IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 江▲蘇▼大学の特許一覧

特許7465027正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクター
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクター
(51)【国際特許分類】
   F02K 9/52 20060101AFI20240403BHJP
   B05B 7/08 20060101ALI20240403BHJP
   B05B 7/10 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
F02K9/52
B05B7/08
B05B7/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023171548
(22)【出願日】2023-10-02
【審査請求日】2023-10-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517405840
【氏名又は名称】江▲蘇▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】何成明
(72)【発明者】
【氏名】戴礼明
(72)【発明者】
【氏名】冷▲イュ▼鵬
(72)【発明者】
【氏名】何志霞
(72)【発明者】
【氏名】王謙
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-041164(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110469428(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109372656(CN,A)
【文献】特開2003-194337(JP,A)
【文献】特開2006-329587(JP,A)
【文献】中国特許第113756989(CN,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02K 1/00-99/00
F02C 1/00-9/58
F23R 3/00-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気液ピントルインジェクターであって、前記気液ピントルインジェクターは、ロケット推進設備に用いられ、ピントルロッド(1)、ピントルロッド(1)の外側周囲に同軸的であり且つ順次配列した内側スリーブ(2)及び外側スリーブ(3)が設けられ、当該ピントルロッド(1)は、液体の非旋回軸方向流動を提供するために用いられ、当該内側スリーブ(2)及び外側スリーブ(3)は、気体の旋回軸方向流動を提供するために用いられる正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクターにおいて、
内側スリーブ(2)及び外側スリーブ(3)内には、旋回流方向が逆である2本の径方向多層旋回流が配置され、それにより旋回流方向が逆である内側と外側に層が分けられた気相旋回流構造が形成され、当該気相旋回流構造の内側がピントルロッド(1)の頭部の径方向の液体噴流と衝突することで、噴霧を強化し、当該気相旋回流構造の外側は、噴霧の霧化の周方向の不均一さを弱めることができ、前記ピントルロッド(1)の頭部の端面に超小孔径の噴射孔(11)が開設され、前記超小孔径の噴射孔(11)から噴射して形成される霧化液滴の蒸発吸熱作用で、ピントルロッド(1)をアブレーションから保護し、前記ピントルロッド(1)の頭部の径方向の液体噴流がピントルロッド(1)の頭部に円周アレイに配列した開口形状を矩形とする噴射孔(7)から噴出される、ことを特徴とする正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクター。
【請求項2】
前記ピントルロッド(1)の中心にピントルロッド内流路(10)が開設され、ピントルロッド(1)と内側スリーブ(2)との間に環状の軸方向の内側スリーブ内流路(8)が設けられ、内側スリーブ(2)と外側スリーブ(3)との間に環状の軸方向の外側スリーブ内流路(9)が設けられ、当該内側スリーブ内流路(8)と外側スリーブ内流路(9)の出口端は、同じ高さであり、且つピントルロッド内流路(10)の出口端は、内側スリーブ内流路(8)と外側スリーブ内流路(9)の出口端の外側に設定距離だけ突出する、ことを特徴とする請求項1に記載の正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクター。
