(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】固体撮像素子
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20240403BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L27/146 A
G02B5/20 101
(21)【出願番号】P 2022043531
(22)【出願日】2022-03-18
【審査請求日】2022-03-18
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 京樺
(72)【発明者】
【氏名】林 正軒
(72)【発明者】
【氏名】塗 宗儒
(72)【発明者】
【氏名】張 育淇
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 翰林
【審査官】脇水 佳弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-145121(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0052823(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0280659(US,A1)
【文献】国際公開第2021/106670(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0076247(US,A1)
【文献】特開2016-225584(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0396388(US,A1)
【文献】特開2015-213144(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0098813(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
G02B 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体撮像素子であって、
光電変換素子、および、
前記光電変換素子上に設置されるカラーフィルター層、を有し、
前記カラーフィルター層は、少なくとも二個の異なる色に対応する四個のカラー領域を有し、
前記
四個のカラー領域は、ユニットパターンを形成し、
傾斜した入射光がユニットパターンの外側から入射し、
前記光電変換素子、および、前記カラーフィルター層は、ノーマル画素、および、自動焦点画素を形成し、
前記ノーマル画素に対応する前記カラーフィルター層は、第一カラーフィルターセグメント、および、第二カラーフィルターセグメントに分割され、
前記第一カラーフィルターセグメントは、前記カラーフィルター層内で、前記第二カラーフィルターセグメントよりも、前記入射光に近い側に設置され、且つ、前記第一カラーフィルターセグメントの幅は、前記第二カラーフィルターセグメントの幅より大きく、
前記四個のカラー領域はそれぞれ、n
2
画素アレイに対応し、前記nは3以上の整数であり、
前記自動焦点画素は自動焦点画素アレイを形成し、前記自動焦点画素アレイはp×q画素アレイであり、前記p、および、前記qは、前記nより小さい2以上の整数であり、
前記自動焦点画素は、前記四個のカラー領域の全てに設置されるとともに、前記四個のカラー領域の全てに対応し、
前記自動焦点画素アレイは、前記ユニットパターンの中心に設置される固体撮像素子。
【請求項2】
前記自動焦点画素に隣接する少なくとも一つの前記第一カラーフィルターセグメントは、前記第一カラーフィルターセグメント
及び前記第二カラーフィルターセグメントとは別の一つより大きい幅を有
し、前記別の一つのカラーフィルターセグメントの幅は、前記第二カラーフィルターセグメントの幅とは異なることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記自動焦点画素の少なくとも一つは、前記四個のカラー領域の一つに設置されるとともに、前記四個のカラー領域の一つに対応することを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項4】
前記四個のカラー領域のうち一のカラー領域中の前記第一カラーフィルターセグメントの前記幅は、前記四個のカラー領域のうちの別のカラー領域中の前記第一カラーフィルターセグメントの前記幅と異なり、且つ、
前記第一カラーフィルターセグメント、および、前記第二カラーフィルターセグメントの少なくとも一つは、少なくとも1つの対応する前記光電変換素子に対してシフトしていることを特徴とする請求項3に記載の固体撮像素子。
【請求項5】
前記四個のカラー領域は、ユニットパターンを形成し、二個以上のユニットパターンは一アレイを形成し、
前記自動焦点画素は、二個以上の自動焦点画素アレイを形成することを特徴とする請求項3に記載の固体撮像素子。
【請求項6】
前記自動焦点画素アレイは、前記四個のカラー領域の全てに設置されるとともに、前記四個のカラー領域の全てに対応することを特徴とする請求項
5に記載の固体撮像素子。
【請求項7】
前記自動焦点画素は、前記四個のカラー領域のうち少なくとも二個のカラー領域に設置されるとともに、前記四個のカラー領域のうち少なくとも二個のカラー領域に対応し、
前記自動焦点画素アレイは、前記四個のカラー領域のうち少なくとも二個のカラー領域に設置されるとともに、前記四個のカラー領域のうち少なくとも二個のカラー領域に対応することを特徴とする請求項
5に記載の固体撮像素子。
【請求項8】
前記ノーマル画素は、0.7μm以下の一定の画素幅を有し、且つ、前記ノーマル画素は、赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、青色カラーフィルター、黄色カラーフィルター、白色カラーフィルター、シアンカラーフィルター、マゼンタカラーフィルター、あるいは、IR/NIR カラーフィルターを有することを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項9】
前記第一カラーフィルターセグメント間、および、前記第二カラーフィルターセグメント間に設置されかつ、グリッドセグメントを有するグリッド構造であって、前記グリッドセグメントが可変幅を有する、グリッド構造、および、
前記グリッド構造の底部に設置され、かつ、金属セグメントを有しする金属グリッドであって、前記金属セグメントが固定の幅を有する、金属グリッド、
を有することを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項10】
前記第一カラーフィルターセグメント間、および、前記第二カラーフィルターセグメント間に設置され、かつ、グリッドセグメントを有するグリッド構造であって、前記グリッドセグメントがそれぞれ可変幅を有する、グリッド構造、および、
前記グリッド構造の底部に設置され、かつ、金属セグメントを有する金属グリッドであって、それぞれの前記金属セグメントが前記グリッドセグメント中の対応する1つのグリッドセグメントに対して可変幅を有する、金属グリッド、
を有することを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項11】
