(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】表示機能付き電気機器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
A47J27/00 103R
(21)【出願番号】P 2020119795
(22)【出願日】2020-07-13
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】津上 結
(72)【発明者】
【氏名】藤原 武志
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-005738(JP,A)
【文献】特開2012-223370(JP,A)
【文献】特開昭64-058215(JP,A)
【文献】特開2015-213655(JP,A)
【文献】特開平06-339429(JP,A)
【文献】国際公開第2004/043115(WO,A1)
【文献】中国実用新案第208692905(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00-27/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、
前記表示装置の表示面側に配置されるカバー部と、
配線材を介して前記表示装置に接続され
、前記表示装置を制御する制御基板と、を備え、
前記表示装置
を密閉する
空間を前記カバー部と共に形成する密閉部材をさらに備え
、
前記制御基板は、前記空間の外側に位置している
表示機能付き電気機器。
【請求項2】
前記密閉部材は、前記表示装置を載置する載置部材と、前記載置部材と前記カバー部との間に挟まれる第1シール部材とを有し、
前記載置部材には、通し穴が形成されており、
前記配線材は、前記載置部材の前記通し穴を通して前記制御基板まで至り、
前記通し穴に前記配線材が通された状態で前記通し穴を塞ぐ閉塞部材をさらに備える
請求項1に記載の表示機能付き電気機器。
【請求項3】
前記載置部材は、開口を有する収容部材であって、前記表示装置の表示面が前記開口側を向くようにして前記表示装置を載置し、
前記第1シール部材は、前記開口を形成する縁部と前記カバー部との間に挟まれる
請求項2に記載の表示機能付き電気機器。
【請求項4】
前記配線材を挟みこむ第2シール部材をさらに備え、
前記閉塞部材は、前記第2シール部材と共に前記通し穴を塞ぐ
請求項2または3に記載の表示機能付き電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示機能を有する電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従前の表示機能付き電気機器(例えば、炊飯器等)には、制御基板に表示部を搭載したものがある(例えば、特開2016-168197号公報等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような電気機器ではその設置環境に応じて表示部が結露する場合があった。本発明の課題は、表示機能を有する電気機器において表示部が結露することを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る表示機能付き電気機器は、
表示装置と、
前記表示装置の表示面側に配置されるカバー部と、
配線材を介して前記表示装置に接続され、前記表示装置を制御する制御基板と、を備え、
前記表示装置を密閉する空間を前記カバー部と共に形成する密閉部材をさらに備え、
前記制御基板は、前記空間の外側に位置している。
【0006】
上記構成によれば密閉部材を用いて表示装置を密閉することができる。このため、製造時に密閉空間内を十分に除湿することによって、その後、表示部が結露することを抑制することができる。また、ここでは、表示装置および制御基板の両方を密閉する場合に比べて密閉部材を小さくしてその密閉空間を小さくすることができる。このため、表示装置および制御基板の両方を密閉する場合に比べて、密閉空間を比較的速やかに除湿することができると共にその密閉空間に投入する乾燥剤の量を少なくすることができる。
