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特許7465175センサの製造システム及びセンサの製造方法
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  • 特許-センサの製造システム及びセンサの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】センサの製造システム及びセンサの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/407 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
G01N27/407
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020137303
(22)【出願日】2020-08-17
(65)【公開番号】P2022033425
(43)【公開日】2022-03-02
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113022
【弁理士】
【氏名又は名称】赤尾 謙一郎
(74)【代理人】
【氏名又は名称】下田 昭
(72)【発明者】
【氏名】中島 崇史
【審査官】大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/060303(WO,A1)
【文献】特開2009-198422(JP,A)
【文献】特開2015-028970(JP,A)
【文献】特開昭55-159144(JP,A)
【文献】特開2013-152216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00 - 27/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ素子と、前記センサ素子に組付けられる金属部材と、を備えたセンサの製造システムであって、
前記金属部材は、それぞれ組成が異なる少なくとも2種類以上からなり、前記センサは、それぞれの組成の前記金属部材が組み付けられる2種類以上のセンサであり、
前記金属部材の組成、またはその素材の組成を判別する判別手段と、
前記素材から前記金属部材を成形する成形手段と、
前記金属部材を前記センサ素子に組付ける組付け手段と、
を備えたことを特徴とするセンサの製造システム。
【請求項2】
前記判別手段は、前記成形手段で成形される前の前記素材の組成を判別することを特徴とする請求項1に記載のセンサの製造システム。
【請求項3】
前記判別手段は、前記成形手段で成形された後で組付ける前の前記金属部材の組成を判別することを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサの製造システム。
【請求項4】
前記素材及び/又は前記金属部材は、それぞれの組成ごとに略同一寸法である請求項1~3のいずれか一項に記載のセンサの製造システム。
【請求項5】
複数の前記素材を別個に貯留する素材貯留手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のセンサの製造システム。
【請求項6】
前記判別手段は、ポータブルタイプであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサの製造システム。
【請求項7】
センサ素子と、前記センサ素子に組付けられる金属部材と、を備えたセンサの製造方法であって、
前記金属部材の組成、またはその素材の組成を判別する判別工程と、
前記素材から前記金属部材を成形する成形工程と、
前記金属部材を前記センサ素子に組付ける組付け工程と、
を備えたことを特徴とするセンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定ガス成分や温度等を検出するセンサ素子を備えるセンサの製造システム及びセンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車エンジン等の内燃機関の燃費向上や燃焼制御を行うセンサ(ガスセンサ)として、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサや空燃比センサが知られている。
このようなガスセンサとして、特定ガスの濃度検出を行う検出部を有するセンサ素子を主体金具に保持し、主体金具の先後に突出したセンサ素子の部位を金属部材(外筒やプロテクタ)で覆って保護する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-105620号公報(図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、これらの金属部材はガスセンサに求められる耐熱性等の用途に応じて、同じ形状や寸法であっても組成(材質)を変えることがある。例えば、一般的な使用温度であればステンレス鋼を用いるが、より高温で使用する場合はニッケル合金を用いる。そして、このような組成ごとの金属部材を予め多数製造して保管しておき、センサの組付け時に所望の金属部材を取り出している。
