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特許7465325情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20240403BHJP
【FI】
G06Q40/08
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022186328
(22)【出願日】2022-11-22
【審査請求日】2023-04-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】栖原 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】盛岡 実
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-105382(JP,A)
【文献】国際公開第2018/211857(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0156842(US,A1)
【文献】特開2007-086869(JP,A)
【文献】特開2016-018477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、
受付ステップと、作成ステップと、表示制御ステップと、算定ステップと、を備え、
前記受付ステップでは、所定の構造物に対する3次元計測の工数に関する情報を受け付け、
前記作成ステップでは、前記3次元計測の結果に基づき、ユーザが視認可能な前記所定の構造物の仮想オブジェクトを作成し、
前記表示制御ステップでは、前記仮想オブジェクトを、前記ユーザが所有する端末の画面を介して、前記ユーザが視認可能に表示させ、
前記算定ステップでは、少なくとも前記工数に関する情報と前記仮想オブジェクトが前記画面を介して表示された回数に関する情報とに基づき、前記所定の構造物に対する保険料を算定する、情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記所定の構造物は、文化財である、情報処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記所定の構造物は、建築物、名勝、景勝地、街並み及び家並みからなる群から選択される1以上のものである、情報処理方法。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記3次元計測を実施する事業体は、前記情報処理方法を実施する事業体とは異なる、情報処理方法。
【請求項5】
情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、
受付ステップと、作成ステップと、表示制御ステップと、算定ステップと、分配ステップと、を備え、
前記受付ステップでは、所定の構造物に対する3次元計測の工数に関する情報を受け付け、
前記作成ステップでは、前記3次元計測の結果に基づき、ユーザが視認可能な前記所定の構造物の仮想オブジェクトを作成し、
前記表示制御ステップでは、前記仮想オブジェクトを、前記ユーザが所有する端末の画面を介して、前記ユーザが視認可能に表示させ、ここで、前記仮想オブジェクトを前記ユーザが閲覧する際には閲覧料が要求され、
前記算定ステップでは、少なくとも前記工数に関する情報に基づき、前記所定の構造物の所有者が前記所定の構造物について支払う保険料を算定し、
前記分配ステップでは、前記表示制御ステップで要求された閲覧料が、前記所有者に対して所定の割合で分配される、情報処理方法。
【請求項6】
少なくとも1つの装置により構成される情報処理システムであって、
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、情報処理システム。
【請求項7】
プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物等に対する保険料を算定する技術が開発されてきている。例えば、特許文献1には、建築や土木用の部材情報を活用して、個別の建築物の品質を適正に評価する建築物品質評価技法が開示され、この評価に基づき、保険関連情報を抽出可能であることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-105382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、いわゆる文化財等の複雑な構造を有する建築物については、いったん崩壊してしまうと復元に多大な費用がかかることが見込まれる。従来の保険に関する仕組みでは、このような多大な費用を賄うことが困難な場合があり、依然として、建築物等の構造物を所有する者等の満足度を向上させる仕組みが望まれている。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、構造物所有者等の満足度を向上させることのできる情報処理方法等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムによって実行される情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、受付ステップと、算定ステップと、を備える。受付ステップでは、所定の構造物に対する3次元計測の工数に関する情報を受け付ける。算定ステップでは、少なくとも工数に関する情報に基づき、所定の構造物に対する保険料を算定する。