【0007】
本発明では、
前記密閉部材は、前記表示装置を載置する載置部材と、前記載置部材と前記カバー部との間に挟まれる第1シール部材とを有し、
前記載置部材には、通し穴が形成されており、
前記配線材は、前記載置部材の前記通し穴を通して前記制御基板まで至り、
前記通し穴に前記配線材が通された状態で前記通し穴を塞ぐ閉塞部材をさらに備えると好適である。
【0008】
上記構成によれば、組立時に載置部材から配線材を引き出しやすくなり、延いては作業効率の向上を見込むことができる。
【0009】
本発明では、
前記載置部材は、開口を有する収容部材であって、前記表示装置の表示面が前記開口側を向くようにして前記表示装置を載置し、
前記第1シール部材は、前記開口を形成する縁部と前記カバー部との間に挟まれると好適である。
【0010】
上記構成によれば、カバー部のみを介して表示装置を視認することができ、視認者が表示装置を視認しやすくなる。
【0011】
本発明では、
前記配線材を挟みこむ第2シール部材をさらに備え、
前記閉塞部材は、前記第2シール部材と共に前記通し穴を塞ぐと好適である。
【0012】
上記構成によれば、密閉空間への湿気の流入を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態に係る炊飯器の外観斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る炊飯器の平面図である。
【
図4】
図2のB-B断面図である。なお、蒸気処理ユニットおよび上側外装体より下側の部材等の描写が省略されている。
【
図7】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する表示装置載置部材の斜視図である。
【
図8】
図4および
図5に示されるフレキシブルプリント基板、閉塞部材、貫通口シール部材および接続コネクタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<本発明の実施の形態に係る炊飯器の構造>
本発明の実施の形態に係る炊飯器100は、誘導加熱式の圧力炊飯器であって、
図1~
図3に示されるように、主に、本体110、内鍋130、蓋体140およびヒンジ部品150から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0015】
1.本体
本体110は、
図1~
図3に示されるように、主に、筐体111、誘導加熱コイル112、断熱材(図示せず)、フェライトコア(図示せず)、送風ファンユニット116、電源回路基板117および自動巻取式電源コードユニット118から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0016】
(1)筐体
筐体111は、
図1~
図3に示されるように、主に、収容体111a、肩部材111cおよび保護枠(図示せず)から構成されており、断熱材(図示せず)、フェライトコア(図示せず)、誘導加熱コイル112、送風ファンユニット116、電源回路基板117および自動巻取式電源コードユニット118等を収容している。以下、筐体111の各構成要素について詳述する。
【0017】
収容体111aは、
図1~
図3に示されるように、主に、側壁部111xおよび底壁部111yから形成されている。側壁部111xは、平面視において略角丸長方形を呈する角筒状の囲い壁部位である。底壁部111yは、底面視において略角丸長方形の角皿状部位であって、
図3に示されるように側壁部111xの下側に形成されている。そして、
図3に示されるように、底壁部111yの後側には、筐体111の外部の空気を内部に吸い込むための吸気口SOが形成されており、底壁部111yの前側には、筐体111の内部の空気を外部に排出するための排気口(図示せず)が形成されている。なお、
図3に示されるように、吸気口SOの上方には、送風ファンユニット116が配設されている。この送風ファンユニット116が駆動されると、外部の空気が吸気口SOを通って筐体111の内部に吸い込まれ、それによって生じる空気流れにより内部の加熱空気が排気口から系外に排出される。また、この底壁部111yには、
