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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】眼鏡型画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20240403BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20240403BHJP
   G03H 1/26 20060101ALI20240403BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/18
G03H1/26
H04N5/64 511A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020215329
(22)【出願日】2020-12-24
(65)【公開番号】P2022101004
(43)【公開日】2022-07-06
【審査請求日】2023-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】中西 美木子
(72)【発明者】
【氏名】森永 康夫
(72)【発明者】
【氏名】岩村 幹生
【審査官】岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-350129(JP,A)
【文献】特開2004-4434(JP,A)
【文献】特開2017-58400(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/012563(US,A1)
【文献】国際公開第2020/203285(WO,A1)
【文献】特表2018-518709(JP,A)
【文献】特表2011-508911(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0018485(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01-27/02
G02B 5/18,5/30,5/32
G03H 1/26
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報を含む光である画像光を眼鏡のレンズ面に向けて出射する画像出力部、を含む眼鏡型画像表示装置であって、
前記眼鏡のレンズを形成するレンズ基板に設けられた光学系素子であって、
前記画像光が、前記レンズ基板内を伝搬する平行光となるように、前記画像光の進行方向を曲げる方向変換機能部と、
前記画像光を1つ又は複数の光に変換する1つ以上の位相変換機能部であって、変換後の光の位相が、前記光学系素子における同じ位置で形成される他の光を総合した光の位相と直交する関係を持つ前記光に変換する当該位相変換機能部と、
前記レンズ基板内を伝搬してきた平行光の位相に応じて、前記眼鏡型画像表示装置を装着したユーザの瞳孔内に複数の光が入射するように、前記平行光を前記ユーザの眼の方向に収束させる収束機能部と、
を有する当該光学系素子、
を備える眼鏡型画像表示装置。
【請求項2】
前記光学系素子は、
前記方向変換機能部、前記位相変換機能部、および、前記収束機能部、のうち2つ以上が、前記光学系素子における同じ場所に形成される、
請求項1に記載の眼鏡型画像表示装置。
【請求項3】
前記光学系素子は、
前記方向変換機能部に係る方向変換機能として、前記レンズ基板に入射した前記画像光が、前記レンズ基板内を伝搬する平行光となるように、前記画像光の進行方向を曲げる機能、
前記1つ以上の位相変換機能部に係る位相変換機能として、前記方向変換機能により平行光とされた前記画像光を1つ又は複数の光に変換する機能であって、変換後の光の位相が、前記光学系素子における同じ位置で形成される他の光を総合した光の位相と直交する関係を持つ前記光に変換する機能、および、
前記収束機能部に係る収束機能として、前記位相変換機能による変換で得られた複数の光を、各光の位相に応じて、前記眼の方向に収束させる機能、
を有する請求項1又は2に記載の眼鏡型画像表示装置。
【請求項4】
前記光学系素子は、
前記画像光が前記レンズ基板に入射する位置に、前記方向変換機能部および前記位相変換機能部が形成され、当該位置にて方向変換機能と位相変換機能の両方を実行する、
請求項1又は2に記載の眼鏡型画像表示装置。
【請求項5】
前記光学系素子は、
さらに、前記レンズ基板内を伝搬する前記画像光の少なくとも1つの反射位置に、前記方向変換機能部および前記位相変換機能部が形成され、当該反射位置にて方向変換機能と位相変換機能の両方を実行する、
請求項4に記載の眼鏡型画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スマートグラスとも呼称される眼鏡型画像表示装置に関する。なお、本明細書における「画像」には、静止画像および動画像が含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
