IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許-光検出システム及びその使用方法 図1
  • 特許-光検出システム及びその使用方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】光検出システム及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/1434 20240101AFI20240403BHJP
   G01N 21/49 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
G01N15/1434
G01N21/49 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021542203
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(86)【国際出願番号】 US2020022377
(87)【国際公開番号】W WO2020190641
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-02-14
(31)【優先権主張番号】62/821,729
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,ジズオ
(72)【発明者】
【氏名】バール,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ディボールド,エリック ディー.
【審査官】目黒 大地
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-524703(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0038803(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0068371(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0002029(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104502255(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光散乱検出器と、
明視野光検出器と、
光を前記光散乱検出器及び前記明視野光検出器に伝えるように構成されたビームスプリッタ
を備え
前記ビームスプリッタは、光の10%以下を前記明視野光検出器に伝え、前記光の90%以上を前記光散乱検出器に伝えるように構成されている光検出システム。
【請求項2】
前記光散乱検出器は前方散乱検出器である、請求項1に記載の光検出システム。
【請求項3】
前記ビームスプリッタはくさび型ビームスプリッタである、請求項に記載の光検出システム。
【請求項4】
前記くさび型ビームスプリッタは、5分から120分のくさび角を備える、請求項に記載の光検出システム。
【請求項5】
前記くさび型ビームスプリッタは、10分から60分のくさび角を備える、請求項に記載の光検出システム。
【請求項6】
前記光散乱検出器に近接して配置された遮蔽コンポーネントをさらに備える、請求項1-のいずれか一つに記載の光検出システム。
【請求項7】
前記遮蔽コンポーネントは散乱バーである、請求項に記載の光検出システム。
【請求項8】
前記遮蔽コンポーネントは遮蔽ディスクである、請求項に記載の光検出システム。
【請求項9】
前記明視野光検出器に近接して配置された遮蔽コンポーネントをさらに備える、請求項1-のいずれか一つに記載の光検出システム。
【請求項10】
前記遮蔽コンポーネントは光学アパーチャである、請求項に記載の光検出システム。
【請求項11】
前記光学アパーチャはスリットまたはピンホールである、請求項1に記載の光検出システム。
【請求項12】
光源と、
請求項1-1のいずれか一つに記載の光検出システムと
を備える、システム。
【請求項13】
請求項1-1のいずれか一つに記載の光検出システムでフローストリームからの光を検出することを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
例えば、試料が疾患または病状の診断に使用される場合に、試料(例えば、生体試料)の成分を特性評価するために光検出がよく使われる。試料が照射されると、光は試料によって散乱され、試料を透過し、試料によって(例えば、蛍光によって)放出され得る。形態、吸収率、及び蛍光標識の有無などの、試料成分の変化は、試料によって散乱された光、試料を透過した光、または試料から放出される光の変化を引き起こし得る。これらの変化を定量化するために、光は収集され、検出器の表面に導かれる。検出器に到達する光の量は、検出器によって出力される光信号の全体的品質に影響を及ぼし得る。検出器に到達する光の量は、検出器の表面積を大きくすること、または試料からの光を多く収集することにより増える。
【0002】
光検出を利用して試料中の成分を特性評価するための技術の1つはフローサイトメトリである。検出された光から生成されたデータを使用して、成分の分布を記録することができ、所望の物質を分類することができる。フローサイトメータは、一般的に、血液試料などの流体試料を受け入れるための試料貯留槽と、シース液を収容するシース貯留槽とを含む。フローサイトメータは、流体試料中の粒子(細胞を含む)をセルストリームとしてフローセルに輸送しながら、シース液をフローセルに導く。フローセル内では、セルストリームの周囲に液体シースが形成されて、セルストリームに実質的に均一な速度を付与する。フローセルは、フローセル内で光源の中心を通過するように、ストリーム内のセルを流体力学的に集束させる。光源からの光は、散乱光として、もしくは透過分光法によって検出することができ、または試料中の1つ以上の成分によって吸収されてルミネセンスとして再放出され得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示の態様は、光検出システムを含む。特定の実施形態によるシステムは、光散乱検出器と、明視野光検出器と、光を光散乱検出器及び明視野光検出器に伝えるように構成された光学調整コンポーネントとを含む。いくつかの実施形態では、光散乱検出器は前方散乱検出器である。実施形態では、光学調整コンポーネントは、光を光散乱検出器及び明視野光検出器に伝播するように構成されたビームスプリッタである。特定の場合には、ビームスプリッタは、光の10%以下を明視野光検出器に伝えるように構成されている。これらの例では、ビームスプリッタは、光の90%以上を散乱検出器に伝えるように構成されている。いくつかの場合には、ビームスプリッタはくさび型ビームスプリッタであり、例えば、ビームスプリッタはくさび側を少なくとも1つ有し、くさび側は5分から120分のくさび角を有し、該くさび角は例えば10分から60分である。特定の実施形態による光検出システムは、また、光散乱検出器及び明視野光検出器のうちの一つまたは複数に近接して配置された遮蔽コンポーネントを含む。例えば、光遮蔽コンポーネントは、散乱バー、遮蔽ディスク、またはスリットもしくはピンホールなどの光学アパーチャであり得る。
【0004】
本開示の態様は、また、試料(例えば、フローストリーム中の試料)からの光を測定するためのシステムを含む。特定の実施形態では、システムは、光源と、光の1つ以上の波長を検出する光検出システムとを含み、光検出システムは、光散乱検出器と、明視野光検出器と、光を光散乱検出器及び明視野光検出器に伝えるように構成された光学調整コンポーネントとを有する。いくつかの実施形態では、光源は、複数の周波数シフト光ビーム(例えば、第1の無線周波数シフト光ビーム及び第2の無線周波数シフト光ビーム)を生成する光ビーム生成器である。いくつかの場合には、光ビーム生成器は、音響光学偏向器を含み、音響光学偏向器は、例えば、ダイレクトデジタルシンセサイザ無線周波数コム発生器に動作可能に結合された音響光学偏向器である。これらの例では、光ビーム生成器は、局部発振ビーム及び複数のコムビーム(例えば、無線周波数シフト局部発振ビーム及び無線周波数シフトコムビーム)を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、光源は、連続波レーザなどのレーザを含む。特定の場合には、システムは、また、光を光検出システムに伝播するための光収集システムを含む。光収集システムは、自由空間光中継システムであり得、または、光ファイバ光中継束などの光ファイバを含み得る。いくつかの実施形態では、システムはフローサイトメータである。
【0005】
本システムは、また、光検出システムの測定光からデータを収集して出力するためのコンピュータプロセッサを含み得る。実施形態では、プロセッサは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを含み得る。メモリには命令が記憶されており、該命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、散乱検出器及び明視野光検出器によって検出された光からデータ信号を生成させる。メモリは、光散乱検出器及び明視野光検出器からのデータ信号に基づいて画像を生成する命令をさらに含み得る。特定の場合には、メモリは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに画像における粒子を識別させる命令を含む。特定の場合には、メモリは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに画像における粒子の種類を区別させる命令を含む。これらの実施形態では、粒子は細胞であり得、本システムは細胞の種類の識別及び区別をするように構成されている。
【0006】
本開示の態様は、また、試料(例えば、フローストリーム中の試料)に光源を照射し、本光検出システムで試料からの光を収集及び検出し、1つ以上の波長で検出された光を測定する方法を含む。いくつかの実施形態では、方法は、複数の周波数シフト光ビームで(例えば、無線周波数シフト局部発振ビーム及び複数の無線周波数シフトコムビームで)フローストリームを照射することを含む。特定の実施形態では、方法は、音響光学装置に無線周波数駆動信号を印加することと、音響光学装置をレーザで照射して、複数の無線周波数シフト光ビームを生成することとを含む。光散乱検出器及び明視野検出器からの光を測定して、データ信号を生成する。いくつかの実施形態では、光散乱検出器及び明視野検出器からのデータ信号は、画像を生成するために使用される。特定の実施形態による方法は、生成された画像における粒子を識別することを含み、いくつかの場合には、画像における粒子(例えば、細胞)が区別される。特定の実施形態では、光は、自由空間光中継システムによって収集され、光検出システムに伝播される。他の実施形態では、光は、光ファイバ光中継束などの光ファイバによって収集され、光検出システムに伝播される。
【0007】
本光検出システムの一つまたは複数のコンポーネントを含むキットも提供される。特定の実施形態によるキットは、光散乱検出器、明視野光検出器、及びビームスプリッタを含む。いくつかの実施形態では、キットは、散乱バー、遮蔽ディスク、光学スリットまたはピンホールなどの一つまたは複数の遮蔽コンポーネントを含む。キットは、また、一つまたは複数のレーザ(例えば、連続波レーザ)、及び複数の周波数シフト光ビームを生成するための光ビーム生成器のコンポーネント(音響光学偏向器やダイレクトデジタルシンセサイザなど)を含み得る。
【0008】
本発明は、添付の図面と併せて読むと、以下の詳細な説明から最もよく理解される。図面に含まれるものは以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】特定の実施形態による、光散乱検出器、明視野光検出器、及びくさび型ビームスプリッタを有する光検出システムを示す図である。
図2】特定の実施形態による、前方光散乱検出器及び明視野光検出器から画像化された未染色のSkBr3乳癌細胞を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
光(例えば、フローストリーム中の光)を測定するための光検出システムについて説明する。実施形態による光検出システムは、光散乱検出器と、明視野光検出器と、光を光散乱検出器及び明視野光検出器に伝えるように構成された光学調整コンポーネントとを含む。試料(例えば、フローストリーム中の試料)によって放出された光を測定するためのシステム及び方法、ならびに光散乱検出器と、明視野光検出器と、ビームスプリッタコンポーネントとを有するキットも提供される。
【0011】
本発明を詳細に説明する前に、本発明は、記載されている特定の実施形態には、かかる実施形態は勿論変わり得るので、それらに限定されないと理解されるべきである。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用される用語は、ある特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。
【0012】
値の範囲が与えられる場合、文脈上別段に明示される場合を除き、その範囲の上限値と下限値との間の、下限値の単位の10分の1までの各介在値と、その記載された範囲内のその他の記載値または介在値とは、本発明に包含されると解される。これらのより小さな範囲の上限値及び下限値は、その小さな範囲に別個に含まれてもよく、これらの値はまた、記載された範囲内のいずれかの具体的に除外された境界値に従うことを条件として、本発明に包含される。記載された範囲が境界値の一方または両方を含む場合、含まれた境界値のいずれかまたは両方を除外する範囲はまた、本発明に含まれる。
【0013】
本明細書において、ある特定の範囲を、数値の前に「約」を付けて提示する。本明細書において、「約」という用語は、それに続く数字そのもの、さらにそれに続く数字に近い、または近似する数をサポートする記載となる。ある数字が、具体的に記載された数字に近いか近似するかの判断は、記載されていない近いまたは近似の数字が、それが提示された文脈において、具体的に記載された数字と実質的に均等の効果を呈し得るかによる。
【0014】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似または同等の任意の方法及び材料を、本発明の実施または試験で使用することもできるが、代表的な、例証となる方法及び材料をここに記載する。
【0015】
本明細書に引用される全ての刊行物及び特許は、個々の刊行物または特許それぞれが、あたかも参照によって援用されるために具体的かつ個別に示されたかのように、参照によって本明細書に援用され、その刊行物が関連して引用される方法及び/または材料を開示して記載するために、参照によって本明細書に援用される。いかなる刊行物の引用も、その本願出願日前の開示に関するものであり、本発明が、先行発明の効力により、そのような刊行物に対して先行していないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供される公開日は、実際の公開日と異なる場合があり、公開日は個別に確認する必要があり得る。
【0016】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上別段に明示されていない限り、複数の指示対象を含むことに留意すべきである。さらに、特許請求の範囲は、任意選択の要素を除外して作成してもよいことに留意すべきである。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の記載に関する「単独で」、「のみ」などのような排他的用語の使用、または「否定的な」限定の使用のための先行詞として機能することが意図されている。
【0017】
本明細書に開示される記載を読めば当業者には明らかなように、本明細書に記載され例示される個々の実施形態のそれぞれは、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に切り離し得る、または他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴と組み合わせ得る、別個の構成要素及び特徴を有する。記載されるいかなる方法も、記載された事象の順序で、または論理的に可能な他の任意の順序で実施することができる。
【0018】
