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特許7465255電気自動車またはハイブリッド自動車のためのアクティブ放電システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】電気自動車またはハイブリッド自動車のためのアクティブ放電システム
(51)【国際特許分類】
   B60L 3/00 20190101AFI20240403BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240403BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
B60L3/00 H
H02J7/00 P
H02J7/00 302A
H02H7/18
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021505257
(86)(22)【出願日】2019-08-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 IB2019056556
(87)【国際公開番号】W WO2020026180
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】102018000007859
(32)【優先日】2018-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】516032517
【氏名又は名称】メタ システム エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】META SYSTEM S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Tancredi Galimberti, 5, 42124 Reggio Emilia (IT)
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】シモナッツィ,ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】ラザーニ,チェーザレ
(72)【発明者】
【氏名】ビグリアルディ,セベリーノ
【審査官】井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-502633(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108123428(CN,A)
【文献】特開2013-188092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 3/00
H02J 7/00
H02H 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車またはハイブリッド自動車のための、アクティブ放電システム(1)であって、
少なくとも1つの充電回路(3)に動作可能に接続された、少なくとも1つのアクティブ放電回路(2)であって、少なくとも1つの高圧電力源(7)によって供給され、電荷の帯電した少なくとも1つの等価容量(4)を画定し、前記高圧電力源(7)が少なくとも1つの前記充電回路(3)から接続解除された場合、前記等価容量(4)によって蓄積された電荷を放電するよう構成された、少なくとも1つのアクティブ放電回路(2)と、
少なくとも1つの作動信号を受け取るよう構成され、前記作動信号を受け取ったときに前記等価容量(4)を放電するため、前記アクティブ放電回路(2)を作動させるよう構成された、前記アクティブ放電回路(2)の制御手段(5)と
を備え
前記制御手段(5)は、前記作動信号を送るよう構成された信号手段(8)に動作可能に接続され、且つ少なくとも1つの低圧電力源(9)によって電力を供給され、
前記制御手段(5)は、前記低圧電力源(9)の監視手段(10)を備え、
前記監視手段(10)は、光結合手段(22、23)及びセレクタ素子(26)を有し、
前記制御手段(5)は、前記信号手段(8)からの作動信号がないことによって前記セレクタ素子(26)がオンし且つ前記低圧電力源(9)から電力が供給される場合にのみ、前記光結合手段(22、23)の光源(22)が発光して感光素子(23)がオンすることにより、前記アクティブ放電回路(2)を作動させないよう構成されることを特徴とする、システム(1)。
【請求項2】
前記制御手段(5)は、前記等価容量(4)に接続され、前記等価容量(4)によって蓄積された電荷によって供給されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(1)。
【請求項3】
前記制御手段(5)は、前記制御手段(5)の電圧(19)において、前記等価容量(4)によって蓄積された電荷の変換手段(18)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム(1)。
【請求項4】
