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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】ライブ配信システム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20240403BHJP
   G10K 15/02 20060101ALI20240403BHJP
   H04N 21/2187 20110101ALN20240403BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
G10K15/02
H04N21/2187
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020165748
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022057470
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 紀久
(72)【発明者】
【氏名】石川 雅康
【審査官】中嶋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-215370(JP,A)
【文献】特開2012-198305(JP,A)
【文献】特開2020-017871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
G10K 15/02
H04N 21/2187
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカラオケ装置とサーバ装置とが通信可能に接続されたライブ配信システムであって、
一のカラオケ装置は、
前記一のカラオケ装置の集音手段により集音された、カラオケ歌唱のライブ配信を希望する配信者の音声と、前記一のカラオケ装置の撮影手段により撮影された、当該配信者の映像とに基づいて、配信用データを生成し、生成した配信用データを前記サーバ装置に送信する配信用データ処理部と、
前記サーバ装置から配信されたライブデータに基づいて、前記配信者が音声及び映像を視聴可能となるように設定する配信者側設定部と、
を有し、
前記一のカラオケ装置と異なる他のカラオケ装置は、
前記サーバ装置から配信されたライブデータに基づいて、視聴者が音声及び映像を視聴可能となるように設定する視聴者側設定部と、
前記他のカラオケ装置の集音手段により集音された、視聴者の音声、及び/または前記他のカラオケ装置の撮影手段により撮影された当該視聴者の映像に基づいて、当該視聴者の盛り上がりが所定条件を満たすかどうかを判定する判定部と、
前記視聴者の音声及び前記視聴者の映像に基づく視聴者データを生成し、生成した視聴者データを前記サーバ装置に送信する視聴者データ処理部であって、前記盛り上がりが所定条件を満たさない場合、当該視聴者データの前記サーバ装置への送信を中止する視聴者データ処理部と、
を有し、
前記サーバ装置は、
前記一のカラオケ装置から受信した配信用データに基づいてライブデータを生成するライブデータ生成部であって、前記他のカラオケ装置から視聴者データを受信した場合、配信用データに当該視聴者データを組み合わせたライブデータを生成するライブデータ生成部と、
生成された前記ライブデータを前記一のカラオケ装置及び前記他のカラオケ装置に配信する配信処理部と、
を有するライブ配信システム。
【請求項2】
前記判定部は、所定期間毎に視聴者の盛り上がりを判定し、
前記視聴者データ処理部は、ある所定期間における視聴者の盛り上がりが所定条件を満たさないと判定された場合、当該ある所定期間に続く一定期間において視聴者データの前記サーバ装置への送信を中止することを特徴とする請求項1記載のライブ配信システム。
【請求項3】
前記判定部は、前記視聴者の音声から検出した特定周波数帯の音圧レベル、及び/または前記視聴者の映像から検出した当該視聴者の動きに基づいて、当該視聴者の盛り上がりを判定することを特徴とする請求項1または2記載のライブ配信システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、
配信者または視聴者の、属性、及び歌唱履歴の少なくとも一つを含む履歴情報を、配信者及び視聴者それぞれについて取得する取得部と、
取得した配信者の履歴情報と視聴者の履歴情報との一致度に基づいて、盛り上がりを判定する際の重み付け値を求める算出部と、
を有し、
前記判定部は、前記重み付け値に基づいて、前記盛り上がりを判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のライブ配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はライブ配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、感染症などの影響により、観客を入場させてのライブが困難な状況になっていることから、プロのアーティストは無観客でのライブ配信を行う機会が増えてきている。
【0003】
このような無観客でのライブ配信において、アーティストの映像にオンラインで視聴している聴衆の映像を組み合せて配信するサービスが提供されている(非特許文献1参照)。
【0004】
一方、カラオケ装置にて、カラオケ本体に設けられたカメラで歌唱者を撮影し、得られた映像データと歌唱時の音声データとを編集した動画をサーバにアップロードすることにより、第三者に対して歌唱時の映像を公開するサービスが普及している。
【0005】
たとえば、特許文献1には、カラオケライブの始終をリアルタイムで配信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】“Tomorrowland”、[online]、[令和2年9月24日検索]、インターネット<URL:https://natalie.mu/music/column/388771/page/2>
