(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】とろみ飲料供給装置
(51)【国際特許分類】
A47J 31/40 20060101AFI20240403BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20240403BHJP
A47J 31/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A47J31/40 104
B67D1/08 Z
A47J31/00 302
(21)【出願番号】P 2020019927
(22)【出願日】2020-02-07
【審査請求日】2023-02-03
(31)【優先権主張番号】P 2019079020
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019167074
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【氏名又は名称】永井 裕輔
(72)【発明者】
【氏名】藤原 徹
(72)【発明者】
【氏名】松原 充寿
(72)【発明者】
【氏名】小林 実
(72)【発明者】
【氏名】高橋 賢二
(72)【発明者】
【氏名】西村 慎吾
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-304638(JP,A)
【文献】特表2008-511353(JP,A)
【文献】特開2009-142326(JP,A)
【文献】特開2012-006625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/40
B67D 1/08
A47J 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を載置する載置台と、
前記容器内に飲料を供給する飲料供給部と、
前記容器内に供給される飲料にとろみを付与するために、前記容器内にとろみ粉体を供給するとろみ粉体供給部とを備え、
前記載置台に載置した容器に前記飲料供給部から飲料を供給開始させると同時または供給開始させた後のタイミングで、前記容器に前記とろみ粉体供給部からとろみ粉体を供給開始させるように制御
することを特徴とするとろみ飲料供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載のとろみ飲料供給装置において、
前記飲料供給部から飲料を供給開始させた飲料が前記載置台に載置した容器の底部に流入した後のタイミングで、前記容器に前記とろみ粉体供給部からとろみ粉体を供給開始させるように制御
することを特徴とするとろみ飲料供給装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のとろみ飲料供給装置において、
前記飲料供給部は、飲料の原料となる原料水を供給する原料水供給路と、前記原料水供給路に介装された原料水供給弁とを備え、
前記とろみ粉体供給部は、とろみ粉体を貯えるとろみ粉体容器と、前記とろみ粉体容器内に設けられてとろみ粉体を搬出させるとろみ粉体搬出用スクリューと、前記とろみ粉体搬出用スクリューを回転させるとろみ粉体搬出用モータとを備え、
前記原料水供給弁の開放開始タイミングと、前記とろみ粉体搬出用モータの作動開始タイミングとの少なくとも一方
の開始タイミングを調整することによって、前記載置台に載置した容器に前記飲料供給部から飲料を供給開始させると同時または供給開始させた後のタイミングで、前記容器に前記とろみ粉体供給部からとろみ粉体を供給開始させるように制御
することを特徴とするとろみ飲料供給装置。
【請求項4】
請求項3に記載のとろみ飲料供給装置において、
前記飲料供給部は、
飲料の原料粉体を貯える飲料原料容器と、
前記飲料原料容器内に設けられて飲料の原料粉体を搬出させる飲料原料搬出用スクリューと、
前記飲料原料搬出用スクリューを回転させる飲料原料搬出用モータと、
前記飲料原料容器から搬出された飲料の原料粉体と、前記原料水供給路から供給された原料水とを撹拌する撹拌容器と、
前記撹拌容器内に設けられて、飲料の原料粉体と原料水とを撹拌させる撹拌羽根と、
前記撹拌羽根を回転させる撹拌用モータとを備え、
前記原料水供給弁の開放開始タイミングと、
前記とろみ粉体搬出用モータの作動開始タイミングとに加え、
前記飲料原料搬出用モータの作動開始タイミングと、
前記撹拌用モータの作動開始タイミング
との各々の開始タイミングと、
前記撹拌用モータの作動時間
の長さと、の少なくとも1つを
調整することによって、前記載置台に載置した容器に前記飲料供給部から飲料を供給開始させると同時または供給開始させた後のタイミングで、前記容器に前記とろみ粉体供給部からとろみ粉体を供給開始させるように制御
することを特徴とするとろみ飲料供給装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載のとろみ飲料供給装置において、
前記載置台に載置した容器に前記とろみ粉体供給部からとろみ粉体を供給完了させた後で、前記容器に前記飲料供給部から飲料を供給完了させるように制御
することを特徴とするとろみ飲料供給装置。
【請求項6】
請求項5に記載のとろみ飲料供給装置において、
前記飲料供給部は、飲料の原料となる原料水を供給する原料水供給路と、前記原料水供給路に介装された原料水供給弁とを備え、
前記原料水供給弁を間欠的に開放または開度を小さくして流量を
最大流量より減少させることによって、前記載置台に載置した容器に前記とろみ粉体供給部からとろみ粉体を供給完了させた後で、前記容器に前記飲料供給部から飲料を供給完了させるように制御
することを特徴とするとろみ飲料供給装置。
【請求項7】
請求項6に記載のとろみ飲料供給装置において、
前記とろみ粉体供給部から供給されるとろみ粉体の供給量が所定量以上であるときに、前記原料水供給弁を間欠的に開放または開度を小さくして流量を減少させるように制御
することを特徴とするとろみ飲料供給装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載のとろみ飲料供給装置において、
前記原料水供給路には原料水の流量を検出する流量センサまたは原料水の水圧を検出する水圧センサを介装し、
前記流量センサの流量または前記水圧センサの水圧に応じて前記原料水供給弁を間欠的に開放するときの閉止時間または開度を変えるように制御することで、前記容器に前記飲料供給部から飲料を供給完了させるように制御
することを特徴とするとろみ飲料供給装置。
【請求項9】
請求項5に記載のとろみ飲料供給装置において、
前記飲料供給部は、
飲料の原料粉体を貯える飲料原料容器と、
前記飲料原料容器内に設けられて飲料の原料粉体を搬出させる飲料原料搬出用スクリューと、
前記飲料原料搬出用スクリューを回転させる飲料原料搬出用モータと、
飲料の原料となる原料水を供給する原料水供給路と、
前記飲料原料容器から搬出された飲料の原料粉体と、前記原料水供給路から供給された原料水とを撹拌する撹拌容器と、
前記撹拌容器内に設けられて、飲料の原料粉体と原料水とを撹拌させる撹拌羽根と、
前記撹拌羽根を回転させる撹拌用モータとを備え、
前記撹拌用モータを間欠的に作動させることで、前記載置台に載置した容器に前記とろみ粉体供給部からとろみ粉体を供給完了させた後で、前記容器に前記飲料供給部から飲料を供給完了させるように制御
することを特徴とするとろみ飲料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料が多少の粘度を有するとろみ飲料を供給するとろみ飲料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には飲料ディスペンサの発明が開示されている。この飲料ディスペンサは、ハウジングの前部に設けられた飲料生成注出室に、飲料の粉末原料を収容するキャニスタと、キャニスタ内の粉末原料を搬出する搬出部と、搬出部によって搬出された粉末原料を受け入れて水または湯と混合して飲料を生成するミキシングユニットと、ミキシングユニットで生成した飲料を受けるカップを載置する載置台とを備えている。この飲料ディスペンサでは、キャニスタ内の粉末原料は注出部によってミキシングユニットを構成するミキシングケース内に注出され、粉末原料はミキシングケース内で湯または水と撹拌混合されて飲料となり、飲料は載置台に載置されたカップで受けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、嚥下機能が低下した人向けに誤嚥防止を目的としたとろみ飲料が提供されるようになっている。上記の飲料ディスペンサで供給される飲料にとろみを付与するときには、カップに供給された飲料にとろみを付与するとろみ粉体を入れて混合する必要がある。この場合に、とろみ粉体を計量してカップに供給された飲料に入れて混合するため、多数杯のとろみ飲料を供給する際には、とろみ粉体を何度も計量してカップに入れて飲料と混合させなければならなく、一度に多数杯のとろみ飲料を提供するには面倒であった。
【0005】
飲料を自動で供給する上記の飲料ディスペンサで、ミキシングユニットのミキシングケース内に飲料粉末とともにとろみ粉体を注出し、飲料にとろみを付与することも検討された。しかし、ミキシングケース内でとろみ粉体を飲料に混合すると、ミキシングケースの飲料の注出口にとろみ飲料が詰まり、載置台のカップにとろみ飲料を供給できないようになるおそれがある。これに対し、載置台に載置した容器にとろみ粉体を直接供給すれば、上述したようにミキシングケースの飲料の注出口にとろみ飲料が詰まるのを防ぐことができる。しかし、とろみ粉体と飲料とを別々に容器に供給したときに、とろみ粉体が容器内で所謂だまと呼ばれる塊となって溶けずに残ったり、とろみ粉体が容器の底部で溶けずに残ったりするおそれがあった。本発明は、とろみ粉体と飲料とを別々に容器に供給したときに、とろみ粉体が溶け残りにくいとろみ飲料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するため、容器を載置する載置台と、容器内に飲料を供給する飲料供給部と、容器内に供給される飲料にとろみを付与するために、容器内にとろみ粉体を供給するとろみ粉体供給部とを備え、載置台に載置した容器に飲料供給部から飲料を供給開始させると同時または供給開始させた後のタイミングで、容器にとろみ粉体供給部からとろみ粉体を供給開始させるように制御することを特徴とするとろみ飲料供給装置を提供するものである。
【0007】
容器内にとろみ粉体が入っている状態で飲料を供給すると、容器内でとろみ粉体が所謂だまと呼ばれる塊となって溶けずに残ることになる。これに対し、上記のように構成したとろみ飲料供給装置においては、載置台に載置した容器に飲料供給部から飲料を供給開始させると同時または供給開始させた後のタイミングで、容器にとろみ粉体供給部からとろみ粉体を供給開始させるように制御するので、とろみ粉体が飲料よりも先に容器に供給されないようになり、とろみ粉体が容器内でだまと呼ばれる塊となって溶けずに残りにくくすることができる。
【0008】
上記のように構成したとろみ飲料供給装置においては、飲料供給部から飲料を供給開始させた飲料が載置台に載置した容器の底部に流入した後のタイミングで、容器にとろみ粉体供給部からとろみ粉体を供給開始させるように制御するのが好ましい。このようにしたときには、容器内の底部で飲料の水流が生じた状態でとろみ粉体を容器内に供給させることができるので、とろみ粉体は容器内で飲料に溶けやすくなる。
【0009】
上記のように構成したとろみ飲料供給装置においては、飲料供給部は、飲料の原料となる原料水を供給する原料水供給路と、原料水供給路に介装された原料水供給弁とを備え、とろみ粉体供給部は、とろみ粉体を貯えるとろみ粉体容器と、とろみ粉体容器内に設けられてとろみ粉体を搬出させるとろみ粉体搬出用スクリューと、とろみ粉体搬出用スクリューを回転させるとろみ粉体搬出用モータとを備え、原料水供給弁の開放開始タイミングと、とろみ粉体搬出用モータの作動開始タイミングとの少なくとも一方の開始タイミングを調整することによって、載置台に載置した容器に飲料供給部から飲料を供給開始させると同時または供給開始させた後のタイミングで、容器にとろみ粉体供給部からとろみ粉体を供給開始させるように制御してもよい。
【0010】
この場合においては、さらに、飲料供給部は、飲料の原料粉体を貯える飲料原料容器と、飲料原料容器内に設けられて飲料の原料粉体を搬出させる飲料原料搬出用スクリューと、飲料原料搬出用スクリューを回転させる飲料原料搬出用モータと、飲料原料容器から搬出された飲料の原料粉体と、原料水供給路から供給された原料水とを撹拌する撹拌容器と、撹拌容器内に設けられて、飲料の原料粉体と原料水とを撹拌させる撹拌羽根と、撹拌羽根を回転させる撹拌用モータとを備え、原料水供給弁の開放開始タイミングと、とろみ粉体搬出用モータの作動開始タイミングに加え、飲料原料搬出用モータの作動開始タイミングと、撹拌用モータの作動開始タイミングとの各々の開始タイミングと、撹拌用モータの作動時間の長さと、の少なくとも1つを調整することによって、載置台に載置した容器に飲料供給部から飲料を供給開始させると同時または供給開始させた後のタイミングで、容器にとろみ粉体供給部からとろみ粉体を供給開始させるように制御してもよい。