【請求項3】
前記設定距離は、ピントルロッド(1)の外径に等しい、ことを特徴とする請求項2に記載の正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクター。
【請求項4】
当該気液ピントルインジェクターは、軸方向に沿って上から下に順次、ピントルロッド(1)、内側スリーブ(2)、及び外側スリーブ(3)の3つの部分を含み、ピントルロッド(1)には、液体の非旋回流動を提供するための液体径方向入口(4)及び径方向入口集液チャンバー(4-1)が設けられ、当該径方向入口集液チャンバー(4-1)は、ピントルロッド内流路(10)に接続され、内側スリーブ(2)には、気体の旋回流動を提供するための気体正旋回接線入口(5)及び正旋回接線入口集気チャンバー(5-1)が設けられ、当該正旋回接線入口集気チャンバー(5-1)が前記内側スリーブ内流路(8)に接続され、外側スリーブ(3)には、気体の旋回流動を提供するための気体逆旋回接線入口(6)及び逆旋回接線入口集気チャンバー(6-1)が設けられ、当該逆旋回接線入口集気チャンバー(6-1)が前記外側スリーブ内流路(9)に接続され、前記ピントルロッド(1)と内側スリーブ(2)との間、内側スリーブ(2)と外側スリーブ(3)との間は、それぞれフランジにより接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクター。
【請求項5】
前記旋回流方向が逆である内側と外側に層が分けられた気相旋回流構造は、ピントルロッド(1)、内側スリーブ(2)、外側スリーブ(3)、内側スリーブ(2)に開設された気体正旋回接線入口(5)及び正旋回接線入口集気チャンバー(5-1)、外側スリーブ(3)に開設された気体逆旋回接線入口(6)及び逆旋回接線入口集気チャンバー(6-1)、及びピントルロッド(1)と内側スリーブ(2)との間の内側スリーブ内流路(8)、内側スリーブ(2)と外側スリーブ(3)との間の外側スリーブ内流路(9)により形成され、前記気体正旋回接線入口(5)と気体逆旋回接線入口(6)とは、接線入口が互いに平行であり且つ方向が逆である、ことを特徴とする請求項4に記載の正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクター。
【請求項6】
前記ピントルロッド内流路(10)の長さは80~100mmであ、内側スリーブ内流路(8)の長さは65~75mmであり、外側スリーブ内流路(9)の長さは50~60mmであ、ことを特徴とする請求項2に記載の正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクター。
【請求項7】
当該気液ピントルインジェクターは、2成分推進剤で噴射し、2成分推進剤は、液体推進剤Aと気体推進剤Bに分けられ、前記ピントルロッド内流路(10)は、前記液体径方向入口(4)を介して液体推進剤Aの供給システムに接続され、前記内側スリーブ内流路(8)及び前記外側スリーブ内流路(9)は、それぞれ、気体正旋回接線入口(5)及び気体逆旋回接線入口(6)を介して気体推進剤Bに接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクター。
【請求項8】
前記内側スリーブ内流路(8)の出口気流の噴射速度は150~250m/sであり、外側スリーブ内流路(9)の出口気流の噴射速度は150~250m/sであり、ピントルロッド内流路(10)の開口形状を矩形とする噴射孔の出口の液体噴射速度は20~40m/sであ、ことを特徴とする請求項2に記載の正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクター。
【請求項9】
前記ピントルロッド(1)の頭部の端面に超小孔径の噴射孔(11)が開設され、これらの超小孔径の噴射孔(11)は、設定された各半径の異なる周方向に均一に分布し、且つ設定された各半径の異なる周方向に均一に分布する超小孔径の噴射孔の数が互いに等しい、ことを特徴とする請求項1に記載の正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクター。
【請求項10】
