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特許7465212自動車両の車輪における最低トルクを計算するシステム、およびそのような計算システムを用いてアクセルから足を離す瞬間を決定するシステム
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  • 特許-自動車両の車輪における最低トルクを計算するシステム、およびそのような計算システムを用いてアクセルから足を離す瞬間を決定するシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】自動車両の車輪における最低トルクを計算するシステム、およびそのような計算システムを用いてアクセルから足を離す瞬間を決定するシステム
(51)【国際特許分類】
   B60W 40/00 20060101AFI20240403BHJP
   F16H 61/02 20060101ALI20240403BHJP
   F16H 61/68 20060101ALI20240403BHJP
   F16H 59/66 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
B60W40/00
F16H61/02
F16H61/68
F16H59/66
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020533270
(86)(22)【出願日】2018-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-25
(86)【国際出願番号】 EP2018085061
(87)【国際公開番号】W WO2019121422
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-11-15
(31)【優先権主張番号】1762845
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ディアス-パンサ, ロドリゴ
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-37777(JP,A)
【文献】特開2010-255704(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02529993(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
F16H 59/00-61/12
F16H 61/16-61/24
F16H 61/66-61/70
F16H 63/40-63/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両の車輪における最小トルクを計算するシステムであって、
前記自動車両は、少なくとも1つのエンジン温度センサ(12a)、少なくとも1つのギアボックス油温センサ(12b)、少なくとも1つのオルタネータ電力センサ(11a)、少なくとも1つの空調システム電力センサ(11b)、少なくとも1つの運転支援コンピュータ(14)を備え、前記システムは、
前記運転支援コンピュータ(14)から来る、前記自動車両が走行している勾配と前記自動車両の速度との関数として、係合ギアを決定する手段(2)、
前記係合ギアの関数として、ドライブトレインの入力軸の回転速度と出力軸の回転速度との比を決定する手段(3)、
前記自動車両の速度の関数として、前記出力軸の回転速度を計算する手段(4)、
前記比および前記出力軸の回転速度の関数として、前記入力軸の回転速度を計算する手段(5)、
オルタネータの電力、空調コンプレッサの電力、エンジンの温度、ギアボックスの油温、前記係合ギア、および前記入力軸の回転速度の関数として、エンジンの抵抗トルクおよびギアボックスの抗力を計算する手段(6)、ならびに
前記エンジンの抵抗トルク、前記ギアボックスの抗力、およびセーリングモードの関数として、最小トルクを計算する手段(7)
を備えることを特徴とする、システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車輪における最小トルクを計算するシステム(1)を備える自動車両におけるアクセルから足が離れた瞬間の決定システムであって、
前記自動車両は、少なくとも1つのエンジン温度センサ(12a)、少なくとも1つのギアボックス油温センサ(12b)、少なくとも1つのオルタネータ電力センサ(11a)、少なくとも1つの空調システム電力センサ(11b)、ナビゲーションシステム(13)、およびアクセルペダルセンサ(16)も備え、
前記決定システムは、
前記ナビゲーションシステムからのデータの関数として、前記自動車両が走行する経路上のイベントの発生を決定するように構成された計算手段、
前記イベントまでの距離と前記イベントまでの高度差を決定するように構成された計算手段、
前記イベントに遭遇するときに必要となる速度を決定するように構成された計算手段、ならびに
前記最小トルクの値、および前記イベントまでの距離と前記イベントまでの高度差の関数として、アクセルから足が離れた瞬間を決定するように構成された計算手段
を備え、
前記車輪における最小トルクを計算する前記システム(1)は、前記イベントの際の前記速度および前記勾配、前記エンジンの温度、前記ギアボックスの油温、前記オルタネータの電力、前記空調コンプレッサの電力、アクセルペダル踏込み状態の関数として、前記車輪における最小トルクを決定するように構成されている、決定システム。
