた状態で保管する場合は、周辺部92の箇所に施された非粘着性が低い第二の外表面保護材92aが接触する事により、滑りにくく傷がつきにくい。又メッセージ記載部95に施した第一の外表面保護材95aは物品の表面形状に対しての摩擦力が弱くなり貼りつきにくい為、施された文字41を覆う事で文字41を構成する膜の剥離を防ぐ。又メッセージカード1、2を
図3に示す財布などの物品に積極的に面Aを合わせるように取り付けた場合は、さらに周辺部92に施された第二の外表面保護材92aが密着する事により、メッセージ記載部95の箇所が紫外線や赤外線が直接当たる影響や、外部からの異物や水分の侵入による直接の影響などが少なくなる事で劣化しにくくなり、より確実に保護する事ができる。第二の外表面保護92aに使用される非粘着性が低い塗料は使用条件により樹脂の分解や塗膜の軟化が起こる事で貼りつく場合があり、非粘着性が低い粘着剤や接着剤を用いた場合は接触した場所により貼りつくためメッセージ記載部95に施された非粘着性が高い第一の外表面保護材95aは外部からの直接の影響がさらに少なくなり、施された文字41を構成する膜の剥離を防ぎ、より確実に保護する事ができ高い効果を奏する。
【0036】
図3には財布に取り付けた一例を示しているが、このようにメッセージカードを積極的に取り付ける物品は、メッセージカードを取り付け可能である限りにおいて特に制限されず、面Bを外側に向け取り付ける事により、面Aに施されたメッセージを他人から見られることなく携帯可能な物品に取り付ける事で、メッセージカードの想いも持ち歩く事ができる。また携帯用物品収納具などの財布、鞄、小物入れ、名刺入れ、又は手帳などに取り付ける事により、想いのこもった道具として使用する事ができ、既存の物に取り付ける事で使用する人にとって特別な意味のある物にする事ができる。また普段は家などに飾ったりする物品に取り付ける事で、目のつくところに置いておく事が可能になり、メッセージカードの存在を忘れることなく保持する事ができる。
【0037】
メッセージカード1,2には取り付け穴がそれぞれ6個設けてあり、取り付け穴14と財布50の取り付け穴14bを金具30にて貫通し固定させ、その他の取り付け穴も同じように金具30にて貫通し固定させ、メッセージカード1,2の面Aを財布50に合わせるように取り付けてある。金具30は金具以外にボルトとナットや樹脂部材やひも状の物でも、それぞれ違う形や違う素材のものでも固定する事ができれば使用する事が可能になり、取り付ける事ができる。金具だけではなく周辺部92に施された第二の外表面保護材92aによってより密着し保持される。またこれらで取り付ける事により簡単に中身の内容を見る事ができず、外見上その携帯用物品収納具の持つ意味が分からないため日常使いしやすい。又、メッセージカード1,2の面Aが財布50と向かい合うように取り付けられる事により、メッセージ記載部95の箇所を紫外線や赤外線が直接当たる影響や、外部からの異物や水分の侵入による直接の影響などが少なくなる事で劣化しにくくなりより保護する事ができ、贈られた時のメッセージをそのまま保持する事で、受け取る人にとって想いがずっと続く大切なものになり、長く持ち続けるものになる。
【0038】
財布50にメッセージカード1,2の面Aを合わせるように取り付ける事で,メッセージ記載部95に施されたメッセージなどの文字45が隠れ、他の人から見えなくなりプライバシーが守られる。図柄意匠40を施した面Bが外から見える事で、ユーザーや販売店の好みに応じた携帯用物品収納具にすることができ、日常使いがしやすくなる。この図柄意匠40は取り付ける財布50の形や財布50を贈る人や受け取る人などの好み、または作り手の意図によりデザインされ、取り付けるメッセージカード1,2で違う図柄意匠40でもよい。
【0039】
図4は
図3に対してマスキング部材をさらに有するメッセージカードを財布50に取り付けた状態を
図4にて示す。
図4は財布50にマスキング部材4,5を備えたメッセージカード1,2の取り付け方を示した図である。板状のマスキング部材をマスキング部材5とし、中に封入する事の出来る密閉袋状のマスキング部材をマスキング部材4として説明する。
図4に示すようにマスキング部材は密閉袋状のものであってもよく、メッセージカード1,2のメッセージ記載部95を被う板状のものであってもよい。
【0040】
