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特許7465095カテーテル進入部位を被覆するステント設計
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】カテーテル進入部位を被覆するステント設計
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/91 20130101AFI20240403BHJP
   A61F 2/966 20130101ALI20240403BHJP
【FI】
A61F2/91
A61F2/966
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020000942
(22)【出願日】2020-01-07
(65)【公開番号】P2020110584
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】16/242,587
(32)【優先日】2019-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジョン オー. マクウィーニー
(72)【発明者】
【氏名】ヒラリー ケー. ハスザー
(72)【発明者】
【氏名】マーク エー. マグワイア
(72)【発明者】
【氏名】ショーン シー. ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】スコット バートフィールド
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ティンカム
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド エイチ. ハミルトン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ジェイ. カラセック
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0172929(US,A1)
【文献】特表2011-518610(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0197657(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0014794(US,A1)
【文献】特表2018-505002(JP,A)
【文献】特表2013-512721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/91
A61F 2/966
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステントであって、
身体管腔接触表面領域を画定するステント本体と、
前記ステント本体の外側表面に整列するように前記ステント本体の内側から前記ステント本体の外側に蝶番式で動くことによって前記ステント本体から展開するように構成されている展開可能な部材であって、前記ステント本体の前記身体管腔接触表面領域を増加させるように構成されている展開可能な部材
を含むステント。
【請求項2】
前記展開可能な部材は、前記ステント本体に蝶番式で結合されている少なくとも1つのフラップを含む、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記展開可能な部材は、前記ステント本体に蝶番式で結合されている複数のフラップを含み、前記複数のフラップは、前記ステント本体の円周の周りに等間隔で離間されている、請求項1に記載のステント。
【請求項4】
前記展開可能な部材は、身体管腔の身体管腔進入孔を被覆するように寸法決めされており、前記ステントは、前記身体管腔進入孔を通して前記身体管腔に進入する、請求項1に記載のステント。
【請求項5】
身体管腔にステントを留置するシステムであって、前記システムは、
身体管腔接触表面領域を画定するステント本体展開可能な部材含むステントと、
前記ステントを前記身体管腔の進入部位を通して送達するように構成されているステント送達システムと
を含み、
前記展開可能な部材は、前記進入部位を被覆するように前記ステント本体から展開されるように構成されており、
前記展開可能な部材は、前記ステント本体の外側表面に整列するように前記ステント本体の内側から前記ステント本体の外側に蝶番式で動くことによって前記ステント本体から展開するように、かつ、前記ステント本体の前記身体管腔接触表面領域を増加させるように構成されている、システム。
【請求項6】
前記展開可能な部材は、前記展開可能な部材を拘束された構成から解放することによって展開されるように構成されている、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記展開可能な部材は、前記展開可能な部材を引っ張ることによって展開されるように構成されている、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
胆嚢、膵臓、および胆管(すなわち、膵胆管系)の疾患および障害は、著しい罹患率、死亡率、および生活の質の低下に関連する。閉塞、腫瘍、損傷、漏出、炎症、感染、および病変がこれらの組織で発生する可能性があり、最終的に胆道疝痛、胆嚢炎、総胆管結石症、胆石症、膵炎、膵管結石形成、および慢性腹痛などの状態につながる可能性がある。膵胆管系の疾患は、栄養失調、肥満、および高コレステロールなどの栄養障害にも関連し得る。
【0002】
胆道閉塞を治療するために、標準的な内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)手順が実施され得る。一般に、標準的なERCP手順には、内視鏡が食道を下って胃から十二指腸に入れることが含まれる。次に、逆行方向に沿って大十二指腸乳頭を通り、総胆管へと、内視鏡からガイドワイヤを配置する。ガイドワイヤが所定の位置に配置されたら、ステントまたは他の治療装置をガイドワイヤ上で総胆管に進め、閉塞、生検腫瘍を除去するか、または別の方法で胆道系を治療することができる。
【0003】
胆管閉塞が大きすぎる場合や、または別の方法でガイドワイヤを用いて通過させることが困難な場合など、いくつかの場合では、標準的な逆行性アプローチを使用して、十二指腸から胆管に進入することができない。ガイドワイヤで大十二指腸乳頭を繰り返し突き刺すことにより膵炎を引き起こす危険性は、標準的な逆行性アプローチが回避され得る別の理由である。他の場合では、胆管への十二指腸からの進入が阻止または妨害される場合がある。これらの状況では、胆道閉塞の治療に順行性アプローチが使用され得る。
【0004】
「ランデブー」処置として知られる特定の順行性アプローチでは、EUS(内視鏡超音波検査)内視鏡を使用して閉塞部の上側にある総胆管に進入(すなわち逆行)すること、次いで、進入部位を通って総胆管へ、順行方向に沿って閉塞部を横切り、乳頭を通って十二指腸へとガイドワイヤを導くこと、を含む。次いで、ガイドワイヤを所定の位置に留置したまま、EUS内視鏡を患者から引き抜き、標準的なERCP内視鏡と交換する。スコープの交換が完了すると、十二指腸中でガイドワイヤの部分を把持し、ERCP内視鏡を通して引き戻す。次いで、臨床者は、標準的なERCP手順と同様に、ガイドワイヤ上のステントまたは他の治療装置を逆行方向で総胆管へと配置することができる。
【0005】
「ランデブー」アプローチは特定の場合に標準的なERCP手順よりも好ましい場合があるが、「ランデブー」アプローチは時間がかかり、複雑なスコープ交換を必要とし、多くの場合、臨床者がガイドワイヤの配置を見失う原因となる。したがって、標準的なERCP手順が実行不可能な場合に胆道閉塞部を治療する改善された方法が必要とされ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
記載された特徴は、一般に、進入孔を通してステントを身体管腔に送達し、ステントを展開した後に進入孔を被覆するための方法、装置、およびシステムに関する。進入孔を通してステントを送達し、身体管腔内にステントを展開するためのステント送達システムが記載される。ステントは、ステント送達システムが進入孔を通って引き戻された後、進入孔を被覆するためにステントの本体から展開する展開可能な部材を含んでもよい。大十二指腸乳頭を横切るステントの直接的な順行性配置のために、記載されたステント送達システムを使用して、総胆管の壁を通してステントを送達することができる。ステント送達システムを引き抜いた後に胆汁が周囲の組織へと漏出するのを防ぐために、展開可能な部材をステントの本体から展開して総胆管の進入孔を被覆することができる。
【0007】
展開可能な部材は、一般に、進入孔を介したステント送達システムの引き抜き中または引き抜き後に展開するように構成される。いくつかの実施例では、展開可能な部材を展開することは、展開可能な部材を拘束された構成から解放することを含む。追加的または代替的に、展開可能な部材を展開することは、展開可能な部材を引っ張ることを含み得る。
【0008】
