(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】電気ポット
(51)【国際特許分類】
A47J 27/21 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
A47J27/21 101A
A47J27/21 101T
(21)【出願番号】P 2020123667
(22)【出願日】2020-07-20
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤穂 緑
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-249981(JP,A)
【文献】特開平08-185778(JP,A)
【文献】特開2014-014394(JP,A)
【文献】特開2007-229216(JP,A)
【文献】特開2003-302102(JP,A)
【文献】特開平11-313766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00-27/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯溜する容器部と、
前記容器部に貯溜されている前記液体を加熱する加熱部と、
前記容器部に貯溜されている前記液体を該容器部から吐出させるポンプと、
前記加熱部および前記ポンプを操作するための操作部と、
前記加熱部と前記ポンプと前記操作部を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記操作部が一定時間以上操作されない場合に、前記操作部の操作を無効にする給湯ロック機能を有しており、
前記操作部は、
前記ポンプを作動させるための給湯スイッチと、
前記給湯ロック機能を解除するためのロック解除スイッチと、
を備えた電気ポットであって、
前記制御装置は、
前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、
前記ロック解除スイッチの押圧中は前記給湯ロック機能の作動状態を維持するとともに、前記ロック解除スイッチの押圧終了時点で前記給湯ロック機能を解除
し、
前記制御装置は、
前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、前記ロック解除スイッチの押圧中に前記給湯スイッチが操作された時点で、前記ロック解除スイッチの操作を無効にする、
ことを特徴とする電気ポット。
【請求項2】
液体を貯溜する容器部と、
前記容器部に貯溜されている前記液体を加熱する加熱部と、
前記容器部に貯溜されている前記液体を該容器部から吐出させるポンプと、
前記加熱部および前記ポンプを操作するための操作部と、
前記加熱部と前記ポンプと前記操作部を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記操作部が一定時間以上操作されない場合に、前記操作部の操作を無効にする給湯ロック機能を有しており、
前記操作部は、
前記ポンプを作動させるための給湯スイッチと、
前記給湯ロック機能を解除するためのロック解除スイッチと、
を備えた電気ポットであって、
前記制御装置は、
前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、
前記ロック解除スイッチの押圧中は前記給湯ロック機能の作動状態を維持するとともに、前記ロック解除スイッチの押圧終了時点で前記給湯ロック機能を解除し、
前記加熱部と前記ポンプと前記操作部の少なくとも何れか一つの作動状態を表示可能な表示部をさらに備え、
前記制御装置は、
前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、
前記ロック解除スイッチの押圧開始時に、前記表示部を前記給湯ロック機能の解除後の表示に変更し、
前記制御装置は、
前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、
前記ロック解除スイッチの押圧中に前記給湯スイッチが操作された時点で、前記表示部を前記ロック解除スイッチの押圧前の表示に変更する、
ことを特徴とす
る電気ポット。
【請求項3】
液体を貯溜する容器部と、
前記容器部に貯溜されている前記液体を加熱する加熱部と、
前記容器部に貯溜されている前記液体を該容器部から吐出させるポンプと、
前記加熱部および前記ポンプを操作するための操作部と、
前記加熱部と前記ポンプと前記操作部を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記操作部が一定時間以上操作されない場合に、前記操作部の操作を無効にする給湯ロック機能を有しており、
前記操作部は、
前記ポンプを作動させるための給湯スイッチと、
前記給湯ロック機能を解除するためのロック解除スイッチと、
を備えた電気ポットであって、
前記制御装置は、
