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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】クライオライナ
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/06 20060101AFI20240403BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
F25D23/06 302C
F25D11/00 101D
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020569007
(86)(22)【出願日】2019-06-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 US2019037501
(87)【国際公開番号】W WO2019245976
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】62/686,410
(32)【優先日】2018-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520244016
【氏名又は名称】クライオポート,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163061
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】ボーリンガー,ブレット
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-042995(JP,A)
【文献】特表2012-515688(JP,A)
【文献】特開昭60-007822(JP,A)
【文献】特開2008-189373(JP,A)
【文献】特表2014-508695(JP,A)
【文献】米国特許第05715962(US,A)
【文献】中国実用新案第204236989(CN,U)
【文献】米国特許第04411138(US,A)
【文献】特開2010-149909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00-31/00
B65D 1/00-90/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送コンテナの内部に配置される保護バリアであって、前記保護バリアの範囲内に保管される低温材料と前記輸送コンテナの内面との接触を防ぐように構成され、前記輸送コンテナは、前記輸送コンテナの前記内面に設けられた第1の移行エリア及び第2の移行エリアを有する、保護バリアであって、
前記第1の移行エリアにスナップ係合する1つ又は複数の第1の列のタブと、前記第2の移行エリアにスナップ係合する1つ又は複数の第2の列のタブと、を有する保護ライナであって、前記保護ライナは、前記保護ライナの底部に配置されたベースを有し、前記ベースは、前記保護ライナの形状を形成するための1つ又は複数の剛性突起を有する、保護ライナと、
前記保護ライナの範囲内に配置され、複数の付属品を収容するように構成される付属品ホルダと、を含む、保護バリア。
【請求項2】
前記保護ライナは、使い捨て式ライナである、請求項1に記載の保護バリア。
【請求項3】
前記保護ライナは、前記保護ライナの側面の長手方向に沿って延在して温度センサリード線を導くように構成される、温度センサチャネルを含み、
前記温度センサチャネルは、商品又は製品が前記保護ライナの中に荷積み又はそこから荷降ろしされるときに、前記温度センサリード線を摩耗から保護するように構成される、請求項1に記載の保護バリア。
【請求項4】
前記保護ライナは、前記保護ライナに挿入された商品又は製品のまわりに適合し且つ低温において剛性を有する材料によって構成されている、請求項1に記載の保護バリア。
【請求項5】
前記1つ又は複数のタブは、前記輸送コンテナを荷積み又は荷降ろしするときに、偶発的に取り外されるのを防ぐために、前記輸送コンテナの内側容器のノッチと連動する、請求項1に記載の保護バリア。
【請求項6】
