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特許7465091水素燃料補給コストを低減する2層チューブ-トレーラ作動方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】水素燃料補給コストを低減する2層チューブ-トレーラ作動方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   F17C 5/06 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
F17C5/06
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019537054
(86)(22)【出願日】2017-09-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 US2017052959
(87)【国際公開番号】W WO2018057891
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-09-11
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】15/272,622
(32)【優先日】2016-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507369039
【氏名又は名称】ユーシカゴ・アーゴン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】UChicago Argonne, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】レッディ クリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】エルゴウェイニー アムガッド
【合議体】
【審判長】久保 克彦
【審判官】西本 浩司
【審判官】藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0090364(US,A1)
【文献】特開2010-32053(JP,A)
【文献】特表2009-510352(JP,A)
【文献】特開2004-324715(JP,A)
【文献】特開2010-266046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 1/00-13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素燃料補給コストを低減するように燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させるシステムであって、
燃料補給ステーションチューブ-トレーラ上に圧力容器の2層燃料供給部を含む水素燃料補給ステーションであって、圧力容器の第1の層及び圧力容器の第2の層が、互いに接続される少なくとも1又は2以上の圧力容器を含む、水素燃料補給ステーションと、
圧縮機と、
前記圧力容器の第1の層及び前記圧力容器の第2の層に結合され、前記圧縮機に各々が結合された個別の制御ユニットと、
個別の制御ユニットによって前記圧縮機に結合された高圧バッファストレージと、
を含み、
前記個別の制御ユニットは、
前記圧力容器の第1の層内及び前記圧力容器の第2の層内の各々の圧力をモニタし、
モニタされた圧力に基づいて、前記1又は2以上の圧力容器のうちの最高圧力を有する第1の圧力容器を定格最大圧力に達するまで充填し、前記1又は2以上の圧力容器うちの第2の圧力容器を定格最大圧力に達するまで充填し、圧密化が完了するまで続けて、前記圧力容器の第1の層と、前記圧力容器の第2の層と、前記高圧バッファストレージとの間で選択的に水素を圧密化し、前記圧力容器の第1の層と、前記圧力容器の第2の層と前記高圧バッファストレージとのうちの選択された1つを使用して、必要とされる車両給油流れを維持しながら、選択された層の圧力容器又は高圧バッファストレージから直接引き出して車両タンクの予め定められた限界値に達するまで車両に燃料補給する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記個別の制御ユニットが前記圧力容器の第1の層内及び前記圧力容器の第2の層内の各々の圧力をモニタすることは、該圧力容器の第1の層内の第1の予め定められた圧力に基づいて、該個別の制御ユニットが該圧力容器の第1の層を使用して車両に燃料補給することを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記個別の制御ユニットが、前記圧力容器の第1の層内の第2の予め定められた圧力に応答してかつ前記圧力容器の第2の層内の前記第1の予め定められた圧力に基づいて、前記高圧バッファストレージを使用して車両に燃料補給することを含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記個別の制御ユニットが、前記圧力容器の第2の層から前記圧力容器の第1の層内までの間で水素を圧密化することを含むことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記圧縮機は、単一の段を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記圧縮機は、個別の水素ストリームを独立に取り扱うことができる第1の段及び第2の段を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記個別の制御ユニットは、前記圧縮機の前記第2の段が実質的にアイドリング状態であり、かつ前記高圧バッファストレージが満杯である時に、前記圧力容器第2の層から前記圧力容器の第1層内に水素を圧密化することを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記圧力容器の2層燃料供給部が、前記少なくとも1又は2以上の圧力容器のうちの可能な圧力サイクルをステーション作動中に受ける圧力容器の数を制限するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記圧力容器の2層燃料供給部が、付属品の数を低減して制御を簡略化するように構成され、前記水素燃料補給コストを更に低減することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記圧力容器の2層燃料供給部が、複数のユーザに有効かつ効率的にサービス提供するように構成され、前記水素燃料補給コストを更に低減することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記個別の制御ユニットは、選択された予め定められた作動モードを前記モニタされた圧力に応答して実施することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
