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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】受信機
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20240403BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
G08B17/00 C
G08B23/00 510E
G08B23/00 530A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019222131
(22)【出願日】2019-12-09
(65)【公開番号】P2021092900
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(72)【発明者】
【氏名】小阪 拓也
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-087111(JP,A)
【文献】特開2007-286842(JP,A)
【文献】特開平08-235462(JP,A)
【文献】特開2017-010366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
警戒区域に引き出された回線からの火災信号を回線単位に受信した場合に、火災代表灯と火災発生地区を示す地区表示灯を作動すると共に受信機主音響を鳴動する受信制御部と、
前記主音響を停止させる音響停止スイッチと、
地区音響を一時的に停止させる地区音響一時停止スイッチと、
現場確認で火災が確認されたときに操作される火災断定スイッチと、
火災信号を受信して動作した受信機状態を監視状態に戻す復旧スイッチと、
音声ガイダンスを出力させる音声案内スイッチと、
前記音声案内スイッチと一体又は近傍に設けられた音声案内誘導灯と、
前記音響停止スイッチの操作を判別した場合に、前記音声案内誘導灯を作動して前記音声案内スイッチの操作を促すと共に、状況に応じた操作方法を示すガイダンスを音声により出力する音声ガイダンス処理部と、
を設けた受信機に於いて、
前記受信機の所定の操作起点位置に前記音響停止スイッチを配置し、
前記音響停止スイッチから引き出したガイダンスラインを、火災を確認した場合の火災確認ガイダンスラインと非火災を確認した場合の非火災確認ガイダンスラインに分岐し、
前記火災確認ガイダンスラインに前記火災断定スイッチを配置し、
前記非火災確認ガイダンスラインに前記地区音響一時停止スイッチを配置し、
前記地区音響一時停止スイッチからの非火災確認ガイダンスラインの終端に前記復旧スイッチを配置し
前記火災確認ガイダンスラインと前記非火災確認ガイダンスラインに分岐するガイダンスラインとは別に前記音響停止スイッチから引き出したガイダンスラインに前記音声案内スイッチを配置したことを特徴とする受信機。
【請求項2】
請求項記載の受信機に於いて、
前記音響停止スイッチ、前記火災断定スイッチ及び前記地区音響一時停止スイッチから引き出されたガイダンスラインの各々に、前記各スイッチを操作した場合に作動して次の操作又は対処を促す誘導表示灯を設けたことを特徴とする受信機。
【請求項3】
請求項1又は2記載の受信機に於いて、
前記音響停止スイッチから引き出したガイダンスラインから前記火災確認ガイダンスラインと前記非火災確認ガイダンスラインに分岐する手前に、火災現場の確認を求める現場確認メッセージを表示したことを特徴とする受信機。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれかに記載の受信機に於いて、
前記火災断定スイッチからの前記火災確認ガイダンスラインの終端に火災対処情報を表示したことを特徴とする受信機。
【請求項5】
請求項記載の受信機に於いて、
前記火災対処情報として、消防機関への通報、避難誘導、及び初期消火の少なくとも何れかを所定のシンボルにより表示したことを特徴とする受信機。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれかに記載の受信機に於いて、
前記音響停止スイッチ、前記地区音響一時停止スイッチ、及び前記復旧スイッチは、近傍に自己のスイッチ名称を表示すると共にスイッチ番号を操作又は対処の順番に表示したことを特徴とする受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警戒区域に引き出された回線に接続した火災感知器や発信機からの火災信号を回線単位に受信して警報する受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動火災報知設備に設けられたP型(Proprietary-type)受信機にあっては、受信機から引き出された回線に火災感知器や発信機を接続して回線単位に火災を監視しており、火災が発生した場合には、音響や表示灯によって管理人等の建物関係者に警報を出すようにしている。
【0003】