装置及び方法を、上記及び下記において機能的説明によって文法的に滑らかとなるように説明しているが、請求項は、米国特許法第112条に明確に規定されている場合を除き、「手段」または「ステップ」の限定の解釈によって何ら制限されると解釈されるものではなく、判例法による均等論の原則の下で請求項によって提供される定義の意味及び均等物の全範囲に一致するものであり、請求項が米国特許法第112条に明確に規定されている場合、米国特許法第112条の下での完全な法定均等物に一致することが明確に理解される。
【0019】
上記にまとめたように、本開示は、光散乱検出器と、明視野光検出器と、光を前方散乱検出器及び明視野光検出器に伝えるように構成された光学調整コンポーネントとを有する光検出システムを提供する。本開示の実施形態をさらに説明する際に、まず、本発明の実施形態による光検出システムをより詳細に説明する。次に、試料(例えば、フローストリーム中の試料)によって放出された光を測定するためのシステム及び方法を説明する。光散乱検出器と、明視野光検出器と、ビームスプリッタとを有するキットも提供される。
【0020】
[光検出システム]
本開示の態様は、試料(例えば、フローサイトメータのフローストリーム中の試料)によって放出された光を検出するように構成された光検出システムを含む。以下により詳細に説明するように、光検出システムは、光散乱検出器及び明視野光検出器を含み、試料からの光は、光学調整コンポーネントを介して光散乱検出器及び明視野光検出器に伝播される。特定の実施形態では、本光検出システムは、生体試料中の細胞などの試料中の粒子の画像を生成するように構成されている。実施形態では、光学調整コンポーネントは、試料から散乱検出器と明視野光検出器との両方に光を伝えるように構成されている。各コンポーネントに伝播された光の量は、試料の種類及び生成された所望の画像に依存し、いくつかの実施形態では、試料からの光は、20%以下が光学調整コンポーネントを介して明視野光検出器に伝えられ、試料からの光の例えば15%以下、例えば10%以下、例えば5%以下、例えば4%以下、例えば3%以下、例えば2%以下、例えば1%以下が光学調整コンポーネントを介して明視野光検出器に伝えられてもよく、試料からの光の0.5%以下が光学調整コンポーネントを介して明視野光検出器に伝えられてもよい。これらの実施形態では、試料からの光は、80%以上が光散乱検出器に伝えられ、試料からの光の例えば85%以上、例えば90%以上、例えば95%以上、例えば96%以上、例えば97%以上、例えば98%以上、例えば99%以上が光散乱検出器に伝えられてもよく、試料からの光の99.5%以上が光散乱検出器に伝えられてもよい。
【0021】
上記にまとめたように、光検出システムは光散乱検出器を含む。本明細書において、「光散乱」という用語は、その従来通りの意味で使用され、光ビームの反射、屈折または偏向などによって入射ビーム経路から偏向された試料中の粒子(例えば、フローストリーム中を流れる粒子)からの光エネルギーの伝播を指す。実施形態では、散乱光は、入射光照射に対してある角度で検出することができ、当該角度は、例えば5°以上、例えば10°以上、例えば15°以上、例えば20°以上、例えば25°以上、例えば30°以上、例えば45°以上、例えば60°以上、例えば75°以上、例えば90°以上、例えば135°以上、例えば150°以上であってもよく、散乱光検出器は、180°の角度で試料中の粒子からの光を検出するように構成されてもよい。特定の場合には、光散乱検出器は、側方散乱検出器であり、光照射の入射ビームに対して45°から90°の角度で配置され、当該角度は、例えば50°から85°、例えば55°から80°であってもよく、60°から70°であってもよい。特定の場合には、光散乱検出器は、光照射の入射ビームに対して90°の角度で配置された側方散乱検出器である。他の場合には、光散乱検出器は、前方散乱検出器であり、光照射の入射ビームに対して90°から180°の角度で配置され、当該角度は、例えば100°から170°、例えば110°から160°であってもよく、120°から150°であってもよい。
【0022】
光散乱検出器は、任意の適切な光センサであり得、例えば、アクティブピクセルセンサ(APS)、アバランシェフォトダイオード、撮像素子、電荷結合素子(CDD)、強化電荷結合素子(ICCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像素子またはN型金属酸化膜半導体(NMOS)撮像素子、発光ダイオード、光子計数器、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、太陽電池、フォトダイオード、光電増倍管、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体またはフォトダイオードであってもよく、それらの組み合わせであってもよく、他のタイプの光検出器であってもよい。実施形態では、光散乱検出器は、1個以上の光センサを含み得、当該光センサは、例えば2個以上、例えば3個以上、例えば5個以上、例えば10個以上であってもよく、25個以上であってもよい。いくつかの場合には、光散乱検出器は光検出器アレイである。本明細書において、「光検出器アレイ」という用語は、その従来通りの意味で使用され、光を検出するように構成された2つ以上の光検出器の配列またはひと続きを指す。実施形態では、光検出器アレイは、2個以上の光検出器を含み得、例えば3個以上の光検出器、例えば4個以上の光検出器、例えば5個以上の光検出器、例えば6個以上の光検出器、例えば7個以上の光検出器、例えば8個以上の光検出器、例えば9個以上の光検出器、例えば10個以上の光検出器、例えば12個以上の光検出器を含んでもよく、15個以上の光検出器を含んでもよい。特定の実施形態では、光検出器アレイは5個の光検出器を含む。光検出器は、必要に応じて任意の幾何学的配置に並んでもよく、対象の配列としては、正方形配置、長方形配置、台形配置、三角形配置、六角形配置、七角形配置、八角形配置、九角形配置、十角形配置、十二角形配置、円形配置、楕円形配置、及び不規則形状配置があるが、これらに限定されない。光散乱光検出器アレイにおける光検出器は、(XZ平面内で参照されるように)他方に対して10°~180°の範囲の角度で配向され、当該角度の範囲は、例えば15°~170°、例えば20°~160°、例えば25°~150°、例えば30°~120°であってもよく、45°~90°であってもよい。
【0023】
本開示の光検出システムは、また、明視野光検出器を含む。本明細書において、「明視野」という用語は、その従来通りの意味で使用され、透過光の検出を指し、例えば、検出された光のコントラストが、試料中の粒子による透過光の減衰によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、明視野光検出器は光損失検出器である。本明細書において、「光損失」という用語は、その従来通りの意味で使用され、例えばフローストリーム中の試料における粒子(例えば、細胞)による光減衰を測定するように構成される光学センサを指す。
【0024】
明視野光検出器には、任意の適切な光検出器プロトコルを使用することができ、例えば、アクティブピクセルセンサ(APS)、アバランシェフォトダイオード、撮像素子、電荷結合素子(CCD)、強化電荷結合素子(ICCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像素子またはN型金属酸化膜半導体(NMOS)撮像素子、発光ダイオード、光子計数器、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、太陽電池、フォトダイオード、光電増倍管、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体またはフォトダイオードであってもよく、それらの組み合わせであってもよく、他のタイプの光検出器であってもよい。実施形態では、明視野光検出器は、1個以上の光センサを含み得、当該光センサは、例えば2個以上、例えば3個以上、例えば5個以上、例えば10個以上であってもよく、25個以上であってもよい。いくつかの場合には、明視野光検出器は、2個以上の光検出器から構成された光検出器アレイであり、当該光検出器アレイは、例えば3個以上の光検出器、例えば4個以上の光検出器、例えば5個以上の光検出器、例えば6個以上の光検出器、例えば7個以上の光検出器、例えば8個以上の光検出器、例えば9個以上の光検出器、例えば10個以上の光検出器、例えば12個以上の光検出器から構成されてもよく、15個以上の光検出器から構成されてもよい。なお、明視野光検出器がアレイである場合、光検出器は、例えば、正方形配置、長方形配置、台形配置、三角形配置、六角形配置、七角形配置、八角形配置、非角形配置、十角形配置、十二角形配置、円形配置、楕円形配置、及び不規則形状配置などの任意の幾何学的配置で並んでもよい。明視野光検出器アレイにおける光検出器は、(XZ平面内で参照されるように)他方に対して10°から180°の範囲の角度で配向され、当該角度の範囲は、例えば15°から170°、例えば20°から160°、例えば25°から150°、例えば30°から120°であってもよく、45°から90°であってもよい。
【0025】
光散乱検出及び明視野光検出器に光を伝えるために使用される光学調整コンポーネントによって、光散乱検出器及び明視野光検出器は、互いに様々な角度で配置され得る。例えば、光散乱検出器及び明視野光検出器は、5°から90°の角度範囲で配置され得、当該角度範囲は、例えば10°から85°、例えば15°から80°、例えば20°から75°、例えば25°から70°、例えば30°から65°、例えば35°から60°であってもよく、45°から60°であってもよい。特定の実施形態では、光散乱検出器は、明視野光検出器に対して直交するように配置されている。
【0026】
本開示の光散乱検出器及び明視野光検出器は、1個以上の波長で収集された光を測定するように構成され、該波長は、例えば2個以上の異なる波長、例えば5個以上の異なる波長、例えば10個以上の異なる波長、例えば25個以上の異なる波長、例えば50個以上の異なる波長、例えば100個以上の異なる波長、例えば200個以上の異なる波長、例えば300個以上の異なる波長であってもよく、400個以上の異なる波長でフローストリーム中の試料によって放出された光を測定するように構成されもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、本光検出器は、ある波長の範囲(例えば200nm~1000nm)にわたって収集された光を測定するように構成されている。特定の実施形態では、対象の検出器は、ある波長の範囲にわたって収集された光のスペクトルを収集するように構成されている。例えば、システムは、200nm~1000nmの1つ以上の波長範囲にわたって光のスペクトルを収集するように構成されている1つ以上の検出器を含んでもよい。さらに他の実施形態では、対象の検出器は、1つ以上の特定波長でフローストリーム中の試料によって放出された光を測定するように構成されている。実施形態では、光検出システムは、連続的に、または離散的な間隔で光を測定するように構成されている。いくつかの場合には、対象の検出器は、収集された光を連続的に測定するように構成されている。他の場合には、光検出システムは、離散的な間隔で光を測定するように構成され、例えば、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎に光を測定してもよく、1000ミリ秒毎に光を測定してもよく、または、他の間隔で光を測定してもよい。
【0028】
本開示の実施形態では、光検出システムは、光散乱検出器及び明視野光検出器に光を伝えるように構成された光学調整コンポーネントを含む。本明細書において、「光学調整」という用語は、従来通りの意味で使用され、光散乱検出器及び明視野光検出器に伝播される光を変更または調整する光学コンポーネントを指す。例えば、光学調整は、光ビームのプロファイル、光ビームの焦点、ビーム伝播の方向を変更し、または、光ビームをコリメートすることができる。特定の実施形態では、光学調整は、収集された光(例えば、フローストリーム中の試料からの光)の一部が光散乱検出器に伝播されるが、収集された光の他の一部が明視野光検出器に伝播されるように、光ビームを分割することを含む。
【0029】
上記のように、本光検出システムにおける明視野光検出器に伝播される光の量は変化し得、いくつかの実施形態では、収集された光の50%以下は光学調整コンポーネントを介して明視野光検出器に伝えられる。光検出システムによって収集された光の例えば45%以下、例えば40%以下、例えば35%以下、例えば30%以下、例えば25%以下、例えば20%以下、例えば15%以下、例えば10%以下、及び5%以下は、光学調整コンポーネントを介して明視野光検出器に伝えられる。例えば、光学調整コンポーネントを介して明視野光検出器に伝播される、(例えば、フローストリーム中の試料から)収集された光の量は、1%から75%の範囲であり得、当該範囲は、例えば2%から70%、例えば3%から65%、例えば4%から60%であってもよく、5%から50%であってもよい。
【0030】
光学調整コンポーネントを介して光散乱検出器に伝播される光の量も変化し得、いくつかの実施形態では、収集された光の50%以上は光散乱検出器に伝えられる。光学調整コンポーネントを介して光散乱検出器に伝えられる光の量は、本光検出システムによって収集された光の例えば55%以上、例えば60%以上、例えば65%以上、例えば75%以上、例えば80%以上、例えば90%以上であってもよく、95%以上であってもよい。例えば、光学調整コンポーネントを介して光散乱検出器に伝播される光の量は、25%から99%の範囲であり得、当該範囲は、例えば30%から95%、例えば35%から90%、例えば40%から85%、例えば45%から80%であってもよく、50%から75%であってもよい。特定の実施形態では、収集された光の10%は、明視野光検出器に伝播されるが、収集された光の90%は、光散乱検出器に伝播される。
【0031】
いくつかの実施形態では、光学調整コンポーネントはビームスプリッタである。本明細書において、「ビームスプリッタ」という用語は、その従来通りの意味で使用され、2つ以上の異なる光路に沿って光ビームを伝播させて、光の所定の部分を各光路に沿って伝播させるように構成された光学コンポーネントを指す。任意の適宜な光ビーム分割プロトコルは、使用され得、例えば三角プリズム、スライバーミラープリズム、ダイクロイックミラープリズム、他のタイプのビームスプリッタであってもよい。ビームスプリッタは、所望の量及び波長の光を光散乱検出器及び明視野光検出器に伝播できるものであれば、任意の適切な材料から形成することができる。例えば、対象のビームスプリッタは、ガラス(たとえば、N-SF10、N-SF11、N-SF57、N-BK7、N-LAK21、またはN-LAF35ガラス)、シリカ(たとえば、溶融シリカ)、石英、結晶(例えば、CaF結晶)、セレン化亜鉛(ZnSe)、F、ゲルマニウム(Ge)チタン酸塩(例えば、S-TIH11)、ホウケイ酸塩(例えば、BK7)から形成することができる。特定の実施形態では、ビームスプリッタは、高分子材料から形成される。高分子材料は、例えば、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、または、PETG(グリコール修飾ポリエチレンテレフタレート)などのこれらの熱可塑性プラスチックの共重合体、及び他の高分子プラスチック材料を含むが、これらに限らない。特定の実施形態では、ビームスプリッタは、ポリエステルから形成され、対象のポリエステルは、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ボトルグレードのPET(モノエチレングリコール、テレフタル酸、及び例えばイソフタル酸、シクロヘキセンジメタノールなどの他のコモノマーに基づいて作られた共重合体)、ポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)、及びポリ(ヘキサメチレンテレフタレート)などのポリ(アルキレンテレフタレート);ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1,4-ブチレンアジペート)、及びポリ(ヘキサメチレンアジペート)などのポリ(アルキレンアジペート);ポリ(エチレンスベリン酸)などのポリ(アルキレンスベリン酸);ポリ(エチレンセバケート)などのポリ(アルキレンセバケート);ポリ(ε-カプロラクトン)及びポリ(β-プロピオラクトン);ポリ(エチレンイソフタレート)などのポリ(アルキレンイソフタレート);ポリ(エチレン2,6-ナフタレンジカルボキシレート)などのポリ(アルキレン2,6-ナフタレンジカルボキシレート);ポリ(エチレンスルホニル-4、4′-ジベンゾエート)などのポリ(アルキレンスルホニル-4、4′-ジベンゾエート);ポリ(p-フェニレンエチレンジカルボキシレート)などのポリ(p-フェニレンアルキレンジカルボキシレート);ポリ(トランス-1,4-シクロヘキサンジイルエチレンジカルボキシレート)などのポリ(トランス-1,4-シクロヘキサンジイルアルキレンジカルボキシレート);ポリ(1、4-シクロヘキサン-ジメチレンエチレンジカルボキシレート)などのポリ(1、4-シクロヘキサン-ジメチレンアルキレンジカルボキシレート);ポリ([2.2.2]-ビシクロオクタン-1、4-ジメチレンエチレンジカルボキシレート)などのポリ([2.2.2]-ビシクロオクタン-1、4-ジメチレンアルキレンジカルボキシレート);(S)-ポリラクチド、(R、S)-ポリラクチド、ポリ(テトラメチルグリコリド)、及びポリ(ラクチド-co-グリコリド)などの乳酸ポリマー及びコポリマー;並びに、ビスフェノールA、3,3′-ジメチルビスフェノールA、3,3′,5,5′-テトラクロロビスフェノールA、3,3′,5,5′-テトラメチルビスフェノールAのポリカーボネート;ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)などのポリアミド;ポリエチレンテレフタレート(例えば、MylarTMポリエチレンテレフタレート)、それらの組み合わせなどを含み得るが、これらに限らない。