燃料補給のために車両に接続されたディスペンサを含み、
前記個別の制御ユニットは、前記ディスペンサが前記車両に接続されたことに応答して予め定められた作動モードを実施する、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記個別の制御ユニットは、前記圧縮機の前記第2の段が実質的にアイドリング状態であり、かつ前記高圧バッファストレージが満杯である時に、前記モニタされた圧力に応答して前記圧力容器の第2の層から前記圧力容器の第1の層内に水素を圧密化するための予め定められた作動モードを実施することを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項14】
水素燃料補給コストを低減するように燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法であって、
圧力容器の第1の層及び圧力容器の第2の層を有する圧力容器の2層燃料供給部を燃料補給ステーションチューブ-トレーラ上に含む水素燃料補給ステーションを与える段階であって、前記圧力容器の第1の層及び前記圧力容器の第2の層が、互いに接続される少なくとも1又は2以上の圧力容器を含む、段階と、
前記圧力容器の第1の層及び前記圧力容器の第2の層の各々に個別の制御ユニットを結合する段階と、
前記圧力容器の第1の層及び前記圧力容器の第2の層に圧縮機を結合する段階と、
別の個別の制御ユニットによって前記圧縮機に結合された高圧バッファストレージを与える段階と、
を含み、
前記個別の制御ユニットは、前記圧力容器の第1の層内、前記圧力容器の第2の層内、及び前記高圧バッファストレージ内の各々の圧力をモニタし、該モニタされた圧力に基づいて、前記圧力容器の第1の層と、該圧力容器の第2の層と、該高圧バッファストレージとのうちの選択された1つを選択的に使用して、必要とされる車両給油流れを維持しながら、選択された層の圧力容器又は高圧バッファストレージから直接引き出して車両タンクの予め定められた限界値に達するまで車両に燃料補給する、
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記個別の制御ユニットが、モニタされた圧力に基づいて、前記少なくとも1又は2以上の圧力容器のうちの最高圧力を有する第1の圧力容器を定格最大圧力に達するまで充填し、前記少なくとも1又は2以上の圧力容器のうちの第2の圧力容器を定格最大圧力に達するまで充填し、圧密化が完了するまで続けて、前記圧力容器の第1の層と、前記圧力容器の第2の層と、前記高圧バッファストレージとの間で水素を選択的に圧密化する段階を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記圧縮機は、個別の水素ストリームを独立に取り扱うことができる第1の段及び第2の段を含み、
前記方法が、前記圧縮機の前記第2の段が実質的にアイドリング状態であり、かつ前記高圧バッファストレージが満杯である時に、前記圧力容器の第2の層から前記圧力容器の第1の層内に水素を圧密化する前記個別の制御ユニットを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記個別の制御ユニットが前記圧力容器の第1の層内、前記圧力容器の第2の層内、及び前記高圧バッファストレージ内の各々の圧力をモニタする段階は、該個別の制御ユニットが前記圧力容器の第1の層及び前記圧力容器の第2の層の前記少なくとも1又は2以上の圧力容器内の圧力をモニタする段階を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記個別の制御ユニットが前記圧力容器の第1の層内の第1の予め定められた圧力に基づいて該圧力容器の第1の層を使用して車両に燃料補給する段階を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記個別の制御ユニットが前記圧力容器の第1の層内の第2の予め定められた圧力に応答して前記高圧バッファストレージを使用して車両に燃料補給する段階を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記圧縮機を与える段階は、該圧縮機に第1の段及び第2の段を設ける段階を含み、該第1の段及び該第2の段の両方が、個別の水素ストリームを独立に取り扱うことができることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔本発明の契約由来〕
合衆国政府は、合衆国政府とアルゴンヌ国立研究所を代表するUchicago Argonne,LLCとの間の契約番号DE-AC02-06CH11357に従って本発明における権利を有する。
【0002】
本発明は、一般的に水素燃料補給システムに関連し、より具体的には、水素燃料補給コストを低減するために2層燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
本発明者によって2015年4月2日に公開されて本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2015/0090364 A1号明細書は、燃料補給コストを低減するために供給源チューブ-トレーラと少なくとも1つの圧縮機とを含む燃料補給ステーションを作動させる方法及び装置を開示している。燃料補給ステーションは、第1の制御ユニットに結合されたチューブ-トレーラ上の複数のタンクを含むガス燃料供給源と、圧力制御弁及び第1の制御ユニットによって第2の制御ユニット及び第1のタンクに結合された予め定められた容量を有する高圧バッファストレージと、少なくとも1つの圧縮機とを含む。燃料補給ステーションは、各作動モードの開始時の燃料補給ステーションの状態に応じて異なるモードで作動される。燃料補給システムは、システムの状態を識別して次の作動モードを選択するために各作動モードの終了時に評価される。作動モードは、トレーラ上に装着されたチューブ内の水素又はいずれかのガス燃料を圧密化する段階を含む。
