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特許7464853情報処理装置、情報処理方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
H04N7/15
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021213734
(22)【出願日】2021-12-28
(65)【公開番号】P2023097551
(43)【公開日】2023-07-10
【審査請求日】2022-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】福永 亮賢
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-034900(JP,A)
【文献】特開2021-022909(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0244930(US,A1)
【文献】特開2003-304337(JP,A)
【文献】特開平07-336660(JP,A)
【文献】特開2013-110508(JP,A)
【文献】特開2013-183183(JP,A)
【文献】特開2018-174479(JP,A)
【文献】特開2017-111643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブ会議の参加者の反応を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された反応に基づき決定される表示優先度に従い、会議画面における参加者の表示を制御する表示制御手段と、
前記表示優先度の順番で参加者に対して発話を許可する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、参加者の属性と前記検出手段で検出された反応とに基づき決定される表示優先度に従い、会議画面における参加者の表示を制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、所定期間において検出された反応および参加者の属性に基づき、会議画面における参加者の表示を制御することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記表示優先度に基づき前記会議画面に表示する参加者の並び順を制御することを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
発話を許可する参加者の人数を受け付ける受付手段を備え、
前記制御手段は、前記受付手段で受け付けた人数の参加者に対して発話を許可することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記制御手段により発話を許可された参加者を識別可能に表示することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記参加者の属性とは、ウェブ会議の主催者または管理職であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、発話中の参加者を優先して画面上に表示するよう制御することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記検出手段は、参加者の頷き、首振り、表情の変化の少なくとも1つを検出することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記検出手段によって検出された反応に基づき、会議画面に表示する参加者を特定する特定手段を備え、
前記表示制御手段は、前記特定手段により特定された参加者の映像を会議画面に表示するよう制御することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
情報処理システムの検出手段が、ウェブ会議の参加者の反応を検出する検出工程と、
情報処理システムの表示制御手段が、前記検出工程によって検出された反応に基づき決定される表示優先度に従い、会議画面における参加者の表示を制御する表示制御工程と、
情報処理システムの制御手段が、前記表示優先度の順番で参加者に対して発話を許可する制御工程と、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載された情報処理システムの各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今のリモートワーク推進の流れにより、リモートでセミナーや研修が行われる機会が増加している。Web上だと画面を表示していても、発話者が参加者の顔を一度に見渡すことができず参加者の反応があるのか認識しづらく、参加者が内容を理解できないまま進行してしまう可能性がある
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-154387号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、ユーザの頭部が所定方向に振れて頷く頷き状態を反応状態として検出することが記載されている。しかし頷きだけでは相手の反応が分かりづらいので、発話者にとっては相手の表情等の他の要素も見ながら発表できるほうが良い。相手の反応が分かりづらい環境だと、発話者にとって発表しづらく、満足のいくようなウェビナーを開催することができない可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、反応の良いユーザを優先的に表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理システムは、
ウェブ会議の参加者 の反応を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された反応に基づき、会議画面における参加者の表示を 制御する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、反応の良いユーザを優先的に表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態におけるシステム全体構成の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態における情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態における、基本ワークフローの一例を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態における、ポジション選択ワークフローの一例を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態における、表情読み取りワークフローの一例を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態における、参加者表示ワークフローの一例を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態における、会話ローテーションワークフローの一例を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態における、クライアント端末で表示される参加者の映像の一例を示す図である。
