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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】保持具
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
H04R1/10 104Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020167231
(22)【出願日】2020-10-01
(65)【公開番号】P2022059459
(43)【公開日】2022-04-13
【審査請求日】2023-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】591115279
【氏名又は名称】株式会社アイリス
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】大隅 洋
(72)【発明者】
【氏名】石川 功
(72)【発明者】
【氏名】藤井 貞夫
(72)【発明者】
【氏名】林 金三
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3169519(JP,U)
【文献】特開平09-018984(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00 - 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小型機器を保持する保持具であり、
保持具支持部と、小型機器挿入部と、連結部と、を具備し、
前記小型機器を保持する保持状態と、前記小型機器を保持しない非保持状態と、をとることができ、
前記保持具支持部は、前記小型機器挿入部を支持できるように構成され、
前記小型機器挿入部は、前記保持状態に於いて、前記小型機器の一部が挿入され、
前記連結部は、前記保持具支持部と前記小型機器挿入部とを接続し、且つ、前記保持状態と前記非保持状態との間で変形可能な材料から成り、
前記非保持状態では、前記保持具支持部、前記小型機器挿入部および前記連結部は、略板形状を呈することを特徴とする保持具。
【請求項2】
小型機器を保持する保持具であり、
保持具支持部と、小型機器挿入部と、連結部と、を具備し、
前記小型機器を保持する保持状態と、前記小型機器を保持しない非保持状態と、をとることができ、
前記保持具支持部は、前記小型機器挿入部を支持できるように構成され、
前記小型機器挿入部は、前記保持状態に於いて、前記小型機器の一部が挿入され、
前記連結部は、前記保持具支持部と前記小型機器挿入部とを接続し、且つ、前記保持状態と前記非保持状態との間で変形可能な材料から成り、
前記保持具支持部の一部分を開口することで形成されたスリットを更に具備することを特徴とする保持具。
【請求項3】
小型機器を保持する保持具であり、
保持具支持部と、小型機器挿入部と、連結部と、を具備し、
前記小型機器を保持する保持状態と、前記小型機器を保持しない非保持状態と、をとることができ、
前記保持具支持部は、前記小型機器挿入部を支持できるように構成され、
前記小型機器挿入部は、前記保持状態に於いて、前記小型機器の一部が挿入され、
前記連結部は、前記保持具支持部と前記小型機器挿入部とを接続し、且つ、前記保持状態と前記非保持状態との間で変形可能な材料から成り、
前記小型機器挿入部は複数であり、
1つの前記連結部が、複数の前記小型機器挿入部と前記保持具支持部とを連結することを特徴とする保持具。
【請求項4】
小型機器を保持する保持具であり、
保持具支持部と、小型機器挿入部と、連結部と、を具備し、
前記小型機器を保持する保持状態と、前記小型機器を保持しない非保持状態と、をとることができ、
前記保持具支持部は、前記小型機器挿入部を支持できるように構成され、
前記小型機器挿入部は、前記保持状態に於いて、前記小型機器の一部が挿入され、
前記連結部は、前記保持具支持部と前記小型機器挿入部とを接続し、且つ、前記保持状態と前記非保持状態との間で変形可能な材料から成り、
前記小型機器は無線型のイヤホンであり、
前記保持状態では、前記イヤホンの柱状部が前記小型機器挿入部に挿入され、前記イヤホンのイヤホン本体部が前記保持具支持部に当接することを特徴とする保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持具に関し、特に、イヤホンなどの小型機器を保持できる保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
小型イヤホンなどの機器は、使用する際にはユーザの耳に装着される一方、非使用時には紛失されないように収納される必要がある。
【0003】
以下の各特許文献には、小型イヤホンなどの機器を収納する発明が記載されている。
【0004】