前記ピントルロッド(1)の頭部の端面に開設された超小孔径の噴射孔(11)の数と直径は、液体推進剤Aの質量流量を可能な限り少なく消費及び影響すると同時に、液滴の蒸発吸熱作用でピントルをアブレーションから保護できることを設定基準とし、前記ピントルロッド(1)の頭部の端面における超小孔径の噴射孔(11)の直径は0.06~0.1mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、回収可能な可変流量調節式ロケット推進設備の技術分野に属し、具体的には、正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、ロケット推進技術に関し、燃料が気/液噴射の形を採用し、特に長期貯蔵可能な環境配慮型の常温燃料系(例えば過酸化水素/灯油、亜酸化窒素/プロパン)に適用し、低温液体酸素燃料を使用するシステムの複雑性を回避し、現在の小流量ロケットの開発要求を満たし、インジェクター頭部の噴霧冷却の多層旋回流を採用して噴霧燃焼を強化する気/液ピントルインジェクターである。ピントルインジェクターは、その構造がシンプルで、流量の連続的な調節可能、及び燃焼安定性などの一連の優位性により、公知のロケット可変推力の好適な選択である。
【0003】
気/液噴射(一般的には、気体は、軸方向に噴射する)は、液/液噴射よりも、高速で噴射された気体による剪断作用が液体燃料噴流をより容易に分裂できるという優位性を有する。先行授権特許の「旋回流により霧化を補助し且つ旋回流度の調節可能な気/液ピントルインジェクター」には、従来の(軸方向)気/(径方向)液ピントルインジェクターに対する改良により、従来の気/液ピントルインジェクターの軸方向の気体の噴射速度が大きすぎることに起因する噴霧分布特性の悪さを効果的に解決できるという問題が記載され、軸方向の気体は、旋回流噴射を採用し、軸方向の運動量を減少させて噴霧の円錐角を増加させるとともに、旋回流の周方向の剪断作用を利用して霧化を補助する一方、内側スリーブ及び外側スリーブによりそれぞれ形成される軸方向の流路に基づいて、それぞれの流量を合理的に分配することにより、気相旋回流度の調節可能なことを実現し、最適な噴霧の円錐角及び霧化特性を実現し、噴射面積及び噴射速度の構造パラメータ設計に対する適合要求を簡略化し、さらに、気相旋回流により形成される中心気核低圧領域を利用し、径方向の液体噴流の一部を外側スリーブに引き込み、噴流の根元部の分裂を促進し、気体により霧化を補助することを実現する。
【0004】
しかしながら、当該発明は、原理設計、構造設計及び実際の燃焼室シーンでの応用設計において、以下の不足が存在し、
1つ目は、軸方向旋回流気体は、単一の接線孔入口を採用し、当該旋回流は、1つの回転方向のみを有し、ピントルの軸方向の長さ又は気体の軸方向の流路が十分に長くない場合に、配管内の旋回流が十分に進行せず、気体速度が環状隙間出口の周方向に不均一となり、それにより、気体がピントル頭部の径方向噴流と衝突した後に、噴霧形態が非軸対称と非均一な空間分布を呈し、これが燃焼室の噴霧燃焼に影響を与え、
2つ目は、旋回流気体を採用して霧化を補助すると、噴霧特性が改善されるが、噴流の径方向及び軸方向の分裂距離が小さくなり、噴霧高濃度領域及びその後の噴霧燃焼領域がピントル頭部に近づき、ピントル頭部のアブレーションが発生しやすく及び耐用年数に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術に存在する不足に対し、正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクターを提供し、1つ目の目的は、従来技術の一方向旋回流気体がピントルロッド頭部の径方向噴流と衝突することによる噴霧形態が非軸対称と非均一な空間分布を呈し、及び燃焼室の噴霧燃焼に悪影響を与えるという問題を解決することであり、2つ目の目的は、噴流の径方向及び軸方向の分裂距離が小さくなり、噴霧高濃度領域及びその後の噴霧燃焼領域がピントルロッド頭部に近づき、ピントル頭部のアブレーションが発生しやすく及び耐用年数に影響を与えるという問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、その技術的問題を解決するために以下の技術的解決手段を採用し、
正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクターであって、当該気/液ピントルインジェクターは、ロケット推進設備に用いられ、ピントルロッド、ピントルロッドの外側周囲に同軸的であり且つ順次配列した内側スリーブ及び外側スリーブが設けられ、当該ピントルロッドは、液体の非旋回流動を提供するために用いられ、当該内側スリーブ及び外側スリーブは、気体の旋回流動を提供するために用いられ、
