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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】誘導灯
(51)【国際特許分類】
   F21V 17/16 20060101AFI20240403BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20240403BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240403BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20240403BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240403BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20240403BHJP
【FI】
F21V17/16 300
F21S9/02 110
F21V23/00 120
F21V23/00 150
F21V23/04
F21Y115:10
F21Y115:15
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020119802
(22)【出願日】2020-07-13
(65)【公開番号】P2022024248
(43)【公開日】2022-02-09
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】閨谷 渉
(72)【発明者】
【氏名】冨山 和也
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-099376(JP,A)
【文献】特開2020-021704(JP,A)
【文献】特開2007-194173(JP,A)
【文献】特開2011-113658(JP,A)
【文献】特開2016-046201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 17/16
F21S 9/02
F21V 23/00
F21V 23/04
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体側筐体と;
枠部およびこの枠部に設けられた貫通部を有し、前記本体側筐体の前面側に装着される表示側筐体と;
前記表示側筐体に取り付けられる光源ユニットと;
前記表示側筐体に収納される電源ユニットと;
前記表示側筐体の前記貫通部に取り付けられる取付爪部を有するケースと、このケースに収納される電子部品を搭載した基板とを有するユニットと;
を備えることを特徴とする誘導灯。
【請求項2】
前記ケースは、前記ケースに収納された前記基板の基板面に対向する側に、前記ケースに収納された前記基板を係止する係止爪部を有する
ことを特徴とする請求項1記載の誘導灯。
【請求項3】
前記電子部品は、外部からの入力操作を受け付けるスイッチを含む
ことを特徴とする請求項1または2記載の誘導灯。
【請求項4】
前記表示側筐体に取り付けられた前記ケースの背面側が接触可能とする支え部を備える
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の誘導灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、点検ユニットを備える誘導灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井や壁面に取り付けられる誘導灯の場合、誘導灯の筐体内の下部側に蓄電池や光源等の点検のための操作や表示をする点検ユニットが設けられている。また、壁面に埋め込まれる壁埋込形の誘導灯の場合、誘導灯の筐体内に点検ユニットが配置されていると点検のための操作や表示ができないため、誘導灯の筐体外に点検ユニットが配置されている。
【0003】