図3に示されるように受皿部RDが形成されている。この受皿部RDは、
図3に示されるように、奥行方向および幅方向の中心付近において、下方に膨らんでいる(凹んでいる/窪んでいる)。
図3に示されるように、この受皿部RDには、複数の排液口EPが形成されている。
【0018】
肩部材111cは、平面視において略角丸長方形状を呈する枠体であって、
図1および
図3に示されるように収容体111aの側壁部111xの上側に嵌合されており、収容体111aの上側の開口の縁部を覆っている。この肩部材111cには、内鍋130を挿通させるための略円形の開口が形成されている。そして、この肩部材111cの下側には、保護枠が取り付けられている。なお、保護枠は保護枠フランジ部(後述)で肩部材111cに取り付けられている。また、図示しないが、開閉機構OCのレバー部材LPの爪部を嵌めるための爪受孔が肩部材111cに形成されている。
【0019】
保護枠は、内鍋130の外周を保護すると共に肩部材111cの形状を保つ役目を担う部材であって、主に、内鍋収容部および保護枠フランジ部から形成されている。内鍋収容部は、内鍋130の外周を覆う椀状の部位であって、保護枠の下側部分を構成している。保護枠フランジ部は、保護枠の上側部分を構成し、肩部材111cの下側に位置しており、肩部材111cを外側に向かって張ることにより肩部材111cの形状を維持している。
【0020】
(2)誘導加熱コイル
誘導加熱コイル112は、内鍋130を誘導加熱するためのものであって、
図3に示されるように、内鍋130の底部の下面の外側および側部下側の外周面の外側(より詳細には、保護枠の底部の下面の外側および側部下側の外周面の外側)に配設されている。
【0021】
(3)断熱材
断熱材は、保護枠の内鍋収容部の外周および誘導加熱コイル112の外周に巻き付けられており、炊飯時において内鍋130から生じる熱が内鍋収容部の外側に流出するのを抑制する役割を担っている。
【0022】
(4)フェライトコア
フェライトコアは、誘導加熱コイル112への通電時に生じる磁束を外部に出さないようにするための部材であって、誘導加熱コイル112の周囲に配設されている。
【0023】
(5)送風ファンユニット
送風ファンユニット116は、軸流ファンおよびヒートシンク等から構成されるものであって、上述の通り、筐体111の収容体111aの底壁部111yの吸気口SOの上方に、ファンの回転軸が略上下方向に沿うようにして配設されている(
図3参照)。すなわち、この送風ファンユニット116中の送付ファンが駆動されると、外部の空気が吸気口SOから吸い込まれて筐体111内に流入し、そのまま上方に向かって送られる。上方に向かって送られた外部の空気は、ヒートシンクを通って電源回路基板117などに供給されて、それらの部材等を冷却する。
【0024】
(6)電源回路基板
電源回路基板117は、電源回路を構成する基板であって、AC電源、インバータ、スイッチング電源、いくつかの発熱部品を実装している。なお、この電源回路基板117は、
図3に示されるように筐体111の後側空間Srに収容されている。そして、この電源回路基板117は、蓋体140に収容される制御回路基板CTに通信接続されている。
【0025】
(7)自動巻取式電源コードユニット
自動巻取式電源コードユニット118は、電源コードおよび自動巻取機構(図示せず)等から構成されており、
図3に示されるように筐体111の後側空間Srに収容されている。電源コードは、差込プラグPG(
図1および
図2参照)および電気線(図示せず)から構成されている。差込プラグPGは、電気線の先端に配設されている。電気線は、伸展自在に自動巻取機構に巻回されている。
【0026】
2.内鍋
内鍋130は、上方に開口する椀状の鍋であって、肩部材111cの開口に挿通されると共に、保護枠の内鍋収容部に所定の隙間をもって収容される。なお、ここで、内鍋130は、種々のアルミニウム合金およびステンレス合金の多層体(クラッド材)であって、誘導加熱コイル112によって誘導加熱され得る。
【0027】
3.蓋体
蓋体140は、
図3に示されるように、ヒンジ部品150を介して本体110に回動自在に取り付けられている。そして、蓋体140は、