前記第一カラーフィルターセグメントおよび前記第二カラーフィルターセグメントに設置されるとともに、前記第一カラーフィルターセグメントおよび前記第二カラーフィルターセグメントに対応する集光構造を有し、それぞれの前記集光構造は、前記第一カラーフィルターセグメント及び前記第二カラーフィルターセグメント中の対応する一つのカラーフィルターセグメントに対して可変幅を有することを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサー(image sensor)に関するものであって、特に、可変幅を有するカラーフィルターセグメントを有する固体撮像素子(solid-state image sensor)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固体撮像素子(たとえば、相補型MOS (CMOS)イメージセンサー)は、たとえば、デジタル静止画カメラ、デジタルビデオカメラ等の各種イメージ捕捉装置に幅広く用いられている。固体撮像素子の感光部分 (たとえば、光電変換素子)中で受光される光線量に従って、信号電荷が生成される。このほか、感光部分で生成される信号電荷が送信、および、増幅されて、イメージ信号が得られる。
【0003】
近年、CMOSイメージセンサーに代表されるイメージセンサーの画素尺寸は縮小する趨勢にあり、画素数量を増加させて、高解像度イメージを提供することが目的である。傾斜した入射光 (たとえば、主光線角(chief ray angle、CRA)が0ではない)が直接、異なるノーマル画素(たとえば、異なるカラーフィルターセグメント)、および、位相検出自動照準 (PDAF)画素を含む固体撮像素子に照射するとき、画素は、異なる位置によって、異なる感度が発生し、チャネル分離を生じる。チャネル分離はイメージ検出に問題を生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明のいくつかの実施形態によると、固体撮像素子は、可変幅を有するカラーフィルターセグメントを有し、チャネル分離を改善して、これにより、固体撮像素子の光電変換素子からのイメージ信号の品質を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のいくつかの実施形態において、固体撮像素子が提供される。固体撮像素子は、光電変換素子、および、光電変換素子上に設置されるカラーフィルター層を有する。光電変換素子、および、カラーフィルター層は、ノーマル画素、および、自動焦点画素を形成し、ノーマル画素に対応するカラーフィルター層は、第一カラーフィルターセグメント、および、第二カラーフィルターセグメントに分割され、第一カラーフィルターセグメントは、入射光に近い少なくとも一側に設置され、且つ、第一カラーフィルターセグメントの幅は、第二カラーフィルターセグメントの幅より大きい。
【0006】
いくつかの実施形態において、自動焦点画素に隣接する第一カラーフィルターセグメントの少なくとも一つは、その他の第一カラーフィルターセグメントより大きい幅を有する。
【0007】
いくつかの実施形態において、カラーフィルター層は、少なくとも二個の異なる色に対応する四個のカラー領域を有し、且つ、自動焦点画素の少なくとも一個は、前記四個のカラー領域の一つに設置されるとともに、四個のカラー領域の一つに対応する。
【0008】
いくつかの実施形態において、四個のカラー領域のうち一のカラー領域中の第一カラーフィルターセグメントの幅は、四個のカラー領域のうちのもう一つのカラー領域中の第一カラーフィルターセグメントの幅と異なる。
【0009】
いくつかの実施形態において、各カラー領域は、n2 画素アレイに対応し、且つ、nは、3以上の整数である。
【0010】
いくつかの実施形態において、自動焦点画素は自動焦点画素アレイを形成し、自動焦点画素アレイは、p×q画素アレイで、pとqは、nより小さい整数である。
【0011】
いくつかの実施形態において、四個のカラー領域はユニットパターンを形成し、且つ、二個以上のユニットパターンがアレイを形成する。
【0012】
いくつかの実施形態において、自動焦点画素が四個のカラー領域の全てに設置されるとともに、四個のカラー領域の全てに対応する。
【0013】
いくつかの実施形態において、自動焦点画素が四個のカラー領域のうち少なくとも二個のカラー領域に設置されるとともに、四個のカラー領域のうち少なくとも二個のカラー領域に対応する。
【0014】
いくつかの実施形態において、ノーマル画素は、0.7μm以下の一定の画素幅を有する。
【0015】
いくつかの実施形態において、固体撮像素子はさらに、第一カラーフィルターセグメント間、および、第二カラーフィルターセグメント間に設置されるグリッド構造を有する。グリッド構造はグリッドセグメントを有し、各グリッドセグメントは可変幅を有する。
【0016】
いくつかの実施形態において、固体撮像素子はさらに、グリッド構造の底部に設置される金属グリッドを有する。金属グリッドは金属セグメントを有し、金属セグメントは固定の幅を有する。
【0017】
いくつかの実施形態において、各金属セグメントは、対応するグリッドセグメントに対する可変幅を有する。
【0018】
いくつかの実施形態において、固体撮像素子は集光構造を有し、集光構造は、第一カラーフィルターセグメントおよび第二カラーフィルターセグメントに設置されて、第一カラーフィルターセグメント及び第二カラーフィルターセグメントに対応する。
【0019】
いくつかの実施形態において、各集光構造は、第一カラーフィルターセグメントと第二カラーフィルターセグメント中の対応する一つのカラーフィルタに対して可変幅を有する。
【0020】
いくつかの実施形態において、第一カラーフィルターセグメント、および、第二カラーフィルターセグメントの少なくとも一つは、対応する光電変換素子に対してシフトしている。
【0021】
いくつかの実施形態において、自動焦点画素は、二個以上の自動焦点画素アレイを形成する。
【0022】
いくつかの実施形態において、自動焦点画素アレイが四個のカラー領域のうち少なくとも二個のカラー領域に設置されるとともに、四個のカラー領域のうち少なくとも二個のカラー領域に対応する。
【0023】
いくつかの実施形態において、自動焦点画素アレイが四個のカラー領域の全てに設置されるとともに、四個のカラー領域の全てに対応する。
【0024】
いくつかの実施形態において、ノーマル画素は、赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、青色カラーフィルター、黄色カラーフィルター、白色カラーフィルター、シアンカラーフィルター、マゼンタカラーフィルター、あるいは、IR/NIR カラーフィルターを有する。
【発明の効果】
【0025】
本発明による固体撮像素子は、可変幅を有するカラーフィルターセグメントを有し、チャネル分離を改善して、これにより、固体撮像素子の光電変換素子からのイメージ信号の品質を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子の部分的な上面図である。
【
図2】
図1の線AーA’に沿った固体撮像素子を説明する部分断面図である。
【
図3】本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子の部分断面図である。
【
