(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】スライドユニットおよびスクライブヘッド
(51)【国際特許分類】
B28D 5/00 20060101AFI20240403BHJP
C03B 33/027 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
B28D5/00 Z
C03B33/027
(21)【出願番号】P 2021177639
(22)【出願日】2021-10-29
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】390000608
【氏名又は名称】三星ダイヤモンド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087985
【氏名又は名称】福井 宏司
(72)【発明者】
【氏名】岡島 康智
(72)【発明者】
【氏名】岩坪 佑磨
(72)【発明者】
【氏名】竹原 春香
(72)【発明者】
【氏名】阪口 良太
【審査官】石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-212578(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0672838(KR,B1)
【文献】特開平10-126124(JP,A)
【文献】特開2002-047023(JP,A)
【文献】特開2017-119347(JP,A)
【文献】特開2001-261356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28D 5/00
C03B 33/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライダと、
前記スライダに連結される軸受部と、前記軸受部に対して旋回できるように構成される旋回部とを含むホルダジョイントと、
前記スライダに対する前記旋回部の旋回角度を設定できるように構成される角度設定部とを備え
、
前記角度設定部は前記旋回部が第1旋回方向に旋回するように前記旋回部を押圧する第1押圧部、および、前記旋回部が前記第1旋回方向とは反対の方向である第2旋回方向に旋回するように前記旋回部を押圧する第2押圧部を含み、
前記第1押圧部および前記第2押圧部の一方は弾性要素を含み、
前記第1押圧部および前記第2押圧部の他方はねじ要素を含む
スライドユニット。
【請求項2】
前記第1押圧部および前記第2押圧部は前記第1押圧部と前記第2押圧部との間に前記旋回部を挟むように配置される
請求項
1に記載のスライドユニット。
【請求項3】
前記角度設定部は前記第1押圧部が配置される第1押圧部配置部、および、前記第2押圧部が配置される第2押圧部配置部を含む
請求項
1または2に記載のスライドユニット。
【請求項4】
前記旋回部はホルダユニットを連結できるように構成されるホルダ連結部、および、前記軸受部に連結される旋回軸を含み、
前記第1押圧部および前記第2押圧部は前記ホルダ連結部を押圧するように構成される
請求項
1~
3のいずれか一項に記載のスライドユニット。
【請求項5】
前記角度設定部は前記旋回部の旋回角度を固定できるように構成される固定部を含む
請求項1~
4のいずれか一項に記載のスライドユニット。
【請求項6】
前記固定部は前記スライダに対して着脱できるように構成される
請求項
5に記載のスライドユニット。
【請求項7】
前記スライダは前記軸受部が連結されるスライダ本体を含み、
前記角度設定部は前記スライダ本体の底部に設けられる
請求項1~
6のいずれか一項に記載のスライドユニット。
【請求項8】
スライダと、前記スライダに連結される軸受部と、前記軸受部に対して旋回できるように構成される旋回部とを含むホルダジョイントと、前記スライダに対する前記旋回部の旋回角度を設定できるように構成される角度設定部とを備えるスライドユニットと、
前記スライドユニットを支持するベースと、
前記スライドユニットが前記ベースに対して高さ方向に移動できるように前記スライドユニットと前記ベースとを連結するガイド部と、
前記スライドユニットに荷重を付与する荷重調節部と、
前記スライドユニットおよび前記荷重調節部を支持する支持部とを備え
、
前記角度設定部は前記旋回部が第1旋回方向に旋回するように前記旋回部を押圧する第1押圧部、および、前記旋回部が前記第1旋回方向とは反対の方向である第2旋回方向に旋回するように前記旋回部を押圧する第2押圧部を含み、
前記第1押圧部および前記第2押圧部の一方は弾性要素を含み、
前記第1押圧部および前記第2押圧部の他方はねじ要素を含む
スクライブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスクライブヘッドに組み込まれるスライドユニット、および、スライドユニットを備えるスクライブヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
脆性材料基板等の被加工物のスクライブ加工にスクライブ装置が用いられる。スクライブ装置はスクライブヘッドを含む。スクライブヘッドはスライドユニットを含む。スライドユニットはスライダ、ホルダジョイント、および、ホルダユニットを含む。
【0003】
ホルダジョイントは軸受部および旋回部を含む。軸受部はスライダに連結される。旋回部はスライダに対して旋回できるように軸受部に連結される。ホルダユニットはホルダおよびスクライビングホイールを含む。ホルダは旋回部に連結される。スクライビングホイールはホルダに支持される。
【0004】
スクライブ装置により被加工物のスクライブ加工が行われる。スクライブ加工では、スクライビングホイールが被加工物に接触するようにスクライブヘッドの位置が設定される。スクライブヘッドが所定方向に走査される。スクライビングホイールが被加工物上を移動し、被加工物にスクライブラインが形成される。特許文献1には、従来のスクライブ装置の一例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スクライブ加工におけるスライダに対するスクライビングホイールの旋回角度が安定することにより、スクライブ加工における加工精度が向上すると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に関するスライドユニットはスライダと、前記スライダに連結される軸受部と、前記軸受部に対して旋回できるように構成される旋回部とを含むホルダジョイントと、前記スライダに対する前記旋回部の旋回角度を設定できるように構成される角度設定部とを備える。
【0008】
上記スライドユニットによれば、例えば次のような効果が得られる。角度設定部により旋回部の旋回角度を設定できるため、スクライブ加工における旋回部の旋回角度が安定する。旋回部に連結されるホルダの旋回角度、および、ホルダに支持されるスクライビングホイールの旋回角度も安定する。このため、スクライブ加工における加工精度の向上が期待できる。
【0009】
前記スライドユニットでは、前記角度設定部は前記旋回部が第1旋回方向に旋回するように前記旋回部を押圧する第1押圧部、および、前記旋回部が前記第1旋回方向とは反対の方向である第2旋回方向に旋回するように前記旋回部を押圧する第2押圧部を含む。
【0010】
上記スライドユニットによれば、例えば次のような効果が得られる。旋回部の旋回角度を調整する作業に関する作業性が向上する。
【0011】
前記スライドユニットでは、前記第1押圧部および前記第2押圧部の一方は弾性要素を含む。
【0012】
上記スライドユニットによれば、例えば次のような効果が得られる。旋回部の旋回角度を調整する作業に関する作業性が向上する。
【0013】
前記スライドユニットでは、前記第1押圧部および前記第2押圧部の他方はねじ要素を含む。
【0014】
上記スライドユニットによれば、例えば次のような効果が得られる。旋回部の旋回角度を調整する作業に関する作業性が向上する。
【0015】
前記スライドユニットの一例では、前記第1押圧部および前記第2押圧部は前記第1押圧部と前記第2押圧部との間に前記旋回部を挟むように配置される。
【0016】
上記スライドユニットによれば、例えば次のような効果が得られる。旋回部の旋回角度が安定する。
【0017】
前記スライドユニットの一例では、前記角度設定部は前記第1押圧部が配置される第1押圧部配置部、および、前記第2押圧部が配置される第2押圧部配置部を含む。
【0018】
上記スライドユニットによれば、例えば次のような効果が得られる。第1押圧部および第2押圧部の位置が安定する。
【0019】
前記スライドユニットの一例では、前記旋回部はホルダユニットを連結できるように構成されるホルダ連結部、および、前記軸受部に連結される旋回軸を含み、前記第1押圧部および前記第2押圧部は前記ホルダ連結部を押圧するように構成される。
【0020】
上記スライドユニットによれば、例えば次のような効果が得られる。軸受部の構成が簡素化される。
【0021】
前記スライドユニットの一例では、前記角度設定部は前記旋回部の旋回角度を固定できるように構成される固定部を含む。
【0022】
上記スライドユニットによれば、例えば次のような効果が得られる。旋回部の旋回角度が安定する。
【0023】
前記スライドユニットの一例では、前記固定部は前記スライダに対して着脱できるように構成される。
【0024】
上記スライドユニットによれば、例えば次のような効果が得られる。旋回部の旋回角度を調節する作業に関する作業性が向上する。
【0025】
前記スライドユニットの一例では、前記スライダは前記軸受部が連結されるスライダ本体を含み、前記角度設定部は前記スライダ本体の底部に設けられる。