前記ベースは、前記付属品ホルダと連動するように構成される、請求項1に記載の保護バリア。
【請求項7】
低温保管デバイスであって、
低温材料を保管又は運送するためのデュワであって、前記デュワが内面と前記内面の第1の移行エリアと前記内面の第2の移行エリアとを有する、デュワと、
前記デュワの前記内面の範囲内に配置される保護バリアであって、前記保護バリアの範囲内に保管される低温材料と、前記デュワの前記内面と、の接触を防ぐように構成され、前記保護バリアは、前記第1の移行エリアにスナップ係合する1つ又は複数の第1の列のタブと、前記第2の移行エリアにスナップ係合する1つ又は複数の第2の列のタブと、を有する保護ライナを有し、前記保護ライナは、前記保護ライナの底部に配置されたベースを有し、前記ベースは、前記保護ライナの形状を形成するための1つ又は複数の剛性突起を有する、保護バリアと、
前記保護ライナの範囲内に配置され、複数の付属品を収容するように構成される付属品ホルダと、を含む、低温保管デバイス。
【請求項8】
前記保護バリアは、1つ又は複数のディンプルを有し、
前記付属品ホルダは、前記付属品ホルダの偶発的な取り外しを防ぐために、前記1つ又は複数のディンプルにスナップ係合又は締結するように構成される、請求項7に記載の低温保管デバイス。
【請求項9】
前記1つ又は複数の第1の列のタブが前記保護ライナの周囲に配置され、
前記保護ライナは、前記保護ライナの側面に設けられて、温度センサリード線を導くように構成される、温度センサチャネルを含む、請求項7に記載の低温保管デバイス。
【請求項10】
前記保護ライナは、使い捨て式ライナである、請求項9に記載の低温保管デバイス。
【請求項11】
前記温度センサチャネルは、前記低温材料が前記保護ライナに荷積み又は荷降ろしされるときに、前記温度センサリード線を摩耗から保護するように構成される、請求項9に記載の低温保管デバイス。
【請求項12】
前記保護ライナは、折り畳み可能である、請求項9に記載の低温保管デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
[0001]本出願は、2018年6月18日に出願された「CRYOLINER」という名称の米国仮特許出願第62/686,410号についての優先権とその利益を主張し、それの全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
([0002]1.分野)
[0003]本明細書は、低温下での運送中及び/又は保管中に輸送コンテナに保管された製品の相互汚染から保護するためのシステム、装置、及び/又は、方法に関する。
【背景技術】
【0003】
([0004]2.関連技術の説明)
[0005]健康、医療、製薬及び/又はライフサイエンス産業において、清潔さは、産業の重要な一側面である。幾つかの例では、ビジネスは、製品の保管及び/又は運送の前に、輸送コンテナの滅菌及び/又は消毒を要求することがある。他の例では、ビジネスは、製品の保管及び/又は運送のために特定用途の輸送コンテナを要求することがある。これらの清潔さ及び/又は特定用途の要件は、相互汚染を防ぐように設計される。
【0004】
[0006]現在、製品を低温で保管するデュワの洗浄及び消毒は、多段階の洗浄及び消毒プロセスを使用しており、デュワを次の使用のために洗浄、消毒及び/又は認定するのに最大約4日掛かることがある。多段階のプロセスは、熱効率試験及び/又は洗浄プロセスを含むことがある。現在の洗浄プロセスは、デュワを温めること及びデュワの内部を拭くためにアルコール溶液を使用することを伴うことがある。デュワは、温めるのにかなりの時間を必要とする。デュワ内の異なった材料が異なった速度で膨張及び収縮するという理由で、規則的な熱サイクルは、デュワ又はデュワ内の真空シールの損傷を引き起こすことがあり、真空障害を引き起こすことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0007]従って、必要性が存在するのは、デュワを温めずに、デュワの内部の製品を相互汚染から保護するためのシステム、装置、及び/又は、方法である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0008]概して、本明細書で説明される主題の1つの態様は、デュワなどの輸送コンテナにライナ付けする保護ライナに具現化される。保護ライナは、輸送コンテナ内に配置される。保護ライナは、保護ライナの周囲に配置される1つ又は複数のタブを含み、1つ又は複数のタブは、輸送コンテナの内面のノッチと連動するように構成される。保護ライナは、保護ライナの側面の温度センサチャネル(temperature sensor channel)を含む。温度センサチャネルは、温度センサリード線を導くように構成される。