図4】本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子の部分断面図である。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子の部分断面図である。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子の部分的な上面図である。
【
図7】
図6の線BーB’に沿った固体撮像素子の部分断面図である。
【
図8】本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子の部分的な上面図である。
【
図9】本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子の部分的な上面図である。
【
図10】本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子の部分的な上面図である。
【
図11】本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子の部分的な上面図である。
【
図12】本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子の部分的な上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の開示は、多くの異なる実施形態、あるいは、例を提供して、提供される主題の異なる特徴を実施する。特定の例のコンポーネンツ、および、配置が以下で記載されて、本発明を簡潔にする。これらは、もちろん、単なる例であり、限定することを意図しない。たとえば、記載中の、第一特徴が第二特徴上に形成されるというのは、第一特徴、および、第二特徴が直接接触して形成される実施形態を有し、また、追加特徴が、第一特徴と第二特徴間に形成され、第一特徴、および、第二特徴が直接接触していない実施形態も有している。
【0028】
さらに、記述を容易にするために、空間的相対用語、たとえば、 “下” “下方” “下部” “上” “上方” “上部” 等が用いられて、図面中で説明される一素子、あるいは、特徴ともう一つの素子、あるいは、特徴間の関係を記述する。空間的相対用語は、図面中で示される方位に加えて、使用中、あるいは、操作中の装置の異なる方位を包含することを目的とする。装置は正しい方向に置かれ(90度、あるいは、その他の方位で回転)、且つ、ここで用いられる空間的相対記述子は同様に解釈される。
【0029】
本発明において、用語“約”、および、“実質上”は、通常、状態値の+/-20%、状態値の+/-10% 、状態値の+/-5% 、状態値の+/-3%、状態値の+/-2%、状態値の+/-1% 、および、さらにいっそう、状態値の+/-0.5%を意味する。本発明の状態値は近似値である。つまり、特定の記述がないとき、状態値は、“約”や“実質上”の意味を含む。
【0030】
特に定義されない限り、ここで用いられる全用語(技術、および、科学用語を含む)は、当業者により理解されるものと同じ意義を有する。さらに、通常用いられる辞典で定義される用語は、特に定義されない限り、従来の技術の文脈中のそれらの意義と一致する意味を有するものとして解釈され、且つ、理想化、あるいは、過度に正式に解釈されるべきではない。
【0031】
本発明は、以下の実施形態で、参照符号、および/または、文字を繰り返す。この反復は、簡潔、且つ、はっきりとさせる目的のためであり、討論される各種実施形態、および/または、配置間の関係を決定付けるものではない。
【0032】
固体撮像素子は、受光ユニットに入射する光線の方向によって、大まかに二個のグループに分類される。ひとつは、読み取り回路の配線層が形成される半導体基板の前側に入射する光線を受光する表面照射 (FSI)イメージセンサーである。もうひとつは、配線層が形成されない半導体基板の背面に入射する光線を受光する裏面照射 (BSI)イメージセンサーである。カラー画像を画像化するため、カラーフィルター層が、FSI、および、BSIイメージセンサー中に提供される。
【0033】
図1は、本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子100の部分的な上面図である。
図2は、
図1のA―A’に沿った固体撮像素子100の部分断面図である。さらに詳細には、
図1は、固体撮像素子100の画素配置を示し、
図2は、固体撮像素子100の断面図の一部を示す。注意すべきことは、固体撮像素子100のいくつかのコンポーネンツは、簡潔にするため、
図1、および、
図2では省略されていることである。
【0034】
図1を参照すると、いくつかの実施形態において、固体撮像素子100は、ノーマル画素(たとえば、Gr1、Gr2、Gr3、Gr4、Gr5、Gr6、Gr7、Gr8、R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B8、B9、Gb2、Gb3、Gb4、Gb5、Gb6、Gb7、Gb8、および、Gb9)、および、自動焦点画素を有し、自動焦点画素は、自動焦点画素アレイPDAFを形成する。いくつかの実施形態において、ノーマル画素は、0.7μm以下の一定の画素幅を有する。
【0035】
図2を参照すると、いくつかの実施形態において、固体撮像素子100は、半導体基板101を有し、たとえば、ウエハかチップである。半導体基板101は、前面101F、および、前面101Fと反対の背面101Bを有する。いくつかの実施形態において、複数の光電変換素子103 (たとえば、フォトダイオード)は半導体基板101中に形成される。たとえば、半導体基板101中の光電変換素子103は、シャロ―トレンチアイソレーション(STI)、あるいは、ディープトレンチアイソレーション(DTI)領域等の隔離構造(図示しない)により互いに隔離される。隔離構造は、エッチングプロセスを用いて、半導体基板101中に形成されて、トレンチを形成するとともに、絶縁、あるいは、誘電材でトレンチを充填する。
【0036】
図2に示されるように、光電変換素子103は、半導体基板101の背面101B上に形成され、配線層105は、半導体基板101の前面101F上に形成されるが、本発明はそれらに制限されない。配線層105は、誘電層中に組み込まれる複数の導電線、および、ビアを有する相互接続構造であり、且つ、さらに、固体撮像素子100に必要な各種電子回路を有する。入射光は、背面101Bの側に照射されるとともに、光電変換素子103により受光される。
【0037】
図2に示される実施形態において、固体撮像素子100は、裏面照射(BSI)イメージセンサーと称される。ある別の例において、固体撮像素子は、表面照射 (FSI)イメージセンサーである。FSIイメージセンサーにとって、
図2に示される半導体基板101、および、配線層105は反転する。FSIイメージセンサーにおいて、入射光は前面101Fの側に照射され、配線層105を通過し、その後、半導体基板101の背面101B上に形成される光電変換素子103により受光される。
【0038】
図2に示されるように、固体撮像素子100はさらに、半導体基板101の背面101B上に形成され、光電変換素子103を被覆する高誘電率 (high-κ)膜107を有する。高誘電率膜107の材料は、酸化ハフニウム(HfO
2)、酸化ハフニウムタンタル(HfTaO)、酸化ハフニウムチタン (HfTiO)、酸化ジルコニウムハフニウム(HfZrO)、五酸化タンタル(Ta
2O
