(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】金属イオン生成方法
(51)【国際特許分類】
C22B 3/44 20060101AFI20240403BHJP
B22F 3/00 20210101ALI20240403BHJP
C01B 32/05 20170101ALI20240403BHJP
【FI】
C22B3/44
B22F3/00 A
C01B32/05
(21)【出願番号】P 2023018810
(22)【出願日】2023-02-10
【審査請求日】2023-02-10
(31)【優先権主張番号】P 2022205100
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】593035696
【氏名又は名称】杉本 幹生
(73)【特許権者】
【識別番号】522204843
【氏名又は名称】杉本 健斗
(73)【特許権者】
【識別番号】520081422
【氏名又は名称】杉本 紘子
(73)【特許権者】
【識別番号】305040732
【氏名又は名称】杉本 由起江
(74)【上記3名の代理人】
【識別番号】593035696
【氏名又は名称】杉本 幹生
(72)【発明者】
【氏名】杉本 幹生
【審査官】祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-536173(JP,A)
【文献】特開2017-201609(JP,A)
【文献】特開平06-010003(JP,A)
【文献】特開昭51-136507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 3/44
B22F 3/00
C01B 32/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項2】
炭素含有率が質量90%以上の炭素粉を配合した接着剤に電気陰性度が2.4以下でイオン化傾向を持つ金属の粉粒を混練する第1工程と、前記混煉済み材を炭化させる第2工程とから成る
製造方法で製造した金属イオン生成材を、水液中に没した状態にすることにより、水液を媒体にして金属/炭素(炭化された糊状接着剤)間で電位差が発生し局部電池を形成し、金属の電子が炭素へ継続して不可逆的に流れ、炭素に金属電子が満杯になるまで及び/又は金属が完全に金属電子を失うまで奪取され続け、金属に陽子が残り余って不安定になり、安定化するために金属イオンとなって水液の媒体中に溶出し続けることを特徴とする金属イオン生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属イオン生成材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の製造方法は、鉄粉を水分含有の糊状接着剤を用いて接合。(特許文献1、2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4710036号公報
【文献】特許第5258171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術にあっては、特に、水分や吸湿で時間が経てば鉄が酸化し酸化膜を作る/水に溶けるクエン酸粉粒を配合すれば溶けて隙間をつくる。更に、不純物の介在は抵抗物となって鉄電子が流れ難い問題がある。
即ち、従来技術は、鉄粉粒と炭素粉粒の接着接合に糊系接着剤を使った場合の接合接着であって局部電池形成のために接着剤なしで直接密着したり、水分をゼロ無くす工夫の記述も概念も見当たらない。
だから、接合部分が極限まで薄い接着膜で密接.密着した接合とはいえミクロンの間隙が生じ導電性に障害が生まれていた。
しかも接合接着部全てが均一で極限まで薄い接着膜とは限らない。
また、製造に使用する接合接着剤に含まれる水分の介在で酸化反応が起こり発錆し鉄の性状を失い不良導体になる。更に、製造後の保管時に湿気を吸い触れるための酸化で発錆し鉄は性状を少しずつ失うので、2価鉄イオンの生成機能と局部電池形成と生成量は大きく低下する。