前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、
前記ロック解除スイッチの押圧中は前記給湯ロック機能の作動状態を維持するとともに、前記ロック解除スイッチの押圧終了時点で前記給湯ロック機能を解除し、
前記給湯ロック機能が解除されたことを音で報知可能なブザーをさらに備え、
前記制御装置は、
前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、
前記ロック解除スイッチの押圧開始時に前記ブザーを作動させ、
前記制御装置は、
前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、
前記ロック解除スイッチの押圧中に前記給湯スイッチが操作された時点で、前記ブザーを作動させる、
ことを特徴とす
る電気ポット。
【請求項4】
液体を貯溜する容器部と、
前記容器部に貯溜されている前記液体を加熱する加熱部と、
前記容器部に貯溜されている前記液体を該容器部から吐出させるポンプと、
前記加熱部および前記ポンプを操作するための操作部と、
前記加熱部と前記ポンプと前記操作部を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記操作部が一定時間以上操作されない場合に、前記操作部の操作を無効にする給湯ロック機能を有しており、
前記操作部は、
前記ポンプを作動させるための給湯スイッチと、
前記給湯ロック機能を解除するためのロック解除スイッチと、
を備えた電気ポットであって、
前記制御装置は、
前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、
前記ロック解除スイッチの押圧中は前記給湯ロック機能の作動状態を維持するとともに、前記ロック解除スイッチの押圧終了時点で前記給湯ロック機能を解除し、
前記ロック解除スイッチの押圧中に点灯するロック解除ランプをさらに備え、
前記制御装置は、
前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、
前記ロック解除ランプを点灯させ、
前記制御装置は、
前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、
前記ロック解除スイッチの押圧中に前記給湯スイッチが操作された時点で、前記ロック解除ランプを消灯させる、
ことを特徴とす
る電気ポット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気ポットの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気ポットには、単に給湯スイッチを押すだけでは給湯できないようにするための給湯ロック機能を備えたものが知られている。電気ポットを一定時間操作しない状態が継続すると自動的に給湯ロック機能を作動状態に遷移するように構成されたものが一般的に知られており、例えば以下の特許文献1に開示されたものがある。特許文献1に開示されている従来の電気ポットにおいては、給湯ロック機能を解除するためのロック解除スイッチを備えており、ロック解除スイッチを押してから給湯スイッチを押すことで、給湯できるように構成されている。
【0003】
このような従来の電気ポットでは、ロック解除スイッチを押した時点で即座に給湯ロック機能が解除されるように構成されている。このような構成の電気ポットでは、ロック解除スイッチと給湯スイッチを同時に押すと即座に給湯される。また、このような構成の電気ポットでは、ロック解除スイッチが押された状態で固定されてしまうような異常が発生した場合には、給湯スイッチを押すと即座に給湯される。このため、従来の給湯ロック機能を備えた電気ポットでは、ユーザーが電気ポットに接触したときに意図せず給湯されるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、斯かる現状の課題に鑑みてなされたものであり、給湯ロック機能を備えた電気ポットにおいて、意図せず給湯されることをより確実に防止することが可能な電気ポットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、本発明に係る電気ポットは、液体を貯溜する容器部と、前記容器部に貯溜されている前記液体を加熱する加熱部と、前記容器部に貯溜されている前記液体を該容器部から吐出させるポンプと、前記加熱部および前記ポンプを操作するための操作部と、前記加熱部と前記ポンプと前記操作部を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記操作部が一定時間以上操作されない場合に、前記操作部の操作を無効にする給湯ロック機能を有しており、前記操作部は、前記ポンプを作動させるための給湯スイッチと、前記給湯ロック機能を解除するためのロック解除スイッチと、を備えた電気ポットであって、前記制御装置は、前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、前記ロック解除スイッチの押圧中は前記給湯ロック機能の作動状態を維持するとともに、前記ロック解除スイッチの押圧終了時点で前記給湯ロック機能を解除し、前記制御装置は、前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、前記ロック解除スイッチの押圧中に前記給湯スイッチが操作された時点で、前記ロック解除スイッチの操作を無効にするものである。
