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特許7465366エレクトロニクス製品のための界面活性剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】エレクトロニクス製品のための界面活性剤
(51)【国際特許分類】
   C09K 23/18 20220101AFI20240403BHJP
   G03F 7/42 20060101ALI20240403BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20240403BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20240403BHJP
   C09K 23/16 20220101ALI20240403BHJP
【FI】
C09K23/18
G03F7/42
H01L21/30 572B
H01L21/306 F
C09K23/16
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022554767
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 US2021021595
(87)【国際公開番号】W WO2021183581
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】62/988,175
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517213094
【氏名又は名称】アドバンシックス・レジンズ・アンド・ケミカルズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ADVANSIX RESINS & CHEMICALS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100133765
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】アシルバサム,エドワード
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-547050(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0057773(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0010426(US,A1)
【文献】特開昭49-082624(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0079898(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 23/00-23/56
G03F 7/00- 7/42
H01L 21/30-21/46
G03C 3/00- 7/18
C11D 1/00-19/00
C07C
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】
(式中、R及びRは、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC~Cアルキルから成る群より選択されてよく、前記C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、カルボニル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;
nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);
mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);
前記末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC~Cアルキルから成る群より選択され、前記C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、カルボニル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい)で示される少なくとも1種の界面活性剤;
存在するならば、塩化物、臭化物、ヨウ化物、及び水酸化物からなる群から選択される、前記化合物に会合された任意の対イオン;
所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、前記化合物に付随する対イオン;及び
1種又は複数の溶媒及び1種又は複数の消泡剤の少なくとも1つ、
を含む、プレテクスチャリング剤のための配合物。
【請求項2】
1種又は複数の酸をさらに含む、請求項1に記載の配合物。
【請求項3】
1種又は複数の塩基をさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の配合物。
【請求項4】
1種又は複数のキレート化剤さらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項5】
前記界面活性剤が以下の式:
【化2】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド;
以下の式:
【化3】
を有するドデシル 6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド;
以下の式:
【化4】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;
以下の式:
【化5】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;及び
それらの組み合わせ、
の少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項6】
式I
【化6】
(式中、R及びRは、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC~Cアルキルから成る群より選択されてよく、前記C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、カルボニル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;
nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);
mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);
前記末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC~Cアルキルから成る群より選択され、前記C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、カルボニル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい)で示される少なくとも1種の界面活性剤;
所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、前記化合物に付随する対イオン;及び
フッ化水素酸(HF)、
を含む、エッチャントのための配合物。
【請求項7】
1種又は複数の酸化剤をさらに含む、請求項6に記載の配合物。
【請求項8】
1種又は複数の錯化剤をさらに含む、請求項6又は請求項7に記載の配合物。
【請求項9】
前記界面活性剤が以下の式:
【化7】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド;
以下の式:
【化8】
を有するドデシル 6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド;
以下の式:
【化9】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;
以下の式:
【化10】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;及び
それらの組み合わせ、
の少なくとも1つを含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項10】
式I
【化11】
(式中、R及びRは、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC~Cアルキルから成る群より選択されてよく、前記C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、カルボニル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;
nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);
mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);
前記末端窒素は、Rでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC~Cアルキルから成る群より選択され、前記C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、カルボニル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい)で示される少なくとも1種の界面活性剤;
所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、前記化合物に付随する対イオン;及び
アルカノールアミンと、
を含む、フォトレジスト剥離配合物のための配合物。
【請求項11】
スルホキシドをさらに含む、請求項10に記載の配合物。
【請求項12】
スルホンをさらに含む、請求項10に記載の配合物。
【請求項13】
グリコールエーテルをさらに含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項14】
前記界面活性剤が以下の式:
【化12】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド;
以下の式:
【化13】
を有するドデシル 6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド;
以下の式:
【化14】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;
以下の式:
【化15】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;及び
それらの組み合わせ、
の少なくとも1つを含む、請求項10~13のいずれか一項に記載の配合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、全体として参照により本明細書に取り込まれる、2020年3月11日出願の特許仮出願第62/988,175号の優先権を主張する。
【0002】
分野
本開示は、エレクトロニクスにおける使用のための界面活性剤に関する。より詳細には本開示は、フォトレジストコーティングをエッチング及び除去することを通して回路基板を作製することにおける界面活性剤に関する。そのような界面活性剤は、アミノ酸の誘導体を含んでいてもよく、該誘導体は、表面活性特性を有する。
【背景技術】
【0003】
界面活性剤(表面活性特性を有する分子)は、回路基板を製造することにおいて、クリーナー、エッチャント、及びフォトレジスト剥離剤の中で広く使用される。界面活性剤は、乳化剤、湿潤剤、発泡剤、分散剤、及び/又は展着性を改善する薬剤として含まれてもよい。