図1~
図4に示されるように、主に、蓋基板141、外装体142、操作ボタン群143、操作基板143A、情報表示部ID、表示装置密閉部材DS、フレキシブルプリント基板FL、閉塞部材BL、貫通口シール部材SL、接続コネクタCN、制御回路基板CT、圧力調整装置144、断電時圧力開放弁(図示せず)、内蓋146、蒸気処理ユニット147および開閉機構OCから構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0028】
(1)蓋基板
蓋基板141は、圧力調整装置144や断電時圧力開放弁のソレノイド等の部品・部材を支持するものであって、
図3に示されるように、外装体142の内部に収容されている。また、
図3に示されるように、蓋基板141の下側には着脱自在に内蓋146が配設されている。
【0029】
(2)外装体
外装体142は、
図1~
図3に示されるように、略直方体状のカバー部材であって、内鍋130の上側を覆っており、上側外装体142aおよび下側外装体142bから構成されている。上側外装体142aは、
図1~
図5に示されるように、外装体142の上側部分を構成している。また、ここで、蒸気処理ユニット147が、
図1~
図3に示されるように、上側外装体142aの後側に配設されている。また、操作ボタン群143、透明窓TWおよび開閉ボタンBTが、
図1~
図4に示されるように、上面が上側外装体142aの上側に露出するように上側外装体142aに配設されている。なお、透明窓TWは、隙間ができないように上側外装体142aに取り付けられている。透明窓TWは、透明な部材(例えば、アクリル樹脂、ガラス等)から形成され、表示装置DIを保護する役目を担っており、
図1、
図2および
図6に示されるように、平面視において略長方形状を呈する板状体である。下側外装体142bは、
図1~
図3に示されるように、外装体142の下側部分を構成している。
【0030】
(3)操作ボタン群
操作ボタン群143は、例えば、発停ボタンや、炊飯方法の選択ボタン等から成るものであって炊飯器100の運転方法を使用者に選択させるためのものである。そして、この操作ボタン群143中の各操作ボタンは、上述の通り、上面が上側外装体142aの上側に露出するように上側外装体142aに取り付けられている。また、
図4および
図6に示されるように、操作ボタン群143の下側には、操作基板143Aが配設されている。操作ボタン群143は、この操作基板143Aを介して制御回路基板CTに通信接続されている。
【0031】
(4)操作基板
操作基板143Aは、操作ボタン群143を支持するものであって、上述の通り、操作ボタン群143の下側に取り付けられている。操作基板143Aは、
図6に示されるように、枠体143aおよびボタン支持部143bから形成されている。枠体143aは、
図6に示されるように、コ字形状を呈している。ボタン支持部143bは、
図6に示されるように、枠体143aから外方に向かって延びている。操作ボタン群143の下側に操作基板143Aが配設された状態において、ボタン支持部143bは操作ボタン群143と対向している(
図3および
図4参照)。
【0032】
(5)情報表示部
情報表示部IDは、
図3~
図6に示されるように、操作ボタン群143の直ぐ後に配設されており、メニューシートMSおよび表示装置DIから構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0033】
メニューシートMSは、
図4~
図6に示されるように、ロ字状を呈する板状体であり、表示装置DIの上に載置されている(すなわち、透明窓TWと表示装置DIとの間に配設されている)。また、メニューシートMSの上面には、炊飯メニュー(例えば、白米、早炊き等)等の文字が記されている。
【0034】
表示装置DIは、炊飯経過情報等の各種情報や、使用者が選択した炊飯メニュー等を表示するためのものであって、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等から構成されている。また、表示装置DIは、表示面が上を向くように(すなわち、表示面が透明窓TWと対向するように)表示装置密閉部材DSの表示装置載置部材DPに載置されている(