【0026】
上記スライドユニットによれば、例えば次のような効果が得られる。旋回部の旋回角度を調節する作業に関する作業性が向上する。
【0027】
本発明に関するスクライブヘッドはスライダと、前記スライダに連結される軸受部と、前記軸受部に対して旋回できるように構成される旋回部とを含むホルダジョイントと、前記スライダに対する前記旋回部の旋回角度を設定できるように構成される角度設定部とを備えるスライドユニットと、前記スライドユニットを支持するベースと、前記スライドユニットが前記ベースに対して高さ方向に移動できるように前記スライドユニットと前記ベースとを連結するガイド部と、前記スライドユニットに荷重を付与する荷重調節部と、前記スライドユニットおよび前記荷重調節部を支持する支持部とを備える。
【0028】
上記スクライブヘッドによれば、例えば次のような効果が得られる。角度設定部により旋回部の旋回角度を設定できるため、スクライブ加工における旋回部の旋回角度が安定する。旋回部に連結されるホルダの旋回角度、および、ホルダに支持されるスクライビングホイールの旋回角度も安定する。このため、スクライブ加工における加工精度の向上が期待できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に関するスライドユニットおよびスクライブヘッドによれば、スクライブ加工における加工精度の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1実施形態)
図1~
図15を参照する。スクライブヘッド10は被加工物をスクライブ加工するスクライブ加工装置に組み込まれる。スクライブ加工装置の構成は任意に選択できる。スクライブ加工装置の構成は例示される構成に限定されない。スクライブ加工装置は例えば、テーブル、駆動装置、および、スクライブヘッド10等を備える。
【0032】
被加工物の例として、基板が挙げられる。基板の例として、脆性材料基板が挙げられる。脆性材料基板の例として、ガラス基板、セラミックス基板、シリコン基板、化合物半導体基板、サファイア基板、および、石英基板が挙げられる。セラミックス基板の例として、低温焼成セラミックスおよび高温焼成セラミックスが挙げられる。
【0033】
駆動装置は被加工物に対するスクライブヘッド10の位置を任意に変更できるように構成される。駆動装置の構成は任意に選択できる。駆動装置の構成は例示される構成に限定されない。駆動装置は例えば、平面駆動部および垂直駆動部を含む。垂直駆動部はテーブルに連結される。平面駆動部は垂直駆動部に連結される。スクライブヘッド10は平面駆動部に連結される。
【0034】
垂直駆動部はアクチュエータを含む。垂直駆動部は平面駆動部をスクライブ加工装置の高さ方向に移動させる。平面駆動部はアクチュエータを含む。平面駆動部はスクライブヘッド10を所定の並進方向に移動させる。
【0035】
(スクライブヘッド)
図1~
図5を参照する。スクライブヘッド10の構成は任意に選択できる。スクライブヘッド10の構成は例示される構成に限定されない。スクライブヘッド10は例えば、ベース20、ガイド部30、支持部40、荷重調節部50、および、スライドユニット100を備える。
【0036】
スクライブヘッド10には例えば、第1幅方向、第2幅方向、前方向、後方向、上方向、および、下方向が規定される。第1幅方向は第2幅方向とは反対の方向である。
図4の右方向および
図5の下方向はスクライブヘッド10の第1幅方向に対応する。
図4の左方向および
図5の上方向はスクライブヘッド10の第2幅方向に対応する。
図3の右方向および
図5の右方向はスクライブヘッド10の前方向に対応する。
図3の左方向および
図5の左方向はスクライブヘッド10の後方向に対応する。
図3の上方向および
図4の上方向はスクライブヘッド10の上方向に対応する。
図3の下方向および
図4の下方向はスクライブヘッド10の下方向に対応する。
【0037】
幅方向は第1幅方向および第2幅方向を総称する。幅方向はX軸に平行である。奥行方向は前方向および後方向を総称する。奥行方向はY軸に平行である。高さ方向は上方向および下方向を総称する。高さ方向はZ軸に平行である。X軸およびY軸は第1座標平面を規定する。X軸およびZ軸は第2座標平面を規定する。Y軸およびZ軸は第3座標平面を規定する。
【0038】
(ベース)
図3~
図5を参照する。ベース20はスライドユニット100を支持できるように構成される。ベース20は例えば、プレートである。ベース20は第1主面20Aおよび第2主面20Bを含む。第1主面20Aは平面である。第1主面20Aは第1幅方向を向く。第2主面20Bは平面である。第2主面20Bは第2幅方向を向く。第1主面20Aおよび第2主面20Bはスクライブヘッド10の基準面に相当する。
【0039】
駆動装置の平面駆動部は連結部を含む。ベース20の第1主面20Aは平面駆動部の連結部に対向する。ベース20は平面駆動部の連結部に連結される。ベース20と平面駆動部との連結の形態は、例えば機械的接合である。一例では、ベース20は複数のボルトにより平面駆動部に連結される。ベース20が平面駆動部に連結された状態では、第1主面20Aおよび第2主面20Bは第3座標平面に平行である。
【0040】
ベース20は例えば、第1配置部21を含む。第1配置部21はガイド部30の固定レール31を配置できるように構成される。第1配置部21はベース20の第2主面20Bに設けられる。第1配置部21は例えば、溝21Aを含む。溝21Aは高さ方向に延長する。
【0041】
(ガイド部)
図4および
図5を参照する。ガイド部30はスライドユニット100がベース20に対して高さ方向に移動できるようにスライドユニット100とベース20とを連結する。ガイド部30は例えば、固定レール31および可動レール32を含む。
【0042】
固定レール31は例えば、嵌合部31Aを含む。嵌合部31Aは可動レール32の嵌合部32Aと嵌合するように構成される。嵌合部31Aは溝31A1を含む。溝31A1は高さ方向に延長する。
【0043】
固定レール31はベース20の溝21Aに配置される。固定レール31は1または複数のボルトによりベース20に連結される。
【0044】
可動レール32は例えば、嵌合部32Aを含む。嵌合部32Aは固定レール31の嵌合部31Aと嵌合するように構成される。嵌合部32Aは凸部32A1を含む。凸部32A1は高さ方向に延長する。可動レール32は固定レール31に結合される。可動レール32は固定レール31に対して移動できる。
【0045】
(支持部)
図3および
図4を参照する。支持部40は荷重調節部50のアクチュエータ51およびスライドユニット100の被押圧部220を支持できるように構成される。支持部40は例えば、ブロックである。
【0046】
支持部40は例えば、中間部41を含む。中間部41は例えば、ボルト配置部41Aを含む。ボルト配置部41Aは1または複数のボルト10B1を配置できるように構成される。ボルト配置部41Aは1または複数の穴を含む。穴は中間部41を貫通する。穴の中心軸は幅方向に平行である。
【0047】
支持部40は例えば、上部42を含む。上部42は中間部41に対して上方向に位置する。上部42は例えば、第1配置部42Aを含む。
【0048】
第1配置部42Aは荷重調節部50のアクチュエータ51を配置できるように構成される。第1配置部42Aは例えば、凹部42A1を含む。凹部42A1は上部42の上面に開口する。
【0049】
支持部40は例えば、下部43を含む。下部43は中間部41および上部42に対して下方向に位置する。上部42と下部43との間には空間が形成される。下部43は例えば、被押圧部配置部43Aを含む。
【0050】
被押圧部配置部43Aはスライドユニット100の被押圧部220を配置できるように構成される。被押圧部配置部43Aは例えば、スリット43A1を含む。スリット43A1は高さ方向に関して下部43を貫通する。スリット43A1は下部43の第2側面に開口する。第2側面は第2幅方向を向く。
【0051】
スクライブヘッド10は例えば、スペーサ44を含む。スペーサ44はボルト配置部を含む。ボルト配置部は1または複数のボルト10B1を配置できるように構成される。ボルト配置部は1または複数の穴を含む。穴はボルト配置部を貫通する。穴の中心軸は幅方向に平行である。
【0052】
スペーサ44は支持部40とベース20との間に配置される。スペーサ44はベース20の第2主面20Bに対して第2幅方向に位置する。支持部40はスペーサ44に対して第2幅方向に位置する。支持部40およびスペーサ44は複数のボルト10B1によりベース20に連結される。
【0053】
(荷重調節部)
図3および
図4を参照する。荷重調節部50はスライドユニット100に荷重を付与できるように構成される。荷重調節部50は例えば、下方向に作用する荷重をスライドユニット100に付与する。荷重調節部50は例えば、アクチュエータ51および押圧部52を含む。
【0054】
アクチュエータ51の例として、動力シリンダ、ソレノイド、電動機、サーボモータ、および、リニアアクチュエータが挙げられる。動力シリンダの例として、油圧シリンダ、空圧シリンダ、水圧シリンダ、および、電動シリンダが挙げられる。
【0055】
アクチュエータ51は例えば、ボルト配置部51Aを含む。ボルト配置部51Aは1または複数のボルト10B3を配置できるように構成される。ボルト配置部51Aは1または複数の穴を含む。穴の中心軸は高さ方向に平行である。
【0056】
押圧部52はアクチュエータ51に連結される。押圧部52は例えば、ピストン52Aを含む。押圧部52の先端部はスライドユニット100に接触する。押圧部52はアクチュエータ51に対して高さ方向に変位できるように構成される。押圧部52はアクチュエータ51から付与される力をスライドユニット100に伝達する。
