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特許7465337リモノイド化合物およびSGLT-2阻害剤を含有する組合せ製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】リモノイド化合物およびSGLT-2阻害剤を含有する組合せ製品
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/06 20060101AFI20240403BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240403BHJP
   A61K 31/7034 20060101ALI20240403BHJP
   A61K 31/7042 20060101ALI20240403BHJP
   A61K 31/585 20060101ALI20240403BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240403BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20240403BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20240403BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240403BHJP
   A61K 31/351 20060101ALI20240403BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A61K45/06
A61P3/10
A61K31/7034
A61K31/7042
A61K31/585
A61P43/00 121
A61K9/10
A61K9/14
A61K9/20
A61K31/351
A61P3/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022508897
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 CN2020105648
(87)【国際公開番号】W WO2021027576
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】201910738827.5
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511203248
【氏名又は名称】浙江養生堂天然薬物研究所有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 棟
(72)【発明者】
【氏名】韓 銓
(72)【発明者】
【氏名】胡 柳
(72)【発明者】
【氏名】薛 蓮
【審査官】長部 喜幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/029319(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/122067(WO,A1)
【文献】「超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き3 糖尿病」,公益社団法人 日本医師会,2019年05月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 45/06
A61K 31/00-31/80
A61K 9/10
A61K 9/14
A61K 9/20
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモノイド化合物およびSGLT-2阻害剤を含む組合せ製品であって、
前記SGLT-2阻害剤は、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、イプラグリフロジンおよびトホグリフロジンからなる群から選択され、
前記リモノイド化合物は、リモニン、イソリモニン酸、リモニングリコシド、イソリモニン酸グリコシド、オバクノン、イチャンギン、イチャンゲンシン、イチャンギングリコシド、ノミリン、デアセチルノミリン、ノミリン酸、デアセチルノミリン酸グリコシド、ノミリングリコシド、デアセチルノミリングリコシド、ノミリン酸グリコシド、イソオバクノン酸およびオバクノングリコシドからなる群から選択された1つ以上であり、
血糖値低下のための組合せ製品。
【請求項2】
医薬組成物の形態である、請求項1に記載の組合せ製品。
【請求項3】
前記リモノイド化合物および前記SGLT-2阻害剤がそれぞれ別の調製物の形態である、請求項1に記載の組合せ製品。
【請求項4】
前記リモノイド化合物および前記SGLT-2阻害剤が同時にまたは逐次的に投与される、請求項3に記載の組合せ製品。
【請求項5】
前記SGLT-2阻害剤が50mg~2000mgの量を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の組合せ製品。
【請求項6】
前記リモノイド化合物が50mg~2000mgの量を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の組合せ製品。
【請求項7】
薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤をさらに含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の組合せ製品。
【請求項8】
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、散剤、トローチ剤、サシェ、カシェ、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアゾール剤、軟膏剤、クリーム剤および注射剤の形態である、請求項7に記載の組合せ製品。
【請求項9】
医薬の製造における請求項1から8のいずれか1項に記載の組合せ製品の使用であって、前記医薬が血糖値低下のために使用される、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、医薬品の技術分野に属し、特にリモノイド化合物(およびその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩またはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)を含む組合せ製品に関する。本発明はまた、糖尿病およびメタボリックシンドロームに関連する疾患の処置および/または防止における組合せ製品の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
IDF統計資料によると、2017年では糖尿病を有する約4億2500万人の人々が世界中に存在し、すなわち11人に1人が糖尿病を有する。中国における糖尿病患者の数は約1億1000万人であり、世界で第1位である。2040年までに、世界中で6億4200万人が糖尿病を有し、中国における糖尿病患者は1億5100万人に到達することが予測される。糖尿病は生涯にわたるモニタリングおよび処置を必要とし、十分に管理されない場合、患者において二次心血管疾患、失明、脳卒中、糖尿病性腎症、糖尿病性壊疽および他の合併症をもたらし、これらはヒトの健康および生命を著しく脅かす。
【0003】
糖尿病の90%超はII型糖尿病であり、経口血糖降下剤が主な処置方法である。現在、主な経口血糖降下薬はスルホニル尿素、ビグアニド、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジンジオン、SGLT-2阻害剤などを含むが、経口血糖降下薬は、薬物耐性、低血糖、ならびに肝臓および腎臓への毒性などの重度の副作用をもたらす傾向がある。
