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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】エアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/95 20200101AFI20240403BHJP
【FI】
A24F40/95
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021520579
(86)(22)【出願日】2019-10-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 EP2019078374
(87)【国際公開番号】W WO2020079226
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】18201625.3
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(74)【代理人】
【識別番号】100210398
【弁理士】
【氏名又は名称】横尾 太郎
(72)【発明者】
【氏名】プレブニク,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】井上 紀彦
(72)【発明者】
【氏名】バックリー,ジェイミー
(72)【発明者】
【氏名】ブーチュイギール,レイス・スリマン
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開実用新案第20-2012-0003872(KR,U)
【文献】特表2018-527906(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0448273(KR,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0328415(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0295882(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1232619(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生デバイスと、
充電ケースであって、前記エアロゾル発生デバイスが前記充電ケースに受け入れられたときに前記エアロゾル発生デバイスを充電するための充電ケースと、
を含むエアロゾル発生システムであって、
前記エアロゾル発生デバイスが、
デバイス用バッテリと、
加熱室であって、消費財が前記加熱室に受け入れられることを可能にするために開放位置と閉鎖位置との間で移動するように配置された蓋を含む加熱室と、
を含み、
前記充電ケースが、
ケース用バッテリと、
前記エアロゾル発生デバイスを前記充電ケース内の充電位置に受け入れるための受入手段と、
を含み、
前記エアロゾル発生デバイスが前記充電位置に受け入れられたときに、
前記デバイス用バッテリを充電するために前記デバイス用バッテリが前記ケース用バッテリに接続可能であり、且つ
消費財が使用者によって前記加熱室に挿入されるか又は前記加熱室から除去されることを可能にするために、前記加熱室の前記蓋が移動可能である、
エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記受入手段が、前記エアロゾル発生デバイスを1つ又は複数の特定の向きでのみ受け入れるように配置され、
前記特定の向きの1つ又は複数が前記充電位置に対応する、
請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記エアロゾル発生デバイス及び前記充電ケースは、前記エアロゾル発生デバイスが前記充電位置にあるときに前記デバイスバッテリを前記ケース用バッテリに接続するように配置された対応する電気接点を含む、
請求項1又は2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記デバイス用バッテリは、前記エアロゾル発生デバイスが前記充電位置にあるときに前記ケース用バッテリに無線接続可能である、
請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記充電ケースは、
前記エアロゾル発生デバイスが前記充電ケース内に保持される閉鎖位置と、
前記エアロゾル発生デバイスが前記充電ケースに受け入れられたときに前記開放位置と前記閉鎖位置との間で前記加熱室の前記蓋の移動を可能にするように前記エアロゾル発生デバイスの前記加熱室の前記蓋が利用可能である開放位置と、
の間で移動可能なケース蓋、をさらに含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記加熱室の前記蓋は、前記充電ケース内に封入され、
前記ケース蓋が前記閉鎖位置にあるときには使用者に利用可能ではない、