【0007】
上記態様によれば、構造物所有者等の満足度を向上させることのできる情報処理方法等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。
図2】測定装置2のレーザの照射方向について説明するための図である。
図3】サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】ユーザ端末4のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。
図6】本実施形態にかかる情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図7】測定装置2の測定の例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
すなわち、本実施形態にかかる情報処理方法は、以下に示すものである。
情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、
受付ステップと、算定ステップと、を備え、
前記受付ステップでは、所定の構造物に対する3次元計測の工数に関する情報を受け付け、
前記算定ステップでは、少なくとも前記工数に関する情報に基づき、前記所定の構造物に対する保険料を算定する、情報処理方法。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0015】
1.1 情報処理システム1
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1は測定装置2と、サーバ3と、ユーザ端末4とを備え、これらがネットワーク5を通じて接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。なお、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、サーバ3単体であってもシステムの一例となる。換言すれば、情報処理システム1は、少なくとも1つの装置により構成される情報処理システムであってもよい。また、情報処理システム1は、典型的には、情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える。
【0016】
1.2 測定装置2
測定装置2は、典型的には3D(three-Dimensional)レーザスキャナであり、3Dデジタル計測を行い、点群データを出力可能に構成される。なお、ここでの点群データは、構造物の三次元の形状を示す複数点のデータの集合であり、各点の位置を示す計測データ(相対的又は絶対的な座標情報)と、各点の色情報を含みうる。
【0017】
測定装置2で計測され、生成された点群データは、例えばネットワーク5を介してサーバ3の記憶部32に格納されてもよいし、また、測定装置2自体が有する記録媒体に格納されてもよい。
【0018】
なお、測定装置2の一例であるレーザスキャナは、例えば以下に示す方向に対してレーザの照射が可能に構成される。図2は、測定装置2のレーザの照射方向について説明するための図である。
すなわち、測定装置2は、水平方向に360度の範囲でレーザの照射角度を変化させるとともに、鉛直方向については、水平位置を0度として天頂方向に90度、下方は-60度の範囲で、レーザの照射角度を変えながら測定対象物をスキャン可能に構成される。すなわち、例示的には、測定装置2は図2に示される範囲についての測定が可能に構成される。
【0019】
1.3 サーバ3
図3は、サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素がサーバ3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0020】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ3は、通信部31を介して、測定装置2やユーザ端末4とネットワーク5を介して種々の情報を通信する。
【0021】