【0008】
このような構成によれば、給湯ロック機能を備えた電気ポットにおいて、意図せず給湯されることをより確実に防止することができる。また、このように構成された電気ポットによれば、意図せず給湯スイッチが押されたときに、給湯が開始されることを防止できる。
【0009】
また、本発明に係る電気ポッドは、液体を貯溜する容器部と、前記容器部に貯溜されている前記液体を加熱する加熱部と、前記容器部に貯溜されている前記液体を該容器部から吐出させるポンプと、前記加熱部および前記ポンプを操作するための操作部と、前記加熱部と前記ポンプと前記操作部を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記操作部が一定時間以上操作されない場合に、前記操作部の操作を無効にする給湯ロック機能を有しており、前記操作部は、前記ポンプを作動させるための給湯スイッチと、前記給湯ロック機能を解除するためのロック解除スイッチと、を備えた電気ポットであって、前記制御装置は、前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、前記ロック解除スイッチの押圧中は前記給湯ロック機能の作動状態を維持するとともに、前記ロック解除スイッチの押圧終了時点で前記給湯ロック機能を解除し、前記加熱部と前記ポンプと前記操作部の少なくとも何れか一つの作動状態を表示可能な表示部をさらに備え、前記制御装置は、前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、前記ロック解除スイッチの押圧開始時に、前記表示部を前記給湯ロック機能の解除後の表示に変更し、前記制御装置は、前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、前記ロック解除スイッチの押圧中に前記給湯スイッチが操作された時点で、前記表示部を前記ロック解除スイッチの押圧前の表示に変更するものである。
【0010】
このように構成された電気ポットによれば、給湯ロック機能を備えた電気ポットにおいて、意図せず給湯されることをより確実に防止することができる。また、このように構成された電気ポットによれば、意図せず給湯されることを防止しつつ、従来と同様の使用感を維持することができる。また、このように構成された電気ポットによれば、給湯ロック機能の解除操作が無効化されたことを、表示部によってユーザーへ即座に報知することができる。
【0011】
また、本発明に係る電気ポットは、液体を貯溜する容器部と、前記容器部に貯溜されている前記液体を加熱する加熱部と、前記容器部に貯溜されている前記液体を該容器部から吐出させるポンプと、前記加熱部および前記ポンプを操作するための操作部と、前記加熱部と前記ポンプと前記操作部を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記操作部が一定時間以上操作されない場合に、前記操作部の操作を無効にする給湯ロック機能を有しており、前記操作部は、前記ポンプを作動させるための給湯スイッチと、前記給湯ロック機能を解除するためのロック解除スイッチと、を備えた電気ポットであって、前記制御装置は、前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、前記ロック解除スイッチの押圧中は前記給湯ロック機能の作動状態を維持するとともに、前記ロック解除スイッチの押圧終了時点で前記給湯ロック機能を解除し、前記給湯ロック機能が解除されたことを音で報知可能なブザーをさらに備え、前記制御装置は、前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、前記ロック解除スイッチの押圧開始時に前記ブザーを作動させ、前記制御装置は、前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、前記ロック解除スイッチの押圧中に前記給湯スイッチが操作された時点で、前記ブザーを作動させるものである。
【0012】
このような構成によれば、給湯ロック機能を備えた電気ポットにおいて、意図せず給湯されることをより確実に防止することができる。また、このように構成された電気ポットによれば、意図せず給湯されることを防止しつつ、従来と同様の使用感を維持することができる。また、このように構成された電気ポットによれば、給湯ロック機能の解除操作が無効化されたことを、ブザーによってユーザーへ即座に報知することができる。
