(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】釣り用リールの支持構造
(51)【国際特許分類】
A01K 89/015 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
A01K89/015 E
A01K89/015 B
A01K89/015 D
(21)【出願番号】P 2020150876
(22)【出願日】2020-09-08
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】武智 邦生
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-074932(JP,A)
【文献】特開2016-131514(JP,A)
【文献】特開2016-174593(JP,A)
【文献】特開2014-138560(JP,A)
【文献】特開2001-251996(JP,A)
【文献】特開2009-005637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 89/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸状に形成され、外周面を有する第1部分と、
前記第1部分の軸心から離れる径方向において前記外周面と対向して配置される内周面を有する第2部分と、
前記外周面及び前記内周面の間において前記軸心に沿う軸方向に互いに並べて配置される第1軸受及び第2軸受と、
前記第1軸受の内輪及び前記第2軸受の内輪の間に配置されるスペーサと、
前記第1軸受の外輪及び第2軸受の外輪の軸方向間隔が前記第1軸受の内輪及び第2軸受の内輪の軸方向間隔より小さくなるように、前記第1軸受の外輪及び前記第2軸受の外輪のいずれか一方が前記第1軸受の外輪及び前記第2軸受の外輪のいずれか他方から離れる方向において、前記第1軸受の外輪及び前記第2軸受の外輪のいずれか一方の移動を規制する規制部材と、
を備える釣り用リールの支持構造。
【請求項2】
前記第1軸受の内輪、前記第2軸受の内輪、及び前記スペーサを、前記第1部分に対して前記軸方向に位置決めする位置決め部材、
をさらに備える請求項1に記載の釣り用リールの支持構造。
【請求項3】
前記第1部分は、前記第1軸受の内輪及び前記第2軸受の内輪のいずれか一方が軸方向に当接する第1当接面を、有し、
前記位置決め部材が、前記第1軸受の内輪及び前記第2軸受の内輪のいずれか他方を前記第1当接面に対して所定の位置に位置決めする、
請求項2に記載の釣り用リールの支持構造。
【請求項4】
前記第2部分は、前記第1軸受の外輪及び第2軸受の外輪のいずれか他方が軸方向に当接する第2当接面を、有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の釣り用リールの支持構造。
【請求項5】
前記軸方向において、前記第1軸受の外輪及び第2軸受の外輪のいずれか他方と、前記第2部分との間に、配置される弾性部材、
をさらに備える請求項1から3のいずれか1項に記載の釣り用リールの支持構造。
【請求項6】
釣り糸が巻き付けられるスプールと、
前記スプールに前記釣り糸を巻き付けるために操作されるハンドル組立体と、
前記スプール及び前記ハンドル組立体の間に配置される、請求項1から5のいずれか1項に記載の支持構造と、
を備え、
前記支持構造は、前記ハンドル組立体が連結される駆動軸と、前記駆動軸を回転可能に支持するリール本体と、を有し、
前記第1部分は、前記駆動軸に含まれ、
前記第2部分は、前記リール本体に含まれる、
釣り用リール。
【請求項7】
リール本体と、
前記リール本体に回転可能に支持される駆動軸と、
前記駆動軸に連結され、請求項1から5のいずれか1項に記載の支持構造を有するハンドル組立体と、
を備え、
前記ハンドル組立体は、ハンドルノブと、前記ハンドルノブを回転可能に支持するノブ軸と、を有し、
前記第1部分は、前記ノブ軸に含まれ、
前記第2部分は、前記ハンドルノブに含まれる、
釣り用リール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り用リールの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の釣り用リール、例えば両軸受リールでは、ハンドル軸をリール本体(右フレーム)に回転可能に支持させるための支持構造が、開示されている(例えば、特許文献1参照)。支持構造では、付勢部材が、ハンドル軸の先端及び右フレームの軸方向間に配置されている。この付勢部材によって、軸方向におけるハンドル軸のガタつきが抑えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の両軸受リールの支持構造では、ハンドル軸の先端及び右フレームの軸方向間に付勢部材を配置することによって、軸方向におけるハンドル軸のガタつきが抑えられている。この場合、ハンドル軸の先端が付勢部材によって押圧された状態でハンドル軸が回転するので、ハンドル軸の先端及び付勢部材の間には、摺動抵抗が生じる。この摺動抵抗によって、第1部分を有する部材としてのハンドル軸を、第2部分を有する部材としての右フレームに対して、スムーズに回転できないおそれがある。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、第2部分に対する第1部分のガタつきを抑制可能、且つ第1部分を第2部分に対してスムーズに回転可能な釣り用リールの支持構造を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る釣り用リールの支持構造は、第1部分と、第2部分と、第1軸受及び第2軸受と、スペーサと、規制部材とを、備える。第1部分は、軸状に形成される。第1部分は、外周面を有する。第2部分は、内周面を有する。内周面は、第1部分の軸心から離れる径方向において、外周面と対向して配置される。第1軸受及び第2軸受は、第1部分の外周面及び第2部分の内周面の間において、軸心に沿う軸方向に互いに並べて配置される。