前記制御手段(5)は、所定の放電時間(16)後に、前記アクティブ放電回路(2)を停止させるよう構成された、前記等価容量(4)の放電時間のタイミング手段(15)を備えることを特徴とする、請求項1~のうちいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項5】
前記制御手段(5)は、確認手段(24)によって確認された電荷値が、所定の放電時間(16)の終わりにおいて所定の閾値を超えた場合に、前記所定の放電時間(16)を所定の延長時間によって延長するよう構成された、前記所定の放電時間(16)の延長手段(25)を備えることを特徴とする、請求項1~のうちいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項6】
タイミング手段(15)は、前記等価容量(4)によって蓄積された電荷を確認するための確認手段(24)を備え、前記タイミング手段(15)は、前記確認手段(24)によって確認された前記電荷の値が、経時的に実質的に減少しない場合に、前記アクティブ放電回路(2)を停止させるよう構成されることを特徴とする、請求項1~のうちいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項7】
前記アクティブ放電回路(2)は、前記等価容量(4)によって蓄積された電荷の消散手段(12、13、14)を備え、前記消散手段(12、13、14)は、放電電流を介して前記電荷を放電できることを特徴とする、請求項1~のうちいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項8】
消散手段(12、13、14)は、放電電流を伝えるよう、かつ前記等価容量(4)によって蓄積された電荷を放電するよう適合された、抵抗手段(12)を備えることを特徴とする、請求項1~のうちいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項9】
消散手段(12、13、14)は、前記制御手段(5)に動作可能に接続されたスイッチ手段(13)を備え、前記制御手段(5)は、前記スイッチ手段(13)を作動させて、放電電流を通すこと、及び前記等価容量(4)によって蓄積された電荷を放電させることを特徴とする、請求項1~のうちいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項10】
スイッチ手段(13)は、抵抗手段(12)に直列で接続されることを特徴とする、請求項1~のうちいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項11】
スイッチ手段(13)及び抵抗手段(12)は一致し、前記スイッチ手段(13)及び前記抵抗手段(12)は、前記制御手段(5)に動作可能に接続された少なくとも1つのトランジスタ(14)によって作られることを特徴とする、請求項1~1のうちいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項12】
少なくとも1つのトランジスタ(14)は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)のタイプであることを特徴とする、請求項1~1のうちいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項13】
前記制御手段(5)は、少なくとも1つのトランジスタ(14)の付勢手段(27)を備え、前記付勢手段(27)は、前記等価容量(4)によって蓄積された放電される電荷の値、及び少なくとも1つの前記トランジスタ(14)を介して放電される電荷の値に依拠して、前記等価容量(4)によって蓄積されて少なくとも1つの前記トランジスタ(14)を通過する電荷の、放電電の値を変化させるよう構成されることを特徴とする、請求項1~1のうちいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項14】
付勢手段(27)は、放電電流を検出するための検出手段(28)、及び放電される前記電荷の値を計測するための計測手段(29)のうち少なくとも一方を備え、前記付勢手段(27)は、前記検出手段(28)によって検出された前記放電電流の値、及び前記計測手段(29)によって計測された前記電荷の値のうち少なくとも一方に依拠して、前記放電電流の値を変化させるよう構成されることを特徴とする、請求項1~1のうちいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項15】
前記制御手段(5)は、前記アクティブ放電回路(2)の作動を、少なくとも1つの診断ユニット(31)に伝えるよう構成された、前記アクティブ放電回路(2)の診断手段(30)を備えることを特徴とする、請求項1~1のうちいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項16】
診断手段(30)は、
少なくとも1つの警告信号を診断ユニット(31)へ送るよう構成された、前記アクティブ放電回路(2)の作動について警告するための、警告手段(33、34)と、