具体的には、特許文献1には、イヤホンコードを絡まりにくくして収納保管するためのイヤホンコード収納具が記載されている。ここでは、弾性軟性樹脂からなる扁平板状の本体の中央に上下に貫通させてイヤホンプラグを挿入する挿入孔を設け、挿入孔にコードを挿入するコード孔を設けている。更に、本体の外周縁に向けて切り込みを設け、その切り込みには、コードを本体の外周縁から差し込み中心へスライドし、コード孔まで移動させ、コード孔にコードを挟持している。
【0005】
特許文献2に記載されたイヤホーンホルダーは、洋服に止める止め具を備えたベース板と、これに開閉可能に取り付けた装飾体とから成る。また、そのベース板に接続された左右の分割されたコードを挿通可能に収容する溝部を形成し、更にベース板の溝部の端部にイヤホーン部を係合保持する保持部を形成している。
【0006】
特許文献3では、無線機と、送受話機本体と、ケーブル付きイヤホーンと、通信用ケーブルとを有した携帯用小型無線通信機において、通信用ケーブルに側方から着脱可能に設けられてイヤホーン本体が係止可能な弾性材から成る係止具を備える携帯用小型無線通信機が記載されている。
【0007】
特許文献4では、携帯電話機にコードで接続されたイヤホンを、衣服の前側のポケットに保持または係着する保持板等に、イヤホン懸架具を付着させ、このイヤホン懸架具にイヤホンを懸架させる携帯電話機用イヤホン保持具が記載されている。
【0008】
特許文献5では、ヘッドフォン保持具であって、携帯用プレーヤー等に使用するヘッドフォンのイヤレシーバー頭部または該イヤレシーバー首部のいずれかを保持する凹入部を有する弾性体を備え、この弾性体を、接着剤を用いて被装着部に貼りつけて使用するものが記載されている。
【0009】
特許文献6では、取り付け対象面への取り付け部と、イヤホン本体を保持するイヤホン保持部と、イヤホンのコード先端のプラグを保持するプラグ保持部と、前記コードを保持するコード巻き付け部とを備えたイヤホンホルダーであり、携帯電話をハンドフリー状態で使用するためのイヤホン・マイクセットを整理された状態で収納することができるものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2016-72944号公報
【文献】登録実用新案3044233号公報
【文献】特許3031609号公報
【文献】特開2001-245373号公報
【文献】特開平8-65783号公報
【文献】登録実用新案3016521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記した背景技術に係る発明では、イヤホンなどの小型機器を簡易かつ確実に保持する観点から、改善の余地があった。
【0012】
具体的には、上記した特許文献1ないし特許文献6に記載された発明では、有線で本体側と接続されたイヤホンを効果的に収納する発明が記載されている一方、近年では無線接続により接続される無線型イヤホンが普及しており、このような無線型イヤホンを保持する発明は記載されてない。
【0013】
また、マイクなどの他の小型電子機器においても無線化が進んでおり、このような小型の電子機器を効果的且つ簡易に保持する発明は提案されていない。
【0014】
本願発明は上記課題を鑑みてなされ、本発明の目的は、無線型イヤホンなどの小型機器を保持できる保持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、小型機器を保持する保持具であり、保持具支持部と、小型機器挿入部と、連結部と、を具備し、前記小型機器を保持する保持状態と、前記小型機器を保持しない非保持状態と、をとることができ、前記保持具支持部は、前記小型機器挿入部を支持できるように構成され、前記小型機器挿入部は、前記保持状態に於いて、前記小型機器の一部が挿入され、前記連結部は、前記保持具支持部と前記小型機器挿入部とを接続し、且つ、前記保持状態と前記非保持状態との間で変形可能な材料から成り、前記非保持状態では、前記保持具支持部、前記小型機器挿入部および前記連結部は、略板形状を呈することを特徴とする。
【0017】
本発明は、小型機器を保持する保持具であり、保持具支持部と、小型機器挿入部と、連結部と、を具備し、前記小型機器を保持する保持状態と、前記小型機器を保持しない非保持状態と、をとることができ、前記保持具支持部は、前記小型機器挿入部を支持できるように構成され、前記小型機器挿入部は、前記保持状態に於いて、前記小型機器の一部が挿入され、前記連結部は、前記保持具支持部と前記小型機器挿入部とを接続し、且つ、前記保持状態と前記非保持状態との間で変形可能な材料から成り、前記保持具支持部の一部分を開口することで形成されたスリットを更に具備することを特徴とする。
【0018】
本発明は、小型機器を保持する保持具であり、保持具支持部と、小型機器挿入部と、連結部と、を具備し、前記小型機器を保持する保持状態と、前記小型機器を保持しない非保持状態と、をとることができ、前記保持具支持部は、前記小型機器挿入部を支持できるように構成され、前記小型機器挿入部は、前記保持状態に於いて、前記小型機器の一部が挿入され、前記連結部は、前記保持具支持部と前記小型機器挿入部とを接続し、且つ、前記保持状態と前記非保持状態との間で変形可能な材料から成り、前記小型機器挿入部は複数であり、1つの前記連結部が、複数の前記小型機器挿入部と前記保持具支持部とを連結することを特徴とする。
