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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】遊技システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 352L
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023174485
(22)【出願日】2023-10-06
【審査請求日】2023-10-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591085972
【氏名又は名称】日本ゲームカード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】小田 直樹
【審査官】福田 知喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-068657(JP,A)
【文献】特開2017-202206(JP,A)
【文献】特開2021-078529(JP,A)
【文献】特開2011-125573(JP,A)
【文献】特開2008-142197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技価値を使用して遊技可能な遊技機と、
前記遊技機に対応付けて設置され、遊技者が所有する記録媒体を受け付けて、当該記録媒体に対応する有価価値を記憶し、前記有価価値を前記遊技価値に変換して前記遊技機に付与する遊技用装置と、
前記遊技用装置と通信可能で、少なくとも前記有価価値に関する情報を管理する機能を備える管理機能部と、
を含む遊技システムであって、
前記遊技用装置は、遊技者が所有する前記記録媒体を受け付けると、当該記録媒体のユニークな識別情報である記録媒体識別情報を前記管理機能部に送信する記録媒体識別情報送信手段を備え、
前記管理機能部は、
前記遊技用装置の前記記録媒体識別情報送信手段から送信された前記記録媒体識別情報を受信する記録媒体識別情報受信手段と、
遊技者が所有する携帯端末のユニークな識別情報である携帯端末識別情報と、この遊技者が所有する前記記録媒体の前記記録媒体識別情報とを紐付けた情報であって、前記携帯端末に対応する前記有価価値を含む管理情報を管理する管理手段と、
前記記録媒体識別情報受信手段により受信した前記記録媒体識別情報に対応する前記管理情報に基づく情報を前記記録媒体識別情報の送信元である前記遊技用装置に送信する管理情報送信手段と、
前記遊技用装置に受け付けられた前記記録媒体の前記記録媒体識別情報に対応する前記管理情報が前記管理手段により管理されていれば、少なくとも、当該管理情報に含まれる前記有価価値の移動に関する前記携帯端末と前記遊技用装置との間の処理を仲介することで、前記携帯端末と前記遊技用装置とが直接接続されているように見せかける仲介制御手段と、
を備え、
前記管理機能部の前記仲介制御手段は、前記携帯端末と前記遊技用装置とを仲介の対象とした後、予め定めた有価価値付与条件が成立することに基づいて、前記管理情報に含まれる前記有価価値の一部または全部を、対応する前記遊技用装置に対して付与することを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記管理機能部の前記仲介制御手段は、前記遊技用装置から有価価値付与要求を受け、当該有価価値付与要求に対する許諾を前記携帯端末から受けることを前記有価価値付与条件とすることを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記管理機能部の前記仲介制御手段は、前記携帯端末から有価価値付与要求を受け、当該有価価値付与要求に対する許諾を前記遊技用装置から受けることを前記有価価値付与条件とすることを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記管理機能部の前記仲介制御手段は、前記携帯端末から有価価値付与要求を受け、当該有価価値付与要求に対する許諾を前記携帯端末から受けることを前記有価価値付与条件とすることを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項5】
前記管理機能部の前記仲介制御手段は、前記携帯端末から有価価値付与指示を受けることを前記有価価値付与条件とすることを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項6】
前記遊技用装置はさらに、記憶している前記有価価値を前記管理機能部の前記管理情報としての管理へ移行することを指示する移行指示手段を備え、
前記管理機能部の前記仲介制御手段は、前記携帯端末と前記遊技用装置とを仲介の対象とした後、前記遊技用装置の前記移行指示手段より移行指示を受けることに基づき、前記移行指示を受けた移行有価価値を対応する前記管理情報の前記有価価値に付加し、前記移行指示の送信元である前記遊技用装置に対して移行済みの前記有価価値の消去を指示する、
ことを特徴とする請求項1~請求項5の何れか1項に記載の遊技システム。
【請求項7】
前記遊技用装置はさらに、予め定めた自動移行条件が成立することに基づいて、記憶している前記有価価値を前記管理機能部の前記管理情報での管理へ移行することを指示する自動移行指示手段を備え、
前記管理機能部の前記仲介制御手段は、前記携帯端末と前記遊技用装置とを仲介の対象とした後、前記遊技用装置の前記自動移行指示手段より移行指示を受けることに基づき、前記移行指示を受けた移行有価価値を対応する前記管理情報の前記有価価値に付加し、前記移行指示の送信元である前記遊技用装置に対して移行済みの前記有価価値の消去を指示する、
ことを特徴とする請求項1~請求項5の何れか1項に記載の遊技システム。
【請求項8】
前記遊技用装置の前記自動移行指示手段は、前記遊技機が管理する前記遊技価値が予め定めた判定値以上/超過であることを、前記自動移行条件とすることを特徴とする請求項7に記載の遊技システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技価値を使用して遊技可能な遊技機と、前記遊技機に対応付けて設置され、遊技者が所有する前記記録媒体を受け付けて、当該記録媒体に対応する有価価値を記憶し、前記有価価値を前記遊技価値に変換して前記遊技機に付与する遊技用装置と、前記遊技用装置と通信可能で、少なくとも前記有価価値に関する情報を管理する機能を備える管理機能部と、を含む遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
バーコードやQRコード(登録商標)等の二次元コードを用いたキャッシュレス決済が広く普及しており、利用時には、スマートフォン等の携帯端末で決済用のアプリを立ち上げて、支払先の読取装置に二次元コードを表示するか、支払先に表示されている二次元コードを読み取ることで、決済が完了する。現金の直接的な手渡しが不要となるキャッシュレス決済は利便性が高い。このようなキャッシュレス決済を遊技店において利用できるようにした遊技管理システムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に記載の遊技管理システムでは、遊技客が所持する端末装置で決済に必要な情報を決済データとして生成し、この決済データを符号化した二次元コードを台間カード処理機に読み込ませ、その決済データを台間カード処理機からカード管理装置に送信させ、受信した決済データ等をカード管理装置が決済装置に送信することで、決済処理が行われる。これにより、台間カード処理機に対して決済金額分の入金処理が行われるので、遊技客が台間カード処理機に投入しているプリペイドカードにプリペイド価値が付与され、プリペイド価値を用いた玉貸を受けられるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-130575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された遊技管理システムにおいては、キャッシュレス決済を利用可能にするために、台間カード処理機に二次元コードを読み込む機能が必要であるが、既存の台間カード処理機には二次元コード読取装置が組み込まれていない。よって、特許文献1に記載された遊技管理システムを遊技店で利用するためには、二次元コード読取装置等が組み込まれた台間カード処理機を予め導入しておく必要があり、台間カード処理機のハードウェアを変更したり、台間カード処理機自体を入れ替えたりすることは遊技店の大きな負担となる。なお、台間カード処理機やカード管理装置などにキャッシュレス対応のための処理機能を付加することは、ソフトウェアのアップデート等の比較的軽い負担で対応できる。
【0006】
そこで、本発明は、遊技機に対応して設置される遊技用装置のハードウェア変更を行うことなく、遊技者が所持する携帯端末から遊技用装置に対して有価価値を付与するキャッシュレス決済を可能にする遊技システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に係る遊技システムは、遊技価値を使用して遊技可能な遊技機と、前記遊技機に対応付けて設置され、遊技者が所有する記録媒体を受け付けて、当該記録媒体に対応する有価価値を記憶し、前記有価価値を前記遊技価値に変換して前記遊技機に付与する遊技用装置と、前記遊技用装置と通信可能で、少なくとも前記有価価値に関する情報を管理する機能を備える管理機能部と、を含む遊技システムであって、前記遊技用装置は、遊技者が所有する前記記録媒体を受け付けると、当該記録媒体のユニークな識別情報である記録媒体識別情報を前記管理機能部に送信する記録媒体識別情報送信手段を備え、前記管理機能部は、前記遊技用装置の前記記録媒体識別情報送信手段から送信された前記記録媒体識別情報を受信する記録媒体識別情報受信手段と、遊技者が所有する携帯端末のユニークな識別情報である携帯端末識別情報と、この遊技者が所有する前記記録媒体の前記記録媒体識別情報とを紐付けた情報であって、前記携帯端末に対応する前記有価価値を含む管理情報を管理する管理手段と、前記記録媒体識別情報受信手段により受信した前記記録媒体識別情報に対応する前記管理情報に基づく情報を前記記録媒体識別情報の送信元である前記遊技用装置に送信する管理情報送信手段と、前記遊技用装置に受け付けられた前記記録媒体の前記記録媒体識別情報に対応する前記管理情報が前記管理手段により管理されていれば、少なくとも、当該管理情報に含まれる前記有価価値の移動に関する前記携帯端末と前記遊技用装置との間の処理を仲介することで、前記携帯端末と前記遊技用装置とを仮想的に接続する仮想接続制御手段と、を備え、前記管理機能部の前記仮想接続制御手段は、前記携帯端末と前記遊技用装置とを仮想接続の対象とした後、予め定めた有価価値付与条件が成立することに基づいて、前記管理情報に含まれる前記有価価値の一部または全部を、対応する前記遊技用装置に対して付与することを特徴とする。