【請求項3】
前記イベントまでの距離および前記イベントまでの高度差を決定するように構成された前記計算手段は、前記勾配に関連付けられた前記自動車両の速度ベクトルを決定するように構成されており、
前記最小トルクを計算する前記システム(1)は次に、前記車輪における最小トルクのベクトルを決定することができ、各値は、前記自動車両の速度ベクトルの値および前記勾配の値に関連付けられる、請求項2に記載の決定システム。
【請求項4】
前記最小トルクを計算する前記システム(1)は、前記エンジンの温度、前記ギアボックスの油温、前記オルタネータの電力、前記空調コンプレッサの電力、および前記アクセルペダル踏込み状態のうちの少なくとも1つの関数として更新される、最小トルクのベクトルを定期的に決定するように構成されている、請求項3に記載の決定システム。
【請求項5】
前記アクセルから足が離れた瞬間を決定するように構成された前記計算手段は、前記車輪における最小トルクのベクトルを補間することによって、前記車輪における最小トルクを決定するようにも構成されている、請求項3または4に記載の決定システム。
【請求項6】
前記自動車両は前記自動車両のマンマシンインターフェース(15)を含み、前記アクセルから足が離れた瞬間を決定するように構成された前記計算手段は、前記マンマシンインターフェース(15)に足離れインジケータを表示しなければならないかどうかを決定するように構成されている、請求項3または4に記載の決定システム。
【請求項7】
前記計算手段は、前記アクセルから足が離れたと決定する瞬間の関数として、前記マンマシンインターフェース(15)に足離れインジケータを表示しなければならないかどうかを示すブール値を、決定するように構成されており、
前記ブール値は、前記最小トルク、前記イベントまでの距離および接近速度の関数として決定される、請求項6に記載の決定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、自動車両のパワートレインの制御であり、より詳細には、そのような自動車両の車輪におけるトルクの制御である。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムから得た車両の現在状態と走行についての情報から、目標位置に目標速度で到達するために足を離す際の車両の減速度を予測する、という課題が存在する。
【0003】
この課題を解決するには、アクセルペダルから足を離す際の自動車両のパワートレインによる車輪の最小トルクの予測決定が必要となる。
【0004】
従来技術として米国特許第8855844号および米国特許第8606459号が知られている。しかしながら、これら文献は当該技術的課題を解決していない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の主題は、自動車両の車輪における最小トルクを計算するシステムであり、該車両は、少なくとも1つのエンジン温度センサ、少なくとも1つのギアボックス油温センサ、少なくとも1つのオルタネータ電力センサ、少なくとも1つの空調システム電力センサ、および少なくとも1つの運転支援コンピュータを備える。
【0006】
計算システムは、以下を含む。
運転支援コンピュータから来る、車両が走行している勾配と車両速度との関数として、係合ギアを決定する手段
係合ギアの関数として、ドライブトレインの入力軸の回転速度と出力軸の回転速度との比を決定する手段
車両の速度の関数として、出力軸の回転速度を計算する手段
該比と出力軸の回転速度との関数として、入力軸の回転速度を計算する手段
オルタネータの電力、空調コンプレッサの電力、エンジン温度、ギアボックス油温、係合ギア、および入力軸の回転速度の関数として、エンジンの抵抗トルクおよびギアボックスの抗力を計算する手段、ならびに
エンジンの抵抗トルク、ギアボックスの抗力、およびセーリングモードの状態の関数として、最小トルクを計算する手段。
【0007】
本発明の別の主題は、車輪における最小トルクを計算する上述のシステムを備えた自動車両においてアクセルから足を離す瞬間を決定するシステムである。
車両は、少なくとも1つのエンジン温度センサ、少なくとも1つのギアボックス油温センサ、少なくとも1つのオルタネータ電力センサ、少なくとも1つの空調システム電力センサ、ナビゲーションシステム、およびアクセルペダルセンサも備えており、
該決定システムは、
ナビゲーションシステムからのデータの関数として、車両が走行する経路上のイベントの発生を決定するように構成された計算手段、
イベントとイベントの上流の勾配とからの距離を決定するように構成された計算手段、
イベントに遭遇するときに必要となる速度を決定するように構成された計算手段、ならびに
最小トルク値、およびイベントとイベントの上流の勾配とからの距離の関数として、アクセルから足を離す瞬間を決定するように構成された計算手段、を備え、
車輪における最小トルクを計算する該システムは、イベント時の速度および勾配、エンジン温度およびギアボックスの油温、オルタネータの電力、空調コンプレッサの電力、およびアクセルペダル踏込み状態の関数として、車輪における最小トルクを決定するように構成されている。
【0008】
イベントからの距離およびイベントの上流にある勾配からの距離を決定するように構成された計算手段は、勾配ベクトルに関連付けられた車両の速度ベクトルを決定するようにも構成されており、