【0057】
アクチュエータ51は支持部40の上部42の第1配置部42Aに配置される。押圧部52の先端部は支持部40の上部42と下部43との間に配置される。アクチュエータ51は複数のボルト10B3により支持部40に連結される。
【0058】
(スライドユニット)
図2および
図4を参照する。スライドユニット100の構成は任意に選択できる。スライドユニット100の構成は例示される構成に限定されない。スライドユニット100は例えば、スライダ200、ホルダジョイント300、ホルダユニット400、および、角度設定部500を含む。スライダ200はホルダジョイント300を支持する。ホルダジョイント300はホルダユニット400を支持する。
【0059】
(ホルダユニット)
図6および
図7を参照する。ホルダユニット400の構成は任意に選択できる。ホルダユニット400の構成は例示される構成に限定されない。ホルダユニット400はホルダジョイント300に対して着脱できるように構成される。ホルダユニット400は例えば、ホルダ410、スクライビングホイール420、ピン430、および、抜止部440を含む。
【0060】
ホルダ410は例えば、基部411を含む。基部411はホルダジョイント300に配置できるように構成される。基部411は斜面411Aを含む。斜面411Aは基部411の前面に設けられる。斜面411Aは上方向に向かうにつれて後方向に傾斜する。
【0061】
ホルダ410は例えば、支持部412を含む。支持部412は基部411に対して下方に位置する。支持部412はピン430を支持できるように構成される。支持部412は第1支持部412Aおよび第2支持部412Bを含む。各支持部412A、412Bは穴412Cを含む。穴412Cは支持部412を貫通する。穴412Cの中心軸は幅方向に平行である。
【0062】
ホルダ410は例えば、配置部413を含む。配置部413はスクライビングホイール420を配置できるように構成される。配置部413は第1支持部412Aの内側部および第2支持部412Bの内側部を含む部分に設けられる。
【0063】
配置部413は例えば、スリット413Aを含む。スリット413Aは第1支持部412Aと第2支持部412Bとの間に形成される。スリット413Aはホルダ410の前面、後面、および、底面に開口する。
【0064】
スクライビングホイール420はスリット413Aに配置される。スクライビングホイール420は例えば、高硬度材料により形成される。高硬度材料の例として、超硬合金、多結晶ダイヤモンド、および、単結晶ダイヤモンドが挙げられる。多結晶ダイヤモンドの例として、ダイヤモンド焼結体(Poly-Crystalline Diamond)、および、ナノ多結晶ダイヤモンド(Nano-Polycrystalline Diamond)が挙げられる。
【0065】
スクライビングホイール420は配置部421および刃先422を含む。配置部421はピン430を配置できるように構成される。配置部421は例えば、穴421Aを含む。穴421Aは配置部421を貫通する。穴421Aの中心軸は幅方向に平行である。
【0066】
刃先422は被加工物をスクライブできるように構成される。刃先422はスクライビングホイール420の外周部に設けられる。刃先422はスクライビングホイール420の中心面に含まれる。スクライビングホイール420の中心面はスクライビングホイール420の中心軸に直交する。
【0067】
ピン430はスクライビングホイール420を支持できるように構成される。ピン430は第1支持部412Aの穴412C、第2支持部412Bの穴412C、および、スクライビングホイール420の穴421Aに配置される。
【0068】
スクライビングホイール420はピン430に対して回転できるようにピン430に支持される。荷重調節部50からスライドユニット100に荷重が付与される状態では、スクライビングホイール420はその荷重に応じて被加工物に押し付けられる。
【0069】
抜止部440はピン430が支持部412から脱落しないように支持部412に設けられる。抜止部440は例えば、複数の栓441を含む。第1の栓441は第1支持部412Aの穴412Cに配置される。第2の栓441は第2支持部412Bの穴412Cに配置される。
【0070】
(ホルダジョイント)
図6および
図9を参照する。ホルダジョイント300の構成は任意に選択できる。ホルダジョイント300の構成は例示される構成に限定されない。ホルダジョイント300はスライダ200に対して着脱できるように構成される。ホルダジョイント300は例えば、軸受部310および旋回部320を含む。
【0071】
軸受部310は旋回部320を支持できるように構成される。軸受部310は例えば、1または複数の軸受311を含む。図示される例では、軸受部310は複数の軸受311を含む。複数の軸受311は例えば、第1軸受311Aおよび第2軸受311Bを含む。
【0072】
軸受部310は例えば、ケース312を含む。ケース312は例えば、シリンダ312A、フランジ312B、および、キャップ312Cを含む。第1軸受311Aおよび第2軸受311Bはシリンダ312Aの内部に配置される。第1軸受311Aおよび第2軸受311Bは高さ方向に並ぶ。各軸受311A、311Bの外輪はシリンダ312Aに連結される。
【0073】
フランジ312Bはシリンダ312Aの下部の開口部の外周部に設けられる。キャップ312Cはシリンダ312Aの上部の開口部に設けられる。シリンダ312Aの上部の開口部はキャップ312Cにより閉鎖される。
【0074】
軸受部310は例えば、スペーサ313および1または複数のオーリング314を含む。スペーサ313はシリンダ312Aの内部に配置される。スペーサ313は第1軸受311Aと第2軸受311Bとの間に配置される。図示される例では、軸受部310は複数のオーリング314を含む。複数のオーリング314はシリンダ312Aの外周部に取り付けられる。
【0075】
旋回部320は軸受部310の中心軸まわりで旋回できるように軸受部310に連結される。旋回部320は例えば、旋回軸321、吸着部322、規制部323、および、ホルダ連結部330を含む。
【0076】
旋回軸321は各軸受311A、311Bの内輪に連結される。旋回軸321は各軸受311A、311Bの外輪およびケース312に対して旋回する。
【0077】
ホルダ連結部330はホルダユニット400を連結できるように構成される。ホルダ連結部330は例えば、シリンダである。ホルダ連結部330は例えば、第1配置部331および第2配置部332を含む。
【0078】
第1配置部331はホルダ410を配置できるように構成される。第1配置部331は例えば、配置空間331Aを含む。第2配置部332は規制部323を配置できるように構成される。第2配置部332は例えば、穴332Aを含む。穴332Aは配置空間331Aにつながる。
【0079】
旋回軸321の下端部は配置空間331Aに配置される。旋回軸321の下端部はホルダ連結部330に連結される。旋回軸321とホルダ連結部330との連結の形態は、例えば機械的接合である。図示される例では、旋回軸321はホルダ連結部330に圧入される。
【0080】
吸着部322はホルダユニット400のホルダ410を磁力により吸着できるように構成される。吸着部322は例えば、磁石322Aを含む。吸着部322は配置空間331Aに配置される。吸着部322は旋回軸321に対して下方向に位置する。
【0081】
吸着部322はホルダ連結部330に連結される。吸着部322とホルダ連結部330との連結の形態は、例えば化学的接合である。図示される例では、吸着部322は接着剤によりホルダ連結部330に接合される。
【0082】
規制部323は高さ方向に関するホルダ連結部330に対するホルダ410の位置を決めるように構成される。一例では、規制部323はピン323Aを含む。規制部323は穴332Aおよび配置空間331Aに配置される。
【0083】
規制部323はホルダ連結部330に連結される。規制部323とホルダ連結部330との連結の形態は、例えば機械的接合である。図示される例では、規制部323はホルダ連結部330に圧入される。
【0084】
旋回部320は1または複数の基準面324を含む。基準面324は平面である。図示される例では、旋回部320は複数の基準面324を含む。複数の基準面324は第1基準面324A、第2基準面324B、第3基準面324C、および、第4基準面324Dを含む。
【0085】
基準面324は例えば、ホルダ連結部330の外表面を構成する。第1基準面324Aは幅方向に関する旋回部320の中心に対して第1幅方向に位置する。第2基準面324Bは幅方向に関する旋回部320の中心に対して第2幅方向に位置する。第3基準面324Cは奥行方向に関する旋回部320の中心に対して前方向に位置する。第4基準面324Dは奥行方向に関する旋回部320の中心に対して後方向に位置する。
【0086】
(スライダ)
図3および
図7を参照する。スライダ200の構成は任意に選択できる。スライダ200の構成は例示される構成に限定されない。スライダ200は例えば、スライダ本体210、被押圧部220、および、位置設定部230を含む。スライダ本体210は例えば、ブロックである。被押圧部220および位置設定部230はスライダ本体210に連結される。
【0087】
スライダ本体210は例えば、軸受部配置部211を含む。軸受部配置部211はホルダジョイント300の軸受部310を配置できるように構成される。軸受部配置部211は例えば、配置空間211Aを含む。配置空間211Aはスライダ本体210の底面210FBに開口する。