【0004】
上記で識別した米国特許公開第2015/0090364 A1号明細書は、従来技術に対する改善を提供するが、水素及び他の燃料の燃料補給コストを低減するために燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させるための強化された方法及びシステムを提供することが望ましい。
【0005】
各層が燃料補給ステーションチューブ-トレーラの部分集合として少なくとも1つの圧力容器バンクを含む燃料補給ステーションチューブ-トレーラのための2層作動戦略を含むような燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させるための強化された方法及びシステムを提供することが望ましい。
【0006】
燃料補給現場でのストレージの利用を最大にするような燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させるための強化された方法及びシステムを提供することが望ましい。
【0007】
ステーション作動中に圧力サイクルを受ける圧力容器の数を制限するような燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させるための強化された方法及びシステムを提供することが望ましい。
【0008】
付属品の数を低減して制御を簡略化し、更に燃料補給コストを低減するような燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させるための強化された方法及びシステムを提供することが望ましい。
【0009】
公知の配置に比べて圧力容器の圧力サイクルのリスクを低減し、同時に高いチューブ-トレーラペイロード利用を提供するような燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させるための強化された方法及びシステムを提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許出願公開第2015/0090364 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の主な態様は、水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法及びシステムを提供することである。本発明の他の重要な態様は、実質的に悪影響を及ぼさずに従来技術配置の欠点の一部を克服するような方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
要約すると、水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法及びシステムを提供する。水素燃料補給ステーションは、燃料補給ステーションチューブ-トレーラ上に圧力容器の2層燃料供給部を含み、圧力容器の第1の層及び第2の層は、互いに接続した少なくとも1又は2以上の圧力容器を含む。個別の制御ユニットが圧力容器の第1の層及び第2の層に結合され、制御ユニットの各々は圧縮機に結合される。圧縮機は、個別の制御ユニットによって高圧バッファストレージに結合される。作動において、圧力は、各層内でモニタされる。水素は、圧力容器バンクの第1の層、圧力容器の第2の層、及び高圧バッファの間で選択的に圧密化される。第1の層内の第1の予め定められた圧力に基づいて、第1の層は、車両に燃料補給するのに使用される。第1の層内の第2の予め定められた圧力に応答して、水素は、第2層圧力容器から圧密化される。高圧バッファストレージは、第1の層内の第1の予め定められた圧力に応答して第2の層を用いて車両に燃料補給するのに使用される。
【0013】
本発明の特徴により、圧力容器の第2の層からの水素は、圧縮機がアイドリング状態にあり、かつ高圧バッファストレージが満杯になった時に、圧力容器バンクの第1の層の中に圧密化される。これは、燃料補給ステーションの作動中に高圧バッファを補充する時の高い圧縮機スループットを保証するために第1層圧力容器バンクが常により高い圧力であることを保証する。
【0014】
本発明の特徴により、各層内の圧力のモニタは、各層内の各圧力容器内の圧力の別々のモニタを含む。
【0015】
本発明の特徴により、圧力容器の2層燃料供給部は、ステーション作動中に圧力サイクルを受ける圧力容器の数を制限するように構成される。
【0016】
本発明の特徴により、圧力容器の2層燃料供給部は、付属品の数を低減して制御を簡略化し、更に燃料補給コストを低減するように構成される。
【0017】
本発明の特徴により、圧縮機及び燃料補給ステーションは、多数のユーザに有効かつ効率的にサービスを提供し、更に燃料補給コストを低減するのに使用される。
【0018】
本発明の特徴により、圧縮機は、任意的に第1の段及び第2の段を含み、各々は、個別の水素又はガス燃料ストリームを独立に取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
上記及び他の目的及び利点と共に本発明は、図面に例示する本発明の好ましい実施形態の以下の詳細説明から最も良く理解することができる。
【0020】
図1A】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図1B】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図2A】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図2B】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図3】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図4】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図5A】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図5B】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図6A】