【0007】
スペーサは、第1軸受の内輪及び第2軸受の内輪の間に配置される。規制部材は、第1軸受の外輪及び第2軸受の外輪の軸方向間隔が第1軸受の内輪及び第2軸受の内輪の軸方向間隔より小さくなるように、第1軸受の外輪及び第2軸受の外輪のいずれか一方が第1軸受の外輪及び第2軸受の外輪のいずれか他方から離れる方向において、第1軸受の外輪及び第2軸受の外輪のいずれか一方の移動を規制する。
【0008】
本釣り用リールの支持構造では、スペーサが第1軸受の内輪及び第2軸受の内輪の間に配置される。この状態において、第1軸受の外輪及び第2軸受の外輪のいずれか一方が第1軸受の外輪及び第2軸受の外輪のいずれか他方から離れる方向において、規制部材は、第1軸受の外輪及び第2軸受の外輪のいずれか一方の移動を規制する。これにより、第1軸受の外輪及び第2軸受の外輪の軸方向間隔が、第1軸受の内輪及び第2軸受の内輪の軸方向間隔より小さくなる。
【0009】
このように、第1軸受の外輪又は第2軸受の外輪が相互に離れる方向において、第1軸受の外輪又は第2軸受の外輪の移動が規制部材によって規制される。これにより、第1軸受及び第2軸受の内部隙間が小さくなるので、第2部分に対する第1部分のガタつきを抑制することができる。また、この場合、従来技術のような摺動抵抗が第1部分に生じないので、第1部分を第2部分に対してスムーズに回転させることができる。
【0010】
本発明の他の側面に係る釣り用リールの支持構造は、位置決め部材をさらに備えることが好ましい。位置決め部材は、第1軸受の内輪、第2軸受の内輪、及びスペーサを、第1部分に対して軸方向に位置決めする。
【0011】
この場合、位置決め部材によって、第1軸受、第2軸受、及びスペーサを、第1部分に対して軸方向に容易に位置決めすることができる。
【0012】
本発明の他の側面に係る釣り用リールの支持構造では、第1部分が第1当接面を有することが好ましい。第1当接支持面には、第1軸受の内輪及び第2軸受の内輪のいずれか一方が軸方向に当接する。位置決め部材は、第1軸受の内輪及び第2軸受の内輪のいずれか他方を第1当接面に対して所定の位置に位置決めする。
【0013】
この場合、位置決め部材及び第1当接面によって、第1軸受、第2軸受、及びスペーサを第1部分に対して軸方向に確実に位置決めすることができる。
【0014】
本発明の他の側面に係る釣り用リールの支持構造では、第2部分は第2当接面を有することが好ましい。第2当接面には、第1軸受の外輪及び第2軸受の外輪のいずれか他方が軸方向に当接する。
【0015】
この場合、第1軸受及び第2軸受を第2部分に対して軸方向に容易に位置決めすることができる。
【0016】
本発明の他の側面に係る釣り用リールの支持構造は、弾性部材をさらに備えることが好ましい。弾性部材は、軸方向において、第1軸受の外輪及び第2軸受の外輪のいずれか他方と、第2部分との間に、配置される。
【0017】
この場合、弾性部材の配置によって、第1軸受及び第2軸受に予圧を作用させ、その予圧を、容易に調節することができる。また、第1軸受及び第2軸受に振動が外部から入力された際に、この振動を弾性部材によって吸収することができる。
【0018】
本発明の一側面に係る釣り用リールは、釣り糸が巻き付けられるスプールと、スプールに釣り糸を巻き付けるために操作されるハンドル組立体と、スプール及びハンドル組立体の間に配置される上記の支持構造とを、備える。
【0019】
支持構造は、ハンドル組立体が連結される駆動軸と、駆動軸を回転可能に支持するリール本体とを、有する。上記の支持構造の第1部分は、駆動軸に含まれる。上記の支持構造の第2部分は、リール本体に含まれる。
【0020】
このように、支持構造が駆動軸及びリール本体によって構成されたとしても、上記と同様の効果を得ることができる。
【0021】
本発明の一側面に係る釣り用リールは、リール本体と、リール本体に回転可能に支持される駆動軸と、駆動軸に連結され上記の支持構造を有するハンドル組立体とを、備える。ハンドル組立体は、ハンドルノブと、ハンドルノブを回転可能に支持するノブ軸とを、有する。上記の支持構造の第1部分は、ノブ軸に含まれる。上記の支持構造の第2部分は、ハンドルノブに含まれる。
【0022】
このように、支持構造がハンドル組立体のノブ軸及びハンドルノブによって構成されたとしても、上記と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、釣り用リールの支持構造において、第2部分に対する第1部分のガタつきを抑制することができ、且つ第1部分を第2部分に対してスムーズに回転することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態が採用された両軸受リールの外観斜視図。
