IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社平和の特許一覧

<>
  • 特許-遊技機 図1
  • 特許-遊技機 図2
  • 特許-遊技機 図3
  • 特許-遊技機 図4
  • 特許-遊技機 図5
  • 特許-遊技機 図6
  • 特許-遊技機 図7
  • 特許-遊技機 図8
  • 特許-遊技機 図9
  • 特許-遊技機 図10
  • 特許-遊技機 図11
  • 特許-遊技機 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022018870
(22)【出願日】2022-02-09
(65)【公開番号】P2023116206
(43)【公開日】2023-08-22
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】切本 敦史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 暢紘
【審査官】小河 俊弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-186342(JP,A)
【文献】特開2022-166409(JP,A)
【文献】特開2021-186457(JP,A)
【文献】特開2021-058448(JP,A)
【文献】特開2012-115499(JP,A)
【文献】特開2021-119875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体が移動する遊技領域を備え、遊技者の操作に応じて前記遊技領域に遊技媒体を発射する遊技機であって、
前記遊技領域に設けられた第1領域に遊技媒体が進入した場合に抽選を行う抽選手段と、
可動物を、前記遊技領域に設けられた第2領域への遊技媒体の進入が困難な状態と、前記第2領域への遊技媒体の進入が容易な状態と、の間で動作させる制御を行う可動物制御手段と、
第1状態と、第2状態と、第3状態と、を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う状態移行制御手段と、を備え、
前記第1状態および前記第2状態は、第1の遊技方法で遊技を行う方が第2の遊技方法で遊技を行うよりも有利な遊技状態となっており、
前記第3状態は、第2の遊技方法で遊技を行う方が第1の遊技方法で遊技を行うよりも有利な遊技状態となっており、
前記第3状態は、前記第1状態および前記第2状態よりも、前記第2領域への遊技媒体の進入が容易となるように前記可動物の動作が制御され、遊技者にとって有利な状態となっており、
前記第1状態では、前記抽選の結果が特定の結果である場合に、前記第3状態へ移行可能となっており、
前記第2状態では、前記抽選の結果が特定の結果である場合に、前記第3状態へ移行せず、
前記抽選の結果が特定の結果である場合の特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの間、遊技状態が前記第1状態である場合と、前記抽選の結果が特定の結果である場合の特別図柄の変動開始時の遊技状態が前記第3状態であり、当該特別図柄の変動停止時の遊技状態が前記第1状態である場合と、で異なる演出が実行されるようになっている
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技球(遊技価値)が移動する遊技領域や、遊技球を遊技領域に発射する発射装置等を備えた、パチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機は、遊技領域に設けられた始動口を備え、始動口への遊技球の進入が検出されると、特別図柄抽選が行われる。特別図柄抽選の結果が大当たりである場合、遊技状態が特別遊技状態に移行し、特別遊技状態において複数回の特別遊技が実行される。各特別遊技では遊技領域に設けられている大入賞口が開状態に動作し、大入賞口への遊技球の進入に基づいて遊技球が払い出される。
【0003】
また、この種の遊技機には、遊技の興趣を向上させるため、表示手段(液晶ディスプレイ等)の演出装置を備え、演出装置を介して演出が実行されるものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-186318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技機では、特殊な状況が発生する場合があるが、その場合に特殊な状況が発生していない場合と同様の演出が実行されると、特殊な状況が発生したことを遊技者が把握できないおそれがある。
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、特殊な状況の発生を遊技者に報知可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
遊技媒体が移動する遊技領域を備え、遊技者の操作に応じて前記遊技領域に遊技媒体を発射する遊技機であって、
前記遊技領域に設けられた第1領域に遊技媒体が進入した場合に抽選を行う抽選手段と、
可動物を、前記遊技領域に設けられた第2領域への遊技媒体の進入が困難な状態と、前記第2領域への遊技媒体の進入が容易な状態と、の間で動作させる制御を行う可動物制御手段と、
第1状態と、第2状態と、第3状態と、を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う状態移行制御手段と、を備え、
前記第1状態および前記第2状態は、第1の遊技方法で遊技を行う方が第2の遊技方法で遊技を行うよりも有利な遊技状態となっており、
前記第3状態は、第2の遊技方法で遊技を行う方が第1の遊技方法で遊技を行うよりも有利な遊技状態となっており、
前記第3状態は、前記第1状態および前記第2状態よりも、前記第2領域への遊技媒体の進入が容易となるように前記可動物の動作が制御され、遊技者にとって有利な状態となっており、
前記第1状態では、前記抽選の結果が特定の結果である場合に、前記第3状態へ移行可能となっており、
前記第2状態では、前記抽選の結果が特定の結果である場合に、前記第3状態へ移行せず、
前記抽選の結果が特定の結果である場合の特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの間、遊技状態が前記第1状態である場合と、前記抽選の結果が特定の結果である場合の特別図柄の変動開始時の遊技状態が前記第3状態であり、当該特別図柄の変動停止時の遊技状態が前記第1状態である場合と、で異なる演出が実行されるようになっている。
前記抽選の結果が特定の結果である場合の特別図柄の変動開始時の遊技状態が前記第3状態であり、当該特別図柄の変動停止時の遊技状態が前記第1状態である場合、前記第3状態への移行が決定され得る。このとき、前記第3状態への移行が決定した場合、前記抽選の結果が特定の結果である場合の特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの間、遊技状態が前記第1状態であって前記第3状態への移行が決定した場合とは、異なる演出(特殊演出)が実行されるようになっている。このため、前記抽選の結果が特定の結果である場合の特別図柄の変動中に、遊技状態が前記第3状態から前記第1状態に切り替わり、前記第3状態への移行が決定されるというような、特殊な状況が発生したことを遊技者に報知できる。
【0008】
また、本発明の遊技機は、
遊技媒体が移動する遊技領域を備え、遊技者の操作に応じて前記遊技領域に遊技媒体を発射する遊技機であって、
前記遊技領域に設けられた第1領域に遊技媒体が進入した場合に抽選を行う抽選手段と、
可動物を、前記遊技領域に設けられた第2領域への遊技媒体の進入が困難な第1状態と、前記第2領域への遊技媒体の進入が容易な第2状態と、の間で動作させる制御を行う可動物制御手段と、
通常状態と、特定状態と、を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う状態移行制御手段と、を備え、
前記特定状態には、第1の遊技方法で遊技を行う方が第2の遊技方法で遊技を行うよりも有利な第1特定状態と、第2の遊技方法で遊技を行う方が第1の遊技方法で遊技を行うよりも有利な第2特定状態と、があり、
前記第2特定状態は、前記通常状態および前記第1特定状態よりも、前記第2領域への遊技媒体の進入が容易となるように前記可動物の動作が制御され、遊技者にとって有利な状態となっており、
前記通常状態では、前記抽選の結果が第1の結果である場合に、前記第1特定状態への移行が決定するが、前記特定状態では、前記抽選の結果が第1の結果であっても、前記第1特定状態への移行が決定せず、
前記通常状態では、前記抽選の結果が第2の結果である場合に、前記第2特定状態への移行が決定するが、前記特定状態では、前記抽選の結果が第2の結果であっても、前記第2特定状態への移行が決定せず、
前記抽選の結果が第2の結果である場合の特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの間、遊技状態が前記通常状態であった場合と、前記抽選の結果が第2の結果である場合の特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの間に、遊技状態が前記第2特定状態から前記通常状態に切り替わった場合とで、異なる演出が実行されるようになっている。
前記抽選の結果が第2の結果である場合の特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの間に、遊技状態が前記第2特定状態から前記通常状態に切り替わった場合、前記第2特定状態への移行が決定するが、このとき、前記抽選の結果が第2の結果である場合の特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの間、遊技状態が前記通常状態であって前記第2特定状態への移行が決定した場合とは、異なる演出(特殊演出)が実行されるようになっている。このため、前記抽選の結果が第2の結果である場合の特別図柄の変動中に、遊技状態が前記第2特定状態から前記通常状態に切り替わり、前記第2特定状態への移行が決定されるというような、特殊な状況が発生したことを遊技者に報知できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、特殊な状況が発生したことを遊技者に報知できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その外観構成を示す斜視図である。
図2】同、遊技盤の外観構成を示す正面図である。
図3】同、状態表示部の外観構成を示す正面図である。
図4】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
図5】同、普通当り抽選テーブルを示す図である。
図6】同、普通図柄抽選テーブルを示す図である。
図7】同、大当り抽選テーブルを示す図である。
図8】同、図柄抽選テーブルを示す図である。
図9】同、遊技状態の状態遷移図である。
図10】同、演出図柄および保留図柄の表示について説明するための図である。
図11】同、特定演出について説明するための図である。
図12】同、イレギュラー状態について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
以下の説明において、基本的に「前後」とは、遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、遊技機側が「後」を意味し、「上下」とは遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技機で遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。本実施の形態は、本発明を遊技機の一つであるパチンコ遊技機に適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、パチンコ遊技機に限ることなく、スロットマシンやメダルレス遊技機等の他の遊技機に適用されてもよい。
【0012】
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体、遊技価値)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6を保持する内枠7と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、ガラスユニット8が取り付けられている前枠10と、を備えている。内枠7は、ヒンジ機構を介して外枠2に開閉可能に取り付けられている。また、前枠10は、ヒンジ機構を介して内枠7に開閉可能に取り付けられている。そして、内枠7(および前枠10)は、外枠2の開口部を塞ぐ閉位置(閉鎖状態)と外枠2の開口部を開放する開位置(開放状態)との間で開閉可能となっている。
【0013】
前枠10のうちガラスユニット8を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10の上部の左右および下部の左右には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカー14(音響装置)(音出力手段)が設けられている。
【0014】
前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側側面の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。また、前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお、本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0015】
上皿16の内側側面の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また、上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
【0016】
また、上皿16の縁部手前側には、演出ボタン26(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出ボタン26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。
【0017】
図2は、図1で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。図2に示すように、遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また、遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
【0018】
遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ32(演出表示装置)(表示手段)と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。液晶ディスプレイ32の中央上方には、演出ユニット36を構成し、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する照明装置38(照明手段)が設けられている。
【0019】
本実施形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aまたは右側の遊技領域4bを落下するようになっている。また、遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0020】
また、ディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aを落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0021】
ステージ44の中央部の下方には、ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球が進入可能な第1始動口46(第1領域)が設けられている。また、第1始動口46内には、第1始動口46に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ100(図4参照)が配設されている。第1始動口スイッチ100は、遊技球(第1始動口46への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、第1始動口スイッチ100からの検出信号の入力に基づいて、特別図柄抽選としての第1特別図柄抽選(第1抽選)を実行する。また、主制御基板200は、第1始動口スイッチ100からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130(図4参照)に賞球の払い出しを実行させる。また、第1始動口46に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
【0022】
遊技領域4における第1始動口46の左方には、複数(3個)の一般入賞口47(左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47c)が設けられている。また、遊技盤6には、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bまたは左下一般入賞口47cに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ101(図4参照)が配設されている。一般入賞口スイッチ101は、遊技球(左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bまたは左下一般入賞口47cへの遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、一般入賞口スイッチ101からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出し動作を実行させる。なお、一般入賞口スイッチ101は、左上一般入賞口47aと左中一般入賞口47bと左下一般入賞口47cとのそれぞれについて1個ずつ設けてもよく、複数(例えば3個)の一般入賞口47に対して1個だけ設けてもよい。また、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47cの他にも一般入賞口47およびこの一般入賞口に対応する一般入賞口スイッチを設けてもよい。
【0023】
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート48が設けられている。また、通過ゲート48内には、遊技球が通過したことを検知するゲートスイッチ102(図4参照)が配設されている。ゲートスイッチ102は、遊技球(遊技球の通過ゲート48の通過)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、ゲートスイッチ102からの検出信号の入力に基づいて、普通当りの当否を決定する普通図柄抽選を実行する。
【0024】
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、通過ゲート48の下方に、第2始動口49(第2領域)が設けられている。また、第2始動口49内には、第2始動口49に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ103(図4参照)が配設されている。第2始動口スイッチ103は、遊技球(第2始動口49への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、第2始動口スイッチ103からの検出信号の入力に基づいて、特別図柄抽選としての第2特別図柄抽選(第2抽選)を実行する。また、主制御基板200は、第2始動口スイッチ103からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出しを実行させる。また、第2始動口49に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
【0025】
第2始動口49には、第2始動口49に遊技球が進入しにくい縮小状態(閉状態)(第2始動口49への遊技球の進入が困難な第1状態)と、遊技球が進入しやすい拡大状態(開状態)(第2始動口49への遊技球の進入が容易な第2状態)と、の間で動作可能な普通役物54(可動物)が設けられている。普通役物54は、ソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、普通図柄抽選で普通当りが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。
