(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】移動可能な部分を備えたエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240403BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240403BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2022536863
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2020086011
(87)【国際公開番号】W WO2021122470
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-06-15
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】ツィムリス ダリア
(72)【発明者】
【氏名】サハラウィ アデラ
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107890141(CN,A)
【文献】国際公開第2018/190605(WO,A2)
【文献】特表2019-521739(JP,A)
【文献】特表2019-518441(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108158043(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
第一のハウジング部分と、
第二のハウジング部分と、を備え、
前記第一のハウジング部分は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞を含み、
前記第一のハウジング部分および第二のハウジング部分が、前記第一のハウジング部分が第二のハウジング
部分に対して延長し、前記エアロゾル発生物品の挿入のために前記空洞にアクセス可能である、第一の位置に配設可能なように構成され、
前記第一のハウジング部分および第二のハウジング部分が、前記第二のハウジング部分が前記空洞内に少なくとも部分的に
格納される、第二の位置に配設可能なように構成される、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記第二のハウジング部分の近位部分が、前記第一のハウジング部分の前記空洞の形状に対応する形状を有する、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記エアロゾル発生装置が、前記第一のハウジング部分を、前記第二のハウジング部分に対して前記第一の位置に向けて付勢するように構成された付勢手段を備える、請求項1または2のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記付勢手段が少なくとも一つのばねを含む、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記付勢手段が、前記第一のハウジング部分と前記第二のハウジング部分との間に配設される、請求項3または4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記エアロゾル発生装置が、前記第一のハウジング部分に対する前記第二のハウジング部分の移動を案内するように構成された一つ以上の案内レールを備える、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記第二のハウジング部分が、前記エアロゾル発生装置の長軸方向軸と平行または同軸の方向に、前記第一のハウジング部分に向かって移動可能に構成される、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記エアロゾル発生装置が係止手段を備え、前記係止手段が、前記エアロゾル発生装置を前記第二の位置に係止するように構成される、請求項1~7のいずれに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記エアロゾル発生装置が、無線通信インターフェースを備え、前記無線通信インターフェースが、前記係止手段を係止解除するために外部装置と相互作用するように構成される、請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記無線通信インターフェースが、前記係止手段を係止解除するために前記外部装置と相互作用するように構成された認証手段を備える、請求項9に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記エアロゾル発生装置が発熱体を備え、前記発熱体が前記第一のハウジング部分内に配設される、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記発熱体が、前記第一のハウジング部分の前記空洞を少なくとも包囲して配設された誘導コイルを含む、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記エアロゾル発生装置がコントローラを備え、前記コントローラが、
前記第一のハウジング部分が
格納された位置にあ
るときに、前記エアロゾル発生装置の動作を防止す
るように構成される、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記エアロゾル発生装置がコントローラを備え、前記コントローラが、