【0007】
[0009]これら及び他の実施形態は、1つ又は複数の次の特徴を任意選択で含んでいてもよい。保護ライナは、輸送前に輸送コンテナの内部に設置され得る薄壁状の使い捨て式ライナであってもよい。温度センサチャネルは、商品又は製品が保護ライナの中に荷積み又はそこから荷降ろしされるときに、温度センサのリード線を摩耗から保護するように構成されてもよい。保護ライナは、可撓性である又は折り畳み可能であってもよい。1つ又は複数のタブは、輸送コンテナを荷積み又は荷降ろしするときに、偶発的に取り外されるのを防ぐために、ノッチと連動してもよい。
【0008】
[0010]保護ライナは、ベースを含んでいてもよい。ベースは、保護ライナの底部に配置されてもよい。ベースは、保護ライナの形状を形成するための1つ又は複数の剛性突起を有していてもよい。ベースは、付属品ホルダと連動するように構成されてもよい。付属品ホルダは、1つ又は複数の付属品を保持するように構成されてもよい。
【0009】
[0011]別の態様では、主題は、低温保管デバイスに具現化される。低温保管デバイス(cryogenic storage device)は、低温材料(cryogenic material)を保管又は運送するためのデュワを含む。デュワは、内面と内面のノッチとを有する。低温保管デバイスは、デュワの内面内に配置される保護バリアを含む。保護バリアは、保護バリア内に保管されている低温材料とデュワの内面との接触を防ぐように構成される。低温保管デバイスは、保護ライナ内に配置される付属品ホルダを含む。付属品ホルダは、複数の付属品を収容するように構成される。
【0010】
[0012]別の態様では、主題は、保護バリアに具現化される。保護バリアは、保護ライナを含む。保護ライナは、輸送コンテナ内に配置されており、ベースを有する。保護ライナは、1つ又は複数のコンテナ取付けデバイスを含む。1つ又は複数のコンテナ取付けデバイスは、保護ライナの周囲に配置される。保護バリアは、1つ又は複数の付属品取付けデバイスを含む。1つ又は複数の付属品取付けデバイスは、付属品ホルダを取り付けるように構成される。
【0011】
[0013]本発明の他のシステム、方法、特徴、及び、利点は、次の図面及び詳細な説明を検討することにより、当業者には明らかになるであろう。図面に示された構成要素部品は、必ずしもスケール通りではなく、また、本発明の重要な特徴をより良く例証するために、誇張されていることがある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】[0014]本発明の一態様に係る大きな保護バリアの例を示す図である。
図1B】[0015]本発明の一態様に係る小さな保護バリアの例を示す図である。
図2】[0016]本発明の一態様に係る保護バリアを備えたデュワの例を示す図である。
図3】[0017]本発明の一態様に係る付属品ホルダの例を示す図である。
図4】[0018]本発明の一態様に係る付属品ホルダを備えた保護バリアの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0019]本明細書に開示されるのは、低温(cryogenic temperatures)に耐えて、デュワなどの輸送コンテナを再利用するときに、保管された材料の相互汚染から保護するために使用される保護バリアのためのシステム、デバイス、及び/又は、方法である。保護バリアは、保護バリア内に保管された製品又は材料による汚染からデュワを保護する、クライオライナ(cryoliner)などのライナであってもよい。保護バリアは、種々の輸送や配達にわたる製品の相互汚染を防ぐ。
【0014】