【0026】
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、大入賞口50が設けられている。また、大入賞口50内には、大入賞口50に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ104(図4参照)が配設されている。カウントスイッチ104は、遊技球(大入賞口50への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、カウントスイッチ104からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出し動作を実行させる。また、主制御基板200は、カウントスイッチ104からの検出信号の入力に基づいて、大入賞口50に入球した遊技球の数をカウントする。また、大入賞口50に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
【0027】
大入賞口50には、大入賞口50に遊技球が進入不可能な閉状態(第2状態、進入不可状態)と遊技球が進入可能な開状態(第1状態、進入可能状態)との間で動作可能な特別役物56が設けられている。特別役物56は、ソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選)で大当りに当選すると開始される特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。また、特別役物56は、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で小当りに当選すると開始される小当り遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。
【0028】
大入賞口50内には、特定領域(図示せず)と、排出領域(図示せず)と、大入賞口50内に入球した遊技球を、特定領域および排出領域のうちのいずれかの領域へ振り分ける振分手段(図示せず)と、が設けられている。特定領域には、特定領域スイッチ107(図4参照)が配設されている。特定領域スイッチ107は、特定領域を通過する遊技球(遊技球による特定領域の通過)の検出に基づき、検出信号を主制御基板200に対して出力する。振分手段は、大入賞口50内に入球した遊技球を特定領域へ振り分ける特定領域通過状態と、大入賞口50内に入球した遊技球を排出領域へ振り分ける非特定領域通過状態と、に変位することが可能となっている。すなわち、振分手段が特定領域通過状態に変位されている場合、大入賞口50内に入球した遊技球は、特定領域へ振り分けられる。これにより、大入賞口50内に入球した遊技球による排出領域の通過が不可能となる。一方、振分手段が非特定領域通過状態に変位されている場合、大入賞口50内に入球した遊技球は、排出領域へ振り分けられる。これにより、大入賞口50内に入球した遊技球による特定領域の通過が不可能となる。振分手段は、特定領域ソレノイドによって変位される。大入賞口50内に入球した遊技球は、まず、カウントスイッチ104により検出され、その後、振分手段により、特定領域および排出領域のうちのいずれかの領域へ振り分けられ、当該領域を通過した後に、排出路へ排出される。この際、特定領域へ振り分けられた遊技球は、特定領域スイッチ107により検出される。
【0029】
また、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口46,47,49,50にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機内部に回収するアウト口62が設けられている。ここで、遊技機内部には、遊技領域4から回収(排出)された遊技球が通過する排出路(図示せず)が設けられている。本遊技機では、遊技領域4に打ち出された全ての遊技球(遊技領域4から回収された全ての遊技球)が、排出路を通過するように構成されている。すなわち、遊技領域4に打ち出された遊技球は、いずれかの入賞口46,47,49,50に入球またはアウト口62を通過することによって、遊技領域4から回収され排出路へ流入する。具体的には、各入賞口46,47,49,50に入球した遊技球は、入賞口内に配設されたスイッチ100,101,103,104により検出された後に、排出路に誘導される。また、アウト口62から回収された遊技球は、排出路に誘導される。また、排出路には、アウトスイッチ106(図4参照)が配設されている。アウトスイッチ106は、排出路を通過する遊技球(遊技領域4からの遊技球の排出)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、アウトスイッチ106からの検出信号の入力に基づいて、遊技領域4から排出された遊技球の数をカウントする。
【0030】
遊技球の発射装置は、図1で示したグリップユニット20(ハンドル)の回転量を調整することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4a(第1遊技領域4a)(左打ち領域)を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4b(第2遊技領域4b)(右打ち領域)を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0031】
したがって遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域4aを落下して、あるいは開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動口46に入賞するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4bを落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動口49に遊技球が入賞するように、あるいは大入賞口50に遊技球が入賞するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。本実施形態では、左打ちを第1の遊技方法とし、右打ちを第2の遊技方法とする。
【0032】
なお、本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4aを落下する場合には、通過ゲート48を遊技球が通過することがなく、第2始動口49および大入賞口50に遊技球が入球(入賞)することがないようになっている。また、遊技球が右側の遊技領域4bを落下する場合には、第1始動口46および一般入賞口47に遊技球が入賞することがないようになっている。
【0033】
図2に示すように、遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部70が設けられている。
【0034】
図3は、状態表示部70の外観構成を示す正面図である。状態表示部70には、図3に示すように、普通図柄表示部72、普通保留表示部74、第1特別図柄表示部76、第1特別保留表示部78、第2特別図柄表示部81、第2特別保留表示部82、遊技状態表示部84が設けられている。
【0035】
普通図柄表示部72は、2つのランプにより構成され、普通図柄抽選が行われる場合に2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示し、2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示して、普通図柄抽選の結果を表示する。
【0036】
普通保留表示部74は、2つのランプにより構成され、通過ゲート48を遊技球が通過した時点で既に普通図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、普通図柄抽選用乱数値を取得しても普通図柄抽選を行うことができないことにより普通図柄抽選用乱数値が保留された場合に、保留されている普通図柄抽選用乱数値の数に対応する普通保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
【0037】
第1特別図柄表示部76は、7セグメントディスプレイにより構成され、第1始動口46に遊技球が進入することにより第1特別図柄抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示して、第1特別図柄抽選の結果を表示する。
【0038】
第1特別保留表示部78は、2つのランプにより構成され、第1始動口46に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別図柄抽選用乱数値(抽選情報)を取得しても特別図柄抽選を行うことができないことにより特別図柄抽選用乱数値が第1特別乱数値として保留された場合に、保留されている第1特別乱数値の数に対応する第1特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示する。
【0039】
第2特別図柄表示部81は、7セグメントディスプレイにより構成され、第2始動口49に遊技球が進入することにより第2特別図柄抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示して、第2特別図柄抽選の結果を表示する。
【0040】
第2特別保留表示部82は、2つのランプにより構成され、第2始動口49に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別図柄抽選用乱数値を取得しても特別図柄抽選を行うことができないことにより特別図柄抽選用乱数値が第2特別乱数値として保留された場合に、保留されている第2特別乱数値の数に対応する第2特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示可能となっている。なお、本実施形態では、第2特別乱数値が保留されることはなく、第2特別保留数の上限が0となっている。
【0041】
遊技状態表示部84は、6つのランプにより構成され、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、現在設定されている遊技状態の種類を表示する。詳細は後述するが、本実施形態では、図9に示すように、通常状態と、微時短状態と、時短状態(第1時短状態、第2時短状態および第3時短状態)と、特別遊技状態と、を含む複数の遊技状態を設定可能となっている。時短状態は、通常状態および微時短状態と比較して、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間が短縮され、特別図柄抽選の実行契機が頻繁に到来する遊技状態となっている。
【0042】
図4は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、主制御基板200(遊技制御手段)および副制御基板202を含む制御基板によって制御される。そして、主制御基板200や副制御基板202等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0043】
主制御基板200は、ゲートスイッチ102、第1始動口スイッチ100、第2始動口スイッチ103、一般入賞口スイッチ101、カウントスイッチ104、アウトスイッチ106、特定領域スイッチ107等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、普通役物54、特別役物56、払出装置130等の出力手段の動作制御を行う。
【0044】
また、副制御基板202は、主制御基板200から送られてくる信号や、演出ボタンスイッチ150からの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、前枠ランプ12、スピーカー14、液晶ディスプレイ32、照明装置38等の演出装置の動作制御を行う。
【0045】
主制御基板200は、乱数発生手段210、普通図柄抽選手段220、普通表示制御手段222、普通役物制御手段224、特別図柄抽選手段230、特別表示制御手段240、遊技状態移行制御手段250、特別遊技実行手段260、小当り遊技実行手段262、払出制御手段270、通信制御手段280およびメインメモリ290等を含んで構成されている。
【0046】
乱数発生手段210は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0047】
(普通図柄抽選)
普通図柄抽選手段220は、通過ゲート48を通過する遊技球を1個ずつ検出するゲートスイッチ102から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から普通図柄抽選用乱数値を取得してメインメモリ290の普通乱数記憶手段2912に格納し、普通乱数記憶手段2912から読み出した普通図柄抽選用乱数値について普通当りの当否などを決定する普通図柄抽選を行う。
【0048】
詳細には普通乱数記憶手段2912には、取得した普通図柄抽選用乱数値を格納する記憶領域として、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4の4つの普通保留記憶領域が設けられ、普通保留記憶領域1から読み出して普通図柄抽選を行った普通図柄抽選用乱数値を普通図柄の変動表示および停止表示が終了するまで格納する記憶領域として、1つの当該普通保留記憶領域が設けられている。
そして、普通図柄抽選手段220は、乱数発生手段210から普通図柄抽選用乱数値を取得すると、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4のいずれにも普通図柄抽選用乱数値が格納されていない状態では、取得した普通図柄抽選用乱数値をまずは普通保留記憶領域1に格納する。そして、普通保留記憶領域1に普通図柄抽選用乱数値が格納された時点で、普通図柄が変動表示中または停止表示中でなく、すなわち当該普通保留記憶領域に普通図柄抽選用乱数値が格納されておらず、普通役物54を開状態にする制御の実行中でない場合には、直ちに普通保留記憶領域1から普通図柄抽選用乱数値を読み出して普通図柄抽選を行い、普通図柄抽選を行った普通図柄抽選用乱数値を当該普通保留記憶領域に格納する。一方、普通図柄が変動表示中または停止表示中であるか、すなわち当該普通保留記憶領域に普通図柄抽選用乱数値が格納されているか、普通役物54を開状態にする制御の実行中である場合には、普通保留記憶領域1において普通図柄抽選用乱数値を保留する。
【0049】
そして、普通保留記憶領域1において普通図柄抽選用乱数値が保留されている状態で更にゲートスイッチ102から検出信号が入力されて普通図柄抽選用乱数値が取得された場合には、普通図柄抽選手段220は、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4において保留されている普通図柄抽選用乱数値の数が4個未満であることを条件に、すなわち普通保留数が4個未満であることを条件に、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4のうち普通図柄抽選用乱数値が保留されていない普通保留記憶領域であって序数が最小である普通保留記憶領域に普通図柄抽選用乱数値を格納する。
【0050】
そして、普通図柄抽選手段220は、普通図柄の変動表示および停止表示が終了すると、当該普通保留記憶領域に格納されている普通図柄抽選用乱数値を消去し、普通保留記憶領域1において普通図柄抽選用乱数値が保留されている場合には、普通役物54を開状態にする制御の実行中でないことを条件に、普通保留記憶領域1から普通図柄抽選用乱数値を読み出して普通図柄抽選を行い、普通図柄抽選を行った普通図柄抽選用乱数値を当該普通保留記憶領域に格納する。ここで、普通保留記憶領域2以降に普通図柄抽選用乱数値が残存している場合には、残存している普通図柄抽選用乱数値を元の普通保留記憶領域から序数が1つ小さい普通保留記憶領域に移動させる。例えば、普通保留記憶領域2~普通保留記憶領域3に普通図柄抽選用乱数値が残存している場合には、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域2に移動させる。
【0051】
こうして普通乱数記憶手段2912では、普通図柄抽選が行われた普通図柄抽選用乱数値が当該普通保留記憶領域において1個を上限として保留され、普通図柄抽選が行われていない普通図柄抽選用乱数値が普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4において4個を上限として保留される。
【0052】
普通図柄抽選の詳細について説明する。普通図柄抽選手段220は、普通図柄抽選として、普通当り決定処理、普通図柄決定処理などを行う。
【0053】
普通当り決定処理は、普通当りの当否を決定する処理である。普通当り決定処理では、普通図柄抽選手段220は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている普通当り抽選テーブルを参照して乱数判定処理を行う。
【0054】
図5は、普通当り抽選テーブルを示している。本実施形態では、普通当り抽選テーブルでは、0~99の100個の普通図柄抽選用乱数値のそれぞれに対して普通当りが対応付けられており、普通図柄抽選において普通当りに当選する確率が1/1(100/100)となっている。換言すると、普通当り抽選テーブルでは1/1の確率で普通当りが当選するように、普通当りと乱数値との対応関係が設定されている。普通図柄抽選手段220は、当該普通当り抽選テーブルを参照して、普通乱数記憶手段2912の普通保留記憶領域1から読み出した1つの普通図柄抽選用乱数値が普通当たりに対応付けられているか否かを判定することにより、普通当りが当選したか否かを判定する。
【0055】
本実施形態では、普通図柄抽選手段220は、いずれの遊技状態であっても、当該普通当り抽選テーブルを選択する。換言すると、本実施形態では、普通図柄抽選において普通当りに当選する確率は、遊技状態に応じて変化しないようになっている。
【0056】
普通図柄決定処理は、普通当り決定処理において普通当りに当選した場合に行われ、普通当り図柄(普通当りの種別)を、複数の普通当り図柄のうちのいずれにするかを決定する処理である。本実施形態では、当該種別として、「普図1」と、「普図2」と、「普図3」と、が設定されている。普通図柄決定処理において、「普図1」が決定される確率(当選確率)は、64880/65536となっており、「普図2」が決定される確率(当選確率)は、358/65536となっており、「普図3」が決定される確率(当選確率)は、298/65536となっている。
【0057】
本実施形態では、普通図柄抽選において普通当りに当選した場合、決定された普通当りの種別に応じた開放パターン(開放態様・開閉態様)で普通役物54が開放(開閉)される。本実施形態では、普通役物54の開放パターンの種別として、ショート開放パターン(第1開放パターン)と、ロング開放パターン(第2開放パターン)と、が設定されている。ショート開放パターンは、第2始動口49への遊技球の入球が困難となる開放パターンとなっている。ショート開放パターンでは、ロング開放パターンと比較して、普通役物54が開状態(拡大状態)とされる時間が短く設定されている。ショート開放パターンは、例えば、普通役物54の開放回数が1回に設定され、普通役物54の開放時間が約0.05[s]に設定される。ロング開放パターンは、第2始動口49への遊技球の入球が容易となる開放パターンとなっている。ロング開放パターンは、ショート開放パターンと比較して、普通役物54が開状態(拡大状態)とされる時間が長く設定されている。ロング開放パターンは、例えば、普通役物54の開放回数が4回に設定され、各回の普通役物54の開放時間の合計が約5.5[s]に設定される。このため、普通役物54の開放パターンとして、ロング開放パターンが選択された場合、右打ちで遊技を進行させていれば、ほぼ確実に第2始動口49へ遊技球を入球させることが可能である。
【0058】
普通図柄決定処理では、普通図柄抽選手段220は、抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の普通図柄抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、普通図柄抽選が行われた時点の遊技状態に応じて選択する。
遊技状態が通常状態である場合、図6(a)に示す普通図柄抽選テーブル1が選択される。この場合、普通図柄決定処理において「普図1」~「普図3」のいずれに決定された場合であっても、ショート開放パターンが設定される。これにより、通常状態における普通図柄抽選で普通当りに当選した場合には、1/1の確率でショート開放パターンが設定される。