前記係止手段が係止されているときに、前記エアロゾル発生装置の発熱体の動作を防止するように構成される、請求項8~10のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記第一のハウジング部分が中空円筒形状であり、前記第一のハウジング
部分の前記空洞内に配設可能な前記第二のハウジング部分の一部分が円筒状であり、前記中空円筒形状の第一のハウジング部分の内径に対応する外径を有する、請求項1~
14のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項16】
前記エアロゾル発生装置は、前記第一の位置において吸入可能なエアロゾルを発生するように動作するように構成される、請求項1~15のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項17】
前記第二の位置において、前記空洞は、前記エアロゾル発生物品の挿入のためにアクセスできない、請求項1~16のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項18】
請求項1~
17のいずれかに記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備える、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置、およびエアロゾル発生装置とエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備えたエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパーを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することは公知である。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成要素が揮発する温度へとエアロゾル形成基体を加熱してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーなどの空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入のためにロッド形状を有してもよい。発熱体は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中に挿入された後に、エアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバーの中に、またはその周りに配設されてもよい。エアロゾル発生装置の開放空洞は、エアロゾル発生装置が使用されていないときに問題となる場合がある。潜在的に、ユーザーまたは傍観者が、偶発的に、または他の方法で、エアロゾル発生装置の空洞に達する可能性がある。結果として、ユーザーまたは傍観者が空洞の高温に晒され得る。さらに、エアロゾル発生装置の要素が損傷する、または空洞の内部が汚染される場合がある。
【0003】
エアロゾル発生装置が使用されていないときの空洞の改善された閉鎖部を備える、エアロゾル発生装置を有することが望ましい。エアロゾル発生物品の挿入に対して空洞が保護される、エアロゾル発生装置を有することが望ましい。空洞の汚染が防止されるエアロゾル発生装置を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生装置は、第一のハウジング部分および第二のハウジング部分を備え得る。第一のハウジング部分は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞を含み得る。第一のハウジング部分および第二のハウジング部分は、第一のハウジング部分が第二のハウジング位置に対して延びており、エアロゾル発生物品の挿入のために空洞にアクセス可能である、第一の位置に配設可能なように構成され得る。第一のハウジング部分および第二のハウジング部分は、第二のハウジング部分が空洞内に少なくとも部分的に後退している、第二の位置に配設可能なように構成され得る。
【0005】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生装置は、第一のハウジング部分および第二のハウジング部分を備える。第一のハウジング部分は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞を含む。第一のハウジング部分および第二のハウジング部分は、第一のハウジング部分が第二のハウジング位置に対して延びており、エアロゾル発生物品の挿入のために空洞にアクセス可能である、第一の位置に配設可能なように構成されている。第一のハウジング部分および第二のハウジング部分は、第二のハウジング部分が第一のハウジング部分の空洞内に少なくとも部分的に後退している、第二の位置に配設可能なように構成されている。
【0006】
第一の位置では、エアロゾル発生装置は、使用のために構成されている。エアロゾル発生物品は、第一のハウジング部分の空洞の中に挿入され得る。その後、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱することによって吸入可能なエアロゾルを発生するよう動作し得る。使用後、エアロゾル発生物品は、第一のハウジング部分の空洞から取り外されてもよい。次いで、エアロゾル発生装置は、第一の位置から第二の位置へと移動し得る。第二の位置では、第二のハウジング部分は、空洞内に少なくとも部分的に後退している。この位置では、空洞の空間は、第二のハウジング部分によって占められ得る。空洞は、第二の位置では、エアロゾル発生物品の挿入のためにアクセスできないことが好ましい。このようにして、空洞が保護され得る。特に、ユーザーまたは傍観者は、空洞内に達することができない場合がある。さらに、空洞の汚染は、第二のハウジング部分が空洞内に第二の位置に配設されることによって防止され得る。