【0011】
上記のように構成したとろみ飲料供給装置においては、載置台に載置した容器にとろみ粉体供給部からとろみ粉体を供給完了させた後で、容器に飲料供給部から飲料を供給完了させるように制御するのが好ましい。このようにしたときには、容器に供給される飲料の水流が継続した状態でとろみ粉体の供給が完了するため、とろみ粉体が容器内の飲料の上部で浮かんで溶け残るのを少なくすることができる。
【0012】
この場合において、飲料供給部は、飲料の原料となる原料水を供給する原料水供給路と、原料水供給路に介装された原料水供給弁とを備え、原料水供給弁を間欠的に開放または開度を小さくして流量を最大流量より減少させることによって、載置台に載置した容器にとろみ粉体供給部からとろみ粉体を供給完了させた後で、容器に飲料供給部から飲料を供給完了させるように制御するのが好ましい。このようにしたときには、とろみ粉体を供給する時間が長いときでも、原料水供給弁を一時的に閉止させたことにより長くなった原料水の供給時間または流量を最大流量より減少させたことにより長くなった原料水の供給時間によりとろみ粉体が供給完了した後まで飲料が供給されるようになり、とろみ粉体が容器内の飲料の上部で浮かんで溶け残るのを少なくすることができる。また、とろみ粉体供給部から供給されるとろみ粉体の供給量が所定量以上であるときに、原料水供給弁を間欠的に開放または開度を小さくして流量を減少させるように制御するのが好ましく、このようにしたことで、とろみ粉体の供給量が所定量以上のときのようなとろみ粉体の供給時間が長くなったときだけ、原料水の供給時間を長くすることができ、とろみ粉体の供給量が少ないときにとろみ飲料が供給されるのに要する時間が不必要に長くならないようにすることができる。
【0013】
上記のように構成したとろみ飲料供給装置においては、原料水供給路には原料水の流量を検出する流量センサまたは原料水の水圧を検出する水圧センサを介装し、流量センサの流量または水圧センサの水圧に応じて原料水供給弁を間欠的に開放するときの閉止時間または開度を変えるように制御することで、容器に飲料供給部から飲料を供給完了させるように制御するのが好ましい。原料水供給路の原料水の流量が少ないまたは水圧が低いときに、原料水供給弁を原料水の流量が多いまたは水圧が高いときと同じ閉止時間で閉止させると、開放時間に供給された原料水の供給量が少ないことに起因して、閉止時間に供給されたとろみ粉体が容器内で飲料の上側で浮かぶおそれがある。これに対し、原料水供給路の原料水の流量が少ないまたは水圧が低いときには、原料水供給弁を間欠的に開放するときの閉止時間を原料水の流量が多いまたは高いときよりも短く、または開度を高くすることで、とろみ粉体が原料水供給弁を閉止させているときでも容器内で飲料の上側で浮かばないようにすることができる。
【0014】
上記のように構成したとろみ飲料供給装置においては、飲料供給部は、飲料の原料粉体を貯える飲料原料容器と、飲料原料容器内に設けられて飲料の原料粉体を搬出させる飲料原料搬出用スクリューと、飲料原料搬出用スクリューを回転させる飲料原料搬出用モータと、飲料の原料となる原料水を供給する原料水供給路と、飲料原料容器から搬出された飲料の原料粉体と、原料水供給路から供給された原料水とを撹拌する撹拌容器と、撹拌容器内に設けられて、飲料の原料粉体と原料水とを撹拌させる撹拌羽根と、撹拌羽根を回転させる撹拌用モータとを備え、撹拌用モータを間欠的に作動させることで、載置台に載置した容器にとろみ粉体供給部からとろみ粉体を供給完了させた後で、容器に飲料供給部から飲料を供給完了させるように制御するのが好ましい。このようにしたときには、とろみ粉体を供給する時間が長いときでも、撹拌用モータを間欠的に作動させることにより長くなった飲料の供給時間によりとろみ粉体が供給完了した後まで飲料が供給されるようになり、とろみ粉体が容器内の飲料の上部で浮かんで溶け残るのを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明のとろみ飲料供給装置の斜視図である。
【
図2】
図1のフロントパネルを取り外した状態の斜視図である。
【
図3】飲料供給部が配置されている位置(A-A線)での前後方向に沿った縦方向断面図である。
【
図4】ベースに形成した原料水供給口に原料水供給部が接続された状態を示す概略図である。
【
図6】飲料ガイドとシュートの斜視図であり、飲料ガイドの係止部にシュートの下部を係止させた状態の斜視図(a)と、飲料ガイドからシュートを取り外した状態の斜視図(b)である。
【
図7】とろみ粉体供給部が配置されている位置(B-B線)での前後方向に沿った縦方向断面図である。
【
図8】飲料注出部ととろみ粉体注出部を斜め下方から見た斜視図である。
【
図9】シュートの斜視図(a)と、シュートを前側部と後側部とに分解した斜視図(b)である。
【
図11】茶等の飲料の原料粉体を含む温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャート(a)であり、飲料注出部から飲料と、とろみ粉体注出部からとろみ粉体が注出されるタイミングを示すタイムチャート(b)である。
【
図12】茶等の飲料の原料粉体を含む冷たいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャート(a)であり、飲料注出部から飲料と、とろみ粉体注出部からとろみ粉体が注出されるタイミングを示すタイムチャート(b)である。
【
図13】とろみ湯を供給する第2とろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャート(a)であり、第3原料水供給管から水及び/または湯と、とろみ粉体注出部からとろみ粉体が注出されるタイミングを示すタイムチャート(b)である。
【
図14】とろみ水を供給する第2とろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャート(a)であり、第3原料水供給管から水及び/または湯と、とろみ粉体注出部からとろみ粉体が注出されるタイミングを示すタイムチャート(b)である。
【
図15】第1変形例のとろみ飲料供給装置の左右方向の中央部での前後方向に沿った縦方向断面斜視図である。
【
図16】フラップがシュートの通路を閉止しているときの前後方向に沿った縦方向断面図(a)であり、フラップがシュートの通路を開放しているときの前後方向に沿った縦方向断面図(b)である。
【
図17】第1変形例での茶等の飲料の原料粉体を含む温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャート(a)であり、飲料注出部から飲料及びとろみ粉体注出部からとろみ粉体が注出されるタイミングを示すタイムチャート(b)である。
【
図18】第2変形例のとろみ飲料供給装置の左右方向の中央部での前後方向に沿った縦方向断面斜視図である。
【
図19】第2変形例での茶等の飲料の原料粉体を含む温かい第1とろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャート(a)であり、飲料注出部から飲料及びとろみ粉体注出部からとろみ粉体が注出されるタイミングを示すタイムチャート(b)である。
【
図20】第3変形例での茶等の飲料の原料粉体を含む温かい第1とろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャートである。
【
図21】第4変形例での茶等の飲料の原料粉体を含む温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャート(a)であり、飲料注出部から飲料と、とろみ粉体注出部からとろみ粉体が注出されるタイミングを示すタイムチャート(b)である。
【
図22】第6変形例での茶等の飲料の原料粉体を含む温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャート(a)であり、飲料注出部から飲料と、とろみ粉体注出部からとろみ粉体が注出されるタイミングを示すタイムチャート(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明によるとろみ飲料供給装置の一実施形態を図面を参照して説明する。本発明のとろみ飲料供給装置10は、カップ等の容器C内に供給される飲料に容器C内でとろみ粉体を混合させてとろみ飲料を供給するものである。
図1~
図3に示したように、とろみ飲料供給装置10は、略直方体形状のハウジング11の前部にとろみ飲料生成室12と、ハウジング11の後部に機械室13とを備え、とろみ飲料生成室12は仕切板14によって機械室13と仕切られている。機械室13には後述する混合容器33または容器Cに供給する水を冷却するための冷却水槽と、冷却水槽を冷却する冷凍装置と、混合容器33または容器Cに供給する湯を供給する給湯器等が配設されている。
【0017】
図2及び
図3に示したように、とろみ飲料生成室12にはカップ等の容器Cを載置する載置台20と、容器C内に飲料を供給する飲料供給部30と、容器C内にとろみ粉体を供給するとろみ粉体供給部40とを備えている。この実施形態では、とろみ飲料生成室12には2種類の飲料を供給するために2つの飲料供給部30が設けられており、2つの飲料供給部30はとろみ飲料生成室12の左右方向の中央部に配置されるとろみ粉体供給部40の左右両側に配置されている。左右の飲料供給部30は左右対象に配置されているだけで同一の構成となっているので、以後の説明では主として一方の飲料供給部30のみを説明する。
【0018】
図1及び
図2に示したように、載置台20はとろみ飲料生成室12の下部にて左右方向の中央部に位置されている。載置台20は、カップ等の容器Cを載置する受台部21と、受台部21の上側を覆うカバー部22とを備えている。受台部21は簀の子状に形成され、カップ等の容器Cから溢出した飲料を下側に流すことができるようになっている。受台部21の前部にて左右方向の中央部で容器Cに飲料ととろみ粉体とを受けるようにするために、受台部21の前部で左右方向の中央部の上側には後述する飲料注出部36b(飲料注出口36c)ととろみ粉体注出部42c(とろみ粉体注出口42d)が配置されている(
図7及び
図8に示した)。カバー部22は受台部21の上側で前方を除く左右両側方、後方及び上方を覆っている。
【0019】
図2及び
図3に示したように、飲料供給部30は載置台20に載置した容器Cにとろみ飲料の原料となる飲料を供給するものである。飲料供給部30は、飲料を生成する飲料生成部31と、飲料生成部31で生成した飲料を載置台20の容器Cに供給する飲料供給経路35とを備えている。
【0020】
図2及び
図3に示したように、飲料生成部31は、飲料の原料粉体と水及び/または湯よりなる原料水とを混合して飲料を生成するものである。飲料生成部31は、飲料の原料粉体(粉末原料)を貯える飲料原料容器32と、飲料の原料粉体と原料水を混合する混合容器33と、混合容器33内で原料粉体と原料水とを撹拌して混合させる撹拌装置34とを備えている。飲料原料容器32は茶、紅茶等の粉末よりなる飲料の原料粉体を貯えるものであり、とろみ飲料生成室12に設けたベース15に着脱可能に取り付けられている。飲料原料容器32の底部には原料粉体の搬出口32aが設けられており、原料粉体は搬出口32aから混合容器33に搬出される。飲料原料容器32の下部には飲料原料搬出用スクリュー32bが設けられており、飲料原料搬出用スクリュー32bはカップリング部材32cを介して飲料原料搬出用モータ32dの駆動が伝達されるようになっている。飲料原料搬出用モータ32dの回転によって飲料原料搬出用スクリュー32bが回転すると、飲料原料容器32内の原料粉体は搬出口32aから混合容器33内に搬出される。
【0021】
図3に示したように、混合容器33は原料粉体と原料水とを撹拌して混合させるものであり、とろみ飲料生成室12に設けたベース15に着脱可能に支持されている。混合容器33は飲料原料容器32の下側で開口しており、飲料原料容器32の搬出口32aから搬出される原料粉体は混合容器33内に流入する。混合容器33の底部には放出口33aが形成されており、混合容器33内で撹拌されて混合された飲料は放出口33aから放出される。
【0022】
図4に示したように、ベース15には混合容器33内に水(冷水)及び/または湯(温水)よりなる原料水を供給するための原料水供給口15aが設けられており、原料水供給口15aには原料水を供給する原料水供給部16が接続されている。