【0059】
遊技状態が微時短状態である場合、図6(b)に示す普通図柄抽選テーブル2が選択される。この場合、普通図柄決定処理において「普図1」~「普図3」のいずれに決定された場合であっても、ショート開放パターンが設定される。これにより、微時短状態における普通図柄抽選で普通当りに当選した場合には、1/1の確率でショート開放パターンが設定される。
なお、微時短状態では、通常状態と同様に1/1の確率でショート開放パターンが設定されるが、通常状態におけるショート開放パターンとは異なるショート開放パターンが設定され、通常状態におけるショート開放パターンよりも僅かに普通役物54の開放時間が長く設定される。このように通常状態と微時短状態とでは、普通役物54の動作に関する制御が異なっている。
本実施形態では、通常状態と微時短状態とで普通役物54の開放パターンが異なっているが、通常状態と微時短状態とで、普通役物54の開放パターンが同一であってもよい。微時短状態は、普通図柄抽選の当選確率、普通役物54の開放パターンおよび普通図柄の変動時間のうちのいずれか1つ以上が、通常状態(時短状態)と異なっていればよい。例えば、微時短状態と通常状態(時短状態)とで、普通図柄抽選の当選確率および普通役物54の開放パターンが同一で、普通図柄の変動時間が異なっていてもよく、その場合、普通図柄の変動時間は、微時短状態の方が通常状態(時短状態)よりも僅かに短い時間が設定されるようになっていてもよい。
【0060】
遊技状態が第1時短状態である場合、図6(c)に示す普通図柄抽選テーブル3が選択される。この場合、普通図柄決定処理において「普図1」~「普図3」のいずれに決定された場合であっても、ロング開放パターンが設定される。これにより、第1時短状態における普通図柄抽選で普通当りに当選した場合には、1/1の確率でロング開放パターンが設定される。
【0061】
遊技状態が第2時短状態である場合、図6(d)に示す普通図柄抽選テーブル4が選択される。この場合、普通図柄決定処理において「普図1」が決定された場合はショート開放パターンが設定され、「普図2」が決定された場合はショート開放パターンが設定され、「普図3」が決定された場合はロング開放パターンが設定される。これにより、第2時短状態における普通図柄抽選で普通当りに当選した場合には、1/219.919の確率でロング開放パターンが設定される。
【0062】
遊技状態が第3時短状態である場合、図6(e)に示す普通図柄抽選テーブル5が選択される。この場合、普通図柄決定処理において「普図1」が決定された場合はショート開放パターンが選択され、「普図2」が決定された場合はロング開放パターンが選択され、「普図3」が決定された場合はロング開放パターンが選択される。これにより、第3時短状態における普通図柄抽選で普通当りに当選した場合には、1/99.902の確率でロング開放パターンが設定される。
【0063】
上述のとおり、第1時短状態と、第2時短状態と、第3時短状態と、では、普通図柄抽選において普通当りに当選した場合における、ロング開放パターンが選択される確率が異なっている。第1時短状態は、第2時短状態および第3時短状態よりも当該確率が高くなっており、遊技者にとって有利となっている。また、第1時短状態、第2時短状態および第3時短状態は、通常状態および微時短状態よりも第2始動口49への遊技球の進入が容易となるように普通役物54が動作され、通常状態および微時短状態よりも遊技者にとって有利な状態となっている。
【0064】
普通図柄抽選手段220は、普通図柄抽選が行われた時点の遊技状態に応じて普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(普通変動パターン決定処理)。本実施形態では、遊技状態が時短状態(第1時短状態、第2時短状態または第3時短状態)である場合、遊技状態が通常状態である場合および遊技状態が微時短状態である場合よりも、普通図柄の変動時間が短く設定される。なお、第1時短状態と、第2時短状態と、第3時短状態とで普通図柄の変動時間が異なっていてもよく、その場合に、第1時短状態における普通図柄の変動時間が最も短く設定されていてもよい。また、微時短状態の方が通常状態よりも普通図柄の変動時間が短く設定されていてもよい。
【0065】
普通表示制御手段222は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、普通図柄表示制御処理、普通保留表示制御処理を行う。
【0066】
普通図柄表示制御処理では、普通表示制御手段222は、普通変動パターン決定処理において決定された普通図柄の変動パターンに応じた変動時間が経過するまで、普通図柄表示部72の2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示させ、普通当り決定処理において普通当りが当選したか否かに応じて、普通図柄表示部72の2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示させることにより、普通図柄表示部72に普通図柄抽選の結果を表示させる。
【0067】
普通保留表示制御処理では、普通表示制御手段222は、普通乱数記憶手段2912に格納されている普通図柄抽選用乱数値の数に応じて、普通保留表示部74の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
【0068】
普通役物制御手段224(可動物制御手段)は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて普通役物駆動装置を制御する手段であって、普通役物制御処理を行う。普通役物制御処理では、普通図柄が普通当りの当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、決定された開放パターン(開放態様・開閉態様)で普通役物54が開放(開閉)するように普通役物駆動装置の駆動制御が行われる。
【0069】
(特別図柄抽選)
特別図柄抽選手段230(抽選手段)は、第1始動口46に進入する遊技球を1個ずつ検出する第1始動口スイッチ100から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得して、メインメモリ290の特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値として格納する。また、特別図柄抽選手段230は、第2始動口49に進入する遊技球を1個ずつ検出する第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得して、特別乱数記憶手段2914に第2特別乱数値として格納する。そして、特別図柄抽選手段230は、特別乱数記憶手段2914から読み出した第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を用いて、大当りの当否などを決定する特別図柄抽選を行う。
【0070】
特別乱数記憶手段2914には、取得した第1特別乱数値を格納する記憶領域として第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4の4つの第1特別保留記憶領域が設けられ、第1特別保留記憶領域1から読み出して特別図柄抽選を行った第1特別乱数値を第1特別図柄の変動表示および停止表示が終了するまで格納する記憶領域として、1つの第1当該特別保留記憶領域が設けられている。
【0071】
特別図柄抽選手段230は、第1始動口スイッチ100から検出信号が入力されたことに基づいて特別図柄抽選用乱数値を取得すると、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれにも第1特別乱数値が格納されていない状態では、取得した特別図柄抽選用乱数値をまずは第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値として格納する。そして、第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値が格納された時点で、第1特別図柄が変動表示中または停止表示中でなく、すなわち第1当該特別保留記憶領域に第1特別乱数値が格納されておらず、遊技状態が特別遊技状態でなく、小当り遊技の実行中でない場合には、直ちに第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選を行った第1特別乱数値を第1当該特別保留記憶領域に格納する。一方、第1特別図柄が変動表示中または停止表示中であるか、すなわち第1当該特別保留記憶領域に第1特別乱数値が格納されているか、または遊技状態が特別遊技状態であるか、小当り遊技の実行中である場合には、第1特別保留記憶領域1において第1特別乱数値を保留する。
【0072】
そして、第1特別保留記憶領域1において第1特別乱数値が保留されている状態で更に第1始動口スイッチ100から検出信号が入力されて特別図柄抽選用乱数値が取得された場合には、特別図柄抽選手段230は、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4において保留されている第1特別乱数値の数が4個未満であることを条件に、すなわち第1特別保留数が4個未満であることを条件に、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のうち第1特別乱数値が保留されていない保留記憶領域であって序数が最小である第1特別保留記憶領域に第1特別乱数値として格納する。
【0073】
特別乱数記憶手段2914には、取得した第2特別乱数値を格納する記憶領域として第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4の4つの第2特別保留記憶領域が設けられ、第2特別保留記憶領域1から読み出して特別図柄抽選を行った第2特別乱数値を第2特別図柄の変動表示および停止表示が終了するまで格納する記憶領域として、1つの第2当該特別保留記憶領域が設けられている。
特別図柄抽選手段230は、第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて特別図柄抽選用乱数値を取得すると、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されていない状態では、取得した特別図柄抽選用乱数値をまずは第2特別保留記憶領域1に第2特別乱数値として格納する。そして、第2特別保留記憶領域1に第2特別乱数値が格納された時点で、第2特別図柄が変動表示中または停止表示中でなく、すなわち第2当該特別保留記憶領域に第2特別乱数値が格納されておらず、遊技状態が特別遊技状態でなく、小当り遊技の実行中でない場合には、直ちに第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選を行った第2特別乱数値を第2当該特別保留記憶領域に格納する。一方、第2特別図柄が変動表示中または停止表示中であるか、すなわち第2当該特別保留記憶領域に第2特別乱数値が格納されているか、または遊技状態が特別遊技状態であるか、小当り遊技の実行中である場合には、第2特別保留記憶領域1において第2特別乱数値を保留しない。
なお、特別図柄抽選手段230は、第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて特別図柄抽選用乱数値を取得すると、第2当該特別保留記憶領域に第2特別乱数値が格納されておらず、遊技状態が特別遊技状態でなく、小当り遊技の実行中でない場合には、取得した特別図柄抽選用乱数値(第2特別乱数値)を用いて特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選を行った第2特別乱数値を第2当該特別保留記憶領域に格納することとしてもよい。換言すると、第2特別保留記憶領域が設けられていなくてもよい。
【0074】
また、特別図柄抽選手段230は、第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて特別図柄抽選用乱数値を取得し、取得した特別図柄抽選用乱数値を第2特別保留記憶領域1に第2特別乱数値として格納する時点で、第2特別図柄が変動表示中または停止表示中であるか、すなわち第2当該特別保留記憶領域に第2特別乱数値が格納されているか、または遊技状態が特別遊技状態であるか、小当り遊技の実行中である場合に、第2特別保留記憶領域1において第2特別乱数値を保留するようになっていてもよい。そして、第2特別保留記憶領域1において第2特別乱数値が保留されている状態で更に第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されて特別図柄抽選用乱数値が取得された場合には、特別図柄抽選手段230は、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において保留されている第2特別乱数値の数が4個未満であることを条件に、すなわち第2特別保留数が4個未満であることを条件に、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のうち第2特別乱数値が保留されていない第2特別保留記憶領域であって序数が最小である第2特別保留記憶領域に第2特別乱数値として格納してもよい。
【0075】
特別図柄抽選手段230は、第1特別図柄の変動表示および停止表示が終了すると、第1当該特別保留記憶領域に格納されている第1特別乱数値を消去する。そして、第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値が格納されている場合には、遊技状態が特別遊技状態でなく、小当り遊技の実行中でないことを条件に、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選を行った第1特別乱数値を第1当該特別保留記憶領域に格納する。
また、特別図柄抽選手段230は、第2特別図柄の変動表示および停止表示が終了すると、第2当該特別保留記憶領域に格納されている第2特別乱数値を消去する。なお、第2特別保留記憶領域1に第2特別乱数値が格納されている場合には、遊技状態が特別遊技状態でなく、小当り遊技の実行中でないことを条件に、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選を行った第2特別乱数値を第2当該特別保留記憶領域に格納してもよい。本実施形態では、第1特別乱数値と第2特別乱数値を並行して消化するため、第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の変動表示が開始されたり、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄の変動表示が開始されたりすることがあるようになっている。
【0076】
なお、第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値が格納されている場合には、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されていないことを条件に、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行い、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれかに第2特別乱数値が格納されている場合には、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれかに第1特別乱数値が格納されていたとしても、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行うようにしてもよい。すなわち、第1特別乱数値よりも第2特別乱数値を優先して消化するようにしてもよい。また、第1特別乱数値であるか第2特別乱数値であるかに関わらず、特別乱数記憶手段2914に格納された順序で第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行うようにしてもよい。すなわち第1始動口46あるいは第2始動口49に遊技球が進入した順序で第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を消化するようにしてもよい。
【0077】
第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出した時点で、第1特別保留記憶領域2以降に第1特別乱数値が残存している場合には、あるいは第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出した時点で、第2特別保留記憶領域2以降に第2特別乱数値が残存している場合には、残存している第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を元の特別保留記憶領域から序数が1つ小さい特別保留記憶領域に移動させる。例えば、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出した時点で、第1特別保留記憶領域2~第1特別保留記憶領域4のそれぞれに第1特別乱数値が残存している場合には、第1特別保留記憶領域2~第1特別保留記憶領域4のそれぞれに格納されている第1特別乱数値を、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域3のそれぞれに移動させ、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出した時点で、第2特別保留記憶領域2~第2特別保留記憶領域3のそれぞれに第2特別乱数値が残存している場合には、第2特別保留記憶領域2~第2特別保留記憶領域3のそれぞれに格納されている第2特別乱数値を、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域2のそれぞれに移動させる。
【0078】
特別乱数記憶手段2914では、特別図柄抽選が行われていない第1特別乱数値が第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4において4個を上限として保留される。本実施形態では、特別図柄抽選が行われていない第2特別乱数値が第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4に保留されないが、特別図柄抽選が行われていない第2特別乱数値が第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において4個を上限として保留されてもよい。
【0079】
特別図柄抽選の詳細について説明する。特別図柄抽選手段230は、第1始動口スイッチ100あるいは第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、特別図柄抽選用乱数値として、大当り決定乱数値、図柄決定乱数値などの複数種類の乱数値を取得し、これらの複数種類の乱数値を特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納する。そして、特別図柄抽選手段230は、特別図柄抽選として、大当り決定処理、図柄決定処理などを行う。
【0080】
大当たり決定処理は、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの大当り決定乱数値を読み出して、大当りなどの当否を決定する処理である。ここで1つの大当り決定乱数値は、第1始動口スイッチ100あるいは第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、0~65535の65536個の大当り決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0081】
大当り決定処理では、特別図柄抽選手段230は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の大当り抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、読み出した1つの大当り決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていたか第2特別乱数値として格納されていたかに応じて選択する。
【0082】
本実施形態では、抽選テーブル記憶手段2910に、図7(a)に示す大当り抽選テーブルAと、図7(b)に示す大当り抽選テーブルBと、が記憶されている。各大当り抽選テーブルでは、0~65535の65536個の大当り決定乱数値のそれぞれに対して、大当たりなどが対応付けられている。