【0004】
該界面活性剤は、無電荷、双性イオン性、陽イオン性、又は陰イオン性であってもよい。原則として、任意の界面活性剤分類(例えば、陽イオン性、陰イオン性、非イオン性、両性)が、適切であるが、配合物が2つ以上の界面活性剤分類からの2種以上の界面活性剤の組み合わせを含み得ることが、考えられる。
【0005】
多くの場合、界面活性剤は、相対的に非水溶性の疎水性「テール」基と、相対的に水溶性の親水性「ヘッド」基と、を有する両親媒性分子である。これらの化合物は、2種の液体の間、液体と気体の間、又は液体と固体の間の界面などの界面で吸着され得る。相対的に極性の成分と相対的に非極性の成分を含む系では、疎水性テールが、相対的に非極性の成分(複数可)と優先的に相互作用し、親水性ヘッドが、相対的に極性の成分(複数可)と優先的に相互作用する。水と油の間の界面の場合、親水性ヘッド基が、優先的に水中に広がり、疎水性テールが、優先的に油中に広がる。親水性ヘッド基は、水-気体の界面に添加されると、優先的に水中に広がり、疎水性テールは、優先的に気体中に広がる。界面活性剤の存在は、水分子の間の分子間相互作用の少なくとも一部を崩壊させて、水分子間の相互作用の少なくとも一部を、水分子の少なくとも一部と界面活性の間の一般により弱い相互作用と置き換える。このことが、低下された表面張力をもたらし、界面を安定化させることに役立ち得る。
【0006】
界面活性剤は、充分に高い濃度では、極性溶媒への疎水性テールの暴露を限定するのに役立つ凝集体を形成する場合がある。そのような凝集体の1つが、ミセルである。典型的なミセルでは、分子が球の中に配列されて、界面活性剤(複数可)の疎水性テールが、優先的に球の内側に配置され、界面活性剤(複数可)の親水性ヘッドが、優先的にミセルの外側に配置され、ヘッドがより極性の溶媒と優先的に相互作用する。所与の化合物が表面張力に及ぼす効果と、それがミセルを形成する濃度が、界面活性剤の特徴を定義するものとして役立ち得る。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、プレテクスチャリング剤、エッチャント、及びフォトレジスト剥離剤中での使用のための配合物を提供する。これらの製品は、本明細書に開示された1つ又は複数の界面活性剤分類からの1種又は複数の界面活性剤を含むように配合されてもよい。該界面活性剤は、乳化剤、湿潤剤、発泡剤、分散剤、及び/又は展着性を改善する薬剤として用いられてもよい。
【0008】
本開示は、表面活性特性を有するアミノ酸の誘導体の形態であるプレテクスチャリング剤、エッチャント、及びフォトレジスト剥離剤のための界面活性剤を提供する。該アミノ酸は、天然由来若しくは合成アミノ酸であってもよく、又はそれらは、ラクタム、例えばカプロラクタムなどの分子の開環反応を介して得られてもよい。該アミノ酸は、表面活性特性を有する化合物を形成するように機能化されてもよい。特徴としてこれらの化合物は、低い臨界ミセル濃度(CMC)及び/又は液体の表面張力を低減する能力を有してもよい。
【0009】
本開示は、式I
【0010】
【化1】
【0011】
(式中、R及びRは、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC~Cアルキルから成る群より選択されてよく、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素はRでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC~Cアルキルから成る群より選択され、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい)で示される少なくとも1種の界面活性剤と;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオンと;1種又は複数の消泡剤と;場合により1種又は複数の酸と、場合により1種又は複数の塩基と、場合により1種又は複数のキレート化剤と;1種又は複数の溶媒と、を含む、プレテクスチャリング剤のための配合物を提供する。
【0012】
本開示はさらに、式I
【0013】
【化2】
【0014】
(式中、R及びRは、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC~Cアルキルから成る群より選択されてよく、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素はRでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC~Cアルキルから成る群より選択され、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい)で示される少なくとも1種の界面活性剤と;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオンと;フッ化水素酸(HF)と、1種又は複数の溶媒と、場合により1種又は複数の酸化剤と、1種又は複数の錯化剤と、を含む、エッチャントのための配合物を提供する。
【0015】
本開示はまた、式I
【0016】
【化3】
【0017】
(式中、R及びRは、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC~Cアルキルから成る群より選択されてよく、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素はRでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC~Cアルキルから成る群より選択され、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい)で示される少なくとも1種の界面活性剤と;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオンと;アルカノールアミンと;スルホキシド又はスルホン化合物と;グリコールエーテルと、を含む、フォトレジスト剥離剤のための配合物を提供する。
【0018】
本開示の上述及び他の特色、並びにそれらを実現する手法は、以下の態様の記載を添付の図面と合わせて参照することによってより明白となり、より良好に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施例1bに記載された通りのpH=7で測定された界面活性剤1での表面張力と濃度を対比したプロットを示し、Y軸は、メートルあたりのミリニュートン(mN/m)での表面張力(γ)を表し、X軸は、ミリモル(mM)での濃度(c)を表す。
図2図2は、実施例1cに記載された界面活性剤1での表面張力の変化としての動的表面張力と時間を対比したプロットを示し、Y軸は、メートルあたりのミリニュートン(mN/m)での表面張力を表し、X軸は、ミリ秒(ms)での表面経過時間を表す。
図3図3は、実施例2bに記載された通りのpH=7で測定された界面活性剤2での表面張力と濃度を対比したプロットを示し、Y軸は、メートルあたりのミリニュートン(mN/m)での表面張力(γ)を表し、X軸は、ミリモル(mM)での濃度(c)を表す。
図4図4は、実施例2cに記載された界面活性剤2での表面張力の変化としての動的表面張力と時間を対比したプロットを示し、Y軸は、メートルあたりのミリニュートン(mN/m)での表面張力を表し、X軸は、ミリ秒(ms)での表面経過時間を表す。
図5図5は、実施例3bに記載された通りのpH=7で測定された界面活性剤3での表面張力と濃度を対比したプロットを示し、Y軸は、メートルあたりのミリニュートン(mN/m)での表面張力(γ)を表し、X軸は、ミリモル(mM)での濃度(c)を表す。
図6図6は、実施例3cに記載された界面活性剤3での表面張力の変化としての動的表面張力と時間を対比したプロットを示し、Y軸は、メートルあたりのミリニュートン(mN/m)での表面張力を表し、X軸は、ミリ秒(ms)での表面経過時間を表す。
図7図7は、実施例4bに記載された通りのpH=7で測定された界面活性剤4での表面張力と濃度を対比したプロットを示し、Y軸は、メートルあたりのミリニュートン(mN/m)での表面張力(γ)を表し、X軸は、ミリモル(mM)での濃度(c)を表す。
図8図8は、実施例4cに記載された界面活性剤4での表面張力の変化としての動的表面張力と時間を対比したプロットを示し、Y軸は、メートルあたりのミリニュートン(mN/m)での表面張力を表し、X軸は、ミリ秒(ms)での表面経過時間を表す。
図9図9は、実施例5bに記載された通りのpH=7で測定された界面活性剤5での表面張力と濃度を対比したプロットを示し、Y軸は、メートルあたりのミリニュートン(mN/m)での表面張力(γ)を表し、X軸は、ミリモル(mM)での濃度(c)を表す。
図10図10は、実施例5cに記載された界面活性剤5での表面張力の変化としての動的表面張力と時間を対比したプロットを示し、Y軸は、メートルあたりのミリニュートン(mN/m)での表面張力を表し、X軸は、ミリ秒(ms)での表面経過時間を表す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書で用いられる語句「これらのエンドポイントを利用した任意の範囲内」は、値が列挙のより低い部分であるか、又は列挙のより高い部分であるかにかかわらず、任意の範囲がそのような語句の前に列挙された値の任意の2つから選択され得ることを文字通り意味する。例えば一対の値は、2つのより低い値、2つのより高い値、又はより低い値とより高い値から選択されてもよい。
【0021】
本明細書で用いられる言語「アルキル」は、直鎖又は分枝鎖であり得る任意の飽和炭素鎖を意味する。
【0022】
本明細書で用いられる語句「表面活性」は、会合された化合物が少なくとも部分的に溶解された媒体の表面張力、及び/又は他の相との界面張力を低下させることが可能であり、したがって液体/蒸気及び/又は他の界面で少なくとも部分的に吸着され得ることを意味する。用語「界面活性剤」は、そのような化合物に適用されてもよい。
【0023】
不正確さの用語法に関係して、用語「約」及び「およそ」は、述べられた測定を包含し、述べられた測定に適度に近い任意の測定も包含する、測定をいうために互換的に用いられてもよい。述べられた測定に適度に近い測定は、関連の技術分野の当業者により理解され、即座に確認される通り、述べられた測定から適度に小さな量だけ逸脱する。そのような逸脱は例えば、測定誤差、又は性能を最適化するために行われた微細な調整に起因され得る。関連の技術分野の当業者がそのような適度に小さな差異についての値を即座に確認しないことが決定された場合には、用語「約」及び「およそ」は、述べられた値のプラス又はマイナス10%を意味すると理解され得る。
【0024】
本開示は、プレテクスチャリング剤、エッチャント、及びフォトレジスト剥離剤の配合物を提供する。
【0025】
I.プレテクスチャリング剤
本開示は、太陽光発電ウエハーの表面のテクスチャリングのための配合物及び方法を提供する。電気への光エネルギーの変換効率を改善するためには、超低反射のシリコン表面が、望ましい。例えば単結晶シリコンの場合、これは、テクスチャリングと呼ばれる工程において表面にピラミッド構造を形成するための(100)Siウエハーの異方性エッチングにより実現される。低反射を実現するために、シリコンウエハーの表面でのピラミッドの均一且つ高密な分布が、望ましい。ピラミッドの高さが10μm未満でサイズが均一であることが、望ましい。より小さく且つ均一なピラミッド構造は、効率の損失を予防するために再度、テクスチャリング表面の最上部に堆積されたパッシベーション層による良好な被覆を確実にする。より小さく且つ均一なピラミッド構造はまた、シリコン表面に印刷された金属接触線をより狭くして、光-電子変換のためにシリコン表面により多くの光を通過させることを確実にする。