従来、眼鏡のレンズ面に画像を表示する眼鏡型画像表示装置が知られている。この眼鏡型画像表示装置に係る技術分野では、ユーザが眼鏡型画像表示装置を装着した場合に眼を動かして画像が見える範囲は「Eyebox(アイボックス)」と呼ばれ、ユーザが安定的に画像を視認する上で、Eyeboxを拡大することは欠かせない。例えば下記の特許文献1には、眼鏡型画像表示装置においてEyeboxの拡大と視野角拡大を行うために、ディスプレイ画像の光(以下「画像光」という)を透過ホログラムで複製し、複製された光を反射ホログラムで目の方向に反射させる方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許公開公報2020/0174255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の手法でEyeboxを拡大させるには、例えば図14に示す眼鏡のレンズ基板90の内部を伝搬する光91の伝搬角度を、レンズ面に垂直な方向から大きく傾ける(即ち、図14の角度αをより小さくする)必要があるが、実装上、伝搬角度を傾けるには限度があり、Eyeboxの拡大には限界があった。また、眼鏡のレンズ基板90へ入射させる画像光92の振り角βが狭くなり、高解像度の画像を表示させることは困難であり、表示される画像が台形に歪むおそれがあった。
【0005】
本開示は、上記の課題を解決するために成されたものであり、Eyebox拡張のためにレンズ基板内を伝搬する光の伝搬角度を傾ける必要性およびレンズ基板に入射させる画像光の振り角を狭くする必要性を無くして、Eyeboxを拡張することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る眼鏡型画像表示装置は、画像情報を含む光である画像光を眼鏡のレンズ面に向けて出射する画像出力部、を含む眼鏡型画像表示装置であって、前記眼鏡のレンズを形成するレンズ基板に設けられた光学系素子であって、前記画像光が、前記レンズ基板内を伝搬する平行光となるように、前記画像光の進行方向を曲げる方向変換機能部と、前記画像光を1つ又は複数の光に変換する1つ以上の位相変換機能部であって、変換後の光の位相が、前記光学系素子における同じ位置で形成される他の光を総合した光の位相と直交する関係を持つ前記光に変換する当該位相変換機能部と、前記レンズ基板内を伝搬してきた平行光の位相に応じて、前記眼鏡型画像表示装置を装着したユーザの瞳孔内に複数の光が入射するように、前記平行光を前記ユーザの眼の方向に収束させる収束機能部とを有する当該光学系素子、を備える。
【0007】
上記の眼鏡型画像表示装置では、例えば、方向変換機能部によって、レンズ基板に入射した画像光が、レンズ基板内を伝搬する平行光となるように、画像光の進行方向を曲げ、1つ以上の位相変換機能部によって、方向変換機能部により平行光とされた画像光を1つ又は複数の光に変換する。この変換では、変換後の光の位相が、光学系素子における同じ位置で形成される他の光を総合した光の位相と直交する関係を持つ光に変換される。そして、収束機能部によって、レンズ基板内を伝搬してきた平行光の位相に応じて、ユーザの瞳孔内に複数の光が入射するように、平行光をユーザの眼の方向に収束させる。上記の「1つ以上の位相変換機能部」は、例えば、画像光を1つの位相の光に変換するホログラムを複数含んでもよいし、画像光を、位相が互いに異なる複数の光に変換する1つ又は複数のホログラムを含んでもよい。上記のように平行光とされた画像光を、上記のような関係を持つ複数の光に変換することで、従来のように光の伝搬角度を変化させなくても、互いに干渉し合わない複数の光に分離することができ、Eyebox拡張のためにレンズ基板内を伝搬する光の伝搬角度を傾ける必要性およびレンズ基板に入射させる画像光の振り角を狭くする必要性を無くしつつ、ユーザの瞳孔内に、より多くの光を入射させることで、Eyeboxを拡張することができる。なお、上記では、方向変換機能部により平行光とされた画像光を、1つ以上の位相変換機能部によって、全体として、上記のような関係を持つ複数の光に変換する例を挙げたが、例えば、「方向変換機能部」および「位相変換機能部」を光学系素子における同じ箇所に形成することで、方向変換機能と位相変換機能を同時に実行してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、Eyebox拡張のためにレンズ基板内を伝搬する光の伝搬角度を傾ける必要性およびレンズ基板に入射させる画像光の振り角を狭くする必要性を無くして、Eyeboxを拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】眼鏡型画像表示装置の構成例を模式的に示す図である。
図2】画像出力部の機能ブロック構成図である。