図3~
図6参照)。また、表示装置DIは、
図4および
図5に示されるように、フレキシブルプリント基板FLおよび接続コネクタCNを介して制御回路基板CTに接続されている。
【0035】
(6)表示装置密閉部材
表示装置密閉部材DSは、上側外装体142aと共に表示装置DIを密閉するための部材であって、
図4~
図6に示されるように、表示装置載置部材DPおよびパッキンPKから構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0036】
表示装置載置部材DPは、表示装置DIを載置するための部材であって、
図7に示されるように、主に、底壁部DP1、内側壁部DP2、外側壁部DP3、位置決め壁部DP4、位置決めリブDP5、第1取り付け部DP6および第2取り付け部DP7から形成されている。底壁部DP1は、
図6および
図7に示されるように、平面視において略長方形状を呈する板状体である。また、底壁部DP1の上面において位置決め壁部DP4および位置決めリブDP5によって囲まれる範囲には両面テープ(図示せず)が貼られている。表示装置DIは、底壁部DP1の上面においてこの範囲に載置され、この両面テープによって底壁部DP1に取り付けられる(
図5参照)。また、
図5~
図7に示されるように、内側壁部DP2に囲まれる範囲における底壁部DP1の右後部には、左右方向に延びる貫通口DPaが形成されている。
図5に示されるように、この貫通口DPaをフレキシブルプリント基板FLが通ることになる。また、底壁部DP1の下面において貫通口DPaの左右側にはネジ受け部(図示せず)が形成されており、このネジ受け部と閉塞部材BLのネジ穴BLbとにネジが螺入されることによって表示装置載置部材DPと閉塞部材BLとが締結される。内側壁部DP2は、
図5~
図7に示されるように、平面視においてロ字状を呈する略角筒状の囲い壁であり、底壁部DP1のうち外端より内側の部分から上方に向かって延びている(すなわち、内側壁部DP2は、外側壁部DP3より内側に形成されている。)。外側壁部DP3は、
図5~
図7に示されるように、平面視においてロ字状を呈する略角筒状の囲い壁であり、底壁部DP1の外端から上下方に向かって延びている(すなわち、外側壁部DP3は、内側壁部DP2より外側に形成されている。)。なお、ここで、
図5および
図7に示されるように、底壁部DP1、内側壁部DP2および外側壁部DP3によって環状の溝部DPbが形成されている。
図4および
図5に示されるように、この溝部DPbにはパッキンPKが嵌め込まれている。位置決め壁部DP4は、
図6および
図7に示されるように、内側壁部DP2より内側に位置するように底壁部DP1の前左部および前右部から上方に向かって延びている。位置決めリブDP5は、
図6および
図7に示されるように、内側壁部DP2の後部の内側面、左部の内側面および右部の内側面から内方向に延びるリブである。なお、ここで、底壁部DP1の上面において位置決め壁部DP4および位置決めリブDP5によって囲まれる範囲に表示装置DIが載置されると、両面テープ、位置決め壁部DP4および位置決めリブDP5によって表示装置DIの位置が固定される。第1取り付け部DP6は、
図6および
図7に示されるように、外側壁部DP3の四隅から外方に向かって延びており、略円筒形状を呈している。第1取り付け部DP6は、表示装置載置部材DPを上側外装体142aに取り付ける際に使用される。第2取り付け部DP7は、
図6および
図7に示されるように、外側壁部DP3の左部の側面および外側壁部DP3の右部の側面から外方に向かって延びている。この第2取り付け部DP7の上面には、操作基板143Aの枠体143aが載置される。また、第2取り付け部DP7の外側下端部にはネジ穴(図示せず)が形成されており、このネジ穴と制御回路基板CTのネジ穴CT1とにネジが螺入されることによって表示装置載置部材DPと制御回路基板CTとが締結される。
【0037】
パッキンPKは、
図4~
図6に示されるように、環状の部材であって、表示装置載置部材DPの溝部DPbに嵌め込まれており、上側外装体142aと表示装置載置部材DPとに密着することで上側外装体142aと表示装置載置部材DPとの間の隙間を塞ぐ役目を担っている。