進入孔を被覆するための様々なステント設計が提供される。一般に、ステントは、身体管腔内で展開されるときに身体管腔接触表面領域を画定するステント本体を含む。ステントはまた、ステント本体から展開してステントの身体管腔接触表面領域を増加させるように構成された展開可能な部材を含む。
【0009】
展開可能な部材は、様々な方法でステント本体から展開することができる。例えば、展開可能な部材は、ステント本体の内側からステント本体の外側に蝶番式で動くことができる。展開可能な部材は、ステント本体の内側からステント本体の外側に巻かれた状態から広がることができる。他の実施例では、展開可能な部材は、ステント本体から離れる方向で軸方向に長さを延伸するように構成される。さらに他の実施例では、展開可能な部材は、ステント本体の内側からステント本体の外側に、ステント本体から離れる方向で軸方向に並進するように構成される。
【0010】
展開可能な部材は、ステント本体に蝶番式で連結された少なくとも1つのフラップを含んでもよい。あるいは、展開可能な部材は、ステント本体に蝶番式で連結され、かつステント本体の円周の周りに等間隔で離間された複数のフラップを含んでもよい。他の実施例では、展開可能な部材は、ステント本体の端部に連結されたアコーディオン管である。アコーディオン管は、1つ以上の統合されたバネ要素を含んでもよい。いくつかの実施例では、展開可能な部材は、ステントのステント本体の内側に適合するように寸法決めされた管状本体である。さらに他の実施例では、展開可能な部材は可撓性スリーブである。
【0011】
ステントを身体管腔に送達するためのシステムも記載される。特定の態様では、システムは、ステントと、身体管腔の壁の進入部位を通してステントを送達するように構成されたステント送達システムと、ステントの近位部分が進入部位を少なくとも部分的に被覆するように、ステントを進入部位に向かって引っ込めるように構成された管状部材であって、管状部材がステントの遠位部分に沿ってステントの内側を延伸し、ステントの壁の孔を通って延伸し、ステントの近位部分に沿ってステントの外側に延伸するように、ステントが管状部材上に配置される、管状部材と、ステントの壁の孔から管状部材を引き抜いたときにステントの壁の孔を少なくとも部分的に被覆するように構成された被覆部材と、を含む。
【0012】
特定の態様では、被覆部材は、ステントの壁の外面に配置され、かつステントの壁の孔を通して管状部材を引き抜いたときにステントの壁の孔を封止するように構成される自己封止膜材料を含んでもよい。いくつかの実施例では、被覆部材は、ステントの壁の孔を通して管状部材を引き抜いたときにステントの壁の孔を封止するように構成されるフラップ弁を含んでもよい。特定の態様では、被覆部材は、蝶番式で動くように構成された蝶番弁を含んでもよく、それによって、ステントの壁の孔を通して管状部材を引き抜いたときに、蝶番弁がステントの壁の孔を少なくとも部分的に被覆するように蝶番式で動く。システムはまた、ステントの中央部分の外面に配置されたポリマージャケットを含んでもよく、被覆部材はポリマージャケットに連結されている。
【0013】
本開示の特定の実施形態は、上記の利点または特徴の一部もしくはすべてを含んでもよく、またはそれらをまったく含まなくてもよい。本明細書に含まれる図面、説明、および特許請求の範囲から、当業者には1つ以上の他の技術的利点または特徴が容易に明らかになり得る。さらに、特定の利点または特徴を上に列挙したが、様々な実施形態は、列挙した利点または特徴のすべてもしくは一部を含んでもよいし、またはそれらをまったく含まなくてもよい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
身体管腔接触表面領域を画定するステント本体と、
前記ステント本体から展開して前記ステント本体の前記身体管腔接触表面領域を増加させるように構成された展開可能な部材と、を含むステント。
(項目2)
前記展開可能な部材が、前記ステント本体の内側から前記ステント本体の外側に蝶番式で動くように構成される、上記項目に記載のステント。
(項目3)
前記展開可能な部材が、前記ステント本体の内側から前記ステント本体の外側に巻かれた状態から広がるように構成される、上記項目のいずれかに記載のステント。
(項目4)
前記展開可能な部材が、前記ステント本体から離れる方向で軸方向に長さを延伸するように構成される、上記項目のいずれかに記載のステント。
(項目5)
前記展開可能な部材が、前記ステント本体の内側から前記ステント本体の外側に、前記ステント本体から離れる方向で軸方向に並進するように構成される、上記項目のいずれかに記載のステント。
(項目6)
前記展開可能な部材が、前記ステント本体に蝶番式で連結された少なくとも1つのフラップを含む、上記項目のいずれかに記載のステント。
(項目7)
前記展開可能な部材が、前記ステント本体に蝶番式に連結され、かつ前記ステント本体の円周の周りに等間隔で離間された複数のフラップを含む、上記項目のいずれかに記載のステント。
(項目8)
前記展開可能な部材が、前記ステント本体の端部に連結されたアコーディオン管を含む、上記項目のいずれかに記載のステント。
(項目9)
前記アコーディオン管が、少なくとも1つの統合されたバネ要素を含む、上記項目のいずれかに記載のステント。
(項目10)
前記展開可能な部材が、前記ステントの前記ステント本体の内側に適合するように寸法決めされた管状本体を含む、上記項目のいずれかに記載のステント。
(項目11)
前記展開可能な部材が、可撓性スリーブを含む、上記項目のいずれかに記載のステント。
(項目12)
前記展開可能な部材が、前記ステントが身体管腔に進入した前記身体管腔の身体管腔進入孔を被覆するように寸法決めされる、上記項目のいずれかに記載のステント。
(項目13)
身体管腔にステントを留置する方法であって、
ステントを前記身体管腔の進入部位を通して送達することであって、前記ステントがステント本体および展開可能な部材を含む、送達することと、
前記進入部位を被覆するために前記ステント本体から前記展開可能な部材を展開することと、を含む方法。
(項目14)
前記展開可能な部材を展開することが、前記展開可能な部材を拘束された構成から解放することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目15)
前記展開可能な部材を展開することが、前記展開可能な部材を引っ張ることを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目16)
ステントを身体管腔内に送達するためのシステムであって、
ステントと、
前記身体管腔の壁の進入部位を通して前記ステントを送達するように構成されたステント送達システムと、
前記ステントの近位部分が前記進入部位を少なくとも部分的に被覆するように、前記ステントを前記進入部位に向かって引っ込めるように構成された管状部材であって、前記管状部材が前記ステントの遠位部分に沿って前記ステントの内側を延伸し、前記ステントの壁の孔を通って延伸し、前記ステントの前記近位部分に沿って前記ステントの外側に延伸するように、前記ステントが前記管状部材上に配置される、管状部材と、
前記ステントの前記壁の前記孔から前記管状部材を引き抜いたときに前記ステントの前記壁の前記孔を少なくとも部分的に被覆するように構成された被覆部材と、を含む、システム。
(項目17)
前記被覆部材が、前記ステントの前記壁の外面に配置され、かつ前記ステントの前記壁の前記孔を通して前記管状部材を引き抜いたときに前記ステントの前記壁の前記孔を封止するように構成される自己封止膜材料を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目18)
前記被覆部材が、前記ステントの前記壁の前記孔を通して前記管状部材を引き抜いたときに前記ステントの前記壁の前記孔を封止するように構成されるフラップ弁を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目19)
前記被覆部材が、前記ステントの前記壁の前記孔を通して前記管状部材を引き抜いたときに、蝶番弁が前記ステントの前記壁の前記孔を少なくとも部分的に被覆するように蝶番式で動くように構成される前記蝶番弁を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目20)
前記ステントの中央部分の外面に配置されたポリマージャケットをさらに含み、前記被覆部材が前記ポリマージャケットに連結されている、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目A13)
身体管腔にステントを留置するシステムであって、前記システムは、
ステント本体および展開可能な部材を備えるステントと、
前記ステントを前記身体管腔の進入部位を通して送達するように構成されるステント送達システムと
を含み、
前記展開可能な部材は、前記進入部位を被覆するために前記ステント本体から展開されるように構成される、システム。
(項目A14)
前記展開可能な部材は、前記展開可能な部材を拘束された構成から解放することによって展開されるように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目A15)
前記展開可能な部材は、前記展開可能な部材を引っ張ることによって展開されるように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(摘要)