【0004】
SGLT-2阻害剤、すなわちナトリウム-グルコース共役輸送担体-2阻害剤に関して、SGLT-2は腎臓で主に発現され、グルコースの約90%は近位曲尿細管S1セグメントにおいてSGLT-2の作用により再吸収される。言い換えれば、SGLT-2はグルコースの再吸収において主要な役割を果たし、SGLT-2は腎臓によって再吸収されるグルコースの90%を輸送する。したがって、SGLT-2阻害剤は近位曲尿細管によるグルコースの再吸収を阻止することができ、その一方で過剰なグルコースが尿を通して排出され、これにより血糖を低下させる目的が達成される。
【0005】
SGLT-2阻害剤の主な副作用は、高用量での低血糖、ケトアシドーシス(悪心、嘔吐、腹痛、倦怠感および呼吸困難を含む);尿路感染(排尿時の灼熱痛、頻尿、尿意切迫などの症状;胃の下もしくは骨盤の下の疼痛、発熱または血尿)を引き起こしやすいことである。
【0006】
リモノイド化合物は、ミカン科植物、例えば未熟ダイダイ、ネーブルオレンジ、マンダリンオレンジ、オレンジ、ザボンなどの果実に主に存在する。それらの含有量は、芯(種子)で高く、皮で低い(約1/10,000~5/100,000)。約50種類のリモノイド化合物が柑橘類植物から単離および同定されている。リモノイド化合物は、抗腫瘍、昆虫摂食阻害、抗ウイルス、鎮痛、抗炎症および催眠などの様々な生物活性を有し、機能性食品添加物、抗がん食品、殺虫剤、飼料添加物などにおいて使用され得る。
【0007】
SGLT-2阻害剤の血糖降下効果および副作用を考慮すると、服用しやすく、効果が良好で、副作用が低い医薬組成物製品を見出すことは緊急である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の内容
本発明は、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)を含む組合せ製品、ならびに糖尿病およびメタボリックシンドロームに関連する疾患を防止および/または処置するためのこの組成物の使用を提供する。同じ用量の単剤療法としてのSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)またはリモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)と比較して、本発明で言及されるリモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)を含有する組合せ製品は、血糖降下効果などの治療効果を顕著に増強し、相乗効果を示すことができる。同時に、SGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)の量は減り、これによりその副作用が低減する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の態様では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)を含む組合せ製品、または活性成分としてリモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(または薬学的に許容される誘導体)だけを含む組合せ製品が提供される。
【0010】
本発明で言及されるリモノイド化合物は、4,4,8-トリメチル-17-フラノステロイド骨格を有する高度に酸化された化合物またはその誘導体のクラスの一般用語である(またはフラノラクトン多環式コア構造の変異体からなり、4つの縮合6員環および1つのフラン環を有する化合物として表され得る)。具体的には、リモノイド化合物の例はこれらに限定されないが、リモニン、イソリモニン酸、7α-リモノール、オバクノン、イチャンギン、イチャンゲンシン、ノミリン、デアセチルノミリン、ノミリン酸、デアセチルノミリン酸、シトルシン、イソオバクノン酸など、およびそれらの任意のグリコシド誘導体を含む。例示的なリモノイド化合物、すなわちリモニンの構造式は下に示される。
【0011】
【化1】
【0012】
さらに、本発明で言及されるリモノイド化合物のグルコシド誘導体はこれらに限定されないが、リモニン17-β-グルコピラノシド、イチャンギン17-β-D-グルコピラノシド、イソリモニン酸17-β-D-グルコピラノシド、デアセチルノミリン17-β-Dグルコピラノシド、ノミリン17-β-D-グルコピラノシド、オバクノン17-β-D-グルコピラノシド、ノミリン酸17-β-D-グルコピラノシド、デアセチルノミリン酸17-β-D-グルコピラノシドなどを含む。
【0013】
一部の実施形態では、本発明で言及されるリモノイド化合物は、モノマーまたは抽出物の形態である。モノマーは抽出または人工的に合成され、その供給源は商業的に入手可能であり得る、または当技術分野の従来技術によって容易に調製し、得ることができる。
【0014】
本発明で言及されるSGLT-2阻害剤はこれらに限定されないが、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、イプラグリフロジン、ルセオグリフロジンおよびトホグリフロジンを含む。さらに、SGLT-2阻害剤はカナグリフロジン、エンパグリフロジン、イプラグリフロジンおよびトホグリフロジンである。SGLT-2阻害剤は、元の化合物の形態でまたはその薬学的に許容される誘導体の形態で存在し得る。
【0015】
一部の実施形態では、組合せ製品は医薬組成物の形態であり、医薬組成物は単位剤形である。
【0016】
一部の実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩、もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)はそれぞれ別の調製物の形態である。さらに、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)はそれぞれ別の単位用量の形態である。さらに、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)は同時にまたは逐次的に投与され得る。
【0017】
一部の実施形態では、SGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)は、10mg、20mg、40mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、375mg、500mg、750mg、1500mg、1875mg、または2000mgの量、およびこれらの量の間の範囲を有し、範囲はこれらに限定されないが、10mg~20mg、10mg~40mg、10mg~50mg、10mg~75mg、10mg~100mg、10mg~150mg、10mg~200mg、10mg~250mg、10mg~300mg、10mg~375mg、10mg~500mg、10mg~750mg、10mg~1500mg、10mg~1875mg、10mg~2000mg、20mg~40mg、20mg~50mg、20mg~75mg、20mg~100mg、20mg~150mg、20mg~200mg、20mg~250mg、20mg~300mg、20mg~375mg、20mg~500mg、20mg~750mg、20mg~1500mg、20mg~1875mg、20mg~2000mg、40mg~50mg、40mg~75mg、40mg~100mg、40mg~150mg、40mg~200mg、40mg~250mg、40mg~300mg、40mg~375mg、40mg~500mg、40mg~750mg、40mg~1500mg、40mg~1875mg、40mg