(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】全固体電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0562 20100101AFI20240403BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20240403BHJP
H01M 4/13 20100101ALI20240403BHJP
H01M 4/62 20060101ALI20240403BHJP
H01M 10/0585 20100101ALI20240403BHJP
【FI】
H01M10/0562
H01M10/052
H01M4/13
H01M4/62 Z
H01M10/0585
(21)【出願番号】P 2020568232
(86)(22)【出願日】2019-06-06
(86)【国際出願番号】 US2019035867
(87)【国際公開番号】W WO2019236904
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-06-03
(32)【優先日】2018-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520474211
【氏名又は名称】クアンタムスケープ バッテリー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チャオ,チェン-チー
(72)【発明者】
【氏名】デクメジアン,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】リー,シュアン
【審査官】村岡 一磨
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/075972(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/05-10/0587
H01M 4/00- 4/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)活物質及び硫化物カソライトを含む陽極層と;
(b)単一イオン伝導性固体緩衝体
層であって、前記単一イオン伝導性固体緩衝体層がLSTPSを含み、LSTPSがLi、Si、P、Sn、及びS化学成分を有する電解質材料である、単一イオン伝導性固体緩衝体層と;
(c)ボロハイドライド
を含む結合層と;
(d)リチウム充填ガーネット層と;
を含む、全固体電気化学セル(SSEC)であって、
前記緩衝体が前記陽極層と接触する層であるか、又は、前記緩衝体が前記陽極層内に混合され、且つ前記緩衝体が前記陽極層と接触する層であり、
前
記結合層が、前記リチウム充填ガーネット層と、前記陽極と接触している前記緩衝体層との間にあり、且つそれらと接触している、全固体電気化学セル(SSEC)。
【請求項2】
前記単一イオン伝導性固体緩衝体層が
、ボロハイドライド
を含む前記結合層及び前記陽極層の間の直接的な接触を防ぐ、請求項1に記載のSSEC。
【請求項3】
陰極をさらに含む、請求項1に記載のSSEC。
【請求項4】
前記陰極がリチウム(Li)金属陰極である、請求項
3に記載のSSEC。
【請求項5】
前記リチウム充填ガーネット層が前記陰極と接触している、請求項
3に記載のSSEC。
【請求項6】
前記緩衝体層が10体積%以下で有機ポリマーを含む、請求項1に記載のSSEC。
【請求項7】
前記活物質がコーティングされている、請求項1に記載のSSEC。
【請求項8】
前記活物質がコーティングされていない、請求項1に記載のSSEC。
【請求項9】
前記陽極が、リチウムインターカレーション材料、リチウムコンバージョン材料、又はリチウムインターカレーション材料及びリチウムコンバージョン材料の両方を含む、請求項1に記載のSSEC。
【請求項10】
前記硫化物カソライ
トが、LSS、SLOPS、LSTPS、LSTPSCl、SLOBS、LATS及びLPS+X(Xは、Cl、I、Br及びそれらの組合せからなる群から選択される)からなる群から選択される、請求項1に記載のSSEC。
【請求項11】
前記硫化物カソライ
トが、次式:
Li
aSi
bSn
cP
dS
e(式中、2≦a≦8、0≦b≦1、0≦c≦1、0.5≦d≦2.5及び2≦e≦12である);
Li
aSi
bP
cS
dX
e(式中、8<a<12、1<b<3、1<c<3、8<d<14及び0<e<1であり、Xは、F、Cl、Br又はIである);
Li
gAs
hSn
jS
kO
l(式中、2≦g≦6、0≦h≦1、0≦j≦1、2≦k≦6及び0≦l≦10である);又は
Li
mP
nS
pI
q(式中、2≦m≦6、0≦n≦1、0≦p≦1、2≦q≦6である);
約10:1~約6:4のLi
2S:P
2S
5のモル比を有する(Li
2S):(P
2S
5)及びLiIの混合物であって、[(Li
2S):(P
2S
5)]:LiIの比率が95:5~50:50である混合物;
LPS+X(式中、Xは、Cl、I又はBrから選択される);
vLi
2S+wP
2S
5+yLiX;
vLi
2S+wSiS
2+yLiX;又は
vLi
2S+wB
2S
3+yLiX(式中、Xは、Cl、I又はBrから選択され、0≦v≦1;0≦w≦1;及び0≦y≦1である)
の1つにより表される、請求項1に記載のSSEC。
【請求項12】
前記硫化物カソライトがLSTPSを含む、請求項1に記載のSSEC。
【請求項13】
前記硫化物カソライトが、次式:Li
aSi
bSn
cP
dS
e(式中、2≦a≦8、0≦b≦1、0≦c≦1、0.5≦d≦2.5及び2≦e≦12である)により表される、請求項
12に記載のSSEC。
【請求項14】
ボロハイドライド
を含む前記結合層が、
A・(LiBH
4)・B・(LiX)・C・(LiNH
2)
(式中、Xは、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素又はそれらの組合せであり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)
を含
む、請求項1に記載のSSEC。
【請求項15】
前記リチウム充填ガーネット層が、Li
xLa
yZr
zO
t・qAl
2O
3(式中、4<x<10、1<y<4、1<z<3、6<t<14及び0≦q≦1である)から選択されるリチウム充填ガーネットを含む、請求項1に記載のSSEC。
【請求項16】
陽極集電体層をさらに含む、請求項1に記載のSSEC。
【請求項17】
陰極集電体層をさらに含む、請求項1に記載のSSEC。
【請求項18】
請求項1に記載のSSECを含む電池。
【請求項19】
電気化学セルの製造方法であって、
活物質、
硫化物カソライト及び溶媒を含むスラリーを提供すること;
集電体上へ前記スラリーを堆積させること;
前記スラリーを乾燥させること;
単一イオン伝導性固体緩衝体を含む第2のスラリーを提供すること;
基材上へ前記第2のスラリーを堆積させること;
前記第2のスラリーを乾燥させること;
乾燥した第1のスラリー上へ乾燥した前記第2のスラリーを移し、スタックを形成すること;
前記スタックに圧力及び熱を加えること;
リチウム充填ガーネット層を提供すること;
前記
リチウム充填ガーネット層上へボロハイドライド
を含む結合層を堆積させること;
前記結合層を有する前記
リチウム充填ガーネット層と前記スタック
とを
、前記結合層と前記スタックの前記単一イオン伝導性固体緩衝体を有する面とが対向するように重ね合わせ、電気化学セルスタックを形成すること;並びに
前記セルスタックに圧力及び熱を加えること
を含む、方法。
【請求項20】
前記単一イオン伝導性固体緩衝体
の層が、ボロハイドライド
を含む前記結合層及び陽極層の間の直接的な接触を防ぐ、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記リチウム充填ガーネット層が、式 Li
xLa
yZr
zO
t・qAl
2O
3(式中、4<x<10、1<y<4、1<z<3、6<t<14及び0≦q≦1である)により表される、請求項
19に記載の方法。
【請求項22】
ボロハイドライド
を含む前記結合層が、
A・(LiBH
4)・B・(LiX)・C・(LiNH
2)
(式中、Xは、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素又はそれらの組合せであり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)
を含
む、請求項
19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] 本出願は、2018年6月6日に出願され、且つ「HYBRID SOLID-STATE BATTERY」と題された米国仮特許出願第62/681,576号に対する優先権の利益を主張する。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、それら全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
分野
[0002] 本開示は、二次電池としても知られている全固体(solid-state)充電式電池に関する。
【0003】
背景
[0003] 電池は、それらが電池セルの陽極及び陰極の間に固体(solid-state)電解質セパレーターを含む場合、全固体電池と記載される。固体電解質は、可燃性有機溶媒を含まないため、したがって、安全性の理由のために魅力的である。
【0004】
[0004] 全固体電池は、液体電解質ベースの電池よりも比較的広い温度、電圧及び圧力範囲において作動する。全固体電池は、固体状の陽極及び陰極も含み得る。全固体電池は、例えば、金属リチウム(Li)陰極を含み得る。Li金属陰極は、それらが陽極及び陰極電圧差を最大化するため、Li+イオン電池においてエネルギー密度を最大化する。全固体充電式電池は、より安全である(例えば、より可燃性ではない)ことが予測され、且つ現在商業的に入手可能な液体電解質ベースの電池よりも高いエネルギー及び電力密度を有する。しかしながら、一連の満たされていない課題が残っており、それによって商業的に存続可能な全固体電池の実現が妨げられている。
【0005】
[0005] 全固体電池の研究者の中には、陽極及び陰極の間で電解質セパレーターとして作用する、単一の、モノリシック(monolithic)単一イオン伝導体を利用した者もいる。このアプローチと関連する多くの課題がある。例えば、現在までのところ、プロセスに対して市販品として入手可能であり、特定の用途のために十分軽量であり、且つLiに対して0~5Vの電圧範囲において安定性でありながら、十分高いイオン伝導性及び十分高い機械的強度の両方を有する単一イオン伝導性固体電解質は存在しない。全固体電池は、現在までのところ、これらの課題のそれぞれに対処するための設計トレードオフが必然的にある。
【0006】
[0006] 研究者の中には、全固体電気化学セル中に2種類以上の固体電解質を含ませることを試みた者もいる。例えば、リチウム超イオン伝導体の酸化物-硫化物複合物を調製する研究者もいる。例えば、リチウム充填ガーネット粉末とリチウムリン硫化物(LPS)粉末との混合物を含む酸化物-硫化物複合物を報告している、J. Mater. Chem. A, 2014,2, 4111-4116 DOI: 10.1039/C3TA15223Eを参照のこと。また、金属Liアノードと、固体酸化物電解質(LLZO)と、75Li2S:25P2S5硫化物電解質及びTiS2からなる複合カソードとを有する電気化学セルの結果を明らかにする、http://ma.ecsdl.org/content/MA2016-01/2/264.abstractも参照のこと。また、LiNbO3がコーティングされたLiCoO2陽極活物質及び特定の硫化物固体電解質(Li9.6P3S12、Li10GeP2S12、Li9.54Si1.74P1.44S11.7Cl0.3)を有する電気化学セルに関するサイクリングデータを報告する、Y. Kato, et al. DOI: 10.1038/NENERGY.2016.30も参照のこと。また、全固体セルを記載する、Suzuki, et al., Journal of Power Sources 359 (2017) 97-103も参照のこと。これらの報告された結果には、低容量及び経時的な容量低下を含む種々の不完全性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007] 一連の満たされていない課題が残っているため、上記の課題及び関連分野における他の課題への解決策が必要とされている。本開示は、これら及び他の挑戦及び課題を解決するための組成物、プロセス及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
[0008] 一実施形態において、(a)活物質及び硫化物カソライトを含む陽極層と;(b)単一イオン伝導性固体緩衝体と;(c)ボロハイドライド結合層と;(d)リチウム充填ガーネット(lithium-stuffed garnet)層とを含む、全固体電気化学セル(SSEC)が本明細書に記載される。緩衝体は陽極層内に混合されるか、緩衝体は陽極層と接触する層として存在するか、又は緩衝体は陽極層内に混合され、且つ緩衝体は陽極層と接触する層として存在する。ボロハイドライド結合層は、リチウム充填ガーネット層と、(i)その中に緩衝体が混合された陽極層、又は(ii)陽極と接触している緩衝層のいずれかとの間にあり、且つそれらと接触している。
【0009】
[0009] 第2の実施形態において、以下のステップ:(a)活物質、カソライト及び溶媒を含むスラリーを提供すること;(b)集電体上へスラリーを堆積させること;(c)スラリーを乾燥させること;(e)単一イオン伝導性固体緩衝体を含む第2のスラリーを提供すること;(f)基材上へ第2のスラリーを堆積させること;(g)堆積された第2のスラリーを乾燥させ、緩衝層を形成すること;(h)乾燥したらスタックが形成されるように、第1のスラリー上に緩衝層を移すこと;(i)スタックに圧力及び熱を加えること;(j)固体セパレーターを提供すること;(k)固体セパレーター上へボロハイドライド層を堆積させること;(l)スタックとボロハイドライド層を有する固体セパレーターとを重ね合わせて、電気化学セルスタックを形成すること;並びに(m)電気化学セルスタックに圧力及び熱を加えること、を含む電気化学セルの製造方法が本明細書に記載される。
【0010】
[00010] 一態様において、(a)陽極活物質、バインダー及び硫化物カソライトを含み、15体積%(v/v)未満の多孔性を有する陽極層;(b)陽極層と接触し、硫化物電解質を含み、15%v/v未満の多孔性を有する緩衝層;並びに(c)リチウム充填ガーネット及びLPSXからなる群から選択される部材を含み、10%v/v未満の多孔性を有するセパレーター層を含む、固体電気化学スタックであって、緩衝層が陽極層及びセパレーター層の間に存在する固体電気化学スタックが本明細書において提供される。
【0011】
[00011] 別の態様において、(a)第1の基材上へ硫化物固体電解質粉末を含む第1のスラリーをキャストし、第1の層を形成すること;(b)第2の基材上へ硫化物固体電解質粉末及び陽極活性粉末を含む第2のスラリーをキャストし、第2の層を形成すること;並びに(c)第1の層及び第2の層をカレンダー処理し、ここで第1の層及び第2の層が互いに直接接触すること、を含む固体電気化学スタックの製造方法が提供される。別の態様において、(a)活物質及び硫化物カソライトを含む陽極層;並びに(b)単一イオン伝導性固体緩衝体;を含む二重層スタックであって、緩衝体が陽極層内に混合されているか、又は陽極層と接触している層であるか、又はその両方である二重層スタックが本明細書で提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】[00012]
図1は、実施例電気化学セルの略図を示す。
【
図2】[00013]
図2は、実施例1において製造された電気化学セルの固体カソード(SSC)、緩衝層、結合層、ガーネット膜の断面走査型電子顕微鏡法イメージを示す(集束イオンビームによって準備された断面)。
図2中のスケールバーは50μmである。イメージ化条件は、WD4.4mm、HV5.00kV、HFW、207μm、倍率2000倍、det TLD、傾き52°、BSEモードであった。
【
図3】[00014]
図3は、実施例2に記載される50サイクルを超える活性質量比容積(active mass-specific capacity)(mAh/g)の関数としての電圧のプロットである。
【
図4】[00015]
図4は、実施例2に記載されるサイクル回数の関数としての活性質量比放電容積(mAh/g)のプロットである。
【
図5】[00016]
図5は、実施例2に記載されるレスト電圧の関数としてのASRのプロットを示す。
【
図6】[00017]
図6は、セパレーター、緩衝層及び陽極層を含む実施例電気化学セルの略図を示す。
【
図7】[00018]
図7は、セパレーター、結合層及び陽極層を含む実施例電気化学セルの略図を示す。
【
図8】[00019]
図8は、いくつかのLBHI組成物及びアミドでドープされたLBHI組成物に関する60℃におけるリチウムイオン伝導性(Log(S/cm))のプロットを示す:(A)LiBH
4:LiI(3:1)、(B)LiNH
2:LiBH
4:LiI(3:3:2)、(C)LiNH
2:LiBH
4:LiI(9:3:4)及び(D)LiNH
2:LiBH
4:LiI(9:3:2)が示される。
【
図9】[00020]
図9は、実施例13による、LPSIを含む固体カソード膜に結合したリチウム充填ガーネット電解質膜を含む全固体電気化学セルのサイクルデータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
概要
[00021] いくつかの実施例において、本開示は、室温において50Ω-cm2未満であるASRを示す電気化学セルが明示される。本明細書において開示される電気化学セルは、酸化物電解質セパレーター及び硫化物電解質セパレーターを含む。電気化学セルは、本明細書中、硫化物酸化物固体電解質界面を含む。酸化物電解質セパレーター及び硫化物電解質セパレーターを結合するために、ボロハイドライドを含む結合層が使用される。酸化物電解質セパレーターは、金属Liに対して速度論的に安定性であり、Li+イオンの高い電流密度を伝導するために適切な機械的強度を有する。固体カソード中の硫化物カソライト及び/又は固体カソードに隣接する硫化物緩衝層はリチウムイオンの伝導性経路を提供し、そしてそれは陽極における高いローディング質量(mass loading)の活物質の使用に適切である。いくつかの実施例において、硫化物カソライトは、コーティングされた活物質(例えば、LZOコーティングされたNCA、又はLZOコーティングされたNMC)に対して速度論的に安定性である。いくつかの実施例において、硫化物カソライトは、Liに対して2.7~4.2Vの電圧窓において、コーティングされた活物質(例えば、LZOコーティングされたNCA)に対して速度論的に安定性である。ボロハイドライド結合層は、酸化物電解質セパレーター及び硫化物(緩衝体)電解質セパレーターを結合し、そしてまた、2つの電解質セパレーターの間でのイオン伝導経路を提供する。
【0014】
[00022] 本明細書において開示される電気化学セルは、特定の実施例において、電気化学セルの陰極側と接触する酸化物固体セパレーター及び電気化学セルの陽極側と接触する硫化物固体セパレーターを含む。いくつかの実施例において、硫化物及び酸化物固体セパレーターは、例えば、1*10-3S/cm2より高い高リチウムイオン伝導性を有する。いくつかの実施例において、酸化物固体セパレーター及び硫化物固体セパレーターの間に、ボロハイドライドから製造される結合層が存在する。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の反対側の酸化物固体セパレーターの側面において、リチウム金属陰極が存在する。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の反対側の硫化物固体セパレーターの側面において、陽極が存在する。
【0015】
定義
[00023] 本明細書に参照によって組み込まれるいずれかの資料で提供される定義が、本明細書で提供される定義と異なる場合、本明細書に提供される定義が優位である。
【0016】
[00024] 本明細書で使用される場合、「約」という用語は、数を記載する場合、例えば、約15%w/wは、記載される数と、任意選択的に、その数の±10%を含むその記載される数の周囲の範囲に含まれる数を指す。例えば、約15%w/wは、15%w/w、並びに13.5%w/w、14%w/w、14.5%w/w、15.5%w/w、16%w/w又は16.5%w/wを含む。例えば、「約75℃」は、75℃、並びに68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、80℃、81℃、82℃又は83℃を含む。
【0017】
[00025] 本明細書で使用される場合、「活物質」という句は、活物質が充電式電池での使用のために適切となるように、可逆反応においてリチウムをインターカレーションするか、又はコンバージョンする材料を指す。活物質としては、NCA又はNMCなどのインターカレーション材料が含まれ得る。活物質としては、FeF3などのコンバージョン化学材料が含まれ得る。例えば、活物質としては、限定されないが、2016年7月21日に公開された、「LITHIUM RICH NICKEL MANGANESE COBALT OXIDE」と題された米国特許出願公開第20160211517A1号に明示されるいずれの活物質も含まれ得る。
【0018】
[00026] 本明細書で使用される場合、「非晶質」という用語は、結晶性ではないか、又は多数の結晶相を含有しない材料を指す。非晶質は、結晶特性、例えばX線回折で測定される明確なX線回折ピークを示さない材料を指す。非晶質材料は、少なくとも主に非晶質であり、結晶成分よりも多くの非晶質成分を有するものとして特徴づけられる。実質的に非晶質とは、明確なX線回折ピークを含まないか、又は多数の構成成分相を非晶質相として有するものとして当業者によって認められる程度に幅広い反射を含むX線回折パターンによって特徴づけられる材料を指す。実質的に非晶質である材料は、結晶性のナノサイズの領域を有していてもよいが、そうであってもなお、X線回折パターンによって主に非晶質相であるものとして特徴づけられる。実質的に非晶質の材料において、透過型電子顕微鏡法(TEM)制限視野回折パターン(SADP)は、結晶性の領域を明示し得るが、その材料の体積の大多数が非晶質であることも明示するであろう。
【0019】
[00027] 本明細書で使用される場合、「半非晶質」又は「半結晶」という用語は、結晶及び非晶質領域を有する組成物を指す。半結晶材料は、非晶質成分に加えて、ナノ結晶及び/又はマイクロ結晶成分を含む。半結晶材料は、部分的に結晶化された材料であるか、又はいくつかの結晶体及びいくつかの非晶質体を含む材料である。例えば、その結晶化温度まで加熱されたが、その後、材料の全部が完全に結晶化することができる前に冷却される材料は、本明細書中、半結晶材料と記載される。本明細書で使用される場合、半結晶材料は、最高強度の主要ピークが少なくとも1°(2θ)、又は少なくとも2°(2θ)、又は少なくとも3°(2θ)の半値全幅を有するXRD粉末パターンによって特徴づけられることができる。
【0020】
[00028] 本明細書で使用される場合、「アノライト」という用語は、アノード材料又はアノード集電体と混合されたか、又はその上に層状化されたか、又はそれに積層されたイオン伝導性材料を指す。
【0021】
[00029] 本明細書で使用される場合、「圧力を印加する」という句は、外部デバイス、例えばカレンダーが別の材料に圧力を印加するプロセスを指す。
【0022】
[00030] 本明細書で使用される場合、「群から選択される少なくとも1つの部材」という句は、群からの単一部材、群からの2つ以上の部材又は群からの部材の組合せを含む。A、B及びCからなる群から選択される少なくとも1つの部材としては、例えば、Aのみ、Bのみ又はCのみ、並びにA及びB並びにA及びC並びにB及びC並びにA、B及びC或いは、他のA、B及びCの全ての任意の組合せが含まれる。
【0023】
[00031] 本明細書で使用される場合、「ASR」は面積比抵抗を指す。ASRは、電気化学インピーダンス分光法(EIS)を使用して測定される。EISは、Biologic VMP3機器又はその等価物上で実行することができる。ASR測定において、リチウム接触面が、試料の2つの側面上に堆積される。電流を測定しながら、300kHz~0.1mHzの周波数で25mV RMSのAC電圧を印加する。ナイキストプロットの2つの半円を分解することによって、EISはASRを容積寄与のもの及び界面ASR寄与のものに分割する。
【0024】
[00032] 本明細書で使用される場合、「ボロハイドライド結合層」という句は、ボロハイドライド化合物を含み、且つリチウム充填ガーネット層を硫化物電解質層又は硫化物を含む緩衝体に接着させる層を指す。ボロハイドライドの非限定的な例としては、限定されないが、3LiBH4・2LiI・3LiNH2又は3LiBH4・4LiI・9LiNH2が含まれる。ボロハイドライドは、2018年4月26日に公開され、且つ国際PCT特許出願第PCT/US2017/057735号として出願され、且つ「ELECTROLYTE SEPARATORS INCLUDING LITHIUM BOROHYDRIDE AND COMPOSITE ELECTROLYTE SEPARATORS OF LITHIUM-STUFFED GARNET AND LITHIUM BOROHYDRIDE」と題された国際公開第2018/075972号に明示されたいずれの化合物であってもよい。上記特許の全内容は、全ての目的のために、参照によって全体として本明細書に組み込まれる。ボロハイドライドは、2019年4月25日に公開され、且つ国際PCT特許出願第PCT/US2017/057739号として2017年10月20日に出願され、且つ「BOROHYDRIDE-SULFIDE INTERFACIAL LAYER IN ALL SOLID STATE BATTERY」と題された国際公開第2019078897A1号に明示されたいずれの化合物であってもよい。上記特許の全内容は、全ての目的のために、参照によって全体として本明細書に組み込まれる。
【0025】
[00033] 本明細書で使用される場合、「バインダー」は、電極の接着力及び/又は粘着力を増加させる能力を有するポリマーを指す。適切なバインダーとしては、限定されないが、PVDF、PVDF-HFP、SBR及びエチレンアルファ-オレフィンコポリマーが含まれ得る。
【0026】
[00034] 本明細書で使用される場合、「緩衝体」という用語は、陽極成分と微細混合されたか、又は組み合わせられた単一イオン伝導性固体電解質であるか、或いは陽極と直接接触している層、例えば、陽極層に積層された電解質層である。単一イオン伝導性とは、その材料が、1種類のみのイオン、例えばLi+イオンを、0.9より高い輸率で伝導することを意味する。固体とは、緩衝体が周囲温度及び圧力で固体相中に存在することを意味する。
【0027】
[00035] 本明細書で使用される場合、「緩衝体が陽極層内に混合される」という句は、緩衝体材料が粉砕、例えばミル加工され、次いで、陽極層が形成される時に他の陽極層化合物、例えば活物質及び伝導性炭素と混合されることを意味する。
【0028】
[00036] 本明細書で使用される場合、「膜をキャストする」という句は、液体又はスラリーが膜を形成するか、又は膜へと形成されるように、型の中へ又は基材上へ液体又はスラリーを送達又は移送するプロセスを指す。キャスティングは、ドクターブレード、メイヤーロッド、コンマコーター、グラビアコーター、ミクログラビア、逆コンマコーター、スロットダイ、スリップ及び/又はテープキャスティング及び他の方法によって実行されてよい。
【0029】
[00037] 本明細書で使用される場合、「式によって特徴づけられる」という句は、その化学式による化合物の説明を指す。
【0030】
[00038] 本明細書で使用される場合、「集電体」という句は、それを通して、外部回路を完成させるために電極へ、又は電極から電子が伝導し、そしてそれに向かって、又はそれから電子が伝導する電極と直接接触している二次電池中の構成要素又は層を指す。いくつかの実施例において、集電体は、陽極又は陰極に積層された金属(例えば、Al、Cu若しくはNi、鋼、それらの合金又はそれらの組合せ)層である。いくつかの実施例において、集電体はAlである。いくつかの実施例において、集電体はCuである。いくつかの実施例において、集電体はNiである。いくつかの実施例において、集電体は鋼である。いくつかの実施例において、集電体はAlの合金である。いくつかの実施例において、集電体はCuの合金である。いくつかの実施例において、集電体は鋼の合金である。いくつかの実施例において、集電体はAlである。いくつかの実施例において、集電体は炭素でコーティングされる。いくつかの実施例において、集電体は上記の金属の組合せを含む。充電及び放電の間、電子はLiイオンの流れとは反対の向きで移動し、そして電極に入るか、又は出る時に集電体を通過する。
【0031】
[00039] 本明細書で使用される場合、「直径(d90)」という用語は、走査型電子顕微鏡観察又は動的光散乱を含むがこれに限定されない、顕微鏡観察技術又は他の粒径分析技術によって測定される径の分布における径を指す。D90は、全粒子面積(顕微鏡観察などの2Dサンプリング法に関して)又は体積(光散乱などの3Dサンプリング法に関して)の90%が、記載された径より小さい粒子を表す特徴的寸法、すなわち、粒径を含む。言い換えると、粒径の集合の中で、d90は、集合の中の粒子の90%が、記載された径よりも小さい径を有する径を示す。同様に、「直径(d50)」という用語は、全粒子面積(又は体積)の50%が、記載された径よりも小さい粒子を表す特徴的寸法を含む。同様に、「直径(d10)」という用語は、全粒子面積(又は体積)の10%が、記載された径よりも小さい粒子を表す特徴的寸法を含む。これらの数字は、体積又は面積基準で計算されてもよい。明確に明示されない場合、体積基準が仮定される。
【0032】
[00040] 本明細書で使用される場合、「バインダー」は、別の材料の接着を補助する材料を指す。例えば、本明細書で使用される場合、ポリビニルブチラールは、ガーネット材料を接着させるために有用であるため、バインダーである。他のバインダーとしては、ポリカーボネートが含まれ得る。他のバインダーとしては、ポリアクリレート及びポリメタクリレートが含まれ得る。バインダーのこれらの例は、本明細書で考えられるバインダーの全範囲として限定されないが、単に例としてのみ有用である。本開示において有用なバインダーとしては、限定されないが、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、アタクチックポリプロピレン(aPP)、アイソタクチックポリプロピレン(iPP)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンペンテンコポリマー(EPC)、ポリイソブチレン(PIB)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリオレフィン、ポリエチレン-コ-ポリ-1-オクテン(PE-co-PO)、ポリエチレン-コ-ポリ(メチレンシクロペンタン)(PE-co-PMCP)、ポリ(メタクリル酸メチル)(及び他のアクリル)、アクリル、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、PVB、ポリビニルアセタール樹脂、ステレオブロックポリプロピレン、ポリプロピレンポリメチルペンテンコポリマー、ポリエチレンオキシド(PEO)、PEOブロックコポリマー、シリコーンなどが含まれる。上記のいずれかを含むいくつかの例において、バインダーは、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシドポリ(アリルグリシジルエーテル)PEO-AGE、ポリエチレンオキシド2-メトキシエトキシエチルグリシジルエーテル(PEO-MEEGE)、ポリエチレンオキシド2-メトキシエトキシエチルグリシジルポリ(アリルグリシジルエーテル)(PEO-MEEGE-AGE)、ポリシロキサン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレン(PVDF-HFP)、エチレンプロピレン(EPR)、ニトリルゴム(NPR)、スチレン-ブタジエン-ゴム(SBR)、ポリブタジエンポリマー、ポリブタジエンゴム(PB)、ポリイソブタジエンゴム(PIB)、ポリオレフィン、アルファ-ポリオレフィン、エチレンアルファ-ポリオレフィン、ポリイソプレンゴム(PI)、ポリクロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)及びポリエチルアクリレート(PEA)からなる群から選択されるポリマーである。本明細書で使用される場合、「からなる群から選択される」は、群からの単一部材、群からの2つ以上の部材又は群からの部材の組合せを指す。A、B及びCからなる群から選択される部材としては、例えば、Aのみ、Bのみ又はCのみ、並びにA及びB、A及びC、B及びC並びにA、B及びCが含まれる。
【0033】
[00041] 本明細書で使用される場合、「接触」という用語は、特に明記されない限り、直接接触を意味する。電気伝導性材料に関して、接触とは、接触している材料間で電気伝導が生じるために十分な接触を意味する。イオン伝導性の材料に関して、接触とは、接触している材料間でイオン伝導が生じるために十分な接触を意味する。直接接触している2つの材料は、2つの材料間にインターリーブ層を含まずに配置される。本明細書で使用される場合、「電気接触」という句は、接触している材料間で電気伝導が生じるために十分な接触を意味する。
【0034】
[00042] 本明細書で使用される場合、「直接接触する」とは、材料が電気的に又はイオン的に伝導性である場合、2つの材料がその間に電子の流れ又はイオンの流れを伝導するために十分な物理的接触状態にあることを意味する。そのうちの1つが電気的に、又はイオン的に絶縁性である2つの材料間の直接接触は、適用された力又は圧力を伝導する界面をその2つの材料が共有することを意味する。
【0035】
[00043] 本明細書で使用される場合、電気接触という句は、2つの材料が直接接触しており、且つ直接接触する点を通して電流を伝導することができることを意味する。
【0036】
[00044] 本明細書で使用される場合、「カソード」及び「アノード」という用語は、電池の電極を指す。Li-二次電池の充電サイクルの間、Liイオンはカソードを出て、電解質中を通って、アノードへと移動する。充電サイクルの間、電子はカソードを出て、外部回路を通って、アノードへと移動する。Li-二次電池の放電サイクルの間、Liイオンは、電解質中を通って、アノードからカソードの方へ移動する。放電サイクルの間、電子はアノードを出て、外部回路を通ってカソードへと移動する。
【0037】
[00045] 本明細書で使用される場合、「グリーンフィルム」又は「グリーンテープ」という句は、リチウム充填ガーネット又はリチウム充填ガーネットの前駆体及び、バインダー、可塑剤、炭素、分散剤、溶媒又はその組合せの少なくとも1つを含む非焼結テープ又は膜を指す。本明細書で使用される場合、「グリーンフィルムテープ」は、グリーンフィルムの、乾燥されたか、又は乾燥されていないいずれかのキャストされたテープのロール連続層又はその切断部分を指す。
【0038】
[00046] 本明細書で使用される場合、「電気化学セル」又は「電池セル」という句は、陽極及び陰極を含み、電解質によるその2つの間のイオン伝達を有する単一セルを意味する。いくつかの実施形態において、同一電池セルは、1つの容器に封入された複数の陽極及び/又は複数の陰極を含む。
【0039】
[00047] 本明細書で使用される場合、「電気化学デバイス」という句は、限定されないが、電気化学反応、例えば、3Li+FeF3⇔3LiF+Feなどのコンバージョン化学反応によって運転するか、又は電気若しくは電流を発生するLi-二次電池などのエネルギー貯蔵デバイスを指す。