【0088】
スライダ本体210は例えば、中間配置部212を含む。中間配置部212は1または複数のボルト10B2を配置できるように構成される。中間配置部212は1または複数の穴212Aを含む。穴212Aは中間配置部212を貫通する。穴212Aの中心軸は幅方向に平行である。スライダ本体210は複数のボルト10B2により可動レール32に連結される。
【0089】
スライダ本体210は例えば、上部配置部213を含む。上部配置部213は連結ボルト221を配置できるように構成される。上部配置部213は例えば、ねじ穴を含む。ねじ穴はスライダ本体210の上面に開口する。ねじ穴の中心軸は高さ方向に平行である。
【0090】
スライダ本体210は例えば、第1底部配置部214を含む。第1底部配置部214は1または複数のボルト10B4を配置できるように構成される。第1底部配置部214は1または複数のねじ穴214Aを含む。ねじ穴214Aはスライダ本体210の底面210FBに開口する。ねじ穴214Aの中心軸は高さ方向に平行である。
【0091】
スライダ本体210は例えば、第2底部配置部215を含む。第2底部配置部215は1または複数のボルト10B5を配置できるように構成される。第2底部配置部215は1または複数のねじ穴215Aを含む。ねじ穴215Aはスライダ本体210の210FBに開口する。ねじ穴215Aの中心軸は高さ方向に平行である。
【0092】
スライダ本体210は例えば、第3底部配置部216を含む。第3底部配置部216は1または複数のピン231を配置できるように構成される。第3底部配置部216は1または複数の穴216Aを含む。穴216Aはスライダ本体210の底面210FBに開口する。穴216Aの中心軸は高さ方向に平行である。
【0093】
被押圧部220は荷重調節部50の押圧部52に接触するように構成される。被押圧部220は例えば、連結ボルト221およびプレート222を含む。連結ボルト221のねじは上部配置部213のねじ穴に配置される。連結ボルト221はスライダ本体210に連結される。
【0094】
プレート222は連結ボルト221の上端部に連結される。プレート222はスライダ本体210に対して上方向に位置する。荷重調節部50の押圧部52はプレート222に接触する。押圧部52は被押圧部220を下方向に押すことによりスライダ200に荷重を付与する。
【0095】
位置設定部230はスライダ200に対する角度設定部500の位置決めに利用できるように構成される。位置設定部230は例えば、1または複数のピン231を含む。ピン231は第3底部配置部216の穴216Aに配置される。ピン231はスライダ本体210に連結される。ピン231の一部はスライダ本体210の底面210FBに対して下方向に突出する。
【0096】
(各要素の連結)
図6および
図7を参照する。ホルダユニット400はホルダジョイント300に連結される。ホルダ410の基部411はホルダ連結部330の配置空間331Aに配置される。ホルダ410は吸着部322により吸着される。基部411の斜面411Aは規制部323に接触する。基部411と規制部323との接触により、ホルダ連結部330に対するホルダ410の位置が決められる。
【0097】
ホルダジョイント300はスライダ200に連結される。軸受部310はスライダ本体210の配置空間211Aに配置される。ケース312のフランジ312Bの底部はスライダ本体210の底面210FBに対して下方向に突出する。
【0098】
ボルト10B4は第1底部配置部214のねじ穴214Aに配置される。ボルト10B4のヘッド10B41はフランジ312Bの底面312BFに対して下方向に位置する。ボルト10B4のヘッド10B41はフランジ312Bの底面312BFに接触する。ボルト10B4によりスライダ本体210に対する軸受部310の位置が決められる。
【0099】
ホルダジョイント300がスライダ200に連結された状態では、ホルダジョイント300の旋回部320およびホルダユニット400はスライダ200に対して一体的に回転する。
【0100】
旋回部320は軸受部310の中心軸まわりで軸受311の外輪およびケース312に対して第1旋回方向または第2旋回方向に旋回する。第1旋回方向は第2旋回方向とは反対の方向である。旋回方向は第1旋回方向および第2旋回方向を総称する。第1旋回方向に旋回する旋回部320の動作を「第1旋回動作」と称する。第2旋回方向に旋回する旋回部320の動作を「第2旋回動作」と称する。旋回動作は第1旋回動作および第2旋回動作を総称する。
【0101】
旋回部320、および、旋回部320と一体的に旋回する要素に関する軸受部310の中心軸まわりの回転角度を「旋回角度」と称する。旋回部320を第1旋回動作させるように作用するトルクを「第1トルク」と称する。旋回部320を第2旋回動作させるように作用するトルクを「第2トルク」と称する。
【0102】
旋回部320の旋回角度が0°の状態では、例えば次のような様子が観察される。第1基準面324Aは第2座標平面に平行である。第2基準面324Bは第2座標平面に平行である。第3基準面324Cは第3座標平面に平行である。第4基準面324Dは第3座標平面に平行である。ホルダユニット400のピン430の中心軸は幅方向に平行である。スクライビングホイール420の中心面は第3座標平面に平行である。
【0103】
(角度設定部)
図8および
図10を参照する。角度設定部500は旋回部320の旋回角度を設定できるように構成される。旋回部320の旋回角度の設定には、旋回角度の調節、および、旋回角度の保持が含まれる。角度設定部500は旋回部320の旋回角度を任意に調節できるように構成される。角度設定部500は旋回部320の旋回角度を任意の旋回角度に保持できるように構成される。
【0104】
角度設定部500の少なくとも一部はスライダ本体210とは個別的に構成される。図示される例では、角度設定部500の全部はスライダ本体210とは個別的に構成される。角度設定部500はスライダ本体210に対して着脱できるように構成される。角度設定部500はスライダ本体210の底部に設けられる。
【0105】
(押圧部)
図8および
図10を参照する。角度設定部500は例えば、押圧部510を含む。押圧部510は旋回部320を押圧できるように構成される。押圧部510は旋回部320を第1旋回動作または第2旋回動作させるように構成される。押圧部510は旋回部320の旋回角度を保持できるように構成される。押圧部510は例えば、第1押圧部511および第2押圧部512を含む。第1押圧部511および第2押圧部512はそれぞれ旋回部320における異なる部分を押圧できるように構成される。
【0106】
第1押圧部511および第2押圧部512の一方は例えば、弾性要素を含む。弾性要素は旋回部320に弾性力を付与できるように構成される。弾性要素の例として、プランジャおよびばねが挙げられる。第1押圧部511および第2押圧部512の他方は例えば、ねじ要素を含む。ねじ要素の例として、ねじおよびボルトが挙げられる。
【0107】
第1押圧部511および第2押圧部512の配置について例示する。第1例では、第1押圧部511および第2押圧部512は第1押圧部511と第2押圧部512との間に旋回部320を挟むように配置される。第2例では、第1押圧部511および第2押圧部512は幅方向に並ぶように配置される。第3例では、第1押圧部511および第2押圧部512は奥行方向に並ぶように配置される。
【0108】
旋回部320は第1被接触部320Aおよび第2被接触部320Bを含む。第1被接触部320Aは押圧されることにより旋回部320に第1トルクが作用する部分である。第2被接触部320Bは押圧されることにより旋回部320に第2トルクが作用する部分である。一例では、旋回部320の基準面324は第1被接触部320Aおよび第2被接触部320Bを含む。
【0109】
第1押圧部511は旋回部320の第1被接触部320Aに接触した状態において、第1押圧部511の中心軸に沿う方向に旋回部320を押圧できるように構成される。第1押圧部511により第1被接触部320Aが押圧された場合、第1トルクが旋回部320に作用する。第1押圧部511が第1被接触部320Aに接触した状態では、旋回部320の第2旋回動作が第1押圧部511により規制される。
【0110】
第2押圧部512は旋回部320の第2被接触部320Bに接触した状態において、第2押圧部512の中心軸に沿う方向に旋回部320を押圧できるように構成される。第2押圧部512により第2被接触部320Bが押圧された場合、第2トルクが旋回部320に作用する。第2押圧部512が第2被接触部320Bに接触した状態では、旋回部320の第1旋回動作が第2押圧部512により規制される。
【0111】
第1押圧部511が第1被接触部320Aに接触し、かつ、第2押圧部512が第2被接触部320Bに接触した状態では、各押圧部511、512により旋回部320の旋回動作が規制される。各押圧部511、512により旋回角度が保持される。
【0112】
第1押圧部511に弾性要素が含まれる例では、第1押圧部511が第1被接触部320Aに接触し、かつ、弾性要素の弾性力に基づく第1トルクよりも大きい第2トルクが旋回部320に作用する場合、旋回部320が第2旋回動作する。
【0113】
第2押圧部512に弾性要素が含まれる例では、第2押圧部512が第2被接触部320Bに接触し、かつ、弾性要素の弾性力に基づく第2トルクよりも大きい第1トルクが旋回部320に作用する場合、旋回部320が第1旋回動作する。
【0114】
(設定部本体)
図8および