【
図7A】本発明の第2実施形態が採用された両軸受リールの第2支持構造の断面図。
【
図8A】本発明の他の実施形態が採用された両軸受リールの第1支持構造の断面図。
【
図8B】本発明の他の実施形態が採用された両軸受リールの第2支持構造の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態に係る両軸受リール1(釣り用リールの一例)は、
図1及び
図2に示すように、リール本体3と、スプール5と、ハンドル組立体7と、第1支持構造9(
図2を参照)と、を備える。
【0026】
リール本体3は、釣り竿に装着可能に構成される。
図2に示すように、リール本体3は、第1支持構造9を介して、ハンドル軸31を回転可能に支持する。
図1に示すように、リール本体3は、フレーム11と、第1側カバー13と、第2側カバー15と、を有する。
【0027】
図3に示すように、フレーム11は、第1側板17と、第2側板19と、連結部21と、を有する。第1側板17及び第2側板19は、スプール軸の軸心X1に沿う軸方向において、互いに間隔を隔てて配置される。連結部21は、第1側板17及び第2側板19を連結する。第1側板17と、第2側板19と、連結部21とは、一体に形成される。
【0028】
図1に示すように、第1側カバー13及び第2側カバー15は、フレーム11の両側部を覆う。第1側カバー13及び第2側カバー15は、フレーム11の両側部に各別に装着される。例えば、第1側カバー13は、ハンドル組立体7とは反対側において、第1側板17に装着される。第2側カバー15は、ハンドル組立体7と第2側板19の間において、第2側板19に装着される。第2側カバー15は、ボス部15aを有する。ボス部15aには、ハンドル軸31(
図2を参照)が挿通される。
【0029】
図1及び
図2に示すように、第2側板19及びハンドル組立体7の間には、第1支持構造9が配置される。また、第2側板19及び第2側カバー15の間には、ハンドル軸31の回転をスプール軸に伝達する回転伝達機構(図示しない)が、配置される。例えば、回転伝達構造には、駆動ギア及びピニオンギア等が含まれる。
【0030】
スプール5には、釣り糸が巻き付けられる。
図1に示すように、スプール5は、第1側板17と第2側板19の間に配置される。スプール5は、スプール軸と一体回転可能なように、スプール軸に固定される。スプール軸は、リール本体3に対して回転可能に構成される。例えば、スプール軸は、第1側板17及び第2側板19に対して回転可能に構成される。
【0031】
図1に示すように、ハンドル組立体7は、スプール5に釣り糸を巻き付けるために操作される。ハンドル組立体7は、リール本体3に回転可能に装着される。例えば、ハンドル組立体7は、ハンドル軸31(
図2を参照)を介して、リール本体3に回転可能に装着される。
【0032】
ハンドル組立体7は、ハンドルアーム23と、ハンドルノブ25と、を有する。ハンドルアーム23は、ハンドル軸31(
図2を参照)と一体的に回転するように、ハンドル軸31に装着される。ハンドルノブ25は、ハンドルアーム23に回転可能に装着される。
【0033】
第1支持構造9は、ハンドル軸31がリール本体3に対して回転可能なように、ハンドル軸31を支持する。
図1及び
図2に示すように、第1支持構造9は、スプール5及びハンドル組立体7の間に配置される。例えば、第1支持構造9は、フレーム11の第2側板19及びハンドル組立体7の間に配置される。
【0034】
図4及び
図5に示すように、第1支持構造9は、ハンドル軸31(第1部分の一例)と、リール本体3(第2部分の一例)と、第1軸受33及び第2軸受34と、第1スペーサ35と、第1位置決め部材37と、第1規制部材39と、を備える。
図4に示すように、第1支持構造9は、第3軸受41と、シール部材42と、をさらに備える。
【0035】
ハンドル軸31は、軸状に形成される。ハンドル軸31は、ハンドル組立体7(
図1を参照)に連結される。例えば、ハンドル軸31の一端部は、第2側カバー15のボス部15a(
図1を参照)の内周部に挿通される。ハンドル軸31の一端部の先端は、ハンドル組立体7のハンドルアーム23(
図1を参照)に一体回転可能に連結される。
【0036】
図2に示すように、ハンドル軸31は、リール本体3に回転可能に支持される。
図5に示すように、ハンドル軸31は、第1軸受33及び第2軸受34を介して、リール本体3(フレーム11)の第2側板19に回転可能に支持される。また、ハンドル軸31は、第3軸受41(
図4を参照)を介して、第2側カバー15のボス部15a(
図1を参照)に回転可能に支持される。
【0037】
図5に示すように、ハンドル軸31は、軸本体43と、装着部45と、を有する。軸本体43は、実質的に軸状に形成される。軸本体43は、第3軸受41を介して、第2側カバー15のボス部15a(
図1を参照)に回転可能に支持される。
【0038】
装着部45は、ハンドル軸31の一端部を形成する。装着部45は、軸本体43の端部から、ハンドル軸31の軸心X2に沿う軸方向に突出する。装着部45は、第1軸受33及び第2軸受34を介して、第2側板19の被装着部47(後述する)に回転可能に支持される。
【0039】
図6Aに示すように、装着部45は、実質的に筒状に形成される。装着部45は、大径部45aと、小径部45bと、を有する。ハンドル軸31の軸心X2は、大径部45aの中心及び小径部45bの中心を通過する。