火災発生により警報が出された場合、管理者は予め定められた取扱いの手順に従い、主音響停止、現場確認、消防機関への通報、初期消火、避難誘導という手順に従った一連のスイッチ操作や対処を行うことになる。
【0004】
また火災が発生した場合に適切に対応操作できるようにするため、受信機の取扱説明書を見ながら操作練習を行うようにしている。
【0005】
しかしながら、このような従来のP型受信機にあっては、火災が発生した場合の警報により、管理者があわててしまい、受信機を適切に操作することができない場合が想定される。
【0006】
この問題を解決するため、火災が発生した場合に、火災感知器からの火災信号を受信して主音響が鳴動したら、音響停止スイッチを操作すると音声ガイダンス処理を起動し、音声案内スイッチを押すと、状況に合った適切な操作方法のガイダンス内容を音声によって知らせるようにした受信機が提案されており(特許文献1)、受信機の操作に不慣れな管理者であっても、音声ガイダンスに従いながら操作することで、非常時に適切な操作を行うことができる。
【0007】
図8は操作方法を音声ガイダンスにより知らせるようにした従来のP型受信機を示した説明図である。図8に示すように、P型受信機100の扉パネル111は、上部から表示部112、操作部114を設け、操作部114の下半分には開閉自在な小扉116を設けている。
【0008】
操作部114は右側に取り出して示すように、ほぼ中央には火災断定スイッチ124を設け、その右側に音響停止スイッチ126と地区音響一時停止スイッチ128を並べて設けている。また火災断定スイッチ124の左側には音声案内スイッチ120を設け、その左側の近傍に音声案内誘導灯122を設けている。更に操作部114の下側に設けた小扉116の内側には、復旧スイッチ130を設けている。
【0009】
従来のP型受信機100は、火災信号が受信されてスピーカ118から主音響警報が出された場合に音響停止誘導灯125が点滅し、音響停止スイッチ126を押すと主音響が停止し、同時に音声案内誘導灯122が点滅し、この状態で音声案内スイッチ120を押すと、そのときの状況に応じた操作方法を示すガイダンスを音声出力の可能状態となる。
【0010】
音声案内スイッチ120の操作により出力される音声ガイダンスには、火災断定スイッチ124、地区音響一時停止スイッチ128、復旧スイッチ130を操作する指示が含まれている。この音声ガイダンスによる指示に対し管理者が容易に操作できるようにするため、火災断定スイッチ124、音響停止スイッチ126、地区音響一時停止スイッチ128、復旧スイッチ130にはスイッチ名を表示し、また、音響停止スイッチ126、地区音響一時停止スイッチ128、復旧スイッチ130には、その近くにスイッチ番号126a,128a,130aとして「1」、「2」、「3」を表示している。
【0011】
更に、操作順に並べた音響停止スイッチ126と地区音響一時停止スイッチ128の配置部分には帯状のガイダンスライン132を描いており、ガイダンスライン132は音響停止スイッチ126を起点に右側の地区音響一時停止スイッチ128を通り、更に右側に進んで下側に屈曲した先端に矢印を描いており、この矢印先頭の部分に復旧スイッチ130の操作を促す表示として「扉を開けて3へ」を表示している。
【0012】
このようなガイダンスライン132の矢印の向きを、音響停止スイッチ126、地区音響一時停止スイッチ128、更に小扉116の内側の復旧スイッチ130に向けて表示しておくことで、音声案内スイッチ120を押したときの音声ガイダンスで指示するスイッチの操作順を視覚的に理解できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】特開2009-087111号公報
【文献】特開平6-176289号公報
【文献】特開2002-109651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、このような火災信号を受信した場合の操作方法を音声ガイダンスにより知らせるようにした受信機にあっては、受信機100で火災信号を受信した場合に、音声ガイダンスを聞かなくとも管理者は音響停止誘導灯125の点滅を見て1番の音響停止スイッチ124を操作することで主音響を停止し、続いて現場確認を行う。
【0015】
現場確認により火災でないことを確認した場合には、ガイダンスライン132に配置された2番の地区音響一時停止スイッチ128を操作し、最終的に小扉116を開いて復旧スイッチ130を操作することになるが、非常事態ではないため、ガイダンスライン132の矢印及び各スイッチの番号を見ることで、受信機の操作に不慣れな管理者であっても、適切な操作を行うことができる。
【0016】
一方、現場確認により火災を確認した場合には、本来、火災断定スイッチ124を操作する必要があるが、火災という非常事態の中では、受信機の操作に不慣れな管理者にあっては、音声案内スイッチ120を操作して音声ガイダンスを聞いていないと、最初に操作した1番の音響停止スイッチ126の隣に2番の地区音響一時停止スイッチ128が配置されていることから、直感的に1番に続いて操作するスイッチは2番の地区音響一時停止スイッチ128であると勘違いして操作を誤る可能性があり、火災断定スイッチ124の操作に手間取る恐れがある。
