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特許7465049電気機器ユニットの連結構造および電気機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】電気機器ユニットの連結構造および電気機器
(51)【国際特許分類】
   H01R 9/24 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
H01R9/24
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023021102
(22)【出願日】2023-02-14
(62)【分割の表示】P 2019065862の分割
【原出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2023053314
(43)【公開日】2023-04-12
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000000309
【氏名又は名称】IDEC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103241
【弁理士】
【氏名又は名称】高崎 健一
(72)【発明者】
【氏名】飯田 正和
(72)【発明者】
【氏名】新内 秀雄
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-133584(JP,U)
【文献】実開平05-062970(JP,U)
【文献】特開2002-031456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 9/00
H01R 9/22-9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器ユニットを相互に連結するための連結構造であって、
前記電気機器ユニットが壁部を有しており、
前記壁部が、一方の壁面の上側および下側において当該壁面の中央から半径方向外方に向かって放射状に延びる3つの係合部を有し、かつ、他方の壁面の上側および下側において当該壁面の中央から半径方向外方に向かって放射状に延びるとともに前記各係合部に対応する3つの被係合部を有し、
前記各係合部が、前記一方の壁面の前記下側の左右両側部に配置された第1、第2の係合部と、前記一方の壁面の前記上側に配置された第3の係合部とから構成され、前記第1、第2および第3の係合部が前記一方の壁面上において放射状に延設されており、前記各係合部が係合フックから構成されるとともに、前記係合フックの屈曲部が半径方向外方に延びる台形形状を有しており、
前記各被係合部が、前記他方の壁面の前記下側の左右両側部に配置され、前記第1、第2の係合部に対応する第1、第2の被係合部と、前記他方の壁面の前記上側に配置され、前記第3の係合部に対応する第3の被係合部とから構成され、前記第1、第2および第3の被係合部が前記他方の壁面上において放射状に延設されており、前記被係合部が係合穴から構成されるとともに、前記係合穴が半径方向外方に延びる矩形形状を有しており、前記係合穴の半径方向外方の隅部には、前記各係合部が離反する側への軸方向移動を規制する規制板部が設けられており、
一の前記電気機器ユニットの前記各被係合部が他の前記電気機器ユニットの対応する前記各係合部の進入および回転を許容することで、前記各係合部が前記各被係合部に係合するようになっているとともに、
前記第3の被係合部が、当該他方の壁面に設けられた結線用の一対のねじの間に配置されている、
ことを特徴とする電気機器ユニットの連結構造。
【請求項2】
請求項1に記載の前記連結構造により複数の前記電気機器ユニットを連結してなる電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば端子台やブレーカー、サーキットプロテクタ、リレー、リレーソケット、電源等の電気機器ユニットを相互に連結するための連結構造に関し、詳細には、その構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
端子台を相互に連結する連結構造として、従来より、ねじとナットを用いて連結するねじ止め方式や、凸部を凹部に圧入して連結する圧入方式が用いられている。ねじ止め方式においては、特開2005-340142号公報に示すように、端子台に形成した貫通孔を挿通するねじを用意し、複数の端子台を並設して各端子台の各貫通孔にねじを挿通させるとともに、ねじの先端にナットを装着して締め付けることにより、各端子台を相互に連結するようにしている(同公報の図13および段落[0007]参照)。また、圧入方式においては、前記公報に示すように、端子台の一方の側に凸部を、他方の側に凹部を設け、複数の端子台を並設して一方の端子台の凸部をこれと隣り合う他方の端子台の凹部に圧入することにより、各端子台を相互に連結するようにしている(同公報の図14および段落[0008]参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記ねじ止め方式による連結構造では、端子台の極数が増減すると、それに応じて使用するねじの長さが変化する。そのため、端子台の極数に応じた長さのねじをその都度用意しなければならない。極数に応じたねじを予め在庫しておこうとすると、管理コストが発生して、コストアップにつながる。また、前記圧入方式による連結構造では、凸部を凹部に完全に圧入するためには、一般に専用の冶具や装置、工具が必要となる。さらに、圧入方式においては、凸部が凹部に一旦圧入されてしまうと、各端子台を分離するのが難しく、そのため、連結後の端子台の組み換えは困難である。