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2004-029459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、カラオケ装置を利用してライブ配信を行う際、配信者の音声及び映像と、視聴者の音声及び映像とを組み合わせて配信することができる新規なライブ配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための一の発明は、複数のカラオケ装置とサーバ装置とが通信可能に接続されたライブ配信システムであって、一のカラオケ装置は、前記一のカラオケ装置の集音手段により集音された、カラオケ歌唱のライブ配信を希望する配信者の音声と、前記一のカラオケ装置の撮影手段により撮影された、当該配信者の映像とに基づいて、配信用データを生成し、生成した配信用データを前記サーバ装置に送信する配信用データ処理部と、前記サーバ装置から配信されたライブデータに基づいて、前記配信者が音声及び映像を視聴可能となるように設定する配信者側設定部と、を有し、前記一のカラオケ装置と異なる他のカラオケ装置は、前記サーバ装置から配信されたライブデータに基づいて、視聴者が音声及び映像を視聴可能となるように設定する視聴者側設定部と、前記他のカラオケ装置の集音手段により集音された、視聴者の音声、及び/または前記他のカラオケ装置の撮影手段により撮影された当該視聴者の映像に基づいて、当該視聴者の盛り上がりが所定条件を満たすかどうかを判定する判定部と、前記視聴者の音声及び前記視聴者の映像に基づく視聴者データを生成し、生成した視聴者データを前記サーバ装置に送信する視聴者データ処理部であって、前記盛り上がりが所定条件を満たさない場合、当該視聴者データの前記サーバ装置への送信を中止する視聴者データ処理部と、を有し、前記サーバ装置は、前記一のカラオケ装置から受信した配信用データに基づいてライブデータを生成するライブデータ生成部であって、前記他のカラオケ装置から視聴者データを受信した場合、配信用データに当該視聴者データを組み合わせたライブデータを生成するライブデータ生成部と、生成された前記ライブデータを前記一のカラオケ装置及び前記他のカラオケ装置に配信する配信処理部と、を有するライブ配信システムである。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カラオケ装置を利用してライブ配信を行う際、配信者の音声及び映像と、視聴者の音声及び映像とを組み合わせて配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係るライブ配信システムを示す図である。
図2】実施形態に係るカラオケ装置K1を示す図である。
図3】実施形態に係るカラオケ装置K1のカラオケ本体を示す図である。
図4】実施形態に係るカラオケ装置K2のカラオケ本体を示す図である。
図5】実施形態に係るサーバ装置を示す図である。
図6】実施形態に係るサーバ装置の記憶手段に記憶されているテーブルを示す図である。
図7】実施形態に係る配信者及び視聴者の映像のレイアウトを示す図である。
図8】実施形態に係る配信者及び視聴者の映像のレイアウトを示す図である。
図9】実施形態に係るライブ配信システムの処理を示すフローチャートである。
図10】実施形態に係るライブ配信システムの処理を示すフローチャートである。
図11】変形例に係るサーバ装置を示す図である。
図12】変形例に係るサーバ装置の記憶手段に記憶されているテーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
==ライブ配信システム==
図1から図12を参照して、実施形態及び変形例に係るライブ配信システムについて説明する。ライブ配信システムは、ライブデータを配信するためのシステムである。
【0013】
ライブデータは、カラオケ装置において、配信者や視聴者の音声及び映像を再生するためのデータである。配信者は、カラオケ歌唱のライブ配信を希望する者である。視聴者は、配信されるライブデータに基づく音声及び映像を視聴する者である。ライブデータは、サーバ装置Sにおいて、配信用データ、または配信用データ及び視聴者データに基づいて生成される(詳細は後述)。
【0014】
ライブ配信システムは、複数のカラオケ装置及びサーバ装置を含む。図1に示すように、本実施形態に係るライブ配信システム1は、複数のカラオケ装置K1~カラオケ装置Kn、及びサーバ装置Sを備える。各カラオケ装置とサーバ装置Sとは通信可能に接続されている。各カラオケ装置は、楽曲のカラオケ演奏及びカラオケ歌唱を行うための機能を有する。
【0015】
ここで、カラオケ装置K1は、配信者U1がカラオケ歌唱のライブ配信を行うために使用される。一方、カラオケ装置K2~カラオケ装置Knは、それぞれ視聴者U2~視聴者Unが音声及び映像を視聴するために使用される。すなわち、本実施形態において、カラオケ装置K2~カラオケ装置Knは、カラオケ演奏及びカラオケ歌唱に使用されるものではない。カラオケ装置K1は、「一のカラオケ装置」に相当し、カラオケ装置K2~カラオケ装置Knはそれぞれ「他のカラオケ装置」に相当する。各カラオケ装置は、一のカラオケ店舗の各部屋に設置されていてもよいし、別々のカラオケ店舗に設置されていてもよい。
【0016】
サーバ装置Sは、各種情報や各カラオケ装置から送信される情報を管理したり、各カラオケ装置に対してライブデータの配信を行うコンピュータである。
【0017】
==カラオケ装置K1==
図2に示すように、カラオケ装置K1は、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、リモコン装置50、及び撮影手段60を備える。
【0018】
カラオケ本体10は、選曲された楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20はカラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を表示画面に表示するための構成である。マイク40は配信者の会話音声や、カラオケ歌唱の歌唱音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。マイク40は「(一のカラオケ装置の)集音手段」の一例である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。撮影手段60は、配信者を撮影可能なカメラである。
【0019】
図3に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0020】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。記憶手段10aは、楽曲データを記憶する。