5)、適当なその他の高誘電率の誘電材、あるいは、それらの組み合わせを有するが、本発明はこれらに制限されない。高誘電率膜107は、蒸着プロセスにより形成される。蒸着プロセスは、たとえば、化学気相蒸着 (CVD)、プラズマエッチャント化学気相蒸着 (PECVD)、原子層堆積(ALD)、あるいは、その他の蒸着技術である。高誘電率膜107は、高屈折率、および、光吸収能力を有する。
【0039】
図2に示されるように、固体撮像素子100はさらに、高誘電率膜107上に形成されるバッファ層109を有する。バッファ層109の材料は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、適当なその他の絶縁材料、あるいは、それらの組み合わせを有するが、本発明はこれらに制限されない。バッファ層109は、蒸着プロセスにより形成される。蒸着プロセスは、たとえば、スピンオンコート(spin-on coating)、化学気相蒸着、流動性化学気相蒸着 (FCVD)、プラズマエッチャント化学気相蒸着、物理的気相蒸着(PVD)、あるいは、その他の蒸着技術である。
【0040】
図2に示されるように、いくつかの実施形態において、固体撮像素子100は、光電変換素子103上に設置されるカラーフィルター層115を有し、カラーフィルター層115は、カラーフィルターセグメントを有する(あるいは、カラーセグメントに分割される)。たとえば、
図2に示されるように、緑色カラーフィルター層115Gは、光電変換素子103上に設置され、緑色カラーフィルター層115Gは、緑色カラーフィルターセグメント115GSを有する(あるいは、カラーセグメントに分割される)。
【0041】
図1、および、
図2を参照すると、いくつかの実施形態において、光電変換素子103、および、カラーフィルター層115 (あるいは、カラーフィルターセグメント)は、ノーマル画素 (たとえば、Gr1、Gr2、Gr3、Gr4、Gr5、Gr6、Gr7、Gr8、R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B8、B9、Gb2、Gb3、Gb4、Gb5、Gb6、Gb7、Gb8、および、Gb9)、および、自動焦点画素を形成し、ノーマル画素に対応するカラーフィルター層115は、第一カラーフィルターセグメント(たとえば、
図1、および、
図2中のGb8)、および、第二カラーフィルターセグメント (たとえば、
図1、および、
図2中のGb2/Gb5)に分割され、第一カラーフィルターセグメントは、入射光Lに近い少なくとも一側に設置され、第二カラーフィルターセグメントは別の位置に設置され、第一カラーフィルターセグメントの幅は、第二カラーフィルターセグメントの幅より大きい。つまり、第一カラーフィルターセグメントは、フィルタ層115の内部で、第二カラーフィルターセグメントよりも入射光Lに近い側に配置される。言い換えると、入射光Lの光軸に沿う方向でみたときに、第一カラーフィルターセグメントは第二カラーフィルターセグメントよりも入射光Lの光源に近い側に配置され、さらに光軸に沿う方向のカラーフィルターセグメントの幅について、第一カラーフィルターセグメントの方が第二カラーフィルターセグメントの幅より大きい。
【0042】
図1に示されるように、いくつかの実施形態において、カラーフィルター層115は、四個のカラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4を有し、自動焦点画素の少なくとも一つが設置され、且つ、四個のカラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4の一つに対応する。いくつかの実施形態において、カラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4はそれぞれ、n
2 画素アレイに対応し、nは3以上の整数である。つまり、CR1、CR2、CR3、および、CR4はそれぞれは、n
2 画素アレイになるよう配置された画素を有している。ただし、CR1、CR2、CR3、および、CR4に含まれる画素は、n
2 画素アレイに全てに配置する必要はなく、
図1に示すように、CR1の例では、n
2 画素アレイ(n=3)に対して右下角部には画素を配置しなくてもよい。いくつかの実施形態において、自動焦点画素アレイPDAFはp×q画素アレイで、pとqは、nより小さい整数である。たとえば、
図1に示されるように、カラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4はそれぞれ、3×3画素アレイに対応するが、本発明はそれらに制限されない。
【0043】
図1に示されるように、いくつかの実施形態において、四個のカラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4は、ユニットパターンU1を形成する。さらに、ノーマル画素Gr1、Gr2、Gr3、Gr4、Gr5、Gr6、Gr7、Gr8はカラー領域CR1中にあり、ノーマル画素R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9はカラー領域CR2中にあり、ノーマル画素B1、B2、B3、B4、B5、B6、B8、B9はカラー領域CR3中にあり、ノーマル画素Gb2、Gb3、Gb4、Gb5、Gb6、Gb7、Gb8、Gb9はカラー領域CR4中にある。さらに、自動焦点画素アレイPDAFは、ユニットパターンU1の中心にある。たとえば、自動焦点画素アレイPDAFは、
図1に示されるように、ユニットパターンU1の中心に設置される2×2 画素アレイであるが、本発明はそれらに制限されない。
【0044】
いくつかの実施形態において、カラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4は、少なくとも二個の異なる色に対応する。たとえば、
図1に示されるように、カラー領域CR1は緑色に対応し、カラー領域CR2は赤色に対応し、カラー領域CR3は青色に対応し、カラー領域CR4は緑色に対応するが、本発明はそれらに制限されない。
【0045】
つまり、いくつかの実施形態において、ノーマル画素は赤色カラーフィルターを有して、ノーマル画素R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9は赤色光線を受光する。ノーマル画素はまた、緑色カラーフィルターを有し、ノーマル画素Gr1、Gr2、Gr3、Gr4、Gr5、Gr6、Gr7、Gr8、Gb2、Gb3、Gb4、Gb5、Gb6、Gb7、Gb8、Gb9は緑色光線を受光する。ノーマル画素はさらに、青色カラーフィルターを有し、ノーマル画素B1、B2、B3、B4、B5、B6、B8、B9は青色光線を受光する。ある別の実施形態において、ノーマル画素は、黄色カラーフィルター、白色カラーフィルター、シアンカラーフィルター、マゼンタカラーフィルター、IR/NIR カラーフィルター、あるいは、それらの組み合わせを有する。
【0046】
図1、および、