【0083】
大当り抽選テーブルAは、第1特別乱数値について大当り決定処理を行う場合に選択され、「大当り」が1/219.919(298/65536)の確率で当選し、「時短」が218.919/219.919(65238/65536)の確率で当選するように、各判定結果と大当り決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、大当り抽選テーブルAを参照して、第1保留記憶領域1から読み出した大当り決定乱数値が、「大当り」または「時短」に対応付けられているか否かを判定することにより、「大当り」または「時短」が当選したか否かを決定する。本実施形態では、第1特別図柄抽選では、「大当り」または「時短」のいずれかに必ず当選するようになっている。
なお、本実施形態では、第1特別図柄抽選において「大当り」または「時短」に当選する確率は、遊技状態に応じて変化しないようになっている。
【0084】
大当り抽選テーブルBは、第2特別乱数値について大当り決定処理を行う場合に選択され、「大当り」が0.005/1.005(298/65536)の確率で当選し、「小当り」が1/1.005(65238/65536)の確率で当選するように、各判定結果と大当り決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、大当り抽選テーブルBを参照して、第2保留記憶領域1から読み出した大当たり決定乱数値が、「大当り」または「小当り」に対応付けられているか否かを判定することにより、「大当り」または「小当り」が当選したか否かを決定する。本実施形態では、第2特別図柄抽選では、「大当り」または「小当り」のいずれかに必ず当選するようになっている。
なお、本実施形態では、第2特別図柄抽選において「大当り」または「小当り」に当選する確率は、遊技状態に応じて変化しないようになっている。
【0085】
図柄決定処理は、大当り決定処理において、大当り、時短、または小当りに当選した場合に行われる処理である。図柄決定処理は、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの図柄決定乱数値を読み出して、大当りに当選した場合には、大当り図柄(大当りの種別)を複数の大当り図柄のうちのいずれにするかを決定し、時短に当選した場合には、時短図柄(時短の種別)を複数の時短図柄のうちのいずれにするかを決定し、小当りに当選した場合には、小当り図柄(小当りの種別)を複数の小当り図柄のうちのいずれにするかを決定する処理である。ここで、1つの図柄決定乱数値は、第1始動口スイッチ100、第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、0~199の200個の図柄決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0086】
図柄決定処理では、特別図柄抽選手段230は、抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の図柄抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていたか第2特別乱数値として格納されていたかに応じて選択する。
【0087】
本実施形態では、抽選テーブル記憶手段2910に、図8(a)に示す図柄抽選テーブルAと、図8(b)に示す図柄抽選テーブルBと、図8(c)に示す図柄抽選テーブルCと、図8(d)に示す図柄抽選テーブルDと、が記憶されている。各図柄抽選テーブルでは、図柄決定乱数値のそれぞれに対して、所定の図柄が対応付けられている。
【0088】
図8(a)に示す図柄抽選テーブルAは、大当りに当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていた場合に選択され、「3R時短1」が約99%(199/200)の確率で当選し、「3R時短2」が約1%(1/200)の確率で当選するように、各図柄と図柄決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、図柄抽選テーブルAを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が、複数種類の大当り図柄のいずれに対応付けられているかを判定することにより、複数種類の大当り図柄のいずれが当選したかを決定する。
【0089】
図8(b)に示す図柄抽選テーブルBは、時短に当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていた場合に選択され、「C時短1」が約75%の確率で当選し、「C時短2」が約25%の確率で当選するように、各図柄と図柄決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、図柄抽選テーブルBを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が、複数種類の時短図柄のいずれに対応付けられているかを判定することにより、複数種類の時短図柄のいずれが当選したかを決定する。
【0090】
図8(c)に示す図柄抽選テーブルCは、大当りに当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第2特別乱数値として格納されていた場合に選択され、「10R時短1」が40/200の確率で当選し、「7R時短1」が16/200の確率で当選し、「5R時短1」が24/200の確率で当選し、「3R時短3」が87/200の確率で当選し、「3R時短4」が10/200の確率で当選し、「3R時短5」が23/200の確率で当選するように、各図柄と図柄決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、図柄抽選テーブルCを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が、複数種類の大当り図柄のいずれに対応付けられているかを判定することにより、複数種類の大当り図柄のいずれが当選したかを決定する。
【0091】
図8(d)に示す図柄抽選テーブルDは、小当りに当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第2特別乱数値として格納されていた場合に選択され、「小当り1」が40/200の確率で当選し、「小当り2」が16/200の確率で当選し、「小当り3」が24/200の確率で当選し、「小当り4」が87/200の確率で当選し、「小当り5」が10/200の確率で当選し、「小当り6」が23/200の確率で当選するように、各図柄と図柄決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、図柄抽選テーブルDを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が、複数種類の小当り図柄のいずれに対応付けられているかを判定することにより、複数種類の小当り図柄のいずれが当選したかを決定する。
【0092】
(大当り図柄)
特別遊技状態は、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選あるいは第2特別図柄抽選)において大当りに当選したことに基づき開始され、大当り図柄(図8(a)および図8(c))の種類(種別)に応じて予め定められたラウンド数(実行回数)の特別遊技が実行されると終了する。特別図柄抽選において、「3R時短1」、「3R時短2」、「3R時短3」、「3R時短4」または「3R時短5」が当選したことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第3ラウンドの3ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。特別図柄抽選において、「10R時短1」が当選したことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第10ラウンドの10ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。特別図柄抽選において、「7R時短1」が当選したことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第7ラウンドの7ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。特別図柄抽選において、「5R時短1」が当選したことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第5ラウンドの5ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。詳細は後述するが、特別図柄抽選において大当りに当選した場合、特別遊技状態の終了時に、大当り図柄に応じた所定の時短回数が設定され、時短状態(第1時短状態、第2時短状態または第3時短状態)が開始される。
【0093】
(時短図柄)
通常状態において、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「C時短1」または「C時短2」が当選し、第1特別図柄が「C時短1」または「C時短2」に応じた態様で停止表示された場合(第1特別図柄が確定した場合)、当該停止表示(確定)を契機として、時短図柄に応じた所定の時短回数(詳細は後述する)が設定され、微時短状態または時短状態(第1時短状態)に移行する。
なお、通常状態以外の遊技状態(微時短状態、第1時短状態、第2時短状態または第3時短状態)において、第1特別図柄抽選で「C時短1」または「C時短2」に当選し、第1特別図柄が停止表示された場合(確定した場合)、当該停止表示(確定)を契機として微時短状態または第1時短状態に移行しない。なお、「移行しない」には、すでにその遊技状態に滞在している場合に、所定の時短回数が再設定されないことが含まれる。このとき、第1特別図柄は、「C時短1」または「C時短2」に応じた態様で停止表示するが、ハズレとして扱われるものであってもよく、第1特別図柄がハズレの態様で停止表示するものであってもよい。
「C時短2」は、大入賞口50への遊技球の入球が容易となる遊技状態(特別遊技状態または小当り遊技状態)への移行が付与されず、特別遊技状態または小当り遊技状態を経由せずに第1時短状態に移行可能な時短図柄となっている。
【0094】
(小当り図柄)
小当り遊技状態は、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)において小当りに当選したことに基づき開始され、予め定められた回数(本実施形態では1回)の小当り遊技が実行されると終了する。小当り遊技では、特別役物56が、大入賞口50への遊技球の進入を可能とする開状態となり、振分手段が、非特定領域通過状態から特定領域通過状態に変位される。具体的には、小当り遊技では、当該小当り遊技の実行中に大入賞口50へ入球した遊技球による特定領域の通過が容易(可能)となるように、振分手段が、非特定領域通過状態から特定領域通過状態に変位される。これにより、第2特別図柄抽選において「小当り1」~「小当り6」のいずれかに当選した場合、小当り遊技状態において、遊技球による特定領域の通過が容易(可能)となる。そして、小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合(小当り遊技の実行中に大入賞口50に入球した遊技球による特定領域の通過が検出された場合)、小当り遊技状態の終了に基づき、特別遊技状態が開始される。
【0095】
第2特別図柄抽選において、「小当り1」に当選し、かつ、小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合、ラウンド遊技の回数が9回に設定される。これにより、小当り遊技を1回目のラウンド遊技として10回のラウンドが実行されることになる。そして、10ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。第2特別図柄抽選において、「小当り2」に当選し、かつ、小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合、ラウンド遊技の回数が6回に設定される。これにより、小当り遊技を1回目のラウンド遊技として7回のラウンドが実行されることになる。そして、7ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。第2特別図柄抽選において、「小当り3」に当選し、かつ、小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合、ラウンド遊技の回数が4回に設定される。これにより、小当り遊技を1回目のラウンド遊技として5回のラウンドが実行されることになる。そして、5ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。第2特別図柄抽選において、「小当り4」~「小当り6」のいずれかに当選し、かつ、小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合、ラウンド遊技の回数が2回に設定される。これにより、小当り遊技を1回目のラウンド遊技として3回のラウンドが実行されることになる。そして、3ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
なお、詳細は後述するが、特別遊技状態の終了時に、小当り図柄に応じた所定の時短回数が設定され、時短状態(第1時短状態、第2時短状態または第3時短状態)が開始される。また、小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出されなかった場合(小当り遊技の実行中に大入賞口50に入球した遊技球による特定領域の通過が検出されなかった場合)には、特別遊技状態は開始されず、通常状態が開始される。
【0096】
本実施形態では、各ラウンドの特別遊技(小当り遊技を含む)において、特別役物56が開状態となってからメインメモリ290の開放タイマーが29秒をカウントするか、カウントスイッチ104が1個の遊技球の進入を検出すると1個分の遊技球に相当する値(例えば、1)が加算されるメインメモリ290の大入賞数カウンタの値が上限値(例えば、10)に達すると、特別役物56が閉状態となるように特別役物駆動装置の駆動制御が行われる。
【0097】
特別表示制御手段240は、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて、第1特別図柄表示制御処理、第2特別図柄表示制御処理、第1特別保留表示制御処理、第2特別保留表示制御処理を行う。
【0098】
第1特別図柄表示制御処理は、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値が読み出されて特別図柄抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、変動時間が経過するまで、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示させた後に、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させる。
【0099】
本実施形態では、各大当り図柄、時短図柄、小当り図柄のそれぞれに対応して7セグメントディスプレイの表示態様が予め定められている。
特別表示制御手段240は、大当り決定処理において、大当りまたは時短に当選したか否かに応じた態様で、そして大当り決定処理において大当りに当選した場合には図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で、また大当り決定処理において時短に当選した場合には図柄決定処理で決定された時短図柄に応じた態様で、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させ、第1特別図柄表示部76に特別図柄抽選の結果を表示させる。
【0100】
第2特別図柄表示制御処理は、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値が読み出されて特別図柄抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、変動時間が経過するまで、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示させた後に、第2特別図柄表示部81の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させる。
【0101】
特別表示制御手段240は、大当り決定処理において、大当りまたは小当りに当選したか否かに応じた態様で、そして大当り決定処理において大当りに当選した場合には図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で、また大当り決定処理において小当りに当選した場合には図柄決定処理で決定された小当り図柄に応じた態様で、第2特別図柄表示部81の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させ、第2特別図柄表示部81に特別図柄抽選の結果を表示させる。
【0102】
第1特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値の数に応じて、第1特別保留表示部78の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示させる。
【0103】
本実施形態では、特別図柄抽選が行われていない第2特別乱数値が第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4に保留されないが、特別図柄抽選が行われていない第2特別乱数値が第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において4個を上限として保留される場合、第2特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第2特別乱数値の数に応じて、第2特別保留表示部82の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示させる。
【0104】
遊技状態移行制御手段250は、図9に示すように、所定の移行条件の成立に基づいて
各遊技状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。各時短状態(第1時短状態、第2時短状態および第3時短状態)の終了条件には、第1時短終了条件と、第2時短終了条件と、第3時短終了条件と、がある。各時短状態は、第1時短終了条件~第3時短終了条件のうちのいずれかが成立したことに基づき終了する。
【0105】
(第1時短終了条件)
第1時短終了条件は、普通図柄の変動表示の回数(回転数)に基づく条件となっている。本実施形態では、時短中普図変動回数が、特別遊技状態の終了時に設定された「第1時短回数」に達した場合に、第1時短終了条件が成立する。時短中普図変動回数は、時短状態において実行された普通図柄の変動表示の回数となっている。
主制御基板200のメインメモリ290には、普図変動回数を計数する第1時短カウンタ2932が設けられている。主制御基板200は、特別遊技状態の終了時に、第1時短カウンタ2932の値として、当選図柄(の種別)に応じた第1時短回数を設定し、普通図柄の変動表示を開始するごとに、第1時短カウンタ2932の値から「1」を減算する。そして、普通図柄の最終の変動表示の開始に伴い第1時短カウンタ2932の値が「0」に達すると、第1時短終了条件が成立したと判定し、普通図柄の最終変動開始時に時短状態を終了させ、通常状態を開始させる。第1時短終了条件が成立した場合、当該第1時短終了条件が成立する契機となった普通図柄の変動表示の開始時に、時短状態が終了し、通常状態が開始される。
【0106】
(第2時短終了条件)
第2時短終了条件は、第2特別図柄の変動表示の回数に基づく条件となっている。本実施形態では、時短中特図2変動回数が、特別遊技状態の終了時に設定された「第2時短回数」に達した場合に、第2時短終了条件が成立する。時短中特図2変動回数は、時短状態において実行された第2特別図柄の変動表示の回数となっている。
主制御基板200のメインメモリ290には、特図2変動回数を計数する第2時短カウンタ2933が設けられている。主制御基板200は、特別遊技状態の終了時に、第2時短カウンタ2933の値として、当選図柄(の種別)に応じた第2時短回数を設定し、第2特別図柄の変動表示を開始するごとに、第2時短カウンタ2933の値から「1」を減算する。そして、第2時短カウンタ2933の値が「0」に達すると、第2時短終了条件が成立したと判定し、当該第2時短終了条件が成立する契機となった第2特別図柄の変動表示の開始時に、時短状態を終了させ、通常状態を開始させる。