図10を参照する。角度設定部500は例えば、設定部本体600を含む。設定部本体600はスライダ200に着脱できるように構成される。設定部本体600は例えば、プレートである。設定部本体600は例えば、第1構成部601、第2構成部602、第3構成部603、第4構成部604を含む。
【0115】
第1構成部601は幅方向に関する設定部本体600の中心に対して第1幅方向に位置する。第2構成部602は幅方向に関する設定部本体600の中心に対して第2幅方向に位置する。第3構成部603は奥行方向に関する設定部本体600の中心に対して前方向に位置する。第4構成部604は奥行方向に関する設定部本体600の中心に対して後方向に位置する。
【0116】
設定部本体600は第1接続部605、第2接続部606、第3接続部607、および、第4接続部608を含む。第1接続部605は第1構成部601と第3構成部603とを接続する。第2接続部606は第1構成部601と第4構成部604とを接続する。第3接続部607は第2構成部602と第3構成部603とを接続する。第4接続部608は第2構成部602と第4構成部604とを接続する。
【0117】
設定部本体600は例えば、旋回部配置部610を含む。旋回部配置部610は旋回部320を配置できるように構成される。旋回部配置部610は第1構成部601の内側部、第2構成部602の内側部、第3構成部603の内側部、および、第4構成部604の内側部を含む部分に設けられる。旋回部配置部610は例えば、穴611および内周面612を含む。穴611は旋回部配置部610を貫通する。穴611の中心軸は高さ方向に平行である。内周面612は穴611を規定する。
【0118】
設定部本体600は例えば、押圧部配置部620を含む。押圧部配置部620は押圧部510を配置できるように構成される。押圧部配置部620は例えば、第1押圧部配置部621および第2押圧部配置部622を含む。第1押圧部配置部621は第1構成部601に設けられる。第2押圧部配置部622は第2構成部602に設けられる。
【0119】
第1押圧部配置部621は第1押圧部511を配置できるように構成される。第1押圧部配置部621は例えば、穴621Aを含む。穴621Aは第1押圧部配置部621を貫通する。穴621Aの中心軸は幅方向に平行である。第1押圧部配置部621は奥行方向に関する旋回部配置部610の中心に対して前方向または後方向に位置する。図示される例では、第1押圧部配置部621は奥行方向に関する旋回部配置部610の中心に対して後方向に位置する。
【0120】
第2押圧部配置部622は第2押圧部512を配置できるように構成される。第2押圧部配置部622は例えば、ねじ穴622Aを含む。ねじ穴622Aは第2押圧部配置部622を貫通する。ねじ穴622Aの中心軸は幅方向に平行である。第2押圧部配置部622は奥行方向に関する旋回部配置部610の中心に対して前方向または後方向に位置する。図示される例では、第2押圧部配置部622は奥行方向に関する旋回部配置部610の中心に対して後方向に位置する。
【0121】
設定部本体600は例えば、ボルト配置部630を含む。ボルト配置部630は1または複数のボルト10B5を配置できるように構成される。ボルト配置部630は例えば、第1ボルト配置部631、第2ボルト配置部632、第3ボルト配置部633、および、第4ボルト配置部634を含む。
【0122】
第1ボルト配置部631は第1接続部605に設けられる。第2ボルト配置部632は第2接続部606に設けられる。第3ボルト配置部633は第3構成部603における第3接続部607寄りの部分に設けられる。第4ボルト配置部634は第4構成部604における第4接続部608寄りの部分に設けられる。
【0123】
第1ボルト配置部631はボルト10B5を配置できるように構成される。第1ボルト配置部631は例えば、穴631Aを含む。穴631Aは第1ボルト配置部631を貫通する。穴631Aの中心軸は高さ方向に平行である。
【0124】
第2ボルト配置部632はボルト10B5を配置できるように構成される。第2ボルト配置部632は例えば、穴632Aを含む。穴632Aは第2ボルト配置部632を貫通する。穴632Aの中心軸は高さ方向に平行である。
【0125】
第3ボルト配置部633はボルト10B5を配置できるように構成される。第3ボルト配置部633は例えば、穴633Aを含む。穴633Aは第3ボルト配置部633を貫通する。穴633Aの中心軸は高さ方向に平行である。
【0126】
第4ボルト配置部634はボルト10B5を配置できるように構成される。第4ボルト配置部634は例えば、穴634Aを含む。穴634Aは第4ボルト配置部634を貫通する。穴634Aの中心軸は高さ方向に平行である。
【0127】
設定部本体600は例えば、設定部配置部640を含む。設定部配置部640は位置設定部230を配置できるように構成される。設定部配置部640は例えば、第1配置部641および第2配置部642を含む。第1配置部641は第3構成部603における第1接続部605寄りの部分に設けられる。第2配置部642は第4構成部604における第1接続部605寄りの部分に設けられる。
【0128】
第1配置部641は第1のピン231を配置できるように構成される。第1配置部641は例えば、長穴641Aを含む。長穴641Aは第1配置部641を貫通する。長穴641Aの中心軸は高さ方向に平行である。長穴641Aは奥行方向に延長する。
【0129】
第2配置部642は第2のピン231を配置できるように構成される。第2配置部642は例えば、穴642Aを含む。穴642Aは第2配置部642を貫通する。穴642Aの中心軸は高さ方向に平行である。
【0130】
設定部本体600は例えば、ヘッド配置部650を含む。ヘッド配置部650は1または複数のボルト10B4のヘッド10B41を配置できるように構成される。ヘッド配置部650は例えば、第1配置部651および第2配置部652を含む。第1配置部651は第3構成部603に設けられる。第2配置部642は第4構成部604に設けられる。
【0131】
第1配置部651はボルト10B4のヘッド10B41を配置できるように構成される。第1配置部651は例えば、凹部651Aを含む。凹部651Aは第3構成部603の上面、および、第3構成部603の内周面612に開口する。
【0132】
第2配置部652はボルト10B4のヘッド10B41を配置できるように構成される。第2配置部652は例えば、凹部652Aを含む。凹部652Aは第4構成部604の上面、および、第4構成部604の内周面612に開口する。
【0133】
設定部本体600は例えば、フランジ配置部660を含む。フランジ配置部660はケース312のフランジ312Bの一部を配置できるように構成される。フランジ配置部660は例えば、第1配置部661および第2配置部662を含む。第1配置部661は第1構成部601に設けられる。第2配置部662は第2構成部602に設けられる。
【0134】
第1配置部661はフランジ312Bの一部を配置できるように構成される。第1配置部661は例えば、凹部661Aを含む。凹部661Aは第1構成部601の上面、および、第1構成部601の内周面612に開口する。
【0135】
第2配置部662はフランジ312Bの一部を配置できるように構成される。第2配置部662は例えば、凹部662Aを含む。凹部662Aは第2構成部602の上面、および、第2構成部602の内周面612に開口する。
【0136】
第1押圧部511は例えば、ボールプランジャ511Aを含む。ボールプランジャ511Aは第1押圧部配置部621の穴621Aに配置される。ボールプランジャ511Aの中心軸は幅方向に平行である。
【0137】
ボールプランジャ511Aは例えば、シリンダ511A1、ボール511A2、および、コイルばねを含む。シリンダ511A1は第1押圧部配置部621に連結される。ボール511A2はシリンダ511A1の端部に配置される。コイルばねはシリンダ511A1の内部に配置される。シリンダ511A1の端部およびボール511A2は第1構成部601の内周面612に対して突出する。
【0138】
第2押圧部512は例えば、細目ねじ512Aを含む。細目ねじ512Aは第2押圧部配置部622のねじ穴622Aに配置される。細目ねじ512Aの中心軸は幅方向に平行である。細目ねじ512Aの中心軸はボールプランジャ511Aの中心軸と同軸である。細目ねじ512Aは回転にともない第2押圧部配置部622に対して幅方向に並進する。
【0139】
(固定部)
図8を参照する。角度設定部500は例えば、固定部520を含む。固定部520は旋回部320の旋回動作を規制できるように構成される。固定部520はスライダ200に対して着脱できるように構成される。図示される例では、固定部520は設定部本体600およびスライダ本体210に対して着脱できるように構成される。固定部520は例えば、プレートである。固定部520は例えば、第1配置部521、第2配置部522、および、規制部523を含む。
【0140】
第1配置部521はボルト10B5を配置できるように構成される。第1配置部521は例えば、穴521Aを含む。穴521Aは第1配置部521を貫通する。穴521Aの中心軸は高さ方向に平行である。
【0141】
第2配置部522はボルト10B5を配置できるように構成される。第2配置部522は例えば、穴522Aを含む。穴522Aは第2配置部522を貫通する。穴522Aの中心軸は高さ方向に平行である。
【0142】
規制部523は旋回部320の第1被接触部320Aおよび第2被接触部320Bに接触できるように構成される。規制部523は例えば、設定部本体600に対して下方向に配置される。規制部523は例えば、第1端部523Aおよび第2端部523Bを含む。第1配置部521は第1端部523Aにつながる。第2配置部522は第2端部523Bにつながる。
【0143】