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。特に、記憶部32は、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0022】
制御部33は、サーバ3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、情報処理は、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、2.節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0023】
1.4 ユーザ端末4
ユーザ端末4は、典型的にはサーバ3が生成した仮想オブジェクトを表示するための端末である。例えば、ユーザ端末4は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ等が想定されるが、その詳細は限定されるものではない。なお、図1においてユーザ端末4の一例として、デスクトップ型のコンピュータを示している。
【0024】
図4は、ユーザ端末4のハードウェア構成を示すブロック図である。
ユーザ端末4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、表示部44と、入力部45と、音声出力部46とを有し、これらの構成要素がユーザ端末4の内部において通信バス40を介して電気的に接続されている。
なお、通信部41、記憶部42及び制御部43の説明は、前述の、サーバ3における通信部31、記憶部32及び制御部33と略同様のため省略する。
【0025】
表示部44は、例えば、ユーザ端末4の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部44は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末4の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0026】
入力部45は、ユーザ端末4の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部45は、表示部44と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部45がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス40を介して制御部43に転送され、制御部43が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0027】
音声出力部46は、例えば、ユーザ端末4の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。音声出力部46は、ユーザが認識可能な音声を出力する。音声出力部46は、無指向性スピーカであってもよいし、指向性スピーカであってもよいし、これらの両方を有していてもよい。ここでは、音声出力部46は、ユーザ端末4の筐体に含まれるものとして説明する。
【0028】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、情報処理は、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0029】
図5は、サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。すなわち、本実施形態の情報処理方法は、情報処理システム1によって実行されるものであるが、この情報処理システム1の一例であるサーバ3は、受付部331と、算定部332とを備えるものである。なお、図5にはサーバ3に備えられた機能として、推奨値算出部333と、作成部334と、表示制御部335と、記憶管理部336と、を備えた態様を示している。
【0030】
受付部331は、受付ステップを実行可能に構成される。この受付ステップでは、測定装置2やユーザ端末4等各種装置から、種々の情報を受け付ける。本実施形態において、受付部331は、所定の構造物に対する3次元計測の工数に関する情報を受け付ける。また、例示的な実施形態においては、受付部331は、測定対象の敷地内の経路の長さ及び要求再現精度を取得する。これらについては後にさらに詳述する。
【0031】
算定部332は、算定ステップを実行可能に構成される。この算定ステップでは、種々の数値情報に基づき、各種演算を行い、その結果を出力する。本実施形態において、算定部332は、少なくとも工数に関する情報に基づき、所定の構造物に対する保険料を算定する。これについては後にさらに詳述する。
【0032】
推奨値算出部333は、推奨値算出ステップを実行可能に構成される。この推奨値算出ステップでは、受付部331が受け付けた経路の長さ及び要求再現精度を用いて、測定装置2による測定地点の数の推奨値を算出する。