【0026】
本開示のプレテクスチャリング配合物は、本明細書に記載されたテクスチャリング工程において、シリコンウエハー、基板、又は異なるタイプの基板上に堆積されたシリコンフィルムを処理するのに用いられてもよい(基板又はウエハーという用語は、本明細書では互換的に用いられる)。本開示のプレテクスチャリング配合物及び/又は方法で処理されたシリコンウエハーは、太陽電池を作製するために用いられてもよい。本開示のプレテクスチャリング配合物及び/又は方法に供されるウエハーは、この処理に供されていないウエハーに比較して、テクスチャリングの均一性の改善及び反射性の低減を示し得る。
【0027】
本開示の方法及び/又は配合物で実現され得る追加的利益は、以下のものの1つ又は複数を含み得る:1)高密度を有し、10μm未満、又は8μm未満、又は5μm未満、又は4μm未満の平均高を有するウエハーの表面でのピラミッド構造の作出;2)テクスチャリングされた表面の反射の低減;3)低反射を有するピラミッドを形成するため、そして/又はテクスチャリングされた表面を形成するために必要とされる時間の減少;4)テクスチャリング工程でのイソプロピルアルコール濃度に対してより低い感度のテクスチャリング品質、そして幾つかの態様において、1種又は複数のテクスチャリング組成物中のテクスチャリングを促進するのに必要とされる任意のイソプロピルアルコール又は任意の他の添加剤を用いずにテクスチャリングが実施され得る;5)本開示のプレテクスチャリング配合物及び/又は方法がテクスチャリング工程で用いられる場合に、テクスチャリングの品質及びスループットを改善するためのテクスチャリング(エッチング)組成物又はエッチング溶液中の添加剤の必要性が低減又は排除され得る;6)テクスチャリングステップでエッチングされたシリコンの総量が低減され得る;7)テクスチャリング組成物(テクスチャリング又はエッチング溶液とも称される)の浴寿命が増加され得る;8)パッシベーション層の被覆が改善され得る;9)ウエハーの前面に印刷された熱接触線がより狭くなり得る;そして10)テクスチャリングに先立つシリコン表面の湿潤性が上昇され得る。
【0028】
本開示のプレテクスチャリング配合物を用いたプレテクスチャリングと、本明細書に記載されたテクスチャリングの方法は、公知の方法及び配合物に比較してテクスチャリングの時間を低減し得る。これは、加工時間の減少、それゆえウエハー加工のスループット上昇をもたらし得る。さらに、本開示のプレテクスチャリング配合物及び/又は方法が用いられる場合、テクスチャリング工程の間に1つ又は複数のテクスチャリング浴中の1種又は複数のテクスチャリング組成物の濃度を経時的にほとんど変化させ得ず、又は該濃度への感受性をほとんど示し得ず、こうして工程の堅牢性の改善をもたらし得、それゆえ工程に異常事態があっても、太陽光発電装置の性能に被害を与えずに、より長い又はより短いテクスチャリング時間が用いられ得る。
【0029】
典型的には太陽光発電用単結晶シリコンウエハーの加工は、典型的には濃厚なアルカリ溶液中で、任意の汚染を除去するために清浄してカットウエハー(インゴットから切り出された)ののこぎり損傷を除去し、続いて薄いアルカリ溶液中でテクスチャリングして表面のピラミッドのテクスチャを生成し、表面の反射性を低減してより多くの光を電気に変換させ、それによりウエハーの効率を上昇させる第一のステップ又は複数のステップを含む。多結晶シリコンウエハーでは、加工が、任意の汚染を除去するクリーニングの直後にテクスチャリングする第一のステップ又は複数のステップを含んでもよい。可能な限り低反射性を有することが、望ましい。本開示は、ウエハーの表面のテクスチャリングを改善するプレテクスチャリング配合物及び方法を提供する。本開示は、1種若しくは複数の界面活性剤、又は溶液中の1種若しくは複数の界面活性剤を含むプレテクスチャリング配合物でウエハー表面を処理する方法を提供する。該配合物は、単結晶シリコンウエハーの場合にはウエハー表面を修飾して高い核生成密度のピラミッドをもたらして、望ましい、小さなピラミッドの均一分布をもたらす。多結晶シリコンウエハーの場合、表面修飾が、テクスチャリングされた表面の均一性を改善して、より低い表面反射性をもたらし得る。
【0030】
本開示により提供されるプレテクスチャリング配合物は、1つ又は複数の界面活性剤分類から選択される1種又は複数の改善活性剤と、1種又は複数の消泡剤と、場合により1種又は複数の酸と、場合により1種又は複数の塩基と、場合により1種又は複数のキレート化剤と、1種又は複数の溶媒と、を含んでもよい。
【0031】
1.界面活性剤
本開示のプレテクスチャリング剤は、界面活性剤系とも称される1種又は複数の界面活性剤を含む。1種又は複数の界面活性剤の選択は、ピラミッドを核にしてウエハーの表面を清浄するようにウエハー表面を修飾する界面活性剤又は複数の界面活性剤の能力に依存し得る。
【0032】
本開示のプレテクスチャリング配合物中での使用のための適切な界面活性剤は、式I
【0033】
【化4】
【0034】
(式中、R及びRは、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC~Cアルキルから成る群より選択されてよく、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素はRでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC~Cアルキルから成る群より選択され、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい)で示される1種又は複数の界面活性剤及び/又は共界面活性剤と;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオンと、を含む。
【0035】
詳細には適切な界面活性剤又は共界面活性剤は、本明細書に記載された界面活性剤1~5のいずれかの1つ又は複数を含んでもよい。
【0036】
プレテクスチャリング配合物中の界面活性剤系の量は、約0.01wt%以上、約0.1wt%以上、約1wt%以上、約5wt%以上、約10wt%以上、約15wt%以上、又は約20wt%以下、約25wt%以下、約30wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の範囲であってもよい。
【0037】
2.消泡剤
本開示のプレテクスチャリング配合物は、1種又は複数の消泡剤/泡立ち防止剤をさらに含んでもよい。消泡剤は、非限定的に、シリコーン、有機リン酸塩、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールコポリマーを含有するエチレンオキシド/プロピレンオキシド(EO/PO)系デフォーマー、アルコール、白油又は植物油から選択されてもよく、ワックスは、長鎖脂肪アルコール、脂肪酸石鹸又はエステルである。幾つかのシリコーン界面活性剤などの幾つかの薬剤、及び本開示の界面活性剤は、消泡剤及び界面活性剤の両方として機能し得る。
【0038】
消泡剤は、約0.0001wt%以上、約0.001wt%以上、約0.01wt%以上、約0.1wt%以上、約0.2wt%以上、約0.5wt%以上、又は約1.0wt%以下、約1.5wt%以下、約2.0wt%以下、約3.0wt%以下、約3.5wt%以下、約4.0wt%以下、約4.5wt%以下、約5.0wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の範囲の量でプレテクスチャリング配合物中に存在してもよい。
【0039】
3.酸
有機酸は、微量金属、有機及び無機残渣の除去を改善するために機能する。有機酸は、非限定的に、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、グルコン酸、グルタル酸、アスコルビン酸、ギ酸、酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリシン、アラニン、シスチン、スルホン酸、スルホン酸の様々な誘導体、又はそれらの混合物をはじめとする広範囲の酸から選択されてもよい。これらの酸の塩もまた、用いられてもよい。これらの酸/塩の混合物も同様に、用いられてもよい。
【0040】
プレテクスチャリング配合物は、無機酸及び/又はそれらの塩をさらに含んでもよい。無機酸及び/又はそれらの塩は、他の有機酸及び/又はそれらの塩と組み合わせて用いられてもよい。適切な無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、フッ化水素酸、スルファミン酸などが挙げられる。これらの酸/塩の混合物も同様に、用いられてもよい。
【0041】
本開示のプレテクスチャリング組成物は、約0wt%以上、約0.1wt%以上、約5wt%以上、約10wt%以上、又は約15wt%以下、約20wt%以下、約25wt%以下、約30wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の酸及び/又はそれらの塩(酸/塩)の量を含んでもよい。
【0042】
酸と塩の組み合わせはまた、溶液を所望のpHレベルで緩衝するために用いられてもよい。酸/塩が、プレテクスチャリング配合物に添加される場合、それらは、約0.2wt%以上、約0.3wt%以上、約0.5wt%以上、約1wt%以上、約3wt%以上、又は約5wt%以下、約7wt%以下、約9wt%以下、約10wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で存在してもよい。
【0043】
4.塩基
本開示のプレテクスチャリング配合物は、1種又は複数の塩基をさらに含んでもよい。適切な塩基としては、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、第四級水酸化アンモニウム、アミン、炭酸グアニジン、及び有機塩基が挙げられるが、これらに限定されない。塩基は、単独又は他の塩基との組み合わせのどちらで用いられてもよい。適切な有機塩基の例としては、ヒドロキシルアミン、エチレングリコール、グリセロール、第一級、第二級又は第三級脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン及び複素環式アミンなどの有機アミン、水性アンモニア、並びにヒドロキシルアミン(NHOH)、N-メチルヒドロキシルアミン、N,N-ジメチルヒドロキシルアミン、N,N-ジエチルヒドロキシルアミン、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、N-メチルアミノエタノール、ジプロピルアミン、2-エチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、エチルジエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、N-メチルベンジルアミン、ピロール、ピロリジン、ピロリドン、ピリジン、モルホリン、ピラジン、ピペリジン、N-ヒドロキシエチルピペリジン、オキサゾール、チアゾール、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(2-ヒドロキシエチル)トリエチルアンモニウムヒドロキシド、(2-ヒドロキシエチル)トリプロピルアンモニウムヒドロキシド、及び(1-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級水酸化アンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
プレテクスチャリング配合物は、約0wt%以上、約1wt%以上、約5wt%以上、又は約10wt%以下、約15wt%以下、約20wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の範囲の量の塩基を含んでもよい。
【0045】