規制部523は規制面523Cを含む。規制面523Cは例えば、旋回部320の基準面324に接触するように構成される。規制面523Cは平面である。図示される例では、規制部523は設定部本体600の第2構成部602に対して下方向に配置される。規制面523Cは第2基準面324Bに接触するように構成される。
【0144】
(角度設定方法)
図5および
図11~
図15を参照する。
図11~
図15では、スクライブヘッド10を構成する要素のうち、スライドユニット100以外の要素が省略されている。旋回部320の旋回角度は例えば、角度設定方法により設定される。角度設定方法の例として、第1角度設定方法、第2角度設定方法、および、第3角度設定方法が挙げられる。以下では、スライドユニット100を構成する全ての要素が相互に結合されたスライドユニット100の状態を「標準状態」と称する。
【0145】
(第1角度設定方法)
第1角度設定方法は工程A1~工程A6を含む。工程A1の次に工程A2が行われる。工程A2の次に工程A3が行われる。工程A3の次に工程A4が行われる。工程A4の次に工程A5が行われる。工程A5の次に工程A6が行われる。
【0146】
図5および
図11を参照する。工程A1では、スクライブヘッド10が定盤の基準面に配置される。定盤の基準面は平面である。ベース20の第1主面20Aは定盤の基準面に接触する。スライドユニット100の状態は標準状態に対して一部相違する。スライダ200のスライダ本体210には、設定部本体600および固定部520は連結されていない。ホルダジョイント300には、ホルダユニット400は連結されていない。
【0147】
図12を参照する。工程A2では、スライダ200のスライダ本体210に対して下方向に設定部本体600が配置される。スライダ200の第1のピン231が設定部本体600の長穴641Aに配置される。スライダ200の第2のピン231が設定部本体600の穴642Aに配置される。
【0148】
ボールプランジャ511Aのボール511A2は旋回部320の第1基準面324Aの第1被接触部320Aに接触する。細目ねじ512Aの先端部512A1は旋回部320の第2基準面324Bの第2被接触部320Bに接触する。設定部本体600が複数のボルト10B5によりスライダ本体210に連結される。
【0149】
図13を参照する。工程A3では、角度設定用のホルダ410がホルダジョイント300に連結される。角度設定用のホルダ410には、測定プレート450が連結される。
【0150】
測定プレート450の一部はホルダ410のスリット413Aに配置される。測定プレート450は配置部413に連結される。測定プレート450は被測定面451を含む。被測定面451は平面である。定盤の基準面、または、スクライブヘッド10の基準面に対する被測定面451の平行度が測定機により測定される。測定機の例として、3次元測定機が挙げられる。
【0151】
図13を参照する。工程A4では、被測定面451の平行度が基準値となるように細目ねじ512Aが操作される。細目ねじ512Aは第2配置部522に対して第1並進方向または第2並進方向に並進する。
【0152】
細目ねじ512Aが第1並進方向に並進する場合、旋回部配置部610の内周面612に対する細目ねじ512Aの突出長さが長くなる。細目ねじ512Aが第2並進方向に並進する場合、旋回部配置部610の内周面612に対する細目ねじ512Aの突出長さが短くなる。
【0153】
被測定面451の平行度に関する基準値は任意に設定できる。基準値の例として、第1基準値および第2基準値が挙げられる。第1基準値は被測定面451が定盤の基準面、または、スクライブヘッド10の基準面に対して平行であることを示す値である。第2基準値は被測定面451が定盤の基準面、または、スクライブヘッド10の基準面に対して一定の傾斜角度を有することを示す値である。
【0154】
被測定面451の平行度が第1基準値である場合、旋回部320の旋回角度は0°である。旋回角度が0°の旋回部320にホルダユニット400が連結される場合、スクライビングホイール420の中心面は定盤の基準面、または、スクライブヘッド10の基準面に平行である。
【0155】
図14を参照する。工程A5では、固定部520が複数のボルト10B5によりスライダ本体210に連結される。固定部520の規制面523Cは旋回部320の第2基準面324Bの第1被接触部320Aおよび第2被接触部320Bに接触する。
【0156】
図15を参照する。工程A6では、角度設定用のホルダ410がホルダジョイント300から分離される。ホルダユニット400がホルダジョイント300に連結される。
【0157】
(第2角度設定方法)
第2角度設定方法は工程B1~工程B5を含む。工程B1の次に工程B2が行われる。工程B2の次に工程B3が行われる。工程B3の次に工程B4が行われる。工程B4の次に工程B5が行われる。
【0158】
工程B1では、第1角度設定方法の工程A2と同じ状態のスクライブヘッド10が定盤の基準面に配置される。工程B2は第1角度設定方法の工程A3と同様である。工程B3は第1角度設定方法の工程A4と同様である。工程B4は第1角度設定方法の工程A5と同様である。工程B5は第1角度設定方法の工程A6と同様である。
【0159】
(第3角度設定方法)
第3角度設定方法は工程C1~工程C4を含む。工程C1の次に工程C2が行われる。工程C2の次に工程C3が行われる。工程C3の次に工程C4が行われる。
【0160】
工程C1では、第1角度設定方法の工程A3と同じ状態のスクライブヘッド10が定盤の基準面に配置される。工程C2は第1角度設定方法の工程A4と同様である。工程C3は第1角度設定方法の工程A5と同様である。工程C4は第1角度設定方法の工程A6と同様である。
【0161】
(スクライブ加工)
スクライブ加工には、角度設定部500により旋回部320の旋回角度が設定されたスクライブ加工装置が用いられる。スクライブ加工では、例えば以下のような様子が観察される。
【0162】
スクライブヘッド10の位置が非接触位置に設定される。スクライブヘッド10の位置が非接触位置である場合、スクライビングホイール420の刃先422は被加工物に接触しない。
【0163】
スクライブヘッド10が下方向に駆動される。スクライブヘッド10の位置が初期接触位置に設定される。スクライブヘッド10の位置が初期接触位置である場合、スクライビングホイール420の刃先422が被加工物に接触する。刃先422と被加工物との接触にともないスクライビングホイール420に外力が作用する。
【0164】
その外力に基づく第1トルクまたは第2トルクが旋回部320に作用する場合がある。旋回部320の旋回動作が角度設定部500により規制される。スクライビングホイール420の刃先422が被加工物に接触することにともなう旋回部320の旋回動作が規制される。旋回部320およびホルダユニット400の旋回角度が保持される。
【0165】
旋回角度が保持される状態の例として、第1保持状態および第2保持状態が挙げられる。第1保持状態では、スクライブヘッド10が初期接触位置に位置する場合の旋回角度はスクライブヘッド10が非接触位置に位置する場合の旋回角度と同一である。第2保持状態では、スクライブヘッド10が初期接触位置に位置する場合の旋回角度はスクライブヘッド10が非接触位置に位置する場合の旋回角度と実質的に同一の旋回角度である。
【0166】
スクライブヘッド10が所定方向に走査される。スクライビングホイール420が被加工物上を移動し、被加工物にスクライブラインが形成される。スクライビングホイール420の移動にともないスクライビングホイール420に外力が作用する。
【0167】
その外力に基づく第1トルクまたは第2トルクが旋回部320に作用する場合がある。旋回部320の旋回動作が角度設定部500により規制される。スクライビングホイール420が被加工物上に走行することにともなう旋回部320の旋回動作が規制される。旋回部320およびホルダユニット400の旋回角度が保持される。
【0168】
旋回角度が保持される状態の例として、第3保持状態および第4保持状態が挙げられる。第3保持状態では、スクライブヘッド10が移動した場合の旋回角度はスクライブヘッド10が初期接触位置に位置する場合の旋回角度と同一である。第4保持状態では、スクライブヘッド10が移動した場合の旋回角度はスクライブヘッド10が初期接触位置に位置する場合の旋回角度と実質的に同一の旋回角度である。
【0169】
(効果)
実施形態に例示される構成により、例えば以下のような効果が得られる。
【0170】
一例では、スライドユニット100はホルダジョイント300および角度設定部500を備える。ホルダジョイント300はスライダ200、スライダ200に連結される軸受部310、および、軸受部310に対して旋回できるように構成される旋回部320を含む。角度設定部500はスライダ200に対する旋回部320の旋回角度を設定できるように構成される。
【0171】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。角度設定部500により旋回部320の旋回角度を設定できるため、スクライブ加工における旋回部320の旋回角度が安定する。旋回部320に連結されるホルダ410の旋回角度、および、ホルダ410に支持されるスクライビングホイール420の旋回角度も安定する。このため、スクライブ加工における加工精度の向上が期待できる。精密部品を製造するスクライブ加工においても加工精度の向上が期待できる。精密部品の例として、電子部品および半導体部品が挙げられる。
【0172】
一例では、角度設定部500は旋回部320が第1旋回方向に旋回するように旋回部320を押圧する第1押圧部511、および、旋回部320が第2旋回方向に旋回するように旋回部320を押圧する第2押圧部512を含む。