内側スリーブ及び外側スリーブ内には、旋回流方向が逆である2本の径方向多層旋回流が配置され、それにより内側と外側に層が分けられた気相旋回流構造が形成され、当該気相旋回流の内側がピントルロッド頭部の径方向の液体噴流と衝突することで、噴霧を強化し、当該気相旋回流の外側は、噴霧の霧化の周方向の不均一さを弱めることができ、前記ピントルロッド頭部の端面に超小孔径の噴射孔が開設され、超小孔径の噴射孔から噴射して形成される霧化液滴の蒸発吸熱作用で、ピントルをアブレーションから保護し、前記ピントルロッド頭部の径方向の液体噴流がピントルロッド頭部に円周アレイに配列した開口形状を矩形とする噴射孔から噴出されることを特徴とする。
【0007】
さらに、前記ピントルロッドの中心にピントルロッド内流路が開設され、ピントルロッドと内側スリーブとの間に内側スリーブ内流路が開設され、内側スリーブと外側スリーブとの間に外側スリーブ内流路が設けられ、当該内側スリーブ内流路と外側スリーブ内流路の出口端は、同じ高さであり、且つピントルロッド内流路の出口端は、内側スリーブ内流路と外側スリーブ内流路の出口端の外側に設定距離だけ突出する。
【0008】
さらに、前記ピントルロッド内流路の出口端は、内側スリーブ内流路と外側スリーブ内流路の出口端の外側に設定距離だけ突出し、当該設定距離は、ピントルロッドの外径に等しく、好ましくは、12mmであるが、これに限定されない。
【0009】
さらに、当該気液ピントルインジェクターは、軸方向に上から下に順次、ピントルロッド1、内側スリーブ、及び外側スリーブという3つの部分を含み、ピントルロッドには、液体の非旋回流動を提供するための液体径方向入口及び径方向入口集液チャンバーが設けられ、且つ当該径方向入口集液チャンバーは、ピントルロッド内流路に接続され、内側スリーブには、気体の旋回流動を提供するための気体正旋回接線入口及び正旋回接線入口集気チャンバーが設けられ、且つ当該正旋回接線入口集気チャンバーが前記内側と外側に層が分けられた気相旋回流構造内側の内側スリーブ内流路に接続され、外側スリーブには、気体の旋回流動を提供するための気体逆旋回接線入口及び逆旋回接線入口集気チャンバーが設けられ、且つ当該逆旋回接線入口集気チャンバーが前記内側と外側に層が分けられた気相旋回流構造外側の外側スリーブ内流路に接続され、前記ピントルロッドと内側スリーブとの間、内側スリーブと外側スリーブとの間は、それぞれフランジにより接続され、前記正旋回は、平面視で時計回り方向に回転させることであり、前記逆旋回は、平面視で反時計回り方向に回転させることである。
【0010】
さらに、前記旋回流方向が逆である内側と外側に層が分けられた気相旋回流構造は、ピントルロッド、内側スリーブ、外側スリーブ、内側スリーブに開設された気体正旋回接線入口及び正旋回接線入口集気チャンバー、外側スリーブに開設された気体逆旋回接線入口及び逆旋回接線入口集気チャンバー、及びピントルロッドと内側スリーブとの間の内側スリーブ内流路、内側スリーブと外側スリーブとの間の外側スリーブ内流路からなり、前記気体正旋回接線入口と気体逆旋回接線入口とは、接線入口が平行であり且つ方向が逆である。
【0011】
さらに、前記ピントルロッド内流路の長さは、好ましくは、80~100mmであるが、これに限定されず、内側スリーブ内流路の長さは、好ましくは、65~75mmであるが、これに限定されず、外側スリーブ内流路の長さは、好ましくは、50~60mmであるが、これに限定されない。
【0012】
さらに、当該気液ピントルインジェクターは、2成分推進剤で噴射し、当該2成分推進剤は、液体推進剤Aと気体推進剤Bに分けられ、前記ピントルロッド内流路は、前記液体径方向入口を介して液体推進剤Aの供給システムに接続され、前記内側スリーブ内流路及び前記外側スリーブ内流路は、それぞれ、気体正旋回接線入口及び気体逆旋回接線入口を介して気体推進剤に接続される。
【0013】
さらに、前記内側スリーブ内流路の出口気流の噴射速度は、好ましくは、150~250m/sであるが、これに限定されず、外側スリーブ内流路の出口気流の噴射速度は、好ましくは、150~250m/sであるが、これに限定されず、ピントルロッド内流路の出口の開口形状を矩形とする噴射孔の液体噴射速度は、好ましくは、20~40m/sであるが、これに限定されない。
【0014】
さらに、前記ピントルロッドの頭部の端面に超小孔径の噴射孔が開設され、当該超小孔径の噴射孔は、設定された各半径の周方向に均一に分布し、且つ各半径の周方向に分布する小孔の数が等しい。
【0015】
