(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】医薬品の出荷量に関する情報の提供方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20240403BHJP
G06Q 30/015 20230101ALI20240403BHJP
【FI】
G16H20/10
G06Q30/015
(21)【出願番号】P 2023095993
(22)【出願日】2023-06-12
【審査請求日】2023-09-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517032668
【氏名又は名称】クリニファー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】戸田 晃平
(72)【発明者】
【氏名】森川 さおり
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-522784(JP,A)
【文献】特開2013-092851(JP,A)
【文献】特開2009-134684(JP,A)
【文献】特開2010-073079(JP,A)
【文献】特開2011-191967(JP,A)
【文献】特開2004-302809(JP,A)
【文献】特表2006-518900(JP,A)
【文献】特開2004-118581(JP,A)
【文献】特開2007-122675(JP,A)
【文献】特開2010-211538(JP,A)
【文献】特開2005-133228(JP,A)
【文献】特開2006-099706(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0337245(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
所定の検索用キーワードを記憶部から読み出し、読み出した前記所定の検索用キーワードを用いて、複数のウェブサイトへアクセスし、当該複数のウェブサイトをクロールして、複数の医薬品の出荷量に関する情報を収集する工程である出荷量情報収集工程と、
収集した複数の医薬品の出荷量に関する情報をデータベースに登録する工程である出荷量登録工程であって、前記データベースに登録された情報は、閲覧可能とされる工程と、を含む、
医薬品の出荷量に関する情報の提供方法
であって、
検索対象とされた医薬品が出荷調整状態である場合に、前記検索対象とされた医薬品の代替品であって、出荷可能な医薬品に関する情報を提供する工程である代替医薬品情報提供工程をさらに含み、
前記検索対象とされた医薬品の代替品は、前記検索対象とされた医薬品と
対象疾患が同じで、有効成分が同じ医薬品、
対象疾患が同じで、有効成分が異なる医薬品、及び
対象疾患が異なるものの、有効成分が同じ医薬品
から選択される、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の医薬品の出荷量に関する情報の提供方法であって、
前記出荷量情報収集工程は、
前記複数のウェブサイトに含まれる「出荷状況」又は「出荷量」という用語を用いて、複数の医薬品の出荷量に関する情報を収集する工程である、
方法。
【請求項3】
請求項1に記載の医薬品の出荷量に関する情報の提供方法であって、
前記データベースは、
医薬品名、医薬品の販売企業名、又は医薬品の製造企業名を用いて検索可能である、
方法。
【請求項4】
請求項1に記載の医薬品の出荷量に関する情報の提供方法であって、
前記複数のウェブサイトから、前記複数の医薬品の製造販売業者の対応状況に関する情報を収集する工程である製造販売業者の対応状況収集工程と、
収集した製造販売業者の対応状況に関する情報を前記データベースに登録する工程である対応状況登録工程と、
をさらに含む、方法。
【請求項5】
コンピュータに、
所定の検索用キーワードを記憶部から読み出し、読み出した前記所定の検索用キーワードを用いて、複数のウェブサイトへアクセスし、当該複数のウェブサイトをクロールして、複数の医薬品の出荷量に関する情報を収集する工程である出荷量情報収集工程と、