【0021】
楽曲データは、個々の楽曲を特定するための楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ等を含む。伴奏データは、カラオケ演奏音の元となるデータである。リファレンスデータは、カラオケ演奏された楽曲の主旋律を示すデータである。また、記憶手段10aは、カラオケ演奏時に表示装置30等に表示される背景映像等の背景映像データ、及び楽曲の属性情報(歌手名、ジャンル等)を記憶する。
【0022】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、サーバ装置Sやリモコン装置50との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、配信者が各種の指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0023】
[演奏手段]
演奏手段10dは、制御手段10eの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏、及びマイク40を通じて入力された音声信号の処理を行う。演奏手段10dは、音源、ミキサ、アンプ等を含む(いずれも図示なし)。
【0024】
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置K1における各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0025】
本実施形態においてはカラオケ装置K1のCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、ライブ配信予約部100、配信用データ処理部200、及び配信者側設定部300として機能する。
【0026】
(ライブ配信予約部)
ライブ配信予約部100は、ライブ配信の予約処理を行う。
【0027】
配信者は、リモコン装置50を介して、ライブ配信に関する配信情報の入力を行う。配信情報は、たとえば、配信内容の紹介文、配信の開始時刻や終了時刻、カラオケ歌唱を行う曲目である。
【0028】
ライブ配信予約部100は、配信者が入力した配信情報に対して専用の識別子(以下、「配信識別子」)を付与し、記憶手段10aの配信予約テーブルに記憶させる。また、ライブ配信予約部100は、カラオケ装置の装置識別子、配信識別子、及び当該配信識別子に対応する配信情報を紐付け、通信手段10bを介してサーバ装置Sに送信する。
【0029】
以下、ライブ配信予約部100は、配信者U1が入力したライブL1の配信情報D1に対して配信識別子ID_D1を付与し、記憶手段10aの配信予約テーブルに記憶させたとする。また、ライブ配信予約部100は、カラオケ装置K1の装置識別子ID_K1、配信識別子ID_D1、及び配信情報D1を紐付け、通信手段10bを介してサーバ装置Sに送信したとする。また、配信情報D1は、配信内容の紹介文、配信の開始時刻及び終了時刻(19:00-20:00)、カラオケ歌唱を行う曲目(楽曲X1~楽曲X3)であるとする。
【0030】
(配信用データ処理部)
配信用データ処理部200は、一のカラオケ装置の集音手段により集音された、カラオケ歌唱のライブ配信を希望する配信者の音声と、一のカラオケ装置の撮影手段により撮影された、当該配信者の映像とに基づいて、配信用データを生成し、生成した配信用データをサーバ装置に送信する。
【0031】
配信用データは、配信者の音声に対応する音声信号、及び配信者の映像に対応する映像信号を含む。
【0032】
ライブ配信を行う場合、配信者は、初めに挨拶(自己紹介等)を行い、その後、カラオケ歌唱を開始することが一般的である。すなわち、配信用データは、挨拶の音声に対応する音声信号を含む場合もあれば、カラオケ歌唱の歌唱音声に対応する音声信号を含む場合もある。また、カラオケ歌唱を行う場合、音声信号には、カラオケ演奏の演奏音も含まれる。
【0033】
具体的に、配信者U1がライブL1の配信の予約を行ったとする。ここで、ライブL1の配信の開始時刻が近づいた場合、配信用データ処理部200は、配信者U1に対してその旨の報知を行う。報知は様々な方法で行うことができる。たとえば、配信用データ処理部200は、表示装置30やリモコン装置50の表示画面に「予約したライブ配信の時刻が近づいています。準備をしてください」といったメッセージを表示することができる。
【0034】
配信の開始時刻が到来した場合、配信用データ処理部200は、カラオケ装置K1のマイク40よる集音、及び撮影手段60による配信者の撮影を開始させる。配信者U1は、初めに挨拶を行う。この場合、配信用データ処理部200は、マイク40により集音された配信者U1の挨拶の音声に対応する音声信号と、撮影手段60により撮影された、配信者U1の映像に対応する映像信号とを合成し、配信用データを生成する。配信用データ処理部200は、生成した配信用データをサーバ装置Sに送信する。
【0035】
挨拶が終了した後、配信者U1は、リモコン装置50を介して楽曲X1のカラオケ演奏の開始を指示する。カラオケ装置K1は、記憶手段10aから楽曲X1の伴奏データを読み出し、演奏手段10dを制御することで楽曲X1のカラオケ演奏を開始する。また、配信用データ処理部200は、楽曲のカラオケ演奏の開始の指示があった場合、演奏開始信号をサーバ装置Sに送信する。
【0036】
配信者U1は、カラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。この場合、配信用データ処理部200は、マイク40により集音された配信者U1の歌唱音声及び楽曲X1のカラオケ演奏音に対応する音声信号と、撮影手段60により撮影された、配信者U1の映像に対応する映像信号とを合成し、新たな配信用データを生成する。配信用データ処理部200は、生成した新たな配信用データをサーバ装置Sに送信する。
【0037】
このように、配信用データ処理部200は、配信情報D1に含まれる開始時刻から終了時刻が到来するまで(すなわち、ライブL1が終了するまで)、連続して配信用データの生成及び送信を行う。
【0038】
(配信者側設定部)
配信者側設定部300は、サーバ装置Sから配信されたライブデータに基づいて、配信者が音声及び映像を視聴可能となるように設定する。
【0039】