さらに、前記ピントルロッドの頭部の端面における超小孔径の噴射孔の数と直径は、液体推進剤Aの質量流量を過度に消費及び影響しないと同時に、液滴の蒸発吸熱作用を果たしてピントルをアブレーションから保護することを基準とし、前記ピントルロッドの頭部の端面における超小孔径の噴射孔の直径は、好ましくは、0.06~0.1mmであるが、これに限定されない。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、2本の旋回流方向が逆である設計、及びピントル頭部に噴射小孔が開けられた設計を有機的に組み合わせ、互いに依存し、2本の旋回流方向が逆である設計で、より十分かつ空間的に均一に分布する霧化を実現することを目標とし、ピントル頭部に噴射小孔が開けられた設計で、十分に霧化した後にピントルロッドの頭部をアブレーションから保護することを目標として実現することを保証し、それにより従来技術の一方向旋回流気体がピントル頭部の径方向噴流と衝突することによる噴霧形態が非軸対称と非均一な空間分布を呈し、及び燃焼室の噴霧燃焼に悪影響を与える問題を解決し、また、噴流の径方向及び軸方向の分裂距離が小さくなり、噴霧高濃度領域及びその後の噴霧燃焼領域がピントル頭部に近づき、ピントル頭部のアブレーションが発生しやすく及び耐用年数に影響を与えるという問題を解決する。要するに本発明を実施することにより、ロケット用気液ピントルインジェクターにおいて、霧化の大幅な促進による燃焼状態の格段の改善、これには燃焼振動発生の抑止も含み、さらにインジェクター頭部をアブレーション焼損から保護し、耐久性・信頼性を抜本的に高める、以上を同時に達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本願の気液ピントルインジェクターの組立図の第1の視点からの概略図である。
図1a】第1の視点からの組立図の5つの断面の分割の概略図である。
図1b1図1aのA-A液体径方向入口断面の2次元図である。
図1b2図1aのA-A液体径方向入口断面の3次元図である。
図1c1図1aのB-B気体正旋回接線入口断面の2次元図である。
図1c2図1aのB-B気体正旋回接線入口断面の3次元図である。
図1d1図1aのC-C気体逆旋回接線入口断面の2次元図である。
図1d2図1aのC-C気体逆旋回接線入口断面の3次元図である。
図1e1図1aのD-D断面の2次元図である。
図1e2図1aのD-D断面の3次元図である。
図1f1図1aのE-E断面の2次元図である。
図1f2図1aのE-E断面の3次元図である。
図2】本願の気液ピントルインジェクターの第2の視点からの組み立て概略図である。
図3】本願の気液ピントルインジェクターの第1の視点からの断面概略図である。
図4】本願の気液ピントルインジェクターの第2の視点からの断面概略図である。
図5】本願のピントルロッドの円周アレイに配列した開口形状を矩形とする噴射孔の概略図である。
図6】本願のピントルロッドの端面における超小孔径の噴射孔の概略図である。
図7a】従来技術の一方向旋回流の霧化効果図である。
図7b】本発明の「正」―「逆」両方向旋回流の霧化効果図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(本発明の設計原理)
1、本発明の設計の困難点について、困難点の1つ目は、気液ピントルインジェクターの長さに制限され、無限に長くすることが不可能であり、気体流路が十分に長くできない場合に、旋回流が内流路内で十分に進行することができず、径方向の液体噴流と衝突した後に空間的に周方向に不均一な霧化分布が引き起こされることである。困難点の2つ目は、旋回流により霧化を補助し且つ霧化が均一化した後に霧化が早まることに直面し、燃焼領域がピントルロッド1の出口に近づき、ピントルロッドに焼損が生じることである。
【0019】
2、困難点の1つ目、2本の旋回流方向が逆である設計であることを解決する。ピントルロッド内の液体は、ピントル頭部の開口形状を矩形とする噴射孔から径方向に沿って噴出され、気体は、軸方向に沿って噴出され、気体と液体が突き当たった後に、所定の角度(0~90度)を有する噴霧コーンが形成される。旋回流を加えない場合に、気体密度が液体よりもはるかに小さいので、気体の噴射速度が液体よりもはるかに大きくなることに起因して、運動量比(径方向と軸方向との運動量比と定義する)が小さすぎることが引き起こされ、これにより、ピントル頭部の噴霧形状は、非常に扁平で細長くなり(噴霧円錐角は、90度に近い)、一方向旋回流を加えると、気体の軸方向運動量が小さくなり、噴霧形態は、合理的な噴霧コーン型(約45~60度)となる。気体旋回流噴射は、霧化を促進するが、旋回流は、噴霧が空間的に周方向に不均一であることを引き起こし、主な原因は、気液ピントルインジェクターの長さが無限に長くすることが不可能であるからであり、気体流路が十分に長くできない場合に、旋回流が内流路内で十分に進行することができず、径方向液体噴流と衝突した後に空間的に周方向に不均一な霧化分布が引き起こされる。統計的な意味では、噴霧の空間分布の時間平均は一定であるが、噴霧の過渡的な特性によりある瞬間に偏りが生じると、燃焼振動が発生する。