【0008】
前記発明において、前記管理機能部の前記仮想接続制御手段は、前記遊技用装置から有価価値付与要求を受け、当該有価価値付与要求に対する許諾を前記携帯端末から受けることを前記有価価値付与条件としてもよい。
【0009】
前記発明において、前記管理機能部の前記仮想接続制御手段は、前記携帯端末から有価価値付与要求を受け、当該有価価値付与要求に対する許諾を前記遊技用装置から受けることを前記有価価値付与条件としてもよい。
【0010】
前記発明において、前記管理機能部の前記仮想接続制御手段は、前記携帯端末から有価価値付与要求を受け、当該有価価値付与要求に対する許諾を前記携帯端末から受けることを前記有価価値付与条件としてもよい。
【0011】
前記発明において、前記管理機能部の前記仮想接続制御手段は、前記携帯端末から有価価値付与指示を受けることを前記有価価値付与条件としてもよい。
【0012】
前記発明において、前記遊技用装置はさらに、記憶している前記有価価値を前記管理機能部の前記管理情報としての管理へ移行することを指示する移行指示手段を備え、前記管理機能部の前記仮想接続制御手段は、前記携帯端末と前記遊技用装置とを仮想接続の対象とした後、前記遊技用装置の前記移行指示手段より移行指示を受けることに基づき、前記移行指示を受けた移行有価価値を対応する前記管理情報の前記有価価値に付加し、前記移行指示の送信元である前記遊技用装置に対して移行済みの前記有価価値の消去を指示するものでもよい。
【0013】
前記発明において、前記遊技用装置はさらに、予め定めた自動移行条件が成立することに基づいて、記憶している前記有価価値を前記管理機能部の前記管理情報での管理へ移行することを指示する自動移行指示手段を備え、前記管理機能部の前記仮想接続制御手段は、前記携帯端末と前記遊技用装置とを仮想接続の対象とした後、前記遊技用装置の前記自動移行指示手段より移行指示を受けることに基づき、前記移行指示を受けた移行有価価値を対応する前記管理情報の前記有価価値に付加し、前記移行指示の送信元である前記遊技用装置に対して移行済みの前記有価価値の消去を指示するものでもよい。
【0014】
前記発明において、前記遊技用装置の前記自動移行指示手段は、前記遊技機が管理する前記遊技価値が予め定めた判定値以上/超過であることを、前記自動移行条件としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の遊技システムによれば、管理機能部の仮想接続制御手段によって、携帯端末と遊技用装置とを仮想的に接続し、予め定めた有価価値付与条件が成立することに基づいて、前記管理情報に含まれる前記有価価値の一部または全部を、対応する前記遊技用装置に対して付与するので、遊技用装置のハードウェア変更を行うことなく、遊技者が所持する携帯端末から遊技用装置に対して有価価値を付与するキャッシュレス決済が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態の遊技システムの概略構成図である。
図2】遊技機と遊技用装置と管理機能部の概略機能を示す機能ブロック図である。
図3】(A)は、キャッシュレスセンタで管理している管理テーブルの一例を示すイメージ図である。(B)は、中継装置で管理している管理テーブルの一例を示すイメージ図である。
図4】登録機で会員カードと携帯端末との紐付けを登録する一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図5】(A)は、登録機で会員カードと携帯端末との紐付けを登録する過程の登録機における表示画面の遷移図である。(B)は、登録機で会員カードと携帯端末との紐付けを登録する過程の携帯端末における表示画面の遷移図である。
図6】登録機で一般カードと携帯端末との紐付けを登録する一例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図7】(A)は、登録機で一般カードと携帯端末との紐付けを登録する過程の登録機における表示画面の遷移図である。(B)は、登録機で一般カードと携帯端末との紐付けを登録する過程の携帯端末における表示画面の遷移図である。
図8】第2実施形態の遊技システムの概略構成図である。
図9】遊技用装置に挿入したカードと携帯端末との仮想接続を行う過程を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図10】(A)は、遊技用装置に挿入したカードと携帯端末との仮想接続を行う過程の遊技用装置における表示画面の遷移図である。(B)は、遊技用装置に挿入したカードと携帯端末との仮想接続が完了した後に携帯端末に表示される表示画面のイメージ図である。
図11】遊技用装置に挿入したカードと携帯端末との仮想接続が成立した後に遊技を終了して仮想接続を解消する過程を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図12】遊技を終了して仮想接続を解消した後に携帯端末に表示される表示画面のイメージ図である。
図13】キャッシュレスセンタで管理している携帯端末口座の管理テーブルの一例を示すイメージ図である。
図14】遊技用装置からの有価価値付与要求を携帯端末で許諾することでキャッシュレス入金を行う過程を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図15】(A)は、遊技用装置からの有価価値付与要求を携帯端末で許諾することでキャッシュレス入金を行う過程の遊技用装置における表示画面の遷移図である。(B)は、遊技用装置からの有価価値付与要求を携帯端末で許諾することでキャッシュレス入金を行う過程の携帯端末における表示画面の遷移図である。
図16】携帯端末からの有価価値付与要求を遊技用装置で許諾することでキャッシュレス入金を行う過程を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図17】(A)は、携帯端末からの有価価値付与要求を遊技用装置で許諾することでキャッシュレス入金を行う過程の遊技用装置における表示画面の遷移図である。(B)は、携帯端末からの有価価値付与要求を遊技用装置で許諾することでキャッシュレス入金を行う過程の携帯端末における表示画面の遷移図である。
図18】携帯端末からの有価価値付与要求を携帯端末で許諾することでキャッシュレス入金を行う過程を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図19】(A)は、携帯端末からの有価価値付与要求を携帯端末で許諾することでキャッシュレス入金を行う過程の遊技用装置における表示画面の遷移図である。(B)は、携帯端末からの有価価値付与要求を携帯端末で許諾することでキャッシュレス入金を行う過程の携帯端末における表示画面の遷移図である。
図20】携帯端末から有価価値付与指示を受けることでキャッシュレス入金を行う過程を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図21】(A)は、携帯端末から有価価値付与指示を受けることでキャッシュレス入金を行う過程の遊技用装置における表示画面の遷移図である。(B)は、携帯端末から有価価値付与指示を受けることでキャッシュレス入金を行う過程の携帯端末における表示画面の遷移図である。
図22】遊技用装置からの指示により遊技用装置で管理しているカード残高を移行して携帯端末の残高に加算するキャッシュレスチャージを行う過程を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図23】中継装置で管理している自動チャージ設定の管理テーブルの一例を示すイメージ図である。
図24】遊技用装置に対して設定された自動移行条件が成立した場合にキャッシュレスチャージを自動で行う過程を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図25】遊技用装置でカード返却操作が行われた場合にキャッシュレスチャージを自動で行う過程を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図26】携帯端末と一般カードとの紐付けを自動解除する過程の第1例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図27】携帯端末と一般カードとの紐付けを自動解除する過程の第2例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図28】携帯端末と一般カードとの紐付けの自動解除を保留して紐付けを維持する過程の第1例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図29】携帯端末と一般カードとの紐付けの自動解除を保留して紐付けを維持する過程の第2例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図30】携帯端末と一般カードとの紐付けの自動解除を保留して紐付けを維持する過程の第3例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図31】携帯端末と会員カードとの紐付けを遊技用装置からの操作で解除する過程を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図32】現金によるチャージ機能を備えた登録機である登録チャージ機から携帯端末口座にチャージする過程の第1例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録チャージ機との間の通信シーケンス図である。
図33】登録チャージ機から携帯端末口座にチャージする過程の第1例の登録チャージ機における表示画面の遷移図である。
図34】現金によるチャージ機能を備えた登録機である登録チャージ機から携帯端末口座にチャージする過程の第2例を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録チャージ機との間の通信シーケンス図である。