【0007】
空洞は、加熱チャンバーであってもよい。空洞は、円筒形状を有してもよい。空洞は、中空円筒形状を有してもよい。空洞は円形断面を有してもよい。望ましい場合、空洞は、円筒形状から逸脱する形状または円形断面から逸脱する断面を有してもよい。空洞は、空洞の中に受容されるエアロゾル発生物品の形状に対応する形状を有してもよい。空洞は、楕円形または長方形の断面を有してもよい。空洞は、空洞の上流端に基部を有してもよい。基部は、円形であってもよい。一つ以上の空気吸込み口は、基部に、または基部に隣接して配設されてもよい。空気吸込み口は、空洞の基部、および空洞の基部に隣接した空洞の側壁のうちの一つ以上に配設されてもよい。気流チャネルは、空洞を通って延びてもよい。周囲空気は、エアロゾル発生装置の中に、空洞の中へと、気流チャネルを通ってユーザーに向かって引き出されてもよい。空洞の下流では、マウスピースが配設されてもよく、またはユーザーがエアロゾル発生物品を直接吸ってもよい。マウスピースは、エアロゾル発生物品の一部であってもよい。気流チャネルは、マウスピースを通って延び得る。
【0008】
空洞の基部は、第二のハウジング部分の近位端面によって形成されてもよい。第二のハウジング部分の近位端面は、空洞の上流端に配設されてもよい。第二のハウジング部分は、第一のハウジング部分の空洞に直接当接してもよい。第二のハウジング部分は、第一のハウジング部分の空洞と直接接触してもよい。
【0009】
第二のハウジング部分の近位部分は、第一のハウジング部分の空洞の形状に対応する形状を有し得る。有利なことに、対応する形状である第二のハウジング部分の近位部分および空洞とは、第二のハウジング部分の近位部分が、第一および第二のハウジング部分が第二の位置に配設されるときに、第一のハウジング部分の空洞を実質的に充填することを意味する。第二のハウジング部分の近位部分は、第一のハウジング部分の空洞の形状および体積に対応する形状および体積を有し得る。有利なことに、対応する形状体積である第二のハウジング部分の近位部分および空洞とは、第二のハウジング部分の近位部分が、第一および第二のハウジング部分が第二の位置に配設されるときに、第一のハウジング部分の空洞を実質的に充填することを意味する。第二の位置では、空洞へのアクセスが第二のハウジング部分によってブロックされることが好ましい。第二の位置では、第二の部分および第一の部分は、第一のハウジング部分の空洞の開口部における少なくとも一つの領域で、実質的に同一平面にあってもよい。これは、第二の位置における消耗品の挿入を防止する。これはまた、使用後に空洞に残っている破片を除去するのに役立ち得る。第二のハウジング部分の近位部分および第一のハウジング部分の空洞は、対応するように緊密に嵌合した形状であり得る。緊密な嵌合とは、第一および第二のハウジング部分が第一の位置から第二の位置へと移動するにつれて、第二のハウジング部分の近位部分が第一のハウジング部分の空洞の壁を掻き落とすクリーナとして機能し得ることを意味する。
【0010】
第二のハウジング部分の近位部分の外径は、第一のハウジング部分の空洞の内径に対応し得る。第一のハウジング部分は、中空円筒形状を有し得る。第一のハウジング部分の空洞内に配設可能な第二のハウジング部分の近位部分は、円筒状であることが好ましく、中空円筒状の第一のハウジング部分の内径に対応する外径を有し得る。
【0011】
第二のハウジング部分の近位部分の長さは、第一のハウジング部分の空洞の長さに対応し得る。第二のハウジング部分の近位部分の長さは、第二のハウジング部分の長軸方向軸に沿って測定され得る。第二のハウジング部分の長軸方向軸は、第一のハウジング部分の長軸方向軸およびエアロゾル発生装置の長軸方向軸のうちの一つ以上と同一であってもよい。第二のハウジング部分の近位部分の断面形状は、第一のハウジング部分の空洞の断面形状に対応し得る。第二のハウジング部分の近位部分は、円筒状であってもよい。
【0012】
本明細書で使用される「上流」、「下流」、「近位」、「遠位」という用語は、ユーザーがその使用中にエアロゾル発生装置を吸う方向に関して、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。
【0013】
エアロゾル発生装置は、第一のハウジング部分を、第二のハウジング部分に対して第一の位置に向けて付勢するように構成された付勢手段を備え得る。付勢手段は、少なくとも一つのばねを含み得る。付勢手段は、少なくとも一つのばねとして構成されてもよい。付勢手段は、少なくとも二つのばねを含むことが好ましい。付勢手段は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行に延び得る。付勢手段は、第二のハウジング部分の近位部分の周囲の周りに配設されてもよい。付勢手段は、第二のハウジング部分の近位部分の周囲の周りに均等に配設されてもよい。こうした配設は、均一な付勢作用を促進し得る。
【0014】
付勢手段は、第一のハウジング部分と第二のハウジング部分との間に配設されてもよい。付勢手段は、第一のハウジング部分または第二のハウジング部分内に取り付けられてもよい。
【0015】