従来技術に類似し、逆方向の旋回流を追加し、径方向に層が分けられた旋回流構造が形成され、旋回流の内側が液体噴流と接触して霧化を補助するが、旋回流の外側が逆方向の作用を果たすことが引き起こされ、噴霧全体が空間的に均一に分布する。従来技術の「旋回流により霧化を補助し且つ旋回流度の調節可能な気/液ピントルインジェクター」の一方向旋回流と比較すると、従来技術の内側スリーブ2は、非旋回気体を送出し、外側スリーブ3は、旋回気体を送出し、外側スリーブが長くて、内側スリーブが短く、外側スリーブの旋回気体は、内側スリーブの出口で内側スリーブの非旋回気体と合流し、合流後に一方向旋回気体を構成し、また外側スリーブの出口端から噴出される。本願の1つ目の改良点は、内側スリーブ2と外側スリーブ3の両方も旋回気体を送出し、且つ2つの旋回気体の旋回流方向が逆で且つ両方も接線方向に入ることであり、つまり、両方も旋回流を生じるが、方向が逆であり、ここで、旋回流の方向が逆であることは、内側スリーブ2と外側スリーブ3のそれぞれの切欠き方向が逆であるからである。本願の2つ目の改良点は、内側スリーブ及び外側スリーブの2つのスリーブの出口端が同一平面上にあり、出口端の高さが等しいことであり、このようにすると、気相旋回流の内側旋回流は、霧化を補助し及び噴霧旋回角度を変更するために用いられるが、噴霧の不均一、つまり、ある時間帯に振動する可能性があり、外側スリーブ及び内側スリーブの出口端が同一平面上にあるため、内側旋回流が現在の平面内で振動すると、外側旋回流が同一平面内で逆方向の旋回流を与え、外側旋回流が逆旋回し、内側旋回流が正旋回し、ここで、内側旋回流は、噴霧を補助するように機能し、外側旋回流は、旋回流を可能な限り空間的に均一に分布することを制御するように機能するという利点を有する。
【0020】
3、困難点の2つ目、ピントル頭部に噴射小孔が開けられた設計であることを解決する。気体の軸方向旋回流の噴射を行い、旋回流により霧化を補助するように機能するため、液体噴流の軸方向の分裂距離が小さくなり、霧化が早まり、すなわち霧化領域と燃焼領域がピントルロッド頭部により近づき、ピントルロッドにアブレーションが発生し、したがって、本願の2つ目の改良点は、ピントルの底部に非常に小さな液体噴射孔が開けられることである。1つ目は、小孔が開けられる設計原理について、ピントル頭部に非常に小さな孔が開けられる目的は、灯油がここから噴出されることであり、本来、灯油は、ピントルロッド内流路10の開口形状を矩形とする噴射孔7から噴出され、主要な霧化領域を保証するために用いられ、現在、非常に小さな孔から噴出されて液膜冷却に類似する作用を果たすことができ、霧化液滴が蒸発して吸熱し、ピントル頭部に対して保護作用を果たすことである。2つ目は、小孔の数及び孔径の設計について、孔の数が少なすぎること及び孔径が小さすぎることによる灯油蒸発量が不足であり、いずれも吸熱降温作用を果たすことができず、孔の数が多すぎること及び直径が大きすぎることは、灯油流量に影響を与え、小孔の数及び孔径の定量分析は、異なる動作状況に依存し、どの程度の流量でどの程度の温度を吸収するか、どの程度の温度を低下させる必要があるかに依存する。いずれにしても、小孔の数と孔径は、液体推進剤Aの質量流量を過度に消費及び影響しないと同時に、液滴の蒸発吸熱作用を果たしてピントルをアブレーションから保護することを基準とする。
【0021】
以上の発明の原理に基づき、本発明は、正逆旋回流により噴霧燃焼を強化して気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクターを設計し、図1図1a、図1b1、図1b2、図1c1、図1c2、図1d1、図1d2、図1e1、図1e2、図1f1、図1f2、図2図3図4図5図6図7a、図7bに示すように、当該気液ピントルインジェクターは、ロケット推進設備に用いられ、ピントルロッド1、ピントルロッド1の外側周囲に同軸的であり且つ順次配列した内側スリーブ2及び外側スリーブ3が設けられ、当該ピントルロッド1は、液体の非旋回流動を提供するために用いられ、当該内側スリーブ2及び外側スリーブ3は、気体の旋回流動を提供するために用いられる。
【0022】
内側スリーブ2及び外側スリーブ3には、旋回流方向が逆である2本の径方向多層旋回流構造が配置され、それにより内側と外側に層が分けられた気相旋回流が形成され、当該気相旋回流の内側がピントルロッド1の頭部の径方向の液体噴流と衝突して噴霧を強化し、当該気相旋回流の外側は、噴霧の霧化の周方向の不均一さを減少させ、前記ピントルロッド1の頭部の端面に超小孔径の噴射孔11が開設され、超小孔径の噴射孔11から噴射して霧化して形成される液滴の蒸発吸熱作用で、ピントルをアブレーションから保護し、前記ピントルロッド1の頭部の径方向の液体噴流がピントルロッド1の頭部に周方向アレイに配列した開口形状を矩形とする噴射孔7から噴出されることを特徴とする。