【0040】
[00048] 本明細書で使用される場合、「電解質」という用語は、イオン、例えばLi+がそれを通して移動することは可能であるが、それを通して電子が伝導することは不可能である材料を指す。イオン伝導率は、電子伝導率より少なくとも1000倍大きい。電解質は、イオン、例えばLi+が電解質を通して伝達することを可能しながら、二次電池のカソード及びアノードを電気的に絶縁するために有用である。固体電解質は、いくつかの実施例において、剛性構造を通してのイオンホッピング及び/又は拡散に依存する。固体電解質は、高速イオン伝導体又は超イオン伝導体としても記載され得る。この場合、固体電解質層は、固体電解質セパレーター又は固体電解質セパレーターとしても記載され得る。
【0041】
[00049] 本明細書で使用される場合、「エネルギー貯蔵電極」という句は、例えば、エネルギー貯蔵デバイス、例えばリチウム充電式電池又はLi-二次電池での使用に適切である電極を指す。本明細書で使用される場合、そのような電極は、充電式電池の充電及び放電のために、必要に応じて電子及びLiイオンを伝導することができる。
【0042】
[00050] 本明細書で使用される場合、「膜厚」という句は、膜の上部及び底部表面の間の距離又は測定距離の中央値(median measured distance)を指す。本明細書で使用される場合、「厚さ」という用語は、層を参照する場合、層の上部及び底部表面の間の距離又は測定距離の中央値を指す。本明細書で使用される場合、上部及び底部表面は、最大表面積を有する膜の側面を指す。特に明記されない限り、走査型電子顕微鏡法を使用して厚さを測定する。
【0043】
[00051] 本明細書で使用される場合、表面の「平坦度」は、表面上の最低点と、表面上の3つの最高点を含有する平面との間の最大法線距離を指すか、或いは、表面上の最高点と、表面上の3つの最低点を含有する平面との間の最大法線距離を指す。それは、原子間力顕微鏡(AFM)、高精度光学顕微鏡又はレーザーインターフェロメトリーによる表面の高さマッピングを用いて測定され得る。
【0044】
[00052] 本明細書で使用される場合、「薄膜」という用語は、約10nm~約100μmの平均厚さ寸法を有する、本明細書に記載される成分、組成物又は材料を有する膜を指す。いくつかの実施例において、薄膜は、厚さが約1μm未満、10μm未満又は50μm未満の膜を指す。
【0045】
[00053] 本明細書で使用される場合、「リチウム界面抵抗」という句は、Li+イオンの取り込みに対する材料の界面抵抗を指す。リチウム界面ASR(ASRinterface)は、界面抵抗(Rinterface)から算出され、方程式ASRinterface=Rinterface*A/2(式中、Aはセパレーターと接触している電極の面積であり、且つ指数2は、対称形のセルで測定した場合、2つの界面に対応し、且つRinterface=Rtotal-Rbulkであり、Rtotalは全抵抗であり、且つRbulkはバルク抵抗である)を用いる。
【0046】
[00054] 本明細書で使用される場合、「リチウム充填ガーネット(lithium-stuffed garnet)」という句は、ガーネット結晶構造に関連する結晶構造によって特徴づけられる酸化物を指す。リチウム充填ガーネットのいくつかの例は、米国特許出願第14/509,029号として2014年10月7日に出願され、2015年4月9日に公開された米国特許出願公開第2015/0099190号に記載され、全目的に関して、それら全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。この出願は、全固体リチウム充電式電池で使用される固体電解質Li充填ガーネットを記載する。これらのLi充填ガーネットは、LiALaBM’CM’’DZrEOF、LiALaBM’CM’’DTaEOF又はLiALaBM’CM’’DNbEOF(式中、4<A<8.5、1.5<B<4、0≦C≦2、0≦D≦2;0≦E≦3、10<F<13であり、且つM’及びM’’は、それぞれの例において、それぞれ独立して、Ga、Al、Mo、W、Nb、Sb、Ca、Ba、Sr、Ce、Hf、Rb及びTaから選択される)、或いはLiaLabZrcAldMe’’eOf(式中、5<a<8.5;2<b<4;0<c≦2.5;0≦d<2;0≦e<2及び10<f<13であり、且つMe’’はGa、Nb、Ta、V、W、Mo及びSbから選択される金属である)による組成、並びに米国特許出願公開第2015/0099190号に記載される他の組成を一般に有する。本明細書で使用される場合、リチウム充填ガーネット及びガーネットとしては、一般に、限定されないが、Li7.0±δLa3(Zrt1+Nbt2+Tat3)O12+0.35Al2O3(式中、La:(Zr/Nb/Ta)比が3:2であるように、δは0~3であり、且つ(t1+t2+t3=2)である)が挙げられる。例えば、δは0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9又は3.0である。いくつかの実施例において、本明細書中のLi充填ガーネットは、Li7±δLi3Zr2O12・xAl2O3の組成を有する。なお別の実施形態において、本明細書中のLi充填ガーネットは、Li7±δLi3Zr2O12・0.22Al2O3の組成を有する。なお他の実施形態において、本明細書中のLi充填ガーネットは、Li7±δLi3Zr2O12・0.35Al2O3の組成を有する。特定の他の実施形態において、本明細書中のLi充填ガーネットは、Li7±δLi3Zr2O12・0.5Al2O3の組成を有する。別の実施形態において、本明細書中のLi充填ガーネットは、Li7±δLi3Zr2O12・0.75Al2O3の組成を有する。また、本明細書で使用されるL充填ガーネットとしては、限定されないが、LixLa3Zr2OF+yAl2O3(式中、xは5.5~9の範囲であり、且つyは0.05~1の範囲である)が含まれる。これらの実施例において、添え字x、y及びFは、Li充填ガーネットが電荷中性であるように選択される。いくつかの実施例において、xは7であり、且つyは1.0である。いくつかの実施例において、xは5であり、且つyは1.0である。いくつかの実施例において、xは6であり、且つyは1.0である。いくつかの実施例において、xは8であり、且つyは1.0である。いくつかの実施例において、xは9であり、且つyは1.0である。いくつかの実施例において、xは7であり、且つyは0.35である。いくつかの実施例において、xは5であり、且つyは0.35である。いくつかの実施例において、xは6であり、且つyは0.35である。いくつかの実施例において、xは8であり、且つyは0.35である。いくつかの実施例において、xは9であり、且つyは0.35である。いくつかの実施例において、xは7であり、且つyは0.7である。いくつかの実施例において、xは5であり、且つyは0.7である。いくつかの実施例において、xは6であり、且つyは0.7である。いくつかの実施例において、xは8であり、且つyは0.7である。いくつかの実施例において、xは9であり、且つyは0.7である。いくつかの実施例において、xは7であり、且つyは0.75である。いくつかの実施例において、xは5であり、且つyは0.75である。いくつかの実施例において、xは6であり、且つyは0.75である。いくつかの実施例において、xは8であり、且つyは0.75である。いくつかの実施例において、xは9であり、且つyは0.75である。いくつかの実施例において、xは7であり、且つyは0.8である。いくつかの実施例において、xは5であり、且つyは0.8である。いくつかの実施例において、xは6であり、且つyは0.8である。いくつかの実施例において、xは8であり、且つyは0.8である。いくつかの実施例において、xは9であり、且つyは0.8である。いくつかの実施例において、xは7であり、且つyは0.5である。いくつかの実施例において、xは5であり、且つyは0.5である。いくつかの実施例において、xは6であり、且つyは0.5である。いくつかの実施例において、xは8であり、且つyは0.5である。いくつかの実施例において、xは9であり、且つyは0.5である。いくつかの実施例において、xは7であり、且つyは0.4である。いくつかの実施例において、xは5であり、且つyは0.4である。いくつかの実施例において、xは6であり、且つyは0.4である。いくつかの実施例において、xは8であり、且つyは0.4である。いくつかの実施例において、xは9であり、且つyは0.4である。いくつかの実施例において、xは7であり、且つyは0.3である。いくつかの実施例において、xは5であり、且つyは0.3である。いくつかの実施例において、xは6であり、且つyは0.3である。いくつかの実施例において、xは8であり、且つyは0.3である。いくつかの実施例において、xは9であり、且つyは0.3である。いくつかの実施例において、xは7であり、且つyは0.22である。いくつかの実施例において、xは5であり、且つyは0.22である。いくつかの実施例において、xは6であり、且つyは0.22である。いくつかの実施例において、xは8であり、且つyは0.22である。いくつかの実施例において、xは9であり、且つyは0.22である。また、本明細書で使用されるLi充填ガーネットとしては、限定されないが、LixLa3Zr2O12+yAl2O3(式中、yは0~1であり、且つ0及び1を含む)が含まれる。一実施形態において、本明細書のLi充填ガーネットは、Li7Li3Zr2O12の組成を有する。
【0047】
[00055] 本明細書で使用される場合、ガーネット又はLi充填ガーネットには、YAG-ガーネット(すなわち、イットリウムアルミニウムガーネット又は、例えばY3Al5O12)は含まれない。本明細書で使用される場合、ガーネットには、パイロープ、アルマンディン、スペッサルティングロッシュラー、エソナイト又はシナモンストーン、ツァボライト、ウバロバイト及びアンドラダイト、並びに固溶体パイロープ-アルマンディン-スペッサライト及びウバロバイト-グロッシュラー-アンドラダイトなどのシリケートベースのガーネットは含まれない。本明細書中、ガーネットには、XがCa、Mg、Fe及び又はMnであり、且つYがAl、Fe及び又はCrである一般式X3Y2(SiO4)3を有するネソシリケートは含まれない。
【0048】
[00056] 本明細書で使用される場合、「ガーネット前駆体化学物質」、「ガーネット型電解質の化学前駆体」、「ガーネットの前駆体」及び「ガーネット前駆体物質」という句は、反応して本明細書に記載されるリチウム充填ガーネット材料を形成する化学物質を指す。これらの化学物質前駆体としては、限定されないが、水酸化リチウム(例えば、LiOH)、酸化リチウム(例えば、2O)、炭酸リチウム(例えば、LiCO3)、酸化ジルコニウム(例えば、ZrO2)、酸化ランタン(例えば、La2O3)、水酸化ランタン(例えば、La(OH)3)、酸化アルミニウム(例えば、Al2O3)、水酸化アルミニウム(例えば、Al(OH)3)、AlOOH、アルミニウム(例えば、Al)、ベーマイト、ギブサイト、コランダム、硝酸アルミニウム(例えば、Al(NO3)3)、硝酸アルミニウム九水和物、酸化ニオブ(例えば、Nb2O5)、酸化ガリウム(Ga2O3)及び酸化タンタル(例えば、Ta2O5)が含まれる。ガーネット材料の他の前駆体は、本明細書に記載される方法での使用のために適切であり得る。
【0049】
[00057] 本明細書で使用される場合、「ガーネット型電解質」という句は、Li+イオン伝導体として本明細書に記載されるリチウム充填ガーネット材料を含む電解質を指す。Li充填ガーネット固体電解質の利点は多く、リチウム充電式電池で一般に使用される液体の可燃性電解質の代用として含まれる。
【0050】
[00058] 本明細書で使用される場合、「LIRAP」という用語は、リチウムリッチなアンチペロブスカイト(antiperovskite)を指し、且つ「LOC」又は「Li3OCl」と類義的に使用される。LIRAPの組成は、aLi2O+bLiX+cLiOH+dAl2O3(式中、X=Cl、Br及び/又はIであり、a/b=.7~9、c/a=0.01~1、d/a=0.001~0.1である)である。
【0051】
[00059] 本明細書で使用される場合、「LXPS」又は「LPS+X」という用語は、Li、P、S及びXを含み、X=Cl、Br及び/又はIである、リチウム伝導性電解質を指す。例えば、「LSPI」は、Li、P、S及びIを含むリチウム伝導性電解質を指す。より一般に、aLi2S+bP2Sy+cLiX(式中、X=Cl、Br及び/又はIであり、且つy=3~5であり、且つa/b=2.5~4.5であり、且つ(a+b)/c=0.5~15である)を含むことが理解される。
【0052】
[00060] 本明細書で使用される場合、「LBHPS」という用語は、Li、B、H、P及びSを有するリチウム伝導性電解質、例えば、A(LiBH4)(1-A)(P2S5)(式中、0.05≦A≦0.95である)を指す。
【0053】
[00061] 本明細書で使用される場合、「LSS」は、Li2S-SiS2、Li-SiS2、Li-S-Si、及び/又は、本質的にLi、S及びSiからなるカソライトとして記載することができる硫化リチウムケイ素を指す。LSSは、式LixSiySz(式中、0.33≦x≦0.5、0.1≦y≦0.2、0.4≦z≦0.55)によって特徴づけられ、且つ最高10原子%までの酸素を含み得る電解質材料を指す。LSSも、Li、Si及びSを含む電解質材料を指す。いくつかの実施例において、LSSは、Li2S及びSiS2の混合物である。いくつかの実施例において、Li2S:SiS2のモル比は、90:10、85:15、80:20、75:25、70:30、2:1、65:35、60:40、55:45又は50:50である。LSSは、LixPOy、LixBOy、Li4SiO4、Li3MO4、Li3MO3、PSx及び/又は限定されないがLiI、LiCl、LiF若しくはLiBrなどのハロゲン化リチウムなどの化合物(式中、0<x≦5且つ0<y≦5)によってドープされていてもよい。
【0054】
[00062] 本明細書で使用される場合、「SLOPS」という用語は、特に明記されない限り、0.1~10モル%のLi3PO4を含む、60:40モル比のLi2S:SiS2を指す。いくつかの実施例において、「SLOPS」は、0.1~10モル%のLi3PO4Liを含む、Li10Si4S13(50:50のLi2S:SiS2)を含む。いくつかの実施例において、「SLOPS」は、0.1~10モル%のLi3PO4MO(式中、Mは金属である)を含む、Li26Si7S27(65:35のLi2S:SiS2)を含む。いくつかの実施例において、「SLOPS」は、0.1~5モル%のLi3PO4(0<x≦5及び0<y≦5である)を含む、Li4SiS4(67:33のLi2S:SiS2)を含む。いくつかの実施例において、「SLOPS」は、0.1~5モル%のLi3PO4を含む、Li14Si3S13(70:30のLi2S:SiS2)を含む。いくつかの実施例において、「SLOPS」は、式(1-x)(60:40 Li2S:SiS2)*(x)(Li3PO4)(式中、xは0.01~0.99である)によって特徴づけられる。本明細書で使用される場合、「LBS-POX」は、Li2S:B2S3:Li3PO4:LiX(式中、Xはハロゲンである(X=F、Cl、Br、I))の電解質組成物を指す。その組成物は、0~30%のLiIなどのハロゲン化リチウム及び/又は0~10%のLi3PO4でドープされたLi3BS3又はLi5B7S13を含むことができる。
【0055】
[00063] 本明細書で使用される場合、「LSTPS」という用語は、Li、Si、P、Sn及びS化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LSPSO」は、Oによってドープされたか、又はOが存在するLSPSを指す。いくつかの実施例において、「LSPSO」は、0.01~10原子%の酸素含有量を有するLSPS材料である。本明細書で使用される場合、「LATP」は、Li、As、Sn及びP化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LAGP」は、Li、As、Ge及びP化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LXPSO」は、式LiaMPbScOd(式中、MはSi、Ge、Sn及び/又はAlであり、且つ2≦a≦8、0.5≦b≦2.5、4≦c≦12、及びd<3)によって特徴づけられるカソライト材料を指す。LXPSOは、上記で定義されるLXPSが、0.1~約10原子%の酸素によってドープされたものを指す。LPSOは、上記で定義されるLPSに、0.1~約10原子%で酸素ドーピングを有するものを指す。0.1~10モル%のLi3PO4で13(50:50のLi2S:SiS2)。いくつかの実施例において、「SLOPS」は、0.1~10モル%のLi3PO4を含む、Li26Si7S27(65:35のLi2S:SiS2)を含む。いくつかの実施例において、「SLOPS」は、0.1~5モル%のLi3PO4を含む、Li4SiS4(67:33のLi2S:SiS2)を含む。いくつかの実施例において、「SLOPS」は、0.1~5モル%のLi3PO4を含む、Li14Si3S13(70:30のLi2S:SiS2)を含む。いくつかの実施例において、「SLOPS」は、式(1-x)(60:40 Li2S:SiS2)*(x)(Li3PO4)(式中、xは0.01~0.99である)によって特徴づけられる。本明細書で使用される場合、「LBS-POX」は、Li2S:B2S3:Li3PO4:LiX(式中、Xはハロゲンである(X=F、Cl、Br、I))の電解質組成物を指す。組成物は、0~30%のLiIなどのハロゲン化リチウム及び/又は0~10%のLi3PO4でドープされたLi3BS3又はLi5B7S13を含むことができる。
【0056】
[00064] 本明細書で使用される場合、「LPSCl」という用語は、Li、P、S及びCl化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LPSBr」という用語は、Li、P、S及びBr化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LPSI」という用語は、Li、P、S及びI化学成分を有する電解質材料を指す。LXPSOは、上記で定義されるLXPSに、0.1~約10原子%の酸素ドーピングを有するものを指す。LPSOは、上記で定義されるLPSに、0.1~約10原子%の酸素ドーピングを有するものを指す。
【0057】
[00065] 本明細書で使用される場合、「LAPS」という用語は、Li、As、P及びS化学成分を有する電解質材料を指す。「」は、Li、P、S及びCl化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LTPS」という用語は、Li、P、Sn及びS化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LSPS」という用語は、Li、P、Si及びS化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LGPS」という用語は、Li、P、Ge及びS化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LPS」という用語は、Li、P及びS化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LSTPSCl」という用語は、Li、Si、P、Sn、S及びCl化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LSPSCl」という用語は、Li、Si、P、S及びCl化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LSPSBr」という用語は、Li、Si、P、S及びBr化学成分を有する電解質材料を指す。本明細書で使用される場合、「LTS」は、Li2S:SnS2:As2S5、Li2S-SnS2、Li2S-SnS、Li-S-Sn及び/又は基本的にLi、S及びSnからなるカソライトと記載されることができるリチウムスズ硫化物化合物を指す。組成物は、LixSnySz(式中、0.25≦x≦0.65、0.05≦y≦0.2及び0.25≦z≦0.65である)であり得る。いくつかの実施例において、LTSは、80:20、75:25、70:30、2:1又は1:1のモル比のLi2S及びSnS2の混合物である。LTSは、最高10原子%までの酸素を含み得る。LTSは、Bi、Sb、As、P、B、Al、Ge、Ga及び/又はIn及び/又はLiI、LiCl、LiF若しくはLiBrなどのリチウムハロゲン化物でドープされていてもよい。
【0058】
[00066] 本明細書で使用される場合、「LATS」という用語は、ヒ素(As)をさらに含むLTS、As2S5、Li2S-SnS2、Li2S-SnS、Li-S-Sn及び/又は基本的にLi、S及びSnからなるカソライトを指す。組成物は、LixSnySz(式中、0.25≦x≦0.65、0.05≦y≦0.2及び0.25≦z≦0.65である)であり得る。いくつかの実施例において、LTSは、80:20、75:25、70:30、2:1又は1:1のモル比のLi2S及びSnS2の混合物である。LTSは、最高10原子%までの酸素を含み得る。LTSは、Bi、Sb、As、P、B、Al、Ge、Ga及び/又はIn及び/又はLiI、LiCl、LiF若しくはLiBrなどのリチウムハロゲン化物でドープされていてもよい。
【0059】
[00067] 本明細書で使用される場合、「LBHI」又は「LiBHI」という用語は、Li、B、H及びIを有するリチウム伝導性電解質を指す。より一般に、aLiBH4+bLiX(式中、X=Cl、Br及び/又はIであり、且つa:b=7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1であるか、又は範囲a/b=2~4である)を含むことが理解される。LBHIは、aLiBH4+bLiX+cLiNH2(式中、(a+c)/b=2~4であり、且つc/a=0~10である)の形態で窒素をさらに含み得る。
【0060】
[00068] 本明細書で使用される場合、「LBHXN」という用語は、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素(F)、臭素(Br)、塩素(Cl)、ヨウ素(I)又はその組合せであり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)として特徴づけられる組成物を指す。本明細書で使用される場合、「LBHFN」という用語は、A・(LiBH4)・B・(LiF)・C・(LiNH2)(式中、3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)として特徴づけられる組成物を指す。本明細書で使用される場合、「LBHBrN」という用語は、A・(LiBH4)・B・(LiBr)・C・(LiNH2)(式中、3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)として特徴づけられる組成物を指す。本明細書で使用される場合、「LBHClN」という用語は、A・(LiBH4)・B・(LiCl)・C・(LiNH2)(式中、3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)として特徴づけられる組成物を指す。本明細書で使用される場合、「LBHIN」という用語は、A・(LiBH4)・B・(LiI)・C・(LiNH2)(式中、3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)として特徴づけられる組成物を指す。
【0061】
[00069] 本明細書で使用される場合、「SLOBS」は、特に明記されない限り、0.1~10モル%のLiBH4を含む、60:40モル比のLi2S:SiS2を含む。いくつかの実施例において、「SLOBS」は、0.1~10モル%のLiBH4を含む、Li10Si4S13(50:50のLi2S:SiS2)を含む。いくつかの実施例において、「SLOBS」は、0.1~10モル%のLiBH4を含む、Li26Si7S27(65:35のLi2S:SiS2)を含む。いくつかの実施例において、「SLOBS」は、0.1~5モル%のLiBH4を含む、Li4SiS4(67:33のLi2S:SiS2)を含む。いくつかの実施例において、「SLOBS」は、0.1~5モル%のLiBH4を含む、Li14Si3S13(70:30のLi2S:SiS2)を含む。いくつかの実施例において、「SLOBS」は、式(1-x)(60:40 Li2S:SiS2)*(x)(Li3BO4)(式中、xは0.01~0.99である)によって特徴づけられる。本明細書で使用される場合、「LBS-BOX」は、Li2S:B2S3:LiBH4:LiX(式中、Xはハロゲンである(X=F、Cl、Br、I))の電解質組成物を指す。組成物は、0~30%のLiIなどのハロゲン化リチウム及び/又は0~10%のLi3PO4でドープされたLi3BS3又はLi5B7S13を含むことができる。
【0062】
[00070] 本明細書で使用される場合、「同種の材料から製造される」という句は、同じ組成物を含む材料の2つ以上の異なる物理的形態を指す。例えば、リチウム充填ガーネット粉末及びリチウム充填ガーネット薄膜は、同種の材料から製造される。例えば、LSTPS粉末及びLSTPS薄膜は、同種の材料から製造される。
【0063】
[00071] 本明細書で使用される場合、「製造」という用語は、製造される物体を形成するか、又は形成するようにさせるプロセス又は方法を指す。例えば、エネルギー貯蔵電極の製造には、エネルギー貯蔵デバイスの電極が形成されるプロセス、プロセスステップ又は方法が含まれる。エネルギー貯蔵電極の製造を構成するステップの最終結果は、電極として機能的である材料の製造である。
【0064】
[00072] 本明細書で使用される場合、「陽極」という句は、電池の放電の間、それに向かって陽イオン、例えばLi+が伝導するか、流れるか又は移動する、二次電池中の電極を指す。本明細書で使用される場合、「陰極」という句は、電池の放電の間、それから陽イオン、例えばLi+が流れる又は移動する、二次電池中の電極を指す。Li金属電極、及びコンバージョン化学、インターカレーション化学又はコンバージョン/インターカレーション化学の組合せを含む電極(すなわち、カソード活物質;例えば、NiFx、NCA、LiNixMnyCozO2[NMC]又はLiNixAlyCozO2[NCA](式中、x+y+z=1))から構成される電池において、コンバージョン化学、インターカレーション化学又はコンバージョン/インターカレーション化学の組合せ材料を有する電極は、陽極として指される。いくつかの一般的な使用において、カソードが陽極の代わりに使用され、そしてアノードが陰極の代わりに使用される。Li-二次電池が充電される場合、Liイオンは、陽極(例えば、NiFx、NMC、NCA)から陰極(例えば、Li-金属)の方へ移動する。Li-二次電池が放電する場合、Liイオンは、陰極から陽極の方へ移動する。
【0065】
[00073] 本明細書で使用される場合、「有機成分(10%)」という句は、ホスト中の有機種の重量パーセント量を指す。例えば、緩衝層がLSTPS及びポリマーを含むが、有機成分(10%)である場合、これは、例えば、LSTPS及びポリマーの組合せ中のポリマーの総量が10重量%であり、残りの90%が非有機、例えばLSTPSであることを意味する。
【0066】
[00074] 本明細書で使用される場合、「SEMによって決定される多孔性」という句は、走査型電子顕微鏡写真を分析するためのイメージ分析ソフトウェアを用いた密度の測定を指す。例えば、最初に、ユーザー又はソフトウェアは、多孔性としてイメージのピクセル及び/又は領域を割り当てる。第2に、それらの領域の面積率が合計される。最後に、SEMによって決定された多孔性率を、イメージの多孔性領域の面積率とする。
【0067】
[00075] 本明細書で使用される場合、「提供する」という句は、提供されるものの供給、発生又は寄与又は送達を指す。
【0068】
[00076] 本明細書で使用される場合、「セパレーター」及び「Li+イオン伝導性セパレーター」という用語は、他に明記されない限り、セパレーターをLi+イオン伝導性セパレーターの短縮形として換言可能である。セパレーターは、Li+イオンを伝導し、電子に対して実質的に絶縁性であり、且つ電気化学セル又は充電式電池における陽極及び陰極間の物理的バリア又はスペーサーとしての使用のために適切である固体電解質を指す。セパレーターは、本明細書で使用される場合、セパレーターのリチウムイオン伝導率は、セパレーターの電子伝導率よりも少なくとも103倍、典型的に106倍大きい場合、実質的に絶縁性である。セパレーターは、膜、モノリス又はペレットであることが可能である。反対に明示されない限り、セパレーターは、本明細書で使用される場合、リチウム金属と接触している時に安定性である。
【0069】
[00077] 本明細書で使用される場合、「焼結リチウム充填ガーネット薄膜」は、薄膜を形成するために、焼結されて、高密度化されたリチウム充填ガーネットを含むグリーンフィルムを指す。
【0070】
[00078] 本明細書で使用される場合、「固体カソード」又は「固体陽極」という句は、本明細書で定義される種類の「陽極」を指す。特定の実施例において、この固体カソード膜の全ての構成要素は、固体状態である。固体カソードは、本明細書で定義されるカソード活物質、本明細書で定義される固体カソライト、任意選択的に伝導性添加剤及び任意選択的にバインダーを含む。固体カソードは、いくつかの実施例において高密度膜である。
【0071】
[00079] 本明細書で使用される場合、「固体電解質」という句は、「固体セパレーター」という句に換言可能であり、炭素を含まず、且つ原子イオン(例えばLi+)を伝導するが、電子を伝導しない材料を指す。無機固体電解質は、伝導経路をリチウムイオンに提供しながらも、リチウム二次電池の陽極及び陰極を電気的に絶縁するために適切な固体材料である。実施例無機固体電解質は、以下にさらに定義される酸化物電解質及び硫化物電解質を含む。非限定的な実施例硫化物電解質は、例えば、2015年10月27日に発行された米国特許第9,172,114号に、また2016年12月1日に米国特許出願第15/367,103号として出願され、2017年6月8日に公開された米国特許出願公開第2017-0162901A1号に見られる。上記特許の全内容は、全ての目的に関して参照によって全体が本明細書に組み込まれる。非限定的な実施例酸化物電解質は、例えば、2015年7月16日に公開された米国特許出願公開第2015-0200420A1号に見られる。上記特許の全内容は、全ての目的に関して参照によって全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施例において、無機固体電解質はポリマーも含む。
【0072】
[00080] 本明細書で使用される場合、他に明記されない限り、「実験式の添え字及びモル係数は、記載された材料を製造するために最初にバッチ処理される原料の量に基づく」という句は、添え字(例えば、Li7La3Zr2O12中の7、3、2、12、及び0.35Al2O3中の係数0.35)が、所与の材料(例えば、Li7La3Zr2O12・0.35Al2O3)を調製するために使用される化学前駆体(例えば、LiOH、La2O3、ZrO2、Al2O3)における、それぞれの元素比を指すことを意味する。
【0073】
[00081] 本明細書で使用される場合、「スロットキャスティング」又は「スロットダイコーティング」という句は、基材が溶液、液体、スラリーなどによってコーティングされるか、又は堆積される堆積プロセスを指すが、これは、堆積又はコーティングが生じる基材に隣接して、接触して、又はその上に配置される、寸法が固定されたスロット又は型を通して、溶液、液体、スラリーなどを流すことにより行われる。いくつかの実施例において、スロットキャスティングは、約1~100μmのスロット開口を含む。
【0074】
[00082] 本明細書で使用される場合、「酸化物」という用語は、化合物の化学式中に少なくとも1個の酸素原子及び1個の他の元素を含む化合物を指す。例えば、「酸化物」は「酸化物電解質」と換言できる。酸化物電解質の非限定的な実施例は、例えば、2015年7月16日に公開された米国特許出願公開第2015/0200420号に見られる。上記特許の全内容は、参照によって全体が本明細書に組み込まれる。
【0075】
[00083] 本明細書で使用される場合、「硫化物」という用語は、化合物の化学式中に少なくとも1個の硫黄原子及び1個の他の元素を含む化合物を指す。例えば、「硫化物」は「硫化物電解質」と換言できる。硫化物電解質の非限定的な実施例は、例えば、2015年10月27日に発行された米国特許第9,172,114号、及び2016年12月1日に米国特許出願番号第15/367,103号として出願され、2017年6月8日に公開された米国特許出願公開第2017-0162901A1号に見られる。上記特許の全内容は、全ての目的に関して参照によって全体が本明細書に組み込まれる。本明細書で使用される場合、硫化物カソライトは、硫化物を含むか、又は本質的に硫化物からなるカソライトである。
【0076】
[00084] 本明細書で使用される場合、「硫化物電解質」又は「硫化リチウム」という句には、限定されないが、XがSi、Ge、Sn、As、Al又はLi-Sn-Si-P-S又はLi-As-Sn-Sである、LSS、LTS、LXPS又はLXPSOとして本明細書中に記載される電解質が含まれる。これらの頭字語(LSS、LTS、LXPS又はLXPSO)中、Sは元素S、Si又はそれらの組合せを意味し、そしてTは元素Snを指す。また「硫化物電解質」には、LiaPbScXd、LiaBbScXd、LiaSnbScXd又はLiaSibScXd(式中、X=F、Cl、Br、Iであり、且つ10%≦a≦50%、10%≦b≦44%、24%≦c≦70%、0≦d≦18%であり、%は原子%である)が含まれ得る。意図的に、又はコンタミネーション種として、最高10原子%までの酸素が硫化物電解質中に存在し得る。
【0077】
[00085] 本明細書で使用される場合、「硫化物ハロゲン化物」という用語は、化合物の化学式中に少なくとも1個の硫黄原子、少なくとも1個のハロゲン原子及び1個の他の元素を含む化合物を指す。
【0078】
[00086] 本明細書で使用される場合、電圧は、他に明記されない限り、リチウム金属に関して記載される(すなわちLiに対するV)。
【0079】
電気化学セル
[00087] 一実施例の電気化学セルが
図1に図示される。
図1中、層101は蒸着されたリチウム金属アノードを表す。層102は、リチウム充填ガーネット層を表す。層103は、結合層を表す。層104は、緩衝層を表す。層105は、陽極層を表す。いくつかの実施例において、層102は、厚さ約100μmである。いくつかの実施例において、層101は、厚さ約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40μmである。いくつかの実施例において、層102は、厚さ約75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124又は125μmである。いくつかの実施例において、層103は、厚さ約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15μmである。いくつかの実施例において、層104は、厚さ約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15μmである。いくつかの実施例において、層105は、厚さ約75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169又は170μmである。
【0080】