【0004】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、コストを低減できるとともに、連結後の組み換えを容易に行える電気機器ユニットの連結構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、電気機器ユニットを相互に連結するための連結構造において、電気機器ユニットが壁部を有しており、壁部が、一方の壁面の上側および下側において当該壁面の中央から半径方向外方に向かって放射状に延びる3つの係合部を有し、かつ、他方の壁面の上側および下側において当該壁面の中央から半径方向外方に向かって放射状に延びるとともに各係合部に対応する3つの被係合部を有している。各係合部は、一方の壁面の下側の左右両側部に配置された第1、第2の係合部と、一方の壁面の上側に配置された第3の係合部とから構成され、第1、第2および第3の係合部が一方の壁面上において放射状に延設されており、各係合部が係合フックから構成されるとともに、係合フックの屈曲部が半径方向外方に延びる台形形状を有している。各被係合部は、他方の壁面の下側の左右両側部に配置され、第1、第2の係合部に対応する第1、第2の被係合部と、他方の壁面の上側に配置され、第3の係合部に対応する第3の被係合部とから構成され、第1、第2および第3の被係合部が他方の壁面上において放射状に延設されており、被係合部が係合穴から構成されるとともに、係合穴が半径方向外方に延びる矩形形状を有している。係合穴の半径方向外方の隅部には、各係合部が離反する側への軸方向移動を規制する規制板部が設けられている。一の電気機器ユニットの各被係合部が他の電気機器ユニットの対応する各係合部の進入および回転を許容することで、各係合部が各被係合部に係合するようになっているとともに、第3の被係合部が、当該他方の壁面に設けられた結線用の一対のねじの間に配置されている。
【0006】
本発明において、電気機器ユニットを相互に連結する際には、一の電気機器ユニットにおける壁部の一方の壁面の係合部を、他の電気機器ユニットにおける壁部の他方の壁面の対応する各被係合部に進入させて回転させる。これにより、係合部が被係合部に係合して、各電気機器ユニットが相互に連結される。
【0007】
本発明によれば、電気機器ユニットを相互に連結するのに、一の電気機器ユニットの係合部を他の電気機器ユニットの被係合部に対して進入・回転させるだけでよいので、連結のためのねじや専用の冶具等が不要であり、コストを低減できる。さらに、ナットの締付作業や圧入作業を必要とすることなく、簡単に電気機器を組み立てることができ、分離も容易なので、各電気機器ユニットの組み換えも容易に行える。
【0013】
本発明に係る電気機器は、前記連結構造により複数の電気機器ユニットを連結して構成されている。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明に係る電気機器ユニットの連結構造によれば、コストを低減できるとともに、連結後の組み換えを容易に行えるようになる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施例による連結構造を用いて連結された電気機器としての端子台の一例(極数:5P)を示す全体斜視図である。
図2】前記端子台(図1)の正面図である。
図3】前記端子台(図2)の分解組立図であって、端子台を構成する端子付きエンドブロック、端子台ブロック(電気機器ユニット)および端子なしエンドブロックを示しているが、図示の便宜上、極数を3Pに減らした例を示している。
図4図3のIV矢視図であって、前記端子台(図1)の平面図に相当している。
図5図3のV矢視図であって、前記端子台(図1)の底面図に相当している。
図6図3のVI-VI線矢視図であって、前記端子台ブロック(図3)の左側面図である。
図7図3のVII-VII線矢視図であって、前記端子台ブロック(図3)の右側面図である。
図8図3のVIII-VIII線矢視図であって、前記端子付きエンドブロック(図3)の右側面図である。
図9図3のIX-IX線矢視図であって、前記端子なしエンドブロック(図3)の左側面図である。
図10図3のX矢視図であって、前記端子付きエンドブロック(図3)の左側面図である。
図11図3のXI矢視図であって、前記端子なしエンドブロック(図3)の右側面図である。
図12】前記端子台ブロック(図3)を相互に連結して前記端子台(図1)を組み立てる際の連結の仕方を時系列的に説明するための図であって、係合フックを有する端子台ブロックを一点鎖線で、係合穴を有する端子台ブロックを実線で示している。
