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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】制振構造、制振建物
(51)【国際特許分類】
   E04H 9/02 20060101AFI20240403BHJP
   F16F 15/023 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
E04H9/02 301
E04H9/02 321F
E04H9/02 321A
F16F15/023 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021005543
(22)【出願日】2021-01-18
(65)【公開番号】P2022110259
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】橋本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】青野 英志
(72)【発明者】
【氏名】一色 裕二
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-214338(JP,A)
【文献】特開2010-203150(JP,A)
【文献】特開2014-173621(JP,A)
【文献】特開2003-227243(JP,A)
【文献】特開2006-183250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 9/02
F16F 15/00 -15/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物本体内に制振ダンパーが設けられる制振構造であって、
前記建物本体の複数階を貫通して設けられる貫通柱と、
前記貫通柱から、当該貫通柱に隣接する一の隣接柱に近接する位置まで延びるように設けられた片持ち架構と、
前記一の隣接柱の、前記片持ち架構の先端から上下方向に離間した高さ位置に取り付けられるブラケットと、
前記片持ち架構の先端と前記ブラケットとの間に設けられている前記制振ダンパーと、
を備え
前記貫通柱は、複数階ごとに、前記一の隣接柱から延びる接続梁とピン支承で接続されており、
前記制振ダンパーは、前記複数階ごとに接続された前記貫通柱の傾斜角に応じた、前記片持ち架構の先端と前記ブラケットとの上下方向の相対変位を吸収することを特徴とする制振構造。
【請求項2】
前記貫通柱には、前記貫通柱に対して前記一の隣接柱とは反対側に隣接する他の隣接柱に対しても、前記片持ち架構、前記制振ダンパー、及び前記ブラケットが、前記一の隣接柱側とそれぞれ一対を成すように設けられることを特徴とする請求項1に記載の制振構造。
【請求項3】
建物本体の最下階層よりも上方の第一の階層に請求項1または2に記載の制振構造が備えられ、
前記第一の階層よりも下方の第二の階層に、他の制振ダンパーが、シアリンク型またはブレース型に配置されていることを特徴とする制振建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制振構造、制振建物に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の耐振性能を高めるため、様々な免震技術、制振技術が提案されている。一般に、低層の建物では、例えば地震により水平方向の力が作用すると、各階層が水平方向に変位する、せん断変形が生じる。これに対し、例えば高さ150m以上といった高層の建物の中層部以上においては、上記のような水平方向の変形成分に比べ、曲げ変形成分が卓越する傾向になる。すなわち、せん断変形による影響は低減し、建物の一方の側が他方の側よりも伸びて、建物が曲がるように変形する、曲げ変形の影響が大きくなる。このため、高層の建物の中層部以上において、例えばオイルダンパーなどの制振ダンパーをシアリンク型やブレース型に配置し、せん断変形を吸収するようにしたとしても、振動エネルギーを有効に吸収することは難しい。
例えば特許文献1には、同一面内に離間して立設された2つの連層耐震壁と、2つの連層耐震壁の端部同士を接合する複数の境界梁と、を備え、各連層耐震壁が、その外側の下端部の一点において下部構造物に回動自在にピン支承され、各連層耐震壁の内側の下端部の他点と下部構造物との間に、エネルギー吸収部材が介設された構成が開示されている。
特許文献1に開示されたような構成は、連層耐震壁の下端部でエネルギー吸収を行うものであり、これを高層の建物の中層部以上に適用することは難しい。
【0003】