収集した複数の医薬品の出荷量に関する情報をデータベースに登録する工程である出荷量登録工程であって、前記データベースに登録された情報は、閲覧可能とされる工程と、を含む、
医薬品の出荷量に関する情報の提供方法
であって、
検索対象とされた医薬品が出荷調整状態である場合に、前記検索対象とされた医薬品の代替品であって、出荷可能な医薬品に関する情報を提供する工程である代替医薬品情報提供工程をさらに含み、
前記検索対象とされた医薬品の代替品は、前記検索対象とされた医薬品と
対象疾患が同じで、有効成分が同じ医薬品、
対象疾患が同じで、有効成分が異なる医薬品、及び
対象疾患が異なるものの、有効成分が同じ医薬品
から選択される、方法を実行させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムを記録した非一時的情報記録媒体。
【請求項7】
コンピュータが、
複数のウェブサイトへのアクセス情報を記憶部から読み出して、当該複数のウェブサイトへアクセスし、当該複数のウェブサイトをクロールして、複数の医薬品の出荷量に関する情報を収集する工程である出荷量情報収集工程と、
収集した複数の医薬品の出荷量に関する情報をデータベースに登録する工程である出荷量登録工程であって、前記データベースに登録された情報は、閲覧可能とされる工程と、を含む、
医薬品の出荷量に関する情報の提供方法であって、
検索対象とされた医薬品が出荷調整状態である場合に、前記検索対象とされた医薬品の代替品であって、出荷可能な医薬品に関する情報を提供する工程である代替医薬品情報提供工程をさらに含み、
前記検索対象とされた医薬品の代替品は、前記検索対象とされた医薬品と
対象疾患が同じで、有効成分が同じ医薬品、
対象疾患が同じで、有効成分が異なる医薬品、及び
対象疾患が異なるものの、有効成分が同じ医薬品
から選択される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、医薬品の出荷量に関する情報の提供方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2005-216239号公報には、薬品調達支援システムが記載されている。
特開2023-067395号公報には、医薬品等販売支援装置が記載されている。
これらのシステムや装置を用いても、医薬品の出荷量に関する情報を網羅的に把握し、ユーザに提供することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-216239号公報
【文献】特開2023-067395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、医薬品の出荷量に関する情報を網羅的に把握し、ユーザに提供する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、基本的には、出荷量に関する特定用語を用いて、関連サイトをクロールすることで、リアルタイムかつ自動的に複数の医薬品の出荷量に関する情報を収集できるという知見に基づく。
【0006】
第1の発明は、コンピュータによる医薬品の出荷量に関する情報の提供方法に関する。この方法は、出荷量情報収集工程(S110)と、出荷量登録工程(S120)とを含む。この方法は、出荷量に関する情報を出力するための工程である出荷量情報出力工程(S130)をさらに含んでもよい。また、この方法は、代替医薬品情報提供工程(S140)をさらに含んでもよい。また、この方法は、製造販売業者の対応状況収集工程(S111)と、対応状況登録工程(S121)とをさらに含んでもよい。また、この方法は、対応状況出力工程(S131)をさらに含んでもよい。
【0007】
出荷量情報収集工程(S110)は、コンピュータが、複数のウェブサイトから、複数の医薬品の出荷量に関する情報を収集する工程である。出荷量情報収集工程(S110)は、例えば、複数のウェブサイトに含まれる「出荷状況」又は「出荷量」という用語を用いて、複数の医薬品の出荷量に関する情報を収集する。