【0017】
また、火災断定スイッチ124を操作した後に、消防機関への通報、初期消火、避難誘導という手順が必要となるが、音声ガイダンスを聞いていないと、このような手順に従った対処が迅速且つ適切に行われない可能性が残る。
【0018】
このような問題は、音声ガイダンス機能を持たない同じ操作部114のスイッチ配置を持った受信機においても同様に起きる可能性がある。
【0019】
本発明は、音声ガイダンスに依存しなくとも、操作部のスイッチ配置とガイダンス表示から、火災信号を受信した場合の操作手順を直感的に把握し、不慣れな管理者であっても適切且つ迅速に操作と対処を可能とする受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
(音声ガイダンス機能付きの受信機)
本発明は、警戒区域に引き出された回線からの火災信号を回線単位に受信した場合に、火災代表灯と火災発生地区を示す地区表示灯を作動すると共に受信機主音響を鳴動する受信制御部と、
主音響を停止させる音響停止スイッチと、
地区音響を一時的に停止させる地区音響一時停止スイッチと、
現場確認で火災が確認されたときに操作される火災断定スイッチと、
火災信号を受信して動作した受信機状態を監視状態に戻す復旧スイッチと、
音声ガイダンスを出力させる音声案内スイッチと、
音声案内スイッチと一体又は近傍に設けられた音声案内誘導灯と、
音響停止スイッチの操作を判別した場合に、音声案内誘導灯を作動して音声案内スイッチの操作を促すと共に、状況に応じた操作方法を示すガイダンスを音声により出力する音声ガイダンス処理部と、
を設けた受信機に於いて、
受信機の所定の操作起点位置に音響停止スイッチを配置し、
音響停止スイッチから引き出したガイダンスラインを、火災を確認した場合の火災確認ガイダンスラインと非火災を確認した場合の非火災確認ガイダンスラインに分岐し、
火災確認ガイダンスラインに火災断定スイッチを配置し、
非火災確認ガイダンスラインに地区音響一時停止スイッチを配置し、
地区音響一時停止スイッチからの非火災確認ガイダンスラインの終端に復旧スイッチを配置し
火災確認ガイダンスラインと非火災確認ガイダンスラインに分岐するガイダンスラインとは別に音響停止スイッチから引き出したガイダンスラインに音声案内スイッチを配置したことを特徴とする。
【0022】
(誘導表示灯)
音響停止スイッチ、火災断定スイッチ及び地区音響一時停止スイッチから引き出されたガイダンスラインの各々に、各スイッチを操作した場合に作動して次の操作又は対処を促す誘導表示灯を設ける。
【0023】
(現場確認メッセージの表示)
音響停止スイッチから引き出したガイダンスラインの火災確認ガイダンスラインと非火災確認ガイダンスラインに分岐する手前に、火災現場の確認を促す現場確認メッセージを表示する。
【0024】
(火災対処情報の表示)
火災断定スイッチからの火災確認ガイダンスラインの終端に火災対処情報を表示する。
【0025】
(火災対処情報)
火災対処情報として、消防機関への通報、避難誘導、及び初期消火の少なくとも何れかを所定のシンボルにより表示する。
【0026】
(スイッチ番号)
音響停止スイッチ、地区音響一時停止スイッチ、及び復旧スイッチは、近傍に自己のスイッチ名称を表示すると共にスイッチ番号を操作又は対処の順番に表示する。
【発明の効果】
【0027】
(音声ガイダンス機能付きの受信機の効果)
本発明は、警戒区域に引き出された回線に接続した火災感知器等からの火災信号を回線単位に受信した場合に、火災代表灯と火災発生地区を示す地区表示灯を作動すると共に受信機主音響を鳴動する受信制御部と、主音響を停止させる音響停止スイッチと、地区音響を一時的に停止させる地区音響一時停止スイッチと、現場確認で火災が確認されたときに操作される火災断定スイッチと、火災信号を受信して動作した受信機状態を監視状態に戻す復旧スイッチと、音声ガイダンスを出力させる音声案内スイッチと、音声案内スイッチと一体又は近傍に設けられた音声案内誘導灯と、音響停止スイッチの操作を判別した場合に、音声案内誘導灯を作動して音声案内スイッチの操作を促すと共に、状況に応じた操作方法を示すガイダンスを音声により出力する音声ガイダンス処理部とを設けた受信機に於いて、受信機の所定の操作起点位置に音響停止スイッチを配置し、音響停止スイッチから引き出したガイダンスラインを、火災を確認した場合の火災確認ガイダンスラインと非火災を確認した場合の非火災確認ガイダンスラインに分岐し、火災確認ガイダンスラインに火災断定スイッチを配置し、非火災確認ガイダンスラインに地区音響一時停止スイッチを配置し、地区音響一時停止スイッチからの非火災確認ガイダンスラインの終端に復旧スイッチを配置し、火災確認ガイダンスラインと非火災確認ガイダンスラインに分岐するガイダンスラインとは別に音響停止スイッチから引き出したガイダンスラインに音声案内スイッチを配置するようにしたため、火災信号を受信して主音響が鳴動した場合の最初の操作としては、操作開始から操作終了までのガイダンスラインの先頭の操作起点位置に配置している音響停止スイッチが最初に操作するスイッチであることが直観的に分かり、操作に不慣れな管理者であっても、火災信号を受信した場合には迷うことなく音響停止スイッチを操作して主音響を停止する操作を可能とする。