図3】ホログラムの方向変換機能を説明するための図である。
図4】(a)は露光時の参照光と物体光を示す図であり、(b)は再生時における第1パターンの再生光(参照光と同じ位相の再生光)と物体光を示す図であり、(c)は再生時に第2パターンの再生光(参照光の位相と直交する位相の再生光)に対し物体光が再生されないことを示す図である。
図5】(a)は露光時に同じ場所に、互いに直交する位相の参照光X、Yでホログラムを重ねて形成する例を示す図であり、(b)は再生時における第1パターンの再生光(参照光Xと同じ位相の再生光)と物体光を示す図であり、(c)は再生時における第2パターンの再生光(参照光Yと同じ位相の再生光)と物体光を示す図である。
図6】(a)はホログラムの位相変換機能を説明するための図であり、(b)はホログラムの収束機能を説明するための図である。
図7】(a)は第1の態様に係るホログラムにおいて収束機能と位相変換機能を同時に実行する態様を説明するための図であり、(b)は(a)よりも多重度を上げて、収束機能と位相変換機能を同時に実行する態様を説明するための図である。
図8】平行光の伝搬角度に関する制約を説明するための図である。
図9】ホログラムの作成(露光)を説明するための図である。
図10】露光後のホログラムの構成を説明するための図である。
図11】第2の態様に係るホログラムの方向変換機能および位相変換機能を説明するための図である。
図12】第3の態様に係るホログラムの方向変換機能および位相変換機能を説明するための図である。
図13】制御部のハードウェア構成例を示す図である。
図14】従来技術における課題を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本開示に係る実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、本開示に係る眼鏡型画像表示装置1の構成例を模式的に示す図である。眼鏡型画像表示装置1は、眼鏡のレンズ面に画像(静止画像および動画像)を表示することにより、眼鏡を装着したユーザ(以下、単に「ユーザ」と記載)に画像を視認させる表示装置である。眼鏡型画像表示装置1は、眼鏡のテンプル52に組み付けられた後述する画像出力部10からレンズ面にほぼ垂直に画像光を入射させ、レンズ基板内を伝搬した画像光をユーザの瞳孔に入射させることにより、ユーザに画像を視認させる。なお、画像出力部10においてディスプレイ表示に用いられる照明光としては、レーザ光を用いてもよい。
【0012】
眼鏡型画像表示装置1は、眼鏡の基本構成を具備しており、図1に示すように、両眼に対応する一対のレンズ50、両眼のレンズ50を保持するフレーム間を架け渡すブリッジ51、および、両眼のレンズ50を保持するフレームに連続すると共にユーザの側頭部に固定される一対のテンプル52等の構成を備えている。レンズ50は、入射した(投影された)画像光の少なくとも一部をユーザの瞳孔に向けて反射する。レンズ50の入射面において反射した画像光は、瞳孔から見て虚像として像を形成する。これにより、ユーザに画像を視認させることができる。なお、眼鏡型画像表示装置1は、テンプル52におけるユーザの耳に対応した位置に、画像に応じた音声を出力するスピーカー(不図示)を有してもよい。
【0013】
眼鏡型画像表示装置1は、画像出力部10を備えており、画像出力部10は、コンテンツ蓄積部10Aと光出力部10Bと制御部10Cとを有する。なお、眼鏡型画像表示装置1は、画像出力部10を、片方の眼のみに対応して有してもよいし、両眼それぞれに対応して有してもよい。後者の場合、両眼それぞれに対応する構成は同様の機能を有するため、以下の説明においては片方の眼に対応した構成を説明する。また、画像出力部10は、レンズ50から近い位置に、例えばレンズ50との間隔が1cm以下となるように設置されてもよい。
【0014】
コンテンツ蓄積部10Aは、ユーザに視認させるコンテンツを蓄積する構成であり、ユーザに視認させるコンテンツとは、本実施形態ではレンズ50に投影される画像である。
【0015】
光出力部10Bは、画像情報を含む光である画像光を出力する構成であり、有線または無線接続によりコンテンツ蓄積部10Aから画像情報を取得し、取得した画像情報に関する画像光を出射する。光出力部10Bは、例えば、光源およびディスプレイを含んだMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スキャンディスプレイにより構成され、光源から出射された照射光をディスプレイにおいて反射させて、画像情報を含む画像光として出力する構成とされている。
【0016】
制御部10Cは、各種の制御を行う回路である。制御部10Cのハードウェア構成例については後述する。制御部10Cは、例えば、光出力部10Bによって、コンテンツ蓄積部10Aからの画像の取得および画像光の出射が行われるように、光出力部10Bに所定の制御信号を出力する。
【0017】
