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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021193422
(22)【出願日】2021-11-29
(65)【公開番号】P2023079787
(43)【公開日】2023-06-08
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100104514
【弁理士】
【氏名又は名称】森 泰比古
(72)【発明者】
【氏名】赤羽根 圭一朗
【審査官】井上 昌宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-192253(JP,A)
【文献】特開2005-137745(JP,A)
【文献】特開2017-080072(JP,A)
【文献】特開2010-261899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
G01R 31/28~31/3193
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄の変動制御が可能であって所定の抽選に当選したことを契機に特典を与える主制御手段と、演出実行手段と、演出データを記憶した演出データ記憶手段と、前記演出データ記憶手段に記憶されている演出データを用いた演出を前記演出実行手段に実行させる演出制御手段とを備えた遊技機であって、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする遊技機。
(1A)前記演出実行手段には、遊技機枠に取り付けられ、前記演出制御手段との信号授受によって演出を実行する手段が含まれていること。
(1B)前記演出制御手段が用途を限定されていない汎用端子を有する基板を備え、前記汎用端子は、前記遊技機枠との間で信号の授受を行い得る様に接続されていること。
(1C)前記演出制御手段は、前記汎用端子を介して前記遊技機枠側に備えられた制御対象へとシリアル信号を出力する手段として構成されていること。
(2A)前記演出制御手段が前記汎用端子を介して出力するシリアル信号には、前記制御対象を特定するアドレス情報が付加されており、前記遊技機枠と前記演出制御手段との間には、前記アドレス情報に基づいて前記制御対象へと信号入力を実行する様に前記シリアル信号の振分を行う信号振分手段が備えられていること。
(2B)前記演出制御手段には前記制御対象とアドレス信号との対応関係を特定し得る情報を記憶させておくと共に、前記信号振分手段には前記アドレス信号と前記制御対象が接続された汎用端子との対応関係を特定し得る情報を記憶させておくこと。
(3)前記汎用端子を備える基板には接地端子が備えられ、前記遊技機枠には末端処理用の抵抗負荷が備えられ、前記汎用端子が前記制御対象を有しない場合は、当該制御対象を有しない汎用端子は、前記抵抗負荷を経由して前記接地端子へと接続する様に結線されていること。
(4A)前記遊技機枠に備えられた前記制御対象と前記汎用端子との間に、シリアル/パラレル変換手段及びパラレル/シリアル変換手段を備ていること。
(4B)前記シリアル/パラレル変換手段は前記汎用端子の内の信号出力用の汎用端子と制御対象との間に、前記パラレル/シリアル変換手段は前記汎用端子の内の信号入力用の汎用端子と制御対象との間に位置する様に設置されていること。
(5A)電源投入時に前記汎用端子と前記制御対象との接続状態を検査する接続状態検査手段と、前記接続状態検査手段による検査結果を報知する報知手段とを備えていること。
(5B)前記接続状態検査手段は、前記制御対象に対して所定の動作を実行させるためのシリアル信号を前記アドレス情報と共に前記信号振分手段に対して順次出力し、当該アドレス情報に基づいて前記信号振分手段を介してシリアル信号が出力された結果、前記所定の動作が実行されたか否かを問い合わせる質問に対して入力された回答に基づいて前記接続状態の適否を検査する手段として構成されていること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機枠に各種演出手段を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、重低音による音声演出を実行可能にしたスロットマシン(特許文献1)やパチンコ機(特許文献2)、演出ボタンに振動機能を持たせたパチンコ機(特許文献3)、島設備をカラフルな感じにし、遊技者に対して強いインパクトを与えるサイドユニットを備えたパチンコ機(特許文献4)など、遊技機枠に各種演出手段を備えさせる提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-109914
【文献】特開2007-143875
【文献】特開2007-075331
【文献】特開2019-76353
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術によれば、遊技機枠に各種演出手段を備えさせて迫力ある演出を実施可能な反面、これら各種演出手段と演出制御基板との間で制御信号や検出信号を授受するための複雑な結線等が必要になるという問題や、演出制御基板の設計変更等が必要になるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、演出実行手段の増加や変更による設計変更等の問題に対して柔軟に対応することのできる遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の遊技機は、図柄の変動制御が可能であって所定の抽選に当選したことを契機に特典を与える主制御手段と、演出実行手段と、演出データを記憶した演出データ記憶手段と、前記演出データ記憶手段に記憶されている演出データを用いた演出を前記演出実行手段に実行させる演出制御手段とを備えた遊技機であって、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
(1A)前記演出実行手段には、遊技機枠に取り付けられ、前記演出制御手段との信号授受によって演出を実行する手段が含まれていること。
(1B)前記演出制御手段が用途を限定されていない汎用端子を有する基板を備え、前記汎用端子は、前記遊技機枠との間で信号の授受を行い得る様に接続されていること。
(1C)前記演出制御手段は、前記汎用端子を介して前記遊技機枠側に備えられた制御対象へとシリアル信号を出力する手段として構成されていること。