【0032】
特定の実施形態では、光学調整コンポーネントは、くさび型ビームスプリッタである。これらの実施形態では、ビームスプリッタは、くさび角を有するビームスプリッタであり、くさび型ビームスプリッタを介して収集された光の伝播が、一つまたは複数の光散乱検出器及び明視野光検出器に伝播される光の角度に小さな変化をもたらすように、非共線性後方反射を生じさせる。本開示の実施形態によるくさび型ビームスプリッタは、くさび角を有し、収集された光の入射角の変化が、伝播される光の角度に0.001%以上の偏差をもたらし、当該偏差は、例えば0.005%以上、例えば0.01%以上、例えば0.05%以上、例えば0.1%以上、例えば0.5%以上、例えば1%以上、例えば2%以上、例えば3%以上、例えば5%以上であってもよく、10%以上であってもよい。いくつかの実施形態では、くさび型ビームスプリッタは、5分から120分のくさび角を有し、当該くさび角は、例えば10分から115分、例えば15分から110分、例えば20分から105分、例えば25分から100分、例えば30分から105分、例えば35分から100分、例えば40分から95分であってもよく、45分から90分であってもよい。特定の実施形態では、くさび型ビームスプリッタは、光の干渉の低減または排除に十分なくさび角を有する。他の実施形態では、くさび型ビームスプリッタは、明視野光検出器による測定光からの画像アーチファクトの低減または除去に十分なくさび角を有する。
【0033】
いくつかの実施形態では、くさび型ビームスプリッタは、150nmから5μmの透過窓を有し、波長範囲は、180nmから8μm、185nmから2.1μm、200nmから6μm、200nmから11μm、250nmから1.6μm、350nmから2μm、600nmから16μm、1.2μmから8μm、2μmから16μm、または他の波長範囲であってもよい。
【0034】
対象のビームスプリッタは、必要に応じて、光散乱検出器及び明視野光検出器に伝播する光の量を分割するように構成され得る。実施形態では、ビームスプリッタは、明視野光検出器及び光散乱検出器の間での光分割比が1:99から99:1であり、ビーム分割比は、例えば5:95から95:5、例えば10:90から90:10、例えば20:80から80:20、例えば25:75から75:25であってもよく、50:50であってもよい。特定の実施形態では、ビームスプリッタは10:90のビームスプリッタであり、光の10%を明視野光検出器に伝播し、光の90%を光散乱検出器に伝播する。
【0035】
いくつかの実施形態では、ビームスプリッタの空間位置は、例えば手動(手で)またはモータ駆動の変位装置で調整可能である。例えば、ビームスプリッタの角度は、本光検出システムにおいて、5°以上調整可能であり、当該角度は、例えば10°以上、例えば15°以上、例えば20°以上、例えば30°以上、例えば45°以上、例えば60°以上であってもよく、75°以上であってもよい。特定の場合には、ビームスプリッタの空間位置は、光検出システムにおいて、例えば1mm以上、例えば5mm以上、例えば10mm以上、及び25mm以上調整可能である。例えば、モータ駆動変位ステージ、モータ駆動親ねじアセンブリ、ステッピングモータを使用したモータ駆動のギア作動装置、サーボモータ、ブラシレス電動モータ、ブラシ付きDCモータ、マイクロステップドライブモータ、高解像度ステッピングモータ、その他のタイプのモータなど、任意の適宜なモータ駆動アクチュエータを使用することができる。一例では、ビームスプリッタの水平位置もしくは垂直位置、または配向角度は、モータ駆動変位装置で調整可能である。
【0036】
いくつかの実施形態では、光学調整コンポーネントからの光は、遮蔽コンポーネントを介して明視野光検出器に伝播される。これらの実施形態では、遮蔽コンポーネントは、明視野光検出器に伝えられる光の量を減少させるように構成されており、例えば明視野光検出器に伝えられる光の量を1%以上減少させ、例えば5%以上、例えば10%以上、例えば25%以上、例えば40%以上減少させてもよく、50%以上減少させてもよい。任意の適宜な遮蔽プロトコルを使用することができ、光学アパーチャ(例えば、ピンホール)またはスリットを含むが、これらに限らない。光学アパーチャのサイズは必要に応じて変化してもよく、対象のアパーチャは、0.001mmから10mmの範囲であり、当該範囲は、例えば0.005mmから9.5mm、例えば0.01mmから9mm、例えば0.05mmから8.5mm、例えば0.1mmから8mm、例えば0.5mmから7.5mmであってもよく、1mmから5mmであってもよい。対象の遮蔽スリットは、同様に、スリットの幅が0.001mmから10mmの範囲で変化してもよい。当該範囲は、例えば0.005mmから9.5mm、例えば0.01mmから9mm、例えば0.05mmから8.5mm、例えば0.1mmから8mm、例えば0.5mmから7.5mmであってもよく、1mmから5mmであってもよい。遮蔽スリットの長さは、明視野光検出器に伝播される光の幅に応じて変えることができ、1mmから50mmの範囲であり得、当該範囲は、例えば2mmから45mm、例えば3mmから40mm、例えば4mmから35mmであってもよく、5mmから25mmであってもよい。
【0037】
特定の実施形態では、光は、同様に、一つまたは複数の遮蔽コンポーネントを介して光散乱検出器に伝播され、遮蔽コンポーネントは、例えば、散乱バーまたは遮蔽ディスクである。遮蔽コンポーネントは、光散乱検出器に伝えられる光の量を減少させるために使用され、対象の断面形状が任意の適宜な形状であればよく、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線的な断面形状と、例えば円形、楕円形などの曲線の断面形状と、たとえば、放物線の底部が平面の上部に結合された形状などの不規則な形状とを含むが、これらに限らない。いくつかの実施形態では、遮蔽コンポーネントは円形である。他の実施形態では、遮蔽コンポーネントは楕円形である。さらに他の実施形態では、遮蔽コンポーネントは正方形または長方形などの多角形である。遮蔽コンポーネントの幅は、変化し得、いくつかの例において、1mmから25mmの範囲であり、当該範囲は、例えば2mmから22mm、例えば3mmから20mm、例えば4mmから17mmであってもよく、5mmから15mmであってもよい。各遮蔽コンポーネントの長さは、1mmから50mmの範囲であり、当該範囲は、例えば2mmから45mm、例えば3mmから40mm、例えば4mから35mm、例えば5mmから30mmであってもよく、10mmから20mmであってもよい。
【0038】
いくつかの場合には、収集された光の光学調整は、光をコリメートすることをさらに含む。本明細書において、「コリメート」という用語は、その従来通りの意味で使用され、光伝播の共線性を光学的に調整すること、または共通の伝播軸からの光による発散を減らすことを指す。いくつかの場合には、コリメートは、光ビームの空間断面を狭めることを含み、他の場合には、光学調整は光ビームの方向を変えることを含み、例えば、光ビームの伝播方向を1°以上変えることを含み、光ビームの伝播方向を、例えば5°以上、例えば10°以上、例えば15°以上、例えば20°以上、例えば25°以上、例えば30°以上、例えば45°以上、例えば60°以上、例えば75°以上変えることを含んでもよく、また、光ビームの伝播方向を90°以上変えることを含んでもよい。さらに他の場合には、光学調整は、光(例えば、ビームスポット)の寸法を減少するための縮小プロトコルであり、例えば、寸法を5%以上、例えば10%以上、例えば25%以上、例えば50%以上減少することを含んでもよく、75%以上減少することを含んでもよい。
【0039】
図1は、本開示の特定の実施形態による、光散乱検出器と、明視野光検出器と、くさび型ビームスプリッタとを有する光検出システムを示す。光収集システム100は、フローセル112からの光を、非球面レンズ111を介して受け取って、ミラー110によってくさび型ビームスプリッタ101に伝播するように構成されている。くさび型ビームスプリッタ101は、光の一部を、遮蔽ディスク106、レンズ105及びフィルタ104を介して、前方光散乱検出器102に伝える。また、くさび型ビームスプリッタ101は、光の一部を、アパーチャ109、レンズ108及びフィルタ107を介して、直交的に明視野光検出器103に伝える。
【0040】
いくつかの実施形態では、本光検出システムによって受け取られた光は、光学収集システムによって伝えられ得る。光学収集システムは、光を収集して導く任意の適切な光収集プロトコルであり得る。いくつかの実施形態では、光学収集システムは、光ファイバ光中継束などの光ファイバを含む。他の実施形態では、光学収集システムは自由空間光中継システムである。
【0041】
実施形態では、光学収集システムは、接着剤などで光検出システムに物理的に結合されてもよいし、光検出システムと一体成形されてもよいし、または光検出システムに統合されてもよい。特定の実施形態では、光学収集システム及び光検出システムは、単一のユニットに統合されている。いくつかの場合には、光学収集システムは、光学収集システムを光検出システムに固定するコネクタで、光検出システムに結合されている。当該コネクタは、例えば、面ファスナー、磁石、ラッチ、ノッチ、皿穴、ざぐり穴、溝、ピン、テザー、ヒンジ、ベルクロ(登録商標)、非永久接着剤、または、それらの組み合わせである。
【0042】
他の実施形態では、光検出システム及び光学収集システムは、光通信を行うが、物理的に接触していない。実施形態では、光学収集システムは、光検出システムから0.001mm以上の位置に配置され、光検出システムから例えば0.005mm以上、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば10mm以上、例えば25mm以上、例えば50mm以上の位置に配置されてもよく、100mm以上の位置に配置されてもよい。
【0043】
特定の実施形態では、光学収集システムは光ファイバを含む。例えば、光学収集システムは光ファイバ光中継束であり得、光が光ファイバ光中継束を介して光検出システムに伝えられる。光を光検出システムに伝播するために、任意の光ファイバ光中継システムを使用することができる。特定の実施形態では、光を光検出システムに伝播させるための適切な光ファイバ光中継システムは、例えば、米国特許第6,809,804号明細書に記載されているような光ファイバ光中継システムを含むが、これらに限らない。米国特許第6,809,804号明細書の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
他の実施形態では、光学収集システムは自由空間光中継システムである。本明細書において、「自由空間光中継」という用語は、その従来通りの意味で使用され、一つまたは複数の光学コンポーネントの構成を使用して自由空間を介して光を光検出システムに導く光伝播を指す。特定の実施形態では、自由空間光中継システムは、近端及び遠端を有するハウジングを含み、近端は光検出システムに結合される。自由空間中継システムは、異なる光学調整コンポーネントの任意の組み合わせを含み得、例えば、一つまたは複数のレンズ、ミラー、スリット、ピンホール、波長分離器、または、それらの組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、対象の自由空間光中継システムは、一つまたは複数の集束レンズを含む。他の実施形態では、本自由空間光中継システムは、一つまたは複数のミラーを含む。さらに他の実施形態では、自由空間光中継システムは、コリメートレンズを含む。特定の実施形態では、光検出システムに光を伝播するための適切な自由空間光中継システムは、例えば米国特許第7,643,142号明細書、米国特許第7,728,974号明細書、及び米国特許第8,223,445号明細書に記載されているような光中継システムを含むが、これらに限らない。これらの米国特許の開示は参照により本明細書に取り込まれる。
【0045】
[試料からの光を測定するためのシステム]
本開示の様態は、また、試料(例えば、フローサイトメータにおけるフローストリーム中の試料)からの光を測定するためのシステムを含む。特定の実施形態では、システムは、光源と、光検出システムとを含む。光検出システムは、上記のように、光散乱検出器と、明視野光検出器と、光を光散乱検出器及び明視野光検出器に伝えるように構成された光学調整コンポーネントとを含む。いくつかの実施形態では、システムはフローサイトメータである。いくつかの場合には、光散乱検出器と、明視野光検出器と、光学調整コンポーネントとを有する光検出システムは、フローサイトメータに取り外し不可能に統合されている。特定の実施形態では、光検出システムは、光学収集システム(例えば、光ファイバまたは自由空間光中継システム)を介して、試料源(例えば、フローサイトメータにおけるフローストリーム)との光通信を行う。
【0046】
試料からの光を測定するための対象のシステムは、光源を含む。実施形態では、光源は、任意の適切な広帯域または狭帯域の光源であり得る。試料(例えば、細胞、ビーズ、非細胞粒子など)中の成分に応じて、光源は、200nmから1500nmの範囲で変化する波長の光を放出するように構成され得る。波長の範囲は、例えば250nmから1250nm、例えば300nmから1000nm、例えば350nmから900nmであってもよく、400nmから800nmであってもよい。例えば、光源は、200nmから900nmの波長の光を放出する広帯域光源を含み得る。他の場合には、光源は、200nmから900nmの範囲の波長を放出する狭帯域光源を含む。例えば、光源は、波長の範囲が200nmから900nmの光を放出する狭帯域LED(1nm~25nm)であり得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、光源はレーザである。対象のレーザは、パルスレーザまたは連続波レーザを含み得る。例えば、レーザは、ガスレーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、固体レーザ、半導体ダイオードレーザ、光ポンピング半導体レーザ(OPSL)、または、上記の任意のレーザの周波数の2倍もしくは3倍で実現されるレーザであり得る。上記ガスレーザは、例えば、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、もしくはキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。上記色素レーザは、例えば、スチルベン、クマリン、またはローダミンレーザであってもよい。上記金属蒸気レーザは、例えば、ヘリウムカドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム水銀(HeHg)レーザ、ヘリウムセレン(HeSe)レーザ、ヘリウム銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、もしくは金レーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。上記固体レーザは、例えば、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、ツリウムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Ybレーザ、もしくはセリウムドープレーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。