図5に示したように原料水供給部16は、湯(温水)を供給する給湯タンク16aと、水(冷水)を供給する冷水タンク16bとを備えている。給湯タンク16aには原料水供給路を構成する第1給水管16cが接続されており、水道等の給水源の水は第1給水管16cを通って給湯タンク16aに供給される。第1給水管16cには原料水供給弁を構成する第1及び第2給水弁16d,16eが介装されており、給水源の水は第1及び第2給水弁16d,16eを開放することによって給湯タンク16aに供給される。給湯タンク16a内には水位センサ16a1が設けられており、第1及び第2給水弁16d,16eは水位センサ16a1の検知水位に基づいて給湯タンク16a内の水位が所定の水位の範囲となるように開閉制御されている。給湯タンク16aにはヒータ16a2が設けられており、給水源の水は給湯タンク16a内でヒータ16a2によって加熱されて湯(温水)よりなる原料水となる。
【0023】
また、給湯タンク16aの下部には原料水供給路を構成する送湯管16fが接続されており、送湯管16fには送湯ポンプ16gが介装されている。給湯タンク16a内の湯は送湯ポンプ16gによって送湯管16fに送られる。また、送湯管16fには三方弁よりなる湯用の第1~第3原料水供給弁16h(16h1~16h3)が介装されており、湯用の第1~第3原料水供給弁16h(16h1~16h3)には湯用の第1~第3原料水供給管16i(16i1~16i3)が接続されている。第1原料水供給管16i1の導出端部は左側の飲料供給部30の原料水供給口15aに接続されており、第2原料水供給管16i2の導出端部は右側の飲料供給部30の原料水供給口15aに接続されており、第3原料水供給管16i3の導出端部は載置台20のカバー部22に配設されている。
【0024】
給湯タンク16a内の湯は、送湯ポンプ16gの作動とともに、湯用の第1原料水供給弁16h1または第2原料水供給弁16h2を開放させることで、送湯管16fと、第1原料水供給管16i1または第2原料水供給管16i2とを通って混合容器33内に供給される。また、給湯タンク16a内の湯は、送湯ポンプ16gの作動とともに、湯用の第3原料水供給弁16h3を開放させることで、送湯管16fと、第3原料水供給管16i3とを通って載置台20に載置したカップ等の容器Cに供給される。
【0025】
第1給水管16cには第1給水弁16dの直ぐ下流側(第1給水弁16dと第2給水弁16eの間)に原料水供給路を構成する第2給水管16jが接続されており、水道等の給水源の水は第1給水管16cの一部と第2給水管16jを通って冷水タンク16bに供給される。冷水タンク16b内には内部の冷却水を冷却する冷凍装置の蒸発管16b1と、原料水を冷却する原料水冷却管16b2が設けられている。冷水タンク16b内の冷却水は冷凍装置の蒸発管16b1を循環する冷媒により冷却され、給水源の水は原料水冷却管16b2を通過するときに冷却されて冷水よりなる原料水となる。
【0026】
冷水タンク16bの原料水冷却管16b2には送水管16kが接続されており、原料水冷却管16b2により冷却された冷水よりなる原料水は送水管16kに送出される。送水管16kには冷水を送り出す第1及び第2分岐部16k1,16k2が設けられており、第1及び第2分岐部16k1,16k2と送水管16kの先端部16k3には冷水用の第4~第6原料水供給弁16m(16m1~16m3)が設けられている。冷水用の第4~第6原料水供給弁16m1~16m3には冷水用の第4~第6原料水供給管16n(16n1~16n3)の導入端部が接続されており、冷水用の第4~第6原料水供給管16n(16n1~16n3)の導出端部は湯用の第1~第3原料水供給管16i(16i1~16i3)の中間部に接続されている。
【0027】
給水源の水は、第1給水弁16dと、冷水用の第4原料水供給弁16m1または第5原料水供給弁16m2を開放させることで、第1給水管16cの一部と第2給水管16jを通って冷水タンク16bの原料水冷却管16b2に送られて冷却されて冷水よりなる原料水となり、冷水よりなる原料水は送水管16kと、第4原料水供給管16n1または第5原料水供給管16n2と、第4原料水供給管16n1に接続された第1原料水供給管16i1または第5原料水供給管16n2に接続された第2原料水供給管16i2とを通って混合容器33内に供給される。また、給水源の水は、第1給水弁16dと、冷水用の第6原料水供給弁16m3を開放させることで、第1給水管16cの一部と第2給水管16jを通って冷水タンク16bの原料水冷却管16b2に送られて冷却されて冷水よりなる原料水となり、冷水よりなる原料水は送水管16kと、第6原料水供給管16n3と、第6原料水供給管16n3に接続された第3原料水供給管16i3とを通って載置台20に載置したカップ等の容器Cに供給される。
【0028】
原料水供給部16の第1給水管16c、送湯管16f、第1~第3原料水供給管16i(16i1~16i3)、第2給水管16j、送水管16k及び第4~第6原料水供給管16n(16n1~16n3)が本願請求の範囲に記載の原料水供給路に相当し、第1給水弁16d、第1~第3原料水供給弁16h(16h1~16h3)及び第4~第6原料水供給弁16m(16m1~16m3)が本願請求の範囲に記載の原料水供給弁に相当する。
【0029】
図3に示したように、混合容器33には撹拌装置34が設けられており、撹拌装置34は、混合容器33の後側のベース15に設けた撹拌用モータ34aと、撹拌用モータ34aによって回転する回転軸34dと、回転軸34dの先端に設けられた円板部34eとを備えている。撹拌用モータ34aの出力軸にはカップリング用のマグネット34bが設けられ、回転軸34dの撹拌用モータ34a側となる基端にはカップリング用のマグネット34cが設けられている。回転軸34dはカップリング用のマグネット34b,34cによって撹拌用モータ34aに着脱可能に連結され、撹拌用モータ34aはカップリング用のマグネット34b,34cを介して回転軸34dを回転させる。回転軸34dは混合容器33の底部の放出口33aの上側に延出し、回転軸34dの先端には放出口33aの上側で円板部34eが設けられている。回転軸34dの先端の円板部34eの下面には撹拌羽根34fが設けられており、混合容器33内の原料粉体と原料水とは円板部34eの回転によって撹拌混合されて飲料となる。
【0030】
図2に示したように、飲料供給経路35は飲料生成部31で生成した飲料を載置台20に載置した容器Cに案内するものである。飲料供給経路35は浅い箱形をした飲料ガイド36を備え、飲料ガイド36は飲料生成部31の下側から載置台20の前部で左右方向の中央部まで延びている。この実施形態では、左右両側に配置された飲料ガイド36はとろみ飲料生成室12の左右方向の中央部に配置される連結部36aによって互いに連結しており、左右両側の飲料ガイド36は左右方向の中央部の連結部36aで繋がった状態で一体的に形成されている。一体的に形成されている左右両側の飲料ガイド36は載置台20のカバー部22の上側に支持されている。
【0031】
図2、
図6及び
図7に示したように、飲料ガイド36には載置台20の前部で左右方向の中央部の上側で下方に延びる円筒形をした飲料注出部36bが設けられており、飲料注出部36bの下端には飲料の飲料注出口36cが形成されている。また、左右両側の飲料ガイド36の飲料注出部36bは載置台20の前部にて左右方向の中央部で互いに左右方向に隣接する位置に配置されている。
図7及び
図8に示したように、これらの飲料注出部36bは後述するとろみ粉体注出部42c側となる後側に傾斜しており、飲料注出部36bの飲料注出口36cから注出される飲料は後側に傾斜して注出される。
図6に示したように、飲料ガイド36の連結部36aの後部には位置決め部36dが設けられており、位置決め部36dは後述するシュート42の下部の左右方向の移動を規制することにより、シュート42の下部を飲料ガイド36に対して位置決めするものである。
【0032】
図2に示したように、カバー部22の上側には第3原料水供給管16i3の導出端部が配設されており、載置台20に載置した容器Cには第3原料水供給管16i3から水及び/または湯よりなる原料水が飲料として供給される。第3原料水供給管16i3から供給される水及び/または湯よりなる原料水は、主として、水及び/または湯よりなる原料水にとろみ粉体を加えたとろみ水またはとろみ湯を供給するときに用いられる。
【0033】
図2及び
図7に示したように、とろみ粉体供給部40は、とろみ粉体を貯えるとろみ粉体容器41と、とろみ粉体容器41から搬出されるとろみ粉体を載置台20の容器Cに案内するシュート42とを備えている。
図7に示したように、とろみ粉体容器41の底部にはとろみ粉体の搬出口41aが設けられており、とろみ粉体は搬出口41aからシュート42に搬出される。とろみ粉体容器41の下部にはとろみ粉体搬出用スクリュー41bが設けられており、とろみ粉体搬出用スクリュー41bはカップリング部材41cを介してとろみ粉体搬出用モータ41dの駆動が伝達されるようになっている。とろみ粉体搬出用モータ41dの回転によってとろみ粉体搬出用スクリュー41bが回転すると、とろみ粉体容器41内のとろみ粉体は搬出口41aからシュート42内に搬出される。
【0034】
図2及び
図7に示したように、シュート42はとろみ粉体容器41の搬出口41aの下側から載置台20に載置した容器Cの上側まで鉛直方向下向きに延びて、とろみ粉体容器41の搬出口41aから搬出されるとろみ粉体を載置台20に載置した容器Cに案内する通路42aを備えている。
図9に示したように、シュート42は水平方向として前後方向に2つに分割可能としたものであり、前側部43と後側部44とを備えている。
【0035】
図7及び
図9に示したように、シュート42の上端部にはとろみ粉体容器41の搬出口41aから搬出されるとろみ粉体を受け入れる受入口42bが設けられている。また、シュート42の下端部にはとろみ粉体を注ぎ出すとろみ粉体注出口42dを有する筒形をしたとろみ粉体注出部42cが設けられている。
図7に示したように、シュート42の内部に形成される通路42aは上端部の受入口42bから下端部のとろみ粉体注出口42dまで鉛直方向に直線的に延びている。シュート42は上下方向の中間部から下部にかけて左右方向の幅が徐々に狭くなっており、シュート42の通路42aは上下方向の中間部から下部にかけて下側に進むに従って徐々に狭くなっている。とろみ粉体はシュート42の通路42aの徐々に狭くなる部分を通過するときに乱流となり、乱流となったとろみ粉体はとろみ粉体注出口42dから載置台20にされた容器C内に拡散して放出されるようになる。
【0036】
図8に示したように、とろみ粉体注出部42cは飲料ガイド36の飲料注出部36bと前後に隣接する位置に配置されている。とろみ粉体注出部42cのとろみ粉体注出口42dは前後方向(飲料注出口36cと水平方向にて隣接する隣接方向)の長さを、左右方向(飲料注出口36cの隣接方向と水平方向にて直交する直交方向)の長さより短い扁平形状となる長円形をしている。とろみ粉体注出口42dを長円形としたことで、とろみ粉体注出口42dの開口面積は飲料注出口36cよりも大きく形成されている。とろみ粉体注出口42dの飲料注出口36cが配置される方向となる前後方向の長さを飲料注出口36cが配置されていない左右方向の長さより短くしていることで、とろみ粉体注出口42dと飲料注出口36cとを容器Cの中心部の上側で拡がらずに配置することができ、とろみ粉体注出口42dから注出されるとろみ粉体と飲料注出口36cから注出される飲料は容器Cの外側にこぼれ落ちないようになる。
【0037】
図6、
図7及び
図9に示したように、シュート42の後側部44の後面には後側に延びる差込片部42eが設けられており、差込片部42eの左右の両側部はベース15に設けられたレール(図示省略)に前後に摺動自在に支持されている。シュート42及び飲料ガイド36を取り付けるときには、差込片部42eをレールに沿って差し込んでシュート42をベース15に取り付けた後で、飲料ガイド36の連結部36aの位置の後面がシュート42の下部の前面に当接する状態で、飲料ガイド36を載置台20のカバー部22の上側に支持させる。この状態では、シュート42の下部は飲料ガイド36の後面に当接して前後方向の移動が規制されるとともに、飲料ガイド36の位置決め部36dによって左右方向の移動が規制されている。このように、シュート42は飲料ガイド36に対して位置決めされているため、とろみ粉体注出部42cは飲料ガイド36の飲料注出部36bと前後に隣接する位置に位置決めされることになる。
【0038】
図10に示したように、とろみ飲料供給装置10は、載置台20に載置した容器Cにとろみ飲料の供給を制御する制御装置50を備えており、制御装置50は、第1及び第2給水弁16d,16e、送湯ポンプ16g、第1~第3原料水供給弁16h(16h1~16h3)、第4~第6原料水供給弁16m(16m1~16m3)、フロントパネル17に設けた操作スイッチ18、飲料原料搬出用モータ32d、撹拌用モータ34a及びとろみ粉体搬出用モータ41dに接続されている。制御装置50は第1及び第2とろみ飲料供給プログラムを有しており、第1とろみ飲料供給プログラムは茶等の飲料の原料粉体を含む温かいまたは冷たいとろみ飲料を供給するプログラムであり、第2とろみ飲料供給プログラムはとろみ水またはとろみ湯よりなるとろみ飲料を供給するプログラムである。
【0039】