【0013】
また、本発明に係る電気ポットは、液体を貯溜する容器部と、前記容器部に貯溜されている前記液体を加熱する加熱部と、前記容器部に貯溜されている前記液体を該容器部から吐出させるポンプと、前記加熱部および前記ポンプを操作するための操作部と、前記加熱部と前記ポンプと前記操作部を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記操作部が一定時間以上操作されない場合に、前記操作部の操作を無効にする給湯ロック機能を有しており、前記操作部は、前記ポンプを作動させるための給湯スイッチと、前記給湯ロック機能を解除するためのロック解除スイッチと、を備えた電気ポットであって、前記制御装置は、前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、前記ロック解除スイッチの押圧中は前記給湯ロック機能の作動状態を維持するとともに、前記ロック解除スイッチの押圧終了時点で前記給湯ロック機能を解除し、前記ロック解除スイッチの押圧中に点灯するロック解除ランプをさらに備え、前記制御装置は、前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、前記ロック解除ランプを点灯させ、前記制御装置は、前記給湯ロック機能が作動している状態において、前記ロック解除スイッチが押圧されたとき、前記ロック解除スイッチの押圧中に前記給湯スイッチが操作された時点で、前記ロック解除ランプを消灯させるものである。
【0014】
このような構成によれば、給湯ロック機能を備えた電気ポットにおいて、意図せず給湯されることをより確実に防止することができる。また、このように構成された電気ポットによれば、意図せず給湯されることを防止しつつ、従来と同様の使用感を維持することができる。また、このように構成された電気ポットによれば、給湯ロック機能の解除操作が無効化されたことを、ロック解除ランプによってユーザーへ即座に報知することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る電気ポットによれば、給湯ロック機能を備えた電気ポットにおいて、意図せず給湯されることをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電気ポットの全体構成を示す斜視図。
【
図2】本発明の一実施形態に係る電気ポットの全体構成を示す平面図。
【
図4】操作部および表示部を示す図、(A)操作部および表示部の部分拡大図、(B)全点灯状態の表示部を示す図。
【
図5】表示部の表示を示す図、(A)保温設定温度および現状のお湯温度を示す表示、(B)沸騰までに掛かる残り時間を示す表示、(C)出湯量を示す表示。
【
図6】チャイルドロック機能が作動している時の表示部の表示を示す図。
【
図7】給湯ロック機能を解除するときの動作を示すタイムチャート。
【
図8】給湯ロック機能の解除操作を無効にする動作を示すタイムチャート。
【
図9】チャイルドロック機能を作動させる動作を示すタイムチャート。
【
図10】チャイルドロック機能の作動中の動作を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[電気ポットの全体構成]
図1、
図2には、本発明に係る電気ポットの一実施形態である電気ポット1を示している。なお、説明の便宜上、電気ポット1に対して、
図1、
図2に示した矢印のように、前後方向、左右方向、および上下方向を規定している。また、以下の説明における、前、後、左、右、上、下等の記載は、電気ポット1を構成する各部が、電気ポット1が使用される際の所定位置に組み付けられている状態を基準として向きを表している。
【0018】
図1、
図2に示すように、電気ポット1は、湯沸かしおよび保温の両機能を備えた調理器具であり、容器本体2、蓋体3を備えている。
【0019】
[容器本体]
図1に示すように、容器本体2は、外側面部を構成する筒状の外ケース21と、内側面部を構成する内容器(図示せず)と、外ケース21と内容器とを上部側で一体的に結合固定するとともに、蓋体3が閉蓋時に装着される環状の肩部材22と、底面部を構成する皿状の底部材23により構成されている。容器本体2の上端には開口部(図示せず)が形成されている。また、容器本体2には、電気ポット1を持ち運ぶ際に把持する取手部24と、内容器内の水量を確認するための確認窓25を設けている。
【0020】
[蓋体]
蓋体3は、容器本体2上端の開口部を塞ぐ位置に配置され、肩部材22の後端部においてヒンジ部31を介して上下方向に開閉自在かつ着脱自在に支持されている。蓋体3は、肩部材22の開口部を封止した所定の使用位置に配置され、容器本体2内に配置された図示しない内容器とともに貯湯空間を形成する。蓋体3の上部に配置した開閉レバー32を上方向に引き上げることによって、蓋体3が容器本体2に対して開閉可能かつ着脱可能な状態となる。
【0021】
[加熱ヒータおよび給湯ポンプ]