この壁埋込形の誘導灯の場合、壁面に埋込設置するための取付金具に、誘導灯の筐体と点検ユニットとがそれぞれ個別に取り付けられ、さらに、点検ユニットはねじを用いて取り付けられることが多いため、組み立てに手間がかかり、組立性の向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-99376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、組立性を向上できる誘導灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の誘導灯は、本体側筐体、表示側筐体、光源ユニット、電源ユニットおよびユニットを備える。表示側筐体は、枠部およびこの枠部に設けられた貫通部を有し、本体側筐体の前面側に装着される。光源ユニットは表示側筐体に取り付けられる。電源ユニットは、表示側筐体に収納される。ユニットは、表示側筐体の貫通部に取り付けられる取付爪部を有するケースと、ケースに収納される電子部品を搭載した基板とを有する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の誘導灯によれば、組立性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態を示す誘導灯の斜視図である。
図2】同上誘導灯の化粧枠を外した斜視図である。
図3】同上誘導灯の分解状態の斜視図である。
図4】同上誘導灯の背面側から見た分解状態の斜視図である。
図5】同上誘導灯の点検ユニットの分解状態の斜視図である。
図6】同上誘導灯の点検ユニットの背面側から見た分解状態の斜視図である。
図7】同上誘導灯の点検ユニットの取付状態の斜視図である。
図8】同上誘導灯の点検ユニットの取付方法を示す斜視図である。
図9】同上誘導灯の点検ユニットの取付状態の斜視図である。
図10】同上誘導灯の点検ユニットの電気接続状態の斜視図である。
図11】同上誘導灯の背面側から見た組立状態の斜視図である。
図12】同上誘導灯を下面側から見た化粧枠の取外し方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1ないし図4に示すように、誘導灯10は、壁面11(図12参照)に設けられた壁開口11a(図12参照)に埋込状態に設置される壁埋込形誘導灯である。誘導灯10は、壁面11の壁開口11aに埋込状態に取り付けられる取付金具12と、この取付金具12に取り付けられる誘導灯本体13と、これら取付金具12および誘導灯本体13の前面側を覆う化粧枠14とを備えている。
【0011】
そして、取付金具12は、金属板により一体に形成されている。取付金具12は、背面部、上面部、下面部、および両側の側面部を有し、前面側を開口した箱状で壁面11の壁開口11aに埋込可能に形成されている。
【0012】
取付金具12の背面部には、誘導灯本体13を取り付けるためのねじ16が螺着される複数の取付孔17、および交流電源等の外部電源を供給する電源線を壁内部から引き込むための引込口18が形成されている。
【0013】
取付金具12の前端側であって、上面部および両側の側面部の前端側には、壁面11に当接して取り付けられる取付縁部19が形成されている。両側の取付縁部19には、壁面11に対して取付金具12を固定するための固定用ねじが挿通するねじ挿通部20が設けられている。ねじ挿通部20は、取付縁部19に切欠き状または孔状に設けられ、取付縁部19の上下方向の複数箇所に設けられている。本実施形態では、ねじ挿通部20は、取付縁部19に切欠き状に設けられ、取付縁部19の上下方向の2箇所に設けられている。さらに、各取付縁部19には、化粧枠14を位置決めするための位置決め縁部21が前方へ向けて突設されている。上側の位置決め縁部21には、化粧枠14を引っ掛けて取り付けるための引掛孔22が形成されている。両側の位置決め縁部21の下部側には、化粧枠14を取付状態に係止するための係止孔23が設けられている。
【0014】
取付金具12は、支え部24を一体に備えている。支え部24は、取付金具12の一側の側面部の下側で背面部から前方へ向けて折曲されて突出されている。
【0015】
次に、誘導灯本体13は、四角形箱状の筐体26を備え、取付金具12の内側に配置されて取付可能とする。誘導灯本体13は、本体ユニット27と、この本体ユニット27の前面側に着脱可能に装着される表示ユニット28とを備えている。
【0016】
そして、本体ユニット27は、筐体26の一部であって本体側筐体である本体ケース30、この本体ケース30の内側に沿って配置される取付部材である補強部材31、この補強部材31に取り付けられる端子台32、および補強部材31に施工時まで一時的に配置されるケーブルコネクタ33等を備えている。
【0017】