【0038】
(7)フレキシブルプリント基板
フレキシブルプリント基板FLは、接続コネクタCNを介して表示装置DIを制御回路基板CTに接続するための電気配線部材である。
図4および
図5に示されるように、フレキシブルプリント基板FLの片端は表示装置DIに接続されており、フレキシブルプリント基板FLのもう一方の片端は接続コネクタCNに接続されている。フレキシブルプリント基板FLは、上述の通り、表示装置載置部材DPの貫通口DPaを通る。さらに、
図5および
図8に示されるように、フレキシブルプリント基板FLは貫通口シール部材SLの上側シール部材SL1の開口部SLaを通り、フレキシブルプリント基板FLの一部は上側シール部材SL1および下側シール部材SL2によって挟まれている。
【0039】
(8)閉塞部材
閉塞部材BLは、貫通口シール部材SLと共に表示装置載置部材DPの貫通口DPaを塞ぐための部材であって、
図5、
図6および
図8に示されるように、本体部BL1および鍔部BL2から形成されている。本体部BL1は、
図5、
図6および
図8に示されるように、略直方体状を呈している。また、
図5に示されるように、本体部BL1の下面の中央部から上面付近にかけて凹部BLaが形成されている。
図5および
図8に示されるように、本体部BL1の上面には、貫通口シール部材SLの下側シール部材SL2が配設されている。鍔部BL2は、
図5、
図6および
図8に示されるように、本体部BL1の高さ方向中央部から外方に向かって延びており、略L字形状を呈している。また、
図6および
図8に示されるように、鍔部BL2の左右部には、閉塞部材BLと表示装置載置部材DPとを締結するためのネジ穴BLbが形成されている。
【0040】
(9)貫通口シール部材
貫通口シール部材SLは、表示装置載置部材DPの貫通口DPaを塞ぐための部材であって、収縮性を有しており、
図5、
図6および
図8に示されるように、上側シール部材SL1および下側シール部材SL2から構成されている。上側シール部材SL1は、
図6および
図8に示されるように、中央部に開口部SLaが形成された長方形状の板状体である(すなわち、上側シール部材SL1は、ロ字形状を呈している。)。上述の通り、この開口部SLaをフレキシブルプリント基板FLが通ることになる。なお、平面視において、開口部SLaの前後寸法および左右寸法は、表示装置載置部材DPの貫通口DPaの前後寸法および左右寸法より大きい。また、平面視において表示装置載置部材DPの貫通口DPaの全領域が開口部SLaの領域と重なるように、上側シール部材SL1は、表示装置載置部材DPの底壁部DP1の下側に配設されている(
図5および
図6参照)。下側シール部材SL2は、
図5、
図6および
図8に示されるように、長方形状の板状体である。なお、
図5、
図6および
図8に示されるように、下側シール部材SL2の前後寸法および左右寸法は上側シール部材SL1の前後寸法および左右寸法とほぼ同じであるが、下側シール部材SL2の厚みは上側シール部材SL1の厚みより大きい。また、下側シール部材SL2は、
図5、
図6および
図8に示されるように、上側シール部材SL1と閉塞部材BLとの間に配設されており、上側シール部材SL1と共にフレキシブルプリント基板FLの一部を挟んでいる。
【0041】
このように表示装置載置部材DP、閉塞部材BLおよび貫通口シール部材SLが構成されることにより、表示装置載置部材DPの底壁部DP1のネジ受け部(図示せず)と閉塞部材BLのネジ穴BLbとにネジが螺入されて表示装置載置部材DPと閉塞部材BLとが締結される際に、表示装置載置部材DPおよび閉塞部材BLによって貫通口シール部材SLが挟まれる。そして、貫通口シール部材SLは、収縮性を有しているため上下方向に収縮する。この結果、表示装置載置部材DPの貫通口DPaは封止されることになる。
【0042】
(10)接続コネクタ
接続コネクタCNは、
図4~
図6に示されるように、フレキシブルプリント基板FLを介して表示装置DIを制御回路基板CTに接続するための部材であって、制御回路基板CTに嵌め込まれている。
【0043】
(11)制御回路基板