【0033】
作成部334は、作成ステップを実行可能に構成される。この作成ステップでは、3次元計測の結果に基づき、ユーザが視認可能な所定の構造物の仮想オブジェクトを作成する。これについては後にさらに詳述する。
【0034】
表示制御部335は、表示制御ステップを実行可能に構成される。この表示制御ステップでは、種々の表示情報を生成して、ユーザが視認可能な表示内容を制御するように構成される。なお、表示情報とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された視覚情報そのものでもよいし、例えば各種端末に画面、画像、アイコン、テキスト等の視覚情報を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。なお、本実施形態の情報処理システム1においては、表示制御部335は、仮想オブジェクトを、ユーザが所有する端末の画面を介して、ユーザが視認可能に表示させる。この表示内容の詳細については追って説明する。
【0035】
記憶管理部336は、記憶管理ステップを実行可能に構成される。この記憶管理ステップでは、本実施形態の情報処理システム1に係る種々の情報について記憶管理するように構成される。典型的には、記憶管理部336は、受け付けた3次元計測の工数や、3次元計測の結果、算定した保険料に関する情報等の各種情報を記憶領域に記憶させるように構成される。この記憶領域は、例えばサーバ3の記憶部32が例示されるが、この記憶領域は必ずしも情報処理システム1のシステム内である必要はなく、記憶管理部336は、種々の情報を外部記憶装置等に記憶するように管理することもできる。
【0036】
3.情報処理方法
本節では、前述した情報処理システム1の実行する情報処理方法の各ステップについてアクティビティ図を用いて説明する。
【0037】
図6は、本実施形態にかかる情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図6に示すように、本実施形態の情報処理方法においては、まず受付部331が、所定の構造物に対する3次元計測の工数に関する情報を受け付ける(アクティビティA101)。
【0038】
本実施形態の情報処理方法において、「所定の構造物」は、保険の対象となるものの中から適宜設定することができる。この保険は、典型的には対物の損害保険(火災保険等)であり、その保険の対象として動産、不動産等を適宜設定することができる。
【0039】
より典型的な例を挙げると、「所定の構造物」は、寺社仏閣、世界遺産(世界遺産委員会認定)、産業遺産(国際産業遺産保存委員会認定)、近代化産業遺産(経済産業省認定)、土木遺産(土木学会選奨)、景勝地、地形、あるいは、今後後世に残す必要がある建造物及び景勝地の少なくともいずれかひとつを含む歴史的建造物及び遺跡であってよい。
その他、「所定の構造物」は、仏像、土器、化石、甲冑、小物(生活道具、鍬、産業機械等)、工芸品、機械部品、家具、茶器、陶磁器、木彫り、彫刻、美術品、アクセサリー、車両といった動産であってもよい。
また、「所定の構造物」は、必ずしも前述した動産や不動産の単体である必要もなく、動産や不動産の組み合わせであってもよい。
【0040】
本実施形態の情報処理方法の典型的な態様では、所定の構造物は、文化財である。また、本実施形態の情報処理方法の典型的な態様では、所定の構造物は、建築物、名勝、景勝地、街並み及び家並みからなる群から選択される1以上のものである。なお、ここでの文化財は、寺社仏閣等の不動産のみならず、文化的な価値を有する動産であってもよい。
【0041】
アクティビティA101において、3次元計測の工数は、行われる計測の種類等に応じ適宜設定することができるが、典型的には、3次元計測を行う際のスキャン回数や、データ量等に基づいて定めることができる。なお、本実施形態の工数に関する情報は、実際に行われた測定の工数に係る情報と、測定を行うに先立って見積もられる工数に係る情報の双方を含みうる。
【0042】
より典型的な例を以下に示す。なお、本明細書では、「所定の構造物」が寺社仏閣である場合を例に挙げて、説明を続けることとする。
【0043】
図7は、測定装置2の測定の例を説明するための模式図である。所定の構造物が寺社仏閣等歴史的な建築物である場合は、屋根や庇等の下の複数の梁や小梁が多数配置されることがある。このことから、梁や小梁の背面に直接レーザが当たらない死角が発生する。
【0044】
具体的に、図7には屋根P1の下に小梁P2が複数設けられている測定対象が示されている。この場合、位置PT0にある測定装置2は、破線r1の範囲についてレーザ照射が可能であり、このことから、破線r1部分については測定装置2による測定が可能である。一方、位置PT0にある測定装置2からは死角d1と死角d2とが生じる。
【0045】