プレテクスチャリング配合物のpHは、酸及び塩基の濃度を調整することにより制御されてもよい。pHは、基板の表面への界面活性剤吸着を制御し、それによりテクスチャリングステップで得られたテクスチャリングの品質を制御するための因子であってもよい。
【0046】
5.任意のキレート化剤
本発明のプレテクスチャリング及び/又はテクスチャリング組成物は、1種又は複数のキレート化剤をさらに含んでもよい。キレート化剤は、非限定的に、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(NHEDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチルクレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸(DPTA)、エタノールジグリシネート、クエン酸、グルコン酸、シュウ酸、リン酸、酒石酸、メチルジホスホン酸、アミノトリスメチレンホスホン酸、エチリデンジホスホン酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、1-ヒドロキシプロピリデン-1,1-ジホスホン酸、エチルアミノビスメチレンホスホン酸、ドデシルアミノビスメチレンホスホン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、エチレンジアミンビスメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、ヘキサジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸及び1,2-プロパンジアミンテトラメチレンホスホン酸又はアンモニウム塩、有機アミン塩、マロン酸、コハク酸、ジメルカプトコハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フタル酸、フマル酸、トリカルバリル酸、プロパン-1,1,2,3-テトラカルボン酸、ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、ピロメリト酸などのポリカルボン酸、グリコール酸、β-ヒドロキシプロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ピルビン酸、ジグリコール酸、サリチル酸、没食子酸などのオキシカルボン酸、カテコール、ピロガロールなどのポリフェノール、ピロリン酸、ポリリン酸などのリン酸、8-オキシキノリンなどの複素環式化合物、並びにα-ジピリジルアセチルアセトンなどのジケトンから選択されてもよい。
【0047】
本開示のプレテクスチャリング配合物は、約0wt%以上、約1wt%以上、約2wt%以上、約3wt%以上、約4wt%以上、約5wt%以上、又は約6wt%以下、約7wt%以下、約8wt%以下、約9wt%以下、約10wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量のキレート化剤を含んでもよい。
【0048】
6.溶媒
予備配合物は、水、DI水又は精製水などの溶媒としての水を含む水性組成物であってもよいが;水の代わりに、又は水に加えて、当業者に知られるアルコール、グリコール、アセトン及び同様のものをはじめとする通常の溶媒を使用することが考えられる。プレテクスチャリング配合物は、配合物の総重量に基づき50wt%を超える水を含んでもよい。
【0049】
7.他の添加剤
界面活性剤を含むプレテクスチャリング組成物はまた、ウエハー表面の清浄及び/又はテクスチャリング(エッチング)を促進するための1種又は複数の添加剤を含んでもよい。清浄添加剤は、存在するならば例えば、のこぎり損傷除去ステップの後にも表面に残留する破片の除去を支援する。場合により本発明のプレテクスチャリング組成物は、無機若しくは有機酸、塩基、キレート化剤、分散剤及び消泡剤又はそれらの混合物をはじめとする1種又は複数の追加的成分を含んでもよい。酸及び塩基及び他の添加剤が、例えば清浄性能を改善するために、プレテクスチャリング組成物に添加されてもよい。
【0050】
本開示のプレテクスチャリング配合物は、1種又は複数の分散剤をさらに含んでもよい。適切な分散剤としては、界面活性剤又は本開示に加え、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、アクリルアミドメチルプロパンスルホネート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリン酸エーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、アルキルアルカノールアミド、ポリビニルピロリドン、ココナッツアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキシド、及び2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインが挙げられる。
【0051】
分散剤は、約0wt%以上、約0.1wt%以上、約0.5wt%以上、約1.0wt%以上、約1.5wt%以上、又は約2.0wt%以下、約2.5wt%以下、約3.0wt%以下、約3.5wt%以下、約4.0wt%以下、約4.5wt%以下、約5.0wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量でプレテクスチャリング配合物中に存在してもよい。
【0052】
プレテクスチャリング配合物は、キシリトール、マンノース、グルコース及び同様のものなどの糖又は糖アルコールなどの他の添加剤をさらに含んでもよい。プレテクスチャリング配合物は、これらの添加剤を、約0wt%以上、約1wt%以上、約10wt%以上、約20wt%以上、又は約30wt%以下、約40wt%以下、約50wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で含有してもよい。
【0053】
プレテクスチャリング配合物はまた、硝酸、過酸化物、及び次亜塩素酸塩などの酸化剤を含んでもよい。酸化剤は、約0wt%以上、約1wt%以上、約10wt%以上、約20wt%以上、又は約30wt%以下、約40wt%以下、約50wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で存在してもよい。
【0054】
プレテクスチャリング配合物はまた、プレテクスチャリング処理組成物又はテクスチャリングエッチング組成物への暴露により生じる腐食から加工機器材料を防御する腐食阻害剤を含んでもよい。
【0055】
適切な腐食阻害剤としては、1,2,4-トリアゾール、アミノトリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリトリアゾール(tolytriazole)、メルカプトベンゾトリアゾールなどの化合物を挙げることができる。配合物はまた、化学的に還元する性質であるアスコルビン酸などの腐食阻害剤を含んでもよい。
【0056】
8.使用方法
本開示のプレテクスチャリング配合物は、単結晶基板(例えば、Si<100>又はSi<111>)、微結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板、歪みシリコン基板、非晶質シリコン基板、ドープド若しくはアンドープドポリシリコン基板、ガラス、サファイア、又は任意の型のシリコン含有基板であり得るウエハーをテクスチャリングする多段階方法における少なくとも1つのプレテクスチャリングステップで用いられてもよい。基板はまた、金属、ガラス又はポリマーなどの異なる型の基板に堆積されたシリコンのフィルムであってもよい。テクスチャリングステップに先立つプレテクスチャリングステップは、溶液中に界面活性剤を含む、又は1種を超える界面活性剤の混合物を含む、本開示の配合物の使用を含む前処理ステップである。
【0057】
1種又は複数の界面活性剤を含むプレテクスチャリング配合物は、プレテクスチャリングステップ(複数可)及びテクスチャリングステップ(複数可)の後又はその間にウエハーの反射を改善する(減少させる)と考えられる。プレテクスチャリングステップは、界面活性剤を含む本開示のプレテクスチャリング配合物を使用し、テクスチャリングステップは、慣例的に湿性エッチャントとも称される任意の公知のエッチング組成物又はエッチング溶液を利用した任意の標準的テクスチャリング又はエッチングステップであってもよい。例えばテクスチャリングステップは、標準的テクスチャリング浴の中で標準的テクスチャリング溶液を使用してもよい。
【0058】
プレテクスチャリングステップで使用される場合の本開示のプレテクスチャリング配合物は、シリコン表面を清浄する追加的利益を提供し得る。テクスチャリング工程が完了した後、テクスチャリング品質が改善され、高密度で、単結晶シリコンの場合には小さなピラミッドを、そして多結晶シリコンの場合にはより均一なテクスチャリングされた表面を形成して、より低い反射に導く。
【0059】
本開示はさらに、本明細書に開示された1種又は複数のプレテクスチャリング配合物でシリコンウエハーを湿潤するステップを含む、前記ウエハーをテクスチャリングする方法、及び本明細書に記載されたプレテクスチャリング配合物でシリコンウエハーを湿潤するステップを含む、前記ウエハーをテクスチャリングする方法、本明細書に記載されたプレテクスチャリング配合物でシリコンウエハーを湿潤するステップと、エッチング組成物で前記ウエハーを湿潤するステップと、を含む前記ウエハーをテクスチャリングする方法を提供する。上記のプレテクスチャリング配合物のいずれが、本開示の方法で用いられてもよい。
【0060】
本開示のテクスチャリング工程は、少なくとも1つのプレテクスチャリングステップに続いてテクスチャリングステップを含む、多段階テクスチャリング工程であってもよい。多段階テクスチャリング工程はまた、1つ又は複数のすすぎステップ、1つ又は複数の清浄ステップ、1つ又は複数の任意ののこぎり損傷除去ステップ、及び/又は他のステップを含んでもよい。ウエハーは、のこぎり損傷除去ステップの前、テクスチャリング(エッチング)ステップの前、又はのこぎり損傷除去ステップとテクスチャリングステップの両方の前に、本開示のプレテクスチャリング配合物で湿潤されてもよい。
【0061】
ウエハーは、プレテクスチャリングステップ及び/又はテクスチャリングステップの前及び後に別のすすぎステップですすがれてもよい。湿潤は、室温又は高温で実行されてもよい。ウエハーは、本開示のプレテクスチャリング配合物がウエハーに塗布される方法に基づいて変動し得る時間の間、本開示のプレテクスチャリング配合物で湿潤されてもよい。
【0062】
II.エッチャント
本開示は、エッチャントの配合物を提供する。半導体業界は急速に、マイクロエレクトロニクスデバイス、シリコンチップ、液晶ディスプレイ、MEM(微小電子機械システム)、プリント配線基板、及び同様のものの中の電子回路及び電子部品の寸法を減少させ、密度を上昇させつつある。それらの中の集積回路は、層化又は積層されているが、各回路層の間の絶縁層の厚さが一定して減少しており、フィーチャサイズが益々小さくなっている。フィーチャサイズが縮小するにつれ、パターンがより小さくなり、デバイスの性能パラメータがより緊密且つ堅牢になっている。その結果、今まで容認され得た様々な問題が、もはや容認されなくなる、又はより小さなフィーチャサイズによる問題点がより多くなる可能性がある。
【0063】
先進の集積回路の生成では、より高い密度に関連する問題を最小限にするため、そして性能を最適にするために、高k及び低kの両方の絶縁体、並びに種々雑多のバリア層材料が、用いられてきた。
【0064】
タンタル(Ta)及び窒化タンタル(TaN)は、半導体デバイス、液晶ディスプレイ、MEMS(微小電子機械システム)、プリント配線基板、及び同様のものに、そして貴金属、アルミニウム(Al)及び銅(Cu)配線のための接地層及びキャップ層として、用いられる。半導体デバイスでは、バリアメタル、ハードマスク、又はゲート材料として用いられてもよい。