【0040】
大径部45aは、軸本体43の端部に設けられる。大径部45aは、装着部45の基端部を形成する。小径部45bは、大径部45aから、ハンドル軸31の軸心X2に沿う軸方向に突出する。小径部45bは、外周面45b1(第1部分の外周面の一例)と、雌ネジ部45b2と、を有する。雌ネジ部45b2は、小径部45bの内周面に形成される。小径部45bの外径は、大径部45aの外径より小さい。
【0041】
このように大径部45a及び小径部45bを形成することによって、大径部45aの先端面は、ハンドル軸31の軸心X2まわりに環状に延びる第1環状面45a1(第1当接面の一例)を、形成する。すなわち、ハンドル軸31(装着部45の大径部45a)は、第1環状面45a1を含む。
【0042】
図3、
図5、及び
図6Aに示すように、リール本体3は、被装着部47を有する。例えば、第2側板19は、被装着部47を有する。被装着部47は、第2側板19において凹状に形成される。
【0043】
図6Aに示すように、被装着部47は、大径穴部47aと、小径穴部47bと、を有する。ハンドル軸31の軸心X2は、大径穴部47aの中心及び小径穴部47bの中心を通過する。大径穴部47aは、被装着部47の開口側に形成される。大径穴部47aの内周面47a1(第2部分の内周面の一例)は、ハンドル軸31の軸心X2から離れる径方向において、ハンドル軸31における装着部45の外周面45b1と対向するように配置される。
【0044】
小径穴部47bは、大径穴部47aの底部に凹状に形成される。小径穴部47bの内径は、大径穴部47aの内径より小さい。
【0045】
このように大径穴部47a及び小径穴部47bを形成することによって、大径穴部47aの底部は、ハンドル軸31の軸心X2まわりに環状に延びる第2環状面47a2(第2当接面の一例)を、形成する。すなわち、リール本体3(被装着部47)は第2環状面47a2を含む。
【0046】
図4、
図5、及び
図6Aに示すように、第1軸受33及び第2軸受34は、ハンドル軸31(装着部45)の外周面45b1と、リール本体3(被装着部47)の内周面47a1との間において、ハンドル軸31の軸心X2に沿う軸方向において互いに並べて配置される。
【0047】
例えば、
図6Aに示すように、第1軸受33及び第2軸受34は、ハンドル軸31の軸心X2から離れる径方向において、装着部45(小径部45b)の外周面45b1と、被装着部47の大径穴部47aの内周面47a1との間に、配置される。第1軸受33及び第2軸受34は、ハンドル軸31の軸心X2に沿う軸方向において、互いに間隔を隔てて並べて配置される。
【0048】
詳細には、第1軸受33は、内輪33aと、外輪33bと、内輪33a及び外輪33bの間に配置される転動体33cと、を有する。第2軸受34は、内輪34aと、外輪34bと、内輪34a及び外輪34bの間に配置される転動体34cと、を有する。
【0049】
図6Aに示すように、第1軸受33の内輪33a及び第2軸受34の内輪34aは、ハンドル軸31の軸心X2に沿う軸方向において、互いに間隔を隔てて配置される。第1軸受33の外輪33b及び第2軸受34の外輪34bは、ハンドル軸31の軸心X2に沿う軸方向において、互いに間隔を隔てて配置される。
【0050】
第1軸受33の内輪33a及び第2軸受34の内輪34aは、装着部45(小径部45b)の外周面45b1に接触する。第1軸受33の内輪33aには、ハンドル軸31の軸心X2に沿う軸方向において、ハンドル軸31(装着部45)の第1環状面45a1が当接する。
【0051】
第1軸受33の外輪33b及び第2軸受34の外輪34bは、被装着部47の大径穴部47aの内周面47a1に接触する。第2軸受34の外輪34bには、ハンドル軸31の軸心X2に沿う軸方向において、リール本体3(被装着部47)の第2環状面47a2が当接する。
【0052】
図4に示すように、第3軸受41は、ハンドル軸31の外周面31bと、第2側カバー15のボス部15a(
図1を参照)の内周面との間に、配置される。例えば、第3軸受41の内輪は、筒状部材48を介して、ハンドル軸31の外周面31bに装着される。第3軸受41の外輪は、第2側カバー15のボス部15a(
図1を参照)の内周面に装着される。
【0053】
図4、
図5、及び
図6Aに示すように、第1スペーサ35は、第1軸受33の内輪33a及び第2軸受34の内輪34aの間に配置される。例えば、第1スペーサ35は、環状に形成される。第1スペーサ35は、第1軸受33の内輪33a及び第2軸受34の内輪34aの軸方向間において、装着部45(小径部45b)の外周面45b1に、配置される。
【0054】
図6Aに示すように、第1スペーサ35が第1軸受33の内輪33a及び第2軸受34の内輪34aの間で第1軸受33の内輪33a及び第2軸受34の内輪34aに接触した状態において、第1軸受33の内輪33a、第2軸受34の内輪34a、及び第1スペーサ35の軸方向長さは、装着部45の小径部45bの軸方向長さより、長い。装着部45の小径部45bの軸方向長さは、装着部45の第1環状面45a1から装着部45の小径部45bの先端までの軸方向長さと解釈してもよい。
【0055】
この構成によって、第1軸受33の内輪33a、第2軸受34の内輪34a、及び第1スペーサ35が、装着部45の小径部45bの外周面45b1に配置された状態において、第2軸受34の内輪34aは、装着部45の小径部45bの先端から突出する。