【0028】
続いて、現場確認により火災のときは、音響停止スイッチのガイダンスラインから分岐している火災確認ガイダンスラインに移り、そこに配置している火災断定スイッチの操作が直観的に分かり、火災断定スイッチを操作することで、そのとき停止に設定されている音響警報停止、移報停止、連動停止等のスイッチを自動的に解除して適切な火災対処を可能とする。
【0029】
一方、現場確認で火災でないときには、音響停止スイッチのガイダンスラインから分岐している非火災確認ガイダンスラインに移り、そこに配置している地区音響一時停止スイッチの操作が直観的に分かり、地区音響一時停止スイッチを操作することで、非火災で出していた地区音響警報を一時停止し、更に、非火災確認ガイダンスラインの終端に配置している復旧スイッチの操作に至るという適切な非火災に対する操作を可能とする。
【0030】
また、音響停止スイッチの最初の操作により音声ガイダンスが起動し、状況に合った適切な操作方法のガイダンス内容を音声によって知らせ、音声ガイダンスの内容は操作部に描かれたガイダンスラインに配置している各スイッチの配置順に整合していることから、両者の協働により、受信機の操作に不慣れな管理者であっても、音声ガイダンスと操作部の表示に従いながら操作することで、適切な操作と対処を可能とする。
【0031】
(音声ガイダンス機能なしの受信機の効果)
本発明の別の形態にあっては、警戒区域に引き出された回線に接続した火災感知器等からの火災信号を回線単位に受信した場合に、火災代表灯と火災発生地区を示す地区表示灯を作動すると共に受信機主音響を鳴動する受信制御部と、主音響を停止させる音響停止スイッチと、地区音響を一時的に停止させる地区音響一時停止スイッチと、火災信号を受信したときに停止に設定されていたスイッチを解除する火災断定スイッチと、火災信号を受信して動作した受信機状態を監視状態に戻す復旧スイッチとを設けた受信機に於いて、受信機の所定の操作起点位置に音響停止スイッチを配置し、音響停止スイッチから引き出したガイダンスラインを、火災を確認した場合の火災確認ガイダンスラインと非火災を確認した場合の非火災確認ガイダンスラインに分岐し、火災確認ガイダンスラインに火災断定スイッチを配置し、非火災確認ガイダンスラインに地区音響一時停止スイッチを配置し、地区音響停止スイッチからの非火災確認ガイダンスラインの終端に復旧スイッチを配置するようにしたため、前述した音声ガイダンス機能付きの受信機における音声ガイダンスとの協働による効果以外の効果が同様に得られる。
【0032】
(誘導表示灯による効果)
また、音響停止スイッチ、火災断定スイッチ及び地区音響一時停止スイッチから引き出されたガイダンスラインの各々に、各スイッチを操作した場合に作動して次の操作又は対処を促す誘導表示灯を設けるようにしたため、特定のスイッチを操作した場合に次に操作するスイッチ又は対処が、誘導表示灯の例えば点滅又は点灯により確認でき、例えば、受信機から離れて戻ってきた場合でも、点滅又は点灯している誘導表示灯から次に行うスイッチ操作が分かり、不慣れな管理者であっても適切且つ迅速に操作と対処を可能とする。
【0033】
(現場確認メッセージの表示による効果)
また、音響停止スイッチから引き出したガイダンスラインの火災確認ガイダンスラインと非火災確認ガイダンスラインに分岐する手前に、火災現場の確認を求める現場確認メッセージを表示するようにしたため、音響停止スイッチを操作した場合に、音響停止スイッチからのガイダンスラインに表示された現場確認メッセージを見ることで、火災現場の確認を行うという正しい対処が可能となる。
【0034】
(火災対処情報の表示による効果)
また、火災断定スイッチからの火災確認ガイダンスラインの終端に火災対処情報を表示し、この火災対処情報として、例えば消防機関への通報、避難誘導、及び初期消火の少なくとも何れかを所定のシンボルにより表示するようにしたため、火災断定スイッチを操作した後の対処と操作が簡単且つ確実に確認でき、消防機関への通報、初期消火、避難誘導といった一連の対処を状況に応じて確実に行うことを可能とする。
【0035】
(スイッチ番号による効果)
また、音響停止スイッチ、地区音響一時停止スイッチ、及び復旧スイッチは、近傍に自己のスイッチ名称を表示すると共にスイッチ番号を操作又は対処の順番に表示するようにしたため、例えば、ガイダンスラインの起点位置に配置した音響停止スイッチには「1」のスイッチ番号が表示されていることで、火災信号を受信した場合には、ガイダンスラインの起点位置の配置と「1」の表示により、間違いなく最初に音響停止スイッチを操作することとなり、その後のスイッチ操作の手順を間違うことなく、適切且つ迅速な操作と対処を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】P型火災報知設備に設けた本発明による受信機の機能構成を示したブロック図
図2】受信機の外観を示した説明図
図3図2の受信機における操作部を小扉を開放した状態で取り出して示した説明図
図4図1の受信機の制御動作を示したフローチャート
図5図4に続くステップS9で地区音響の停止を判別した後の受信機の制御動作を示したフローチャート