マスキング部材4,5はメッセージ記載部95を被う事ができる物なら金属板、紙板、樹脂板、革板、布、木板、ゴム板などが使え、袋状の密閉袋なども使用する事ができる。密閉袋としてビニール、樹脂、金属、紙などの素材を使用する事ができる。又中に封入する事の出来るものなら袋状の物以外に箱状の物も使用する事ができる。
【0041】
図4に示すメッセージカード2の面A部分のメッセージ記載部95の箇所に施された第一の外表面保護材95a部分を、マスキング部材5にて被い、周辺部92の箇所に施された第二の外表面保護材92aに密着させ備える事で、第一の外表面保護材95aを保護し、上記面は貼りつかずに施された文字45を構成する膜を剥離から守り、メッセージ記載部95の箇所をより効果的に保護する事ができる。メッセージカード1の場合も同様であり密閉袋状のマスキング部材4の場合も同じ効果を奏する。
【0042】
財布50にメッセージカード1とマスキング部材4にそれぞれ施された取り付け穴14、14aと財布50の取り付け穴14bを金具30にて貫通し固定させ、その他の取り付け穴も同じように金具30にて貫通し固定させ、メッセージカード1とマスキング部材4を財布50に保持させる事ができる。メッセージカード2とマスキング部材5についても上記と同じ構成である。
【0043】
図4ではメッセージカード1,2の外周より小さいサイズのマスキング部材4,5にて面Aを覆っているが、マスキング部材はメッセージ記載部95の一部や面A全てを被う事もあり、マスキング部材を備える箇所やマスキング部材の大きさや形は場合により変わってもよい。又、取り付ける物品や状況によりメッセージカードの枚数が変わるためそれに応じてマスキング部材の枚数も変わる。
【0044】
図4に示す密閉袋状のマスキング部材4には写真31などの記念物品を封入した時の状態であり、マスキング部材に密閉袋を使用する事で、記念物品などを封入する事ができ、より想いのこもったメッセージカードになる。メッセージと共に記念物品も長く保持する事ができ、ある年月が経った後にメッセージカード1を取り外すことで、封入された写真31などの記念物品とメッセージを見る事ができる効果を奏する。
図4ではメッセージカード1にマスキング部材4を備え、メッセージカード2にマスキング部材5を備えた状態を示しているが、メッセージカード1,2のどちらにもマスキング部材4を備えたり、メッセージカード1にマスキング部材5を備えメッセージカード2にマスキング部材4を備えたりしても、マスキング部材4に記念物品などを封入することで上記と同じ効果を奏し、取り付ける物品の少なくとも一カ所に、マスキング部材4を備え記念物品などを封入する事で上記と同じ効果を奏する。
【0045】
メッセージカード1,2だけで保管する時も、メッセージカードの面Aにマスキング部材を備える事で、メッセージ記載部を保護しながら施されたメッセージを隠し見られることなくプライバシーを守りながら持ち歩く事ができる。又マスキング部材に密閉袋状のマスキング部材4を使い上記に写真や手紙などの記念物品を封入する事でより想いのこもったメッセージカードにする事ができる。
【0046】
メッセージカード本体6の両面に面Aを備えた場合、両面のそれぞれをマスキング部材4やマスキング部材5で被う事で、メッセージ記載部95を保護しながらプライバシーを守る事ができ、片方の面A部分をマスキング部材4又はマスキング部材5で被い反対側の面Aを物品に合わせるように取り付けて被う事でも上記と同じ効果を奏する。
【0047】
本発明に係るメッセージカード1,2を取り付けた鞄60の一例を、
図5を用いて説明する。鞄60にメッセージカード1の面Bを外側に向け取り付け、上記とは違う箇所にメッセージカード2の面Bを外側に向け取り付けた際の一例である。鞄の形や大きさが違ってもメッセージカードを取り付ける箇所さえあれば、メッセージ記載部95に記載された文字45や文字41を保護しながら取り付ける事ができ、少なくとも一つ以上のメッセージカードを上記のように取り付ける事で、鞄60をより想いのこもった物にできる。又取り付けるメッセージカードはメッセージカード1を2枚つけた場合でもメッセージカード2を2枚つけた場合でも同じ効果を奏する。メッセージカードの形や大きさなどは取り付ける鞄の形や大きさによって変わる。
【0048】
図5に示す鞄60にメッセージカードを取り付ける際、例えば鞄60とメッセージカード1,2の面Aとの間にマスキング部材4を設けて、面Bを外側に向け取り付けマスキング部材4の中に写真や手紙などの記念物品を封入する事で、より想いのこもった鞄60にする事ができる。
【0049】
本発明に係るメッセージカードを取り付けたトロフィー70の一例を、