茶等の飲料の原料粉体を含むとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムは、操作スイッチ18の操作に基づいて、第1給水弁16dと冷水用の第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)との開閉制御、及び/または、送湯ポンプ16gの作動制御と湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)の開閉制御をするとともに、飲料原料搬出用モータ32dと撹拌用モータ34aととろみ粉体搬出用モータ41dとの作動を制御することにより、載置台20に載置したカップ等の容器Cに茶等の飲料の原料粉体を含むとろみ飲料を供給するように制御している。
【0040】
第1とろみ飲料供給プログラムにおいては、容器Cに供給するとろみ飲料の量及び温度に応じて、第1給水弁16dと、冷水用の第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)と、湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)との少なくとも1つの開放時間と送湯ポンプ16gの作動時間が設定可能であり、とろみ飲料の飲料の濃さに応じて飲料原料搬出用モータ32dの作動時間が設定可能であり、とろみ飲料のとろみ粘度に応じてとろみ粉体搬出用モータ41dの作動時間が設定可能である。
【0041】
とろみ水またはとろみ湯よりなるとろみ飲料を供給する第2とろみ飲料供給プログラムは、操作スイッチ18の操作に基づいて、第1給水弁16dと冷水用の第6原料水供給弁16m3との開閉制御、及び/または、送湯ポンプ16gの作動制御と湯用の第3原料水供給弁16h3の開閉制御をするとともに、とろみ粉体搬出用モータ41dの作動を制御することにより、載置台20に載置したカップ等の容器Cにとろみ水またはとろみ湯よりなるとろみ飲料を供給するように制御している。
【0042】
第2とろみ飲料供給プログラムにおいては、容器Cに供給するとろみ水またはとろみ湯よりなるとろみ飲料の量及び温度に応じて、第1給水弁16dと、冷水用の第6原料水供給弁16m3と、湯用の第3原料水供給弁16h3との少なくとも1つの開放時間と送湯ポンプ16gの作動時間が設定可能であり、とろみ水またはとろみ湯よりなるとろみ飲料のとろみ粘度に応じてとろみ粉体搬出用モータ41dの作動時間が設定可能である。
【0043】
とろみ飲料を供給するときには、載置台20に載置した容器Cに飲料供給部30から飲料供給開始させると同時または供給開始させた後で、容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給開始させると、容器C内でとろみ粉体がだまと呼ばれる塊となって溶けずに残りにくくすることができる。特に、飲料供給部30から飲料を供給開始させた飲料が載置台20に載置した容器Cの底部に流入した後のタイミングで、容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給開始させるように制御すると、容器C内でとろみ粉体がだまと呼ばれる塊となって溶けずに残りにくくする効果を高めることができる。さらに、載置台20に載置した容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給完了させた後で、容器Cに飲料供給部30から飲料を供給完了させるように制御すると、容器内の飲料の上部にとろみ粉体が浮かんで溶け残るのを少なくすることができる。
【0044】
第1とろみ飲料供給プログラムを実行したときに、第1給水弁16dと冷水用の第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)とを開放、及び/または、送湯ポンプ16gの作動と湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)を開放させ、飲料原料搬出用モータ32dを作動させても、直ちに容器C内に飲料が供給されるわけでなく、同様に、とろみ粉体搬出用モータ41dを作動させても直ちに容器Cにとろみ粉体が供給されるわけでない。すなわち、第1給水弁16dと冷水用の第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)とを開放、及び/または、送湯ポンプ16gの作動と湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)を開放させても、水及び/または湯よりなる原料水が混合容器33と飲料ガイド36とを通過するのに時間を要してタイムラグが生じるとともに、原料水が混合容器33内で撹拌羽根34fにより飲料の原料粉体と混合されるときに遠心力によって放出口33aから直ちに放出されずに遅れて放出されている。また、容器Cに供給する飲料の温度を適温とするために、送湯ポンプ16gの作動と湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)を開放後に、第1給水弁16dと冷水用の第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)とを開放させると、第1給水弁16dと冷水用の第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)を連続して開放して冷水よりなる原料水だけを供給するときと比べて、とろみ飲料の供給時間が長くなる。さらに、とろみ粉体搬出用モータ41dを作動させてもシュート42を落下するのに時間を要してタイムラグが生じている。
【0045】
このため、第1給水弁16dと冷水用の第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)との開放開始、及び/または、送湯ポンプ16gの作動開始と湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)の開放開始と、飲料原料搬出用モータ32dを作動開始と、とろみ粉体搬出用モータ41dを作動開始とを同じタイミングで実行しても、上述したように、載置台20に載置した容器Cに飲料供給部30から飲料供給開始させると同時または供給開始させた後で、容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給開始させたり、飲料供給部30から飲料を供給開始させた飲料が載置台20に載置した容器Cの底部に流入した後のタイミングで、容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給開始させたり、載置台20に載置した容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給完了させた後で、容器Cに飲料供給部30から飲料を供給完了させることはできない。
【0046】
第1とろみ飲料供給プログラムでは、上述した容器Cに飲料供給部30から飲料を供給開始させると同時または供給開始させた後のタイミングで、容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給開始させる等の制御をするために、図示しない設定操作部の操作により、第1給水弁16dと冷水用の第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)との開放開始タイミングと、及び/または、送湯ポンプ16gの作動開始タイミングと湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)の開放開始タイミングと、とろみ粉体搬出用モータ41dの作動開始タイミングと、飲料原料搬出用モータ32dの作動開始タイミングと、撹拌用モータ34aの作動開始タイミングと作動時間とを変更可能としている。
【0047】
同様に、とろみ水またはとろみ湯を供給するための第2とろみ飲料供給プログラムを実行したときに、第1給水弁16dと冷水用の第6原料水供給弁16m3とを開放、及び/または、送湯ポンプ16gの作動と湯用の第3原料水供給弁16h3を開放させると、茶等の飲料の原料粉体を含むとろみ飲料を供給するときのように、第1給水弁16dと冷水用の第4原料水供給弁16m1とを開放、及び/または、送湯ポンプ16gの作動と湯用の第1原料水供給弁16h1を開放させたときよりも、飲料の供給経路が短いので早く容器Cに原料水よりなる飲料が供給されるが、とろみ粉体搬出用モータ41dを作動させても直ちに容器Cにとろみ粉体が供給されるわけでない。このため、第2とろみ飲料供給プログラムで、第1給水弁16dと冷水用の第6原料水供給弁16m3とを開放、及び/または、送湯ポンプ16gの作動と湯用の第3原料水供給弁16h3を開放させ、とろみ粉体搬出用モータ41dを作動させても、上述したように、載置台20に載置した容器Cに飲料供給部30から飲料供給開始させると同時または供給開始させた後で、容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給開始させたり、飲料供給部30から飲料を供給開始させた飲料が載置台20に載置した容器Cの底部に流入した後のタイミングで、容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給開始させたり、載置台20に載置した容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給完了させた後で、容器Cに飲料供給部30から飲料を供給完了させることはできない。
【0048】
第2とろみ飲料供給プログラムでは、上述した容器Cに飲料供給部30から飲料を供給開始させると同時または供給開始させた後のタイミングで、容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給開始させる等の制御をするために、図示しない設定操作部の操作により、第1給水弁16dと冷水用の第6原料水供給弁16m3の開放開始タイミング、及び/または、送湯ポンプ16gの作動開始タイミングと湯用の第3原料水供給弁16h3の開放開始タイミングと、とろみ粉体搬出用モータ41dの作動開始タイミングとを変更可能としている。
【0049】
以下に、上述した第1及び第2とろみ飲料プログラムについて具体的に説明する。先ず、温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料プログラムについて説明する。以下に説明する第1とろみ飲料プログラムは、左側の飲料供給部30から飲料を供給するときであり、括弧内には右側の飲料供給部30から飲料を供給するときの構成を記載する。とろみ飲料供給装置10で、茶等の飲料の原料粉体を溶解させた温かいとろみ飲料を供給するときには、載置台20の受台部21の前部で左右の中央部にカップ等の容器Cを載置し、操作スイッチ18により温かい茶等のとろみ飲料の供給スイッチをオン操作すると、制御装置50は温かいとろみ飲料用の第1とろみ飲料供給プログラムを実行する。
図11(a)が温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャートであり、
図11(b)が容器C内に飲料注出部36b(飲料注出口36c)から飲料と、とろみ粉体注出部42c(とろみ粉体注出口42d)からとろみ粉体とが注出されるタイミングを示すタイムチャートである。
【0050】
図11のaのタイミングに示したよう、操作スイッチ18の温かい茶等のとろみ飲料の供給スイッチを操作すると、制御装置50は、飲料原料搬出用モータ32dを飲料の濃さに応じた時間で回転させる(
図11のbからcまでの時間)。飲料原料容器32内の原料粉体は搬出口32aから混合容器33内に搬出される。
【0051】
原料粉体が混合容器33内に搬出されると、制御装置50は飲料原料搬出用モータ32dの作動開始よりも遅れた
図11のcのタイミングで送湯ポンプ16gを作動開始させ、湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)を開放開始させるとともに、撹拌用モータ34aを作動させる。混合容器33内に搬出された原料粉体は第1原料水供給管16i1(第2原料水供給管16i2)を通って原料水供給口15aから供給される湯よりなる原料水に撹拌されることで混合されて飲料となる。
【0052】
飲みやすい温度のとろみ飲料とするために、制御装置50は、
図11のdのタイミングで送湯ポンプ16gの作動を停止させ、
図11のdのタイミングより少しの遅延時間を介した
図11のeのタイミングで湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)を閉止させる。湯よりなる原料水の供給に代えて冷水(水)よりなる原料水を供給するために、
図11のdのタイミングで第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)を開放開始し、
図11のdのタイミングより少しの遅延時間を介した