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図6B】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図7A】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図7B】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図8】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図9】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図10】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図11A】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図11B】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図12】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図13A】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図13B】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図14】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図15】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムの縮尺通りではない概略図である。
図16】好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させるための例示的段階を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態の以下の詳細説明では、本発明を実施することができる例示的実施形態を示す添付の図面を参照する。本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用することができ、かつ構造的変更を加えることができることは理解されるものとする。
【0022】
本明細書に使用する用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図していない。本明細書に使用する場合に、単数形「a」、「an」、及び「the」は、関連上明らかに他を意味しない限り、複数形も包含することを意図している。本明細書に使用する場合に、用語「comprise」及び/又は「comprising」は、陳述した特徴、整数、段階、作動、要素、及び/又は構成要素の存在を明示するが、1又は2以上の他の特徴、整数、段階、作動、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は付加を排除しないことは更に理解されるであろう。
【0023】
本発明の特徴により、水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法及びシステムを提供する。水素燃料補給ステーションは、燃料補給ステーションチューブ-トレーラ上に圧力容器の2層燃料供給部を含み、圧力容器の第1の層及び第2の層は、互いに接続した少なくとも1又は2以上の圧力容器を含む。個別の制御ユニットが圧力容器の第1の層及び第2の層に結合され、制御ユニットの各々は圧縮機に結合される。圧縮機は、個別の制御ユニットによって高圧バッファストレージに結合される。作動において、圧力は、各層内でモニタされる。水素は、圧力容器バンクの第1の層、圧力容器の第2の層、及び高圧バッファの間で選択的に圧密化される。第1の層内の第1の予め定められた圧力に基づいて、第1の層は、車両に燃料補給するのに使用される。第1の層内の第2の予め定められた圧力に応答して、水素は、第2の層から圧密化され、高圧バッファストレージは、第1の層内の第2の予め定められた圧力に応答して車両に燃料補給するのに使用される。
【0024】
本発明の特徴により、層1において、好ましい構成にある圧力容器は、異なる機能を果たすことができる圧力容器の少なくとも2つのバンクを含み、例えば、一方のバンクは、最初に車両を充填し、圧力容器の他方のバンクは、高圧バッファストレージを補充する。ただし、層2では、全ての圧力容器は、単一ユニットとして作動するように集約される。
【0025】
ここで図面を参照すると、図1A、1B、2A、2B、3、4、5A、5B、6A、6B、7A、7B、8、9、10、11A、11B、12、13A、13B、14、及び15は、好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させる方法を実施するための例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムが概略的に示されている。
【0026】
図1A、1B、2A、2B、3、4、5A、5B、6A、6B、7A、7B、8、9、10、11A、11B、12、13A、13B、14、及び15に示すように、各例示する例示的燃料補給ステーションチューブ-トレーラシステムは、互いに接続された圧力容器の少なくとも1つのバンクを有する圧力容器102の第1の層101と圧力容器102の第2の層103とを有する燃料補給チューブ-トレーラ上の圧力容器の2層燃料供給部を含み、各層101、103は、それぞれ互いに接続された少なくとも1又は2以上の圧力容器102を含む。個別の制御ユニットA、B、104、106は、圧力容器102の第1の層101及び第2の層103に結合され、制御ユニットの各々は、圧縮機108に結合される。圧縮機108は、個別の制御ユニットC、112によって高圧バッファストレージ110に結合される。圧力制御デバイス114は、制御ユニットA、104を制御ユニットC、112に接続する。制御ユニットC、112と車両の搭載タンク内への水素流れを調整するディスペンサ118との間に結合された冷凍ユニット116が、必要とされる温度まで水素を冷却する。
【0027】