エアロゾル発生装置は、第一のハウジング部分に対する第二のハウジング部分の移動を案内するように構成された一つ以上の案内レールを備えてもよい。案内レールは、溝として構成されてもよい。案内レールは、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行であってもよい。案内レールは、第一のハウジング部分の空洞の側壁に配設されてもよい。第二のハウジング部分の近位部分は、第一のハウジング部分の案内レールと係合するように構成された案内要素を含み得る。案内要素は、突出部として構成されてもよい。別の方法として、第二のハウジング部分は、案内レールを含んでもよく、第一のハウジング部分は、案内要素を含んでもよい。例示的には、案内レールは、第二のハウジング部分の近位部分の外側側壁上のエアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行に配設されてもよい。案内要素は、第一のハウジング部分の空洞の側壁上に配設されてもよい。
【0016】
第二のハウジング部分は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸と平行または同軸の方向に、第一のハウジング部分に向かって移動可能に構成され得る。第二のハウジング部分は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に沿った方向に第一のハウジング部分に向かって移動可能に構成されてもよい。
【0017】
エアロゾル発生装置は、係止手段を備え得る。係止手段は、エアロゾル発生装置を第二の位置に係止するように構成され得る。ユーザーは、エアロゾル発生装置が使用されない場合、エアロゾル発生装置を第二の位置に置くことを望む場合がある。係止手段は、非使用中にエアロゾル発生装置を第二の位置に係止するために利用され得る。エアロゾル発生装置の使用のために、係止手段が係合解除され得る。係止手段の係合解除は、付勢手段が、エアロゾル発生装置を第一の位置に向けて付勢することをもたらし得る。
【0018】
係止手段は、任意の従来的な係止手段であってもよい。例示的には、係止手段は、雄型係止要素と雌型係止要素とを含み得る。雄型係止要素は、係止動作のために雌型係止要素と係合するように構成されてもよい。第二のハウジング部分の近位部分が雄型係止要素を含んで、第一のハウジング部分が雌型係止要素を含んでもよく、またはその逆も可能である。雌型係止要素を係合するために、雄型係止要素は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して横方向に移動可能であってもよい。係止要素は、機械的な係止要素であってもよい。係止要素は、ユーザーによって制御可能であってもよい。別の方法として、係止要素は、電子係止要素であってもよい。
【0019】
エアロゾル発生装置は、無線通信インターフェースを備えてもよい。無線通信インターフェースは、係止手段を係止解除するために外部装置と相互作用するように構成されてもよい。外部装置は、スマートフォン、スマートウォッチ、またはタブレットであってもよい。係止手段は、外部装置がエアロゾル発生装置の周りに所定の距離内にある場合に係止解除するように構成され得る。ユーザーが係止解除コマンドを外部装置に入力する場合に、係止手段が係止解除するように構成されてもよい。
【0020】
無線通信インターフェースは、係止手段を係止解除するために外部装置と相互作用するように構成された認証手段を含み得る。認証手段は、エアロゾル発生装置を識別するように構成されてもよい。
【0021】
エアロゾル発生装置は、発熱体を備え得る。発熱体は、第一のハウジング部分内に配設されてもよい。発熱体は、外部発熱体として構成されることが好ましい。外部発熱体は任意の適切な形態を取ってもよい。例えば、外部発熱体は、ポリイミドなどの誘電性基板上の一つ以上の可撓性の加熱箔の形態を取ってもよい。可撓性の加熱箔は、基体受容空洞の周辺部に適合する形状にすることができる。代替的に、外部発熱体は、金属のグリッド、可撓性プリント基板、成形回路部品(MID)、セラミックヒーター、可撓性炭素繊維ヒーターの形態を取ってもよく、または適切な形状の基体上にプラズマ蒸着などの被覆技法を使用して形成されてもよい。外部発熱体はまた、温度と抵抗率の間の明確な関係を有する金属を使用して形成されてもよい。こうした例示的な装置において、金属は適切な断熱材料の二つの層の間のトラックとして形成されてもよい。この様態で形成された外部発熱体は動作中に、外部発熱体の加熱と、外部発熱体の温度のモニターの両方に使用されてもよい。発熱体は、抵抗発熱体として構成されてもよい。
【0022】
別の方法として、発熱体は誘導発熱体として構成されてもよい。同様に、発熱体は、外部発熱体として構成されてもよい。発熱体は、第一のハウジング部分の空洞を少なくとも部分的に包囲して配設された誘導コイルを含み得る。誘導コイルは、らせん状誘導コイルであってもよい。誘導コイルは、空洞を同軸に包囲する管状形状を有してもよい。誘導発熱体は、サセプタをさらに含んでもよい。
【0023】
一般的に、サセプタは、電磁エネルギーを吸収し、それを熱に変換することができる材料である。交流電磁場中に位置する時、典型的にサセプタの中で渦電流が誘導され、かつヒステリシス損失が生じ、サセプタの加熱を引き起こす。一つまたはいくつかの誘導コイルによって発生される電磁場の変化は、サセプタを加熱し、その後、エアロゾルが形成されるように、エアロゾル発生物品に熱を伝達する。熱伝達は、主に熱の伝導によってもよい。こうした熱の伝達は、サセプタがエアロゾル発生物品と密接な熱的接触状態にある場合に、最も良好である。サセプタは、管状形状を有してもよい。サセプタの外径は、誘導コイルの内径よりも小さくてもよい。サセプタは、誘導コイル内に配設されてもよい。サセプタは、空洞の側壁を形成し得る。
【0024】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは強磁性材料、例えば強磁性合金、フェライト鉄、または強磁性鋼、またはステンレス鋼を含んでよく、またはその強磁性材料から成ってよい。適切なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタは摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0025】