なお、図1には、画像出力部10全体がテンプル52に組み付けられた構成を示したが、図2の画像出力部10の各構成部のうち、光出力部10Bは図1のようにテンプル52に組み付けられる必要があるが、コンテンツ蓄積部10Aおよび制御部10Cは、テンプル52に組み付けられてもよいし、テンプル52から離れた位置に配置されてもよい。
【0018】
[眼鏡型画像表示装置1の特徴について]
図3に示すように、眼鏡型画像表示装置1では、レンズ50は、レンズ基板21と、レンズ基板21の表面(ユーザからみて外側の面(図3における上側の面))に設けられた光学系素子としての反射ホログラム20とを有する。なお、反射ホログラム20は、その厚みが、多重する回数に応じて適切なものが設けられる。以下に説明するが、反射ホログラム20は、画像光がレンズ基板21の内部を伝搬する平行光となるように、画像光の進行方向を曲げる方向変換機能部と、画像光を1つ又は複数の光に変換する1つ以上の位相変換機能部であって、変換後の光の位相が、同じ位置で形成される他の光を総合した光の位相と直交する関係を持つ光に変換する位相変換機能部と、レンズ基板21の内部を伝搬してきた平行光の位相に応じて、ユーザの瞳孔内に複数の光が入射するように、平行光をユーザの眼の方向に収束させる収束機能部と、を有し、これら方向変換機能部、位相変換機能部、および、収束機能部、のうち2つ以上が、露光によって、反射ホログラム20における同じ場所に形成されている。
【0019】
ここで、複数の参照光のうち一の光の位相が、当該一の光を除く他の光を総合した光の位相と直交する関係を持つ複数の参照光を用いて、反射ホログラム20における同じ場所にホログラムを重ねて形成すること(いわゆる位相多重)の意義について概説する。反射ホログラム20について、図4(a)に示す参照光と物体光を用いて露光した場合、再生時には図4(b)に示すように、参照光と同じ位相の再生光を反射ホログラム20に、露光時と同じ角度から入射させると、露光時と同じ角度で反射する物体光が再生される。一方、再生時に図4(c)に示すように、参照光の位相と直交する位相の再生光を上記の反射ホログラム20に、露光時と同じ角度から入射させても、物体光は再生されない。
【0020】
上記性質を利用して、反射ホログラム20について、図5(a)に実線で示す参照光Xと物体光Xを用いて露光するとともに、反射ホログラム20における同じ場所に、図5(a)に破線で示す参照光Yと物体光Yを用いて露光する。ここで、参照光XとYは、反射ホログラム20への入射角度が同じであるが、位相が互いに直交する参照光とし、物体光XとYの反射角度は異なるとする。このような露光を施した反射ホログラム20に対し、再生時には図5(b)に示すように、参照光Xと同じ位相の再生光を、露光時と同じ角度から入射させると、露光時と同じ角度で反射する物体光Xが再生される。同じく、上記反射ホログラム20に対し、再生時には図5(c)に示すように、参照光Yと同じ位相の再生光を、露光時と同じ角度から入射させると、露光時と同じ角度で反射する物体光Yが再生される。このように、再生時に、露光時の参照光の位相と直交する位相の再生光を反射ホログラム20に、露光時と同じ角度から入射させても、物体光の再生には影響を与えない。なお、上述した参照光の位相および物体光の位相は、例えば、空間光位相変調器(Spatial Light Modulator(以下「SLM」と称する))などを用いて変換すればよい。
【0021】
以下、反射ホログラム20における前述した「方向変換機能部」、「位相変換機能部」、および「収束機能部」に関するさまざまな態様を説明する。
【0022】
(第1の態様)
第1の態様として、画像出力部10からの画像光の入射位置にて方向変換(平行光への曲げ)を行い、その後、レンズ基板21の内部の反射位置で位相変換(一の光の位相が、当該一の光を除く他の光を総合した光の位相と直交する関係を持つ複数の光への変換)および収束(ユーザの眼の方向への平行光の収束)を行う態様を説明する。
【0023】
図3に示す反射ホログラム20は、画像出力部10からの画像光の入射位置に形成された方向変換機能部20Aを有し、方向変換機能部20Aによって、画像光がレンズ基板21の内部を伝搬する平行光となるように、画像光の進行方向を曲げる。具体的には、方向変換機能部20Aは、画像出力部10からの画像光11の進行方向を曲げて光11Aとし、画像光12の進行方向を曲げて、上記光11Aと平行な光12Aとする。これらの光11A、12Aは、レンズ基板21と空気との境界で反射し、互いに平行な平行光11B、12Bとして反射ホログラム20へ戻ってくる。また、レンズ基板21の屈折率と反射ホログラム20の屈折率とを一致させることが望ましい。屈折率を一致させないと、レンズ基板21と反射ホログラム20の境界面で光の反射が起こる可能性があるからである。上記のような光の反射は、レンズ基板21と空気の屈折率の差異、又は、レンズ基板21と反射ホログラム20の屈折率の差異に起因して起こる。
【0024】