本体ケース30は、樹脂製で、背面部30a、上面部30b、下面部30c、および左右の側面部30dを有し、前面側を開口した箱形に形成されている。本体ケース30の背面部30aには、ねじ16が挿通する複数の挿通孔34、および電源線を引き込むための引込口35が形成されている。さらに、本体ケース30の背面部30aの前面側には、引込口35から引き込まれて端子台32に接続される電源線を配線するための配線領域36と表示ユニット28側に取り付けられた部品を収納配置するための部品配置領域37とを仕切る仕切板38が突設されている。本体ケース30の下面部30cには、前側中央領域に切欠き部39が設けられているとともに、この切欠き部39の両側域の上面側に表示ユニット28の下部側を係止するための係止突起40が突設されている。
【0018】
補強部材31は、金属板により形成され、本体ケース30の背面部30a、上面部30bおよび両側の側面部30dの内側に沿って配置されている。補強部材31の左右両側の上部側には、表示ユニット28の上部側を係止するための被係止部41が設けられている。
【0019】
端子台32は、配線領域36内で補強部材31に取り付けられている。引込口18,35を通じて本体ユニット27の内側に引き込まれた電源線が電気的に接続される。
【0020】
ケーブルコネクタ33は、図示しないケーブルにより端子台32に電気的に接続されており、誘導灯10の施工時に、補強部材31から外されて表示ユニット28側と電気的に接続される。
【0021】
また、表示ユニット28は、筐体26の一部であって表示側筐体である表示ケース43、この表示ケース43内の前面側に配置される導光板44、この導光板44の前面側に配置される図示しない表示パネル、表示ケース43の内側に沿って配置される取付部材である補強部材45、表示ケース43の上部側に取り付けられる光源ユニット46、補強部材45に取り付けられる電源ユニット47、この電源ユニット47に着脱可能に取り付けられる蓄電池48、および表示ケース43の下部側に取り付けられるユニットであって外付ユニットまたは外部ユニットである点検ユニット49等を備えている。
【0022】
表示ケース43は、樹脂製で、前面部43a、下面部43c、および両側の側面部43dを有し、枠状に形成されている。さらに、表示ケース43は、下面部43cと両側の側面部43dとの内側間に表示ケース43内を前後方向に仕切る仕切部43eを有している。
【0023】
表示ケース43の前面部43aと仕切部43eとの間には、導光板44および表示パネルを上方から差し込んで収納する収納空間が形成されている。前面部43aには、仕切部43eとの間に収納される表示パネルの表示部分が臨む開口部51が形成されている。
【0024】
表示ケース43の下面部43cは、後方に向けて長く延設された下面延長部43fを有している。下面延長部43fは、下面部43cの前端側よりも上方に配置され、本体ユニット27と表示ユニット28との組立時に、本体ケース30の下面部30c上に配置される。下面延長部43fには、本体ケース30の下面部30c上に突出する係止突部40に上方から嵌め込まれて係止される係止孔52が形成されている。さらに、下面延長部43fの一側には(図8も参照)、点検ユニット49の取付用および電気的接続用のために、後方へ向けて開口するように切り欠かれた切欠き部53が設けられているとともに、この切欠き部53の両側方位置に係止孔54が設けられている。そして、表示ケース43の下面部43cは、本体ケース30および表示ケース43を含む筐体26の周囲の枠部55の一部を構成し、さらに、切欠き部53は、筐体26の周囲の枠部55に、その枠部55の内外面に貫通する状態に設けられている貫通部56を構成する。
【0025】
導光板44は、例えばアクリル等の透明な樹脂製で平板状に設けられている。導光板44は、表示ケース43の前面部43aと仕切部43eとの間の収納空間に上方から差し込まれて収納され、表示ケース43の上側に取り付けられる光源ユニット46により収納状態に保持される。導光板44は、上端面側から光源ユニット46からの光を入射して前面側から出射し、表示パネルを背面側から照明する。
【0026】
表示パネルは、透光性を有し、誘導表示のピクトグラムが表示されている。表示パネルは、表示ケース43の前面部43aと仕切部43eとの間の収納空間に上方から差し込まれて収納され、表示ケース43の上側に取り付けられる光源ユニット46により収納状態に保持される。表示パネルは、導光板44の前面側から出射される光により照明される。
【0027】
また、補強部材45は、金属板により形成され、仕切部43eの背面側に沿って取り付けられている。補強部材45の両側部の上部側には、本体ユニット27の被係止部41に前方から着脱可能に取り付けられる取付ばね58が取り付けられている。