エアロゾル発生装置は、コントローラを備えてもよい。コントローラは、
【0026】
第一のハウジング部分が後退した位置にある、および、
【0027】
係止手段が係止されている、のうちの一方または両方であるときに、エアロゾル発生装置の動作を防止する、好ましくは、エアロゾル発生装置の発熱体の動作を防止するように構成され得る。
【0028】
コントローラは、不注意によるエアロゾル発生装置の動作を防止するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置が使用されない場合、第二の位置にある。結果的に、コントローラは、エアロゾル発生装置が第二の位置にある場合、エアロゾル発生装置の動作を防止するように構成される。第二の位置は、典型的には、係止手段が係止することによって検出される。コントローラは、エアロゾル発生装置が第一の位置にある場合、エアロゾル発生装置の動作を可能にするように構成され得る。第一の位置では、コントローラは、発熱体の動作を制御して、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するように構成され得る。
【0029】
エアロゾル発生装置は電気回路を備えてもよい。電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサはコントローラの一部であってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は発熱体への電力供給を調節するよう構成され得る。電力はエアロゾル発生装置の起動に続いて発熱体へと連続的に供給されてもよく、または毎回の吸煙ごとなどのように、断続的に供給されてもよい。電力は、電流パルスの形態で発熱体に供給され得る。電気回路は発熱体の電気抵抗をモニターするように、かつ発熱体の電気抵抗に応じて、発熱体への電力供給を制御するように構成されていることが好ましい。
【0030】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置の第二のハウジング部分内に、電源、典型的には電池を備え得る。一実施形態において、電源はリチウムイオン電池である。別の方法として、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム、もしくはリチウムポリマー電池)であってもよい。代替として、電源は、コンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また一回以上の使用体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は約六分間、または六分の倍数の時間にわたってエアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、または発熱体の不連続的な起動を提供するために十分な容量を有してもよい。
【0031】
本発明はさらに、本明細書に記載のエアロゾル発生装置、および本明細書に記載のエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を備えたエアロゾル発生システムに関する。
【0032】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部、例えば喫煙物品の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用してユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置はホルダーであってもよい。装置は、電気加熱式の喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置は、ハウジング、電気回路、電源、空洞、および発熱体を備え得る。
【0033】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品であってもよい。エアロゾル発生物品は、使い捨てであってもよい。
【0034】
エアロゾル発生物品は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル発生物品は、実質的にロッド形状であってもよい。エアロゾル形成基体は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成基体は実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体はまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル形成基体は実質的にロッド形状であってもよい。
【0035】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる一つ以上の揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は好都合なことに、エアロゾル発生物品または喫煙物品の一部であってもよい。
【0036】
エアロゾル形成基体は固体エアロゾル形成基体であってもよい。エアロゾル形成基体は固体成分と液体成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、高密度で安定したエアロゾルの形成を容易にするエアロゾル形成体を含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の実施例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0037】