【0023】
さらに、前記ピントルロッド1の中心にピントルロッド内流路10が開設され、ピントルロッド1と内側スリーブ2との間に内側スリーブ内流路8が開設され、内側スリーブ2と外側スリーブ3との間に外側スリーブ内流路9が設けられ、当該内側スリーブ内流路8と外側スリーブ内流路9の出口端は、同じ高さであり、且つピントルロッド内流路10の出口端は、内側スリーブ内流路8と外側スリーブ内流路9の出口端の外側に設定距離だけ突出する。
【0024】
(補足説明1)
1)ピントルロッド1の中心に軸方向のピントルロッド内流路10が開設され、液体推進剤Aの供給システムに接続され、その底部が略半球状の閉鎖部であり、且つ径方向に円周アレイの開口形状を矩形とする噴射孔7が開設され、
2)開口形状を矩形とする噴射孔7に加えて、ピントル頭部の端面は、一連の超小孔径の噴射孔11を貫通し、小さい貫通距離と大きい噴霧の円錐角を提供する噴霧領域は、ピントル頭部の近傍に分布し、
3)ピントルロッドの外側周囲には、下端口が同一平面上にある2つの同軸スリーブが接続され、内側スリーブ2と側外スリーブ3であり、当該2つのスリーブの長さは、いずれもピントルロッド1の長さよりも小さく、ここで、内側スリーブ2と外側スリーブ3は、いずれも気体正旋回接線入口5、及び気体逆旋回接線入口6に接続され、且つそれぞれこの2つの接線入口を介して気体推進剤Bの供給システムに接続され、それぞれ旋回流方向が逆である2本の気体旋回流を提供し、
4)内側スリーブ及び外側スリーブの旋回流は、層が分けられた気相旋回流を形成し、その旋回流気体の内側は、径方向液体噴流と衝突して噴霧を強化し、旋回流気体外側は、噴霧の霧化の周方向の不均一さを減少させ、
さらに、前記ピントルロッド内流路10の出口端は、内側スリーブ内流路8と外側スリーブ内流路9の出口端の外側に設定距離だけ突出し、当該設定距離は、ピントルロッド1の外径に等しく、好ましくは、12mmであるが、これに限定されない。
【0025】
さらに、当該気液ピントルインジェクターは、軸方向に上から下に順次、ピントルロッド1、内側スリーブ、及び外側スリーブという3つの部分を含み、ピントルロッド1には、液体の非旋回流動を提供するための液体径方向入口4及び径方向入口集液チャンバー4-1が設けられ、且つ当該径方向入口集液チャンバー4-1は、ピントルロッド内流路10に接続され、内側スリーブ2には、気体の旋回流動を提供するための気体正旋回接線入口5及び正旋回接線入口集気チャンバー5-1が設けられ、且つ当該正旋回接線入口集気チャンバー5-1が前記径方向多層旋回流構造内側の内側スリーブ内流路8に接続され、外側スリーブ3には、気体の旋回流動を提供するための気体逆旋回接線入口6及び逆旋回接線入口集気チャンバー6-1が設けられ、且つ当該逆旋回接線入口集気チャンバー6-1が前記径方向多層旋回流構造外側の外側スリーブ内流路9に接続され、前記ピントルロッド1と内側スリーブ2との間、内側スリーブ2と外側スリーブ3との間は、それぞれフランジにより接続され、前記正旋回は、平面視で時計回り方向に回転させることであり、前記逆旋回は、平面視で反時計回り方向に回転させることである。
【0026】
さらに、前記旋回流方向が逆である内側と外側に層が分けられた気相旋回流構造は、ピントルロッド1、内側スリーブ2、外側スリーブ3、内側スリーブ2に開設された気体正旋回接線入口5及び正旋回接線入口集気チャンバー5-1、外側スリーブ3に開設された気体逆旋回接線入口6及び逆旋回接線入口集気チャンバー6-1、及びピントルロッド1と内側スリーブ2との間の内側スリーブ内流路8、内側スリーブ2と外側スリーブ3との間の外側スリーブ内流路9からなり、前記気体正旋回接線入口5と気体逆旋回接線入口6とは、接線入口が平行であり且つ方向が逆である。
【0027】
(補足説明2)
気体正旋回接線入口5と気体逆旋回接線入口6は、接線入口が互いに180度対称に配置されてもよく、互いに別の角度で配置されてもよい。ピントルロッド1、内側スリーブ2及び外側スリーブ3の周方向の位置は、限定されない。
【0028】
さらに、前記ピントルロッド内流路10の長さは、好ましくは、80~100mmであるが、これに限定されず、内側スリーブ内流路8の長さは、好ましくは、65~75mmであるが、これに限定されず、外側スリーブ内流路9の長さは、好ましくは、50~60mmであるが、これに限定されない。
【0029】