製造販売業者の対応状況収集工程(S111)は、コンピュータが、複数のウェブサイトから、複数の医薬品の製造販売業者の対応状況に関する情報を収集する工程である。
【0008】
出荷量登録工程(S120)は、収集した複数の医薬品の出荷量に関する情報をデータベースに登録する工程である。データベースに登録された情報は閲覧可能とされる。データベースは、医薬品名、医薬品の販売企業名、又は医薬品の製造企業名を用いて検索可能である。
対応状況登録工程(S121)は、収集した製造販売業者の対応状況に関する情報をデータベースに登録する工程である。
【0009】
出荷量情報出力工程(S130)は、出荷量に関する情報を出力するための工程である。
対応状況出力工程(S131)は、製造販売業者の対応状況に関する情報を出力するための工程である。
【0010】
代替医薬品情報提供工程(S140)は、検索対象とされた医薬品が出荷調整状態である場合に、検索対象とされた医薬品の代替品であって、出荷可能な医薬品に関する情報を提供する工程である
【0011】
第2の発明は、医薬品の出荷量に関する情報の提供システム1に関する。このシステムは、上記の方法を実行するためのシステムである。
このシステムは、出荷量情報収集部3と、出荷量登録部5と、出荷量情報出力部7とを含む。出荷量情報収集部3は、複数のウェブサイトから、複数の医薬品の出荷量に関する情報を収集するための要素である。出荷量登録部5は、収集した複数の医薬品の出荷量に関する情報をデータベース9に登録するための要素である。出荷量情報出力部7は、データベースに登録された収集した複数の医薬品の出荷量に関する情報を出力するための要素である。
【0012】
第3の発明は、上記の方法を実行させるためのプログラムやプログラムを記録した非一時的情報記録媒体に関する。
【発明の効果】
【0013】
この発明は、医薬品の出荷量に関する情報を網羅的に把握し、ユーザに提供する方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、医薬品の出荷量に関する情報の提供方法の例を説明するためのフローチャートである。
【
図2】
図2は、医薬品の出荷量に関する情報の提供システムの例を説明するためのブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明のシステムの利用例を示す概念図である。
【
図4】
図4は、ある医薬品(AAAA錠100mg)の出荷に関するウェブページの例を示す図である。
【
図5】
図5は、別の医薬品(BBBB錠50mg)の出荷に関するウェブページの例を示す図である。
【
図6】
図6は、データベースの記憶例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
【0016】
図1は、医薬品の出荷量に関する情報の提供方法の例を説明するためのフローチャートである。
図1に示されるように、この方法は、出荷量情報収集工程(S110)と、出荷量登録工程(S120)とを含む。この方法は、出荷量に関する情報を出力するための工程である出荷量情報出力工程(S130)をさらに含んでもよい。また、この方法は、代替医薬品情報提供工程(S140)をさらに含んでもよい。また、この方法は、製造販売業者の対応状況収集工程(S111)と、対応状況登録工程(S121)とをさらに含んでもよい。また、この方法は、対応状況出力工程(S131)をさらに含んでもよい。
【0017】
図2は、医薬品の出荷量に関する情報の提供システムの例を説明するためのブロック図である。
図2に示されるように、このシステム1は、出荷量情報収集部3と、出荷量登録部5と、出荷量情報出力部7と、データベース9とを含む。このシステム1は、対応状況収集部13、対応状況登録部15、対応状況出力部17をさらに含んでもよい。また、このシステムは、代替医薬品情報提供部21をさらに含んでもよい。この方法やシステムは、コンピュータに基づく。
【0018】