図6図4及び図5における音声ガイダンス処理1~5の詳細を示したフローチャート
図7図6に続くステップS101で地区音響の停止を判別した後の音声ガイダンス処理1~5の詳細を示したフローチャート
図8】従来の受信機の外観と操作部を拡大して示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0037】
[受信機の構成]
図1はP型火災報知設備に設けた本発明による受信機の機能構成を示したブロック図である。図1に示すように、P型受信機10は管理人室などに設置されており、P型受信機10からは建物の警戒区域に対し感知器回線12が引き出されている。
【0038】
感知器回線12には火災感知器14と発信機15が接続されている。火災感知器14としては、光電式スポット型感知器、差動式スポット型感知器、定温式スポット型感知器など、各種のオンオフ型の感知器が使用される。また、P型受信機10からは制御回線16が引き出され、ここに防排煙機器として防火戸18やダンパ19を接続している。
【0039】
P型受信機10はMPU(マイクロプロセッサ)20を備え、MPU20は、CPU、メモリ、各種の入出力ポートを備えたコンピュータ回路で構成している。MPU20に対しては、回線受信部22、回線制御部24、表示部25、操作部26、警報部27、移報部28を設けている。
【0040】
回線受信部22は火災感知器14の火災検知による発報動作又は発信機15の押し釦操作で流れる発報電流を検出して火災信号をMPU20に出力する。火災感知器14は煙濃度や温度に基づく火災を検知している場合に発報動作を継続しており、煙濃度や温度に基づく火災状態が解消されると発報動作を停止する。このため回線受信部22は火災感知器14が火災を検知して発報動作をしている間、火災信号を出力しており、火災状態が解消され、火災感知器14の火災発報動作が停止すると火災信号の出力を停止する。
【0041】
回線制御部24は防火戸18及びダンパ19に制御信号を出力し、防火戸18及びダンパ19のラッチを解除して閉鎖させる。
【0042】
表示部25には、地区表示灯、火災代表灯、防排煙代表灯等を設けている。操作部26には、音響停止スイッチ、火災断定スイッチ、地区音響一時停止スイッチ、復旧スイッチ等を設けている。
【0043】
警報部27には音響警報や音声案内を行うスピーカやブザー等を設けている。移報部28には、外部接続する例えば表示盤等に、無電圧信号として代表移報信号や回線移報信号を出力するリレー接点を用いた移報回路を設けている。
【0044】
MPU20にはプログラムの実行による機能実現のため、受信制御部30と音声ガイダンス処理部32を設けている。受信制御部30は、警戒区域に引き出された例えば感知器回線12に接続した火災感知器14からの火災信号を回線単位に受信した場合に、火災代表灯、火災発生地区を示す地区表示灯を点滅または点灯すると共に、受信機主音響を鳴動する制御を行う。
【0045】
音声ガイダンス処理部32は、受信制御部30により火災信号の受信を検出した場合の主音響の鳴動に対し、操作部26に設けている音響停止スイッチの操作による主音響停止を判別した際に、同じく操作部26に設けている後の説明で明らかにする音声案内スイッチの操作を判別するごとに、状況に応じた操作方法を示すガイダンスを音声により警報部27のスピーカから出力する制御を行う。
【0046】
[受信機の操作パネル]
(操作パネルの概要)
図2は受信機の外観を示した説明図、図3図2の受信機における操作部を小扉を開放した状態で取り出して示した説明図である。
【0047】
図2に示すように、P型受信機10の扉パネル11の前面となる盤面には、上部から表示部25及び操作部26を設けており、操作部26の下半分には開閉自在な小扉34を設け、表示部25の下部右端の音響孔35の内部にはスピーカを配置している。
【0048】
表示部25には、火災代表灯、防排煙代表灯及び複数の地区表示灯等を設けている。操作部26には図3に取り出して示すように、音響停止スイッチ36、音声案内スイッチ38、火災断定スイッチ44、地区音響一時停止スイッチ50、復旧スイッチ54及び通話用マイクスイッチ56を設けている。なお、復旧スイッチ54は下側に開放した小扉34を閉鎖した場合にその内側となる位置に設けている。
【0049】
音響停止スイッチ36は、P型受信機10で火災信号を受信した際に鳴動する主音響を停止するスイッチである。地区音響一時停止スイッチ50は、P型受信機10における火災信号の受信で鳴動する主音響に連動して鳴動する地区音響を一時的に停止するスイッチである。
【0050】
火災断定スイッチ44は、火災信号を受信した場合に、停止に設定されていた音響警報停止、移報停止、連動停止等のスイッチを解除するスイッチである。復旧スイッチ54は、火災信号を受信して動作したP型受信機10の受信機の状態を通常の監視状態に戻すスイッチである。
【0051】
(操作パネルのガイダンス配置)
操作部26の左側となる所定の操作起点位置に、火災信号を受信して主音響を鳴動した場合に最初に操作する音響停止スイッチ36を配置している。音響停止スイッチ36は操作釦の中央に音響停止誘導灯36aを備えた照光スイッチであり、火災信号を受信して主音響が鳴動すると音響停止誘導灯36aが点滅して音響停止スイッチ36の操作を促すようにしている。