【0005】
本発明の解決しようとする課題は、従来技術の上記問題点を解消し、金属と炭素との間の鉄電子の流れを妨害しないように限りなく密接接着して金属電子の流れ導電性を改善向上し金属イオン生成の効率促進を図ることができる金属イオン生成材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため請求項1記載の金属イオン生成方法は、
電気陰性度が2.4以下でイオン化傾向を持つ金属の粉粒を水分含有の糊状接着剤と混練する第1工程と、前記混練済み材を炭化させる第2工程とから成る製造方法で製造した金属イオン生成材を、水液中に没した状態にすることにより、水液を媒体にして金属/炭素(炭化された糊状接着剤)間で電位差が発生し局部電池を形成し、金属の電子が炭素へ継続して不可逆的に流れ、炭素に金属電子が満杯になるまで及び/又は金属が完全に金属電子を失うまで奪取され続け、金属に陽子が残り余って不安定になり、安定化するために金属イオンとなって水液の媒体中に溶出し続けることを特徴とする金属イオン生成方法。
【0007】
また、請求項2記載の金属イオン生成材の生成方法は、
炭素含有率が質量90%以上の炭素粉を配合した接着剤に電気陰性度が2.4以下でイオン化傾向を持つ金属の粉粒を混練する第1工程と、前記混練済み材を炭化させる第2工程とから成る製造方法で製造した金属イオン生成材を、水液中に没した状態にすることにより、水液を媒体にして金属/炭素(炭化された糊状接着剤)間で電位差が発生し局部電池を形成し、金属の電子が炭素へ継続して不可逆的に流れ、炭素に金属電子が満杯になるまで及び/又は金属が完全に金属電子を失うまで奪取され続け、金属に陽子が残り余って不安定になり、安定化するために金属イオンとなって水液の媒体中に溶出し続けることを特徴とする金属イオン
生成方法。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の金属イオン生成方法では、上述のように、電気陰性度が2.4以下でイオン化傾向を持つ金属の粉粒を水分含有の糊状接着剤と混練する第1工程と、前記混練済み材を炭化させる第2工程とから成る製造方法で製造した金属イオン生成材を、水液中に没した状態にすることにより、以下の効果が得られる。
即ち、金属と炭素(炭化された糊状接着剤)間は通電導電性を阻害しない密着接合した材だから水液中に没した状態にすると水液を媒体にして金属/炭素(炭化された糊状接着剤)間で電位差が発生し局部電池を形成、金属の電子が炭素へ継続して不可逆的に流れ、炭素に金属電子が満杯になるまで及び/又は金属が完全に金属電子を失うまで奪取され続けるので金属には陽子が残り余って不安定になる。安定化するために金属イオンとなって水液の媒体中に溶出し続ける効果。
【0009】
請求項2記載の金属イオン生成材の製造方法では、上述のように、炭素含有率が質量90%以上の炭素粉を配合した接着剤に電気陰性度が2.4以下でイオン化傾向を持つ金属の粉粒を混練する第1工程と、前記混練済み材を炭化させる第2工程とから成る製造方法で製造した金属イオン生成材を、水液中に没した状態に
することにより、以下の効果が得られる。
即ち、接合接着剤に炭素粉を添加し加熱炭化すれば、喩え接合接着剤の加熱炭化が不十分であっても確実に鉄と炭素は接着しているので添加した炭素粉が通電導通性を補完して金属をイオン化することができる。
接着剤や繋ぎ剤が炭化して溶けないので分離せず金属と炭素の密着性が失われない。
練り込み混合状態で加熱し炭化するから金属は接着剤または繋ぎ剤で覆われ、無酸素下での加熱炭化と相似になり還元される。
炭化物が金属の保護膜となって製造後の保管時に湿気との接触が遮断され金属の不導体膜の発生を防ぎ酸化による性状喪失問題は解消する。
加熱炭化処理で確実に水分は無くなり、製品を水に没するまで炭化物が金属を酸化から保護する。
用途としては、・板状に成形して利用・砕いて水液との接触面を増やし水域に散布・水中で研磨研削や砕粒化する材として使える効果。
炭素粉として、黒鉛粉や活性炭粉やコークス粉等があり炭素含有率が高ければ高いほど金属のイオン化に大変大切な役割を果たす。