電気ポット1は、
図3に示すように、湯沸かし時および保温時において内容器内に貯溜された水を加熱する加熱ヒータ4と、図示しない給湯通路を介して内部のお湯を外部へ注湯する電動式の給湯ポンプ5を収容している。加熱ヒータ4と給湯ポンプ5は、
図1、
図2に示す容器本体2の内部に収容されている。
【0022】
なお、電気ポット1では、給湯するための手段として、電源に接続されていない状態で手動による給湯を可能にする手動ポンプ12も備えている。手動ポンプ12は、押圧部材12aを下方へ押し込むことで、容器本体2の内容器内を加圧して手動で注湯できるように構成されている。さらに、電気ポット1では、手動ポンプ12の押圧部材12aのロック状態とロック解除状態とを切り換えるロックレバー13と、ロックレバー13の切換状態を表示するためのインジケータ14を備えている。本実施形態では、注湯方式を電動式または手動式から選択することが可能な電気ポット1を例示しているが、本発明に係る電気ポットは、注湯方式を選択可能に構成したものでなくてもよい。
【0023】
[操作部、表示部およびブザー]
図1~
図3に示すように、電気ポット1は、操作部7と表示部8を備えている。操作部7と表示部8は、容器本体2の上面前部の傾斜面に備えられている。操作部7は、ユーザーが電気ポット1により給湯を行ったり、あるいは電気ポット1の各種設定を入力したりする際に操作する部位であり、後述する複数のスイッチにより構成されている。表示部8は、電気ポット1の動作状態や設定状態をユーザーに知覚させるための表示を行う部位であり、表示が変更可能なLCDパネルとそのLCDパネルの周囲に描かれた文字により構成されている。さらに、電気ポット1は、
図3に示すように、ブザー9を備えている。ブザー9は、電気ポット1の状態変化や異常等をユーザーに音で報知する部位である。ブザー9は、
図1、
図2に示す容器本体2の内部に収容されている。なお、本実施形態では、表示部8およびブザー9を備えた電気ポット1を例示しているが、本発明に係る電気ポットは、表示部およびブザーを省略したものであってもよい。
【0024】
[制御装置]
電気ポット1は、容器本体2の内部において、
図3に示すような制御装置10を備えている。制御装置10は、電気ポット1の動作を制御する装置であり、
図3に示すように、加熱ヒータ4、給湯ポンプ5、操作部7、表示部8、ブザー9、ロック解除ランプ11等と電気的に接続されている。そして、制御装置10は、予め記憶されたプログラムに従って、ユーザーが設定した各種設定値や図示しないセンサの検出値等に応じて、加熱ヒータ4、給湯ポンプ5、操作部7、表示部8、ブザー9、ロック解除ランプ11の動作を制御可能に構成されている。
【0025】
[操作部]
図2、
図3および
図4(A)に示すように、操作部7は、給湯スイッチ7a、ロック解除スイッチ7b・7c、沸騰スイッチ7d、保温温度選択スイッチ7e、保温モード選択スイッチ7f、タイマースイッチ7gを備えている。操作部7を構成する各スイッチ7a~7gは、それぞれ制御装置10に接続されている。
【0026】
給湯スイッチ7aは、ユーザーが電気ポット1より出湯したいときに操作するスイッチである。ユーザーが給湯スイッチ7aを押圧することにより給湯ポンプ5が作動され、電気ポット1内に貯溜されたお湯が出湯口6より出湯される。電気ポット1における給湯スイッチ7aは、容器本体2の上面前部において幅方向の略全体に亘る大きさを有しており、ユーザーが左右どちらからでも給湯スイッチ7aにアクセスしやすいように構成されている。
【0027】
そして、電気ポット1は、制御装置10によって、給湯スイッチ7aの操作を無効化することで、給湯できないようにする機能(以下、給湯ロック機能と呼ぶ)を備えている。電気ポット1では、ユーザーが給湯スイッチ7aを一定時間以上操作しないときに、給湯ロック機能が自動的に作動するように構成されている。
【0028】
ロック解除スイッチ7b・7cは、電気ポット1において給湯ロック機能が作動しているときに、ユーザーが給湯ロック機能の解除操作を行うためのスイッチである。つまり、電気ポット1は、給湯ロック機能が作動しているときは、ユーザーがロック解除スイッチ7b・7cのいずれかを操作して給湯ロック機能を解除してから給湯スイッチ7aを操作することで出湯することができる。なお、本実施形態では、ロック解除スイッチを2個備えた電気ポット1を例示したが、本発明に係る電気ポットにおけるロック解除スイッチの個数は1個でもよい。
【0029】
なお、ロック解除スイッチ7b・7cには、複数の機能が割り当てられている。ロック解除スイッチ7bは、給湯ロック機能が解除されているときは、給湯スイッチ7aを操作したときの単位時間当たりの出湯量を少なくするためのスイッチ(出湯量減少スイッチ)として機能する。また、ロック解除スイッチ7cは、給湯ロック機能が解除されているときは、給湯スイッチ7aを操作したときの単位時間当たりの出湯量を多くするためのスイッチ(出湯量増加スイッチ)として機能する。
【0030】