身体管腔の進入孔を通してステントを送達し、ステントを展開した後に進入孔を被覆するための方法、装置、およびシステムが記載される。身体管腔接触表面領域を画定するステント本体と、ステント本体から展開してステントの身体管腔接触表面領域を増加させるように構成された展開可能な部材とを含むステントが記載される。ステント本体に対して蝶番式で動く、巻かれた状態から広がる、延伸する、拡張する、および同軸方向に並進する展開可能な部材が記載される。ステントの壁の孔から管状部材を引き抜いたときにステントの壁の孔を少なくとも部分的に被覆するように構成された被覆部材を含み得る、ステントを身体管腔内に送達するためのシステムが記載される。被覆部材は、自己封止膜、フラップ弁、または蝶番弁を含み得る。
【0014】
記載された方法および装置の適用性のさらなる範囲は、以下の発明を実施するための形態、特許請求の範囲、および図面から明らかになるであろう。発明を実施するための形態および特定の実施例は、例示のみを目的として提供されており、本記載の主旨および範囲内での様々な変更および修正は、当業者に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
実施形態の性質および利点のさらなる理解は、以下の図面を参照することにより実現され得る。添付の図では、同様の構成要素または特徴は、同じ参照ラベルを有し得る。さらに、同じ種類の様々な構成要素は、参照ラベルの後のダッシュおよび同様の構成要素を区別する第2のラベルにより区別され得る。本明細書で第1の参照ラベルのみが使用されている場合、説明は、第2の参照ラベルに関係なく、同じ第1の参照ラベルを持つ同様の構成要素のいずれか1つに適用できる。
【0016】
図1A】本開示の態様によるステント送達システムを示す。
図1B】本開示の態様による身体管腔内のステント送達システムを示す。
図1C】本開示の態様による身体管腔内の展開可能な部材を備えたステントを示す。
図2A】本開示の態様による、収納された構成の展開可能なフラップ部材を備えたステントを示す。
図2B】本開示の態様による、展開された構成の展開可能なフラップ部材を備えたステントを示す。
図3A】本開示の態様による、収納された構成の展開可能なマルチフラップ部材を備えたステントを示す。
図3B】本開示の態様による、展開された構成の展開可能なマルチフラップ部材を備えたステントを示す。
図4A】本開示の態様による、収納された構成の展開可能な管状部材を備えたステントを示す。
図4B】本開示の態様による、展開された構成の展開可能な管状部材を備えたステントを示す。
図5A】本開示の態様による、収納された構成の展開可能な管状部材を備えたステントを示す。
図5B】本開示の態様による、展開された構成の展開可能な管状部材を備えたステントを示す。
図6A】本開示の態様による、収納された構成の展開可能なスリーブ部材を備えたステントを示す。
図6B】本開示の態様による、部分的に展開された構成の展開可能なスリーブ部材を備えたステントを示す。
図6C】本開示の態様による、完全に展開された構成の展開可能なスリーブ部材を備えたステントを示す。
図7A】本開示の態様による、収納された構成の展開可能な管状部材を備えたステントを示す。
図7B】本開示の態様による、展開された構成の展開可能な管状部材を備えたステントを示す。
図8】本開示の態様による、展開された構成の展開可能な管状部材を備えたステントを示す。
図9】本開示の態様による、可変半径方向圧縮プロファイルを備えたステントを示す。
図10】本開示の態様による、膵胆管系の身体管腔にステントを送達するためのステント送達システムを示す。
図11】本開示の態様による、膵胆管系の身体管腔にステントを送達するためのステント送達システムを示す。
図12A】本開示の態様による、進入部位に向かって引き込まれたステントを備えたステント送達システムを示す。
図12B】本開示の態様による、完全に展開されたステントを備えたステント送達システムを示す。
図13】本開示の態様による、フラップ弁を備えたステントを備えたステント送達システムを示す。
図14】本開示の態様による、蝶番弁を備えたステントを備えたステント送達システムを示す。
図15】本開示の態様による、自己封止膜を備えたステントを備えたステント送達システムを示す。
図16】本開示の態様による、身体管腔内にステントを送達する方法のフローチャートを示す。
図17】本開示の態様による、身体管腔内にステントを送達する方法のフローチャートを示す。
図18】本開示の態様による、身体管腔内にステントを送達する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は一般に、ステントを身体管腔内に配置することを対象とする。本明細書に記載の特定の手順では、身体管腔内にステントを配置するために、管腔壁に孔を開け、ステント送達システムを孔(すなわち進入孔)に通して前進させ、標的部位に(例えば閉塞を横切って)配置する。次に、ステントをステント送達システムから展開し、ステント送達システムを同じ孔を通して内腔から引き出す。孔が被覆されていない場合、内腔からの液体が周囲の組織や器官に漏れ出す可能性があり、深刻な不快感やその他の医学的合併症を潜在的に引き起こす場合がある。
【0018】
本明細書では、ステント送達システムが身体管腔から引き出された後に進入孔を被覆するための装置、システム、および方法が記載される。例えば、進入孔を被覆するためにステント送達システムが引き出された後に展開する1つ以上の展開可能な部材を含むステントが記載される。展開可能な部材は、最初にステント内に収納され、ステント送達システムが引き出されるとステントの内側から展開するように構成されてもよい。ステント送達システムは、展開可能な部材と相互作用して、展開可能な部材が進入孔から引き出されるときにそれを拘束された構成から解放するか、または引っ張ることによって、展開可能な部材を展開することができる。
【0019】
いくつかの場合、本明細書では、ステント送達システム(例えば、ガイドワイヤ管腔およびガイドワイヤ)が身体管腔から引き出された後にステントの壁の孔を被覆するための装置、システム、および方法が記載される。そのような場合、ステントは、ステントの壁の孔を封止するように構成された被覆部材を含んでもよい。被覆部材は、フラップ弁、蝶番弁、または自己封止膜の一実施であり得る。
【0020】
ここで、本開示の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本明細書で使用される場合、「臨床者」という用語は、医師、外科医、看護師、または任意の他の医療提供者を指し、支援要員を含み得る。「近位」という用語は、臨床者により近い装置またはその構成要素の部分を指し、「遠位」という用語は、臨床者からより遠い装置またはその構成要素の部分を指す。
【0021】
図1Aは、本開示の態様によるステント送達システム100を示す。ステント送達システム100は、身体管腔180内にステント105を配置して、身体管腔180内の狭窄領域または閉塞部を通る管腔の流れを回復するように構成され得る。ステント送達システム100は、膵胆管系、動脈系、気管支系、尿路系、またはステント治療を必要とし得る任意の他の管腔系に関連するものなどの、任意の身体管腔180内にステント105を配置するように寸法決めされるか、または別の方法で適合され得る。ステント送達システム100は、一般に、外側シース110とプッシャー115とを含む。ガイドワイヤ管腔120は、ステント送達システム100の一部であっても、別個の構成要素であってもよい。ステント送達システム100は、個々の構成要素、選択的に組み合わされた構成要素として、または構成要素のキットとしてすべて一緒に提供され得る。
【0022】
外側シース110は、ステント105が標的身体管腔180まで移動する導管を提供するように寸法決めされた細長い管状の可撓性構造である。外側シース110は、例えば、内視鏡の作業チャネルを通して人体に進入し得る。理解されるように、外側シース110は、医療用シース、カテーテルなどに適した任意の数の生体適合性材料または材料の組み合わせから作製することができる。プッシャー115は、外側シース110を通って前進するように寸法決めされ、一般に、ステント105を外側シース110の遠位端125から身体管腔180に押し込むのに十分な円柱強度を有する可撓性材料から構築される。プッシャー115は、硬質ロッドであり得るか、または図1Aに示されるように、ガイドワイヤ管腔120が通過し得る内部管腔を含み得る。外側シース110と同様に、プッシャー115は、人体での使用に適した任意の数の材料から作製されてもよい。
【0023】
一般に、ステント105は、身体管腔180内での配置のために寸法決めされたフレームまたは足場構造であり、身体管腔180の内面に構造的支持を提供するように構成される。ステント105を使用して、炎症、腫瘍、プラークの蓄積、または任意の他の閉塞性の特徴に起因する身体管腔180内の狭窄または閉塞領域にわたって開通性を回復することができる。例えば、図10図11を参照してより詳細に記載されるように、ステント105を大十二指腸乳頭を横切って配置して、総胆管から十二指腸への管腔の流れを回復させることができる。本明細書では膵胆管系への言及が提供されているが、本明細書で記載されるステント105は、任意の身体管腔180で使用できることを理解されたい。