また、特許文献2には、対向する柱とこれら柱間に架設される梁とで構成されるフレーム構造部と、対向する柱間に複数階にわたって連続する連層壁とを制振ディバイスを介して連結した構成が開示されている。このような構成によれば、剪断変形および曲げ変形にかかわらず、建物架構の変形量が少ない場合にも制振ディバイスの機能を十分に引き出して制振効果を発揮することができる、と記載されている。
特許文献2に開示されたような構成では、制振ディバイスは、地震時に傾斜する柱の側面と、連層壁との間に設けられている。上記のように、高層の建物の中層部以上においては水平方向の変形成分が小さくなり、柱の傾斜角も小さくなるため、このような構成を中層部以上に適用しても、地震時における柱の連層壁に対する変位量は大きくはない。このため、振動エネルギーが有効に吸収されるとは限らない。
【0004】
また、特許文献3には、一の階の壁梁における上の梁の切断端部の上面と、2階上方の壁梁における下の梁の切断端部の下面との間にダンパーを設置し、上下の壁梁を連結する構成が開示されている。
特許文献3に開示されたような構成では、切断した梁の先端部同士の間にダンパーを配置している。このため、上の梁及び下の梁のそれぞれの長さが、たかだか切断前の梁の長さの半分程度の、例えば各階層の階高程度の長さとなる。このため、梁が傾斜したとしても梁の先端の変位量は大きいとは言えず、したがって、特許文献3の構造を高層の建物の中層部以上に適用したとしても、振動エネルギーが有効に吸収されるとは限らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4167624号公報
【文献】特開2000-64656号公報
【文献】特開2018-178671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、建物本体の中層以上において適用された場合であっても、効果的に振動エネルギーを吸収可能な制振構造、制振建物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、制振ダンパーが設けられる制振構造として、建物内部の貫通柱に片持ち架構を取付け、その片持ち架構の先端部に鉛直方向に制振ダンパーを設置して、貫通柱の傾斜角に片持ち架構のアーム長さを乗じた鉛直変形量に応じて建物内の振動エネルギーを吸収させることで、地震発生時に建物の曲げ変形成分が大きくなる傾向を示す中高層建物であっても、柱の傾斜角に基づく鉛直変形量によって、効率的に振動エネルギーを吸収可能な点に着眼して、本発明に至った。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の制振構造は、建物本体内に制振ダンパーが設けられる制振構造であって、前記建物本体の複数階を貫通して設けられる貫通柱と、前記貫通柱から、当該貫通柱に隣接する一の隣接柱に近接する位置まで延びるように設けられた片持ち架構と、前記一の隣接柱の、前記片持ち架構の先端から上下方向に離間した高さ位置に取り付けられるブラケットと、前記片持ち架構の先端と前記ブラケットとの間に設けられている前記制振ダンパーと、を備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、建物本体に地震等により水平方向の力が作用すると、貫通柱が傾斜する。すると、貫通柱から一の隣接柱に近接する位置まで延びる片持ち架構の先端と、一の隣接柱に取り付けられたブラケットとが、貫通柱の傾斜角に応じて、上下方向に相対変位する。このような片持ち架構の先端とブラケットとの上下方向の相対変位によって制振ダンパーを作動させることで、振動エネルギーが吸収され、建物本体の変形が抑えられる。片持ち架構は、貫通柱から一の隣接柱に近接する位置まで延びているので、貫通柱と一の隣接柱との水平方向の間隔に応じて、できるだけアーム長を大きく確保することができる。このように、片持ち架構のアーム長が長くなるため、貫通柱の傾斜による変形量が、より大きく、増幅される。
したがって、建物本体の中層以上において適用され、建物本体に水平方向の力が作用した際に、水平方向の変形成分が小さくなるような場合であっても、上記のように貫通柱の傾斜による変形量を片持ち架構によってより大きく増幅し、これを制振ダンパーで吸収する構造であるため、効果的に振動エネルギーを吸収可能な制振構造、制振建物を提供することが可能となる。
【0008】
本発明の一態様においては、本発明の制振構造は、前記貫通柱には、前記貫通柱に対して前記一の隣接柱とは反対側に隣接する他の隣接柱に対しても、前記片持ち架構、前記制振ダンパー、及び前記ブラケットが、前記一の隣接柱側とそれぞれ一対を成すように設けられている。
このような構成によれば、片持ち架構、制振ダンパー、及びブラケットが、貫通柱の両側に設けられることで、貫通柱と一の隣接柱との間と、貫通柱と他の隣接柱との間の各々で、それぞれ振動エネルギーを吸収することができる。これにより、振動エネルギーを、より一層効果的に吸収し、その制振効果をさらに高めることが可能となる。