これに対し、測定装置2をD1方向に移動させ、位置PT1で改めてレーザ照射することで死角d1部分についての測定が可能となる。同様に測定装置2について位置PT2でレーザ照射することにより死角d2部分についての測定が可能となる。換言すれば、複雑な構造物についての3次元計測を行い、点群データを収集するにあたっては、レーザ照射回数(スキャン回数)を増加させることが必要な場合がある。
【0046】
一方、死角がない場合でも、測定装置2の測定箇所が少ないと、取得される点群データの点の数が少なくなり、透けた点群となることがある。すなわち、点と点の間を埋めて透けていない状態にするためには、測定装置2の測定箇所を増やすことが必要な場合がある。本実施形態においては、このように測定箇所を増やすことで、3次元データとしての精緻さを向上させることに寄与することができる。
【0047】
すなわち、本実施形態の情報処理方法の一態様においては、受付ステップとして所定の構造物に対して行われた3次元計測の工数を受け付けることができ、この工数は測定装置2のレーザ照射回数(スキャン回数)に基づいて定めることができる。
【0048】
なお、前述の通り、本実施形態の工数に関する情報の受け付けは、実際に測定を行うに先立って見積もられる工数に係る情報を受け付ける態様であってもよい。すなわち、測定対象である所定の構造物が比較的単純な構造であったり、規模が大きくなかったりする場合には、実際に所定の構造物に対しての測定を行う方が効率的である場合が多い反面、所定の構造物がきわめて複雑な構造であったり、規模が大きくなかったりする場合には、測定を行うに先立って工数を見積もることが適切な場合がある。このような場合に適用される態様について説明を続ける。
【0049】
すなわち、受付部331が実際に測定を行うに先立って見積もられる工数に係る情報を受け付けるにあたっては、まず、受付部331が、測定対象の敷地内の経路の長さ及び要求再現精度を受け付ける。
【0050】
ここで、要求再現精度とは、測定(スキャニング)の結果、生成される3次元画像に求められる精度すなわち必要な点群密度を示す。本実施形態では、要求再現精度を4つの階級(クラス)(最高精度、高精度、中精度、標準)に分けて設定できるものとする。例えば、最高精度の3次元画像の要求再現精度は「Sクラス」、高精度の3次元画像の要求再現精度は「Aクラス」、中精度の3次元画像の要求再現精度は「Bクラス」、及び標準の3次元画像の要求再現精度は「Cクラス」と呼ぶものとする。なお、Cクラスは一般的な測量のレベルの精度であるとする。
【0051】
具体的には、ノイズの多い点群データであるものや点群密度が低いものがCクラス、ノイズが非常に少なく点群密度の最も高いものがSクラスとしてもよい。一例として、Cクラスは、ノイズ低減の要求や色合いの向上等は不要で、ある程度の密度の点群があって形状がわかればよく、例えば柱がある場合、柱の1辺のエッジの線を引く場合、柱が直線と仮定するので、点は2点あればよい。また、この2点間をつないで柱の1辺のエッジとなる。すなわち、例えばCクラスでは、柱が直線でなくても直線とみなすことができ、その程度の低い点群密度でよい。一方、Sクラスでは、2点間の情報を細かく取得するので、直線に見える柱のエッジの凹凸を詳細につかむことができる。
【0052】
また、受付部331が、測定対象の敷地内の経路の長さ及び要求再現精度を受け付けた後、推奨値算出部333は、受け付けた経路の長さ及び要求再現精度を用いて、測定装置2による測定地点の数の推奨値を算出する。
【0053】
この測定地点の数の推奨値の算出は例えば以下のように行われる。
すなわち、測定対象が外構に囲まれた寺社仏閣等である場合、測定装置2は当該寺社仏閣等の敷地内にある経路に設置することが想定される。ここで、測定装置2の設置数(設置回数、スキャン回数と称してもよい)は、最も単純な方法として、測定装置2が配置できる経路長に、測定装置2を等間隔で配置した場合の設置数と仮定して、下記の式(1)により算出することができる。
ns=L/Ls ・・・(1)
【0054】
ここで、nsは測定装置2の測定地点の数(スキャン回数とも言える)の基準値であり、Lは経路長であり、Lsは測定装置2の設置間隔である。また、このスキャン回数の基準値nsは、後述する各クラスの推奨値(例えば、最大値、標準値、及び最小値)を算出する際の基準となる。一例として、測定地点のスキャン回数の基準値nsは、Cクラスの推奨値の標準値に相当する。
【0055】
このように、推奨値算出部333は、敷地内の経路の長さ(L)を、経路内における測定地点の設置間隔(Ls)で割ることにより、推奨値を算出する際の基準値nsを算出する。本実施形態において、受付部331の受け付ける工数はこの基準値nsそのものでもよいが、以下の式によって算出される推奨値の標準値nxであってもよい。
【0056】