【0173】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。旋回部320の旋回角度を調整する作業に関する作業性が向上する。
【0174】
一例では、第1押圧部511は弾性要素を含む。
【0175】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。旋回部320の旋回角度を調整する作業に関する作業性が向上する。
【0176】
一例では、第2押圧部512の他方はねじ要素を含む。
【0177】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。旋回部320の旋回角度を調整する作業に関する作業性が向上する。
【0178】
一例では、第1押圧部511および第2押圧部512は第1押圧部511と第2押圧部512との間に旋回部320を挟むように配置される。
【0179】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。旋回部320の旋回角度が安定する。
【0180】
一例では、角度設定部500は第1押圧部511が配置される第1押圧部配置部621、および、第2押圧部512が配置される第2押圧部配置部622を含む。
【0181】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。第1押圧部511および第2押圧部512の位置が安定する。
【0182】
一例では、旋回部320はホルダユニット400を連結できるように構成されるホルダ連結部330、および、軸受部310に連結される旋回軸321を含む。第1押圧部511および第2押圧部512はホルダ連結部330を押圧するように構成される。
【0183】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。軸受部310の構成が簡素化される。
【0184】
一例では、角度設定部500は旋回部320の旋回角度を固定できるように構成される固定部520を含む。
【0185】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。旋回部320の旋回角度が安定する。
【0186】
一例では、固定部520はスライダ200に対して着脱できるように構成される。
【0187】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。旋回部320の旋回角度を調節する作業に関する作業性が向上する。
【0188】
一例では、スライダ200は軸受部310が連結されるスライダ本体210を含む。角度設定部500はスライダ本体210の底部に設けられる。
【0189】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。旋回部320の旋回角度を調節する作業に関する作業性が向上する。
【0190】
(第2実施形態)
図16~
図22を参照する。第2実施形態のスライドユニット100は第1実施形態を前提に構成される。本実施形態のスライドユニット100は前提の実施形態と共通する構成を含む。
【0191】
以下には、本実施形態のスライドユニット100における前提の実施形態のスライドユニット100との相違点が主に示される。本実施形態のスライドユニット100における前提の実施形態のスライドユニット100と共通する構成に関する説明の一部または全部は省略される。
【0192】
(軸受部)
図16を参照する。軸受部310はケース312および複数のオーリング314を含まない。各軸受311A、311Bの外輪はスライダ200に連結される。
【0193】
(スライダ)
図16を参照する。スライダ200の構成は任意に選択できる。スライダ200の構成は例示される構成に限定されない。スライダ200は例えば、スライダ本体700、被押圧部220、および、位置設定部230を含む。スライダ本体700は例えば、ブロックである。被押圧部220および位置設定部230はスライダ本体700に連結される。
【0194】
スライダ本体700は例えば、第1本体構成部710および第2本体構成部720を含む。第1本体構成部710および第2本体構成部720は個別的に構成される。第1本体構成部710は例えば、上部構成部710Aおよび下部構成部710Bを含む。下部構成部710Bは第1幅方向に関する上部構成部710Aの側部に対して下方向に位置する。第2本体構成部720は下部構成部710Bに対して着脱できるように構成される。
【0195】
上部構成部710Aは例えば、中間配置部711を含む。中間配置部711は1または複数のボルト10B2を配置できるように構成される。中間配置部711は1または複数の穴711Aを含む。穴711Aは上部構成部710Aを貫通する。穴711Aの中心軸は幅方向に平行である。上部構成部710Aは複数のボルト10B2により可動レール32に連結される。
【0196】
上部構成部710Aは例えば、上部配置部712を含む。上部配置部712は連結ボルト221を配置できるように構成される。上部配置部712は例えば、ねじ穴を含む。ねじ穴は上部構成部710Aの上面731に開口する。ねじ穴の中心軸は高さ方向に平行である。
【0197】
上部構成部710Aの底面732は下方向を向く。上部構成部710Aの底面732は平面である。上部構成部710Aの底面732は第2本体構成部720に対向する。
【0198】
下部構成部710Bは例えば、対向部713を含む。対向部713は幅方向に関してホルダジョイント300のホルダ連結部330に対向する部分を含む。対向部713は例えば、凹部713Aを含む。
【0199】
凹部713Aは下部構成部710Bの第2側面733に開口する。下部構成部710Bの第2側面733は第2幅方向を向く。下部構成部710Bの第2側面733は第2本体構成部720の第1側面743に対向する。下部構成部710Bの第2側面733は平面である。
【0200】
凹部713Aは下部構成部710Bの底面734に開口する。下部構成部710Bの底面734は下方向を向く。下部構成部710Bの底面734は平面である。
【0201】
下部構成部710Bは例えば、中間配置部714を含む。中間配置部714は1または複数のボルト10B6を配置できるように構成される。中間配置部714は1または複数のねじ穴714Aを含む。ねじ穴714Aは下部構成部710Bの第2側面733に開口する。ねじ穴714Aの中心軸は幅方向に平行である。
【0202】
第2本体構成部720は例えば、ジョイント配置部721を含む。ジョイント配置部721はホルダジョイント300を配置できるように構成される。ジョイント配置部721は例えば、凹部721Aおよび穴721Bを含む。
【0203】
凹部721Aはホルダ連結部330の一部を配置できるように形成される。凹部721Aは第2本体構成部720の底面742に開口する。第2本体構成部720の底面742は下方向を向く。第2本体構成部720の底面742は平面である。
【0204】
凹部721Aは第2本体構成部720の第1側面743に開口する。第2本体構成部720の第1側面743は第1幅方向を向く。第2本体構成部720の第1側面743は平面である。第2本体構成部720の第1側面743は下部構成部710Bの第2側面733に接触する。穴721Bは軸受部310を配置できるように形成される。穴721Bは凹部721Aの底面に開口する。
【0205】
第2本体構成部720は例えば、中間配置部722を含む。中間配置部722は1または複数のボルト10B6を配置できるように構成される。中間配置部722は1または複数の穴722Aを含む。穴722Aは第2本体構成部720を貫通する。穴722Aの中心軸は幅方向に平行である。
【0206】
第2本体構成部720の上面741は上方向を向く。第2本体構成部720の上面741は平面である。第2本体構成部720の上面741は上部構成部710Aの底面732に接触する。
【0207】
(角度設定部)
図16および
図17を参照する。角度設定部500の少なくとも一部はスライダ本体700と一体的に構成される。図示される例では、角度設定部500の一部はスライダ本体700と一体的に構成される。角度設定部500はスライダ本体700の底部に設けられる。
【0208】
(設定部本体)
図16および
図17を参照する。角度設定部500は例えば、設定部本体800を含む。設定部本体800はスライダ本体700の一部として構成される。設定部本体800は例えば、第1本体構成部810および第2本体構成部820を含む。第1本体構成部810はスライダ本体700の第1本体構成部710の下部構成部710Bの一部として構成される。第2本体構成部820はスライダ本体700の第2本体構成部720の一部として構成される。
【0209】
設定部本体800は例えば、押圧部配置部830を含む。押圧部配置部830は押圧部510を配置できるように構成される。押圧部配置部830は例えば、第1押圧部配置部831および第2押圧部配置部832を含む。第1押圧部配置部831は第1本体構成部810に設けられる。第2押圧部配置部832は第2本体構成部820に設けられる。
【0210】
第1押圧部配置部831は第1押圧部511を配置できるように構成される。第1押圧部配置部831は例えば、穴831Aを含む。穴831Aは第1押圧部配置部831を貫通する。穴831Aの中心軸は幅方向に平行である。第1押圧部配置部831は下部構成部710Bの凹部713Aに設けられる。穴831Aは凹部713Aの底面に開口する。
【0211】
第1押圧部配置部831は奥行方向に関するスライダ本体700の中心に対して前方向または後方向に位置する。図示される例では、第1押圧部配置部831は奥行方向に関するスライダ本体700の中心に対して後方向に位置する。