【0009】
本発明の制振建物は、建物本体の最下階層よりも上方の第一の階層に上記のような制振構造が備えられ、前記第一の階層よりも下方の第二の階層に、他の制振ダンパーが、シアリンク型またはブレース型に配置されていることを特徴とする。
このような構成によれば、他の制振ダンパーが、シアリンク型またはブレース型に配置された第二の階層を、建物本体の低層側に配置し、上記したような制振構造を備えた第一の階層を、建物本体の中層以上に設けることが可能となる。これにより、建物本体の低層側では、第二の階層に設けたシアリング型又はブレース型に配置された他の制振ダンパーによって、建物本体の層間変形を抑えることができる。また、水平方向の変形成分が小さくなり、曲げ変形成分が大きくなる建物本体の中層以上の階層では、片持ち架構の先端とブラケットとの上下方向の相対変位により制振ダンパーを作動させることで、上記のように効率的に振動エネルギーを吸収し、建物本体の変形を抑えることができる。
このようにして、各階層に作用する変形に対応するように、適切かつ合理的に制振ダンパーが配置された、制振建物を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、建物本体の中層以上において適用された場合であっても、効果的に振動エネルギーを吸収可能な制振構造、制振建物を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る制振構造を備えた制振建物の全体構成を示す図である。
図2図1のI-I矢視断面図である。
図3】低層部制振構造の構成を示す図である。
図4図1のII-II矢視断面図である。
図5】制振建物の中層部を示す図であり、図4のIII-III矢視断面図である。
図6】本実施形態における制振構造の構成を示す図である。
図7図6のIV-IV矢視断面図である。
図8】本実施形態における制振架構を備えた制振建物の中層部において変形が生じた状態を示す図である。
図9】地震発生時における制振効果について、シミュレーションによる検討結果を示す図であり、オイルダンパーの有無による各階層の水平X方向における最大層間変形角の相違を示す図である。
図10】地震発生時における制振効果について、シミュレーションによる検討結果を示す図であり、オイルダンパーの有無による各階層の水平Y方向における最大層間変形角の相違を示す図である。
図11】地震発生時における制振効果について、シミュレーションによる検討結果を示す図であり、水平X方向において地震波を入力した場合のオイルダンパー最大変形の最大層間変形に対する比を示す図である。
図12】地震発生時における制振効果について、シミュレーションによる検討結果を示す図であり、水平Y方向において地震波を入力した場合のオイルダンパー最大変形の最大層間変形に対する比を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、建物内部の貫通柱に片持ち架構を取付け、その片持ち架構の先端部に鉛直方向に制振ダンパーを設置して、貫通柱の傾斜角に片持ち架構のアーム長さを乗じた鉛直変形量に応じて建物内の振動エネルギーを吸収させる制振構造である。片持ち架構は、貫通柱の両側に設置される。
以下、添付図面を参照して、本発明による制振構造、制振建物を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
本発明の実施形態に係る制振構造を備えた制振建物の全体構成を示す図を図1に示す。
図1に示されるように、制振建物1の建物本体2は、平面視矩形状をなし、下部構造体3と、上部構造体4と、を備えている。
下部構造体3は、地盤中に構築されて上下方向に延びる複数本の杭5と、水平方向に延びて互いに隣り合う杭5の上端部同士を接続する基礎梁6と、を備えている。
上部構造体4は、下部構造体3上に設けられている。上部構造体4は、ラーメン構造からなり、上下方向に延びる複数本の柱7と、建物本体2の各階層で、水平方向に延びて互いに隣り合う柱7同士の間に架設された梁8と、を備えている。建物本体2の上部構造体4は、下方から上方に向かって、低層部4Lと、中層部4Mと、高層部4Hとを備えている。低層部4L、中層部4M、高層部4Hは、それぞれ上下方向に複数の階層を有している。
【0013】
制振建物1は、制振構造20と、低層部制振構造10と、を備えている。
制振構造20は、建物本体2の最下階層F0よりも上方の第一の階層F1に設けられている。本実施形態において、制振構造20は、中層部4Mに配置されている。制振構造20は、中層部4Mにおいて、上下方向の複数の階層に複数組が設けられている。