【0019】
本発明は、小型機器を保持する保持具であり、保持具支持部と、小型機器挿入部と、連結部と、を具備し、前記小型機器を保持する保持状態と、前記小型機器を保持しない非保持状態と、をとることができ、前記保持具支持部は、前記小型機器挿入部を支持できるように構成され、前記小型機器挿入部は、前記保持状態に於いて、前記小型機器の一部が挿入され、前記連結部は、前記保持具支持部と前記小型機器挿入部とを接続し、且つ、前記保持状態と前記非保持状態との間で変形可能な材料から成り、前記小型機器は無線型のイヤホンであり、前記保持状態では、前記イヤホンの柱状部が前記小型機器挿入部に挿入され、前記イヤホンのイヤホン本体部が前記保持具支持部に当接することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、小型機器を保持する保持具であり、保持具支持部と、小型機器挿入部と、連結部と、を具備し、前記小型機器を保持する保持状態と、前記小型機器を保持しない非保持状態と、をとることができ、前記保持具支持部は、前記小型機器挿入部を支持できるように構成され、前記小型機器挿入部は、前記保持状態に於いて、前記小型機器の一部が挿入され、前記連結部は、前記保持具支持部と前記小型機器挿入部とを接続し、且つ、前記保持状態と前記非保持状態との間で変形可能な材料から成り、前記非保持状態では、前記保持具支持部、前記小型機器挿入部および前記連結部は、略板形状を呈することを特徴とする。従って、本発明の保持具によれば、小型機器挿入部に小型機器を挿入することで、小型機器を保持することができ、更に、小型機器挿入部と保持具支持部とが、変形可能な連結部で連結されている。よって、非保持状態では小型機器挿入部が厚み方向外側に突出することが無く、保持具の全体を薄型に保持することができる。また、保持状態では、連結部が変形することで、保持具支持部の厚み方向外側で、小型機器挿入部により小型機器を保持することができる。従って、本発明の保持具によれば、非保持状態では、保持具支持部、小型機器挿入部および連結部が略板形状を呈することで、保持具をコンパクトな状態にすることができ、保持具の意図しない接触を抑止できる。
【0022】
本発明は、小型機器を保持する保持具であり、保持具支持部と、小型機器挿入部と、連結部と、を具備し、前記小型機器を保持する保持状態と、前記小型機器を保持しない非保持状態と、をとることができ、前記保持具支持部は、前記小型機器挿入部を支持できるように構成され、前記小型機器挿入部は、前記保持状態に於いて、前記小型機器の一部が挿入され、前記連結部は、前記保持具支持部と前記小型機器挿入部とを接続し、且つ、前記保持状態と前記非保持状態との間で変形可能な材料から成り、前記保持具支持部の一部分を開口することで形成されたスリットを更に具備することを特徴とする。従って、本発明の保持具によれば、スリットを有することで、スリットを挿通する布材等を用いて、保持具を洋服に配設することができる。
【0023】
本発明は、小型機器を保持する保持具であり、保持具支持部と、小型機器挿入部と、連結部と、を具備し、前記小型機器を保持する保持状態と、前記小型機器を保持しない非保持状態と、をとることができ、前記保持具支持部は、前記小型機器挿入部を支持できるように構成され、前記小型機器挿入部は、前記保持状態に於いて、前記小型機器の一部が挿入され、前記連結部は、前記保持具支持部と前記小型機器挿入部とを接続し、且つ、前記保持状態と前記非保持状態との間で変形可能な材料から成り、前記小型機器挿入部は複数であり、1つの前記連結部が、複数の前記小型機器挿入部と前記保持具支持部とを連結することを特徴とする。従って、本発明の保持具によれば、1つの連結部で複数の小型機器挿入部を保持することで、保持具の構成を簡略化できる。
【0024】
本発明は、小型機器を保持する保持具であり、保持具支持部と、小型機器挿入部と、連結部と、を具備し、前記小型機器を保持する保持状態と、前記小型機器を保持しない非保持状態と、をとることができ、前記保持具支持部は、前記小型機器挿入部を支持できるように構成され、前記小型機器挿入部は、前記保持状態に於いて、前記小型機器の一部が挿入され、前記連結部は、前記保持具支持部と前記小型機器挿入部とを接続し、且つ、前記保持状態と前記非保持状態との間で変形可能な材料から成り、前記小型機器は無線型のイヤホンであり、前記保持状態では、前記イヤホンの柱状部が前記小型機器挿入部に挿入され、前記イヤホンのイヤホン本体部が前記保持具支持部に当接することを特徴とする。従って、本発明の保持具によれば、無線型イヤホンを簡易に装着することができ、無線型イヤホンの意図しない離脱を抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施の形態に係る保持具を示す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る保持具が備えられたシャツを示す図である。