図35】登録チャージ機から携帯端末口座にチャージする過程の第2例の登録チャージ機における表示画面の遷移図である。
図36】精算機で会員カードの残高を移行して携帯端末の残高に加算するキャッシュレスチャージを行う過程を示す精算機と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
図37】精算機で会員カードの残高を現金精算する過程を示す精算機と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
図38】精算機で一般カードの残高を移行して携帯端末の残高に加算するキャッシュレスチャージを行う過程を示す精算機と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
図39】精算機で一般カードの残高を現金精算する過程を示す精算機と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
図40】遊技用装置で会員カードと携帯端末との紐付けを登録する過程を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末との間の通信シーケンス図である。
図41】キャッシュレスセンタで管理しているのめり込み防止用の管理テーブルの一例を示すイメージ図である。
図42】のめり込み防止の判定条件成立(来店回数上限到達)による抑止報知を行う過程を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図43】来店回数上限到達に基づく抑止報知が携帯端末に表示される表示画面のイメージ図である。
図44】のめり込み防止の判定条件成立(使用金額上限到達または遊技時間上限到達)による抑止報知を行う過程を示す遊技用装置と中継装置とキャッシュレスセンタと携帯端末と登録機との間の通信シーケンス図である。
図45】(A)は、使用金額上限到達に基づく抑止報知が携帯端末に表示される表示画面のイメージ図である。(B)は、遊技時間上限到達に基づく抑止報知が携帯端末に表示される表示画面のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、添付図面に基づいて、本発明に係る遊技システム1の実施形態を詳細に説明する。図1に示すように、遊技システム1は、複数の遊技店10とキャッシュレスセンタ20が接続されることで、利用可能となる。なお、各遊技店10は、遊技媒体の貸出のためにプリペイドシステムを導入しており、プリペイド決済センタ30とも接続されている。
【0018】
各遊技店10には、複数の遊技機11が設置され、各遊技機11と対応させて遊技用装置12が併設され、遊技用装置12が備える遊技価値付与機能により遊技価値として付与れた遊技媒体を用いて遊技機11で遊技を行うことができる。また、遊技店10内には、精算機13や登録機14が設置され、HUB15を介して、中継装置16(後に詳述)や管理装置17(遊技機11や遊技用装置12を統括的に管理する装置)と接続されている。なお、図1では省略したが、遊技店10には、遊技価値付与のために消費される有価価値を記録したプリペイドカードやプリペイドコイン等を発行する記録媒体発行機、個人情報が特定された正規会員の諸情報を管理する会員管理装置、賞品交換POSなども設置されている。
【0019】
また、遊技店10に設置される遊技機11には、遊技に用いる遊技媒体の違いから、パチンコ機やパチスロ機がある。パチンコ機では、遊技球を遊技媒体として用い、遊技球を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う。遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、遊技進行によって遊技球が入賞領域を通過すると、所定個数の遊技球が賞遊技媒体として遊技者に付与され、獲得遊技媒体数として計数される。一方、パチスロ機では、遊技メダルを遊技媒体として用い、遊技メダルの投入により回胴リールを回転させ、停止ボタンの操作あるいは時間経過によりリールが停止するような遊技進行となる。そして、リール図柄の停止状況が賞に該当していれば、所定枚数の遊技メダルが賞遊技媒体として遊技者に付与され、獲得遊技媒体数として計数される。遊技球を遊技媒体とするパチンコ機には、遊技媒体として遊技球を貸し出す制御が可能な遊技用装置12が接続され、遊技メダルを遊技媒体とするパチスロ機には、遊技媒体として遊技メダルを貸し出す制御が可能な遊技用装置12が接続される。
【0020】
なお、遊技機11において、遊技に消費した消費遊技媒体数と遊技結果として獲得した獲得遊技媒体数は、実体のある遊技球や遊技メダルを実際に計数して管理する手法に限定されるものではなく、消費遊技媒体数や獲得遊技媒体数を電子情報として扱い、演算により計数管理する手法でも構わない。
【0021】
また、遊技店10に来店した遊技者が所有する携帯端末40(スマートフォンやタブレット端末等の電子マネー決済機能を備える装置)と、遊技用装置12に挿入して使用する記録媒体50とを登録機14によって紐付けておくことができる。記録媒体50は、プリペイド決済センタ30にて管理されるプリペイド式の有価価値を電子的に記録可能であり、例えば、パチンコ機に接続された遊技用装置12に挿入して使用できるICカード51や、パチスロ機に接続された遊技用装置12に挿入して使用できるICコイン52がある。この記録媒体50としては、特定の遊技店10やその系列店において使用できる会員カードとして個人情報が特定されている遊技者が所有するものと、その遊技店10で当日中の使用に限定されて不特定の遊技者に発行される一般カードがある。そして、遊技者が所有する携帯端末40と記録媒体50との紐付けを行っておけば、後述するように、携帯端末40による支払い機能で記録媒体50へ有価価値を付与できるキャッシュレス入金が可能となる。なお、キャッシュレス入金を可能にするためには、キャッシュレスセンタ20と中継装置16によって実現される管理機能部100の処理動作が重要となる。
【0022】
次に、図2を参照して、遊技機11と遊技用装置12と管理機能部100(中継装置16およびキャッシュレスセンタ20)の概略構成を説明する。
【0023】
遊技機11は、遊技制御を行うための制御部11aと、遊技用装置12との通信を行うための遊技用装置通信部11bを備える。遊技機11から遊技用装置12へは、遊技進行に伴って発生あるいは変化する各種の遊技情報が出力され、遊技用装置12から遊技機11へは、遊技に使用できる遊技媒体を貸し出すための貸出情報が出力される。
【0024】
上述した遊技機11より遊技情報を受信する遊技用装置12は、遊技媒体の貸出などの主要機能を制御する制御部12aと、遊技機11との通信を行う遊技機通信部12bと、中継装置16との通信を制御する中継装置通信部12cと、挿入された記録媒体50を受け付けて記録媒体50から情報を読み出すと共に、記録媒体50に更新された情報などを書き込む記録媒体受付部12dとを備える。遊技用装置12は、遊技者が所有する記録媒体50を受け付けて、この記録媒体50に対応する有価価値を記憶し、有価価値を遊技価値に変換して遊技機11に付与する。記録媒体50に対応する有価価値は、記録媒体50のユニークな識別情報である記録媒体識別情報(例えば、カードID)で有価価値等を管理している管理装置17から取得できる。そして、遊技用装置12は、遊技者が所有する記録媒体50を受け付けると、この記録媒体50のカードIDを管理機能部100に送信する記録媒体識別情報送信手段としての機能を備える。有価価値から遊技価値への変換は、遊技者による玉貸要求を受けた場合などに、保有している有価価値の範囲内で有価価値を消費し、消費分の有価価値に相当する遊技媒体を遊技機11に付与するのである。なお、実体のある遊技媒体を遊技用装置12から遊技機11へ供給してもよいが、遊技用装置12から電子的な貸出情報を受けた遊技機11が貸出情報に基づく数量の遊技媒体を使用可能な遊技媒体として加算する処理を行うだけでもよい。
【0025】
また、遊技用装置12は、遊技者が所有する記録媒体50と携帯端末40とが紐付け登録されていることを条件の一つとして、有価価値を付与するために使用できるチャージ額(後述する携帯端末40の口座に入っている金額)を管理機能部100の中継装置16より決済情報として受け取る。また、チャージ額の一部もしくは全部を遊技機11への遊技媒体付与に使うことで消費した金額は、遊技用装置12から中継装置16へ決済情報として送信される。なお、遊技用装置12には、遊技機11からの遊技情報により、その遊技機11が遊技可能か否かを判定する遊技可否判定手段の機能を持たせておき、遊技可能であると判定された場合にのみ記録媒体50の受付を許容し、遊技不可能であると判定された場合には記録媒体50の受付を禁止してもよい。
【0026】
中継装置16は、遊技者が所有する携帯端末40と記録媒体50との紐付け登録やキャッシュレスチャージ等に関わる遊技店10内での処理などを行う制御部16aと、制御部16aにおける制御処理に必要な種々の情報を記憶・更新して適切に管理する情報管理部16bと、キャッシュレスセンタ20との通信を行うセンタ通信部16cと、遊技用装置12との通信を制御する遊技用装置通信部16dとを備える。この中継装置16は、キャッシュレスセンタ20より紐付け情報を受信すると、遊技店10に設置されている登録機14に挿入された記録媒体50と携帯端末40の紐付けが完了した旨を示す完了通知を、該当する登録機14へ送信する。
【0027】
キャッシュレスセンタ20は、複数の遊技店10に設置された各中継装置16と通信可能であると共に、遊技者が所有する携帯端末40との通信も可能である。キャッシュレスセンタ20は、遊技者が所有する携帯端末40と記録媒体50との紐付け登録やキャッシュレスチャージ等に関わる統括的な処理を行う制御部21と、制御部21における制御処理に必要な種々の情報を記憶・更新して適切に管理する情報管理部22と、各遊技店10の中継装置16との通信を行う中継装置通信部23と、携帯端末40との通信を制御する携帯端末通信部24とを備える。このキャッシュレスセンタ20は、携帯端末40のユニークな識別情報である携帯端末識別情報(例えば、携帯端末ID)を用いて電子取引に必要な情報を管理すると共に、この携帯端末40に割り当てた口座の入出金を管理する。この携帯端末40を所有する遊技者がキャッシュレスセンタ20の口座に入金しておくと、そのキャッシュレス残高を記録媒体50の有価価値として使用できるように、遊技用装置12へのキャッシュレス入金が可能となる。そして、遊技用装置12で遊技機11への遊技媒体付与に消費した金額を含む決済情報は、遊技用装置12から中継装置16を介してキャッシュレスセンタ20へ送信される。また、キャッシュレスセンタ20は、携帯端末40から入金されてキャッシュレス入金可能になった金額を含む決済情報を、中継装置16を介して遊技用装置12へ送信する。