図11のeのタイミングで第1給水弁16dを開放開始させる。混合容器33内には湯よりなる原料水に代わり、第4原料水供給管16n1(第5原料水供給管16n2)と第1原料水供給管16i1(第2原料水供給管16i2)を通って原料水供給口15aから冷水よりなる原料水が供給されるようになる。
【0053】
混合容器33内に搬出された原料粉体は原料水供給口15aから供給される湯と冷水よりなる原料水に撹拌されることで混合されて飲料となり、混合容器33内の飲料は放出口33aから飲料ガイド36に放出される。放出口33aから放出された飲料は飲料ガイド36を通り、
図11のfのタイミングで飲料注出口36cから容器Cに注出されるようになる。このとき、混合容器33から飲料ガイド36に放出される飲料は濃度が濃い状態から徐々に薄くなって飲料ガイド36に放出されるが、容器Cでは設定された濃度の飲料となっている。なお、混合容器33の放出口33aの上側に撹拌装置34の円板部34eが配置されて飲料が流れにくくなっていることと、飲料が飲料ガイド36を通過するのに時間を要するために、混合容器33内の飲料は湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)を開放させてからタイムラグが生じた後として
図11のfのタイミングで飲料注出口36cから注出される。
【0054】
制御装置50は、送湯ポンプ16gの作動と湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)を開放させ、第1給水弁16dと冷水用の第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)とを開放させるとともに、撹拌用モータ34aを作動させてから少しの時間が経過して
図11のgのタイミングになると、とろみ粉体搬出用モータ41dをとろみ飲料の粘度に応じた時間で回転させる。とろみ粉体容器41内のとろみ粉体は搬出口41aから受入口42bを通ってシュート42内に搬出される。シュート42内に搬出されたとろみ粉体は通路42aを落下して、
図11のhのタイミングでとろみ粉体注出口42dから容器Cに注出される。なお、とろみ粉体容器41内のとろみ粉体はシュート42を通過するため、とろみ粉体搬出用モータ41dを作動開始させてから少しのタイムラグが生じた後でとろみ粉体注出口42dから注出される。
【0055】
とろみ粉体注出口42dから注出されるとろみ粉体は、飲料注出口36cから注出される飲料よりも少し遅れたタイミングで容器Cに注出されるように、とろみ粉体搬出用モータ41dの作動開始時間が制御されている。飲料が容器Cに注出されてから、とろみ粉体が容器Cに注出されるので、とろみ粉体が容器Cの底部で所謂だまと呼ばれる溶けずに塊となって残るのを防ぐことができる。また、飲料は飲料注出部36bから容器C内のとろみ粉体が落下する方向に向けて注出されるので、容器C内に注出されるとろみ粉体はとろみ粉体側に注出される飲料により拡散されることで容器Cの底部で塊の状態で残りにくくなるとともに、容器C内に斜めに注出される飲料により生じる水流により容器C内の飲料と混ざりやすくなる。
【0056】
制御装置50は、
図11のiのタイミングで撹拌用モータ34aを停止させ、
図11のjのタイミングで第1給水弁16dを閉止させ、
図11のjのタイミングより少しの遅延時間を介した
図11のkのタイミングで冷水用の第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)を閉止させ、
図11のlのタイミングでとろみ粉体搬出用モータ41dの作動を停止させると、
図11のmのタイミングでとろみ粉体注出部42c(とろみ粉体注出口42d)からのとろみ粉体の注出が完了し、
図11のnのタイミングで飲料注出部36b(飲料注出口36c)からの飲料の注出が完了する。とろみ粉体容器41の搬出口41aからとろみ粉体を搬出してシュート42のとろみ粉体注出口42dに到達するまでのタイムラグは、原料水供給口15aから混合容器33に原料水を供給してから飲料ガイド36の飲料注出口36cに到達するまでのタイムラグより短くなっている。このことを考慮して、第1給水弁16dと冷水用の第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)を閉止させてからとろみ粉体搬出用モータ41dの作動を停止させることで、とろみ粉体注出部42c(とろみ粉体注出口42d)からとろみ粉体の注出が完了した後で、飲料注出部36b(飲料注出口36c)から飲料の注出が完了するようになる。このように、第1給水弁16dと冷水用の第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)を閉止させるタイミングととろみ粉体搬出用モータ41dの作動停止させるタイミングを制御することで、容器C内にとろみ粉体の注出を終えてから飲料の注出を終えるように制御でき、とろみ粉体が容器C内の飲料の上部に浮かんで溶け残りにくくすることができる。
【0057】
次に、冷たいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料プログラムについて説明する。とろみ飲料供給装置10で、茶等の飲料の原料粉体を溶解させた冷たいとろみ飲料を供給するときには、載置台20の受台部21の前部で左右の中央部にカップ等の容器Cを載置し、操作スイッチ18により冷たい茶等のとろみ飲料の供給スイッチをオン操作すると、制御装置50は第1とろみ飲料供給プログラムを実行する。
図12(a)が冷たいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャートであり、
図12(b)が容器C内に飲料注出部36b(飲料注出口36c)から飲料と、とろみ粉体注出部42c(とろみ粉体注出口42d)からとろみ粉体とが注出されるタイミングを示すタイムチャートである。
【0058】
温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムでは、
図11のcのタイミングで送湯ポンプ16gを作動開始させるとともに、湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)の開放開始し、
図11のdのタイミングで送湯ポンプ16gの作動を停止させ、
図11のdのタイミングより少しの遅延時間を介した
図11のeのタイミングで湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)を閉止させて、始めに湯よりなる原料水を混合容器33内に供給し、湯よりなる原料水を供給した後で冷水よりなる原料水を供給するようにしている。これに対し、冷たいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムでは、
図12のcのタイミングで第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)を開放開始し、
図12のcのタイミングより少しの遅延時間を介した
図12のdのタイミングで第1給水弁16dを開放開始させ、始めから冷水(水)よりなる原料水を混合容器33内に供給するようにしている。これ以外については、
図11を用いて説明した温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムの作動と同様である。
【0059】
次に、とろみ湯(温かいとろみ飲料)を供給する第2とろみ飲料プログラムについて説明する。とろみ飲料供給装置10でとろみ湯よりなるとろみ飲料を供給するときには、載置台20の受台部21の前部で左右の中央部にカップ等の容器Cを載置し、操作スイッチ18によりとろみ湯よりなるとろみ飲料の供給スイッチをオン操作すると、制御装置50は第2とろみ飲料供給プログラムを実行する。
図13(a)がとろみ湯を供給する第2とろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャートであり、
図13(b)が容器C内に飲料注出部となる第3原料水供給管16i3から水及び/または湯よりなる原料水の飲料と、とろみ粉体注出部42c(とろみ粉体注出口42d)からとろみ粉体とが注出されるタイミングを示すタイムチャートである。
【0060】
図13のaのタイミングに示したよう、操作スイッチ18のとろみ湯の供給スイッチを操作すると、制御装置50は、
図13のcのタイミングで送湯ポンプ16gを作動開始させるとともに、湯用の第3原料水供給弁16h3を開放開始させる。第3原料水供給管16i3の導出端部は載置台20のカバー部22に配設されているので、送湯ポンプ16gの作動開始と湯用の第3原料水供給弁16h3の開放開始後の少し遅れた
図13のeのタイミングで第3原料水供給管16i3から容器Cに湯よりなる原料水の飲料が注出開始される。
【0061】
図13のcのタイミングで送湯ポンプ16gを作動開始させ、湯用の第3原料水供給弁16h3を開放開始させた後で、
図13のdのタイミングでとろみ粉体搬出用モータ41dをとろみ飲料の粘度に応じた時間で回転させる。とろみ粉体容器41内のとろみ粉体は搬出口41aから受入口42bを通ってシュート42内に搬出される。シュート42内に搬出されたとろみ粉体は通路42aを落下して、原料水が注出開始される
図13のeのタイミングより少し遅れて
図13のfのタイミングでとろみ粉体注出口42dから容器Cに注出される。なお、とろみ粉体容器41内のとろみ粉体はシュート42を通過するため、とろみ粉体はとろみ粉体搬出用モータ41dを作動開始させてから少しのタイムラグが生じた後で、湯よりなる原料水が注出開始されてからとろみ粉体注出口42dから注出される。
【0062】
とろみ粉体注出口42dから注出されるとろみ粉体は、飲料注出部となる第3原料水供給管16i3から注出される原料水よりなる飲料よりも少し遅れたタイミングで容器Cに注出されるように、とろみ粉体搬出用モータ41dの作動開始時間が制御されている。飲料が容器Cに注出されてから、とろみ粉体が容器Cに注出されるので、とろみ粉体が容器Cの底部で所謂だまと呼ばれる溶けずに塊となって残るのを防ぐことができる。
【0063】
飲みやすい温度のとろみ湯とするために、制御装置50は、
図13のgのタイミングで送湯ポンプ16gの作動を停止させ、
図13のgのタイミングより少しの遅延時間を介した
図13のhのタイミングで湯用の第3原料水供給弁16h3を閉止させる。湯よりなる原料水の供給に代えて冷水よりなる原料水を供給するために、
図13のgのタイミングで第6原料水供給弁16m3を開放開始し、
図13のgのタイミングより少しの遅延時間を介した
図13のhのタイミングで第1給水弁16dを開放開始させる。
【0064】
制御装置50は、
図13のiのタイミングでとろみ粉体搬出用モータ41dの作動を停止させると、
図13のjのタイミングでとろみ粉体注出部42c(とろみ粉体注出口42d)からのとろみ粉体の注出が完了し、とろみ粉体の注出が完了した後の
図13のkのタイミングで第1給水弁16dを閉止させ、
図13のkのタイミングより少しの遅延時間を介した
図13のlのタイミングで冷水用の第6原料水供給弁16m3を閉止させると、
図13のmのタイミングで第3原料水供給管16i3からの原料水よりなる飲料の注出が完了する。とろみ粉体注出部42c(とろみ粉体注出口42d)からとろみ粉体の注出が完了した後で、第3原料水供給管16i3から原料水よりなる飲料の注出が完了するように、とろみ粉体搬出用モータ41dの作動停止させるタイミングと、第1給水弁16dと冷水用の第6原料水供給弁16m3を閉止させるタイミングとを制御しているので、容器C内にとろみ粉体の注出を終えてから原料水よりなる飲料の注出を終えるように制御でき、とろみ粉体が容器C内の飲料の上部に浮かんで溶け残りにくくすることができる。
【0065】
次に、とろみ水(冷たいとろみ飲料)を供給する第2とろみ飲料プログラムについて説明する。とろみ飲料供給装置10で、とろみ水(冷たいとろみ飲料)を供給するときには、載置台20の受台部21の前部で左右の中央部にカップ等の容器Cを載置し、操作スイッチ18によりとろみ水の供給スイッチをオン操作すると、制御装置50はとろみ水を供給する第2とろみ飲料供給プログラムを実行する。
図14(a)がとろみ水を供給する第2とろみ飲料供給プログラムを実行したときの各構成部品の作動を示すタイムチャートであり、
図14(b)が容器C内に第3原料水供給管16i3から原料水よりなる飲料と、とろみ粉体注出部42c(とろみ粉体注出口42d)からとろみ粉体とが注出されるタイミングを示すタイムチャートである。
【0066】
とろみ湯(温かいとろみ飲料)を供給する第2とろみ飲料供給プログラムでは、
図13のcのタイミングで送湯ポンプ16gを作動開始させるとともに、湯用の第3原料水供給弁16h3を開放開始し、
図13のdのタイミングで送湯ポンプ16gの作動を停止させ、
図13のdのタイミングより少しの遅延時間を介した
図13のeのタイミングで湯用の第3原料水供給弁16h3を閉止させて、始めに湯よりなる原料水の飲料を第3原料水供給管16i3から供給させ、湯よりなる原料水の飲料を供給した後で冷水よりなる原料水の飲料を供給するようにしている。これに対し、とろみ水を供給する第2とろみ飲料供給プログラムでは、