低層部制振構造10は、本実施形態において低層部4Lに配置されている。本実施形態において、低層部制振構造10は、制振構造20が設けられた第一の階層F1よりも下方の第二の階層F2に設けられている。低層部制振構造10は、最下階層F0よりも上方の第二の階層F2に配置されているが、低層部制振構造10は、建物本体2の最下階層F0に設けられていてもよい。また、低層部制振構造10は、低層部4Lにおいて、上下方向の複数の階層にわたって設けられていてもよい。
【0014】
図2は、図1のI-I矢視断面図である。図3は、低層部制振構造の構成を示す図である。
図2に示すように、低層部制振構造10は、例えば、建物本体2の四方の各外壁面2sに沿って配置されている。図3に示すように、低層部制振構造10は、水平方向で互いに隣り合う外周柱7S同士と、上下方向で互いに隣り合う外周梁8S同士の間に設けられている。本実施形態において、低層部制振構造10は、シアリンク型で、水平方向で互いに隣り合う外周柱7S同士と、上下方向で互いに隣り合う外周梁8S同士の間に、シアリンク11と、低層部制振ダンパー(他の制振ダンパー)12と、を備えている。シアリンク11は、V字状に配置された二本一対の斜め材13と、ベース14と、を有している。各斜め材13の上端部は、外周柱7Sと上側の外周梁8Sとの接合部にジョイントブラケット15を介して接合されている。二本一対の斜め材13の下端部は、一つのベースブラケット16に接合されている。ベース14は、下側の外周梁8Sの中央部に固定されている。ベースブラケット16は、ベース14の上面において外周梁8Sの延伸方向(水平方向)に沿って移動可能とされている。
【0015】
低層部制振ダンパー12は、ベースブラケット16に対して水平方向両側にそれぞれ配置されている。各低層部制振ダンパー12は、ベースブラケット16と、外周柱7Sとの間に配置され、ベースブラケット16と外周柱7Sとの水平方向における相対変位により振動エネルギーを吸収する。低層部制振ダンパー12は、例えばオイルダンパーからなる。低層部制振構造10は、上下方向で隣り合う外周梁8S同士が水平方向に相対変位した場合に、上方の外周梁8Sと一体に変位するシアリンク11の変位によって下方の外周梁8S側に設けられた低層部制振ダンパー12を作動させる。これにより、低層部制振構造10は、地震発生時や強風時に、建物本体2の低層部4Lに生じる水平方向のせん断変形を抑える。
【0016】
図4は、図1のII-II矢視断面図である。図5は、制振建物の中層部を示す図であり、図4のIII-III矢視断面図である。
図4に示すように、制振構造20は、例えば、建物本体2の上部構造体4の内方に配置されている。本実施形態において、上部構造体4の中央部には、平面視矩形で上下方向に連続する筒状部2Cが形成されている。制振構造20は、筒状部2Cの各側面2tに沿って配置されている。図5に示すように、制振構造20は、筒状部2Cの各側面2tにおいて、上下方向に間隔をあけて、例えば4組ずつ設けられている。
各制振構造20は、筒状部2Cの各側面2tにおいて、水平方向で互いに隣り合う隣接柱7A、7Bと、上下方向で互いに隣り合う接続梁8A、8Bとの間に形成されている。水平方向で互いに隣り合う隣接柱7A、7B同士の間に、後述する貫通柱21が配置される。このため、水平方向で互いに隣り合う隣接柱7A、7Bは、水平方向に2つの柱スパン分の間隔をあけて配置されている。また、上下方向で互いに隣り合う接続梁8A、8Bは、上下方向に3つの階層分の間隔をあけて配置されている。
【0017】
図6は、本実施形態における制振構造の構成を示す図である。
図6に示すように、制振構造20は、フレーム26と、ブラケット23と、制振ダンパー25と、を備えている。フレーム26は、貫通柱21と、片持ち架構22とを一体に備えている。
貫通柱21は、水平方向で互いに隣り合う隣接柱7A、7Bの間に配置されている。貫通柱21は、建物本体2の複数階を貫通して設けられている。貫通柱21は、制振構造20が設置される各階層のスラブ9に対し、水平方向に空間S1をあけて配置されている。
貫通柱21は、制振構造20(片持ち架構22、及び制振ダンパー25)が設置される階層の上下に位置する接続梁8A、8B(図6には、下方の接続梁8Aのみを図示している)に対し、ピン支承28を介して接続されている。接続梁8A、8Bの各々は、貫通柱21を挟んで水平方向両側に分割されて配置され、分割された各々の一端は、隣接柱7A、7Bに接合され、他端はピン支承28を介して貫通柱21に接続されている。ピン支承28は、各接続梁8A、8Bの他端と、貫通柱21とを水平軸周りに回動自在に連結するピン28pを有している。また、貫通柱21は、後述する片持ち架構22が設置される階層においては、筒状部2Cの外周側の上部構造体4に対して接続されていない。
【0018】