放電電流の存在を検査するよう、かつ前記放電電流の存在を検査すると直ちに前記警告手段(33、34)を作動させるよう構成された、前記アクティブ放電回路(2)の作動を検査するための、検査手段(32)と
を備えることを特徴とする、請求項1~1のうちいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項17】
電気自動車またはハイブリッド自動車のためのバッテリ充電器(1)であって、請求項1~16のうちいずれか一項に記載の、少なくとも1つのアクティブ放電システムを備えることを特徴とする、バッテリ充電器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車またはハイブリッド自動車のためのアクティブ放電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車またはハイブリッド自動車のための、いくつかの公知のアクティブ放電システムが存在し、それらは一般的に、自動車自体の電気システムにおいて蓄積された電荷を放電するために使用される。
【0003】
詳細には、自動車の電気システムは複数の電子装置を備え、それらは以下の説明の過程において、例として高圧電力源によって電力を供給される充電回路として表されるものであり、考慮する事例として、高圧電力源は高圧バッテリである。
【0004】
より詳細には、このタイプの充電回路は、無視できないほど大きい電荷を蓄積できる総等価容量を有する静電容量タイプの、複数の電子部品を備える。安全性の理由から、例えば以下の、車両のスイッチオフ、異常、交通事故など、高圧電力源が電気システムから接続解除されるときはいつでも、大きい電荷は放電されなければならない。
【0005】
実際、高圧電力源が直ちに自動車の電気システムから絶縁される、これらの事例においてさえ、等価容量は帯電されたままで、特に異常または交通事故の場合、自動車の運転者または搭乗者にとって非常に危険である。
【0006】
この関連で、いくつかのアクティブ放電システムは、蓄積された電荷を放電するために、等価容量に並列に接続された放電抵抗器を使用する。
【0007】
しかし、関連の基準で課せられた安全放電時間と同等の放電時間を用いて、アクティブ放電システムを実行するためには、特に低い抵抗値を有する放電抵抗器を使用する必要があるが、低い抵抗値は、通常の車両操作において許容できない電力消散を起こす場合がある。
【0008】
この欠点を克服するために、例えばトランジスタなど、放電抵抗器に直列で接続されたスイッチ手段の使用が知られている。
【0009】
このように、スイッチ手段は、等価容量が放電される必要がある場合のみ、放電抵抗器を、充電回路に/充電回路から、選択的に接続/接続解除する。
【0010】
実際、この事例において、アクティブ放電システムは、等価容量の放電を作動/停止にするよう構成されたスイッチ手段を制御するための、制御手段を備える。
【0011】
しかし、このタイプのアクティブ放電システムは、同じアクティブ放電システムの実施に連携された改善の影響を受けやすい。
【0012】
詳細には、公知のアクティブ放電システムは、一般的に低圧電力源、この事例においては低圧バッテリによって電力を供給される。
【0013】
実際、上述のように高圧電力源は、例えば交通事故などの場合に車両の電気システムから直ちに絶縁され、アクティブ放電システムに電力を供給できない。
【0014】
それにも関わらず、特に交通事故後に、低圧電力源は故障する場合があり、その結果アクティブ放電システムは電力を供給されないために作動しなくなる。
【0015】
さらに、等価容量の放電時間は、放電抵抗器の値及び放電される電荷の値によって強く影響を受ける。放電される電荷の値は、経時的に等価容量の放電の共に累進的に減少する。
【0016】
このため、放電抵抗器を介した、等価容量の放電過渡現象は、過渡現象の始まりにおける特に早急な放電時間及び特に高い電力消散と、対照的に、過渡現象の終わりにおける特に遅い放電時間及び特に低い電力消散と、を特徴とする。
【0017】
このタイプの過渡現象は、最速の放電時間を保証せず、安全放電時間以下の時間の間にわたり、等価容量によって蓄積された全電荷の放電を、常に可能にするわけではない。
【0018】
説明した欠点は、自動車の運転者または搭乗者の安全を、非常に危険にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の主な目的は、外部の電力源がなくても等価容量の放電も可能にする、電気自動車またはハイブリッド自動車のためのアクティブ放電システムを提供することである。
【0020】
本発明の別の目標は、等価容量によって蓄積された電荷の放電過渡現象を調節するのを可能にし、かつ安全放電時間以下の放電時間を保証する、電気自動車またはハイブリッド自動車のためのアクティブ放電システムを提供することである。
【0021】
本発明のさらなる目標は、低圧電力源が利用できない場合でも、アクティブ放電回路を作動させることを可能にする、アクティブ放電システムを提供することである。
【0022】