配信者側設定部300は、たとえば、ライブL1のライブデータに基づく映像を表示装置30の表示画面に表示させると共に、当該ライブデータに基づく音声をスピーカ20から放音させる。この場合、配信者U1は、自身が行うライブL1の映像及び音声を視聴することができる。サーバ装置Sから配信されるライブデータの詳細については後述する。
【0040】
==カラオケ装置K2~カラオケ装置Kn==
上述の通り、カラオケ装置K2~カラオケ装置Knそれぞれは、配信されるライブの音声及び映像を視聴するために、視聴者U2~視聴者Unが使用する。カラオケ装置K2~カラオケ装置Knは同様の構成であるため、以下、カラオケ装置K2を例に説明を行う。また、カラオケ装置K1と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0041】
カラオケ装置K2は、カラオケ装置K1と同様、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、リモコン装置50、及び撮影手段60を備える。
【0042】
マイク40は視聴者の音声(たとえば、声援、掛け声、拍手)をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。マイク40は「(他のカラオケ装置の)集音手段」の一例である。撮影手段60は、視聴者を撮影可能なカメラである。
【0043】
図4に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0044】
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置K2における各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0045】
本実施形態においてはカラオケ装置K2のCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、ライブ視聴予約部400、視聴者側設定部500、判定部600、及び視聴者データ処理部700として機能する。
【0046】
(ライブ視聴予約部)
ライブ視聴予約部400は、配信されるライブを視聴するための予約処理を行う。
【0047】
視聴者が、リモコン装置50を介して、ライブ配信システム1において配信されるライブの閲覧を指示したとする。ライブ視聴予約部400は、当該指示に基づいて、配信が予定されているライブの配信識別子及び配信情報をサーバ装置Sから取得する。ライブ視聴予約部400は、取得した配信識別子及び配信情報に基づいて、配信されるライブの情報(たとえば、配信識別子、配信内容の紹介文、開始時刻)を表示装置30の表示画面に表示させる。視聴者は、リモコン装置50を介して、視聴を希望するライブを選択する。
【0048】
ライブ視聴予約部400は、視聴者が選択したライブの配信識別子に、当該視聴者が使用するカラオケ装置の装置識別子を紐付け、通信手段10bを介してサーバ装置Sに送信する。
【0049】
以下、カラオケ装置K2のライブ視聴予約部400は、視聴者U2が選択したライブL1の配信識別子ID_D1に対してカラオケ装置K2の装置識別子ID_K2を紐付け、通信手段10bを介してサーバ装置Sに送信したとする。また、同様に、カラオケ装置K3~カラオケ装置K5のライブ視聴予約部400は、それぞれ視聴者U3~視聴者U5が選択したライブL1の配信識別子ID_D1に対してカラオケ装置K3~カラオケ装置K5の装置識別子ID_K3~装置識別子ID_K5を紐付け、通信手段10bを介してサーバ装置Sに送信したとする。
【0050】
(視聴者側設定部)
視聴者側設定部500は、サーバ装置Sから配信されたライブデータに基づいて、視聴者が音声及び映像を視聴可能となるように設定する。
【0051】
視聴者側設定部500は、たとえば、ライブL1のライブデータに基づく映像を表示装置30の表示画面に表示させると共に、当該ライブデータに基づく音声をスピーカ20から放音させる。この場合、視聴者U2は、配信されるライブL1の映像及び音声を視聴することができる。サーバ装置Sから配信されるライブデータの詳細については後述する。
【0052】
(判定部)
判定部600は、他のカラオケ装置の集音手段により集音された、視聴者の音声、及び/または他のカラオケ装置の撮影手段により撮影された当該視聴者の映像に基づいて、当該視聴者の盛り上がりが所定条件を満たすかどうかを判定する。
【0053】
盛り上がりの判定は様々なタイミングで行うことができる。たとえば、判定部600は、ライブの開始後、最初のカラオケ演奏が開始されるタイミングから盛り上がりの判定を行うことができる。また、判定部600は、所定期間毎に視聴者の盛り上がりを判定することができる。所定期間は、ライブ開始後10秒毎、楽曲のカラオケ演奏開始後15秒毎のように、予め一の期間が設定されている。
【0054】
たとえば、上記例において、ライブL1の開始後、配信者U1がカラオケ装置K1のリモコン装置50を介して楽曲X1のカラオケ演奏を指示したとする。この場合、カラオケ装置K1の制御手段10eは、演奏手段10dを制御し、楽曲X1のカラオケ演奏を開始する。この際、カラオケ装置K1は、楽曲X1のカラオケ演奏の開始をサーバ装置Sに通知する。サーバ装置Sは、ライブL1を配信している各カラオケ装置に当該通知を転送する。
【0055】
判定部600は、当該通知を受けたのち、所定期間毎に盛り上がりの判定を行うことができる。
【0056】
また、盛り上がりの判定は様々な方法により行うことができる。たとえば、判定部600は、視聴者の音声から検出した特定周波数帯の音圧レベル、及び/または視聴者の映像から検出した当該視聴者の動きに基づいて、当該視聴者の盛り上がりを判定することができる。
【0057】
具体的に、判定部600は、マイク40で集音された視聴者U2の音声から、特定周波数帯域の音声(たとえば、拍手や声援の音声)に相当する周波数帯域を抽出し、所定期間における平均音圧レベルを検出する。判定部600は、検出した平均音圧レベルが所定の音圧レベル以上であるかどうかを判定する。検出した平均音圧レベルが所定の音圧レベル以上である場合、判定部600は、盛り上がりが所定条件を満たすと判定する。「(検出した平均音圧レベルが)所定の音圧レベル以上」は所定条件の一例である。
【0058】