しかしながら、保管した金属部材の管理タグが脱落して組成がわからなくなったり、他の組成のものと混在してしまう場合がある。そして、これら金属部材は組成が異なるものの寸法や外観が似ているため、そのままでは区別が付かないという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、組成が異なる金属部材を間違いなく区別してセンサに組付けることができる、センサの製造システム及びセンサの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のセンサの製造システムは、センサ素子と、前記センサ素子に組付けられる金属部材と、を備えたセンサの製造システムであって、前記金属部材は、それぞれ組成が異なる少なくとも2種類以上からなり、前記センサは、それぞれの組成の前記金属部材が組み付けられる2種類以上のセンサであり、前記金属部材の組成、またはその素材の組成を判別する判別手段と、前記素材から前記金属部材を成形する成形手段と、前記金属部材を前記センサ素子に組付ける組付け手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
このセンサの製造システムによれば、金属部材の組成、またはその素材の組成を判別するので、組成が異なる金属部材を間違いなく区別してセンサに組付けることができる。
【0008】
本発明のセンサの製造システムにおいて、前記判別手段は、前記成形手段で成形される前の前記素材の組成を判別してもよい。
このセンサの製造システムによれば、金属部材をセンサ素子に組み付ける前に、金属部材の素材の組成を判別するので、組成が異なる金属部材をさらに間違いなく区別してセンサに組付けることができる。また、素材の状態で組成を判別するので、間違った素材を成形する無駄を回避できる。
【0009】
本発明のセンサの製造システムにおいて、前記判別手段は、前記成形手段で成形された後で組付ける前の前記金属部材の組成を判別してもよい。
このセンサの製造システムによれば、成形後の金属部材の素材の組成を判別するので、組成が異なる金属部材をさらに間違いなく区別してセンサに組付けることができる。
【0010】
本発明のセンサの製造システムにおいて、前記素材及び/又は前記金属部材は、それぞれの組成ごとに略同一寸法であってもよい。
素材や金属部材が組成ごとに略同一寸法であると、外形から組成を区別できないので、本発明がさらに有効となる。
【0011】
本発明のセンサの製造システムは、複数の前記素材を別個に貯留する素材貯留手段をさらに備えてもよい。
素材を作り置きして素材貯留手段に貯留し、成形が必要なときに取り出すようにすると、間違った組成の素材を選んで成形したときの製品不良が増えるので、本発明がさらに有効となる。
【0012】
本発明のセンサの製造システムにおいて、前記判別手段は、ポータブルタイプであってもよい。
このセンサの製造システムによれば、作業員が必要な時にシステムの任意の位置(例えば成形手段に導入される前や、成形後で組付ける前)に判別手段を持ち運んで判別を行えるので、判別がより確実になり、判別の自由度も大きくなる。
【0013】
本発明のセンサの製造方法は、センサ素子と、前記センサ素子に組付けられる金属部材と、を備えたセンサの製造方法であって、前記金属部材の組成、またはその素材の組成を判別する判別工程と、前記素材から前記金属部材を成形する成形工程と、前記金属部材を前記センサ素子に組付ける組付け工程と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、組成が異なる金属部材を間違いなく区別してセンサに組付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るセンサの製造システムによって製造されるガスセンサの長手方向に沿う断面図である。
図2】取り付けられる前のプロテクタを示す図である。
図3】金属部材であるプロテクタをセンサ素子に組み付ける態様を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るセンサの製造システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係るセンサの製造システムによって製造されるセンサ(ガスセンサである酸素センサ)200の長手方向に沿う全体断面図、図2は取り付けられる前のプロテクタ140を示す図である。
このセンサ200は、自動車や各種内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ(全領域空燃比ガスセンサ)である。
【0017】
図1において、センサ200は、排気管に固定されるためのねじ部139が外表面に形成された筒状の主体金具138と、軸線O方向(センサ200の長手方向:図中上下方向)に延びる板状形状をなすセンサ素子10と、センサ素子10の後端側の径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ106及びセラミックホルダ151と、軸線方向に貫通する挿通孔168の先端側の内部に、センサ素子10の後端部の周囲を取り囲む状態で配置されるセラミック製のセパレータ166と、センサ素子10とセパレータ166との間に配置される5個の端子金具21(図1では3個のみを図示)と、主体金具138の先端側に固定される二重のプロテクタ140と、主体金具138の後端側に固定される外筒144と、を備えている。
又、センサ素子10の先端部の検出部10aは、アルミナ等の多孔質保護層20で覆われている。
【0018】
主体金具138は、ステンレスから構成され、軸線方向に貫通する貫通孔154を有し、貫通孔154の径方向内側に突出する棚部152を有する略筒状形状に構成されている。この貫通孔154には、センサ素子10の検出部10aを含む先端部を自身の先端よりも突出させるように当該センサ素子10が配置されている。さらに、棚部152は、軸線方向に垂直な平面に対して傾きを有する内向きのテーパ面として形成されている。
【0019】