本発明のさらなる目標は、使用が単純、合理的、簡易、効果的、かつ低コストの解決策で先行技術の上述の欠点を克服できる、電気自動車またはハイブリッド自動車のためのアクティブ放電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上述の目標は、請求項1の特性を有する、電気自動車またはハイブリッド自動車のための、本アクティブ放電システムによって実現される。
【0024】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図表において表示による非限定の例を例示した、好ましいが排他的ではない、電気自動車またはハイブリッド自動車のアクティブ放電システムの、いくつかの実施形態の説明からより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明によるシステム1の概略図である。
図2】アクティブ放電回路が停止している、本発明によるシステムの実施形態の概略図である。
図3】アクティブ放電回路が作動している、図2に示される実施形態の概略図である。
図4】本発明によるシステムの、別の実施形態の概略図である。
図5】本発明によるシステムにおける別の実施形態の概略図である。
図6図4に示される実施形態の詳細概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
これらの図面を詳細に参照するとき、参照番号1は全体的に、電気自動車またはハイブリッド自動車のためのアクティブ放電システムを示す。
【0027】
電気自動車またはハイブリッド自動車のためのアクティブ放電システム1は、
-少なくとも1つの充電回路3に、並列で動作可能に接続された少なくとも1つのアクティブ放電回路2であって、少なくとも1つの高圧電力源7によって供給され、少なくとも1つの電荷の帯電した等価容量4を画定し、高圧電力源7が少なくとも1つの充電回路3から接続解除された場合、等価容量4の電荷を放電するよう構成された、少なくとも1つのアクティブ放電回路2と、
-少なくとも1つの作動信号を受け取るよう構成され、作動信号を受け取ったときに等価容量4を放電するよう、アクティブ放電回路2を作動させるよう構成された、アクティブ放電回路2の制御手段5と
を備える。
【0028】
適切には、以下の残りの説明において、用語「充電回路」は、この事例では高圧電力源7によって考慮に入れられる電力供給装置から、電力を吸収する回路を意味する。
【0029】
詳細には、高圧電力源7は、自動車の複数の充電回路3に並列で電気接続された、好ましくは高圧電気バッテリであり、自動車は、このようにバッテリ自体によって電力が供給される。
【0030】
より詳細には、充電回路3は、広範な容量性部品17を備えた複数の電子デバイスを備える。容量性部品17は、対応した充電回路3が正常に動作する間に、電荷を蓄積する。
【0031】
その結果、図2図5に示されるように、高圧電力源7は、充電回路3の各々における全ての電子容量性部品17の全体的効果によって画定された等価容量4に、出力において対応する。
【0032】
実際、図面を詳細に参照すると、充電回路3は、例として容量性部品17を備えた論理ブロックとして表される。
【0033】
詳細には、このように確定された等価容量4は、制御手段5が作動信号を受け取る瞬間に、アクティブ放電回路2から放電されなければならない。
【0034】
実際、高圧電力源7は、好ましくは接続解除可能なタイプである。すなわち中断手段6は、高圧電力源7によって供給される電力供給装置に設けられ、例えば交通事故の場合、高圧電力源7を、充電回路3及び放電回路2から、電気的に接続解除するよう構成される。
【0035】
このように、アクティブ放電回路2は、等価容量4によって蓄積された電荷を放電することができる。
【0036】
実際、高圧電力源7が、充電回路3及びアクティブ放電回路2から電気的に接続解除されなかった場合、アクティブ放電回路2は等価容量4を放電することができず、高圧電力源7によって継続的に充電されることになる。
【0037】
これは、自動車の通常動作中に、許容できない電力消費をもたらすことになる。
【0038】
このため、制御手段5は、高圧電力源7を接続解除した後に、アクティブ放電回路2を作動させる。
【0039】
加えて、制御手段5は等価容量4に接続される。このように、制御手段5は、等価容量4によって蓄積された電荷によって電力が供給される。
【0040】
制御手段5は、実際に、制御手段5の電圧19における等価容量4によって蓄積された電荷の、変換手段18を備える。
【0041】
このように、等価容量4が放電された場合、制御手段5には電力が供給されず、アクティブ放電回路2は電荷を放電しない。しかし、放電すべき電荷が存在しないので、この動作条件は、アクティブ放電回路2の作動を必要としない。
【0042】
他方で、等価容量4が帯電された場合、制御手段5には、等価容量4によって蓄積された電荷によって電力が供給され、その結果アクティブ放電回路2によって放電される。
【0043】
詳細には、この技術的解決策は、アクティブ放電システム1の動作を、電力供給源から分離させるという利点を有する。
【0044】