なお、第2特別図柄の変動表示が終了するごとに、第2時短カウンタ2933の値から「1」を減算し、第2時短カウンタ2933の値が「0」に達すると、第2時短終了条件が成立したと判定し、当該第2時短終了条件が成立する契機となった第2特別図柄の変動表示の終了時(停止表示時)に時短状態を終了させ、通常状態を開始させてもよい。
【0107】
(第3時短終了条件)
第3時短終了条件は、特別図柄の変動表示の回数に基づく条件となっている。本実施形態では、時短中特図合計変動回数が、特別遊技状態の終了時に設定された「第3時短回数」に達した場合に、第3時短終了条件が成立する。時短中特図合計変動回数は、時短状態において実行された第1特別図柄の変動表示の回数と、当該時短状態に実行された第2特別図柄の変動表示の回数と、の合計の回数となっている。
主制御基板200のメインメモリ290には、特図合計変動回数を計数する第3時短カウンタ2934が設けられている。主制御基板200は、特別遊技状態の終了時に、第3時短カウンタ2934の値として、当選図柄(の種別)に応じた第3時短回数を設定し、特別図柄(第1特別図柄あるいは第2特別図柄)の変動表示を開始するごとに、第3時短カウンタ2934の値から「1」を減算する。そして、第3時短カウンタ2934の値が「0」に達すると、第3時短終了条件が成立したと判定し、当該第3時短終了条件が成立する契機となった特別図柄の変動表示の開始時に、時短状態を終了させ、通常状態を開始させる。
なお、特別図柄の変動表示が終了するごとに、第3時短カウンタ2934の値から「1」を減算し、第3時短カウンタ2934の値が「0」に達すると、第3時短終了条件が成立したと判定し、当該第3時短終了条件が成立する契機となった特別図柄の変動表示の終了時(停止表示時)に時短状態を終了させ、通常状態を開始させてもよい。
【0108】
(微時短終了条件)
また、微時短状態の終了条件(微時短終了条件)は、特別図柄の変動表示の回数に基づく条件となっている。本実施形態では、特図合計変動回数(第1特別図柄の変動表示の回数と第2特別図柄の変動表示の回数との合計)が、所定の契機で設定された「微時短回数」(本実施形態では1326回)に達した場合に、微時短終了条件が成立する。本実施形態では、通常状態において、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「C時短1」に当選し、第1特別図柄が「C時短1」に応じた態様で停止表示された場合、当該停止表示を契機として微時短回数(1326)が設定され、微時短状態が開始される。
主制御基板200のメインメモリ290には、特図合計変動回数を計数する微時短カウンタ2935が設けられている。主制御基板200は、通常状態において、第1特別図柄抽選で「C時短1」に当選し、第1特別図柄が「C時短1」に応じた態様で停止表示されたことを契機とし、微時短カウンタ2935に所定の回数に相当する値(1326)を設定し、微時短状態を開始し、特別図柄の変動表示を開始するごとに、微時短カウンタ2935の値から「1」を減算する。そして、微時短カウンタ2935の値が「0」に達すると、微時短終了条件が成立したと判定し、当該微時短終了条件が成立する契機となった特別図柄の変動表示の開始時に、微時短状態を終了させ、通常状態を開始させる。
なお、特別図柄の変動表示が終了するごとに、微時短カウンタ2935の値から「1」を減算し、微時短カウンタ2935の値が「0」に達すると、微時短終了条件が成立したと判定し、当該微時短終了条件が成立する契機となった特別図柄の変動表示の終了時(停止表示時)に微時短状態を終了させ、通常状態を開始させてもよい。
【0109】
また、本実施形態では、通常状態において、第1特別図柄抽選で「C時短1」に当選し、第1特別図柄が「C時短1」に応じた態様で停止表示されたことを契機とし、微時短カウンタ2935に所定の値が設定されるものとしたが、これに限らず、例えば、特別遊技状態の終了時に微時短カウンタ2935に所定の値(1326)が設定されてもよい。その場合、微時短状態へ移行することなく特別遊技状態への移行が決定した場合、あるいは通常状態において第1特別図柄抽選で「C時短2」に当選したことに基づき第1時短状態への移行が決定した場合に、微時短カウンタ2935の値がリセット(初期化)されるようになっていてもよい。
本実施形態では、各種カウンタに設定された値が所定の契機で減算され、「0」に達すると所定の条件が成立したと判定するものとしたが、これに限らず、各種カウンタの値が所定の契機で加算されていき、当該値が所定の値に達すると所定の条件が成立したと判定するものであってもよい。
【0110】
本実施形態では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選)において大当りに当選すると、大入賞口50への遊技球の入球が可能(容易)となる特別遊技状態が開始される。また、第2特別図柄抽選において小当りに当選すると、大入賞口50への遊技球の入球が可能(容易)となる小当り遊技状態が開始され、小当り遊技状態において大入賞口50へ入球した遊技球による特定領域の通過が検出されると、大入賞口50への遊技球の入球が可能(容易)となる特別遊技状態が開始される。遊技者は、大入賞口50へ遊技球を入球させることによって、多くの賞球を獲得することが可能となる。
【0111】
本実施形態では、第2特別図柄抽選に基づき特別遊技状態に移行する確率が、第1特別図柄抽選に基づき特別遊技状態に移行する確率と比較して高くなっている。具体的には、第1特別図柄抽選では、抽選結果として小当りが設定されておらず、大当りに当選した場合にのみ特別遊技状態に移行する。第1特別図柄抽選において大当りに当選する確率は、1/219.919とされている。一方、第2特別図柄抽選では、抽選結果として大当りと小当りとが設定されており、大当りに当選した場合に特別遊技状態に移行するとともに、小当りに当選し、かつ、小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合に、特別遊技状態に移行する。第2特別図柄抽選では、小当りまたは大当りのいずれかに必ず当選するようになっている。
【0112】
第2特別図柄抽選は、特別遊技状態への移行が決定する確率が、第1特別図柄抽選よりも高くなっている。このため、第1特別図柄抽選の機会を獲得するよりも、第2特別図柄抽選の機会を獲得した方が、特別遊技状態に移行する可能性が高くなり、遊技者にとって有利となる。第2特別図柄抽選の機会を獲得するためには、普通図柄抽選において普通当りに当選し、かつ、普通役物54(普通電動役物)が開状態(開放状態)とされているときに、第2始動口49へ遊技球を入球させる必要がある。上述のとおり、本実施形態では、普通役物54の開放パターンとして、ショート開放パターンとロング開放パターンとが設けられており、ショート開放パターンが選択された場合、第2始動口49への遊技球の入球が困難となる一方、ロング開放パターンが選択された場合には、第2始動口49への遊技球の入球が容易となる。
【0113】
(通常状態)
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態である。通常状態では、普通図柄抽選において普通当りに当選した場合に、普通役物54について、1/1の確率でショート開放パターンが設定される。このため、遊技球を第2始動口49に入球させることが困難(不可能)となっている。換言すると、第2特別図柄抽選の機会を獲得することが困難(不可能)となっている。これにより、通常状態は、第1特別図柄抽選の機会を得るべく、第1始動口46に遊技球が入球するように左打ちを行う方が右打ちを行うよりも遊技者に有利となっている。換言すると、通常状態は、左打ちを行うべき遊技状態となっている。
【0114】
図9に示すように、通常状態における特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で大当りに当選すると特別遊技状態に移行する。図8(a)に示すように、当該特別図柄抽選で大当りに当選し、かつ「3R時短1」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に、第1時短回数として70回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、第3時短状態に移行する。また、図8(a)に示すように、当該特別図柄抽選で大当りに当選し、かつ「3R時短2」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に、第1時短回数として100回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、第1時短状態に移行する。
【0115】
図9および図8(b)に示すように、通常状態において、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で時短に当選し、かつ「C時短1」に当選し、第1特別図柄が「C時短1」に応じた態様で停止表示された場合(確定した場合)、その停止表示(確定)を契機として、微時短回数として1326回が設定され、微時短状態に移行する。また、図9および図8(b)に示すように、通常状態において、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で時短に当選し、かつ「C時短2」に当選し、第1特別図柄が「C時短2」に応じた態様で停止表示された場合(確定した場合)、その停止表示(確定)を契機として、第1時短回数として100回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、第1時短状態に移行する。
【0116】
(微時短状態)
微時短状態では、普通図柄抽選において普通当りに当選した場合に、普通役物54について、1/1の確率でショート開放パターンが設定される。このため、遊技球を第2始動口49に入球させることが困難(不可能)となっている。換言すると、第2特別図柄抽選の機会を獲得することが困難(不可能)となっている。これにより、微時短状態は、第1特別図柄抽選の機会を得るべく、第1始動口46に遊技球が入球するように左打ちを行う方が右打ちを行うよりも遊技者に有利となっている。換言すると、通常状態は、左打ちを行うべき遊技状態となっている。
【0117】
図9に示すように、微時短状態における特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で大当りに当選すると特別遊技状態に移行する。図8(a)に示すように、当該特別図柄抽選で大当りに当選し、かつ「3R時短1」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に、第1時短回数として70回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、第3時短状態に移行する。また、図8(a)に示すように、当該特別図柄抽選で大当りに当選し、かつ「3R時短2」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に、第1時短回数として100回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、第1時短状態に移行する。
【0118】
微時短状態において、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で時短(「C時短1」または「C時短2」)に当選し、第1特別図柄が停止表示した場合(確定した場合)、その停止表示(確定)を契機として、微時短状態または第1時短状態が開始(設定)されることはない(新たな時短回数が設定されない)。換言すると、当該当選時の遊技状態が継続される。なお、微時短状態において、第1特別図柄抽選の結果、「C時短1」または「C時短2」に当選し、第1特別図柄が停止表示した場合に(確定した場合に)、その停止表示(確定)を契機として新たな時短回数が設定され得るように構成されていてもよい。
【0119】
微時短状態において、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で大当りに当選せずに、上述の微時短終了条件が成立した場合には、当該成立に基づき微時短状態が終了し、通常状態が開始される。
【0120】
(第1時短状態)
第1時短状態(第1入賞容易状態)では、普通図柄抽選において普通当りに当選した場合に、普通役物54について、1/1の確率でロング開放パターンが選択される。このため、通常状態(または微時短状態)と比較して、遊技球を第2始動口49に入球させることが容易となっている。第1時短状態では、普通図柄抽選において普通当りに当選した場合に、1/1の確率で第2特別図柄抽選の機会を獲得することができる。普通図柄抽選において普通当りに当選する確率が1/1となっており、第2特別図柄抽選において小当りに当選する確率が1/1.005となっている(第2特別図柄抽選では小当りまたは大当りのいずれかに必ず当選する)。したがって、第1時短状態に移行した場合、1回の普通図柄抽選に基づき、ほぼ確実に、特別遊技状態への移行が可能となる。換言すると、第1時短状態では、普通図柄抽選において普通当りに当選する確率(1/1)が、実質的に、第2特別図柄抽選に当選して特別遊技状態へ移行する確率(小当り遊技状態経由を含む)となっている。これにより、第1時短状態は、普通図柄抽選(第2特別図柄抽選)の機会を得るべく、遊技球が通過ゲート48を通過するように、右打ちを行う方が左打ちを行うよりも遊技者に有利となっている。換言すると、第1時短状態は、右打ちを行うべき遊技状態となっている。
【0121】
図9に示すように、第1時短状態における特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で大当りまたは小当りに当選すると特別遊技状態に移行する。図8(c)に示すように、当該特別図柄抽選で大当りに当選し、かつ「10R時短1」、「7R時短1」、「5R時短1」、「3R時短3」または「3R時短4」のうちのいずれかに当選した場合、特別遊技状態の終了時に、第1時短回数として100回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、第1時短状態に移行する。また、図8(c)に示すように、当該特別図柄抽選で大当りに当選し、かつ「3R時短5」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に、第1時短回数として50回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、第2時短状態に移行する。また、図8(d)に示すように、当該特別図柄抽選で小当りに当選し、かつ「小当り1」~「小当り5」のいずれかに当選し、かつ小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合、特別遊技状態の終了時に、第1時短回数として100回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、第1時短状態に移行する。また、図8(d)に示すように、当該特別図柄抽選で小当りに当選し、かつ「小当り6」に当選し、かつ小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合、特別遊技状態の終了時に、第1時短回数として50回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、第2時短状態に移行する。
【0122】
第1時短状態において、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で大当りまたは小当りに当選せずに、上述の第1時短終了条件~第3時短終了条件のうちのいずれかが成立した場合には、当該成立に基づき第1時短状態が終了し、通常状態が開始される。
【0123】
(第2時短状態)
第2時短状態(第2入賞容易状態)では、普通図柄抽選において普通当りに当選した場合に、普通役物54について、1/219.919の確率でロング開放パターンが選択される。このため、通常状態(または微時短状態)と比較して、遊技球を第2始動口49に入球させることが容易となっている。第2時短状態では、普通図柄抽選において普通当りに当選した場合に、1/219.919の確率で第2特別図柄抽選の機会を獲得することができる。第2時短状態では、普通図柄抽選において普通当りに当選する確率(1/219.919)が、実質的に、第2特別図柄抽選に当選して特別遊技状態へ移行する確率(小当り遊技状態経由を含む)となっている。これにより、第2時短状態は、普通図柄抽選(第2特別図柄抽選)の機会を得るべく、遊技球が通過ゲート48を通過するように、右打ちを行う方が左打ちを行うよりも遊技者に有利となっている。換言すると、第2時短状態は、右打ちを行うべき遊技状態となっている。
【0124】
図9に示すように、第2時短状態における特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で大当りまたは小当りに当選すると特別遊技状態に移行する。図8(c)に示すように、当該特別図柄抽選で大当りに当選し、かつ「10R時短1」、「7R時短1」、「5R時短1」、「3R時短3」または「3R時短4」のうちのいずれかに当選した場合、特別遊技状態の終了時に、第1時短回数として100回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、第1時短状態に移行する。また、図8(c)に示すように、当該特別図柄抽選で大当りに当選し、かつ「3R時短5」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に、第1時短回数として50回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、第2時短状態に移行する。また、図8(d)に示すように、当該特別図柄抽選で小当りに当選し、かつ「小当り1」~「小当り5」のいずれかに当選し、かつ小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合、特別遊技状態の終了時に、第1時短回数として100回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、第1時短状態に移行する。また、図8(d)に示すように、当該特別図柄抽選で小当りに当選し、かつ「小当り6」に当選し、かつ小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合、特別遊技状態の終了時に、第1時短回数として50回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、第2時短状態に移行する。
【0125】
第2時短状態において、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で大当りまたは小当りに当選せずに、上述の第1時短終了条件~第3時短終了条件のうちのいずれかが成立した場合には、当該成立に基づき第2時短状態が終了し、通常状態が開始される。
【0126】
(第3時短状態)
第3時短状態(第3入賞容易状態)では、普通図柄抽選において普通当りに当選した場合に、普通役物54について、1/99.902の確率でロング開放パターンが選択される。このため、通常状態(または微時短状態)と比較して、遊技球を第2始動口49に入球させることが容易となっている。第3時短状態では、普通図柄抽選において普通当りに当選した場合に、1/99.902の確率で第2特別図柄抽選の機会を獲得することができる。第3時短状態では、普通図柄抽選において普通当りに当選する確率(1/99.902)が、実質的に、第2特別図柄抽選に当選して特別遊技状態へ移行する確率(小当り遊技状態経由を含む)となっている。これにより、第3時短状態は、普通図柄抽選(第2特別図柄抽選)の機会を得るべく、遊技球が通過ゲート48を通過するように、右打ちを行う方が左打ちを行うよりも遊技者に有利となっている。換言すると、第3時短状態は、右打ちを行うべき遊技状態となっている。
【0127】