最小トルクを計算するシステムは、車輪における最小トルクのベクトルを決定することができる。最小トルクのベクトルの各値は、車両の速度ベクトルの値および勾配ベクトルの値に関連付けられる。
【0009】
最小トルクを計算するシステムは、最小トルク値のベクトルを定期的に決定するように構成することができる。最小トルク値のベクトルは、エンジンの温度、ギアボックス油温、オルタネータの電力、空調コンプレッサの電力、およびアクセルペダルの踏込み状態のうちの少なくとも1つの傾向の関数として、更新される。
【0010】
また、アクセルから足を離す瞬間を決定するように構成された計算手段は、車輪における最小トルクのベクトルの値を補間することによって、車輪における最小トルク値を決定するように構成することができる。
【0011】
車両はマンマシンインターフェースを備えることができる。アクセルから足を離す瞬間を決定するように構成された計算手段は、足離れインジケータがマンマシンインターフェース上に表示されなければならないかどうかを示すブール値を、アクセルから足を離す決定された瞬間の関数として、決定するようにも構成される。
【0012】
路上で検出されたイベントに対して最適な減速を生じさせるため、運転者の足が離れる瞬間を最適化することにより、早すぎる足離れに続く加速の再開、または遅すぎる足離れに続くブレーキの激しい使用を回避することが可能になる。
【0013】
利点としては、運転快適性の向上、燃料消費の低減、電気エネルギー回生時間の増加、およびブレーキ使用の低減がある。
【0014】
車輪における抵抗トルクGMPを推定し、この情報を、車両の走行抵抗に関連する情報とともに、ナビゲーションから得られる情報に加えることによって、最適な減速度を決定し、足を離す最適な瞬間を運転者に通告することが可能である。
【0015】
本発明の他の目的、特徴、および利点は、非限定的な例としてのみ示す以下の説明を、添付の図面を参照しつつ読むことにより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】車輪における最小トルクを計算するシステムの主要素を示す。
図2】足を離す瞬間を走行イベントの関数として示すことを可能にする、自動車両の運転者への通知システムの主要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
車両の日常的な使用では、ブレーキを踏まずに車両を減速させる(「コースティング(惰性走行)」)段階をよく目にする。運転者は、車両が所与の走行イベント(曲がり、上り、環状交差、料金所等)に到達する瞬間に目標速度に到達するために、ブレーキを使用するよりも柔軟な方法で減速しようとする。このため運転者は、自分の足をアクセルペダルから離す。これは2つの状況につながる可能性がある。
【0018】
第1のケースでは、足離れが、燃費(およびCO生成)を低減するためおよびエンジンブレーキを発生させるためにパワートレインへの給油の切断をもたらす。
【0019】
第2の場合には、足を離すことにより、アイドル/ストップとも呼ばれるフリーホイールモード(または「セーリング」モード)に入る。その目的は車両をより安定させ、車両の慣性を最大限に活用し、運転者の再加速を回避することで消費も低減することである。セーリングモードへの移行は、それが装備されている車両においてのみ、かつ作動条件が満たされている場合にのみ行うことができる。
【0020】
車両の前進に抵抗する力(空気力学的、抵抗トルクGMPなど)の推定と組み合わせて、車両の走行中に来る走行イベントを知るために搭載型ナビゲーションシステムからの情報を用いれば、次の走行イベントに目標速度で到達するためにアクセルから足を離す最適な瞬間について、運転者に助言することが可能である。
【0021】
したがって、運転者が足を離すよう助言される瞬間を決定することが必要である。このような助言は車両のマンマシンインターフェース上に、特に表示灯の形で表示することができる。
【0022】
そのためには、車両の瞬間的な位置に対して、および来るイベントの位置に対して、車両の減速度を予測的に計算したうえで、運転者が足を離すように助言される瞬間を決定する必要がある。
【0023】
次に、車両の走行に沿った前進に抵抗する力の傾向、例えば、特に地形の寄与を含む、空気および道路の摩擦が決定される。
【0024】
第1の抵抗力は、パワートレインGMPによる車輪における最小トルクC_minである。この力は第1の程度において、セーリングモードの状態(state_sailingと表記)、車両の速度Vs、平均勾配(%slope)、係合ギア(gearと表記)、および各種アクセサリのエネルギー消費(Pacc)の関数として変化する。
min→f(state_sailing,Vs,%slope,gear,Pacc) (式1)
【0025】
より詳細には、最小トルクC_minは次の5つのトルクの組み合わせである。アクセサリトルク(C_acc)、エンジントルク(C_mot)、クラッチトルク(C_emb)、ギアボックストルク(C_bv)、パワードアクスルトルク(C_pont)。
【0026】
従って、車両の減速を最良に予測し結果として運転者に正しく通告するためには、これらの各トルクを瞬時かつ予測的に決定することが必要である。
【0027】
最小トルクCminの計算は、速度に関する複数の情報に基づいて行われ、車両の速度Vsは速度ベクトルからなる。
【0028】