【0028】
また、光源ユニット46は、表示ケース43の上部側に取り付けられ、表示ケース43に上方から収納された導光板44および表示パネルを押えるとともに、光を導光板44に入射して表示パネルを照明する。
【0029】
光源ユニット46は、発光モジュール60、およびこの発光モジュール60を保持するホルダ61を備えている。発光モジュール60は、光源基板、およびこの光源基板に実装された光源である発光素子を有している。光源基板は、光源ユニット46が表示ケース43の上部側に取り付けられる際には予め取り付けられている電源ユニット47に対してコネクタにて電気的に接続される。発光素子は、LEDや有機ELなどの半導体発光素子が用いられ、光が導光板44に入射するように導光板44の上端面側に対向配置される。ホルダ61は、発光モジュール60を上下方向から挟み込んで保持し、表示ケース43の上部側に取り付けられる。
【0030】
また、電源ユニット47は、図示しない電源回路、およびこの電源回路を収容する電源ケース63を備えている。
【0031】
電源回路は、電源基板、およびこの電源基板に実装された各種の電源回路部品を備えている。電源回路には、外部電源入力部にケーブルコネクタ33が電気的に接続されるコネクタ64が設けられ、点灯電源出力部に光源ユニット46の発光モジュール60がコネクタ接続により電気的に接続される。そして、電源回路は、外部電源入力部に入力される外部電源である交流電源を点灯電源である直流電源に変換して出力する変換回路、この変換回路から出力される直流電源によって発光モジュール60(発光素子)を点灯させる常時点灯回路、変換回路から出力される直流電源によって蓄電池48を充電する充電回路、外部電源の停電時に蓄電池48の電源によって発光モジュール60(発光素子)を点灯させる非常時点灯回路、および点検時に動作する点検回路などの回路を備えている。
【0032】
電源ケース63は、左右方向に比べて上下方向に長く、表示ケース43内の一側(正面視で右側)に寄った位置に配置され、補強部材45に取り付けられている。電源ケース63は、下部側から上部側に亘って表示ケース43の他側(正面視で左側)から徐々に離反するように段階的に傾斜されている。そして、電源ユニット47は、表示ユニット28を本体ユニット27に組み合わせた際に、本体ケース30内の部品配置領域37に配置される。
【0033】
電源ケース63の上部側には、蓄電池48が着脱可能に装着される蓄電池装着部65が設けられている。この蓄電池装着部65に装着された蓄電池48は、コネクタ接続により電源回路に電気的に接続される。
【0034】
電源ケース63の下面側には、電源回路に対して点検ユニット49が電気的に接続されるコネクタ66(図8参照)が設けられている。
【0035】
また、蓄電池48は、充放電可能な二次電池が用いられている。蓄電池48は、電源ユニット47の蓄電池装着部65に着脱可能に装着され、コネクタ接続により電源ユニット47の電源回路に電気的に接続される。なお、蓄電池48は、電源ユニット47に接続されただけでは蓄電池48から電源ユニット47への放電経路が遮断された状態にあり、本体ユニット27側のケーブルコネクタ33が電源ユニット47のコネクタ64に接続されることにより放電経路が形成されるように構成されている。また、蓄電池48は、表示ユニット28を本体ユニット27に組み合わせた際に、電源ユニット47とともに本体ケース30内の部品配置領域37に配置される。
【0036】
また、点検ユニット49は、筐体26の枠部55の外側に取り付けられている。図5および図6に示すように、点検ユニット49は、基板であって外付基板または外部基板である点検基板70、およびこの点検基板70を収納するケースであって外付ケースまたは外部ケースである点検ケース71を備えている。
【0037】
点検基板70は、四角形状で幅方向に横長に形成され、下面側を配線パターン面、上限側を部品搭載面とするプリント配線基板が用いられている。点検基板70には、複数の電子部品Aが搭載されている。電子部品Aには、スイッチである点検スイッチ73、複数のモニタランプ74、受信部75、送信部76およびコネクタ77等が含まれている。点検スイッチ73、複数のモニタランプ74、受信部75、送信部76は点検基板70の前部側で前方へ向けて実装され、コネクタ77は点検基板70の後部側に実装されている。点検スイッチ73は、操作者による外部からの入力操作を受け付ける。モニタランプ74は、少なくとも充電用および光源用を備え、点灯、消灯、点滅等の表示形態により蓄電池48や光源(光源ユニット46)の正常、異常を含む状態を表示する。受信部75および送信部76は、点検リモコンとの間で赤外線を媒体とする無線信号を受信および送信する。コネクタ77は、電源ユニット47の点検回路と電気的に接続するために用いられている。