【0024】
ステント105は、自己拡張型ステントであってもよい。そのような実施例では、ステント105は、外側シース110内で半径方向に圧縮され、外側シース110を出るときに自然により大きな円周に拡張する。あるいは、ステント105は、身体管腔180内でステント105を拡張するためにバルーンまたは同様の拡張要素を必要とし得る。いずれにせよ、ステント105は、一般に、拡張時に身体管腔180の内周面全体に接触するように寸法決めされる。ステント105と身体管腔180の内面との間の接触表面は、本明細書では、身体管腔接触表面領域と呼ばれる。
【0025】
ステント105は、任意の数の材料、材料の組み合わせ、および構造から作製されてもよい。例えば、ステント105は、クロスハッチ構成で一緒に接合された複数のワイヤから作製された編組ステントであってもよい。図1図7および図9図11に示すステント105は、編組ステントであるか、または編組されたステント本体135を少なくとも含む。しかしながら、ステント105は、他のステント構造またはステント構造の組み合わせから作製されてもよいことを理解されたい。他の実施例では、ステント105は、可撓性を高めるために切り取られた領域を伴う、単一の金属管から形成されたレーザーカットステントである。さらに他の実施例では、ステント105は、図8に示されるように、1つ以上のらせん状に巻き付けられたワイヤによって形成されたワイヤ状ステントである。異なるステント構造が、個別の使用に有利な特定の構造を付与し得る、半径方向の拡張力、可撓性、縮小の減少、または移動抵抗性などの特定の特性を示し得ることが理解され得る。図8を参照して記載されるように、ステント105は、それぞれの構造の固有の特性を利用するために、1つのステント構造(例えば、レーザーカット)から作製された、いくつかの部分と別のステント構造(例えば、編組)から作製された別の部分とを含むことができる。さらに、図9を参照して記載されるように、ステント105が身体管腔180の内面に示す半径方向の拡張力をステント105の長さに沿って変化させて、移動抵抗性を改善し、最も必要とされる場所に構造的支持を提供することができる。
【0026】
ステント105の個々のワイヤまたはフレームは、チタン、ニチノール、またはステンレス鋼を含むがこれらに限定されない任意の数の金属材料から作製され得る。他の金属材料または非金属材料を使用して、適切な可撓性、剛性、および生体適合性を提供するステント105を構築できることを理解されたい。ステント105は、ステント105の表面の一部またはすべてを被覆するポリマーまたは布製スリーブを含むことができる。そのようなスリーブは、身体管腔180の内面をステント105の露出金属面から保護し、組織の内部成長を防止し得る。いくつかの実施例では、ステント105は薬剤溶出ステントである。
【0027】
さらに図1Aを参照すると、身体管腔180内にステント送達システム100を配置するために、身体管腔180の壁190を通して進入部位185が形成され、次いで、ガイドワイヤ管腔120が、進入部位185を通って身体管腔180内へ前進する。身体管腔180に進入し、ガイドワイヤ管腔120を好ましい方向で身体管腔180に方向付けるためのシステム、装置、および方法は、本出願の譲受人に一般的に譲渡されている「Catheter With Pre-Formed Geometry for Endoscopic Ultrasound-Guided Access」と題する米国特許出願第XX/XXX、XXX号に記載されており、その全内容は本明細書に組み込まれる。
【0028】
ガイドワイヤ管腔120が所定の位置に配置されると、外側シース110は、矢印140で示されるように、ガイドワイヤ管腔120を越えて、進入部位185を通って、身体管腔180内へと、遠位方向に前進する。外側シース110を進入部位185を通して前進させると、(図1Bに示すように)進入部位185は、(図1Aに示すように)ガイドワイヤ管腔120を用いて身体管腔180に進入するのに必要な初期サイズを超えて拡張し得る。場合によっては、外側シース110の外径は10F(3.33mm)以上の大きさであり得る。ステント送達システム100が身体管腔180から引き出されると、進入部位185が広がることによって、身体管腔180から周囲の組織に流体が漏れ出す場合があり、それにより患者に不快感または他の合併症を引き起こす可能性があることが理解され得る。
【0029】
図1Bは、身体管腔180内にあり、ステント105が完全に展開された状態の、図1Aのステント送達システム100を示す。ステント送達システム100からステント105を展開するために、プッシャー115は、矢印140で示されるように、外側シース110に対して遠位方向に前進するか、または外側シース110はプッシャー115に対して近位方向に引き出される。プッシャー115がステント105に当接するので、プッシャー115が遠位方向に進められるとき、または外側シース110が近位方向に引き出されるとき、ステント105は外側シース110の遠位端125から押される。自己拡張型ステントの場合、ステント105は、それが外側シース110を出るとき拡張して身体管腔180の内面に接触する。
【0030】
図1Cは、身体管腔180内で完全に展開され、ステント送達システム100が身体管腔180から完全に引き出された状態の、図1A図1Bのステント105を示す。ステント105の配置が成功した後にステント送達システム100を引き出すために、外側シース110およびプッシャー115は、進入部位185を通って引き戻される。ガイドワイヤ管腔120も進入部位185を通って引き戻され、外側シース110およびプッシャー115の前、後、または同時にそれを実施することができる。ステント送達システム100が身体管腔180から引き出された後、管腔180からの液体が周囲の組織に漏れ出る場合がある。総胆管の場合、周囲の組織への胆汁の漏出は、患者に深刻な不快感を引き起こす場合がある。
【0031】
身体管腔180からの流体の流れを防止または少なくとも阻止するために、ステント105またはステント送達システム100の特徴は、進入部位185を少なくとも部分的に被覆するように構成される。例えば、ステント105は、進入部位185を被覆するためにステント105のステント本体135から展開する展開可能な部材130を含むことができる。一般に、展開可能な部材130は、一旦展開されると、ステント105の身体管腔接触表面領域を増加させる。展開可能な部材130は、一般に、ステント本体135と連結されており、展開後もステント本体135に取り付けられたままである。様々な図を参照して記載されるように、展開可能な部材130は、ステント本体135から離れるように蝶番式に動くことにより、巻かれた状態から広がることにより、伸長することにより、拡張することにより、または並進することにより、ステント本体135から展開することができる。展開可能な部材130は、(図1Cに示されるように)身体管腔180の円周部分の一部に接触してもよく、または代わりに円周部分全体に接触してもよい。
【0032】
展開可能な部材130は、ステント本体135と同じ材料および構造から作製され得るか、または代わりに異なる材料もしくは構造から作製され得る1つ以上の別個の要素を含み得る。例えば、展開可能な部材130は、ステント本体135と同様のフレームまたは足場構造を含んでもよい。フレームまたは足場構造から作製される場合、展開可能な部材130は、液体が展開可能な部材130を通って流れるのを少なくとも部分的に防止するカバーまたはウェビングを含み得る。追加的または代替的に、フレームまたは足場は、それを通る液体の流れを少なくとも部分的に防止するために密に配置されてもよい(例えば、メッシュ)。場合によっては、展開可能な部材130は、フレームのない硬質の単一部品である。展開可能な部材130は、凝固または治癒を促進する材料、または吸収性または接着性の材料など、進入部位185を閉じるのに特に適した特性を備えた材料を含むことができる。
【0033】
展開可能な部材130は、ステント送達システム100が進入部位185を通って引き戻される間またはその後に展開するようにトリガされ得る。いくつかの実施例では、展開可能な部材130は、ステント送達システム100またはステント105の何らかの構成要素により、展開前または収納位置に拘束されており、次いで、身体管腔180からステント送達システム100を取り除くことによって、展開可能な部材130は、非拘束となり、進入部位185を被覆するように展開される。追加的または代替的に、ステント送達システム100の何らかの構成要素は、ステント送達システム100が身体管腔180から引き出される間またはその後に、展開可能な部材130を展開位置に引っ張るか、または別の方法で展開位置に仕向けることができる。
【0034】