~2000mg、50mg~75mg、50mg~100mg、50mg~150mg、50mg~200mg、50mg~250mg、50mg~300mg、50mg~375mg、50mg~500mg、50mg~750mg、50mg~1500mg、50mg~1875mg、50mg~2000mg、75mg~100mg、75mg~150mg、75mg~200mg、75mg~250mg、75mg~300mg、75mg~375mg、75mg~500mg、75mg~750mg、75mg~1500mg、75mg~1875mg、75mg~2000mg、100mg~150mg、100mg~200mg、100mg~250mg、100mg~300mg、100mg~375mg、100mg~500mg、100mg~750mg、100mg~1500mg、100mg~1875mg、100mg~2000mg、150mg~200mg、150mg~250mg、150mg~300mg、150mg~375mg、150mg~500mg、150mg~750mg、150mg~1500mg、150mg~1875mg、150mg~2000mg、200mg~250mg、200mg~300mg、200mg~375mg、200mg~500mg、200mg~750mg、200mg~1500mg、200mg~1875mg、200mg~2000mg、250mg~300mg、250mg~375mg、250mg~500mg、250mg~750mg、250mg~1500mg、250mg~1875mg、250mg~2000mg、300mg~375mg、300mg~500mg、300mg~750mg、300mg~1500mg、300mg~1875mg、300mg~2000mg、375mg~500mg、375mg~750mg、375mg~1500mg、375mg~1875mg、375mg~2000mg、500mg~750mg、500mg~1500mg、500mg~1875mg、500mg~2000mg、750mg~1500mg、750mg~1875mg、750mg~2000mg、および1875mg~2000mgを含む。
【0018】
一部の実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)は、10mg、20mg、40mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、375mg、500mg、750mg、1500mg、1875mg、または2000mgの量、およびこれらの量の間の範囲を有し、範囲はこれらに限定されないが、10mg~20mg、10mg~40mg、10mg~50mg、10mg~75mg、10mg~100mg、10mg~150mg、10mg~200mg、10mg~250mg、10mg~300mg、10mg~375mg、10mg~500mg、10mg~750mg、10mg~1500mg、10mg~1875mg、10mg~2000mg、20mg~40mg、20mg~50mg、20mg~75mg、20mg~100mg、20mg~150mg、20mg~200mg、20mg~250mg、20mg~300mg、20mg~375mg、20mg~500mg、20mg~750mg、20mg~1500mg、20mg~1875mg、20mg~2000mg、40mg~50mg、40mg~75mg、40mg~100mg、40mg~150mg、40mg~200mg、40mg~250mg、40mg~300mg、40mg~375mg、40mg~500mg、40mg~750mg、40mg~1500mg、40mg~1875mg、40mg~2000mg、50mg~75mg、50mg~100mg、50mg~150mg、50mg~200mg、50mg~250mg、50mg~300mg、50mg~375mg、50mg~500mg、50mg~750mg、50mg~1500mg、50mg~1875mg、50mg~2000mg、75mg~100mg、75mg~150mg、75mg~200mg、75mg~250mg、75mg~300mg、75mg~375mg、75mg~500mg、75mg~750mg、75mg~1500mg、75mg~1875mg、75mg~2000mg、100mg~150mg、100mg~200mg、100mg~250mg、100mg~300mg、100mg~375mg、100mg~500mg、100mg~750mg、100mg~1500mg、100mg~1875mg、100mg~2000mg、150mg~200mg、150mg~250mg、150mg~300mg、150mg~375mg、150mg~500mg、150mg~750mg、150mg~1500mg、150mg~1875mg、150mg~2000mg、200mg~250mg、200mg~300mg、200mg~375mg、200mg~500mg、200mg~750mg、200mg~1500mg、200mg~1875mg、200mg~2000mg、250mg~300mg、250mg~375mg、250mg~500mg、250mg~750mg、250mg~1500mg、250mg~1875mg、250mg~2000mg、300mg~375mg、300mg~500mg、300mg~750mg、300mg~1500mg、300mg~1875mg、300mg~2000mg、375mg~500mg、375mg~750mg、375mg~1500mg、375mg~1875mg、375mg~2000mg、500mg~750mg、500mg~1500mg、500mg~1875mg、500mg~2000mg、750mg~1500mg、750mg~1875mg、750mg~2000mg、および1875mg~2000mgを含む。
【0019】
一部の実施形態では、SGLT-2阻害剤はカナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、イプラグリフロジン、ルセオグリフロジンおよびトホグリフロジンから選択され、リモノイド化合物はリモニン、イソリモニン酸、7α-リモノール、オバクノン、イチャンギン、イチャンゲンシン、ノミリン、デアセチルノミリン、ノミリン酸、デアセチルノミリン酸、シトルシン、イソオバクノン酸など、およびそれらの任意のグリコシド誘導体から選択される1種または複数である。
【0020】
一部の実施形態では、組合せ製品は薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤をさらに含む。
【0021】
一部の実施形態では、組合せ製品は錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、散剤、トローチ剤、サシェ、カシェ、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアゾール剤、軟膏剤、クリーム剤および注射剤の形態である。
【0022】
本発明の第2の態様では、糖尿病およびメタボリックシンドロームに関連する疾患の防止および/または処置のための医薬の製造における組合せ製品の使用が提供される。一部の実施形態では、糖尿病はI型糖尿病である。一部の実施形態では、糖尿病はII型糖尿病である。
【0023】
本発明の第3の態様では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)を組み合わせて投与し、疾患を防止および/または処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)を組み合わせて投与し、糖尿病およびメタボリックシンドロームに関連する疾患を防止および/または処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)を組み合わせて投与し、血糖を低下させる方法が提供される。一部の実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)を組み合わせて投与し、インスリン感受性を改善する方法が提供される。一部の実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)を組み合わせて投与し、レプチン感受性を改善する方法が提供される。