[0020]他の利益や利点は、資産活用と棚卸しの柔軟性を増加させることを含む。保護バリアを使用してデュワを汚染から保護することによって、再利用前にデュワを消毒や洗浄するために必要な時間は、短縮される。典型的に、デュワは、熱効率をチェックされ、次いで、洗浄のために温められる。いったんデュワが洗浄されると、デュワを冷却する液体窒素は、補充される。保護バリアの使用は、洗浄の時間を削減や短縮させ、斯くして、デュワがメンテナンスされている時間を短縮させる。斯くして、デュワは、より頻繁に使用されてもよい。更に、保護バリアの使用は、洗浄のためにデュワを温める必要なしに、デュワの再利用を可能にすることがあり、斯くして、熱サイクルに起因する任意の自然発生の損傷を減少させ、平均修理時間を短縮させる。
【0015】
[0021]加えて、保護バリアは、付属品ホルダを有していてもよい。付属品ホルダは、製品の運送に使用される様々なタイプの付属品を保持できる。これは、製品の運送及び保管を容易にする。
【0016】
[0022]図1A~1Bは、1つの実施形態に係る保護バリア100を示しており、輸送コンテナ内部に保管された製品や商品によるデュワなどの輸送コンテナの汚染を防ぐ。この実施形態では、保護バリア100は、例えば、図2に示されたように、輸送コンテナの内側容器と、輸送コンテナ内部に保管された製品や商品と、の間にあるペイロードエリア内部に配置される。保護バリア100は、ペイロードエリアの異なったサイズを有する異なったタイプのデュワに順応するために、様々なサイズのものであってもよい。保護バリア100は、例えば、図1Aに示されたように、約8.75インチなどの8~9インチの間の直径を有する高容量のデュワ用であってもよい。保護バリア100は、例えば、図1Bに示されたように、約3.5インチなどの3~4インチの間の直径を有する低容量のデュワ用であってもよい。しかしながら、他のサイズのライナは、使用されてもよく、本発明の範囲内に入る。
【0017】
[0023]保護バリア100は、可撓性である及び/又は折り畳み可能であってもよい。保護バリア100は、低温に耐えることができてもよく、従って、低温輸送コンテナ内に設置されたときに、保護バリア100は、過度に脆弱にはならない。保護バリア100の1つの態様では、保護バリア100は、デュワ200、付属品ホルダ300、又は、温度センサリード線と連動する及び/又はインターフェース接続される様々な構成要素を有していてもよい。
【0018】
[0024]本発明の1つの態様では、保護バリア100は、デュワの内側容器の内側又は表面に配置されるライナ102、保護カバー、又は、他の材料層を含む又はそれから形成されてもよい。保護バリア100は、ライナ102、1つ又は複数のコンテナ取付けデバイス104、及び、1つ又は複数の付属品取付けデバイス106を含む。保護バリア100は、例えば、1つ又は複数の温度センサチャネル108、及び/又は、図3に示されたような付属品ホルダ300を含んでいてもよい。
【0019】
[0025]ライナ102は、輸送前にデュワの内部に設置される薄壁状の使い捨て式ライナであってもよい。ライナ102は、一度限りの使用であってもよく、使用後にライナ102が処分されるのを可能にする。ライナ102は、使用前に滅菌又は別途洗浄されてもよく、及び/又は、滅菌を補助するためにライナに塗布される抗菌剤などの化学物質の層を有していてもよい。これは、ライナ102内部に設置されている新製品を汚染する可能性がある製品のどれとも接触していないクリーンな環境を保証する。使用後、ライナ102は、処分されてもよく、新しいライナは、デュワ内部に設置されてもよい。斯くして、包装業者や荷送人は、デュワを洗浄する必要がなく、代わりに、使い捨て式ライナ102を単に交換して、輸送前に新しい製品を挿入してもよい。これは、製品、商品、及び、他の材料を運送及び/又は輸送するためにデュワが使用できない時間を短縮する。その上、デュワは、洗浄のために温められる必要がなく、デュワへの損傷を減少させる。
【0020】