沸騰スイッチ7dは、電気ポット1内のお湯を、ユーザーが再度沸騰させたいときに操作するスイッチである。また、沸騰スイッチ7dにも、複数の機能が割り当てられており、沸騰スイッチ7dとロック解除スイッチ7b(あるいはロック解除スイッチ7cでもよい)を所定時間の間同時押しすることによって、後述するチャイルドロック機能を作動させるスイッチとして機能する。
【0031】
保温温度選択スイッチ7eは、お湯の保温温度をユーザーが選択するためのスイッチである。電気ポット1では、保温温度として98℃、90℃、80℃を選択することができるように構成されている。
【0032】
保温モード選択スイッチ7fは、ユーザーが保温モードを選択するためのスイッチである。電気ポット1では、ほとんど電力を使用せずに保温する魔法瓶モードや、電力使用量を低減しながら保温するエコモード等の保温モードを選択することができるように構成されている。保温モード選択スイッチ7fも、複数の機能が割り当てられており、普通に押圧することで、魔法瓶モードを選択することができ、長押しすることで、エコモード等の保温モードを選択することができるように構成されている。
【0033】
タイマースイッチ7gは、表示部8にキッチンタイマーを表示させるためのスイッチである。
【0034】
なお、電気ポット1では、ロック解除スイッチ7b・7cと沸騰スイッチ7dを、スイッチOFF時(押圧を止めたとき)に接点ONとなるスイッチ(以下「OFFエッジのスイッチ」と呼ぶ)としている。また、電気ポット1では、ロック解除スイッチ7b・7cと沸騰スイッチ7d以外の操作部7の各スイッチは、スイッチON時(押圧したとき)に接点ONとなるスイッチ(以下「ONエッジのスイッチ」と呼ぶ)としている。また、本実施形態で示した各スイッチ7d~7gは例示であり、電気ポット1の操作部7は、各スイッチ7d~7gを備えていない構成であってもよい。また、電気ポット1の操作部7は、本実施形態で例示していないその他のスイッチを備える構成であってもよい。さらに、電気ポット1において操作部7を構成する各スイッチ7a~7gに割り当てる機能(スイッチの組み合わせによる機能を含む)は、本実施形態に示した機能に限定されず、その他の機能を各スイッチ7a~7gに割り当ててもよい。
【0035】
[表示部]
電気ポット1は、
図4(A)(B)に示すような表示部8を備えている。表示部8は、
図5(A)(B)(C)に示すように、現在貯溜しているお湯の温度や保温温度の設定値の表示(
図5(A)参照)や、現時点から沸騰するまでに掛かる残り時間の表示(
図5(B)参照)や、お湯の吐出量の表示(
図5(C)参照)等の種々の情報を表示することができるように構成されている。表示部8は、保温モードの設定状況や、保温開始時からの経過時間、チャイルドロック機能の設定状況(
図6参照)等も表示可能に構成されている。
【0036】
表示部8は、給湯ロック機能が作動しているとき(通常時)には、制御装置10によって、
図5(A)の表示と
図5(B)の表示を所定時間ごとに交互に表示するように構成されている。そして、表示部8は、給湯ロック機能が解除されたときには、制御装置10によって、
図5(C)の表示に遷移するように構成されている。
【0037】
[ロック解除ランプ]
図2、
図3および
図4(A)に示すように、電気ポット1は、ロック解除ランプ11を備えている。ロック解除ランプ11は、給湯ロック機能が解除されたときに点灯するように構成されたランプであり、LEDランプにより構成されている。本実施形態の電気ポット1においては、ロック解除ランプ11は、それぞれロック解除スイッチ7b・7cの内部に埋め込まれた一対のロック解除ランプ11a・11bより構成されており、ロック解除スイッチ7b・7cの押圧面の一部に設けた半透明の部分を通して、内部で点灯する各ロック解除ランプ11a・11bの光をユーザーが外部より視認することができるように構成されている。
【0038】
[給湯ロック機能の解除操作]
電気ポット1における給湯ロック機能の解除操作について説明する。ここではまず、通常の給湯ロック機能の解除操作を説明する。なお、
図7~
図10に示す各タイムチャートにおいて、横軸は時間(各図における右方が正)を表している。
【0039】
図7に示すように、電気ポット1の給湯ロック機能が作動している(ONである)ときに、ユーザーがロック解除スイッチ7b(あるいは7c)を押圧すると、ロック解除ランプ11a・11bが点灯すると同時に、表示部8が給湯ロック機能を解除した後の表示に遷移し、さらに、ブザー9が1回鳴動する。このとき、電気ポット1は、給湯ロック機能が作動している状態がまだ維持されており、給湯スイッチ7aを押圧しても、給湯ポンプ5は作動されない状態である。
【0040】
電気ポット1では、表示部8の給湯ロック機能を解除した後の表示として、給湯量が表示される。具体的には、表示部8が給湯ロック機能を解除した後の表示に遷移したときには、給湯量「0」の表示がなされる。
【0041】