すなわち、推奨値算出部333は、前述の基準値nsを用いて、各クラスの推奨値の標準値を算出する。そして、推奨値算出部333は、クラスごとに、推奨値を、幅をもたせた状態(例えば、最大値、標準値、最小値)で算出する。換言すれば、推奨値算出部333は、推奨値の範囲を算出する。推奨値の最大値は、例えば、基準値nsに1超の係数を乗じた値又は基準値nsに所定の値を加算した値である。推奨値の最小値は、基準値nsに1未満の係数を乗じた値又は基準値nsから所定の値を減算した値である。
【0057】
推奨値算出部333は、例えば、推奨値の標準値nxを、下記の式(2)に示すように、スキャン回数の基準値nsに所定の係数pを乗ずることにより算出する。
nx=ns×p ・・・(2)
【0058】
ここで、式(2)に示した所定の係数pの一例について説明する。係数pは、要求される測定精度が高くなるにつれて大きくなる。一例として、要求される測定精度を、点群密度レベルnとして定義する。nがとり得る値は、例えば、0、1、2、及び3の4つとする。そして、n=0の場合、係数pは1となり、n=1の場合、係数pは1.5となり、n=2場合、係数pは2.25となり、n=3の場合、係数pは3.375となる。なお、n=3の場合、上記したSクラスに相当し、n=0は、上記したCクラスに相当する。そして、n=2はAクラスに相当し、n=1はBクラスに相当する。
ただし、nがとり得る値の個数、及び各nにおける係数pの値は、上記した例に限られず、測定の目的や測定対象等によって適宜変更される。
【0059】
上記のようにして受付部331が所定の構造物に対する3次元計測の工数に関する情報を受け付けた後、算定部332は、少なくとも工数に関する情報に基づき、所定の構造物に対する保険料を算定する(アクティビティA102)。
【0060】
本実施形態において、保険の対象(寺社仏閣)を所有する者の支払う保険料は、前述の3次元計測の工数が加味されており、通常、この工数が大きくなるほどその保険料が高くなるように設定することができる。
一方、保険を運用する事業者の視点に立つと、仮に保険の対象(寺社仏閣)が倒壊する事態が生じた場合、前述の測定の工数の大きさが大きくなるにつれて、利益が生じる可能性がある。すなわち、保険の対象(寺社仏閣)を復元する際に、3次元計測のデータを活用することができることから、復元費用を抑えられることに繋がる。また、幾何学形状を3次元のデジタルデータとして活用可能であるため、復元に際しての学術的な調査期間を短縮化させたり、調査費用を軽減させたりする効果も奏しうる。さらに、上述のデジタルデータを容易に図面に変換することが可能であり、施工計画に要する設計業務の軽減にも寄与することができる。
そのため、3次元計測の工数の大きさが保険運用者側の利益にも繋がり、ひいては安定的な補償に繋がることから、構造物所有者としての利益をももたらすと考えられる。
本発明者らは、構造物の所有者と、保険運用者との利害のバランスが保たれる点を探る情報処理方法に意義があると見出し、本明細書に開示される情報処理方法等を見出している。
【0061】
なお、前述した3次元計測を実施する事業体と、情報処理方法を実施する事業体(保険料を算定する事業体)は同一であってもよいが、3次元計測を実施する事業体は、情報処理方法を実施する事業体(保険料を算定する事業体)とは異なるものとすることができる。この場合、3次元計測を実施する事業体と、情報処理を実施する事業体との間の取り決めに応じ、金員等の授受が行われてもよい。なお、この金員等の授受については、所定の構造物を所有する者の支払う保険料を、3次元計測を実施する事業体と、情報処理方法を実施する事業体(保険料を算定する事業体)との間で適切に分配するように構成してもよい。この分配はサーバ3の算定部332の機能によっても達成しうる。
【0062】
また、算定部332は所定の構造物の保険料を算定するにあたり、3次元計測の工数以外の情報を加味した上でその保険料を算定することができる。典型的には、所定の構造物自体の価値や、構造物の所有者に関する情報、所定の構造物が崩壊する可能性(築年数、材質等)等を、保険料算定にあたっての必要なパラメータとすることで、適切な保険料を算定するように構成することができる。
【0063】
このようにして保険料が算定された後、本情報処理の処理に関する情報、典型的には、受け付けた3次元計測の工数や、算定した保険料等の各種情報を、サーバ3の記憶管理部336が、所定の記憶領域に記憶させる(アクティビティA103)。これにより、一連の処理が完了する。
【0064】
なお、本実施形態の情報処理方法においては、3次元計測の工数に関する情報を受け付けた後(典型的には、実際に3次元計測を行った後)、サーバ3の作成部334が、3次元計測の結果に基づき、ユーザが視認可能な所定の構造物の仮想オブジェクトを作成してもよい(アクティビティA104)。
【0065】