図14のcのタイミングで第6原料水供給弁16m3を開放開始し、
図14のcのタイミングより少しの遅延時間を介した
図14のdのタイミングで第1給水弁16dを開放開始させ、始めから冷水(水)よりなる原料水を混合容器33内に供給するようにしている。これ以外については、
図13を用いて説明したとろみ湯を供給する第2とろみ飲料供給プログラムの作動と同様である。上述した温かいとろみ飲料を供給する第1及び第2とろみ飲料供給プログラムにおいては、始めに湯よりなる原料水を供給し、次に冷水よりなる原料水を供給するようにしているが、これに限られるものではなく、始めに冷水よりなる原料水を供給し、次に湯よりなる原料水を供給するようにしたものであってもよい。
【0067】
上記のように構成したとろみ飲料供給装置10においては、載置台20に載置した容器Cに飲料供給部30から飲料を供給開始させた後のタイミングで、容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給開始させるように制御している。具体的には、制御装置50は、
図11のbのタイミングから飲料原料搬出用モータ32dを作動開始させた後で、
図11のcのタイミングから送湯ポンプ16gを作動開始させ、湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)を開放開始させるとともに撹拌用モータ34aを作動開始させ、
図11のgのタイミングからとろみ粉体搬出用モータ41dを作動開始させるように制御することで、
図11のfのタイミングから載置台20に載置した容器Cに飲料供給部30の飲料注出口36cから飲料を注出開始させた後で、
図11のhのタイミングから容器Cにとろみ粉体供給部40のとろみ粉体注出口42dからとろみ粉体を注出開始させるように制御している。
【0068】
このように制御することで、とろみ粉体が飲料よりも先に容器Cに供給されないようになり、とろみ粉体が容器C内でだまと呼ばれる塊となって溶けずに残りにくくなる。本発明は、載置台20に載置した容器Cに飲料供給部30から飲料を供給開始させた後のタイミングで、容器Cにとろみ粉体供給部40でとろみ粉体を供給開始させるように制御しており、飲料の供給を開始させた後で例えば1秒以内でとろみ粉体の供給を開始させているが、本発明はこれに限られるものでなく、載置台20に載置した容器Cに飲料供給部30の飲料注出口36cから飲料を注出開始させると同時のタイミングで、容器Cにとろみ粉体供給部40のとろみ粉体注出口42dからとろみ粉体を注出開始させるように制御したものであってもよく、このようにしたときも、上述したのと同様の作用効果を得ることができる。
【0069】
この実施形態のとろみ飲料供給装置10は、載置台20に載置する容器Cに約6秒間で約100mlのとろみ飲料を供給するようになっている。飲料注出口36cから飲料を注出開始させた直後は、容器Cには底部に落下した飲料により強い水流が生じているが、飲料を注出させてから時間が経過して容器C内の水面が上昇すると、飲料注出口36cから注出される飲料が容器C内の飲料の水面に近づくため、容器C内に生じる水流が弱くなる。仮に、飲料注出口36cから飲料を注出開始させてから約2~3秒経過して容器C内に約1/3~1/2の飲料が供給された後で、とろみ粉体注出口42dから容器C内にとろみ粉体を注出開始させても、とろみ粉体は弱い水流によって飲料に溶けにくくなる。
【0070】
温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムでは、送湯ポンプ16gの作動開始とともに開放される湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)の開放開始タイミングと、とろみ粉体搬出用モータ41dの作動開始タイミングと、飲料原料搬出用モータ32dの作動開始タイミングと、撹拌用モータ34aの作動開始タイミングと、撹拌用モータ34aの作動時間との少なくとも1つを変更可能としている。また、冷たいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムでは、第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)の開放開始タイミングと、原料水供給弁を構成する第1給水弁16dの開放開始タイミングと、とろみ粉体搬出用モータ41dの作動開始タイミングと、飲料原料搬出用モータ32dの作動開始タイミングと、撹拌用モータ34aの作動開始タイミングと、撹拌用モータ34aの作動時間との少なくとも1つを変更可能としている。送湯ポンプ16gの作動開始とともに開放される湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)の開放開始タイミングを遅くしたり、第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)の開放開始タイミングまたは原料水供給弁を構成する第1給水弁16dの開放開始タイミングを遅くしたり、飲料原料搬出用モータ32dの作動開始タイミングを遅くすれば、容器Cに飲料が供給されるタイミングを遅らすことができ、撹拌用モータ34aの作動時間を長くすると、容器Cに飲料が供給完了するタイミングを遅らすことができる。
【0071】
これらにより、載置台20に載置した容器Cに飲料供給部30を構成する飲料注出部36b(飲料注出口36c)から飲料を供給開始させると同時または供給開始させた後のタイミングで、容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給開始させたり、飲料供給部30から飲料を供給開始させた飲料が載置台20に載置した容器Cの底部に流入した後のタイミングで、容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給開始させたり、載置台20に載置した容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給完了させた後で、容器Cに飲料供給部30から飲料を供給完了させるように制御でき、とろみ粉体が容器C内でだまと呼ばれる塊となって溶けずに残りにくくすることができる。
【0072】
とろみ湯を供給する第2とろみ飲料供給プログラムでは、送湯ポンプ16gを作動開始させるとともに、湯用の第3原料水供給弁16h3の開放開始タイミングと、とろみ粉体搬出用モータ41dの作動開始タイミングとの少なくとも1つを変更可能としている。とろみ水を供給する第2とろみ飲料供給プログラムでは、第6原料水供給弁16m3の開放開始タイミングと、原料水供給弁を構成する第1給水弁16dの開放開始タイミングと、とろみ粉体搬出用モータ41dの作動開始タイミングとの少なくとも1つを変更可能としている。これにより、載置台20に載置した容器Cに飲料供給部30を構成する第3原料水供給管16i3から飲料を供給開始させると同時または供給開始させた後のタイミングで、容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給開始させたり、飲料供給部30から飲料を供給開始させた飲料が載置台20に載置した容器Cの底部に流入した後のタイミングで、容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給開始させたり、載置台20に載置した容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給完了させた後で、容器Cに飲料供給部30から飲料を供給完了させるように制御でき、とろみ粉体が容器C内でだまと呼ばれる塊となって溶けずに残りにくくすることができる。
【0073】
このとろみ飲料供給装置10においては、飲料供給部30から供給される飲料が載置台20に載置した容器Cの底部に流入したタイミングで、容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給開始させるように制御されている。具体的には、載置台20に載置した容器Cに飲料供給部30の飲料注出口36cから飲料を供給開始させてから0.2秒後のタイミングで、飲料供給部30の飲料注出口36cから供給される飲料が載置台20に載置した容器Cの底部に流入し、このタイミングで容器Cにとろみ粉体供給部40のとろみ粉体注出口42dからとろみ粉体を供給開始させるように制御している。このように制御することで、とろみ粉体が飲料よりも先に容器Cに供給されないようにして、とろみ粉体が容器C内でだまと呼ばれる塊となって溶けずに残りにくくさせることができるうえに、さらに、容器C内の底部で飲料の強い水流が生じた状態でとろみ粉体を容器C内に注出させることができるので、とろみ粉体は容器C内で飲料に溶けやすくなる。
【0074】
このとろみ飲料供給装置10においては、載置台20に載置した容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給完了させた後で、容器Cに飲料供給部30から飲料を供給完了させるように制御している。具体的には、とろみ粉体容器41の搬出口41aからとろみ粉体を搬出してシュート42のとろみ粉体注出口42dに到達するまでのタイムラグが、原料水供給口15aから混合容器33に給水及び/または給湯をしてから飲料ガイド36の飲料注出口36cに到達するまでのタイムラグより短くなっていることを考慮して、
図11及び
図12のjのタイミングで第1給水弁16dを閉止させ、その後の
図11及び
図12のkのタイミングで冷水用の第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)の閉止させ、
図11及び
図12のlのタイミングでとろみ粉体搬出用モータ41dを作動停止させるように制御している。これによって、
図11及び
図12のmのタイミングで、載置台20に載置した容器Cにとろみ粉体供給部40のとろみ粉体注出口42dからとろみ粉体を供給完了させた後で、
図11及び
図12のnのタイミングで、容器Cに飲料供給部30の飲料注出口36cから飲料を供給完了させるように制御している。なお、とろみ粉体の注出完了(供給完了)後の1秒以上経過後に飲料の注出完了させるのが好適である。このように制御することで、容器Cに供給される飲料の水流が継続した状態でとろみ粉体の供給が完了するため、とろみ粉体は容器C内の飲料の上部に浮かんで溶け残りにくくすることができる。
【0075】
次に、とろみ飲料供給装置10の変形例について説明する。
図15に示したように、第1変形例のとろみ飲料供給装置10は、上述した実施形態において、シュート42には内部の通路42aを開閉するフラップ45と、フラップ45を開閉動作させるフラップ駆動部46とを設けるようにし、載置台20の受台部21の上側の空気を外側に送出させる送風ファン(送風手段)47を設けるようにしたものである。以後の説明では、上述した実施形態と異なる点について説明する。
【0076】
図15に示したように、第1変形例のとろみ飲料供給装置10においては、シュート42の通路42aの上下方向の中間部には通路42aを開閉自在に塞ぐ板形状のフラップ45が左右方向の水平軸線回りに回動可能に設けられている。フラップ45の左右方向の両側部には回動軸部45aが設けられており、回動軸部45aはフラップ45の前後の中央部よりも前側に設けられている。フラップ45の後側には板形状をした磁石45bが設けられており、シュート42の後面にはフラップを開閉動作させる電磁石よりなるフラップ駆動部46が設けられている。
【0077】
図16(a)に示したように、フラップ45の回動軸部45aは前後の中央部よりも前側に配置されているので、フラップ45の上部は自重によって後側に倒れ、フラップ45の下端はシュート42の前壁後面に設けられたストッパ突部42fに係止して、シュート42の通路42aはフラップ45によって塞がれた状態となっている。
図16(b)に示したように、電磁石よりなるフラップ駆動部46を作動させると、フラップ45の後面の磁石45bがフラップ駆動部46に引っ張られ、フラップ45の上部はシュート42の左右の側面に設けられたストッパ突部42gに係止するまで前側に回動して、シュート42の通路42aはフラップ45によって塞がれずに開放された状態となる。
【0078】
図15に示したように、載置台20のカバー部22の上壁22aには吹出口22bが形成されており、カバー部22の上側には送風ファン47が設けられている。送風ファン47は載置台20の受台部21の上側に空気を送り出すものであり、受台部21の上側の空気は送風ファン47の送風によって外側に放出される。
【0079】
図17の温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムのタイムチャートに示したように、この第1変形例のとろみ飲料供給装置10では、制御装置50は、とろみ粉体搬出用モータ41dの作動開始よりも少し前にフラップ駆動部46を作動開始させて(