コンピュータは,入力部,出力部,制御部,演算部及び記憶部を有しており,各要素は,バスなどによって接続され,情報の授受を行うことができるようにされている。例えば,記憶部には,制御プログラムが記憶されていてもよいし,各種情報が記憶されていてもよい。入力部から所定の情報が入力された場合,制御部は,記憶部に記憶される制御プログラムを読み出す。そして,制御部は,適宜記憶部に記憶された情報を読み出し,演算部へ伝える。また,制御部は,適宜入力された情報を演算部へ伝える。演算部は,受け取った各種情報を用いて演算処理を行い,記憶部に記憶する。制御部は,記憶部に記憶された演算結果を読み出して,出力部から出力する。このようにして,各種処理や各工程が実行される。この各種処理を実行するものが,各部や各手段である。コンピュータは,プロセッサを有し,プロセッサが各種機能や各種工程を実現するものであってもよい。コンピュータは,スタンドアロンであってもよい。コンピュータは,機能の一部がサーバと端末に分散されていてもよい。その場合サーバと端末とは,インターネットやイントラネットなどのネットワークにより,情報の授受を行うことができるようにされていることが好ましい。コンピュータは、プロセッサと、プロセッサに連結されたメモリと、を備えていてもよい。そして、メモリが、命令を格納しており、命令は、プロセッサによって実行されると、コンピュータに、各種工程を行わせたり、コンピュータを各種要素として機能させるものであってもよい。コンピュータは、各種教師データを与えて学習モデルを構築し、機械学習により各種演算を実現するようにしてもよい。この場合、コンピュータは、AI(人工知能)の機械学習・深層学習により作成された学習モデルを用いて各種解析や分析を実行してもよい。
【0019】
図3は、本発明のシステムの利用例を示す概念図である。
図3に示されるように、医薬品の出荷量に関する情報の提供システム1(単にシステム1ともよぶ)は、インターネットなどのネットワーク31を介して、複数のウェブサーバ33、35と接続されている。または、システム1は、複数のウェブページにアクセス可能な状態とされている。ウェブサーバは、例えば、医薬品メーカーなどのウェブサーバであり、医薬品に関する情報を閲覧可能な状態で提供している。
図3に示されるように、医薬品の出荷量に関する情報の提供システム1は、ユーザの端末41とも接続されている。このため、ユーザの端末41は、システム1が出力した情報を表示することができる。
【0020】
以下、各工程について説明する。
【0021】
出荷量情報収集工程(S110)は、コンピュータ(システム1)が、複数のウェブサイトから、複数の医薬品の出荷量に関する情報を収集する工程である。システム1は、自動的に医薬品に関する情報を含むウェブページをクロールして、必要な情報を抽出し、データベースを更新できるように設定されるものが好ましい。医薬品は、医療向けの医薬品であってもよいし、市販用の医薬品であってもよい。複数のウェブサイトは、医薬品の出荷量に関する情報や医薬品の複数の医薬品の製造販売業者の対応状況に関する情報を含んだウェブサイトである。このウェブサイトは、通常、医薬品企業や医薬品の製造販売業者のウェブサイトである。システム1の出荷量情報収集部3は、例えば、これらのウェブサイトへのアクセス情報(例えば、URL)を記憶部に記憶しておき、任意のタイミングで(例えば一定時間ごとに)、記憶部からアクセス情報を読み出して、それらのウェブサイトへアクセスできるようにしてもよい。また、出荷量情報収集部3は、所定の検索用キーワードを記憶部に記憶しておき、任意のタイミングで検索用キーワードを読み出して、特定のウェブサイトにアクセスできるようにしてもよい。特定のウェブサイトについては、機械学習により、アクセスするための学習モデルを更新してもよい。このようにすれば、システム1の精度が高まることとなる。
【0022】
出荷量情報収集部3は、複数のウェブサイトに含まれる「出荷状況」又は「出荷量」と関連した用語や、これらの用語を用いて、複数の医薬品の出荷量に関する情報を収集してもよい。複数の医薬品の出荷量に関する情報の例は、製造販売業者の出荷量である。出荷量情報収集部3は、医薬品と関連するウェブページに含まれる情報から、複数の医薬品の出荷量に関する情報を抽出する。この際、出荷量情報収集部3は、複数の医薬品の出荷量と関連する医薬品(医薬品名)に関する情報も抽出してもよい。