【0212】
第2押圧部配置部832は第2押圧部512を配置できるように構成される。第2押圧部配置部832は例えば、ねじ穴832Aを含む。ねじ穴832Aは第2押圧部配置部832を貫通する。ねじ穴832Aの中心軸は幅方向に平行である。第2押圧部配置部832は第2本体構成部720の凹部721Aに設けられる。ねじ穴832Aは凹部721Aの底面に開口する。
【0213】
第2押圧部配置部832は奥行方向に関するスライダ本体700の中心に対して前方向または後方向に位置する。図示される例では、第2押圧部配置部832は奥行方向に関するスライダ本体700の中心に対して後方向に位置する。
【0214】
設定部本体800は例えば、ボルト配置部840を含む。ボルト配置部840は1または複数のボルト10B5を配置できるように構成される。ボルト配置部840は例えば、第1ボルト配置部841および第2ボルト配置部842を含む。
【0215】
第1ボルト配置部841は第1本体構成部810に設けられる。第1ボルト配置部841は1または複数のボルト10B5を配置できるように構成される。第1ボルト配置部841は1または複数のねじ穴841Aを含む。ねじ穴841Aは第1本体構成部810の底面734に開口する。ねじ穴841Aの中心軸は高さ方向に平行である。
【0216】
第2ボルト配置部842は第2本体構成部820に設けられる。第2ボルト配置部842は1または複数のボルト10B5を配置できるように構成される。第2ボルト配置部842は1または複数のねじ穴842Aを含む。ねじ穴842Aは第2本体構成部820の底面742に開口する。ねじ穴842Aの中心軸は高さ方向に平行である。
【0217】
第1押圧部511は例えば、ボールプランジャ511Aを含む。ボールプランジャ511Aは押圧部配置部830の第1押圧部配置部831の穴831Aに配置される。ボールプランジャ511Aの中心軸は幅方向に平行である。
【0218】
シリンダ511A1は第1押圧部配置部831に連結される。ボール511A2はシリンダ511A1の端部に配置される。コイルばねはシリンダ511A1の内部に配置される。シリンダ511A1の端部およびボール511A2は第1押圧部配置部831の側面に対して突出する。
【0219】
第2押圧部512は例えば、細目ねじ512Aを含む。細目ねじ512Aは押圧部配置部830の第2押圧部配置部832のねじ穴832Aに配置される。細目ねじ512Aの中心軸は幅方向に平行である。細目ねじ512Aの中心軸はボールプランジャ511Aの中心軸と同軸である。細目ねじ512Aは回転にともない第2押圧部配置部832に対して幅方向に並進する。
【0220】
(固定部)
図16および
図17を参照する。角度設定部500は例えば、複数の固定部520を含む。第1の固定部520は第1本体構成部810に対して下方向に配置される。第1の固定部520の規制面523Cは第1基準面324Aに接触するように構成される。第2の固定部520は第2本体構成部820に対して下方向に配置される。第2の固定部520の規制面523Cは第2基準面324Bに接触するように構成される。
【0221】
(各要素の連結)
図16および
図17を参照する。ホルダジョイント300はスライダ200に連結される。軸受部310はスライダ本体700の第2本体構成部720の穴721Bに配置される。ホルダ連結部330の上部は凹部721Aに配置される。
【0222】
軸受部310の軸受311の外輪は第2本体構成部720に連結される。軸受311の外輪と第2本体構成部720との連結の形態は、例えば化学的接合である。図示される例では、軸受311の外輪は接着剤により第2本体構成部720に接合される。
【0223】
(角度設定方法)
図5および
図18~
図22を参照する。
図18~
図22では、スクライブヘッド10を構成する要素のうち、スライドユニット100以外の要素が省略されている。旋回部320の旋回角度は例えば、角度設定方法により設定される。角度設定方法の例として、第4角度設定方法、第5角度設定方法、および、第6角度設定方法が挙げられる。
【0224】
(第4角度設定方法)
第4角度設定方法は工程D1~工程D6を含む。工程D1の次に工程D2が行われる。工程D2の次に工程D3が行われる。工程D3の次に工程D4が行われる。工程D4の次に工程D5が行われる。工程D5の次に工程D6が行われる。
【0225】
図5および
図18を参照する。工程D1では、スクライブヘッド10が定盤の基準面に配置される。定盤の基準面は平面である。ベース20の第1主面20Aは定盤の基準面に接触する。スライドユニット100の状態は標準状態に対して一部相違する。スライダ本体700の第1本体構成部710には、第2本体構成部720および固定部520は連結されていない。
【0226】
図19を参照する。工程D2では、ホルダジョイント300が連結された第2本体構成部720が複数のボルト10B6により第1本体構成部710に連結される。ホルダジョイント300には、ホルダユニット400は連結されていない。
【0227】
ボールプランジャ511Aのボール511A2は旋回部320の第1基準面324Aの第1被接触部320Aに接触する。細目ねじ512Aの先端部512A1は旋回部320の第2基準面324Bの第2被接触部320Bに接触する。
【0228】
図20を参照する。工程D3では、角度設定用のホルダ410がホルダジョイント300に連結される。角度設定用のホルダ410には、測定プレート450が連結される。
【0229】
図20を参照する。工程D4では、被測定面451の平行度が基準値となるように細目ねじ512Aが操作される。細目ねじ512Aは第2配置部522に対して第1並進方向または第2並進方向に並進する。
【0230】
細目ねじ512Aが第1並進方向に並進する場合、第2本体構成部720の凹部721Aの底面に対する細目ねじ512Aの突出長さが長くなる。細目ねじ512Aが第2並進方向に並進する場合、第2本体構成部720の凹部721Aの底面に対する細目ねじ512Aの突出長さが短くなる。
【0231】
図21を参照する。工程D5では、第1の固定部520が複数のボルト10B5により第1本体構成部710に連結される。固定部520の規制面523Cは旋回部320の第1基準面324Aの第1被接触部320Aおよび第2被接触部320Bに接触する。
【0232】
工程D5では、第2の固定部520が複数のボルト10B5により第2本体構成部720に連結される。固定部520の規制面523Cは旋回部320の第2基準面324Bの第1被接触部320Aおよび第2被接触部320Bに接触する。
【0233】
図22を参照する。工程D6では、角度設定用のホルダ410がホルダジョイント300から分離される。ホルダユニット400がホルダジョイント300に連結される。
【0234】
(第5角度設定方法)
第5角度設定方法は工程E1~工程E5を含む。工程E1の次に工程E2が行われる。工程E2の次に工程E3が行われる。工程E3の次に工程E4が行われる。工程E4の次に工程E5が行われる。
【0235】
工程E1では、第4角度設定方法の工程D2と同じ状態のスクライブヘッド10が定盤の基準面に配置される。工程E2は第4角度設定方法の工程D3と同様である。工程E3は第4角度設定方法の工程D4と同様である。工程E4は第4角度設定方法の工程D5と同様である。工程E5は第4角度設定方法の工程D6と同様である。
【0236】
(第6角度設定方法)
第6角度設定方法は工程F1~工程F4を含む。工程F1の次に工程F2が行われる。工程F2の次に工程F3が行われる。工程F3の次に工程F4が行われる。
【0237】
工程F1では、第4角度設定方法の工程D3と同じ状態のスクライブヘッド10が定盤の基準面に配置される。工程F2は第4角度設定方法の工程D4と同様である。工程F3は第4角度設定方法の工程D5と同様である。工程F4は第4角度設定方法の工程D6と同様である。
【0238】
(スクライブ加工)
スクライブ加工には、角度設定部500により旋回部320の旋回角度が設定されたスクライブ加工装置が用いられる。スクライブ加工では、例えば前提の実施形態と同様の様子が観察される。
【0239】
(効果)
実施形態に例示される構成により、例えば以下のような効果が得られる。
【0240】
一例では、スライドユニット100は前提の実施形態のスライドユニット100と共通する構成を含む。
【0241】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。前提の実施形態により得られる効果と同様の効果が得られる。
【0242】
一例では、軸受部310はスライダ本体700の一部である第2本体構成部720に接合される。
【0243】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。軸受部310が高剛性の要素に接合されるため、スライドユニット100に衝撃が作用した場合にも、角度設定部500により設定された旋回部320の旋回角度が変化しにくい。
【0244】
なお、本発明に関するスライドユニットが取り得る形態は上記各実施形態に記載の説明に制限されない。本発明に関するスライドユニットは各実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その例として、各実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、各実施形態に新たな構成を付加した形態が挙げられる。
【符号の説明】
【0245】
100 :スライドユニット
200 :スライダ
300 :ホルダジョイント
310 :軸受部
320 :旋回部
500 :角度設定部