(2A)前記演出制御手段が前記汎用端子を介して出力するシリアル信号には、前記制御対象を特定するアドレス情報が付加されており、前記遊技機枠と前記演出制御手段との間には、前記アドレス情報に基づいて前記制御対象へと信号入力を実行する様に前記シリアル信号の振分を行う信号振分手段が備えられていること。
(2B)前記演出制御手段には前記制御対象とアドレス信号との対応関係を特定し得る情報を記憶させておくと共に、前記信号振分手段には前記アドレス信号と前記制御対象が接続された汎用端子との対応関係を特定し得る情報を記憶させておくこと。
(3)前記汎用端子を備える基板には接地端子が備えられ、前記遊技機枠には末端処理用の抵抗負荷が備えられ、前記汎用端子が前記制御対象を有しない場合は、当該制御対象を有しない汎用端子は、前記抵抗負荷を経由して前記接地端子へと接続する様に結線されていること。
(4A)前記遊技機枠に備えられた前記制御対象と前記汎用端子との間に、シリアル/パラレル変換手段及びパラレル/シリアル変換手段を備ていること。
(4B)前記シリアル/パラレル変換手段は前記汎用端子の内の信号出力用の汎用端子と制御対象との間に、前記パラレル/シリアル変換手段は前記汎用端子の内の信号入力用の汎用端子と制御対象との間に位置する様に設置されていること。
(5A)電源投入時に前記汎用端子と前記制御対象との接続状態を検査する接続状態検査手段と、前記接続状態検査手段による検査結果を報知する報知手段とを備えていること。
(5B)前記接続状態検査手段は、前記制御対象に対して所定の動作を実行させるためのシリアル信号を前記アドレス情報と共に前記信号振分手段に対して順次出力し、当該アドレス情報に基づいて前記信号振分手段を介してシリアル信号が出力された結果、前記所定の動作が実行されたか否かを問い合わせる質問に対して入力された回答に基づいて前記接続状態の適否を検査する手段として構成されていること。
【0007】
本発明の遊技機によれば、演出制御手段が汎用端子を有する基板を備え、この汎用端子を遊技機枠との間で信号の授受を行い得る様に接続し、演出制御手段が、この汎用端子を介して遊技機枠側に備えられた制御対象へとシリアル信号を出力する様に構成されているから、例えば、遊技機枠に対して演出実行手段を追加等した場合、演出制御手段は、遊技機枠に対して追加した演出実行手段に対し、汎用端子を介して制御信号を与えることができる。
【0009】
(2A),(2B)の構成をも備えた遊技機によれば、演出制御手段が汎用端子を介して出力するシリアル信号に付加されたアドレス情報に基づき、信号振分手段が制御対象を特定して信号入力を実行する。これにより、用途を限定されていない汎用端子を特定の制御対象に対して制御信号を出力する端子として機能させることができる。
【0011】
(3)の構成をも備えた遊技機によれば、汎用端子が制御対象を有しない場合も、当該汎用端子は遊技機枠に備えられた末端処理用の抵抗負荷を経由して基板側の接地端子へと接続されているから、基板側へと不正な信号入力をされることがない。この結果、演出制御手段が備える基板には空き状態となる汎用端子をも備えさせることができ、これにより、演出実行手段の増加や変更による設計変更に対して、不正行為を防止しつつ柔軟に対応することができる。
【0013】
(4A),(4B)の構成をも備えた遊技機によれば、遊技機枠に追加された演出実行手段が、例えばスピーカやモータ等であっても、一つの汎用端子からの信号入力によって音声演出や振動演出などを実行することができる。逆に、遊技機枠に追加したボタン等の操作信号をシリアル信号に変換して演出制御手段の汎用端子へと入力して操作演出の契機を与える様にすることができる。
【0015】
(5A),(5B)の構成をも備えた遊技機によれば、電源投入時に、接続状態検査手段が、汎用端子と制御対象との接続状態を検査し、報知手段がその検査結果を報知することにより、遊技機の出荷や遊技場への設置の際に、正しい遊技演出を実行可能な状態に結線等が行われているかを確認することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、演出実行手段の増加や変更による設計変更等の問題に対して柔軟に対応することのできる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施例1のパチンコ機を示し、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図である。
図2】実施例1のパチンコ機の制御装置の全体の構成を示すブロック図である。
図3】実施例1のパチンコ機の制御基板の構成を示し、(A)は主制御基板の構成を示す模式図、(B)は演出制御基板の構成を示す模式図である。
図4】実施例1のパチンコ機の制御装置の演出手段に係る構成を示し、(A)は制御系統全体のブロック図、(B)は遊技機枠に設置される演出手段と演出制御基板との接続状態を示すブロック図である。
図5】実施例1のパチンコ機において演出制御基板が実行する遊技機枠に追加された演出手段の接続確認処理のフローチャートである。
図6】実施例2のパチンコ機の制御装置の演出手段に係る構成の内、遊技機枠に設置される演出手段と演出制御基板との接続状態を示すブロック図である。
図7】実施例3のパチンコ機の制御装置の演出手段に係る構成の内、遊技機枠に設置される演出手段と演出制御基板との接続状態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態として、具体的な実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
[1 遊技機全体の概要]
実施例1のパチンコ機Pは、図1(A),(B)に示す様に、外枠A、中枠B、遊技盤C、前枠D、上の球受け皿E、下の球受け皿F及び発射装置Gを備えている。外枠Aはパチンコ機Pの外郭を構成する縦長方形の枠である。中枠Bは、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形の枠であって、外枠Aの前面側に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられる。遊技盤Cは、中枠Bの開口部に取り付けられる。前枠Dは遊技盤Cの透視保護窓であって、施錠装置Hの操作によって開閉可能な様に中枠Bの前面側に組み付けられる。上の球受け皿Eは、貸し球や賞球の受け皿で、本実施例においては前枠Dの下部と一体に構成されている。従って、前枠Dを中枠Bに対して開閉するときに上の球受け皿Eも共に開閉される。下の球受け皿Fは、上の球受け皿Eが一杯になったときに排出される遊技球や打ち損じの遊技球等を受ける受け皿であって、中枠Bの下部に固定されている。発射装置Gは、上の球受け皿Eから発射レールに送り込まれた遊技球をハンドル操作に対応する強さで打ち出すための装置であって、中枠Bの右下部に装備される。