[00088] いくつかの実施例において、(a)活物質及び硫化物カソライトを含む陽極層;(b)単一イオン伝導性固体緩衝体;(c)ボロハイドライド結合層;並びに(d)リチウム充填ガーネット層を含む全固体電気化学セル(SSEC)が本明細書に記載される。緩衝体は陽極層内に混合されるか、又は緩衝体は陽極層と接触する層として存在するか、又はいくつかの実施例において、緩衝体は陽極層内に混合され、且つ緩衝体は陽極層と接触する層として存在する。ボロハイドライド結合層は、リチウム充填ガーネット層と、(i)その中に緩衝体が混合された陽極層、又は(ii)陽極と接触している緩衝層のいずれかとの間にあり、且つそれらと接触している。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、リチウム充填ガーネット層と、その中に緩衝体が混合された陽極層との間にあり、且つそれらと接触している。いくつかの実施例において、緩衝体は陽極層内に混合される。いくつかの実施例において、緩衝体は陽極層と接触している層として存在する。いくつかの実施例において、緩衝体は陽極層内に混合され、且つ緩衝体は陽極層と接触している層として存在する。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、リチウム充填ガーネット層と、陽極と接触している緩衝層との間にあり、且つそれらと接触している。
【0081】
[00089] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、活物質はコーティングを含む。いくつかの実施例において、活物質は、LLZOから選択される材料のコーティングを含む。
【0082】
[00090] これらの実施例において、Liイオンは、ポリマー又は有機成分(10%)を通してではなく、無機単一イオン伝導体を通して伝導する。
【0083】
[00091] いくつかの実施例において、(a)活物質及び硫化物カソライトを含む陽極層;(b)単一イオン伝導性固体緩衝体;(c)ボロハイドライド結合層;並びに(d)リチウム充填ガーネット層を含み、緩衝体が陽極層内に混合されるか、又は緩衝体は陽極層と接触する層であるか、又はその両方であり、ボロハイドライド結合層が、リチウム充填ガーネット層と、(i)その中に緩衝体が混合された陽極層、又は(ii)陽極と接触している緩衝層のいずれかとの間にあり、且つそれらと接触している全固体電気化学セル(SSEC)が本明細書に記載される。
【0084】
[00092] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、単一イオン伝導性固体緩衝体は、陽極層内に混合される。いくつかの実施形態において、活物質及び緩衝体材料の勾配(gradient)が達成されるような様式で、緩衝体は陽極層内に混合される。
【0085】
[00093] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、単一イオン伝導性固体緩衝体は、陽極層と接触している層である。
【0086】
[00094] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、単一イオン伝導性固体緩衝体は、陽極層内に混合されて、且つ陽極層と接触している層として存在する。
【0087】
[00095] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、単一イオン伝導性固体緩衝層は、ボロハイドライド結合層が陽極層に接触することを防ぐ。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、リチウム充填ガーネット層を緩衝層に接着している。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、リチウム充填ガーネット層を、緩衝体である陽極層成分に接着させる。
【0088】
[00096] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、陰極層は、リチウム充填ガーネット層及び陰極集電体層の間に存在し、且つそれらと接触している。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、緩衝層電位は、Li金属陰極電位から保護(shield)される。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層電位は、陽極電位から保護される。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、SSECは50Ωcm2以下のASRを有する。
【0089】
[00097] いくつかの実施例において、(a)活物質及び硫化物カソライトを含む陽極層;(b)単一イオン伝導性固体電解質を含み、且つ陽極層内に混合されるか、又はそれと直接接触している緩衝体;(c)ボロハイドライドを含む結合層;並びに(d)リチウム充填ガーネットを含む層を含む全固体電気化学セル(SSEC)が本明細書に記載される。本実施形態において、ボロハイドライド結合層は、リチウム充填ガーネットを含む層と、陽極層又は陽極層と直接接触している緩衝体のいずれかとの間にあり、且つそれらと接触している。
【0090】
[00098] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、固体電気化学スタックは、(d)セパレーター層と直接接触している陰極集電体をさらに含む。別の例において、上記のいずれの固体電気化学スタックも、(e)陽極層と直接接触している陽極集電体をさらに含む。さらなる例において、上記のいずれの固体電気化学スタックも、(d)陰極集電体及び(e)陰極をさらに含み、(e)陰極は、セパレーター層及び陰極集電体の間にあり、且つそれらと直接接触している。
【0091】
[00099] 特定の実施形態において、リチウム充填ガーネット及びLBHIを有する複合物であって、LBHIがリチウム充填ガーネットの貫通細孔及び/又は表面細孔の少なくとも90%を充填しており、且つLBHIがA・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xはハライドであり、3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)を有する組成物であり得る複合物が本明細書で提供される。
【0092】
[000100] いくつかの実施例において、本明細書中、ボロハイドライド結合層は、LBHI(ヨウ化リチウムを有するリチウムボロハイドライド)である。緩衝層はLSTPSである。緩衝層は、高電圧陽極をブロック、すなわち保護する。
【0093】
緩衝体組成物
[000101] いくつかの実施例における緩衝層中の硫化物は、2017年1月5日に公開された、「COMPOSITE ELECTROLYTES」と題された米国特許出願公開第2017-0005367A1号に明示されたいずれかの硫化物であってよい。上記特許の全内容は、全ての目的のために、参照によって全体として本明細書に組み込まれる。
【0094】
[000102] いくつかの実施例における緩衝層中の硫化物は、2017年6月8日に公開された国際公開第2017096088A1号に明示されたいずれの硫化物であってもよい。上記特許は、2016年12月1日に出願され、且つ「LITHIUM, PHOSPHORUS, SULFUR, AND IODINE CONTAINING ELECTROLYTE AND CATHOLYTE COMPOSITIONS, ELECTROLYTE MEMBRANES FOR ELECTROCHEMICAL DEVICES, AND ANNEALING METHODS OF MAKING THESE ELECTROLYTES AND CATHOLYTES」と題された国際PCT特許出願第PCT/US2016/064492号として出願され、且つ2017年6月8日に国際公開第2017/096088号として公開された。上記特許の全内容は、全ての目的のために、参照によって全体として本明細書に組み込まれる。
【0095】
[000103] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、緩衝層、硫化物カソライト若しくは単一イオン伝導性固体緩衝体又はそれらの全ては、次式:LiaSibSncPdSeOf(式中、2≦a≦8、0≦b≦1、0≦c≦1、b+c=1、0.5≦d≦2.5、4≦e≦12及び0≦f≦10である);LiaSibPcSdXe(式中、8<a<12、1<b<3、1<c<3、8<d<14及び0<e<1、XはF、Cl、Br又はIである);LigAshSnjSkOl(式中、2≦g≦6、0≦h≦1、0≦j≦1、2≦k≦6及び0≦l≦10である);LimPnSpIq(式中、2≦m≦6、0≦n≦1、0≦p≦1、2≦q≦6である);約10:1~約6:4のLi2S:P2S5のモル比を有する(Li2S):(P2S5)及びLiIの混合物であって、[(Li2S):(P2S5)]:LiIの比率が95:5~50:50である混合物;LPS+X(式中、XはCl、I又はBrから選択される);vLi2S+wP2S5+yLiX;又はvLi2S+wSiS2+yLiXの1つによって特徴づけることができる。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、硫化物カソライトは、LSTPS.2S+wB2S3+yLiXを含む。
【0096】
[000104] いくつかの実施例において、緩衝体は、LiaSibSncPdSe(式中、2≦a≦8、0≦b≦1、0≦c≦1、0.5≦d≦2.5及び4≦e≦12である)を含む。いくつかの実施例において、緩衝体は、LiaSibSncPdSe(式中、2≦a≦8、0≦b≦1、0≦c≦1、b+c=1、0.5≦d≦2.5及び4≦e≦12である)を含む。いくつかの実施例において、緩衝体は、LiaSibSncPdSe(式中、3≦a≦7、0≦b≦1、0≦c≦1、b+c=1、0.5≦d≦1.5及び8≦e≦12である)を含む。いくつかの実施例において、緩衝体は、LiaSibSncPdSe(式中、3≦a≦5、0≦b≦1、0≦c≦1、b+c=1、0.5≦d≦1及び5≦e≦9である)を含む。いくつかの実施例において、緩衝体は、LiaSibSncPdSe(式中、3≦a≦5、0≦b≦1、0≦c≦1、b+c=1、0.5≦d≦1及び5≦e≦9である)を含む。いくつかの実施例において、緩衝体は、LiaSibSncPdSe(式中、2≦a≦8、0≦b≦1、0≦c≦1、b+c=1、0.5≦d≦2.5及び4≦e≦12である)を含む。いくつかの実施例において、緩衝体は、LiaSibSncPdSe(式中、3≦a≦5、0≦b≦0.5、0≦c≦0.5、0≦d≦2及び2≦e≦10である)を含む。いくつかの実施例において、緩衝体は、LiaSibSncPdSe(式中、3≦a≦5、0≦b≦0.25、0≦c≦1、0≦d≦1及び2≦e≦14である)を含む。いくつかの実施例において、緩衝体は、LiaSibSncPdSe(式中、3≦a≦5、0≦b≦0.25、0≦c≦1、0≦d≦1及び2≦e≦8である)を含む。
【0097】
[000105] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、単一イオン伝導性固体緩衝体はLSTPSを含む。
【0098】
[000106] 緩衝層は電子を伝導せず、それによって、ボロハイドライド結合層が感じる電位から陽極電位を保護する。
【0099】
[000107] 緩衝層は電子を伝導せず、それによって、陰極が感じる電位から陽極電位を保護する。
【0100】
[000108] いくつかの実施例において、緩衝層は変形が容易である。
【0101】
[000109] いくつかの実施例において、緩衝層は、本明細書に開示される硫化物カソライト及び/又は本明細書に開示されるコーティングされた活物質に接触時に化学的に安定である。
【0102】
[000110] いくつかの実施例において、緩衝層はLSTPSを含む。
【0103】
[000111] いくつかの実施例において、緩衝層は、約10nm~1000nm、約100nm~500nm又は約150nm~300nmのD50を有する粒子を含む。いくつかの実施例において、緩衝層は、約100nm、約200nm又は約300nmのD50を有する粒子を含む。いくつかの実施例において、緩衝層は、約500nm~2000nm、750nm~1000nm又は約1000nmのD90を有する粒子を含む。いくつかの実施例において、緩衝層は、約800nm、900nm、1000nm又は1100nmのD90を有する粒子を含む。いくつかの実施例において、緩衝層は、少なくとも約750nmのD90を有する粒子を含む。いくつかの実施例において、緩衝層は、少なくとも約900nmのD90を有する粒子を含む。
【0104】
[000112] いくつかの実施例において、緩衝層は、緩衝層の厚さの1/10の粒子から製造される。例えば、緩衝層が厚さ5μmである場合、いくつかの実施例において、0.5μmの緩衝体粒子を含む。いくつかの実施例において、緩衝層が厚さ5μmである場合、緩衝層は0.5μmのd50粒径直径を有するLSTPS粒子を含む。
【0105】
[000113] いくつかの実施例において、緩衝層は、陽極に対して無視できる程度の界面抵抗を有する。
【0106】
[000114] いくつかの実施例において、緩衝層は非ポリマーであり、これは、5重量%未満のポリマーを含むことを意味する。
【0107】
[000115] いくつかの実施例において、緩衝層は、積層及び高密度化プロセスによって陽極に接着される。これによって、電子接近をブロックし、陽極電位から他の電解質層を保護する、緩衝された陽極が得られる。
【0108】
[000116] いくつかの実施例において、緩衝層は、積層及び高密度化プロセスによって陽極に接着される。これによって、電子接近をブロックし、陽極電位から他の電解質層を保護する、緩衝された陽極が得られる。
【0109】
[000117] いくつかの実施例において、緩衝層は、約20%v/v未満、15%v/v未満、12.5%v/v未満、10%v/v未満、5%v/v未満、1%v/v未満又はそれ以下の多孔性を有する。いくつかの実施例において、緩衝層は、約5%v/v~20%v/v又は約10%v/v~15%v/vの多孔性を有する。
【0110】
結合層組成物
[000118] 特定の実施形態において、結合層は、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xはフッ素、臭素、塩素、ヨウ素又はその組合せであり得、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)を有する組成物を含み得る。いくつかの実施例において、結合層は、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、3≦A≦6、2≦B≦5及び3≦C≦6である)を含む。いくつかの実施例において、結合層は、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、3≦A≦5、2≦B≦5及び3≦C≦5である)を含む。いくつかの実施例において、結合層は、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、3≦A≦4、2≦B≦4及び3≦C≦4である)を含む。いくつかの実施例において、結合層は、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、4≦A≦5、2≦B≦4及び4≦C≦5である)を含む。いくつかの実施例において、結合層は、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、4≦A≦5、3≦B≦4及び4≦C≦5である)を含む。
【0111】
[000119] 特定の実施形態において、結合層は、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xはフッ素、臭素、塩素、ヨウ素又はその組合せであり得、且つ0.1≦A≦3、0.1≦B≦4.5及び0≦C≦9である)を有する組成物を含み得る。
【0112】
[000120] 一実施形態において、Xは臭素、塩素、ヨウ素又はその組合せであり得る。別の実施形態において、Xはヨウ素であり得る。いくつかの実施形態において、Aは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9又は3.0である。いくつかの実施例において、Bは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4又は4.5である。いくつかの実施例において、Cは、0.0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9又は9.0である。
【0113】
[000121] いくつかの実施例において、結合層は、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、2.5<A<4.5、2.5<B<5.5及び4<C<9である)を含むボロハイドライド組成物を含む。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)を含むボロハイドライド組成物を含む。いくつかの実施例において、2.5<A<3.5、3.5<B<4.5及び5<C<9である。
【0114】
[000122] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、組成物が3LiBH4・2LiCl・3LiNH2又は3LiBH4・4LiCl・9LiNH2であるボロハイドライド組成物を含む。一実施形態において、組成物は、3LiBH4・2LiI・3LiNH2であり得る。別の実施形態において、組成物は、3LiBH4・4LiI・9LiNH2であり得る。別の実施形態において、組成物は、3LiBH4・2LiCl・3LiNH2であり得る。別の実施形態において、組成物は、3LiBH4・4LiCl・9LiNH2であり得る。別の実施形態において、組成物は、3LiBH4・2LiBr・3LiNH2であり得る。別の実施形態において、組成物は、3LiBH4・4LiBr・9LiNH2であり得る。
【0115】
[000123] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、組成物が3LiBH4・2LiCl・3LiNH2又は3LiBH4・4LiCl・5LiNH2であるボロハイドライド組成物を含む。一実施形態において、組成物は、4LiBH4・2LiI・4LiNH2であり得る。別の実施形態において、組成物は、4LiBH4・3LiI・4LiNH2であり得る。別の実施形態において、組成物は、4LiBH4・5LiCl・4LiNH2であり得る。別の実施形態において、組成物は、4LiBH4・6LiCl・4LiNH2であり得る。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、組成物が3LiBH4・3LiCl・4LiNH2又は3LiBH4・3LiCl・5LiNH2であるボロハイドライド組成物を含む。一実施形態において、組成物は、3LiBH4・3LiI・6LiNH2であり得る。別の実施形態において、組成物は、3LiBH4・3LiI・7LiNH2であり得る。
【0116】
[000124] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、LBHIN及びLBHNから選択されるボロハイドライド組成物を含む。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、KBH4及びLiNH2を含む。
【0117】
[000125] いくつかの実施形態において、組成物は種々の物理的状態で存在していてもよい。例えば、一実施形態において、組成物は非晶質であり得る。さらなる実施例として、一実施形態において、組成物は半結晶であり得る。組成物は、焼結プロフィールを制御することによって、例えば、焼結後の冷却速度を調整することによって、非晶質又は半結晶となることができる。
【0118】
[000126] 特定の実施形態において、LBHI組成物は、膜、単一独立体又はペレットとして存在していてもよい。例えば、一実施形態において、組成物は薄膜である。さらなる実施例として、一実施形態において、組成物はモノリス(monolith)である。さらなる実施例として、一実施形態において、組成物は押圧ペレットである。
【0119】
[000127] いくつかの実施形態において、LBHI組成物は、酸化物、硫化物、硫化物ハロゲン化物又は電解質をさらに含み得る。例えば、一実施形態において、酸化物は、式LixLayZrzOt・qAl2O3(式中、4<x<10、1<y<4、1<z<3、6<t<14、0≦q≦1である)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネットから選択されてもよい。さらなる実施例として、一実施形態において、組成物は、LBHIのコーティングを有する酸化物を含み、酸化物は、式LixLayZrzOt・qAl2O3(式中、4<x<10、1<y<4、1<z<3、6<t<14、0≦q≦1である)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネットから選択され得る。さらなる実施例として、一実施形態において、酸化物は、式LiaLabZrcAldMe’’eOf(式中、5<a<8.5;2<b<4;0<c≦2.5;0≦d<2;0≦e<2及び10<f<13、且つMe’’はNb、Ga、Ta又はその組合せから選択される金属である)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネットから選択され得る。さらなる実施例として、一実施形態において、組成物は、LBHIのコーティングを有する酸化物を含み、酸化物は、式LiaLabZrcAldMe’’eOf(式中、5<a<8.5;2<b<4;0<c≦2.5;0≦d<2;0≦e<2及び10<f<13、且つMe’’はNb、Ga、Ta又はその組合せから選択される金属である)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネットから選択され得る。さらなる実施例として、上記の1つのLiaLabZrcAldMe’’eOfの実施形態において、Me’’はNbである。さらなる実施例として、上記の1つのLiaLabZrcAldMe’’eOfの実施形態において、Me’’はGaである。さらなる実施例として、上記の1つのLiaLabZrcAldMe’’eOfの実施形態において、Me’’はTaである。さらなる実施例として、上記の1つのLiaLabZrcAldMe’’eOfの実施形態において、Me’’はNb及びGaである。さらなる実施例として、上記の1つのLiaLabZrcAldMe’’eOfの実施形態において、Me’’はNb及びTaである。さらなる実施例として、上記の1つのLiaLabZrcAldMe’’eOfの実施形態において、Me’’はGa及びTaである。
【0120】
[000128] ボロハイドライド結合層は、いくつかの実施例において、ボロハイドライド化合物から製造される。ボロハイドライド化合物は、2018年4月26日に公開され、且つ国際PCT特許出願第PCT/US2017/057735号として出願され、且つ「ELECTROLYTE SEPARATORS INCLUDING LITHIUM BOROHYDRIDE AND COMPOSITE ELECTROLYTE SEPARATORS OF LITHIUM-STUFFED GARNET AND LITHIUM BOROHYDRIDE」と題された国際公開第2018/075972号に明示されるいずれかの化合物であり得る。ボロハイドライドは、2019年4月25日に公開され、且つ2017年10月20日に国際PCT特許出願第PCT/US2017/057739号として出願され、且つ「BOROHYDRIDE-SULFIDE INTERFACIAL LAYER IN ALL SOLID STATE BATTERY」と題された国際公開第2019/078897号に明示されるいずれかの化合物であり得る。
【0121】
[000129] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウム塩は、LiTFSI、LiFSI、LiPF6、LiClO4、LiAsF6、LiBOB、LiBETI、LiBF4及びLiI並びにそれらの組合せから選択される。特定の実施例において、リチウム塩は、LiPF6、リチウムビス(オキソラト)ボレート(LiBOB)、リチウムビス(ペルフルオロエタンスルホニル)イミド(LIBETI)、LiTFSi、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiFSI又はLiIから選択される。特定の実施例において、リチウム塩はLiPF6である。特定の実施例において、リチウム塩はLiBOBである。特定の実施例において、リチウム塩はLiTFSiである。特定の実施例において、リチウム塩はLiBF4である。特定の実施例において、リチウム塩はLiClO4である。特定の実施例において、リチウム塩はLiAsF6である。特定の実施例において、リチウム塩はLiIである。特定の実施例において、リチウム塩はLiBF4である。特定の実施例において、いくつかのリチウム塩が種々の濃度で同時に存在していてもよい。いくつかの実施例において、濃度は、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9又は約2.0Mである。特定の実施例において、結合層は、LiPF6、LiBOB、LiTFSi、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiFSI又はLiIから選択される2種の塩を含んでもよい。特定の実施例において、結合層は、LiPF6、LiBOB、LiTFSi、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiFSI又はLiIから選択される3種の塩を含んでもよい。特定の実施例において、リチウム塩は、LiPF6、LiBOB及びLFTSiから選択されるリチウム塩である。特定の実施例において、リチウム塩は、0.5M~2Mの濃度のLiPF6である。いくつかの実施例において、濃度は、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9又は2.0Mである。特定の実施例において、リチウム塩は0.5M~2Mの濃度のLiTFSIである。いくつかの実施例において、濃度は、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9又は2.0Mである。
【0122】
[000130] 特定の実施例において、リチウム塩は0.01M~10Mの濃度で存在する。いくつかの実施例において、濃度は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.3、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、2.0、0.3、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.8、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0Mである。
【0123】
他の組成物
[000131] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、緩衝層は、0.01~10重量%のバインダーを含む。バインダーは、いくつかの実施例において、ポリオレフィンを含み得る。バインダーは、エチレンアルファ-オレフィンコポリマー、エチレンオクテンコポリマー、ポリオレフィンプラストマー、ポリオレフィンエラストマー、スチレン-ブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン-コ-ヘキサフルオロプロピレン)などを含み得る。
【0124】
[000132] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、緩衝層は、10体積%以下の有機ポリマーを含む。
【0125】
[000133] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ポリマーは、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリプロピレン、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシドポリ(アリルグリシジルエーテル)PEO-AGE、ポリエチレンオキシド2-メトキシエトキシ)エチルグリシジルエーテル(PEO-MEEGE)、ポリエチレンオキシド2-メトキシエトキシ)エチルグリシジルポリ(アリルグリシジルエーテル)(PEO-MEEGE-AGE)、ポリシロキサン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレン(PVDF-HFP)、エチレンプロピレン(EPR)、ニトリルゴム(NPR)、スチレン-ブタジエン-ゴム(SBR)、ポリブタジエンポリマー、ポリブタジエンゴム(PB)、ポリイソブタジエンゴム(PIB)、ポリイソプレンゴム(PI)、ポリクロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、ポリエチルアクリレート(PEA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリエチレンからなる群から選択される。
【0126】
[000134] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、緩衝層又は緩衝体成分は、有機ポリマーを含まない。
【0127】
[000135] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、陽極電位は、リチウム充填ガーネット層電位から保護される。
【0128】
[000136] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、陽極の活物質電位は、リチウム充填ガーネット層電位から保護される。
【0129】
[000137] いくつかの実施例において、カソードは、LiNixMnyCozO2(NMC)及びLiNixAlyCozO2(NCA)(式中、x+y+z=1)から選択される活物質を含む。
【0130】
[000138] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、活物質はコーティングされている。
【0131】
[000139] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、活物質は、酸化リチウムニオブ、酸化リチウムジルコニウム、酸化リチウムアルミニウム、リン酸リチウム、酸化リチウムタンタル、酸化リチウムハフニウム、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル及び酸化ハフニウムからなる群から選択されるコーティングでコーティングされるか、又は部分的にコーティングされている。
【0132】
[000140] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、活物質はコーティングされていない。
【0133】
[000141] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、陽極は、リチウムインターカレーション材料、リチウムコンバージョン材料、又はリチウムインターカレーション材料及びリチウムコンバージョン材料の両方を含む。
【0134】
[000142] いくつかの実施例において、陽極は、約20%v/v未満、15%v/v未満、12.5%v/v未満、10%v/v未満、5%v/v未満、1%v/v未満又はそれ以下の多孔性を有する。いくつかの実施例において、陽極は、約5%v/v~20%v/v又は約10%v/v~15%v/vの多孔性を有する。
【0135】
[000143] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、インターカレーション材料は、酸化ニッケルマンガンコバルト(NMC)、酸化ニッケルコバルトアルミニウム(NCA)、Li(NiCoAl)O2、酸化リチウムコバルト(LCO)、酸化リチウムマンガンコバルト(LMCO)、酸化リチウムニッケルマンガンコバルト(LMNCO)、酸化リチウムニッケルマンガン(LNMO)、Li(NiCoMn)O2、LiMn2O4、LiCoO2及びLiMn2-aNiaO4(式中aは0~2である)又はLiMPO4(式中、Mは、Fe、Ni、Co又はMnである)からなる群から選択される。
【0136】
[000144] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウムコンバージョン材料は、FeF2、NiF2、FeOxF3-2x、FeF3、MnF3、CoF3、CuF2材料、それらの合金及びそれらの組合せ2-aNiaO4(aは0~2である)又はLiMPO4(MはFe、Ni、Co又はMnである)からなる群から選択される。
【0137】
[000145] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、硫化物カソライト及び単一イオン伝導性固体緩衝体は、同種の材料から製造される。
【0138】
[000146] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、硫化物カソライト又は単一イオン伝導性固体緩衝体又はその両方は、LSS、SLOPS、LSTPS、LSTPSCl、SLOBS、LATS及びLPS+X(式中、XはCl、I、Br及びそれらの組合せからなる群から選択される)からなる群から選択される。いくつかの実施例において、XはClである。いくつかの実施例において、XはIである。いくつかの実施例において、XはBrである。
【0139】
[000147] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、硫化物カソライト又は単一イオン伝導性固体緩衝体又はその両方は、LSS、SLOPS、LSTPS、LSTPSCl、LSPSCl、SLOBS、LATS及びLPS+X(式中、XはCl、I、Br及びそれらの組合せからなる群から選択される)からなる群から選択される。いくつかの実施例において、XはClである。いくつかの実施例において、XはIである。いくつかの実施例において、XはBrである。
【0140】
[000148] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、硫化物カソライト又は単一イオン伝導性固体緩衝体又はその両方は、LPSI、LXPS、LSTPS、LSPSCl、LPSCl、LSPSBr及びLPSBrからなる群から選択される。
【0141】
[000149] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、硫化物カソライト又は単一イオン伝導性固体緩衝体又はその両方は、x・Li2S:y・SiS2(式中、x及びyは、それぞれ独立して、0~1の数であり、且つx+y=1である)から選択される。
【0142】
[000150] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、硫化物カソライト又は単一イオン伝導性固体緩衝体又はその両方は、LSS、LGPS、LSTPS及びLSPS.2S:y・SiS2(式中、x及びyは、それぞれ独立して、0~1の数であり、且つx+y=1である)からなる群から選択される。
【0143】
[000151] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、リチウムボロハイドライド、ナトリウムボロハイドライド又はカリウムボロハイドライドを含む。
【0144】
[000152] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウムボロハイドライド、ナトリウムボロハイドライド又はカリウムボロハイドライドは、LiNH2でドープされる。
【0145】
[000153] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウムボロハイドライド、ナトリウムボロハイドライド又はカリウムボロハイドライドのいずれか1つ又はそれ以上は、LiIでドープされる。