【0065】
これらの適用のためのデバイスの構築では、Ta及びTaNは多くが、エッチングされる必要がある。Ta及びTaNの使用及びデバイス環境の様々なタイプでは、これらの2種の材料がエッチングされるのと同時に、他の層が接触される、又は他の方法で暴露される。これらの他の材料(例えば、金属導体、誘電体及びハードマーク(hard marks))の存在下でのTa及びTaNの高選択性エッチングが、デバイスの歩留まり及び長期寿命のために必要とされる。
【0066】
本開示は、半導体デバイス中に存在する金属導体層、ハードマスク層及び低k誘電体層に比べてTa及び/又はTaNを選択的にエッチングするためのエッチャント工程のための配合物を含む。より具体的には本開示は、銅及び低k誘電体層に比べてTa及び/又はTaNを選択的にエッチングするための組成物及び工程に関する。
【0067】
本開示のエッチャント配合物は、相対的に高いTa/Cu及び/又はTaN/Cuエッチング選択比(即ち、Cuエッチング速度より高い比率のTaエッチング速度、及び/又はCuエッチング速度より高い比率のTaNエッチング速度)を有し得る。幾つかの態様において、エッチング組成物は、約2以上、約3以上、約4以上、約5以上、約6以上、約7以上、約8以上、約9以上、約10以上、約15以上、約20以上、約30以上、約40以上、約50以上、又は約60以下、約70以下、約80以下、約90以下、約100以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内のTa/Cu及び/又はTaN/Cuエッチング選択比を有し得る。
【0068】
本開示のエッチャント配合物は、相対的に高いTa/誘電体材料(例えば、SiO又は低k材料)及び/又はTaN/誘電体材料エッチング選択比(即ち、誘電体材料エッチング速度より高い比率のTaエッチング速度、及び/又は誘電体材料エッチング速度より高い比率のTaNエッチング速度)を有し得る。幾つかの態様において、エッチング組成物は、約2以上、約3以上、約4以上、約5以上、約6以上、約7以上、約8以上、約9以上、約10以上、約15以上、約20以上、約30以上、約40以上、約50以上、又は約60以下、約70以下、約80以下、約90以下、約100以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内のTa/誘電体材料及び/又はTaN/誘電体材料エッチング選択比を有し得る。
【0069】
本開示のエッチャントは、フッ化水素酸(HF)、1つ又は複数の界面活性剤分類から選択される1種又は複数の界面活性剤、1種又は複数の溶媒、場合により1種又は複数の酸化剤、及び1種又は複数の錯化剤を含んでもよい。
【0070】
1.フッ化水素酸
フッ化水素酸は、エッチング工程の際に半導体基板上のTa及び/又はTaNの除去を容易にすること及び増強することができると考えられる。
【0071】
フッ化水素酸は、約0.1wt%以上、約0.2wt%以上、約0.4wt%以上、0.5wt%以上、約0.6wt%以上、約0.8wt%以上、約1.0wt%以上、約1.2wt%以上、約1.4wt%以上、約1.5wt%以上、又は約2.0wt%以下、約2.5wt%以下、約3wt%以下、約3.5wt%以下、約4.0wt%以下、約4.5wt%以下、約5.0wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量でエッチャント配合物中に存在してもよい。
【0072】
2.界面活性剤
本開示のエッチャント配合物は、界面活性剤系とも称される1種又は複数の界面活性剤を含む。界面活性剤は、エッチング組成物の均質性を促して、溶媒への成分(例えば、スルホン酸)の溶解を支援することができる。
【0073】
本開示のエッチャント配合物中での使用のための適切な界面活性剤は、式I
【0074】
【化5】
【0075】
(式中、R及びRは、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC~Cアルキルから成る群より選択されてよく、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素はRでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC~Cアルキルから成る群より選択され、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい)で示される1種又は複数の界面活性剤及び/又は共界面活性剤と;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオンと、を含む。
【0076】
詳細には適切な界面活性剤又は共界面活性剤は、本明細書に記載された界面活性剤1~5のいずれかの1種又は複数を含んでもよい。
【0077】
界面活性剤は、約0.0001wt%以上、約0.01wt%以上、約0.1wt%以上、約0.2wt%以上、約0.3wt%以上、約0.4wt%以上、約0.5wt%以上、又は約0.6wt%以下、約0.7wt%以下、約0.8wt%以下、約0.9wt%以下、約1.0wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量でエッチャント配合物中に存在してもよい。
【0078】
3.溶媒
本開示のエッチャント配合物は、1種又は複数の溶媒を含んでもよい。エッチング組成物は、カルボン酸である第一の溶媒を含んでもよい。第一の溶媒として用いられるカルボン酸は、エッチング工程の間に半導体基板上のTa及び/又はTaNの除去を容易にすること及び増強することができる。
【0079】
適切な第一の溶媒としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、吉草酸、及びカプロン酸などの式:R-COOH(式中、Rは、H又はC~Cアルキルである)で示されるカルボン酸を挙げることができる。
【0080】
第一の溶媒は、本開示のエッチャント配合物の主要成分であり得る。例えば第一の溶媒は、約70wt%以上、約75wt%以上、約80wt%以上、約85wt%以上、又は約90wt%以下、約95wt%以下、約96wt%以下、約97wt%以下、約98wt%以下、約99wt%以下、約99.9wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量でエッチャント配合物中に存在してもよい。
【0081】
或いは本開示のエッチャント配合物は、2種以上の溶媒を含み得る。例えばエッチング組成物は、有機溶媒(カルボン酸でない)及び無機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の第二の溶媒を含み得る。適切な無機溶媒としては、水及び水性溶液が挙げられる。水は、脱イオン水及び超純水であってもよく、有機汚染物質を含有しなくてもよく、約4~約17メガオーム、又は少なくとも約17メガオームの最小抵抗を有してもよい。
【0082】
少なくとも1種の第二の溶媒(例えば、水)は、約0.01wt%以上、約0.1wt%以上、約0.5wt%以上、約1wt%以上、約2wt%以上、約4wt%以上、約5wt%以上、又は約6wt%以下、約7wt%以下、約8wt%以下、約9wt%以下、約10wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で存在してもよい。
【0083】
第二の溶媒は、カルボン酸でない有機溶媒であり得る。例えば有機溶媒は、約0以上、約0.1以上、約0.2以上、約0.3以上、約0.5以上、約1.0以上、約1.5以上、約2.0以上、又は約2.5以下、約3.0以下、約3.5以下、約4.0以下、約4.5以下、約5.0以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の分配係数(logP)を有する疎水性有機溶媒であり得る。
【0084】
本明細書で用いられる分配係数logPは、n-オクタノール及び水の二相系から得られる。幾つかの態様において、有機溶媒は、アルコール又はエーテルであり得る。エーテルは、アルキレングリコールエーテル(例えば、ジアルキレングリコールエーテル、トリアルキレングリコールエーテル、及びテトラアルキレングリコールエーテル)であり得る。そのような有機溶媒の例としては、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、及びジプロピレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。理論に結び付けるのを望むものではないが、疎水性有機溶媒を使用することが、エッチング工程の間にTa又はTaNの除去を低減することなくCuの除去を阻害し得ると考えられる。
【0085】
少なくとも1種の第二の溶媒(例えば、有機溶媒)は、約0.1wt%以上、約0.2wt%以上、約0.4wt%以上、約0.5wt%以上、約0.6wt%以上、約0.8wt%以上、約1.0wt%以上、約1.5wt%以上、約2.0wt%以上、約2.5wt%以上、約5.0wt%以上、又は約6.0wt%以下、約8.0wt%以下、約10wt%以下、約15wt%以下、約20wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で存在してもよい。
【0086】
4.酸化剤
本開示のエッチャント配合物は、マイクロエレクトロニクス適用における使用に適した任意の酸化剤を場合により含み得る。酸化剤は、半導体基板上のTa及び/又はTaNの除去を容易にすること及び増強することができる。適切な酸化剤としては、酸化酸又はその塩(例えば、硝酸、過マンガン酸、又は過マンガン酸カリウム)、過酸化物(例えば、過酸化水素、ジアルキルペルオキシド、過酸化水素尿素)、過スルホン酸(例えば、ヘキサフルオロプロパン過スルホン酸、メタン過スルホン酸、トリフルオロメタン過スルホン酸、又はp-トルエン過スルホン酸)及びその塩、オゾン、過炭酸(例えば、過酢酸)及びその塩、過リン酸及びその塩、過硫酸及びその塩(例えば、過硫酸アンモニウム又は過硫酸テトラメチルアンモニウム)、過塩素酸及びその塩(例えば、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸ナトリウム、又は過塩素酸テトラメチルアンモニウム)、並びに過ヨウ素酸及びその塩(例えば過ヨウ素酸、過ヨウ素酸アンモニウム、又は過ヨウ素酸テトラメチルアンモニウム)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの酸化剤は、単独で、又は組み合わせて用いられ得る。
【0087】
酸化剤は、約0.01wt%以上、約0.02wt%以上、約0.04wt%以上、約0.05wt%以上、約0.06wt%以上、約0.08wt%以上、約0.1wt%以上、約0.15wt%以上、約0.2wt%以上、又は約0.25wt%以下、約0.3wt%以下、約0.35wt%以下、約0.4wt%以下、約0.45wt%以下、約0.5wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量でエッチャント配合物中に存在してもよい。
【0088】
或いは本開示のエッチャント配合物は、酸化剤(例えば、硝酸)を除外し得る。そのような態様において、エッチング組成物はそれでも、パターン化された半導体基板(例えば、パターン化されたウエハー)中の他の材料(例えば、金属導体層、ハードマスク層、及び低k誘電体層)に比べてTa及び/又はTaNを選択的にエッチングすることが可能であり得る。
【0089】
5.錯化剤