図6(a)、(b)には、反射ホログラム20における同じ場所に、位相変換機能部20Bと収束機能部20Cが形成された例を示す。なお、ここでは、説明を簡単にするために、後述する図7(a)、(b)の位相変換機能部20Dおよび収束機能部20E、20Fが形成されていないことを前提に説明する。図6(a)に示すように反射ホログラム20は、レンズ基板21の内部を伝搬する平行光が、レンズ基板21と空気との境界で反射して戻ってくる位置に形成された位相変換機能部20Bを有し、位相変換機能部20Bは、位相変換機能部20Bによる位相変換後の光の位相が、位相変換機能部20Bと同じ位置に形成された他のホログラム機能の総合による位相変換後の光の位相と直交する関係を持つ光に変換する。具体的には、図6(a)、(b)に示す位相変換機能部20Bと同じ位置に形成された他のホログラム機能が位相変換機能を有しない(即ち、位相変換しない)と仮定すると、位相変換機能部20Bは、実線で示す同じ位相の平行光11B、12Bにおいて、平行光11Bを、位相が平行光11Bと直交する点線で示す光11Cに変換するとともに、平行光12Bを、位相が平行光12Bと直交する点線で示す光12Cに変換する。
【0025】
また、図6(b)に示すように反射ホログラム20は、上記の位相変換機能部20Bと同じ場所に形成された収束機能部20Cを有し、収束機能部20Cによって、平行光の位相に応じて、ユーザの瞳孔内に複数の光が入射するように、平行光をユーザの眼の方向に収束させる。具体的には、図6(b)に示す実線で示す同じ位相の平行光11B、12Bについて、収束機能部20Cは、当該位相の平行光についてはユーザの眼の方向に収束させると予め露光により設定されており、そのため、収束機能部20Cは、平行光11Bを、ユーザの眼Eの方向に収束する収束光11Dとし、平行光12Bを、ユーザの眼Eの方向に収束する収束光12Dとする。
【0026】
なお、図6(a)、(b)では、説明の便宜上、反射ホログラム20に形成された位相変換機能部20B、収束機能部20Cを、反射ホログラム20上に形成されたシートとして模式的に図示したが、実際には、このようなシートは存在せず、位相変換機能部20B、収束機能部20Cは、露光により反射ホログラム20に記録されたホログラフィーによる干渉縞であることは言うまでもない。この点は、後述する図7(a)、(b)、図8図10についても同様である。なお、本開示では、「方向変換機能部」、「位相変換機能部」、「収束機能部」のうち2つ以上を反射ホログラム20における同じ箇所に形成することは必須要件ではないものの、図6(a)、(b)のように同じ箇所に形成することで、例えば、画像光を眼鏡のレンズ面にほぼ垂直に入射させる設計が可能となり、設計寸法などの面で余裕を持った実装が実現できる。
【0027】
図7(a)には、反射ホログラム20が、位相変換機能部20Dと同じ場所に形成された収束機能部20Eを有する例を示す。即ち、図7(a)に点線で示す同じ位相の平行光11E、12Eについて、収束機能部20Eは、当該位相の平行光についてはユーザの眼の方向に収束させると予め露光により設定されており、そのため、収束機能部20Eは、平行光11Eを、ユーザの眼の方向に収束する収束光11Fとし、平行光12Eを、ユーザの眼の方向に収束する収束光12Fとする。さらに、位相変換機能部20Dは、露光時に、位相変換機能部20Dの位相が、位相変換機能部20Dと同じ位置に形成された他のホログラム機能の総合の位相と直交するように、露光で用いる参照光の位相を設定する。再生時には、当該位相変換機能部20Dに、上記露光時に設定した位相の光が入射するように、位相変換機能部20Dに対し光進行方向上流側の位相変換機能部20Bによって位相変換を行う。なお、位相変換機能部20Dと同じ位置に形成された他のホログラム機能は、位相変換機能部20Dの場所によって変わる(即ち、均一ではない)。そのため、位相変換機能部20Dは、全体として均一な位相変換機能を有するわけではなく、位置が重なった他のホログラム機能の総合による位相変換機能に応じて、保持すべき位相変換機能が変化する。
【0028】
図7(b)には、反射ホログラム20がさらに収束機能部20Fを有する例を示す。即ち、図7(b)に一点鎖線で示す、ある位相の平行光11H、12Hについて、収束機能部20Fは、当該位相の平行光についてはユーザの眼の方向に収束させると予め露光により設定されており、そのため、収束機能部20Fは、平行光11Hを、ユーザの眼の方向に収束する収束光11Jとし、平行光12Hを、ユーザの眼の方向に収束する収束光12Jとする。また、図7(b)における位相変換機能部20Dは、位相変換機能部20Bおよび収束機能部20Fと重なった部分を有する。このように位相変換機能部20Dにおける「重なった部分」を露光する際には、当該位相変換機能部20Dにおける「重なった部分」の位相と、位相変換機能部20Bおよび収束機能部20Fを重ねた際の位相とが直交するように、露光で用いる参照光の位相を設定する。再生時には、当該位相変換機能部20Dにおける「重なった部分」に、上記露光時に設定した位相の光が入射するように、位相変換機能部20Dに対し光進行方向上流側の位相変換機能部20Bによって位相変換を行う。なお、図6(a)、図6(b)、図7(a)および図7(b)において、各機能部が上下方向に重なった箇所には、当該機能部が重なって形成されていることは言うまでもない。