なお、主体金具138の貫通孔154の内部には、センサ素子10の径方向周囲を取り囲む状態で環状形状のアルミナ製のセラミックホルダ151、粉末充填層153(以下、滑石リング153ともいう)、および上述のセラミックスリーブ106がこの順に先端側から後端側にかけて積層されている。
また、セラミックスリーブ106と主体金具138の後端部158との間には、加締めパッキン157が配置されている。そして、主体金具138の後端部158は、加締めパッキン157を介してセラミックスリーブ106を先端側に押し付けるように、加締められている。
【0020】
又、セラミックホルダ151は、絶縁性セラミック(例えばアルミナ)からなり、概略短円筒状に形成され、先端に向かって先細りのテーパ状に形成された先端向き面151aを有している。そして、先端向き面151aの外周寄りの部位が主体金具138の棚部152に係止されつつ、セラミックホルダ151が後端側から滑石リング153で押圧されることで主体金具138内にセラミックホルダ151が位置決めされ、かつ隙間嵌めされている。
又、セラミックホルダ151の先端側には、センサ素子10の挿通孔を包囲して後方に凹む凹部151hが形成されている。
【0021】
一方、図1に示すように、主体金具138の先端部138s(図1における下方)の外周には、主体金具138から突出したセンサ素子10の先端部(検出部10aを含む)を覆うと共に、複数の孔部を有する金属製筒状の二重のプロテクタをなすプロテクタ140が溶接等によって取り付けられている。
この二重のプロテクタ140は、検出部10aと隙間を介して配置される有底筒状の内側プロテクタ143と、内側プロテクタ143と隙間を介して配置される有底筒状の外側プロテクタ142とを有している。又、各プロテクタ143,142の開口部となる後端部140eが重なって主体金具138の先端部138sの外面に溶接されている。
【0022】
主体金具138に取り付けられる前のプロテクタ140の外形は図2に示すようになっている。プロテクタ140は、主体金具138に加締めをせずに圧入後、レーザー溶接する。
プロテクタ140が特許請求の範囲の「金属部材」に相当する。
【0023】
主体金具138の後端側外周には、センサ素子10の後端部およびセパレータ166を覆うようにして外筒144が固定されている。また、外筒144の後端側(図1における上方)の開口部には、センサ素子10の5個の端子金具21(図1では、3個のみを表示)とそれぞれ電気的に接続される5本のリード線146(図1では3本のみを表示)が挿通されるリード線挿通孔170hが形成された、ゴム製のグロメット(シール部材)170が配置されている。
【0024】
また、主体金具138の後端部158より突出されたセンサ素子10の後端側(図1における上方)には、主体金具138と離間してセパレータ166が配置される。なお、このセパレータ166は、センサ素子10の後端側の主面に形成される合計5個の電極パッド(図示せず)の周囲に配置される。このセパレータ166は、軸線方向に貫通する挿通孔168を有する筒状形状に形成されると共に、外表面から径方向外側に突出する鍔部167が備えられている。セパレータ166は、鍔部167を外筒144の段部に当接させると共に、保持部材169を介して外筒144を加締めることで、外筒144の内部に保持される。
【0025】
ここで、外筒144は、グロメット170、保持部材169及び主体金具138の後端側の3カ所でそれぞれ加締められ、加締め部C1,C2,C3が形成されている。
【0026】
次に、図3図4を参照し、本発明の実施形態に係るセンサの製造システムについて説明する。
図3は、金属部材であるプロテクタ140をセンサ素子10に組み付ける態様を示す図、図4は本発明の実施形態に係るセンサの製造システム300を示す図である。
図3に示すように、プロテクタ140をセンサ素子10に組み付ける際には、予め主体金具138にセンサ素子10を保持したアセンブリA1を作製しておく。
そして、アセンブリA1における主体金具138の先端部138sに、プロテクタ140の後端部140eを嵌合し、さらに後端部140eを全周溶接することで、プロテクタ140をセンサ素子10に組み付ける。
【0027】
本実施形態においては、プロテクタ140(の各プロテクタ143,142)は、それぞれ組成がステンレス鋼(例えばSUS310S)と、Ni合金(NCF601:インコネル合金)の2種類からなるものとする。そして、センサは、それぞれの組成の異なる上記プロテクタ140が組み付けられる2種類以上のセンサである。具体的には、ステンレス鋼からなるプロテクタ140が組み付けられる通常使用温度用のセンサと、Ni合金からなるプロテクタ140が組み付けられる高温用のセンサである。
【0028】
そして、図4に示すように、センサの製造システム300において、プロテクタ140(の各プロテクタ143,142)製造用の2種類のコイル301、303が用いられ、各コイル301、303にはそれぞれ材質(SUS310S又はNCF601)を示す管理タグ301L、303Lが取り付けられている。
まず、コイル301から巻き出した帯板を所定の打抜き機310で多数の円盤状の素材143x1に打ち抜く。同様に、コイル303から巻き出した帯板を打抜き機310で多数の円盤状の素材143x2に打ち抜く。
素材143x1、143x2は、それぞれケース(素材貯留手段)321、323に貯留(保管)される。各ケース321、323にもそれぞれ材質(SUS310S又はNCF601)を示す管理タグ321L、323Lが取り付けられている。
【0029】
次に、素材143x1、143x2をプレス絞り機(成形手段)312で絞り加工し、円筒状の内側プロテクタ143を成形する。