【0056】
図6Aに示すように、第1位置決め部材37は、第1軸受33の内輪33a、第2軸受34の内輪34a、及び第1スペーサ35を、ハンドル軸31の軸心X2に沿う軸方向において、ハンドル軸31に位置決めする。第1位置決め部材37は、第2軸受34の内輪34aを第1環状面45a1に対して所定の位置に位置決めする。第1位置決め部材37は、ハンドル軸31の装着部45に取り付けられる。例えば、第1位置決め部材37は、装着部45の小径部45bに取り付けられる。
【0057】
図6Bに示すように、第1位置決め部材37は、本体部37aと、鍔部37bと、を有する。本体部37aは、円筒状に形成される。本体部37aは、雄ネジ部37a1を有する。雄ネジ部37a1は、本体部37aの外周面に形成される。雄ネジ部37a1は、小径部45bの内周面に設けられた雌ネジ部45b2に螺合する。鍔部37bは、本体部37aに並んで円板状に設けられる。鍔部37bは、本体部37aの外周面45b1から環状に突出する。鍔部37bは、第2軸受34の内輪34aに当接する。
【0058】
本体部37aの雄ネジ部37a1を小径部45bの雌ネジ部45b2にねじ込むことによって、鍔部37bは、第2軸受34の内輪34aを第1環状面45a1に対して所定の位置に位置決めする。これにより、第1軸受33の内輪33a、第2軸受34の内輪34a、及び第1スペーサ35が、ハンドル軸31の軸心X2に沿う軸方向において、ハンドル軸31に位置決めされる。
【0059】
ここで、第1規制部材39が未装着の状態では、第1軸受33の外輪33bと、第2軸受34の外輪34bと、第1軸受33の外輪33b及び第2軸受34の外輪34bの間の隙間との軸方向長さは、被装着部47の大径穴部47aの軸方向長さよりわずかに短い。この構成によって、第1軸受33の外輪33bは、ハンドル軸31の軸心X2に沿う軸方向において、被装着部47の大径穴部47aの開口端からわずかに凹陥する。
【0060】
図5に示すように、シール部材42は、第1規制部材39及びリール本体3(フレーム11)の第2側板19の間に、配置される。例えば、シール部材42は、第1規制部材39によって押圧された状態で、第2側板19の凹部19aの間に配置される。
【0061】
図2に示すように、第1規制部材39は、リール本体3に装着される。例えば、
図5及び
図6Aに示すように、第1規制部材39は、第1軸受33の外輪33bに当接した状態で、ネジ部材40によって第2側板19に固定される。
【0062】
これにより、第1規制部材39は、第1軸受33の外輪33bが、ハンドル軸31の軸心X2に沿う軸方向に移動することを規制する。例えば、
図6Aに示すように、第1規制部材39は、第1軸受33の外輪33bがリール本体3(被装着部47)の第2環状面47a2から離れる方向において、第1軸受33の外輪33bの移動を規制する。
【0063】
このように、第1規制部材39が、第1軸受33の外輪33bが第2軸受34の外輪34bから離れる方向において、第1軸受33の外輪33bの移動を規制することによって、第1軸受33の外輪33b及び第2軸受34の外輪34bの軸方向間隔が、第1軸受33の内輪33a及び第2軸受34の内輪34aの軸方向間隔より小さくなる。すなわち、第1軸受33の外輪33b及び第2軸受34の外輪34bの間の隙間が、小さくなる。これにより、第1軸受33及び第2軸受34の内外輪間のガタが押さえられる。
【0064】
上記の構成を有する第1支持構造9は、次のように組み立てられる。まず、シール部材42が第2側板19に配置される。次に、第1軸受33、第1スペーサ35、及び第2軸受34が、ハンドル軸31の装着部45(小径部45b)の外周面45b1に配置される。この状態において、第1位置決め部材37がハンドル軸31の装着部45(小径部45b)に装着される。これにより、第1軸受33、第1スペーサ35、及び第2軸受34が、第1位置決め部材37によって、ハンドル軸31に位置決めされる。
【0065】
続いて、第1軸受33、第1スペーサ35、第2軸受34、第1位置決め部材37、及びハンドル軸31の装着部45が、第2側板19の被装着部47(大径穴部47a)に配置される。この状態において、第1規制部材39が、第2側板19に装着される。これにより、ハンドル軸31が、第2側板19に対して回転可能に支持される。
【0066】
続いて、第3軸受41の内輪がハンドル軸31に装着される。この状態において、第2側カバー15(ボス部15a)が第3軸受41の外輪に装着される。これにより、ハンドル軸31が、第2側カバー15に対して回転可能に支持される。なお、ここでは回転伝達機構に関わる部材の組み立てについては省略している。
【0067】
上記の両軸受リール1の第1支持構造9では、第2軸受34の外輪34bが第1軸受33の外輪33bから離れる方向において、第2軸受34の外輪34bの移動が第1規制部材39に規制されることによって、第1軸受33及び第2軸受34の内部隙間が小さくなる。これにより、リール本体3(第2側板19)に対するハンドル軸31のガタつきを抑制することができる。また、この場合、ハンドル軸31には、従来技術のような摺動抵抗が生じないので、ハンドル軸31をリール本体3(第2側板19)に対してスムーズに回転させることができる。
【0068】
<第2実施形態>
前記第1実施形態では、両軸受リール1が第1支持構造9を備える場合の例が、示された。両軸受リール1は、
図1及び