【0048】
他の実施形態では、光源はランプなどの非レーザ光源であり、例えば、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、発光ダイオード、広帯域連続スペクトルLED、スーパールミネッセント発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED統合光源を含むが、これらに限らない。いくつかの場合には、非レーザ光源は、安定化ファイバ結合広帯域光源、白色光源、その他の光源、または、それらの任意の組み合わせである。
【0049】
特定の実施形態では、光源は、2つ以上の周波数シフト光ビームを生成するように構成された光ビーム生成器である。いくつかの場合には、光ビーム生成器は、レーザ、無線周波数発生器を含み、該無線周波数発生器は、無線周波数駆動信号を音響光学素子に印加して2つ以上の角度偏向レーザビームを生成するように構成されている。これらの実施形態では、レーザは、パルスレーザまたは連続波レーザであり得る。例えば、対象の光ビーム生成器におけるレーザは、ガスレーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、または固体レーザであり得る。上記ガスレーザは、例えば、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、もしくはキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。上記色素レーザは、例えば、スチルベン、クマリン、またはローダミンレーザであってもよい。上記金属蒸気レーザは、例えば、ヘリウムカドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム水銀(HeHg)レーザ、ヘリウムセレン(HeSe)レーザ、ヘリウム銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、もしくは金レーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。上記固体レーザは、例えば、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、ツリウムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Ybレーザ、もしくはセリウムドープレーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。
【0050】
音響光学素子は、印加された音波を使用してレーザ光を周波数シフトするように構成された任意の適宜な音響光学プロトコルであり得る。特定の実施形態では、音響光学素子は音響光学偏向器である。本システムにおける音響光学素子は、レーザからの光及び印加された無線周波数駆動信号から、角度偏向レーザビームを生成するように構成されている。無線周波数駆動信号は、ダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)、任意波形発生器(AWG)、または電気パルス発生器などの適切な無線周波数駆動信号源によって音響光学素子に印加され得る。
【0051】
実施形態では、コントローラは、無線周波数駆動信号を音響光学素子に印加して、出力レーザビームにおいて所望の数の角度偏向レーザビームを生成するように構成されており、例えば、3以上の無線周波数駆動信号を印加するように構成されており、例えば4以上の無線周波数駆動信号、例えば5以上の無線周波数駆動信号、例えば6以上の無線周波数駆動信号、例えば7以上の無線周波数駆動信号、例えば8以上の無線周波数駆動信号、例えば9以上の無線周波数駆動信号、例えば10以上の無線周波数駆動信号、例えば15以上の無線周波数駆動信号、例えば25以上の無線周波数駆動信号、例えば50以上の無線周波数駆動信号を印加するように構成されてもよく、100以上の無線周波数駆動信号を印加するように構成されてもよい。
【0052】
いくつかの場合には、出力レーザビームにおける角度偏向レーザビームの強度分布を生成するために、コントローラは、例えば約0.001Vから約500Vまで変化する振幅を有する無線周波数駆動信号を印加するように構成されており、当該振幅は、例えば約0.005Vから約400Vまで、例えば約0.01Vから約300Vまで、例えば約0.05Vから約200Vまで、例えば約0.1Vから約100Vまで、例えば約0.5Vから約75Vまで、例えば約1Vから50Vまで、例えば約2Vから40Vまで、例えば3Vから約30Vまで変化してもよく、約5Vから約25Vまで変化してもよい。いくつかの実施形態では、印加される各無線周波数駆動信号は、約0.001MHzから約500MHzまでの周波数を有し、該周波数は、例えば約0.005MHzから約400MHzまで、例えば約0.01MHzから約300MHzまで、例えば約0.05MHzから約200MHzまで、例えば約0.1MHzから約100MHzまで、例えば約0.5MHzから約90MHzまで、例えば約1MHzから約75MHzまで、例えば約2MHzから約70MHzまで、例えば約3MHzから約65MHzまで、例えば約4MHzから約60MHzまでであってもよく、約5MHzから約50MHzまでであってもよい。
【0053】
特定の実施形態では、コントローラはプロセッサを有し、該プロセッサは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有し、該メモリには命令が記憶されており、該命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに出力レーザビームを生成させ、該出力レーザビームには、所望の強度分布を有する角度偏向レーザビームがある。例えば、メモリは、同じ強度を有する2個以上の角度偏向レーザビームを生成させる命令を含み得、該レーザビームは、例えば3個以上、例えば4個以上、例えば5個以上、例えば10個以上、例えば25個以上、例えば50個以上であってもよい。メモリは、同じ強度を有する100個以上の角度偏向レーザビームを生成させる命令を含み得る。他の実施形態では、異なる強度を有する2個以上の角度偏向レーザビームを生成させる命令を含み得、該レーザビームは、例えば3個以上、例えば4個以上、例えば5個以上、例えば10個以上、例えば25個以上、例えば50個以上であってもよい。メモリは、異なる強度を有する100個以上の角度偏向レーザビームを生成させる命令を含んでもよい。
【0054】
特定の実施形態では、コントローラはプロセッサを有し、該プロセッサは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有し、該メモリには命令が記憶されており、該命令は、プロセッサによって実行されると、出力レーザビームをプロセッサに生成させ、該出力レーザビームは、横軸に沿って出力レーザビームの中心から端部に向かって強度が増加する。これらの例では、横軸に沿って、出力レーザビームの中心における角度偏向レーザビームの強度は、出力レーザビームの端部における角度偏向レーザビームの強度の0.1%から約99%の範囲にあり得る。該範囲は、例えば0.5%から約95%、例えば1%から約90%、例えば約2%から約85%、例えば約3%から約80%、例えば約4%から約75%、例えば約5%から約70%、例えば約6%から約65%、例えば約7%から約60%、例えば約8%から約55%であってもよい。横軸に沿って、出力レーザビームの中心における角度偏向レーザビームの強度は、出力レーザビームの端部における角度偏向レーザビームの強度の約10%から約50%であってもよい。他の実施形態では、コントローラはプロセッサを有し、該プロセッサはプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有し、該メモリには命令が記憶されており、該命令は、プロセッサによって実行されると、出力レーザビームをプロセッサに生成させ、該出力レーザビームは、横軸に沿って出力レーザビームの端部から中心に向かって強度が増加する。これらの例では、横軸に沿って、出力レーザビームの端部における角度偏向レーザビームの強度は、出力レーザビームの中心における角度偏向レーザビームの強度の0.1%から約99%の範囲にあり得る。該範囲は、例えば0.5%から約95%、例えば1%から約90%、例えば約2%から約85%、例えば約3%から約80%、例えば約4%から約75%、例えば約5%から約70%、例えば約6%から約65%、例えば約7%から約60%、例えば約8%から約55%であってもよい。横軸に沿って、出力レーザビームの端部における角度偏向レーザビームの強度は、出力レーザビームの中心における角度偏向レーザビームの強度の約10%から約50%であってもよい。さらに他の実施形態では、コントローラはプロセッサを有し、該プロセッサはプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有し、該メモリには命令が記憶されており、該命令は、プロセッサによって実行されると、横軸に沿ってガウス分布を有する強度分布を有する出力レーザビームをプロセッサに生成させる。さらに他の実施形態では、コントローラはプロセッサを有し、該プロセッサはプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有し、該メモリには命令が記憶されており、該命令は、プロセッサによって実行されると、横軸に沿ってトップハットの強度分布を有する出力レーザビームをプロセッサに生成させる。
【0055】
実施形態では、対象の光ビーム生成器は、出力レーザビームにおいて空間的に離れた角度偏向レーザビームを生成するように構成され得る。印加された無線周波数駆動信号及び出力レーザビームの所望の照射分布に応じて、角度偏向レーザビームの間隔は、0.001μm以上であり得る。該間隔は、例えば0.005μm以上、例えば0.01μm以上、例えば0.05μm以上、例えば0.1μm以上、例えば0.5μm以上、例えば1μm以上、例えば5μm以上、例えば10μm以上、例えば100μm以上、例えば500μm以上、例えば1000μm以上であってもよく、5000μm以上であってもよい。いくつかの実施形態では、システムは、出力レーザビームにおいて、例えば出力レーザビームの横軸に沿って隣接する角度偏向レーザビームのような、重なり合う角度偏向レーザビームを生成するように構成されている。隣接する角度偏向レーザビーム間の重なり合い(例えばビームスポット間の重なり合い)は、0.001μm以上の重なり合いであり得る。該重なり合いは、例えば0.005μm以上の重なり合い、例えば0.01μm以上の重なり合い、例えば0.05μm以上の重なり合い、例えば0.1μm以上の重なり合い、例えば0.5μm以上の重なり合い、例えば1μm以上の重なり合い、例えば5μm以上の重なり合い、例えば10μm以上の重なり合いであってもよく、100μm以上の重なり合いであってもよい。
【0056】
特定の場合には、周波数シフト光ビームを2つ以上生成するように構成されている光ビーム生成器は、米国特許第9,423,353号明細書、米国特許第9,784,661号明細書、米国特許第10,006,852号明細書、米国特許出願公開第2017/0133857号明細書、及び米国特許出願公開第2017/0350803号明細書に記載されたレーザ励起モジュールを含む。これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0057】
特定の実施形態では、システムは、さらに、フローストリーム中で試料を伝搬するように構成されたフローセルを含む。流体試料を試料検査領域に伝搬する任意の適宜なフローセルを使用することができる。いくつかの実施形態では、フローセルは、長手方向軸を定義する近端円筒形部分と、長手方向軸を横切る開口部を有する平坦な表面で終わる遠端円錐台形部分とを含む。近端円筒形部分の長さ(長手方向軸に沿って測定された長さ)は、1mmから15mmの範囲で変化し得る。該長さの変化範囲は、例えば1.5mmから12.5mm、例えば2mmから10mm、例えば3mmから9mmであってもよく、4mmから8mmであってもよい。遠端円錐台形部分の長さ(長手方向軸に沿って測定された長さ)は、同様に、1mmから10mmの範囲で変化し得る。該長さの変化範囲は、例えば2mmから9mm、例えば3mmから8mmであってもよく、4mmから7mmであってもよい。フローセルノズルチャンバの直径は、いくつかの実施形態では、1mmから10mmの範囲で変化し得る。該直径の変化範囲は、例えば2mmから9mm、例えば3mmから8mmであってもよく、4mmから7mmであってもよい。
【0058】
特定の場合には、フローセルは、円筒形部分を含まず、フローセルの内部チャンバ全体が円錐台形である。これらの実施形態では、円錐台形の内部チャンバの長さ(ノズル開口部を横切る長手方向軸に沿って測定された長さ)は、1mmから15mmの範囲であり得る。該範囲は、例えば1.5mmから12.5mm、例えば2mmから10mm、例えば3mmから9mmであってもよく、4mmから8mmであってもよい。円錐台形の内部チャンバの近端部分の直径は、1mmから10mmの範囲であり得る。該範囲は、例えば2mmから9mm、例えば3mmから8mmであってもよく、4mmから7mmであってもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、試料フローストリームは、フローセルの遠端における開口部から出る。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルの開口部は、任意の適切な形状であり得る。対象の断面形状は、例えば正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線的な断面形状と、例えば円形、楕円形などの曲線の断面形状と、例えば放物線の底部が平面の上部に結合された形状などの不規則な形状とを含むが、これらに限らない。特定の実施形態では、対象のフローセルは、円形の開口部を有する。ノズル開口部のサイズは、いくつかの実施形態では、1μmから20000μmの範囲で変化し得る。該サイズの変化範囲は、例えば2μmから17500μm、例えば5μmから15000μm、例えば10μmから12500μm、例えば15μmから10000μm、例えば25μmから7500μm、例えば50μmから5000μm、例えば75μmから1000μm、例えば100μmから750μmであってもよく、150μmから500μmであってもよい。特定の実施形態では、ノズル開口部は100μmである。
【0060】
いくつかの実施形態では、フローセルは、試料をフローセルに提供するように構成された試料注入口を含む。実施形態では、試料注入システムは、試料の適切なフローをフローセル内部チャンバに提供するように構成されている。フローストリームの所望の特性に応じて、試料注入口によってフローセルチャンバに運ばれる試料の流量は、1μL/分以上であり得る。該流量は、例えば2μL/分以上、例えば3μL/分以上、例えば5μL/分以上、例えば10μL/分以上、例えば15μL/分以上、例えば25μL/分以上、例えば50μL/分以上であってもよく、100μL/分以上であってもよい。いくつかの場合には、試料注入口によってフローセルャンバーに運ばれる試料の流量は、1μL/秒以上であり、例えば2μL/秒以上、例えば3μL/秒以上、例えば5μL/秒以上、例えば10μL/秒以上、例えば15μL/秒以上、例えば25μL/秒以上、例えば50μL/秒以上であってもよく、100μL/秒以上であってもよい。
【0061】
試料注入口は、内部チャンバの壁に配置された開口部であってもよく、内部チャンバの近端に配置された導管であってもよい。試料注入口が内部チャンバの壁に配置された開口部である場合、試料注入口の開口部は、任意の適切な形状であり得る。対象の断面形状は、例えば正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線的な断面形状と、例えば円形、楕円形などの曲線の断面形状と、例えば放物線の底部が平面の上部に結合された形状などの不規則な形状とを含むが、これらに限らない。特定の実施形態では、試料注入口は円形の開口部を有する。試料注入口の開口部のサイズは、形状に応じて変化し得、特定の場合には、0.1mmから5.0mmの範囲の開口を有し、該開口の範囲は、例えば0.2から3.0mm、例えば0.5mmから2.5mm、例えば0.75mmから2.25mm、例えば1mmから2mmであってもよく、1.25mmから1.75mmであってもよく、例えば1.5mmであってもよい。