【0020】
遊技盤Cは、図1(A)に示す様に、障害釘11や風車12が植設された遊技領域10の中央にセンター役物30が取り付けられ、センター役物30の中央直下に始動入賞装置7が備えられる。また、この始動入賞装置7の右斜め下方に大入賞口15が設置され、センター役物30の右側には大入賞口15の開放時に右側から遊技球を入賞させるための右打ち通路20が備えられた構成となっている。遊技盤Cには、この他、誘導レール17、普通入賞口18、アウト口19等も設置されている。
【0021】
センター役物30は、大型装飾体31、ステージ32、ワープ通路33を備えるリング状を呈し、左上部分には障害釘に代わる障害ブロック34が設けられている。また、センター役物30には、右打ち通路20に侵入した遊技球を受け入れる入口35aを備えた右側トンネル35も組み付けられている。この右側トンネル35の出口35bの真下に位置する様にゲート37が設けられている。また、センター役物30の右側下方には、第2始動入賞装置27も設置されている。この第2始動入賞装置27は、ゲート37を遊技球が通過したことを契機に実行される普通図柄抽選結果に基づいて開閉動作される電動式チューリップを供えている。
【0022】
本実施例のパチンコ機Pは、前枠Dの前面上部の左右位置から音声を出力するフルレンジスピーカーSPfr,SPfrと、中枠Bの前面の左下部から音声を出力するウーファSPwfとを備えている。なお、ウーファSPwfは、パチンコ機Pの基本仕様においては備えない演出機器である。
【0023】
実施例のパチンコ機Pは、図1(C)に示す様に、中枠Bには機構板Kが取り付けられ、この機構板Kに嵌め込む様に裏ユニットJが取り付けられている。液晶表示装置LCDは、裏ユニットJに形成された開口窓に取り付けられる。
【0024】
そして、機構板K、裏ユニットJ、及び液晶表示装置LCDの裏面には、主制御基板310、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、インタフェース基板350、電源基板360、表示制御基板370、電源中継基板380、信号中継基板410、ランプ制御基板420、及び音声制御基板430が取り付けられ、それぞれ基板ケースで背面側を覆われると共に、基板ケースに形成したソケット開口を介して、基板同士の間をハーネスで接続されている。主制御基板310から配線されるハーネスは基板ケース背面に装着されたハーネスダクトの中に配線されている。また、演出制御基板320、払出制御基板330、及び発射制御基板340の基板ケースにも、主制御基板310から配線されたハーネスを収納する様にハーネスダクトが取り付けられる。この他、インタフェース基板350にもハーネスを収納するハーネスダクトが取り付けられている。
【0025】
[2 制御装置全体]
次に、本実施例のパチンコ機Pのゲーム性等について説明する。まず、制御系統について図2に基づいて説明する。CPU,ROM,RAM,クロック等を備えた主制御基板310に対して、始動入賞装置7に備えられている特図1スイッチSW1、第2始動入賞装置27に備えられている特図2スイッチSW2、ゲート37に備えられている普図スイッチSW3、大入賞口15に備えられた入賞検知スイッチSW7、普通入賞装置18,18,…に備えられた入賞検知スイッチSW11,SW12からの検知信号、及び裏ユニットJの所定位置に設けられた球排出通路に備えられた排出球検知スイッチSW41~43からの検知信号が入力される様になっている。
【0026】
また、主制御基板310からは、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、特図表示器TKZ、大入賞口15の開閉用ソレノイドSOL7、第2始動入賞装置27の普通電動役物開閉用ソレノイドSOL27へとコマンドが出力される様になっている。インタフェース基板350は、払出制御基板330との間でコマンドのやり取りを行う構成となっている。なお、電源基板360は、電源中継基板380を介して主制御基板310への電源供給を行う構成となっている。そして、演出制御基板320は、表示制御基板370へとコマンドを出力する構成となっている。また、貸し玉ボタンQ、カード取り出しボタンRからの押下信号は、球貸し操作基板390へと入力され、この球貸し操作基板390からインタフェース基板350を経由して払出制御基板330へと入力される構成となっている。インタフェース基板350はまた、カードユニット500との間でもコマンドをやり取りする構成となっている。また、払出制御基板330を介してホールコンピュータ400へと賞球払出数等のホール管理用のデータやエラー報知等も行うことができる様に構成されている。
【0027】
演出制御基板320は、主制御基板310からの指令信号に基づいて、表示制御基板370へと表示演出のための指令信号を出力行する。また、演出制御基板320は、主制御基板310からの指令信号に基づいて、音声演出、発光演出、可動体演出を実行させるための指令信号を信号中継基板410へと出力する。信号中継基板410は、演出制御基板320からの指令信号を発光演出を実行するためのランプ制御基板420、音声演出を実行するための音声制御基板430、及び可動体演出を実行するためのモータ制御IC510、ソレノイド制御IC520へと出力する。可動体は、遊技盤Cと裏ユニットJとの間の空間において、液晶表示装置LCDの前面側で出没動作や回動動作等を実行する様に設置される。
【0028】
演出制御基板320には、さらに、プッシュボタンPB及びカーソルボタンCBからの操作信号も入力される様に構成されている。プッシュボタンPBは、メニュー表示をしたり、演出中の指令に対応してプッシュ・連打・長押しなどの遊技参加型の操作をしたりするための操作ボタンである。カーソルボタンCBは、メニュー表示によって音量調節モードや光量調節モードが選択されているときに、音量や光量の増減による調節をカーソル送りによって実施するための操作ボタンである。カーソルボタンCBは、この他、背景モードの切り換えや、BGMの切り換えなどにも用いられる。
【0029】
主制御基板310は、特図1スイッチSW1からの検知信号の入力を契機として取得した特図1判定用乱数を最大4個、特図2スイッチSW2の検知信号入力を契機として取得した特図2判定用乱数を最大4個、それぞれ保留記憶しておくため、RAM内に、特図1保留記憶部311及び特図2保留記憶部312を備えている。特図1判定用乱数及び特図2判定用乱数は、それぞれ、「当たり/はずれ判定用乱数(乱数1:SW1-1,SW2-1)」、「特図振分判定用乱数(乱数2:SW1-2,SW2-2)」、「演出実行判定用乱数(乱数3:SW1-3,SW2-3)」、及び「変動パターン振分用乱数(乱数4:SW1-4,SW2-4)」から構成される。乱数1は、特図スイッチ検知信号の入力を契機としてハードウェアロジックによって取得され、乱数2~4は、特図スイッチ検知信号の入力を契機としてソフトウェアロジックによって取得される。