【0146】
[000154] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウムボロハイドライド、ナトリウムボロハイドライド又はカリウムボロハイドライドドのいずれか1つ又はそれ以上は、LiNH2及びLiIでドープされる。
【0147】
[000155] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、A(LiBH4)(1-A)(P2S5)(式中、0.05≦A≦0.95である)を含むボロハイドライド組成物を含む。いくつかの実施例において、0.5<A<0.95である。いくつかの実施例において、Aは、0.85、0.9又は9.95である。
【0148】
[000156] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、0.9(LiBH4)0.1(P2S5)を含む。
【0149】
[000157] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は非晶質である。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は半結晶である。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は多結晶である。
【0150】
[000158] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層は、LixLayZrzOt・qAl2O3(式中、4<x<10、1<y<4、1<z<3、6<t<14及び0≦q≦1である)から選択されるリチウム充填ガーネットを含む。
【0151】
[000159] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層は、Li7La3Zr2O12・Al2O2O3及びLi7La3Zr2O12・0.35Al2O3から選択されるリチウム充填ガーネットを含む。
【0152】
[000160] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウム充填ガーネットは、Nb、Ga及び/又はTa.7La3Zr2O12・Al2O3及びLi7La3Zr2O12・0.35Al2O3でドープされる。
【0153】
[000161] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層は、式LiaLabZrcAldMe’’eOf(式中、5<a<8.5;2<b<4;0≦c≦2.5;0≦d<2;0≦e<2及び10<f<13であり、且つMe’’は、Nb、Ga、Ta及びその組合せからなる群から選択される金属である)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネットを含む。
【0154】
[000162] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層は、式LiuLavZrxOy・zAl2O3(式中、uは4~8の有理数であり;vは2~4の有理数であり;xは1~3の有理数であり;yは10~14の有理数であり;且つzは0.05~1の有理数であり;u、v、x、y及びzは、酸化リチウム充填ガーネットが電荷的中性であるように選択される)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネット酸化物を含む。
【0155】
[000163] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層は、式LiuLavZrxOy・zTa2O5(式中、uは4~10の有理数であり;vは2~4の有理数であり;xは1~3の有理数であり;yは10~14の有理数であり;且つzは0~1の有理数であり;u、v、x、y及びzは、酸化リチウム充填ガーネットが電荷的中性であるように選択される)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネット酸化物を含む。
【0156】
[000164] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層は、式LiuLavZrxOy・zNb2O5(式中、uは4~10の有理数であり;vは2~4の有理数であり;xは1~3の有理数であり;yは10~14の有理数であり;且つzは0~1の有理数であり;u、v、x、y及びzは、酸化リチウム充填ガーネットが電荷的中性であるように選択される)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネット酸化物を含む。
【0157】
[000165] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層は、式LiuLavZrxOy・zGa2O3(式中、uは4~10の有理数であり;vは2~4の有理数であり;xは1~3の有理数であり;yは10~14の有理数であり;且つzは0~1の有理数であり;u、v、x、y及びzは、酸化リチウム充填ガーネットが電荷的中性であるように選択される)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネット酸化物を含む。
【0158】
[000166] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層は、式LiuLavZrxOy・zTa2O5・bAl2O3(式中、uは4~10の有理数であり;vは2~4の有理数であり;xは1~3の有理数であり;yは10~14の有理数であり;zは0~1の有理数であり;bは0~1の有理数であり;z+b≦1であり;且つu、v、x、y及びzは、酸化リチウム充填ガーネットが電荷的中性であるように選択される)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネット酸化物を含む。
【0159】
[000167] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層は、式LiuLavZrxOy・zNb2O5・bAl2O3(式中、uは4~10の有理数であり;vは2~4の有理数であり;xは1~3の有理数であり;yは10~14の有理数であり;zは0~1の有理数であり;bは0~1の有理数であり;z+b≦1であり;且つu、v、x、y及びzは、酸化リチウム充填ガーネットが電荷的中性であるように選択される)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネット酸化物を含む。
【0160】
[000168] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層は、式LiuLavZrxOy・zGa2O3・bAl2O3(式中、uは4~10の有理数であり;vは2~4の有理数であり;xは1~3の有理数であり;yは10~14の有理数であり;且つ0~1の有理数であり;bは0~1の有理数であり;z+b≦1であり;且つu、v、x、y及びzは、酸化リチウム充填ガーネットが電荷的中性であるように選択される)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネット酸化物を含む。
【0161】
[000169] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層は、式Li6.4Ga0.2La3Zr2O12.3・bAl2O3(式中、uは4~10の有理数であり;vは2~4の有理数であり;xは1~3の有理数であり;yは10~14の有理数であり;且つ0~1の有理数であり;bは0~1の有理数であり;z+b≦1であり;且つu、v、x、y及びzは、酸化リチウム充填ガーネットが電荷的中性であるように選択される)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネットを含む。
【0162】
[000170] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、SSECは陽極集電体層をさらに含む。
【0163】
[000171] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、SSECは陰極集電体層をさらに含む。いくつかの実施例において、陰極集電体層は焼結金属である。いくつかの実施例において、焼結金属は、Al、Cu、Ni、Ag、Au、Pt、Pd又はSnからなる群から選択される。いくつかの実施例において、金属はNiである。
【0164】
[000172] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、陽極層は、バインダー、炭素又はバインダー及び炭素の両方をさらに含む。
【0165】
[000173] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層は、陰極集電体層及びボロハイドライド結合層の間にあり、且つそれらと接触している。
【0166】
[000174] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、リチウム充填ガーネット層及び緩衝層の間にあり、且つそれらと接触している。
【0167】
[000175] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、緩衝層は、ボロハイドライド結合層及び陽極層の間にあり、且つそれらと接触している。
【0168】
[000176] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、陽極層は、緩衝層及び陽極集電体層の間にあり、且つそれらと接触している。
【0169】
[000177] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、活物質はコーティングを含むか、又は活物質はコーティングされる。いくつかの実施例において、活物質はコーティングを有する。いくつかの実施例において、活物質はコーティングされる。いくつかの実施例において、活物質は、リチウム-ランタン-酸化ジルコニウム(LLZO)から選択される材料のコーティングを含む。
【0170】
[000178] リチウム充填ガーネット層は、2017年10月31日に発行され、且つ「Garnet MATERIALS FOR LI SECONDARY BATTERIES AND METHODS OF MAKING and USING GARNET MATERIALS」と題された米国特許第9,806,372B2号、及び2018年5月15日に発行され、且つ「LITHIUM STUFFED GARNET SETTER PLATES FOR SOLID ELECTROLYTE FABRICATION」と題された同第9,970,711号に明示されるいずれのリチウム充填ガーネットも含み得る。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。リチウム充填ガーネット層は、例えば米国特許第9,806,372B2号の方法の使用によって、本明細書に記載されるリチウム充填ガーネット層の層又は膜を形成することによって製造される。リチウム充填ガーネット層は、2018年5月8日に発行され、且つ「ANNEALED GARNET ELECTROLYTE SEPARATORS」と題された米国特許第9,966,630号に明示されるいずれのリチウム充填ガーネットも含み得る。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。リチウム充填ガーネット層は、例えば米国特許第9,966,630B2号の方法の使用によって、本明細書に記載されるリチウム充填ガーネット層の層又は膜を形成することによって製造される。リチウム充填ガーネット層は、2017年6月23日に米国特許出願第15/631,884号として出願され、且つ「LITHIUM-STUFFED GARNET ELECTROLYTES WITH SECONDARY PHASE INCLUSIONS」と題された米国特許出願公開第20180375149A1号に明示されるいずれのリチウム充填ガーネットも含み得る。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。リチウム充填ガーネット層は、例えば米国特許出願第15/631,884号の方法の使用によって、本明細書に記載されるリチウム充填ガーネット層の層又は膜を形成することによって製造される。リチウム充填ガーネット層は、2017年6月23日に出願され、且つ「LITHIUM-STUFFED GARNET ELECTROLYTES WITH SECONDARY PHASE INCLUSIONS」と題された国際PCT特許出願第PCT/US2017/039069号に明示されるいずれのリチウム充填ガーネットも含み得る。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。リチウム充填ガーネット層は、例えばPCT/US2017/039069号の方法の使用によって、本明細書に記載されるリチウム充填ガーネット層の層又は膜を形成することによって製造される。
【0171】
[000179] いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層は、Li金属と接触時に化学的に安定である。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層は、Li金属と接触時に速度論的に安定である。
【0172】
[000180] いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネットは、酸化リチウムランタンジルコニウム(LLZO)を含み、且つ良好な電気化学安定性及び、例えば500MPaより高い機械的強度を有する。いくつかの実施例において、LLZOはLi金属アノードとの使用に適切である。
【0173】
[000181] 本明細書のいずれの実施例においても、リチウム充填ガーネット層又はLLZOは、2017年11月16日に公開され、且つ国際PCT特許出願第PCT/US2017/032749号として2017年5月15日に出願され、且つ「SOLID ELECTROLYTE SEPARATOR BONDING AGENT」と題された国際公開第2017197406A1号に明示される結合剤と組み合わせてよい。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。本明細書のいずれの実施例においても、リチウム充填ガーネットは、2016年4月15日に出願され、且つ「LITHIUM STUFFED GARNET SETTER PLATES FOR SOLID ELECTROLYTE FABRICATION」と題された国際PCT特許出願第PCT/US2016/027886号の方法に従って製造される。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。本明細書のいずれの実施例においても、リチウム充填ガーネットは、2016年4月15日に出願され、且つ「SETTER PLATES FOR SOLID ELECTROLYTE FABRICATION AND METHODS OF USING THE SAME TO PREPARE DENSE SOLID ELECTROLYTES」と題された国際PCT特許出願第PCT/US2016/027922号の方法に従って製造される。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。本明細書のいずれの実施例においても、リチウム充填ガーネットは、2016年7月21日に出願され、且つ「PROCESSES AND MATERIALS FOR CASTING AND SINTERING GREEN GARNET THIN FILMS」と題された国際PCT特許出願第PCT/US2016/043428号の方法に従って製造される。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。本明細書のいずれの実施例においても、リチウム充填ガーネットは、2018年5月15日に発行され、且つ「LITHIUM STUFFED GARNET SETTER PLATES FOR SOLID ELECTROLYTE FABRICATION」と題された米国特許第9,970,711号の方法に従って製造される。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。本明細書のいずれの実施例においても、リチウム充填ガーネットは、2018年5月15日に発行され、且つ「LITHIUM STUFFED GARNET SETTER PLATES FOR SOLID ELECTROLYTE FABRICATION」と題された米国特許第9,970,711号の方法に従って製造される。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。いくつかの実施例において、硫化物カソライト中の硫化物は、2015年10月27日に発行され、且つ「SOLID STATE CATHOLYTES AND ELECTROLYTES FOR ENERGY STORAGE DEVICES」と題された米国特許第9,172,114号に明示されるいずれの硫化物であってもよい。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。いくつかの実施例において、硫化物カソライト中の硫化物は、2016年2月1日に出願され、且つ「METAL SULFIDE ANOLYTE FOR ELECTROCHEMICAL CELLS」と題され、且つ2016年8月11日に国際公開第2016/126610号として公開された国際PCT特許出願第PCT/US2016/015982号に明示されるいずれの硫化物であってもよい。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。いくつかの実施例において、硫化物カソライト中の硫化物は、2016年6月24日に出願され、且つ「COMPOSITE ELECTROLYTES」と題され、且つ2016年12月29日に国際公開第2016/210371号として公開された国際PCT特許出願第PCT/US2016/039424号に明示されるいずれの硫化物であってもよい。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。いくつかの実施例において、硫化物カソライト中の硫化物は、「COMPOSITE ELECTROLYTES」と題され、2017年1月5日に公開された米国特許出願公開第2017-0005367A1号に明示されるいずれの硫化物であってもよい。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。いくつかの実施例において、硫化物カソライト中の硫化物は、2016年12月1日に出願され、且つ「LITHIUM, PHOSPHORUS, SULFUR, AND IODINE CONTAINING ELECTROLYTE AND CATHOLYTE COMPOSITIONS, ELECTROLYTE MEMBRANES FOR ELECTROCHEMICAL DEVICES, AND ANNEALING METHODS OF MAKING THESE ELECTROLYTES AND CATHOLYTES」と題され、且つ2017年6月8日に国際公開第2017/096088号として公開された国際PCT特許出願第PCT/US2016/064492号に明示されるいずれの硫化物であってもよい。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。
【0174】
[000182] いくつかの実施例において、緩衝層中の硫化物は、2015年10月27日に発行され、且つ「SOLID STATE CATHOLYTES AND ELECTROLYTES FOR ENERGY STORAGE DEVICES」と題された米国特許第9,172,114号に明示されるいずれの硫化物であってもよい。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。いくつかの実施例において、緩衝層中の硫化物は、2016年2月1日に出願され、「METAL SULFIDE ANOLYTE FOR ELECTROCHEMICAL CELLS」と題され、且つ2016年8月11日に国際公開第2016/126610号として公開された国際PCT特許出願第PCT/US2016/015982号に明示されるいずれの硫化物であってもよい。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。いくつかの実施例において、緩衝層中の硫化物は、2016年6月24日に出願され、「COMPOSITE ELECTROLYTES」と題され、且つ2016年12月29日に国際公開第2016/210371号として公開された国際PCT特許出願第PCT/US2016/039424号に明示されるいずれの硫化物であってもよい。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。
【0175】
[000183] いくつかの実施例において、陽極は約85重量%のLZOがコーティングされたNCA、約13重量%のLSTPS及び約2重量%のバインダーを含む。
【0176】
[000184] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、陰極はリチウム(Li)金属電極層である。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、少なくとも1つの集電体は、炭素(C)コーティングされたニッケル(Ni)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)及びステンレス鋼からなる群から選択される材料を含む。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、e陰極集電体は、炭素(C)コーティングされたニッケル(Ni)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)からなる群から選択される材料を含む。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、陽極集電体層は、炭素(C)コーティングされたアルミニウム及びアルミニウムからなる群から選択される材料を含む。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、陰極集電体層は、CコーティングされたNiである。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、陽極集電体層は、CコーティングされたAlである。
【0177】
緩衝層の寸法
[000185] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、緩衝層の厚さは約1μm~約50μmである。いくつかの実施例において、緩衝層の厚さは1μmである。いくつかの実施例において、緩衝層の厚さは2μmである。いくつかの実施例において、緩衝層の厚さは3μmである。いくつかの実施例において、緩衝層の厚さは4μmである。いくつかの実施例において、緩衝層の厚さは5μmである。いくつかの実施例において、緩衝層の厚さは6μmである。いくつかの実施例において、緩衝層の厚さは7μmである。いくつかの実施例において、緩衝層の厚さは8μmである。いくつかの実施例において、緩衝層の厚さは9μmである。いくつかの実施例において、緩衝層の厚さは10μmである。
【0178】
[000186] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、単一イオン伝導性固体緩衝体は、約1μmから約50μmまでの陽極層内の浸透深さまで陽極層内に混合される。このような浸透深さは、陽極層が、緩衝層又はボロハイドライド結合層と連結する端部から測定される。いくつかの実施例において、陽極層が厚さ200μmであり、且つ陽極層内の浸透深さが約1μmから約50μmである場合、これは、緩衝体が、存在する場合、緩衝層、又は緩衝層が存在しない場合、ボロハイドライド結合層に最も近い側面上で陽極に存在することを意味する。いくつかの実施例において、陽極層が厚さ200μmであり、且つ陽極層内の浸透深さが約1μmから約50μmまでである場合、これは、陽極集電体と接触している陽極の側が緩衝体成分を有さないことも意味する。
【0179】
[000187] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、単一イオン伝導性固体緩衝体は、約1μmから約50μmまでの陽極層内の浸透深さまで陽極層内に混合される。このような浸透深さは、陽極層が、緩衝層又はボロハイドライド結合層と連結する端部から測定される。いくつかの実施例において、陽極層が厚さ150μmであり、且つ陽極層内の浸透深さが約1μmから約50μmである場合、このことは、緩衝層が存在する場合は緩衝層に、又は緩衝層が存在しない場合はボロハイドライド結合層に最も近い側面において、陽極に緩衝体が存在することを意味する。いくつかの実施例において、陽極層が厚さ150μmであり、且つ陽極層内の浸透深さが約1μmから約50μmまでである場合、これは、陽極集電体と接触している側において、陽極は緩衝体成分を有しないことも意味する。
【0180】
[000188] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、緩衝層は、陽極層及びセパレーター層の間に存在し、且つそれらと直接接触している。いくつかの例において、緩衝層は約1μm~約15μmの範囲の厚さを有する。いくつかの例において、緩衝層は1μmの厚さを有する。いくつかの例において、緩衝層は1μmの厚さを有する。いくつかの例において、緩衝層は2μmの厚さを有する。いくつかの例において、緩衝層は3μmの厚さを有する。いくつかの例において、緩衝層は4μmの厚さを有する。いくつかの例において、緩衝層は5μmの厚さを有する。いくつかの例において、緩衝層は6μmの厚さを有する。いくつかの例において、緩衝層は7μmの厚さを有する。いくつかの例において、緩衝層は8μmの厚さを有する。いくつかの例において、緩衝層は9μmの厚さを有する。いくつかの例において、緩衝層は10μmの厚さを有する。いくつかの例において、緩衝層は11μmの厚さを有する。いくつかの例において、緩衝層は12μmの厚さを有する。いくつかの例において、緩衝層は13μmの厚さを有する。いくつかの例において、緩衝層は14μmの厚さを有する。いくつかの例において、緩衝層は15μmの厚さを有する。
【0181】
緩衝層の寸法
[000189] いくつかの実施例において、結合層はリチウムボロハイドライドを含む。いくつかの実施例において、結合層は、平均直径が少なくとも約1μmであるリチウムボロハイドライド粒子を含む。いくつかの実施例において、結合層は、平均直径が約1μm~約50μm、約2μm~約20μm又は約1μm~約10μmであるリチウムボロハイドライド粒子を含む。
【0182】
[000190] いくつかの実施例において、電池セルの組立ての前に、結合層は、平均直径が少なくとも約1μmである粒子を含む。いくつかの実施例において、結合層粒子は、平均直径が約1μm~約50μm、約2μm~約20μm又は約1μm~約10μmである。
【0183】
[000191] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは約1μm~約50μmである。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは約1μm~約50μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは1μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは2μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは3μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは4μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは5μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは6μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは7μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは8μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは9μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは10μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは11μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは12μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは13μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは14μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは15μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは16μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは17μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは18μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは19μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは20μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは31μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは32μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは33μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは34μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは35μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは36μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは37μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは38μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは39μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは40μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは41μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは42μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは43μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは44μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは45μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは46μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは47μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは48μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは49μmである。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層の厚さは50μmである。
【0184】
[000192] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、緩衝層中に浸透している。
【0185】
[000193] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、リチウム充填ガーネット層中に浸透している。
【0186】
[000194] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、緩衝層及びリチウム充填ガーネット層中に浸透している。
【0187】
[000195] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、断面
図SEMイメージの定量分析によって測定した際に、ボロハイドライド結合層は原料密度の90%以上の密度を有する。密度は、SEMイメージ及び分析用ソフトウェアを使用して、全面積の関数として多孔性を分析することによって測定される。
【0188】
[000196] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、断面
図SEMイメージの定量分析によって測定した際に、ボロハイドライド結合層は原料密度の90%以上の密度を有する。
【0189】
[000197] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は250℃未満の融点を有する。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は250℃より高い融点を有する。
【0190】
[000198] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、SSECは陰極をさらに含む。
【0191】
[000199] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、陰極はリチウム(Li)金属陰極である。
【0192】
[000200] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層は、陰極に接触している。
【0193】
[000201] 特定の実施形態において、組成物は薄膜であってもよく、且つ薄膜に関してSEMによって決定される多孔性を含み得る。例えば、一実施形態において、本明細書に明示される組成物は、5%未満の多孔性を有し得る。さらなる実施例として、一実施形態において、本明細書に明示される組成物は、6%未満の多孔性を有し得る。さらなる実施例として、一実施形態において、本明細書に明示される組成物は、7%未満の多孔性を有し得る。さらなる実施例として、一実施形態において、本明細書に明示される組成物は、8%未満の多孔性を有し得る。さらなる実施例として、一実施形態において、本明細書に明示される組成物は、4%未満の多孔性を有し得る。さらなる実施例として、一実施形態において、本明細書に明示される組成物は、3%未満の多孔性を有し得る。さらなる実施例として、一実施形態において、本明細書に明示される組成物は、2%未満の多孔性を有し得る。さらなる実施例として、一実施形態において、本明細書に明示される組成物は、1%未満の多孔性を有し得る。さらなる実施例として、一実施形態において、本明細書に明示される組成物は、0.5%未満の多孔性を有し得る。