実際、変換手段18は、制御手段5によって成り立つ全ての部品及びデバイスに、実質的に電力を供給する。
【0045】
有利には、アクティブ放電回路2は、等価容量4によって蓄積された電荷の消散手段12、13、14を備え、これら消散手段12、13、14は、放電電流を介して電荷を放電するよう適合される。
【0046】
詳細には、消散手段12、13、14は、放電電流を伝えるよう、かつ等価容量4によって蓄積された電荷を放電するよう適合された、抵抗手段12を備える。
【0047】
好ましくは、抵抗手段12は、例えば電気抵抗で構成された1つまたは複数の抵抗素子を備える。
【0048】
さらに、消散手段12、13、14は、制御手段5に動作可能に接続されたスイッチ手段13を備える。
【0049】
詳細には、制御手段5は、放電電流を通過させるため、及び等価容量4によって蓄積された電荷を放電するために、スイッチ手段13を作動させる。
【0050】
さらに、前述のように、制御手段5は、作動信号を受け取ると直ちにスイッチ手段13を作動させる。
【0051】
実際、制御手段5は、作動信号を送るよう構成された信号手段8に動作可能に接続され、かつ少なくとも1つの低圧電力源9によって電力を供給される。
【0052】
さらに、制御手段5は、低圧電力源9の監視手段10を備える。監視手段10が低圧電力源9を検出しない事例において、制御手段5は、アクティブ放電回路2を作動させるよう構成される。
【0053】
好ましくは、監視手段10は、信号手段8及び低圧電力源9に動作可能に接続された、作動信号を受け取るための少なくとも1つの受け取りブランチ20と、例えばオプトカプラなどの第1の光結合手段22、23によって、受け取りブランチ20に動作可能に結合された、低圧電力源9の少なくとも1つの管理ブランチ21と、を備える。第1の光結合手段22、23は、受け取りブランチ20及び監視ブランチ21を、光結合させ続けるが、直流的に結合解除される。
【0054】
好ましくは、受け取りブランチ20は、少なくとも1つのセレクタ素子26を備える。セレクタ素子26は、作動信号の受け取りによって状態を変えるよう、及びその結果第1の光結合手段22、23によって、受け取りブランチ20を監視ブランチ21に結合するよう構成される。
【0055】
実際、図5に示されるように、第1の光結合手段22、23は、好ましくは、受け取りブランチ20に電気接続され、かつセレクタ素子26によって作動されるよう構成された、例えばLEDなどの光源22と、光源22に光結合され、監視ブランチ21に電気接続された、例えば光トランジスタなどの感光素子23と、を備える。
【0056】
詳細には、光源22は、低圧電力源9に接続され、かつ抵抗素子及びセレクタ素子26に直列で接続され、次にアースに接続される。
【0057】
このように、作動信号がない場合、光源22は、セレクト素子26によって作動され、感光素子23に連結される。感光素子23は、アクティブ放電回路2の放電を作動させない。
【0058】
対照的に、信号手段8によって生成された作動信号がある場合、光源22は、セレクト素子26によって停止され、感光素子23によって結合解除される。感光素子23は、アクティブ放電回路2を作動させる。
【0059】
同様に、低圧電力源9からの電力供給が故障した場合、光源22は停止され、感光素子23が、作動信号の有無にかかわらず、アクティブ放電回路2を作動させる。
【0060】
このように、例えば低圧電力源9の異常など、信号手段8が機能しない場合、制御手段5は、このような異常を監視手段10を介して検出し、アクティブ放電回路2の作動を可能にし、等価容量4によって蓄積された電荷を限定された時間内に放電する。
【0061】
適切には、制御手段5は、所定の放電時間16後にアクティブ放電回路2を停止するよう構成された、等価容量4における放電時間のタイミング手段15を備える。
【0062】
詳細には、タイミング手段15は、監視手段10に接続され、かつアクティブ放電回路2が作動した時点から始まる、所定の放電時間16を計算するよう構成される。
【0063】
実際、信号手段8が作動信号を送った時点、または監視手段10が低圧電力源9の電力供給手段の故障を検出した時点で、タイミング手段15は、アクティブ放電回路2を、所定の放電時間16と等しい間作動させ続けるよう構成される。
【0064】
詳細には、タイミング手段15は、等価容量4によって蓄積された電荷を確認するための確認手段24を備え、タイミング手段15は、確認手段24によって確認された電荷の値が、経時的に実質的に低下していない場合、アクティブ放電回路2を停止するよう構成される。
【0065】
好ましくは、確認手段24は、等価容量4に接続された圧力低下検出器のタイプである。
【0066】
このような解決策は、高圧電力源7が充電回路3に電気接続される間、アクティブ放電回路2が作動するのを防止する。
【0067】
実際、例えば誤った作動信号、または低圧電力源9の一時的な異常によって生じる、アクティブ放電回路2の不適切な作動の結果、等価容量4は高圧電力源7から充電され、同時にアクティブ放電回路2から放電される。
【0068】