【0030】
主制御基板310は、所定のタイミングで実行する判定処理において、乱数1が予め設定された「大当たり判定値」と一致するときに「大当たり」と判定し、一致しない場合は「はずれ」と判定する。特図振分判定用乱数(乱数2)は、特別遊技のラウンド数など、大当たり種別を振り分けるための乱数である。演出実行判定用乱数(乱数3)は、リーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。リーチ演出は、「当たり」の場合だけでなく、「はずれ」においても所定の割合で実行する構成となっている。変動パターン振分用乱数(乱数4)は、変動パターンを振り分けるための乱数である。なお、乱数1で「大当たり」となった場合、乱数2による大当たり種別振り分けにより、例えば、「2R」「7R」「15R」など、遊技者に対する有利さの異なる複数種類の当たり種別のいずれかに振り分けられる。
【0031】
演出制御基板320には、音声演出、表示演出、発光演出、及び可動体演出を実行するための演出データ記憶手段325が備えられている。演出データ記憶手段325には、特別図柄変動ゲーム中に実行する変動ゲーム中演出データDH、大当たり遊技中に実行する大当たり中演出データDV、デモ中に実行するデモ中演出データDM、特図変動ゲームにおいて実行される変動パターンに応じた飾り図柄変動ゲームを表示するための飾り図柄変動演出データDKZが記憶されている。
【0032】
変動ゲーム中演出データDHは、背景表示用データ、キャラクタ表示用データ、発光演出用データ、音声演出用データ、及び可動体演出用データの組み合わせとなっている。変動ゲーム中演出データDHは、主制御基板310による抽選結果(ノーマルはずれ、ノーマル当たり、リーチはずれ、リーチ当たり、スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ当たりなど)に対して、それぞれ複数種類のパターンが備えられている。これらのパターンにおいて、例えば、可動体演出を伴わない変動ゲーム中演出を行うデータは、可動体演出データがブランクデータで構成される。
【0033】
大当たり中演出データDVも、変動ゲーム中演出データDHと同様に、背景表示用データ、キャラクタ表示用データ、発光演出用データ、音声演出用データ、及び可動体演出用データの一部又は複数の組み合わせ又は全部の組み合わせによって構成され、大当たり種別に応じて複数パターンが備えられている。
【0034】
デモ中演出データDMも、変動ゲーム中演出データDHと同様に、背景表示用データ、キャラクタ表示用データ、発光演出用データ、音声演出用データ、及び可動体演出用データの一部又は複数の組み合わせ又は全部の組み合わせによって構成され、デモ1用、デモ2用など複数パターンが備えられている。
【0035】
飾り図柄変動演出データDKZは、ノーマルはずれ、ノーマル当たり、リーチはずれ、リーチ当たり、スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ当たりなど、主制御基板310による抽選の結果に基づいて指令される変動パターンに対応したデータとして記憶されている。このため、本実施例においては、通常状態用変動パターンテーブル315に対応する飾り図柄変動時間となる通常状態用飾り図柄変動演出データDKZaと、変短状態用変動パターンテーブル316に対応する飾り図柄変動時間となる変短状態用飾り図柄変動演出データDKZbとが、演出制御基板320の演出データ記憶手段325に記憶されている。
【0036】
表示制御基板370は、演出制御基板320から指令される背景表示用データに従って液晶表示装置LCDに表示した背景画像に対して重ね合わせる様にして、変動パターンに対応する飾り図柄変動演出データDKZを表示する。また、この表示演出においては、キャラクタ表示データが存在する場合はキャラクタ画像を重ねて表示する演出も実行される。
【0037】
ここで、本実施例においては、変動ゲーム中演出データDHは、変動パターンに対して1対1対応となっている訳ではなく、例えば、変動パターン1に対して演出1,演出2,…などと複数の中から振り分けによって演出制御基板320側で決定する構成となっている。同じく、飾り図柄変動演出データDKZも、例えば、変動パターン1に対しては変動時間1、変動パターン2に対しては変動時間2、…、と1対1の対応であるが、各変動時間に対して複数の飾り図柄変動パターンが備えられていて、これら複数の中から振り分けによって演出制御基板320が決定する構成となっている。これら振り分け可能な演出データDHや飾り図柄変動パターンDKZは、変動パターンが大当たりの場合に振り分けられ易く、はずれの場合に振り分けられ難いグループと、その逆のグループといった具合に、信頼度グループを構成する様に振り分け確率を設定している。
【0038】
本実施例においては、パチンコ機Pの基本仕様に対し、前述のウーファ[SPwf]、三線シリアルLED[3LSRLED]、直流振動モータ[VBRMT]、追加ボタン[ADDBTN]を遊技機枠の適所に追加設置している。これら追加機器は、信号中継基板410を介して演出制御基板320に接続されている。
【0039】
[3 制御基板の構成]
主制御基板310は、図3(A)に示す様に、主制御用CPU310a、主制御用ROM310b、及び主制御用RAM310cを組み込んだワンチップマイコンと、入出力回路310dと、その他図示省略した水晶発振回路等を備えている。入出力回路310dは、電源中継基板380を介して電源を入力すると共に、特図スイッチSW1,SW2、普図スイッチSW3、大入賞口の入賞検知スイッチSW7,普通入賞口の入賞検知スイッチSW11,12、球排出球検知スイッチSW41~43からの信号を主制御CPU310aに対して信号を入力し、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、特図表示器TKZ、大入賞口開閉用ソレノイドSOL7、第2始動入賞装置開閉用ソレノイドSOL27に対して、主制御CPU310aから信号を出力する様に、ワンチップマイコンに接続されている。なお、主制御基板310は、払出制御基板330、発射制御基板340との間では、信号入力もなされる様に接続されている。主制御用CPU310aは、前述の各種スイッチからの入力を受けて主制御用ROM310b及び主制御用RAM310cとの間で情報をやり取りしながら、賞球払出、特別図柄抽選等のパチンコ機の中枢となる各種の処理を実行する。