図5に示すように、本実施形態において、貫通柱21は、上下方向の4つの制振構造20が設けられている複数の階層にわたって、ピン支承28により接続された接続梁8A、8Bのみを介して、筒状部2Cの外周側の上部構造体4に接続されている。加えて、本実施形態では、貫通柱21は、4つの制振構造20が設けられている複数の階層に加えて、その上下の中層部4Mの複数の階層に設けられた接続梁8Cに対しても、ピン支承28を介して接続されている。
【0019】
各制振構造20の上下に位置する接続梁8A、8Bは、上下方向に3つの階層分の間隔をあけて配置されている。このため、各制振構造20において、貫通柱21は、少なくとも、後述する片持ち架構22、及び制振ダンパー25が設置される3つの階層にわたって、梁8と接合(剛接合)されていない。さらに、本実施形態においては、上下方向に4つの制振構造20が配置されており、貫通柱21は、少なくとも、4つの制振構造20が設置された上下方向の複数の階層にわたって、梁8によって実質的に拘束されていない。これに対し、貫通柱21の水平方向両側の隣接柱7A、7Bは、梁8に接合されることで、筒状部2Cの外周側の上部構造体4を構成しており、貫通柱21に比較して、地震発生時等に変位しにくい構成となっている。
【0020】
図6に示すように、片持ち架構22は、貫通柱21に対して水平方向の両側に設けられている。片持ち架構22は、貫通柱21に対して水平方向で隣接する一の隣接柱7A側と、一の隣接柱7Aとは反対側で隣接する他の隣接柱7B側とに、それぞれ設けられている。片持ち架構22は、貫通柱21に対して接合(剛接合)されている。
片持ち架構22は、貫通柱21から、貫通柱21に隣接する一の隣接柱7A、他の隣接柱7Bに近接する位置まで水平方向に延びるように設けられている。片持ち架構22の先端22sは、貫通柱21に隣接する一の隣接柱7A、他の隣接柱7Bに接合されておらず、水平方向に先端隙間S2を空けて配置されている。
このような片持ち架構22は、地震発生時等に貫通柱21が傾斜すると、貫通柱21の傾斜に伴って水平面に対して傾斜するように変形(変位)する。
【0021】
図7は、図6のIV-IV矢視断面図である。
図7に示すように、片持ち架構22の先端22sには、一対の突出片29が設けられている。一対の突出片29は、先端22sにおいて、水平面内で片持ち架構22の延伸方向に直交する方向(図7において紙面上下方向)に間隔をあけて配置されている。各突出片29は、先端22sに固定され、隣接柱7A、7B側に向かって突出している。一対の突出片29は、上下方向に間隔をあけて、例えば2組が設けられている。
隣接柱7A、7Bにおいて、先端22sに対向する対向面7fの、一対の突出片29に対応する位置には、突起71が形成されている。突起71は、対向面7fに固定され、先端22sに向かって突出している。突起71は、一対の突出片29の間に配置されている。このような一対の突出片29の間に突起71が挿入配置されることで、片持ち架構22が、水平面内で片持ち架構22の延伸方向に直交する方向(面外方向)に変位するのを拘束している。
【0022】
図6に示すように、本実施形態において、このような片持ち架構22は、上下方向に間隔をあけて2組が設けられている。上下に間隔をあけた2組の片持ち架構22は、上下方向に延びる中柱24によって連結されている。中柱24は、片持ち架構22の延伸方向中間部に配置されている。中柱24を設ける構造とすることで、中柱24よりも貫通柱21側の基部22aにおける片持ち架構22の剛性が高められる。これにより、基部22aにおける上下方向の梁高さh1は、基部22aよりも隣接柱7A、7B側の先端部22bにおける上下方向の梁高さh2よりも小さくなるように形成されている。
各片持ち架構22は、各階層のスラブ9の下方に、上下方向に隙間S3を空けて配置されている。隙間S3は、片持ち架構22が貫通柱21とともに変位した場合に、スラブ9と干渉しないような寸法、例えば100mm程度に設定する。スラブ9は、筒状部2Cの外周側で建物本体2の上部構造体4を構成する梁8上に設けられた小梁(図示無し)等によって支持され、片持ち架構22とは縁が切られている。
中柱24と、中柱24が貫通するスラブ9との間には、所定寸法、例えば50mm程度の隙間S4が形成されている。
【0023】
ブラケット23は、水平方向の両側で貫通柱21に隣接する一の隣接柱7Aと、他の隣接柱7Bのそれぞれに取り付けられている。ブラケット23は、隣接柱7A、7Bのそれぞれにおいて、片持ち架構22の先端22sから上下方向の鉛直下方に離間した高さ位置に配置されている。
制振ダンパー25は、貫通柱21に対して水平方向の両側に、それぞれ備えられている。制振ダンパー25は、片持ち架構22の先端22sと、ブラケット23との間に設けられている。制振ダンパー25は、例えばオイルダンパー等からなり、片持ち架構22の先端22sと、ブラケット23との上下方向の相対変位によって伸縮変形することで、片持ち架構22の先端22sと、ブラケット23との上下方向の相対変位エネルギーを吸収する。