本開示のエッチャント配合物は、任意の適切な錯化剤を含んでもよい。錯化剤は、エッチング工程の間にエッチング組成物に暴露されたCuの除去を阻害しながら、半導体基板上のTa及び/又はTaNの除去を容易にすること及び増強することができる。適切な錯化剤は、ポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸からなる群から選択されてもよい。本明細書で用いられる用語「ポリカルボン酸」は、2つ以上の(例えば、2つ、3つ又は4つの)カルボキシル基(COOH)を含有する化合物をいう。適切なポリカルボン酸の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、及びアジピン酸が挙げられる。本明細書で用いられる用語「ヒドロキシカルボン酸」は、少なくとも1つの(例えば、2つ、3つ又は4つの)ヒドロキシル基(OH)と、少なくとも1つの(例えば、2つ、3つ又は4つの)カルボキシル基(COOH)と、を含有する化合物をいう。適切なヒドロキシカルボン酸の例としては、クエン酸及び2-ヒドロキシ安息香酸が挙げられる。幾つかの態様において、ポリカルボン酸は、ヒドロキシル基を含まない。幾つかの態様において、ヒドロキシカルボン酸は、唯一のヒドロキシル基を含む。
【0090】
錯化剤は、約0.1wt%以上、約0.2wt%以上、約0.4wt%以上、約0.5wt%以上、約0.6wt%以上、約0.8wt%以上、約1.0wt%以上、約1.5wt%以上、約2.0wt%以上、約2.5wt%以上、約5.0wt%以上、又は約6.0wt%以下、約6.5wt%以下、約7.0wt%以下、約7.5wt%以下、約8.0wt%以下、約8.5wt%以下、約9.0wt%以下、約9.5wt%以下、約10wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量でエッチャント配合物中に含まれてもよい。
【0091】
6.他の添加剤
本開示のエッチャント配合物は、少なくとも1種のヘキサフルオロシリケート化合物をさらに含んでもよい。以下に記載されるヘキサフルオロシリケート化合物は、エッチング工程の間にエッチング組成物に暴露された誘電体材料(SiO)の除去を阻害しながら、半導体基板上のTa及び/又はTaNの除去を容易にすること及び増強することができる。適切なヘキサフルオロシリケート化合物としては、ヘキサフルオロケイ酸(HSiF)及びその塩が挙げられる。ヘキサフルオロシリケート化合物の具体的例としては、HSiF、NaSiF、KSiF、及び(NHSiFが挙げられる。
【0092】
ヘキサフルオロシリケート化合物は、約0.1wt%以上、約0.2wt%以上、約0.4wt%以上、0.5wt%以上、約0.6wt%以上、約0.8wt%以上、約1.0wt%以上、約1.2wt%以上、約1.4wt%以上、約1.5wt%以上、又は約2.0wt%以下、約2.5wt%以下、約3wt%以下、約3.5wt%以下、約4.0wt%以下、約4.5wt%以下、約5.0wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量でエッチャント配合物中に存在してもよい。
【0093】
本開示のエッチャント配合物は、少なくとも1種のスルホン酸をさらに含んでもよい。スルホン酸は、エッチング工程の間に半導体基板上のTa及び/又はTaNの除去を容易にすること及び増強することができる。適切なスルホン酸の例としては、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、又はドデシルベンゼンスルホン酸が挙げられる。
【0094】
スルホン酸は、約0.1wt%以上、約0.2wt%以上、約0.4wt%以上、約0.5wt%以上、約0.6wt%以上、約0.8wt%以上、約1.0wt%以上、約1.5wt%以上、約2.0wt%以上、約2.5wt%以上、約5.0wt%以上、又は約6.0wt%以下、約6.5wt%以下、約7.0wt%以下、約7.5wt%以下、約8.0wt%以下、約8.5wt%以下、約9.0wt%以下、約9.5wt%以下、約10wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量でエッチャント配合物中に存在してもよい。
【0095】
加えて、本開示のエッチャント配合物は、任意の成分としてpH調整剤、腐食阻害剤、追加的界面活性剤、追加的有機溶媒、殺生物剤、及び消泡剤などの追加的添加剤を含有してもよい。
【0096】
7.作製方法
本開示のエッチング組成物は、単に成分を一緒に混合することにより調製され得、又はキット内の2成分をブレンドすることにより調製されてもよい。キット内の第一の組成物は、酸化剤(例えば、硝酸)の水性溶液であり得る。2つの組成物のブレンディングが、本開示の所望のエッチング組成物を産するように、キット内の第二の組成物は、本開示のエッチング組成物の残りの成分を濃縮形態で所定の比率で含有し得る。
【0097】
8.使用方法
本開示は、Ta及び/又はTaNを含有する半導体基板(例えば、Ta及び/又はTaNを含有するフィーチャ)をエッチングする方法を提供する。該方法は、Ta及び/又はTaNを含有する半導体基板を、本開示のエッチング組成物と接触させて、Ta及び/又はTaNを除去することを含む。該方法は、接触ステップの後に半導体基板をすすぎ溶媒ですすぐこと、及び/又はすすぎステップの後に半導体基板を乾燥させること、をさらに含み得る。幾つかの態様において、該方法は、半導体基板中のCu又は誘電体材料(例えば、SiO)を実質的に除去しない。例えば該方法は、半導体基板中のCu又は誘電体材料を約5重量%より多く(例えば、約3重量%より多く、又は約1重量%より多く)除去しない。
【0098】
エッチング方法は、1)Ta及び/又はTaNを含有する半導体基板を提供するステップと;2)半導体基板を本明細書に記載されたエッチング組成物と接触させるステップと;3)半導体基板を1種又は複数の適切なすすぎ溶媒ですすぐステップと;4)場合により、半導体基板を乾燥させるステップ(例えば、すすぎ溶媒を除去して半導体基板の集積性を損なわない任意の適切な手段による)と、を含んでもよい。
【0099】
この方法でエッチングされるTa及び/又はTaNを含有する半導体基板は、有機残渣及び有機金属残渣、そして追加的に、同じくエッチング工程の際に除去され得る様々な金属酸化物を含有し得る。半導体基板(例えば、ウエハー)は、典型的にはシリコン、シリコンゲルマニウム、GaAsなどのIII-V族化合物、又はそれらの任意の組み合わせで構築される。半導体基板は、追加的に相互接続フィーチャ(例えば、金属線及び誘電体材料)などの露出された集積回路構造を含有し得る。相互接続フィーチャに用いられる金属及び金属合金としては、アルミニウム、銅合金のアルミニウム、銅、チタン、タンタル、コバルト、ケイ素、窒化チタン、窒化タンタル、及びタングステンが挙げられるが、これらに限定されない。半導体基板はまた、層間誘電体、酸化ケイ素、窒化ケイ素、シリコンカーバイド、酸化チタン、及び炭素ドープ酸化ケイ素の層を含有してもよい。
【0100】
半導体基板は、エッチング組成物をタンク内に入れて半導体基板をエッチング組成物に浸すこと及び/若しくは沈めること、エッチング組成物を半導体基板に噴霧すること、エッチング組成物を半導体基板上に流すこと、又はそれらの任意の組み合わせ、などの任意の適切な方法によりエッチング組成物と接触され得る。
【0101】
III.フォトレジスト剥離剤
本開示はさらに、フォトレジスト剥離剤の配合物を提供する。液晶パネルの半導体集積回路及びデバイス回路は、非常に微細な構造を有する。その微細な回路は一般に、基板にコーティングされた絶縁体フィルム又は導電性金属フィルム(それぞれ酸化物フィルム又はAl合金フィルムなど)にフォトレジストを均一にコーティングすること、並びにフォトレジストを露光及び現像して特定のパターンを形成すること、並びにパターン化されたフォトレジストをマスクとして使用することにより金属フィルム又は絶縁体フィルムをエッチングすること、並びにその後、不要なフォトレジストを除去すること、により組み立てられる。
【0102】
フォトレジスト剥離配合物は、基板からフォトレジストを除去する際に用いられる。一般に、フォトレジスト剥離配合物は、低温及び高温の両方で高い剥離力を有さなければならず、基板上に残渣を残留させてはならない。さらに所望の剥離剤は、金属フィルムを腐食させてはならず、大規模液晶ディスプレイパネル回路を組み立てる際に用いられる多量の剥離組成物を考慮してヒト及び環境の両方に危険をほとんど引き起こしてはならない。
【0103】
本開示は、フォトレジストを剥離するための単一ウエハー処理方法と浸漬方法の両方に適したフォトレジスト剥離配合物、詳細には、エアナイフ工程を用いた単一ウエハー処理方法がフォトレジストを剥がすために適用される場合であっても基板上に不純物を残留させない配合物を提供する。
【0104】
本開示はさらに、基板にコーティングされた様々な種類のフィルムに対して良好な剥離力を有し、ベアガラスを清浄する場合に不純物粒子の形成を予防する、フォトレジスト剥離組成物を提供する。
【0105】
高い空気圧を利用した単一ウエハー処理フォトレジスト剥離工程(エアナイフ)及び浸漬工程の両方に適するように、フォトレジスト剥離配合物が良好な剥離力を有し、非腐食性であり、基板上に不純物粒子を形成しないことが、肝要である。
【0106】
基板上の不純物のいずれも効果的に予防するために、剥離配合物は、酸化インジウムスズ(ITO)フィルム、アルミニウム、クロム、窒化ケイ素フィルム及び非晶質ケイ素フィルムなどの様々なLCD層により容易に吸収されなければならない。同じく剥離配合物は、LCD層で均一に低い表面張力を示さなければならない。さらにそれは、低い揮発性及び粘性を有さなければならない。加えて、LCD層の表面と、その表面に滴下された剥離配合物の接触角が、小さく、且つ一定に維持されなければならない。
【0107】
加えて、剥離配合物が様々な種類のLCD層に対して均一な物理的特徴を示すこと、及びLCD製造施設内の粒子の存在をテストする際に、剥離配合物がベアガラス上の不純物粒子の形成を予防し得ること、が望ましい。
【0108】
本開示のフォトレジスト剥離配合物は、アルカノールアミン、スルホキシド又はスルホン化合物、グリコールエーテル、並びに1つ又は複数の界面活性剤分類から選択される1種又は複数の界面活性剤を含む。
【0109】
1.アルカノールアミン
アルカノールアミンは、基板からフォトレジストを剥離する。適切なアルカノールアミンとしては、モノイソプロパノールアミン及びモノエタノールアミンが挙げられる。
【0110】
アルカノールアミンは、約5wt%以上、約6wt%以上、約7wt%以上、約8wt%以上、約9wt%以上、又は約10wt%以下、約11wt%以下、約12wt%以下、約13wt%以下、約14wt%以下、約15wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量でフォトレジスト剥離剤配合物中に存在する。
【0111】
2.スルホキシド又はスルホン
スルホキシド又はスルホン化合物は、フォトレジストを溶解する溶媒として提供され、それは、剥離組成物とLCD層の間の表面張力を制御する。適切な化合物としては、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホン、又はジメチルスルホンが挙げられる。
【0112】
スルホキシド又はスルホン化合物は、約35wt%以上、約40wt%以上、又は約45wt%以下、約50wt%以下、約55wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量でフォトレジスト剥離配合物中に含まれてもよい。
【0113】
3.グリコールエーテル
グリコールエーテルは、前述のスルホキシド又はスルホン化合物と組み合わせて、フォトレジストを溶解して該化合物とLCD層の間の表面張力を制御して、エアナイフフォトレジスト剥離能力を、ジメチルスルホキシド及びモノエタノールアミンからなる組成物よりもはるかに増強するのに役立つ。ジメチスルホキシドは単独で、エアナイフフォトレジスト剥離能力を増強するのに役立つが、モノエタノールアミンとの組み合わせは、エアナイフフォトレジスト剥離能力を大きく低減する。しかし、ジメチルスルホキシド及びモノエタノールアミンからなる化合物中のグリコールエーテルの添加は、該化合物のエアナイフフォトレジスト剥離能力及びフォトレジスト剥離力の両方を上昇させる。