図2に示されるように、入射光Lは、固体撮像素子100のユニットパターンU1の右側からであり、且つ、カラー領域CR4中、ノーマル画素Gb8に対応するカラーフィルター層115(緑色カラーフィルターセグメント115GS)は、入射光Lに近い側に設置されて、ノーマル画素Gb8に対応するカラーフィルター層115 (緑色カラーフィルターセグメント115GS)は第一カラーフィルターセグメントと称され、ノーマル画素Gb5、あるいは、ノーマル画素Gb2に対応するカラーフィルター層115 (緑色カラーフィルターセグメント115GS)は第二カラーフィルターセグメントと称される。この実施形態において、ノーマル画素Gb8に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GSの幅CD8は、ノーマル画素Gb5 (あるいは、Gb2)に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GSの幅CD5(あるいは、CD2)より大きい。
【0047】
さらに、ノーマル画素Gb7、あるいは、Gb9に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GS(第一カラーフィルターセグメントとも称される)の幅は、ノーマル画素Gb3、Gb4、あるいは、Gb6に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GS(第二カラーフィルターセグメントとも称される)の幅より大きい。
【0048】
同様に、
図1に示されるように、ノーマル画素Gr6、Gr7、あるいは、Gr8に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GS(第一カラーフィルターセグメントと称される)の幅は、ノーマル画素Gr1、Gr2、Gr3、Gr4、あるいは、Gr5に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GS(第二カラーフィルターセグメントと称される)の幅より大きい。
【0049】
いくつかの実施形態において、自動焦点画素アレイPDAFに隣接する少なくとも一つの第一カラーフィルターセグメントは、その他の第一カラーフィルターセグメントより大きい幅を有する。たとえば、
図1に示されるように、ノーマル画素Gr6、あるいは、Gr8は、自動焦点画素アレイPDAFに隣接し、ノーマル画素Gr6、あるいは、Gr8に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GSは、ノーマル画素Gr7に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GSより大きい幅を有するが、本発明はそれらに制限されない。ある別の例において、ノーマル画素Gr6、Gr7、および、Gr8に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GSは同じ幅を有する。
【0050】
いくつかの実施形態において、一のカラー画素中の第一カラーフィルターセグメント幅は、別のカラー領域の第一カラーフィルターセグメントの幅と異なる。たとえば、カラー領域CR1中のノーマル画素Gr6、Gr7、あるいは、Gr8に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GS(第一カラーフィルターセグメントと称する)の幅は、カラー領域CR4中のノーマル画素Gb8に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GS(第一カラーフィルターセグメントと称する)の幅CD8と異なるが、本発明はそれらに制限されない。
【0051】
図1、および、
図2に示されるように、いくつかの実施形態において、固体撮像素子100は、カラーフィルターセグメント(たとえば、
図2の緑色カラーフィルターセグメント115GS)間に設置されるグリッド構造121を有する。
図2に示されるように、いくつかの実施形態において、グリッド構造121は、グリッドセグメント121S (あるいは、121S1、あるいは、121S2)を有する(あるいは、分割される)。たとえば、グリッド構造121は、約1.0~1.99の範囲の低屈折率を有する透明誘電材を有する。さらに、本発明の実施形態において、グリッド構造121の屈折率は、カラーフィルター層115 (たとえば、
図2の緑色カラーフィルター層115G)の屈折率より低い。
【0052】
いくつかの実施形態において、各グリッドセグメントは、可変幅を有する(設計上、幅を任意の大きさにできる)。たとえば、
図2に示されるように、グリッドセグメント121S1の幅LW1が、グリッドセグメント121S2の幅LW2より大きいが、本発明はそれらに制限されない。隣接する(周囲の)カラーフィルターセグメント (たとえば、
図2の緑色カラーフィルターセグメント115GS)にしたがって、グリッドセグメントの幅は調整される。
【0053】
図2に示されるように、いくつかの実施形態において、固体撮像素子100は、グリッド構造121の底部に設置される金属グリッド111を有する。たとえば、金属構造111の材料は、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、金属窒化物(たとえば、窒化チタン(TiN))、その他の適当な材料、あるいは、それらの組み合わせを有するが、本発明はこれらに制限されない。
図2に示されるように、固体撮像素子100の断面図中、金属グリッド111は、金属セグメントを有する(あるいは、分割される)。
図2の実施形態において、金属セグメントは、固定の幅を有する。
【0054】
図2に示されるように、いくつかの実施形態において、固体撮像素子100は集光構造119を有し、設置されるとともに、カラーフィルターセグメント(たとえば、
図2の緑色カラーフィルターセグメント115GS)に対応して、入射光を凝集する。たとえば、集光構造119は、ガラス、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン、その他の任意の材料、あるいは、それらの組み合わせであるが、本発明はそれらに制限されない。
【0055】
いくつかの実施形態において、集光構造119は、マイクロレンズ構造、たとえば、半凸面レンズ、あるいは、凸面レンズである。いくつかのその他の実施形態において、集光構造119は、マイクロピラミッド構造(たとえば、円錐、四角錐等)、あるいは、マイクロ台形構造 (たとえば、フラットトップの錐体、切頂方錐等)である。あるいは、いくつかの実施形態において、集光構造119はグラジエントインデックス構造(gradient-index structure)である。
【0056】
図2に示されるように、各集光構造119は一緑色カラーフィルターセグメント115GSに対応するが、本発明はそれらに制限されない。いくつかのその他の実施形態において、各集光構造119は、少なくとも二個のカラーフィルターセグメントに対応する。
【0057】
図3は、本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子100の部分断面図である。たとえば、
図3はまた、
図1の線AーA’に沿った固体撮像素子100の部分断面図である。
【0058】
いくつかの実施形態において、少なくとも一つのカラーフィルターセグメント (第一カラーフィルターセグメント、および/または、第二カラーフィルターセグメント)は、対応する光電変換素子103に対してシフトしている(シフトを有する)。たとえば、
図1、および、
図3に示されるように、ノーマル画素Gb5に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GSは、対応する光電変換素子103に対するシフトS5を有する。つまり、ノーマル画素Gb5に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GSの中心軸C5と対応する光電変換素子103の中心軸P5間の距離は、シフトS5である。なお、中心軸は、基板101やフィルタ層115等の積層面に対して法線方向に沿う軸である。さらに、