【0052】
音響停止スイッチ36から右側に帯状のガイダンスライン40aを引き出しており、スイッチ名称として「音響停止」を音響停止スイッチ36に近接して表示し、ガイダンスライン40aに続いて誘導表示灯42を配置している。誘導表示灯42から続くガイダンスライン40bには火災現場の確認を求める現場確認メッセージ41として「現場を確認してください」を表示している。誘導表示灯42は音響停止スイッチ36を操作すると点滅して現場確認メッセージ41を指し示し、管理者に火災現場の確認を促す。
【0053】
ガイダンスライン40bは、続いて現場確認の結果が火災であった場合の「火災の時」を表示した火災確認ガイダンスライン40cと、現場確認の結果が非火災であった場合の「火災でない時」を表示した非火災確認ガイダンスライン40に分岐している。
【0054】
火災確認ガイダンスライン40cには、続いて火災断定スイッチ44を配置し、火災断定スイッチ44からのガイダンスライン40dには、スイッチ名称として「断定」を表示し、ガイダンスライン40dに続けて誘導表示灯46を配置し、誘導表示灯46に続けて火災対処情報48を表示している。火災対処情報48は、119番通報、避難誘導及び初期消火の文字に加え、所定の図形を用いた119番通報シンボル48a、避難誘導シンボル48b及び初期消火シンボル48cを配置している。
【0055】
誘導表示灯46は火災断定スイッチ44を操作すると点滅して火災対処情報48を指し示し、管理者に119番通報、避難誘導及び初期消火の火災対処を促す。
【0056】
一方、非火災確認ガイダンスライン40eには、地区音響一時停止スイッチ50を配置し、そこから右側に引き出したガイダンスライン40fにスイッチ名称として「地区音響一時停止」を地区音響一時停止スイッチ50に近接して表示している。
【0057】
地区音響一時停止スイッチ50から引き出したガイダンスライン40fは右端で下方に屈曲して小扉34内に配置した復旧スイッチ54に向かっており、ガイダンスライン40fの終端に復旧スイッチ54を配置している。
【0058】
ガイダンスライン40fの屈曲部分には誘導表示灯52を配置すると共に「扉を開けて操作」とのメッセージを表示しており、誘導表示灯52は地区音響一時停止スイッチ50を操作すると点滅して復旧スイッチ54の操作を促す。
【0059】
このように音響停止スイッチ36を起点に現場確認結果に応じて火災断定スイッチ44側と地区音響一時停止スイッチ50側に分岐し、地区音響一時停止スイッチ50から小扉34の内側の復旧スイッチ54に向かうガイダンスライン40a~40fを表示し、各スイッチに続いて誘導表示灯42,46,52を配置したことで、火災信号を受信して主音響が鳴動した場合の操作及び対処の手順を、操作部26を見て直観的に把握可能となり、迅速且つ適切な操作と対処を可能とする。
【0060】
(音声ガイダンスの操作スイッチ)
操作部26の左側となる操作起点位置に配置した音響停止スイッチ36の下側には音声案内スイッチ38を配置しており、音声案内スイッチ38はその両側に音声案内誘導灯38aを設けている。
【0061】
本実施形態にあっては、P型受信機10で火災信号が受信されて警報部27のスピーカから主音響が鳴動された際に音響停止誘導灯36aが点滅し、音響停止スイッチ36を操作すると主音響が停止し、同時に音声案内誘導灯38aが点滅して音声案内スイッチ38の操作を促し、この状態で音声案内スイッチ38を操作すると、そのときの状況に応じた操作方法を示すガイダンスを音声出力の可能状態となる。
【0062】
音声案内スイッチ38の操作により出力されるガイダンスには、火災断定スイッチ44、地区音響一時停止スイッチ50、更に復旧スイッチ54を操作する指示が含まれている。この音声ガイダンスによる指示に対し管理者が容易に操作できるようにするため、各スイッチの近傍にはスイッチ名を表示し、また、音響停止スイッチ36、地区音響一時停止スイッチ50、及び復旧スイッチ54には、スイッチ番号として「1」、「2」、「3」を視認しやすく大きい文字で表示している。
【0063】
このような音声ガイダンスにより、操作部26における音響停止スイッチ36から小扉34の内側の復旧スイッチ54に向かうガイダンスライン40a~40fを表示し、各スイッチに続いて配置した誘導表示灯42,46,52の作動と相俟って、火災信号を受信した場合に適切且つ迅速な操作と対処が可能となる。
【0064】
[受信機の制御動作]
図4図1の受信機の制御動作を示したフローチャートである。図4に示すように、図1に示したP型受信機10の受信制御部30は、ステップS1で火災信号の受信の有無をチェックしており、回線単位に行われる火災感知器14または発信機15からの火災信号を受信すると、ステップS2に進み、火災代表灯を作動し、同時に火災信号を受信した回線に対応した地区表示灯を作動し、続いてステップS3で主音響を鳴動する。本実施形態における主音響の鳴動は音声出力により行っており、火災を示す擬似警報音と火災内容を示す警報メッセージの組合せとなる音声メッセージとして、例えば「“第1擬似音”火事です。火事です。発生場所を確認してください」を出力する。