【0194】
[000202] いくつかの実施例において、上記固体電気化学スタックは、緩衝層及びセパレーター層の間にあり、且つそれらと直接接触している結合層をさらに含む。
【0195】
[000203] いくつかの実施例において、約1nmの厚さを有する結合層が本明細書に明示される。いくつかの実施例において、約5nm~約100nmの厚さを有する結合層が本明細書に明示される。
【0196】
[000204] いくつかの実施例において、約100nm~約1000nmの厚さを有する結合層が本明細書に明示される。いくつかの実施例において、結合層は約200nm~約900nm、約300nm~約800nm又は約500nmの厚さを有する。
【0197】
[000205] いくつかの実施例において、約1μmの厚さを有する結合層が本明細書に明示される。いくつかの実施例において、約2μmの厚さを有する結合層が本明細書に明示される。いくつかの実施例において、約3μmの厚さを有する結合層が本明細書に明示される。いくつかの実施例において、約4μmの厚さを有する結合層が本明細書に明示される。いくつかの実施例において、約5μm~約100μmの厚さを有する結合層が本明細書に明示される。いくつかの実施例において、約10μm~約50μm、約15μm~約40μm又は20μm~約40μmの厚さを有する結合層が本明細書に明示される。いくつかの実施例において、約1μmの厚さを有する結合層が本明細書に明示される。いくつかの実施例において、約2μmの厚さを有する結合層が本明細書に明示される。いくつかの実施例において、約3μmの厚さを有する結合層が本明細書に明示される。いくつかの実施例において、約4μmの厚さを有する結合層が本明細書に明示される。いくつかの実施例において、約5μmの厚さを有する結合層が本明細書に明示される。いくつかの実施例において、約100μmの厚さを有する結合層が本明細書に明示される。いくつかの実施例において、約1μm~約100μm、約1μm~約50μm又は約5μm~約50μmの厚さを有する結合層が本明細書に明示される。
【0198】
[000206] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、結合層の厚さの中央値(median thickness)は100nmより大きく、且つ10μm未満である。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ポリマーは、0.1%より高く、且つ30%未満である、ASTM D2765に従って測定される架橋密度を有する。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、結合層は、電解質セパレーター及び陽極の間の界面インピーダンスを、結合層がない場合よりも低下させる。いくつかの実施例において、結合層は、電解質セパレーター及び陽極の間の界面インピーダンスを、結合層がない場合よりも低下させる。いくつかの実施例において、結合層が酸化物電解質セパレーター及び陽極の間に位置し、且つそれらと直接接触している場合、酸化物電解質セパレーター及び陽極の間の界面インピーダンスは、50℃において50Ω・cm2未満である。いくつかの実施例において、酸化物電解質セパレーター及び陽極の間の界面インピーダンスは、50℃において25Ω・cm2未満である。いくつかの実施例において、酸化物電解質セパレーター及び陽極の間の界面インピーダンスは、50℃において10Ω・cm2未満である。いくつかの実施例において、酸化物電解質セパレーター及び陽極の間の界面インピーダンスは、50℃において5Ω・cm2未満である。いくつかの実施例において、酸化物電解質セパレーター及び陽極の間の界面インピーダンスは、30℃において5Ω・cm2未満である。いくつかの実施例において、酸化物電解質セパレーター及び陽極の間の界面インピーダンスは、20℃において5Ω・cm2未満である。いくつかの実施例において、酸化物電解質セパレーター及び陽極の間の界面インピーダンスは、10℃において5Ω・cm2未満である。いくつかの実施例において、酸化物電解質セパレーター及び陽極の間の界面インピーダンスは、0℃において5Ω・cm2未満である。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、電解質セパレーター及び陽極の間の界面インピーダンスは、50℃において50Ω・cm2未満である。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、電解質セパレーター及び陽極の間の界面インピーダンスは、50℃において25Ω・cm2未満である。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、電解質セパレーター及び陽極の間の界面インピーダンスは、50℃において10Ω・cm2未満である。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、電解質セパレーター及び陽極の間の界面インピーダンスは、50℃において5Ω・cm2未満である。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、陽極は、リチウムインターカレーション材料、リチウムコンバージョン材料又はその組合せを含む。
【0199】
[000207] いくつかの実施例において、結合層は陽極に浸透している。他の実施例において、結合層は陽極に、陽極の厚さの少なくとも10%に浸透している。他の実施例において、結合層は陽極に、陽極の厚さの少なくとも9%に浸透している。他の実施例において、結合層は陽極に、陽極の厚さの少なくとも8%に浸透している。他の実施例において、結合層は陽極に、陽極の厚さの少なくとも7%に浸透している。他の実施例において、結合層は陽極に、陽極の厚さの少なくとも6%に浸透している。他の実施例において、結合層は陽極に、陽極の厚さの少なくとも5%に浸透している。他の実施例において、結合層は陽極に、陽極の厚さの少なくとも4%に浸透している。他の実施例において、結合層は陽極に、陽極の厚さの少なくとも3%に浸透している。他の実施例において、結合層は陽極に、陽極の厚さの少なくとも%に浸透している。他の実施例において、結合層は陽極に、陽極の厚さの少なくとも1%に浸透している。
【0200】
[000208] いくつかの実施例において、結合層は、陽極でカソライトと接触する。いくつかの実施例において、結合層は、電解質セパレーターの周囲をクリープしない。いくつかの実施例において、結合層は、揮発し、且つ電解質セパレーターの周囲で拡散して、Li金属陰極と接触する成分を含まない。
【0201】
[000209] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、結合層は陽極に、陽極の厚さの少なくとも10%に浸透している。
【0202】
[000210] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、結合層は、陽極で固体カソライトと接触する。
【0203】
[000211] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、電解質セパレーターの直径は、陽極の直径より大きい。
【0204】
[000212] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、電解質セパレーターの幅又は直径は、それぞれ陽極の幅又は直径より大きい。
【0205】
[000213] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、電解質セパレーターは、結合層又はその構成成分が電解質セパレーターの周囲でクリープすることを防ぐ、隆起した端部を有する。
【0206】
[000214] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、コーティングされた端部は、パリレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、アルミナ、Al2O3、ZrO2、TiO2、SiO2、二元酸化物、La2Zr2O7、炭酸リチウム種、又はSiO2-B2O3若しくはAl2O3から選択されるガラスから選択されるコーティングを含む。
【0207】
[000215] いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、LBHI、LBHIN、[LBH-X]、LBHPS、LiI、LPS、L[X]PS又はLi3PO4を含む。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、官能化ポリマー、例えば、PEO-LiTFSI、ポリプロピレンカーボネート(PPC)-LiTFSI、ポリエチレンカーボネート(PEC)-LiTFSI、Li-ポリ(2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)(PAMPS)、Li-Nafion、Li-ポリフェニレンスルフィド(PPS);又は固体有機塩対、例えば、エチレンカーボネート(EC)-LiTFSI、ジメチルスルフィド(DMS)-LiPF6及びスクシノニトリル(SCN)-LiBF4を含む。
【0208】
他成分の寸法
[000216] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、陽極層の厚さは約100μm~約1000μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは10μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは20μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは30μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは40μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは50μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは60μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは70μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは80μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは90μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは100μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは110μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは120μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは130μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは140μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは150μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは160μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは170μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは180μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは190μmである。いくつかの実施例において、陽極層の厚さは200μmである。
【0209】
[000217] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは約1μm~約200μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは10μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは20μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは30μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは40μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは50μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは60μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは70μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは80μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは90μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは100μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは110μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは120μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは130μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは140μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは150μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは160μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは170μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは180μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは190μmである。いくつかの実施例において、リチウム充填ガーネット層の厚さは200μmである。
【0210】
[000218] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、本明細書に記載される固体電気化学スタックのセパレーター層は長方形である。別の実施形態において、本明細書に記載される固体電気化学スタックの陽極層は長方形である。種々の実施形態において、本明細書に記載される固体電気化学スタックのセパレーター層は円形である。実施形態において、本明細書に記載される固体電気化学スタックの陽極層は円形である。
【0211】
[000219] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、陽極層の幾何学的表面積及びセパレーター層の幾何学的表面積は実質的に同一である。
【0212】
[000220] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、陽極層の1つの辺は、長さが2cm~30cmである。いくつかの実施例において、陽極層の1つの辺は、長さが2cm、3、cm、4cm、5cm、6cm、7cm、8cm、9cm、10cm、11cm、12cm、13cm、14cm、15cm、16cm、17cm、18cm、19cm、20cm、21cm、22cm、23cm、24cm、25cm、26cm、27cm、28cm、29cm又は30cmである。いくつかの実施例において、セパレーター層の1つの辺は、長さが2cm~30cmである。いくつかの実施例において、セパレーター層の1つの辺は、長さが2cm、3、cm、4cm、5cm、6cm、7cm、8cm、9cm、10cm、11cm、12cm、13cm、14cm、15cm、16cm、17cm、18cm、19cm、20cm、21cm、22cm、23cm、24cm、25cm、26cm、27cm、28cm、29cm又は30cmである。
【0213】
[000221] 特定の実施形態において、リチウム充填ガーネット及びLBHIを有する複合物であって、LBHIがリチウム充填ガーネットの貫通細孔及び/又は表面細孔の少なくとも90%を充填しており、且つLBHIがA・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xはハライドであり、3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)を有する組成物であり得る複合物が本明細書で提供される。
【0214】
[000222] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、電解質セパレーターは、実験式LixLaAZrBOh+yAl2O3(式中、3≦x≦8、2<A<4、1<B<3、0≦y≦1及び6≦h≦15であり;且つ添え字x及びh並びに係数yは、電解質セパレーターが電荷的に中性であるように選択される)によって特徴づけられる。
【0215】
[000223] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、電解質セパレーターは、Ga、Nb又はTaでドープされる。
【0216】
[000224] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、電解質セパレーターは、少なくとも1つの表面において約0.01μm~10μmの表面粗さを有する。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、電解質セパレーターは、少なくとも1つの表面において約0.01μm~5μmの表面粗さを有する。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、電解質セパレーターは、少なくとも1つの表面において約0.01μm~2μmの表面粗さを有する。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、電解質セパレーターは、その理論密度の95%より高い密度を有する。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、電解質セパレーターは、走査型電子顕微鏡検査(SEM)によって決定された、その理論密度の95%より高い密度を有する。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、電解質セパレーターは、アルキメデス法によって測定された、その理論密度の95%より高い密度を有する。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、電解質セパレーターは、0.1μm~約50μmの表面平坦さを有する。
【0217】
[000225] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウムインターカレーション材料は、酸化ニッケルマンガンコバルト(NMC)、酸化ニッケルコバルトアルミニウム(NCA)、Li(NiCoAl)O2、酸化リチウムコバルト(LCO)、酸化リチウムマンガンコバルト(LMCO)、酸化リチウムニッケルマンガンコバルト(LMNCO)、酸化リチウムニッケルマンガン(LNMO)、Li(NiCoMn)O2、LiMn2O4、LiCoO2、LiMn2-aNiaO4(式中、aは0~2である)又はLiMPO4(式中、Mは、Fe、Ni、Co及びMnである)からなる群から選択される。
【0218】
[000226] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、リチウムコンバージョン材料は、FeF2、NiF2、FeOxF3-2x、FeF3、MnF3、CoF3、CuF2材料、それらの合金及びその組合せからなる群から選択される。
【0219】
[000227] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、結合層は陽極に浸透している。
【0220】
[000228] いくつかの実施例において、電解質セパレーターが約10nm~50μmの厚さを有し;結合層が約1μm~20μmの厚さを有し;且つ集電体を除いて、陽極が約5μm~150μmの厚さを有する電気化学スタックが本明細書に明示される。
【0221】
[000229] いくつかの実施例において、電解質セパレーターは、少なくとも1つの表面において約0.1μm~10μmの表面粗さRa又はRtを有する。他の実施例において、電解質セパレーターは、少なくとも1つの表面において約0.1μm~5μmの表面粗さを有する。他の実施例において、電解質セパレーターは、少なくとも1つの表面において約0.1μm~2μmの表面粗さを有する。いくつかの実施例において、電解質は、電解質セパレーター及びLi金属陰極を連結する表面において、約0.1μm~10μmの表面粗さを有する。
【0222】
[000230] いくつかの実施例において、電解質セパレーターは、その理論密度の95%より高い密度を有する。他の実施例において、電解質セパレーターは、走査型電子顕微鏡検査(SEM)によって決定された、その理論密度の95%より高い密度を有する。特定の実施例において、電解質セパレーターは、アルキメデス法で測定された、その理論密度の95%より高い密度を有する。いくつかの実施例において、電解質セパレーターは、0.1μm~約50μmの表面平坦さを有する。いくつかの実施例において、結合層中のリチウム塩は、LiPF6、LiBOB、LiTFSi、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiFSI、LiI又はLiBF4から選択される。特定の実施例において、結合層中のリチウム塩は、LiPF6、LiBOB又はLFTSiから選択される。特定の実施例において、結合層中のリチウム塩は、0.5M~2Mの濃度のLiPF6である。特定の実施例において、結合層中のリチウム塩は、0.5M~2Mの濃度のLiTFSIである。特定の実施例において、結合層中のリチウム塩は、0.01M~10Mの濃度で存在する。
【0223】
[000231] いくつかの実施例において、陽極はリチウムインターカレーション材料、リチウムコンバージョン材料又はリチウムインターカレーション材料及びリチウムコンバージョン材料の両方を含む。いくつかの実施例において、リチウムインターカレーション材料は、酸化ニッケルマンガンコバルトLi(NiCoMn)O2、(NMC)、酸化ニッケルコバルトアルミニウム(NCA)、Li(NiCoAl)O2、酸化リチウムコバルト(LCO)、酸化リチウムマンガンコバルト(LMCO)、酸化リチウムニッケルマンガンコバルト(LMNCO)、酸化リチウムニッケルマンガン(LNMO)、LiMn2O4、LiCoO2、LiMn2-aNiaO4(式中、aは0~2である)又はLiMPO4(式中、Mは、Fe、Ni、Co及びMnである)からなる群から選択される。他の実施例において、リチウムコンバージョン材料は、FeF2、NiF2、FeOxF3-2x、FeF3、MnF3、CoF3、CuF2材料、それらの合金及びその組合せからなる群から選択される。他の実施例において、コンバージョン材料は、他の遷移金属フッ化物又は酸化物でドープされる。
【0224】
[000232] いくつかの実施例において、陽極は炭素の電子伝導性の供給源を含む。
【0225】
[000233] いくつかの実施例において、陽極は、固体カソライト及びリチウムインターカレーション材料又はリチウムコンバージョン材料を含み;カソライト及びリチウムインターカレーション材料又はリチウムコンバージョン材料の各々は、独立して約0.1μm~5μmのd50粒径を有する。いくつかの実施例において、陽極は、固体カソライト及びリチウムインターカレーション材料又はリチウムコンバージョン材料を含み;カソライト及びリチウムインターカレーション材料又はリチウムコンバージョン材料の各々は、独立して約0.1μm~15μmのd50粒径を有する。いくつかの実施例において、結合層は約1nm~約5μmの厚さによって特徴づけられる。いくつかの実施例において、Li陰極は約10nm~約50μmの厚さによって特徴づけられる。いくつかの実施例において、酸化物セパレーターは約0.1μm~約150μmの厚さによって特徴づけられる。いくつかの実施例において、酸化物セパレーターは約10μm~約50μmの厚さによって特徴づけられる。
【0226】
[000234] いくつかの実施例において、コーティングされた端部は、パリレン、エポキシ、ポリプロピレン、ポリエチレン、アルミナ、Al2O3、ZrO2、TiO2、SiO2、二元酸化物、炭酸リチウム種、La2Zr2O7、又はSiO2-B2O3若しくはAl2O3から選択されるガラスから選択されるコーティングを含む。いくつかの実施例において、電解質セパレーターは、結合層が電解質セパレーターの周囲でクリープすることを防ぐ、テーパーされた端部を有する。いくつかの実施例において、セパレーター電解質の端部は、熱(例えばレーザービーム)又は化学物質(例えばプラズマ、水、酸など)で選択的に処理されている。
【0227】
[000235] いくつかの実施例において、約10~20μmの厚さを有する電解質セパレーター;約1μm~5μmの厚さを有する結合層;及び集電体を除いて、約5μm~150μmの厚さを有する陽極を有する電気化学スタックが本明細書に明示される。いくつかの実施例において、約10~50μmの厚さを有する電解質セパレーター;約1μm~5μmの厚さを有する結合層;及び集電体を除いて、約5μm~200μmの厚さを有する陽極を有する電気化学スタックが本明細書に明示される。いくつかの実施例において、約10~100μmの厚さを有する電解質セパレーター;約1μm~5μmの厚さを有する結合層;及び集電体を除いて、約5μm~200μmの厚さを有する陽極を有する電気化学スタックが本明細書に明示される。
【0228】
方法
[000236] いくつかの実施例において、電気化学セルの製造方法であって、活物質、カソライト及び溶媒を含むスラリーを提供すること;集電体上へスラリーを堆積させること;スラリーを乾燥させること;単一イオン伝導性固体緩衝体を含む第2のスラリーを提供すること;基材上へ第2のスラリーを堆積させること;第2のスラリーを乾燥させること;乾燥した第1のスラリー上へ乾燥した第2のスラリーを移し、スタックを形成すること;スタックに圧力及び熱を加えること;固体セパレーターを提供すること;固体セパレーター上へボロハイドライド層を堆積させること;その上にボロハイドライド層を有する固体セパレーターとスタックを重ね合わせ、電気化学セルスタックを形成すること;並びにセルスタックに圧力及び熱を加えることを含む方法が本明細書に明示される。
【0229】
[000237] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、固体のローディングは少なくとも60重量%である。
【0230】
[000238] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、緩衝体はLSTPSである。
【0231】
[000239] いくつかの実施例において、緩衝層は、力の総量が少なくとも約100psi、500psi、1000psi、2000psi又はそれ以上である、カレンダー処理プロセスによって製造される。いくつかの実施例において、緩衝層は、約40℃、50℃、75℃、100℃、120℃、140℃又はそれ以上である高温下で製造される。いくつかの実施例において、緩衝層は、約100℃より高い温度まで加熱される。
【0232】
[000240] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、圧力は一軸的に加えられる。
【0233】
[000241] 特定の実施形態において、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)組成物を含む薄膜を製造する方法であって、a)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)組成物材料を調製すること、b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素又はその組合せであり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)を含む融解混合物を提供すること;c)融解混合物中に基材をディップコーティングすること;d)基材を引き上げること;並びにe)室温まで基材を冷却することを含む方法が本明細書で開示される。いくつかの実施例において、基材は集電体である。いくつかの実施例において、基材は固体電解質である。いくつかの実施例において、基材はリチウム充填ガーネットである。
【0234】
[000242] 特定の実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法であって、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素又はその組合せであり得、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む方法が本明細書で提供される。例えば、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法は、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xはフッ素であり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法は、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは臭素であり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法は、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは塩素であり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法は、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xはヨウ素であり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法は、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素、臭素及び塩素であり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法は、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素、臭素及びヨウ素であり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法は、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素、塩素及びヨウ素であり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法は、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、臭素、塩素及びヨウ素であり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む。
【0235】
[000243] 特定の実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法であって、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素又はその組合せであり得、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む方法が本明細書で提供される。例えば、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法は、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xはフッ素であり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法は、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは臭素であり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法は、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは塩素であり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法は、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xはヨウ素であり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法は、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素、臭素及び塩素であり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法は、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素、臭素又はヨウ素であり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法は、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素、塩素又はヨウ素であり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法は、a)セパレーター電解質を提供すること;b)A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、臭素、塩素又はヨウ素であり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)の組成物を100~280℃の温度及び10~2000PSIの圧力において、セパレーターの少なくとも1つの表面上に押圧することを含む。
【0236】
[000244] 特定の実施形態において、本方法の温度は、セパレーターの融点(Tm)未満であって、約0.8Tmである(Tmはケルビン(K)で表される)。特定の実施形態において、本方法は、c)1~300分間、組成物及びセパレーターの間で圧力を保持することをさらに含む。
【0237】