図2Aは、本開示の態様による、身体管腔180内で完全に展開されたステント105-aを示す。ステント105-aは、図1A図1Cのステント105の一実施例であり得る。ステント105-aは、ステント本体135-a内に収納された状態で示される展開可能な部材130-aを含む。展開可能な部材130-aは、ステント本体135-aと蝶番式で連結されたフラップである。展開可能な部材130-aは、矢印205で示されるように、ステント本体135-aの内側(図2Aに示されるように)からステント本体135-aの外側(図2Bに示されるように)に蝶番式で動くことによりステント本体135-aから展開され、それにより、ステント105-aの身体管腔接触表面領域を増加させ得る。したがって、展開可能な部材130-aの長さは、それがステント本体135-aの内側から外側に蝶番式で動くときにステント本体135-aの内面から取り除かれるように選択される。
【0035】
展開可能な部材130-aは、拘束されていないときに、図2Bに示される展開された構成にバネ式で開くように構成されてもよい。例えば、展開可能な部材130-aは、収納された構成にあるときに弾性位置エネルギーを蓄積する材料もしくは構成要素から作製されるか、またはそれらを含むことができる。そのような実施例では、ステント送達システム100の何らかの構成要素(例えば、ガイドワイヤ管腔120またはプッシャー115)は、ステント送達システム100が身体管腔180内に依然として存在している間、展開可能な部材130-aを収納された構成に維持することができる。したがって、特定の構成要素が身体管腔180から引き出されると、展開可能な部材130-aは、図2Bに示される展開された構成へと自由にバネ式に開く。
【0036】
追加的または代替的に、展開可能な部材130-aは、引き糸(例えば、外科用縫合糸)によってステント送達システム100の何らかの構成要素に分離可能に接続されてもよい。そのような例では、ステント送達システム100が身体管腔180から引き出されるときに、展開可能な部材130-aは、ステント送達システム100が進入部位185を出るときにステント送達システム100によって、図2Bに示される展開された構成へと引き出される。ステント送達システム100が身体管腔180から完全に引き出されると、ステント送達システム100と展開可能な部材130-aとの間の接続を分離することができる(例えば、引き糸を切断するか、または別の方法で切り離す)。
【0037】
展開可能な部材130-aは、フレームまたは他の支持構造を含んでもよく、ステント本体135-aと同じ材料または複数の材料から作製されてもよい。他の実施例では、展開可能な部材130-aは、ステント本体135-aとは異なる材料から作製される。展開可能な部材130-aの構造を形成する材料は、展開可能な部材130-aを通る流体の流れを阻止するように密に配置されてもよい(例えば、メッシュ状)。展開可能な部材130-aは、それを通る流体の流れを防止または少なくとも阻止する、ウェブ、コーティング、または他の何らかのカバー(例えば、シリコン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、布地)も含むことができる。
【0038】
図3Aは、本開示の態様による身体管腔180内の完全に展開されたステント105-bを示す。ステント105-bは、図1A図1Cを参照して説明されるステント105の一実施例であり得る。ステント105-bは、ステント本体135-b内に収納された状態で示される展開可能な部材130-bを含む。展開可能な部材130-bは、ステント本体135-bと蝶番式で連結された複数のフラップを含む。展開可能な部材130-bの個々のフラップは、図2A図2Bを参照して説明される展開可能な部材130-aの単一のフラップの特徴の一実施例であるか、またはそれを含むことができる。展開可能な部材130-bの個々のフラップは、矢印305で示されるように、ステント本体135-bの内側(図3Aに示されるように)からステント本体135-bの外側(図3Bに示されるように)に蝶番式で動くことによりステント本体135-bから展開され、それにより、ステント105-bの身体管腔接触表面領域を増加させ得る。
【0039】
展開可能な部材130-bの個々のフラップは、ステント本体135-bの円周の周りに等間隔で離間され得る。したがって、展開されると、展開可能な部材130-bは、身体管腔180の全円周の周りを被覆する。あるいは、フラップは、ステント本体135-bの一部の円周の周りにのみ離間され得る。そのような場合、ステント105-bは、展開可能な部材130-bが展開時に進入部位185を被覆するように、身体管腔180に対して半径方向に整列される。展開可能な部材130-bのフラップの数および寸法に応じて、フラップは少なくとも部分的に重なり合ってもよく、したがってステント本体135-bの円周の周りに連続的な様式で展開してもよい。
【0040】
展開可能な部材130-bは、拘束されていないときに、図3Bに示される展開された構成にバネ式で開くように構成され得る。例えば、展開可能な部材130-bは、収納された構成にあるときに弾性位置エネルギーを蓄積する材料もしくは構成要素から作製されるか、またはそれらを含むことができる。そのような実施例では、ステント送達システム100の何らかの構成要素(例えば、ガイドワイヤ管腔120またはプッシャー115)は、ステント送達システム100が身体管腔180内に依然として存在している間、展開可能な部材130-bを収納された構成に維持することができる。したがって、特定の構成要素が身体管腔180から引き出されると、展開可能な部材130-bは、図3Bに示される展開された構成へと自由にバネ式に開く。
【0041】
追加的または代替的に、展開可能な部材130-bは、引き糸(例えば、外科用縫合糸)によってステント送達システム100の何らかの構成要素に分離可能に接続されてもよい。そのような実施例では、ステント送達システム100が身体管腔180から引き出されるとき、展開可能な部材130-bは、ステント送達システム100が進入部位185を出るときにステント送達システム100によって、図3Bに示される展開された構成へと引き出される。ステント送達システム100が身体管腔180から完全に引き出されると、ステント送達システム100と展開可能な部材130-bとの間の接続を分離することができる(例えば、引き糸を切断するか、または別の方法で切り離す)。
【0042】
展開可能な部材130-bの個々のフラップは、フレームまたは他の支持構造を含んでもよく、ステント本体135-bと同じ材料または複数の材料から作製されてもよい。他の実施例では、展開可能な部材130-bは、ステント本体135-bとは異なる材料から作製される。展開可能な部材130-bの構造を形成する材料は、展開可能な部材130-bを通る流体の流れを阻止するように密に配置されてもよい(例えば、メッシュ状)。展開可能な部材130-bは、それを通る流体の流れを防止または少なくとも阻止する、ウェブ、コーティング、または他の何らかのカバー(例えば、シリコン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、布地)も含むことができる。
【0043】
図4Aは、本開示の態様による、身体管腔180内で完全に展開されたステント105-cを示す。ステント105-cは、図1A図1Cを参照して説明されるステント105の一実施例であり得る。ステント105-cは、収納された構成で示される展開可能な部材130-cを含む。展開可能な部材130-cは、アコーディオンのように拡張および収縮するように構成された管であり、進入部位185に近接したステント本体135-cの端部と連結されている。収納された構成では、展開可能な部材130-cは、図4Aに示すように収縮しており、ステント本体135-c内に部分的または完全に収容されてもよい。展開可能な部材130-cは、それが伸長するまで(図4Bに示すように)ステント本体135-cから離れるように軸方向に長さを延伸することにより(矢印405で示すように)、ステント本体135-cから展開され、それにより、ステント105-cの身体管腔接触表面領域を増加させ得る。
【0044】
展開可能な部材130-cは、拘束されていないときに、図4Bに示される展開された構成にバネ式で開くように構成されてもよい。例えば、展開可能な部材130-cは、収納された構成にあるときに弾性位置エネルギーを蓄積する材料もしくは構成要素から作製されるか、またはそれらを含むことができる。そのような実施例では、ステント送達システム100の何らかの構成要素(例えば、ガイドワイヤ管腔120またはプッシャー115)は、ステント送達システム100が身体管腔180内に依然として存在している間、展開可能な部材130-cを収納された構成に保持することができる。したがって、特定の構成要素が身体管腔180から引き出されると、展開可能な部材130-cは、図4Bに示される展開された構成へと自由にバネ式に開く。
【0045】
追加的または代替的に、展開可能な部材130-cは、引き糸(例えば、外科用縫合糸)によってステント送達システム100の何らかの構成要素に分離可能に接続されてもよい。そのような実施例では、ステント送達システム100が身体管腔180から引き出されるとき、展開可能な部材130-cは、ステント送達システム100が進入部位185を出るときにステント送達システム100によって、図4Bに示される展開された構成へと引き出される。ステント送達システム100が身体管腔180から完全に引き出されると、ステント送達システム100と展開可能な部材130-cとの間の接続を分離することができる(例えば、引き糸を切断するか、または別の方法で切り離す)。
【0046】