【0024】
一部の実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)は調製物中に混合され、医薬組成物の形態(好ましくは投与単位形態)で投与され得る;一部の実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)はそれぞれ別の調製物の形態(好ましくはそれぞれ別の投与単位形態)であり、別々に投与される;一部の実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)は同時に投与される;一部の実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)は次々に投与される;一部の実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)は、約30分、または約1時間、または約2時間、または約4時間、または約8時間、または約12時間の時間間隔で次々に投与される。一部の実施形態では必要に応じて、医薬組成物の形態(好ましくは投与単位形態)である、本発明によるリモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)を含む組合せ製品は、例えばこれらに限定されないが、1日当たり1、2、3、4、5または6回投与される。一部の実施形態では必要に応じて、それぞれ別の調製物の形態(好ましくはそれぞれ別の投与単位形態)である、本発明によるリモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)を含む組合せ製品は、例えばこれらに限定されないが、1日当たり1、2、3、4、5または6回投与される。
【0025】
一部の実施形態では、リモニン化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(または薬学的に許容される誘導体)またはそれらを含む組合せ製品は、以下の投与様式、例えば経口投与、注射投与(例えば皮下および非経口投与)および局所投与によって投与され得る。
【0026】
一部の実施形態では、リモニン化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩、もしくはプロドラッグ)およびSGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)は以下の通りの1日投与量を有する:60kgの成人体重により算出すると、SGLT-2阻害剤(またはその薬学的に許容される誘導体)の1日投与量は、10mg、20mg、40mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、375mg、500mg、750mg、1500mg、1875mgまたは2000mg、およびこれらの投与量の間の範囲であり、範囲はこれらに限定されないが、10mg~20mg、10mg~40mg、10mg~50mg、10mg~75mg、10mg~100mg、10mg~150mg、10mg~200mg、10mg~250mg、10mg~300mg、10mg~375mg、10mg~500mg、10mg~750mg、10mg~1500mg、10mg~1875mg、10mg~2000mg、20mg~40mg、20mg~50mg、20mg~75mg、20mg~100mg、20mg~150mg、20mg~200mg、20mg~250mg、20mg~300mg、20mg~375mg、20mg~500mg、20mg~750mg、20mg~1500mg、20mg~1875mg、20mg~2000mg、40mg~50mg、40mg~75mg、40mg~100mg、40mg~150mg、40mg~200mg、40mg~250mg、40mg~300mg、40mg~375mg、40mg~500mg、40mg~750mg、40mg~1500mg、40mg~1875mg、40mg~2000mg、50mg~75mg、50mg~100mg、50mg~150mg、50mg~200mg、50mg~250mg、50mg~300mg、50mg~375mg、50mg~500mg、50mg~750mg、50mg~1500mg、50mg~1875mg、50mg~2000mg、75mg~100mg、75mg~150mg、75mg~200mg、75mg~250mg、75mg~300mg、75mg~375mg、75mg~500mg、75mg~750mg、75mg~1500mg、75mg~1875mg、75mg~2000mg、100mg~150mg、100mg~200mg、100mg~250mg、100mg~300mg、100mg~375mg、100mg~500mg、100mg~750mg、100mg~1500mg、100mg~1875mg、100mg~2000mg、150mg~200mg、150mg~250mg、150mg~300mg、150mg~375mg、150mg~500mg、150mg~750mg、150mg~1500mg、150mg~1875mg、150mg~2000mg、200mg~250mg、200mg~300mg、200mg~375mg、200mg~500mg、200mg~750mg、200mg~1500mg、200mg~1875mg、200mg~2000mg、250mg~300mg、250mg~375mg、250mg~500mg、250mg~750mg、250mg~1500mg、250mg~1875mg、250mg~2000mg、300mg~375mg、300mg~500mg、300mg~750mg、300mg~1500mg、300mg~1875mg、300mg~2000mg、375mg~500mg、375mg~750mg、375mg~1500mg、375mg~1875mg、375mg~2000mg、500mg~750mg、500mg~1500mg、500mg~1875mg、500mg~2000mg、750mg~1500mg、750mg~1875mg、750mg~2000mgおよび1875mg~2000mgを含む。60kgの成人体重により算出すると、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)の1日投与量は、10mg、20mg、40mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、375mg、500mg、750mg、1500mg、1875mgまたは2000mg、およびこれらの投与量の間の範囲であり、範囲はこれらに限定されないが、10mg~20mg、10mg~40mg、10mg~50mg、10mg~75mg、10mg~100mg、10mg~150mg、10mg~200mg、10mg~250mg、10mg~300mg、10mg~375mg、10mg~500mg、10mg~750mg、10mg~1500mg、10mg~1875mg、10mg~2000mg、20mg~40mg、20mg~50mg、20mg~75mg、20mg~100mg、20mg~150mg、20mg~200mg、20mg~250mg、20mg~300mg、20mg~375mg、20mg~500mg、20mg~750mg、20mg~1500mg、20mg~1875mg、20mg~2000mg、40mg~50mg、40mg~75mg、40mg~100mg、40mg~150mg、40mg~200mg、40