【0114】
適切なグリコールエーテル化合物としては、エチルジグリコール、メチルジグリコール、又はブチルジグリコールが挙げられる。
【0115】
グリコールエーテルは、約35wt%以上、約40wt%以上、又は約45wt%以下、約50wt%以下、約55wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量でフォトレジスト剥離配合物中に含まれてもよい。
【0116】
4.界面活性剤
1種又は複数の界面活性剤が、フォトレジスト剥離剤配合物中に含まれてもよい。界面活性剤は、ベアガラスをすすぎながら、基板上の不純物粒子の生成及び残留を予防してもよい。本開示のフォトレジスト剥離剤配合物中の使用のための適切な界面活性剤は、式I
【0117】
【化6】
【0118】
(式中、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水素及びC~Cアルキルからなる群から選択されてもよく、ここでC~Cアルキルは、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく;nは、2~5(2及び5を含む)の整数であり;mは、9~20(9及び20を含む)の整数であり;末端窒素は、Rで場合によりさらに置換されており、ここでRは、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC~Cアルキルからなる群から選択され、ここでC~Cアルキルは、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよい)で示される1種又は複数の界面活性剤及び/又は共界面活性剤と;存在するならば、塩化物、臭化物、ヨウ化物、及び水酸化物からなる群から選択される、該化合物に会合された任意の対イオンと、を含む。
【0119】
詳細には適切な界面活性剤又は共界面活性剤は、本明細書に記載された界面活性剤1~5のいずれかの1つ又は複数を含んでもよい。
【0120】
フォトレジスト剥離剤配合物は、1種又は複数の界面活性剤を約0.05wt%以上、約0.1wt%以上、約0.2wt%以上、又は約0.3wt%以下、約0.4wt%以下、約0.5wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で含んでもよい。
【0121】
5.他の添加剤
本開示のフォトレジスト剥離剤配合物はさらに、水酸化テトラメチルアンモニウムを1wt%以上、約2wt%以上、約3wt%以上、約4wt%以上、約5wt%以上、又は約6wt%以下、約7wt%以下、約8wt%以下、約9wt%以下、約10wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で含んでもよい。
【0122】
フォトレジスト剥離剤配合物はまた、ベンゼンジオールを約3wt%以上、約4wt%以上、約5wt%以上、約6wt%以上、約7wt%以上、約8wt%以上、約9wt%以上、又は約10wt%以下、約11wt%以下、約12wt%以下、約13wt%以下、約14wt%以下、約15wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で含んでもよい。
【0123】
フォトレジスト剥離配合物はまた、アルキルスルホン酸を約1wt%以上、約2wt%以上、約3wt%以上、約4wt%以上、約5wt%以上、約6wt%以上、約7wt%以上、約8wt%以上、約9wt%以上、又は約10wt%以下、約11wt%以下、約12wt%以下、約13wt%以下、約14wt%以下、約15wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で含んでもよい。
【0124】
VI.界面活性剤
本開示は、農業製品中での使用のための界面活性剤をアミノ酸の誘導体の形態で提供する。アミノ酸は、天然由来若しくは合成であってもよく、又はそれらは、カプロラクタムなどのラクタムの開環反応から得られてもよい。本開示の化合物は、表面活性特性を有することが示されており、例えば界面活性剤及び湿潤剤として用いられてもよい。詳細には本開示は、式I
【0125】
【化7】
【0126】
(式中、R及びRは、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC~Cアルキルから成る群より選択されてよく、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素はRでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC~Cアルキルから成る群より選択され、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい)で示される化合物と;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオンと、を提供する。
【0127】
本開示によって提供される1つの具体的な化合物は、6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド(界面活性剤1)であり、以下の式を有する:
【0128】
【化8】
【0129】
本開示によって提供される第二の具体的な化合物は、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド(界面活性剤2)であり、以下の式を有する:
【0130】
【化9】
【0131】
上記の構造において、「N→O」の表記は、窒素と酸素との間の非イオン性結合相互作用を意味することを意図している。
【0132】
本開示によって提供される第三の具体的な化合物は、6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド(界面活性剤3)であり、以下の式を有する:
【0133】
【化10】
【0134】
本開示によって提供される第四の具体的な化合物は、4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート(界面活性剤4)であり、以下の式を有する:
【0135】
【化11】
【0136】
本開示によって提供される第五の具体的な化合物は、6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド(界面活性剤5)であり、以下の式を有する:
【0137】
【化12】
【0138】
これらの界面活性剤は、様々な方法によって合成され得る。1つのそのような方法は、ラクタムを開環してN末端及びC末端を有するアミノ酸を得ることを含む。N末端を、1又は複数のアルキル化剤及び/又は酸と反応させることで、第四級アンモニウム塩が得られ得る。別の選択肢として、N末端を酸化剤と反応させることで、アミンNオキシドが得られ得る。C末端を、酸の存在下でアルコールと反応させることで、エステルが得られ得る。
【0139】
アミノ酸は、天然若しくは合成であってよい、又はカプロラクタムなどのラクタムの開環反応から誘導されてもよい。開環反応は、酸又はアルカリ触媒反応であってよく、酸触媒反応の例を以下のスキーム1に示す。
【0140】
【化13】
【0141】
アミノ酸は、少なくは1個の又は多くは12個の炭素を、N末端とC末端との間に有し得る。アルキル鎖は、分岐鎖又は直鎖であってよい。アルキル鎖には、窒素、酸素、又は硫黄が介在していてもよい。アルキル鎖は、さらに、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてもよい。N末端窒素は、アシル化又は1若しくは複数のアルキル基でアルキル化されていてもよい。例えば、アミノ酸は、6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸であってよい。
【0142】
界面活性剤1は、以下のスキーム2に示すように合成され得る。示されるように、6-アミノヘキサン酸が、還流下、ギ酸中でホルムアルデヒドで処理されて、6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸が得られる。次に、遊離カルボン酸が、トルエン中、p-トルエンスルホン酸(PTSA)の存在下でドデカノールなどのアルコールで処理されて、対応するエステル、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートが得られる。次に、N-末端が、炭酸ナトリウムの存在下、ヨウ化メチルでアルキル化される。
【0143】
【化14】
【0144】
界面活性剤2は、以下のスキーム3に示すように合成され得る。示されるように、6-アミノヘキサン酸が、還流下、ギ酸中でホルムアルデヒドで処理されて、6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸が得られる。次に、遊離カルボン酸が、トルエン中、p-トルエンスルホン酸(PTSA)の存在下でドデカノールなどのアルコールで処理されて、対応するエステル、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートが得られる。次に、N-末端が過酸化水素で酸化されて、アミンオキシドが得られる。
【0145】
【化15】
【0146】
界面活性剤3は、以下のスキーム4に示すように合成され得る。示されるように、6-アミノヘキサン酸が、還流下、ギ酸中でホルムアルデヒドで処理されて、6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸が得られる。次に、遊離カルボン酸が、トルエン中、p-トルエンスルホン酸(PTSA)の存在下でドデカノールなどのアルコールで処理されて、対応するエステル、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートが得られる。次に、N-末端が、炭酸ナトリウムの存在下、ヨウ化メチルでアルキル化される。
【0147】
【化16】
【0148】
界面活性剤4は、以下のスキーム5に示すように合成され得る。示されるように、6-アミノヘキサン酸が、還流下、ギ酸中でホルムアルデヒドで処理されて、6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸が得られる。次に、遊離カルボン酸が、トルエン中、p-トルエンスルホン酸(PTSA)の存在下でドデカノールなどのアルコールで処理されて、対応するエステル、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートが得られる。次に、N-末端が、還流下の酢酸エチル中、1,4-ブタンスルトンで処理されて、所望されるスルホネートが得られる。
【0149】
【化17】
【0150】
界面活性剤5は、以下のスキーム6に示すように合成され得る。示されるように、6-アミノヘキサン酸が、トルエン中、p-トルエンスルホン酸(PTSA)の存在下でアルコールで処理されて、対応するエステル、ドデシル6-アミノヘキサノエートが得られる。N末端が塩酸でプロトン化されて、所望される塩酸塩が得られる。
【0151】
【化18】
【0152】
本開示の化合物は、表面活性特性を呈する。これらの特性は、様々な方法によって測定し、表され得る。界面活性剤を表し得る1つの方法は、分子の臨界ミセル濃度(CMC)による。CMCは、ミセルを形成する界面活性剤の濃度として定義され得るものであり、それよりも高い濃度では、追加の界面活性剤はすべてミセルに取り込まれる。
【0153】