図1、および、
図3に示されるように、ノーマル画素Gb2に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GSは、対応する光電変換素子103に対するシフトS2を有する。つまり、ノーマル画素Gb2に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GSの中心軸C2と対応する光電変換素子103の中心軸P2間の距離はシフトS2である。この例において、シフトS2は、シフトS5より大きいが、本発明はそれらに制限されない。
【0059】
さらに、
図1、および、
図3に示されるように、ノーマル画素Gb8に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GSは、対応する光電変換素子103に対するシフトを有さない。つまり、ノーマル画素Gb8に対応する緑色カラーフィルターセグメント115GSの中心軸C8は、対応する光電変換素子103の中心軸P8と重複する(同一軸である)。
【0060】
図4は、本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子100の部分断面図である。たとえば、
図4はまた、
図1の線AーA’に沿った固体撮像素子100の部分断面図である。
【0061】
いくつかの実施形態において、金属セグメントは、対応するグリッドセグメント121Sに対して、可変幅を有する。たとえば、
図4に示されるように、(グリッドセグメント121S1の底部に設置される)金属セグメント111S1の幅MW1は、(グリッドセグメント121S2の底部に設置される)金属セグメント111S2の幅MW2より大きいが、本発明はそれらに制限されない。金属セグメントの幅は、対応するグリッドセグメント121Sに従って調整される。
【0062】
図5は、本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子100の部分断面図である。たとえば、
図5はさらに、
図1の線AーA’に沿った固体撮像素子100の部分断面図である。
【0063】
いくつかの実施形態において、集光構造119は、対応するカラーフィルターセグメント (たとえば、
図5中の緑色カラーフィルターセグメント115GS)に対する可変幅を有する。たとえば、
図5に示されるように、集光構造119-8の幅ML8は、集光構造119-2の幅ML2、および、集光構造119-5の幅ML5より大きいが、本発明はそれらに制限されない。集光構造119の幅は、対応するカラーフィルターセグメント (たとえば、
図5中の緑色カラーフィルターセグメント115GS)に従って調整される。
【0064】
図6は、本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子102の部分的な上面図である。
図7は、
図6の線BーB’に沿った固体撮像素子102の部分断面図である。さらに詳細には、
図6は、固体撮像素子102の画素配置を示し、
図7は、固体撮像素子102の断面図の一部を示す。注意すべきことは、固体撮像素子102のいくつかのコンポーネンツは、簡潔にするために、
図6、および、
図7で省略されていることである。
【0065】
同様に、カラーフィルター層115は、四個のカラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4を有し、自動焦点画素の少なくとも一つが設置されるとともに、四個のカラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4の一つに対応する。
図6に示されるように、いくつかの実施形態において、四個のカラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4は、ユニットパターンU2を形成する。
図7に示されるように、赤色カラーフィルター層115Rは光電変換素子103上に設置され、赤色カラーフィルター層115Rは、赤色カラーフィルターセグメント115RSを有する(分割される)。
【0066】
図6、および、
図7に示されるように、入射光Lは、固体撮像素子102のユニットパターンU2に左側からであり、且つ、カラー領域CR2中、ノーマル画素R2に対応するカラーフィルター層115 (赤色カラーフィルターセグメント115RS)は、入射光Lに近い側に設置されて、ノーマル画素R2に対応するカラーフィルター層115 (赤色カラーフィルターセグメント115RS)は第一カラーフィルターセグメントと称され、ノーマル画素R5、あるいは、ノーマル画素R8に対応するカラーフィルター層115 (赤色カラーフィルターセグメント115RS)は第二カラーフィルターセグメントと称される。
図7に示されるように、この実施形態において、ノーマル画素R2に対応する赤色カラーフィルターセグメント115RSの幅CD2は、ノーマル画素R5(あるいは、R8)に対応する赤色カラーフィルターセグメント115RSの幅CD5(あるいは、CD8)より大きい。
【0067】
図8は、本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子104の部分的な上面図である。
図8を参照すると、いくつかの実施形態において、二個以上のユニットパターンはアレイを形成する。つまり、固体撮像素子104中に、二個以上のユニットパターンがある。たとえば、
図8に示されるように、固体撮像素子104のカラーフィルター層 (あるいは、カラー領域)は、25(5×5)個のユニットパターンを形成し、
図1 (固体撮像素子104の左側中)に示されるユニットパターンU1、および、
図6 (固体撮像素子104の右側)に示されるユニットパターンU2を有するが、本発明はそれらに制限されない。実際の需要に応じて、ユニットパターンの数量と画素配置は調整される。
【0068】
図9は、本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子106の部分的な上面図である。
図9に示されるように、いくつかの実施形態において、固体撮像素子106の四個のカラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4は、ユニットパターンU3を形成する。たとえば、カラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4はそれぞれ、3×3画素アレイに対応する。さらに、自動焦点画素アレイPDAFは、2×1画素アレイであり、且つ、ユニットパターンU3の中心に設置されない。
【0069】