請求項5に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記受入手段が、前記エアロゾル発生デバイスを前記充電位置に解除可能に保持するように配置される、
請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記受入手段が、
磁石、
前記エアロゾル発生デバイスの形状の少なくとも一部に一致するように配置された凹部、
機械的留め具
のうちの1つ又は複数、を含むことによって前記解除可能な保持を提供する、
請求項7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記受入手段は、前記エアロゾル発生デバイスが前記充電ケースに受け入れられたときに前記加熱室の前記蓋が前記充電ケースから外方に面するように、前記加熱室の前記蓋に対する前記エアロゾル発生デバイスの裏側のみを受け入れるような形状とされる凹部である、
請求項8に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記エアロゾル発生デバイスがマウスピースをさらに含み、
前記マウスピースは、充電中に使用者が前記エアロゾル発生デバイスから蒸気を吸入できるように前記エアロゾル発生デバイスが前記充電位置に受け入れられたときに前記充電ケースの外側に延びる、
請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記エアロゾル発生デバイスの前記マウスピースを覆うように配置されたマウスピースキャップをさらに含む、
請求項10に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記充電ケースが、前記エアロゾル発生デバイスと共に使用されるように構成された1つ又は複数の消費財を保持するように配置された消費財収容部分を含む、
請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記充電ケースが、請求項5に記載のケース蓋を含み、
前記消費財収容部分は、前記ケース蓋が前記開放位置にあるときに使用者に利用可能であり、且つ前記ケース蓋が前記閉鎖位置にあるときに前記充電ケース内に封入される、
請求項12に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記充電ケースが、ケース蓋を含み、
前記加熱室の前記蓋及び前記ケース蓋が各々、
摺動蓋、
ヒンジ付き蓋、
取り外し可能な蓋
のうちの1つである、
請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
デバイス用バッテリと、加熱室であって、消費財が前記加熱室に受け入れられることを可能にするために開放位置と閉鎖位置との間で移動するように配置された蓋を備えた加熱室とを含むエアロゾル発生デバイス用の充電ケースであって、
ケース用バッテリと、
前記エアロゾル発生デバイスを前記充電ケース内の充電位置に受け入れるように構成された受入手段と、
を含み、
前記エアロゾル発生デバイスが前記充電位置に受け入れられたときに、
前記デバイス用バッテリを充電するために前記ケース用バッテリが前記デバイス用バッテリに接続可能であり、且つ
消費財が使用者によって前記加熱室に挿入されるか又は前記加熱室から除去されることを可能にするために、前記エアロゾル発生デバイスが、前記加熱室の前記蓋を露出させるような向きに配置され、
前記受入手段が、前記エアロゾル発生デバイスを前記充電位置に解除可能に保持するように配置され、
前記受入手段が、前記エアロゾル発生デバイスの形状の少なくとも一部に一致するように配置された凹部を含むことによって前記解除可能な保持を提供し、
前記受入手段は、前記エアロゾル発生デバイスが前記充電ケースに受け入れられたときに前記加熱室の前記蓋が前記充電ケースから外方に面するように、前記加熱室の前記蓋に対する前記エアロゾル発生デバイスの裏側のみを受け入れるような形状とされる凹部である、
充電ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生デバイスと、エアロゾル発生デバイスを充電するためのケースとを含むエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコなどのエアロゾル発生デバイスは、比較的よく知られており、近年、消費者にますます人気になってきている。そのような電子タバコの一般的な動作原理は、消費財を燃焼させずに加熱して、吸入のためにエアロゾル(蒸気とも呼ばれる)を使用者に提供することである。そのような消費財の例としては、タバコ材料の充填物、又は香味料及び/若しくはニコチンなどの活性成分を含有する液体のカプセルが挙げられる。
【0003】
エアロゾル発生デバイスは、多くの場合、加熱器と、加熱器に電気を供給するための電源と、消費財が加熱されて吸入用の蒸気を生成し得るように加熱器の近傍で消費財を受け入れるための、加熱室などの、受け部とを含む。
【0004】