[0026]1つの態様では、ライナ102は、低温に耐えることのできる室温で、ポリエチレンテレフタレート(PETG)、ポリエチレン又は他のプラスチックやプラスチック樹脂などの可撓性材料から作製されてもよい。ライナ102は、折り畳み可能であってもよく、ライナ102の開口に挿入される物体や製品のまわりに容易に適合可能であってもよい。低温でデュワ内で運送されるときに、ライナ102は、より剛性になることがある。ライナ102は、シリンダ形、矩形、又は、他の多角形として形状付けされてもよく、ライナ102の中への製品の挿入を可能にする開口を有していてもよい。ライナ102は、保護するためにライナが挿入されるデュワや他の輸送コンテナのペイロードスペースの形状に対応するように形状付けされてもよい。実装によっては、ライナ102は、ライナ102が熱伝導性でないように、薄壁状の鋼材料や可能な限り熱伝導率係数の低い他の材料から作製されてもよい。
【0021】
[0027]ライナ102は、1つ又は複数の突起110を有するベース112を有していてもよい。ベース112は、ライナ102の底部に配置されてもよい。1つ又は複数の突起110は、ライナ102の形状を形成するための剛性を提供してもよい。例えば、1つ又は複数の突起110は、剛性であってもよく、ベース112の円形形状と、ライナ102の全体的なシリンダ形状と、を形成するために、同心円に形状付けされてもよい。
【0022】
[0028]保護バリア100は、1つ又は複数のコンテナ取付けデバイス104を含む。1つの態様では、コンテナ取付けデバイスは、例えば、図2に示されたように、デュワ200の対応するバリア取付けデバイス202に対してロック、連動、連結、又は、別途取付けを行うコネクタ、溝、タブ、リップ、ノッチ、ディンプル若しくは他の圧痕、ファスナ又は突起であってもよい。1つ又は複数のコンテナ取付けデバイス104は、ライナ102の円周又は周囲に沿って、ライナ102の縦の長さ又は高さに沿って異なった位置に、配置されてもよい。1つ又は複数のコンテナ取付けデバイス104は、1つ又は複数のバリア取付けデバイス202と連動するために外の方に向いていてもよい。デュワ200のバリア取付けデバイス202は、コンテナ取付けデバイス104と連動する、移行エリア、凹所、クレビス、或いは、タブ、ノッチ、又は、他のコネクタ若しくはファスナなどの物理的取付けであってもよい。1つ又は複数のコンテナ取付けデバイス104は、1つ又は複数のコンテナ取付けデバイスが1つ又は複数のバリア取付けデバイスに連結されるときに、製品の荷降ろし又は荷積み中にライナ102の偶発的な取り外しを防ぐことできる。
【0023】
[0029]例えば、1つ又は複数のタブ又はディンプルは、ライナ102の中央部分に沿って配置されてもよい。1つ又は複数のタブ又はディンプルは、ライナ102の円周又は周囲に沿って列を形成するために配置されてもよく、また、デュワ200の移行エリアの中に、或いは、他の対応するバリア取付けデバイス202と連動、連結、取付け又は別途スナップ係合するために、ライナ102の中間にあってもよい。デュワの移行エリア又は他の対応するバリア取付けデバイスは、デュワの首部チューブ(neck tube)とペイロードエリア(payload area)との間に配置されてもよい。別の例では、1つ又は複数のタブ又はディンプルは、デュワの首部又は上部の範囲内の、移行エリアの中に、或いは、他の対応するバリア取付けデバイスと連動、連結、取付け又は別途スナップ係合するために、ライナ102の上部に配置されてもよい。
【0024】
[0030]保護バリア100は、デュワ200の対応するバリア取付けデバイス202と連動、連結又は別途取付けを行う1つ又は複数のコンテナ取付けデバイス104の複数の列を有していてもよい。例えば、1つ又は複数のタブ又はディンプルの第1の列は、ライナ102の中間に配置されることがあり、第2の列は、ライナ102の上部に配置されることがある。1つ又は複数のタブ又はディンプルの第1の列は、デュワ200の首部チューブとペイロードエリアとの間の中間にある移行エリアにスナップ係合することがあり、1つ又は複数のタブ又はディンプルの第2の列は、デュワ200の首部又は上部の範囲内にある別の移行エリアにスナップ係合することがある。異なったサイズ又は形状を有する異なったライナは、異なったコンテナ取付けデバイス104を有することがあり、これは、それに応じて、異なったバリア取付けデバイス202に対して、連動、取付け、連結、又は、別途締結を行う。異なったコンテナ取付けデバイス104は、単一のライナ102に配置されてもよい。
【0025】