展開可能な部材130-cは、フレームまたは他の支持構造を含んでもよく、ステント本体135-cと同じ材料または複数の材料から作製されてもよい。他の実施例では、展開可能な部材130-cは、ステント本体135-cとは異なる材料から作製される。展開可能な部材130-cの構造を形成する材料は、展開可能な部材130-cを通る流体の流れを阻止するように密に配置されてもよい(例えば、メッシュ状)。展開可能な部材130-cは、それを通る流体の流れを防止または少なくとも阻止する、ウェブ、コーティング、または他の何らかのカバー(例えば、シリコン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、布地)も含むことができる。
【0047】
図5Aは、本開示の態様による、身体管腔180内で完全に展開されたステント105-dを示す。ステント105-dは、図1A図1Cを参照して説明されるステント105の一実施例であり得る。ステント105-dは、収納された構成で示される展開可能な部材130-dを含む。展開可能な部材130-dは、アコーディオンのように拡張および収縮するように構成された管であり、進入部位185に近接したステント本体135-dの端部と連結されている。収納された構成では、展開可能な部材130-dは、図5Aに示すように収縮しており、ステント本体135-d内に部分的または完全に収容されてもよい。展開可能な部材130-dは、それが伸長するまで(図5Bに示すように)、矢印505で示すように、ステント本体135-dから離れるように軸方向に長さを延伸することにより、ステント本体135-dから展開され、それにより、ステント105-dの身体管腔接触表面領域を増加させ得る。
【0048】
展開可能な部材130-dは、拘束されていないときに、図5Bに示される展開された構成にバネ式で開くように構成されてもよい。例えば、展開可能な部材130-dは、収納された構成にあるときに弾性位置エネルギーを蓄積する材料から作製されてもよい。追加的または代替的に、展開可能な部材130-dは、展開可能な部材130-dを軸方向に伸長させる1つ以上の統合されたバネ要素510を含み得る。そのような実施例では、ステント送達システム100の何らかの構成要素(例えば、ガイドワイヤ管腔120またはプッシャー115)は、ステント送達システム100が身体管腔180内に依然として存在している間、展開可能な部材130-dを収納された構成に保持することができる。したがって、特定の構成要素が身体管腔180から引き出されると、展開可能な部材130-dは、図5Bに示される展開された構成へと自由にバネ式に開く。
【0049】
追加的または代替的に、展開可能な部材130-dは、引き糸(例えば、外科用縫合糸)によってステント送達システム100の何らかの構成要素に分離可能に接続されてもよい。そのような実施例では、ステント送達システム100が身体管腔180から引き出されるとき、展開可能な部材130-dは、ステント送達システム100が進入部位185を出るときにステント送達システム100によって、図5Bに示される展開された構成へと引き出される。ステント送達システム100が身体管腔180から完全に引き出されると、ステント送達システム100と展開可能な部材130-dとの間の接続を分離することができる(例えば、引き糸を切断するか、または別の方法で切り離す)。
【0050】
展開可能な部材130-dは、フレームまたは他の支持構造を含んでもよく、ステント本体135-dと同じ材料または複数の材料から作製されてもよい。他の実施例では、展開可能な部材130-dは、ステント本体135-dとは異なる材料から作製される。展開可能な部材130-dの構造を形成する材料は、展開可能な部材130-dを通る流体の流れを阻止するように密に配置されてもよい(例えば、メッシュ状)。展開可能な部材130-dは、それを通る流体の流れを防止または少なくとも阻止する、ウェブ、コーティング、または他の何らかのカバー(例えば、シリコン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、布地)も含むことができる。あるいは、展開可能な部材130-dは、統合されたバネ要素510によって略円筒形状に保持される比較的薄っぺらい材料から作製されてもよい。
【0051】
図6Aは、本開示の態様による、身体管腔180内で完全に展開されたステント105-eを示す。ステント105-eは、図1A図1Cを参照して説明されるステント105の一実施例であり得る。ステント105-eは、ステント本体135-e内に収納された状態で示される展開可能な部材130-eを含む。展開可能な部材130-eは、可撓性スリーブである。収納された構成では、展開可能な部材130-eは、図6Aに示すようにステント本体135-eの内側に折り畳まれている。展開可能な部材130-eは、矢印605で示すように、それが完全に広がるまで(図6Cに示すように)ステント本体135-eの内側から広げることにより(図6Bに示すように)、ステント本体135-eから展開され、それにより、ステント105-eの身体管腔接触表面領域を増加させ得る。
【0052】
展開可能な部材130-eは、ステント送達システム100に連結された引き糸610または他の何らかの引張機構に分離可能に接続される。ステント送達システム100が身体管腔180から引き出されるとき、展開可能な部材130-eは、図6Aから図6Cへの漸進において示されるように、ステント本体135-eの内側からステント本体135-eの外側に広がるまで、引き糸610によって引っ張られる。ステント送達システム100が身体管腔180から完全に引き出されると、引き糸610は、展開可能な部材130-eまたはステント送達システム100から分離され得る。
【0053】
展開可能な部材130-eは、フレームまたは他の支持構造を含んでもよく、ステント本体135-eと同じ材料または複数の材料から作製されてもよい。他の実施例では、展開可能な部材130-eは、ステント本体135-eとは異なる材料から作製される。展開可能な部材130-eの構造を形成する材料は、展開可能な部材130-eを通る流体の流れを阻止するように密に配置されてもよい(例えば、メッシュ状)。展開可能な部材130-eは、それを通る流体の流れを防止または少なくとも阻止する、ウェブ、コーティング、または他の何らかのカバー(例えば、シリコン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、布地)も含むことができる。
【0054】
図7Aは、本開示の態様による、身体管腔180内で完全に展開されたステント105-fを示す。ステント105-fは、図1A図1Cを参照して説明されるステント105の一実施例であり得る。ステント105-fは、ステント本体135-f内に収納された状態で示される展開可能な部材130-fを含む。展開可能な部材130-fは、ステント本体135-fの内側に適合するように寸法決めされた管状部材である。いくつかの実施例では、展開可能な部材130-fは、より小さい直径であることを除き、ステント本体135-fと構造および材料が類似している。収納された構成では、展開可能な部材130-fは、図7Aに示すようにステント本体135-fの内側に収容されている。展開可能な部材130-fの遠位端は、可撓性カフまたはスリーブによってステント本体135-fの近位端に取り付けられている。展開可能な部材130-eは、矢印705で示されるように、ステント本体135-fと共にステント本体135-fの内側(図6Aに示すように)からステント本体135-fの外側(図7Bに示すように)へ同軸方向に並進することにより、ステント本体135-fから展開され、それにより、ステント105-fの身体管腔接触表面領域を増加させ得る。
【0055】
展開可能な部材130-fは、ステント送達システム100に連結された引き糸610に分離可能に接続される。ステント送達システム100が身体管腔180から引き出されるとき、展開可能な部材130-fは、ステント本体135-fの内側からステント本体135-fの外側に出るまで、引き糸610によって引っ張られる。ステント送達システム100が身体管腔180から完全に引き出されると、引き糸610は、展開可能な部材130-fまたはステント送達システム100から分離され得る。
【0056】
展開可能な部材130-fは、フレームまたは他の支持構造を含んでもよく、ステント本体135-fと同じ材料または複数の材料から作製されてもよい。他の実施例では、展開可能な部材130-fは、ステント本体135-fとは異なる材料から作製される。展開可能な部材130-fの構造を形成する材料は、展開可能な部材130-fを通る流体の流れを阻止するように密に配置されてもよい(例えば、メッシュ状)。展開可能な部材130-fは、それを通る流体の流れを防止または少なくとも阻止する、ウェブ、コーティング、または他の何らかのカバー(例えば、シリコン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、布地)も含むことができる。
【0057】