【0065】
続いてステップS4に進み、音響停止スイッチ36の操作の有無を判別し、操作有りを判別すると、ステップS5で主音響即ちステップS3で出力している音声メッセージを停止する。操作無しと判別した場合は、ステップS4を繰り返す。
【0066】
続いてステップS6で操作部26に設けている誘導表示灯42及び音声案内誘導灯38aを作動し、現場確認メッセージ41を指し示し火災現場の確認を促すと共に、音声案内スイッチ38の操作により出力する操作ガイダンスがあることを示す。続いてステップS7で音声案内スイッチ38の操作の有無を判別し、操作有りを判別すると、ステップS8で音声ガイダンス処理1を行う。
【0067】
ステップS7で音声案内スイッチ38の操作無しを判別した場合は、ステップS9に進み、地区音響が鳴動中であるのか否かを判別する。鳴動中を判別しステップS10に進み、現場確認の結果から火災のときは、火災断定スイッチ44を操作することから、火災断定スイッチ44の操作有りを判別した場合は、ステップS11に進み、そのとき停止に設定されているスイッチを自動的に解除する火災断定処理を行う。続いて、ステップS12で火災断定スイッチ44に続いて設けた誘導表示灯46を作動し、火災対処情報48にシンボル表示した119番通報、避難誘導、初期消火の火災対処を促す。
【0068】
その後、ステップS13で音声案内スイッチ38の操作の有無を判別し、操作有りを判別した場合は、ステップS14で音声ガイダンス処理2を行う。音声案内スイッチ38の操作無しを判別した場合は、ステップ15に進み、復旧スイッチ54の操作の有無を判別する。復旧スイッチ54の操作有りを判別した場合は、ステップ32に進み、火災信号を受信した感知回線12に対するラインカット制御により発報した火災感知器14を復旧し、受信機の動作を通常監視状態に戻す復旧処理を行う。操作無しと判別した場合は、ステップS13の前に戻る。
【0069】
一方、現場確認の結果から非火災のときは、地区音響一時停止スイッチ50を操作することから、ステップS10で火災断定スイッチ44の操作無しを判別しステップS16に進み、地区音響一時停止スイッチ50の操作有りを判別した場合は、ステップS17に進み、鳴動している地区音響警報を一時停止する処理を行う。続いてステップS18で地区音響一時停止スイッチ50に続いて設けた誘導表示灯52を作動し、復旧スイッチ54の操作を促す。ステップS19~21は、ステップS20で音声ガイダンス処理3を行う以外はステップS13~15と同じ処理を行う。
【0070】
図5は、図4のステップS9で地区音響の停止を判別した後の受信機の制御動作を示したフローチャートである。ステップS9で地区音響の停止を判別した場合は、ステップ22に進み、火災断定スイッチ44の操作有りを判別した場合は、ステップ10と同じ処理を行い、操作無しを判別した場合は、既に地区音響警報が停止していることから、一時停止する処理を行わず、ステップS28に進み、地区音響一時停止スイッチ50に続いて設けた誘導表示灯52を作動し、復旧スイッチ54の操作を促す。
【0071】
ステップS23~27は、ステップS26で音声ガイダンス処理4を行う以外はS11~15と同じ処理を行う。ステップ29~31は、ステップ30で音声ガイダンス処理5を行う以外はS13~S15と同じ処理を行う。
【0072】
(音声ガイダンス処理)
図6図4及び図5における音声ガイダンス処理1~5の詳細を示したフローチャートである。
【0073】
(音声ガイダンス処理1)
図1のP型受信機10に設けた音声ガイダンス処理部32は、図4のステップS7で音声案内スイッチ38の操作を判別すると、図6のステップS100に進み、「感知器が作動しました。発生した場所の状況を確認して下さい。」の音声ガイダンスを出力する。
【0074】
次にステップS101に進み、地区音響鳴動中か否かチェックし、鳴動中であればステップS102に進み、停止中であれば図7のステップS202に進む。地区音響鳴動中について進んだステップS102にあっては、音声ガイダンスとして「確認した結果、火災の場合は火災断定スイッチを押して下さい。」を出力し、無音1秒を介してステップS103で音声ガイダンスとして「確認した結果、火災でない場合は2番の地区音響一時停止スイッチを押して下さい。」を出力する。
【0075】
現場確認の結果から火災で、ステップS102の音声ガイダンスの指示に従って火災断定スイッチ44を押し、ステップS104で火災断定スイッチ44の操作有りを判別した場合は、そのとき停止に設定されているスイッチが自動的に解除され、ステップS105で火災断定処理の実行終了に伴い、音声ガイダンスとして「火災断定処理をしました。」を出力する。
【0076】
続いて、ステップS106で音声案内スイッチ48の操作有りを判定した場合は、ステップS107で音声ガイダンスとして「119番に通報して下さい。状況に応じて、初期消火や避難誘導を行って下さい。」を出力する。ステップS106で音声案内スイッチ48の操作無しを判定した後、又はステップS107の処理後にステップS108で復旧スイッチの操作有りを判別した場合、ステップS115で音声案内を終了する。ステップS108で操作無しを判別した場合はステップS106の前に戻る。