図7Aに示すように、第2支持構造109を含むハンドル組立体107を、備えていてもよい。ここで、第2支持構造109は、上記の第1支持構造9と併用してもよいし、上記の第1支持構造9を用いることなく単独で用いられてもよい。なお、前記第1実施形態と同様の構成については、ここでは説明が省略される。
【0069】
第1実施形態で説明したように、ハンドル組立体107は、ハンドル軸31に連結される。
図7Aに示すように、ハンドル組立体107は、第2支持構造109を有する。例えば、ハンドル組立体107は、ハンドルアーム23と、第2支持構造109を構成するノブ軸24(第1部分の一例)と、第2支持構造109を構成するハンドルノブ25(第2部分の一例)と、を有する。すなわち、ハンドル組立体107は、ハンドルアーム23と、第2支持構造109と、を有する。
【0070】
ハンドルアーム23は、ハンドル軸31と一体的に回転するように、ハンドル軸31に装着される。ハンドルアーム23には、ノブ軸24が装着される。第2支持構造109は、ハンドルノブ25がノブ軸24に対して回転可能なように、ハンドルノブ25を支持する。
【0071】
図7Aに示すように、第2支持構造109は、ハンドルアーム23に設けられる。第2支持構造109は、ノブ軸24と、ハンドルノブ25と、第4軸受133及び第5軸受134と、第2スペーサ135(
図7Bを参照)と、第2位置決め部材137と、第2規制部材139と、を備える。
【0072】
ノブ軸24は、軸状に形成される。ノブ軸24は、ハンドルアーム23に装着される。ノブ軸24は、ハンドルノブ25を回転可能に支持する。ノブ軸24は、第4軸受133及び第5軸受134を介して、ハンドルノブ25を回転可能に支持する。
【0073】
例えば、ノブ軸24は、軸本体143と、装着部145と、を有する。軸本体143は、実質的に軸状に形成される。軸本体143の一端部は、ハンドルアーム23に装着される。軸本体143の他端部には、装着部145が設けられる。
【0074】
ノブ軸24の装着部145の構成は、第1実施形態のハンドル軸31の装着部45と実質的に同じである。このため、ノブ軸24の装着部145の構成は簡単に説明される。装着部145は、第4軸受133及び第5軸受134を介して、ハンドルノブ25を回転可能に支持する。装着部145は、実質的に筒状に形成される。
【0075】
図7Bに示すように、装着部145は、大径部145aと、小径部145bと、を有する。大径部145aは、軸本体143の端部に設けられる。小径部145bは、外周面145b1(第1部分の外周面の一例)と、内周面に形成される雌ネジ部145b2と、を有する。
【0076】
このように大径部145a及び小径部145bを形成することによって、大径部145aの先端面は、ノブ軸24の軸心X3まわりに環状に延びる第3環状面145a1(第1当接面の一例)を、形成する。すなわち、ノブ軸24(装着部145)は、第3環状面145a1を含む。第3環状面145a1には、第4軸受133の内輪133aが軸方向に当接する。
【0077】
図7Aに示すように、ハンドルノブ25は、第1ノブ本体147と、第2ノブ本体148と、を有する。第1ノブ本体147は、釣り人が把持する部分である。
図7Bに示すように、第1ノブ本体147は、孔部147aを有する。第2ノブ本体148は、第1ノブ本体147の孔部147aに螺合される。
【0078】
第2ノブ本体148は、第1筒部149と、第2筒部150と、を有する。第1筒部149及び第2筒部150の内部には、ノブ軸24が配置される。第1筒部149には、軸本体143が配置される。第1筒部149には、第1ノブ本体147が当接する。第1筒部149の外径は、第2筒部150の外径より大きい。
【0079】
第2筒部150は、第1筒部149と一体に形成される。第2筒部150には、軸本体143と装着部145とが、配置される。第2筒部150は、小径孔部150aと、大径孔部150bと、を有する。ノブ軸24の軸心X3は、小径孔部150aの中心及び大径孔部150bの中心を通過する。
【0080】
図7Aに示すように、小径孔部150aは、ハンドルアーム23側に形成される。
図7Bに示すように、小径孔部150aの内部には、軸本体143と、大径部145aが、配置される。小径孔部150aの内径は、大径孔部150bの内径より小さい。
【0081】
図7Aに示すように、大径孔部150bは、ハンドルアーム23から離れた側に形成される。
図7Bに示すように、大径孔部150bの内部には、小径部145bが、配置される。大径孔部150bの内周面150b1(第2部分の内周面の一例)は、ノブ軸24の軸心X3から離れる径方向において、ノブ軸24(小径部145b)の外周面145b1と対向するように配置される。
【0082】
このように小径孔部150a及び大径孔部150bを形成することによって、大径孔部150bの底部は、ノブ軸24の軸心X3まわりに環状に延びる第4環状面150b2(第2当接面の一例)を、形成する。すなわち、ハンドルノブ25(第2ノブ本体148)は、第4環状面150b2を含む。第4環状面150b2には、第4軸受133の外輪133bが軸方向に当接する。
【0083】
図7Bに示すように、第4軸受133は、内輪133aと、外輪133bと、内輪133a及び外輪133bの間に配置される転動体133cと、を有する。第5軸受134は、内輪134aと、外輪134bと、内輪134a及び外輪134bの間に配置される転動体134cと、を有する。
【0084】