図13】前記端子台ブロック(図3)を相互に連結して前記端子台(図1)を組み立てる際の連結の仕方を時系列的に説明するための図であって、係合フックを有する端子台ブロックを一点鎖線で、係合穴を有する端子台ブロックを実線で示している。
図14】前記端子台ブロック(図3)を相互に連結して前記端子台(図1)を組み立てる際の連結の仕方を時系列的に説明するための図であって、係合フックを有する端子台ブロックを一点鎖線で、係合穴を有する端子台ブロックを実線で示している。
図15】前記端子台(図1)を分離する際の分離の仕方を時系列的に説明するための図であって、係合フックを有する端子台ブロックを一点鎖線で、係合穴を有する端子台ブロックを実線で示している。
図16】前記端子台(図1)を分離する際の分離の仕方を時系列的に説明するための図であって、係合フックを有する端子台ブロックを一点鎖線で、係合穴を有する端子台ブロックを実線で示している。
図17】前記端子台(図1)を分離する際の分離の仕方を時系列的に説明するための図であって、係合フックを有する端子台ブロックを一点鎖線で、係合穴を有する端子台ブロックを実線で示している。
図18】長尺のピンを用いて前記端子台(図1)を組み立てる際の手順を説明するための図であって、端子付きエンドブロックの側から見た斜視図である。
図19】長尺のピンを用いて前記端子台(図1)を組み立てる際の手順を説明するための図であって、端子なしエンドブロックの側から見た斜視図である。
図20図19において、隣り合う各ブロック間の間隔を狭めた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図20は、本発明の一実施例による電気機器ユニットの連結構造を説明するための図であって、図1図11は、電気機器ユニットの構成を説明するための図であり、図12図20は、電気機器ユニットを相互に連結/分離する際の手順を説明するための図である。ここでは、電気機器として端子台を例にとる。また、端子台としてねじ式のものを例にとる。
【0017】
図1および図2に示すように、端子台(電気機器)1は、図示左端に配置された端子付きエンドブロック2と、図示右端に配置された端子なしエンドブロック3と、これらの間に配置された4個の端子台ブロック(電気機器ユニット)4とを備えている。これらのブロック2、3、4はいずれも絶縁性樹脂から形成されており、端子付きエンドブロック2および端子台ブロック4は、それぞれ結線用のねじnを有している。図1および図2では、端子台1の極数が5Pの例を示している。
【0018】
端子台1を構成する端子台ブロック4、端子付きエンドブロック2および端子なしエンドブロック3の詳細を図3ないし図11を用いて説明する。これらの図では、図示の便宜上、端子台ブロック4の個数を2個にして、端子台1の極数を3Pに減らした例を示している。
【0019】
端子台ブロック4は、図3(正面図)、図4(平面図)および図5(底面図)に示すように、ベース部40と、ベース部40から上方に延びる壁部41とを有している。各図には、2つの端子台ブロック4が示されているが、これらはいずれも同様の構造を有しているので、端子台ブロック4についての説明は、双方の端子台ブロック4について当てはまる。
【0020】
図6図3のVI-VI線矢視図)、図3ないし図5に示すように、壁部41の一方の壁面41Aには、壁面41Aから突出する3つの係合フック(係合部)42が設けられている。各係合フック42は、壁面41Aと直交する方向(以下、必要に応じて「軸方向」と呼称する)に延びる軸部42aと、軸部42aの先端から壁面41Aの周縁部に向かって壁面41Aと平行な方向に屈曲する屈曲部42bとからそれぞれ構成されており、正面視略L字状に形成されている。各屈曲部42bは、この例では側面視略台形状に形成されている(図6参照)。壁面41Aの略中央部には、壁面41Aと直交する方向(軸方向)に突出する支軸部43が設けられている。支軸部43の外周面は、外周面の大部分を占める円筒面43aと、外周面の一部に形成され、円筒面43aの下部から半径方向外方に扇状に張り出す張出し部(ガイド部)43bとから構成されている。支軸部43は貫通孔43cを有しており、貫通孔43cは、支軸部43を通って端子台ブロック4全体を貫通している。貫通孔43cの中心は支軸部43の軸心と一致している。図6に示すように、各係合フック42は、壁面41A上で支軸部43の軸心から半径方向外方に向かう方向に沿って(つまり放射状に)配設されている。この例では、上側に配置された係合フック42は、下側に配置された2つの係合フック42に対して、支軸部43の軸心からの距離が異なっているが、各係合フック42は周方向に略120°間隔で均等に配置されている。なお、必ずしも均等間隔でなくてもよい。また、支軸部43の軸心を通る上下方向の中心線C1を引くとき、この例では、上側の係合フック42が中心線C1上に配置されておらず、支軸部43の軸心を回転中心として反時計回りにわずかに回転した位置に配置されている。
【0021】