図8Aは、本開示の態様による身体管腔180内の完全に展開されたステント105-gを示す。ステント105-gは、図1A図1Cを参照して説明されるステント105の一実施例であり得る。前の図に描かれているステント本体とは異なり、ステント本体135-gはらせん状に巻き付けられたワイヤ状構造から作製される。図示されていないが、ステント本体135-gは、代わりにレーザーカット構造で作製されてもよい。いずれの場合でも、展開可能な部材130-gは、編組ステント構造などの異なる構造から作製される。ワイヤ状またはレーザーカットステント本体135-gは、編組ステントよりもステント送達システム100から展開されたときの縮小が少ない。したがって、ステント本体135-gは、標的部位にわたって(例えば、大十二指腸乳頭にわたって)身体管腔180内により正確に配置され得る。展開可能な部材130-gは、図4図7を参照して説明した展開可能な部材135-c、135-d、135-e、または135-fのいずれかの特徴の一実施例であるか、またはそれらを含むことができる。
【0058】
図9は、本開示の態様による身体管腔180内の完全に展開されたステント105-hを示す。ステント105-hは、ステント本体135-hと展開可能な部材130-hとを含む。ステント105-hおよび展開可能な部材130-hは、図1図8を参照して説明したステント105または展開可能な部材130のいずれかの特徴の一実施例であるか、またはそれらを含むことができる。ステント105-hは、ステント本体135-hの長さにわたって可変の半径方向力プロファイルを作成するように構成され得る。例えば、ステント105-hによって身体管腔180の内面に加えられる半径方向の圧縮は、近位端よりもステント105-hの遠位端(進入部位185に対して)で大きくなり得る。場合によっては、半径方向の力は、近位セクション910に沿ってよりもステント本体135-hの遠位セクション905に沿って大きい。可変の半径方向の圧縮プロファイルは、ステントの移動抵抗性、長期ステントの開通性を改善し、腫瘍の内部成長を減少させ得る。
【0059】
いくつかの実施例では、半径方向の力プロファイルは、ステント本体135-hの遠位部分905を、近位部分910に沿ったものよりも太い編組ワイヤで形成することによって作成される(遠位セクション905のより濃い線で示されるように)。そのため、太いワイヤはより硬く、したがってより大きな拡張力を加えることができる。例えば、近位部分910のワイヤは、0.006インチ~0.008インチの範囲の直径を有してもよく、一方、遠位部分905に沿ったワイヤは、0.0075インチ~0.010インチの範囲の直径を有してもよい。より太いワイヤを使用する代わりに、遠位セクション905は、近位セクション910に使用される材料よりも硬い異なる材料から作製されてもよい。他の実施形態では、ステント本体135-hの近位部分910が編組構造で形成されるのに対して、ワイヤ状またはレーザーカット構造で遠位部分905を形成することにより、可変の半径方向の力が、達成される。可変の半径方向拡張力の2つのセクション905、910が示されているが、より直線的に増加する力プロファイルを作成するためにより多くのセクションが含まれ得ることが理解され得る。
【0060】
本開示の実施形態は、ここで、超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージ(EUS-BD)処置と呼ばれる特定のステント処置の文脈で説明される。図10を参照すると、膵胆管系内の身体管腔内にステント105-iを配置するためのステント送達システム1000が、本開示の態様に従って示される。ステント送達システム1000は、図1A図1Cを参照して説明したステント送達システム100の一実施例であり得、ステント105-iは、図1図9を参照して説明した任意のステント105の特徴の一実施例であるか、またはそれらを含み得る。膵胆管系の図示された部分は、胆汁が胆嚢1030から十二指腸1015に排出される総胆管1005を含み、そこで胆汁は消化中の食物と混合して反応する。示されるように、総胆管1005は、十二指腸1015に排出される前に、大十二指腸乳頭1010(閉塞状態で示される)で膵管1020と合流する。
【0061】
ドレナージ処置は、一般に、臨床者が、内視鏡1025(例えば、EUS内視鏡)を、胆管が視覚化できる位置まで(例えば、内視鏡検査により)患者の十二指腸1015の内腔へと前進させることを含む。図1Aを参照して説明したように、臨床者は、次いで、内視鏡1025の作業チャネルからニードルまたはカニューレ(図示せず)を、十二指腸1015の壁を通って(すなわち、十二指腸を横切って)、次いで、総胆管1005の壁を通って、前進させ、それにより、進入部位185を作成することができる。次いで、臨床者は、図1Bを参照して説明したように、進入部位185を通ってガイドワイヤ管腔120-aを前進させ、次いで、ガイドワイヤ管腔120-aを越えて総胆管1005内にステント送達システム1000の外側シース110-aを前進させ、それにより、進入部位185を拡張することができる。
【0062】
図11を参照すると、ステント送達システム1000が所定の位置に配置されると、ステント105-iは、総胆管1005を通る正常な流れを回復するために、大十二指腸乳頭1010にわたってステント送達システム1000から展開され得る。図1Cを参照して説明したように、ステント送達システム1000が総胆管1005から引き出されると、展開可能な部材130-iはステント105-iの本体から展開して進入部位185を被覆することができる。展開可能な部材130-iは、図1図9を参照して説明した任意の展開可能な部材130の一実施例であるか、またはその特徴を含むことができる。
【0063】
図12Aは、本開示の態様による、進入部位185に向かって引き込まれたステント105-kを備えたステント送達システム1200-aを示す。外側シース110が進入部位185を通して除去されると、ステント105-kは、矢印1205で示されるように、近位方向に進入部位185に向かって引っ張られ得る。例えば、ステント105-kの近位部分1210が進入部位185を少なくとも部分的に被覆するまで、ステント105-kを進入部位185に向かって引っ張ることができる。ステント105-kは、ガイドワイヤ管腔120を近位方向に引っ張ることにより、進入部位185に向かって引っ込めることができる。例えば、ステント105-kを、ガイドワイヤ管腔120のハブ1215を近位方向に引っ張ることにより、進入部位185に向かって引っ張ることができる。場合によっては、ガイドワイヤ管腔120のハブ1215、管腔部材(図示せず)、および外側シース110の外側シースハブ1220を引っ張ることにより、ステント105-kを進入部位185に向かって引っ張ってもよい。
【0064】
さらに、ステント105-kは、進入部位185を少なくとも部分的に被覆するために身体管腔180内に再配置されてもよい。ステント105-kを身体管腔180内に展開するために、一次拘束部材1230が解放されてもよい。ステント105-kは、一次拘束部材1230を近位方向に引っ張ることにより、一次拘束部材1230に連結された1つ以上のテザーを引っ張ることにより、またはその両方により、展開され得る。場合によっては、ガイドワイヤ管腔120がステント105-kの遠位部分に沿ってステント105-kの内側にあり、ステント105-kの近位部分1210に沿ってステント105-kの外側にあるように、ステント105-kをガイドワイヤ管腔120に配置してもよい。この構成は、部分的なサイドサドル構成と呼ばれる場合がある。
【0065】
図12Bは、本開示の態様による、完全に展開されたステント105-kを備えたステント送達システム1200-bを示す。自己拡張型ステントの場合、ステント105-kは、拡張して身体管腔180の内面に接触する。ステント105-kが身体管腔180内で拡張すると、ガイドワイヤ管腔120およびガイドワイヤ1225は進入部位185を通って引き抜かれる。場合によっては、ガイドワイヤ管腔120およびガイドワイヤ1225は、ステント105-kの壁の孔を通って延伸してもよい。そのような場合、ガイドワイヤ管腔120およびガイドワイヤ1225は、ステント105-kの壁の孔を通って引き抜かれてもよい。
【0066】
場合によっては、ステントの壁の孔により、身体管腔180からの流体が周囲の組織および器官に漏れ出す場合がある。例えば、ステント105-kは部分的なサイドサドル構成であり得るため、ステント105-kの孔は進入部位185と一列に整列し得る。そのような場合、および以下でさらに詳細に説明するように、システム1200-bは被覆部材を含み得る。被覆部材は、ステント105-kの壁の孔を通してガイドワイヤ管腔120を引き抜くときに、ステント105-kの壁の孔を少なくとも部分的に被覆するように構成され、それにより、進入部位185を少なくとも部分的に封止して、身体管腔180からの流体の漏出を防ぐことができる。
【0067】
図13は、本開示の態様による、フラップ弁を備えたステント105-lを備えたステント送達システム1300を示す。ガイドワイヤ管腔120およびガイドワイヤがステント105-1の壁の孔を通して引き出されると、被覆部材1305は、ステント105-1の壁の孔を少なくとも部分的に被覆することができる。例えば、被覆部材1305は、フラップ弁の一実施例であり得る。フラップ弁は、ガイドワイヤ管腔120がステント105-1の壁の孔を通して引き抜かれたときに、ステント105-1の壁の孔を封止するように構成されてもよい。例えば、フラップ弁は一方向の制御弁であってもよい。フラップ弁は、ステント105-1の内径に配置されてもよい。場合によっては、フラップ弁は、1つ以上のフラップが整列して閉じたフラップ弁を形成できるように、ステント105-1の壁の孔の円周の周りに離間された1つ以上のフラップを含むことができる。