【0040】
このため、主制御用ROM310bには、主制御用CPU310aが遊技に関する処理を実行するためのプログラムを記憶するプログラム記憶部310e、このプログラムに基づいた演算処理の際に用いる「当たり判定値」などのデータ等を記憶するデータ等記憶部310fが備えられている。主制御用ROM310bには、さらに、特別図柄抽選によって選択され得る複数種類の変動パターンを記憶した変動パターン記憶部310gも備えられている。変動パターンは、特別図柄の変動表示が開始されてから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の遊技演出(表示演出等)のベースとなるパターンを示すものである。本実施例における変動パターンは、特別図柄の変動表示が開始されてから特別図柄が確定停止表示されるまでの変動時間(演出時間)、及び当該変動時間中の飾り図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)を特定できるものとなっている。
【0041】
また、主制御用RAM310cには、主制御用CPU310aが各種処理を実行する際のワークメモリとなる一時記憶部310hと共に、特に、特別図柄抽選の結果、普通図柄抽選の結果を所定個数を限度として保留記憶しておく保留記憶部310iが備えられている。
【0042】
演出制御基板320は、図3(B)に示す様に、演出制御用CPU320a、演出制御用ROM320b、及び演出制御用RAM320cを組み込んだワンチップマイコンと、入出力回路320dと、その他図示省略した水晶発振回路等を備えている。入出力回路320dは、主制御基板310、プッシュボタンPB、及びカーソルボタンCBから演出制御CPU320aに対して信号を入力し、表示制御基板370、信号中継基板410に対して信号を出力する様に、ワンチップマイコンに接続されている。演出制御CPU320aは、主制御基板310から入力される信号に基づいて、遊技演出を実行するための処理を行う。また、プッシュボタンPB、カーソルボタンCBからの入力信号に基づいて、遊技演出に変化を与える処理を行う。
【0043】
このため、演出制御用ROM320bには、演出制御用CPU320aが遊技演出に関する処理を実行するためのプログラムを記憶するプログラム記憶部320e、このプログラムを用いた演算処理において用いる「演出内容選択のための判定値」などのデータ等を記憶するデータ等記憶部320fが備えられている。主制御用ROM320bには、さらに、主制御基板310から入力された変動パターンに対応して選択される各種演出のための複数種類の演出データを記憶した演出データ記憶部320gも備えられている。また、演出制御用RAM320cには、演出制御用CPU320aが各種処理を実行する際のワークメモリとなる一時記憶部320hと共に、特に、特別図柄抽選の結果を先読みによって記憶しておく先読み記憶部320iが備えられている。
【0044】
本実施例においては、払出制御基板330、発射制御基板340、表示制御基板370、信号中継基板410、ランプ制御基板420、音声制御基板430、モータ制御IC510、ソレノイド制御IC520等も、主制御基板310や演出制御基板320と同様にワンチップマイコンで構成する。
【0045】
本実施例のパチンコ機Pにおいては、主制御基板310において、主制御用CPU310aが、入出力回路310dを介して信号が入力されることを契機として、主制御用ROM310bに予め記憶しておいたプログラムやデータ等を用いて、主制御用RAM310cに一時記憶や保留記憶を行い、入出力回路310dを介して演出制御基板320等に対して信号を出力する処理を実行する。
【0046】
本実施例のパチンコ機Pにおいては、演出制御基板320において、演出制御用CPU320aが、入出力回路320dを介して信号が入力されることを契機として、演出制御用ROM320bに予め記憶しておいたプログラムやデータ等を用いて、演出制御用RAM320cに一時記憶や保留記憶を行い、入出力回路320dを介して、表示制御基板370や信号中継基板410に対して信号を出力する処理を実行することにより、表示演出、音声演出、発光演出、及び可動体演出を統括的に制御する役割を担い、表示制御基板370、信号中継基板410、ランプ制御基板420、音声制御基板430、モータ制御IC510、及びソレノイド制御IC520が、具体的な演出を実行する関係にある。
【0047】
[4 演出に係る制御装置]
[4.1 基本仕様に対応する演出手段]
図4(A)に示す様に、表示制御基板370は、演出制御基板320からの演出表示のための指令信号に基づいて、液晶表示装置LCDに対して制御信号を出力し、表示演出を実行する。また、ランプ制御基板420は、信号中継基板410を経由して受信した指令信号に基づいて、LED基板へと制御信号を出力して発光演出を実行する。同様に、音声制御基板430は、信号中継基板410を経由して受信した指令信号に基づいて、フルレンジスピーカSPfr,SPfrへと制御信号を出力して音声演出を実行する。
【0048】
演出制御基板320から出力された可動体演出に関する指令信号は、信号中継基板410を経由して、モータ制御IC510、ソレノイド制御IC520へと入力される。モータ制御IC510は、可動体の動作を制御するためのワンチップマイコンを備え、可動体の原位置センサからの検出信号を入力し、可動体駆動用のモータに対して駆動信号を出力する様に接続されている。ソレノイド制御IC520は、ソレノイド駆動によって動作する可動体を駆動するためのソレノイドが接続されたワンチップマイコンによって構成されている。
【0049】
[4.2 遊技機枠追加演出手段]
次に、遊技機枠追加演出手段(ウーファ[SPwf]、三線シリアルLED[3LSRLED]、直流振動モータ[VBRMT]、追加ボタン[ADDBTN])と演出制御基板320、信号中継基板410との接続関係を、図4(B)に基づいて説明する。なお、点線で囲んだMT,SOL,LED基板は遊技盤C若しくは遊技盤Cと裏ユニットJとの間の空間の可動体等による演出用のものである。
【0050】
本実施例においては、演出制御基板320として、基本仕様において用途の定められているシリアル制御信号用端子[TML01]~[TML05]、接地端子[GRND1,GRND2]及びコモン端子[CMMON]を備えると共に、これら以外に、用途の定められていない汎用端子[UTL01]~[UTL11]と、追加の接地端子[GRND3],[GRND4]とを備えた回路基板を用いている。
【0051】