図7図3のVII-VII線矢視図)に示すように、壁部41の他方の壁面41Bには、支軸部43が嵌合し得る大きさの嵌合穴45が形成されており、嵌合穴45は貫通孔43cと同心に配置されている。嵌合穴45の内周面は、支軸部43の円筒面43aと実質的に同一の径を有しており、支軸部43の円筒面43aが嵌合穴45の内周面に沿って周方向に摺動し得るようになっている。嵌合穴45は、その内周面の下部から半径方向外方に扇状に張り出す張出し穴部45aを有している。張出し穴部45aは、支軸部43の張出し部43bに対応しているが、張出し部43bよりも周方向の長さが若干長くなっている。すなわち、嵌合穴45および張出し穴部45aは、支軸部43の横断面形状に対して、張出し穴部45aの周方向長さが若干長い点を除いて相補的形状を有している。したがって、端子台ブロック4同士を連結する際において、一方の端子台ブロック4の支軸部43が他方の端子台ブロック4の嵌合穴45に嵌合するには、支軸部43の張出し部43bの位置が嵌合穴45の張出し穴部45aの位置と揃う必要があり、その意味で、支軸部43の張出し部43bは、支軸部43の円筒面43aの周方向位置をガイドするガイド部として機能している。また、張出し穴部45aの周方向長さが張出し部43bの周方向長さよりも若干長くなっていることにより、支軸部43は嵌合穴45に嵌合後、支軸部43の軸心(つまり貫通孔43cの中心)の回りに若干量回転し得るようになっている。
【0022】
また、壁面41Bには、壁面41A側の各係合フック42にそれぞれ対応するとともに、対応する各係合フック42と協働して本発明による連結構造を構成する3つの係合穴(被係合部)44が設けられている。各係合穴44は、横断面略矩形状に形成されており、壁部41を挟んで各係合フック42と相対する位置にそれぞれ配置されている。各係合穴44は、対応する各係合フック42が進入し得る(つまり進入を許容する)大きさを有しているが、各係合フック42の周方向の幅よりも周方向に幅広に形成されている。各係合穴44の半径方向外方の隅部であって貫通孔43cの中心を回転中心として時計回りの回転角が大きな方に配置された隅部には、規制板部(軸方向移動規制手段)44aが設けられている。各規制板部44aの厚みは、対応する各係合フック42の屈曲部42bと壁面41Aとの間の間隙と実質的に等しいが当該間隙よりもわずかに大きくなっている。この構成により、各係合フック42は、対応する各係合穴44に進入後(このとき、支軸部43も嵌合穴45に嵌合している)、支軸部43の軸心回りの回転時に各係合穴44内を周方向に移動できる(すなわち、各係合穴44は対応する係合フック42の回転を許容する)ようになっており、さらに、周方向に移動したとき、各係合フック42の屈曲部42bと壁面41Aとの間の間隙に各規制板部44aが軸方向に隙間なく嵌合することで、各係合フック42が係合穴44に係合するようになっている。このとき、連結後の各端子台ブロック4は、軸方向に互いに離反(つまり分離)する側に移動することができず、また軸方向のガタも生じない。その意味で、規制板部44aは、係合フック42および係合穴44が互いに離反する側への軸方向移動を規制する軸方向移動規制手段として機能している。また、支軸部43が嵌合穴45内で軸心(つまり貫通孔43cの中心)回りに回転するとき、各係合フック42は貫通孔43cの中心回りに回転しており、したがって、貫通孔43cの中心は、各係合フック42の回転中心と一致している。なお、端子台ブロック4の貫通孔43cは、後述する端子付きエンドブロック2の貫通孔21a(図8図10)および端子なしエンドブロック3の貫通孔31a(図9図11)と軸方向に整列しており、これらの貫通孔の中心線を図1図3ないし図5中では符号CLで表している。
【0023】
図6に示すように、壁面41Aの下部には、支軸部43の下方において下側の各係止フック42間で円弧状に延びかつ壁面41Aから軸方向に突出する円弧状壁部46が設けられている。円弧状壁部46は薄肉の壁状部材であって、その内外周面は支軸部43の軸心と同心に配設されている。円弧状壁部46の一端(図示左端)には、内周側に膨出する膨出部46aが形成され、その近傍には、外周側に突出する凸部(干渉部)46bが形成されている。一方、図7に示すように、壁面41Bの下部には、嵌合穴45の下方において下側の各係合穴44間で円弧状に延びかつ壁面41Bから軸方向に突出する円弧状壁部47が設けられている。円弧状壁部47は薄肉の壁状部材であって、その内外周面は嵌合穴45の中心と同心に配設されている。円弧状壁部47の外周面の一端(図示右端)には、壁面41Aの膨出部46aに対応する凹部47aが形成されている。また、円弧状壁部47の下方には、円弧状の間隙eを隔てて操作部48が設けられている。間隙eは、壁面41Aの円弧状壁部46が摺動自在に嵌合し得る大きさを有している。操作部48の一端側(図示右端側)には、円弧状壁部46の凸部46bに対応する凹部(被干渉部)48aが形成され、他端側(図示左端側)には、人が指で押圧して操作するための押圧部48bが設けられており、操作部48は連結部48cを介してベース40に連結されている(なお、図6では、壁面41B側の操作部48が壁面41Aの側から見えている)。端子台ブロック4を相互に連結した状態では、一方の端子台ブロック4の壁面41A側の円弧状壁部46が他方の端子台ブロック4の壁面41B側の間隙eに嵌合しており、このとき、円弧状壁部46の膨出部46aが円弧状壁部47の凹部47aに係合するとともに、円弧状壁部46の凸部46bが操作部48の凹部48aと係合するようになっている。この状態では、円弧状壁部46は、間隙e内で回転方向にロックされており、支軸部43の軸心回りの回転移動が規制されている。その意味では、凸部46bおよび凹部48aは、係合フック42が係合穴44に係合した係合状態が解除される側(すなわち、係合フック42が逆転する側)への係合フック42の回転移動を規制する回転移動規制手段として機能している。