mg~250mg、40mg~300mg、40mg~375mg、40mg~500mg、40mg~750mg、40mg~1500mg、40mg~1875mg、40mg~2000mg、50mg~75mg、50mg~100mg、50mg~150mg、50mg~200mg、50mg~250mg、50mg~300mg、50mg~375mg、50mg~500mg、50mg~750mg、50mg~1500mg、50mg~1875mg、50mg~2000mg、75mg~100mg、75mg~150mg、75mg~200mg、75mg~250mg、75mg~300mg、75mg~375mg、75mg~500mg、75mg~750mg、75mg~1500mg、75mg~1875mg、75mg~2000mg、100mg~150mg、100mg~200mg、100mg~250mg、100mg~300mg、100mg~375mg、100mg~500mg、100mg~750mg、100mg~1500mg、100mg~1875mg、100mg~2000mg、150mg~200mg、150mg~250mg、150mg~300mg、150mg~375mg、150mg~500mg、150mg~750mg、150mg~1500mg、150mg~1875mg、150mg~2000mg、200mg~250mg、200mg~300mg、200mg~375mg、200mg~500mg、200mg~750mg、200mg~1500mg、200mg~1875mg、200mg~2000mg、250mg~300mg、250mg~375mg、250mg~500mg、250mg~750mg、250mg~1500mg、250mg~1875mg、250mg~2000mg、300mg~375mg、300mg~500mg、300mg~750mg、300mg~1500mg、300mg~1875mg、300mg~2000mg、375mg~500mg、375mg~750mg、375mg~1500mg、375mg~1875mg、375mg~2000mg、500mg~750mg、500mg~1500mg、500mg~1875mg、500mg~2000mg、750mg~1500mg、750mg~1875mg、750mg~2000mgおよび1875mg~2000mgを含む。
【0027】
本発明の第4の態様では、医薬組成物の形態の組合せ製品を調製するための方法が提供される。薬物としてのその操作性または生体において使用した場合のその吸収性を改善するために、リモノイド化合物またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグおよびSGLT-2阻害剤またはその薬学的に許容される誘導体は、好ましくは医薬補助剤、例えば薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤などと組み合わされ、調製物を形成し、これにより形態が得られる。
【0028】
本発明の第5の態様では、本明細書に記載の組合せ製品を含むキットが提供される。
この明細書全体で使用される用語「薬学的に許容される塩」は、遊離酸または遊離塩基の塩を指し、これは遊離塩基を適切な有機もしくは無機酸と反応させることによって、または酸を適切な有機もしくは無機塩基と反応させることによって典型的に調製される。この用語は、リモノイド化合物(遊離酸または遊離塩基の機能を有する)などを含む任意の化合物のために使用され得る。代表的な塩は、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンファースルホン酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エタンジスルホン酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、メト臭素酸塩、メト硝酸塩、メト硫酸塩、マレイン酸一カリウム、ムチン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、N-メチルグルコサミン塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、カリウム塩、サリチル酸塩、ナトリウム塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、トリエチオジド、トリメチルアミン塩、および吉草酸塩を含む。酸性置換基、例えば-COOHが存在する場合、アンモニウム塩、モルホリン塩、ナトリウム塩、カリウム塩、バリウム塩、カルシウム塩などが剤形において使用するために形成され得る。塩基性基、例えばアミノ基またはピリジルなどの塩基性ヘテロアリール基が存在する場合、酸性塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、ピルビン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、メシル酸塩、エタンスルホン酸塩、ピクリン酸塩など。
【0029】
本発明でいうSGLT-2阻害剤の供給源はこれらに限定されないが、カナグリフロジン単一錠剤、ダパグリフロジン単一錠剤、エンパグリフロジン単一錠剤、プロリン-イプラグリフロジン単一錠剤、ルセオグリフロジン単一錠剤、トホグリフロジン単一錠剤、カナグリフロジン/メトホルミン錠剤、ダパグリフロジン/メトホルミン錠剤、エンパグリフロジン/メトホルミン錠剤、プロリン-イプラグリフロジン/メトホルミン錠剤、ルセオグリフロジン/メトホルミン錠剤、トホグリフロジン/メトホルミン錠剤、ダパグリフロジン/ダパグリフロジン錠剤、エンパグリフロジン/イプラグリフロジン錠剤、エンパグリフロジン/イプラグリフロジン錠剤などを含み得る。
【実施例
【0030】
発明を実行するための具体的なモデル
本発明は、具体的な実施例および比較例により下にさらに記載される。しかし、これらの実施例および比較例は、より詳細で具体的な説明のために使用されるだけであることが理解されるべきであり、決して本発明を限定すると理解されるべきでない。
【0031】
本発明の実施例では、以下の糖尿病マウスモデル(モデルは、当業者に周知であったまたは当技術分野における従来の教科書、技術マニュアル、および科学文献に従って容易に入手可能であった)は、ヒトにおける糖尿病の様々な段階の病的状態を模擬するために使用した。実施例で言及されるリモノイド化合物は、モノマーまたは抽出物の形態で存在した。モノマーは抽出または人工的に合成し、その供給源は商業的に入手可能であった、または当技術分野の従来技術によって容易に調製し、得ることができた。
【0032】
実施例1
マウス膵島β細胞傷害モデルにおける血糖に対するリモノイド化合物、カナグリフロジンまたはそれらの組合せの効果
この実施例では、ストレプトゾトシン(STZ)でICRマウスをモデル化することによってマウス膵島β細胞傷害モデルを確立し(Li Nanら、Protective effect of pine pollen on kidney damage in diabetic nephropathy mice、Science and Technology Review、2014、32巻(4/5号):95~99)、動物における血糖降下効果の評価を完了するために使用した(このモデルはI型およびII型糖尿病の膵島β細胞損傷状態を模擬することができた)。リモノイド化合物は、リモニン、イソリモニン酸、リモニングリコシド、およびイソリモニン酸グリコシドからなる群から選択し、カナグリフロジン単一投与群、リモニン単一投与群、イソリモニン酸単一投与群、リモニングリコシド単一投与群、イソリモニン酸グリコシド単一投与群、およびカナグリフロジンとのそれらのそれぞれの組合せ投与群を設けた。
【0033】