【0028】
これら中継装置16およびキャッシュレスセンタ20が協働することで機能する管理機能部100は、遊技用装置12からキャッシュレスで遊技機11で使用する遊技媒体を借り受ける事を可能にするため、記録媒体50が挿入された遊技用装置12と携帯端末40とを仮想的に接続する。
【0029】
このため、管理機能部100は、中継装置16の制御部16aと遊技用装置通信部16dが協働することで、遊技用装置12から送信された記録媒体識別情報(カードID)を受信する記録媒体識別情報受信手段としての機能を備える。
【0030】
また、管理機能部100は、遊技者が所有する携帯端末40のユニークな識別情報である携帯端末識別情報(携帯ID)と、この遊技者が所有する記録媒体50のカードIDとを紐付けた情報であって、携帯端末40に対応する有価価値(口座にあるキャッシュレス残高)を含む管理情報を管理する管理手段としての機能を備える。キャッシュレスセンタ20においては、制御部21および情報管理部22が協働することで、管理手段として機能し、例えば、図3(A)に示すような管理テーブルで管理情報を管理する。中継装置16においては、制御部16aおよび情報管理部16bが協働することで、管理手段として機能し、例えば、図3(B)に示すような管理テーブルで管理情報を管理する。なお、キャッシュレスセンタ20や中継装置16で管理情報を管理する管理テーブルは、会員カードのデータベースや一般カードの発行データベース、登録済み携帯端末を管理するためのデータベースなどと連携させて必要な項目を含むように生成すればよい。
【0031】
また、管理機能部100は、記録媒体識別情報受信手段により受信した記録媒体50のカードIDに対応する管理情報に基づく情報を、カードIDの送信元である遊技用装置12に送信する管理情報送信手段としての機能を備える。管理機能部100は、遊技店10の外にあるキャッシュレスセンタ20と、遊技店10内に設けられている中継装置16とで、それぞれ管理情報を管理するので、キャッシュレスセンタ20の制御部21と中継装置通信部23、中継装置16の制御部16aと遊技用装置通信部16dが協働することで、管理情報送信手段として機能する。なお、中継装置16の機能をキャッシュレスセンタ20に設けてもよいが、遊技店10毎に設けた中継装置16によって分散処理することが効率的である。
【0032】
また、管理機能部100は、遊技用装置12に受け付けられた記録媒体50のカードIDに対応する管理情報が管理手段により管理されていれば、少なくとも、その管理情報に含まれる有価価値の移動に関する携帯端末40と遊技用装置12との間の処理を仲介することで、携帯端末40と遊技用装置12とを仮想的に接続する仮想接続制御手段としての機能を備える。携帯端末40と通信可能なキャッシュレスセンタ20の制御部21と中継装置通信部23、遊技店10に設置された登録機14と接続された中継装置16の制御部16aと遊技用装置通信部16dが協働することで、仮想接続制御手段として機能する。
【0033】
ここで、遊技者が所有する携帯端末40と記録媒体50とを紐付ける処理の一例を説明する。
【0034】
図4は、会員登録された記録媒体50(以下、単に会員カードという)と携帯端末40とを紐付ける場合の処理過程を示すシーケンス図である。登録機14に会員カードが挿入されると、登録機14は、携帯端末登録用の二次元コードを表示する(図5(A)を参照)。この二次元コードには、挿入された会員カードのカードID、この遊技店10を示す店舗ID、会員登録時に設定した会員カード暗証番号が含まれている。会員カードと紐付ける準備が整った(例えば、キャッシュレスサービス利用アプリを立ち上げた)携帯端末40で、登録機14に表示された二次元コードを読み取り、遊技者が適正な会員カード暗証番号を入力する紐付け操作をすると(図5(B)を参照)、読み取った二次元コードに含まれるカードID、店舗IDと、携帯端末40自身の携帯端末IDがキャッシュレスセンタ20へ送信される。なお、携帯端末40からキャッシュレスセンタ20への通信は、携帯会社のキャリア通信やWi-Fi(登録商標)等を使った公衆通信網を経由して行う。
【0035】
キャッシュレスセンタ20は、携帯端末40からカードID、店舗ID、携帯端末IDを受けると、カードIDと携帯端末IDを紐付けるレコードを管理情報として追加し、以降はカードIDもしくは携帯端末IDで紐付けを管理できる。この紐付け情報を含む管理情報は、受信した店舗IDに対応する遊技店10の中継装置16へ送信され、中継装置16の管理テーブルでも管理対象として追加され、紐付け管理される。キャッシュレスセンタ20は、紐付け管理の処理を実行した後、携帯端末40に対して処理完了の電文と紐付け対象となったカードIDを送信し、携帯端末40にて完了表示が行われる(図5(B)を参照)。また、中継装置16は、紐付け管理の処理を実行した後、登録機14に対して処理完了の電文と紐付け対象となった携帯端末IDを送信し、登録機14にて完了表示が行われ(図5(A)を参照)、会員カードが遊技者に返却される。
【0036】
図6は、会員登録されていない記録媒体50(以下、単に一般カードという)と携帯端末40とを紐付ける場合の処理過程を示すシーケンス図である。登録機14に現金が挿入されると、登録機14は、携帯端末登録用の二次元コードを表示する(図7(A)を参照)。この二次元コードには、発行する一般カードのカードID、この遊技店10を示す店舗ID、が含まれている。一般カードと紐付ける準備が整った(例えば、キャッシュレスサービス利用アプリを立ち上げた)携帯端末40で、登録機14に表示された二次元コードを読み取り、遊技者が一般カードとの紐付けを了承すると(図7(B)を参照)、読み取った二次元コードに含まれるカードID、店舗IDと、携帯端末40自身の携帯端末IDがキャッシュレスセンタ20へ送信される。
【0037】
キャッシュレスセンタ20は、携帯端末40からカードID、店舗ID、携帯端末IDを受けると、カードIDと携帯端末IDを紐付けるレコードを管理情報として追加し、以降はカードIDもしくは携帯端末IDで紐付けを管理できる。この紐付け情報を含む管理情報は、受信した店舗IDに対応する遊技店10の中継装置16へ送信され、中継装置16の管理テーブルでも管理対象として追加され、紐付け管理される。キャッシュレスセンタ20は、紐付け管理の処理を実行した後、携帯端末40に対して処理完了の電文と紐付け対象となったカードIDを送信し、携帯端末40にて完了表示が行われる(図7(B)を参照)。また、中継装置16は、紐付け管理の処理を実行した後、登録機14に対して処理完了の電文と紐付け対象となった携帯端末IDを送信し、登録機14にて完了表示が行われ(図7(A)を参照)、一般カードが発行される。
【0038】
上述したように、登録機14は、携帯端末40と記録媒体50とを紐付ける上で、重要な機能を担う。そこで、図8に示す第2実施形態の遊技システム1′の如く、各遊技店10に中継装置16を設けずに、中継機能を内蔵した登録機14′を用い、登録機14′とキャッシュレスセンタ20が管理機能部100′として機能するようにしても良い。
【0039】
登録機14,14′を用いて携帯端末40と記録媒体50とを紐付けておくと、遊技用装置12と携帯端末40とを仮想接続することが可能になる。図9のシーケンス図に、遊技用装置12と携帯端末40とを仮想接続させる処理過程を示す。先ず、遊技用装置12に記録媒体50(会員カードでも一般カードでもよい)を挿入すると、遊技用装置12が読み出したカードIDが中継装置16に送信され、中継装置16の管理テーブルにて、このカードIDに紐付いている携帯端末40が有るか否かをチェックする。該当する携帯端末40が無ければ、エラーとなって仮想接続は成立しない。一方、該当する携帯端末40が登録されていれば、カードIDの送信元である遊技用装置12と携帯端末40との仮想接続成立となり、遊技用装置12に携帯端末情報(携帯端末ID)を送信することで、遊技用装置12に接続中の携帯端末の情報が表示される(図10(A)を参照)。次に、中継装置16は携帯端末IDと店舗情報(店舗ID、仮想接続対象の遊技用装置12の台番号、対応する遊技機11の機種名など)を、携帯端末40に送信することで、携帯端末40に遊技中の表示が行われる(図10(B)を参照)。
【0040】
このように、遊技用装置12に記録媒体50を挿入すると、遊技用装置12と携帯端末40に接続完了の表示が行われるので、中継装置16やキャッシュレスセンタ20で行っている処理が分からない遊技者には、携帯端末40と紐付けた記録媒体50を遊技用装置12に挿入することで、携帯端末40と遊技用装置12が直接接続されたように感じられる。
【0041】
上記のようにして、携帯端末40と遊技用装置12とを仮想接続させた後、図11のシーケンス図に示すように、遊技機11で遊技を開始できる。遊技機11での遊技を行った後、遊技を終了すると、遊技用装置12から遊技情報が中継装置16およびキャッシュレスセンタ20へ送信され、キャッシュレスセンタ20から携帯端末40に遊技情報が送信され、携帯端末40に遊技終了の表示が行われる(図12を参照)。なお、遊技情報には、携帯端末40と紐付けた記録媒体50を遊技用装置12に挿入した遊技中における使用金額や遊技時間などが含まれているので、これらの遊技履歴を携帯端末40で確認したり、収支管理に役立てたりできる。
【0042】
携帯端末40と遊技用装置12との仮想接続の開始および終了は、遊技者の負担無く、簡単に行うことができる。そして、携帯端末40と遊技用装置12との仮想接続を行う大きな利点は、携帯端末40の電子マネー取扱機能により、キャッシュレスセンタ20に入金可能な口座を開設しておくと、この口座のキャッシュレス残高から引き出して、玉貸用の有価価値として使用することで、遊技用装置12に現金投入すること無く、キャッシュレス決済が可能になることである。そのために、管理機能部100の仮想接続制御手段は、携帯端末40と遊技用装置12とを仮想接続の対象とした後、予め定めた有価価値付与条件が成立することに基づいて、管理情報に含まれる有価価値の一部または全部を、対応する遊技用装置12に対して付与するものとした。なお、携帯端末40のキャッシュレス残高は、管理情報としてキャッシュレスセンタ20および中継装置16で常時管理しているが、携帯端末40の所有者が電子マネーの取扱を可能にするための金融機関や暗証番号などは、高セキュリティが求められるので、例えば、図13に示すような携帯端末口座管理テーブルとして管理しておき、これを参照して登録金融機関から携帯端末口座に入金する。