近年、複数回使用のエアロゾル発生デバイスの人気が、使用後に廃棄される単回使用デバイスの人気を上回っている。消費財は、必要な活性成分又は香味料をこれらの成分が枯渇するまでの限られた加熱持続時間の間しか提供できないので、複数回使用デバイスでは、消費財を交換しなければならない。消費財の交換は、概して、使い切った消費財を加熱室から除去して新しい消費財と交換することによって達成される。
【0005】
同様に、エアロゾル発生デバイス内の電源も、ある程度の使用後に使い切られ、再充電又は交換される必要がある。例えば、既知のエアロゾル発生システムは、エアロゾル発生デバイスのバッテリを充電するための主電源ケーブルなどの充電部品を含む。
【0006】
しかしながら、そのようなエアロゾル発生デバイス及びシステムに関するいくつかの欠点がある。特に、消費財の交換は、構成部品の大きさと、使用済み消費財を除去して新しい消費財と交換する間にエアロゾル発生デバイスを操作して適切な向きにする必要性とを考慮すると、多くの場合、使用者にとって面倒な工程である。この工程は、定期的に実行しなければならず、そうしないと、問題が悪化する。
【0007】
同様に、バッテリを定期的に充電する必要性は、消費者が電源ケーブルなどの充電部品を必要なときに使用するために持ち運ばなければならないことが必須であるので、消費者をさらに腹立たせる。ケーブルは、嵩張ることが多いので、使用者が持ち運ぶには不便である。さらに、ケーブルを忘れた又は置き忘れた場合には、バッテリを使い切るまでの短時間しかデバイスを使用することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それゆえ、これらの欠点の1つ又は複数に対処するエアロゾル発生システムを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の第一の態様によれば、エアロゾル発生デバイスと、エアロゾル発生デバイスがケースに受け入れられたときにエアロゾル発生デバイスを充電するための充電ケースとを含むエアロゾル発生システムであって、エアロゾル発生デバイスが、デバイス用バッテリと、消費財が加熱室に受け入れられることを可能にするために開放位置と閉鎖位置との間で移動するように配置された蓋を含む加熱室とを含み、充電ケースが、ケース用バッテリと、エアロゾル発生デバイスをケース内の充電位置に受け入れるための受入手段とを含み、エアロゾル発生デバイスが充電位置に受け入れられたときに、デバイス用バッテリを充電するためにデバイス用バッテリがケース用バッテリに接続可能であり、且つ消費財が使用者によって加熱室に挿入されるか又は加熱室から除去されることを可能にするために、加熱室の蓋が移動可能である、エアロゾル発生システムが提供される。
【0010】
充電ケースの固有のより大きな容積を考慮すると、デバイスよりも大きなバッテリがケース内に含まれ得るので、充電ケースを含むエアロゾル発生デバイスを提供することによって、デバイスを充電しなければならない頻度が低減される。より大容量のバッテリを用いてデバイスを充電することによって、デバイスは、使用者が商用電源から再充電しなければならなくなるまでに、より長時間にわたって使用され得る。さらに、それほど扱い難くない形状であり、したがって、持ち運ぶのにあまり不便でない可能性もある、ケースに入れて簡単に持ち運ぶことでデバイスが充電され得るので、電源ケーブルを持ち運ぶ不便さが回避される。ケースは、デバイスが充電位置にあるときに加熱室の蓋が移動可能であるように配置された受入手段を含むので、消費財を交換する工程がより簡単である。特に、エアロゾル発生デバイスは、交換中に受入手段におけるケース内に支持され得るので、消費財を交換するのに必要とされる器用さのレベルを低減する。さらに、消費財の交換とバッテリの充電が同時に実行され得るので、必要とされる補充工程がさらに簡略化される。
【0011】
「ケース用バッテリに接続可能な」という表現は、デバイスが充電位置に受け入れられると、例えば、対応する接点の物理的接続若しくは無線接続によって、エアロゾル発生デバイスのバッテリがケースのバッテリに自動的に接続される可能性、又はエアロゾル発生デバイスが充電位置に受け入れられたまま、デバイス用バッテリとケース用バッテリとの接続が、使用者によって、例えば、物理的接続又は無線接続で充電を開始するスイッチを作動させることによって行われ得る可能性を包含する。
【0012】
受入手段は、エアロゾル発生デバイスを1つ又は複数の特定の向きでのみ受け入れるように配置されてもよく、特定の向きの1つ又は複数は充電位置に対応する。いくつかの例では、デバイスは、ある特定の方式で、受入手段によって受け入れられて充電位置に解除可能に保持されるような向きに配置されなければならない。或いは、受入手段は、デバイスを複数の向きで受け入れてもよく、向きの1つ又は複数は、デバイスのバッテリがケース用バッテリに接続可能である充電位置に対応する。
【0013】