図9】本発明の実施形態における、クライアント端末で画面共有時に表示される参加者の映像の一例を示す図である。
図10】本発明の実施形態における、表示優先機能を使用した際のクライアント端末で表示される参加者の映像の一例を示す図である。
図11】本発明の実施形態における、表示優先機能を使用した際のクライアント端末で画面共有時に表示される参加者の映像の一例を示す図である。
図12】本発明の実施形態における、クライアント端末でポジション選択リクエストを送信する際の一例を示す図である。
図13】本発明の実施形態における、クライアント端末で会話ローテーションリクエストを送信する際の一例を示す図である。
図14】本発明の実施形態における、クライアント端末で会話ローテーションを行う発話者の表示の一例を示す図である。
図15】本発明の実施形態における、サーバで参加者を表示優先度順にソートした一例を示すデータテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明における情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0011】
本発明における情報処理システムは、サーバ装置100とクライアント端末101とがネットワーク102を通じて通信可能に接続されたシステムとなっている。サーバ装置100はクライアント端末101同士のコミュニケーションを確立する機能を提供しており、クライアント端末101はWeb会議に参加しているクライアント端末の映像を表示する機能を持つ。
【0012】
クライアント端末101は、例えば、デスクトップPC、ノートPC、またはタブレットPCなど種々のパーソナルコンピューターを採用しうるし、スマートフォン等の携帯端末を利用してもよい。クライアント端末101は、ディスプレイを備え、サーバ装置100から提供される会議画面をディスプレイに表示する。クライアント端末101は、カメラ機能、マイク機能及びスピーカー機能を有している。カメラ、マイク、スピーカー等の各デバイスは、別々の筐体であってもいいし、同じ筐体のハードディスクに備えられていてもよい。図1においては、クライアント端末102は2台しか図示していないが、複数台であっても良い。
【0013】
図2は、本発明の情報処理装置(サーバ装置100、クライアント端末101)のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図2に示すように、情報処理装置は、システムバス200を介してCPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、記憶装置204、入力コントローラ205、音声コントローラ206、ビデオコントローラ207、メモリコントローラ208、よび通信I/Fコントローラ209が接続される。
【0015】
CPU201は、システムバス200に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0016】
ROM202あるいは外部メモリ213は、CPU201が実行する制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、本情報処理方法を実現するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムおよび必要な各種データ(データテーブルを含む)を保持している。
【0017】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ213からRAM203にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0018】
入力コントローラ205は、キーボード210や不図示のマウス等のポインティングデバイス等の入力装置からの入力を制御する。入力装置がタッチパネルの場合、ユーザがタッチパネルに表示されたアイコンやカーソルやボタンに合わせて押下(指等でタッチ)することにより、各種の指示を行うことができることとする。
【0019】
また、タッチパネルは、マルチタッチスクリーンなどの、複数の指でタッチされた位置を検出することが可能なタッチパネルであってもよい。
【0020】
ビデオコントローラ207は、ディスプレイ212などの外部出力装置への表示を制御する。ディスプレイは本体と一体になったノート型パソコンのディスプレイも含まれるものとする。なお、外部出力装置はディスプレイに限ったものははく、例えばプロジェクタであってもよい。また、前述のタッチ操作を受け付け可能な装置については、入力装置も提供する。
【0021】
なおビデオコントローラ207は、表示制御を行うためのビデオメモリ(VRAM)を制御することが可能で、ビデオメモリ領域としてRAM203の一部を利用することもできるし、別途専用のビデオメモリを設けることも可能である。
【0022】
メモリコントローラ208は、外部メモリ213へのアクセスを制御する。外部メモリとしては、ブートプログラム、各種アプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、および各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク)、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等を利用可能である。
【0023】
通信I/Fコントローラ209は、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信やISDNなどの電話回線、および携帯電話の4G回線、5G回線等を用いた通信が可能である。
【0024】
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ212上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ212上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0025】
次に、本発明の適用対象の一例である読み取られた表情に応じた表示画面の並び替えについて、全体像を説明する。
【0026】
まず、図12に示すポジション選択画面を介して、参加者のポジションに当てはまるものの選択を受け付ける。その後は会議中の表示映像からユーザの表情が検知され、頷き、首振り又は表情の変化などが検知されると表示優先度が加算されていく。5分毎に表示優先度を集計して、その集計結果(図15)から点数の高い順にユーザが並べられ、図10のようにユーザが並び替えられた状態の画面がディスプレイに表示される。