そして、ユーザーがロック解除スイッチ7b(あるいは7c)から指を離す(押圧を止める)と、給湯ロック機能が解除され(OFFとなり)、給湯可能な状態となる。即ち、電気ポット1では、電気ポット1の給湯ロック機能が作動しているときに、ユーザーがロック解除スイッチ7b(あるいは7c)を押圧すると、押圧中は給湯ロック機能が解除されず、押圧を止めたときに初めて給湯ロック機能が解除されるように構成されている。
【0042】
そして、電気ポット1では、給湯ロック機能が解除されて給湯可能な状態となってから、ユーザーが給湯スイッチ7aを押圧することで、押圧している間給湯ポンプ5が作動して注湯される。なお、このとき、給湯ロック機能が解除されたことを示すロック解除ランプ11a・11bの点灯は維持され、表示部8には、給湯ロック機能が解除された後の表示として実際の給湯量が積算表示される。具体的には、給湯スイッチ7aを押圧している間には、給湯量「0」から数字が増大し続け、最終的に例えば120ml出湯された場合には、表示部8には、「120」の表示(
図5(C)参照)がなされる。
【0043】
そして、ユーザーが給湯スイッチ7aの押圧を止めてから、所定時間(本実施形態では10秒間)が経過すると、制御装置10によって、自動的に給湯ロック機能が作動され、ロック解除ランプ11a・11bが消灯されるとともに、表示部8が給湯ロック機能の作動中の表示に遷移される。
【0044】
次に、ユーザーがロック解除スイッチ7b・7cの押圧中に、さらに給湯スイッチ7aを押圧した場合の電気ポット1の動作を説明する。
【0045】
図8に示すように、電気ポット1の給湯ロック機能が作動しているときに、ユーザーがロック解除スイッチ7b(あるいは7c)を押圧すると、ロック解除ランプ11a・11bが点灯すると同時に、表示部8が給湯ロック機能を解除した後の表示に遷移し、さらに、ブザー9が1回鳴動する。このとき、電気ポット1は、給湯ロック機能が作動している状態が維持されており、給湯スイッチ7aを押圧しても、給湯ポンプ5は作動されない状態である。
【0046】
そして、電気ポット1では、ユーザーがロック解除スイッチ7b(あるいは7c)から
指を離す前に(押圧中に)、さらに給湯スイッチ7aを押圧した場合、ロック解除ランプ11a・11bが消灯するとともに、表示部8がロック解除スイッチ7b(あるいは7c)を押圧する前の表示に遷移し、さらに、ブザー9が3回鳴動する。このとき、電気ポット1は、まだ給湯ロック機能が作動している状態が維持されており、給湯スイッチ7aを押圧していても、給湯ポンプ5は作動されない。
【0047】
このように電気ポット1では、ユーザーがロック解除スイッチ7b(あるいは7c)の押圧中において、同時に給湯スイッチ7aを押した場合でも、給湯されないように構成されている。このため、電気ポット1では、ユーザーが意図せずに操作部7に触れた場合に、意図せず給湯されることが確実に防止できる。
【0048】
また電気ポット1では、このような場合に3種類の動作(即ち、ロック解除ランプ11a・11bが消灯すること、表示部8がロック解除スイッチ7b(あるいは7c)を押圧する前の表示に遷移すること、ブザー9が3回鳴動すること)によって、給湯ロック機能が解除されなかったことをユーザーに報知する。なお、電気ポット1では、上記3種類の動作によって、給湯ロック機能が解除されなかったことをユーザーへ確実に報知する構成としているが、少なくとも上記いずれか1つの動作によって報知される構成であればよい。
【0049】
そして、電気ポット1は、ユーザーが給湯スイッチ7aの押圧を止めた時点で、元の給湯ロック機能が作動している状態に戻る。
【0050】
このように構成された電気ポット1では、ユーザーが誤って給湯スイッチ7aとロック解除スイッチ7b・7cを同時に押圧したときに、即座に給湯されることがない。あるいは、電気ポット1では、ロック解除スイッチ7b・7cが何らかの原因で故障し、押圧された状態のままになってしまった場合であっても、給湯スイッチ7aを押圧すると同時に給湯されるようなことも起こらない。つまり、電気ポット1では、ユーザーの意図に反して給湯されてしまう可能性が低減されており、安全性の更なる向上が図られている。
【0051】
また、電気ポット1では、表示部8とブザー9は、ユーザーがロック解除スイッチ7b・7cを押圧すると同時に状態が遷移するように動作する。この動作は、従来の電気ポットにおけるロック解除時の動作と同じである。これにより、電気ポット1では、ロック解除スイッチ7b・7cの押圧を止めたときに給湯ロック機能を解除する、というように制御装置10による制御動作を変更したとしても、ユーザーに違和感を与えることがないため、従来の使用感が維持されている。
【0052】
[チャイルドロック機能]
電気ポット1におけるチャイルドロック機能について説明する。チャイルドロック機能は、例えば、ユーザーが不用意に電気ポット1に接触し、予期せず出湯されてしまったり、予期せず設定値が変更されてしまったりすることを防止するための機能である。チャイルドロック機能の作動中には、制御装置10によって、チャイルドロック機能を解除する操作以外の操作部7の操作を全て無効とする。