図3】本発明の実施の形態に係る保持具を示す図であり、(A)は保持具の保持状態を示す斜視図であり、(B)は保持具の保持状態を別の視座で示す斜視図である。
図4】本発明の他の形態に係る保持具を示す斜視図である。
図5】本発明の更なる他の形態に係る保持具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態に係る保持具10を図面に基づき詳細に説明する。尚、以下の説明では、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。また、以下の説明では、上下前後左右の各方向を用いるが、これらの各方向は説明の便宜のために用いるものであり、技術的範囲には関係しない。
【0027】
図1は、保持具10を示す斜視図である。
【0028】
保持具10は、後述するイヤホン16等の小型機器を保持するものであり、保持具支持部11と、イヤホン挿入部12と、連結部13と、を具備する。また、保持具10は、イヤホン16を保持する保持状態と、イヤホン16を保持しない非保持状態と、をとることができる。図1には、非保持状態である保持具10を示している。
【0029】
保持具支持部11は、イヤホン挿入部12を支持できるように構成されている。保持具10を前方から見た場合、保持具支持部11の外周は略円形状を呈している。このようにすることで、保持具10が後述するシャツ15に備えられた場合、保持具10の外周部がユーザの手や足等に引っかかってしまうことを抑止できる。
【0030】
イヤホン挿入部12は、小型機器挿入部であり、保持状態に於いて、イヤホン16の一部が挿入される部位である。ここでは、イヤホン挿入部12は保持具支持部11の内部に配設され、略円環形状を呈している。更にここでは、2つのイヤホン挿入部12が存在する。このようにすることで、ユーザは、後述する2つのイヤホン16を使用する際、両方のイヤホン16を1つの保持具10に保持させることができる。
【0031】
連結部13は、保持具支持部11とイヤホン挿入部12とを接続し、且つ、保持状態と非保持状態との間で変形可能な材料から成る。連結部13の下端は保持具支持部11の内周部下端に接続している。連結部13の上端は左右外側に枝分かれし、夫々がイヤホン挿入部12に連続している。連結部13は前後方向に蛇行形成されており、このようにするとで、上下方向において連結部13の長さを確保し、後述する保持状態において、連結部13を大きく変形させることができる。
【0032】
スリット14は、保持具支持部11の上端部分を、左右方向に沿って細長く開口することで形成されている。スリット14は、後述するシャツ15に保持具10を固定する際に、布材等の連結用部材が挿通される部位である。
【0033】
保持具10を構成する各部位、即ち、保持具支持部11、イヤホン挿入部12および連結部13は、一体に射出成形された樹脂材料から成る。この樹脂材料としては、例えば、シリコン樹脂を採用することができる。このようにするとで、後述する保持状態に於いて、保持具10にイヤホン16を保持させた際に、保持具10の表面を構成するシリコン樹脂とイヤホン16とが滑らず、イヤホン16の意図しない離脱を抑止できる。
【0034】
図1に示す非保持状態では、保持具支持部11、イヤホン挿入部12および連結部13は、略板形状を呈する。このようにするとで、後述するシャツ15に保持具10を装着した際に、シャツ15からの保持具10の突出量を小さくでき、ユーザの指等に保持具10が不用意に引っかかってしまうことを抑止できる。
【0035】
図2は、保持具10の適用の一例として、保持具10が備えられたシャツ15を示す図である。ここでは、シャツ15の胴体部分の左側下端近傍に、保持具10が備えられている。シャツ15を着用するユーザがエクササイズする場合において、後述するイヤホン16を使用する際にはイヤホン16を耳に装着し、保持具10にはイヤホン16を保持させない非保持状態とする。一方、ユーザがイヤホン16を耳から外す際には、イヤホン16を保持具10に保持させる保持状態とする。このようにすることで、イヤホン16を保持具10で保持できることから、エクササイズをするユーザは、使用状態にないイヤホン16を、手に持ったり、地面や台に載置する必要が無く、イヤホン16の紛失や破損を抑止できる。
【0036】
図3は、保持具10を示す図であり、図3(A)は保持具10の保持状態を示す斜視図であり、図3(B)は保持具10の保持状態を別の視座で示す斜視図である。
【0037】
図3(A)および図3(B)を参照して、保持状態に於いては、二つのイヤホン16が保持具10により保持されている。
【0038】
イヤホン16は、例えば、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信規格に準じて、スマートフォン等の音楽再生機器と接続された無線型のものである。また、イヤホン16は、スピーカ等が収納されてユーザの耳に装着されるイヤホン本体部17と、イヤホン本体部17と一体的に連続して下方に伸びる略円柱状の柱状部18と、を有する。