【0023】
医薬品の出荷量の例は、以下のとおりである。
A.出荷量通常:これまでの自社出荷量又は予定出荷量の概ね100%以上の出荷状況
B.出荷量減少:これまでの自社出荷量又は予定出荷量の概ね80%以上100%未満の出荷状況
C.出荷量支障:これまでの自社出荷量又は予定出荷量の概ね80%未満の出荷状況
D.出荷停止:市場に出荷していない状況
また、医薬品の出荷量に関する情報の例は、出荷量通常、出荷量減少、出荷量支障、出荷量激減、出荷困難、出荷停止処置解除、販売中止、出荷停止解除及び出荷停止などである。上記はあくまで例であり、それ以外のカテゴリー分けがなされていてもよい。医薬品の出荷量を示す用語や同義語は、記憶部に適宜記憶され、情報を抽出する際や、情報を整理する際に用いられてもよい。
【0024】
製造販売業者の対応状況収集工程(S111)は、コンピュータが、複数のウェブサイトから、複数の医薬品の製造販売業者の対応状況に関する情報を収集する工程である。対応状況収集部13は、医薬品に関するウェブページから該当する医薬品の製造販売業者の対応状況に関する情報を抽出する。以下、冗長を避けるため、医薬品の製造販売業者の対応状況を単に対応状況とも表現する。
【0025】
製造販売業者の対応状況の例は、以下のとおりである。
1.通常出荷:全ての受注に対応できている、又は十分な在庫量が確保できている状況
2.限定出荷(自社の事情):自社の事情により、全ての受注に対応できない状況
3.限定出荷(他社品の影響):他社品の影響等にて、全ての受注に対応できない状況
4.限定出荷(その他):その他の理由にて、全ての受注に対応できない状況
上記はあくまで例であり、それ以外のカテゴリー分けがなされていてもよい。製造販売業者の対応状況を示す用語や同義語は、記憶部に適宜記憶され、情報を抽出する際や、情報を整理する際に用いられてもよい。
【0026】
出荷量登録工程(S120)は、収集した複数の医薬品の出荷量に関する情報をデータベース9に登録する工程である。データベース9に登録された情報(の一部)は閲覧可能とされる。データベース9は、医薬品名、医薬品の販売企業名、又は医薬品の製造企業名を用いて検索可能であるものが好ましい。データベース9は、例えば、医薬品名、医薬品の販売企業名、医薬品の製造企業名、医薬品の出荷量に関する情報、医薬品の製造販売業者の対応状況に関する情報、医薬品の代替医薬品に関する情報、代替医薬品の種類に関する情報、医薬品の識別情報、医薬品の薬価、及び医薬品の販売価格に関する情報が、医薬品名と関連して記憶されている。データベース9は、これらの情報のうち、いくつかの情報を記憶するものであってもよい。出荷量登録部5は、抽出した医薬品の出荷量に関する情報をデータベース9に検索できるような状態で記憶(情報を更新)する。このようにすれば、医薬品名、医薬品の販売企業名、又は医薬品の製造企業名を用いて、対象となる医薬品について、その出荷量や対応状況を検索可能となる。
【0027】
対応状況登録工程(S121)は、収集した製造販売業者の対応状況に関する情報をデータベースに登録する工程である。対応状況登録部15は、抽出された医薬品の製造販売業者の対応状況に関する情報をデータベース9に記憶するか、医薬品の製造販売業者の対応状況に関する情報を用いて、データベース9に記憶されている情報を更新する。この作業を、複数のウェブサイト(ウェブページ)に対して行う。
【0028】
出荷量情報出力工程(S130)は、出荷量に関する情報を出力するための工程である。出荷量情報出力部7は、例えば、ユーザ(の端末41)からの要求に応じて、データベースに記憶した情報を、出力する。
【0029】
対応状況出力工程(S131)は、製造販売業者の対応状況に関する情報を出力するための工程である。対応状況出力部17は、ユーザ(の端末41)からの要求に従って、医薬品の製造販売業者の対応状況に関する情報を出力する。
【0030】