図6を用いて説明する。トロフィー70にメッセージカード1の面Bを外側に向け取り付けた際の一例であり、メッセージカード2を取り付けた場合でも同じ効果を奏する。メッセージカードは取り付ける物品の種類や材質により金具30などで取り付けが出来ない時など、取り付け穴は設けずに、面Aの周辺部92に施す第二の外表面保護材92aが取り付ける物品に直接張り付くように非粘着性が低い接着剤や粘着剤を使って取り付ける。取り付ける物品により周辺部92に施す第二の外表面保護材92aの材料を選択する。
【0050】
図6に示すトロフィー70にはメッセージカード1が取り付けてあるが、例えばトロフィー70にメッセージカード1の面Bを外側に向け取り付け、面Aとの間にマスキング部材4を設け中に記念物品を封入する事により想いのこもったトロフィー70になり、上記メッセージカード1をメッセージカード2に変えた場合でも同じ効果を奏する。
【0051】
本発明に係るメッセージカードの一例であるメッセージカード1を、
図7を用いて説明する。(a)はメッセージカード1の面Bに図柄意匠40を設けた図であり、(b)は(a)の反対側の面Aのメッセージ記載部95に結婚証明書の文面を示す文字41と周辺部92に図柄42を施した図である。
図7においてメッセージカード1はメッセージ記載部95と周辺部92からなる面Aと、上記の反対側の図柄意匠40が施された面Bで構成される。このメッセージカード1のメッセージ記載部95には、一例である結婚証明書の文面が文字41にて構成され、前記文面の指定書き込み部分43に文字45にて日付とサインを施し、周辺部92には図柄42が施されている。前記文字41の内容により感謝状や証明書などにでき、贈る人が受け取る人にとって好ましいと思う文面を選択する事により、贈る人や受け取る人にとっての意味が変化する為色々なシーンでの使い方ができ、贈答品や記念品などの物品に積極的に取り付けた場合も、色々なシーンでの使い方ができる。メッセージカード2に上記を当てはめても同じ効果を奏する。
【0052】
メッセージカード1において
図3,4に示した財布50や
図5に示した鞄60などの物品に取り付ける為の取り付け穴が6カ所開けられており、開けられている位置はメッセージカード1の長手面の上部と下部に均等に3個ずつ設けてあるが、取り付けるメッセージカードの形や大きさ、取り付ける物品の大きさとバランスを見て穴の個数と穴の大きさ及び位置を決める。又は取り付ける物品により
図6に示したトロフィー70のように取り付け穴を設けずに取り付ける事もあり、メッセージカード2にもあてはまる。
【0053】
本発明に係るメッセージカードの一例であるメッセージカード1を、
図8を用いて説明する。(a)はメッセージカード1の面Bに図柄意匠40を設けた図であり、(b)は(a)の反対側の面Aのメッセージ記載部95に文字45によるメッセージを施し、周辺部92に図柄42を設けた図である。メッセージカード1は図柄意匠40が施された面Bと上記の反対側のメッセージ記載部95と周辺部92の面Aにて構成される。メッセージカード1のメッセージ記載部95には書き込みができる箇所を設け、周辺部92には図柄42が施されている。メッセージカード1のメッセージ記載部95に一例のメッセージの文字45を施したもので、自由に文字や図柄などで表した気持ちを贈る人が書き込みを行うが、場合によっては受け取る人が書き込みを行ったり両方が書き込んだりする事もあり、また場合によって印刷する事もある。上記はメッセージカード2にもあてはまる。
【0054】
メッセージカード1,2に用いられる第二の外表面保護材92aは、
図3,5,6に示した財布、鞄、トロフィーなどに取り付けて使用する際は、後にメッセージカード1,2を取り外すことを考慮してメッセージカード1,2や取り付けた財布、鞄、トロフィーなどの素材がなるべく傷つかない材料を選択し、
