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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】洗面台
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/00 20060101AFI20240403BHJP
   A47B 96/18 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A47K1/00 M
A47B96/18 H
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020044969
(22)【出願日】2020-03-16
(65)【公開番号】P2021145687
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000100698
【氏名又は名称】アイカ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】白木 克昭
(72)【発明者】
【氏名】浪崎 浩光
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-031681(JP,U)
【文献】特開2006-061459(JP,A)
【文献】実開平03-003284(JP,U)
【文献】実開昭63-103337(JP,U)
【文献】実開昭53-034539(JP,U)
【文献】特開2014-136018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/00
A47B 67/02
A47B 96/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗面ボウルを有するカウンターの裏面周縁に溝部が設けられた洗面カウンターと、キャビネットとが一体となった洗面台において、
前記溝部にキャビネットの背板及び左右一対の側板が嵌設され、
前記背板及び前記左右一対の側板が、前記溝部に、隙間を有して嵌設されていることを特徴とする洗面台。
【請求項2】
記キャビネットの扉は嵌設されていないことを特徴とする請求項1記載の洗面台。
【請求項3】
児童用である請求項1又は2記載の洗面台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗面台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗面ボウルとキャビネットを備えた洗面台が有り、キャビネットは収納スペースとして利用されている場合がある。
【0003】
近年では児童用に児童の背丈に応じた高さの洗面台、いわゆるキッズ洗面が知られ、洗面ボウルはキャビネット台の上に載置され、ビスで固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-28589号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、キッズ洗面は水栓がレバー式が多く、また児童であるため水量を調節できず水が洗面ボウルの外側、特に手前側に飛び散る、溢れ出るといったことがあった。
【0006】
その結果、飛散した水や溢れた水は洗面ボウルの湾曲した側面を伝ってキャビネットに達して、内部に水滴が落ち、キャビネット内部や収納物が湿気を帯びる、濡れるといった事があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はかかる状況に鑑み検討されたものであり、洗面ボウルを有するカウンターの裏面周縁に溝部が設けられた洗面カウンターを用いることにより前記の課題を解決することができる。
【発明の効果】
【0008】
洗面カウンターから飛散した水や溢れた水がキャビネット上部や内部、扉上部や内部に入ることが無くなり、下台が水濡れにさらされることが無くなり、腐朽や老朽を防ぐことができる。また、内部に納められた小物類を湿らせることがない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】洗面ボウルを有するカウンターの透視平面図。
図2】洗面ボウルを有するカウンターの透視底面図。
図3図1中のA-A線に沿う端面図。
図4図3中の要部拡大端面図。
図5】洗面台の正面図。
図6図5中の要部拡大正面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明に係わる洗面台は、洗面カウンターと、このカウンターを支えるキャビネット、給排水栓などから構成されている。
【0011】
洗面ボウル(1)と天板(2)とを含む洗面カウンター(5)は図1図2に示すように矩形状であり、裏面周縁に溝部(61,62,63,64)が設けられている。四隅は丸み(R)を帯びており、ぶつかって怪我をしないラウンドエッジ仕様である。
【0012】
洗面カウンターは洗面ボウル一体型であっても、カウンターと洗面ボウルとを別々に製造し、洗面ボウルをカウンターに取り付けても良い。取り付けは、オーバーシンク型、アンダーシンク型のいずれでも良いが後者の方が水仕舞いが良く好ましい。また、洗面ボウルと天板をシームレス接合すると見栄えがして良い。
【0013】
洗面ボウルの材質は、ポリエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、エポキシ系樹脂などの各種合成樹脂を主成分にして成型した人造大理石が用いられる。人造大理石は木工用切削工具で加工しやすく好適である。
【0014】
本発明においてはメラミン樹脂化粧板を表面材とする天板に開口部を設け、アクリル系樹脂製の洗面ボウルを下方にシームレスに接合したシームレスアンダーシンク型洗面カウンター(以下、洗面カウンターという)を用いている。
【0015】
図3図1中のA-A´線に沿う端面図、図4図3中の点線中の要部拡大端面図である。図4に示す溝部(62)の溝の深さdは1~4mm、好ましくは1.5~3.5mmである。天板(2)の厚みをTとした場合、深さdは数1で表される範囲であれば水が伝ってキャビネットの内部に到達することがない。
【数1】
【0016】
キャビネット(8)は石鹸、洗剤などの衛生用品が納められる収納体としての機能と、洗面カウンター(5)を支承する支持体としての機能を有している。
【0017】
キャビネットの背板、左右の一対の側板は洗面カウンターの裏面周縁の溝部(62,63,64)に嵌設される。図5の洗面台(10)の正面図、図6図5中の要部拡大側面図に基づいて説明すると、左側板(82)が洗面カウンター(5)の裏側に形成された溝部(62)に、前記洗面カウンター(5)の端部との間に隙間(82s)を有して嵌設されている。従って水が左側板(82)を伝わってキャビネットの内部に達することがない。図示はしないが右側板、背板も同様に隙間を有して嵌設されている。
【0018】
キャビネットの扉(81)は開閉側の溝部(61)に嵌設されず、端部(81a)は挿入もされておらず、接触していない。従って水が扉を伝わってキャビネットの内部に達することがない。扉(81)は収納部を隠し、開閉自在の状態である。
【0019】
扉(81)は芯材と表面材とから成り、表面材に耐水性、耐汚染性、耐衝撃性、耐摩耗性に優れるメラミン化粧板や、更に抗菌性、防指紋性、不燃性、抗ウィルス性などの機能を付与した機能性メラミン化粧板を採用すると、これらの物性に加え色柄も適宜選択でき意匠的にも優れた洗面台となり好ましい。
【0020】
以上のように構成された本発明の洗面台は、天板の開口部の下方に、洗面ボウルとシームレス接合部(7)を有する洗面カウンター(5)の裏面周縁に溝部(61,62,63,64)が設けられ、前記溝部にキャビネットの背板及び左右一対の側板が嵌設され、前記キャビネットの扉(81)は嵌設されていない構造、を有する。
【符号の説明】
【0021】
1 洗面ボウル
2 天板
3 水栓
31 水栓取り付け孔
41 合板
42 合板
5 洗面カウンター
61 溝部
62 溝部
63 溝部
64 溝部
7 シームレス接合部
8 キャビネット
81 扉
81a 扉の端部
82 左側板
82s 隙間
83 右側板
84 背板
10 洗面台
t 溝の深さ
T 天板の厚み
R 丸み
図1
図2
図3
図4
図5
図6