【0024】
端子付きエンドブロック2は、図3(正面図)、図4(平面図)および図5(底面図)に示すように、ベース部20と、ベース部20から上方に延びる壁部21とを有している。ベース部20には、制御盤等に取り付けるための取付ねじが挿入される切欠き20aが形成されている。
【0025】
壁部21の一方の壁面21Aには、図10図3のX矢視図)に示すように、係止フックや支軸部は設けられておらず、端子付きエンドブロック2を軸方向に貫通する貫通孔21aが形成されている。壁部21の他方の壁面21Bには、図8図3のVIII-VIII線矢視図)に示すように、嵌合穴25が形成されている。嵌合穴25は、端子台ブロック4の嵌合穴45と同様の構成を有しており、貫通孔21aと同心に配置され、支軸部43の円筒面43aと実質的に同一の内径を有している。嵌合穴25は、半径方向外方に扇状に張り出す張出し穴部25aを有しており、張出し穴部25aは、支軸部43の張出し部43bより周方向の長さが若干長くなっている。
【0026】
また、壁面21Bには、3つの係合穴24が設けられている。各係合穴24は、端子台ブロック4の各係合穴44と同様の構成を有しており、横断面略矩形状に形成され、端子台ブロック4の各々対応する各係合フック42が進入し得る大きさを有しているが、各係合フック42の周方向の幅よりも周方向に幅広に形成されている。各係合穴24の半径方向外方の隅部には規制板部24aが設けられている。この規制板24aにより、各係合フック42は、対応する各係合穴24に進入後(このとき、支軸部43も嵌合穴25に嵌合している)、支軸部43の軸心回りの回転時に各係合穴24内を周方向に移動できるようになっており、さらに、周方向に移動したとき、各係合フック42の屈曲部42bと壁面41Aとの間隙に各規制板24aが軸方向に隙間なく嵌合することで、各係合フック42が係合穴24に係合するようになっている。このとき、連結後の端子付きエンドブロック2および端子台ブロック4は、軸方向に互いに離反(分離)する側に移動することはできず、また軸方向のガタも生じない。なお、支軸部43が嵌合穴25内で貫通孔21aの中心回りに回転するとき、各係合フック42は貫通孔21aの中心回りに回転しており、貫通孔21aの中心は、各係合フック42の回転中心と一致している。
【0027】
壁面21Bの下部には、嵌合穴25の下方において円弧状に延びかつ壁面21Bから軸方向に突出する円弧状壁部27が設けられている。円弧状壁部27は、端子台ブロック4の円弧状壁部47と同様の構成を有しており、薄肉の壁状部材であって、その内外周面は嵌合穴25の中心と同心に配設されている。円弧状壁部27の外周面の一端(図示右端)には、端子台ブロック4の側の円弧状壁部46の膨出部46aに対応する凹部27aが形成されている。円弧状壁部27の下方には、間隙eを隔てて、弾性板部28が設けられている。間隙eは、端子台ブロック4の円弧状壁部46が摺動自在に嵌合し得る大きさを有している。弾性板部28は、端子台ブロック4の操作部48と類似の構成を有しており、一端側(図示右端側)には円弧状壁部46の凸部46bに対応する凹部28aが形成され、他端(図示左端)は連結部28cを介してベース20に弾性支持されているが、他端側(図示左端側)には、人が指で押圧操作するための押圧部は設けられていない。なお、人が押圧操作可能な構造にしてもよい。端子付きエンドブロック2に端子台ブロック4を連結した状態では、端子台ブロック4の壁面41A側の円弧状壁部46が端子付きエンドブロック2の壁面21B側の間隙eに嵌合しており、このとき、円弧状壁部46の膨出部46aが円弧状壁部27の凹部27aに係合するとともに、円弧状壁部46の凸部46bが弾性板部28の凹部28aと係合するようになっている。この状態では、円弧状壁部46は、間隙e内で回転方向にロックされており、支軸部43の軸心回りの回転移動が規制されている。
【0028】
端子なしエンドブロック3は、図3(正面図)、図4(平面図)および図5(底面図)に示すように、ベース部30と、ベース部30から上方に延びる壁部31とを有している。ベース部30には、制御盤等に取り付けるための取付ねじが挿入される切欠き30aが形成されている。
【0029】