【0043】
ここで、携帯端末口座のキャッシュレス残高から遊技用装置12にキャッシュレス入金する具体例を説明する。
【0044】
図14に示す通信シーケンス図は、有価価値付与条件として、遊技用装置12からの有価価値付与要求を携帯端末40で許諾することが設定されている場合を示す。前述したように、遊技用装置12に記録媒体50(会員カードまたは一般カード)を挿入することで、この記録媒体50と紐付けられた携帯端末40と遊技用装置12との仮想接続が完了する。その後、遊技用装置12でキャッシュレス入金要求操作を行うと(図15(A)を参照)、遊技用装置12がランダムに入金用コードを生成し、携帯端末IDと入金用コードを中継装置16へ送信する。これを受けた中継装置16は、携帯端末IDと店舗IDと台番号と入金用コードを含む情報をキャッシュレスセンタ20へ送信する。これを受けたキャッシュレスセンタ20は、携帯端末IDに該当する携帯端末40へ店舗名と台番号とキャッシュレス残高と入金用コードを通知する。
【0045】
この通知を受けた携帯端末40の画面には、入金額の選定とセキュリティのための入金用コード入力欄が表示され(図15(B)を参照)、キャッシュレス入金許諾操作を遊技者に促す。そして、遊技者が入金額を選択すると共に、遊技用装置12が生成して画面に表示している入金用コードを正しく入力することでキャッシュレス入金許諾操作を行われると、携帯端末40からキャッシュレスセンタ20へ入金額と携帯端末IDが送信され、これを受けたキャッシュレスセンタ20が中継装置16に対して、台番号と入金額と携帯端末IDを送信することで、キャッシュレス入金の実行を指示する。これを受けた中継装置16は、キャッシュレス入金の要求元である遊技用装置12に対して、入金額と携帯端末IDを送信することでキャッシュレス入金の実行を促し、これを受けた遊技用装置12にてキャッシュレス入金が実行される。そして、キャッシュレス入金された金額は遊技用装置12において管理され、遊技者の玉貸要求を受ける毎に消費されて、相当数量の遊技媒体が遊技機11に付与される。
【0046】
上記のようにして遊技用装置12へのキャッシュレス入金が完了すると、遊技用装置12から中継装置16へ完了情報が送信され、中継装置16では、該当する仮想接続対象の携帯端末40における管理情報のキャッシュレス残高を更新し、完了情報をキャッシュレスセンタ20へ送信する。これを受けたキャッシュレスセンタ20においても、該当する仮想接続対象の携帯端末40における管理情報のキャッシュレス残高を更新し、完了情報を携帯端末40へ送信する。これを受けた携帯端末40は、キャッシュレス残高(携帯残高)やカード残高等を含む入金完了画面を表示する(図15(B)を参照)。
【0047】
なお、キャッシュレス入金された金額を即座にプリペイドカードに全て入金してもよいが、一旦プリペイドカードに入金されると、それはプリペイド会社の売上となってプリペイド決済センタ30へ送信されるので、カード残高の精算が煩雑となってしまう。そこで、キャッシュレス入金された金額は、遊技用装置12において管理しておき、遊技者の玉貸要求を受ける毎に要求額分(但し、予め定められている最低入金額以上)をプリペイドカードに入金し、即座に入金分を玉貸に消費するような処理を行えば、キャッシュレス入金による金額は、遊技用装置12における預り金となるので、玉貸に使用されずに残った残金を再び携帯口座へ戻すキャッシュレスチャージの処理が容易となる。但し、キャッシュレス入金により遊技用装置12が管理している金額も、見かけ上はプリペイドカードに入金されたカード残高として表示しておく。
【0048】
また、上述したキャッシュレス入金の処理では、セキュリティのために、遊技用装置12で生成した入金用コードを携帯端末40で入力させるものとしたが、これに限らず、公知既存のセキュリティ手法を採用して構わない。例えば、携帯端末40を登録する際に設定したパスコードや登録金融機関で使用している暗証番号などをキャッシュレスセンタ20で管理しておき、キャッシュレス入金許諾操作で携帯端末40に入力されたパスコードや暗証番号をキャッシュレスセンタ20でチェックするようにしても構わない。さらに、管理機能部100の仮想接続制御手段が、携帯端末40と遊技用装置12とを仮想接続の対象とした後、遊技用装置12の遊技可否判定手段により遊技機11が遊技可能であると判定された場合に限って、遊技用装置12が受け付けた記録媒体50に対応する管理情報の有価価値(この記録媒体50と紐付けられた携帯端末40のキャッシュレス残高)を遊技用装置12に付与可能となるようにしてもよい。このような入金条件を設定しておけば、遊技不能な遊技機11に対応する遊技用装置12に挿入した記録媒体50に無駄なキャッシュレス入金をしてしまう事態を回避できる。
【0049】
図16に示す通信シーケンス図は、有価価値付与条件として、携帯端末40からの有価価値付与要求を遊技用装置12で許諾することが設定されている場合を示す。前述したように、遊技用装置12に記録媒体50(会員カードまたは一般カード)を挿入することで、この記録媒体50と紐付けられた携帯端末40と遊技用装置12との仮想接続が完了する。その後、携帯端末40でキャッシュレス入金要求操作を行うと、入金額の入力を促す画面が表示される(図17(B)を参照)。入金額が選択されると、携帯端末40がランダムに入金用コードを生成し、入金額と携帯端末IDと入金用コードをキャッシュレスセンタ20へ送信する。これを受けたキャッシュレスセンタ20は、仮想接続の対象となっている遊技用装置12の台番号と入金額と携帯端末IDと入金用コードを含む情報を、対象の遊技店10の中継装置16へ送信する。これを受けた中継装置16は、入金額と携帯端末IDと入金用コードを対象の遊技用装置12へ通知する。
【0050】
この通知を受けた遊技用装置12の画面には、セキュリティのための入金用コード入力欄が表示され(図17(A)を参照)、キャッシュレス入金許諾操作を遊技者に促す。そして、遊技者が入金額を選択すると共に、携帯端末40が生成した入金用コードを正しく入力することでキャッシュレス入金許諾操作を行われると、遊技用装置12から中継装置16へ入金額と携帯端末IDが送信され、これを受けた遊技用装置12がキャッシュレスセンタ20に対して、入金額と携帯端末IDと店舗IDと台番号を送信することで、キャッシュレス入金の実行を依頼する。これを受けたキャッシュレスセンタ20は、キャッシュレス入金を実行し、対象の遊技店10の中継装置16に対して、台番号と入金額と携帯端末IDを送信することでキャッシュレス入金の実行を促す。これを受けた中継装置16は、キャッシュレス入金を実行し、対象の遊技用装置12に対して入金額と携帯端末IDを送信し、これを受けた遊技用装置12にてキャッシュレス入金が実行される。キャッシュレス入金が実行されると、遊技用装置12からの完了情報に基づいて、中継装置16,キャッシュレスセンタ20、携帯端末40にて、前述した完了処理が行われる。
【0051】
なお、上述したキャッシュレス入金の処理では、セキュリティのために、携帯端末40で生成した入金用コードを遊技用装置12で入力させるものとしたが、これに限らず、公知既存のセキュリティ手法を採用して構わない。例えば、携帯端末40を登録する際に設定したパスコードや登録金融機関で使用している暗証番号などをキャッシュレスセンタ20で管理しておき、キャッシュレス入金許諾操作で遊技用装置12に入力されたパスコードや暗証番号をキャッシュレスセンタ20でチェックするようにしても構わない。
【0052】
図18に示す通信シーケンス図は、有価価値付与条件として、携帯端末40からの有価価値付与要求を携帯端末40で許諾することが設定されている場合を示す。前述したように、遊技用装置12に記録媒体50(会員カードまたは一般カード)を挿入することで、この記録媒体50と紐付けられた携帯端末40と遊技用装置12との仮想接続が完了する。その後、携帯端末40でキャッシュレス入金要求操作を行うと、入金額の入力を促す画面が表示され(図19(B)を参照)、入金額が選択されると、入金額と携帯端末IDをキャッシュレスセンタ20へ送信する。これを受けたキャッシュレスセンタ20は、携帯端末40を登録する際に設定された入金用コードを取得し、対象の携帯端末40へ入金用コードを送信する。この入金用コードを受けた携帯端末40は、入金用コードの入力画面を表示し、遊技者による入金用コードの入力を促す。
【0053】
そして、携帯端末40にて、遊技者が入金用コードを正しく入力することでキャッシュレス入金許諾操作を行われると、携帯端末40からキャッシュレスセンタ20へ入金額と携帯端末IDが送信され、これを受けたキャッシュレスセンタ20が中継装置16に対して、台番号と入金額と携帯端末IDを送信することで、キャッシュレス入金の実行を指示する。これを受けた中継装置16は、キャッシュレス入金先である遊技用装置12に対して、入金額と携帯端末IDを送信することでキャッシュレス入金の実行を促し、これを受けた遊技用装置12にてキャッシュレス入金が実行される(図19(A)を参照)。キャッシュレス入金が実行されると、遊技用装置12からの完了情報に基づいて、中継装置16,キャッシュレスセンタ20、携帯端末40にて、前述した完了処理が行われる。
【0054】
なお、上述したキャッシュレス入金の処理では、セキュリティのために、事前に登録してある入金用コードをキャッシュレスセンタ20から携帯端末40へ送信し、入金用コードの適否を携帯端末40にてチェックするものとしたが、例えば、携帯端末40から遊技者が入力した入金用コードをキャッシュレスセンタ20へ送信し、キャッシュレスセンタ20にて、入力された入金用コードと登録された入金用コードとのチェックを行うようにしても構わない。
【0055】
図20に示す通信シーケンス図は、有価価値付与条件として、携帯端末40から有価価値付与要求を受けることが設定されている場合を示す。そもそも、携帯端末40は、遊技者が所有しており、その遊技者が所有している記録媒体50との紐付けを遊技店10にて登録しているのであるから、管理機能部100にて仮想接続の管理対象として管理情報が管理されている携帯端末40は真正の遊技者の手元にあるものと看做し、許諾操作を省略することで、キャッシュレス入金の操作を簡易に行えるようにすれば、遊技システム1,1′の利便性を高めることができる。