【0038】
点検基板70は、配線ケーブル78(図10参照)により電源ユニット47の点検回路と電気的に接続されている。配線ケーブル78は、例えばフレキシブルケーブルであり、一端側にコネクタ77に接続されるケーブルコネクタ79が設けられ、他端側に電源ユニット47のコネクタ66に接続されるケーブルコネクタ80が設けられている。
【0039】
点検ケース71は、前面部71a、上面部71b、下面部71c、両側の側面部71dを有し、背面側を開口した箱状に形成されている。
【0040】
点検ケース71の前面部71aには、点検スイッチ73を押動操作するための点検スイッチ部82、モニタランプ74が対向されるモニタ窓83、受信部75が対向される受信窓84、送信部76が対向される送信窓85が設けられている。点検スイッチ部82は、前面部71aに対して分離され、上面部71bに片持ち状態に一体に連結されており、前方からの押動操作により後方に弾性的に変形して点検スイッチ73を押動可能に構成されている。
【0041】
点検ケース71の上面部71bの後部側には、後方に向けて切欠き部86が設けられている。点検ケース71の上面部71b上には、切欠き部86の両側に、表示ケース43の下面部43cである下面延長部43fの切欠き部53の両側に取り付けられる第1爪部である一対の取付爪部87が設けられている。一対の取付爪部87は、幅方向よりも前後方向に沿って長く設けられている。一対の取付爪部87は、表示ケース43の切欠き部53を挿通される挿通部88、およびこの挿通部88の先端側に設けられ表示ケース43の下面延長部43fの上面側に係合する爪部89を有している。さらに、点検ケース71の上面部71b上には、切欠き部86の両側でかつ取付爪部87よりも後方位置に、一対の突出部90が設けられている。突出部90は、表示ケース43の係止孔52に挿入される係止部91、および下面延長部43fの下面側に当接する当接部92を有している。
【0042】
点検ケース71の内部には、点検基板70の左右両側の下面側を支持する支持台部93と側面側をガイドするガイド面部94が前後方向に沿って形成され、点検基板70の上面側の中央を押える押え部95が形成されている。これら支持台部93とガイド面部94と押え部95との間に、点検ケース71の背面側から点検基板70を挿入可能とするとともに挿入された点検基板70を位置決め保持する基板収納保持部96が形成されている。
【0043】
点検ケース71の内部には、点検ケース71に収納された点検基板70の上面側であって部品搭載面である基板面に対向する側に、点検ケース71に収納された点検基板70を係止する第2爪部である一対の係止爪部97が設けられている。一対の係止爪部97は、一対の支持台部93の上方に対向する位置に、点検ケース71の前面部71aの内面側から後方に向けて突出されている。係止爪部97の先端側で支持台部93に対向する下面側には、点検ケース71に収納された点検基板70を係止する爪部98が設けられている。爪部98は、図7に示すように、係止爪部97の下面に対して後側から前側へ向けて下降傾斜する傾斜面98a、およびこの傾斜面98aの前面側でかつ係止爪部97の下面に対して略垂直状であって点検基板70の背面側に係止される係止面98bを有している。
【0044】
ここで、点検ユニット49の組立について説明する。点検ケース71の背面側から点検基板70が挿入される。点検基板70は、両側のガイド面部94間でかつ下側の支持台部93と上側の係止爪部97との間に挿入される。図7に示すように、点灯基板70は、挿入途中で、点検基板70の前端部70aが支持台部93と係止爪部97の爪部98の傾斜面98aとの間に挿入されて挟まれ、この挟まれた状態で仮保持される。この仮保持された状態で、点検ケース71内への点検基板70の左右の挿入具合を調整することができる。これにより、例えば、点検基板70の挿入時に、点検基板70の左右の片側だけが点検ケース71の奥側に入り、点検基板70が点検ケース71内への途中位置で詰まるような不具合が発生するのが抑制される。つまり、点検ケース71内に対して、点検基板70を左右均等に挿入しやすくできる。
【0045】