【0053】
前述した給湯ロック機能は、ユーザーがロック解除スイッチ7b(あるいは7c)を押圧および押圧解除することで解除される。一方、チャイルドロック機能は、ロック解除スイッチ7b(あるいは7c)を単独で操作するだけでは解除することができないように構成されている。
【0054】
電気ポット1におけるチャイルドロック機能は、ロック解除スイッチ7b(あるいは7c)と沸騰スイッチ7dとを所定時間(本実施形態では3秒間)同時押しすることで、作動および解除することができるように構成されている。なお、チャイルドロック機能の作動および解除に用いる2つのスイッチは、ロック解除スイッチ7b(あるいは7c)と沸騰スイッチ7d以外のスイッチを組み合わせて用いてもよい。
【0055】
[チャイルドロック機能の作動および解除動作]
図9に示すように、ユーザーがロック解除スイッチ7b(あるいは7c)と沸騰スイッチ7dを3秒間同時押しすると、チャイルドロック機能が作動する(ONとなる)。チャイルドロック機能が作動したときには、ロック解除ランプ11a・11bが4回点滅し、ブザー9が2回鳴動するとともに、表示部8にはチャイルドロック状態であることを表す「Lc」の表示(
図6参照)が4回点滅して表示される。電気ポット1では、このような3種類の動作によって、ユーザーにチャイルドロック機能が作動したことを確実に報知する。
【0056】
なお、電気ポット1では、上記3種類の動作によって、チャイルドロック機能が作動したことを確実にユーザーに報知する構成としているが、電気ポット1では、少なくとも上記いずれか1つの動作によって、チャイルドロック機能が作動したことを報知すればよい。
【0057】
また、表示部8は、「Lc」の表示(
図6参照)を4回点滅して表示させたあと、チャイルドロック機能が作動する前の状態の表示に戻るように構成されている。電気ポット1では、チャイルドロック機能の作動中にその作動前の状態の表示に戻すことによって、ユーザーは、いつでも現状の保温温度等を確認することができる。このため、電気ポット1では、チャイルドロック機能の作動中においても、ユーザーの使用間を通常時と変わりないものとすることができる。
【0058】
[チャイルドロック機能の作動中の動作]
図10に示すように、チャイルドロック機能の作動中に、ユーザーが操作部7の何らかのスイッチを操作したとき、ロック解除ランプ11a・11bが4回点滅し、ブザー9が3回鳴動するとともに、表示部8にはチャイルドロック機能が作動していることを表す「Lc」の表示(
図6参照)が4回点滅して表示される。
【0059】
なお、電気ポット1では、上記3種類の動作によって、チャイルドロック機能が作動中であることを確実にユーザーに報知する構成としているが、電気ポット1では、少なくとも上記いずれか1つの動作によって、チャイルドロック機能が作動中であることを報知さすればよい。
【0060】
このように電気ポット1は、表示部8の他の表示で使用しているセグメントを利用して、チャイルドロック機能が作動中であることを示す表示を可能にしたため、表示部8を構成するLCDパネルの変更や大型化をする必要がなく、ほとんどコストを増大させずに、電気ポット1へチャイルドロック機能を追加することを可能にしている。
【0061】
なお、電気ポット1では、チャイルドロック機能を作動させるときのスイッチとして、ロック解除スイッチ7b・7cと沸騰スイッチ7dを選択している。ロック解除スイッチ7b・7cと沸騰スイッチ7dは、いずれも「OFFエッジのスイッチ」であるため、両スイッチを押し始めるタイミングがずれた場合に、誤って各スイッチに割り当てられた機能が作動してしまうことがない。つまり、同時押しによりチャイルドロック機能を作動させるときに使用する2つのスイッチとしては、いずれも「OFFエッジのスイッチ」とすることが好ましい。
【0062】
そして、電気ポット1では、通常時はOFFエッジである各スイッチであっても、チャイルドロック機能の作動中は、「ONエッジのスイッチ」として機能させる構成としている。具体的には、電気ポット1では、通常時はOFFエッジであるロック解除スイッチ7b・7cと沸騰スイッチ7dを、チャイルドロック機能の作動中は「ONエッジのスイッチ」として機能させる。これにより、チャイルドロック機能の作動中に各スイッチが操作されたときに、各スイッチを押圧すると同時に表示部8の表示を遷移させたり、ブザー9を鳴動させたり、あるいは、ロック解除ランプ11a・11bを点灯させたりすることができ、これにより、ユーザーに対して、チャイルドロック機能が作動中であることを、適時に、かつ、違和感なく報知することを可能にしている。
【符号の説明】
【0063】
1 電気ポット
2 容器本体(容器部)
4 加熱ヒータ(加熱部)
5 給湯ポンプ(ポンプ)
7 操作部
7a 給湯スイッチ
7b ロック解除スイッチ
7c ロック解除スイッチ
8 表示部
9 ブザー
10 制御装置
11 ロック解除ランプ