第4軸受133及び第5軸受134は、ノブ軸24の外周面145b1(小径部145bの外周面145b1)と、ハンドルノブ25の内周面150b1(大径孔部150bの内周面150b1)との径方向間に、配置される。第4軸受133及び第5軸受134は、ノブ軸24の外周面145b1と、ハンドルノブ25の内周面150b1の間において、ノブ軸24の軸心X3に沿う軸方向において互いに並べて配置される。
【0085】
第4軸受133の内輪133a及び第5軸受134の内輪134aは、ノブ軸24の軸心X3に沿う軸方向において、互いに間隔を隔てて配置される。第4軸受133の外輪133b及び第5軸受134の外輪134bは、ノブ軸24の軸心X3に沿う軸方向において、互いに間隔を隔てて配置される。
【0086】
第4軸受133の内輪133a及び第5軸受134の内輪134aは、ノブ軸24の外周面145b1(小径部145bの外周面145b1)に接触する。第4軸受133の内輪133aは、ノブ軸24の軸心X3に沿う軸方向において、ノブ軸24の第3環状面145a1に当接する。
【0087】
第4軸受133の外輪133b及び第5軸受134の外輪134bは、ハンドルノブ25の内周面150b1(大径孔部150bの内周面150b1)に接触する。第4軸受133の外輪133bは、ノブ軸24の軸心X3に沿う軸方向において、ハンドルノブ25の第4環状面150b2(第2ノブ本体148の第4環状面150b2)に当接する。
【0088】
図7Bに示すように、第2スペーサ135は、第4軸受133の内輪133a及び第5軸受134の内輪134aの間に配置される。例えば、第2スペーサ135は、環状に形成される。第2スペーサ135は、第4軸受133の内輪133a及び第5軸受134の内輪134aの軸方向間において、ノブ軸24の外周面145b1(小径部145bの外周面145b1)に、配置される。
【0089】
第2スペーサ135が第4軸受133の内輪133a及び第5軸受134の内輪134aに接触した状態において、第4軸受133の内輪133a、第5軸受134の内輪134a、及び第2スペーサ135の軸方向長さは、装着部145の小径部145bの軸方向長さより、長い。装着部145の小径部145bの軸方向長さは、装着部145の第3環状面145a1から装着部145の小径部145bの先端までの軸方向長さと解釈してもよい。
【0090】
この構成によって、第4軸受133の内輪133a、第5軸受134の内輪134a、及び第2スペーサ135が、装着部145の小径部145bの外周面145b1に配置された状態において、第5軸受134の内輪134aは、ノブ軸24の軸心X3に沿う軸方向において、装着部145の小径部145bの先端からわずかに突出する。
【0091】
第2位置決め部材137は、第4軸受133の内輪133a、第5軸受134の内輪134a、及び第2スペーサ135を、ノブ軸24に対して軸方向に位置決めする。第2位置決め部材137は、第5軸受134の内輪134aを第3環状面145a1に対して所定の位置に位置決めする。第2位置決め部材137は、ノブ軸24の装着部145に取り付けられる。例えば、第2位置決め部材137は、装着部145の小径部145bに取り付けられる。ここでは、第5軸受134の内輪134aは、ノブ軸24の軸心X3に沿う軸方向において、装着部145の小径部145bの先端からわずかに突出しているので、第2位置決め部材137は第5軸受134の内輪134aを第3環状面145a1に向けて押圧する。
【0092】
図7Bに示すように、第2位置決め部材137は、本体部137aと、鍔部137bと、を有する。第2位置決め部材137の構成は、第1位置決め部材37の構成と実質的に同じである。本体部137aの雄ネジ部を小径部145bの雌ネジ部145b2にねじ込むことによって、鍔部137bは、第5軸受134の内輪134aが第3環状面145a1から離れる方向において、第5軸受134の内輪134aの移動を規制する。これにより、第4軸受133の内輪133a、第5軸受134の内輪134a、及び第2スペーサ135が、ノブ軸24の軸心X3に沿う軸方向において、ノブ軸24に位置決めされる。
【0093】
図7Aに示すように、第2規制部材139は、ハンドルノブ25に装着される。例えば、第2規制部材139は、ハンドルノブ25の第2ノブ本体148に装着される。詳細には、
図7Bに示すように、第2規制部材139は、先端側に中空円筒部139aと、基端側に雄ネジ部139bと、を有する。雄ネジ部139bは、第2筒部150(大径孔部150b)の雌ネジ部150b3にねじ込まれる。これにより、第2規制部材139の中空円筒部139aの先端は、第5軸受134の外輪134bに当接する。この状態において、第2規制部材139は、第5軸受134の外輪134bが第4軸受133の外輪133bから離れる方向(ノブ軸24の軸心X3に沿う軸方向)において、第5軸受134の外輪134bの移動を規制する。例えば、第2規制部材139は、第5軸受134の外輪134bがハンドルノブ25(第2ノブ本体148)の第4環状面150b2から離れる方向において、第5軸受134の外輪134bの移動を規制する。
【0094】