壁部31の一方の壁面31Aには、図9図3のIX矢視図)に示すように、壁面31Aから突出する3つの係合フック32が設けられている。各係合フック32は、端子台ブロック4の各係合フック42と同様の構成を有しており、軸方向に延びる軸部32aと、軸部32aの先端から壁面31Aの周縁部に向かって壁面31Aと平行な方向に屈曲する屈曲部32bとからそれぞれ構成されており、正面視略L字状に形成されている。壁面31Aの略中央部には、軸方向に突出する支軸部33が設けられている。支軸部33は、端子台ブロック4の支軸部43と同様の構成を有しており、その外周面が、当該外周面の大部分を占める円筒面33aと、外周面の一部に形成され、円筒面33aの下部から半径方向外方に扇状に張り出す張出し部33bとから構成されている。支軸部33は貫通孔31aを有しており、貫通孔31aは、支軸部33を通って端子台ブロック3全体を貫通している。貫通孔31aの中心は支軸部33の軸心と一致している。また、壁面31Aの下部には、端子台ブロック4の円弧状壁部46と同様の構成を有する円弧状壁部36が設けられている。円弧状壁部36の一端には膨出部36aが形成され、その近傍には凸部36bが形成されている。壁部31の他方の壁面31Bには、図11図3のXI矢視図)に示すように、係止フックや支軸部は設けられておらず、端子なしエンドブロック3を軸方向に貫通する貫通孔31aが形成されている。
【0030】
次に、本実施例の作用効果について図12ないし図20を用いて説明する。
図12ないし図17は端子台ブロック4同士を連結/分離する際の手順について示しており、図18ないし図20は端子付きエンドブロック2、端子台ブロック4および端子なしエンドブロック3を連結する際の手順について示している。なお、図12ないし図17では、説明の便宜上、連結される2つの端子台ブロックを符号4、4’で呼称する。また、図12ないし図17では、一方の端子台ブロック4の壁面41Bを紙面手前側に配置した状態で(実線参照)、これに連結される他方の端子台ブロック4’を壁面41B側から見たときの各係合フック42、支軸部43、円弧状壁部46の位置を示している(一点鎖線参照)。
【0031】
端子台ブロック4、4’を連結する際には、図12に示すように、一方の端子台ブロック4(実線)に対して他方の端子台ブロック(一点鎖線)4’を図示反時計回りに若干量回転させた状態で、端子台ブロック4、4’を軸方向から相互に接近させる。すると、端子台ブロック4’の壁面41A側の支軸部43、張出し部43bが、端子台ブロック4の壁面41B側の嵌合穴45、張出し穴部45aにそれぞれ嵌合し、端子台ブロック4’の各係合フック42が端子台ブロック4の対応する各係合穴44内に進入するとともに、端子台ブロック4’の円弧状壁部46が端子台ブロック4の円弧状の間隙e内に進入する。
【0032】
このとき、張出し部43bは、張出し穴部45aに対して図示左側に隙間を形成した状態で張出し穴部45a内に嵌合しており、各係合フック42は、各係合穴44内で規制板部44aが形成されていない側(すなわち規制板部44aの図示左側)に進入している。また、円弧状壁部46の膨出部46aは、円弧状壁部47の凹部47aに係合しておらず、円弧状壁部46の凸部46bは、操作部48の凹部48aと係合していない。図12に示す状態では、各端子台ブロック4、4’は軸方向に隙間なく接触して合体しているが、軸方向に離反する方向に移動させると互いに外れて分離する状態にあり、両端子台ブロック4、4は仮組み状態にある。
【0033】
なお、端子台ブロック4、4’を相互に接近させる際、端子台ブロック4’の回転角が大きすぎたり、逆に小さすぎたりした場合には、張出し部43bが張出し穴部45a内に進入することができず、各端子台ブロック4、4’を接近させることができない。したがって、張出し部43bは、張出し穴部45aと協働することにより、連結時の支軸部43の円筒面43aの周方向位置をガイドする、すなわち、端子台ブロック4’を端子台ブロック4に対して適切な回転位置にガイドするガイド部として機能しているといえる。
【0034】
図12に示す状態から、端子台ブロック4’を端子台ブロック4に対して図示時計回りに回転させる。すると、図13の状態を経て図14の状態に移行する。図13の状態では、同図に示すように、支軸部43が嵌合穴45内で図示時計回りに回転して、張出し部43bが張出し穴部45a内において図示左側に向かって移動しており、張出し部43bは張出し穴部45aに対して図示右側に隙間を形成している。各係合フック42は各係合穴44内で図示時計回りに回転し、規制板部44aの位置まで移動している。このとき、各係合フック42の各屈曲部42bと壁面41Aとの間に各規制板部44aが進入している。また、円弧状壁部46の膨出部46aは円弧状壁部47の凹部47aと略係合した状態にあるが、円弧状壁部46の凸部46bは操作部48の凹部48aと係合しておらず、操作部48の図示右端を下方に押し下げており、操作部48の図示右端は下方に撓んで弾性変形している。
【0035】
図14の状態では、同図に示すように、図13に示す状態からさらに端子台ブロック4’が図示時計回りにわずかに回転しており、このとき、各係合フック42は各係合穴44内で図示時計回りにさらに回転して、各係合穴44内の側壁に当接している。また、円弧状壁部46の膨出部46aは、円弧状壁部47の凹部47aと完全に係合している。さらに、円弧状壁部46の凸部46bは操作部48の図示右端を乗り越えており、その結果、操作部48が弾性変形前の状態に戻って、凸部46bが操作部48の凹部48aと完全に係合している。
【0036】