受入手段は、エアロゾル発生デバイスがケースに受け入れられたときに加熱室蓋が使用者に利用可能であるように加熱室蓋が外方に面するように配置されてもよい。特に、充電位置は、ケースが開放しているときに加熱室の蓋が露出される位置に相当し、デバイスが受入手段に受け入れられたまま蓋を開放位置と位置との間で移動させることを可能にする。例えば、受入手段は、加熱室蓋に対するデバイスの裏側にあるエアロゾル発生デバイスの側を受け入れるように配置されてもよい。特に、受入手段は、加熱室蓋に対するデバイスの裏側のみを受け入れるように配置されてもよい。このように、デバイスがケースに受け入れられたときに、加熱室蓋は、外方に面し、デバイスが充電位置にある間に加熱室を開閉するために使用者によって移動させることが可能である。このことは、デバイスの裏側を受け入れるような形状とされる凹部、及び/又はデバイスの裏側を引き寄せるように配置された1つ若しくは複数の磁石、及び/又は加熱室蓋が外方に面する状態でデバイスが位置決めされたときにのみデバイスを固定する留め具を使用して達成されてもよい。
【0014】
「移動可能なもの」としての加熱室の蓋の定義は、蓋が外方に面するとともに、ケースが開放しているときに、エアロゾル発生デバイスがケースに受け入れられたまま加熱室の蓋が開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であるように、受入手段によって妨げられないことを意味する。
【0015】
本発明のいくつかの例では、エアロゾル発生デバイス及び充電ケースは、エアロゾル発生デバイスが充電位置にあるときにデバイスのバッテリをケース用バッテリに接続するように配置された対応する電気接点を含む。例えば、エアロゾル発生デバイスは、エアロゾル発生デバイスが充電位置にあるときにケース内に位置決めされた対応する接点と接触するように位置決めされる接点をデバイスの外面に含み得る。接点は、デバイスがケース内に任意の向きで載置され得るように配置されてもよく、例えば、接点は、デバイス本体の周囲に延びてもよく、又は接点は、充電位置に対応する特定の向きでデバイスが載置されたときにのみ充電されるように、例えば、加熱室蓋とは反対のデバイスの側に、配置されてもよい。電気接点を設けることによって、対応するバッテリを接続するための信頼性の高い手段が与えられ、デバイスがある特定の向きでのみ充電するようなケースの構成が可能となる。それゆえ、エアロゾル発生デバイスは、充電の有無の両方で、ケースに入れて持ち運ばれてもよい。
【0016】
エアロゾル発生システムのいくつかの例では、デバイス用バッテリは、エアロゾル発生デバイスが充電位置にあるときにケース用バッテリに無線接続可能である。無線接続は、自動的に又は使用者が作動させたスイッチによって開始されてもよい。デバイスは、任意の特定の向きにかかわらず、無線接続を使用して充電されてもよい。加えて、無線充電はさらに、デバイスがケースの外側にあるがその近傍にある間に充電を可能にしてもよい。
【0017】
本発明のいくつかの例では、充電ケースは、エアロゾル発生デバイスがケース内に保持される閉鎖位置と、エアロゾル発生デバイスがケースに受け入れられたときに開放位置と閉鎖位置との間で加熱室蓋の移動を可能にするようにエアロゾル発生デバイスの加熱室蓋が利用可能である開放位置との間で移動可能なケース蓋をさらに含む。ケース蓋は、ヒンジ接続、摺動接続によって移動可能であってもよく、又は着脱可能な構成部品であってもよい。ケース蓋は、エアロゾル発生デバイスがケース内に収納されたままエアロゾル発生デバイスを保護し、容易に運ぶことを可能にする。好ましくは、ケース蓋は、加熱室蓋が閉鎖位置にあるときにのみ閉鎖することができる。このように、使用者は、加熱室蓋を不注意に閉鎖し忘れることがない。
【0018】
加熱室に対する蓋は、好ましくは、ケース内に封入され、ケース蓋が閉鎖位置にあるときには使用者に利用可能ではない。このように、加熱室の蓋は、偶発的に開放することが防止される。
【0019】
本発明のある例では、受入手段は、エアロゾル発生デバイスを充電位置に解除可能に保持するように配置される。例えば、エアロゾル発生デバイスは、デバイスを引き抜くために使用者によって適切な力が印加されるか又はボタン若しくはスイッチなどの解除手段が押圧されるまで、ケース内で充電位置に保持される。
【0020】
受入手段は、エアロゾル発生デバイスが凹部内に摩擦嵌めによって保持されるように、エアロゾル発生デバイスの形状に一致する形状を有するケース内の凹部、吸引力をもたらすためのデバイス及び/又はケース上の1つ若しくは複数の磁石、エアロゾル発生デバイスを把持するように配置された機械的留め具のうちの1つ又は複数を設けることによって、エアロゾル発生デバイスを解除可能に保持するように配置されてもよい。
【0021】
上で説明したように、受入手段は、エアロゾル発生デバイスのバッテリがケースのバッテリに接続されるか又は接続可能である充電位置にのみデバイスを確実に保持するように配置されてもよく、且つ消費財の交換を可能にするように加熱室の蓋が移動可能である。
【0022】
本発明によるエアロゾル発生デバイスのいくつかの例では、受入手段は、エアロゾル発生デバイスがケースに受け入れられたときに加熱室蓋がケースから外方に面するように、加熱室蓋に対するエアロゾル発生デバイスの裏側のみを受け入れるような形状とされる凹部である。
【0023】
エアロゾル発生システムのいくつかの例では、エアロゾル発生デバイスはマウスピースをさらに含み、且つマウスピース又はマウスピースの一部分は、充電中に使用者がデバイスから蒸気を吸入できるようにエアロゾル発生デバイスが充電位置に受け入れられたときにケースの外側に延びる。このように、使用者は、エアロゾル発生デバイスがケース内に収容され且つ/又はケース内で充電中であるときにエアロゾル発生デバイスを使用し続ける。