図4に示した財布の場合もメッセージカード1,2とマスキング部材4,5を取り外すことを考慮して材料を選択する。第二の外表面保護材92aはメッセージカード1,2の材質や取り付ける相手の材質に応じて選択し、保管する時の環境や状態によって適切な物を選択する。取り付ける物品に応じて第二の外表面保護材92aの材料を任意の公知の方法を適宜選択して用いる事で、メッセージカードを取り付ける物品に保持させる。メッセージカード1,2を取り付ける際、金具などで取り付ける事ができない物には、第二の外表面保護材92aに非粘着性が低い粘着剤や接着剤を用いて保持させ、金具を用いて取り付けできる物はより確実に密着させ保持させる事ができる。又メッセージカード1,2単体で保管する場合やメッセージカード1,2にマスキング材4,5を有する場合も非粘着性が低い第二の外表面保護材92aの材料を任意の公知の方法を適宜選択して用いる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明により、各種記念日のプレゼントや各種イベント等の記念品などと一緒に渡される事が多いメッセージカードを、携帯用物品収納具に取り付けた場合には、プライバシーを守りながら持ち歩く事ができ、外見上その物品の持つ意味が分からないため、日常使いしやすい。持ち歩く事のない物品に取り付けた場合には、プライバシーを守りながら目のつくところに置いておくことができる為、常にメッセージカードの存在を意識させ上記物品をより想いのこもったものにする事ができ、メッセージカードも長く持ち続ける事が可能になる。贈る人が伝えたい想いを当てはめて製作することで、取り付けた物品を受け取る人にとってより想いのこもったものに変える事で、古くなっても捨てられずに大切に持ち続ける事で、受け取った人にとってお守りのような品物にできる。既存の物品に本発明を当てはめることにより、より想いのこもったものに変える為、古くなっても大切に使用する事ができる。また時間が経ってメッセージカードに書かれたメッセージなどを見る為にメッセージカードを外す際に、メッセージ部分が張り付いて塗膜ごと剥離する事を防ぎ、保護する事ができる為、想い出をそのまま保存し見る事ができる。またメッセージカードに施す文面が結婚証明書や感謝状などのときは、式場などでの贈答品や記念品として、御朱印などを施した場合は、神社や仏閣などの贈答品や記念品としても使用でき、その為メッセージカードの様式を変えて渡される物品に取り付ける事により、多くの場所で記念品や贈答品としても使用する事ができる。またメッセージカードだけ保管する際も、メッセージ記載部分を被うマスキング部材により、メッセージ記載部分を保護しながらプライバシーを守る事ができ、マスキング部材に密閉袋を使用した際は、封入する物品を変える事で、神社や仏閣などの贈答品や記念品としても使用する事ができ、式場などでもより想いのこもった贈答品や記念品として使用する事が可能になる。また、施されたメッセージの内容や、密閉袋に封入する記念物品などを秘密にすることにより、受け取る人にメッセージカードをより意識させ、時間が経ってメッセージカードに施されたメッセージや封入された記念物品を見た時に、より深く想いを伝える事ができ、受け取った日を再確認させる事ができる為、気持ちを切り替えるきっかけを作る事ができ、メッセージカードは受け取る人にとってのお守りのような存在になり、タイムカプセルのような使い方もできるようになる。
【符号の説明】
【0056】
1 メッセージカード
2 メッセージカード
6 メッセージカード本体
4 中に封入する事の出来る密閉袋状のマスキング部材
5 板状のマスキング部材
11~16 取り付け穴
21~26 取り付け穴
14a、14b 取り付け穴
30 金具
31 写真
40 図柄意匠
41 文字
42 図柄
43 指定書き込み部分
45 文字
50 財布
60 鞄
70 トロフィー
90 下塗り密着膜
91 上塗り塗膜
92 周辺部
95 メッセージ記載部
92a 第二の外表面保護材
95a 第一の外表面保護材
98 第一の外表面保護材と第二の外表面保護材の境目
α くぼみの深さ
E′ 第二の外表面保護材の厚み
D′ 第一の外表面保護材の厚み
e′ 図柄を覆った第二の外表面保護材の厚み
d′ 文字を覆った第一の外表面保護材の厚み
E 第二の外表面保護材の厚み
D 第一の外表面保護材の厚み
e 図柄を覆った第二の外表面保護材の厚み
d 文字を覆った第一の外表面保護材の厚み
【要約】
【課題】各種記念日のプレゼントや各種イベント等の記念品などに一緒に添えて贈られるメッセージカードだが、持ち歩くとなくしたり、劣化したり、プライバシーが守れずメッセージを見られたりする。又家などに置いておく場合も存在を忘れてなくしてしまい、贈られた時の想いを長く持ち続ける事ができないという問題があった。
【解決手段】メッセージカードの少なくとも一方の面上にメッセージ記載部を備え、当該メッセージ記載部を覆う第一の外表面保護材と当該一方の面上のメッセージ記載部以外を覆う第二の外表面保護材を備え、上記第一の外表面保護材は第二の外表面保護材より非粘着性が高い事を特徴とするメッセージカード。
【選択図】
図1