【0077】
また、現場確認の結果から非火災で、ステップS104で火災断定スイッチ44の操作無しを判別後、ステップS103の音声ガイダンスに従って、地区音響一時停止スイッチ50を操作して、ステップS109で地区音響一時停止スイッチ50の操作有りを判別した場合、地区音響を一時停止し、ステップS110で音声ガイダンスとして「地区音響を一時停止しました。」を出力する。
【0078】
続いて、ステップS111で音声案内スイッチ48の操作有りを判定した場合、ステップS112で音声ガイダンスとして「3番の復旧スイッチを押して下さい。」を出力し、ステップS113の処理は、操作無しを判別した場合にステップS111の前に戻る以外はステップS108と同じ処理を行う。
【0079】
ステップS109で地区音響一時停止スイッチ50の操作無しを判別した後、ステップS114で音声案内スイッチ48の操作有りを判別した場合は、ステップS102の前に戻り、再度音声ガイダンスを行い、操作無しを判別した場合は、ステップS104の前に戻る。
【0080】
一方、ステップS101で地区音響停止中を判別して、図7のステップS202に進んだ場合には、音声ガイダンスとして「確認した結果、火災の場合は火災断定スイッチを押して下さい。」を出力し、続いて無音1秒を介してステップS203で「確認した結果、火災でない場合は、3番の復旧スイッチを押して下さい。」を出力する。
【0081】
現場確認の結果から火災で、ステップS204で火災断定スイッチ44の操作有りを判別した後のステップS205~S208の処理は、フローチャート上の行き先のステップが異なるのみで、S105~S108と同じ処理を行う。
【0082】
また、現場確認の結果から非火災で、ステップS204で火災断定スイッチ44の操作無しを判別した場合は、既に地区音響が停止していることから、一時停止の音声ガイダンスを行わず、ステップS209で復旧スイッチの操作有りを判別した場合は、ステップS115で音声案内を終了する。
【0083】
ステップS210の処理はフローチャート上の行き先のステップが異なるのみで、ステップS114と同じ処理を行う。一度でもいずれかのステップで音声案内スイッチ48の操作有りを判別した後は、再度音声案内スイッチ48の操作有りを判別しなくとも、自動で適当な音声ガイダンスを繰り返すようにしても良い。また、音声案内スイッチの操作がなくとも、自動で適当な音声ガイダンスを処理するようにしても良い。
【0084】
なお、発信機が作動した場合の音声ガイダンス処理は、図6のステップS100の音声ガイダンスで「感知器が作動しました。」を「発信機が押されました。」とする点が相違するだけであり、他の処理及び音声ガイダンスは感知器が作動した場合と同じになる。
【0085】
(音声ガイダンス処理2~5)
音声ガイダンス処理2は、ステップS107の手前から始まり、その後のステップは音声ガイダンス処理1に従う。
【0086】
音声ガイダンス処理3は、ステップS112の手前から始まり、その後のステップは音声ガイダンス処理1に従う。
【0087】
音声ガイダンス処理4は、ステップS207の手前から始まり、その後のステップは音声ガイダンス処理1に従う。
【0088】
音声ガイダンス処理5は、ステップS209の手前から始まり、その後のステップは音声ガイダンス処理1に従う。
【0089】
[音声ガイダンス機能を持たない受信機]
本発明による受信機の他の実施形態として、音声ガイダンス機能を持たない受信機であってもよい。音声ガイダンス機能を持たない受信機は、図1のMPU20から音声ガイダンス処理部32を除き、また、図3の操作部26に設けている音声案内スイッチ38及び音声案内誘導灯38aを除いた構成とし、更に、図4及び図5における音声案内スイッチの操作判別及び音声ガイダンス処理を除いた受信機制御とすれば良い。
【0090】
[本発明の変形例]
上記の実施形態はP型受信機を例にとるものであったが、受信機の操作表示部として画像表示を行うディスプレイを持たない適宜の受信機についても、そのまま適用することができる。
【0091】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0092】
10:P型受信機
12:感知器回線
14:火災感知器
15:発信機
16:制御回線
18:防火戸
19:ダンパ
20:MPU
22:回線受信部
24:回線制御部
25:表示部
26:操作部
27:警報部
28:移報部
30:受信制御部
32:音声ガイダンス処理部
34:小扉
36:音響停止スイッチ
36a:音響停止誘導灯
38:音声案内スイッチ
38a:音声案内誘導灯
40a,40b,40d,40f:ガイダンスライン
40c:火災確認ガイダンスライン
40e:非火災確認ガイダンスライン
42,46,52:誘導表示灯
44:火災断定スイッチ
48:火災対処情報
48a:119番通報シンボル
48b:避難誘導シンボル
48c:初期消火シンボル
50:地区音響一時停止スイッチ
54:復旧スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8