図9に示すように、第3時短状態における特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で大当りまたは小当りに当選すると特別遊技状態に移行する。図8(c)に示すように、当該特別図柄抽選で大当りに当選し、かつ「10R時短1」、「7R時短1」、「5R時短1」、「3R時短3」または「3R時短4」のうちのいずれかに当選した場合、特別遊技状態の終了時に、第1時短回数として100回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、第1時短状態に移行する。また、図8(c)に示すように、当該特別図柄抽選で大当りに当選し、かつ「3R時短5」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に、第1時短回数として50回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、第2時短状態に移行する。また、図8(d)に示すように、当該特別図柄抽選で小当りに当選し、かつ「小当り1」~「小当り5」のいずれかに当選し、かつ小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合、特別遊技状態の終了時に、第1時短回数として100回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、第1時短状態に移行する。また、図8(d)に示すように、当該特別図柄抽選で小当りに当選し、かつ「小当り6」に当選し、かつ小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合、特別遊技状態の終了時に、第1時短回数として50回が設定され、第2時短回数として1回が設定され、第3時短回数として10回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、第2時短状態に移行する。
【0128】
第3時短状態において、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で大当りまたは小当りに当選せずに、上述の第1時短終了条件~第3時短終了条件のうちのいずれかが成立した場合には、当該成立に基づき第3時短状態が終了し、通常状態が開始される。
【0129】
第1時短状態、第2時短状態および第3時短状態では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で時短(「C時短1」または「C時短2」)に当選し、第1特別図柄が停止表示した場合(確定した場合)、その停止表示(確定)を契機として、微時短状態または第1時短状態が開始(設定)されることはない(新たな時短回数が設定されない)。換言すると、当該当選時の遊技状態が継続される。なお、第1時短状態、第2時短状態および第3時短状態において、第1特別図柄抽選の結果、「C時短1」または「C時短2」に当選し、第1特別図柄が停止表示した場合に(確定した場合に)、その停止表示(確定)を契機として新たな時短回数が設定され得るように構成されていてもよい。
【0130】
(モーニング状態)
通常状態では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で大当りに当選し、かつ「3R時短2」に当選した場合と、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で時短に当選し、かつ「C時短2」に当選した場合とに、第1時短状態に移行する。これに対し、微時短状態では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で大当りに当選し、かつ「3R時短2」に当選した場合にのみ、第1時短状態に移行する。このため、微時短状態よりも通常状態の方が、第1時短状態(遊技者にとって最も有利な遊技状態)に移行する確率が高く、遊技者にとって有利となっている。換言すると、通常状態は、微時短状態と比較して、「C時短2」に当選した場合に第1時短状態に移行可能となっている分、第1時短状態に移行する確率が高く、遊技者にとって有利な状態となっている。本実施形態では、遊技機の電源が投入された場合、または主制御基板200に設けられているRAMクリアスイッチが操作された場合、RAMクリア(メインメモリ290における所定の領域をクリア(初期化)する処理)が実行され、遊技状態が通常状態に設定される。この通常状態は、所謂「モーニング状態」となっている。
【0131】
ここで、微時短状態、第1時短状態、第2時短状態および第3時短状態を「特定状態」とし、微時短状態を「第1特定状態」とし、第1時短状態、第2時短状態および第3時短状態を「第2特定状態」とする。第1特定状態を左打ち時短状態と称し、第2特定状態を右打ち時短状態と称してもよい。本実施形態において、第2特定状態(右打ち時短状態)という場合、第1時短状態、第2時短状態および第3時短状態のすべてを指す場合と、それらのうちのいずれか1つを指す場合と、がある。
上述のとおり、通常状態および第1特定状態は、右打ちよりも左打ちが有利な遊技状態となっており、第2特定状態は、左打ちよりも右打ちが有利な遊技状態となっている。また、通常状態および第1特定状態は、第2特定状態よりも特別遊技状態への移行が決定される確率が低くなっている。また、通常状態では、第1特別図柄抽選の結果が第1の結果(「C時短1」に当選)である場合に、第1特定状態への移行が決定するが、特定状態では、第1特別図柄抽選の結果が第1の結果であっても、第1特定状態への移行が決定せず、通常状態では、第1特別図柄抽選の結果が第2の結果(「C時短2」に当選)である場合に、第2特定状態(第1時短状態)への移行が決定するが、特定状態では、第1特別図柄抽選の結果が第2の結果であっても、第2特定状態(第1時短状態)への移行が決定しないようになっている。
【0132】
図4に戻り説明する。特別遊技実行手段260は、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて特別遊技を実行する手段であって、特別遊技の実行処理などを行う。
【0133】
小当たり遊技実行手段262は、特別図柄抽選において小当りが当選したことに基づいて小当り遊技を実行する手段であって、小当り遊技の実行処理などを行う。
【0134】
払出制御手段270は、第1始動口スイッチ100からの検出信号、第2始動口スイッチ103からの検出信号、一般入賞口スイッチ101からの検出信号、カウントスイッチ104からの検出信号が入力されたことに基づいて、検出信号ごとに予め定められている賞球数に相当する数の遊技球を払出装置130に払い出させる制御を行う。
【0135】
払出装置130は、払出制御手段270によって指示された払出数の遊技球を払い出す動作を行う。払出装置130には、遊技球を貯めておく遊技球タンクに払出モーターが設けられており、払出制御手段270は、払出モーターの回転角度を制御することにより、指示通りの数の遊技球を遊技球タンクから払い出させる。また、払出装置130には、遊技球を1個払い出すごとに作動する払出センサが備えられており、払出制御手段270は、払出センサからの払出信号に基づいて払出装置130から実際に払い出された遊技球の数を管理することができる。
【0136】
通信制御手段280は、主制御基板200における各種の演算結果に応じて生成された各種のコマンドを副制御基板202に送信する制御を行っている。
なお、本実施形態の遊技機では、主制御基板200と副制御基板202との間では、主制御基板200から副制御基板202への単方向通信のみが可能となっており、副制御基板202からは主制御基板200へ情報を送信することができないように通信接続されている。
【0137】
次に、副制御基板202について説明する。副制御基板202は、演出制御手段300と、サブメモリ302とを含んで構成されている。
【0138】
演出制御手段300は、主制御基板200から送信される各種のコマンドや、演出ボタンスイッチ150からの入力信号や、サブメモリ302の演出データ記憶手段303に記憶されている演出データに基づいて演出装置を制御し、前枠ランプ12や照明装置38を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ32に演出画像を表示させたり、音響装置を制御してスピーカー14から演出音を出力させたり、演出物駆動装置を駆動して演出物を動作させたりするなど、演出装置を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を演出装置に実行させる。
【0139】
演出データ記憶手段303には、液晶ディスプレイ32に画像を表示させるための多数の演出画像データが記憶されており、演出制御手段300は、これらの演出画像データに基づいて、1フレーム(1/30秒)ごとにサブメモリ302のフレームバッファに画像を描画して、描画した画像を液晶ディスプレイ32に表示させることにより、液晶ディスプレイ32に動画を再生表示させる。
【0140】
演出制御手段300は、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて(対応させて)、あるいは普通図柄表示部72における普通図柄の変動表示および停止表示に合わせて(対応させて)、演出図柄(デモ図柄)を液晶ディスプレイ32に表示させる演出を実行し、第1特別図柄抽選あるいは普通図柄抽選の結果を報知する。演出制御手段300は、通常状態(または微時短状態)では、第1特別図柄の変動表示および停止表示に対応する演出図柄を液晶ディスプレイ32に表示させ、時短状態(第1時短状態、第2時短状態または第3時短状態)では、普通図柄の変動表示および停止表示に対応する演出図柄を液晶ディスプレイ32に表示させる。
【0141】
ここで、通常状態における演出図柄の表示について説明する。図10(a)は、第1特別図柄が変動表示を開始する前の状態を示している。液晶ディスプレイ32の表示領域32aに、演出図柄としての、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354が表示されている。左演出図柄350は、液晶ディスプレイ32の表示領域32aにおける左側部に表示され、中演出図柄352は、液晶ディスプレイ32の表示領域32aにおける中央部に表示され、右演出図柄354は、液晶ディスプレイ32の表示領域32aにおける右側部に表示される。左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354はそれぞれ、「1」~「9」の数字を表す9種類の演出図柄列を構成している。なお、「1」~「9」の数字を表す各演出図柄は、数字とともにキャラクタなどの装飾部を含んで構成されていてもよい。
【0142】
図10(b)に示すように、第1特別図柄の変動表示の開始に基づき、演出図柄の変動表示(変動表示演出)が開始される。図中下向きの矢印は、演出図柄が、縦方向に高速で変動表示中(スクロール中)であることを示している。
【0143】
図10(c)に示すように、第1特別図柄の停止表示に基づき、演出図柄は停止表示される。演出図柄は、第1特別図柄抽選の結果に応じた態様で停止表示される。例えば、第1特別図柄抽選で大当りに当選した場合には、図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で停止表示される。また、図示を省略するが、時短状態においても、通常状態と同様に(図10(a)、図10(b)および図10(c)に示すように)、普通図柄の変動表示および停止表示に応じて演出図柄を変動表示または停止表示させる。
【0144】
また、演出制御手段300は、主制御基板200における第1特別保留数あるいは普通保留数に基づき、第1特別保留数あるいは普通保留数を示す画像を、液晶ディスプレイ32に表示させる演出を実行する。通常状態(または微時短状態)では、図10(a)~図10(c)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域32aの下部に、第1特別保留数に応じた第1保留画像420(第1保留図柄)が表示される。また、時短状態(第1時短状態、第2時短状態または第3時短状態)では、図10(d)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域32aの下部に、普通保留数に応じた第2保留画像422(第2保留図柄)が表示される。
【0145】
上述のとおり、特別図柄抽選手段230は、特別乱数記憶手段2914から第1特別乱数値を読み出して、特別図柄抽選として大当たり決定処理、図柄決定処理などを行うが、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値を格納する際にも、事前判定処理として大当り決定処理、図柄決定処理などを行う。特別図柄抽選手段230(事前判定手段)は、第1始動口スイッチ100から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得すると、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれかに第1特別乱数値として格納する前に、その時点における遊技状態および保留数に応じて、第1特別乱数値について事前判定処理として大当り決定処理、図柄決定処理などを行う。
【0146】
特別図柄抽選手段230は、事前判定処理としての大当り決定処理、図柄決定処理などのそれぞれの結果を含む事前判定結果を、事前判定処理の対象となった第1特別乱数値に対応付けて、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれかに格納する。
【0147】
演出制御手段300は、第1特別乱数値が取得された時点において、他の第1特別乱数値が特別乱数記憶手段2914に格納されている場合に、取得された第1特別乱数値に対応する事前判定結果に応じて、その第1特別乱数値が取得されてから、その第1特別乱数値について第1特別図柄の変動表示が終了するまでの間の期間において、あるいはその第1特別乱数値の前に取得された第1特別乱数値について第1特別図柄の変動表示が終了するまでの間の期間において、演出装置(液晶ディスプレイ32など)を介して特定演出(先読み演出)を実行することが可能である。
【0148】
本実施形態では、特定演出として、第1特別図柄抽選の結果、「C時短2」に当選したことを示唆する演出(第1時短状態への移行を示唆する演出)(第1時短状態への移行を煽る演出)が、液晶ディスプレイ32において実行される。図11は、特定演出が実行された場合に液晶ディスプレイ32に表示される特定画像の一例を示している。特定画像とは、第1時短状態(〇〇タイム)への移行を示唆するロゴ(「〇〇タイムへ突入」という文字を含むロゴ)の画像である。なお、本実施形態では、通常状態および微時短状態において、第1特別乱数値について特定演出が実行され得るようになっている。
【0149】
演出制御手段300は、第1特別乱数値が取得された時点において、他の第1特別乱数値が特別乱数記憶手段2914に格納されている場合、当該第1特別乱数値を取得した時点において、取得した第1特別乱数値について特定演出の実行可否を決定する先読演出抽選を行う。先読演出抽選で当選した場合、特定演出の実行が決定される。
【0150】
演出制御手段300は、第1特別乱数値について先読演出抽選で特定演出の実行を決定した場合には、当該特別保留記憶領域および第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4において保留されている第1特別乱数値であって、特定演出の実行が決定された第1特別乱数値よりも先に取得された第1特別乱数値の中に、事前判定結果に含まれる大当り決定処理の結果が大当りである第1特別乱数値が存在しない場合に、特定演出の開始条件が満たされているとし、特定演出を実行する。以下、当該開始条件が満たされているものとして説明する。
【0151】
特定演出を実行する場合の一例として、例えば、第1特別保留記憶領域1および第1特別保留記憶領域2に、第1特別乱数値が格納(保留)されている状態で、第1特別乱数値を取得し、当該取得した時点での先読演出抽選で特定演出の実行が決定されたとする。なお、特定演出の実行が決定された第1特別乱数値を「対象第1特別乱数値」とする。演出制御手段300は、当該特定演出の実行の決定に基づき特定演出を開始し、特定演出の実行が決定された第1特別乱数値よりも前の第1特別乱数値に基づく第1特別図柄の変動中に、液晶ディスプレイ32において、特定画像を点滅させる。そして、対象第1特別乱数値に基づく第1特別図柄の変動開始時に、第1時短状態へ移行するか否か(第1時短状態への移行が決定されたか否か)に基づき、後述するパターン決定処理を行い実行する特定演出のパターン(種別)を決定し、決定したパターンの特定演出を実行する。特定演出のパターンとしては、第1時短状態へ移行する場合に実行される第1パターン(成功時)と、第1時短状態へ移行しない場合に実行される第2パターン(ガセ時)と、がある。
【0152】
次に、本実施形態において、通常状態または第1特定状態(微時短状態)において設定され得る演出状態について説明する。演出制御手段300(演出状態制御手段)は、所定の条件(移行条件)の成立に基づき各演出状態の間で演出状態を移行させる制御を行う(演出状態移行制御処理)。なお、本実施形態では、通常状態には、第1通常状態(第1低確率状態)と、第2通常状態(第2低確率状態)と、がある。第1通常状態は、RAMクリア後と、微時短状態(第1特定状態)終了後と、に設定され得る通常状態である。第2通常状態は、時短状態(第2特定状態)終了後に設定され得る通常状態である。第1通常状態では、第1特別図柄抽選において第1特別図柄の変動パターンとして変動時間が比較的長いものが選択され得るが、第2通常状態では、当該変動パターンが選択されないようになっている。
【0153】
本実施形態では、通常状態または微時短状態において、設定され得る演出状態として、第1演出状態(演出モードA)と、第2演出状態(演出モードB)と、がある。第1演出状態では、第1演出状態(温泉ステージ)に滞在していることを報知(示唆)する演出が実行される。演出制御手段300は、第1演出状態において、第1演出状態(温泉ステージ)に滞在していることを報知する画像を液晶ディスプレイ32に表示する。第2演出状態では、第1演出状態とは異なる第2演出状態(通常ステージ)に滞在していることを報知(示唆)する演出が実行される。演出制御手段300は、第2演出状態において、第2演出状態(通常ステージ)に滞在していることを報知する画像を液晶ディスプレイ32に表示する。
【0154】
微時短状態では、第1演出状態または第2演出状態が設定され得る。なお、微時短状態において第1演出状態が設定されている状態において、演出制御手段300は、所定の契機で抽選(第1演出状態を終了させるか否かを決定する抽選)を行い、当該抽選に当選した場合、第1演出状態を終了させ、第2演出状態を開始させる。
【0155】
通常状態(第1通常状態および第2通常状態)では、第1演出状態のみが設定される。換言すると、通常状態では、第2演出状態が設定されることはない。本実施形態では、電源投入後、微時短状態(第1特定状態)終了後または時短状態(第2特定状態)終了後に、通常状態(第1通常状態または第2通常状態)が開始されるが、当該通常状態では第1演出状態(温泉ステージ)が設定される。
【0156】
このように第1演出状態は、通常状態(第1通常状態または第2通常状態)と、微時短状態と、において設定され得る。一方、第2演出状態は、微時短状態においてのみ設定される。第2演出状態が設定されている場合、遊技状態は微時短状態であることが確定する。第1演出状態が設定されている場合、遊技状態は、通常状態(第1通常状態または第2通常状態)である可能性と、微時短状態である可能性と、がある。
【0157】
図9に示すように、通常状態において、第1特別図柄抽選で「C時短2」に当選し、第1特別図柄が停止表示された場合(確定した場合)、その停止表示(確定)を契機として第1時短状態に移行する。一方、微時短状態において、第1特別図柄抽選で「C時短2」に当選し、第1特別図柄が停止表示された場合(確定した場合)、その停止表示(確定)を契機として第1時短状態に移行しない。
【0158】
微時短状態において設定される第2演出状態(演出モードB)は、「C時短2」の当選に基づき第1時短状態へ移行する可能性がない場合に設定される演出状態と言うことができる。これに対し第1演出状態(演出モードA)は、「C時短2」の当選に基づき第1時短状態へ移行する可能性がある場合に設定される演出状態と言うことができる。第1演出状態は、第2演出状態よりも有利な状態であることを示唆する演出状態となっている。
【0159】
仮に、通常状態および微時短状態において、第1特別乱数値が取得された時点で、他の第1特別乱数値が特別乱数記憶手段2914に格納されている場合に、取得した第1特別乱数値(すべて)について特定演出の実行可否を決定する先読演出抽選を行うとした場合、必要となる処理(判定処理)が多く、複雑となり、処理負荷の増大を招く。また、本実施形態では、通常状態と微時短状態とにおいて、遊技状態と設定される演出状態とが対応していない(1対1となっていない)。換言すると、遊技状態ごとに異なる演出状態が設定されるようになっていない。また、本実施形態の遊技機は、特別図柄(第1特別図柄あるいは第2特別図柄)の変動表示回数のみでなく、普通図柄の変動表示回数に基づいても遊技状態が移行する場合があり、遊技状態の遷移が複雑となっている。このため、先読演出抽選を実行するか否か(特定演出を実行するか否か)を遊技状態に応じて決定するように構成する場合、処理が複雑となり、処理負荷の増大を招く。