このように、片持ち架構22の先端22sと、制振ダンパー25、及びブラケット23は、鉛直方向に整列して、直列に、直線状に設けられることで、制振構造が形成されている。
【0024】
図8は、本実施形態における制振架構を備えた制振建物の中層部において変形が生じた状態を示す図である。
このような制振構造20では、隣接柱7A、7Bは、各階層で梁8が接合されることで、筒状部2Cの外周側の上部構造体4が構成されている。これに対し、貫通柱21は、接続梁8A、8Bに対してピン支承28を介して回動可能に連結されているため、地震発生時(や強風時)に建物本体2が変形した場合に、隣接柱7A、7Bよりも大きく変形しやすい。
このため、地震発生時に建物本体2が変形すると、これに伴って、貫通柱21が、例えば図8に示されるように右側に傾斜する。すると、貫通柱21から隣接柱7A、7Bに近接する位置まで延びる片持ち架構22の先端22sと、隣接柱7A、7Bに取り付けられたブラケット23とが、貫通柱21の傾斜角に応じて、上下方向に相対変位する。
【0025】
片持ち架構22は、貫通柱21から隣接柱7A、7Bに近接する位置まで延びているので、アーム長を大きく確保することができる。片持ち架構22のアーム長によって、貫通柱21と一の隣接柱7Aとの相対的な変形量が増幅される。
ここで、貫通柱21の鉛直方向に対する傾斜角を層間変形角θとすると、片持ち架構22の先端22sにおける鉛直方向の変形量ΔZは、
ΔZ=層間変形角θ×アーム倍率
となる。ここで、アーム倍率は、片持ち架構22のアーム長La/階高Hとしてあらわされる。このように、少なくともアーム長Laを階高Hよりも大きくすれば、鉛直方向の変形量ΔZは、層間変形角θすなわち貫通柱21の水平方向の変形量よりも、確実に大きくなる。さらに、このアーム長Laが長いほど、先端22sの変形量ΔZは、より大きくなる。
このような片持ち架構22の先端22sとブラケット23との上下方向の相対変位を制振ダンパー25で動作することで、建物本体2の振動エネルギーが効率的に吸収され、変形が抑えられる。
【0026】
特に本実施形態においては、貫通柱21には、一の隣接柱7Aと他の隣接柱7Bの各々に対応して、片持ち架構22、制振ダンパー25、及びブラケット23が一対を成すように設けられている。
図8における貫通柱21の左側、すなわち一の隣接柱7A側において、図8に示されるように貫通柱21が右側に傾斜した場合には、片持ち架構22の先端22sは上方向に変位し、下方に設けられているブラケット23との距離が増大する。この変位は、片持ち架構22の先端22sとブラケット23との間に設けられた制振ダンパー25により吸収される。
逆に、貫通柱21の右側、すなわち他の隣接柱7B側において、図8に示されるように貫通柱21が右側に傾斜した場合には、片持ち架構22の先端22sは下方向に変位し、下方に設けられているブラケット23との距離が減少する。この変位は、片持ち架構22の先端22sとブラケット23との間に設けられた制振ダンパー25により吸収される。
このように、貫通柱21の互いに反対側において、変位が制振ダンパー25によって吸収されるため、さらに効率的に、建物本体2の振動エネルギーが吸収される。
【0027】
上述したような制振構造20は、建物本体2内に制振ダンパー25が設けられる制振構造20であって、建物本体2の複数階を貫通して設けられる貫通柱21と、貫通柱21から、貫通柱21に隣接する一の隣接柱7Aに近接する位置まで延びるように設けられた片持ち架構22と、一の隣接柱7Aの、片持ち架構22の先端22sから上下方向に離間した高さ位置に取り付けられるブラケット23と、片持ち架構22の先端22sとブラケット23との間に設けられている制振ダンパー25と、を備えている。
このような構成によれば、建物本体2に地震等により水平方向の力が作用すると、貫通柱21が傾斜する。すると、貫通柱21から一の隣接柱7Aに近接する位置まで延びる片持ち架構22の先端22sと、一の隣接柱7Aに取り付けられたブラケット23とが、貫通柱21の傾斜角に応じて、上下方向に相対変位する。このような片持ち架構22の先端22sとブラケット23との上下方向の相対変位により制振ダンパー25を作動させることで、振動エネルギーが吸収され、建物本体2の変形が抑えられる。片持ち架構22は、貫通柱21から一の隣接柱7Aに近接する位置まで延びているので、貫通柱21と一の隣接柱7Aとの水平方向の間隔に応じて、できるだけアーム長Laを大きく確保することができる。このように、片持ち架構22のアーム長Laが長くなるため、貫通柱21の傾斜による変形量が、より大きく、増幅される。