すなわち、この仮想オブジェクトを作成するに先立って、受付部331が3次元計測の工数を受け付けるとともに、3次元計測の結果である点群データを受け付ける。そして、この受け付けた点群データに基づき、ユーザの接する画面(典型的にはユーザ端末4の表示部44)に表示される仮想オブジェクトを作成(生成)する。すなわち、本実施形態においては、サーバ3の表示制御部335が、仮想オブジェクトを、ユーザが所有する端末の画面を介して、ユーザが視認可能に表示させる(アクティビティA105)。なお、この仮想オブジェクトを表示する領域(空間)はいわゆるVR(Virtual Reality)空間であってもよく、AR(Augmented Reality)空間であってもよい。
また、本実施形態においては、仮想オブジェクトに接したユーザが、端末に対する所定の操作を行うことによって、仮想オブジェクトの拡大、縮小、又は回転等されるように構成されてもよい。
【0066】
さらにユーザが仮想オブジェクトを閲覧するにあたり、適宜、ユーザに対して閲覧料が要求されるように構成されてもよい。この閲覧料は、所定の構造物を所有する者に所定の割合で分配されてもよいし、他の事業者(3次元計測を実施する事業体や保険料を算定する事業体)に所定の割合で分配されてもよい。
【0067】
なお、点群データから仮想オブジェクトを作成する際は、得られた点群密度をそのまま反映して仮想オブジェクトを作成してもよいし、この点群密度を調整した上で仮想オブジェクトを作成してもよい。また、点群データに含まれる色彩に関する情報をそのまま反映して仮想オブジェクトを作成してもよいし、色彩に関する情報を調整した上で仮想オブジェクトを作成してもよい。
【0068】
なお、本実施形態においては、このようにして仮想オブジェクトがユーザに表示された回数をサーバ3の受付部331が受け付けてもよい(アクティビティA106)。このアクティビティA106の後、保険料の算定と、各種データの格納が行われるのは先述の通りであるが、本実施形態において、算定部332が算定する保険料は、さらにこの仮想オブジェクトが画面を介して表示された回数に関する情報に基づいて算定されてもよい。
【0069】
すなわち、先述のように仮想オブジェクトの閲覧料の一部が、3次元計測を実施する事業体や保険料を算定する事業体に分配されるようであれば、仮想オブジェクトが表示された回数(ユーザの閲覧回数)が増加することに応じて、所定の構造物を所有する者の負担する保険料が軽減されるように構成されてもよい。また、仮想オブジェクトが表示された回数(ユーザの閲覧回数)が多い仮想オブジェクトについて、経済的な価値や文化的な価値が高いものとみなし、それに応じて、算定部332が保険料の額を高く算定することも可能である。もちろん、これらには限られず、所定の構造物を所有する者と保険料を運用する者との利害を勘案の上、仮想オブジェクトの表示回数に応じた保険料の調整方法が決定されてもよい。
【0070】
以上に示したように、本実施形態の情報処理方法によれば、所定の構造物に対する3次元計測の工数に基づいて、所定の構造物の保険料が算定される。このことから、構造物所有者等の満足度を向上させることができる。
【0071】
4.その他
本実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0072】
以上の実施形態では、情報処理システム1の構成として説明したが、コンピュータに情報処理方法の各ステップを実行させるプログラムが提供されてもよい。ここでのプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルデータとして、CD、フレキシブルディスク(FD)、DVD、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0073】
以上の実施形態では、測定対象の経路長からスキャン回数の基準値nsや推奨値の標準値nxを算出する態様を示したが、測定対象の経路長を実測することが難しい場合、推奨値算出部333は、測定対象の平面図をもとにして、おおよその経路長である平均経路長を推定した上で、スキャン数を算出することができる。典型的には、受付部331が計測対象の敷地面積、測定対象物の属性、及び要求再現精度を受け付け、推奨値算出部333が、これら受け付けた各情報に基づき、測定地点の数の推奨値を算出する。この場合、測定対象物の属性としては、例えば、(a)外構によって囲まれている敷地、(b)建屋、(c)土塀、(d)蒸気機関車等のような底面部及び天井部の測定が必要な構造物、ならびに、(e)トンネル坑内、迷路内、及び屋内等の空間内に含まれる構造物に関する属性が挙げられる。
すなわち、推奨値算出部333は、測定対象物の属性に基づき、測定対象物の大まかな形状を想定し、受け付けた計測対象の敷地面積を想定される形状にあてはめることによって、測定対象に対して実施されることが適切な経路長を推定し、あわせて、スキャン回数の基準値等を算出する。
もちろん、スキャン回数の推定手法は本明細書に開示する範囲に限られず、本出願人又は他の者によって公知にされた各推定手法を採用することができる。
【0074】