このように、図14に示す状態では、各係合フック42の各屈曲部42bと壁面41Aとの間に各規制板部44aが係合しており、各係合フック42は各係合穴44内から軸方向に抜くことができず、端子台ブロック4’は端子台ブロック4に対して軸方向にロックされた状態にある。また、円弧状壁部46の凸部46bが操作部48の凹部48aと係合しており、そのため、円弧状壁部46は図示反時計回りに回転することができず、端子台ブロック4’は端子台ブロック4に対して回転方向にロックされた状態にある。したがって、図14に示す状態では、両端子台ブロック4、4’の連結つまり組立てが完了した状態にある。なお、同図においては、円弧状壁部46の膨出部46aが円弧状壁部47の凹部47aと係合しているが、これにより、回転方向のガタつきを防止できるようになっている。
【0037】
次に、端子台ブロック4、4’を分離する際には、図14に示す状態で操作部48の押圧部48bを押す。すると、操作部48が連結部48cの回りを図示時計回りに回動し、操作部48の図示右端が下方に移動する。この状態から、端子台ブロック4に対して端子台ブロック4’を図示反時計回りに回転させる。これにより、図16に示すように、円弧状壁部46の凸部46bが操作部48の図示右端を乗り越える直前の位置まで移行する。なお、図15は、押圧部48bを押さない状態で端子台ブロック4に対して端子台ブロック4’を反時計回りに回転させようとしても、円弧状壁部46の凸部46bが操作部48の凹部48aと干渉することで端子台ブロック4’が回転しないようになっている状態を示している。
【0038】
図16の状態から、端子台ブロック4’を図示反時計回りにさらに回転させると、図17に示す状態に移行する。同図においては、円弧状壁部46の凸部46bが操作部48の図示右端を乗り越えて、凸部46bが操作部48の凹部48aから外れるとともに、円弧状壁部46の膨出部46aが円弧状壁部47の凹部47aから外れる。また、各係合フック42が各規制板部44aから離れて各係合穴44内を図示左側に移動するとともに、支軸部43が嵌合穴45内を図示反時計回りに移動して、張出し部43bが張出し穴部45a内を図示右側に移動しており、張出し部43bは張出し穴部45a内において図示左側に隙間を形成している。この状態から各端子台ブロック4、4’を互いに離れる側に向かって軸方向に移動させると、各端子台ブロック4、4’を分離できる。
【0039】
図12ないし図17においては、端子台ブロック4、4’を相互に連結/分離する場合について説明したが、端子台ブロック4に対して端子付きエンドブロック2を連結/分離する場合や、端子台ブロック4’に対して端子なしエンドブロック3を連結/分離する場合についても同様の手順で行うことができる。端子付きエンドブロック2の弾性板部28には、操作部48の押圧部48bに相当するものが設けられていないが、連結後に端子付きエンドブロック2および端子台ブロック4を分離する際に両ブロック2、4を分離側に回転させると、端子付きエンドブロック2の弾性板部28が端子台ブロック4の円弧状壁部46の凸部46bから押付力を受けて弾性変形することにより、円弧状壁部46の凸部46bが弾性板部28の凹部28aから外れるようになっている。なお、端子付きエンドブロック2の弾性板部28は、人が押圧操作可能な構造を有していてもよい。
【0040】
次に、端子台1の極数が多い場合の連結の仕方について、図18ないし図20を用いて説明する。
ここでは、端子付きエンドブロック2と端子なしエンドブロック3の間に4個の端子台ブロック4を連結する場合の例を示している。
まず、長尺のピンPNを用意する。ピンPNは長尺の丸棒であって、端子付きエンドブロック2の貫通孔21a、端子なしエンドブロック3の貫通孔31aおよび各端子台ブロック4の各貫通孔43cの各内径よりもわずかに小さな外径を有している。
【0041】
次に、ピンPNの一端(たとえば図18右端)を冶具に固定した状態で、ピンPNの他端(同図左端)を、端子なしエンドブロック3の貫通孔31a、4つの端子台ブロック4の各貫通孔43c、および端子付きエンドブロック2の貫通孔21aに順に挿入していく。このとき、各ブロック2、3、4の各壁面21B、31B、41BがピンPNの一端側に配置されるようにする。このように各ブロック2、3、4の向きを揃えることで、図18および図19に示すように、端子付きエンドブロック2の壁面21Bが端子台ブロック4の壁面41Aと対向し、端子台ブロック4の壁面41Bが端子台ブロック4の壁面41Aと対向し、端子なしエンドブロック3の壁面31Aが端子台ブロック4の壁面41Bが対向している。
【0042】
次に、図20に示すように、隣り合う各ブロック2、3、4を接近させ、一方のブロックの係合フックを他方のブロックの対応する係合穴に進入させた状態で、端子なしエンドブロック3に対して、各端子台ブロック4および端子付きエンドブロック2を一度に回転させることにより、すべてのブロック2、3、4を一度に連結することができる(図1参照)。この場合には、各ブロック2、3、4に形成された各貫通孔21a、31a、43cを利用して、効率よく簡単に多極数の端子台4を組み立てることができるようになる。
【0043】
このような本実施例によれば、端子台ブロック4を相互に連結するのに、一方の端子台ブロック4の係合フック42を他方の端子台ブロック4の係合穴44内に進入させて回転させるだけでよいので、連結のためのねじや専用の冶具等が不要であり、コストを低減できる。さらに、ナットの締付作業や凹凸部の圧入作業を必要とすることなく、簡単に端子台ブロックを組み立てることができ、分離も容易なので、各端子台ブロックの組み換え(たとえば極数の増減のための追加・削減や交換、誤組立ての場合の組直し等)も容易に行える。