点検基板70の前端部70aが支持台部93と係止爪部97の爪部98の傾斜面98aとの間に挿入されて挟まれた状態から、さらに点検基板70を点検ケース71内に挿入すると、点検基板70で係止爪部97を弾性的に押し上げながら挿入が継続される。点検基板70は、押え部95の下側に進入し、前面部71aの背面側に当接して挿入が停止される。このとき、点検基板70が係止爪部97の爪部98を通過し、点検基板70の背面側に爪部98の係止面98bが係合される。これにより、点検基板70は、支持台部93とガイド面部94と押え部95との間の基板収納保持部96に、収納された状態で保持される。
【0046】
次に、図1ないし図4に示すように、化粧枠14は、誘導灯本体13の表示パネル(表示ユニット28の開口部51)が臨む開口部100を有し、壁開口11a、取付金具12および誘導灯本体13の前面側周辺部を覆う枠状に形成されている。
【0047】
化粧枠14の前面側には、開口部100の一側の下部側に複数の窓孔101が設けられている。これら窓孔101には、点検ユニット49の点検スイッチ部82、モニタランプ74、受信部75および送信部76がそれぞれ臨むように構成されている。
【0048】
化粧枠14の背面側において、化粧枠14の枠部分の上部側に、取付金具12の引掛孔22に引っ掛けられる引掛部102が設けられ、また、化粧枠14の枠部分の両側下部側に、取付金具12の係止孔23に着脱可能に係止される係止部103(図11および図12参照)が設けられている。
【0049】
化粧枠14の枠部分の両側下部側であって、係止部103の近傍位置には、取付金具12からの取り外し用の溝部104が設けられている。図11および図12に示すように、溝部104にマイナス形ドライバー等の工具105の先端側が差し込まれて回動されることにより、化粧枠14が壁面11から離れつつ、係止部103が取付金具12の係止孔23から外れるように構成されている。溝部104には、化粧枠14の枠部分の厚み方向の外側に設けられる外側溝縁部106と、内側に設けられる内側溝縁部107とが設けられている。内側溝縁部107は、外側溝縁部106よりも化粧枠14の枠部分の後部側からの開口幅が狭く、溝部104に差し込まれる工具105が接触するように構成されている。
【0050】
化粧枠14の背面側で溝部104の内方位置には、溝部104から所定の距離をあけて工具105の差し込み過ぎを規制する規制壁部108が設けられている。
【0051】
次に、誘導灯10の誘導灯本体13の組立について説明する。
【0052】
本体ユニット27側と、表示ユニット28側とがそれぞれ組み立てられる。
【0053】
本体ユニット27側では、端子台32が補強部材31に取り付けられ、この補強部材31が本体ケース30の内側に取り付けられる。端子台32にはケーブルコネクタ33のケーブルが接続され、このケーブルコネクタ33が補強部材31に着脱可能に配置される。また、組み立てられた本体ユニット27は、取付金具12の内側に配置され、ねじ16により取付金具12に取り付けられる。これにより、本体ユニット27側が組み立てられる。
【0054】
表示ユニット28側では、電源ユニット47が補強部材45に取り付けられ、この補強部材45が表示ケース43の内側に取り付けられる。この電源ユニット47には蓄電池48が装着される。また、点検ユニット49が表示ケース43の下面側に取り付けられる。
【0055】
点検ユニット49の取り付けでは、図8において、点検ケース71の一対の取付爪部87の爪部89が表示ケース43の下面延長部43fの上面側に配置されるように、一対の取付爪部87が下面延長部43fの切欠き部53に後方から嵌め込まれ、点検ケース71が表示ケース43へ向けて前方に移動される。表示ケース43へ向けて前方に移動される点検ケース71の前端側は、表示ケース43の下面部43cの下側に進入される。表示ケース43へ向けて前方に移動される途中で点検ケース71の突出部90の係止部91が下面延長部43fの背面側に当接するが、係止部91は点検ケース71および下面延長部43fが相対的に弾性的に変形しながら下面延長部43fの下面側に進入される。図9に示すように、係止部91が下面延長部43fの係止孔54に達すると、係止部91が下面延長部43fの係止孔54に嵌り込み、突出部90の当接部92が下面延長部43fの下面側に当接する。
【0056】