これが発生するとき、等価容量4によって蓄積された電荷値は、実質的に一定のままで、電荷の一部がアクティブ放電回路2によって放電されるにもかかわらず、経時的に減少しない。
【0069】
これは、継続的な電力消散を生じさせ、自動車の正確な動作を危険にさらす。
【0070】
さらに制御手段5は、確認手段24によって確認された電荷値が、所定の放電時間16の終わりにおいて所定の閾値を超えた場合に、所定の放電時間16を所定の延長時間によって延長するよう構成された、所定の放電時間16の延長手段25を備える。
【0071】
換言すると、所定の放電時間16の終わりにおいて、等価容量4によって蓄積された電荷が経時的に減少するが、それはこの事例において約60Vの安全な値と等しい、所定の閾値よりも低くない。制御手段5は、この事例において約2秒の追加時間と等しい延長時間の間、アクティブ放電回路2を作動させ続け、それによって等価容量4のさらなる放電を可能にする。
【0072】
しかし、延長時間の終わりにおいて、制御手段5はスイッチ手段13を停止させ、その結果アクティブ放電回路2も停止させる。詳細には、図2に示されるシステム1の第1の実施形態において、スイッチ手段13は抵抗手段12と直列に接続される。
【0073】
このように、制御手段5はスイッチ手段13を作動させるとき、スイッチ手段13は、等価容量4によって蓄積された電荷を、抵抗手段12が放電するのを可能にする。
【0074】
実際、この実施形態において、スイッチ手段13は、アクティブ放電回路2を開閉するよう構成された、1つまたは複数のスイッチ素子を備える。
【0075】
換言すると、制御手段5が、作動信号を受け取るか、または低圧電力源9によって提供された電力供給の故障を検出した場合に、スイッチ手段13は、所定の放電時間16の間に等価容量4の放電を作動させる純粋なオン/オフスイッチとして、実質的に構成される。
【0076】
スイッチ手段13及び抵抗手段12が一致する、システム1の1つの代替の実施形態が図3に示される。
【0077】
詳細には、スイッチ手段13及び抵抗手段12は、制御手段5に動作可能に接続された少なくとも1つのトランジスタ14を介して作られる。
【0078】
より詳細には、このような少なくとも1つのトランジスタ14は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)で構成することができる。
【0079】
好ましくは、この実施形態において、消散手段12、13、14は、互いに適切に接続された、複数のトランジスタ14を備える。
【0080】
実際、この実施形態において、トランジスタ14は、単純なオン/オフスイッチのようには機能しないが、一旦オンにされると、等価容量4によって蓄積された電荷を放電できる可変抵抗のように機能する。
【0081】
好都合には、制御手段5は、トランジスタ14の付勢手段27を備える。それは、トランジスタ14を介して流れる、等価容量4によって蓄積された電荷の放電電流の値を、変化させるよう構成される。
【0082】
実際、上述のように、トランジスタ14は、付勢手段27によって付勢された箇所における電圧値に依拠して、可変抵抗のように機能するようサイズが決められる。
【0083】
その結果、トランジスタ14を流れ抜ける放電電流は、付勢手段27がトランジスタ自体を分極化する箇所における電圧値に依拠する。
【0084】
好都合には、付勢手段27は、放電電流の値を検出するための検出手段28、及び放電される電荷の値を計測するための計測手段29のうちの、少なくとも一方を備える。
【0085】
詳細には、付勢手段27は、検出手段28によって検出された放電電流の値、及び計測手段29によって計測された電荷の値のうちの、少なくとも一方に依拠して、放電電流の値を変化させるよう構成される。
【0086】
好ましくは、図6に示される実施形態において、付勢手段27は、検出手段28及び計測手段29の両方を備える。
【0087】
このように、付勢手段27は、以下で説明するように、等価容量4によって蓄積された電荷の放電過渡現象を最適化するために、放電電流の値と、放電される電荷の値とを周期的に監視する。
【0088】
等価容量4の放電過渡現象の開始時点において、放電される電荷が特に高い場合、充電回路3または同じアクティブ放電回路2を損傷させかねない、速すぎて制御できない電荷の放電を生じさせないよう、付勢手段27は、トランジスタ14の抵抗値を実質的に高く維持する。
【0089】
対照的に、等価容量4における放電過渡現象の終わりにおいて、放電される電荷が特に低い場合、等価容量4によってまだ蓄積されている電荷を迅速に放電するために、付勢手段27は、トランジスタ14の抵抗値を実質的に低く維持する。そうしないと、非常に長い放電時間、すなわち安全放電時間よりも長い時間を要することになる。
【0090】
トランジスタ14の抵抗値、及び等価容量4によって蓄積された電荷の値を言及する際に使用する用語「高い(high)」及び「低い(reduced)」は、単におおよその値であり、アクティブ放電回路2及び充電回路3の回路特性に依拠して、それぞれ変化するものと考慮すべきことに留意することは重要である。
【0091】