2層作動では、チューブ-トレーラ上のより高圧の圧力容器バンク102(作動圧力又はその近くでの)を最初に使用して、圧力がもはや車両給油に必要な流れを維持することができなくなるまで車両タンクを充填し、水素を圧縮機108に供給する。より高圧の圧力容器バンク102の2層作動では、圧力サイクルは、有利なことに最小限に低減される又は完全に回避される。高圧バッファ110は、チューブ-トレーラ上の圧力容器の第1の層101内の最高圧力を用いて圧力容器バンク102から水素を移動することによって補充される。チューブ-トレーラ上の圧力容器102の2層作動により、圧縮機108と燃料補給現場でのストレージとの利用が最大にされ、ステーション作動中に圧力サイクルを受ける圧力容器102の数が制限される。この2層作動は、高いチューブ-トレーラペイロード利用を保証しながら、従来技術のチューブ-トレーラ圧密化作動で観察される圧力サイクルのリスクを低減する。同じく2層作動は、付属品の数を低減し、制御装置104、106、及び112を簡略化し、更に燃料補給コストを低減すると考えられる。
【0028】
図1Aを参照すると、全体として参照符号100で指定される作動モード1Aが示されている。モード1A、100では、ディスペンサ118が、初期車両充填のためにチューブ-トレーラ上の圧力容器バンク102に接続される。H2又はガス燃料は、層101内の最高圧力を用いて圧力容器バンク102から直接引き出され(すなわち、圧縮機108及びバッファストレージ110を迂回して)、車両のタンクを充填する。バッファストレージ110は満杯である。ディスペンサ118は、燃料補給を開始するために車両によって塞がれている。モード1Aは、圧力容器層と車両のタンク間の質量流量が予め定められた下限に達した時、又はディスペンサ118で必要とされる圧力が車両給油に必要とされる流れを維持することができなくなるまでで終了する。
【0029】
モード1A、100において同時に、チューブ-トレーラの層1、101内の最高圧力を有する使用されていない圧力容器バンク102は、層2、103内の圧力容器102から圧縮機108を通して充填(圧密化)される。搬送先圧力容器102(層1圧力容器バンク102)内の圧力が定格最大圧力に達すると、層1、101内の次に高圧の圧力容器バンク102が選択されて層2から充填される(圧密化される)。これは、圧密化が完了する(すなわち、引き出されているものを除く層1、101内の全ての圧力容器バンク102が定格最大圧力にあるか又は層2内の全ての圧力容器がその指定戻り圧力にある)まで続く。
【0030】
ここで図1Bを参照すると、全体として参照符号120で指定される作動モード1Bが示されている。モード1B、120は、ディスペンサ118がバッファストレージ110に接続されたモード1Aのすぐ後に続いて車両を最大可能な充填状態まで充填する。
【0031】
H2又はガス燃料は、最低圧力(その時点で車両タンク圧力よりも上)を有する高圧バッファストレージ110圧力容器バンクから引き出され、車両タンクを充填し続ける。これは、選択された高圧バッファストレージの圧力容器バンクと車両タンク間の質量流量が予め定められた下限に達した時、又はディスペンサ118での圧力が車両給油に必要とされる流れを維持することができなくなるまでで終了する。この時点で、ディスペンサ(又は制御ユニットB)は、車両タンクよりも圧力の高い別の高圧バッファストレージの圧力容器バンクに水素の供給源を切り換える。ディスペンサは、車両タンクが最大可能な充填状態に達するまで高圧バッファ供給源のバンク間で切り換え続ける。モード1Bは、車両がその最大可能な充填状態に達すると終了する。
【0032】
モード1B、100では同時に、チューブ-トレーラの層1、101内の最高圧力(定格最大圧力未満)を有する圧力容器バンク102は、層2内の圧力容器102から圧縮機108を通して充填(圧密化)される。搬送先圧力容器102(層1、101圧力容器バンク102)内の圧力が定格最大圧力に達すると、層1、101内で次に高圧の圧力容器バンク102が選択されて層2、103から充填(圧密化)される。これは、圧密化が完了する(すなわち、引き出されているものを除く層1、101内の全ての圧力容器バンク102が定格最大圧力にあるか又は層2、103の全ての圧力容器102がその指定戻り圧力にある)まで続く。
【0033】
図2A及び2Bを参照すると、高圧バッファストレージ110が満杯ではなく、かつ車両がディスペンサ118で燃料補給している時のそれぞれの参照符号200、220によって全体として指定されたそれぞれの作動モード2A、2Bが示されている。作動モード2A、200及びモード2B、220は、多くの場合にピーク期間中に行われる(連続する充填により)。
【0034】
図2Aに示すモード2A、200では、ディスペンサ118は、初期車両充填のために層1、101チューブ-トレーラ圧力容器バンク102に接続される。H2又はガス燃料は、層1、101内で最高圧力を有する圧力容器バンク102から直接引き出され(すなわち、圧縮機108及びバッファストレージ110を迂回して)、車両のタンクを充填する。モード2A、200は、圧力容器バンク102と車両タンク間の質量流量が予め定められた下限に達した時、又はディスペンサ118で必要とされる圧力が車両給油に必要とされる流れを維持することができなくなるまでで終了する。
【0035】
モード2A、200では同時に、最高圧力を有する高圧バッファストレージ110の使用されていない圧力容器バンクは、圧縮機を通して最高圧力を用いてチューブ-トレーラの層1、101内の使用されていない圧力容器バンク102から充填される。高圧バッファストレージ110の圧力容器バンクがその定格最大圧力に達した状態で、圧縮機108放出が切り換わり、高圧バッファストレージ110の次の圧力容器バンクを最高圧力(定格最大圧力未満)を用いて充填する。これは、高圧バッファストレージ110の全ての圧力容器バンクがその定格最大圧力に達するまで、又は層1、101圧力容器バンク102がその最小指定作動圧力にあるまで続く。
【0036】
モード2B、220に関する図2Bでは、ディスペンサ118が高圧バッファストレージ110に接続され、車両を最大可能な充填状態まで充填する。H2又はガス燃料は、最低圧力(その時点で車両タンク圧力よりも上)を有する高圧バッファ貯蔵圧力110容器バンクから引き出され、車両のタンクを充填し続ける。これは、選択された高圧バッファストレージの圧力容器バンクと車両タンク間の質量流量が予め定められた下限に達するまで、又はディスペンサ118での圧力が車両給油に必要とされる流れを維持することができなくなるまで続く。この時点で、ディスペンサ118(又は制御ユニットC、112)は、車両タンクよりも圧力の高い高圧バッファストレージ110の別の圧力容器バンクに水素の供給源を切り換える。ディスペンサ118は、車両タンクが最大可能な充填状態に達するまで、高圧バッファ供給源110のバンク間で切り換え続ける。モード2B、220は、車両がその最大可能な充填状態に達すると終了する。