[000245] 特定の実施形態において、本方法は、d)コーティングされたリチウムイオン伝導性セパレーター電解質を10~1000分間、圧力下で冷却することをさらに含む。特定の実施形態において、本方法は、d)コーティングされたリチウムイオン伝導性セパレーター電解質を10~1000分間、圧力下で室温まで冷却することをさらに含む。特定の実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法であって、a)リチウム安定性セパレーター電解質を提供すること;b)溶媒及びA・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)前駆体の混合物を提供すること;及びc)スプレーコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、スロットダイコーティング、グラビアコーティング又はミクログラビアコーティングによってセパレーター上に混合物を堆積させることを含む方法が提供される。例えば、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法であって、a)リチウム安定性セパレーター電解質を提供すること;b)溶媒及びA・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)前駆体の混合物を提供すること;及びc)スプレーコーティングによってセパレーター上に混合物を堆積させることを含む方法が提供される。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法であって、a)リチウム安定性セパレーター電解質を提供すること;b)溶媒及びA・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)前駆体の混合物を提供すること;及びc)スピンコーティングによってセパレーター上に混合物を堆積させることを含む方法が提供される。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法であって、a)リチウム安定性セパレーター電解質を提供すること;b)溶媒及びA・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)前駆体の混合物を提供すること;及びc)ディップコーティングによってセパレーター上に混合物を堆積させることを含む方法が提供される。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法であって、a)リチウム安定性セパレーター電解質を提供すること;b)溶媒及びA・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)前駆体の混合物を提供すること;及びc)スロットダイコーティングによってセパレーター上に混合物を堆積させることを含む方法が提供される。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法であって、a)リチウム安定性セパレーター電解質を提供すること;b)溶媒及びA・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)前駆体の混合物を提供すること;及びc)グラビアコーティングによってセパレーター上に混合物を堆積させることを含む方法が提供される。さらなる実施例として、一実施形態において、リチウムイオン伝導性セパレーター電解質のコーティング方法であって、a)リチウム安定性セパレーター電解質を提供すること;b)溶媒及びA・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)前駆体の混合物を提供すること;及びc)ミクログラビアコーティングによってセパレーター上に混合物を堆積させることを含む方法が提供される。
【0238】
[000246] 特定の実施形態において、本方法の溶媒は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メタノール及びエタノールからなる群から選択される。例えば、一実施形態において、本方法の溶媒はテトラヒドロフランである。さらなる実施例として、一実施形態において、本方法の溶媒はジエチルエーテルである。さらなる実施例として、一実施形態において、本方法の溶媒はエタノールである。さらなる実施例として、一実施形態において、本方法の溶媒はメタノールである。
【0239】
[000247] 特定の実施形態において、本方法のリチウム安定性のあるセパレーターは、表面上に欠陥を有する。
【0240】
[000248] 特定の実施形態において、約14.5°、15.5°、16.4°、19.3°及び29.6°2θのピークによって特徴づけられるXRDパターンを有する、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素又はそれらの組合せであり、3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)を含む組成物が提供される。例えば、一実施形態において、約14.5°、15.5°、16.4°、19.3°及び29.6°2θのピークによって特徴づけられるXRDパターンを有する、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xはフッ素であり、3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)を含む組成物が提供される。さらなる実施例として、一実施形態において、約14.5°、15.5°、16.4°、19.3°及び29.6°2θのピークによって特徴づけられるXRDパターンを有する、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは臭素であり、3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)を含む組成物が提供される。さらなる実施例として、一実施形態において、約14.5°、15.5°、16.4°、19.3°及び29.6°2θのピークによって特徴づけられるXRDパターンを有する、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは塩素であり、3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)を含む組成物が提供される。さらなる実施例として、一実施形態において、約14.5°、15.5°、16.4°、19.3°及び29.6°2θのピークによって特徴づけられるXRDパターンを有する、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xはヨウ素であり、3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)を含む組成物が提供される。さらなる実施例として、一実施形態において、約14.5°、15.5°、16.4°、19.3°及び29.6°2θのピークによって特徴づけられるXRDパターンを有する、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素、臭素及び塩素であり、3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)を含む組成物が提供される。さらなる実施例として、一実施形態において、約14.5°、15.5°、16.4°、19.3°及び29.6°2θのピークによって特徴づけられるXRDパターンを有する、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素、臭素及びヨウ素であり、3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)を含む組成物が提供される。さらなる実施例として、一実施形態において、約14.5°、15.5°、16.4°、19.3°及び29.6°2θのピークによって特徴づけられるXRDパターンを有する、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素、塩素及びヨウ素であり、3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)を含む組成物が提供される。さらなる実施例として、一実施形態において、約14.5°、15.5°、16.4°、19.3°及び29.6°(2θ)のピークによって特徴づけられるXRDパターンを有する、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、臭素、塩素及びヨウ素であり、3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)を含む組成物が提供される。
【0241】
[000249] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、ポリマー結合層は可能な限り薄いべきであり、例えば、5μm未満、2μm未満又は1μm未満であるべきである。結合層は、DMF、NMP、THF、トルエン、アセトニトリル又は類似の溶媒の溶液を使用するスプレーコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、ディップコーティング、スピンキャスティング及び類似の技術によって溶液から堆積される薄膜であってよい。それは、50℃より高い融解物から堆積されてもよい。独立した薄膜は、低い温度(<120℃)及び圧力(<1000psi)でカソード及びセパレーターに対して押圧されることもできる。
【0242】
[000250] 特定の実施形態において、スピンコーティングによって融解LBHXNが製膜される。加熱性能を有するスピンコーターが、この実施形態のために使用される。最初に、コーティングされる基材上に粉末が塗布される。スピンコーターをLBHXNの融点以上まで加熱する。融解後、熱を加えながら、基材を100~5000rpmの速度で回転させる。回転速度がコーティング膜厚さと強く相関し得ることを理解すべきである。回転を停止した後、固体カソード膜であってもよい第2の層、又は別のリチウムイオン伝導性セパレーター(第1の基材と同一又は異なるLiイオン伝導体である)を1平方インチあたり10~2000ポンド(PSI)の圧力で積層させる。任意選択的に熱を加える。積層物を室温まで冷却後、基材、LBHXN及びトップ層は、非常に良好に結合し、破壊することなく分離することができない。
【0243】
[000251] いくつかの実施例において、基材は少なくとも約100rpm、500rpm、1000rpm、2000rpm、3000rpm又はそれ以上の速度でスピンコーティングされてよい。
【0244】
[000252] いくつかの実施例において、電気化学デバイスの製造方法であって、電気化学的活物質及び固体カソライトを含む陽極を提供すること;硫化物単一イオン伝導体を含む固体カソライトを提供すること;リチウム充填ガーネットを含む電解質セパレーターを提供すること;ポリマー及びリチウム塩を含む結合層を提供すること;電解質セパレーターがリチウム金属陰極及び結合層の間にあり、且つそれらと接触しており、且つ結合層が電解質セパレーター及び陽極の間にあり、且つそれらと接触しているスタックを提供すること;並びに低い温度及び圧力でスタックを押圧することによって、結合層を陽極及び電解質セパレーターに結合、接着又は積層することを含む方法が本明細書に明示される。
【0245】
[000253] いくつかの実施例において、結合層、緩衝層、陽極層又はそれらのいずれかの組合せの形成の間に使用される圧力は、少なくとも5000パスカル、10キロパスカル(kPa)、100kPa、500kPa、1000kPa、10,000kPa、100,000kPa、1MPa、10MPa又は100MPaである。いくつかの実施例において、結合層、緩衝層、陽極層又はそれらのいずれかの組合せの形成の間に使用される圧力は、少なくとも1000kPa、10,000kPa、100,000kPa、1MPa、10MPa又は100MPaである。
【0246】
[000254] いくつかの実施例において、本明細書に記載される電気化学セルのサイクリングの間に使用される圧力は、気圧より高く、且つ少なくとも100パスカル、1000パスカル、5000パスカル、10キロパスカル(kPa)、100kPa、500kPa、1000kPa、10,000kPa、100,000kPa、1MPa、10MPa又は100MPaの圧力で実行される。
【0247】
[000255] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、圧力は1000PSI未満である。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、圧力は300PSI未満である。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、温度は180℃未満である。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、温度は120未満である。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、プロセスはクリーンルームで実行される。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、クリーンルームは-20℃未満又は-40℃未満の露点を有する。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、クリーンルームは、クラス10,000のクリーンルームである。
【0248】
[000256] いくつかの実施例において、電気化学デバイスの製造方法であって、電気化学的活物質及び固体カソライトを含む陽極を提供すること;硫化物単一イオン伝導体を含む固体カソライトを提供すること;リチウム充填ガーネットを含む電解質セパレーターを提供すること;ポリマー及びリチウム塩を含む結合層を提供すること;電解質セパレーターが結合層と接触しており、且つ結合層が電解質セパレーター及び陽極の間にあり、且つそれらと接触しているスタックを提供すること;並びに低い温度及び圧力でスタックに押圧することによって、結合層を陽極及び電解質セパレーターに結合、接着又は積層することを含む方法が本明細書に明示される。
【0249】
[000257] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、圧力は1000PSI未満である。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、圧力は300PSI未満である。
【0250】
[000258] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、温度は180℃未満である。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、温温度は120℃未満である。
【0251】
[000259] 上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、プロセスはクリーンルームで実行される。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、クリーンルームは-20℃未満又は-40℃未満の露点を有する。上記のいずれかを含むいくつかの実施例において、クリーンルームは、クラス10,000又はそれより良好なクリーンルームである。
【0252】
[000260] いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、リチウム充填ガーネット層及び陽極と接触している緩衝層の両方との密接な接触を形成するためのプロセスの間、融解するか、又は部分的に融解する温度まで加熱される。
【0253】
[000261] いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、リチウム充填ガーネット層及びその中に緩衝体が混合された陽極の両方との密接な接触を形成するためのプロセスの間、融解するか、又は部分的に融解する。
【0254】
[000262] いくつかの実施例において、結合層の複数の層が本明細書に明示される。いくつかの実施例において、「酸化物-硫化物界面層」の複数の層、すなわち、複数の結合層が本明細書に明示される。いくつかの実施例において、これらの結合層は、酸化物又は硫化物の両方に対して速度論的に安定である。いくつかの実施例において、これらの結合層は、酸化物-硫化物界面接触を促進又は維持する。いくつかの実施例において、これらの結合層は、酸化物及び硫化物の間の間隔を充填し、それによってイオン伝導性が改善される。
【0255】
[000263] いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、リチウム充填ガーネット層上へスピンコーティングされ、すなわち、高電圧陽極を保護する。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、リチウム充填ガーネット層上へ融解キャストされる。いくつかの実施例において、ボロハイドライド結合層は、リチウム充填ガーネット層上へ融解キャストされる。
【0256】
[000264] いくつかの実施例において、固体電気化学スタックの製造方法であって、(a)硫化物固体電解質粉末を含む第1のスラリーを第1の基材上にキャストし、第1の層を形成すること;(b)硫化物固体電解質粉末及び陽極活性粉末を含む第2のスラリーを第2の基材上にキャストし、第2の層を形成すること;並びに(c)互いに接触している第1の層及び第2の層をカレンダー処理することを含む方法が本明細書に明示される。
【0257】
[000265] 実施形態の一群において、ステップ(a)の前に、本プロセスは第1の基材を提供することを含む。そのような例において、ステップ(a)の前に、本プロセスは硫化物固体電解質粉末を含む第1のスラリーを提供することを含む。そのような例において、ステップ(b)の前に、本プロセスは第2の基材を提供することを含む。そのような例において、ステップ(b)の前に、本プロセスは硫化物固体電解質粉末及び陽極活性粉末を含む第2のスラリーを提供することを含む。いくつかの例において、本プロセスは、第2の層及び第1の層を接触させるステップ(f)を含む。
【0258】
[000266] さらなる実施形態
[000267] 一実施形態において、(a)陽極活物質及び硫化物カソライトを含み、15体積%(v/v)未満の多孔性を有する陽極層;(b)陽極層と接触しており、15%v/v未満の多孔性を有する硫化物電解質を含む緩衝層;並びに(c)リチウム充填ガーネット及びLPSXからなる群から選択される部材を含み、10%v/v未満の多孔性を有するセパレーター層を含む固体電気化学スタックであって、緩衝層が陽極層及びセパレーター層の間にある固体電気化学スタックが本明細書に明示される。
【0259】
[000268] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライト及び硫化物電解質は固体である。
【0260】
[000269] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、緩衝層は陽極層を実質的に被覆する。
【0261】
[000270] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、緩衝層は陽極層を被覆する。
【0262】
[000271] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、緩衝層は均一に高密度である。
【0263】
[000272] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、緩衝層は均一に厚い。
【0264】
[000273] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、緩衝層は、陽極層及びセパレーター層と直接接触している。
【0265】
[000274] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、結合層は、緩衝層及びセパレーター層の間にあり、且つそれらと直接接触している。
【0266】
[000275] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライトは硫化物単一イオン伝導体である。
【0267】
[000276] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライトは、リチウム(Li)、リン(P)及び硫黄(S)を含む電解質である。
【0268】
[000277] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、カソライトはヨウ素(I)を含む。
【0269】
[000278] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、カソライトは。塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)又はそれらの組合せを含む。
【0270】
[000279] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、カソライトは、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、ケイ素(Si)及びそれらの組合せからなる群から選択される部材を含む。
【0271】
[000280] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライトは、LPSI、LSTPS、LSPSCl、LBHI及びLPSから選択される。
【0272】
[000281] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライトはLSTPSである。
【0273】
[000282] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライトはLPSIである。
【0274】
[000283] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物電解質は硫化物単一イオン伝導体である。
【0275】
[000284] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極層は、約75~約90質量%のローディング質量で陽極活物質を含む。
【0276】
[000285] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極活物質は、リチウムインターカレーション材料、リチウムコンバージョン材料、又はリチウムインターカレーション材料及びリチウムコンバージョン材料の両方を含む。
【0277】
[000286] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極活物質はリチウムインターカレーション材料を含み;且つインターカレーション材料は、酸化ニッケルマンガンコバルト(NMC)、酸化ニッケルコバルトアルミニウム(NCA)、Li(NiCoAl)O2、酸化リチウムコバルト(LCO)、酸化リチウムマンガンコバルト(LMCO)、酸化リチウムニッケルマンガンコバルト(LMNCO)、酸化リチウムニッケルマンガン(LNMO)、Li(NiCoMn)O2、LiMn2O4、LiCoO2及びLiMn2-aNiaO4(式中、aは0~2である)又はLiMPO4(式中、Mは、Fe、Ni、Co及びMnである)からなる群から選択される。
【0278】
[000287] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極活物質はリチウムコンバージョン材料を含み;且つリチウムコンバージョン材料は、FeF2、NiF2、FeOxF3-2x、FeF3、MnF3、CoF3、CuF2材料、それらの合金及びその組合せからなる群から選択される。
【0279】
[000288] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、インターカレーション材料はNCAである。
【0280】
[000289] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、インターカレーション材料はNMCである。
【0281】
[000290] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、固体電気化学スタックは、結合層をさらに含む。
【0282】
[000291] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、結合層はボロハイドライド組成物を含む。
【0283】
[000292] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、緩衝層は、陽極層及びボロハイドライド層の間にあり、且つそれらと直接接触しており、ボロハイドライド層は、緩衝層及びセパレーター層の間にあり、且つそれらと直接接触している。
【0284】
[000293] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド組成物は、次式によって表される。
【0285】
[000294] A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素(F)、臭素(Br)、塩素(Cl)、ヨウ素(I)及びそれらの組合せから選択され、3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)。
【0286】
[000295] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド組成物は、次式:A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素(F)、臭素(Br)、塩素(Cl)、ヨウ素(I)及びそれらの組合せから選択され、3≦A≦6、2≦B≦5及び3≦C≦9である)によって表される。
【0287】
[000296] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド組成物は、次式:A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素(F)、臭素(Br)、塩素(Cl)、ヨウ素(I)及びそれらの組合せから選択され、3≦A≦6、2≦B≦5及び3≦C≦6である)によって表される。
【0288】
[000297] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド組成物は、次式:3LiBH4・2LiI・3LiNH2又は3LiBH4・4LiI・9LiNH2の1つから選択される。
【0289】
[000298] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、結合層は、LiI、LPS、LXPS、Li3PO4又はそれらの組合せをさらに含む。
【0290】
[000299] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、固体電気化学スタックは、(d)セパレーター層と直接接触している陰極集電体を含む。
【0291】
[000300] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、固体電気化学スタックは、(e)陽極層と直接接触している陽極集電体を含む。
【0292】
[000301] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、固体電気化学スタックは、(d)陰極集電体及び(e)陰極を含み、(e)陰極は、セパレーター層及び陰極集電体の間にあり、且つそれらと直接接触している。
【0293】
[000302] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陰極はリチウム(Li)金属電極層である。
【0294】
[000303] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、少なくとも1つの集電体は、炭素(C)コーティングされたニッケル(Ni)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ステンレス鋼、それらの合金及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む。
【0295】
[000304] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陰極集電体は、炭素(C)コーティングされたニッケル(Ni)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、それらの合金及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む。
【0296】
[000305] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極集電体層は、炭素(C)コーティングされたアルミニウム及びアルミニウムからなる群から選択される材料を含む。
【0297】
[000306] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陰極集電体層は、CコーティングされたNiである。
【0298】
[000307] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、セパレーター層は長方形である。
【0299】
[000308] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極層は長方形である。
【0300】
[000309] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、セパレーター層は円形である。
【0301】
[000310] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極層の幾何学的表面積及びセパレーター層の幾何学的表面積は実質的に同一である。
【0302】
[000311] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極層の1つの辺は、長さが2cm~30cmである。
【0303】
[000312] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、セパレーター層の1つの辺は、長さが2cm~30cmである。
【0304】
[000313] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極層は、長さ10cmの直径を有する。
【0305】
[000314] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、セパレーター層は、長さ10cmの直径を有する。
【0306】
[000315] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極層は、イオン伝導体の浸透ネットワーク(percolating network)を含む。
【0307】
[000316] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、セパレーター層は、イオン伝導体の浸透ネットワークを含む。
【0308】
[000317] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、セパレーター層はポリマーを含む。
【0309】
[000318] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極層は、約0~約1%のローディング質量で炭素を含む。
【0310】
[000319] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、約0~約1%のローディング質量の炭素は、C65又は蒸気成長炭素繊維(VGCF)である。
【0311】
[000320] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極層は、約0~約2.5%のローディング質量でバインダーを含む。
【0312】
[000321] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、約0~約2.5%のローディング質量のバインダーは、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリプロピレン、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシドポリ(アリルグリシジルエーテル)PEO-AGE、ポリエチレンオキシド2-メトキシエトキシ)エチルグリシジルエーテル(PEO-MEEGE)、ポリエチレンオキシド2-メトキシエトキシ)エチルグリシジルポリ(アリルグリシジルエーテル)(PEO-MEEGE-AGE)、ポリシロキサン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレン(PVDF-HFP)、エチレンプロピレン(EPR)、ニトリルゴム(NPR)、スチレン-ブタジエン-ゴム(SBR)、ポリブタジエンポリマー、ポリブタジエンゴム(PB)、ポリイソブタジエンゴム(PIB)、ポリオレフィン、アルファ-ポリオレフィン、アルファ-オレフィン、エチレンアルファ-ポリオレフィン、ポリイソプレンゴム(PI)、ポリクロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、ポリエチルアクリレート(PEA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、POB3、ポリオレフィン、ゴム又はそれらの組合せからなる群から選択されるバインダーを含む。
【0313】
[000322] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極層の厚さは、約10μm~約500μmである。
【0314】
[000323] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極層の厚さは、100μm~約500μmである。
【0315】
[000324] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、セパレーター層の厚さは、約1μm~約200μmである。
【0316】
[000325] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極集電体層の厚さは、約3μm~約100μmである。
【0317】
[000326] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極集電体層の厚さは約15μmである。
【0318】
[000327] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陰極集電体層の厚さは約3μm~約100μmである。
【0319】
[000328] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極集電体層の厚さは約15μmである。
【0320】
[000329] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極集電体又は陰極集電体上のタブの厚さは約5μm~約100μmである。
【0321】
[000330] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極層は1%v/v未満の多孔性を有する。
【0322】
[000331] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、緩衝層は1%v/v未満の多孔性を有する。
【0323】
[000332] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極層は少なくとも0.01%v/vの多孔性を有する。
【0324】
[000333] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、緩衝層は少なくとも0.01%v/vの多孔性を有する。
【0325】