この状態で、一対の取付爪部87の前面側が下面延長部43fの切欠き部53の前縁部に当接するとともに突出部90の係止部91が下面延長部43fの係止孔54に嵌り、点検ケース71が表示ケース43に対して前後方向に位置決め保持され、また、一対の取付爪部87が下面延長部43fの切欠き部53の両側縁部間に嵌り、点検ケース71が表示ケース43に対して左右方向に位置決め保持され、また、一対の取付爪部87の爪部89が下面延長部43fの上面側に係止され、点検ケース71の前端側および当接部92が表示ケース43の下面側に当接し、点検ケース71が表示ケース43に対して上下方向に位置決め保持される。したがって、点検ケース71は表示ケース43に対して位置決め保持された状態に取り付けられる。
【0057】
図10に示すように、配線ケーブル78のケーブルコネクタ79が点検ユニット49のコネクタ77に接続され、配線ケーブル78のケーブルコネクタ80が電源ユニット47のコネクタ66に接続される。配線ケーブル78は、下面延長部43fの切欠き部53内および点検ケース71の切欠き部86内で構成される配線通路を通じて配線される。
【0058】
次に、誘導灯10の施工について説明する。
【0059】
壁内部から壁開口11aに導かれる電源線が取付金具12の引込口18および本体ケース30の引込口35を通じて前面側に引き出される。
【0060】
取付金具12が壁面11の壁開口11aに挿入され、取付縁部19が壁面11に配置され、固定用ねじが取付縁部19のねじ挿通部20を通じて壁面11に螺着され、取付金具12が壁面11に固定される。このとき、取付金具12の両側の取付縁部19には上下方向に2つずつのねじ挿通部20が設けられているため、仮に、固定用ねじが2つのうちのいずれか1つのねじ挿通部20を通じて壁面11に螺着される際に壁面11の螺着箇所の破損等によりねじ止めできないようなことがあったとしても、他のねじ挿通部20を通じて壁面11にねじ止めできる。
【0061】
電源線が端子台32に接続され、この端子台32に接続された電源線が本体ケース30の配線領域36に収納されるようにしながら、電源線の余分に引き出されている余剰分が壁内部に戻される。
【0062】
本体ユニット27側からケーブルコネクタ33が取り出され、表示ユニット28の電源ユニット47のコネクタ64に接続される。ケーブルコネクタ33がコネクタ64に接続されることにより、外部電源が電源ユニット47に供給可能に接続されるとともに、蓄電池48から電源ユニット47への放電経路が形成される。
【0063】
表示ユニット28の背面側が本体ユニット27の前面側に合わせて押し込まれる。これにより、表示ケース43の下面延長部43fが本体ケース30の下面部30c上に配置され、下面延長部43fの係止孔52が本体ケース30の係止突部40に嵌り込むとともに、表示ユニット28の取付ばね58が本体ユニット27の被係止部41に係合され、表示ユニット28が本体ユニット27に取り付けられる。このとき、図11に示すように、表示ユニット28の下面側に取り付けられている点検ユニット49は、本体ユニット27の切欠き部39に配置され、点検ケース71の背面下部側が取付金具12の支え部24の前端側に対向配置または接触配置される。
【0064】
化粧枠14の上部側の引掛部102が取付金具12の引掛孔22に引っ掛けられ、化粧枠14の下部側が取付金具12に向けて押し込まれ、化粧枠14の係止部103が取付金具12の係止孔23に係止される。これにより、誘導灯10の施工が完了となる。
【0065】
また、誘導灯本体13等の点検のために、化粧枠14が取り外される際には、図11に示すように、化粧枠14の溝部104と壁面11との間にマイナス形ドライバー等の工具105の先端側が差し込まれて回動されることにより、化粧枠14が壁面11から離れつつ、化粧枠14の係止部103が取付金具12の係止孔23から外れる。
【0066】
このとき、化粧枠14の背面側で溝部104の内方位置には規制壁部108が設けられているため、工具105が溝部104に差し込み過ぎてしまうのが規制され、つまり工具105が回動することにより化粧枠14を壁面11から離すことが可能な位置に留めることができる。また、溝部104には、化粧枠14の枠部分の厚み方向の外側の外側溝縁部106と内側の内側溝縁部107とが設けられ、内側溝縁部107は、外側溝縁部106よりも化粧枠14の枠部分の後部側からの開口幅が狭く、溝部104に差し込まれる工具105が接触するように構成されているため、工具105との接触で傷が付くとしても内側溝縁部107の方で、化粧枠14の外側の外側溝縁部106に傷が付くのが防止される。そのため、化粧枠14の着脱を行っても、化粧枠14の外観を良好に保つことができる。
【0067】