【0056】
前述したように、遊技用装置12に記録媒体50(会員カードまたは一般カード)を挿入することで、この記録媒体50と紐付けられた携帯端末40と遊技用装置12との仮想接続が完了する。その後、携帯端末40でキャッシュレス入金要求操作を行うと、入金額の入力を促す画面が表示され(図21(B)を参照)、入金額が選択されると、入金額と携帯端末IDをキャッシュレスセンタ20へ送信する。これを受けたキャッシュレスセンタ20が中継装置16に対して、台番号と入金額と携帯端末IDを送信することで、キャッシュレス入金の実行を指示する。これを受けた中継装置16は、キャッシュレス入金先である遊技用装置12に対して、入金額と携帯端末IDを送信することでキャッシュレス入金の実行を促し、これを受けた遊技用装置12にてキャッシュレス入金が実行される(図21(A)を参照)。キャッシュレス入金が実行されると、遊技用装置12からの完了情報に基づいて、中継装置16,キャッシュレスセンタ20、携帯端末40にて、前述した完了処理が行われる。
【0057】
上述したように、遊技システム1,1′によれば、管理機能部100の仮想接続制御手段によって、携帯端末40と遊技用装置12とを仮想的に接続し、予め定めた有価価値付与条件が成立することに基づいて、管理情報に含まれる有価価値(キャッシュレス残高)の一部または全部を、対応する遊技用装置12に対して付与するので、遊技用装置12のハードウェア変更を行うことなく、遊技者が所持する携帯端末40から遊技用装置12に対して有価価値を付与するキャッシュレス決済が可能になる。
【0058】
なお、キャッシュレス入金を実行することによって、遊技用装置12からプリペイドカードとしての記録媒体50への入金をキャッシュレスで便利に行えるものの、遊技終了時にプリペイドカードに残っている残高については、精算機13で現金精算するなどの処理が必要となり、煩雑である。そこで、遊技用装置12で管理しているキャッシュレス残高を、携帯端末40の口座に戻すことが出来れば、遊技システム1,1′の使い勝手が一層よくなる。例えば、遊技用装置12は、記憶している有価価値を管理機能部100の管理情報としての管理へ移行することを指示する移行指示手段を備え、管理機能部100の仮想接続制御手段は、携帯端末40と遊技用装置12とを仮想接続の対象とした後、遊技用装置12の移行指示手段より移行指示を受けることに基づき、移行指示を受けた移行有価価値を対応する管理情報の有価価値に付加し、移行指示の送信元である遊技用装置12に対して移行済みの前記有価価値の消去を指示する構成とすれば、遊技用装置12で管理しているキャッシュレス残高を、携帯端末40の口座に戻すことができる。
【0059】
図22に示す通信シーケンス図は、遊技用装置12からの指示により遊技用装置12で管理しているカード残高を移行して携帯端末40の残高に加算するキャッシュレスチャージを行う過程を示す。すなわち、プリペイドカードとしての記録媒体50に入金していない残高は、プリペイド決済センタ30の売上として扱われていないので、遊技用装置12からキャッシュレスセンタ20で管理している携帯端末40の口座にキャッシュレスチャージの処理を行うことで、携帯端末40のキャッシュレス残高に戻すことができるのである。
【0060】
例えば、遊技用装置12にて管理しているカード残高がある状態で、遊技者がキャッシュレスチャージ操作を行うと、カードIDとカード残高が中継装置16へ送信され、中継装置16にて該当する携帯端末40のキャッシュレス残高を更新し、携帯端末IDと店舗IDと台番号とカード残高をキャッシュレスセンタ20へ送信する。これを受けたキャッシュレスセンタ20は、該当する携帯端末40のキャッシュレス残高を更新し、管理情報を中継装置16へ送信する。これを受けた中継装置16は、該当する遊技用装置12へ完了情報を送信する。これを受けた遊技用装置12は、キャッシュレスチャージで戻したカード残高をクリアし、完了情報を中継装置16へ送信する。遊技用装置12からの完了情報に基づいて、中継装置16およびキャッシュレスセンタ20は処理の完了を確認し、キャッシュレスセンタ20から取引情報を受けた携帯端末40では、遊技用装置12から戻された額により更新されたキャッシュレス残高を含む取引情報が画面表示される。
【0061】
さらに、特定の条件が成立した時に、遊技用装置12で管理しているキャッシュレス残高を、携帯端末40の口座に戻す処理を、自動で行うことができれば、一層利便性がよくなる。例えば、遊技用装置12は、予め定めた自動移行条件が成立することに基づいて、記憶している有価価値を管理機能部100の管理情報での管理へ移行することを指示する自動移行指示手段を備え、管理機能部100の仮想接続制御手段は、携帯端末40と遊技用装置12とを仮想接続の対象とした後、遊技用装置12の自動移行指示手段より移行指示を受けることに基づき、前記移行指示を受けた移行有価価値を対応する管理情報の有価価値に付加し、移行指示の送信元である遊技用装置12に対して移行済みの有価価値の消去を指示する構成とすれば、自動移行条件の成立に基づいて、遊技用装置12で管理しているキャッシュレス残高を、携帯端末40の口座に戻すことができる。このような自動チャージを行うかどうかを遊技者が自ら設定できれば、一層、利便性を高めることができる。例えば、図23に示すような自動チャージ設定管理テーブルを中継装置16(あるいは、キャッシュレスセンタ20)で管理しておき、該当する記録媒体50が挿入されている遊技用装置12は、自動チャージ設定の設定種別に応じた条件で、自動チャージを実行する。
【0062】
図24の通信シーケンス図は、遊技用装置12に対する自動移行条件として「遊技媒体数≧所定数」となること(例えば、自動チャージ設定1)が設定され、自動移行条件が成立した場合にキャッシュレスチャージを自動で行う過程を示す。この自動チャージ設定1は、遊技機11が管理する遊技価値が予め定めた判定値以上/超過であることを、自動移行条件とするもので、遊技機11で使用可能な遊技媒体が潤沢にあるときは、カード残高を消費して玉貸を受ける必要がないことから、これ以上のカード残高使用を避けるために設定しておくと便利である。
【0063】
カード挿入による仮想接続が成立し、キャッシュレス入金が行われて、遊技用装置12で管理しているキャッシュレス残高があり、設定済みの自動チャージ条件が成立したとき、自動チャージのために、遊技用装置12から中継装置16へカードIDとカード残高が送信される。これを受けた中継装置16は、このカードIDに紐付けされている携帯端末40を特定し、そのキャッシュレス残高に遊技用装置12からのカード残高を加算し、カード残高を更新し、キャッシュレスセンタ20へ携帯端末IDと店舗IDと台番号とカード残高を送信する。これを受けたキャッシュレスセンタ20は、該当する携帯端末のキャッシュレス残高にカード残高を加算して更新し、完了情報を中継装置16へ送信する。これを受けた中継装置16は完了情報をキャッシュレスチャージ要求元の遊技用装置12へ送信し、これを受けた遊技用装置12は、カード残高をクリアし、完了情報を中継装置16へ送信する。遊技用装置12からの完了情報に基づいて、中継装置16およびキャッシュレスセンタ20は処理の完了を確認し、キャッシュレスセンタ20から取引情報を受けた携帯端末40では、遊技用装置12から戻された額により更新されたキャッシュレス残高を含む取引情報が画面表示される。
【0064】
なお、自動移行条件の成否を判定するタイミングは、特に限定されるものではなく、任意に設定して構わない。例えば、遊技機11から遊技情報を受信したタイミングで遊技媒体数を確定し、自動チャージ条件の成否を判定してもよいし、遊技者が遊技機11の計数ボタンを押して遊技用装置12が計数完了したタイミングで遊技媒体数を確定し、自動チャージ条件の成否を判定してもよい。
【0065】
また、図25の通信シーケンス図は、遊技用装置12でカード返却操作が行われたことを自動移行条件(例えば、自動チャージ設定2)として設定し、自動移行条件が成立した場合にキャッシュレスチャージを自動で行う過程を示す。この自動チャージ設定2は、記録媒体50を挿入中の遊技用装置12に接続された遊技機11での遊技を終了するとき、遊技用装置12のカード残高を自動で携帯端末40のキャッシュレス残高に戻せるので、わざわざカード返却前にカード残高を移行させておく必要がなく便利である。
【0066】
カード挿入による仮想接続が成立し、キャッシュレス入金が行われて、遊技用装置12で管理しているキャッシュレス残高があり、カード返却操作が実行されることで自動チャージ条件が成立したとき、自動チャージのために、遊技用装置12から中継装置16へカードIDとカード残高が送信される。これを受けた中継装置16は、このカードIDに紐付けされている携帯端末40を特定し、そのキャッシュレス残高に遊技用装置12からのカード残高を加算し、カード残高を更新し、キャッシュレスセンタ20へ携帯端末IDと店舗IDと台番号とカード残高を送信する。これを受けたキャッシュレスセンタ20は、該当する携帯端末のキャッシュレス残高にカード残高を加算して更新し、完了情報を中継装置16へ送信する。これを受けた中継装置16は完了情報をキャッシュレスチャージ要求元の遊技用装置12へ送信し、これを受けた遊技用装置12は、カード残高をクリアすると共に挿入中の記録媒体50を排出し、完了情報を中継装置16へ送信する。遊技用装置12からの完了情報に基づいて、中継装置16およびキャッシュレスセンタ20は処理の完了を確認し、キャッシュレスセンタ20から取引情報を受けた携帯端末40では、遊技用装置12から戻された額により更新されたキャッシュレス残高を含む取引情報が画面表示される。
【0067】
そのほかの自動チャージ条件として、遊技用装置12にチャージしてから玉貸操作による有価価値から遊技媒体への変換を行うことなく、遊技機11での遊技において比較的短時間に多くの遊技利益を得られる大当り等の有利状態が発生した場合がある。例えば、遊技用装置12は、遊技機情報受信手段により受信した遊技機11に関する情報に基づいて、遊技機11において遊技者にとって有利な有利状態が発生したか否かを判定する遊技機有利状態判定手段を備え、管理機能部100の仮想接続制御手段は、携帯端末40と遊技用装置12とを仮想接続の対象とした後、付与された有価価値が当該遊技用装置12で遊技価値に変換される前に、遊技機有利状態判定手段により遊技機11が有利状態であると判定された場合、遊技用装置12に残っている有価価値を、記録媒体50に対応する管理情報の有価価値に付加し、対応する遊技用装置12に対して有価価値の消去を指示する構成とする。遊技機11での遊技において有利状態が発生すると、遊技価値である遊技媒体が遊技利益として得られるので、前述した自動チャージ設定1と同じく、カード残高を消費して玉貸を受ける必要がないからである。