【0029】
実際の構成では、図8に示すレンズ基板21の内部を伝搬する平行光同士の間隔Wは、ユーザの瞳の直径(1mm~2mm)以下が望ましいとされている。そのため、図8に示す光12Bの進行方向とレンズ面法線方向との成す角度をΦ、光12Cの進行方向とレンズ面法線方向との成す角度をθ、レンズ基板21の厚みをtとすると、上記の角度θは、以下の式(1)を満たすように設定される。
1mm~2mm≧tanΦ×t+tanθ×t ・・・(1)
【0030】
(反射ホログラム20の作成(露光)について)
ここで、反射ホログラム20の作成(露光)について概説する。例えば図9に示すように、レンズ32を介して形成される破線で示す波面(物体光)45と、実線で示す波面(参照光)41とによってホログラムを露光することで反射ホログラム20が作成される。本実施形態では、図5(a)で説明したように互いに直交する位相の参照光で同じ場所にホログラムを重ねて形成するが、その手法を概説する。
【0031】
図9に示すように、参照光41は、レーザ光40を偏光ビームスプリッタ(Polarizing Beam Splitter(以下「PBS」という))30に照射し、PBS30によってSLM31へ向けて反射した光の、SLM31からの反射光によって形成される。ここでSLM31は、多重露光した際、収束光に反応するホログラムの位相とそれ以外の重なったホログラムの位相の総合とが直交するように設定された複数の領域(例えば領域A~D)に分割され、SLM31における領域A~DのそれぞれにおいてPBS30からの光の位相を変調して、位相変調後の光を反射ホログラム20へ向けて反射する。このSLM31からの反射光、即ち、領域A~Dにおける位相変調後の光(位相が互いに直交する光)が、参照光41となる。なお、領域A~Dにおける位相変調後の光の位相は、全て異なる位相であることに限定されるものではない。また、SLM31は、小さい画素が並べられた構成であるため、例えば、領域Aに複数の画素が含まれており、領域Aにおける全ての画素が同じ位相であってもよいし、異なる位相の画素が含まれていてもよい。
【0032】
上記のようにSLM31の領域A~Dによる位相変調後の光を参照光とする露光を行った後、例えば、SLM31およびPBS30を矢印P方向へ1つの領域分だけスライドさせて、再度、SLM31の領域A~Dによる位相変調後の光を参照光とする露光を行う。その後も、上記のスライドと露光を繰り返す。これにより、図10に示すように、露光された反射ホログラム20は、複数のホログラムが重なった構成となる。例えば、反射ホログラム20における領域Qは、SLM31の領域Aによる位相変調後の光を参照光とする露光が実行された領域a、SLM31の領域Bによる位相変調後の光を参照光とする露光が実行された領域b、および、SLM31の領域Cによる位相変調後の光を参照光とする露光が実行された領域cが、重なった領域となる。図10に示すホログラム20Xの領域bで、実線で示す平行光の位相が、互いに直交する破線で示す平行光の位相に変調される。即ち、領域bのホログラムの位相と、領域aおよびcのホログラムを重ねた際の総合的な位相とが直交するように、領域bのホログラムで位相を変換する。即ち、位相変調後の破線で示す平行光が領域Qに入射したとき、当該入射した光が、領域Qにおける領域cのホログラムにも、領域aのホログラムにも反応せずに、領域bのホログラムにのみ反応するように、反射ホログラム20を作成(露光)する。以上のような露光により、前述した位相多重を実現する。なお、図8に示す平行光同士の間隔Wを1mm~2mm以下にするには、図10に示すホログラムのずらし幅Sを1mm~2mm以下にすることが望ましい。
【0033】
以上説明した眼鏡型画像表示装置1により、平行光とされた画像光(基板内の伝搬光)を、位相が互いに直交する複数の光に変換することで、従来のように光の伝搬角度を変化させなくても、互いに干渉し合わない複数の光に分離することができ、Eyebox拡張のためにレンズ基板内を伝搬する光の伝搬角度を傾ける必要性およびレンズ基板に入射させる画像光の振り角を狭くする必要性を無くしつつ、ユーザの瞳孔内に、より多くの光を入射させることで、Eyeboxを拡張することができる。また、「方向変換機能部」、「位相変換機能部」、「収束機能部」のうち2つ以上を反射ホログラム20における同じ箇所に形成することで、例えば、画像光を眼鏡のレンズ面にほぼ垂直に入射させる設計が可能となり、設計寸法などの面で余裕を持った実装が実現できる。
【0034】