【0062】
特定の場合には、試料注入口は、フローセル内部チャンバの近端に配置された導管である。例えば、試料注入口は、試料注入口の開口部がフローセルの開口部に沿うように配置された導管であり得る。試料注入口がフローセルの開口部に沿うように配置された導管である場合、試料注入管の断面形状は、任意の適切な形状であり得る。対象の断面形状は、例えば正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線的な断面形状と、例えば円形、楕円形などの曲線の断面形状と、例えば放物線の底部が平面の上部に結合された形状などの不規則な形状とを含むが、これらに限らない。導管の開口部は、形状に応じて変化し得、特定の場合には、0.1mmから5.0mmの範囲の開口を有し、該開口の範囲は、例えば、0.2から3.0mm、例えば、0.5mmから2.5mm、例えば0.75mmから2.25mm、例えば1mmから2mmであってもよく、1.25mmから1.75mmであってもよく、例えば1.5mmである。試料注入口の先端部の形状は、試料注入管の断面形状と同じであってもよく、異なってもよい。例えば、試料注入口の開口部は、1°から10°の範囲の斜角を有する斜角先端を含み得る。該斜角は、例えば2°から9°、例えば3°から8°、例えば4°から7°の範囲であってもよく、5°であってもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、フローセルは、また、シース液をフローセルに提供するように構成されたシース液注入口を含む。実施形態では、シース液注入システムは、例えば、試料とともに、シース液のフローをフローセル内部チャンバに提供し、試料フローストリームを囲むシース液の層状のフローストリームを生成するように構成されている。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルチャンバに運ばれるシース液の流量は、25μL/秒以上であり得る。該流量は、例えば50μL/秒以上、例えば75μL/秒以上、例えば100μL/秒以上、例えば250μL/秒以上、例えば500μL/秒以上、例えば750μL/秒以上、例えば1000μL/秒以上であってもよく、2500μL/秒以上であってもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、シース液注入口は、内部チャンバの壁に配置された開口部である。シース液注入口の開口部は、任意の適切な形状であり得る。対象の断面形状は、例えば正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線的な断面形状と、例えば円形、楕円形などの曲線の断面形状と、例えば放物線の底部が平面の上部に結合された形状などの不規則な形状とを含むが、これらに限らない。試料注入口の開口部のサイズは、形状に応じて変化し得、特定の場合には、0.1mmからから5.0mmの範囲の開口を有し、該開口の範囲は、例えば、0.2から3.0mm、例えば、0.5mmから2.5mm、例えば0.75mmから2.25mm、例えば1mmから2mmであってもよく、1.25mmから1.75mmであってもよく、例えば、1.5mmであってもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、システムは、ポンプをさらに含み、該ポンプは、フローセルと流体連通してフローセルを介してフローストリームを伝搬するようにしてある。フローセルを流れるフローストリームのフローを制御するために、任意の適宜な流体ポンププロトコルを使用することができる。特定の場合には、システムは、例えば、パルスダンパーを有する蠕動ポンプである。本システムにおけるポンプは、フローストリーム中の試料からの光の検出に適切な流量で、フローセルを介して流体を運ぶように構成されている。いくつかの場合には、フローセルにおける試料の流量は、1μL/分(マイクロリットル毎分)以上であり、例えば2μL/分以上、例えば3μL/分以上、例えば5μL/分以上、例えば10μL/分以上、例えば25μL/分以上、例えば50μL/分以上、例えば75μL/分以上、例えば100μL/分以上、例えば250μL/分以上、例えば500μL/分以上、例えば750μL/分以上であってもよく、1000μL/分以上であってもよい。例えば、システムは、試料を1μL/分から500μL/分の範囲の流量でフローセルを流すように構成されるポンプを含み得る。該流量の範囲は、例えば1uL/分から250uL/分、例えば1uL/分から100uL/分、例えば2μL/分から90μL/分、例えば3μL/分から80μL/分、例えば4μL/分から70μL/分、例えば5μL/分から60μL/分であってもよく、10μL/分から50μL/分であってもよい。特定の実施形態では、フローストリームの流量は5μL/分から6μL/分である。
【0066】
特定の実施形態では、本システムは、フローストリーム中の試料によって放出された光を検出するための上記の光検出システムを使用するフローサイトメトリシステムである。特定の実施形態では、本システムは、フローサイトメトリシステムである。適切なフローサイトメトリシステムは、Ormerod(編),Flow Cytometry:A Practical Approach,Oxford Univ.Press(1997);Jaroszeski他(編),Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91,Humana Press(1997);Practical Flow Cytometry,第3版,Wiley-Liss(1995);Virgo他,(2012)Ann Clin Biochem.1月;49(pt 1):17-28;Linden他,Semin Throm Hemost.2004年10月;30(5):502-11;Alison他,J Pathol,2010年12月;222(4):335-344;及び、Herbig他,(2007)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.24(3):203-255に記載されているものを含むが、これらに限らない。それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。特定の場合には、対象のフローサイトメトリシステムは、FACSCanto(商標)IIフローサイトメータ(BD Biosciences)、BD Accuri(商標)フローサイトメータ、FACSCelesta(商標)フローサイトメータ(BD Biosciences)、FACSLyric(商標)フローサイトメータ(BD Biosciences)、FACSVerse(商標)フローサイトメータ(BD Biosciences)、FACSymphony(商標)フローサイトメータ(BD Biosciences)、LSRFortessa(商標)フローサイトメータ(BD Biosciences)、LSRFortess(商標)X-20フローサイトメータ(BD Biosciences)、及びFACSCalibur(商標)セルソータ(BD Biosciences)、FACSCount(商標)セルソータ(BD Biosciences)、FACSLyric(商標)セルソータ(BD Biosciences)、及びVia(商標)セルソータ(BD Biosciences)、Influx(商標)セルソータ(BD Biosciences)、Jazz(商標)セルソータ(BD Biosciences)、Aria(商標)セルソータ(BD Biosciences)、及びFACSMelody(商標)セルソータ(BD Biosciences)などを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、本粒子選別システムは、例えば、米国特許第10,006,852号明細書、米国特許第9,952,076号明細書、米国特許第9,933,341号明細書、米国特許第9,784,661号明細書、米国特許第9,726,527号明細書、米国特許第9,453,789号明細書、米国特許第9,200,334号明細書、米国特許第9,097,640号明細書、米国特許第9,095,494号明細書、米国特許第9,092,034号明細書、米国特許第8,975,595号明細書、米国特許第8,753,573号明細書、米国特許第8,233,146号明細書、米国特許第8,140,300号明細書、米国特許第7,544,326号明細書、米国特許第7,201,875号明細書、米国特許第7,129,505号明細書、米国特許第6,821,740号明細書、米国特許第6,813,017号明細書、米国特許第6,809,804号明細書、米国特許第6,372,506号明細書、米国特許第5,700,692号明細書、米国特許第5,643,796号明細書、米国特許第5,627,040号明細書、米国特許第5,620,842号明細書、米国特許第5,602,039号明細書に記載されているフローサイトメトリシステムであり、それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0068】
特定の場合には、本システムは、FIRE法(Fluorescence Imaging using Radiofrequency-tagged Emission)によってフローストリームにおける粒子を画像化するように構成されたフローサイトメトリシステムであり、例えば、Dieboldなど,Nature Photonics Vol.7(10)、806-810(2013)に記載されているものであってもよく、米国特許第9,423,353号明細書、米国特許第9,784,661号明細書、米国特許第10,006,852号明細書、米国特許出願公開第2017/0133857号明細書、及び米国特許出願公開第2017/0350803号明細書に記載されているものであってもよい。それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
[照射された試料から収集された光の測定方法]
本開示の態様は、また、試料(例えば、フローサイトメータにおけるフローストリーム中の試料)からの光を測定するための方法を含む。実施形態による方法の実施において、試料が光源によって照射され、試料からの光が光検出システムによって検出され、光検出システムは、上記のように、光散乱検出器と、明視野光検出器と、光を光散乱検出器及び明視野光検出器に伝えるように構成された光学調整コンポーネントとを有する。いくつかの実施形態では、試料は生体試料である。「生体試料」という用語は、その従来の意味で使用され、全体の生物、植物、真菌、または、特定の場合に、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄液、羊水、羊水臍帯血、尿、膣液及び精液に見られる動物の組織、細胞、もしくは構成要素のサブセットを指す。このように、「生体試料」とは、自然の生物またはその組織のサブセットと、生物またはその組織のサブセットから調製されたホモジネート、溶解物または抽出物との両方を指し、例えば、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚の一部、呼吸器、胃腸管、心血管、尿生殖管、涙、唾液、乳、血液細胞、腫瘍、臓器を含むが、これらに限らない。生体試料は、任意のタイプの生体組織であり、健康な組織と病変組織(例えば、癌性、悪性、壊死性などの組織)との両方を含み得る。特定の実施形態では、生体試料は、血液またはその派生物、例えば血漿、涙、尿、精液などの液体試料であり、いくつかの場合には、試料は、血液試料であり、全血を含み、例えば、静脈穿刺または指刺しから得られた血液である(血液は、分析前に防腐剤、抗凝固剤などの試薬と組み合わせることが可能または不可能である)。
【0070】
特定の実施形態では、試料の供給源は「哺乳動物」または「哺乳類の動物」であり、これらの用語は、食肉目(例えば、犬及び猫)、齧歯目(例えば、マウス、モルモット、及びラット)、及び霊長目(例えば、ヒト、チンパンジー、及びサル)を含む哺乳綱に属する生物を説明することに広く使用されている。いくつかの場合には、被検対象はヒトである。この方法は、両方の性別及び任意の発達段階(すなわち、新生児、乳幼児、少年少女、青年、成人)のヒト対象から得られた試料に適用することができ、特定の実施形態では、ヒト対象は、少年少女、青年または成人である。本発明はヒト対象からの試料に適用することができるが、下記のような他の動物対象(すなわち「非ヒト対象」)からの試料に対しても本方法を実施できることを理解されたい。他の動物対象は、例えば鳥、マウス、ラット、犬、猫、家畜、馬であるが、これらに限らない。
【0071】
本方法の実施において、試料(例えば、フローサイトメータにおけるフローストリーム中の試料)は、光源からの光によって照射される。いくつかの実施形態では、光源は、例えば、50nm以上にわたる広い範囲の波長を有する光を発する広帯域光源であり、該波長の範囲は、例えば100nm以上、例えば150nm以上、例えば200nm、例えば250nm以上、例えば300nm以上、例えば350nm以上、例えば400nm以上にわたる範囲であってもよく、500nm以上にわたる範囲であってもよい。例えば、1つの適切な広帯域光源は、200nmから1500nmの波長を有する光を発する。適切な広帯域光源の別の例は、400nmから1000nmの波長を有する光を発する光源を含む。方法が広帯域光源による照射を含む場合、対象の広帯域光源プロトコルは、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定化ファイバ結合広帯域光源、連続スペクトルの広帯域LED、超発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED統合白色光源、その他の広帯域光源、または、それらの任意の組み合わせを含み得るが、これらに限らない。
【0072】
他の実施形態では、方法は、特定の波長または狭い範囲の波長を発する狭帯域光源で照射することを含む。該光源は、例えば、50nm以下の範囲のような狭い波長範囲で光を発する。該波長範囲は、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば25nm以下、例えば20nm以下、例えば15nm以下、例えば10nm以下、例えば5nm以下、例えば2nm以下であってもよい。該光源は、特定波長の光(すなわち単色光)を発する光源であってもよい。方法は、狭帯域光源で照射することを含む。対象の狭帯域光源プロトコルは、狭波長LED、レーザダイオード、または、一つもしくは複数の光バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータに結合された広帯域光源を含み得るが、これらに限らない。
【0073】
特定の実施形態では、方法は、一つまたは複数のレーザでフローストリームを照射することを含む。上記のように、レーザは、種類及び数が試料及び収集された所望の光に応じて変化し、パルスレーザまたは連続波レーザであり得る。レーザは、例えば、ガスレーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、固体レーザ、半導体ダイオードレーザ、光ポンピング半導体レーザ(OPSL)、または、上記の任意のレーザの周波数の2倍もしくは3倍で実現されるレーザであり得る。上記ガスレーザは、例えば、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、もしくはキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。上記色素レーザは、例えば、スチルベン、クマリン、または、ローダミンレーザであってもよい。上記金属蒸気レーザは、例えば、ヘリウムカドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム水銀(HeHg)レーザ、ヘリウムセレン(HeSe)レーザ、ヘリウム銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン銅(NeCu)レーザ、銅レーザもしくは金レーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。上記固体レーザは、例えば、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、ツリウムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Ybレーザもしくはセリウムドープレーザ、または、それらの組み合わせであってもよい。