【0024】
マウスピースは、ケース蓋が開放位置にあるときにはケースの外側に延び得るが、ケース蓋が閉鎖位置にあるときにはケース蓋によって覆われて閉鎖されたケース内に保持される。このように、充電中のデバイスの使用に関して上で説明した利益は、必要なときにデバイスの全体を包囲するケース蓋で覆うことによって保護され得るマウスピースによってもたらされる。他の例では、デバイスのマウスピースは、デバイス、特に加熱室がケースに覆われるが、マウスピースの少なくとも一部分がケースの外側に延びたままとなるように、ケース蓋の位置にかかわらずケースの外側に延びてもよい。そのような場合、本発明は、エアロゾル発生デバイスのマウスピースを覆うように配置されたマウスピースキャップをさらに含み得る。さらに、このような場合には、ケース蓋が閉鎖されたままでエアロゾル発生デバイスの加熱器を作動させてもよい。例えば、デバイスがケース内に封入されているときに加熱器を作動させてデバイスの使用を可能にするスイッチがケースの外側に設けられてもよい。スイッチは、デバイス上及び受入手段内の対応する電気接点を介してデバイス用加熱器に接続されてもよく、又は無線接続によって作動させてもよい。或いは、ケースに開口部があってもよく、デバイスが受入手段に受け入れられてケースの蓋が閉鎖されたときに、この開口部を通してデバイス自体の作動スイッチを利用できるようにしてもよい。
【0025】
エアロゾル発生デバイスは、エアロゾル発生物質を収容する様々なタイプの消費財と共に使用されるように構成されてもよい。消費財は、使用中、通気性材料内にエアロゾル発生物質を含むカプセルであってもよい。或いは、消費財は、通気性ではないが、空気の流れを可能にするために適切な穿孔又は開口部を含む材料内に保持された、エアロゾル発生物質であってもよい。或いは、消費財は、エアロゾル発生物質自体であってもよい。或いは、消費財の本体は、マウスピースフィルタを有し得る略棒形状に形成される。消費財は、一端部にマウスピースを有する、長尺状、好ましくは略円筒形状であってもよい。この場合、消費財は、エアロゾル発生物質を包んだ紙などのシートを含み得る。
【0026】
エアロゾル発生物質を含む材料は、高温に対する耐性を有する材料を通して空気が流れることを可能にする高い通気性を有し得る。好適な通気性材料の例としては、セルロース繊維、紙、綿、及び絹が挙げられる。通気性材料は、フィルタとしても作用し得る。或いは、その本体は、紙に包まれたエアロゾル発生物質であってもよい。
【0027】
エアロゾル発生物質は、エアロゾルを形成し得る任意の好適な物質であってもよい。物質は、固体又は半固体物質であってもよい。物質は、植物由来の材料を含み得、特に、物質はたばこを含み得る。典型的には、エアロゾル発生物質は、固体又は半固体のたばこ物質である。例示のタイプのエアロゾル発生固体としては、粉末、顆粒、ペレット、破片、より糸、多孔質材料、発泡体、又はシートが挙げられる。ある特定の好ましい例では、消費財は、固体又は半固体の発泡タバコ材料を含む。
【0028】
好ましくは、エアロゾル発生物質は、エアロゾルフォーマを含み得る。エアロゾルフォーマの例としては、多価アルコール及びその混合物、例えばグリセリン又はプロピレングリコールが挙げられる。典型的には、エアロゾル発生物質は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾルフォーマ含有率を含み得る。好ましくは、エアロゾル発生物質は、乾燥重量ベースで約15%のエアロゾルフォーマ含有率を含み得る。
【0029】
本発明のいくつかの例では、充電ケースは、エアロゾル発生デバイスと共に使用されるように構成された1つ又は複数の消費財を保持するように配置された消費財収容部を含む。エアロゾル発生デバイスが受入手段内に保持され、また場合によっては充電されたまま、使用者が消費財を選択して使用済み消費財を交換し得るように、交換用消費財がケース内に用意され得るので、消費財収容部を含むことで、消費財交換工程がさらに簡略化される。さらに、交換工程は、ケースがエアロゾル発生デバイスと交換用消費財とを支持するので、片手で実行することができる。特に、ケースが開放され、加熱室の蓋が開放され、使用済み消費財が除去されて、交換用カプセルが消費財収容部から選択され、加熱室内に載置されてもよい。これらのステップは、エアロゾル発生デバイスの充電中に行うことができる。これによって、どこでも移動中に消費財交換作業を行うことが可能となる。
【0030】
本発明のいくつかの例では、充電ケースは、1つ又は複数の使用済み消費財を収容するように配置された第二の消費財収容部を含む。
【0031】
そのような例では、上で説明したように、充電ケースがケース蓋を含む場合、消費財収容部は、ケース蓋が開放位置にあるときに使用者に利用可能であり、且つケース蓋が閉鎖位置にあるときにケース内に封入されてもよい。例えば、消費財収容部分は、蓋が開放位置にあるときに消費財が容易に利用可能であるように、ケース蓋の内側に設けられてもよい。このように、消費財を交換する工程がさらに簡略化される。