また、図14に示す従来の構成は反射ホログラムと透過ホログラムの両方を備えているが、上記の眼鏡型画像表示装置1は、従来の構成のように透過ホログラムを備える必要が無く、そのため、眼鏡のレンズ50を従来よりも薄型化することができる。また、Eyebox拡張のためホログラムをずらす間隔(前述した図10のずらし幅S)を狭くすれば、ユーザの瞳孔内に、より多くの光を入射させることができるため、画像光の光エネルギーを高いレベルに保持できるという利点もある。
【0035】
(第2の態様)
次に、第2の態様として、反射ホログラム20における画像光の入射位置において、方向変換機能と位相変換機能の両方を実行する態様を説明する。
【0036】
図11には、眼鏡のレンズ面上の反射ホログラム20の2次元平面を示しており、四角形の領域20Rは、画像出力部10から出射された画像光が最初に入射する領域である。この領域20Rは、入射した画像光を複数(例えば図11では5つ)の光に分割して、図11の矢印13A~13Eの方向にそれぞれ反射するとともに、反射する複数の光において任意の1つの光の位相が、当該1つの光を除く他の光を総合した光の位相と直交する関係を持つように位相変調を行う機能を有する。なお、この機能は、重なる部分がずれている場合には、1つの光で作成されるホログラムと、それ以外の光で作成されるホログラムの重なっている部分とで、位相が直交する関係を持つように位相変調を行う機能である。
【0037】
かかる機能を実現するために、領域20Rに、上記第1の態様で図9図10に基づき説明したSLMを用いた露光によって、
(1)入射した画像光を矢印13Aの方向に反射するともに、当該反射光の位相が第1の位相となるように位相変調を行うホログラム、
(2)入射した画像光を矢印13Bの方向に反射するともに、当該反射光の位相が第2の位相となるように位相変調を行うホログラム、
(3)入射した画像光を矢印13Cの方向に反射するともに、当該反射光の位相が第3の位相となるように位相変調を行うホログラム、
(4)入射した画像光を矢印13Dの方向に反射するともに、当該反射光の位相が第4の位相となるように位相変調を行うホログラム、および、
(5)入射した画像光を矢印13Eの方向に反射するともに、当該反射光の位相が第5の位相となるように位相変調を行うホログラム
を重ねて形成する。ここで、上記(1)~(5)のホログラムのうち、任意の1つのホログラムの位相が、当該1つのホログラムを除く他のホログラムの位相の総合と直交する関係にある。このようにして、反射ホログラム20における画像光の入射位置において、方向変換機能と位相変換機能の両方を実行する第2の態様を実現する。
【0038】
このように初期段階で方向変換機能と位相変換機能の両方を実行することで、例えば、反射ホログラム20の2次元平面における左右方向に沿って、第1の態様よりも狭い範囲で、同様の機能を実現することが可能となる。なお、領域20Rの形状は、四角形に限定されるものではなく、四角形以外の多角形、円形、楕円形など、任意の形状とすることができる。
【0039】
また、第2の態様は、SLMを用いた露光によって実現する例であるが、その変形例として、以下のように、露光時でなく再生時にSLMを用いて実現してもよい。即ち、反射ホログラム20における領域20Rが、入射する画像光の位相に応じて反射方向を変換する方向変換機能のみを有するように作成(露光)しておき、画像出力部10をMEMSスキャンディスプレイではなく、SLMにより構成する。そして、再生時に、SLMによる位相変調を高速に切り替える、即ち、反射ホログラム20の領域20Rへ入射する画像光の位相を高速に切り替えることにより、領域20Rにおいて、画像光の位相に応じて図11に示すように複数の方向に曲げて反射する。これにより、方向変換機能と位相変換機能の両方を実行することができる。
【0040】
(第3の態様)
次に、第3の態様として、反射ホログラム20における画像光の入射位置に加え、レンズ基板21の内部の反射位置においても、方向変換機能および位相変換機能を実行する態様を説明する。
【0041】
即ち、第3の態様では、図12における領域20Rを、図11の領域20Rと同様に形成するとともに、さらに、レンズ基板の内部の反射位置においても、方向変換機能および位相変換機能を実行するホログラムを、第1の態様のように形成する。例えば、領域20Rに、上記第1の態様で図9図10に基づき説明したSLMを用いた露光によって、
(1)入射した画像光を矢印14Aの方向に反射するともに、当該反射光の位相が第1の位相となるように位相変調を行うホログラム、
(2)入射した画像光を矢印14Bの方向に反射するともに、当該反射光の位相が第2の位相となるように位相変調を行うホログラム、および、
(3)入射した画像光を矢印14Cの方向に反射するともに、当該反射光の位相が第3の位相となるように位相変調を行うホログラム
を重ねて形成する。ここで、上記(1)~(3)のホログラムのうち、任意の1つのホログラムの位相が、当該1つのホログラムを除く他のホログラムの位相の総合と直交する関係にある。さらに、矢印14Aの方向に反射した光の次の反射位置に、
(4)伝搬光を矢印14Dの方向に反射するともに、当該反射光の位相が第4の位相となるように位相変調を行うホログラム