【0160】
そこで、本実施形態では、演出制御手段300が、特定演出実行可否判定を行い、当該判定の結果、特定演出を実行可能と判定している場合に(のみ)、取得した第1特別乱数値について先読演出抽選を実行する。また、特定演出実行可否判定では、演出制御手段300は、通常状態および微時短状態において、第1特別乱数値が取得された際に設定されている(現在設定されている)演出状態に基づき、特定演出を実行可能であるか否か判定する。
【0161】
演出制御手段300は、第1特別乱数値の取得時に設定されている演出状態が第1演出状態である場合には、特定演出を実行可能と判定(決定)する。この場合、特定演出の実行可否を決定する先読演出抽選が実行され得る。そして、当該先読演出抽選に当選した場合、特定演出が実行される。一方、演出制御手段300は、第1特別乱数値の取得時に設定されている演出状態が第2演出状態である場合には、特定演出を実行しないと判定(決定)する。この場合、特定演出の実行可否を決定する先読演出抽選は実行されず、特定演出が実行されることはない。本実施形態では、第1特別乱数値についての事前判定(図柄決定処理)において「C時短2」に当選した場合であっても、当該第1特別乱数値の取得時の演出状態が第2演出状態である場合には、特定演出が実行されないようになっている。
【0162】
第1特別乱数値の取得時に設定されている演出状態に基づく特定演出実行可否判定において、特定演出を実行しないと判定された場合、先読演出抽選が実行されない。このように特定演出を実行するか否かを演出状態に基づき決定することで、処理をより簡易なものとし、処理負荷の増大を抑制できる。
【0163】
また、仮に、演出制御手段300が、現在の遊技状態を参照して特定演出を実行するか否かを決定するものとし、現在の遊技状態が通常状態である場合には、特定演出を実行可能と決定し、現在の遊技状態が微時短状態である場合には、特定演出を実行しないと決定するようになっている場合、微時短状態において第1演出状態(温泉ステージ)が設定されている場合に特定演出が全く実行されないこととなる。このため、第1演出状態において遊技者に期待感を抱かせることが可能な特定演出が実行される頻度が低くなり、遊技の興趣の低下を招く。本実施形態の手法によれば、微時短状態において第1演出状態(温泉ステージ)が設定されている場合であっても特定演出が実行され得るため、かかる遊技の興趣の低下を抑制できる。
【0164】
上述のとおり、演出制御手段300は、対象第1特別乱数値(特定演出の実行が決定された第1特別乱数値)に基づく第1特別図柄の変動開始時に、第1時短状態へ移行するか否かに基づき、パターン決定処理を行い、決定したパターンの特定演出を実行する。演出制御手段300は、次の3つの条件をすべて満たす場合、第1時短状態へ移行すると判定して第1パターンの特定演出を実行すると決定し、それ以外の場合、第1時短状態へ移行しないと判定して第2パターンの特定演出を実行すると決定する。
【0165】
条件Aは、対象第1特別乱数値に基づく第1特別図柄の変動開始時における遊技状態が「通常状態」(第1通常状態または第2通常状態)であること、である。本実施形態では、第1特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで、第1特別図柄の変動開始時の遊技状態を示す信号が主制御基板200から副制御基板202に送信される。副制御基板202は、当該信号に基づき、第1特別図柄の変動開始時の遊技状態をサブメモリ302において管理している。演出制御手段300は、当該遊技状態を参照し、条件Aを満たすか否か判定する。
【0166】
条件Bは、対象第1特別乱数値に基づく第1特別図柄の変動停止後(確定後)の遊技状態が「第1時短状態」であること、である。本実施形態では、第1特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで、第1特別図柄の変動停止後の遊技状態を示す信号(確定後遊技状態変化指定)が主制御基板200から副制御基板202に送信される。副制御基板202は、当該信号に基づき、第1特別図柄の変動停止後の遊技状態をサブメモリ302において管理している。演出制御手段300は、当該遊技状態を参照し、条件Bを満たすか否か判定する。
【0167】
条件Cは、対象第1特別乱数値に基づく第1特別図柄抽選の結果、当選した時短図柄の種別が「C時短2」であること、である。本実施形態では、第1特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで、当選した図柄の種別を示す信号が主制御基板200から副制御基板202に送信される。副制御基板202は、当該信号に基づき、当選した図柄の種別をサブメモリ302において管理している。演出制御手段300は、当該種別を参照し、条件Cを満たすか否か判定する。
【0168】
演出制御手段300は、条件A~条件Cのすべてを満たすと判定した場合、第1パターンの特定演出を実行すると決定する。一方、例えば、対象第1特別乱数値に基づく第1特別図柄の変動開始時における遊技状態が「通常状態」であり(条件Aを満たし)、対象第1特別乱数値に基づく第1特別図柄の変動停止後の遊技状態が「微時短状態」であり(条件Bを満たさず)、かつ対象第1特別乱数値に基づく第1特別図柄抽選の結果、当選した時短図柄の種別が「C時短1」である(条件Cを満たさない)場合には、第2パターンの特定演出を実行すると決定する。
【0169】
対象第1特別図柄の変動開始時に第1パターンの特定演出が選択された場合、例えば、特定画像(ロゴ)が所定の態様で変動して表示され、最終的に特定画像が停止して表示される。一方、第2パターンの特定演出が選択された場合、特定画像(ロゴ)が所定の態様で変動して表示され、最終的に特定画像がフェードアウトして非表示(表示されない状態)となる。なお、第1パターンの特定演出および第2パターンの特定演出のそれぞれについて、演出態様の異なる複数種類の特定演出が用意されていて、複数の中から所定の特定演出が選択されるように構成されていてもよい。
【0170】
なお、本実施形態では、演出制御手段300は、対象第1特別乱数値(特定演出の実行が決定された第1特別乱数値)に基づく第1特別図柄の変動開始時に、第1時短状態へ移行するか否かに基づき、パターン決定処理を行うとしたが、先読演出抽選を実行するタイミング(特定演出の実行可否を決定するタイミング)で、第1特別乱数値に基づき第1時短状態へ移行するか否かを判定し、実行する特定演出のパターンを決定してもよい。
【0171】
また、演出制御手段300は、対象第1特別乱数値(特定演出の実行が決定された第1特別乱数値)よりも前の第1特別乱数値(例えば第1特別保留記憶領域1および第1特別保留記憶領域2に格納されている第1特別乱数値)に基づく第1特別図柄の変動時等において、それぞれの変動ごとに実行する特定演出のパターンを決定してもよい。すなわち、特定演出の実行が決定されると、それぞれの変動ごとに特定演出の一部として実行する演出のパターンを決定することとしてもよい。また、対象第1特別乱数値よりも前の第1特別乱数値に基づく第1特別図柄の変動中においては、第1パターンおよび第2パターンとは異なるパターン(前述の特定画像が点滅するパターン等)の演出が選択されることとしてもよい。
【0172】
本実施形態の遊技機は、
遊技媒体が移動する遊技領域(遊技領域4)を備え、遊技者の操作に応じて前記遊技領域に遊技媒体を発射する遊技機であって、
前記遊技領域に設けられた第1領域(第1始動口46)に遊技媒体が進入した場合に抽選を行う抽選手段(特別図柄抽選手段230)と、
可動物(普通役物54)を、前記遊技領域に設けられた第2領域(第2始動口49)への遊技媒体の進入が困難な第1状態と、前記第2領域への遊技媒体の進入が容易な第2状態と、の間で動作させる制御を行う可動物制御手段(普通役物制御手段224)と、
通常状態と、特定状態と、を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う状態移行制御手段(遊技状態移行制御手段250)と、を備え、
前記特定状態には、第1の遊技方法(左打ち)で遊技を行う方が第2の遊技方法(右打ち)で遊技を行うよりも有利な第1特定状態(左打ち時短状態)と、第2の遊技方法で遊技を行う方が第1の遊技方法で遊技を行うよりも有利な第2特定状態(右打ち時短状態)と、があり、
前記第2特定状態は、前記通常状態および前記第1特定状態よりも、前記第2領域への遊技媒体の進入が容易となるように前記可動物の動作が制御され、遊技者にとって有利な状態となっており、
前記通常状態では、前記抽選の結果が第1の結果(「C時短1」に当選)である場合に、前記第1特定状態への移行が決定するが、前記特定状態では、前記抽選の結果が第1の結果であっても、前記第1特定状態への移行が決定せず、
前記通常状態では、前記抽選の結果が第2の結果(「C時短2」に当選)である場合に、前記第2特定状態への移行が決定するが、前記特定状態では、前記抽選の結果が第2の結果であっても、前記第2特定状態への移行が決定せず、
演出状態として、前記通常状態と前記第1特定状態との両方において設定され得る第1演出状態と、前記第1特定状態において設定され、前記通常状態では設定されない第2演出状態と、があり、
前記第1演出状態においては、前記抽選の結果が第2の結果であることを示唆する特定演出が実行され、
前記第2演出状態においては、前記特定演出が実行されない。
【0173】
本実施形態では、演出状態として、前記通常状態と前記第1特定状態との両方において設定され得る第1演出状態と、前記第1特定状態において設定され、前記通常状態では設定されない第2演出状態と、がある。前記第1演出状態においては、前記特定演出が実行され、前記第2演出状態においては、前記特定演出が実行されない。換言すると、前記特定演出が実行されるか否かが、設定されている演出状態に応じて決定されている。このように構成することで、前記特定演出の実行に関する処理をより簡易なものとし(簡略化し)、処理負荷の増大を抑えることができる。
【0174】
仮に、前記通常状態において前記特定演出が実行され、前記第1特定状態において前記特定演出が実行されないように構成した場合、前記第1特定状態において前記第1演出状態が設定されている場合に前記特定演出が実行されないこととなり、遊技者に期待感を抱かせることが可能な前記特定演出が実行される頻度が低下し、遊技の興趣の低下を招く。本実施形態の構成によれば、前記第1特定状態において前記第1演出状態が設定されている場合であっても前記特定演出が実行され得るため、かかる遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
本実施形態では、電源投入後(電断復帰後)、通常状態が開始され、当該通常状態で第1演出状態(温泉ステージ)が設定されるとしたが、例えば、微時短状態で電断した場合に、電断復帰後、微時短状態が開始され、当該微時短状態で第1演出状態(温泉ステージ)が設定されるようにしてもよい。換言すると、通常状態と微時短状態とで、電断復帰後に設定される演出状態(演出モード)を共通としてもよい。この場合、微時短状態で第2演出状態(通常ステージ)が設定されていた状態で電断し、当該電断から復帰した場合、微時短状態で第1演出状態(温泉ステージ)が設定され、遊技場において、朝一の時間帯に、第1演出状態(温泉ステージ)が設定されていることから、遊技状態が通常状態であるかのように思わせることができ、遊技機の稼働率を上昇させることができる。
【0175】
第2特定状態(第1時短状態、第2時短状態および第3時短状態)は、上述の第1時短終了条件で示したように、普通図柄の変動表示に基づき第1時短回数(第1時短カウンタ2932の値)が減算されるようになっている。換言すると、第2特定状態(第1時短状態、第2時短状態および第3時短状態)は、普通図柄の変動表示の回数によってその期間が管理されており、「普図時短状態」と言うことができる。普図時短状態(例えば第3時短状態とする)において、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で大当りまたは小当りに当選せずに、第1時短回数(70回)の普通図柄の変動表示が実行された場合(すなわち第1時短終了条件が成立した場合)、普通図柄の最終変動の開始時に、第3時短状態(普図時短状態)が終了し、通常状態が開始される。本実施形態の遊技機では、普図時短状態では、普通図柄抽選の実行に基づく普通図柄の最終変動の開始時に、遊技状態が普図時短状態から通常状態に移行する。換言すると、普通図柄の最終変動開始時に通常状態が開始される。
【0176】
また、本実施形態の遊技機では、通常状態において、第1特別図柄抽選の結果、「C時短1」または「C時短2」に当選した場合、第1特別図柄の変動開始時に遊技状態が変化せず、第1特別図柄の変動停止時(確定時)に遊技状態が変化(移行)する。
【0177】
図10(a)~図10(c)で示したように、通常状態では、第1特別図柄抽選が実行されると、液晶ディスプレイ32において、第1特別図柄の変動表示または停止表示に対応する演出図柄の変動表示または停止表示が行われる。
【0178】
通常状態において、第1特別図柄抽選が実行され、「C時短2」に当選し、第1特別図柄が「C時短2」に応じた態様で停止表示(確定)すると、確定時に遊技状態が第1時短状態へ移行する。この「C時短2」に当選した場合の第1特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの間、遊技状態が通常状態であった場合(これを非イレギュラー状態とする)、換言すると、当該変動の開始時に通常状態であり、かつ当該変動の停止時に通常状態であった場合、通常時演出(第1時短状態への移行に係る演出)として、液晶ディスプレイ32において、「C時短2」の当選を報知する演出が実行され、その後、第1時短状態への移行(突入)を報知する演出が実行され、その後、「C時短2」の確定に基づき右打ちを指示する演出が実行される。
【0179】
次に、遊技状態の遷移に基づくイレギュラーな事態(特殊な状況)が発生した場合について説明する。本実施形態では、イレギュラーな事態として、第1特別図柄抽選において「C時短2」に当選した場合の第1特別図柄の変動中(変動途中)に、遊技状態が普図時短状態から通常状態に移行する(切り替わる)場合がある。このように「C時短2」に当選した場合の第1特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの間に、遊技状態が普図時短状態から通常状態に移行した場合、換言すると、当該変動の開始時に普図時短状態であり、かつ当該変動の停止時に通常状態であった場合(これをイレギュラー状態とする)、通常時演出とは異なる演出(特殊演出)が実行される。すなわち、イレギュラー状態が発生した場合における専用の演出として、特殊演出(特殊な状況が発生したことを報知する演出)が実行されるようになっている。なお、特殊演出は、非イレギュラー状態では実行されることのない演出となっている。ただし、非イレギュラー状態では実行されることのない、とは、あくまで第1特別図柄抽選において「C時短2」に当選した場合の第1特別図柄の変動が開始されてから、当該第1特別図柄(「C時短2」)の確定に基づいて右打ちを指示する演出がされるまでの間に、電断等の遊技を妨げる事態が生じなかった場合には実行されることがない、という意味である。
【0180】
普図時短状態において、第1特別図柄抽選の実行に基づく第1特別図柄の変動が開始され、その後(その直後に)、普通図柄抽選の実行に基づく普通図柄の最終変動が開始されることが起こり得る。このとき、第1特別図柄の変動時間(変動パターン)によって、第1特別図柄の変動停止(確定)が普通図柄の最終変動開始時よりも前(通常状態に移行するよりも前)になる場合(第1の場合)と、第1特別図柄の変動停止(確定)が普通図柄の最終変動開始時よりも後(通常状態に移行した後)になる場合(第2の場合)と、がある。
【0181】
「第1の場合」の場合、普図時短状態において、第1特別図柄抽選が実行され、当該抽選の結果「C時短2」が当選し、第1特別図柄が変動停止(確定)した場合、その確定時の遊技状態が普図時短状態である。このため、当該確定時に第1時短状態に移行しない(普図時短状態が継続される)。よって、イレギュラー状態とならない。
【0182】
一方、「第2の場合」がイレギュラー状態となる。図12を用いて説明する。
(a)普図時短状態において第1特別図柄抽選が実行され「C時短2」に当選した場合、「C時短2」に当選した場合の第1特別図柄の変動(変動表示)が開始される。第1特別図柄の変動開始時の遊技状態は普図時短状態となっている。
(b)次いで、普図時短状態において最後の普通図柄抽選が実行され、普通図柄の最終変動が開始される。この普通図柄の最終変動開始時に、遊技状態が普図時短状態から通常状態へ移行する(通常状態が開始される)。
(c)次いで、第1特別図柄の変動が停止する(第1特別図柄が確定する)。第1特別図柄の確定時の遊技状態が通常状態であるため、当該確定を契機とし、第1時短状態へ移行する。
【0183】
液晶ディスプレイ32では、(b)のタイミングで、普通図柄の変動表示に対応する演出図柄(左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354)の変動表示が開始される。この普図時短状態における普通図柄の最終変動中(演出図柄の最終変動中)に、第1特別図柄の確定を契機として第1時短状態へ移行する場合に、仮に、当該確定に基づき第1時短状態への移行(突入)を報知する演出が突然開始された場合、不自然であって、遊技者に違和感を与える。本実施形態では、当該違和感を低減すべく、特殊演出が実行されるようになっている。
【0184】
演出制御手段300は、次の3つの条件をすべて満たす場合に、イレギュラー状態であると判定し、第1特別図柄の確定時に(確定を契機として)、特殊演出を実行する。
【0185】
第1条件は、第1特別図柄の変動開始時における遊技状態が「普図時短状態」(第1時短状態、第2時短状態または第3時短状態)であること、である。本実施形態では、第1特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで、第1特別図柄の変動開始時の遊技状態を示す信号が主制御基板200から副制御基板202に送信されるようになっている。副制御基板202は、当該信号に基づき、第1特別図柄の変動開始時の遊技状態をサブメモリ302において管理している。演出制御手段300は、当該遊技状態を参照して、第1条件を満たすか否かを判定する。上記「第2の場合」では、第1特別図柄の変動開始時における遊技状態が「普図時短状態」であるため、演出制御手段300は、第1条件を満たすと判定する。
【0186】
第2条件は、第1特別図柄の変動停止後(確定後)の遊技状態が「第1時短状態」であること、である。本実施形態では、第1特別図柄の変動停止時等の所定のタイミングで、第1特別図柄の変動停止後の遊技状態を示す信号(確定後遊技状態変化指定)が主制御基板200から副制御基板202に送信されるようになっている。副制御基板202は、当該信号に基づき、第1特別図柄の変動停止後の遊技状態をサブメモリ302において管理している。演出制御手段300は、当該遊技状態を参照して、第2条件を満たすか否かを判定する。
上記「第2の場合」では、主制御基板200(遊技状態移行制御手段250)は、普通図柄の最終変動開始時に遊技状態を普図時短状態から通常状態へ移行させる。そして、通常状態において、第1特別図柄が「C時短2」に応じた態様で停止表示した(「C時短2」が確定したこと)を契機とし、遊技状態を通常状態から第1時短状態へ移行させる。主制御基板200は、当該第1特別図柄の変動停止時(確定時)に、第1特別図柄の変動停止後(確定後)の遊技状態が「第1時短状態」であること、を示す信号を副制御基板202に送信する。これに基づき演出制御手段300は、第2条件を満たすと判定する。
なお、主制御基板200は、当該第1特別図柄の変動停止時(確定時)に、第1特別図柄の変動停止後(確定後)の遊技状態が「第1時短状態」であること、を示す信号を副制御基板202に送信するが、上記のように、第1特別図柄の変動停止(確定)を契機として遊技状態が変化する場合にのみ、当該信号を送信するようになっている。換言すると、当該信号は、遊技状態が他の遊技状態から第1時短状態へ移行することを報知する信号と言える。
【0187】
第3条件は、第1特別図柄抽選の結果、当選した時短図柄の種別が「C時短2」であること、である。本実施形態では、第1特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで、当選した図柄の種別を示す信号が主制御基板200から副制御基板202に送信されるようになっている。副制御基板202は、当該信号に基づき、当選した図柄の種別をサブメモリ302において管理している。演出制御手段300は、当該した図柄の種別を参照して、第3条件を満たすか否かを判定する。上記「第2の場合」では、第1特別図柄抽選の結果「C時短2」に当選していることから、第3条件を満たすと判定される。