[000334] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、セパレーター層は、実験式Li7La3Zr2O12-xAl2O3(xは有理数であり、且つ0≦x≦1である)を有するリチウム充填ガーネットを含む。
【0326】
[000335] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、セパレーター層は、式LiuLavZrxOy・zAl2O3(式中、uは4~8の有理数であり;vは2~4の有理数であり;xは1~3の有理数であり;yは10~14の有理数であり;且つzは0.05~1の有理数であり;u、v、x、y及びzは、酸化リチウム充填ガーネットが電荷的中性であるように選択される)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネット酸化物を含む。
【0327】
[000336] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、セパレーター層は、LixLayZrzOt・qAl2O3(式中、4<x<10、1<y<4、1<z<3、6<t<14及び0≦q≦1である)を含む。
【0328】
[000337] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、セパレーター層は、Li7La3Zr2O12・Al2O3又はLi7La3Zr2O12・0.35Al2O3を含む。
【0329】
[000338] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネットは、Nb、Ga及び/又はTaでドープされる。
【0330】
[000339] 別の実施形態において、(a)活物質及び硫化物カソライトを含む陽極層;(b)単一イオン伝導性固体緩衝体;(c)ボロハイドライド結合層;並びに(d)リチウム充填ガーネット層を含む全固体電気化学セル(SSEC)であって、緩衝体が陽極層内に混合されているか、又は陽極層と接触している層であるか、又は両方であり;ボロハイドライド結合層が、リチウム充填ガーネット層と、(i)その中に混合された緩衝体を有する陽極層又は(ii)陽極と接触している緩衝層との間にあり、且つそれらと接触している、全固体電気化学セル(SSEC)が本明細書に明示される。
【0331】
[000340] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、単一イオン伝導性固体緩衝体は、陽極層内に混合される。
【0332】
[000341] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、単一イオン伝導性固体緩衝体は、陽極層と接触している層である。
【0333】
[000342] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、単一イオン伝導性固体緩衝体は陽極層内に混合され、且つ陽極層と接触している層として存在する。
【0334】
[000343] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、単一イオン伝導性固体緩衝層は、ボロハイドライド結合層及び陽極層の間の直接的な接触を防ぐ。
【0335】
[000344] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極層の厚さは約100μm~約1000μmである。
【0336】
[000345] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、緩衝層の厚さは約0.5μm~約50μmである。
【0337】
[000346] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、単一イオン伝導性固体緩衝体は、陽極層が緩衝層又はボロハイドライド結合層のいずれかと連結する端部から約1μmから約50μmまでの陽極層内の浸透深さまで陽極層内に混合される。
【0338】
[000347] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネット層の厚さは約1μm~約200μmである。
【0339】
[000348] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層の厚さは約0.5μm~約50μmである。
【0340】
[000349] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は緩衝層に浸透している。
【0341】
[000350] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層はリチウム充填ガーネット層に浸透している。
【0342】
[000351] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は、原料密度の90%以上の密度を有する。
【0343】
[000352] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は、10体積%未満の多孔性を有する。
【0344】
[000353] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は、250℃未満の融点を有する。
【0345】
[000354] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は、250℃より高い融点を有する。
【0346】
[000355] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、固体電気化学スタックは陰極を含む。
【0347】
[000356] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陰極はリチウム(Li)金属陰極である。
【0348】
[000357] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネット層は陰極に接触している。
【0349】
[000358] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、緩衝層は、0.01~10重量%のバインダーを含む。
【0350】
[000359] バインダーがポリマーであり、且つ電子又はLi+イオンを伝導しない、実施形態120のSSEC。
【0351】
[000360] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、緩衝層は、10体積%以下の有機ポリマーを含む。
【0352】
[000361] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ポリマーは、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリプロピレン、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシドポリ(アリルグリシジルエーテル)PEO-AGE、ポリエチレンオキシド2-メトキシエトキシ)エチルグリシジルエーテル(PEO-MEEGE)、ポリエチレンオキシド2-メトキシエトキシ)エチルグリシジルポリ(アリルグリシジルエーテル)(PEO-MEEGE-AGE)、ポリシロキサン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンアルファ-オレフィンコポリマー、ポリフッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレン(PVDF-HFP)、エチレンプロピレン(EPR)、ニトリルゴム(NPR)、スチレン-ブタジエン-ゴム(SBR)、ポリブタジエンポリマー、ポリブタジエンゴム(PB)、ポリイソブタジエンゴム(PIB)、ポリイソプレンゴム(PI)、ポリクロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、ポリエチルアクリレート(PEA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリエチレンからなる群から選択される。
【0353】
[000362] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、緩衝層又は緩衝体成分は、有機ポリマーを含まない。
【0354】
[000363] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極電位は、リチウム充填ガーネット層電位から保護される。
【0355】
[000364] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極の活物質電位は、リチウム充填ガーネット層電位から保護される。
【0356】
[000365] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、活物質はコーティングされる。
【0357】
[000366] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、活物質は、酸化リチウムニオブ、酸化リチウムジルコニウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化リチウムタンタル、酸化リチウムハフニウム、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル及び酸化ハフニウムからなる群から選択されるコーティングでコーティングされる。
【0358】
[000367] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、活物質はコーティングされない。
【0359】
[000368] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極は、リチウムインターカレーション材料、リチウムコンバージョン材料、又はリチウムインターカレーション材料及びリチウムコンバージョン材料の両方を含む。
【0360】
[000369] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、インターカレーション材料は、酸化ニッケルマンガンコバルト(NMC)、酸化ニッケルコバルトアルミニウム(NCA)、Li(NiCoAl)O2、酸化リチウムコバルト(LCO)、酸化リチウムマンガンコバルト(LMCO)、酸化リチウムニッケルマンガンコバルト(LMNCO)、酸化リチウムニッケルマンガン(LNMO)、Li(NiCoMn)O2、LiMn2O4、LiCoO2及びLiMn2-aNiaO4(式中、aは0~2である)又はLiMPO4(式中、Mは、Fe、Ni、Co又はMnである)からなる群から選択される。
【0361】
[000370] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウムコンバージョン材料は、FeF2、NiF2、FeOxF3-2x、FeF3、MnF3、CoF3、CuF2材料、それらの合金及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0362】
[000371] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライト及び単一イオン伝導性固体緩衝体は、同種の材料を含む。
【0363】
[000372] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライト又は単一イオン伝導性固体緩衝体、又はその両方は、LSS、SLOPS、LSTPS、LSTPSCl、SLOBS、LATS及びLPS+X(式中、XはCl、I、Br及びそれらの組合せからなる群から選択される)からなる群から選択される。
【0364】
[000373] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライト又は単一イオン伝導性固体緩衝体、又はその両方は、LPSI、LXPS、LSTPS、LSPSCl、LPSCl、LSPSBr及びLPSBrからなる群から選択される。
【0365】
[000374] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライト又は単一イオン伝導性固体緩衝体、又はその両方は、x・Li2S:y・SiS2(式中、x及びyは、それぞれ独立して、0~1の数であり、且つx+y=1である)から選択される。
【0366】
[000375] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライト又は単一イオン伝導性固体緩衝体、又はその両方は、LSS、LGPS、LSTPS及びLSPSからなる群から選択される。
【0367】
[000376] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライト又は単一イオン伝導性固体緩衝体、又はその両方は、次式:LiaSibSncPdSe(式中、2≦a≦8、0≦b≦1、0≦c≦1、0.5≦d≦2.5及び2≦e≦12である);LiaSibPcSdXe(式中、8<a<12、1<b<3、1<c<3、8<d<14及び0<e<1であり、Xは、F、Cl、Br又はIである);LigAshSnjSkOl(式中、2≦g≦6、0≦h≦1、0≦j≦1、2≦k≦6及び0≦l≦10である);又はLimPnSpIq(式中、2≦m≦6、0≦n≦1、0≦p≦1、2≦q≦6である);約10:1~約6:4のLi2S:P2S5のモル比を有する(Li2S):(P2S5)及びLiIの混合物であって、[(Li2S):(P2S5)]:LiIの比率が95:5~50:50である混合物;LPS+X(式中、XはCl、I又はBrから選択される);vLi2S+wP2S5+yLiX;vLi2S+wSiS2+yLiX;又はvLi2S+wB2S3+yLiXの1つによって特徴づけられる。
【0368】
[000377] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライトはLSTPSを含む。
【0369】
[000378] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライトは、次式:LiaSibSncPdSe(式中、2≦a≦8、0≦b≦1、0≦c≦1、0.5≦d≦2.5及び2≦e≦12である)によって特徴づけられる。
【0370】
[000379] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライトは、次式:LiaSibSncPdSe(式中、2≦a≦5、0≦b≦0.5、0≦c≦0.5、0.5≦d≦2及び2≦e≦12である)によって特徴づけられる。
【0371】
[000380] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、単一イオン伝導性固体緩衝体はLSTPSを含む。
【0372】
[000381] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は、リチウムボロハイドライド、ナトリウムボロハイドライド又はカリウムボロハイドライドを含む。
【0373】
[000382] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウムボロハイドライド、ナトリウムボロハイドライド又はカリウムボロハイドライドは、LiNH2でドープされる。
【0374】
[000383] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウムボロハイドライド、ナトリウムボロハイドライド又はカリウムボロハイドライドの1つ又はそれ以上は、LiIでドープされる。
【0375】
[000384] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウムボロハイドライド、ナトリウムボロハイドライド又はカリウムボロハイドライドの1つ又はそれ以上は、LiNH2及びLiIでドープされる。
【0376】
[000385] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は、A(LiBH4)(1-A)(P2S5)(式中、0.05≦A≦0.95である)を含むボロハイドライド組成物を含む。
【0377】
[000386] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、0.5<A<0.95である。
【0378】
[000387] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、Aは0.85、0.9又は9.95である。
【0379】
[000388] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は、0.9(LiBH4)0.1(P2S5)を含む。
【0380】
[000389] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は、A・(LiBH4)・B・(LiX)・C・(LiNH2)(式中、Xは、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素又はそれらの組合せであり、且つ3≦A≦6、2≦B≦5及び0≦C≦9である)を含むボロハイドライド組成物を含む。
【0381】
[000390] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、3≦A≦6、2≦B≦5及び3≦C≦9である。
【0382】
[000391] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、Xは、臭素、塩素、ヨウ素又はそれらの組合せである。
【0383】
[000392] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、Xは塩素である。
【0384】
[000393] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、Xは臭素である。
【0385】
[000394] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、Xはヨウ素である。
【0386】
[000395] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、3≦A≦6、3≦B≦5及び3≦C≦9である。
【0387】
[000396] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、4≦A≦6、4≦B≦5及び4≦C≦6である。
【0388】
[000397] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は、3LiBH4・2LiCl・3LiNH2又は3LiBH4・4LiCl・9LiNH2であるボロハイドライド組成物を含む。
【0389】
[000398] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は、3LiBH4・2LiBr・3LiNH2又は3LiBH4・4LiBr・9LiNH2であるボロハイドライド組成物を含む。
【0390】
[000399] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は、3LiBH4・2LiI・3LiNH2又は3LiBH4・4LiI・9LiNH2であるボロハイドライド組成物を含む。
【0391】
[000400] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は、LBHIN及びLBHNから選択されるボロハイドライド組成物を含む。
【0392】
[000401] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層はKBH4+LiNH2を含む。
【0393】
[000402] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は非晶質である。
【0394】
[000403] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は半結晶である。
【0395】
[000404] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は多結晶である。
【0396】
[000405] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネット層は、LixLayZrzOt・qAl2O3(式中、4<x<10、1<y<4、1<z<3、6<t<14及び0≦q≦1である)から選択されるリチウム充填ガーネットを含む。
【0397】
[000406] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネット層は、Li7La3Zr2O12・Al2O3及びLi7La3Zr2O12・0.35Al2O3から選択されるリチウム充填ガーネットを含む。
【0398】
[000407] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネットは、Nb、Ga及び/又はTaでドープされる。
【0399】
[000408] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネット層は、式LiaLabZrcAldMe’’eOf(式中、5<a<8.5;2<b<4;0≦c≦2.5;0≦d<2;0≦e<2及び10<f<13であり、且つMe’’は、Nb、Ga、Ta及びその組合せからなる群から選択される金属である)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネットを含む。
【0400】
[000409] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネット層は、式LiuLavZrxOy・zAl2O3(式中、uは4~8の有理数であり;vは2~4の有理数であり;xは1~3の有理数であり;yは10~14の有理数であり;且つzは0.05~1の有理数であり;u、v、x、y及びzは、酸化リチウム充填ガーネットが電荷的中性であるように選択される)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネット酸化物を含む。上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネット層は、式LiuLavZrxOy・zTa2O5(式中、uは4~10の有理数であり;vは2~4の有理数であり;xは1~3の有理数であり;yは10~14の有理数であり;且つzは0~1の有理数であり;u、v、x、y及びzは、酸化リチウム充填ガーネットが電荷的中性であるように選択される)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネット酸化物を含む。
【0401】
[000410] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネット層は、式LiuLavZrxOy・zNb2O5(式中、uは4~10の有理数であり;vは2~4の有理数であり;xは1~3の有理数であり;yは10~14の有理数であり;且つzは0~1の有理数であり;u、v、x、y及びzは、酸化リチウム充填ガーネットが電荷的中性であるように選択される)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネット酸化物を含む。
【0402】
[000411] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネット層は、式LiuLavZrxOy・zGa2O3(式中、uは4~10の有理数であり;vは2~4の有理数であり;xは1~3の有理数であり;yは10~14の有理数であり;且つzは0~1の有理数であり;u、v、x、y及びzは、酸化リチウム充填ガーネットが電荷的中性であるように選択される)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネット酸化物を含む。
【0403】
[000412] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネット層は、式LiuLavZrxOy・zTa2O5・bAl2O3(式中、uは4~10の有理数であり;vは2~4の有理数であり;xは1~3の有理数であり;yは10~14の有理数であり;zは0~1の有理数であり;bは0~1の有理数であり;z+b≦1であり;且つu、v、x、y及びzは、酸化リチウム充填ガーネットが電荷的中性であるように選択される)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネット酸化物を含む。
【0404】
[000413] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネット層は、式LiuLavZrxOy・zNb2O5・bAl2O3(式中、uは4~10の有理数であり;vは2~4の有理数であり;xは1~3の有理数であり;yは10~14の有理数であり;zは0~1の有理数であり;bは0~1の有理数であり;z+b≦1であり;且つu、v、x、y及びzは、酸化リチウム充填ガーネットが電荷的中性であるように選択される)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネット酸化物を含む。
【0405】
[000414] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネット層は、式LiuLavZrxOy・zGa2O3・bAl2O3(式中、uは4~10の有理数であり;vは2~4の有理数であり;xは1~3の有理数であり;yは10~14の有理数であり;且つzは0~1の有理数であり;bは0~1の有理数であり;z+b≦1であり;且つu、v、x、y及びzは、酸化リチウム充填ガーネットが電荷的中性であるように選択される)によって特徴づけられるリチウム充填ガーネット酸化物を含む。
【0406】
[000415] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネット層は、式Li6.4Ga0.2La3Zr2O12によって特徴づけられるリチウム充填ガーネットを含む。
【0407】
[000416] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、SSECは陽極集電体層を含む。
【0408】
[000417] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、SSECは陰極集電体層を含む。
【0409】
[000418] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陰極集電体層は焼結金属である。
【0410】
[000419] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、焼結金属は、Al、Cu、Ni、Ag、Au、Pt、Pd又はSnからなる群から選択される。
【0411】
[000420] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、金属はNiである。
【0412】
[000421] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極層は、バインダー、炭素又はバインダー及び炭素の両方をさらに含む。
【0413】
[000422] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネット層は、陰極集電体層及びボロハイドライド結合層の間にあり、且つそれらと接触している。
【0414】
[000423] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ボロハイドライド結合層は、リチウム充填ガーネット層及び緩衝層の間にあり、且つそれらと接触している。
【0415】
[000424] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、緩衝層は、ボロハイドライド結合層及び陽極層の間にあり、且つそれらと接触している。
【0416】
[000425] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極層は、緩衝層及び陽極集電体層の間にあり、且つそれらと接触している。
【0417】
[000426] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陰極層は、リチウム充填ガーネット層及び陰極集電体層の間にあり、且つそれらと接触している。
【0418】
[000427] 一実施形態において、本明細書に明示される実施形態のいずれか1つのSSECを含む電池が本明細書に明示される。
【0419】
[000428] 一実施形態において、本明細書に明示される実施形態のいずれか1つの電池を含む電気自動車が本明細書に明示される。
【0420】
[000429] 一実施形態において、電気化学セルの製造方法であって、活物質、カソライト及び溶媒を含むスラリーを提供すること;集電体上へスラリーを堆積させること;スラリーを乾燥させること;単一イオン伝導性固体緩衝体を含む第2のスラリーを提供すること;基材上へ第2のスラリーを堆積させること;第2のスラリーを乾燥させること;乾燥させた第1のスラリー上へ乾燥させた第2のスラリーを移して、スタックを形成すること;圧力及び熱をスタックに加えること;固体セパレーターを提供すること;固体セパレーター上へボロハイドライド層を堆積させること;その上にボロハイドライド層を有する固体セパレーターとスタックを重ね合わせて、電気化学セルスタックを形成すること;並びに圧力及び熱をセルスタックに加えることを含む方法が本明細書に明示される。
【0421】
[000430] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、固体ローディングは少なくとも60重量%である。
【0422】
[000431] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、緩衝体はLSTPSである。
【0423】
[000432] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、圧力は一軸的に印加される。
【0424】
[000433] 一実施形態において、(a)活物質及び硫化物カソライトを含む陽極層;並びに(b)単一イオン伝導性固体緩衝体を含む二重層スタックであって、緩衝体が陽極層内に混合されているか、又は陽極層と接触している層であるか、又はその両方である二重層スタックが本明細書に明示される。
【0425】
[000434] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、単一イオン伝導性固体緩衝体は、陽極層内に混合される。
【0426】
[000435] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、単一イオン伝導性固体緩衝体は、陽極層と接触している層である。
【0427】
[000436] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、単一イオン伝導性固体緩衝体は陽極層内に混合され、且つ陽極層と接触している層として存在する。
【0428】
[000437] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、緩衝体は、陽極層が緩衝層又はボロハイドライド結合層のいずれかと連結する端部から約1μmから約50μmまでの陽極層内の浸透深さまで陽極層内に混合される。
【0429】
[000438] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネット層の厚さは、約1μm~約200μmである。
【0430】
[000439] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、緩衝層は10体積%以下の有機ポリマーを含む。
【0431】
[000440] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、ポリマーは、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリプロピレン、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシドポリ(アリルグリシジルエーテル)PEO-AGE、ポリエチレンオキシド2-メトキシエトキシ)エチルグリシジルエーテル(PEO-MEEGE)、ポリエチレンオキシド2-メトキシエトキシ)エチルグリシジルポリ(アリルグリシジルエーテル)(PEO-MEEGE-AGE)、ポリシロキサン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンアルファ-オレフィンコポリマー、ポリフッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレン(PVDF-HFP)、エチレンプロピレン(EPR)、ニトリルゴム(NPR)、スチレン-ブタジエン-ゴム(SBR)、ポリブタジエンポリマー、ポリブタジエンゴム(PB)、ポリイソブタジエンゴム(PIB)、ポリイソプレンゴム(PI)、ポリクロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、ポリエチルアクリレート(PEA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリエチレンからなる群から選択される。
【0432】
[000441] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、活物質はコーティングされる。
【0433】
[000442] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、活物質は、酸化リチウムニオブ、酸化リチウムジルコニウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化リチウムタンタル、酸化リチウムハフニウム、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル及び酸化ハフニウムからなる群から選択されるコーティングでコーティングされる。
【0434】
[000443] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、活物質はコーティングされない。
【0435】
[000444] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、陽極は、リチウムインターカレーション材料、リチウムコンバージョン材料、又はリチウムインターカレーション材料及びリチウムコンバージョン材料の両方を含む。
【0436】
[000445] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、インターカレーション材料は、酸化ニッケルマンガンコバルト(NMC)、酸化ニッケルコバルトアルミニウム(NCA)、Li(NiCoAl)O2、酸化リチウムコバルト(LCO)、酸化リチウムマンガンコバルト(LMCO)、酸化リチウムニッケルマンガンコバルト(LMNCO)、酸化リチウムニッケルマンガン(LNMO)、Li(NiCoMn)O2、LiMn2O4、LiCoO2及びLiMn2-aNiaO4(式中、aは0~2である)又はLiMPO4(式中、Mは、Fe、Ni、Co又はMnである)からなる群から選択される。