図17のfのタイミング)、フラップ45を開放位置にしてシュート42の通路42aを開放させ、シュート42のとろみ粉体注出口42dから容器Cにとろみ粉体の注出が終了するとフラップ駆動部46の作動を終えて(
図17のmのタイミング)、フラップ45を閉止位置にしてシュート42の通路42aを閉止させる。また、操作スイッチ18をオン操作すると、制御装置50は、送風ファン47を所定時間として30分間作動させる。送風ファン47の作動によって、載置台20の受台部21はとろみ飲料を供給しているときととろみ飲料を供給した後に送風ファン47の送風によって外側に空気が放出されるようになる。
【0080】
先に説明した実施形態のとろみ飲料供給装置10では、シュート42の上側にとろみ粉体容器41の搬出口41aが配置されており、異物がシュート42内を上昇してとろみ粉体容器41内に進入したり、温かい(常温より温度の高い)飲料から生じる湯気がシュート42内を上昇して、とろみ粉体容器41の搬出口41a付近のとろみ粉体が湿気によって固化するおそれがある。上記のように構成した第1変形例のとろみ飲料供給装置10においては、とろみ粉体供給部40は載置台20に載置した容器Cの上側でとろみ粉体を注ぎ出すとろみ粉体注出部42cを有するシュート42を備えるとともに、シュート42には内部の通路42aを開閉するフラップ45と、フラップ45を開閉動作させるフラップ駆動部46とを設けた。このようにしたことで、とろみ粉体を注出させていないときにフラップ45を閉止させることで、シュート42内のフラップ45より上側に配置されるとろみ粉体容器41内にとろみ飲料の供給過程で発生する湯気や異物が侵入するのを防ぐことができる。なお、この変形例1のフラップ駆動部46は電磁石よりなり、フラップ駆動部46を通電及び非通電させることでフラップ45を開閉作動させるようにしたが、これに限られるものでなく、他の実施例として、フラップ駆動部46には電動モータを用いて、電動モータを回動させることによってフラップ45を開閉作動させるようにしたものであってもよい。
【0081】
先に説明した実施形態のとろみ飲料供給装置10では、飲料供給部30から温かい(常温より温度の高い)飲料を載置台20に載置した容器Cに供給したときに、シュート42のとろみ粉体注出部42cに結露が付着し、とろみ粉体がとろみ粉体注出部42cで水分を含んで詰まるおそれがある。これに対して、第1変形例のとろみ飲料供給装置10は、載置台20の受台部21の上側の空気を外側に送出させる送風ファン47を備えている。これにより、送風ファン47により載置台20の受台部21の上側の空気を外側に放出させることによって、とろみ粉体注出部42cに結露が生じにくくなり、とろみ粉体がとろみ粉体注出部42cで水分を含んで詰まりにくくすることができる。なお、この変形例1においては、飲料供給部30から温かい(常温より温度の高い)飲料を載置台20に載置した容器Cに供給したときに、送風ファン47を作動させ、飲料供給部30から冷たい(常温以下の温度の低い)飲料を載置台20に載置した容器Cに供給したときに、送風ファン47を作動させないように制御するのが好ましい。すなわち、上述したとろみ湯を含む温かいとろみ飲料を供給する第1及び第2とろみ飲料供給プログラムを実行するときに送風ファン47を作動させるように制御し、とろみ水を含む冷たいとろみ飲料を供給する第1及び第2とろみ飲料供給プログラムを実行するときに送風ファン47を作動させないように制御するのが好ましい。この第1変形例においては、載置台20のカバー部22の上壁22aには吹出口22bが形成されており、カバー部22の上側には送風ファン47が設けられているが、これに限られるものでなく、カバー部22の後壁、左側壁または右側壁に吹出口を形成し、カバー部22の後側、左側または右側に送風ファン47を設けるようにしたものであってもよい。
【0082】
次に、とろみ飲料供給装置10の第2変形例について説明する。
図18に示したように、第2変形例のとろみ飲料供給装置10は、上述した実施形態において、シュート42内に空気を送出する送風ファン(送風手段)48を設け、シュート42には送風ファン48による送風をとろみ粉体注出部42cから送出させる導風口42hを形成したものである。以後の説明では、上述した実施形態と異なる点について説明する。
【0083】
シュート42の後側にはシュート42の内部に空気を送出する送風ファン48が設けられており、送風ファン48はとろみ飲料生成室12のベース15に支持されている。シュート42の後壁には上下方向の中間部に導風口42hが形成されており、導風口42hはとろみ粉体注出口42d側となる下向きに開口している。また、送風ファン48の上側には風向板49が設けられており、風向板49は送風ファン48による送風を導風口42hに向くように案内している。
【0084】
図19の温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムのタイムチャートに示したように、この第2変形例のとろみ飲料供給装置10では、操作スイッチ18をオン操作すると、制御装置50は、送風ファン48を所定時間として30分間作動させる。送風ファン48の作動によって、載置台20の受台部21はとろみ飲料を供給しているときととろみ飲料を供給した後に、導風口42hからシュート42に導入された送風はとろみ粉体とともにとろみ粉体注出口42dから送出される。
【0085】
先に説明した実施形態のとろみ飲料供給装置10では、シュート42の上側にとろみ粉体容器41の搬出口41aが配置されており、温かい(常温より温度の高い)飲料から生じる湯気がシュート42内を上昇して、シュート42の周壁内面に生じる結露にとろみ粉体が付着したり、とろみ粉体容器41の搬出口41a付近のとろみ粉体が湿気によって固化するおそれがある。上記のように構成した第2変形例のとろみ飲料供給装置10においては、とろみ粉体供給部40は載置台20に載置した容器Cの上側でとろみ粉体を注ぎ出すとろみ粉体注出部42cを有するシュート42を備えるとともに、シュート42内に空気を送出する送風ファン48を設け、シュート42には送風ファン48による送風をとろみ粉体注出部42cから送出させる導風口42hを形成した。これによって、飲料供給部30から温かい(常温より温度の高い)飲料を載置台20に載置した容器Cに供給したときに、とろみ粉体注出部42cからとろみ粉体とともに送風ファン48による送風が吹き出すようになり、湯気がとろみ粉体注出部42cから吹き出す送風によってシュート42の内部に流入しないようになり、とろみ粉体が湯気から生じる水分によってシュート42の周壁内面に付着するのを防ぐことができる。なお、第2変形例においては、飲料供給部30から温かい(常温より温度の高い)飲料を載置台20に載置した容器Cに供給するときに、送風ファン48を作動させ、飲料供給部30から冷たい(常温以下の温度の低い)飲料を載置台20に載置した容器Cに供給するとき、送風ファン48を作動させないように制御するのが好ましい。すなわち、上述したとろみ湯を含む温かいとろみ飲料を供給する第1及び第2とろみ飲料供給プログラムを実行するときに送風ファン48を作動させるように制御し、とろみ水を含む冷たいとろみ飲料を供給する第1及び第2とろみ飲料供給プログラムを実行するときに送風ファン48を作動させないように制御するのが好ましい。
【0086】
次に、とろみ飲料供給装置10の第3変形例について説明する。
図20の温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムのタイムチャートに示したように、第3変形例のとろみ飲料供給装置10は、撹拌用モータ34aを作動停止させたタイミング(
図20のe’のタイミング)を基準にとろみ粉体搬出用モータ41dを作動開始(
図17のgのタイミング)させるように制御している。撹拌用モータ34aを作動させているときには、混合容器33内の飲料は遠心力によって放出口33aから放出されない場合もある。撹拌用モータ34aを作動停止させたタイミングを基準として、撹拌用モータ34aの作動停止から例えば、一定の遅れ時間として0.5秒後(または同時)にとろみ粉体搬出用モータ41dを作動開始させるように制御する。このように制御すると、第1給水弁16dと冷水用の第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)との開放開始タイミング、及び/または、送湯ポンプ16gの作動開始タイミングと湯用の第1原料水供給弁16h1(第2原料水供給弁16h2)の開放開始タイミングや、飲料原料搬出用モータ32dの作動開始タイミングに影響されず、また、撹拌用モータ34aの作動時間を変えても、とろみ粉体搬出用モータ41dの作動開始タイミングを一定にすることができ、飲料供給部30から飲料を供給開始させた飲料が載置台20に載置した容器Cの底部に流入した後のタイミングで、容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給開始させるように制御することができ、容器C内でとろみ粉体がだまと呼ばれる塊となって溶けずに残りにくくする効果を高めることができる。
【0087】
次に、とろみ飲料供給装置10の第4変形例について説明する。
図21の温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムのタイムチャートに示したように、第4変形例のとろみ飲料供給装置10は、原料水供給弁である第1給水弁16dを間欠的に開放させることによって、載置台20に載置した容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給完了させた後で、容器Cに飲料供給部30から飲料を供給完了させるように制御したものである。
【0088】
この実施形態のとろみ飲料供給装置10は、原料水の供給速度よりもとろみ粉体の供給速度が遅くなっており、とろみ飲料のとろみ粘度が高いときや、とろみ飲料の注出量が多いときには、とろみ粉体の注出時間が飲料(原料水よりなる飲料を含む)の注出時間よりも長くなる場合がある。このため、載置台20に載置した容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給完了させた後で、容器Cに飲料供給部30から飲料を供給完了させるように制御できないおそれがあった。
【0089】
これに対し、
図21の温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムのタイムチャートに示したように、
図21のdのタイミングで第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)を開放開始し、
図21のdのタイミングより少しの遅延時間を介した
図21のeのタイミングで第1給水弁16dを開放開始させ、
図21のjのタイミングで第1給水弁16dを閉止させて原料水の供給を終了させるまでに、第1給水弁16dを一時的に複数回閉止させることで、第1給水弁16dを間欠的に開放させるようにして、原料水の供給時間を長くするように制御している。これによって、とろみ飲料のとろみ粘度が高いときや、とろみ飲料の注出量が多いときのように、とろみ粉体の注出時間が飲料(原料水よりなる飲料を含む)の注出時間よりも長いときでも、第1給水弁16dを一時的に複数回閉止させたことにより長くなった原料水の供給時間によりとろみ粉体が供給完了した後まで飲料が供給されるようになり、とろみ粉体が容器C内の飲料の上部で浮かんで溶け残るのを少なくすることができる。
【0090】
しかし、とろみ飲料のとろみ粘度が低いときや、とろみ飲料の注出量が少ないとろみ飲料供給プログラムを実行したときに、第1給水弁16dを間欠的に開放させるようにして、原料水の供給時間を長くするように制御すると、とろみ飲料が供給されるのに要する時間が不必要に長くなる。このため、第4変形例では、とろみ粉体の供給量が所定量以上であるときとして、例えば、とろみ飲料のとろみ粘度が通常時よりも高い粘度であるときや、通常時の100mlより多い例えば150mlのとろみ飲料を供給するとろみ飲料供給プログラムを実行するときには、第1給水弁16dを間欠的に開放させるようにして、原料水の供給時間を長くするように制御し、とろみ飲料の粘度が高くないとき(上述した通常時の粘度のとき)や、とろみ飲料の供給量が多くないとき(上述した通常時の100mlの供給量のとき)のようなとろみ粉体の供給量が多くない(少ない)とろみ飲料供給プログラムを実行するときに、第1給水弁16dを間欠的に開放せずに連続的開放させるようにして、原料水の供給時間を長くならないように制御している。これによって、とろみ粉体の供給量が少ないときに、とろみ飲料が供給されるのに要する時間が不必要に長くならないようにすることができる。
【0091】
この第4変形例では、