このように、第2規制部材139が、第5軸受134の外輪134bが第4軸受133の外輪133bから離れる方向において、第5軸受134の外輪134bの移動を規制することによって、第4軸受133の外輪133b及び第5軸受134の外輪134bの軸方向間隔が、第4軸受133の内輪133a及び第5軸受134の内輪134aの軸方向間隔より小さくなる。すなわち、第4軸受133の外輪133b及び第5軸受134の外輪134bの間の隙間が、小さくなる。これにより、第4軸受133及び第5軸受134が予圧され、内外輪間のガタが抑えられる。
【0095】
上記の構成を有する第2支持構造109は、次のように組み立てられる。まず、ノブ軸24の外周にハンドルノブ25が装着された状態で、第4軸受133、第2スペーサ135、及び第5軸受134が、ノブ軸24の装着部145(小径部145b)の外周面145b1及びハンドルノブ25(第2筒部150)の内周面150b1の間に配置される。この状態において、第2位置決め部材137がノブ軸24の装着部145(小径部145b)に装着される。これにより、第4軸受133、第2スペーサ135、及び第5軸受134が、第2位置決め部材137によって、ノブ軸24に位置決めされる。
【0096】
次に、第2規制部材139が、ハンドルノブ25の大径孔部150bにねじ込まれる。第5軸受134の外輪134bが第4軸受133の外輪133bから離れる方向において、第2規制部材139が第5軸受134の外輪134bの移動を規制する。これにより、ノブ軸24が、ハンドルノブ25を回転可能に支持する。
【0097】
上記の両軸受リール1の第2支持構造109では、第5軸受134の外輪134bが第4軸受133の外輪133bから離れる方向において、第5軸受134の外輪134bの移動が第2規制部材139に規制されることによって、第4軸受133及び第5軸受134の内部隙間が小さくなる。これにより、ハンドルノブ25に対するノブ軸24のガタつきを抑制することができる。また、この場合、ノブ軸24の摺動抵抗を低減できるので、ハンドルノブ25をノブ軸24に対してスムーズに回転させることができる。
【0098】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本実施形態において「当接」と記載しているものは、直接的な接触だけを意味するのでなく、以下の実施形態のように他の部材が介在されていても構わない。
【0099】
(A1)
図8A及び
図8Bに示すように、第1支持構造9及び第2支持構造109は、第1弾性部材61及び第2弾性部材62を、各別にさらに備えていてもよい。
【0100】
例えば、
図8Aに示すように、第1支持構造9では、第1弾性部材61は、ハンドル軸31の軸心X2に沿う軸方向において、第2軸受34の外輪34bとリール本体3(第2側板19)との間に、配置される。また、
図8Bに示すように、第2支持構造109では、第2弾性部材62は、ノブ軸24の軸心X3に沿う軸方向において、第4軸受133の外輪133bとハンドルノブ25(第2ノブ本体148)との間に、配置される。
【0101】
例えば、第1弾性部材61及び第2弾性部材62は、Oリングである。第1弾性部材61は、ハンドル軸31の軸心X2に沿う軸方向において、第2軸受34の外輪34bとリール本体3の第2環状面47a2との間に、配置される。第2弾性部材62は、ノブ軸24の軸心X3に沿う軸方向において、第4軸受133の外輪133bとハンドルノブ25の第4環状面150b2との間に、配置される。
【0102】
このように第1弾性部材61及び第2弾性部材62を配置することによって、各軸受(第1及び第2軸受33,34/第4及び第5軸受133,134)に作用させる予圧を、容易に調節することができる。また、各軸受(第1及び第2軸受33,34/第4及び第5軸受133,134)に振動が外部から入力された際に、この振動を第1及び第2弾性部材61,62によって吸収することができる。
【0103】
(A2)上記の(A1)の第1弾性部材61及び/又は第2弾性部材62に代えて、スペーサが配置されてもよい。この場合、スペーサは、止め輪又はカラー部材であることが好ましい。また、(A1)の第1弾性部材61及び/又は第2弾性部材62と、スペーサを併用してもよい。
【0104】
なお、第1弾性部材61及び/又はスペーサが用いられる場合、リール本体3の第2環状面47a2には、第1弾性部材61及び/又はスペーサを介して、第2軸受34の外輪34bが当接する。また、第2弾性部材62及び/又はスペーサが用いられる場合、第4環状面150b2には、第2弾性部材62及び/又はスペーサを介して、第4軸受133の外輪133bが軸方向に当接する。
【0105】
(A3)前記第1及び第2実施形態では、両軸受リール1に対して第1支持構造9及び/又は第2支持構造109が適用される場合の例が、示されたが、第1支持構造9及び/又は第2支持構造109に対応する支持構造が、他のタイプのリールに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1 両軸受リール
3 リール本体
5 スプール
7,107 ハンドル組立体
9 第1支持構造
11 フレーム
23 ハンドルアーム
24 ノブ軸
25 ハンドルノブ
31 ハンドル軸
33 第1軸受
34 第2軸受
35 第1スペーサ
37 第1位置決め部材
39 第1規制部材
41 第3軸受
45b1 外周面
47a1 内周面
61 第1弾性部材
62 第2弾性部材
109 第2支持構造
133 第4軸受
134 第5軸受
135 第2スペーサ
137 第2位置決め部材
139 第2規制部材
145b1 外周面
150b1 内周面
X2 ハンドル軸の軸心
X3 ノブ軸の軸心