【0037】
モード2B、220では同時に、最高圧力を有する高圧バッファストレージ110の使用されていない圧力容器バンクは、圧縮機108を通して最高圧力を用いてチューブ-トレーラの層2、103内の使用されていない圧力容器バンク102から充填される。高圧バッファストレージ110圧力容器バンクがその定格最大圧力に達した状態で、圧縮機108放出が切り換わり、次の高圧バッファストレージの圧力容器バンクを最高圧力(定格最大圧力未満)を用いて充填する。これは、高圧バッファストレージ110の全ての圧力容器バンクがその定格最大圧力に達するまで、又は層1、101圧力容器バンク102がその最小指定作動圧力にあるまで続く。
【0038】
図3を参照すると、全体として参照符号300で指定される作動モード3が示されている。モード3、300では、ディスペンサ118は塞がれておらず、バッファストレージ110は満杯ではない。最高圧力を有する高圧バッファストレージ110の容器バンクは、圧縮機108を通して最高圧力を用いてチューブ-トレーラの層1、101内の使用されていない圧力容器バンク120から充填される。この高圧バッファストレージの圧力容器バンクがその定格最大圧力に達した状態で、圧縮機の放出が切り換わり、高圧バッファストレージ110の次の圧力容器バンクを最高圧力(定格最大圧力未満)を用いて充填する。これは、全ての高圧バッファストレージの圧力容器バンクがその定格最大圧力に達するまで、又は層1、101圧力容器バンク102がその最小指定作動圧力にあるまで続く。
【0039】
図4を参照すると、全体として参照符号400で指定される作動モード4が示されている。モード4、400では、ディスペンサ118は塞がれておらず、バッファストレージ110は満杯である。チューブ-トレーラの層1、101内で最高圧力を有する使用されていない圧力容器バンク102は、層2、103内の圧力容器102から圧縮機108を通して充填(圧密化)される。搬送先圧力容器102(層1、101圧力容器バンク102)内の圧力が定格最大圧力に達すると、層1、101内で次に高圧の圧力容器バンク102が選択されて層2、103から充填(圧密化)される。これは、圧密化が完了する(層1、101内の全ての圧力容器バンク102が定格最大圧力にあるか又は層2内の全ての圧力容器がその指定戻り圧力にある)まで続く。
【0040】
図5A、5B、6A、6B、7A、7B、8、9、及び10を参照すると、2つの段:各々が個別のストリームを独立に取り扱うことができる段1、502及び段2、504を有する圧縮機108を使用する高圧バッファストレージ110を通じた車両充填を伴う作動モードが示されている(モード5A、5B、6A、6B、7A、7B、8、9及び10)。
【0041】
図5A、5B、6A、6B、7A、7B、8、9、及び10を参照すると、多段圧縮機108の2つの段、すなわち、段1、502及び段2、504は、2つの個別の単段圧縮機の作動と同様に独立に機能する(すなわち、各段が個別のストリームを独立に取り扱うことができる)ように構成され、燃料補給ステーションの作動は、モード5A、5B、6A、6B、7A、7B、8、9、及び10で表すことができる。配置において、圧縮機の一方の段1、502は、層2、103圧力容器から層1、101圧力容器バンクへ水素を移動する圧密化専用とすることができ、一方で圧縮機の他方の段2、504は、層1、101圧力容器バンク102から高圧バッファストレージ110へ水素を移動することによる高圧バッファストレージ110の補充専用とすることができる。これらの各モード中に、以下のタスク1(車両給油)、タスク2(高圧バッファストレージの補充)、及びタスク3(チューブ-トレーラ圧密化)が、可能であればいつでもどこでも実行される。
【0042】
高圧バッファストレージ110が満杯であり、層2、103から層1、101内へのチューブ-トレーラ圧密化が可能である場合に、タスク2(高圧バッファストレージの補充)は実行されない。そのような場合に、圧縮機の段2、504は(例えば、影響を与えずに閉ループ内で水素を循環させることにより)実質的にアイドリング状態であり、一方、圧縮機の段1、502は、チューブ-トレーラの層2、103から層1、101の中に圧密化させる。同様に、高圧バッファストレージ110が満杯ではなく、チューブ-トレーラを圧密化することができない場合に(すなわち、引き出されているものを除いて層1、101内の全ての圧力容器バンク102が定格最大圧力にあるか又は層2、103内の全ての圧力容器102がそれらの指定戻り圧力にある)、圧縮機の段1、502は実質的にアイドリング状態であるが、圧縮機の段2、504は、高圧バッファストレージ110を補充する。
【0043】
タスク1(車両給油)
a)H2又はガス燃料は、層1、101内で最高圧力を有する圧力容器バンク102から直接引き出され(すなわち、圧縮機108及びバッファストレージ110を迂回して)、車両のタンクを充填する。このサブタスクは、圧力容器バンク102と車両タンク間の質量流量が予め定められた下限に達した時、又はディスペンサ118での圧力が車両給油に必要とされる流れを維持することができなくなるまでで終了する。
【0044】
(b)H2又はガス燃料は、最低圧力(その時点で車両タンク圧力よりも上)を有する高圧バッファストレージ110の圧力容器バンクから引き出され、車両タンクを充填し続ける。これは、選択された高圧バッファストレージの圧力容器バンクと車両タンク間の質量流量が予め定められた下限に達するまで、又はディスペンサ118での圧力が車両給油に必要とされる流れを維持することができなくなるまで続く。この時点で、ディスペンサ110(又は制御ユニットC、112)は、車両タンクよりも圧力の高い別の高圧バッファストレージの圧力容器バンクに水素の供給源を切り換える。ディスペンサ118は、車両タンクが最大可能な充填状態に達するまで高圧バッファ供給源110のバンク間で切り換え続ける。このタスクは、車両がその最大可能な充填状態に達すると終了する。
【0045】
タスク2(高圧バッファストレージの補充)