【0039】
保持状態では、柱状部18が保持具10のイヤホン挿入部12に挿入される。イヤホン挿入部12の内径は柱状部18の外径よりも大きいので、イヤホン16の柱状部18がイヤホン挿入部12に挿入される。また、イヤホン挿入部12の内径は、イヤホン本体部17の幅よりも短いので、イヤホン本体部17はイヤホン挿入部12の上部に係合する。
【0040】
また、保持状態では、連結部13は前方に向かって湾曲された状態と成り、イヤホン16を保持具支持部11の側に押しつける付勢力を発生させている。このようにすることで、例えばシリコン樹脂からなる保持具支持部11の前方側主面に、イヤホン16が押しつけられ、両者の間に発生する大きな摩擦力より、イヤホン16が保持具10から離脱することが抑止される。よって、保持状態に於いて、保持具10が装着されたシャツ15を着衣するユーザが激しく運動したとしても、保持具10からイヤホン16が離脱することを抑止できる。
【0041】
図4は、他の形態に係る保持具10を示す斜視図である。
【0042】
図4に示す保持具10の構成は、図1に示したものと基本的には同様であり、保持具支持部11とイヤホン挿入部12との接続構成等が異なる。ここでは、保持具支持部11は、前方から見て、左右方向に沿って細長い略矩形枠形状を呈している。
【0043】
イヤホン挿入部12は、左右方向に於いて、保持具支持部11の両端近傍に配置されている。また、夫々のイヤホン挿入部12において、イヤホン挿入部12の下端部分と、保持具支持部11の下方部分とは、連結部13を介して連結されている。
【0044】
また、保持具支持部11の左右方向中央部付近において、保持具支持部11の上方部分と、保持具支持部11の下方部分との間に、連続部19が2つ架設されている。
【0045】
図5は、更なる他の形態に係る保持具10を示す斜視図である。図5に示す保持具10の構成は、図1に示したものと基本的には同様であり、保持具支持部11とイヤホン挿入部12との接続構成等が異なる。
【0046】
具体的には、保持具支持部11は、左右方向に沿って細長く形成された略楕円形状を呈している。また、保持具支持部11の内部に、2つのイヤホン挿入部12が配置されている。左方側のイヤホン挿入部12の下端部は、連結部13を介して、保持具支持部11の下方部分と連結されている。右方側のイヤホン挿入部12は、連結部13を介して、保持具支持部11の上方部分と連結されている。
【0047】
前述した本実施形態により、以下のような主要な効果を奏することができる。
【0048】
本発明の保持具10によれば、イヤホン挿入部12にイヤホン16を挿入することで、イヤホン16を保持することができ、更に、イヤホン挿入部12と保持具支持部11とが、変形可能な連結部13で連結されている。よって、非保持状態ではイヤホン挿入部12が厚み方向外側に突出することが無く、保持具10の全体を薄型に保持することができる。また、保持状態では、連結部13が変形することで、保持具支持部11の厚み方向外側で、イヤホン挿入部12によりイヤホン16を保持することができる。
【0049】
更に、非保持状態では、保持具支持部11、イヤホン挿入部12および連結部13が略板形状を呈することで、保持具10をコンパクトな状態にすることができ、保持具10の意図しない接触を抑止できる。
【0050】
更に、スリット14を有することで、スリット14を挿通する布材等を用いて、保持具10を洋服に配設することができる。
【0051】
更に、1つの連結部13で複数のイヤホン挿入部12を保持することで、保持具10の構成を簡略化できる。
【0052】
更に、例えば無線型のイヤホン16を簡易に装着することができ、無線型のイヤホン16の意図しない離脱を抑止できる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。また、前述した各形態は相互に組み合わせることが可能である。
【0054】
保持具10が保持する小型機器としては、イヤホン16の他にも無線型マイク等を採用することもできる。
【0055】
図1を参照して、保持具支持部11は略円環形状を呈していたが、不完全円環形状を呈しても良い。
【0056】
保持具10は、様々なアイテムやそのカバー、アクセサリとして応用することができる。例えば、キーホルダ、ネックレス、ブレスレット、スマートフォンのカバー、ジッパー、ボタン、財布、サポーター、ボトル水筒、メガネ、時計(スマートウォッチを含む)の本体、時計(スマートウォッチを含む)のバンド、文房具等に応用することができる。
【0057】
更に、保持具10は、服、帽子、ベルト、靴、カバン等のアクセサリーとして用いることもできる。
【符号の説明】
【0058】
10 保持具
11 保持具支持部
12 イヤホン挿入部
13 連結部
14 スリット
15 シャツ
16 イヤホン
17 イヤホン本体部
18 柱状部
19 連続部

図1
図2
図3
図4
図5