[0031]実装によっては、1つ又は複数のコンテナ取付けデバイス104は、エポキシ、エポキシ樹脂、又は、他の接着剤から形成されてもよい。例えば、エポキシ樹脂は、ライナ102に付着して硬化することがあり、次いで、バリア取付けデバイス202に対して、挿入、スナップ係合、又は、別途締結が行われることがある。
【0026】
[0032]保護バリア100は、温度センサリード線がライナ102に沿って走ることを可能にするための1つ又は複数の温度センサチャネル108、隙間チャネル、又は、他のクレビス若しくは凹所を含んでいてもよい。1つ又は複数の温度センサチャネルは、ライナ102の外面に配置されて、ライナ102の長さ又は高さに沿って縦に走っていてもよい。1つ又は複数の温度センサチャネル108は、温度センサリード線が取り付けられるのを可能にする。1つ又は複数の温度センサチャネル108内に挿入されるとき、温度センサリード線は、ライナ102の外面と面一になることがあり、従って、温度センサリード線は、ライナ102の外面から突出しない。これは、デュワ200内に保管される製品又は商品の荷積み及び荷降ろし中に温度センサリード線を摩耗から保護する。
【0027】
[0033]保護バリア100は、1つ又は複数の付属品取付けデバイス106を含んでいてもよい。1つ又は複数の付属品取付けデバイス106は、例えば、図4に示されたように、付属品ホルダ300に対してロック、連動、連結、又は、別途取付けを行うコネクタ、溝、タブ、リップ、ノッチ、ディンプル若しくは他の圧痕、ファスナ又は突起であってもよい。1つ又は複数の付属品取付けデバイス106は、ライナ102のベース112に配置されてもよく、又は、ライナ102のベース112内に形成又は成形されてもよい。例えば、1つ又は複数の付属品取付けデバイス106は、ライナ102の内方に向けられている1つ又は複数のディンプル又はタブであってもよい。1つ又は複数の付属品取付けデバイス106は、付属品ホルダ300をライナ102のベース112と連動させるために、付属品ホルダ300のベースコネクタ310に連結されてもよい。
【0028】
[0034]図2は、本発明の1つの実施形態に係る保護バリア100を備えたデュワ200などの輸送コンテナを示す。デュワ200は、内側容器204及び外側容器206を有する。保護バリア100は、内側容器204に対してライナ付けされて連結されてもよく、それは製品又は商品の荷積み又は荷降ろしの間に保護バリアが偶発的に取り外されるのを防ぐためである。デュワ200は、1つ又は複数のバリア取付けデバイス202を有していてもよい。1つ又は複数のバリア取付けデバイス202は、ノッチ、凹所、穴、クレビス、溝、又は、他の移行エリアであってもよく、それは、保護バリア100をデュワ200の内側容器204と固定するために、ディンプル、タブ、又は、他の取付けデバイスなどの1つ又は複数のコンテナ取付けデバイス104と連動する。
【0029】
[0035]実装によっては、1つ又は複数のバリア取付けデバイス202は、ファスナ又は他のコネクタであってもよい。1つ又は複数のバリア取付けデバイス202は、対応するコンテナ取付けデバイス104が雄コネクタであるときは、雌コネクタであってもよく、又は、コンテナ取付けデバイス104が雌コネクタであるときは、雄コネクタであってもよい。
【0030】
[0036]1つ又は複数のバリア取付けデバイス202は、デュワ200の内側容器204の内側円周に沿って配置されてもよい。1つ又は複数のバリア取付けデバイス202は、内側容器204内で様々な高さに配置されてもよい。例えば、1つ又は複数のバリア取付けデバイス202は、デュワ200の首の上部、首下の中間、又は、ペイロードエリア付近など、内側容器204の首の一部内に配置されてもよい。別の例では、1つ又は複数のバリア取付けデバイス202は、デュワ200のペイロードエリア上の中間に配置されてもよい。1つ又は複数のバリア取付けデバイス202の位置は、1つ又は複数のコンテナ取付けデバイス104の位置に対応する。
【0031】
[0037]図3は、本発明の1つの実施形態に係る付属品ホルダ300を示す。付属品ホルダ300は、種々の付属品の多様な形状に順応するために内部に成形される1つ又は複数の入れ子式の特徴構造部306a~cを備えた単一のインサート302を有していてもよい。実装によっては、付属品ホルダ300は、多様なインサートを有していてもよい。
【0032】