(a)最高圧力を有する使用されていない高圧バッファストレージ容器バンクは、圧縮機の段2、504を通して最高圧力を用いてチューブ-トレーラの層1、101内の使用されていない圧力容器バンク102から充填される。高圧バッファストレージの圧力容器バンクがその定格最大圧力に達した状態で、圧縮機の第2の段からの放出が切り換わり、次の高圧バッファストレージの圧力容器バンクを最高圧力(定格最大圧力未満)を用いて充填する。これは、全ての高圧バッファストレージの圧力容器バンクがその定格最大圧力に達するまで、又は層1、101の圧力容器バンク102がその最小指定作動圧力にあるまで、又は状態が変わるまで続く。
【0046】
(b)層2、103圧力容器102は、その最小指定作動圧力にある。最高圧力を有する使用されていない高圧バッファストレージ110容器バンクは、2つの圧縮機段1-2、502、504を通して最高圧力を用いてチューブ-トレーラの層1、101内の使用されていない圧力容器バンク102から充填される(ここでは、圧縮機の段1、502が層1、101から引き出して圧縮機の段2、504に供給する)。高圧バッファストレージ110圧力容器バンクがその定格最大圧力に達した状態で、圧縮機の第2の段2、504からの放出が切り換わり、次の高圧バッファストレージの圧力容器バンクを最高圧力(定格最大圧力未満)を用いて充填する。これは、高圧バッファストレージ110の全ての圧力容器バンクがその定格最大圧力に達するまで、又は層1、101の圧力容器バンク102がその最小指定作動圧力にあるまで、又は状態が変わるまで続く。
【0047】
タスク3(チューブ-トレーラ圧密化)
チューブ-トレーラの層1、101内で最高圧力を有する使用されていない圧力容器バンクは、層2内の圧力容器102から圧縮機を通して充填(圧密化)される。搬送先圧力容器バンク(層1圧力容器バンク)内の圧力が定格最大圧力に達すると、層1内で次に高圧の圧力容器バンクが選択されて層2から充填(圧密化)される。これは、圧密化が完了する(すなわち、引き出されているものを除く層1内の全ての圧力容器バンクが定格最大圧力にあるか又は層2内の全ての圧力容器がその指定戻り圧力にある)又は状態が変わるまで続く。
【0048】
図5A及び5Bを参照すると、全体として参照符号500、520で指定される作動モード5A、5Bが示されている。作動モード5A、500及び5B、520は、それぞれ個別のストリームを独立に取り扱うことができる2つの段1-2、502、504を有する圧縮機108を使用するモード1A、100及び1B、120と同様であり、タスク1(a)及びタスク3を完了した後に、タスク1(b)及びタスク3を行う。
【0049】
図6A及び6Bを参照すると、全体として参照符号600、620で指定される作動モード6A、6Bが示されている。作動モード6A、600及び6B、620は、それぞれ個別のストリームを独立に取り扱うことができる2つの段1-2、502、504を有する圧縮機108を使用するモード2A、200及び2B、220と同様であり、タスク1(a)及びタスク2(a)を完了した後に、タスク1(b)、タスク2(b)、及びタスク3を行う。
【0050】
図7A及び7Bを参照すると、全体として参照符号700、720で指定される作動モード7A、7Bが示されている。作動モード7A、700及び7B、720は、それぞれ個別のストリームを独立に取り扱うことができる2つの段1-2、502、504を有する圧縮機108を使用するモード3、300と同様であり、タスク2(a)及びタスク3を完了する。
【0051】
図8を参照すると、全体として参照符号800で指定される作動モード8が示されている。作動モード8、800は、それぞれ個別のストリームを独立に取り扱うことができる2つの段1-2、502、504を有する圧縮機108を使用するモード4、400と同様であり、タスク3を完了する。
【0052】
図9を参照すると、全体として参照符号900で指定される作動モード9が示されている。作動モード9、900は、それぞれ個別のストリームを独立に取り扱うことができる2つの段1-2、502、504を有する圧縮機108を使用するモード2A、200及び2B、220と同様であり、タスク1(b)及びタスク2(b)を完了する。
【0053】
図10を参照すると、全体として参照符号1000で指定される作動モード10が示されている。作動モード10、1000は、それぞれ個別のストリームを独立に取り扱うことができる2つの段1-2、502、504を有する圧縮機108を使用するモード3、300と同様であり、タスク2(b)を完了する。
【0054】
図11A、11B、及び12を参照すると、水素の1つのストリームを取り扱う圧縮機108を直接通じた車両充填を伴う作動モードが示されている(モード1100、1120、及び1200)。
【0055】
図11A、11B、及び12では、圧縮機108が水素の1つのストリームのみを取り扱うように構成される場合に、高圧バッファストレージ110のない燃料補給ステーションの作動は、モード1100、1120、及び1200で表すことができる。そのようなシナリオでは、圧縮機108は、水素を層2、103圧力容器102から層1、101圧力容器バンク102に移動する圧密化専用にすることができ、又は水素を層1、101圧力容器バンク102からディスペンサ118を通して車両のタンクへ移動することによる車両タンクの充填専用にすることができる。これらの各モード中に、以下のタスク4(車両燃料補給)及びタスク5(チューブ-トレーラ圧密化)が、可能であればいつでもどこでも実行される。
【0056】
タスク4(車両給油)
(a)H2又はガス燃料は、層1、101内で最高圧力を有する圧力容器バンク102から直接引き出され(すなわち、圧縮機208を迂回して)、車両のタンクを充填する。このサブタスクは、圧力容器バンクと車両タンク間の質量流量が予め定められた下限に達した時、又はディスペンサ118での圧力が車両給油に必要とされる流れを維持することができなくなるまでで終了する。
【0057】
(b)H2又はガス燃料は、圧縮機108によって層1、101内で最高圧力を有する圧力容器バンク102から直接引き出され、車両のタンクを充填する。このタスクは、車両がその最大可能な充填状態に達すると終了する。
【0058】
タスク5(チューブ-トレーラ圧密化)
チューブ-トレーラの層1、101内で最高圧力を有する使用されていない圧力容器バンク102は、層2、103内の圧力容器102から圧縮機108を通して充填(圧密化)される。搬送先圧力容器102(層1、101圧力容器バンク)内の圧力が定格最大圧力に達すると、層1、101内で次に高圧の圧力容器バンク102が選択されて層2、103から充填(圧密化)される。これは、圧密化が完了する(すなわち、引き出されているものを除く層1内の全ての圧力容器バンク102が定格最大圧力にあるか又は層2、103内の全ての圧力容器102がその指定戻り圧力にある)又は状態が変わるまで続く。