【0010】
なお、金属を鉄とした場合、発生する無垢な2価鉄イオンは多機能特性をもち水や水に溶存する化学物質と反応して水環境賦活に働く他、生き物動植物や微生物に必要不可欠な必須ミネラルとなる。また、炭化した籾殻の成分のケイ素は珪藻プランクトンに必要不可欠なミネラルとなる。また、水中に於いて本材(鉄/炭素)から無垢な2価鉄イオン生成し補給と籾殻炭中のケイ素成分を補給すると食物連鎖や循環や生物多様性や光合成その他に貢献することができる。
また、金属を鉄とし鉄容器内に鉄粉と炭素粉(活性炭やコークスの粉)を混合し接着させたものを詰めて加熱、接合剤部分を炭化する方法とすれば、容器の容量形状を選択でき、鉄イオン生成としても自由な形状と大きさに製造可能。電子と陽子が脱け出した鉄容器は原子.分子レベルのスカスカな固体となり原子.分子レベルの超極微物質を捕集濾過することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下にこの発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0012】
まず、この実施例1の金属イオン生成材の製造方法は、アトマイズや還元や切削,その他などの製法で造った電気陰性度が2.4以下でイオン化傾向のある金属の箔,粉,粒,片に、炭化が可能な接合.接着剤(デンプン糊や化学糊,接合や繋ぎの効果をもつ剤材)+炭素含有率が質量98%以上の炭素粉(黒鉛粉,活性炭粉,コークス粉)を調合し加え混練したものを板状に延ばして炭化工程の炭化炉(電磁波加熱式や電熱または火力等で間接または直接的加熱式など)に入れて加熱し接合.接着剤材すべてを芯まで炭化する。と、電気陰性度が2.5の炭素と電気陰性度が2.4以下の2種(金属と炭素(炭化した接着剤))密接密着体ができる。
※加熱炭化には電磁加熱方式,間接加熱方式,遠赤外線加熱方式などがある。
【0013】
次に、この実施例1の作用・効果を説明する。
〔用い方〕
板状の塊にして媒体となる水液中に設置。及び/又は、水中設置資材等に取り付け付帯する。或は、砕いて砕粒化し媒体となる水液中(水域)に散布する。或は、水中研磨粉化装置の収容物として用いる。
【0014】
〔イオン生成原理〕
金属/媒体/炭素の三位一体密接合境界部分に酸化還元電位や電極電位や電気陰性度などの電位差(局部電池)で通電(導通)が生まれ、金属の電子が炭素側に不可逆的に流れて金属電子は炭素に奪取されると金属には陽子が残り余って不安定になるから安定する為に金属イオンとなって媒体中に溶出する。
※金属と炭素の密接密着が通電導通性を向上する。
※電子と陽子が脱け出した金属は原子.分子レベルでスカスカの固体になる。
※シリカ(ケイ素)成分を多量に含有する籾殻(炭化可能)や珪藻土粉,その他を接合剤(材料)に予め加えておいたものを接合接着剤材として使ってもよい。
※珪藻プランクトンの殻(珪藻土)主成分はシリカ成分
※炭化可能で自然界に優しい剤(材料)なら粘液体でも使用可能。
【0015】
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
接着剤または繋ぎ剤の炭化が万が一完全でない場合でも炭素含有率が100%に近い高純度の各種炭素粉(黒鉛,コークス,活性炭,他炭化粉)を接着剤または繋ぎ剤に多量配合しておけば電位差の局部電池形成に全く支障が生じない。
ケイ素成分含有が多くポーラスな珪藻土粉の配合或は加熱すれば炭化できる籾殻を配合しておくことで炭素/金属の密着体を水中に置いた時ポーラス部から水の浸透性を助けると共に+加熱処理したケイ素成分が溶け出せば植物プランクトン(珪藻類)へ補給となる。
【要約】
【課題】従来技術の上記問題点を解消し、金属電子の流れを妨害しないように限りなく密接接着して金属電子の流れ導電性を改善向上し金属イオン生成の効率促進を図ることができる金属イオン生成材の製造方法の提供。
【解決手段】電気陰性度が2.4以下でイオン化傾向を持つ金属の多数の粉粒を水分含有の糊状接着剤と混煉する第1工程と、前記混煉済み材を炭化させる第2工程とから成る金属イオン生成材の製造方法。