エアロゾル形成基体が固体エアロゾル形成基体である場合、一部の実施形態では、固体エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、キャストリーフたばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、ばらの形態であってもよく、または適切な容器またはカートリッジで提供されてもよい。随意に、固体エアロゾル形成基体は、基体の加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含有してもよい。固体エアロゾル形成基体はまた、例えば追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含むカプセルも含有してもよく、こうしたカプセルは固体エアロゾル形成基体の加熱中に溶けてもよい。
【0038】
本発明はさらに、エアロゾル発生装置の使用に関し得る。使用は、第一のハウジング部分および第二のハウジング部分を第一の位置に配設することを含み得る。使用は、第一のハウジング部分を、第二のハウジング部分に対して延ばすことを含み得る。使用は、エアロゾル発生装置を第一のハウジング部分に保持することを含み得る。使用は、第一のハウジング部分を保持して第二のハウジング部分を押すことによって、第一のハウジング部分を延ばすことを含み得る。第二のハウジング部分を押すことにより、付勢手段が第一のハウジング部分および第二のハウジング部分を第一の位置に向けて付勢し得るように、第二のハウジング部分を解放し得る。使用は、エアロゾル発生物品をエアロゾル発生装置の空洞の中へと挿入することを含み得る。使用は、エアロゾル発生物品の加熱によるエアロゾル発生を含み得る。使用は、エアロゾル発生装置の空洞から使用済みエアロゾル発生物品を抜き取ることを含み得る。
【0039】
エアロゾル発生物品は、付勢手段の付勢力に対して、第二のハウジング部分を第一のハウジング部分に向けて押すことによって抜き取られ得る。ユーザーは、指、例示的には親指を第二のハウジング部分の端面に押し付け得る。結果として、第二のハウジング部分が第一のハウジング部分に押し込まれ得る。徐々に、空洞が第二のハウジング部分によって占められ得る。エアロゾル発生物品は、第二のハウジング部分の近位部分の近位端面によって空洞から押し出され得る。第二のハウジング部分は、第一のハウジング部分に完全に押し込まれてもよい。第二のハウジング部分の近位端面は、その後、空洞の開口部と実質的に同一平面上にあってもよい。こうして、エアロゾル発生物品は空洞から抜き取られ得る。本発明は、エアロゾル発生物品を抜き取るための本明細書に記載の工程のいずれかを含む、エアロゾル発生装置からエアロゾル発生物品を抜き取るための方法に関し得る。
【0040】
一実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0041】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】
図1aは、第二の位置にあるエアロゾル発生装置の例示的な側面断面図を示す。
図1bは、エアロゾル発生装置の第一のハウジング部分の空洞内に受容されたエアロゾル発生物品を有する、第一の位置にあるエアロゾル発生装置の例示的な側面断面図を示す。
【
図2】
図2は、エアロゾル発生装置の第一のハウジング部分の例示的な側面断面図を示す。
【
図3】
図3は、エアロゾル発生装置の第二のハウジング部分の例示的な側面断面図を示す。
【
図4】
図4a~4eは、エアロゾル発生装置の動作の例示的な側面断面図を示す。
【
図5】
図5は、エアロゾル発生装置からのエアロゾル発生物品の抜き取りの一実施例を示す。
【
図6】
図6aは、エアロゾル発生装置の第一の位置の概略図を示す。
図6bおよび6cは、エアロゾル発生装置の第二の位置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、エアロゾル発生装置を示す。エアロゾル発生装置は、第一のハウジング部分10および第二のハウジング部分12を備える。第一のハウジング部分10は、近位ハウジング部分である。言い換えれば、第一のハウジング部分10は、装置がエアロゾル発生装置の使用中にユーザーに面する。第二のハウジング部分12は、遠位ハウジング部分である。言い換えれば、第二のハウジング部分12は、エアロゾル発生装置の使用中にユーザーから離れる方向に面している。第一のハウジング部分10は、中空の円筒形状を有する。第二のハウジング部分12は、中実の円筒形状を有する。第二のハウジング部分12は、第一のハウジング部分10内に少なくとも部分的に受容可能であるように配設される。
【0044】
第一のハウジング部分10は、空洞14を含む。空洞14は、エアロゾル発生物品16を受容するように構成されている。空洞14は、中空円筒形状を有する。空洞14は、第一のハウジング部分10の近位端に隣接して配設される。空洞14は、第一のハウジング部分10を通してほぼ中間に延びる。
【0045】
第二のハウジング部分12は、近位部分18を含む。近位部分18は、第二のハウジング部分12の長さの約半分の長さを有する。近位部分18は、第二のハウジング部分12の近位端に隣接して配設される。第二のハウジング部分12の近位部分18は、第一のハウジング部分10内に受容されるように配設される。結果として、近位部分18の外径は、空洞14の内径よりも小さい。近位部分18の近位端面20は、空洞14の基部を形成し得る。特に、近位端面20は、エアロゾル発生装置が第一の位置に位置付けられたときに、空洞14の基部を形成する。第一の位置を