【0032】
加熱室蓋は、ヒンジ接続、摺動接続によって移動可能であってもよく、又は着脱可能な構成部品であってもよい。
【0033】
本発明の別の態様によれば、デバイス用バッテリと、消費財が加熱室に受け入れられることを可能にするために開放位置と閉鎖位置との間で移動するように配置された蓋を備えた加熱室とを含むエアロゾル発生デバイス用の充電ケースであって、充電ケースが、ケース用バッテリと、エアロゾル発生デバイスをケース内の充電位置に受け入れるように構成された受入手段とを含み、エアロゾル発生デバイスが充電位置に受け入れられたときに、デバイス用バッテリを充電するためにケース用バッテリがデバイス用バッテリに接続可能であり、且つ消費財が使用者によって加熱室に挿入されるか又は加熱室から除去されることを可能にするために、エアロゾル発生デバイスが、加熱室の蓋を露出させるような向きに配置される、充電ケースが提供される。
【0034】
充電ケースは、エアロゾル発生システムとの関連で説明した上記の特徴のいずれかを有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明によるエアロゾル発生システムの概略図である。
図2】消費財交換手順を示す、エアロゾル発生デバイスの概略図である。
図3】側面視及び端面視で見たエアロゾル発生デバイス用の充電ケースの外観図を示す。
図4】本発明によるエアロゾル発生システムを使用した消費財交換手順を図示する。
図5】本発明による代替的なエアロゾル発生システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
ここで、本開示の実施形態について、添付の図面を参照しながら単なる例として説明する。
【0037】
図1は、本発明によるエアロゾル発生システムを概略的に図示する。システムは、エアロゾル発生デバイス110と、エアロゾル発生デバイス110がケース120に受け入れられたときにエアロゾル発生デバイスを充電するための充電ケース120とを含む。エアロゾル発生デバイス110は、デバイス110の本体113内のデバイス用バッテリ(図示せず)と、消費財130が加熱室111に受け入れられることを可能にするために開放位置と閉鎖位置との間で移動するように配置された蓋112を含む加熱室111とを含む。充電ケースは、ケース用バッテリ(図示せず)を収納する本体121を含む。充電ケース120はまた、エアロゾル発生デバイス110をケース120内の充電位置に受け入れるための受入手段122を含む。図1に示すように、エアロゾル発生デバイス110が充電手段122に受け入れられたときに、第一に、デバイス用バッテリを充電するためにデバイス用バッテリがケース用バッテリに接続可能であり、第二に、消費財130が使用者によって加熱室111に挿入されるか又は加熱室111から除去されることを可能にするために加熱室111が利用可能であるように、加熱室111の蓋112が、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能である。
【0038】
図2a~図2dは、本発明の一例によるエアロゾル発生デバイス110を概略的に図示する。エアロゾル発生デバイスは、この例では、本体部分113と摺動可能部分112とによって、形成された長尺状本体を有する。図2で分かるように、この例では、加熱室111に対する蓋112は、加熱室111を露出させるためにデバイス110の長軸と位置合わせされた方向140に平行移動させられ得る本体の摺動可能部分112によって提供される。この例では、デバイス110の本体は、デバイス用バッテリを収納する略矩形本体部分113と、加熱器(図示せず)と、加熱室111とを備えた平坦な長尺形状を有する。蓋112は、主要部分113と摺動可能に係合されて図2a及び図2bに示す開放位置と図2cに示す閉鎖位置との摺動接続を介して移動可能である、本体の略矩形の平坦な長尺部分によって提供される。したがって、本体は、対応する対向面において接触する2つの略直方体本体部分(本体113及び蓋112)によって形成される。
【0039】
蓋部分112は、蓋部分112の位置にかかわらず、本体部分113の接触面の一部分が露出したままとなるように、図2Aに示す、長さLだけ本体部分113よりも長さが短い。それゆえ、蓋部分112を本体113のマウスピース端部114に向かう方向140に摺動させることによって、加熱室111が露出され、且つ蓋部分112を加熱室111端部に向けて摺動させることによって、本体113のマウスピース端部114が露出される。
【0040】
消費財130を交換する目的で、蓋部分を基部部分113に対して平行移動させて加熱室111を露出させるために方向140に力を印加することによって、消費者が蓋部分112を図2cに示す閉鎖位置から図2aに示す開放位置に摺動させる。次いで、消費財130は、図2aに示すように、加熱室111内に簡単に載置され得る。消費財を室111内に載置することによって消費財が加熱器に対して正確な向きに位置合わせされるように、消費財は、図示のように、加熱室111に対応する大きさ及び形状を有し得る。蓋を閉鎖して消費財130を室111内に封入するために、室内に受け入れられた消費財130の上を蓋112が摺動するように蓋112を本体部分113に対して平行移動させるために、図2bに示すように、消費財130が室内に位置決めされた時点で、蓋112を、矢印141で示す、加熱室端部に向かう逆方向に摺動させる。