実験給餌の条件:6週齢のICRマウス(20±2g)をZhejiang Academy of Medical Sciencesから購入し、7日間の事前給餌後に実験給餌に供した。マウスを飼育するための条件は以下の通りであったことに留意すべきである:温度は23±1℃であり、湿度は55±10%であり、明かりは午前7時~午後7時までつけ(明かりは他の時間では消した)、マウスに水および飼料を自由に摂取させた。実験飼料はマウス成長安定飼料(GB M2118)であり、動物の毎日の給餌および管理は動物保安部の責任下にあり、これにより動物に十分な食餌および新鮮な飲料水を毎日提供した。
【0034】
実験群分け:15匹のオスのマウスを正常対照群として無作為に選択した。12時間の絶食後、残りのマウスにSTZを150mg/kgの用量で1回腹腔内注射し、72時間後、15~25mmol/Lの血糖値を有するマウスを各群15匹の動物で無差別に群分けし、実験に使用し、2週間の投与後の採血および指標の検出に供した。
【0035】
強制投与用量:強制投与用量はリモニン群について1日当たり0.02g/kgであり、強制投与用量はイソリモニン酸群について1日当たり0.02g/kgであり、強制投与用量はリモニングリコシド群について1日当たり0.02g/kgであり、強制投与用量はイソリモニン酸グリコシド群について1日当たり0.02g/kgであり、カナグリフロジンの強制投与用量はカナグリフロジン群について1日当たり0.02g/kgであり、0.01g/kgの用量のリモニンおよび0.01g/kgの用量のカナグリフロジンを1日でリモニン/カナグリフロジン組合せ群に同時に強制投与し、0.01g/kgの用量のイソリモニン酸および0.01g/kgの用量のカナグリフロジンを1日でイソリモニン酸/カナグリフロジン組合せ群に同時に強制投与し、0.01g/kgの用量のリモニングリコシドおよび0.01g/kgの用量のカナグリフロジンを1日でリモニングリコシド/カナグリフロジン組合せ群に同時に強制投与し、0.01g/kgの用量のイソリモニン酸グリコシドおよび0.01g/kgの用量のカナグリフロジンを1日でイソリモニン酸グリコシド/カナグリフロジン組合せ群に同時に強制投与し、強制投与体積は10mL/kgであり、正常群およびモデル群に10mL/kgの蒸留水を投与した。2週間後、血糖値を尾部切断法(Johnsonの血糖計)によって、最後の投与の1時間後に測定し、各群の平均を得た。SPSS 16.0ソフトウェアを統計分析に使用した。データを平均および標準偏差として表した。前後のデータをt検定によって分析し、P<0.05を統計的に有意とみなした。試験結果を下の表1に示した。
【0036】
【表1】
【0037】
実験結果の考察
上の結果から、モデル群と比較して、単一投与またはカナグリフロジンとの組合せ投与においてリモニンおよびその誘導体は、STZ島細胞傷害を有するマウスの血糖値を有意に下げることができることがわかった。カナグリフロジンと組み合わせたリモニンおよびその誘導体の投与は、それらの単一投与と比較すると効果を有意に改善し、相乗効果を示した。加えて、リモニンおよびその誘導体をカナグリフロジンと組み合わせて投与した場合、それらの単一投与と比較すると、同等のグルコース低下効果を依然として達成することが可能でありながら、両方の用量を効果的に減らすことができ、これは治療レジメンの安全性を改善し、副作用を低減した。
【0038】
実施例2
マウスII型糖尿病モデルにおける血糖およびレプチンに対する、リモノイド化合物、ダパグリフロジンまたはそれらの組合せの効果
本実施例では、db/dbマウス(系統名BKS.Cg-Dock7m+/+Leprdb/Nju)を使用して、動物の血糖降下効果評価試験(血糖レベルおよびレプチン)を行った。リモノイド化合物はオバクノン、イソオバクノン酸およびオバクノングリコシドから選択し、ダパグリフロジン単一投与群、オバクノン単一投与群、イソオバクノン酸単一投与群、オバクノングリコシド単一投与群、およびダパグリフロジンとのそれらのそれぞれの組合せ投与群を設けた。
【0039】
実験給餌の条件:II型糖尿病モデルマウスとして、6週齢SPFグレードdb/dbマウスをNanjing Model Biology Instituteから購入し、7日間の事前給餌後に実験給餌に供した。マウスを飼育するための条件は以下の通りであったことに留意すべきである:温度は23±1℃であり、湿度は55±10%であり、明かりは午前7時~午後7時までつけ(明かりは他の時間では消した)、マウスに水および飼料を自由に摂取させた。実験飼料はマウス成長安定飼料(GB M2118)であり、動物の毎日の給餌および管理は動物保安部の責任下にあり、これにより動物に十分な食餌および新鮮な飲料水を毎日提供した。
【0040】
実験群分け:オスのdb/dbマウス(20±2g)を選択し、各群18匹のオスのマウスを試験した。実験群は、正常対照群(db/m、n=18)、モデル群(db/db、n=18)、オバクノン群(db/db、n=18)、イソオバクノン酸群(db/db、n=18)、オバクノングリコシド群(db/db、n=18)、ダパグリフロジン群(db/db、n=18)、オバクノン/ダパグリフロジン組合せ群(db/db、n=18)、イソオバクノン酸/ダパグリフロジン組合せ群(db/db、n=18)、オバクノングリコシド/ダパグリフロジン組合せ群(db/db、n=18)を含んだ。
【0041】
強制投与用量:0.04g/kgの用量のオバクノンを1日でオバクノン群に強制投与し、0.04g/kgの用量のイソオバクノン酸を1日でイソオバクノン酸群に強制投与し、0.04g/kgの用量のオバクノングリコシドを1日でオバクノングリコシド群に強制投与し、0.04g/kgの用量のダパグリフロジンを1日でダパグリフロジン群に強制投与し、0.02g/kgの用量のオバクノンおよび0.02g/kgの用量のダパグリフロジンを1日でオバクノン/ダパグリフロジン組合せ群に同時に強制投与し、0.02g/kgの用量のイソオバクノン酸および0.02g/kgの用量のダパグリフロジンを1日でイソオバクノン酸/ダパグリフロジン組合せ群に同時に強制投与し、0.02g/kgの用量のオバクノングリコシドおよび0.02g/kgの用量のダパグリフロジンを1日でオバクノングリコシド/ダパグリフロジン組合せ群に同時に強制投与し、強制投与体積は10mL/kgであり、正常群およびモデル群に10mL/kgの蒸留水を投与した。2週間後、血糖値を尾部切断法(Johnsonの血糖計)によって、最後の投与の1時間後に測定し、血清レプチンレベルを、眼窩から採取した血液を用いて酵素結合免疫吸着測定法(Elisa)によって測定し、各群の平均を得た。SPSS 16.0ソフトウェアを統計分析に使用した。データを平均および標準偏差として表した。前後のデータをt検定によって分析し、P<0.05を統計的に有意とみなした。試験結果を下の表2に示した。
【0042】
【表2】
【0043】
実験結果の考察
上の結果から、モデル群と比較して、単一投与またはダパグリフロジンとの組合せ投与においてオバクノンおよびその誘導体は、db/db糖尿病マウスにおいて血糖レベルを有意に下げることができることがわかった。オバクノンおよびその誘導体をダパグリフロジンと組み合わせて投与した場合、その単一投与に対して有意に改善された効果が観察され、相乗効果を示した。加えて、オバクノンおよびその誘導体をダパグリフロジンと組み合わせて投与した場合、それらの単一投与と比較すると、同等のグルコース低下効果を依然として達成することが可能でありながら、両方の用量を効果的に減らすことができ、これは治療レジメンの安全性を改善し、副作用を低減した。
【0044】
一方、オバクノンおよびその誘導体によって代表されるリモノイド化合物は、レプチンに対する感受性を有意に改善することができ、特にダパグリフロジンと組み合わせて投与した場合、体内でのレプチンの利用効率を有意に改善し、体のグルコース代謝を改善し、糖尿病マウスにおけるグルコース代謝に関連する機能を改善することができた。