【0068】
上述したように、仮想接続された携帯端末40と遊技用装置12は、携帯端末40と紐付けされた記録媒体50が遊技用装置12から排出されると、仮想接続の対象である遊技用装置12が存在しなくなるので、仮想接続を保持するための管理情報は不要となるので、中継装置16やキャッシュレスセンタ20の管理テーブルの該当するレコードから不要情報(例えば、店舗IDと台番号)を削除し、携帯端末40と記録媒体50との紐付けは保持されたままとする。なお、携帯端末40と紐付けされた記録媒体50が会員カードであり、遊技者が所有したまま遊技店10から出られる場合は、携帯端末40と記録媒体50との紐付けを保持したままでもよいが、記録媒体50と紐付けされた記録媒体50が一般カードの場合、一般カードが店外に持ち出されないように、紐付けを解除して遊技店10で回収する必要がある。このような紐付け解除処理を自動で行えれば、会員ではない一般客の利便性を高めることができる。
【0069】
図26の通信シーケンス図は、携帯端末40と一般カードとの紐付けを自動解除する過程の第1例を示す。携帯端末40と紐付け済みの記録媒体50(一般カード)が挿入された遊技用装置12で、キャッシュレス残高を消費し、残高がゼロになると、遊技機11での遊技を続けるために更なる玉貸を受ける意思がないものと推定される。そこで、遊技用装置12の残高がゼロになってから所定時間(例えば、10分)が経過すると、紐付け解除条件が成立したものとして、遊技用装置12が中継装置16へカードIDを送信することで紐付け解除依頼を行う。これを受けた中継装置16は、管理テーブルから該当するカードIDを含むレコードを削除して紐付け解除処理を行い、キャッシュレスセンタ20に対して紐付け解除のためのカードID送信を行う。これを受けたキャッシュレスセンタ20は、管理テーブルから該当するカードIDを含むレコードを削除して紐付け解除処理を行い、携帯端末40に対して紐付け解除結果を送信する。これにより、携帯端末40の画面には、一般カードである記録媒体50との紐付けが解除されたことが表示されるので、紐付け解除を確認した遊技者は、そのまま遊技機11から離れることができる。
【0070】
図27の通信シーケンス図は、携帯端末40と一般カードとの紐付けを自動解除する過程の第2例を示す。携帯端末40と紐付け済みの記録媒体50(一般カード)が挿入された遊技用装置12で、キャッシュレス残高を消費し、残高がゼロになった後、遊技機11での遊技を続けるために遊技者が遊技用装置12に現金を投入すると、携帯端末40の口座からキャッシュレス入金を利用する意思がないものと推定される。そこで、遊技用装置12に現金が入金されると、紐付け解除条件が成立したものとして、遊技用装置12が中継装置16へカードIDを送信することで紐付け解除依頼を行う。これを受けた中継装置16は、管理テーブルから該当するカードIDを含むレコードを削除して紐付け解除処理を行い、キャッシュレスセンタ20に対して紐付け解除のためのカードID送信を行う。これを受けたキャッシュレスセンタ20は、管理テーブルから該当するカードIDを含むレコードを削除して紐付け解除処理を行い、携帯端末40に対して紐付け解除結果を送信する。これにより、携帯端末40の画面には、一般カードである記録媒体50との紐付けが解除されたことが表示されるので、紐付け解除を確認した遊技者は、そのまま遊技機11から離れることができる。
【0071】
しかしながら、遊技用装置12の残高がゼロになった後でも、遊技者は、携帯端末40と記録媒体50との紐付けの維持を望んでいる可能性もある。例えば、図28の通信シーケンス図に示すように、残高がゼロ円になった後、所定時間が経過する前に計数処理を実行した場合、遊技用装置12は紐付け解除依頼を行わず、紐付けを継続する。また、図29の通信シーケンス図に示すように、残高がゼロ円になった後、所定時間が経過する前に遊技機11でアウト検知された場合、遊技用装置12は紐付け解除依頼を行わず、紐付けを継続する。また、図30の通信シーケンス図に示すように、残高がゼロ円になった後、所定時間が経過する前にキャッシュレス入金操作が行われた場合、遊技用装置12は紐付け解除依頼を行わず、紐付けを継続する。
【0072】
一方、会員カードである記録媒体50と携帯端末40とを紐付けている場合、紐付けを解除するためには、遊技者による紐付け解除の意思表示に基づいて行うことが望ましい。図31の通信シーケンス図は、携帯端末40と会員カードである記録媒体50との紐付けを遊技用装置12からの操作で解除する過程を示す。遊技者が遊技用装置12で紐付け解除操作を行うと、遊技用装置12が中継装置16へカードIDを送信することで紐付け解除依頼を行う。これを受けた中継装置16は、管理テーブルから該当するカードIDを含むレコードを削除して紐付け解除処理を行い、キャッシュレスセンタ20に対して紐付け解除のためのカードID送信を行う。これを受けたキャッシュレスセンタ20は、管理テーブルから該当するカードIDを含むレコードを削除して紐付け解除処理を行い、携帯端末40に対して紐付け解除結果を送信する。これにより、携帯端末40の画面には、会員カードである記録媒体50との紐付けが解除されたことが表示され、遊技者の希望通りに紐付け解除が実行された事を確認できる。
【0073】
上述した遊技用装置12へのキャッシュレス入金は、携帯端末40の口座にチャージ残高がなければ利用できず、携帯端末40の電子マネー支払い機能を使って、予めキャッシュレスセンタ20の携帯端末口座にチャージしておく必要がある。しかしながら、金融機関からの入金処理を使わずに、携帯端末口座にチャージできると、遊技システム1,1′の利便性を一層高められる。例えば、登録機14に現金でのチャージ機能を持たせた登録チャージ機を遊技店10に設置しておき、この登録チャージ機を使って記録媒体50に紐付いた携帯端末40の携帯端末口座へチャージする過程の第1例を、図32の通信シーケンス図に示す。登録チャージ機に記録媒体50を挿入すると、カードIDが中継装置16へ送信され、中継装置16にてこのカードIDに紐付けされている携帯端末40をチェックし、該当する携帯端末口座のキャッシュレス残高を登録チャージ機へ送信する。次いで、登録チャージ機は該当口座の残高を表示すると共にチャージ用の現金投入を促す画面を表示する(図33を参照)。登録チャージ機に現金が挿入されてチャージ額が選択されると、チャージ要求額を中継装置16へ送信し、これを受けた中継装置16は、携帯端末口座の残高を更新し、更新後の携帯端末残高と処理完了の電文を登録チャージ機へ送信する。チャージが完了したことで、登録チャージ機から記録媒体50が返却される。また、この携帯端末残高の更新に伴い、中継装置16からキャッシュレスセンタ20へ更新金額と店舗IDと携帯端末IDが送信され、キャッシュレスセンタ20においても携帯端末口座の残高が更新される。
【0074】
図34に示す通信シーケンス図は、現金によるチャージ機能を備えた登録機である登録チャージ機から携帯端末口座にチャージする過程の第2例を示し、携帯端末40と紐付いた記録媒体50を使わず、携帯端末40のみで携帯端末口座へのチャージが行えるものである。先ず、登録チャージ機に表示された二次元コードを携帯端末40で読み取り、登録チャージ機IDと携帯端末IDをキャッシュレスセンタ20へ送信する。二次元コードに含まれているチャージ連携番号が携帯端末40に表示され、キャッシュレスセンタ20にてこの登録チャージ機IDを元に中継装置16を特定し、特定された中継装置16へ登録チャージ機IDと携帯端末IDを送信する。これを受けた中継装置16は、店内の登録チャージ機にてチャージが行われるのを待機する。
【0075】
一方、登録チャージ機から二次元コードを読み取った携帯端末40は、二次元コードに含まれていたチャージ連携番号を画面に表示し、登録チャージ機に表示されたチャージ連携番号入力画面に正しいチャージ連携番号を入力することを促す。遊技者が登録チャージ機へチャージ連携番号を手入力し、現金を挿入し、チャージ額を選択すると(図35を参照)、登録チャージ機IDとチャージ要求額が中継装置16へ送信され、これを受けた中継装置16は、携帯端末口座の残高を更新し、更新後の携帯端末残高と処理完了の電文を登録チャージ機へ送信する。チャージが完了したことで、登録チャージ機にチャージの完了が表示される。また、この携帯端末残高の更新に伴い、中継装置16からキャッシュレスセンタ20へ更新金額と店舗IDと携帯端末IDが送信され、キャッシュレスセンタ20においても携帯端末口座の残高が更新される。なお、キャッシュレスセンタ20から携帯端末40へ処理完了を知らせることで、携帯端末40でもチャージの完了を確認できるようにしてもよい。
【0076】
次に、記録媒体50に記録したカード残高を精算機13で精算する場合について、いくつかの例を示す。
【0077】
図36の通信シーケンス図は、精算機13で会員カードである記録媒体50の残高を移行して携帯端末40の残高に加算するキャッシュレスチャージを行う過程を示す。精算機13に会員カードが挿入されると、カードIDとカード残高が中継装置16に送信され、これを受けた中継装置16がカードIDで登録されている記録媒体50と紐付けられた携帯端末40をチェックし、携帯端末IDと携帯端末残高を精算機13へ送信する。これを受けた精算機13は、携帯端末40のキャッシュレス残高などと併せて、精算方法を選択可能に表示する。遊技者によりキャッシュレス精算が選択されると、精算機13はキャッシュレス精算の実行を促す電文を中継装置16へ送信し、これを受けた中継装置16は、該当する携帯端末40の携帯端末口座における残高を更新(記録されているキャッシュレス残高にカード残高を加算した金額で上書き)する。キャッシュレスセンタ20においても同様に携帯端末残高の更新が行われ、携帯端末40には精算実行画面が表示され、精算処理の完了に伴って精算機13から会員カードが排出される。
【0078】