【0074】
試料は、一つまたは複数の前述した光源によって照射され得る。該光源は、例えば2個以上の光源、例えば3個以上の光源、例えば4個以上の光源、例えば5個以上の光源であってもよく、10個以上の光源であってもよい。光源は、任意の種類の光源の組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、フローストリーム中の試料をレーザアレイで照射することを含む。該アレイは、例えば一つまたは複数のガスレーザ、一つまたは複数の色素レーザ、及び一つまたは複数の固体レーザを有する。
【0075】
試料は、200nmから1500nmの範囲の波長によって照射され得る。該波長範囲は、例えば250nmから1250nm、例えば300nmから1000nm、例えば350nmから900nmであってもよく、400nmから800nmであってもよい。例えば、光源が広帯域光源である場合、試料を200nmから900nmの波長で照射することができる。他の場合には、光源が複数の狭帯域光源を含む場合、試料を200nmから900nmの範囲の特定の波長で照射することができる。例えば、光源は、200nmから900nmの間の波長範囲を有する光をそれぞれ独立して発する複数の狭帯域LED(1nm-25nm)であり得る。他の実施形態では、狭帯域光源は一つまたは複数のレーザ(例えばレーザアレイ)を含み、試料は、例えば、上記のようにガスレーザ、エキシマレーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、及び固体レーザを有するレーザアレイで、200nmから700nmの範囲の特定の波長で照射される。
【0076】
複数の光源を使用する場合、試料を光源で同時に、または順次に、または、それらの組み合わせで照射することができる。例えば、各光源で同時に試料を照射することができる。他の実施形態では、各光源で順次にフローストリームを照射する。複数の光源を使用して順次に試料を照射する場合、各光源が試料を照射する時間は、それぞれに0.001マイクロ秒以上であり得る。該時間は、例えば、0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上であってもよく、60マイクロ秒以上であってもよい。例えば、方法は、光源(例えばレーザ)で0.001マイクロ秒から100マイクロ秒の範囲の持続時間にわたって試料を照射することを含み得る。該持続時間の範囲は、例えば0.01マイクロ秒から75マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒から50マイクロ秒、例えば1マイクロ秒から25マイクロ秒であってもよく、5マイクロ秒から10マイクロ秒であってもよい。実施形態では、2つ以上の光源で順次に試料を照射する場合、試料が各光源によって照射される持続時間は、同じであっても異なってもよい。
【0077】
各光源による照射間の期間も、必要に応じて、0.001マイクロ秒以上の遅延でそれぞれに隔てるように変化し得る。該遅延は、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば15マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上であってもよく、60マイクロ秒以上であってもよい。例えば、各光源による照射間の期間は、0.001マイクロ秒から60マイクロ秒の範囲であり得、例えば0.01マイクロ秒から50マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒から35マイクロ秒、例えば1マイクロ秒から25マイクロ秒であってもよく、5マイクロ秒から10マイクロ秒であってもよい。特定の実施形態では、各光源による照射間の期間は、10マイクロ秒である。実施形態では、2個より多い(例えば3つ以上の)光源で順次に試料を照射する場合、各光源による照射間の遅延は、同じであってもよく、異なってもよい。
【0078】
試料は、連続的または離散的な間隔で照射され得る。いくつかの場合には、方法は、光源で試料を連続的に照射することを含む。他の場合には、試料は、光源によって離散的な間隔で照射され、例えば、0.001ミリ秒ごと、0.01ミリ秒ごと、0.1ミリ秒ごと、1ミリ秒ごと、10ミリ秒ごと、100ミリ秒ごとに照射され、1000ミリ秒ごとに照射され、または他の間隔で照射される。
【0079】
光源に応じて、試料は、様々な距離から照射され得る。該距離は、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば2.5mm以上、例えば5mm以上、例えば10mm以上、例えば15mm以上、例えば25mm以上であってもよく、50mm以上であってもよい。また、照射の角度も10°から90°の範囲で変化し得る。該範囲は、例えば15°から85°、例えば20°から80°、例えば25°から75°であってもよく、30°から60°であってもよく、例えば、90°の角度である。
【0080】
上記のように、実施形態では、照射された試料からの光は、本明細書に記載された光検出システムに伝えられ、一つまたは複数の光検出器によって測定される。本方法の実施において、光は光検出システムに伝播される。光は、さらに光学調整コンポーネントを介して光散乱検出器及び明視野光検出器に伝播される。いくつかの実施形態では、方法は、波長範囲(例えば、200nm-1000nm)にわたって収集された光を測定することを含む。例えば、方法は、200nm-1000nmの一つまたは複数の波長範囲にわたって光スペクトルを収集することを含み得る。さらに他の実施形態では、方法は、一つまたは複数の特定の波長で収集された光を測定することを含む。
【0081】
収集された光は、連続的に、または離散的な間隔で測定され得る。いくつかの場合には、方法は、光の測定を連続的に行うことを含む。他の場合には、離散的な間隔で光を測定し、例えば0.001ミリ秒ごと、0.01ミリ秒ごと、0.1ミリ秒ごと、1ミリ秒ごと、10ミリ秒ごと、100ミリ秒ごとに光を測定してもよく、1000ミリ秒ごとに光を測定してもよく、または、他の間隔で光を測定してもよい。
【0082】
収集された光の測定は、本方法において1回または複数回行われ得る。測定の回数は、例えば2回以上、例えば3回以上、例えば5回以上であってもよく、10回以上であってもよい。特定の実施形態では、光伝播を2回以上測定し、特定の場合に、データを平均化する。
【0083】
いくつかの実施形態では、方法は、本光検出システムで光を検出する前に光をさらに調整することを含む。例えば、試料源からの光は、一つまたは複数のレンズ、ミラー、ピンホール、スリット、格子、光屈折器、及びそれらの任意の組み合わせを通過し得る。いくつかの場合には、収集された光は、上記のように、一つまたは複数の集束レンズを通過して、例えば光検出システムまたは光学収集システムに導かれた光の分布を減少させる。他の場合には、試料から放出された光は、一つまたは複数のコリメータを通過して、光検出システムに伝えられる光ビームの発散を低減させる。
【0084】
特定の実施形態では、方法は、2つ以上の周波数シフト光ビームで試料を照射することを含む。上記のように、レーザと、レーザ光の周波数をシフトさせるための音響光学素子とを有する光ビーム生成器コンポーネントを使用することができる。これらの実施形態では、方法は、レーザで音響光学素子を照射することを含む。出力レーザビーム(例えば、フローストリーム中の試料を照射するための出力レーザビーム)において生成された光の所望の波長に応じて、レーザは、200nmから1500nmにわたって変化する特定の波長を有することができる。該波長の変化範囲は、例えば250nmから1250nm、例えば300nmから1000nm、例えば350nmから900nmであってもよく、400nmから800nmであってもよい。音響光学素子は、一つまたは複数のレーザによって照射され得る。該レーザは、例えば2個以上のレーザ、例えば3個以上のレーザ、例えば4個以上のレーザ、例えば5個以上のレーザであってもよく、10個以上のレーザであってもよい。レーザは、任意の種類のレーザの組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、レーザのアレイで音響光学素子を照射することを含む。該レーザのアレイは、例えば、一つまたは複数のガスレーザ、一つまたは複数の色素レーザ、及び一つまたは複数の固体レーザを有するアレイである。
【0085】
複数のレーザを使用する場合、レーザで同時に、または順次に、または、それらの組み合わせで音響光学素子を照射することができる。例えば、各レーザで同時に音響光学素子を照射することができる。他の実施形態では、各レーザで順次に音響光学素子を照射することができる。複数のレーザを使用して順次に音響光学素子を照射する場合、各レーザの音響光学素子を照射する時間は、それぞれに0.001マイクロ秒以上であり得る。該照射時間は、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上であってもよく、60マイクロ秒以上であってもよい。例えば、方法は、レーザで0.001マイクロ秒から100マイクロ秒の範囲の持続時間で音響光学素子を照射することを含み得る。該持続時間の範囲は、例えば0.01マイクロ秒から75マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒から50マイクロ秒、例えば1マイクロ秒から25マイクロ秒であってもよく、5マイクロ秒から10マイクロ秒であってもよい。実施形態では、2つ以上のレーザで順次に音響光学素子を照射する場合、各レーザの音響光学素子を照射する持続時間は、同じであってもよく、異なってもよい。
【0086】
各レーザによる照射間の期間も、必要に応じて、0.001マイクロ秒以上の遅延でそれぞれに隔てるように変化し得る。該遅延は、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば15マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上であってもよく、60マイクロ秒以上であってもよい。例えば、各光源による照射間の期間は、0.001マイクロ秒から60マイクロ秒の範囲であり得る。該範囲は、例えば0.01マイクロ秒から50マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒から35マイクロ秒、例えば1マイクロ秒から25マイクロ秒であってもよく、5マイクロ秒から10マイクロ秒であってもよい。特定の実施形態では、各レーザによる照射間の期間は10マイクロ秒である。実施形態では、音響光学素子が2個より多い(例えば3個以上の)レーザによって順次に照射される場合、各レーザによる照射間の遅延は、同じであってもよく、異なってもよい。
【0087】
音響光学素子は、連続的に、または離散的な間隔で照射され得る。いくつかの場合には、方法は、レーザで連続的に音響光学素子を照射することを含む。他の場合には、音響光学素子は、レーザによって離散的な間隔で照射され、例えば0.001ミリ秒ごと、0.01ミリ秒ごと、0.1ミリ秒ごと、1ミリ秒ごと、10ミリ秒ごと、100ミリ秒ごとに照射されてもよく、1000ミリ秒ごとに照射されてもよく、または、他の間隔で照射されてもよい。
【0088】
レーザに応じて、音響光学素子は、様々な距離から照射され得る。該距離は、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば2.5mm以上、例えば5mm以上、例えば10mm以上、例えば15mm以上、例えば25mm以上であってもよく、50mm以上であってもよい。また、照射の角度も10°から90°の範囲で変化し得る。該範囲は、例えば15°から85°、例えば20°から80°、例えば25°から75°であってもよく、30°から60°であってもよく、例えば90°の角度である。
【0089】
実施形態では、方法は、音響光学素子に無線周波数駆動信号を印加して、角度偏向レーザビームを生成することを含む。2以上の無線周波数駆動信号を音響光学素子に印加して、所望の数の角度偏向レーザビームを有する出力レーザビームを生成することができる。例えば3以上の無線周波数駆動信号、例えば4以上の無線周波数駆動信号、例えば5以上の無線周波数駆動信号、例えば6以上の無線周波数駆動信号、例えば7以上の無線周波数駆動信号、例えば8以上の無線周波数駆動信号、例えば9以上の無線周波数駆動信号、例えば10以上の無線周波数駆動信号、例えば15以上の無線周波数駆動信号、例えば25以上の無線周波数駆動信号、例えば50以上の無線周波数駆動信号を印加してもよく、100以上の無線周波数駆動信号を印加してもよい。
【0090】
無線周波数駆動信号によって生成された各角度偏向レーザビームは、印加された無線周波数駆動信号の振幅に基づく強度を有する。いくつかの実施形態では、方法は、所望の強度を有する角度偏向レーザビームを生成するのに十分な振幅を有する無線周波数駆動信号を印加することを含む。いくつかの場合には、印加される各無線周波数駆動信号は、それぞれに、約0.001Vから約500Vの振幅を有する。該振幅は、例えば約0.005Vから約400V、例えば約0.01Vから約300V、例えば約0.05Vから約200V、例えば約0.1Vから約100V、例えば約0.5Vから約75V、例えば約1Vから50V、例えば約2Vから40V、例えば3Vから約30Vであってもよく、約5Vから約25Vであってもよい。印加された各無線周波数駆動信号は、いくつかの実施形態では、約0.001MHzから約500MHzの周波数を有する。該周波数は、例えば約0.005MHzから約400MHz、例えば約0.01MHzから約300MHz、例えば約0.05MHzから約200MHz、例えば約0.1MHzから約100MHz、例えば約0.5MHzから約90MHz、例えば約1MHzから約75MHz、例えば約2MHzから約70MHz、例えば約3MHzから約65MHz、例えば約4MHzから約60MHzであってもよく、約5MHzから約50MHzであってもよい。
【0091】
これらの実施形態では、出力レーザビームにおける角度偏向レーザビームは、空間的に離れている。印加された無線周波数駆動信号及び出力レーザビームの所望の照射分布に応じて、角度偏向レーザビームは0.001μm以上離れ得る。角度偏向レーザビームは、例えば0.005μm以上、例えば0.01μm以上、例えば0.05μm以上、例えば0.1μm以上、例えば0.5μm以上、例えば1μm以上、例えば5μm以上、例えば10μm以上、例えば100μm以上、例えば500μm以上、例えば1000μm以上離れてもよく、5000μm以上離れてもよい。いくつかの実施形態では、角度偏向レーザビームは、例えば、出力レーザビームの横軸に沿って隣接する角度偏向レーザビームと重なり合う。隣接する角度偏向レーザビーム間の重なり合い(例えばビームスポットの重なり合い)は、0.001μm以上の重なり合いであり得る。例えば0.005μm以上の重なり合い、例えば0.01μm以上の重なり合い、例えば0.05μm以上の重なり合い、例えば0.1μm以上の重なり合い、例えば0.5μm以上の重なり合い、例えば1μm以上の重なり合い、例えば5μm以上の重なり合い、例えば10μm以上の重なり合いであってもよく、100μm以上の重なり合いであってもよい。
【0092】
特定の実施形態では、フローストリーム中の試料は細胞を含み、方法は試料における細胞を検出することを含む。いくつかの実施形態では、細胞の検出は、試料における細胞の種類を特定することを含む。他の実施形態では、方法は、試料の細胞を特性評価することを含む。さらに他の実施形態では、方法は、試料における細胞の種類を区別することを含む。特定の実施形態では、方法は、光散乱検出器からのデータ信号及び明視野光検出器からのデータ信号に基づいて細胞の種類の識別及び区別を行うことを含む。いくつかの場合には、方法は、光散乱検出器からのデータ信号及び明視野光検出器からのデータ信号に基づいて、フローストリームの画像を生成し、試料における細胞の種類を識別することを含む。
【0093】
図2は、特定の実施形態による、前方光散乱検出器及び明視野光検出器からのデータ信号に基づいて同時に画像化されたSkBr3乳癌細胞(未染色)を示す。これらの画像において、明視野データ信号コンポーネント(201)は、各細胞の形状及びサイズを備えたグレースケール構造を提供し、前方散乱データ信号コンポーネント(202)は細胞内のより高密度の構造の画像化を提供する。明視野チャネル及び前方散乱チャネルの両方を介して細胞を同時に画像化することにより、細胞の高度な形態学的特徴(例えば、細胞核やミトコンドリアなどの細胞成分の位置)を特性評価することができる。