【0188】
図12は、第1条件~第3条件を満たす(イレギュラー状態である)と判定され、特殊演出(シャッター演出)が実行された場合を示している。液晶ディスプレイ32では、(b)のタイミングで普通図柄の変動表示に対応する演出図柄(メイン演出図柄)の変動表示が開始され、(c)のタイミング(第1特別図柄が確定したタイミング)で特殊演出が開始され、特殊画像(例えばシャッター画像)が、所定時間の間、表示される。このとき、特殊演出の開始に伴い、現在実行中の演出は停止(キャンセル)される。換言すると、特殊演出は他の演出よりも優先して実行される。キャンセルされる演出の例としては、普通保留数に応じた保留アイコン画像(第2保留画像422)の表示、時短回数の残り回数(時短状態における残り遊技回数)を示す残回数表示(「あと12回」等)、現在設定されている演出状態(演出モード)を示すモード名表示、変動中の対象(図柄)の当たり期待度を示す予告表示などがある。
なお、本実施形態では、特殊演出の実行中に、演出図柄(メイン演出図柄)の変動表示に対応するミニ演出図柄(サブ演出図柄)の変動表示が実行される。換言すると、特殊演出の実行中にはミニ演出図柄が表示され、メイン演出図柄は表示されないようになっている。ここで、ミニ演出図柄は、演出図柄(メイン演出図柄)350,352,354よりも表示範囲(表示大きさ)が相対的に小さい演出図柄である。ミニ演出図柄は、例えば、数字のみによって構成され装飾部を含んでいなくてもよい。また、ミニ演出図柄は、例えば、特殊演出の実行前における、演出図柄(メイン演出図柄)350,352,354の表示中等においても表示され得るものとなっている。また、本実施形態では、特殊画像をシャッター画像としたが、これに限らず特殊画像は所定のオブジェクト画像であってもよく、所定のオブジェクトとしては、人物(キャラクタ)、動物、乗り物、建造物、自然物(例えば岩、木など)、文字、背景、模様などがある。
【0189】
次に、(d)のタイミングで(特殊演出の終了時に)、第1時短状態への移行に係る演出として、右打ちを指示する演出が実行され、右打ち指示画像が表示される。なお、(d)は、普通図柄の変動が停止(確定)したタイミングであってもよい。また、特殊演出の終了後、第1時短状態への移行に係る演出として、第1時短状態への移行(突入)を報知する演出が実行され、その後、右打ちを指示する演出が実行されるようになっていてもよい。
【0190】
演出制御手段300は、普図時短状態において、普通図柄に対応する演出図柄(メイン演出図柄)を液晶ディスプレイ32に表示させている状態で、第1条件~第3条件を満たすと判定すると、第1特別図柄の確定時に特殊演出を実行し、特殊演出の終了後、第1時短状態への移行に係る演出(右打ち指示演出など)を実行する。このように演出の切り替え時に特殊演出を介在させることで、特殊演出を介在させずに演出を切り替える場合に比べ、遊技者に与える違和感を低減できる。換言すると、特殊演出を実行することで、この後何かが報知されるかもしれないという準備(心構え)をする時間を、遊技者に与えることができる。
【0191】
本実施形態の遊技機は、
遊技媒体が移動する遊技領域(遊技領域4)を備え、遊技者の操作に応じて前記遊技領域に遊技媒体を発射する遊技機であって、
前記遊技領域に設けられた第1領域(第1始動口46)に遊技媒体が進入した場合に抽選を行う抽選手段(特別図柄抽選手段230)と、
可動物(普通役物54)を、前記遊技領域に設けられた第2領域(第2始動口49)への遊技媒体の進入が困難な第1状態と、前記第2領域への遊技媒体の進入が容易な第2状態と、の間で動作させる制御を行う可動物制御手段(普通役物制御手段224)と、
通常状態と、特定状態と、を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う状態移行制御手段(遊技状態移行制御手段250)と、を備え、
前記特定状態には、第1の遊技方法(左打ち)で遊技を行う方が第2の遊技方法(右打ち)で遊技を行うよりも有利な第1特定状態(左打ち時短状態)と、第2の遊技方法で遊技を行う方が第1の遊技方法で遊技を行うよりも有利な第2特定状態(右打ち時短状態)と、があり、
前記第2特定状態は、前記通常状態および前記第1特定状態よりも、前記第2領域への遊技媒体の進入が容易となるように前記可動物の動作が制御され、遊技者にとって有利な状態となっており、
前記通常状態では、前記抽選の結果が第1の結果(「C時短1」に当選)である場合に、前記第1特定状態への移行が決定するが、前記特定状態では、前記抽選の結果が第1の結果であっても、前記第1特定状態への移行が決定せず、
前記通常状態では、前記抽選の結果が第2の結果(「C時短2」に当選)である場合に、前記第2特定状態への移行が決定するが、前記特定状態では、前記抽選の結果が第2の結果であっても、前記第2特定状態への移行が決定せず、
前記抽選の結果が第2の結果である場合の特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの間、遊技状態が前記通常状態であった場合と、前記抽選の結果が第2の結果である場合の特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの間に、遊技状態が前記第2特定状態から前記通常状態に切り替わった場合とで、異なる演出が実行されるようになっている。
【0192】
前記抽選の結果が第2の結果である場合の特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの間に、遊技状態が前記第2特定状態から前記通常状態に切り替わった場合、前記第2特定状態への移行が決定するが、このとき、前記抽選の結果が第2の結果である場合の特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの間、遊技状態が前記通常状態であって前記第2特定状態への移行が決定した場合とは、異なる演出(特殊演出)が実行されるようになっている。このため、前記抽選の結果が第2の結果である場合の特別図柄の変動中に、遊技状態が前記第2特定状態から前記通常状態に切り替わり、前記第2特定状態への移行が決定されるというような、特殊な状況が発生したことを遊技者に報知できる。
【0193】
本実施形態では、特殊演出は、特殊画像(シャッター画像)が所定時間の間、表示される演出となっている。当該特殊な状況化下で前記第2遊技状態への移行が決定し、それに基づき演出が突然切り替わる場合、遊技者に違和感を与えるが、特殊演出が実行されることで、遊技者に与える違和感を低減できる。
【0194】
なお、本実施形態では、第1特別図柄抽選の抽選結果に「C時短2」が設定されており、第1特別図柄抽選において「C時短2」に当選した場合の第1特別図柄の変動中に、遊技状態が普図時短状態から通常状態に切り替わった場合に特殊演出が実行されるものとしたが、これに限らず、第2特別図柄抽選の抽選結果に「C時短2」が設定されていてもよく、その場合に、第2特別図柄抽選において「C時短2」に当選した場合の第2特別図柄の変動中に、遊技状態が普図時短状態から通常状態に切り替わった場合に特殊演出が実行されるようになっていてもよい。
【0195】
また、本実施形態では、第1時短状態、第2時短状態および第3時短状態は、普通図柄の変動表示回数(第1時短回数)と、特別図柄の変動表示回数(第2時短回数、第3時短回数)と、によってその期間が管理されるものとしたが、これに限らず、特別図柄(第2特別図柄)の変動表示回数のみによってその期間が管理されるものであってもよく、その場合に、第1特別図柄抽選において「C時短2」に当選した場合の第1特別図柄の変動中(変動途中)に、遊技状態が時短状態(第1時短状態、第2時短状態または第3時短状態)から通常状態に切り替わった場合に、特殊演出が実行されるようになっていてもよい。
また、一の特別図柄の変動中において他の特別図柄の変動が可能であり、一方の特別図柄の変動中に他方の特別図柄が変動開始あるいは確定(変動停止)する場合がある遊技機において、当該変動開始あるいは確定に基づき特定の遊技状態に移行する場合に、特殊演出が実行されるようになっていてもよい。
【0196】
また、普通図柄抽選では、遊技状態やその他の条件の成立に基づき普通役物54を開放させる決定を行い、抽選処理を実行しない構成となっていてもよい。そのような構成の場合、例えは、時短状態においてゲートスイッチ102が遊技球の通過ゲート48の通過を検出した場合のみ、一律普通役物54の開放を決定するような構成となっていてもよい。
【0197】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施形態で説明した構成と同一または相当する機能を有する構成については、その説明を省略または簡略化する。
【0198】
本実施形態では、遊技状態移行制御手段250は、第1状態(通常状態)と、第2状態(微時短状態)と、第3状態(時短状態:第1時短状態)と、を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う。第1の実施の形態で示したように、特別図柄抽選手段230が行う第1特別図柄抽選において「時短」に当選した場合、「C時短1」または「C時短2」のいずれかに当選する。本実施形態では、第1特別図柄抽選において「時短」に当選することを「C時短」(特定種別)に当選すると称する。
【0199】
本実施形態では、第1状態(通常状態)において、第1特別図柄抽選の結果が特定の結果(特定種別「C時短」の当選)である場合、第3状態(時短状態:第1時短状態)への移行が決定され得る(第3状態へ移行可能となっている)(第3状態が新たに設定され得る)。一方、時短状態(第2状態および第3状態)では、第1特別図柄抽選の結果が特定の結果(特定種別「C時短」の当選)であっても、第3状態へ移行せず、現在の遊技状態(現在設定されている遊技状態)が維持されるようになっている。
【0200】
本実施形態の遊技機は、
遊技媒体が移動する遊技領域(遊技領域4)を備え、遊技者の操作に応じて前記遊技領域に遊技媒体を発射する遊技機であって、
前記遊技領域に設けられた第1領域(第1始動口46)に遊技媒体が進入した場合に抽選を行う抽選手段(特別図柄抽選手段230)と、
可動物(普通役物54)を、前記遊技領域に設けられた第2領域(第2始動口49)への遊技媒体の進入が困難な状態と、前記第2領域への遊技媒体の進入が容易な状態と、の間で動作させる制御を行う可動物制御手段(普通役物制御手段224)と、
第1状態(通常状態)と、第2状態(微時短状態)と、第3状態(第1時短状態)と、を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う状態移行制御手段(遊技状態移行制御手段250)と、を備え、
前記第1状態および前記第2状態は、第1の遊技方法(左打ち)で遊技を行う方が第2の遊技方法(右打ち)で遊技を行うよりも有利な遊技状態となっており、
前記第3状態は、第2の遊技方法で遊技を行う方が第1の遊技方法で遊技を行うよりも有利な遊技状態となっており、
前記第3状態は、前記第1状態および前記第2状態よりも、前記第2領域への遊技媒体の進入が容易となるように前記可動物の動作が制御され、遊技者にとって有利な状態となっており、
前記第1状態では、前記抽選の結果が特定の結果(「C時短」に当選)である場合に、前記第3状態へ移行可能となっており、
前記第2状態では、前記抽選の結果が特定の結果(「C時短」に当選)である場合に、前記第3状態へ移行せず、
演出状態として、前記第1状態と前記第2状態との両方において設定され得る第1演出状態と、前記第1状態では設定されず前記第2状態において設定される第2演出状態と、があり、
前記第1演出状態においては、前記抽選の結果が特定の結果であることを示唆する特定演出が実行され、
前記第2演出状態においては、前記特定演出が実行されない。
【0201】
演出状態として、前記第1状態と前記第2状態との両方において設定され得る第1演出状態と、前記第1状態では設定されず前記第2状態において設定される第2演出状態と、がある。前記第1演出状態においては、前記特定演出が実行され、前記第2演出状態においては、前記特定演出が実行されない。換言すると、前記特定演出が実行されるか否かが、設定されている演出状態に応じて決定されている。このように構成することで、前記特定演出の実行に関する処理をより簡易なものとし(簡略化し)、処理負荷の増大を抑えることができる。
【0202】
仮に、前記第1状態において前記特定演出が実行され、前記第2状態において前記特定演出が実行されないように構成した場合、前記第2状態において前記第1演出状態が設定されている場合に前記特定演出が実行されないこととなり、遊技者に期待感を抱かせることが可能な前記特定演出が実行される頻度が低下し、遊技の興趣の低下を招く。本実施形態の構成によれば、前記第2状態において前記第1演出状態が設定されている場合であっても前記特定演出が実行され得るため、かかる遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
【0203】
また、本実施形態の遊技機は、
遊技媒体が移動する遊技領域(遊技領域4)を備え、遊技者の操作に応じて前記遊技領域に遊技媒体を発射する遊技機であって、
前記遊技領域に設けられた第1領域(第1始動口46)に遊技媒体が進入した場合に抽選を行う抽選手段(特別図柄抽選手段230)と、
可動物(普通役物54)を、前記遊技領域に設けられた第2領域(第2始動口49)への遊技媒体の進入が困難な状態と、前記第2領域への遊技媒体の進入が容易な状態と、の間で動作させる制御を行う可動物制御手段(普通役物制御手段224)と、
第1状態(通常状態)と、第2状態(微時短状態)と、第3状態(第1時短状態)と、を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う状態移行制御手段(遊技状態移行制御手段250)と、を備え、
前記第1状態および前記第2状態は、第1の遊技方法(左打ち)で遊技を行う方が第2の遊技方法(右打ち)で遊技を行うよりも有利な遊技状態となっており、
前記第3状態は、第2の遊技方法で遊技を行う方が第1の遊技方法で遊技を行うよりも有利な遊技状態となっており、
前記第3状態は、前記第1状態および前記第2状態よりも、前記第2領域への遊技媒体の進入が容易となるように前記可動物の動作が制御され、遊技者にとって有利な状態となっており、
前記第1状態では、前記抽選の結果が特定の結果(「C時短」に当選)である場合に、前記第3状態へ移行可能となっており、
前記第2状態では、前記抽選の結果が特定の結果(「C時短」に当選)である場合に、前記第3状態へ移行せず、
前記抽選の結果が特定の結果である場合の特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの間、遊技状態が前記第1状態である場合と、前記抽選の結果が特定の結果である場合の特別図柄の変動開始時の遊技状態が前記第3状態であり、当該特別図柄の変動停止時の遊技状態が前記第1状態である場合と、で異なる演出が実行されるようになっている。
【0204】
前記抽選の結果が特定の結果である場合の特別図柄の変動開始時の遊技状態が前記第3状態であり、当該特別図柄の変動停止時の遊技状態が前記第1状態である場合、前記第3状態への移行が決定され得る。このとき、前記第3状態への移行が決定した場合、前記抽選の結果が特定の結果である場合の特別図柄の変動が開始されてから停止するまでの間、遊技状態が前記第1状態であって前記第3状態への移行が決定した場合とは、異なる演出(特殊演出)が実行されるようになっている。このため、前記抽選の結果が特定の結果である場合の特別図柄の変動中に、遊技状態が前記第3状態から前記第1状態に切り替わり、前記第3状態への移行が決定されるというような、特殊な状況が発生したことを遊技者に報知できる。
【0205】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第1の実施の形態および第2の実施形態で説明した構成と同一または相当する機能を有する構成については、その説明を省略または簡略化する。
【0206】
本実施形態では、遊技状態移行制御手段250は、第1状態(通常状態)と、第2状態(微時短状態)と、第3状態(時短状態:第1時短状態)と、を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う。本実施形態では、第1状態(通常状態)において、第1特別図柄抽選の結果が特定の結果(特定種別「C時短」の当選)である場合、現在の遊技状態が維持されるようになっている。一方、時短状態(第2状態および第3状態)では、第1特別図柄抽選の結果が特定の結果(特定種別「C時短」の当選)である場合、当選したC時短図柄(「C時短1」または「C時短2」)に対応した時短状態(第2状態または第3状態)が新たに設定されるようになっている。
【0207】
第1状態(通常状態)は、第1特別図柄抽選の結果が特定の結果(特定種別「C時短」の当選)である場合、現在の遊技状態が維持されるが、第2状態(微時短状態)は、第1特別図柄抽選の結果が特定の結果(特定種別「C時短」の当選)である場合、当選したC時短図柄(「C時短1」または「C時短2」)に対応した時短状態(第2状態または第3状態)が新たに設定される。このように第2状態(微時短状態)を第1状態(通常状態)よりも遊技者にとって有利な状態(チャンスゾーン)としてもよい。
【0208】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。第1の実施の形態~第3の実施形態で説明した構成と同一または相当する機能を有する構成については、その説明を省略または簡略化する。
【0209】
本実施形態では、遊技状態移行制御手段250は、第1状態(通常状態)と、第2状態(微時短状態)と、第3状態(時短状態:第1時短状態)と、を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う。本実施形態では、第1状態(通常状態)において、第1特別図柄抽選の結果が特定の結果(特定種別「C時短」の当選)である場合、現在の遊技状態が維持されるようになっている。また、第2状態(微時短状態)において、第1特別図柄抽選の結果が特定の結果(特定種別「C時短」の当選)である場合、現在の遊技状態が維持されるようになっている。また、第3状態(第1時短状態)において、第1特別図柄抽選の結果が特定の結果(特定種別「C時短」の当選)である場合、当選したC時短図柄(「C時短1」または「C時短2」)に対応した時短状態(第2状態または第3状態)が新たに設定されるようになっている。
【0210】
なお、上記では、第2状態(微時短状態)において、第1特別図柄抽選の結果が特定の結果(特定種別「C時短」の当選)である場合、現在の遊技状態が維持されるとしたが、次のように構成されていて、第1特別図柄抽選の結果が特定の結果(特定種別「C時短」の当選)である場合に、第3状態(第1時短状態)が設定されるようになっていてもよい。すなわち、大当り後の特別遊技状態の終了に基づき第2状態(微時短状態)に移行し得るようになっていて、第1大当り後(初当り後)の特別遊技状態の終了に基づき移行した第2状態(これを第1微時短状態とする)では「C時短」に当選した場合に第3状態(第1時短状態)が設定され、当該第3状態での大当り(第2大当り)後の特別遊技状態の終了に基づき移行した第2状態(これを第2微時短状態とする)では、「C時短」に当選した場合であっても、現在の遊技状態が維持されるようになっていてもよい。換言すると、第1微時短状態を第2微時短状態よりも遊技者にとって有利な状態(チャンスゾーン)としてもよい。
【0211】
上述の各説明では、通常状態を第1状態としたが、これに限らず、次のように構成してもよい。時短状態として、第1時短状態、第2時短状態、第3時短状態、第4時短状態、…、と複数種類の状態を設け、このうちのいずれかの状態を「第1状態」と設定してもよい。
【0212】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。
【0213】
また、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略等が可能である。
【符号の説明】
【0214】
4 遊技領域
46 第1始動口(第1領域)
49 第2始動口(第2領域)
54 普通役物(可動物)
224 普通役物制御手段(可動物制御手段)
230 特別図柄抽選手段(抽選手段)
250 遊技状態移行制御手段(状態移行制御手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12