図9に示されるように、入射光Lは、固体撮像素子106のユニットパターンU3の右側からである。カラー領域CR1において、ノーマル画素Gr5、Gr7、あるいは、Gr9に対応するカラーフィルター層 (あるいは、 (緑色) カラーフィルターセグメント)は、入射光Lに近い側に設置されて、ノーマル画素Gr5、Gr7、あるいは、Gr9に対応する(緑色)カラーフィルターセグメントの幅は、ノーマル画素Gr1、Gr2、Gr3、Gr4、あるいは、Gr6に対応する (緑色)カラーフィルターセグメントの幅より大きい。カラー領域CR2において、ノーマル画素R7、R8、あるいは、R9に対応するカラーフィルター層 (あるいは、 (赤色)カラーフィルターセグメント)は、入射光Lに近い側に設置され、ノーマル画素R7、R8、あるいは、R9に対応する (赤色)カラーフィルターセグメントの幅は、ノーマル画素R1、R3、R4、R5、あるいは、R6に対応する(赤色)カラーフィルターセグメントの幅より大きい。カラー領域CR3において、ノーマル画素B7、B8、あるいは、B9に対応するカラーフィルター層 (あるいは、 (青色)カラーフィルターセグメント)は、入射光Lに近い側に設置され、ノーマル画素B7、B8、あるいは、B9に対応する(青色)カラーフィルターセグメントの幅は、ノーマル画素B1、B2、B3、B4、B5、あるいは、B6に対応する(青色)カラーフィルターセグメントの幅より大きい。カラー領域CR4において、ノーマル画素Gb7、Gb8、あるいは、Gb9に対応するカラーフィルター層 (あるいは、 (緑色)カラーフィルターセグメント)は、入射光Lに近い側に設定されて、ノーマル画素Gb7、Gb8、あるいは、Gb9に対応する (緑色)カラーフィルターセグメントの幅は、ノーマル画素Gb1、Gb2、Gb3、Gb4、Gb5、あるいは、Gb6に対応する(緑色)カラーフィルターセグメントの幅より大きい。
【0070】
図10は、本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子108の部分的な上面図である。
図10に示されるように、いくつかの実施形態において、固体撮像素子108の四個のカラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4は、ユニットパターンU4を形成する。たとえば、カラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4はそれぞれ、3×3画素アレイに対応する。いくつかの実施形態において、自動焦点画素は、二個以上の自動焦点画素アレイPDAFを形成する。つまり、ユニットパターンU4中に、二個以上の自動焦点画素アレイPDAFがある。たとえば、二個の自動焦点画素アレイPDAFが、ユニットパターンU4中にある。さらに詳細には、二個の自動焦点画素アレイPDAFが設置されるとともに、カラー領域CR3とCR4に対応する。さらに、各自動焦点画素アレイPDAFは1×2画素アレイであり、且つ、ユニットパターンU4の下側近くに設置される。
【0071】
図10に示されるように、入射光Lは、固体撮像素子108のユニットパターンU4の右側からである。カラー領域CR1において、ノーマル画素Gr7、Gr8、あるいは、Gr9に対応するカラーフィルター層 ( (緑色)カラーフィルターセグメント)は、入射光Lに近い側に設置されて、ノーマル画素Gr7、Gr8、あるいは、Gr9に対応する (緑色)カラーフィルターセグメントの幅は、ノーマル画素 Gr1、Gr2、Gr3、Gr4、Gr5、あるいは、Gr6に対応する(緑色)カラーフィルターセグメントの幅より大きい。カラー領域CR2において、ノーマル画素R7、R8、あるいは、R9に対応するカラーフィルター層 ( (赤色)カラーフィルターセグメント)は、入射光Lに近い側に設置されて、ノーマル画素R7、R8、あるいは、R9に対応する(赤色)カラーフィルターセグメントの幅は、ノーマル画素R1、R2、R3、R4、R5、あるいは、R6に対応する (赤色)カラーフィルターセグメントの幅より大きい。カラー領域CR3において、ノーマル画素B5、B6、あるいは、B7に対応するカラーフィルター層 ( (青色)カラーフィルターセグメント)は、入射光Lに近い側に設置されて、ノーマル画素B5、B6、あるいは、B7に対応する(青色)カラーフィルターセグメントの幅は、ノーマル画素B1、B2、B3、あるいは、B4に対応する(青色)カラーフィルターセグメントの幅より大きい。カラー領域CR4において、ノーマル画素Gb7、Gb8、あるいは、Gb9に対応するカラーフィルター層 ( (緑色)カラーフィルターセグメント)は、入射光Lに近い側に設置されて、ノーマル画素Gb7、Gb8、あるいは、Gb9に対応する(緑色)カラーフィルターセグメントの幅は、ノーマル画素Gb1、Gb4、Gb5、あるいは、Gb6に対応する(緑色)カラーフィルターセグメントの幅より大きい。
【0072】
図11は、本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子110の部分的な上面図である。
図11に示されるように、いくつかの実施形態において、固体撮像素子110の四個のカラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4は、ユニットパターンU5を形成する。たとえば、カラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4はそれぞれ、4×4画素アレイに対応する。いくつかの実施形態において、自動焦点画素は、二個以上の自動焦点画素アレイPDAFを形成する。つまり、ユニットパターンU5中に、二個以上の 自動焦点画素アレイPDAFがある。たとえば、二個の自動焦点画素アレイPDAFが、ユニットパターンU5中にある。さらに詳細には、二個の自動焦点画素アレイPDAFが設置されるとともに、全カラー領域(つまり、カラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4)に対応する。さらに、各自動焦点画素アレイPDAFは2×2画素アレイである。
【0073】
図11に示されるように、入射光Lは、固体撮像素子110のユニットパターンU5の右側からである。カラー領域CR1中、ノーマル画素Gr11、Gr12、Gr13、あるいは、Gr14に対応するカラーフィルター層 ( (緑色)カラーフィルターセグメント)は、入射光Lに近い側に設置されて、ノーマル画素 Gr11、Gr12、Gr13、あるいは、Gr14に対応する(緑色) カラーフィルターセグメントの幅は、ノーマル画素Gr1、Gr2、Gr3、Gr4、Gr5、Gr6、Gr7、Gr8、Gr9、あるいは、Gr10に対応する(緑色)カラーフィルターセグメントの幅より大きい。カラー領域CR2中、ノーマル画素R13、R14、R15、あるいは、R16に対応するカラーフィルター層 ( (赤色)カラーフィルターセグメント)は、入射光Lに近い側に設置されて、ノーマル画素R13、R14、R15、あるいは、R16に対応する (赤色)カラーフィルターセグメントの幅は、ノーマル画素R1、R2、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、あるいは、R12に対応する(赤色)カラーフィルターセグメントの幅より大きい。カラー領域CR3中、ノーマル画素B9、B10、B15、あるいは、B16に対応するカラーフィルター層 ( (青色)カラーフィルターセグメント)は、入射光Lに近い側に設置されて、ノーマル画素B9、B10、B15、あるいは、B16 に対応する (青色)カラーフィルターセグメントの幅は、ノーマル画素B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B11、あるいは、B12に対応する(青色)カラーフィルターセグメントの幅より大きい。カラー領域CR4中、ノーマル画素Gb13、Gb14、Gb15、あるいは、Gb16に対応するカラーフィルター層 ( (緑色)カラーフィルターセグメント)は、入射光Lに近い側に設置されて、ノーマル画素Gb13、Gb14、Gb15、あるいは、Gb16に対応する (緑色)カラーフィルターセグメントの幅は、ノーマル画素Gb3、Gb4、Gb5、Gb6、Gb7、Gb8、Gb9、Gb10、Gb11、あるいは、Gb12に対応する(緑色) カラーフィルターセグメントの幅より大きい。