化粧枠14の係止部103が取付金具12の係止孔23から外れた後、化粧枠14が上方に移動されて引掛部102が取付金具12から外されることにより、化粧枠14が取り外される。
【0068】
次に、誘導灯10の動作について説明する。
【0069】
外部電源の供給時には、電源ユニット47が外部電源を電源として動作され、光源ユニット46の発光素子が点灯されて表示パネルが照明されるとともに、蓄電池48が充電される。
【0070】
また、外部電源の停電時には、電源ユニット47が蓄電池48を電源として動作され、光源ユニット46の発光素子が点灯されて表示パネルが照明される。
【0071】
また、点検時には、点検スイッチ部82が押されて点検スイッチ73が操作されることにより電源ユニット47の点検回路が点検モードに移行されるか、点検リモコンの操作にて点検信号が受信部75で受信されることにより電源ユニット47の点検回路が点検モードに移行され、蓄電池48および光源(光源ユニット46)の点検が実施される。
【0072】
点検スイッチ部82が押されて点検スイッチ73が操作される際、点検スイッチ部82が点検ケース71に一体に設けられているとともに、点検ケース71の上部側だけで表示ケース43に取り付けられているため、点検ケース71の下部側が後方に動き、点検スイッチ73が操作されにくくなる可能性がある。本実施形態では、点検ケース71の下部側が後方に動くと、点検ケース71の背面下部側が取付金具12の支え部24に接触し、点検ケース71の下部側の後方への動きが規制されるため、点検スイッチ73の操作が確実にできる。
【0073】
点検結果は、モニタランプ74に表示され、また、送信部76から点検結果信号が送信され、この点検結果信号を受信した点検リモコンで表示される。
【0074】
そして、本実施形態の誘導灯10では、筐体26の枠部55の一部に設けられた貫通部56である切欠き部53に点検ケース71の取付爪部87が取り付けられることにより、ねじ等を用いることなく、点検ユニット49を筐体26に容易に取り付けることができ、組立性を向上できる。
【0075】
また、点検ユニット49は、点検ケース71に収納された点検基板70の上面側であって部品搭載面である基板面に対向する側に、点検ケース71に収納された点検基板70を係止する係止爪部97が設けられているため、仮に係止爪部97が点検基板70の基板面に平行な両側に設けられている場合に比べて、点検ユニット49の幅方向の大きさを小形化できる。点検基板70の基板面に対向する方向は、点検基板70の基板面に実装される部品を収納するために、点検ケース71内に空間が設けられているため、その空間を利用して係止爪部97を効率的に配置でき、点検ユニット49を小形化できる。
【0076】
また、筐体26に取付爪部87で取り付けられた点検ケース71が点検操作のために前方から押されても、点検ケース71の背面側が支え部24に接触することにより、点検ケース71が後方に動くのを防止でき、点検操作を確実にできる。
【0077】
なお、支え部24は、取付金具12に設ける場合に限らず、本体ユニット27や表示ユニット28に設けられていてもよい。
【0078】
なお、点検ユニット49を取り付けるために筐体26の周囲の枠部55に設けられた貫通部56は、切欠き部53に限らず、孔部でもよい。この孔部の場合には、点検ケース71の取付爪部87の先端側から孔部に差し込んで筐体26に取り付ければよい。
【0079】
また、電源ユニット47および蓄電池48が本体ユニット27に配置される誘導灯10の場合には、点検ユニット49についても本体ユニット27に配置してもよい。この場合、点検ユニット49を取り付けるために、表示ケース43の切欠き部53および係止孔54等と同様の構成を本体ケース30に設ければよい。
【0080】
また、筐体26の枠部55に取り付けられるユニットとしては、点検ユニット49に限らず、例えば、外部からの入力操作を受け付けるスイッチを有するスイッチユニットや、音を発するスピーカユニット等を含む他のユニットでもよい。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
10 誘導灯
24 支え部
30 本体側筐体である本体ケース
43 表示側筐体である表示ケース
46 光源ユニット
47 電源ユニット
49 ユニットである点検ユニット
55 枠部
56 貫通部
70 基板である点検基板
71 ケースである点検ケース
73 スイッチである点検スイッチ
87 取付爪部
97 係止爪部
A 電子部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12