システム1は、自動的(例えば定期的)に、関連サイトをクロールして、データベースを更新することが好ましい。これにより、このシステム1は、リアルタイムかつ自動的に複数の医薬品の出荷量に関する情報を提供できる。
【0031】
代替医薬品情報提供工程(S140)は、検索対象とされた医薬品が出荷調整状態である場合に、検索対象とされた医薬品の代替品であって、出荷可能な医薬品に関する情報を提供する工程である。出荷調整状態とは、出荷量や対応状況からして、医薬品の出荷が困難である場合である。システム1は、医薬品の出荷量及び対応状況のいずれか又は両方に基づいて、出荷調整状態であるか否か判断すればよい。このようにするためには、各上場に基づいて、出荷調整状態となる情報を記憶部に記憶しておき、医薬品の出荷量や対応状況に基づいて、出荷調整状態であるか否か判断できるようにすればよい。データベース9は、各医薬品の代替医薬(1.対象疾患が同じで、有効成分が同じ医薬品、2.対象疾患が同じで、有効成分が異なる医薬品、3.対象疾患が異なるものの、有効成分が同じ医薬品)に関する情報を記憶する。例えば、ユーザ(の端末41)がある医薬品Aに関する状況を、システム1に問い合わせをしたとする。そして、システム1のデータベース9では、医薬品Aの出荷量が「出荷停止」であったとする。すると、システム1は、データベース9から、検索対象である医薬品Aの代替医薬品である医薬品Bの出荷量又は対応状況に関する情報を読み出す。そして、代替医薬品(医薬品B)の出荷量が「出荷量通常」である場合、ユーザ(の端末41)に対して、医薬品Aの上記の情報のほかに、医薬品Bに関する情報(医薬品Bの医薬品名に関する情報、医薬品Bの添付文書、医薬品Bなら供給可能である旨、医薬品Bの製造企業・販売企業、医薬品Bの有効成分、及び医薬品Bの販売実績に関する情報のいずれか1つ又は2つ以上)を出力してもよい。
【0032】
この明細書のプログラムは、コンピュータに上記した各工程を実行させ、コンピュータを上記したシステム1として機能させる。そのようなプログラムは、例えばメモリに記憶される。そして、プログラムは、プロセッサやコンピュータに、上記した各工程を実行させる。記録媒体の例は,CD,CD-ROM,DVD,USBメモリ,ハードディスク,及びサーバ上のディスクである。
【0033】
図4は、ある医薬品(AAAA錠100mg)の出荷に関するウェブページの例を示す図である。
図5は、別の医薬品(BBBB錠50mg)の出荷に関するウェブページの例を示す図である。
図4及び
図5は、「医療用医薬品の供給状況に関する用語の定義と今後の情報提供について」日本製薬団体連合会安定確保委員会2022年5月31日より引用したものである。
【0034】
出荷量情報収集部3は、
図4に示されるウェブページに含まれるAAAA錠100mgという部分から医薬品名を抽出する。そして、出荷量登録部5は、抽出された医薬品名をデータベース9に登録(又は情報を更新)してもよい。また、出荷量情報収集部3は、
図4のウェブページに含まれる「出荷量:B「出荷量減少」」という部分から、AAAA錠100mgに関する出荷量に関する情報を抽出する。出荷量登録部5は、データベース9の記録情報の内、抽出された医薬品名(AAAA錠100mg)の出荷量情報として「出荷量:B「出荷量減少」を記録(又は出荷量情報を更新)する。医薬品の出荷量に関する表現や、登場箇所は、ウェブページにより異なるため、様々なパターンを教師データとして、学習モデルを更新してもよい。そのようにすれば、システム1の出荷量情報を収集する精度が向上することとなる。
【0035】
出荷量情報収集部3は、
図5のウェブページからは、医薬品名として、BBBB錠50mgを抽出するととともに、出荷量:D「出荷停止」という部分から、医薬品(BBBB錠50mg)の出荷量に関する情報を抽出する。出荷量登録部5は、データベース9の記録情報の内、抽出された医薬品名(BBBB錠50mg)の出荷量情報(D「出荷停止」)を記録する(又は出荷量情報を更新する)。なお、出荷量情報収集部3は、