【0041】
蓋を図2cに示す閉鎖位置に方向141に移動させた時点で、消費財130を加熱して吸入可能なエアロゾル蒸気を生成するように加熱室111を作動させてもよい。図2の例では、デバイスは、蓋112の平坦面に略垂直な方向142に本体部分113に向けて、蓋112を内方に押圧することによって作動させてもよい。このように蓋を押圧することによって、デバイスを作動させるスイッチを作動させてもよい。エアロゾル発生デバイスの他の例では、スイッチは、デバイス110の外面に設けられてもよく、又は加熱器は、マウスピース114での吸入によって誘発される、デバイス内の圧力センサによって感知された圧力変化に応じて作動させてもよい。
【0042】
図2の例に示すように、蓋部分112を図2cに示す閉鎖位置まで摺動させたときに、本体113の一部分は、長尺方向外方に突出してマウスピース114を提供する。図2dにより明確に示すように、基部113の突出部分の端面は、発生したエアロゾルが使用者によって吸入され得る吸入出口115を含む。デバイスは、デバイスをうまく作動させると点灯する、図2dに示すようなLED116をさらに含み得る。
【0043】
本発明のシステムに含まれる充電ケースの例が図3に示されている。図3aは、充電ケース120の外側面図及び外端面図を示し、図3bは、側面及び端面で見た充電ケース120の構成部品の内観図を示す。図3bに最も明確に示すように、充電ケース120は、エアロゾル発生デバイス110を充電位置に受け入れるための受入手段を提供する適切な形状の凹部122を含む。凹部122は、デバイス110を充電位置に保持するための部分的摩擦嵌めをもたらし得るようにデバイス110の本体に一致する形状を有する。他の例では、デバイス110を充電位置にしっかりと解除可能に保持するために、磁石又は機械的留め具が使用されてもよい。
【0044】
ケース120は、図3bに示す、バッテリ123をさらに含み、エアロゾル発生デバイス110は、充電位置に受け入れられたときにこのバッテリ123から充電されてもよい。上で説明したように、エアロゾル発生デバイス110は、充電位置に受け入れられたときに、無線で又は電気接点を介して充電されてもよい。図1図3の例では、エアロゾル発生デバイス110は、本体(図示せず)の外面に電気接点を含み、この電気接点は、ケース120の凹部122内に載置されたときに充電ケース120の対応する接点に接触するように配置される。図3bから分かるように、凹部は、エアロゾル発生デバイス110の本体113の形状に一致するような形状とされ、その結果、デバイス110は、凹部122内に載置されたときに充電位置にしっかりと保持される。この位置では、バッテリ123が回路を介して対応する接点に接続され、したがって、電流が充電ケースのバッテリからエアロゾル発生デバイス110に流れ得る。図3bから分かるように、バッテリは、エアロゾル発生デバイス自体110に含めることが可能であるより大きな容量を有し得、それゆえ、ケースのバッテリ123が既知のエアロゾル発生デバイスのバッテリに対して充電され得る頻度が低減される利点をもたらす。ケースのバッテリ123を充電する必要がある場合、バッテリは、例えば位置124におけるケース本体内の電源インレットを介して、充電ケーブル(図示せず)を介して商用電源に接続されてもよい。
【0045】
図1でより明確に分かるように、ケース120はさらに、エアロゾル発生デバイスがケース内に載置され且つケースから取り外され得る開放位置と、デバイス110がケース内に封入されて保持される閉鎖位置との間の移動を可能にする、ヒンジを介してケース本体に接続されるケース蓋126を含む。
【0046】
凹部122によって提供される受入手段は、加熱室111が外方に面するように配置され、それゆえ、デバイスが充電位置に受け入れられるときに利用可能である。この例では、凹部は、加熱室蓋112がケースの外方に面することを可能にするためにデバイスをこの向きで載置しなければならないように、且つデバイスが使用者に利用可能であり得るように、加熱室111とは反対のエアロゾル発生デバイスの側に一致するような形状とされる。このように、加熱室蓋は、同時に行われる充電と消費財交換とを可能にするために、デバイスがケース内に受け入れられたときに移動可能である。凹部は、デバイス110を充電位置にさらに保持するための磁石をさらに含み得る。
【0047】
充電位置を提供する凹部122内に受け入れられたエアロゾル発生デバイスを示す、図1に戻ると、デバイスが凹部122に受け入れられている間に蓋112を開放位置と閉鎖位置との間で移動させ得るように、蓋112が露出されていることが分かる。このように、エアロゾル発生デバイス110のバッテリがケース120のバッテリへの接続を介して充電されている間に、使用者は、図2a~図2cに図示する交換手順を実行して加熱室111内の消費財130を交換してもよい。
【0048】