或いは、判定部600は、撮影手段60で撮影された視聴者U2の映像から、所定期間における視聴者U2の動きのテンポを検出する。判定部600は、検出したテンポとスピーカ20から放音される楽曲のテンポとの差が所定のテンポ以下であるかどうかを判定する。検出したテンポとスピーカ20から放音される楽曲のテンポとの差が所定のテンポ以下である場合、判定部600は、盛り上がりが所定条件を満たすと判定する。「(検出したテンポとスピーカ20から放音される楽曲のテンポとの差が)所定のテンポ以下」は所定条件の一例である。
【0059】
なお、判定部600は、検出した平均音圧レベルが所定の音圧レベル以上である場合、且つ検出したテンポとスピーカ20から放音される楽曲のテンポとの差が所定のテンポ以下である場合に、盛り上がりが所定条件を満たすと判定してもよい。この場合、「(検出した平均音圧レベルが)所定の音圧レベル以上」且つ「(検出したテンポとスピーカ20から放音される楽曲のテンポとの差が)所定のテンポ以下」が所定条件に相当する。
【0060】
(視聴者データ処理部)
視聴者データ処理部700は、視聴者の音声及び視聴者の映像に基づく視聴者データを生成し、生成した視聴者データをサーバ装置に送信する。
【0061】
視聴者データ処理部700は、他のカラオケ装置のマイク40により集音された、視聴者の音声と、他のカラオケ装置の撮影手段60により撮影された、当該視聴者の映像とに基づいて、視聴者データを生成し、生成した視聴者データをサーバ装置に送信する。
【0062】
視聴者データは、視聴者の音声に対応する音声信号、及び視聴者の映像に対応する映像信号を含む。
【0063】
具体的に、視聴者U2がカラオケ装置K2で配信されるライブL1の視聴を行うとする。配信の開始時刻が到来した場合、視聴者データ処理部700は、カラオケ装置K2のマイク40による集音、及び撮影手段60による視聴者U2の撮影を開始させる。視聴者データ処理部700は、マイク40により集音された視聴者U2の音声に対応する音声信号と、撮影手段60により撮影された、視聴者U2の映像に対応する映像信号とを合成し、視聴者データを生成する。視聴者データ処理部700は、生成した視聴者データをサーバ装置Sに送信する。
【0064】
視聴者データ処理部700は、配信情報D1に含まれる開始時刻から終了時刻が到来するまで(すなわち、ライブL1が終了するまで)、連続して視聴者データの生成及び送信を行う。なお、視聴者U2がライブL1の視聴を途中で中止した場合、視聴者データ処理部700は、視聴者データの生成及び送信を停止する。
【0065】
ここで、本実施形態に係る視聴者データ処理部700は、盛り上がりが所定条件を満たさない場合、当該視聴者データの送信を中止する。具体的に、判定部600により、ある所定期間における視聴者の盛り上がりが所定条件を満たさないと判定された場合、視聴者データ処理部700は、当該ある所定期間に続く一定期間において視聴者データのサーバ装置Sへの送信を中止する。
【0066】
たとえば、判定部600は、楽曲X1のカラオケ演奏開始後10秒間の期間P1における視聴者U2の盛り上がりが所定条件を満たさないと判定したとする。この場合、視聴者データ処理部700は、期間P1に続く期間P2において視聴者U2の視聴者データのサーバ装置Sへの送信を中止する。期間P2の経過後、判定部600は、期間P2に続く期間P3において、改めて視聴者U2の盛り上がりの判定を行う。
【0067】
==サーバ装置==
図5に示すように、サーバ装置Sは、記憶手段20、通信手段30、及び制御手段40を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0068】
[記憶手段・通信手段]
記憶手段20は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。通信手段30は、各カラオケ装置との通信を行うためのインターフェースを提供する。
【0069】
[制御手段]
制御手段40は、サーバ装置Sにおける各種の制御を行う。制御手段40は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0070】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段40は、予約管理部40a、ライブデータ生成部40b、及び配信処理部40cとして機能する。
【0071】
(予約管理部)
予約管理部40aは、ライブ配信及び視聴の予約の管理を行う。
【0072】
予約管理部40aは、一のカラオケ装置のライブ配信予約部100から送信された、カラオケ装置の装置識別子、配信識別子、及び当該配信識別子に対応する配信情報に基づいて、ライブ配信の予約を受け付ける。予約管理部40aは、受信した識別子等を記憶手段20に記憶させることでライブ配信の予約を管理する。
【0073】
一方、他のカラオケ装置のライブ視聴予約部400から、配信されるライブの閲覧の指示を受けた場合、予約管理部40aは、ライブ配信システム1において配信が予定されているライブの配信識別子及び配信情報を記憶手段20から読み出し、他のカラオケ装置に送信する。
【0074】
また、予約管理部40aは、他のカラオケ装置のライブ視聴予約部400から視聴者が選択したあるライブの配信識別子を受信した場合、記憶手段20に記憶されている当該あるライブに対して、当該他のカラオケ装置の装置識別子を紐付けることで視聴の管理を行う。
【0075】
上述の通り、ライブ配信予約部100が、カラオケ装置K1の装置識別子ID_K1、ライブL1の配信識別子ID_D1、及び配信情報D1を紐付け、通信手段10bを介してサーバ装置Sに送信したとする。また、カラオケ装置K2~カラオケ装置K5のライブ視聴予約部400は、それぞれ視聴者U2~視聴者U5が選択したライブL1の配信識別子ID_D1に対してカラオケ装置K2~カラオケ装置K5の装置識別子ID_K2~装置識別子ID_K5を紐付け、通信手段10bを介してサーバ装置Sに送信したとする。
【0076】
この場合、予約管理部40aは、図6に示すようなテーブルを作成し、記憶手段20に記憶させる。サーバ装置Sは、このテーブルを参照することで、カラオケ装置K1から送信される配信用データと、カラオケ装置K2~K5から送信される視聴者データとの紐付けを行うことができる。
【0077】
(ライブデータ生成部)
ライブデータ生成部40bは、一のカラオケ装置から受信した配信用データに基づいてライブデータを生成する。また、ライブデータ生成部40bは、他のカラオケ装置から視聴者データを受信した場合、配信用データに当該視聴者データを組み合わせたライブデータを生成する。