【0074】
図12は、本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子112の部分的な上面図である。
図12に示されるように、いくつかの実施形態において、固体撮像素子112の四個のカラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4は、ユニットパターンU6を形成する。たとえば、カラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4はそれぞれ、4×4画素アレイに対応する。いくつかの実施形態において、自動焦点画素は二個以上の自動焦点画素アレイPDAFを形成する。つまり、二個以上の自動焦点画素アレイPDAFが、ユニットパターンU6中にある。たとえば、八個の自動焦点画素アレイPDAFが、ユニットパターンU6中にある。さらに詳細には、八個の自動焦点画素アレイPDAFが設置されるとともに、全カラー領域(つまり、カラー領域CR1、CR2、CR3、および、CR4)に対応する。さらに、各自動焦点画素アレイPDAFは2×1画素アレイである。
【0075】
図12に示されるように、入射光Lは、固体撮像素子112のユニットパターンU6の右側からである。カラー領域CR1中、ノーマル画素Gr13、Gr14、Gr15、あるいは、Gr16に対応するカラーフィルター層((緑色)カラーフィルターセグメント)は、入射光Lに近い側に設置されて、ノーマル画素Gr13、Gr14、Gr15、あるいは、Gr16に対応する(緑色)カラーフィルターセグメントの幅は、ノーマル画素 Gr1、Gr2、Gr3、Gr4、Gr5、Gr8、Gr9、あるいは、Gr12に対応する(緑色)カラーフィルターセグメントの幅より大きい。カラー領域CR2中、ノーマル画素R13、R14、R15、あるいは、R16に対応するカラーフィルター層 ( (赤色)カラーフィルターセグメント)は、入射光Lに近い側に設置されて、ノーマル画素R13、R14、R15、あるいは、R16に対応する(赤色)カラーフィルターセグメントの幅は、ノーマル画素R1、R2、R3、R4、R5、R8、R9、あるいは、R12に対応する(赤色)カラーフィルターセグメントの幅より大きい。カラー領域CR3中、ノーマル画素B13、B14、B15、あるいは、B16に対応するカラーフィルター層 ( (青色)カラーフィルターセグメント)は、入射光Lに近い側に設置されて、ノーマル画素B13、B14、B15、あるいは、B16に対応する (青色)カラーフィルターセグメントの幅は、ノーマル画素B1、B2、B3、B4、B5、B8、B9、あるいは、B12に対応する(青色)カラーフィルターセグメントの幅より大きい。カラー領域CR4中、ノーマル画素Gb13、Gb14、Gb15、あるいは、Gb16に対応するカラーフィルター層 ( (緑色)カラーフィルターセグメント)は、入射光Lに近い側に設置されて、ノーマル画素Gb13、Gb14、Gb15、あるいは、Gb16に対応する(緑色)カラーフィルターセグメントの幅は、ノーマル画素Gb1、Gb2、Gb3、Gb4、Gb5、Gb8、Gb9、あるいは、Gb12に対応する(緑色)カラーフィルターセグメントの幅より大きい。
【0076】
総合すると、本発明のいくつかの実施形態によると、固体撮像素子は、可変幅を有するカラーフィルターセグメントを有し、チャネル分離を改善し、これにより、固体撮像素子の光電変換素子からのイメージ信号の品質を改善する。
【0077】
前述は、いくつかの実施形態の特徴を説明するので、当業者は、本発明の態様をよりよく理解することができる。当業者なら理解できるように、たやすく、本発明を基礎として用いて、その他のプロセス、および、構造を設計、あるいは、修正されて、同じ目的を実現する、および/または、紹介される実施形態の同じ長所を達成することができる。当業者ならさらに理解できることは、このような等価構造は、本発明の精神と範囲を逸脱せず、且つ、それらは、精神と範囲を逸脱しない条件下で、各種変化、置換、修正を行うことができる。よって、保護範囲は、請求項によって決定されるべきである。また、本発明のいくつかの実施形態が上で開示されているが、それらは、本発明の範囲を制限することを意図しない。
【0078】
この明細書を通じた特徴、長所、あるいは、類似言語は、本発明で実現されるすべての特徴、および、長所が、本発明の任意の単一の実施形態である、あるいは、単一の実施形態中に存在すべきであることを暗示するものではない。むしろ、特徴、および、長所に言及した言語は、一実施形態と関連して記載される特定の特徴、長所、あるいは、特性が、本発明の少なくとも一つの実施形態中に含まれることを意味すると理解される。よって、この明細書を通じた特徴、および、長所、および、類似言語の討論は、必ずしも、同じ実施形態を参照しない。
【0079】
さらに、一つ以上の実施形態において、本発明の記載される特徴、長所、および、特性は、任意の適当な方式で組み合わされる。当業者なら理解できるように、この記載の観点において、本開示は、特定の実施形態の一つ以上の特定の特徴、あるいは、長所がなくても実施することができる。ほかの例では、追加特徴、および、長所は、本開示の全実施形態中に含まれないある実施形態中で広く認められる。
【0080】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の思想を脱しない範囲内で各種の変形を加えることができる。
【符号の説明】
【0081】
100、102…固体撮像素子
101…半導体基板
101B…背面
101F…前面
103…光電変換素子
105…配線層
107…高誘電率膜
109…バッファ層
111…金属グリッド
111S1、111S2…金属セグメント
115…カラーフィルター層
115G…緑色カラーフィルター層
115GS…緑色カラーフィルターセグメント
115R…赤色カラーフィルター層
115RS…赤色カラーフィルターセグメント
119、119-2、119-5、119-8…集光構造
121…グリッド構造
121S、121S1、121S2…グリッドセグメント
A-A’、B-B’…線
B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10、B11、B12、B13、B14、B15、B15、B16、Gb1、Gb2、Gb3、Gb4、Gb5、Gb6、Gb7、Gb8、Gb9、Gb10、Gb11、Gb12、Gb13、Gb14、Gb15、Gb16、Gr1、Gr2、Gr3、Gr4、Gr5、Gr6、Gr7、Gr8、Gr9、Gr10、Gr11、Gr12、Gr13、Gr14、Gr15、Gr16、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16… ノーマル画素
C2、C5、C8…中心軸
CD2、CD5、CD8…幅
CR1、CR2、CR3、CR4…カラー領域
L…入射光
LW1、LW2…幅
ML2、ML5、ML8…幅
MW1、MW2…幅
P2、P5、P8…中心軸
PDAF…自動焦点画素アレイ
S2、S5…シフト
U1…ユニットパターン
X、Y、Z…座標軸