を形成し、矢印14Dの方向に反射した光の次の反射位置に、
(5)伝搬光を矢印14Eの方向に反射するともに、当該反射光の位相が第5の位相となるように位相変調を行うホログラム
を形成する。なお、上記(4)、(5)のホログラムのそれぞれについても、当該ホログラムの位相が、位置の重なった他のホログラムの位相の総合と直交するように設定されることは言うまでもない。
【0042】
このようにして、反射ホログラム20における画像光の入射位置に加え、レンズ基板内の反射位置においても、方向変換機能および位相変換機能を実行する第3の態様を実現する。このように方向変換機能および位相変換機能を実行する場所を増やすことで、2次元平面のほぼ全体に光を伝搬させることが可能となる。また、設計寸法などの面で、より余裕を持った実装を実現することが可能となる。
【0043】
(その他)
以上、本開示の一実施形態に係る眼鏡型画像表示装置について説明したが、上記の構成に限定されず、適宜変更することができる。ユーザ向けに表示させる画像は、動画像(映像)であっても静止画像であってもよい。
【0044】
また、眼鏡型画像表示装置に設けられる光学部品の数、配置等は、少なくとも上記実施形態で説明した構成を満たしていればよく、上記実施形態で説明した光学部品とは異なる光学部品が光路内に設けられていてもよい。
【0045】
例えば、眼鏡型画像表示装置1における制御部10Cは、コンピュータとして機能してもよい。図13は、制御部10Cのハードウェア構成の一例を示す図である。上述の制御部10Cは、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。制御部10Cにおける各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0046】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更された態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0047】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順などは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0048】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理されてもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0049】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いられてもよいし、組み合わせて用いられてもよいし、実行に伴って切り替えて用いられてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)によって行われてもよい。
【0050】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0051】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。
【0052】
上述したパラメータに使用される名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。
【0053】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」との両方を意味する。
【0054】
本明細書で使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0055】
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0056】
本明細書において、文脈又は技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置であることが示されていなければ、複数の装置をも含むものとする。
【符号の説明】
【0057】
1…眼鏡型画像表示装置、10…画像出力部、10A…コンテンツ蓄積部、10B…光出力部、10C…制御部、11、12…画像光、20…反射ホログラム(光学系素子)、20A…方向変換機能部、20B、20D…位相変換機能部、20C、20E、20F…収束機能部、20R…領域、20X…ホログラム、21…レンズ基板、32…レンズ、40…レーザ光、41…参照光、50…レンズ、51…ブリッジ、52…テンプル、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…通信装置、1005…入力装置、1006…出力装置、1007…バス。
図1
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