【0078】
たとえば、配信者U1が行うライブL1を、配信者U1、及び視聴者U2~視聴者U5の5名が視聴するとする。
【0079】
この場合、カラオケ装置K1の配信用データ処理部200は、サーバ装置Sに対し、配信情報D1に含まれる開始時刻の到来に伴ってライブL1に対応する配信用データの送信を行う。一方、カラオケ装置K2~カラオケ装置K5の視聴者データ処理部700は、サーバ装置Sに対し、それぞれライブL1を視聴する視聴者データの送信を行う。
【0080】
ライブデータ生成部40bは、配信用データに視聴者データを組み合わせたライブデータを生成する。
【0081】
ライブデータは、配信者の音声(挨拶の声、カラオケ歌唱の歌唱音声等)や視聴者の音声(声援、拍手等)に基づく音声データ、及び配信者の映像(カラオケ歌唱をする姿等)や視聴者の映像(手を叩く姿等)に基づく映像データを含む。
【0082】
ライブデータは、レイアウトデータを含んでもよい。レイアウトデータは、ライブデータに基づく映像をカラオケ装置で表示させる際のレイアウトを示すものである。レイアウトは、たとえば、図7に示すように上半分に配信者U1の映像M1を表示させ、下半分に視聴者U2~視聴者U5の映像M2~映像M5を表示させる。
【0083】
ここで、カラオケ装置K2の判定部600により期間P1における盛り上がりの判定を行った結果、視聴者U2の盛り上がりが所定条件を満たさないと判定されたとする。一方、期間P1における視聴者U3~視聴者U5の盛り上がりは所定条件を満たすと判定されたとする。この場合、カラオケ装置K2の視聴者データ処理部700は、期間P1に続く期間P2において視聴者U2の視聴者データの送信を中止する。
【0084】
よって、ライブデータ生成部40bは、期間P2に対応するライブデータとして、配信者U1の配信用データに視聴者U3~視聴者U5の視聴者データのみを組み合わせたライブデータを生成する。図8は、図7のレイアウトにおいて、上半分に配信者U1の映像M1を表示させ、下半分に視聴者U3~視聴者U5の映像M3~映像M5を表示させる例である。
【0085】
なお、盛り上がりが所定条件を満たさない場合には、他のカラオケ装置から視聴者データが送信されることはない。この場合、ライブデータ生成部40bは、配信用データに基づいてライブデータを生成する。
【0086】
また、図7のように4名の視聴者を表示させるレイアウトを採用する場合に、実際には5名以上の視聴者が視聴している場合もありうる。この場合、ライブデータ生成部40bは、4名の視聴者の映像を選択してライブデータを構成する。映像の選択は、ランダムに行う。
【0087】
(配信処理部)
配信処理部40cは、生成されたライブデータを一のカラオケ装置及び他のカラオケ装置に配信する。
【0088】
配信処理部40cは、生成されたライブデータを、装置識別子に基づいて各カラオケ装置に配信する。たとえば、図6に示すテーブルの例において、ライブL1には、ライブL1の配信を行うカラオケ装置K1を含むカラオケ装置K1~カラオケ装置K5の装置識別子ID_K1~ID_K5が紐付けられている。よって、配信処理部40cは、カラオケ装置K1~カラオケ装置K5にライブデータを配信する。
【0089】
カラオケ装置K1の配信者側設定部300は、ライブL1のライブデータに基づく映像を表示装置30の表示画面に表示させると共に、当該ライブデータに基づく音声をスピーカ20から放音させる。同様に、カラオケ装置K2~カラオケ装置K5の視聴者側設定部500は、ライブL1のライブデータに基づく映像を表示装置30の表示画面に表示させると共に、当該ライブデータに基づく音声をスピーカ20から放音させる。この場合、各カラオケ装置において、たとえば図7に示すようなレイアウトで映像が表示される。
【0090】
一方、上述の通り、ライブデータ生成部40bが、期間P2におけるライブデータとして、配信者U1の配信用データに視聴者U3~視聴者U5の視聴者データを組み合わせたライブデータを生成したとする。この場合、配信処理部40cは、このライブデータをカラオケ装置K1~カラオケ装置K5に送信する。すなわち、配信処理部40cは、視聴者データを送信しなかったカラオケ装置K2に対してもライブデータの送信を行う。この場合、各カラオケ装置において、たとえば図8に示すようなレイアウトで映像が表示される。
【0091】
==ライブ配信システムの動作について==
次に、図9及び図10を参照して本実施形態におけるライブ配信システム1の動作の具体例について述べる。図9は、ライブ配信システム1の基本的な動作例を示すフローチャートである。図10は、ライブ配信システム1の盛り上がり判定における動作例を示すフローチャートである。これらの例において、一のカラオケ装置は、ライブ配信を行う配信者が使用するカラオケ装置であり、他のカラオケ装置は、当該ライブを視聴する視聴者が使用するカラオケ装置である。
【0092】
[基本的な動作例]
ライブの配信の開始時刻が到来した場合、配信用データ処理部200は、一のカラオケ装置のマイク40により集音された配信者の音声と、一のカラオケ装置の撮影手段60により撮影された当該配信者の映像とに基づいて、配信用データを生成し、生成した配信用データのサーバ装置Sへの送信を開始する(配信用データの送信開始。ステップ10)。
【0093】
また、ライブの配信の開始時刻が到来した場合、視聴者データ処理部700は、他のカラオケ装置のマイク40により集音された視聴者の音声と、他のカラオケ装置の撮影手段60により撮影された当該視聴者の映像とに基づいて、視聴者データを生成し、生成した視聴者データのサーバ装置Sへの送信を開始する(視聴者データの送信開始。ステップ11)。
【0094】
サーバ装置Sのライブデータ生成部40bは、ステップ10で送信された配信用データに、ステップ11で送信された視聴者データを組み合わせたライブデータの生成を開始する(ライブデータの生成開始。ステップ12)。
【0095】
サーバ装置Sの配信処理部40cは、ステップ12で生成されたライブデータの一のカラオケ装置及び他のカラオケ装置への配信を開始する(ライブデータの配信開始。ステップ13)。
【0096】
配信者側設定部300は、ステップ13で配信されたライブデータに基づいて、配信者が音声及び映像を視聴可能となるように設定する。配信者は、一のカラオケ装置において、自身が行うライブの音声及び映像の視聴を開始する(音声及び映像の視聴開始。ステップ14)。