したがって、建物本体2の中層以上において適用され、建物本体2に水平方向の力が作用した際に、水平方向の変形成分が小さくなるような場合であっても、上記のように貫通柱21の傾斜による変形量を片持ち架構22によってより大きく増幅し、これを制振ダンパー25で吸収する構造であるため、効果的に振動エネルギーを吸収可能な制振構造20を提供することが可能となる。
【0028】
また、貫通柱21には、貫通柱21に対して一の隣接柱7Aとは反対側に隣接する他の隣接柱7Bに対しても、片持ち架構22、制振ダンパー25、及びブラケット23が、一の隣接柱7A側とそれぞれ一対を成すように設けられている。
このような構成によれば、片持ち架構22、制振ダンパー25、及びブラケット23が、貫通柱21の両側に設けられることで、貫通柱21と一の隣接柱7Aとの間と、貫通柱21と他の隣接柱7Bとの間の各々で、それぞれ振動エネルギーを吸収することが可能となる。これにより、振動エネルギーを、より一層効果的に吸収し、その制振効果をさらに高めることが可能となる。
【0029】
上述したような制振建物1は、建物本体2の最下階層F0よりも上方の第一の階層F1に制振構造20が備えられ、第一の階層F1よりも下方の第二の階層F2に、他の制振ダンパー(低層部制振ダンパー)12が、シアリンク型に配置されている。
このような構成によれば、他の制振ダンパー(低層部制振ダンパー)12が、シアリンク型に配置された第二の階層F2を、建物本体2の低層側に配置し、上記したような制振構造20を備えた第一の階層F1を、建物本体2の中層以上に設けることが可能となる。これにより、建物本体2の低層側では、第二の階層F2に設けたシアリング型に配置された他の制振ダンパー(低層部制振ダンパー)12によって、建物本体2の層間変形を効率良く抑えることができる。また、水平方向の変形成分が小さくなり、曲げ変形成分が大きくなる建物本体2の中層以上の階層では、片持ち架構22の先端22sとブラケット23との上下方向の相対変位により制振ダンパー25を作動させることで、上記のように効率的に振動エネルギーを吸収し、建物本体2の変形を抑えることができる。
このようにして、各階層に作用する変形に対応するように、適切かつ合理的に制振ダンパー25が配置された、制振建物1を提供することが可能となる。
【0030】
また、上述したような構成では、片持ち架構22、及び制振ダンパー25が設置される階層においては、貫通柱21と、階層のスラブ9を構成する接続梁8A、8Bとがピン支承28で接続され、かつ、貫通柱21とスラブ9との間に空間S1が形成されている。
このような構成によれば、貫通柱21が傾斜、変形するときに、スラブ9と干渉するのを抑えることができる。これにより、スラブ9によって、貫通柱21の変形が拘束されてしまうのを抑え、貫通柱21の傾斜を、より積極的に生じさせることができる。したがって、貫通柱21の傾斜角に応じた、片持ち架構22の先端22sの鉛直方向の相対変位を、制振ダンパー25でより効率的に吸収し、建物本体2の振動エネルギーを効果的に吸収することができる。
【0031】
また、上述したような構成では、片持ち架構22と、片持ち架構22の上方に配置されたスラブ9との間に、上下方向の隙間S3が形成されている。
このような構成によれば、貫通柱21の傾斜、変形に伴って片持ち架構22が変位するときに、片持ち架構22がスラブ9と干渉するのを抑えることができる。このため、スラブ9によって、貫通柱21の回動が拘束されてしまうのを抑えることができる。したがって、貫通柱21の変形を、制振ダンパー25でより効率的に吸収し、建物本体2の振動エネルギーを効果的に吸収することができる。
【0032】
(シミュレーション検討例)
上記実施形態で示したような構成において、地震発生時における制振効果について、シミュレーションにより検討を行ったので、その結果を以下に示す。
まず、制振構造20の制振ダンパー25、及び低層部制振構造10の低層部制振ダンパー12を構成するオイルダンパーの有無による、制振効果の相違について検討した。上記したような制振ダンパー25、低層部制振ダンパー12としてオイルダンパーを備えた場合と、オイルダンパーを備えない場合とで、それぞれ、同じ地震波の入力を行った場合の各階層における最大層間変形角をシミュレーションにより算出した。地震波の入力は、図2図4における水平X方向と、水平Y方向とでそれぞれ行った。
図9は、地震発生時における制振効果について、シミュレーションによる検討結果を示す図であり、オイルダンパーの有無による各階層の水平X方向における最大層間変形角の相違を示す図である。図10は、地震発生時における制振効果について、シミュレーションによる検討結果を示す図であり、オイルダンパーの有無による各階層の水平Y方向における最大層間変形角の相違を示す図である。