【0059】
図11A、11Bでは、作動モード11A、1100及び11B、1120は、タスク4(a)及びタスク5を完了した後にタスク4(b)を行うことを含む。
【0060】
図12では、作動モード12、1200は、タスク5を完了することを含む。
【0061】
図13A、13B、14、及び15を参照すると、それぞれ個別のストリームを独立に取り扱うことができる2つの段を有する圧縮機を通じた車両充填を伴う作動モードが示されている(モード13A、1300、13B、1320、14、1400、及び15、1500)。
【0062】
図13A、13B、14、及び15を参照すると、多段圧縮機118の2つの段、すなわち、段1、502及び段2、504は、2つの別々の単段圧縮機の作動と同様に独立に機能する(すなわち、各段が個別のストリームを独立に取り扱うことができる)ように構成され、高圧バッファストレージのない燃料補給ステーションの作動は、モード13A、1300、13B、1320、14、1400、及び15、1500で表すことができる。そのようなシナリオでは、圧縮機の一方の段1、502は、層2、103圧力容器バンク102から層1、101圧力容器バンクへ水素を移動する圧密化専用とすることができ、一方で圧縮機の他方の段2、504は、層1、101圧力容器バンク102からディスペンサ118を通して車両のタンクへ水素を移動することによる車両タンクの充填専用にすることができる。これらの各モード中に、以下のタスク6(車両給油)及びタスク7(チューブ-トレーラ圧密化)が、可能であればいつでもどこでも実行される。
【0063】
タスク6(車両給油)
(a)H2又はガス燃料は、層1、101内で最高圧力を有する圧力容器バンク102から直接引き出され(すなわち、圧縮機を迂回して)、車両のタンクを充填する。このサブタスクは、圧力容器バンク102と車両タンク間の質量流量が予め定められた下限に達した時、又はディスペンサ118での圧力が車両給油に必要とされる流れを維持することができなくなるまでで終了する。
【0064】
(b)H2又はガス燃料は、圧縮機の段2、504によって層1、101内で最高圧力を有する圧力容器バンク102から直接引き出され、車両のタンクを充填する。このタスクは、車両がその最大可能な充填状態に達すると終了する。
【0065】
(c)層2、103圧力容器102は、その最小指定作動圧力にある。H2又はガス燃料は、車両のタンクを充填する複合作動で圧縮機の段1、502によって層1、101内で最高圧力を有する圧力容器バンク102から直接引き出され、この段1、502が圧縮機の段2、504に直接供給する。このタスクは、車両がその最大可能な充填状態に達すると終了する。
【0066】
タスク7(チューブ-トレーラ圧密化)
チューブ-トレーラの層1、101内で最高圧力を有する使用されていない圧力容器バンク102は、層2、103内の圧力容器102から圧縮機の段1、502を通して充填(圧密化)される。搬送先圧力容器102(層1、101圧力容器バンク102)内の圧力が定格最大圧力に達すると、層1、101内で次に高圧の圧力容器バンク102が選択されて層2、103から充填(圧密化)される。これは、圧密化が完了する(すなわち、引き出されているものを除く層1、101内の全ての圧力容器バンク102が定格最大圧力にあるか又は層2内の全ての圧力容器がその指定戻り圧力にある)まで続く。
【0067】
図13A、13Bでは、作動モード13A、1300及び13B、1320は、タスク6(a)及びタスク7を完了した後にタスク6(b)及びタスク7を行うことを含む。
【0068】
図14では、作動モード14、1400は、タスク7を完了することを含む。
【0069】
図15では、作動モード15、1500は、タスク6(c)を完了することを含む。
【0070】
モード1A、1B、2A、2B、3、4、11A、11B、及び12では、圧縮機108は、水素の1つのストリームを取り扱う圧縮機を指す。モード5A、5B、6A、6B、7A、7B、8、9、10、13A、13B、14、及び15では、段1、502又は段2、504は、各段が協働する複数の段から構成することができる圧縮機108を指す(例えば、4段圧縮機では、第1の段と第2の段を組み合わせて段1、502を表すことができ、第3の段と第4の段を組み合わせて段2、504を表すことができる)。そのような段1、502及び段2、504は、独立に個別のストリームを取り扱うことができる。
【0071】
図16を参照すると、好ましい実施形態に従って水素燃料補給コストを低減する燃料補給ステーションチューブ-トレーラ及び圧縮機を作動させるための全体として参照符号1600で指定される例示的段階が示されている。ブロック1602に示すように、チューブ-トレーラ上の複数の圧力容器バンク102は、第1の層1、101及び第2の層2、103に構成又は分割され、各層は、個別の制御ユニットA、104及びB、106を有する少なくとも1つの圧力容器バンクを含む。各制御ユニットA、104及びB、106は、圧縮機10に結合される。高圧バッファストレージ110は、上述のように任意的に個別の制御ユニットC、112によって圧縮機108に結合される。
【0072】
ブロック1604に示すように、層1、101及び層2、103内に各圧力容器バンク102を含む各層:層1、101及び層2、103の圧力をモニタする段階と、モニタされた圧力に基づいて車両に燃料補給するために層1、101、層2、103、及び高圧バッファストレージ110のうちの1つを選択的に使用する段階とが上述のように実行される。
【0073】
ブロック1606に示すように、モニタされた圧力に基づいて層1、101、層2、103、及び高圧バッファストレージ110の間で選択的に水素(又は他のガス燃料)を圧密化する段階が上述のように実行される。
【0074】
図面に示す本発明の実施形態の詳細を参照して本発明を説明したが、これらの詳細は、添付の特許請求の範囲に請求するような本発明の範囲を限定することを意図していない。
【符号の説明】
【0075】
100 システム作動モード1A
101 供給層1
103 供給層2
110 高圧バッファストレージ
118 ディスペンサ
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16