信号中継基板410としては、演出制御基板320が基本仕様として備えているシリアル制御信号用端子[TML01]~[TML05]、接地端子[GRND1],[GRND2]及びコモン端子[CMMON]に加えて、汎用端子[UTL01]~[UTL11]及び接地端子[GRND3],[GRND4]との接続が可能な演出制御基板側の入出力端子411a~411u、及び遊技機枠側の入出力端子412a~412uを備えた回路基板を採用している。
【0052】
演出制御基板320は、汎用端子[UTL01]~[UTL11]を介して、アドレス情報付きのシリアル信号を入出力する様に構成されている。信号中継基板410は、これら汎用端子[UTL01]~[UTL11]を介して入力されたシリアル信号のアドレス情報に応じて、それ自身の備えている遊技機枠側の入出力端子412a~412uのいずれにより遊技機枠に追加された演出機器との間の入出力を実行すべきかを判定している。
【0053】
例えば、演出制御基板320からウーファ[SPwf]による音声演出を指令するシリアル信号が汎用端子[UTL01],[UTL02]から出力されるとき、当該シリアル信号には、信号中継基板410において出力端子412i,412jに接続されたウーファ[SPwf]を特定するアドレス情報が付加されている。これにより、信号中継基板410は、当該シリアル信号を遊技機枠側に追加されたウーファ[SPwf]へと入力することができる。ここで、遊技機枠には信号中継基板410とウーファ[SPwf]との間にシリアル/パラレル変換器[S/P-CNV01]が備えられていて、ウーファ[SPwf]にはパラレル信号が入力される。遊技機枠に追加されたウーファ[SPwf]は、このパラレル信号によって特定されるデータに増幅等の必要な処理を施した上で音声演出を実行することができる。
【0054】
また、演出制御基板320から三線シリアルLED[3LSRLED]による発光演出を指令するシリアル信号が汎用端子[UTL03]~[UTL05]から出力されるとき、当該シリアル信号には、信号中継基板410において出力端子412k~412mに接続された三線シリアルLED[3LSRLED]を特定するアドレス情報が付加されている。これにより、信号中継基板410は、当該シリアル信号を遊技機枠側に追加された三線シリアルLED[3LSRLED]へと入力することができる、遊技機枠に追加された三線シリアルLED[3LSRLED]は、このシリアル信号によって特定される発光演出を実行することができる。
【0055】
さらに、演出制御基板320から直流振動モータ[VBRMT]による振動演出を指令するシリアル信号が汎用端子[UTL06],[UTL07]から出力されるとき、当該シリアル信号には、信号中継基板410において出力端子412n,412oに接続された直流振動モータ[VBRMT]を特定するアドレス情報が付加されている。これにより、信号中継基板410は、当該シリアル信号を遊技機枠側に追加された直流振動モータ[VBRMT]へと入力することができる。ここで、遊技機枠には信号中継基板410と直流振動モータ[VBRMT]との間にシリアル/パラレル変換器[S/P-CNV02]が備えられていて、直流振動モータ[VBRMT]にはパラレル信号が入力される。遊技機枠に追加された直流振動モータ[VBRMT]は、このパラレル信号によって特定されるデータに増幅等の必要な処理を施した上で振動演出を実行することができる。
【0056】
また、遊技機枠に追加された追加ボタン[ADDBTN]は、それが備えているセンサの信号をパラレル/シリアル変換器[P/S-CNV01]を介して信号中継基板410の入力端子412p,412qへとシリアル信号を入力する様に接続されている。このシリアル信号には、出力元が追加ボタン[ADDBTN]であることを特定するアドレス情報が付加されている。信号中継基板410は、このアドレス情報に基づいて、入力端子412p,412qから入力されたシリアル信号を出力端子411p,411qを介して演出制御基板320の汎用端子[UTL08],[UTL09]へと出力する。演出制御基板320は、汎用端子[UTL08],[UTL09]から入力されたシリアル信号に基づき、追加ボタン操作演出を実行することができる。
【0057】
一方、演出制御基板320が備える汎用端子[UTL01]~[UTL11]の内、遊技機枠に追加された演出手段への接続がなされない結果、予備となっている汎用端子[UTL10],[UTL11]に接続した上で接地端子[GRND03]へと接続するための末端処理用の抵抗負荷[ETR01],[ETR02]が遊技機枠側に備えられている。これにより、空いた状態の汎用端子[UTL10],[UTL11]に対する不正な信号の入力を防止することができる。
【0058】
[5 遊技機枠追加演出手段との接続確認]
本実施例においては、基本仕様に加えて、ウーファ[SPwf]、三線シリアルLED[3LSRLED]、直流振動モータ[VBRMT]、追加ボタン[ADDBTN]が、演出制御基板320の回路基板に備えさせた汎用端子UTL01~UTL09との間で入出力を行う様に追加設置されている。
【0059】
演出制御手段320は、図4(B)に示した制御系統により、電源投入時に、これら追加設置された演出手段に対して演出動作を指令し、それぞれが正しく接続されているか否かの確認を行う。
【0060】
図5に示す様に、演出制御基板320は、表示制御基板370へと遊技機枠追加演出手段の接続確認開始指令を出力し、液晶表示装置LCDに接続確認画面を表示させる(S110)。液晶表示装置LCDには、これから実施する接続確認の対象機器を列挙した画面が表示される。
【0061】
次に、演出制御基板320は、ウーファ[SPwf]の接続確認を実行させるための指令を信号中継基板410へと出力し(S120)、表示制御基板370に対して液晶表示装置LCDに列挙した対象機器の内、ウーファ[SPwf]による音声演出が実行されたか否かを作業者に[YES/NO]で回答させる問い合わせメッセージを表示させ(S130)、プッシュボタンPBから押下信号が入力されるのを待つ(S135)。
【0062】
作業者は、ウーファ[SPwf]による音声演出が実行されたことを確認した場合は、液晶表示装置LCDの問い合わせメッセージに従って、カーソルボタンCBによってカーソルを[YES]に合わせた上でプッシュボタンPBを押下する。
【0063】
演出制御基板320は、ウーファ[SPwf]の接続が確認できたら(S135/YES)、ウーファ[SPwf]の接続が正常である旨を記憶し(S140)、ウーファ[SPwf]の接続が確認できない場合は(S135/NO)、ウーファ[SPwf]の接続が異常である旨を記憶する(S145)。
【0064】