【0097】
同様に、視聴者側設定部500は、ステップ13で配信されたライブデータに基づいて、視聴者が音声及び映像を視聴可能となるように設定する。視聴者は、他のカラオケ装置において、配信されるライブの音声及び映像の視聴を開始する(音声及び映像の視聴開始。ステップ15)。
【0098】
ライブ配信システム1は、ライブの配信の終了時刻が到来するまで、配信用データのサーバ装置Sへの送信、生成した視聴者データのサーバ装置Sへの送信、ライブデータの生成、生成されたライブデータの一のカラオケ装置及び他のカラオケ装置への配信を繰り返し行う。配信者及び視聴者は、ライブの配信の終了時刻が到来するまで、カラオケ装置において配信されるライブの音声及び映像の視聴が可能となる。
【0099】
[盛り上がり判定における動作例]
ライブ配信の開始後、配信者が一のカラオケ装置のリモコン装置50を介して配信情報に含まれる楽曲のカラオケ演奏の開始を指示したとする。この場合、配信用データ処理部200は、サーバ装置Sに演奏開始信号を送信することで、カラオケ演奏の開始を通知する(カラオケ演奏の開始を通知。ステップ20)。
【0100】
サーバ装置Sは、ステップ20における演奏開始信号の受信に伴い、通知を他のカラオケ装置に転送する(通知の転送。ステップ21)。
【0101】
配信者は、楽曲のカラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。配信用データ処理部200は、マイク40により集音された配信者の歌唱音声及び楽曲のカラオケ演奏音に対応する音声信号と、撮影手段60により撮影された、配信者の映像に対応する映像信号とを合成し、配信用データを生成する。配信用データ処理部200は、生成した配信用データのサーバ装置Sへの送信を開始する(配信用データの送信開始。ステップ22)。
【0102】
ステップ21の通知を受けたのち、判定部600は、他のカラオケ装置のマイク40により集音された視聴者の音声、及び/または他のカラオケ装置の撮影手段60により撮影された当該視聴者の映像に基づいて当該視聴者の盛り上がりが所定条件を満たすかどうかを判定する。
【0103】
盛り上がりが所定条件を満たす場合(ステップ23でYの場合)、視聴者データ処理部700は、視聴者の音声及び視聴者の映像に基づく視聴者データを生成し、生成した視聴者データのサーバ装置Sへの送信を開始する(視聴者データの送信開始。ステップ24)。
【0104】
一方、盛り上がりが所定条件を満たさない場合(ステップ23でNの場合)、視聴者データ処理部700は、視聴者データのサーバ装置Sへの送信を中止する(視聴者データの送信中止。ステップ25)。
【0105】
サーバ装置Sのライブデータ生成部40bは、ステップ21で送信された配信用データに、ステップ24で送信された視聴者データを組み合わせたライブデータの生成を開始する(ライブデータの生成開始。ステップ26)。なお、盛り上がりが所定条件を満たさない場合、視聴者データの送信が中止される。この場合、ライブデータ生成部40bは、ステップ21で送信された配信用データのみに基づいてライブデータを生成する。
【0106】
サーバ装置Sの配信処理部40cは、ステップ26で生成されたライブデータを一のカラオケ装置及び他のカラオケ装置への配信を開始する(ライブデータの配信開始。ステップ27)。
【0107】
配信者側設定部300は、ステップ27で配信されたライブデータに基づいて、配信者が音声及び映像を視聴可能となるように設定する。配信者は、一のカラオケ装置において、自身が行うライブの音声及び映像の視聴を開始する(音声及び映像の視聴開始。ステップ28)。
【0108】
同様に、視聴者側設定部500は、ステップ27で配信されたライブデータに基づいて、視聴者が音声及び映像を視聴可能となるように設定する。視聴者は、他のカラオケ装置において、配信されるライブの音声及び映像の視聴を開始する(音声及び映像の視聴開始。ステップ29)。
【0109】
ライブ配信システム1は、一の楽曲のカラオケ演奏が終了するまで、配信用データのサーバ装置Sへの送信、盛り上がりが所定条件を満たすかどうかの判定、生成した視聴者データのサーバ装置Sへの送信または送信中止、ライブデータの生成、生成されたライブデータの一のカラオケ装置及び他のカラオケ装置への配信を繰り返し行う。
【0110】
以上から明らかなように、本実施形態に係るライブ配信システム1は、カラオケ装置K1~カラオケ装置Knとサーバ装置Sとが通信可能に接続されている。カラオケ装置K1は、カラオケ装置Kのマイク40により集音された、カラオケ歌唱のライブ配信を希望する配信者U1の音声と、カラオケ装置K1の撮影手段60により撮影された、配信者U1の映像とに基づいて、配信用データを生成し、生成した配信用データをサーバ装置Sに送信する配信用データ処理部200と、サーバ装置Sから配信されたライブデータに基づいて、配信者U1が音声及び映像を視聴可能となるように設定する配信者側設定部300と、を有する。カラオケ装置K2~カラオケ装置Knは、サーバ装置Sから配信されたライブデータに基づいて、視聴者が音声及び映像を視聴可能となるように設定する視聴者側設定部500と、カラオケ装置K2~カラオケ装置Knのマイク40により集音された、視聴者の音声、及び/またはカラオケ装置K2~カラオケ装置Knの撮影手段60により撮影された当該視聴者の映像に基づいて、当該視聴者の盛り上がりが所定条件を満たすかどうかを判定する判定部600と、視聴者の音声及び視聴者の映像に基づく視聴者データを生成し、生成した視聴者データをサーバ装置Sに送信する視聴者データ処理部700であって、盛り上がりが所定条件を満たさない場合、当該視聴者データのサーバ装置Sへの送信を中止する視聴者データ処理部700と、を有する。サーバ装置Sは、カラオケ装置K1から受信した配信用データに基づいてライブデータを生成するライブデータ生成部40bであって、カラオケ装置K2~カラオケ装置Knから視聴者データを受信した場合、配信用データに当該視聴者データを組み合わせたライブデータを生成するライブデータ生成部40bと、生成されたライブデータをカラオケ装置K1、及びカラオケ装置k2~カラオケ装置Knに配信する配信処理部40cと、を有する。
【0111】