制御回路基板CTは、制御回路を構成する基板であって、
図3~
図6に示されるように、表示装置密閉部材DSの下側に配設されている。制御回路基板CTは、マイクロコンピュータ等の電子部品等を実装しており、操作ボタン群143、表示装置DI、断電時圧力開放弁のソレノイド等に通信接続されると共に、電源回路基板117を介して本体110の誘導加熱コイル112や、センターセンサ114、保温ヒータ115、送風ファンユニット116等に通信接続されている。
【0044】
(12)圧力調整装置
圧力調整装置144は、蓋体140が閉状態とされて圧力炊飯運転されている状態において、内鍋130の内部の圧力を1.03~1.3気圧に調整するものである。圧力調整装置144は、
図3に示されるように、内蓋146の上側に配設されている。
【0045】
(13)断電時圧力開放弁
断電時圧力開放弁は、ソレノイドによって動作する安全弁であって、内蓋146の上側において圧力調整装置144に近接するように配置されている。なお、この断電時圧力開放弁は、例えば、停電等やプラグ抜け等でソレノイドのコイルへの通電が遮断されると、開状態となって内鍋130の内部の圧力を開放する。
【0046】
(14)内蓋
内蓋146は、
図3に示されるように、内鍋130の上部を覆って密閉するための部材であって、蓋基板141の下側に着脱自在に取り付けられている。上述の通り、内蓋146の上側には、圧力調整装置144および断電時圧力開放弁が配設されている。
【0047】
(15)蒸気処理ユニット
蒸気処理ユニット147は、炊飯時に内鍋130から上昇してくる水蒸気を外部に放出したり、おねば成分を回収したりするためのものであって、上述の通り、上側外装体142aの後側に配設されている。なお、
図1~
図3に示されるように、この蒸気処理ユニット147の上壁部の中央部には左右方向に延びる蒸気口BOが形成されており、この蒸気口BOを通じて水蒸気が外部に放出される。
【0048】
(16)開閉機構
開閉機構OCは、蓋体140の開閉を司る機構であって、
図3に示されるように、蓋体140の前側部分に配設されており、主に、開閉ボタンBTおよびレバー部材LPから構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0049】
開閉ボタンBTは、蓋体140を開閉するための角丸長方形状のボタンであって、レバー部材LPの上側に配設されている。なお、この開閉ボタンBTは、コイルバネによって上方に向かって付勢されている。
【0050】
レバー部材LPは、当接板部(図示せず)と、当接板部の前側から下方に延びる左右一対の延設板部(図示せず)と、各延設板部の下部から後方に向かって延びる爪部(図示せず)と、回動軸LP1から形成される金属板部材であって、回動軸LP1によって外装体142に軸支されていると共に、当接板部の後端でコイルバネ(図示せず)によって上方に向かって付勢されている。なお、ここで、使用者によって開閉ボタンBTが押し下げられると、開閉ボタンBTの下端部位は、レバー部材LPの当接板部のうち回動軸LP1より後側の部位に当接する。
【0051】
そして、使用者が蓋体140を閉状態としようとするとき、使用者は開閉ボタンBTを操作する必要がなく、そのまま蓋体140を本体110に向かって倒し込めばよい。このとき、レバー部材LPの爪部が、肩部材111cに形成される傾斜面(図示せず)に接触しながら下方に移動していく。この間、レバー部材LPは、コイルバネの付勢力に逆らって前方に向かって回動する。そして、爪部が、肩部材111cに形成される爪受孔(図示せず)まで達すると、コイルバネの付勢力により爪部がその爪受孔に嵌り込む。このようにして蓋体140が閉状態となる。一方、蓋体140を開状態とするとき、使用者は、開閉ボタンBTを押し下げる。すると、開閉ボタンBTの下端部位がレバー部材LPの当接部に当接し、レバー部材LPがコイルバネの付勢力に逆らって前方に向かって回動する。このとき、爪受孔に嵌り込んでいた爪部が爪受孔から引き出される。そして、ヒンジ部品150の付勢力により蓋体140が上方に持ち上げられ、蓋体140が開状態となる。
【0052】
4.ヒンジ部品