【0094】
[コンピュータ制御システム]
本開示の様態は、本方法を実行するためのコンピュータ制御システムをさらに含み、システムは、本明細書に記載の方法を実行するためのシステムの完全自動化または部分自動化のための一つまたは複数のコンピュータをさらに含む。いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータで読取可能な記憶媒体を有するコンピュータを含む。コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされると、光源でフローストリームを照射するための命令と、照射されたフローストリームからの光信号を検出するためのアルゴリズムとを含み、特定の場合には、検出された光信号に基づいて試料における細胞の種類の識別及び区別を行うためのアルゴリズムを含む。特定の場合には、システムは、コンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータで読取可能な記憶媒体を有するコンピュータを含み、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされると、フローストリームを照射する2つ以上の周波数シフト光ビームを光ビーム生成器コンポーネントで生成するためのアルゴリズムをさらに含む。これらの例では、システムは、無線周波数駆動信号(例えば上記のDDS)を音響光学素子(例えば、音響光学偏向器)に印加し、レーザで音響光学素子を照射して、空間的に離れた複数の無線周波数シフト光ビームを生成するためのアルゴリズムを含む。
【0095】
いくつかの場合には、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされると、散乱検出器及び明視野光検出器によって検出された光からデータ信号を生成するためのアルゴリズムを有する命令をさらに含む。特定の場合には、コンピュータは、データ信号をアナログデータ信号からデジタルデータ信号に変換するためのアルゴリズムを有する命令をさらに含む。特定の実施形態では、命令は、デジタル信号から画像を生成するためのアルゴリズムをさらに含む。他の実施形態では、命令は、光散乱データ信号及び明視野データ信号に基づいて細胞の種類を区別するためのアルゴリズムをさらに含む。さらに他の実施形態では、命令は、光散乱データ信号及び明視野データ信号から画像を生成し、生成された画像に基づいて細胞の種類を区別するためのアルゴリズムをさらに含む。
【0096】
実施形態では、システムは、入力モジュールと、処理モジュールと、出力モジュールとを含む。本システムは、ハードウェアコンポーネン及びソフトウェアコンポーネンの両方を含み得る。ハードウェアコンポーネントは、一つまたは複数のプラットフォームの形態(例えばサーバの形態)を採用することができ、これにより、機能要素、すなわち、システムの特定のタスク(情報の入出力の管理、情報の処理など)を実行するシステムの要素は、システムを表す一つまたは複数のコンピュータプラットフォーム上及び一つまたは複数のコンピュータプラットフォームにわたってソフトウェアアプリケーションを実行することによって実施することができる。
【0097】
システムは、ディスプレイ及びオペレータ入力装置を含み得る。オペレータ入力装置は、例えば、キーボード、マウスなどであり得る。処理モジュールは、本方法のステップを実行するための命令が記憶されたメモリにアクセスするプロセッサを含む。処理モジュールは、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)コントローラ、システムメモリ、メモリ記憶装置、入出力コントローラ、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、及び多くの他のデバイスを含み得る。プロセッサは、市販のプロセッサであってもよいし、現在または今後入手可能な他のプロセッサの1つであってもよい。プロセッサはオペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムは、周知のようにファームウェアとハードウェアとのインタフェースをとり、さまざまなプログラミング言語で記述されたさまざまなコンピュータプログラムの機能を連携及び実行するプロセッサを支援する。該プログラミング言語は、例えば当技術分野で知られているJava(登録商標)、Perl、C++、他の高水準言語または低水準言語であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。オペレーティングシステムは、典型的には、プロセッサと協同して、コンピュータの他のコンポーネントの機能の連携及び実行をする。オペレーティングシステムは、既知の技術に従ってスケジュール管理、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、通信制御及び関連サービスも提供する。プロセッサは、任意の適切なアナログまたはデジタルシステムであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、ユーザが第1及び第2の光信号に基づいて光源をフローストリームと手動で位置合わせすることを可能にするアナログ電子機器を含む。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば負のフィードバック制御などのフィードバック制御を提供するアナログ電子機器を含む。
【0098】
システムメモリは様々な既知的または将来的なメモリ記憶装置のいずれかであり得る。例としては、一般的に入手可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、常駐ハードディスクやテープなどの磁気媒体、読み取り及び書き込みコンパクトディスクなどの光学媒体、フラッシュメモリデバイス、または他のメモリ記憶装置が含まれる。メモリ記憶装置は、コンパクトディスクドライブ、テープドライブ、リムーバブルハードディスクドライブ、またはディスケットドライブを含む、さまざまな既知的または将来的なデバイスのいずれかであり得る。そのようなタイプのメモリ記憶装置は、典型的には、プログラム記憶媒体(図示せず)、例えば、それぞれコンパクトディスク、磁気テープ、リムーバブルハードディスク、またはフロッピー(登録商標)ディスケットからの読み取り及び/またはそこへの書き込みを行う。これらのプログラム記憶媒体または現在使用されている、または今後開発され得る他のものはいずれも、コンピュータプログラム製品とみなされ得る。これらのプログラム記憶媒体は、典型的には、コンピュータソフトウェアプログラム及び/またはデータを記憶することが理解される。コンピュータソフトウェアプログラムは、コンピュータ制御ロジックとも呼ばれ、典型的には、メモリ記憶デバイスと組み合わせて使用されるシステムメモリ及び/またはプログラム記憶デバイスに記憶される。
【0099】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム製品は、記憶された制御ロジック(プログラムコードを含むコンピュータソフトウェアプログラム)を有するコンピュータ利用可能媒体を含めて記載される。制御ロジックは、プロセッサまたはコンピュータにより実行される場合、本明細書に記載の機能を行うようにプロセッサに命令する。他の実施形態では、いくつかの機能は、例えばハードウェアステートマシンを用いて、主にハードウェアで実行される。本明細書に記載の機能を行うためのハードウェアステートマシンの実行は、関連技術分野の当業者に明らかである。
【0100】
メモリは、プロセッサによるデータの記憶及び取出しが可能な任意の好適なデバイス、例えば、磁気デバイス、光学デバイス、または固体記憶デバイス(例えば、磁気もしくは光学のディスクもしくはテープもしくはRAM、または任意の他の好適な固定型もしくは携帯型のデバイス)であり得る。プロセッサは、必要なプログラムコードを保有するコンピュータ可読媒体から好適にプログラムされる汎用デジタルマイクロプロセッサを含み得る。プログラミングは、通信チャネルを介して遠隔でプロセッサに提供可能であるか、またはメモリに接続されたデバイスのいずれかを用いてメモリまたは何らかの他の携帯型もしくは固定型のコンピュータ可読記憶媒体等のコンピュータプログラム製品にあらかじめ保存可能である。例えば、磁気または光学ディスクは、プログラミングを保有し得るとともに、ディスクライタ/リーダにより読取り可能である。本発明に係るシステムはまた、プログラミング、例えば、上述の本方法の実施に使用されるアルゴリズムをコンピュータプログラム製品の形態で含む。本発明に係るプログラミングは、コンピュータ可読媒体、例えば、コンピュータによる読取り及び直接アクセスが可能な任意の媒体に記録され得る。かかる媒体としては、磁気記憶媒体、例えば、フロッピーディスク(登録商標)、ハードディスク記憶媒体、及び磁気テープ、光記憶媒体、例えば、CD-ROM、電気記憶媒体、例えば、RAM及びROM、ポータブルフラッシュドライブ、及びこれらのカテゴリーのハイブリッド、例えば、磁気/光学記憶媒体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0101】
プロセッサはまた、遠隔地のユーザと通信するために通信チャネルを利用し得る。遠隔地とは、ユーザがシステムに直接触れることなく、広域ネットワーク(「WAN」)、電話回線網、衛星ネットワーク、または任意の他の好適な通信チャネル、たとえば携帯電話(すなわちスマートフォン)に接続されたコンピュータ等の外部デバイスから入力情報を入力マネージャに中継することを意味する。
【0102】
いくつかの実施形態では、本開示に係るシステムは、通信インタフェースを備えるように構成され得る。いくつかの実施形態では、通信インタフェースは、ネットワーク及び/または他のデバイスと通信するためのレシーバ及び/またはトランスミッタを含む。通信インタフェースは、有線または無線の通信用として、例えば、限定されるものではないが、無線周波数(RF)通信(例えば、無線周波数識別(RFID)、Zigbee(登録商標)通信プロトコル、WiFi、赤外線、無線ユニバーサルシリアルバス(USB)、ウルトラワイドバンド(UWB)、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル及びセルラー通信、例えば、符号分割多重アクセス(CDMA)またはモバイル通信グローバルシステム(GSM(登録商標))用として構成可能である。
【0103】
一実施形態では、通信インタフェースは、当該システムと、類似の補完的データ通信用として構成されたコンピュータ端末等の他の外部デバイス(例えば、診療所または病院環境)とのデータ通信を可能にするように、一つまたは複数の通信ポート、例えば、物理ポートまたはインタフェース、例えば、USBポート、RS-232ポート、または任意の他の好適な電気接続ポートを含むように構成されている。
【0104】
一実施形態では、通信インタフェースは、本システムと、他のデバイス、たとえば、コンピュータ端末及び/またはネットワーク、通信可能携帯電話、パーソナルディジタルアシスタント、またはユーザが組み合わせて使用し得る任意の他の通信デバイスとが通信可能になるように、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、または任意の他の好適な無線通信プロトコル用として構成されている。
【0105】
一実施形態では、通信インタフェースは、携帯電話ネットワーク、ショートメッセージサービス(SMS)、インターネットに接続されたローカルエリアネットワーク(LAN)上のパーソナルコンピュータ(PC)への無線接続、またはWiFiホットスポットでのインターネットへのWiFi接続を介して、インターネットプロトコル(IP)を利用してデータ転送するための接続を提供するように構成されている。
【0106】
一実施形態では、本システムは、通信インタフェースを介して、例えば、802.11またはBluetooth(登録商標)RFプロトコルまたはIrDA赤外プロトコル等の共通規格を用いて、サーバデバイスと無線通信するように構成されている。サーバデバイスは、他のポータブルデバイス、例えば、スマートフォン、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、もしくはノートブックコンピュータ、またはより大型のデバイス、例えば、デスクトップコンピュータ、機器等であり得る。いくつかの実施形態では、サーバデバイスは、ディスプレイ、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、さらには、入力デバイス、例えば、ボタン、キーボード、マウス、またはタッチスクリーンを有する。
【0107】
いくつかの実施形態では、通信インタフェースは、上述の通信プロトコル及び/または機構のうちの一つまたは複数を用いて、本システム、例えば、任意選択のデータ記憶ユニットに記憶されたデータを、ネットワークまたはサーバデバイスと自動または半自動で通信するように構成されている。
【0108】
出力コントローラは、人間または機械にかかわらず、ローカルまたはリモートにかかわらず、ユーザに情報を提示するために、様々な公知の表示デバイスのいずれかに対するコントローラを含み得る。表示デバイスの1つが視覚情報を提供する場合、この情報は、典型的には、画素のアレイとして論理的及び/または物理的に組織化され得る。グラフィカルユーザインタフェース(GUI)コントローラは、システムとユーザとの間のグラフィカル入出力インタフェースを提供するために、及び、ユーザ入力を処理するために、様々な公知のまたは将来的なソフトウェアプログラムのいずれかを含み得る。コンピュータの機能エレメントは、システムバスを介して互いに通信し得る。これらの通信のいくつかは、ネットワークまたは他の種類の遠隔通信を用いて、代替的実施形態で達成され得る。出力マネージャはまた、公知の技術に従って、例えば、インターネット、電話、または衛星ネットワークを用いて、処理モジュールにより生成された情報を遠隔地のユーザに提供し得る。出力マネージャによるデータの提示は、様々な公知の技術に従って実行され得る。いくつかの例として、データは、SQL、HTML、XML文書、電子メールもしくは他のファイル、または他の形態のデータを含み得る。ユーザが遠隔供給元から追加のSQL、HTML、XML、または他の文書またはデータを取り出し得るように、データはインターネットURLアドレスを含み得る。当該システムに存在する一つまたは複数のプラットフォームは、任意の種類の公知のコンピュータプラットフォームまたは将来開発される種類のものであり得るが、それらは、典型的には、一般にサーバと呼ばれるクラスのコンピュータである。しかしながら、それらはまた、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、または他のコンピュータの種類であり得る。それらは、ネットワークまたは他の形で接続された無線システムを含めて任意の公知のまたは将来的なタイプのケーブルまたは他の通信システムを介して接続され得る。それらは同位置であっても物理的に離されていてもよい。選択されるコンピュータプラットフォームの種類及び/またはメーカーにおそらく依存して、種々のオペレーティングシステムがコンピュータプラットフォームのいずれかで利用され得る。適切なオペレーティングシステムとしては、Windows(登録商標)NT、Windows XP、Windows 7、Windows 8、iOS、Sun Solaris、Linux(登録商標)、OS/400、Compaq Tru64 Unix(登録商標)、SGI IRIX、Siemens Reliant Unix等が挙げられる。
【0109】
[キット]
本発明の態様はさらにキットを含み、キットは、光散乱検出器と、明視野光検出器と、光を光散乱検出器、明視野光検出器に伝える光学調整コンポーネントとを含む。光学調整コンポーネントは、例えばビームスプリッタ(例えば、くさび型ビームスプリッタ)である。キットは、本明細書で説明した他の光学調整コンポーネントをさらに含む。他の光学調整コンポーネントは、例えば光学アパーチャ、スリット、遮蔽ディスク及び散乱バーを含む遮蔽コンポーネントである。特定の実施形態によるキットは、また、光を光散乱検出器または明視野光検出器に伝えるための光学コンポーネントを含む。光学コンポーネントは、例えば、コリメートレンズ、ミラー、波長分離器、ピンホールなどである。キットは、また、光学収集コンポーネントを含み得る。光学収集コンポーネントは、例えば、光ファイバ(例えば、光ファイバ中継束)または自由空間中継システム用のコンポーネントである。いくつかの場合には、キットは、一つまたは複数の光検出器をさらに含む。光検出器は、例えば光電子増倍管(例えば、金属パッケージ型光電子増倍管)である。特定の実施形態では、キットは光ビーム生成器の一つまたは複数のコンポーネントを含む。光ビーム生成器のコンポーネントは、例えば、ダイレクトデジタルシンセサイザ、音響光学偏向器、ビーム結合レンズ、及びパウエルレンズなどである。