【0027】
表示優先度とは、ユーザが画面に表示される際の順番を決定するための重みであり、点数が高いユーザほど、画面上に表示される可能性が高くなる。本実施例では、重み付けにより表示優先度が決定されるが、ユーザの動作や表情変化などのリアクションに基づき表示順を制御するものであれば、重みや点数を用いる方法でなくても良い。
【0028】
次に図3のフローチャートを用いて、本実施例における全体の流れを表す基本ワークフローの一例を説明する。
【0029】
図3のフローチャートで示す処理は、サーバ装置100のCPU201が所定の制御プログラムを読み出して実行する処理である。
【0030】
ステップS201では、サーバ装置100はクライアント端末101からポジション選択リクエストを受信したか否かを判定する。
【0031】
ポジション選択リクエストを受信している場合には、ステップS207へ進む。そうでない場合は、ステップS203へ進む。
【0032】
ステップS202では、サーバ装置100はクライアント端末101からポジション選択リクエストを受信すると、図3に示すポジション選択ワークフローを実行する。
【0033】
ステップS203では、サーバ装置100はWeb会議が終了するまでループを行う。
【0034】
ステップS204では、サーバ装置100は図4に示す表情読み取りワークフローを実行する。
【0035】
ステップS205では、サーバ装置100は図5に示す参加者表示ワークフローを実行する。
【0036】
ステップS206では、サーバ装置100はクライアント端末101から会話ローテーションリクエストを受信したか否かを判定する。
【0037】
会話ローテーションリクエストを受信している場合には、ステップS207へ進む。そうでない場合は、ステップS203へ戻る。
【0038】
ステップS207は、サーバ装置100はクライアント端末101から会話ローテーションリクエストを受信すると、図6に示す会話ローテーションワークフローを実行する。
【0039】
以上の処理を会議が終了するまで繰り返すことにより、参加者の表情に応じて表示優先度を変更することが可能となる。
【0040】
次に、図4を用いて本実施例におけるポジション選択ワークフローを説明する。図4はステップS202で実行されるワークフローである。
【0041】
ステップS301では、サーバ装置100はクライアント端末101から参加者のポジション情報を受信する。なおここで受信するポジション情報は、クライアント端末101が図12に示すポジション選択画面において参加者からの選択を受け付け、受け付けたポジションに係るポジション情報をサーバ装置100に送信したものである。
【0042】
ステップS302では、サーバ装置100はステップS301で受信したポジション情報が会議主催者であるかを判定する。すなわち、クライアント端末101において図12で主催者1201の選択を受け付けたか否かを判定する。
【0043】
会議主催者であると判定される場合は、ステップS303に進む。そうでない場合は、ステップS304に進む。
【0044】
ステップS303では、サーバ装置100は主催者であると選択した参加者の表示優先度の値を10加算し、重みづけを行う。
【0045】
ステップS304では、サーバ装置100はS301で受信したポジション情報が管理職であるか否かを判定する。すなわち、クライアント端末101において図12で管理職1202の選択を受け付けたか否かを判定する。
【0046】
管理職であると判定される場合は、ステップS305へ進む。そうでない場合はステップS306へ進む。
【0047】
ステップS305では、サーバ装置100は管理職であると選択した参加者の表示優先度の値を5加算し、重みづけを行う。
【0048】
ステップ306では、S303、S305で重みづけを行った結果を取得し、サーバ装置100は表示優先度の値を降順にソートする。
【0049】
以上の処理を行うことにより、主催者や管理職といった主要人物は優先的に画面上に表示しておくことが可能となる。主催者や管理職といったポジションは一例であり、優先的に画面上に表示しておきたいポジション(属性)があれば、そのポジションの選択を受け付けるようにしても良い。
【0050】
次に、図5を用いて本実施例における表情読み取りワークフローを説明する。図5はステップS204で実行されるワークフローである。
【0051】
ステップS401では、サーバ装置100はクライアント端末101からWeb会議参加者のビデオカメラ映像を受信する。
【0052】
ステップS402では、サーバ装置100はS401で取得した参加者のビデオカメラ映像から参加者の動きおよび表情の検知を行う。
【0053】
ステップS403では、サーバ装置100はS402で検知した動きおよび表情が頷きであるか否かを判定する。
【0054】
頷きであると判定された場合、ステップS404へ進む。そうでない場合、ステップS405へ進む。
【0055】
ステップS404では、サーバ装置100は頷きを検知した参加者の表示優先度の値を3加算し、重みづけを行う。
【0056】
ステップS405では、サーバ装置100はS402で検知した動きおよび表情が首振りであるかを判定する。
【0057】
首振りがあると判定された場合、ステップS406へ進む。そうでない場合、ステップS407へ進む。
【0058】
ステップS406では、サーバ装置100は首振りを検知した参加者の表示優先度の値を2加算し、重みづけを行う。
【0059】
ステップS407では、サーバ装置100はS403で検知した表情に変化があるかを判定する。
【0060】
表情に変化があると判定された場合、ステップS408へ進む。そうでない場合、ステップS409へ進む。
【0061】
ステップS408では、サーバ装置100は表情に変化があると判定された参加者の表示優先度の値を1加算し、重みづけを行う。
【0062】
ステップS409では、サーバ装置100は参加者ごとにS404、S406、S408で重みづけが行われた過去5分間の表示優先度の値を集計する。
【0063】
ステップS410では、サーバ装置100は、図2のS202でポジション選択ワークフローが実行されているか否かを判定する。
【0064】
実行していると判定された場合、ステップS411へ進む。そうでない場合、ステップS412へ進む。
【0065】
ステップS411では、サーバ装置100は、参加者ごとに図3のS303、S305で重みづけを行った表示優先度とS409で集計した表示優先度を取得し、集計を行う。具体的には両者の値を足し合わせる。
【0066】
ステップS412では、サーバ装置100は、S409またはS411で集計した表示優先度を取得し、表示優先度の値が降順になるように参加者をソートする(例えば、図15のような結果になる)。
【0067】
以上の処理を実行することにより、参加者の中で反応が大きい人物を特定することができ、ポジション選択の結果も加味した表示優先度を決定することが可能となる。本実施例では、頷き、首振り又は表情の変化を例に挙げているが、参加者のリアクションを特定できるものであれば何れでも構わない。