図1で分かるように、充電ケース120は、消費財収容部分125によって提供される消費財130の追加の収容部を含み得る。消費財収容部分125は、ケース120内の一部分125に解除可能に保持される多くの消費財130を提供してもよい。この例では、消費財収容部分125は、蓋126が開放位置にあるときに消費財収容部分125が容易に利用可能であるように、ケース蓋126の内側に設けられる。このように、消費財を交換する工程がさらに簡略化される。
【0049】
図4は、本発明のこの例のエアロゾル発生システムの利用法を図示する。図4aでは、エアロゾル発生デバイス110と消費財収容部分125とを露出させるために、充電ケース120のヒンジ付き蓋126が開放されている。図4aで分かるように、エアロゾル発生デバイス110は、デバイス110がケースのバッテリと係合されるように凹部に受け入れられ、これによって、デバイス用バッテリの充電を行い、且つ加熱室蓋112は、加熱室111へのアクセスを可能にするように移動可能である。加熱室111の蓋112は、蓋112をデバイス110の本体113の口端部114に向けて摺動させて加熱室111を露出させる開放位置にある。
【0050】
図4bでは、選択した消費財130は、使用者が保持手段を克服する力を加えて消費財130を解除することによって、消費財収容部分125から除去される。次いで、消費財130は、図4cに示すように、エアロゾル発生デバイス110の加熱室111内に載置される。ケース120の蓋126が開放位置にある間に、図4dに示すように、蓋112をデバイスの本体部分113に対して平行移動させて消費財を加熱室内に封入するために、デバイスの加熱室111の蓋112を方向141に摺動させてもよい。エアロゾル発生デバイス110が十分に充電されたときに、デバイス110は、図4eに示すように、ケース120の凹部122から取り外されてもよい。
【0051】
デバイス110は、図4fに示すように、デバイスをオンにするスイッチを作動させるために矢印方向142に、摺動可能な蓋部分112に内向きの力を与えることによって作動させてもよい。次いで、使用者は、図4gに示すように、本体113の露出したマウスピース部分114から蒸気を吸入してもよい。任意選択的に、デバイス110に設けられたLEDによって表示され得る、消費財が使い果たされたときに、使用済み消費財130は、図4iに示すように、露出した加熱室111から使用済み消費財を落下させるために、ケース蓋を図4hに示す開放方向140に摺動させてデバイスをひっくり返すことによってデバイス110から取り出されてもよい。次いで、デバイスは、図4jに示すように、デバイスが充電位置に戻されるようにデバイスを凹部122内に載置することによって充電ケースに戻されてもよい。
【0052】
図5は、本発明によるエアロゾル発生システムの代替例を示す。この例は、図1図4を参照して上で説明したものと実質的に同様である。しかしながら、この例では、エアロゾル発生デバイス及びケースは、デバイスのマウスピース114が、図5aに示すように、充電ケース120の外側に延びるように構成される。特に、デバイス110及びマウスピース114の大きさ、並びに受入手段の配置は、マウスピース114がケース120の本体における開口部から延びるように適切に構成される。このように、使用者は、デバイス110がケース120内に封入されているときでさえ、デバイスを使用して、発生した蒸気をマウスピースから吸入し続けることができる。この例では、ケース120は、マウスピースを不使用時に保護できるように、露出したマウスピース部分114を包囲するように配置されるマウスピースキャップ127をさらに含み得る。これらの例では、エアロゾル発生デバイスが充電ケース内で充電されているときでさえ、連続使用が可能である。
【0053】
本発明のエアロゾル発生システムは、デバイスを損傷及び汚染から保護しながら、消費財の補充とエアロゾル発生デバイスのバッテリの再充電とに必要とされる工程を大幅に簡略化する。充電ケースの固有のより大きな容積を考慮すると、デバイスよりも大きなバッテリがケース内に含まれ得るので、充電ケースを含むエアロゾル発生デバイスを提供することによって、デバイスを充電しなければならない頻度が低減される。より大容量のバッテリを用いてデバイスを充電することによって、デバイスは、使用者が商用電源から再充電しなければならなくなるまでに、より長時間にわたって使用され得る。さらに、それほど扱い難くない形状であり、したがって、持ち運ぶのにあまり不便でない可能性もある、ケースに入れて簡単に持ち運ぶことでデバイスが充電され得るので、電源ケーブルを持ち運ぶ不便さはもはや必要ない。ケースは、デバイスが充電位置にあるときに加熱室の蓋が露出されるように配置された受入手段を含むので、消費財を交換する工程がより簡単である。特に、エアロゾル発生デバイスは、交換中に受入手段におけるケース内に支持され得るので、消費財を交換するのに必要とされる器用さを低減する。さらに、消費財の交換とバッテリの充電が同時に実行され得るので、必要とされる補充工程がさらに簡略化される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図5A
図5B