その結果、図9図10に示すように、水平X方向、水平Y方向のいずれの場合も、制振ダンパー25、低層部制振ダンパー12としてオイルダンパーを備えることで、オイルダンパーを備えない場合に比較し、各階層の最大層間変形角が、約30%低減できることが確認された。
【0033】
また、低層部4Lに配置した低層部制振構造10と、中層部4Mに配置した4つの制振構造20とで、7種類の地震波を入力した場合のオイルダンパー最大変形の最大層間変形に対する比をシミュレーションにより算出した。ここで、7種類の地震波としては、凡例として図11図12に示すように、八戸位相(告示H)、JMA神戸位相(告示K)、ランダム位相(告示R)、os3、El Centro NS(Elcentro NS)、Taft EW、Hachinohe NSを用いた。
図11は、地震発生時における制振効果について、シミュレーションによる検討結果を示す図であり、水平X方向において地震波を入力した場合のオイルダンパー最大変形の最大層間変形に対する比を示す図である。図12は、地震発生時における制振効果について、シミュレーションによる検討結果を示す図であり、水平Y方向において地震波を入力した場合のオイルダンパー最大変形の最大層間変形に対する比を示す図である。
その結果、図11図12に示すように、水平X方向、水平Y方向のいずれの場合も、低層部制振構造10では、1.0倍を超えないのに対し、中層部4Mに配置した4つの制振構造20では、各階層の最大層間変形角に対し、制振ダンパー25としてのオイルダンパーの最大変形が1.1~1.5倍となり、変形を、制振ダンパー25でより効率的に抑えることができることが確認された。
【0034】
(実施形態の変形例)
なお、本発明の制振構造、制振建物は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、制振構造20を備えた第一の階層F1よりも下方の第二の階層F2に、他の制振ダンパー(低層部制振ダンパー)12が、シアリンク型に配置されているようにしたが、シアリンク型に代えて、他の制振ダンパーとして、ブレース型のものを採用するようにしてもよい。
また、制振構造20を、建物本体2の筒状部2Cの各側面2tに備えるようにしたが、建物本体2における制振構造20の設置位置は、適宜変更可能であり、筒状部2Cの各側面2t以外に設置してもよい。
また、低層部制振構造10についても、建物本体2の外壁面2sに沿った位置に限らず、適宜他の位置に設置しても良い。
また、制振構造20を備えた第一の階層F1よりも下方の第二の階層F2に、他の制振ダンパー(低層部制振ダンパー)12が、シアリンク型またはブレース型に配置されているようにしたが、これに限らない。制振建物1に、制振構造20のみを備え、第一の階層F1よりも下方の第二の階層F2には、他の制振ダンパー(低層部制振ダンパー)12を備えない構成としてもよい。
【0035】
また、上記実施形態においては、ブラケット23は、隣接柱7A、7Bの、片持ち架構22の先端22sから下方向に離間した高さ位置に取り付けられ、制振ダンパー25も、片持ち架構22の先端22sの下側に設けられていたが、これに限られない。ブラケットは、隣接柱の、片持ち架構の先端から上方向に離間した高さ位置に取り付けられ、制振ダンパーも、片持ち架構の先端の上側に設けられてもよいことは、言うまでもない。
また、上記実施形態においては、貫通柱21には、貫通柱21に対して一の隣接柱7Aとは反対側に隣接する他の隣接柱7Bに対しても、片持ち架構22、制振ダンパー25、及びブラケット23が、一の隣接柱7A側とそれぞれ一対を成すように設けられていたが、これに限られない。十分な制振効果が得られるという前提の上であれば、片持ち架構は、貫通柱の一方の側のみに設けられていてもよい。
また、上記実施形態においては、貫通柱21の各側において、片持ち架構22は、上下方向に間隔をあけて2本が設けられ、これらが中柱24によって連結されていたが、これに限られない。十分な剛性が得られるのであれば、これら2組を連結する中柱24は、設けなくとも構わない。あるいは、十分な制振効果が得られるという前提の上であれば、貫通柱21の各側において、片持ち架構22は、1本のみが設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、片持ち架構22は、複数階に跨って設けているが、当該階のみに設置する形態でも良い。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 制振建物 22 片持ち架構
2 建物本体 22s 先端
7A 一の隣接柱 23 ブラケット
7B 他の隣接柱 25 制振ダンパー
12 低層部制振ダンパー(他の制振ダンパー) F0 最下階層
20 制振構造 F1 第一の階層
21 貫通柱 F2 第二の階層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12