ヒンジ部品150は、上述の通り、蓋体140が本体110に対して回動自在となるように蓋体140を本体110に取り付けている。なお、このヒンジ部品150は、蓋体140を開方向に向かって付勢している。
【0053】
<本発明の実施の形態に係る炊飯器の特徴>
(1)
本発明の実施の形態に係る炊飯器100では、表示装置密閉部材DSの表示装置載置部材DPに情報表示部IDの表示装置DIが載置される。そして、表示装置密閉部材DSのパッキンPKが、表示装置載置部材DPの溝部DPbに嵌め込まれ、外装体142の上側外装体142aと表示装置載置部材DPとの間の隙間を塞いでいる。また、貫通口DPaが、表示装置載置部材DPの底壁部DP1の右後部且つ表示装置載置部材DPの内側壁部DP2より内側に形成され、閉塞部材BLおよび貫通口シール部材SLによって封止されている。このため、この炊飯器100では、表示装置DIを密閉することができ、表示装置DIが配設されている空間への湿気の流入を効果的に抑制することができる。
【0054】
<変形例>
(A)
先の実施の形態では本発明が炊飯器100に適用されたが、本発明は、表示装置付きの他の電気機器(例えば、ホームベーカリー等)に適用されてもかまわない。
【0055】
(B)
先の実施の形態に係る炊飯器100では、フレキシブルプリント基板FLが、接続コネクタCNを介して情報表示部IDの表示装置DIと制御回路基板CTとを接続していた。しかし、フレキシブルプリント基板FL以外の配線材(例えば、リード線等)が、表示装置DIと制御回路基板CTとを接続してもよい。
【0056】
(C)
先の実施の形態に係る炊飯器100では、平面視において、上側シール部材SL1の開口部SLaの前後寸法および左右寸法は、表示装置載置部材DPの貫通口DPaの前後寸法および左右寸法より大きかった。しかし、フレキシブルプリント基板FLが通ることができる寸法であれば、平面視において、上側シール部材SL1の開口部SLaの前後寸法および左右寸法は、表示装置載置部材DPの貫通口DPaの前後寸法および左右寸法と同じであってもよいし、表示装置載置部材DPの貫通口DPaの前後寸法および左右寸法より小さくてもよい。
【0057】
(D)
先の実施の形態に係る炊飯器100では、表示装置載置部材DPと閉塞部材BLとの間に貫通口シール部材SLが配設されていた。しかし、貫通口シール部材SLが配設されずに、閉塞部材BLだけで表示装置載置部材DPの貫通口DPaが塞がれてもよい。また、樹脂やゴム等の充填剤によって表示装置載置部材DPの貫通口DPaが塞がれてもよい。
【0058】
(E)
先の実施の形態に係る炊飯器100では、外装体142は、上側外装体142aおよび下側外装体142bから形成されていた。しかし、上側外装体142aおよび下側外装体142bが一体成形されて外装体142を構成してもよい。
【0059】
(F)
先の実施の形態に係る炊飯器100では、表示装置載置部材DPの底壁部DP1の上面において表示装置載置部材DPの位置決め壁部DP4および表示装置載置部材DPの位置決めリブDP5によって囲まれる範囲に貼られた両面テープによって、情報表示部IDの表示装置DIが底壁部DP1に取り付けられていた。しかし、この範囲に接着剤や粘着剤を塗布することによって表示装置DIが底壁部DP1に取り付けられてもよい。
【0060】
(G)
先の実施の形態に係る炊飯器100では、情報表示部IDが蓋体140に配設される場合について言及していた。しかし、本発明は、情報表示部IDが蓋体140以外の場所(例えば、本体110の筐体111の前端部等)に配設される場合に適用されてもかまわない。
【0061】
なお、上記変形例は、単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
【符号の説明】
【0062】
100 炊飯器(表示機能付き電気機器)
142a 上側外装体(カバー部)
BL 閉塞部材
CT 制御回路基板(制御基板)
DI 表示装置
DS 表示装置密閉部材(密閉部材)
DP 表示装置載置部材(載置部材)
DP2 内側壁部(縁部)
DP3 外側壁部(縁部)
DPa 貫通口(通し穴)
FL フレキシブルプリント基板(配線材)
SL 貫通口シール部材(第2シール部材)
PK パッキン(第1シール部材)
TW 透明窓(カバー部)