図1bに示す。第一の位置では、エアロゾル発生装置は延びた位置にある。延びた位置は、空洞14が開放していることによって特徴付けられる。延びた位置は、第二のハウジング部分12が、第一のハウジング部分10に対して延びた位置に配設されることによってさらに特徴付けられる。
【0046】
図1aは、第二の位置にあるエアロゾル発生装置を示す。第二の位置では、エアロゾル発生装置は後退した位置にある。この位置では、第二のハウジング部分12の近位部分18は、第一のハウジング部分10の空洞14内に後退している。第二の位置では、第二のハウジング部分12の近位部分18の近位端面20は、第一のハウジング部分10の近位端面と同一平面上に配設される。言い換えれば、第二のハウジング部分12の近位端面20は、空洞14の出口と同一平面上に配設される。このようにして、空洞14は、汚染から、およびユーザーまたは傍観者が空洞14内に達することから保護される。
【0047】
図1bはさらに、エアロゾル発生装置を第一の位置へと付勢するための付勢手段22を示す。付勢手段22は、
図1bに示される実施形態では二つのばねとして構成されている。付勢手段22は、第一のハウジング部分10と第二のハウジング部分12との間に配設される。付勢手段22は、第二のハウジング部分12の近位部分18の周囲に隣接して配設される。付勢手段22は、中空円筒状の第一のハウジング部分10の側壁に隣接して配設される。付勢手段22は、第一のハウジング部分10の空洞14の上流に配設される。付勢手段22は、第一のハウジング部分10および第二のハウジング部分12を、エアロゾル発生装置の第一の位置へと互いから離れるように付勢するように構成されている。
【0048】
図1はさらに、係止手段24を示す。係止手段24は、エアロゾル発生装置を第二の位置に保持するように構成されている。言い換えれば、係止手段24は、付勢手段22の付勢力に対して、第二のハウジング部分12を第一のハウジング部分10に対して後退した位置に保持するように構成されている。係止手段24は、任意の従来的な係止手段24として構成されてもよい。
図1に示す実施形態では、係止手段24は、雄型係止要素26および雌型係止要素28を含む。雄型係止要素26は、第一のハウジング部分10の側壁に隣接して配設される。雌型係止要素28は、第二のハウジング部分12の近位部分18に隣接して配設される。しかしながら、係止手段24の定置および構成は、例示に過ぎない。
【0049】
係止手段24の係止解除は、ユーザーによって機械的に促進され得る。例示的には、エアロゾル発生装置は、係止手段24を係止解除するためのプッシュボタンを備えてもよい。別の方法として、係止手段24は、電気的に作動する係止手段24として構成され、コントローラによって動作されてもよい。エアロゾル発生装置は、通信インターフェース、好ましくは無線通信インターフェースをさらに備えてもよい。通信インターフェースは、係止手段24を係止解除するために外部装置と相互作用するように構成されてもよい。外部装置は、スマートフォン、スマートウォッチ、またはタブレットであってもよい。通信インターフェースは、外部装置から出力を受信し得る。通信インターフェースはその後、コントローラによって受信される出力を発生し得る。次いで、コントローラは、通信インターフェースから適切な出力を受信するのに伴い、係止手段24を係止解除し得る。通信インターフェースは、正しい外部装置を識別するための認証手段を含んでもよい。
【0050】
図1aは、係止手段24が係止され、かつ第二のハウジング部分12が第一のハウジング部分10内に後退した状態で保持されている、第二の位置を示す。結果として、第一のハウジング部分10の空洞14は、適切な形状の第二のハウジング部分12の近位部分18によって保護される。この位置は、装置が使用されない時にエアロゾル発生装置が配設される位置であることが好ましい。
図1bでは、係止手段24が係止解除され、空洞14にアクセス可能になるように、付勢手段22がエアロゾル発生装置を第一の位置に付勢している。
図1bに示すように、エアロゾル発生装置を動作させることができるように、エアロゾル発生物品16は空洞14の中へと挿入される。
【0051】
エアロゾル発生装置を動作させるために、エアロゾル発生装置は、発熱体30を備える。発熱体30は、エアロゾル発生物品16のエアロゾル形成基体を加熱するために加熱される。発熱体30は、エアロゾル形成基体を加熱するが燃焼はしないように構成されている。
図1に示す実施形態では、発熱体30は、誘導発熱体30として構成されている。結果的に、発熱体30は、誘導コイルを含む。さらに、エアロゾル形成基体を加熱するための熱を発生するためのサセプタ(図示せず)が提供されている。サセプタは、エアロゾル発生装置の一部として、またはエアロゾル発生物品の一部として、またはエアロゾル発生装置の一部、エアロゾル発生消耗品の一部の両方として提供されてもよい。誘導コイルは、サセプタの周囲の周りに配設される。誘導コイルは、らせん状コイルとして構成されることが好ましい。サセプタは、空洞14を包囲する管状サセプタとして構成されることが好ましい。サセプタは、空洞14の側壁を形成し得る。
【0052】
図1に示す実施形態では、発熱体30は二つの別個の誘導コイルを含む。一方の誘導コイルは、空洞14の上流部分を包囲して配設される。他方の誘導コイルは、空洞14の下流部分を包囲して配設される。二つの誘導コイルを利用して、エアロゾル発生物品16のエアロゾル形成基体の異なる部分を加熱してもよい。コントローラは、誘導コイルを独立して制御し得る。
【0053】
図1はさらに、第二のハウジング部分12が電源32を含むことを示している。電源32は、電池として構成されていることが好ましい。電源32は、発熱体30を動作させるために、発熱体30に電気エネルギーを供給するように構成されている。電源32は、コントローラによって制御されてもよい。