このようなライブ配信システム1によれば、ライブ配信を行う配信者の音声及び映像と併せて視聴者の音声及び映像を視聴することができる。よって、配信者にとっては、実際に視聴者の前でカラオケ歌唱を行っているかのような臨場感を得ることができる。また、視聴者にとっても、カラオケ歌唱を実際に視聴しているかのような臨場感を得ることができる。更に、本実施形態に係るライブ配信システム1によれば、盛り上がっている視聴者の音声及び映像のみを配信者の音声及び映像と組み合わせることにより、配信者及び視聴者に対してライブ配信における一体感を提供できる。すなわち、本実施形態に係るライブ配信システム1によれば、カラオケ装置を利用してライブ配信を行う際、配信者の音声及び映像と、視聴者の音声及び映像とを組み合わせて配信することができる。
【0112】
また、本実施形態に係るライブ配信システム1における、判定部600は、所定期間毎に視聴者の盛り上がりを判定し、視聴者データ処理部700は、ある所定期間における視聴者の盛り上がりが所定条件を満たさないと判定された場合、当該ある所定期間に続く一定期間において視聴者データのサーバ装置Sへの送信を中止する。このようなライブ配信システム1によれば、盛り上がりの状況をライブ配信により的確に反映させることができる。
【0113】
また、本実施形態に係るライブ配信システム1における判定部600は、視聴者の音声から検出した特定周波数帯の音圧レベル、及び/または視聴者の映像から検出した当該視聴者の動きに基づいて、当該視聴者の盛り上がりを判定することができる。このようなライブ配信システム1によれば、盛り上がりの判定をより正確に行うことができる。
【0114】
<変形例>
上記実施形態において、判定部600は、盛り上がりを判定する際、配信者の履歴情報と視聴者の履歴情報との一致度に基づいて重み付けを行ってもよい。
【0115】
==サーバ装置==
図11に示すように、本変形例に係るサーバ装置Sは、記憶手段20、通信手段30、及び制御手段40を備える。本変形例においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段40は、予約管理部40a、ライブデータ生成部40b、配信処理部40c、取得部40d、及び算出部40eとして機能する。
【0116】
(取得部)
取得部40dは、履歴情報を配信者及び視聴者それぞれについて取得する。
【0117】
履歴情報は、配信者または視聴者の、属性、及び歌唱履歴の少なくとも一つを含む。属性は、配信者または視聴者の出身地、年齢、性別、好みの音楽ジャンル等である。歌唱履歴は、配信者または視聴者が過去に行ったカラオケ歌唱の楽曲名、歌手名、採点結果等である。サーバ装置Sの記憶手段20は、個人IDのような、配信者または視聴者の個人を識別するための専用の識別子と、履歴情報を紐付けて記憶している。
【0118】
配信者及び視聴者は、カラオケ装置を利用する際、リモコン装置50を介して個人IDの入力を行う。カラオケ装置は、入力された個人IDをサーバ装置Sに送信する。取得部40dは、受信した配信者及び視聴者の個人IDに対応する履歴情報を記憶手段20から読み出すことで、履歴情報の取得を行う。
【0119】
(算出部)
算出部40eは、取得した配信者の履歴情報と視聴者の履歴情報との一致度に基づいて、盛り上がりを判定する際の重み付け値を求める。
【0120】
重み付け値の求め方は様々な方法で行うことができる。たとえば、履歴情報が採点結果や年齢のような数値である場合、算出部40eは、当該数値の差分を求め、予め設定してあるテーブルを参照することで重み付け値を求めることができる。
【0121】
たとえば図12に示す重み付け値のテーブルが記憶手段20に記憶されているとする。ここで、取得部40dが、履歴情報として配信者U1の年齢(30歳)、及び視聴者U2の年齢(28歳)を取得したとする。算出部40eは、配信者U1の年齢と視聴者U2の年齢の差分(2歳)を求め、図12に示す重み付け値のテーブルを参照することで、重み付け値として「1.2」を求める。算出部40eは、求めた重み付け値を視聴者U2が使用しているカラオケ装置K2に送信する。
【0122】
==他のカラオケ装置==
本変形例において、他のカラオケ装置の判定部600は、重み付け値に基づいて、盛り上がりを判定する。
【0123】
たとえば、カラオケ装置K2に対し、算出部40eから重み付け値「1.2」が送信されたとする。この場合、判定部600は、マイク40で集音された視聴者U2の音声から、特定周波数帯域の音声に相当する周波数帯域を抽出し、所定期間における平均音圧レベルを検出する。そして、判定部600は、検出した平均音圧レベルに重み付け値を乗算した補正レベルを求め、当該補正レベルが所定の音圧レベル以上であるかどうかを判定する。
【0124】
このように、本変形例に係るサーバ装置Sは、配信者または視聴者の、属性、及び歌唱履歴の少なくとも一つを含む履歴情報を、配信者及び視聴者それぞれについて取得する取得部40dと、取得した配信者の履歴情報と視聴者の履歴情報との一致度に基づいて、盛り上がりを判定する際の重み付け値を求める算出部40eと、を有する。また、判定部600は、重み付け値に基づいて、盛り上がりを判定する。
【0125】
履歴情報が類似する配信者と視聴者は、世代が近かったり、趣味趣向が似ている可能性が高い。このような場合、視聴者が盛り上がる可能が高い。そこで、履歴情報の一致度に基づいて重み付けを行うことにより、視聴者の盛り上がりをより的確に判定することができる。
【0126】
<その他>
上記実施形態では、一のカラオケ装置を一の視聴者が使用している例について説明した。一方、一のカラオケ装置を複数の視聴者で使用する場合もありうる。この場合、判定部600は、複数の視聴者全員の一体感により盛り上がりを判定してもよい。たとえば、判定部600は、視聴者の映像を解析し、楽曲のテンポと一致するテンポで動作している視聴者の数を検出することにより盛り上がりを判定してもよい。この場合、判定部600は、検出された視聴者の数が所定数以上の場合、盛り上がっていると判定することができる。
【0127】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0128】
40a 予約管理部
40b ライブデータ生成部
40c 配信処理部
100 ライブ配信予約部
200 配信用データ処理部
300 配信者側設定部
400 ライブ視聴予約部
500 視聴者側設定部
600 判定部
700 視聴者データ処理部
K1~Kn カラオケ装置
S サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12