以上の実施形態では、ユーザが閲覧料を支払うことで仮想オブジェクトが表示される態様を示したが、この閲覧料については都度払いとは異なる態様とすることもできる。すなわち、本実施形態のサーバ3は、ユーザに対して仮想オブジェクトの配信を定期的に行うサブスクリプション等のサービスを提供してもよい。
【0075】
以上の実施形態では、ユーザが仮想オブジェクトを閲覧し、閲覧料を支払う態様を示したが、ユーザの接する表示画面を介して、所定の構造物に関する商品等(レプリカ、絵葉書、キーホルダー等)を購入できるように構成してもよい。
【0076】
以上の実施形態では、サーバ3が種々の記憶や制御を行ったが、サーバ3に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、ブロックチェーン技術等を用いて、受講履歴に関する情報等を分散して複数の外部装置に記憶させてもよい。
【0077】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0078】
(1)情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、受付ステップと、算定ステップと、を備え、前記受付ステップでは、所定の構造物に対する3次元計測の工数に関する情報を受け付け、前記算定ステップでは、少なくとも前記工数に関する情報に基づき、前記所定の構造物に対する保険料を算定する、情報処理方法。
【0079】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法において、さらに作成ステップを備え、前記作成ステップでは、前記3次元計測の結果に基づき、ユーザが視認可能な前記所定の構造物の仮想オブジェクトを作成する、情報処理方法。
【0080】
(3)上記(2)に記載の情報処理方法において、さらに表示制御ステップを備え、前記表示制御ステップでは、前記仮想オブジェクトを、前記ユーザが所有する端末の画面を介して、前記ユーザが視認可能に表示させる、情報処理方法。
【0081】
(4)上記(3)に記載の情報処理方法において、前記算定ステップで算定される前記保険料は、さらに前記仮想オブジェクトが前記画面を介して表示された回数に関する情報に基づき算定される、情報処理方法。
【0082】
(5)上記(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の情報処理方法において、前記所定の構造物は、文化財である、情報処理方法。
【0083】
(6)上記(1)ないし(5)のいずれか1つに記載の情報処理方法において、前記所定の構造物は、建築物、名勝、景勝地、街並み及び家並みからなる群から選択される1以上のものである、情報処理方法。
【0084】
(7)上記(1)ないし(6)のいずれか1つに記載の情報処理方法において、前記3次元計測を実施する事業体は、前記情報処理方法を実施する事業体とは異なる、情報処理方法。
【0085】
(8)少なくとも1つの装置により構成される情報処理システムであって、上記(1)ないし(7)のいずれか1つに記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、情報処理システム。
【0086】
(9)プログラムであって、少なくとも1つのコンピュータに、上記(1)ないし(7)のいずれか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0087】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0088】
1 :情報処理システム
2 :測定装置
3 :サーバ
4 :ユーザ端末
5 :ネットワーク
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
40 :通信バス
41 :通信部
42 :記憶部
43 :制御部
44 :表示部
45 :入力部
46 :音声出力部
331 :受付部
332 :算定部
333 :推奨値算出部
334 :作成部
335 :表示制御部
336 :記憶管理部
P1 :屋根
P2 :小梁
d1、d2 :死角
r1 :破線
【要約】
【課題】構造物所有者等の満足度を向上させることのできる情報処理方法等を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムによって実行される情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、受付ステップと、算定ステップと、を備える。受付ステップでは、所定の構造物に対する3次元計測の工数に関する情報を受け付ける。算定ステップでは、少なくとも工数に関する情報に基づき、所定の構造物に対する保険料を算定する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7