図21に示した温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムについて説明したが、これに限られるものでなく、冷たいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムを実行するときでも、上述したのと同様に、第1給水弁16dを間欠的に開放させるようにして、原料水の供給時間を長くするように制御してもよい。同様に、とろみ湯またはとろみ水を供給する第2とろみ飲料供給プログラムを実行するときに、第1給水弁16dを間欠的に開放させるようにして、原料水の供給時間を長くするように制御してもよい。また、この第4変形例では、第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)を開放中に、第1給水弁16dを間欠的に開放するように制御しているが、これに限られるものでなく、第1給水弁16dを開放中に、第4原料水供給弁16m1(第5または第6原料水供給弁16m2,16m3)を間欠的に開放するように制御したものであってもよいし、第1給水弁16dと第4原料水供給弁16m1(第5または第6原料水供給弁16m2,16m3)との両方を間欠的に開放するように制御したものであってもよい。
【0092】
なお、この実施形態の第1給水弁16dは開閉することで原料水を通過及び遮断する開閉弁であるが、第1給水弁16dに開度を調整することで原料水の流量を変更可能な流量調整弁を用いたときには、第1給水弁16dを閉止させて原料水の供給を終了させるまでに、第1給水弁16dの開度を小さくして流量を減少させることによって、原料水の供給時間を長くするように制御してもよい。また、第4変形例では、冷水よりなる原料水の供給時間を長くするように制御しているが、これに限られるものでなく、湯よりなる原料水の供給時間を長くするように制御してもよい。この場合には、送湯ポンプ16gを間欠的に作動、及び/または、湯用の第1~第3原料水供給弁16h1~h3を間欠的に開放するように制御することで、湯よりなる原料水の供給時間を長くするように制御してもよい。
【0093】
次に、とろみ飲料供給装置10の第5変形例について説明する。上述した第4変形例では、第1給水弁16dを間欠的に開放させるようにして、原料水の供給時間を長くするように制御している。第5変形例では、第1給水管16cの第1給水弁16dの直ぐ下流側(第2給水管16jの接続部分より上流側)に介装した原料水の流量を検出する流量センサ16p(
図5に示した)を用い、第1給水弁16dを間欠的に開放するように制御するときに、第1給水弁16dの閉止時間を流量センサ16pにより検出される流量に応じて変えるように制御するものである。これ以外については、上述した第4変形例と同様である。
【0094】
給水源の水圧が高いときに、第4変形例のように、第1給水弁16dを間欠的に開放するように制御したときには、第1給水弁16dを一時的に閉止させているときでも、ある程度の量の飲料が飲料ガイド36に滞留しているので、飲料が飲料注出口36cから容器Cにほぼ連続的に注出される。このため、とろみ粉体注出口42dから容器Cに注出されるとろみ粉体は連続的に注出される飲料により撹拌され、とろみ粉体が容器C内で飲料の上側に浮かんで残りにくくなっている。これに対し、給水源の水圧が低いときに、第4変形例のように、第1給水弁16dを間欠的に開放するように制御したときには、第1給水弁16dを開放させているときに充分な量の飲料が飲料ガイド36に溜まりにくい。第1給水弁16dを一時的に閉止させると、飲料注出口36cから容器Cに飲料が注出されないようになり、とろみ粉体が容器C内で飲料の上側に浮かぶことになる。第1給水弁16dを再び開放させて、飲料を飲料注出口36cから容器Cに再び注出したときに、とろみ粉体が飲料注出口36cから注出される飲料によって撹拌しきれずに容器C内で飲料の上側に浮かんで残るおそれがある。
【0095】
このため、制御装置50は、
図21のdのタイミングで第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)を開放させた状態とした後で、
図21のeのタイミングで第1給水弁16dを開放したときに、流量センサ16pにより検出される流量が所定値より高いか否かを判定し、流量センサ16pにより検出される流量が所定値より高ければ、第1給水弁16dの閉止時間を1秒間とし(長くし)、流量センサ16pにより検出される流量が所定値より低ければ、第1給水弁16dの閉止時間を0.5秒間と(短く)するように制御している。このように、給水源から原料供給路に供給される原料水の流量が少ない(水圧が低い)ときでも、第1給水弁16dの閉止時間を原料水の流量が多いときよりも短くするように制御することで、飲料ガイド36に飲料が溜まりにくくても、第1給水弁16dの閉止時間を短くしたことによって、飲料注出口36cからほぼ連続的に飲料を容器Cに注出することができ、とろみ粉体注出口42dから容器Cに注出されるとろみ粉体はほぼ連続的に注出される飲料により撹拌され、とろみ粉体が容器C内で飲料の上側に浮かんで残りにくくすることができる。
【0096】
上述した第5変形例では、原料水供給路として第1給水管16cには原料水の流量を検出する流量センサ16pが介装され、流量センサ16pにより検出される流量に応じて第1給水弁(原料水供給弁)16dを間欠的に開放するときの閉止時間を変えるように制御しているが、これに限られるものではなく、流量センサ16pに代えて給水源の水圧を検出する水圧センサを介装し、水圧センサにより検出される水圧に応じて第1給水弁(原料水供給弁)16dを間欠的に開放するときの閉止時間を変えるように制御してもよい。また、第1給水管16cに流量センサ16pを介装したが、これに限られるものでなく、原料水供給路として第2給水管16jまたは送水管16kに流量センサまたは水圧センサを介装してもよい。
【0097】
また、この第5変形例でも、第1給水弁16dに開度を調整することで原料水の流量を変更可能な流量調整弁を用いたときには、流量センサ16pにより検出される流量が多いとき(水圧センサにより検出される水圧が高いとき)に、流量が少ないときよりも第1給水弁16dの開度を小さくし、流量センサ16pにより検出される流量が少ないとき(水圧センサにより検出される水圧が低いとき)に、流量が多いときよりも第1給水弁16dの開度を大きくして、飲料注出口36cからほぼ連続的に飲料を容器Cに注出するようにして、とろみ粉体注出口42dから容器Cに注出されるとろみ粉体はほぼ連続的に注出される飲料により撹拌し、とろみ粉体を容器C内で飲料の上側に浮かんで残りにくくするようにしてもよい。
【0098】
また、この第5変形例では、
図21に示した温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムについて説明したが、これに限られるものでなく、冷たいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムを実行するときでも、上述したのと同様に、第1給水弁16dを間欠的に開放させるようにして、原料水の供給時間を長くするように制御してもよい。同様に、とろみ湯またはとろみ水を供給する第2とろみ飲料供給プログラムを実行するときに、第1給水弁16dを間欠的に開放させるようにして、原料水の供給時間を長くするように制御してもよい。また、この第5変形例では、第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)を開放中に、第1給水弁16dを間欠的に開放するように制御しているが、これに限られるものでなく、第1給水弁16dを開放中に、第4原料水供給弁16m1(第5または第6原料水供給弁16m2,16m3)を間欠的に開放するように制御したものであってもよいし、第1給水弁16dと第4原料水供給弁16m1(第5または第6原料水供給弁16m2,16m3)との両方を間欠的に開放するように制御したものであってもよい。
【0099】
なお、この実施形態の第1給水弁16dは開閉することで原料水を通過及び遮断する開閉弁であるが、第1給水弁16dに開度を調整することで原料水の流量を変更可能な流量調整弁を用いたときには、第1給水弁16dを閉止させて原料水の供給を終了させるまでに、第1給水弁16dの開度を小さくして流量を減少させることによって、原料水の供給時間を長くするように制御してもよい。また、第5変形例では、冷水よりなる原料水の供給時間を長くするように制御しているが、これに限られるものでなく、湯よりなる原料水の供給時間を長くするように制御してもよい。この場合には、送湯ポンプ16gを間欠的に作動、及び/または、湯用の第1~第3原料水供給弁16h1~h3を間欠的に開放するように制御することで、湯よりなる原料水の供給時間を長くするように制御してもよい。
【0100】
次に、とろみ飲料供給装置10の第6変形例について説明する。上述した第4及び5変形例では、第1給水弁16dを間欠的に開放させるようにして、原料水の供給時間を長くするように制御しているが、第6変形例では、混合容器33における撹拌装置34の撹拌用モータ34aを間欠的に作動させることで飲料の供給時間を長くして、載置台20に載置した容器Cにとろみ粉体供給部40からとろみ粉体を供給完了させた後で、容器Cに飲料供給部30から飲料を供給完了させるように制御している。
【0101】
上述したように、撹拌装置34の撹拌用モータ34aを作動させているときには、混合容器33内の飲料は遠心力によって放出口33aから放出されにくくなっている。このため、
図22のdのタイミングで第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)を開放させ、
図22のeのタイミングで第1給水弁16dを開放させた後で、
図22のjのタイミングで第1給水弁16dを閉止させ、
図22のkのタイミングで第4原料水供給弁16m1(第5原料水供給弁16m2)を閉止させて混合容器33内に原料水が供給されている間で、撹拌用モータ34aを間欠的に作動させるように制御して、飲料の注出タイミングを分割するようにして、飲料の供給時間を長くしている。
【0102】
これによって、とろみ飲料のとろみ粘度が高いときや、とろみ飲料の注出量が多いときのように、とろみ粉体の注出時間が飲料(原料水よりなる飲料を含む)の注出時間よりも長いときでも、撹拌用モータ34aを間欠的に作動させることにより長くなった原料水の供給時間によりとろみ粉体が供給完了した後まで飲料が供給されるようになり、とろみ粉体が容器C内の飲料の上部で浮かんで溶け残るのを少なくすることができる。また、撹拌用モータ34aは第1給水弁16d等の開閉弁に比べて耐久性が高いので、撹拌用モータ34aを間欠的に作動させても不具合が起きにくい。なお、第6変形例では、
図22に示した温かいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムについて説明したが、これに限られるものでなく、冷たいとろみ飲料を供給する第1とろみ飲料供給プログラムを実行するときでも同様の作用効果を得ることができる。
【0103】
このとろみ飲料供給装置10の飲料供給部30は容器C内に飲料を供給するものであり、この実施形態の飲料供給部30は、飲料原料である飲料の原料粉体と水及び/または湯よりなる原料水を混合して飲料を生成する飲料生成部31と、飲料生成部31により生成された飲料を容器Cに供給する飲料供給経路35とを備えているが、これに限られるものではなく、飲料生成部31は飲料の原料粉体に代えて濃縮飲料と飲料原水である水及び/または湯を混合して飲料を生成するものであってもよいし、飲料タンク等の飲料容器内に貯えた飲料をそのまま容器Cに直接供給するようにしたものであってもよい。
【0104】
このとろみ飲料供給装置10は、とろみ飲料生成室12の左右方向の中央部にとろみ粉体供給部40を配置し、とろみ粉体供給部40の左右両側に飲料供給部30を配置したものであるが、これに限られるものでなく、とろみ飲料生成室12にはとろみ粉体供給部40の左右の一方に2つの飲料供給部30を設け、左右の他方に1つの飲料供給部30を設けたものであってもよい。このとき、3つの飲料供給部30と1つのとろみ粉体供給部40を左右方向に略等間隔に配置するのが好ましいが、とろみ粉体供給部40が載置台20に載置した容器Cの直上に配置されないことになる。この場合には、シュート42をとろみ粉体容器41から載置台20に載置した容器Cの上側に直線的に傾斜させることにより、とろみ粉体容器41内のとろみ粉体をシュート42の傾斜面を滑らせて載置台20に載置した容器Cに落下する勢いを失わせないように注出させることができる。
【符号の説明】
【0105】
10…とろみ飲料供給装置、16c…原料水供給路(第1給水管)、16d…原料水供給弁(第1給水弁)、16f…原料水供給路(送湯管)、16h(16h1~16h3)…原料水供給弁(第1~第3原料水供給弁)、16i(16i1~16i3)…原料水供給路(第1~第3原料水供給管)、16j…原料水供給路(第2給水管)、16k…原料水供給路(送水管)、16m(16m1~16m3)…原料水供給弁(第4~第6原料水供給弁)、16n(16n1~16n3)…原料水供給路(第4~第6原料水供給管)、20…載置台、30…飲料供給部、32…飲料原料容器、32b…飲料原料搬出用スクリュー、32d…飲料原料搬出用モータ、34a…撹拌用モータ、40…とろみ粉体供給部、41…とろみ粉体容器、41b…とろみ粉体搬出用スクリュー、41d…とろみ粉体搬出用モータ。