しかしこのような値は、所定の時間において等価容量4によって蓄積された電荷の放電を実現するため、放電過渡現象における各々の瞬間の間に、例えば、RCネットワークにおけるコンデンサの放電方程式など、1つまたは複数の所定の方程式によって一義的に定義される。
【0092】
好都合には、付勢手段27は、等価容量4における放電過渡現象の全体で、線形動作領域で駆動されるトランジスタ14を維持するよう構成される。
【0093】
この解決策は、トランジスタ14の抵抗及び放電電流を、特に精確な方法で変化させ、その結果、等価容量4を継続的かつ制御された方法で放電させ、安全放電時間の順守を可能にする。これは、一般的に5秒続き、放電過渡現象中における実質的に一定の値の電力を消散させる。
【0094】
しかし、前述の実施形態で定義され、図5に示されるように、消散手段12、13、14が、少なくとも1つのトランジスタ14に直列で電気接続された抵抗手段12を備えた、システム1の代替の実施形態を排除することはできない。
【0095】
適切には、付勢手段27は、等価容量4によって蓄積された電荷を放電するために必要な時間の間、トランジスタ14を作動させるよう構成される。
【0096】
このため、付勢手段27は、タイミング手段15に動作可能に接続される。タイミング手段15は、前述のように、アクティブ放電回路2の付勢手段27の作動時間に折り合いをつけるよう意図される。
【0097】
換言すると、タイミング手段15は、所定の放電時間16の間、及び必要に応じて延長時間の間、付勢手段27がアクティブ放電回路2を作動させるのを可能にする。
【0098】
有利には、制御手段5は、アクティブ放電回路2の診断手段30を備える。診断手段30は、少なくとも1つの診断ユニット31へ、アクティブ放電回路2の作動を伝えるよう構成される。
【0099】
詳細には、診断手段30は、
-少なくとも1つの警告信号を診断ユニット31へ送るよう構成された、アクティブ放電回路2の作動について警告するための警告手段33、34と、
-放電電流の存在を検査するよう、かつ放電電流の存在を検査すると直ちに警告手段33、34を作動させるよう構成された、アクティブ放電回路2の作動を検査するための、検査手段32と
を備える。
【0100】
好ましくは、検査手段32は、警告手段33、34に動作可能に接続された、電流検出器である。
【0101】
他方で、警告手段33、34は、監視手段10と構造的に類似する。
【0102】
より詳細には、警告手段33、34は、検査手段32に動作可能に接続された少なくとも1つの警告ブランチ33と、診断ユニット31に動作可能に接続された少なくとも1つの診断ブランチ34とを備える。
【0103】
加えて、監視手段10を参照して説明したものと類似して、警告手段33、34は、診断ブランチ34への警告ブランチ33における第2の光結合手段35を備える。
【0104】
詳細には、警告ブランチ33及び診断ブランチ34は、受け取りブランチ20及び監視ブランチ21と構造的に類似し、第2の光結合手段35は、図6に示されるように、第1の光結合手段22、23と構造的に類似する。
【0105】
実際、放電電流が存在する場合、検査手段32は警告ブランチ33を作動させ、それは診断ブランチ34との結合を確立し、次に診断ブランチ34は、アクティブ放電回路2の作動を診断ユニット31に伝える。
【0106】
診断ユニット31は、好ましくは、アクティブ放電回路2の作動警告を含む、複数の警告を表示するよう構成されたデバイスである。
【0107】
さらに、診断ユニット31は、好ましくは参照のために熟練オペレータによって利用可能であり、このように熟練オペレータは、システム1の正しい動作を検査することができる。
【0108】
説明したシステム1は、好ましくは電気自動車またはハイブリッド自動車のためのバッテリ充電器に使用されるデバイス及び/または部品の、等価容量4を放電するために使用される。
【0109】
詳細には、本発明は、前述のような少なくとも1つのアクティブ放電システムを備えたバッテリ充電器に関する。
【0110】
この充電器は、好ましくはOBC(搭載型充電器)のタイプである。
【0111】
実際、説明した本発明は、意図した目標を実現することが判明した。
【0112】
詳細には、アクティブ放電回路の放電抵抗値を変化させる、1つまたは複数のトランジスタの使用が、等価容量によって蓄積された電荷の放電過渡現象を大幅に改善し、放電時間を短縮させ、かつその効率を向上させる。
【0113】
さらに、等価容量によって蓄積された放電される電荷による、制御手段への電力供給は、放電されるべき帯電が存在するときはいつでも、車両の電力供給が可能か否かにかかわらず、アクティブ放電回路を作動させることを可能にする。
【0114】
さらに、低圧電力源によって供給された電力が存在するときには常に、確認するための監視手段を使用することによって、信号手段の動作から独立してアクティブ放電回路を作動させる。
【0115】
要約すると、上記に列挙した技術的解決策は、アクティブ放電システムを、その動作のために一般的に重要な要因とは独立させ、自動車の運転者及び任意の搭乗者の安全性を、大幅に向上させる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6