【0068】
図14は、本開示の態様による、蝶番弁を備えたステント105-mを備えたステント送達システム1400を示す。ガイドワイヤ管腔120およびガイドワイヤがステント105-mの壁の孔を通して引き出されると、被覆部材1405は、ステント105-mの壁の孔を少なくとも部分的に被覆することができる。例えば、被覆部材1405は、蝶番弁の一実施例であり得る。蝶番弁は、ガイドワイヤ管腔120がステント105-mの壁の孔を通して引き抜かれたときに、ステント105-mの壁の孔が被覆され得るように、蝶番式で動くように構成され得る。
【0069】
いくつかの実施例では、蝶番弁は、ガイドワイヤ管腔120がステント105-mの壁の孔を通して配置されるときは開いたままであり、ガイドワイヤ管腔120がステント105-mの壁の孔を通して引き出されるときに閉じるように、軸上で回転し得る。場合によっては、ガイドワイヤ管腔120が孔を通って引き抜かれたときに蝶番弁が跳ね返るように、蝶番弁にバネを搭載してもよい。例えば、蝶番弁は、ガイドワイヤ管腔120がステント105-mの壁の孔を通して配置されるときに弾性位置エネルギーを蓄積する材料もしくは構成要素から作製されるか、またはそれらを含むことができる。場合によっては、ステント送達システム1400は、ステント105-mの中央部分の外面に配置されたポリマージャケット1410を含んでもよい。そのような場合、蝶番弁はポリマージャケット1410に連結されてもよい。
【0070】
図15は、本開示の態様による、自己封止膜を備えたステント105-nを備えたステント送達システム1500を示す。ガイドワイヤ管腔120およびガイドワイヤがステント105-nの壁の孔を通して引き出されると、被覆部材1505は、ステント105-nの壁の孔を少なくとも部分的に被覆することができる。例えば、被覆部材1505は、ステント105-nの壁の外面に配置された自己封止膜材料の一実施例であり得る。自己封止膜材料は、ガイドワイヤ管腔120がステント105-nの壁の孔を通して引き抜かれたときに、ステント105-nの壁の孔を封止するように構成され得る。例えば、自己封止膜材料は、胆汁の漏出を防止するために直径に近いピン孔を含んでもよい。
【0071】
図16は、本開示の様々な態様による身体管腔180にステントを留置するための方法1600を例示するフローチャートを示す。方法1600の工程は、図1図11を参照して説明されるシステムまたは構成要素のいずれかを用いて実行されてもよく、図10図11を参照して説明される特定の手順の態様の一実施例であってもよい。ブロック1605では、方法1600は、身体管腔180の進入部位185を通してステント105を送達することを含み得る。図1図9を参照して説明したように、ステント105は、ステント本体135および展開可能な部材130を備え得る。ブロック1610では、方法1600は、ステント本体135から展開可能な部材130を展開して進入部位185を被覆することをさらに含み得る。
【0072】
図17は、本開示の様々な態様による身体管腔180にステントを留置するための方法1700を例示するフローチャートを示す。方法1700の工程は、図1図11を参照して説明されるシステムまたは構成要素のいずれかを用いて実行されてもよく、図10図11を参照して説明される特定の手順の態様の一実施例であってもよい。ブロック1705では、方法1700は、身体管腔180の進入部位185を通してステント105を送達することを含み得る。図1図9を参照して説明したように、ステント105は、ステント本体135および展開可能な部材130を備え得る。ブロック1710では、方法1300は、展開可能な部材130を拘束された構成から解放して、展開可能な部材130をステント本体135から展開して進入部位185を被覆することをさらに含むことができる。
【0073】
図18は、本開示の様々な態様による身体管腔180にステントを留置するための方法1800を例示するフローチャートを示す。方法1400の工程は、図1図11を参照して説明されるシステムまたは構成要素のいずれかを用いて実行されてもよく、図10図11を参照して説明される特定の手順の態様の一実施例であってもよい。ブロック1805では、方法1800は、身体管腔180の進入部位185を通してステント105を送達することを含み得る。図1図9を参照して説明したように、ステント105は、ステント本体135および展開可能な部材130を備え得る。ブロック1810では、方法1800は、展開可能な部材130を引っ張って、展開可能な部材130をステント本体135から展開して進入部位185を被覆することをさらに含むことができる。
【0074】
これらの方法は可能な実装を記載しており、他の実装が可能になるように操作および工程を再編成または別様に変更することができることに注意されたい。いくつかの実施例では、2つ以上の方法からの態様を組み合わせることができる。例えば、各方法の態様は、他の方法の工程もしくは態様、または本明細書で説明される他の工程もしくは技術を含み得る。
【0075】
本明細書の記載は、当業者が本開示を作製または使用できるようにするために提供される。本開示に対する様々な修正が当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で記載される実施例および設計に限定されるべきではなく、本明細書で開示される原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲が許容されるべきである。
【0076】
本開示のいくつかの実施形態が本明細書で記載および図示されたが、当業者は、本明細書で記載された機能を実行するか、結果または1つ以上の利点を得るための様々な他の手段または構造を容易に想定するであろうし、そのような変形または修正のそれぞれは、本開示の範囲内であるとみなされる。より一般的に、当業者は、本明細書に記載されるすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、または構成が、本開示の教示が使用される特定の用途または複数の用途によって決まることを容易に理解するであろう。
【0077】
当業者は、日常的な実験のみを使用して、本明細書に記載の本開示の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態は例としてのみ提示されており、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、具体的に記載および請求された以外の方法で本開示を実施できることを理解されたい。本開示は、本明細書に記載される個々の特徴、システム、物品、材料、キット、または方法のそれぞれを対象とする。さらに、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、または方法が相互に矛盾しない場合、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、または方法の2つ以上の任意の組み合わせは、本開示の範囲内に含まれる。
【0078】
本明細書で定義および使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれた文書の定義、または定義された用語の通常の意味を超えて支配することが理解されるべきである。
【0079】
本明細書および特許請求の範囲においてここで使用される不定冠詞「a」および「an」は、反対のことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。また、特許請求の範囲を含む本明細書で使用されるとき、項目のリスト(例えば、「の少なくとも1つ」や「1つ以上」などの言い回しが前に付いた項目のリスト)で使用される「または」は、例えば、A、B、またはCの少なくとも1つというリストは、AまたはBまたはCまたはABまたはACまたはBCまたはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味するような、包括的なリストを示す。
【0080】
本明細書全体を通して、「一実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」への言及は、その実施形態態と関連して記載される特定の特徴、構造または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、本明細書全体を通して、様々な箇所での「一実施形態では(in one embodiment)」または「一実施形態では(in an embodiment)」という言い回しの出現は、必ずしも、すべてが同じ実施形態について言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わせることができる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18