図5の「BBBB錠50mg」につきましては、・・・・安定供給に支障をきたす」という文章を解析して、医薬品「BBBB錠50mg」の出荷量に関する情報を得てもよい。このようにウェブページに含まれる文を解析して、医薬品の出荷量に関する情報を得ることは、このシステム1やこの方法のある実施態様である。
【0036】
図4の例では、対応状況収集部13は、医薬品名(AAAA錠100mg)を抽出するとともに、医薬品の製造販売業者の対応状況という文字と関連して、医薬品の製造販売業者の対応状況に関する情報(限定出荷(他社品の影響)を抽出する。対応状況登録部15は、抽出された医薬品(AAAA錠100mg)の製造販売業者の対応状況に関する情報(限定出荷(他社品の影響)をデータベース9に記憶するか、この情報を用いて、医薬品(AAAA錠100mg)の製造販売業者の対応状況に関する情報を更新する。
【0037】
図5の例では、対応状況収集部13は、医薬品名(BBBB錠50mg)を抽出するとともに、ウェブページの文中から、「出荷停止」という文言を抽出し、学習モデルを用いて、医薬品の製造販売業者の対応状況の分類分けをして、医薬品の製造販売業者の対応状況に関する情報(例えば「限定出荷(その他)」)を得る。対応状況登録部15は、抽出された医薬品(BBBB錠50mg)の製造販売業者の対応状況に関する情報(限定出荷(その他))をデータベース9に記憶するか、この情報を用いて、医薬品(BBBB錠50mg)の製造販売業者の対応状況に関する情報を更新する。
【0038】
図6は、データベースの記憶例を示す概念図である。
図6に示される例では、医薬品名、医薬品の販売企業名、医薬品の製造企業名、医薬品の出荷量に関する情報、医薬品の製造販売業者の対応状況に関する情報、医薬品の代替医薬品に関する情報が、医薬品名と関連して記憶されている。
【0039】
例えば、ユーザ(の端末41)が、インターネット31を介して、医薬品の出荷量に関する情報の提供システム1が提供するウェブサイトにアクセスしたとする。そして、ユーザは、システム1が提供するウェブサイトの、検索部に、医薬品名としてBBBB錠50mgを入力したとする。すると、システム1は、データベース9から、BBBB錠50mgの出荷量情報である「出荷停止」を読み出す。そして、システム1は、ユーザの端末41に対して、ウェブサイトにおいて、BBBB錠50mgが「出荷停止」である旨を表示できるように、情報を出力する。また、システム1は、データベース9に登録されているBBBB錠50mgの代替医薬を検索する。そして、例えば、BBBB錠50mgと同一疾患に対する医薬品であり、有効成分が同じであるAAAA錠100mg(例えば、BBBB錠のジェネリック医薬品)を読み出す。そして、システム1は、データベース9から、AAAA錠100mgの出荷量及び対応状況に関する情報のいずれか又は両方を読み出す。そして、システム1は、ユーザ(の端末41)が、ウェブサイト内において、代替医薬であって提供可能なAAAA錠に関する情報が表示可能となるように、情報を出力する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
この発明は、医薬品などの販売に関するので、イーコマースや医薬品の販売業などにおいて利用されうる。また、この発明のプログラムや情報記録媒体は、イーコマースを提供する企業に有効に利用されうる。
【符号の説明】
【0041】
1 医薬品の出荷量に関する情報の提供システム
3 出荷量情報収集部
5 出荷量登録部
7 出荷量情報出力部
9 データベース
13 対応状況収集部
15 対応状況登録部
17 対応状況出力部
21 代替医薬品情報提供部
31 ネットワーク
33 ウェブサーバ
35 ウェブサーバ
41 ユーザの端末
【要約】 (修正有)
【課題】医薬品の出荷量に関する情報を網羅的に把握し、ユーザに提供する方法、システムおよびプログラムを提供する。
【解決手段】方法は、コンピュータが、複数のウェブサイトから、複数の医薬品の出荷量に関する情報を収集する出荷量情報収集工程S110と、収集した複数の医薬品の出荷量に関する情報を閲覧可能なデータベースに登録する出荷量登録工程S120と、出荷量に関する情報を出力する出荷量情報出力工程S130と、を含む。
【選択図】
図1