ここで、例えばコイル301から素材143x1を打ち抜く際、一定数の素材143x1を打ち抜く毎に、コイル301とコイル303とをアンコイラーに付け変えるが、各コイルから管理タグ301L、303Lが脱落する等により、コイル301、303の組成が不明になる場合がある。
同様に、ケース321、323の管理タグ321L、323Lが脱落したり、ケース321に別の組成の素材143x2が混在してしまう場合がある。
【0030】
そこで、本例では、各ケース321、323から素材143x1、143x2をプレス絞り機312に導入する際に、素材143x1、143x2の組成を判別手段350により逐一判別し、正しい素材144x1のみをプレス絞り機312に導入する。
判別手段350としては、例えば渦電流を利用して導電率を測定し、その導電率が金属の素材によって異なることから組成を判別する原理を用いたテスタが挙げられる。ポータブルタイプのテスタとしては、例えばメイコー社の「メタルテスター」が市販されている。なお、このメタルテスターの場合、本体から延びるプローブを測定対象である素材の表面に接触させて導電率を測定する。
判別手段350としては、素材の組成の相違に伴う物性の違いを測定できるものであればよく、例えば素材の色調の違いを判別する色差計等でもよい。
【0031】
外側プロテクタ142についても図示はしないが、同様にコイル301とコイル303から外側プロテクタ用の円盤状の素材を打ち抜き、プレス絞り機で加工して円筒状の外側プロテクタ142を成形する。
成形後の内側プロテクタ143及び外側プロテクタ142は、必要に応じてケース325に複数個保管された後(又は保管せずにプレス絞り機312で絞り加工された後に連続的に)、アセンブリA1(図2)に組付けられる。
具体的には、内側プロテクタ143を外側プロテクタ142の内側に圧入して一体のプロテクタ140とする。一方、アセンブリA1をチャック331で把持してプロテクタ140に嵌合し、溶接機335により後端部140eを全周溶接することで、プロテクタ140をセンサ素子10に組み付け、プロテクタ140をセンサ素子10に組み付けた素子アセンブリA2とする。
その後、素子アセンブリA2に対し、グロメット170、保持部材169、セパレータ166、端子金具21及びリード線146を内部に配置して加締め部C1,C2を形成した外筒アセンブリA3を組み付け、センサ200を製造する。
チャック331及び溶接機335が、特許請求の範囲の「組付け手段」に相当する。
【0032】
以上のように、プロテクタ140をセンサ素子10に組み付ける前に、プロテクタ140(の素材)の組成を判別するので、組成が異なるプロテクタ140を間違いなく区別してセンサに組付けることができる。
なお、図4に示すように、本例では、判別手段350は、プレス絞り機(成形手段)312で成形される前の素材143x1の組成を判別するとともに、成形後で組付ける前のプロテクタ140の組成も判別する。判別手段350が成形後で組付ける前のプロテクタ140の組成のみ判別するようにしてもよい。
【0033】
又、本例では、素材143x1、143x2及びプロテクタ140(内側プロテクタ143と外側プロテクタ142)は、それぞれの組成ごとに略同一寸法である。このような場合、外形から組成を区別できないので、本発明がさらに有効となる。
なお、略同一寸法とは、寸法(長さ)の差が1%以内をいう。
【0034】
又、本例では、複数の素材143x1、143x2をそれぞれ別個に貯留するケース(素材貯留手段)321、323をさらに備える。
素材143x1、143x2を作り置きしてケース321、323に貯留し、成形が必要なときに取り出すようにすると、間違った組成の素材を選んで成形したときの製品不良が増えるので、本発明がさらに有効となる。
勿論、素材143x1、143x2を作り置きせずに流れ作業で連続的にプレス絞り機(成形手段)312に送るシステムにも本発明は適用できる。
【0035】
又、本例では、判別手段350は、ポータブルタイプである。このようにすると、作業員が必要な時にシステムの任意の位置(例えば図4のプレス絞り機(成形手段)312に導入される前や、成形後で組付ける前)に判別手段350を持ち運んで判別を行えるので、判別がより確実になり、判別の自由度も大きくなる。
【0036】
本発明の実施形態に係るセンサの製造システムを、図4に示した上述の手順で行うことで、本発明の実施形態に係るセンサの製造方法を実施することができる。
【0037】
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
金属部材の組成は上記に限定されない。
金属部材は、センサ素子に組付けられるものであればよく、例えば、プロテクタの他、主体金具、外筒、端子金具が挙げられる。又、「センサ素子に組付けられる」とは、センサ素子に直接接続されるものに限定されず、センサの構成部品であれば、センサ素子と離れてセンサに固定されるものでもよい。
又、金属部材の素材としては、上記した板状の他、柱状等のブロック体でもよい。このようなブロック体は削り出し等で金属部材に成形され、又、角柱や円柱状の原料材から切り出すことができる。
【0038】
又、センサとしては、ガスセンサに限らず、温度センサ等も挙げられる。ガスセンサとしては、酸素センサ、全領域ガスセンサの他、NOxセンサが挙げられる。筒状のセンサ素子としてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10 センサ素子
140 プロテクタ(金属部材)
143x1、143x2 金属部材の素材
200 ガスセンサ(センサ)
312 プレス絞り機(成形手段)
321、323 ケース(素材貯留手段)
331、335 チャック、溶接機(組付け手段)
350 判別手段
図1
図2
図3
図4