【0437】
[000446] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウムコンバージョン材料は、FeF2、NiF2、FeOxF3-2x、FeF3、MnF3、CoF3、CuF2材料、それらの合金及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0438】
[000447] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライト又は単一イオン伝導性固体緩衝体、又はその両方は、LSS、SLOPS、LSTPS、LSTPSCl、SLOBS、LATS及びLPS+X(式中、XはCl、I、Br及びそれらの組合せからなる群から選択される)からなる群から選択される。
【0439】
[000448] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライト又は単一イオン伝導性固体緩衝体、又はその両方は、LPSI、LXPS、LSTPS、LSPSCl、LPSCl、LSPSBr及びLPSBrからなる群から選択される。
【0440】
[000449] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライト又は単一イオン伝導性固体緩衝体、又はその両方は、x・Li2S:y・SiS2(式中、x及びyは、それぞれ独立して、0~1の数であり、且つx+y=1である)から選択される。
【0441】
[000450] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライト又は単一イオン伝導性固体緩衝体、又はその両方は、LSS、LGPS、LSTPS及びLSPSからなる群から選択される。
【0442】
[000451] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライト又は単一イオン伝導性固体緩衝体、又はその両方は、次式:LiaSibSncPdSe(式中、2≦a≦8、0≦b≦1、0≦c≦1、0.5≦d≦2.5及び2≦e≦12である);LiaSibPcSdXe(式中、8<a<12、1<b<3、1<c<3、8<d<14及び0<e<1であり、Xは、F、Cl、Br又はIである);LigAshSnjSkOl(式中、2≦g≦6、0≦h≦1、0≦j≦1、2≦k≦6及び0≦l≦10である);又はLimPnSpIq(式中、2≦m≦6、0≦n≦1、0≦p≦1、2≦q≦6である);約10:1~約6:4のLi2S:P2S5のモル比を有する(Li2S):(P2S5)及びLiIの混合物であって、[(Li2S):(P2S5)]:LiIの比率が95:5~50:50である混合物;LPS+X(式中、XはCl、I又はBrから選択される);vLi2S+wP2S5+yLiX;vLi2S+wSiS2+yLiX;又はvLi2S+wB2S3+yLiXの1つによって特徴づけられる。これらの実施形態において、x、w及びyは、個々にそれぞれの例において、0を含めて0から、1を含めて1までの範囲であることが可能である。
【0443】
[000452] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライトはLSTPSを含む。
【0444】
[000453] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライトは、次式:LiaSibSncPdSe(式中、2≦a≦8、0≦b≦1、0≦c≦1、0.5≦d≦2.5及び2≦e≦12である)によって特徴づけられる。
【0445】
[000454] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、硫化物カソライトは、次式:LiaSibSncPdSe(式中、2≦a≦5、0≦b≦0.5、0≦c≦0.5、0.5≦d≦2及び2≦e≦12である)によって特徴づけられる。
【0446】
[000455] 上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、リチウム充填ガーネット層は、LixLayZrzOt・qAl2O3(式中、4<x<10、1<y<4、1<z<3、6<t<14及び0≦q≦1である)から選択されるリチウム充填ガーネットを含む。
【0447】
[000456] 特定の利点が上記で列挙されたが、種々の実施形態は、列挙される利点のいくつか、又は全てを含んでもよく、或いは列挙される利点を含まなくてもよい。他の技術的な利点は、以下の図面及び記載を検討すれば、当業者にとって即座に明白となり得る。
【実施例】
【0448】
実施例
[000457] 試薬、化学物質及び材料は、他に特に明記されない限り商業的に購入された。化学試薬及び溶媒は、商業的に購入し、特に明記されない限り、精製せずに使用された。ポーチセル容器は、昭和電工(Showa Denko)から購入された。使用された電気化学ポテンショスタットは、Arbinポテンショスタットであった。電気インピーダンス分光法(EIS)は、Biologic VMP3、VSP、VSP-300、SP-150又はSP-200で実行された。粘度は、100秒-1の剪断速度下でRheometerを使用して測定される。ミル加工は、Retsch PM 400 Planetaryボールミルを使用して実行された。混合は、Fischer Scientificボルテックス混合機、Flaktekスピード混合機又はPrimix filmixホモジナイザーを使用して実行された。キャスティングは、TQCドローダウンテーブルで実行された。カレンダー処理は、IMCカレンダーで実行された。光散乱は、Horiba、モデル:Partica、モデル番号:LA-950V2、一般用語:レーザー散乱粒径分布分析器で実行された。
【0449】
[000458] 電子顕微鏡検査は、FEI Quanta SEM、Helios 600i又はHelios 660 FIB-SEMで実行されたが、同等のツールで置き換えられてもよい。XRDは、Cu K-α放射線を用いて、6mmのスリット幅、ステップあたり76ms又はステップあたり0.4秒のスキャン時間及び室温で、Bruker D8 Advance ECO又はRigaku MiniFlex 2で実行された。光学イメージングは、光学カメラで実行された。DCサイクリングは、Arbin BT-2043又はBT-Gで実行されたが、同等のツールで置き換えられてもよいことは理解される。
【0450】
実施例1
[000459] ステップ1(1):固体陽極層を調製した。スラリーは、20~70%のトルエン中30~80重量%の固体ローディングで調製された。固体ローディングは、70~95重量%のリチウム化された酸化リチウムジルコニウム(LZO)でコーティングされたリチウム化された酸化ニッケル-コバルト-アルミニウム活物質(NCA)、13重量%のLSTPS及び2重量%のバインダーを含んだ。LSTPS組成物は、LiaSibSncPdSe(式中、2≦a≦8、0≦b≦1、0≦c≦1、0.5≦d≦2.5及び4≦e≦12である)として特徴づけられ、さらにそれは0原子%より多く15原子%までの酸素元素を含み、且つ2015年10月27日に発行され、且つ「SOLID STATE CATHOLYTES AND ELECTROLYTES FOR ENERGY STORAGE DEVICES」と題された米国特許第9,172,114号に記載されるように調製された。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。
【0451】
[000460] ドクターブレードを使用して、炭素コーティングされたAl箔上にスラリーをキャストした。炭素コーティングされたAl箔上に陽極層膜を形成するために、得られたキャストスラリーを1~24時間、室温~120℃で乾燥させた。この炭素コーティングされたAl箔は、ステップ7(7)で電気化学セルが組み立てられた時に集電体として作用した。乾燥後、陽極層はこの集電体に接着していた。
【0452】
[000461] ステップ2(2):固体陽極層と接触している緩衝層を調製した。トルエン中10~70重量%のLSTPSを用いてスラリーを調製した。ドクターブレードを使用して、Ni箔上でスラリーをキャストした。緩衝層膜を形成するために、得られたキャストスラリーを1~24時間、室温~120℃で乾燥させた。本実施例では、緩衝層は、陽極層で使用されたものと同一の化学組成のLSTPSを含んだ。理論に縛られないが、この層が電子伝導体を含まないことが提案される。それによって、この緩衝層は、電子がボロハイドライド結合層に接近することを防ぐ。そのように、緩衝層は、結合層電位への陽極層電位を遮断する。また、これによって、緩衝層が陽極層から陰極(アノード)電位を保護することを可能にさせる。
【0453】
[000462] ステップ3(3):緩衝層膜を、ステップ2(2)の乾燥後のNi箔から剥離、すなわち、除去した。次いで、緩衝層を移動し、そしてステップ1(1)に従って調製された陽極層上に配置し、スタック(緩衝層-陽極層-集電体)を製造した。
【0454】
[000463] ステップ4(4):ステップ3(3)で製造したスタックに、低温(室温)で約300MPaの一軸圧力を印加した。高温(150~180℃)で圧力を加えたままスタックを保持した。
【0455】
[000464] ステップ5(5):2017年10月31日に発行され、且つ「GARNET MATERIALS FOR LI SECONDARY BATTERIES AND METHODS OF MAKING and USING GARNET MATERIALS」と題された米国特許第9,806,372B2号及び2018年5月15日に発行され、且つ「LITHIUM STUFFED GARNET SETTER PLATES FOR SOLID ELECTROLYTE FABRICATION」と題された同第9,970,711号におけるリチウム充填ガーネットの層又は膜の形成方法に従って、リチウム充填ガーネット層を製造した。上記特許のそれぞれの全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。
【0456】
[000465] ステップ6(6):ボロハイドライド結合層を調製した。ボロハイドライド結合層を形成するために使用したボロハイドライド組成物は、2017年10月20日に出願され、且つ「ELECTROLYTE SEPARATORS INCLUDING LITHIUM BOROHYDRIDE AND COMPOSITE ELECTROLYTE SEPARATORS OF LITHIUM-STUFFED GARNET AND LITHIUM BOROHYDRIDE」と題された国際PCT特許出願第PCT/US2017/057735号;また、2017年10月20日に出願され、且つ「BOROHYDRIDE-SULFIDE INTERFACIAL LAYER IN ALL SOLID-STATE BATTERY」と題された国際PCT特許出願第PCT/US2017/057739号に従って記載された。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。組成物3LiBH4・2LiCl・3LiNH2を融解し、ステップ5(5)で調製されるリチウム充填ガーネット膜上へスピンコーティングした。ボロハイドライド結合層は、リチウム充填ガーネット、及び陽極層と接触している緩衝層の両方と密接な接触を形成する。
【0457】
[000466] ステップ7(7):LBHINスピンコーティングされた層を有するリチウム充填ガーネット膜を、ステップ4(4)から得られたスタック上に配置した。ここで、LBHINボロハイドライド結合層は緩衝層と直接接触した。次いで、LBHINが融解する温度(250℃)において、平方インチあたり約10,000ポンド(PSI)の圧力を印加することによって、このスタックを高密度化させた。次いで、スタックを室温まで冷却した。
【0458】
[000467] ステップ8(8):ステップ7(7)から得られたスタックに対して、リチウム充填ガーネット膜のLBHINスピンコーティングされた層を有しない面上に、集電体を接着し、電気化学セルを形成した。集電体を接着する前に、リチウム金属をリチウム充填ガーネット上へ蒸着させ、リチウム金属陰極を形成した。電気化学セルは、30μmの蒸着リチウムを含んだ。
【0459】
[000468] ステップ9(9):ステップ8(8)から得られたスタックをサイクルさせ、接着した集電体及びリチウム充填ガーネット膜の間にリチウム金属アノードを形成した。
【0460】
実施例2
[000469] 実施例1のステップ1(1)~8(8)に従って電気化学セルを形成した。このセルを、C/10の初期形成サイクルの後、C/3レート、45℃で3.0V~4.2Vの間で電気化学的にサイクルさせた。電気化学セルは、1平方インチにつき300ポンド(psi)まで加圧された。
【0461】
【0462】
[000471]
図3は、電気化学セルが有意な容積損失を生じることなく、45℃においてC/3レートで50サイクルを完了したことを実証する。第1及び第50のサイクルは、
図3中で重なり合っている。
【0463】
[000472]
図4は、電気化学セルが200サイクルを完了し、且つ第200サイクルでそのエネルギーの80%より高くを保持したことを実証する。クーロン効率は、約1に近いことが観察された(大部分のサイクル間で>0.999)。第1(第1)サイクル有効性は、90%より大きい。それは、LiNbO
3-コーティングされたLiCoO
2陽極活物質及び硫化物固体電解質(Li
9.6P
3S
12、Li
10GeP
2S
12、Li
9.54Si
1.74P
1.44S
11.7C
l0.3)を有する電気化学セルのサイクルデータを報告する加藤(Kato)ら、DOI:10.1038/NENERGY.2016.30の結果と、これらの予想外の結果とを比較する価値がある。加藤(Kato)らは、
図4中にそれぞれ90%、61%及び39%のクーロン効率を報告する。しかしながら、加藤(Kato)らにおいては、低電圧(2.5V)電気化学セルのみが試験された。これらの低電圧(2.5V)セルは、高いクーロン効率を有することが予想された。しかしながら、2.5Vセルのみが、サイクル1において93%、そしてサイクル10及びサイクル100において99%のクーロン効率を示した。加藤(Kato)らとは対照的に、本実施例において調製される電気化学セルは、本仮特許出願において、
図4で示すように、10サイクル後に約100%(99.9%より大きい)のクーロン効率が観察された。従来技術と比較して、同一条件下で試験した場合、実証されたクーロン効率はより高い。これは、硫化物カソード界面上の改善された電気化学安定性を示す。
【0464】
[000473]
図5は、電気化学セルが、45℃において約54Ω-cm
2の低い面積比抵抗(ASR)を有することを実証する。LSTPS及びリチウム充填ガーネットは、それぞれ個々に、室温で高い(例えば、1000Ω-cm
2以上の)面積比抵抗(ASR)を有し得る。したがって、実施例1で実行されるように、単に一緒にLSTPS及びリチウム充填ガーネットを押圧することによって、その間にヘテロ界面を形成し、LSTPS及びリチウム充填ガーネットの両方を含むセル中で低いASRが得られることは予想外である。
【0465】
[000474]
図6及び
図7に、試験される電気化学セルの概略図を示す。電気化学セルは実施例1に従って調製され、実施例2に従って試験された。
図6によって表される電気化学セルは、蒸着されたリチウム金属アノードを表す層701を含んだ。層702は、リチウム充填ガーネット層を表す。層704は、緩衝層を表す。層705は、陽極層を表す。
【0466】
[000475]
図7によって表される電気化学セルは、蒸着されたリチウム金属アノードを表す層801を含んだ。層802は、リチウム充填ガーネット層を表す。層803は、結合層を表す。層805は、陽極層を表す。
【0467】
実施例3-緩衝層を有する電気化学セルの製造
[000476] ステップ1(1):固体陽極層(カソード層、SSC)を調製した。スラリーは、20~70%のトルエン中30~80重量%の固体ローディングで調製された。固体ローディングは、70~95重量%の酸化リチウムジルコニウム(LZO)でコーティングされたリチウム化された酸化ニッケル-コバルト-アルミニウム活物質(NCA)、13重量%のLSTPS及び2重量%のバインダーを含んだ。LSTPS組成物は、LiaSibSncPdSe(式中、aは4であり、bは0.5であり、cは0.5であり、dは1であり、且つeは8である)として特徴づけられ、さらにそれは0原子%より多く15原子%までの酸素元素を含み、且つ2015年10月27日に発行され、且つ「SOLID STATE CATHOLYTES AND ELECTROLYTES FOR ENERGY STORAGE DEVICES」と題された米国特許第9,172,114号に記載されるように調製された。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。
【0468】
[000477] ドクターブレードを使用して、炭素コーティングされたアルミ箔上にスラリーをキャストした。炭素コーティングされたAl箔上に陽極層膜を形成するために、得られたキャストスラリーを1~24時間、室温~120℃で乾燥させた。
【0469】
[000478] ステップ2(2):後に固体陽極層と接触して配置される硫化物層を調製した。トルエン中10~70重量%のLSTPSを用いてスラリーを調製した。ドクターブレードキャスティング法を使用して、Ni箔上でスラリーをキャストした。緩衝層膜を形成するために、得られたキャストスラリーを1~24時間、室温~120℃で乾燥させた。本実施例では、緩衝層は、陽極層で使用されたものと同一の化学組成のLSTPSを含んだ。理論に縛られることはないが、この層が電子に対して伝導性ではない(1E-6S/cm未満の電子伝導性を有する)ことが提案された。それによって、この緩衝層は、陽極層から陰極(アノード)電位を保護する。
【0470】
[000479] ステップ3(3):硫化物層及びカソード層が互いに直接接触して、スタック(ニッケル膜-緩衝層-陽極層-アルミニウム膜)を形成するように、ステップ(1)及びステップ(2)の2つの層を互いの上に配置した。
【0471】
[000480] ステップ4(4):ステップ(3)のスタックをアルミニウムガイド箔上に配置する。膜を1.0メートル/分、140℃及び約100~110bar(10~11MPa)の流体圧力(1100~1200N/mmを印加する)でカレンダーに通す。Saueressig GK 300 L又はOno Roll Type 12カレンダー処理機を使用した。カレンダー処理後、硫化物層をカソード層上に移し、そして両方の層を1ステップで一緒に高密度化した。結果を
図2のイメージに示す。カレンダー処理の間、炭素コーティングされたアルミ箔もアルミニウムガイド箔に接着させ、SSCの側面上で第1の集電体を形成した。
【0472】
[000481] ステップ(4)からのスタックを、試験用のリチウム充填ガーネットセパレーターを含む電気化学セル中に組み込んだ。
【0473】
[000482] 2017年10月31日に発行され、且つ「GARNET MATERIALS FOR LI SECONDARY BATTERIES AND METHODS OF MAKING and USING GARNET MATERIALS」と題された米国特許第9,806,372B2号及び2018年5月15日に発行され、且つ「LITHIUM STUFFED GARNET SETTER PLATES FOR SOLID ELECTROLYTE FABRICATION」と題された同第9,970,711号におけるリチウム充填ガーネットの層又は膜の形成方法に従って、リチウム充填ガーネット層を製造した。上記特許のそれぞれの全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。
【0474】
[000483] ステップ6(6):リチウム充填ガーネット膜が緩衝層と直接接触するように、リチウム充填ガーネット膜を、ステップ4(4)から得られたスタック上に配置した。次いで、140℃の温度において、平方インチあたり約500ポンド(PSI)の圧力を印加することによって、このスタックを高密度化させた。次いで、スタックを室温まで冷却した。
【0475】
[000484] ステップ7(7):ステップ6(6)から得られるスタック中にリチウム金属陰極を作成するために、リチウム金属をリチウム充填ガーネット上へ蒸着し(30μmの蒸着されたリチウム)、そしてスタックを陰極集電体に接着し、電気化学セルを形成した。いくつかのセルでは、陰極集電体をリチウム充填ガーネット膜上へ直接接着し、そして陽極からのリチウムがリチウム充填ガーネット膜及び陰極集電体の間で析出した。
【0476】
実施例4-緩衝層及びボロハイドライド層を有する電気化学セルの製造
[000485] ステップ1(1):固体陽極層(カソード層、SSC)を調製した。スラリーは、20~70%のトルエン中30~80重量%の固体ローディングで調製された。固体ローディングは、70~95重量%の酸化リチウムジルコニウム(LZO)でコーティングされたリチウム化された酸化ニッケル-コバルト-アルミニウム活物質(NCA)、13重量%のLSTPS及び2重量%のバインダーを含んだ。LSTPS組成物は、LiaSibSncPdSe(式中、aは5であり、bは0.75であり、cは0.25であり、dは1であり、且つeは6である)として特徴づけられ、さらにそれは0原子%より多く15原子%までの酸素元素を含み、且つ2015年10月27日に発行され、且つ「SOLID STATE CATHOLYTES AND ELECTROLYTES FOR ENERGY STORAGE DEVICES」と題された米国特許第9,172,114号に記載されるように調製された。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。
【0477】
[000486] ドクターブレードを使用して、炭素コーティングされたアルミ箔上にスラリーをキャストした。炭素コーティングされたAl箔上に陽極層膜を形成するために、得られたキャストスラリーを1~24時間、室温~120℃で乾燥させた。
【0478】
[000487] ステップ2(2):後に固体陽極層と接触して配置される硫化物層を調製した。トルエン中10~70重量%のLSTPSを用いてスラリーを調製した。ドクターブレードキャスティング法を使用して、Ni箔上でスラリーをキャストした。緩衝層膜を形成するために、得られたキャストスラリーを1~24時間、室温~120℃で乾燥させた。本実施例では、緩衝層は、陽極層で使用されたものと同一の化学組成のLSTPSを含んだ。理論に縛られることはないが、この層が電子に対して伝導性ではない(1E-6S/cm未満の電子伝導性を有した)ことが提案された。それによって、この緩衝層は、陽極層から陰極(アノード)電位を保護した。
【0479】
[000488] ステップ3(3):硫化物層及びカソード層が互いに直接接触して、スタック(ニッケル膜-緩衝層-陽極層-アルミニウム膜)を形成するように、ステップ(1)及びステップ(2)の2つの層を互いの上に配置した。
【0480】
[000489] ステップ4(4):ステップ(3)のスタックをアルミニウムガイド箔上に配置する。膜を1.0メートル/分、140℃及び約100~110bar(10~11MPa)の流体圧力(1100~1200N/mmを印加する)でカレンダーに通す。Saueressig GK 300 L又はOno Roll Type 12カレンダー処理機を使用した。カレンダー処理後、硫化物層をカソード層上に移し、そして両方の層を1ステップで一緒に高密度化した。カレンダー処理の間、炭素コーティングされたアルミ箔もアルミニウムガイド箔に接着させ、SSCの側面上で第1の集電体を形成した。
【0481】
[000490] ステップ(4)からのスタックを、試験用のガーネットセパレーター及びボロハイドライド結合層を含む電気化学セル中に組み込んだ。
【0482】
[000491] ステップ5(5):2017年10月31日に発行され、且つ「GARNET MATERIALS FOR LI SECONDARY BATTERIES AND METHODS OF MAKING and USING GARNET MATERIALS」と題された米国特許第9,806,372B2号及び2018年5月15日に発行され、且つ「LITHIUM STUFFED GARNET SETTER PLATES FOR SOLID ELECTROLYTE FABRICATION」と題された同第9,970,711号におけるリチウム充填ガーネットの層又は膜の形成方法に従って、リチウム充填ガーネット層を製造した。上記特許のそれぞれの全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。
【0483】
[000492] ステップ6(6):ボロハイドライド結合層を調製した。ボロハイドライド結合層を形成するために使用したボロハイドライド組成物は、2017年10月20日に出願され、且つ「ELECTROLYTE SEPARATORS INCLUDING LITHIUM BOROHYDRIDE AND COMPOSITE ELECTROLYTE SEPARATORS OF LITHIUM-STUFFED GARNET AND LITHIUM BOROHYDRIDE」と題された国際PCT特許出願第PCT/US2017/057735号;また、2017年10月20日に出願され、且つ「BOROHYDRIDE-SULFIDE INTERFACIAL LAYER IN ALL SOLID-STATE BATTERY」と題された国際PCT特許出願第PCT/US2017/057739号に従って記載された。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。組成物3LiBH4・2LiCl・3LiNH2を融解し、ステップ5(5)で調製されるリチウム充填ガーネット膜上へスピンコーティングした。
【0484】
[000493] ステップ7(7):LBHINボロハイドライド結合層が緩衝層と直接接触するように、LBHINスピンコーティングされた層を有するリチウム充填ガーネット膜を、ステップ4(4)から得られたスタック上に配置した。次いで、140℃において、平方インチあたり約1000ポンド(PSI)の圧力を印加することによって、このスタックを高密度化させた。次いで、スタックを室温まで冷却した。
図3に、得られたスタックのSEM FIBイメージを示す。
【0485】
[000494] ステップ8(8):ステップ7(7)から得られるスタック中にリチウム金属陰極を作成するために、リチウム金属をリチウム充填ガーネット上へ蒸着し(30μmの蒸着されたリチウム)、そしてスタックを陰極集電体に接着し、電気化学セルを形成した。いくつかのセルでは、陰極集電体をリチウム充填ガーネット膜上へ直接接着し、そして陽極からのリチウムがリチウム充填ガーネット膜及び陰極集電体の間で析出した。
【0486】
実施例5
[000495] 3(3)モル部のLiBH4を1(1)モル部のLiIと混合することによってLBHI粉末を調製した。次いで、8時間300rpmにおいてジルコニア容器中で混合物を2回(2)ミル加工し、続いて、密閉容器中300℃においてアニール化し、室温まで冷却し、混合され且つアニール化されたLBHI粉末を形成した。
【0487】
[000496] ガーネット薄膜(ほぼLi7-xLa3Zr2O12Al2O3として特徴づけられるLi充填ガーネット)を以下の通りに調製した。ガーネット前駆体は、6~7:1.5:2:0.1~1.5のモル比でLiOH、ZrO2、La2O3及びベーマイトが混合された。混合された前駆体をボールミル中でミル加工し、そして1~10時間、700~1000℃において焼成し、第2の相を有する立方ガーネット相を形成した。溶媒、界面活性剤及び分散剤とともに湿潤ミル中で粉末をミル加工した。バインダー溶液は、同一溶媒中でバインダーを溶解することによって調製した。バインダー溶液及び粉末スラリーを混合し、そして10~300umのギャップ高さのドクターブレードを用いてMylar基材上にテープキャストし、キャストグリーンテープを形成した。グリーンテープを基材から剥離し、望ましいサイズに切断し、1~10時間、800~1200℃においてセッター間で焼結し、そして室温まで冷却し、焼結ガーネット薄膜を形成した。
【0488】
[000497] 約2時間、バンドヒーターを備えたステンレス鋼加熱ブロック中に配置された窒化ホウ素又はアルミナるつぼ中、アルゴン雰囲気下で、混合され且つアニール化されたLBHI粉末(1~4g)を、LBHI粉末が融解するまで、300~350℃にまで加熱した。600秒の滞留時間で、アルゴン下、300~350℃において、融解LBHI中にガーネット薄膜をディップコーティングした。次いで、ガーネット薄膜を0.05~300mm分-1の速度で融解LBHIから引き抜き、そしてアルゴン下で5秒~5分間冷却させ、ディップコーティングされたLBHIガーネットが提供された。
【0489】
実施例6
[000498] LBHIを実施例5と同様に調製し、300~350℃まで加熱した。次いで、600秒の滞留時間で、アルゴン下、300~350℃において、融解LBHI中に銅集電体薄箔をディップコーティングした。次いで、銅を0.05~300mm分-1の速度で融解LBHIから引き抜き、そしてアルゴン下で5秒~5分間冷却させ、ディップコーティングされたLBHI銅が提供された。
【0490】
実施例7
[000499] ディップコートされたLBHI-ガーネットを実施例5と同様に調製した。ASR及びカレンダー寿命を以下の通りに試験した。未コーティングのガーネット及びディップコートされたLBHIガーネットをLi電極と両側で接触させて(8mmの接触面積)、そして80℃及び300PSIにおいて1日2回、30秒のパルスを用いて0.5mAcm2電流密度を受けさせた(前方向及び逆方向)。
【0491】
実施例8
[000500] セパレーター(未コーティングのガーネット膜又は実施例6に従って調製され、LBHIコートされたガーネット膜)を、試料の両側にLi-金属電極を有する対称形の電気化学セル中に配置した。5000PSIの静水圧を、制御された温度下及びアルゴン下で、セルの両側に一軸的に適用した。次いで、80℃において2mA/cm2で20平面ミクロンのリチウム(約4mAh/cm2)の5サイクルを8mmの電極接触面積上に通過させた。生存したもの(ショートしなかった試料)に関して、電流を80℃において3mAh/cm2まで増加させた。生存試料に関して、次いで、電流を80℃において4mAh/cm2まで増加させ、続いて、生存試料に関して、80℃において5mAh/cm2まで増加させた。
【0492】
実施例9
[000501] 3(3)モル部のLiBH4、3(3)モル部のLiNH2を1(1)モル部のLiClと混合することによってLBHClNを調製した。次いで、8時間300rpmにおいてジルコニア容器中で混合物を2回(2)のミル加工し、続いて、密閉容器中180℃において2時間アニール化し、冷却し、LBHClN粉末を形成した。
【0493】
[000502] リチウム充填ガーネット膜を実施例5と同様に調製し、そしてリチウム金属を片側に適用した。次いで、LBHClN粉末をリチウム充填ガーネット膜の反対側に滴下した。次いで、それの上にLBHClN粉末を有するリチウム充填ガーネットを、LBHClN粉末が融解する80~140℃まで加熱した。
【0494】
[000503] 硫化物含有固体カソード膜(SSC)を調製した。SSCは、約1/3及び2/3のLSTPS:NCA体積比で、硫化物カソライト、LSTPS及びカソード活物質(NCA)を含んだ。約0~5重量%の少量の炭素及びバインダーをLSTPS及びNCAに添加した。LSTPS/NCA/炭素/バインダーのこれらの得られた組合せを、トルエン中20%粉末のローディング質量で、トルエン中に懸濁させた。次いで、Flacktek及びFilmixを使用して、懸濁液をそれぞれ15分及び6分間混合した。次いで、混合物を炭素コーティングされたアルミニウム箔上にキャストし、アルゴン雰囲気下、トルエンが蒸発するまで乾燥させた。膜は望ましいサイズにパンチされた。SSC膜を300,000PSIの圧力下、180℃において高密度化した。
【0495】
[000504] 次いで、融解LBHClN粉末上にSSC膜を配置した。次いで、SSC膜を、室温まで冷却しながら、1平方インチあたり10~2000ポンド(PSI)で押圧した。セルを45℃においてC/10レートでサイクルさせた。
【0496】
実施例10
[000505] XがCl、Br又はI又はそれらの混合物であるLBHXN粉末を上記の通りに製造した。リチウム充填ガーネット上にLBHXN薄膜の結合層を堆積させるために、スピンキャスティングを使用した。この手順においては、LBHXN融解温度(約100~280℃)まで加熱されるスピンコーターのチャック上の、リチウム充填ガーネットの中央に少量のLBHXN粉末を適用した。融解温度に達すると、LBHXNは融解した。平坦なスパチュラを使用して、基材上の融解LBHXNをキャストし、表面を被覆した。チャックがなおLBHXNを融解するために必要な温度である間、100rpm~5000rpmの速度でスピンコーターの電源を入れた。1~10分後、スピンコーターの電源を切った。室温まで冷却後、LBHXNの均一コーティングが基材上で達成された。
【0497】
実施例11
[000506] LSTPS粉末の混合物に有機、非水性、非プロトン性溶媒を添加し、少なくとも約35%のローディング質量でスラリーを形成する。次いで、コーターを用いてスラリーをキャストし、金属箔上へコーティングする。次いで、緩衝層を、カソード材料の層と接触させて配置する。この層を、少なくとも約1000psi以上の力で高密度化させる。
【0498】
実施例12
[000507] ドロップキャスティング法によって、固体カソード膜上に組成物LiNH2:LiBH4:LiI(3:3:2)をコーティングした。特に、LBHIN粉末を調製し、高密度化された固体カソード上にキャストした。未コーティングのリチウム充填膜(実施例5に従って製造された)を20~2000PSI及び20~350℃においてLBHIN層上に押圧した。
【0499】
実施例13
[000508] 固体陽極層(カソード層、SSC)を調製した。スラリーは、20~70%のトルエン中30~80重量%の固体ローディングで調製された。固体ローディングは、70~95重量%の酸化リチウムジルコニウム(LZO)でコーティングされたリチウム化された酸化ニッケル-コバルト-アルミニウム活物質(NCA)、13重量%のLSTPS及び2重量%のバインダーを含んだ。LSTPS組成物は、LiaSibSncPdSe(式中、aは5であり、bは0.75であり、cは0.25であり、dは1であり、且つeは6である)として特徴づけられ、さらにそれは0原子%より多く15原子%までの酸素元素を含み、且つ2015年10月27日に発行され、且つ「SOLID STATE CATHOLYTES AND ELECTROLYTES FOR ENERGY STORAGE DEVICES」と題された米国特許第9,172,114号に記載されるように調製された。上記特許の全内容は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書で組み込まれる。
【0500】
[000509] リチウム充填ガーネット膜を実施例5と同様に調製し、そしてリチウム金属を片側に適用した。
【0501】
[000510] リチウム金属を有する面とは反対側のリチウム充填ガーネット膜の面上にLPSIをキャストした。
【0502】
[000511] リチウム充填ガーネット膜の厚さは約100μmであった。カソードの厚さは約150μmであった。LPSIの厚さは約10μmであった。
【0503】
[000512] 得られた電気化学セルを、300psiにおいて45℃でC/10レートにおいてサイクルさせた。結果を
図9に示す。
【0504】
[000513] 上記の実施形態及び実施例は、単なる実例であり、且つ非限定的であるように意図される。当業者は、特定の化合物、材料及び手順の多数の等価物を認識するか、又は通常の実験のみを用いて確かめることができるであろう。全てのそのような等価物は、添付の請求の範囲内にあり、且つそれに包含されると考えられる。