[0038]1つ又は複数の入れ子式の特徴構造部306a~cは、挿入された付属品を保持する1つ又は複数のスロット304を有していてもよい。付属品ホルダ300は、1つ又は複数の入れ子式の特徴構造部306a~c内に様々なタイプの多様な付属品を保持していてもよい。多様な付属品は、挿入時にデュワ200内に保管された製品又は商品の運送及び/又は保管で使用されてもよい。例えば、付属品ホルダ300は、1つ又は複数のクライオバイアルラック(criovial rack)、1つ又は複数のブラッドカセットラック(blood cassette rack)、1つ又は複数のブラッドカセット、及び/又は、種々のタイプの付属品の組合せ、を保持していてもよい。
【0033】
[0039]種々の付属品を保持する1つ又は複数のスロット304は、円、正方形、長方形又は他の多角形として形状付けされてもよい。例えば、ブラッドカセットは、狭い長方形スロットに入ることができ、クライオバイアルラックは、正方形スロットの中に挿入されてもよい。実装によっては、単一のスロットは、種々の付属品の配向に基づいて、多様な種々の付属品を収容してもよい。
【0034】
[0040]付属品ホルダ300は、ライナ102の1つ又は複数の付属品取付けデバイス106とインターフェース接続するリップ、タブ、コネクタ、ノッチ又は他のベースコネクタなどのベースコネクタ310を有していてもよい。リップは、例えば、クレビス、凹所、又は、ディンプルや他の付属品取付けデバイス106によって形成されたチャネルと係合、スリップ、下で摺動、又は、別途インターフェース接続し、並びに、付属品取付けデバイス106にスナップ係合、係合、又は、締結してもよい。例えば、付属品ホルダ300のリップは、例えば、図4に示されたように、付属品ホルダ300をライナ102と相互連結するために、1つ又は複数のディンプル又はタブによって形成される凹所、クレビス、又は、他の移行エリアの中に摺動してもよい。
【0035】
[0041]付属品ホルダ300は、ライナ102の1つ又は複数の温度センサチャネル108に一致する1つ又は複数のチャネル308を有していてもよい。1つ又は複数のチャネル308は、付属品ホルダ300の外面の円周に沿って配置されてもよい。1つ又は複数のチャネル308は、外面の円周に沿って縦に延びてもよく、また、1つ又は複数の温度センサチャネル108と平行に延びてもよい。1つ又は複数のチャネル308は、付属品ホルダ300の外面内の凹所、圧痕、又は、他のチャネルであってもよく、また、ライナ102の1つ又は複数の温度センサチャネル108と形状が一致する。これは、温度センサチャネル108の中に挿入又は設置されたときに、温度センサチャネル108に沿って延びる温度センサ線がライナ102の表面と面一になるのを可能にする。
【0036】
[0042]図4は、本発明の1つの実施形態に係る付属品ホルダ300を備えた保護バリア100を示す。付属品ホルダ300は、ライナ102のベース112に配置されてもよい。付属品ホルダ300は、付属品ホルダ300がライナ102のベース112の中に適切に挿入されたときに、ライナ102の1つ又は複数の温度センサチャネル108と整列される1つ又は複数のチャネル308を有する。付属品ホルダ300は、ライナ102と連動してもよい。例えば、ベースコネクタ310は、付属品ホルダ300がライナ102からうっかり外れるのを防ぐために、付属品ホルダ300をライナ102と連動させるように、付属品取付けデバイス106とインターフェース接続してもよい。1つ又は複数の付属品ホルダ300は、異なった構成と異なったタイプの交換可能な付属品を収納するために、異なったサイズの保護バリア100内に積重ね又は別途設置されてもよい。
【0037】
[0043]方法/システムの例示的な実施形態は、例証的な方式で開示されている。従って、全体を通して使用される用語は、非限定的な様式で読み取られるべきである。本明細書の教示に対する僅かな変更が当技術分野に精通する者に見出されるであろうが、理解すべきことは、本明細書で保証される特許の範囲内で制限されることを意図するものは全てが、そういった実施形態であって、ここに寄与した当技術分野への進歩の範囲に合理的に入ること、しかも、その範囲が、添付の特許請求の範囲とその等価物の観点を除いて、制限されないものとする、ということである。
図1A
図1B
図2
図3
図4