次に、演出制御基板320は、三線シリアルLED[3LSRLED]の接続確認を実行させるための指令を信号中継基板410へと出力し(S150)、表示制御基板370に対して液晶表示装置LCDに列挙した対象機器の内、三線シリアルLED[3LSRLED]による発光演出が実行されたか否かを作業者に[YES/NO]で回答させる問い合わせメッセージを表示させ(S160)、プッシュボタンPBから押下信号が入力されるのを待つ(S165)。
【0065】
作業者は、三線シリアルLED[3LSRLED]による発光演出が実行されたことを確認した場合は、液晶表示装置LCDの問い合わせメッセージに従って、カーソルボタンCBによってカーソルを[YES]に合わせた上でプッシュボタンPBを押下する。
【0066】
演出制御基板320は、三線シリアルLED[3LSRLED]の接続が確認できたら(S165/YES)、三線シリアルLED[3LSRLED]の接続が正常である旨を記憶し(S170)、三線シリアルLED[3LSRLED]の接続が確認できない場合は(S165/NO)、三線シリアルLED[3LSRLED]の接続が異常である旨を記憶する(S175)。
【0067】
次に、演出制御基板320は、直流振動モータ[VBRMT]の接続確認を実行させるための指令を信号中継基板410へと出力し(S180)、表示制御基板370に対して液晶表示装置LCDに列挙した対象機器の内、直流振動モータ[VBRMT]による振動演出が実行されたか否かを作業者に[YES/NO]で回答させる問い合わせメッセージを表示させ(S190)、プッシュボタンPBから押下信号が入力されるのを待つ(S195)。
【0068】
作業者は、直流振動モータ[VBRMT]による振動演出が実行されたことを確認した場合は、液晶表示装置LCDの問い合わせメッセージに従って、カーソルボタンCBによってカーソルを[YES]に合わせた上でプッシュボタンPBを押下する。
【0069】
演出制御基板320は、直流振動モータ[VBRMT]の接続が確認できたら(S195/YES)、直流振動モータ[VBRMT]の接続が正常である旨を記憶し(S200)、直流振動モータ[VBRMT]の接続が確認できない場合は(S195/NO)、直流振動モータ[VBRMT]の接続が異常である旨を記憶する(S205)。
【0070】
次に、演出制御基板320は、追加ボタン[ADDBTN]の接続確認を実行させるための指令を信号中継基板410へと出力し(S210)、表示制御基板370に対して液晶表示装置LCDに列挙した対象機器の内、追加ボタン[ADDBTN]の操作を求める要求メッセージを表示させ(S220)、追加ボタン[ADDBTN]からの信号入力を待つ(S225)。
【0071】
作業者は、この要求メッセージに従って、追加ボタン[ADDBTN]を操作する。
【0072】
演出制御基板320は、所定時間内に追加ボタン[ADDBTN]の接続が確認できたら(S225/YES)、追加ボタン[ADDBTN]の接続が正常である旨を記憶し(S230)、所定時間経過しても追加ボタン[ADDBTN]の接続が確認できない場合は(S225/NO)、追加ボタン[ADDBTN]の接続が異常である旨を記憶する(S235)。
【0073】
こうして一連の接続確認動作が完了したら、演出制御基板320は、ウーファ[SPwf]、三線シリアルLED[3LSRLED]、直流振動モータ[VBRMT]、追加ボタン[ADDBTN]の接続確認の結果を読み出し(S240)、表示制御基板370に対して接続確認結果を液晶表示装置LCDに表示させる指令を実行する(S250)。
【0074】
作業者は、この表示を見て、遊技機枠に追加設置した各演出手段が正しく接続されているか否かを判断することができる。なお、この接続確認結果の表示に際して、演出制御基板320は、「異常」と判定した対象機器が存在する場合は、ランプ制御基板420、音声制御基板430に対して発光及び音声によるエラー報知動作を実行させる様に構成することもできる。
【0075】
[6 互換性情報]
本実施例のパチンコ機Pには、主制御基板310及び演出制御基板320としては遊技機のタイトル及びスペックに対応する当該機種専用の制御基板が搭載される。一方、払出制御基板330、発射制御基板340、インタフェース基板350、電源基板360、表示制御基板370、電源中継基板380、球貸し操作基板390、信号中継基板410、ランプ制御基板420、音声制御基板430、MT制御IC510、ソレノイド制御IC520など、遊技機のタイトルやスペックに一対一対応とならない制御処理を実行するための制御基板については、必ずしも当該機種専用の制御基板を搭載する必要はない設計としている(以下、これら電源基板360等を「互換性基板」という。)。
【0076】
その上で、演出制御基板320として、種々の用途に利用可能な汎用端子UTL01~UTL11を備えた回路基板を備えることにより、基本仕様においては装備しなかった演出機器を遊技機枠に追加することが可能となっている。これにより、演出制御基板320用の回路基板自体は、ROM等を取り外すことにより、互換性を有する基板としての再利用が可能となっている。
【0077】
本実施例では、演出制御基板320の汎用端子UTL01等を、基本仕様では予定していなかった音声演出、発光演出、振動演出、操作演出を追加するための信号入出力端子として使用することができる構成を採用している。このため、演出制御基板320には、いずれの汎用端子の信号入出力によっていずれの追加演出機器による演出を実行するかを特定するためのアドレス情報が付加されたシリアル信号を汎用端子UTL01等を介して入出力する構成を採用している。このアドレス情報は、図3(B)に示す様に、ROM320bの汎用端子接続機器情報記憶部320kに記憶してある。
【0078】
そして、図2に示す様に、信号中継基板410にも、汎用端子接続機器情報記憶部320kに対応する情報を記憶するための汎用端子接続機器情報記憶部410kを備えている。この信号中継基板410の汎用端子接続機器情報記憶部410kは、当初は情報を記憶させておかず、パチンコ機の製造工程において、演出制御基板320の汎用端子接続機器情報記憶部320kに記憶した情報を書き込む様にするとよい。
【0079】
なお、図3(A)に示す様に、主制御基板310のROM310bの汎用端子接続機器情報記憶部310kにも、演出制御基板320の汎用端子接続機器情報記憶部320kと同じ情報を記憶させておくことができる。この場合、汎用端子接続機器情報記憶部310k,320k,410kには、汎用端子の接続先を特定するアドレス情報に加えて、タイトルやスペックに対応する機器であるか否かをも特定するための機器IDを併せて記憶させておき、汎用端子を利用して演出手段を追加することに加え、これら追加した演出手段がタイトルやスペックに対応する機器であることの判定をも実行する様にしてもよい。