図37の通信シーケンス図は、精算機13で会員カードである記録媒体50の残高を現金精算する過程を示す。精算機13に会員カードが挿入されると、カードIDとカード残高が中継装置16に送信され、これを受けた中継装置16がカードIDで登録されている記録媒体50と紐付けられた携帯端末40をチェックし、携帯端末IDと携帯端末残高を精算機13へ送信する。これを受けた精算機13は、携帯端末40のキャッシュレス残高などと併せて、精算方法を選択可能に表示する。遊技者により現金精算が選択されると、精算機13は現金精算の実行を促す電文を中継装置16へ送信し、これを受けた中継装置16は、該当する携帯端末40の携帯端末口座における残高を更新しないことで、現金精算を完了する。中継装置16から処理完了の電文を受けた精算機13は、会員カードを排出し、現金を排出する。なお、携帯端末40の携帯端末口座におけるキャッシュレス残高に変更はないので、キャッシュレスセンタ20との同期を取る必要はないが、遊技履歴として精算額などを記録している場合には、キャッシュレスセンタ20へも現金精算に関する情報を送信しておけばよい。
【0079】
図38の通信シーケンス図は、精算機13で一般カードである記録媒体50の残高を移行して携帯端末40の残高に加算するキャッシュレスチャージを行う過程を示す。精算機13に一般カードが挿入されると、カードIDとカード残高が中継装置16に送信され、これを受けた中継装置16がカードIDで登録されている記録媒体50と紐付けられた携帯端末40をチェックし、携帯端末IDと携帯端末残高を精算機13へ送信する。これを受けた精算機13は、携帯端末40のキャッシュレス残高などと併せて、精算方法を選択可能に表示する。遊技者によりキャッシュレス精算が選択されると、精算機13はキャッシュレス精算の実行を促す電文を中継装置16へ送信し、これを受けた中継装置16は、該当する携帯端末40の携帯端末口座における残高を更新すると共に、携帯端末40と記録媒体50との紐付けを解除する。キャッシュレスセンタ20においても同様に携帯端末残高の更新と紐付け解除が行われ、携帯端末40には精算実行画面が表示され、精算処理の完了に伴って精算機13は一般カードを回収する。
【0080】
図39の通信シーケンス図は、精算機13で一般カードである記録媒体50の残高を現金精算する過程を示す。精算機13に一般カードが挿入されると、カードIDとカード残高が中継装置16に送信され、これを受けた中継装置16がカードIDで登録されている記録媒体50と紐付けられた携帯端末40をチェックし、携帯端末IDと携帯端末残高を精算機13へ送信する。これを受けた精算機13は、携帯端末40のキャッシュレス残高などと併せて、精算方法を選択可能に表示する。遊技者により現金精算が選択されると、精算機13は現金精算の実行を促す電文を中継装置16へ送信し、これを受けた中継装置16は、該当する携帯端末40の携帯端末口座における残高を更新せずに紐付けを解除し、キャッシュレスセンタ20に対して携帯端末IDと携帯端末残高を送信して現金精算を知らせる。これにより、キャッシュレスセンタ20においても、該当する携帯端末40の携帯端末口座における残高を更新せずに紐付けを解除し、紐付け解除の電文を携帯端末40へ送信する。これにより、携帯端末40の表示画面には、記録媒体50との紐付けが解除された旨が表示される。一方、中継装置16から処理完了の電文を受けた精算機13は、一般カードを回収し、現金を排出する。
【0081】
上述した携帯端末40と記録媒体50との紐付けは、登録機14あるいは登録チャージ機を利用して行うものであったが、遊技用装置12で紐付け操作を行うことができれば、そのまま遊技機11での遊技を開始できるので、非常に利便性がよい。
【0082】
図40に示す通信シーケンス図は、遊技用装置12で会員カードである記録媒体50と携帯端末40との紐付けを登録する過程を示す。先ず、遊技用装置12に会員カードを挿入し、遊技用装置12の画面表示に従って登録操作を遊技者が行うと、遊技用装置12はカードIDを中継装置16へ送信して、登録処理の開始を促す。これを受けた中継装置16は、登録処理を開始し、カードIDや店舗IDを含む二次元コードを生成し、この二次元コード情報を遊技用装置12へ送信する。これを受けた遊技用装置12に表示される二次元コードを携帯端末40にて読み取り、紐付けようとしている記録媒体50を挿入中の遊技用装置12の台番号や遊技店名などが表示され、遊技者が間違いないことを確認して登録操作を行うと、携帯端末40からキャッシュレスセンタ20へ携帯端末IDと店舗IDとカードIDが送信され、キャッシュレスセンタ20にて携帯端末40と記録媒体50とを紐付けて管理する管理情報が生成され、紐付け処理が実行される。紐付け処理が完了すると、キャッシュレスセンタ20は紐付け情報を中継装置16へ送信することで、中継装置16においても同様の管理情報が生成されて紐付け管理が実行される。キャッシュレスセンタ20は、紐付け処理が完了すると、完了情報を携帯端末40へ送信することで、携帯端末40に紐付け完了の画面が表示され、また、紐付け管理を行うようになった中継装置16は、完了情報を遊技用装置12へ送信することで、遊技用装置12に紐付け完了の画面が表示される。
【0083】
また、遊技システム1,1′は、複数の遊技店10にて適用可能であるから、携帯端末40の所有者である遊技者が、遊技システム1,1′の導入されている遊技店10を利用した場合、各遊技店10での遊技履歴などを記録して、キャッシュレスセンタ20にて一括管理しておけば、のめり込み防止のために活用することもできる。
【0084】
のめり込みを防止するために、遊技店10を訪れる回数を制限したり、遊技に使用する金額を制限したり、遊技時間を制限したりすることが有効と考えられている。そこで、図41に示すようなのめり込み防止用の管理テーブルを、キャッシュレスセンタ20にて管理しておき、各店舗の中継装置16から得られる情報の内、特定の携帯端末40を所有している遊技客の来店回数や使用金額や遊技時間を累積管理しておけば、のめり込み防止のための啓発に利用できる。なお、のめり込み防止に設定した条件は様々であるから、多様な条件設定ができるように、任意の判定期間(週単位や月単位など)を設定できると共に、複数の条件を並列的に監視できるようにすることが望ましい。
【0085】
図42は、のめり込み防止の判定条件成立(来店回数上限到達)による抑止報知を行う過程を示す通信シーケンス図である。ある遊技店10の遊技用装置12に挿入された記録媒体50のカードIDが、遊技用装置12から中継装置16へ送信されると、中継装置16は、このカードIDに紐付けされている携帯端末40をチェックし、携帯端末情報を遊技用装置12へ送信することで、遊技用装置12に携帯端末情報が表示される。一方、中継装置16から携帯端末IDと店舗情報を受けたキャッシュレスセンタ20は、のめり込み防止用管理テーブルに携帯端末IDが登録されているか否かをチェックし、携帯端末IDが登録されていれば、設定されている判定条件に基づく判定条件の成否を判定する。例えば、この遊技店10への入場により来店回数が判定条件の上限値に達した場合、キャッシュレスセンタ20は来店回数上限到達を検知する。そして、携帯端末40へ上限回数到達である旨を通知し、携帯端末に表示させる(図43を参照)。携帯端末40に抑止報知の画面を表示することで、遊技者に自制を促すのである。
【0086】
図44は、のめり込み防止の判定条件成立(使用金額上限到達または遊技時間上限到達)による抑止報知を行う過程を示す通信シーケンス図である。ある遊技店10の遊技用装置12に挿入された記録媒体50のカードIDが、遊技用装置12から中継装置16へ送信されると、中継装置16は、このカードIDに紐付けされている携帯端末40をチェックし、携帯端末情報を遊技用装置12へ送信することで、遊技用装置12に携帯端末情報が表示される。一方、中継装置16から携帯端末IDと店舗情報を受けたキャッシュレスセンタ20は、のめり込み防止用管理テーブルに携帯端末IDが登録されているか否かをチェックし、携帯端末IDが登録されていれば、設定されている判定条件に基づく判定条件の成否を判定する。例えば、使用金額が所定額以上または遊技時間が所定時間以上になることを判定条件としており、未だ条件に達していなければ、キャッシュレスセンタ20から携帯端末40へ店舗情報が送信され、携帯端末40には遊技中表示が行われる。その後、遊技機11での遊技が開始され、キャッシュレス決済を利用しつつ遊技を行い、遊技を終了すると、その時点での使用金額や遊技時間が確定し、遊技用装置12から中継装置16へ遊技情報が送信される。この遊技情報はキャッシュレスセンタ20へ送信され、のめり込み防止用管理テーブルの使用金額や遊技時間が更新される。そして、使用金額または遊技時間の何れか一方でも上限値に達した場合、キャッシュレスセンタ20は遊技上限到達を検知する。例えば、使用金額が上限を超えた場合には、携帯端末40へ使用金額上限到達である旨を通知し、携帯端末に表示させる(図45(A)を参照)。遊技時間が上限を超えた場合には、携帯端末40へ遊技時間上限到達である旨を通知し、携帯端末に表示させる(図45(B)を参照)。このように、携帯端末40に抑止報知の画面を表示することで、遊技者に自制を促すのである。
【0087】
以上、本発明に係る遊技システムを実施形態に基づき説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りにおいて実現可能な全ての遊技システムを権利範囲として包摂するものである。
【符号の説明】
【0088】
1 遊技システム
10 遊技店
11 遊技機
12 遊技用装置
16 中継装置
20 キャッシュレスセンタ
40 携帯端末
50 記録媒体
100 管理機能部
【要約】
【課題】遊技機に対応して設置される遊技用装置のハードウェア変更を行うことなく、遊技者が所持する携帯端末から遊技用装置に対して有価価値を付与するキャッシュレス決済を可能にする遊技システムを提供する。
【解決手段】遊技システム1は、遊技者が所有する携帯端末40と記録媒体50とを紐付けて管理する管理機能部100が、携帯端末40の口座への入出金と、この携帯端末40と紐付けられた記録媒体50が挿入された遊技用装置12への入出金を仲介することで、携帯端末40と遊技用装置12とを仮想的に接続し、遊技用装置12のハードウェア変更を行うことなく、携帯端末40から遊技用装置12に対して有価価値を付与するキャッシュレス決済を可能にする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
図10
図11
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図39
図40
図41
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図43
図44
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