【0044】
以上、本発明に好適な実施例について説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、本発明には種々の変形例が含まれる。以下に変形例のいくつかの例を挙げておく。
【0045】
〔第1の変形例〕
前記実施例では、端子台ブロック4の係合フック42を壁面41A上の3個所に設けた例を示したが、係合フック42は1個所でもよく、また2個所でも4個所以上でもよい。また、係合フック42の屈曲部42bが軸部42aの先端から半径方向外方に延設された例を示したが、屈曲部42bは軸部42aから半径方向内方に延設されていてもよい。この場合、係合穴44に設けられる規制板部44aは、係合穴44において半径方向内方の隅部に配置される。さらに、端子台ブロック4を相互に連結する際の端子台ブロック4の回転方向は、前記実施例に示す方向と逆方向にしてもよく、あるいは、各端子台ブロック4について交互に回転方向を異ならせるようにしてもよい。
【0046】
〔第2の変形例〕
前記実施例では、端子台ブロック4に貫通孔43cを有する支軸部43が設けられた例を示したが、貫通孔43cまたは支軸部43のいずれか一方は省略してもよい。貫通孔43cを省略した場合、端子台4の組立て時にピンPNを用いることはできないが、その場合でも、支軸部43が嵌合穴45内を回転摺動することで、各係合フック42が各係合穴44内を支軸部43の軸心回りに回転することができる。また、支軸部43を省略した場合、貫通孔43c内にピンPNを挿入することで、各係合フック42が各係合穴44内をピンPNの軸心回りに回転することが可能である。
【0047】
〔第3の変形例〕
前記実施例では、支軸部43に張出し部43bを設け、嵌合穴45に張出し穴部45aを形成した例を示したが、これら張出し部43bおよび張出し穴部45aは省略してもよい。この場合、支軸部43の周方向位置をガイドするものがないが、この場合、連結される各端子台ブロック4のベース部40の位置をある程度揃えるようにすれば、各係合フック42を対応する各係合穴44内に進入させることができる。
【0048】
〔第4の変形例〕
前記実施例では、支軸部43の周方向位置をガイドするガイド部として、支軸部43の外周面の一部から半径方向外方に凸状に張り出す張出し部43bを設けた例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。ガイド部は、支軸部43の外周面の一部から半径方向内方に凹状にへこむ凹部であってもよい。
【0049】
〔第5の変形例〕
前記実施例では、係合フック42が設けられた壁面41Aの側に円弧状壁部46が設けられ、嵌合穴45が設けられた壁面41Bの側に円弧状壁部46が嵌合する間隙eが設けられた例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。円弧状壁部46が壁面41Bの側に、間隙eが壁面41Aの側に設けられていてもよい。
【0050】
〔第6の変形例〕
前記実施例では、円弧状壁部46において、膨出部46aが内周側に形成され、凸部46bが外周側に形成された例を示したが、これとは逆に、膨出部46aを外周側に形成し、凸部46bを内周側に形成するようにしてもよい。
【0051】
〔その他の変形例〕
上述した各実施例および各変形例はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施例を構築し得る。
【0052】
〔他の適用例〕
前記実施例では、本発明による電気機器ユニットの連結構造がねじ式の端子台に適用された例を示したが、本発明は、ねじのないスクリューレスタイプの端子台にも同様に適用できる。また、前記実施例では、極数が3Pや5Pの端子台を例にとったが、本発明が、これら以外の極数の端子台に適用できることはいうまでもない。さらに、本発明の適用は端子台に限定されるものではなく、本発明は、ブレーカーやサーキットプロテクタ、リレー、リレーソケット、電源等の他の電気機器ユニットにも同様に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上のように、本発明は、電気機器ユニットの連結構造に有用であり、とくに、組立ておよび分離が容易な連結構造に適している。
【符号の説明】
【0054】
1: 端子台(電気機器)

4、4’: 端子台ブロック(電気機器ユニット)
41: 壁部
41A、 41B: 壁面
42: 係合フック(係合部)
43: 支軸部
43a: 円筒面
43b: 張出し部(ガイド部)
43c: 貫通孔
44: 係合穴(被係合部)
44a: 規制板部(軸方向移動規制手段)
46b: 凸部(干渉部)(回転移動規制手段)
48a: 凹部(被干渉部)(回転移動規制手段)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【文献】特開2005-340142号公報(段落[0007]、[0008]、図13図14参照)
図1
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