【0045】
実施例3
マウス膵島β細胞傷害モデルにおける血糖に対するリモノイド化合物、エンパグリフロジンまたはそれらの組合せの効果
この実施例では、ICRマウスをストレプトゾトシン(STZ)でモデル化することによってマウス膵島β細胞傷害モデルを確立し(Li Nanら、Protective effect of pine pollen on kidney damage in diabetic nephropathy mice、Science and Technology Review、2014、32巻(4/5号):95~99)、動物における血糖降下効果の評価を完了するために使用した(このモデルはI型およびII型糖尿病の膵島β細胞損傷状態を模擬することができた)。リモノイド化合物は、イチャンギン、イチャンゲンシン、およびイチャンギングリコシドからなる群から選択し、エンパグリフロジン単一投与群、イチャンギン単一投与群、イチャンゲンシン単一投与群、イチャンギングリコシド単一投与群、およびエンパグリフロジンとのそれらのそれぞれの組合せ投与群を設けた。
【0046】
実験給餌の条件:6週齢のICRマウス(20±2g)をZhejiang Academy of Medical Sciencesから購入し、7日間の事前給餌後に実験給餌に供した。マウスを飼育するための条件は以下の通りであったことに留意すべきである:温度は23±1℃であり、湿度は55±10%であり、明かりは午前7時~午後7時までつけ(明かりは他の時間では消した)、マウスに水および飼料を自由に摂取させた。実験飼料はマウス成長安定飼料(GB M2118)であり、動物の毎日の給餌および管理は動物保安部の責任下にあり、これにより動物に十分な食餌および新鮮な飲料水を毎日提供した。
【0047】
実験群分け:15匹のオスのマウスを正常対照群として無作為に選択した。12時間の絶食後、残りのマウスにSTZを150mg/kgの用量で1回腹腔内注射し、72時間後、15~25mmol/Lの血糖値を有するマウスを各群15匹の動物で無差別に群分けし、実験に使用し、2週間の投与後の採血および指標の検出に供した。
【0048】
強制投与用量:強制投与用量はイチャンギン群について1日当たり0.1g/kgであり、強制投与用量はイチャンゲンシン群について1日当たり0.1g/kgであり、強制投与用量はイチャンギングリコシド群について1日当たり0.1g/kgであり、エンパグリフロジンの強制投与用量はエンパグリフロジン群について1日当たり0.1g/kgであり、0.05g/kgの用量のイチャンギンおよび0.05g/kgの用量のエンパグリフロジンを1日でイチャンギン/エンパグリフロジン組合せ群に同時に強制投与し、0.05g/kgの用量のイチャンゲンシンおよび0.05g/kgの用量のエンパグリフロジンを1日でイチャンゲンシン/エンパグリフロジン組合せ群に同時に強制投与し、0.05g/kgの用量のイチャンギングリコシドおよび0.05g/kgの用量のエンパグリフロジンを1日でイチャンギングリコシド/エンパグリフロジン組合せ群に同時に強制投与し、強制投与体積は10mL/kgであり、正常群およびモデル群に10mL/kgの蒸留水を投与した。2週間後、血糖値を尾部切断法(Johnsonの血糖計)によって、最後の投与の1時間後に測定し、各群の平均を得た。SPSS 16.0ソフトウェアを統計分析に使用した。データを平均および標準偏差として表した。前後のデータをt検定によって分析し、P<0.05を統計的に有意とみなした。試験結果を下の表3に示した。
【0049】
【表3】
【0050】
実験結果の考察
上の結果から、モデル群と比較して、単一投与またはエンパグリフロジンとの組合せ投与において3種のリモノイド化合物全てが、STZ膵島細胞傷害モデルのマウスにおいて血糖レベルを有意に低下させることができることがわかった。それらをエンパグリフロジンと組み合わせて投与した場合、それらの効果はそれらの単一投与と比較すると有意に増加し、血糖レベルが正常マウスと同じようであり、相乗効果を示した。加えて、上の3種のリモノイド化合物をエンパグリフロジンと組み合わせて投与した場合、それらの単一投与と比較すると、同等のグルコース低下効果を依然として達成することが可能でありながら、両方の用量を効果的に減らすことができ、これは治療レジメンの安全性を改善し、副作用を低減した。
【0051】
実施例4
マウスII型糖尿病モデルにおける血糖およびインスリンに対するリモノイド化合物、イプラグリフロジンまたはそれらの組合せの効果
本実施形態では、リモノイド化合物は、ノミリン、デアセチルノミリン、ノミリン酸、デアセチルノミリン酸グリコシドから選択し、イプラグリフロジン単一投与群、ノミリン単一投与群、デアセチルノミリン単一投与群、ノミリン酸単一投与群、デアセチルノミリン酸グリコシド単一投与群、およびイプラグリフロジンとのそれらのそれぞれの組合せ投与群を設けた。
【0052】
実験給餌の条件:II型糖尿病モデルマウスとして、6週齢SPFグレードdb/dbマウスをNanjing Model Biology Instituteから購入し、7日間の事前給餌後に実験給餌に供した。マウスを飼育するための条件は以下の通りであったことに留意すべきである:温度は23±1℃であり、湿度は55±10%であり、明かりは午前7時~午後7時までつけ(明かりは他の時間では消した)、マウスに水および飼料を自由に摂取させた。実験飼料はマウス成長安定飼料(GB M2118)であり、動物の毎日の給餌および管理は動物保安部の責任下にあり、これにより動物に十分な食餌および新鮮な飲料水を毎日提供した。
【0053】
実験群分け:オスのdb/dbマウス(20±2g)を選択し、各群18匹のオスのマウスを試験し、飲料用ボトルを週1回滅菌した。実験群は正常対照群(db/m、n=18)、モデル群(db/db、n=18)、ノミリン群(db/db、n=18)、デアセチルノミリン群(db/db、n=18)、ノミリン酸群(db/db、n=18)、デアセチルノミリン酸グリコシド群(db/db、n=18)、イプラグリフロジン群(db/db、n=18)、ノミリン組合せ群(db/db、n=18)、デアセチルノミリン組合せ群(db/db、n=18)、ノミリン酸組合せ群(db/db、n=18)、デアセチルノミリン酸グリコシド組合せ群(db/db、n=18)を含んだ。
【0054】
強制投与用量:0.2g/kgの用量のノミリンを1日でノミリン群に強制投与し、0.2g/kgの用量のデアセチルノミリンを1日でデアセチルノミリン群に強制投与し、0.2g/kgの用量のノミリン酸を1日でノミリン酸群に強制投与し、0.2g/kgの用量のデアセチルノミリン酸グリコシドを1日でデアセチルノミリン酸グリコシド群に強制投与し、0.2g/kgの用量のイプラグリフロジンを1日でイプラグリフロジン群に強制投与し、0.1g/kgの用量のノミリンおよび0.1g/kgの用量のイプラグリフロジンを1日でノミリン組合せ群に同時に強制投与し、0.1g/kgの用量のノミリン酸および0.1g/kgの用量のイプラグリフロジンを1日でノミリン酸組合せ群に同時に強制投与し、0.1g/kgの用量のデアセチルノミリンおよび0.1g/kgの用量のイプラグリフロジンを1日でデアセチルノミリン組合せ群に同時に強制投与し、0.1g/kgの用量のデアセチルノミリン酸グリコシドおよび0.1g/kgの用量のイプラグリフロジンを1日でデアセチルノミリン酸グリコシド組合せ群に同時に強制投与し、強制投与体積は10mL/kgであり、正常群およびモデル群に10mL/kgの蒸留水を投与した。2週間後、血糖値を尾部切断法(Johnsonの血糖計)によって、最後の投与の1時間後に測定し、血清インスリンレベルを、眼窩から採取した血液を用いて酵素結合免疫吸着測定法(Elisa)によって測定し、各群の平均を得た。SPSS 16.0ソフトウェアを統計分析に使用した。データを平均および標準偏差として表した。前後のデータをt検定によって分析し、P<0.05を統計的に有意とみなした。試験結果を下の表4に示した。