さらに、当該気液ピントルインジェクターは、2成分推進剤で噴射し、2成分推進剤は、液体推進剤Aと気体推進剤Bに分けられ、前記ピントルロッド内流路10は、前記液体径方向入口4を介して液体推進剤Aの供給システムに接続され、前記内側スリーブ内流路8及び前記外側スリーブ内流路9は、それぞれ、気体正旋回接線入口5及び気体逆旋回接線入口6を介して気体推進剤Bに接続される。
【0030】
さらに、前記内側スリーブ内流路8の出口気流の噴射速度は、好ましくは、150~250m/sであるが、これに限定されず、外側スリーブ内流路9の出口気流の噴射速度は、好ましくは、150~250m/sであるが、これに限定されず、ピントルロッド内流路10の出口の開口形状を矩形とする噴射孔の液体噴射速度は、好ましくは、20~40m/sであるが、これに限定されない。
【0031】
(補足説明3)
内側スリーブ2及び外側スリーブ3の推進剤の噴射速度は、ピントルロッド1の中心流路の推進剤の噴射速度よりもはるかに大きい。旋回流度が十分に大きい場合に、気相旋回流の周方向の剪断作用により、ピントルロッド1の頭部における径方向噴流の分裂が促進され、軸方向の液体噴流の分裂距離が小さくなる。
【0032】
さらに、前記ピントルロッド1の頭部の端面に超小孔径の噴射孔11が開設され、当該超小孔径の噴射孔11は、設定された各半径の周方向に均一に分布し、且つ各半径の周方向に分布する小孔の数が等しい。
【0033】
さらに、前記ピントルロッド1の頭部の端面における超小孔径の噴射孔11の数と直径は、液体推進剤Aの質量流量を過度に消費及び影響しないと同時に、液滴の蒸発吸熱作用を果たしてピントルをアブレーションから保護することを基準とし、前記ピントルロッド1の頭部の端面における超小孔径の噴射孔11の直径は、好ましくは、0.06~0.1mmであるが、これに限定されない。
【0034】
(補足説明4)
図7a、図7bは、それぞれ従来技術の一方向旋回流噴霧と本発明の正逆両方向旋回流噴霧の効果を比較した図である。従来技術では、液体噴流が開口形状を矩形とする噴射孔から噴出され、一方向気体旋回流の作用下で偏向して一次噴霧を実現し、配管内の気体旋回流が十分に進行せず、気体速度が環状隙間出口の周方向に不均一となり、それにより、気体がピントル頭部の径方向噴流と衝突した後に、噴霧形態が非軸対称と非均一な空間分布を呈する可能性があり、これが燃焼室の噴霧燃焼に悪影響を与えるが、本発明において、液体噴流が開口形状を矩形とする噴射孔から噴出され、内側気体旋回流の作用下で偏向して一次噴霧を実現すると同時に、外側気体旋回流の作用下で逆偏向して二次噴霧を実現し、さらに霧化を促進し及び噴霧の円周方向における不均一さを弱め、さらに、超小孔径の噴射孔から噴射して形成される霧化液滴の蒸発吸熱作用で、ピントルをアブレーションから保護する。
【0035】
明らかに、当業者であれば本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明に対して様々な修正及び変形を行うことができる。このように、本発明に対するこれらの修正及び変形は、本発明の特許請求の範囲及びその同等技術の範囲内に属する場合に、本発明は、これらの修正及び変形を含むことを意図する。
【符号の説明】
【0036】
1、ピントルロッド、2、内側スリーブ、3、外側スリーブ、4、液体径方向入口、4-1、径方向入口集液チャンバー、5、気体正旋回接線入口、5-1、正旋回接線入口集気チャンバー、6、気体逆旋回接線入口、6-1、逆旋回接線入口集気チャンバー、7、開口形状を矩形とする噴射孔、8、内側スリーブ内流路、9、外側スリーブ内流路、10、ピントルロッド内流路、11、超小孔径の噴射孔。
【要約】      (修正有)
【課題】気液ピントルインジェクターのピントルロッドの頭部を冷却する気液ピントルインジェクターを提供する。
【解決手段】ピントルロッド1とピントルロッド1の外側周囲に同軸的で順次配列した内側スリーブ2及び外側スリーブ3を設ける。また、ピントルロッド1の頭部端面には超小孔径の噴射孔11を設ける。ピントルロッド1は液体の非旋回流動を提供し、内側スリーブ2及び外側スリーブ3は、気体の旋回流動を提供する。内側スリーブ2及び外側スリーブ3には旋回流方向が逆である2本の径方向多層旋回流構造を配置することで内側と外側に層が分けられた気相旋回流を形成する。気相旋回流の内側がピントルロッド1の頭部の径方向の液体噴流と衝突して噴霧を強化し、気相旋回流の外側は噴霧の霧化の周方向の不均一さを減少する。超小孔径の噴射孔11からの噴射霧化による液滴の蒸発吸熱作用はピントルをアブレーションから保護する。
【選択図】図3
図1
図1a
図1b1
図1b2
図1c1
図1c2
図1d1
図1d2
図1e1
図1e2
図1f1
図1f2
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b