【実施例2】
【0080】
実施例2のパチンコ機は、図6に示す様に、演出制御基板320の回路基板において基本仕様において用途の定められているシリアル制御信号用端子[TML01]~[TML05]、接地端子[GRND1,GRND2]及びコモン端子[CMMON]と、用途の定められていない汎用端子[UTL01]~[UTL11]、及び追加の接地端子[GRND3],[GRND4]の接続先を、第一信号中継基板410Aと、第二信号中継基板410Bとに分けた構成を採用したものである。
【0081】
実施例2によれば、遊技機枠に演出手段を追加する場合であっても、第一信号中継基板410Aは、演出手段を追加しない基本仕様に対応する基板をそのまま用いることができる利点がある。
【実施例3】
【0082】
実施例3のパチンコ機は、図7に示す様に、実施例2と同様に、演出制御基板320の汎用端子UTL01等と、遊技機枠に追加されたウーファ[SPwf]、三線シリアルLED[3LSRLED]、直流振動モータ[VBRMT]、追加ボタン[ADDBTN]とを第二信号中継基板410Bを介して接続すると共に、ウーファ[SPwf]入力用のシリアル/パラレル変換器[S/P-CNV01]、直流振動モータ[VBRMT]入力用のシリアル/パラレル変換器[S/P-CNV02]、及び追加ボタン[ADDBTN]出力用のパラレル/シリアル変換器[P/S-CNV01]を、遊技機枠側ではなく機構板側に設置した点が異なる。
【0083】
実施例3によれば、遊技機枠に演出手段を追加する場合であっても、第一信号中継基板410Aは、演出手段を追加しない基本仕様に対応する基板をそのまま用いることができると共に、遊技機枠に対する機器の設置スペース等を考える必要がなくなるという利点もある。なお、シリアル/パラレル変換器[S/P-CNV01],[S/P-CNV02]、パラレル/シリアル変換器[P/S-CNV01]を第二信号中継基板410Bに搭載した構成としても構わない。
【0084】
また、実施例1~3においては、例えば、ランプ制御基板420、音声制御基板430を経由させずに三線シリアルLED[3LSRLED]、ウーファ[SPwf]を制御する構成としたが、ランプ制御基板420、音声制御基板430を経由させてもよい。この場合、ランプ制御基板420、音声制御基板430の回路基板の入出力端子の追加等が必要となるが、演出制御基板320の回路基板の汎用端子UTL01等を利用した遊技機枠への演出手段の追加が可能な点では、それなりの効果を発揮する。
【0085】
以上説明した様に、本実施例によれば、演出実行手段の増加や変更による設計変更等の問題に対して柔軟に対応することのできる遊技機を提供することができる。
【0086】
以上、発明を実施するための最良の形態としての実施例を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
【0087】
例えば、スロットマシンへの演出手段の追加に際して本発明を適用したり、電源投入時の接続確認をマイク、振動センサ、光センサなどによる自動判定を可能にしたり、外部機器を接続して実行する様に構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は遊技機に利用することができる。
【符号の説明】
【0089】
3LSRLED・・・三線シリアルLED、7・・・始動入賞装置、15・・・大入賞口、18・・・普通入賞装置、27・・・第2始動入賞装置、37・・・ゲート、310・・・主制御基板、310a・・・主制御用CPU、310b・・・主制御用ROM、310c・・・主制御用RAM、310d・・・入出力回路、310e・・・プログラム記憶部、310f・・・データ等記憶部、310g・・・変動パターン記憶部、310h・・・一時記憶部、310k・・・汎用端子接続機器情報記憶部、315・・・通常状態用変動パターンテーブル、316・・・変短状態用変動パターンテーブル、320・・・演出制御基板、320a・・・演出制御用CPU、320b・・・演出制御用ROM、320c・・・演出制御用RAM、320d・・・入出力回路、320e・・・プログラム記憶部、320f・・・データ等記憶部、320g・・・演出データ記憶部、320h・・・一時記憶部、320i・・・先読み記憶部、320k・・・汎用端子接続機器情報記憶部、325・・・演出データ記憶手段、330・・・払出制御基板、340・・・発射制御基板、350・・・インタフェース基板、360・・・電源基板、370・・・表示制御基板、380・・・電源中継基板、390・・・球貸し操作基板、400・・・ホールコンピュータ、410・・・信号中継基板、410A・・・第一信号中継基板、410B・・・第二信号中継基板、410k・・・汎用端子接続機器情報記憶部、411a~411u・・・演出制御基板側の入出力端子、412a~412u・・・遊技機枠側の入出力端子、420・・・ランプ制御基板、430・・・音声制御基板、500・・・カードユニット、510・・・モータ制御IC、520・・・ソレノイド制御IC。
A・・・外枠、ADDBTN・・・追加ボタン、B・・・中枠、C・・・遊技盤、CB・・・カーソルボタン、CMMON・・・コモン端子、D・・・前枠、DKZ・・・飾り図柄変動演出データ、DKZa・・・通常状態用飾り図柄変動演出データ、DKZb・・・変短状態用飾り図柄変動演出データ、DH・・・変動ゲーム中演出データ、DV・・・大当たり中演出データ、DM・・・デモ中演出データ、E・・・上の球受け皿、ETR01,ETR02・・・末端処理用の抵抗負荷、F・・・下の球受け皿、G・・・発射装置、GRND1,GRND2・・・接地端子、GRND3,GRND4・・・追加の接地端子、J・・・裏ユニット、K・・・機構板、LCD・・・液晶表示装置、 P・・・パチンコ機、PB・・・プッシュボタン、P/S-CNV01・・・パラレル/シリアル変換器、S/P-CNV01,S/P-CNV02・・・シリアル/パラレル変換器、SOL7・・・開閉用ソレノイド、SOL27・・・普通電動役物開閉用ソレノイド、SPfr・・・フルレンジスピーカー、SPwf・・・ウーファ、SW1・・・特図1スイッチ、SW2・・・特図2スイッチ、SW3・・・普図スイッチ、SW7,SW11,SW12・・・入賞検知スイッチ、SW41~43・・・排出球検知スイッチ、Q・・・貸し玉ボタン、R・・・カード取り出しボタン、TML01~TML05・・・シリアル制御信号用端子、UTL01~UTL11・・・汎用端子、VBRMT・・・直流振動モータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7