【0110】
いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に開示される光検出システムのコンポーネントのうちの2つ以上を含み、例えば3つ以上を含んでもよく、5つ以上を含んでもよい。いくつかの場合には、キットは、1つ以上のアッセイコンポーネント(例えば、前述したような標識された試薬、緩衝液など)を含み得る。いくつかの場合には、キットは、必要に応じて、皮膚を刺して全血試料を採取するように構成されたランセットまたは針、ピペットなどの試料収集デバイスをさらに含み得る。
【0111】
キットの異なるアッセイコンポーネントは別々の容器中に存在してもよく、または、アッセイコンポーネントの一部もしくは全部は予め組み合わされていてもよい。例えば、いくつかの場合には、キットの1つ以上のコンポーネントの、例えば、光散乱検出器、明視野光検出器、ビームスプリッタは、例えば滅菌フォイルポーチまたは滅菌フォイルエンベロープなどの密封されたポーチの中に存在する。
【0112】
上記のコンポーネントに加えて、当該キットは、本方法を実施するための説明書を(特定の実施形態では)さらに含んでよい。これらの説明書は、様々な形態で当該キットに含めてよく、そのうちの一つまたは複数がキット内に含まれてよい。これらの説明書が提供され得る1つの形態としては、キットのパッケージ内の添付文書等で、適切な媒体または基板(例えば、情報が印刷される1枚または複数枚の紙)上に印刷された情報が挙げられる。これらの説明書のさらにもう1つの形態としては、当該情報が記録されているコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブ等が挙げられる。これらの説明書の提供され得るさらにもう1つの形態としては、インターネットを介してリモートサイトの情報にアクセスするために使用され得るウェブサイトアドレスが挙げられる。
【0113】
有用性
本光検出システムは、光学特性による試料の特性評価で、特に試料における細胞の識別及び区別が望まれる場合に用途が見出される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるシステム及び方法は、生体試料のフローサイトメトリによる特性評価に用途が見出される。特定の実施形態では、本システム及び方法は、透過光及び散乱光の分光分析に用途が見出される。いくつかの場合には、本開示は、フローサイトメータのフローストリームにおいて照射された試料から収集された光の測定を向上させることに用途が見出される。本開示の実施形態は、研究、ハイスループット実験室内試験でなど、フローサイトメトリの測定の有効性を高めることが望まれる場所で用途が見出される。本開示はまた、細胞選別中に、改良された細胞選別精度、強化された微粒子捕集、削減されたエネルギー消費、微粒子帯電効率、より正確な微粒子帯電、及び強化された微粒子偏向を示すフローサイトメータを提供することが望ましいところでは、有用であることが分かっている。
【0114】
本開示は、また、生体試料から調製された細胞が、研究、臨床検査のため、または治療での使用のために望まれ得る応用先で有用である。いくつかの実施形態では、本方法及び本装置は、採取個別細胞が標的の流体試料または組織生体試料から調製されることを促進し得る。例えば、本方法及び本システムは、流体試料または組織試料から、癌などの疾患のための研究用または診断用の検体として使用すべき細胞を採取することを促進する。同様に、本方法及び本システムは、流体試料または組織試料から、治療で使用すべき細胞を採取することを促進する。本開示の方法及び装置は、従来のフローサイトメトリシステムに比べると高効率及び低コストで生体試料(例えば、臓器、組織、組織片、体液)から細胞を分離して捕集することを可能にする。
【0115】
添付の請求項にもかかわらず、本開示は、以下の付記によっても定義される。
1.光散乱検出器と、
明視野光検出器と、
光を光散乱検出器及び明視野光検出器に伝えるように構成された光学調整コンポーネントと
を備える光検出システム。
2.光散乱検出器は前方散乱検出器である、付記1に記載の光検出システム。
3.光学調整コンポーネントはビームスプリッタである、付記1または2に記載の光検出システム。
4.光学調整コンポーネントはくさび型ビームスプリッタである、付記3に記載の光検出システム。
5.くさび型ビームスプリッタは、5分から120分のくさび角を備える、付記4に記載の光検出システム。
6.くさび型ビームスプリッタは、10分から60分のくさび角を備える、付記5に記載の光検出システム。
7.ビームスプリッタは、光の10%以下を明視野光検出器に伝え、光の90%以上を光散乱検出器に伝えるように構成されている、付記3-6のいずれか一つに記載の光検出システム。
8.光散乱検出器に近接して配置された遮蔽コンポーネントをさらに備える、付記1-7のいずれか一つに記載の光検出システム。
9.遮蔽コンポーネントは散乱バーである、付記8に記載の光検出システム。
10.遮蔽コンポーネントは遮蔽ディスクである、付記9に記載の光検出システム。
11.明視野光検出器に近接して配置された遮蔽コンポーネントをさらに備える、付記1-10のいずれか一つに記載の光検出システム。
12.遮蔽コンポーネントは光学アパーチャである、付記11に記載の光検出システム。
13.光学アパーチャはスリットである、付記12に記載の光検出システム。
14.光学アパーチャはピンホールである、付記12に記載の光検出システム。
15.光源と、
光検出システムと
を備えるシステムであって、
光検出システムは、
光散乱検出器と、
明視野光検出器と、
光を光散乱検出器及び明視野光検出器に伝えるように構成された光学調整コンポーネントと
備えるシステム。
16.光源は、少なくとも第1の周波数シフト光ビーム及び第2の周波数シフト光ビームを生成するように構成された光ビーム生成器コンポーネントを備える、付記15に記載のシステム。
17.光ビーム生成器は、音響光学偏向器を備える、付記16に記載のシステム。
18.光ビーム生成器は、ダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)RFコム発生器を備える、付記16または17に記載のシステム。
19.光ビーム生成器コンポーネントは、周波数シフト局部発振ビームを生成するように構成されている、付記16-18のいずれか一つに記載のシステム。
20.光ビーム生成器コンポーネントは、複数の周波数シフトコムビームを生成するように構成されている、付記16-19のいずれか一つに記載のシステム。
21.光源はレーザを備える、付記15に記載のシステム。
22.レーザは連続波レーザである、付記21に記載のシステム。
23.システムはフローサイトメータである、付記15-22のいずれか一つに記載のシステム。
24.プロセッサに動作可能に結合されたメモリを備えるプロセッサをさらに備え、メモリは、記憶されている命令を備え、該命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、散乱検出器及び明視野光検出器によって検出された光から、データ信号を生成させる、付記15-23のいずれか一つに記載のシステム。
25.メモリは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、光散乱検出器及び明視野光検出器からのデータ信号に基づいて画像を生成させる命令をさらに備える、付記24に記載のシステム。
26.メモリは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに画像における粒子を識別させる命令をさらに備える、付記25に記載のシステム。
27.メモリは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに画像における粒子の種類を区別させる命令をさらに備える、付記26に記載のシステム。
28.粒子は細胞である、付記26または27に記載のシステム。
29.光を光検出システムに伝播するための光学収集システムをさらに備える、付記15-28のいずれか一つに記載のシステム。
30.光学収集コンポーネントは光ファイバを備える、付記29に記載のシステム。
31.光学収集コンポーネントは光ファイバ光中継束を備える、付記30に記載のシステム。
32.光学収集コンポーネントは自由空間光中継システムを備える、付記29に記載のシステム。
33.光散乱検出器は前方散乱検出器である、付記15-32のいずれか一つに記載のシステム。
34.光学調整コンポーネントはビームスプリッタである、付記15-33のいずれか一つに記載のシステム。
35.光学調整コンポーネントはくさび型ビームスプリッタである、付記34に記載のシステム。
36.くさび型ビームスプリッタは、5分から120分のくさび角を備える、付記35に記載のシステム。
37.くさび型ビームスプリッタは、10分から60分のくさび角を備える、付記36に記載のシステム。
38.ビームスプリッタは、光の10%以下を明視野光検出器に伝え、光の90%以上を光散乱検出器に伝えるように構成されている、付記36または37に記載のシステム。
39.光散乱検出器に近接して配置された遮蔽コンポーネントをさらに備える、付記15-38のいずれか一つに記載のシステム。
40.遮蔽コンポーネントは散乱バーである、付記39に記載のシステム。
41.遮蔽コンポーネントは遮蔽ディスクである、付記39に記載のシステム。
42.明視野光検出器に近接して配置された遮蔽コンポーネントをさらに備える、付記15-41のいずれか一つに記載のシステム。
43.遮蔽コンポーネントは光学アパーチャである、付記42に記載のシステム。
44.光学アパーチャはスリットである、付記43に記載のシステム。
45.光学アパーチャはピンホールである、付記43に記載のシステム。
46.光散乱検出器と、
明視野光検出器と、
光を光散乱検出器及び明視野光検出器に伝えるように構成された光学調整コンポーネントと
を備える光検出システムでフローストリームからの光を検出することを備える方法。
47.光源で検査領域におけるフローストリーム中の試料を照射することを備える、付記46に記載の方法。
48.フローストリームは、光源により200nmから800nmの波長で照射される、付記46または47に記載の方法。
49.第1の周波数シフト光ビーム及び第2の周波数シフト光ビームでフローストリームを照射することを備える、付記46-48のいずれか一つに記載の方法。
50.第1の周波数シフト光ビームは局部発振(LO)ビームを備え、第2の周波数シフト光ビームは無線周波数コムビームを備える、付記49に記載の方法。
51.無線周波数駆動信号を音響光学素子に印加することと、レーザで音響光学素子を照射して第1の周波数シフト光ビーム及び第2の周波数シフト光ビームを生成することとをさらに備える、付記49または50に記載の方法。
52.レーザは連続波レーザである、付記51に記載の方法。
53.フローストリームからの光は光学収集コンポーネントによって光検出システムに伝播される、付記46-52のいずれか一つに記載の方法。
54.光学収集コンポーネントは光ファイバを備える、付記53に記載の方法。
55.光学収集コンポーネントは光ファイバ光中継束を備える、付記53に記載の方法。
56.光学収集コンポーネントは自由空間光中継システムを備える、付記53に記載の方法。
57.一つまたは複数の波長で検出された光を測定することをさらに備える、付記46-56のいずれか一つに記載の方法。
58.散乱検出器及び明視野光検出器からの測定光から、データ信号を生成することをさらに備える、付記57に記載の方法。
59.光散乱検出器及び明視野光検出器からのデータ信号に基づいて画像を生成することをさらに備える、付記58に記載の方法。
60.生成された画像における一つまたは複数の粒子を識別することをさらに備える、付記59に記載の方法。
61.生成された画像における粒子の種類を区別することをさらに備える、付記59に記載の方法。
62.粒子は細胞である、付記61に記載の方法。
63.光散乱検出器は前方散乱検出器である、付記46-62のいずれか一つに記載の方法。
64.光学調整コンポーネントはビームスプリッタである、付記46-63のいずれか一つに記載の方法。
65.光学調整コンポーネントはくさび型ビームスプリッタである、付記64に記載の方法。
66.くさび型ビームスプリッタは5分から120分のくさび角を備える、付記65に記載の方法。
67.くさび型ビームスプリッタは10分から60分のくさび角を備える、付記66に記載の方法。
68.ビームスプリッタは、光の10%以下を明視野光検出器に伝え、光の90%以上を光散乱検出器に伝えるように構成されている、付記63-67のいずれか一つに記載の方法。
69.光散乱検出器に近接して配置された遮蔽コンポーネントをさらに備える、付記46-68のいずれか一つに記載の方法。
70.遮蔽コンポーネントは散乱バーである、付記69に記載の方法。
71.遮蔽コンポーネントは遮蔽ディスクである、付記69に記載の方法。
72.明視野光検出器に近接して配置された遮蔽コンポーネントをさらに備える、付記46-71のいずれか一つに記載の方法。
73.遮蔽コンポーネントは光学アパーチャである、付記72に記載の方法。
74.光学アパーチャはスリットである、付記73に記載の方法。
75.光学アパーチャはピンホールである、付記73に記載の方法。
76.光散乱検出器と、
明視野光検出器と、
ビームスプリッタと
を備えるキット。
77.ビームスプリッタはくさび型ビームスプリッタである、付記76に記載のキット。
78.くさび型ビームスプリッタは5分から120分のくさび角を備える、付記77に記載のキット。
79.くさび型ビームスプリッタは10分から60分のくさび角を備える、付記77に記載のキット。
80.遮蔽コンポーネントをさらに備える、付記76-79のいずれか一つに記載のキット。
81.遮蔽コンポーネントは散乱バーである、付記80に記載のキット。
82.遮蔽コンポーネントは遮蔽ディスクである、付記80に記載のキット。
83.遮蔽コンポーネントは光学スリットである、付記80に記載のキット。
84.遮蔽コンポーネントはピンホールである、付記80に記載のキット。
85.光源をさらに備える、付記76-84のいずれか一つに記載のキット。
86.光源はレーザである、付記85に記載のキット。
87.レーザは連続波レーザである、付記86に記載のキット。
88.音響光学偏向器をさらに備える、付記86または87に記載のキット。
89.ダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)をさらに備える、付記88に記載のキット。
【0116】
上記の本発明は、明白な理解のために、説明したり、例示したりして、ある程度詳細に記載したが、当業者であれば、本開示の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の趣旨または範囲から逸脱することなく、本開示に対してある特定の変更及び修正を加え得ることが容易に理解される。
【0117】
よって、上記は、単に本発明の原理を説明するものに過ぎない。本明細書では明示的に記載されず、また図示していないが、当業者であれば、本発明の原理を具体化し、その趣旨及び範囲の内に含まれる様々な構成に想到できるであろうことが理解される。さらに、本明細書に記述された全ての例と条件付きの文言とは、そのように具体的に記載された例及び条件に限定されずに、主として、読者が、本発明の原理を理解するのを支援することを意図したものである。その上、本発明の原理、態様、及び実施形態、ならびにその具体的な例を記述する本明細書の全ての記載は、その構造的均等物及び機能的均等物の両方を包含することが意図されている。さらに、そのような均等物としては、現在周知の均等物と将来開発される均等物との両方があり、すなわち、構造に関わらず同じ機能を果たすあらゆる要素が開発されることが意図されている。したがって、本発明の範囲は、本明細書に図示し、記載される例示的な実施形態に限定されないことが意図されている。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具体化される。
【0118】
関連出願への相互参照
本出願は、2019年3月21日に提出された米国仮特許出願第62/821729号に関連し、その出願の開示が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2