速度に関するこの情報は例えば、100km、50kmまたは10kmなどの速度値を含む。
【0029】
このように、速度が変化するであろう場合には、最小トルク値Cprimを予測することができる。
【0030】
平均勾配についても同様である。
【0031】
図1に示す最トルクC_minを計算するシステム1は、車両が走行している勾配%slopeと車両速度Vsとの関数として、係合ギア(gearと表記)を決定する手段2、および、係合ギアgearの関数として、ドライブトレインの入力軸の回転速度と出力軸の回転速度との比(ratio_prim_secと表記)を決定する手段3、を備える。
【0032】
最低トルクを計算するシステム1は、車両の速度Vsの関数として出力軸の回転速度Nsecを計算する手段4、および、比ratio_prim_secと出力軸の回転速度Nsecとの関数として入力軸の回転速度Nprimを計算する手段5、を更に有する。
【0033】
6で示す計算手段は、オルタネータの電力(P_alt)、空調コンプレッサの電力(P_ac)、エンジンの温度(TCO)、ギアボックス油温(TGB)、係合ギア(gear)、および、例えばシステムから得られた回転速Nsecおよびギアボックスのギア減速比から得られる入力軸の回転速度Nprimの関数として、エンジンの抵抗トルクC_mot、およびトルクと一致するギアボックスの抗力C_gbを決定する。
【0034】
係合されることなるギアに対応するギアボックスのギア減速比は、所与の速度と所与の勾配に対して通常選択されるギア比情報を含むテーブルから得られる。
【0035】
次に、計算手段7は、エンジンの抵抗トルクC_mot、ギアボックスの抗力C_gb、およびセーリングモード状態(state_sailing)の関数として、最トルクC_minを決定する。
【0036】
セーリングモードが停止されると、最小トルクC_minは、エンジンの抵抗トルクC_motに等しい。
【0037】
セーリングモードが起動されると、最小トルクC_minは、エンジンの抵抗トルクC_motとギアボックスの抗力C_gbとの合計に等しい。
【0038】
予測は、運転支援コンピュータADAS(「高度運転支援システム」の頭文字)によって選択された速度に対して、かつ車両前方の平均勾配に対して行われる。
【0039】
速度50km/h、正の勾配5%に対して、最小トルクC_minがどのような値をとるのか知りたいとする例を考慮する。
【0040】
この場合運転支援コンピュータADASは、勾配%slopeおよび速度Vsに関する情報をシステム1に送信する。システム1は最小トルクを計算し、そこから、所定のマッピングの関数として係合ギア(gearと表記)が推定される。
【0041】
そこから、エンジントルクC_motおよびギアボックスの抗力C_gbが、埋め込まれたマッピングおよびトルクC_acc、C_bv、およびC_pontの関数として推定され、それらは具体的に、オルタネータの電力P_alt、空調コンプレッサの電力P_ac、エンジンの温度TCO、ギアボックス油温TGB、係合ギアgear、および入力軸の回転速度Nprimに依存する。
【0042】
トルクC_mot、ギアボックスの抗力C_gb、およびセーリングモードの状態を知ることにより、最小トルクC_minを決定することが可能である。
【0043】
図2は、自動車両の運転者へ通知するシステムであって、足を離す瞬間を走行イベントの関数として示すことができるシステムの主な要素を図示する。
【0044】
最小トルクを計算するシステム1は、速度Vsの値、運転支援コンピュータADAS14から来る勾配%slopeの値、温度センサ12aから来るエンジンの温度TCOの値、温度センサ12bから来るギアボックス油温TGBの値、温度センサ11aから来るオルタネータの電力P_altの値、および温度センサ11bから来る空調コンプレッサの電力P_acの値、ならびに、アクセルペダルセンサ16によって決定されるアクセルペダル踏込み状態に依存する、セーリング制御手段から来るセーリングモードの状態state_sailingの値、の関数として、最小トルクC_minを決定する。
【0045】
運転支援コンピュータ14は、ナビゲーションシステム13から来るナビゲーション情報の関数として、速度Vsの値および勾配%slopeの値を決定する。ナビゲーション情報は具体的には、次のイベントまでの距離および高度差を意味すると解されるべきである。
【0046】
一実施形態で、運転支援コンピュータ14が勾配ベクトル%slopeに関連した車両の速度ベクトルVsを、最小トルクを計算するためにシステム1に送信すると、最小トルクを計算するシステム1は、最小トルクのベクトルを送信する。最小トルクのベクトルの各値は、車両の速度ベクトルVsの値および勾配ベクトル%slopeの値と関連付けられる。
【0047】
最小トルクを計算するシステム1への、速度ベクトルVsまたは勾配ベクトル%slope以外の入力の傾向の関数として、最小トルク値のベクトルが更新されるように、この計算はリアルタイムで実行される。
【0048】
次いで、運転支援コンピュータ14は、利用可能な値の補間によってトルク値を決定することができる。
【0049】
運転支援コンピュータ14はまた、マンマシンインターフェース15に向けられて、足離れインジケータを表示すべきかどうかを示すブール値Acc_off_dispを決定する。ブール値Acc_off_dispは、最小トルクC_min、走行上の次のイベントからの距離、および接近速度の関数として決定される。
図1
図2