【0054】
図2は、第一のハウジング部分10のより詳細な図を示す。特に、第一のハウジング部分10の中空円筒形状が
図2に示される。エアロゾル発生物品16の挿入のための空洞14は、第一のハウジング部分10の近位部分36に配設される。空洞14は、発熱体30によって包囲されている。発熱体30は、挿入されたエアロゾル発生物品16の異なる領域を加熱するための二つの個別の誘導コイルを含む。第二のハウジング部分12は、第一のハウジング部分10の近位部分36の反対側の第一のハウジング部分10の遠位部分34に取り付けられる。結果として、第一のハウジング部分10の遠位部分34は、第二のハウジング部分12が第一のハウジング部分10の中に挿入され得るように、中空円筒形状を有する。
【0055】
図3は、第二のハウジング部分12のより詳細な図を示す。特に、直径が縮小した第二のハウジング部分12の近位部分18が示されている。第二のハウジング部分12のこの近位部分18は、エアロゾル発生装置が第二の位置にあるときに、第一のハウジング部分10の空洞14内に配設されるように寸法設定される。
【0056】
図4は、エアロゾル発生装置の動作を示す。左(
図4a)から右(
図4e)へ、エアロゾル発生装置は、使用されていない状態、エアロゾル発生装置の使用、その後再び使用されていない状態にある。
図4aは、第二の位置にあるエアロゾル発生装置を示す。第二の位置では、第二のハウジング部分12は、第一のハウジング部分10の中に後退している。さらに、空洞14へのアクセスは、第二のハウジング部分12の近位部分18によってブロックされている。
図4bでは、エアロゾル発生装置が使用のために準備されている。この目的のために、係止手段24は係合解除される。係止手段24のこの係合解除は、付勢手段22が、第二のハウジング部分12を第一のハウジング部分10に対して延びた位置へと付勢することにつながる。結果として、エアロゾル発生装置は、
図4bの第一の位置にある。
図4cでは、エアロゾル発生装置が空洞14の中に挿入されている。空洞14は、第一の位置にあるエアロゾル発生装置の第二のハウジング部分12の近位部分18によって占められていない。エアロゾル発生物品16が空洞14の中に挿入されると、発熱体30は、エアロゾル発生物品16のエアロゾル形成基体を加熱するよう動作する。結果として、ユーザーによって吸入され得る吸入可能なエアロゾルが発生される。エアロゾル発生物品16が枯渇した後、エアロゾル発生物品16は空洞14から取り外される。空洞14からエアロゾル発生物品16を取り外すために、第二のハウジング部分12は、
図4dで矢印で示すように、第一のハウジング部分10に押し込まれ得る。第二のハウジング部分12は、付勢手段22の付勢力に対して、手動でユーザーによって第一のハウジング部分10に押し込まれ得る。結果として、空洞14は、第二のハウジング部分12の近位部分18が空洞14に押し込まれることに起因して、徐々に収縮する。特に、エアロゾル発生物品16が空洞14から押し出されてユーザーによって取り外され得るまで、空洞14の基部を形成する第二のハウジング部分12の近位端面20が空洞14に押し込まれる。
図4eに示すように、第二のハウジング部分12の近位部分18が第一のハウジング部分10に完全に押し込まれた後、エアロゾル発生装置は再び第二の位置にある。エアロゾル発生装置の第二の位置は、第二のハウジング部分12の近位部分18の位置付けによって空洞14への望ましくないアクセスが防止される、コンパクトな位置である。
【0057】
図5は、エアロゾル発生装置からのエアロゾル発生物品16の抜き取りの一実施例を示す。ユーザー38は、エアロゾル発生物品16が枯渇すると、第二のハウジング部分12を押し得る。ユーザー38は、指、例示的には親指を第二のハウジング部分12の端面に押し付け得る。結果として、第二のハウジング部分12が第一のハウジング部分10に押し込まれる。徐々に、空洞14が第二のハウジング部分12によって占められる。エアロゾル発生物品16は、第二のハウジング部分12の近位部分18の近位端面20によって空洞14から押し出される。最終的に、第二のハウジング部分12が第一のハウジング部分10に完全に押し込まれる。第二のハウジング部分12の近位端面20は、空洞14の開口部と同一平面上にある。エアロゾル発生物品16は、こうして空洞14から抜き取られる。エアロゾル発生物品16は、ごみ箱40に廃棄されてもよい。
【0058】
図6aは、第二の位置にあるエアロゾル発生装置の第一のハウジング部分10および第二のハウジング部分12を示す。第二の位置では、第一のハウジング部分10および第二のハウジング部分12は、後退した位置に配設される。この位置では、第二のハウジング部分12の近位部分18は、空洞14内に配設される。結果として、近位部分18の近位端面20は、
図6aに示すように、空洞14の開口部と同一平面上に配設される。
【0059】
図6bは、第一の位置に配設され、延びた位置にある第一のハウジング部分10および第二のハウジング部分12を示す。空洞14は、アクセス可能である。
図6cに示すように、エアロゾル発生物品16を空洞14の中へと挿入することができる。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品16のエアロゾル形成基体を加熱することによって動作させ得る。エアロゾル発生物品16が枯渇すると、
図5と併せて説明されるように、エアロゾル発生物品16を抜き取ることができる。エアロゾル発生物品16を抜き取るために、エアロゾル発生装置が
図6aに示す第二の位置に再び配設されるように、第二のハウジング部分12が第一のハウジング部分10に向かって押され得る。