(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】単軌道動力車両の速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムを制御するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
B60W 30/14 20060101AFI20240403BHJP
B60W 50/10 20120101ALI20240403BHJP
B60W 30/182 20200101ALI20240403BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
B60W30/14
B60W50/10
B60W30/182
G08G1/16 E
(21)【出願番号】P 2021559933
(86)(22)【出願日】2020-01-30
(86)【国際出願番号】 EP2020052283
(87)【国際公開番号】W WO2020207634
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-10-08
(31)【優先権主張番号】102019205245.2
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ションヘル ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】グレロード マチュー
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-034881(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0217370(US,A1)
【文献】特開2011-116177(JP,A)
【文献】特開2018-194493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/14
B60W 50/10
B60W 30/182
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単軌道動力車両の速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムを制御するための方法において、
-マイクロフォンを用いて、前記単軌道動力車両のドライバーの音声命令を検知し(101)、
-前記音声命令に依存して、前記速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムの少なくとも1つのパラメータを調整し(102)、
前記パラメータが、前記速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムの作動モードの選定であり、
前記作動モードが、前記速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムのコントロール段階中における前記単軌道動力車両の加減速度の限界値に応じて設定され、
前記作動モードは少なくともダイナミックモードと前記ダイナミックモードよりも小さな加速度および制動減速度のみを許容させるコンフォートモードを含む、ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記マイクロフォンがドライバーのヘルメット内に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記単軌道動力車両は自動二輪車であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法を実施する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
単軌道動力車両の速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムを制御するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、単軌道動力車両の速度コントロールシステムに影響を与えるための方法を開示しており、この方法では、ドライバーにより方法を作動させた後、直前を走行する第2の動力車両の速度を検出し、先行動力車両の速度を動力車両によって受け取り、その際先行動力車両の速度の上昇も減少も受け取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許出願公開第102017201698A1号明細書
【発明の概要】
【0004】
本発明は、単軌道動力車両の速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステム或いはACCシステムを制御するための方法に関し、
-マイクロフォンを用いて、前記単軌道動力車両のドライバーの音声命令を検知し、
-前記音声命令に依存して、前記速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムの少なくとも1つのパラメータを調整する。
【0005】
これにより、手を使用せずに速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムをパラメータ化することがドライバーに可能になる。これは二輪車の分野において特に有意義である。というのは、特にグループ走行の場合、乗用車の分野よりもそれだけ速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムをパラメータ化することが多いからである。ドライバーの視線は、音声制御により道路交通に向けられたままである。
【0006】
本発明の有利な構成は、パラメータが、先行車両に対し調整すべき車間距離であることを特徴としている。
【0007】
本発明の有利な構成は、パラメータが、速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムの作動モードの選定であることを特徴としている。
【0008】
本発明の有利な構成は、作動モードが、速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムのコントロール段階中の走行動的量の限界値のデフォルト値であることを特徴としている。
【0009】
本発明の有利な構成は、作動モードが、速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムに対する目標対象物のデフォルト値であることを特徴としている。
【0010】
本発明の有利な構成は、マイクロフォンがドライバーのヘルメット内に配置されていることを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明は、本発明による方法を実施するために構成された手段を含む装置を包含している。これは特に、本発明による方法を実施するためのプログラムコードがファイルされている制御器である。
【0012】
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明による方法の基本的なシーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
二輪車の場合、押しボタンおよび操作レバーの数量がかなり制限されているため、たとえば速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムのようなドライバーアシストシステムの設定変更は、たとえば操作メニューを介して行われている。操作メニューよりも簡単な可能性は、音声制御を使用することにある。このため、たとえばドライバーのヘルメット内に組み込まれ、ドライバーの音声命令を二輪車のコンビネーションメータへ転送するブルートゥース(登録商標)ヘッドセットを使用することができる。これにより、音声命令を用いて、速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムのシステム設定または作動モードを変更することが可能になる。たとえば目標距離、すなわち先行車両までの車間距離を異なる範囲で調整することができ、或いは、速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムの作動モードを「ダイナミックモード」および「コンフォートモード」に調整することもできる。「コンフォートモード」では、たとえば、「ダイナミックモード」の場合よりも小さな加速度および制動減速度のみを許容させ、その結果「コンフォートモード」はどちらかと言えば慎重なドライバーに適しており、「ダイナミックモード」はむしろスポーティなドライバーに適している。
【0015】
更なる可能性は、音声命令を用いて、先行車両を持続的目標対象物として設定することにある。この事例では、速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムは、たとえ選定した車両が自車の直前になくても、この車両に追従する。この構成は、とりわけ二輪車ドライバーのグループ走行に適している。
【0016】
本発明による方法の基本的なシーケンスは、
図1に図示されている。
【0017】
ブロック100で単軌道動力車両の速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムを制御するための方法をスタートした後、
-ブロック101で、マイクロフォンを用いて、単軌道動力車両のドライバーの音声命令を検知し、
-ブロック102で、音声命令に依存して、速度コントロールシステムまたは車間距離コントロールシステムの少なくとも1つのパラメータを調整する。
ブロック103で、方法を終了する。
【符号の説明】
【0018】
100 スタート
101 音声命令の検知
102 パラメータを調整
103 エンド