【0055】
【表4】
【0056】
実験結果の考察
上の結果から、モデル群と比較して、単一投与またはイプラグリフロジンとの組合せ投与においてノミリンおよびその誘導体は、db/db糖尿病マウスにおいて血糖レベルを有意に下げることができることがわかった。ノミリンおよびその誘導体をイプラグリフロジンと組み合わせて投与した場合、その単一投与に対して有意に改善された効果が観察され、相乗効果を示した。加えて、ノミリンおよびその誘導体をイプラグリフロジンと組み合わせて投与した場合、それらの単一投与と比較すると、同等のグルコース低下効果を依然として達成することが可能でありながら、両方の用量を効果的に減らすことができ、これは治療レジメンの安全性を改善し、副作用を低減した。
【0057】
一方、ノミリンおよびその誘導体によって代表されるリモノイド化合物は、インスリンに対する感受性を有意に改善することができ、特にイプラグリフロジンと組み合わせて投与した場合、体内でのインスリンの利用効率を有意に改善し、体のグルコース代謝を改善し、糖尿病マウスにおいてグルコース代謝に関連する機能を改善することができた。
【0058】
実施例5
膵島損傷および肥満を有するマウスII型糖尿病モデルにおける血糖に対するリモノイド化合物、トホグリフロジンまたはそれらの組合せの効果
この実施例では、連続高脂肪食後、低用量のストレプトゾトシン(STZ)によりICRマウスを多重モデル化することによって膵島損傷および肥満を有するII型糖尿病のマウスモデルを確立した(文献を参照:Zhang Jiyuanら、Study on the effect of three plant extracts on improving glucose and lipid metabolism in type 2 diabetic mice、Food and Machinery、2016、32巻(12号):142~147)。リモノイド化合物はノミリングリコシド、デアセチルノミリングリコシド、およびノミリン酸グリコシドからなる群から選択し、トホグリフロジン単一投与群、ノミリングリコシド単一投与群、デアセチルノミリン単一投与群、ノミリン酸グリコシド単一投与群、およびトホグリフロジンとのそれらのそれぞれの組合せ投与群を設けた。
【0059】
実験給餌の条件:6週齢のICRマウス(20±2g)をZhejiang Academy of Medical Sciencesから購入し、7日間の事前給餌後に実験給餌に供した。マウスを飼育するための条件は以下の通りであったことに留意すべきである:温度は23±1℃であり、湿度は55±10%であり、明かりは午前7時~午後7時までつけ(明かりは他の時間では消した)、マウスに水および飼料を自由に摂取させた。実験飼料はマウス成長安定飼料(GB M2118)であり、動物の毎日の給餌および管理は動物保安部の責任下にあり、これにより動物に十分な食餌および新鮮な飲料水を毎日提供した。
【0060】
実験群分け:15匹のオスのマウスを正常対照群として無作為に選択し、残りのマウスを連続4週間の高脂肪食(高脂肪食処方:肥満マウスモデルを確立するためのコレステロール1%、卵黄粉末10%、ラード油10%、および基本飼料79%)および連続3日間の35mg/kgの用量のSTZの腹腔内注射に供した。1週間後、マウスを24時間の絶食および摂水制限に供し、それらの空腹時血糖を測定し、15~25mmol/Lの血糖レベルを有するマウスを選択し、各群15匹のマウスで無差別に群分けし、実験に使用し、引き続き高脂肪食に供し、2週間の投与後に採血および指標の検出に供した。
【0061】
強制投与用量:強制投与用量はノミリングリコシド群について1日当たり0.5g/kgであり、強制投与用量はデアセチルノミリングリコシド群について1日当たり0.5g/kgであり、強制投与用量はノミリン酸グリコシド群について1日当たり0.5g/kgであり、0.5g/kgの用量のトホグリフロジンを1日でトホグリフロジン群に強制投与し、0.25g/kgの用量のノミリングリコシドおよび0.25g/kgの用量のトホグリフロジンを1日でノミリングリコシド/トホグリフロジン組合せ群に同時に強制投与し、0.25g/kgの用量のデアセチルノミリングリコシドおよび0.25g/kgの用量のトホグリフロジンを1日でデアセチルノミリングリコシド/トホグリフロジン組合せ群に同時に強制投与し、0.25g/kgのノミリン酸グリコシドおよび0.25g/kgの用量のトホグリフロジンを1日でノミリン酸グリコシド/トホグリフロジン組合せ群に同時に強制投与し、強制投与体積は10mL/kgであり、正常群およびモデル群に10mL/kgの蒸留水を投与した。2週間後、血糖値を尾部切断法(Johnsonの血糖計)によって、最後の投与の1時間後に測定し、各群の平均を得た。SPSS 16.0ソフトウェアを統計分析に使用した。データを平均および標準偏差として表した。前後のデータをt検定によって分析し、P<0.05を統計的に有意とみなした。試験結果を下の表5に示した。
【0062】
【表5】
【0063】
実験結果の考察
上の結果から、モデル群と比較して、単一投与またはトホグリフロジンとの組合せ投与において3種のリモノイドグリコシド全てがSTZ II型糖尿病モデルのマウスにおいて血糖レベルを有意に低下させることができることがわかった。それらをトホグリフロジンと組み合わせて投与した場合、それらの効果はそれらの単一投与と比較すると有意に増加し、血糖レベルが正常マウスと同じようであり、相乗効果を示した。加えて、上の3種のリモノイドグリコシドをトホグリフロジンと組み合わせて投与した場合、それらの単一投与と比較すると、同等のグルコース低下効果を依然として達成することが可能でありながら、両方の用量を効果的に減らすことができ、これは治療レジメンの安全性を改善し、副作用を低減した。
【0064】
実施例6
ノミリンおよびカナグリフロジンの組合せ製品を含有する錠剤を調製するための方法
この実施例では、本発明の組合せ製品(ノミリンおよびカナグリフロジン)の錠剤を調製するための方法を例示的に提供した。単一錠剤は以下の成分:50mgのノミリン、400mgの塩酸カナグリフロジン、20mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース、30mgのカルボキシメチルセルロースナトリウム、および20mgの結晶セルロース、5.2mgのステアリン酸マグネシウム、20.8mgのOpadryを含有し、合計1000個の錠剤があった。
【0065】
調製方法は以下のステップを含んだ:
a)50gのノミリンを5Lの50%エタノールに溶解するステップ;
b)原材料および補助材料を100メッシュ篩に通し、それらを待機させておくステップ;
c)400gの塩酸カナグリフロジン、20gのヒドロキシプロピルメチルセルロース、30gのカルボキシメチルセルロースナトリウム、および20gの結晶セルロースを秤量し、流動床に入れ、500±50m/時の入口空気量、90±5℃の入口空気温度および70±5℃の製品温度を設定し、ホットメルト造粒を行うステップ;
d)ノミリン溶液を流動床に噴霧し、1.0±0.2バールの霧化圧力および30±10Hzの噴霧速度を設定し、ワンステップ造粒を行うステップ;
e)得られた顆粒を1.0mm丸穴スクリーンに通し、乾式造粒を行うステップ;
f)5.2gのステアリン酸マグネシウムを添加し、5分間混合するステップ;
g)15KNの圧力で17×8.5mmの楕円形パンチャーを使用して打錠するステップ;
h)20.8gのOpadry 85F32004を蒸留水に1:4の比で溶解し、コーティングパンのパラメーターを40±2℃の床温度、48±2℃の出口空気温度、0.6Mpaの霧化圧力、7rpmのパン速度、120g/分の噴霧量として設定し、フィルムコーティングを完了するステップ。