【0068】
また、頷き、首振り又は表情の変化などの参加者の反応が検知された場合、該当する参加者に自身の反応が検知された旨の通知を行うようにしても良い。
【0069】
次に、図6を用いて本実施例における参加者表示ワークフローを説明する。図6はステップS205で実行されるワークフローである。
【0070】
ステップS501では、サーバ装置100はクライアント端末101から画面共有が行われているか否かを判定する。
【0071】
画面共有が行われていると判定された場合は、ステップS502へ進む。そうでない場合は、ステップS505へ進む。
【0072】
ステップS502では、サーバ装置100はWeb会議参加者が発話を行っているか否かを判定する。
【0073】
発話を行っていると判定された場合は、ステップS503へ進む。そうでない場合は、ステップS504へ進む。
【0074】
ステップS503では、サーバ装置100は発話を行っているWeb会議参加者の映像とS412において降順でソートした表示優先度の上位8人の参加者の映像をクライアント端末101に表示させる。
【0075】
ステップS504では、サーバ装置100はS412において降順でソートした表示優先度の上位9人の参加者の映像をクライアント端末101に表示させる。例えば、図8はソートする前の表示画面である。図8の表示画面から、図15の表示優先度の集計結果に応じて上位9名が表示されるようにソートされ、図10のような表示画面になる。
【0076】
図8及び図10では、参加者が10人以上いる場合は画面を切り替えることで他の参加者の映像を表示することが可能である。
【0077】
ステップS505では、サーバ装置100はWeb会議参加者が発話を行っているか否かを判定する。
【0078】
発話を行っていると判定された場合は、ステップS506へ進む。そうでない場合は、ステップS507へ進む。
【0079】
ステップS506では、サーバ装置100は発話を行っているWeb会議参加者の映像とS412において降順でソートした表示優先度の上位4人の参加者の映像をクライアント端末101に表示させる。
【0080】
ステップS507では、サーバ装置100はS412において降順でソートした表示優先度の上位5人の参加者の映像をクライアント端末101に表示させる。例えば、図9はソートする前の表示画面である。図9の表示画面から、図15の表示優先度の集計結果に応じて上位5名が表示されるようにソートされ、図11のような表示画面になる。
【0081】
図9及び図11では、参加者が6人以上いる場合は画面を切り替えることで他の参加者の映像を表示することが可能である。
【0082】
以上の処理を実行することにより、画面共有が行われている場合とそうでない場合では表示できる参加者の数は異なるので、それぞれの場合に応じた表示が可能となる。また、表示優先度とは関係なく、発話者は常に画面に表示されるようになる。
なお、不図示であるが、会議主催者や管理職については、映像が表示される枠の表示形態(色や太さなど)を変えることで、会議主催者や管理職といった参加者の属性を識別可能に表示するよう制御しても良い。
【0083】
次に、図7を用いて本実施例における会話ローテーションワークフローを説明する。図7はステップS207で実行されるワークフローである。
【0084】
ステップS601では、サーバ装置100はS412において降順でソートした表示優先度を取得する。
【0085】
ステップS602では、サーバ装置100はクライアント端末101から会話ローテーションを行う人数のリクエストを受信する。具体的には、クライアント端末101は、図13で示すリクエスト画面により人数の選択1301を受け付ける。そして送信ボタン1302の押下を受け付けると、リクエストをサーバ装置100へ送信する。
【0086】
ステップS603では、サーバ装置100はS602で取得した会話ローテーションの人数ループを行う。発話者として指名された参加者は、図14に示すように表示画面内に「発話者1」などの表示1401がなされる。なお、会話ローテーション機能を利用して発話者が発話をしている場合は、他の参加者はミュートになる。
【0087】
ステップS604では、サーバ装置100はS601で取得したソートした表示優先度の順に、上位からWeb会議参加者に会話を促すリクエストをクライアント端末101に送信する。
【0088】
ステップS605では、サーバ装置100はクライアント端末101からWeb会議参加者の会話終了リクエストを受信する。
【0089】
以上の処理により、反応がいい人ほど話を聞いている可能性も高いので、そのような人物を中心に指名することが可能となり、活発な議論の場が期待できるようになる。また、ローテーション機能を採用することにより、複数の音声が被ってしまうという課題を避けることができる。
【0090】
本実施例のような処理を実行することで、反応の良い参加者が常に画面上に表示されることになり、発話者にとっても発言しやすいような環境を提供することが可能となる。
【0091】
また、本実施例では、反応が良い順で参加者が表示されるような仕組みを提供しているが、表情が豊かな人物(キーマン)を一人特定して、そのキーマンが常に画面上に表示されるような方法であっても良い。
【0092】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0093】
また、本発明におけるプログラムは、図3、4、5、6、7に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図3、4、5、6、7の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図3、4、5、6、7の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0094】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0095】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0096】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、DVD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0097】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0098】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0099】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0100】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0101】
100 サーバ装置
101 クライアント端末
102 ネットワーク
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