界面活性剤濃度が上昇するに従って、表面張力は低下する。表面が界面活性剤分子で完全に覆われると、ミセルが形成し始める。この時点が、CMCを、さらには最小表面張力を表している。界面活性剤をさらに添加しても、表面張力にさらに影響を与えることはない。CMCは、したがって、界面活性剤濃度の関数として表面張力の変化を観察することによって測定され得る。この値を測定するためのそのような1つの方法は、ウィルヘルミープレート法である。ウィルヘルミープレートは、通常、ワイヤで天秤に取り付けられた薄いイリジウム-白金プレートであり、空気-液体界面に対して垂直に配置される。天秤を用いて、濡れによってプレートに働く力が測定される。次に、この値を用い、式1に従って表面張力(γ)が算出され:
式1:γ=F/l cosθ
式中、lは、濡れ周長(w及びdをそれぞれプレートの厚さ及び幅とした場合に、2w+2d)に等しく、cosθについては、液体とプレートとの間の接触角は、現存文献値がない場合は0と仮定する。
【0154】
界面活性剤の性能を評価するために用いられる別のパラメータは、動的表面張力である。動的表面張力は、特定の表面又は界面の経過時間に対する表面張力の値である。界面活性剤が添加された液体の場合、これは、平衡値と異なり得る。表面が生成された直後は、表面張力は、純液体の表面張力と等しい。上記で述べたように、界面活性剤は、表面張力を低下させるものであるため、表面張力は、平衡値に到達するまで低下する。平衡に到達するのに要する時間は、界面活性剤の拡散速度及び吸着速度に依存する。
【0155】
動的表面張力を測定する1つの方法は、最大泡圧式張力計によるものである。この装置は、キャピラリーによって液体中に形成された気泡の最大内圧を測定する。測定された値は、気泡形成の開始から最大圧力となるまでの時間である、ある特定の表面経過時間での表面張力に相当する。表面張力の表面経過時間に対する依存性は、気泡が生成される速度を変動させることによって測定することができる。
【0156】
表面活性化合物は、接触角によって測定される固体基材上での湿潤能力によっても評価され得る。液滴が、空気などの第三の媒体中で固体表面と接触する場合、液体、気体、及び固体間で三相線が形成される。三相線で役割を果たしており、液滴の接線である表面張力の単位ベクトルと、表面と、の間の角度が、接触角として表される。接触角(湿潤角としても知られる)は、液体による固体の濡れ性の尺度である。完全濡れの場合、液体は固体上に完全に拡がっており、接触角は0°である。濡れ特性は、典型的には、任意の化合物に対して1~100×CMCの濃度で測定されるが、濃度に依存する特性ではないことから、濡れ特性の測定値は、これよりも高い又は低い濃度で測定されてもよい。
【0157】
1つの方法では、光学接触角ゴニオメーターが、接触角の測定に用いられ得る。この装置は、デジタルカメラ及びソフトウェアを用いて、表面上の液体の静止液滴の輪郭形状を分析することによって接触角を求める。
【0158】
本開示の表面活性化合物に対する考え得る用途としては、シャンプー、ヘアコンディショナー、洗剤、スポットフリーリンス溶液、床及びカーペットクリーナー、落書き除去用の洗浄剤、作物保護用の湿潤剤、作物保護用の補助剤、並びにエアロゾルスプレーコーティング用の湿潤剤として用いるための製剤が挙げられる。
【0159】
当業者であれば、化合物間の少しの相違が、著しく異なる界面活性剤特性に繋がり得ることから、異なる用途においては、異なる基材と共に異なる化合物が用いられ得ることは理解される。
【0160】
以下の限定されない実施形態は、異なる界面活性剤の異なる特性を示すために提供される。以下の表1では、界面活性剤の略称と、それらの対応する化学構造との関連を示している。
【0161】
【表1】
【0162】
5つの化合物の各々は、表面活性剤として有効であり、数ある用途の中でも、湿潤剤又は発泡剤、分散剤、乳化剤、及び洗剤用として有用である。
【0163】
界面活性剤1、界面活性剤3、及び界面活性剤5は、カチオン性である。これらの界面活性剤は、上記で述べた用途、及び表面処理剤などの、パーソナルヘアケア製品などの、いくつかのさらなる特別な用途の両方に有用であり、また、撥水性表面を生成するために用いることもできる。
【0164】
界面活性剤4は、非イオン性であり、シャンプー、洗剤、硬質表面クリーナー、及び様々な他の表面洗浄製剤に用いることができる。
【0165】
界面活性剤5は、双性イオン性である。これらの界面活性剤は、上記で述べた用途のすべてにおける共界面活性剤として有用である。
【0166】
実施例
核磁気共鳴(NMR)分光法は、Bruker 500MHz分光計で行った。臨界ミセル濃度(CMC)は、ウィルヘルミープレート法により、Pt-Irプレートを備えた張力計(DCAT 11,DataPhysics Instruments GmbH)を用いて23℃で特定した。動的表面張力は、最大泡圧式張力計(Kruss BP100,Kruss GmbH)を用いて23℃で特定した。接触角は、デジタルカメラを備えた光学接触角ゴニオメーター(OCA 15 Pro,DataPhysics GmbH)を用いて特定した。
【0167】
例1a:
6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド(界面活性剤1)の合成
6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸(11.99g、75.36mmol)を、Dean-Starkトラップを取り付けた丸底フラスコ中のトルエン(50mL)に溶解した。次に、ドデカノール(12.68g、75.36mmol)及びp-トルエンスルホン酸一水和物(PTSA)(14.33g、75.36mmol)を添加した。反応物を加熱し、Dean-Starkトラップに水が見られなくなるまで、24時間にわたって還流させた。溶媒を真空除去し、得られた固体をヘキサンで洗浄した。固体をジクロロメタン(200mL)に溶解し、飽和炭酸ナトリウムで洗浄して、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートを51%の収率で得た。1H NMR(DMSO)δ 4.00(t,J=6.5Hz,2H),2.27(t,J=7.3Hz,2H),2.13-2.16(m,2H),2.01(s,6H),1.54-1.53(m,6H),1.27-1.18(m,20H),0.86(t,3H)。
【0168】
ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエート(1.0g、3.05mmol)を、アセトニトリル(10mL)中に溶解した。次に、炭酸ナトリウム(0.388g、3.66mmol)を添加し、反応物を室温で10分間撹拌した。ヨウ化メチル(0.57mL、9.16mmol)を添加し、反応混合物を24時間にわたって40℃に加熱し、続いて室温まで冷却した。この混合物をろ過し、濃縮して、6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドを、黄色固体として92%の収率で得た。H NMR (DMSO)δ 4.00(t,J=6.7Hz,2H),3.30-3.22(m,2H),3.04(s,9H),2.34(t,J=7.4Hz,2H),1.70-1.63(m,2H),1.62-1.46(m,4H),1.31-1.20(m,20H),0.86(t,J=6.9Hz,3H)。
【0169】
例1b:
界面活性剤1の臨界ミセル濃度(CMC)の特定
臨界ミセル濃度(CMC)を調べた。水中での濃度と共に変化する表面張力から、CMCは、約1mmolであると特定した。この界面活性剤で到達可能である最小表面張力のプラトー値は、約33mN/m、すなわち33mN/m±3.3mN/mである。図1は、これらの結果のプロットであり、表面張力対濃度を示している。プロットから、表面張力は、CMCでは約34mN/mであり、1.0mmol以上の濃度では、約33.8mN/mである。
【0170】
例1c:
界面活性剤1の動的表面張力の特定
動的表面張力を、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時での変化を測定する最大泡圧式張力計で特定した。図2は、表面張力対時間としての結果のプロットを表し、1ms~75msの時間間隔で、表面張力が約55.5mN/mから約39.9mN/mに急速に低下することを示している。75ms~50,410msの時間間隔では、表面張力は、約39.9mN/mから約34mN/mにゆっくり低下し、CMCでの表面張力の飽和値に漸近的に近づいている。
【0171】
例1d:
界面活性剤1の濡れ特性の特定
表面張力及び表面動態に加えて、化合物の濡れ特性を様々な表面上で試験した。例えば、ポリエチレン-HDなどの疎水性基材は、接触角32°の表面濡れを呈する。テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基材上では、測定した接触角は、水よりも非常に低く、67.1°であった(表2)。
【0172】
【表2】
【0173】
例2a:
ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド(界面活性剤2)の合成
6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸(11.99g、75.36mmol)を、Dean-Starkトラップを取り付けた丸底フラスコ中のトルエン(50mL)に溶解した。次に、ドデカノール(12.68g、75.36mmol)及びp-トルエンスルホン酸一水和物(PTSA)(14.33g、75.36mmol)を添加した。反応物を加熱し、Dean-Starkトラップに水が見られなくなるまで、24時間にわたって還流させた。溶媒を真空除去し、得られた固体をヘキサンで洗浄した。固体をジクロロメタン(200mL)に溶解し、飽和炭酸ナトリウムで洗浄して、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートを51%の収率で得た。H NMR(DMSO)δ 4.00(t,J=6.5Hz,2H),2.27(t,J=7.3Hz,2H),2.13-2.16(m,2H),2.01(s,6H),1.54-1.53(m,6H),1.27-1.18(m,20H),0.86(t,3H)。
【0174】
ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエート(1.0g、3.05mmol)を、蒸留水(80mL)中に溶解した。過酸化水素(50%溶液、1.04g、30.5mmol)を添加した。反応物を加熱して12時間還流し、次に溶媒を真空除去した。得られた固体をアセトンで洗浄して、所望されるN-オキシドを90%の収率で得た。H NMR(500MHz,DMSO)δ 4.00(t,J=6.6Hz,2H),3.30-3.26(m,2H),3.18(s,6H),2.31(t,J=7.4Hz,2H),1.76-1.73(m,2H),1.54-1.57(m,4H),1.30-1.24(m,22H),0.86(t,J=6.9Hz,3H)。
【0175】
例2b:
界面活性剤2の臨界ミセル濃度(CMC)の特定
臨界ミセル濃度(CMC)を調べた。水中での濃度と共に変化する表面張力から、CMCは、約0.08mmolであると特定した。この界面活性剤で到達可能である最小表面張力のプラトー値は、約28mN/m、すなわち28mN/m±2.8mN/mである。図3は、これらの結果のプロットであり、表面張力対濃度を示している。結果のプロットから、CMCでの表面張力は、約30mN/m以下である。プロットはさらに、0.08mmol以上の濃度において、表面張力が30mN/m以下であることも示している。
【0176】
例2c:
界面活性剤2の動的表面張力の特定
動的表面張力を、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時での変化を測定する最大泡圧式張力計で特定した。図4は、表面張力対時間のプロットを表し、化合物が、およそ7.6秒で表面を完全に飽和したことを示している。プロットから分かるように、動的表面張力は、4900ms以上の表面経過時間で、40mN/m以下である。
【0177】
例2d:
界面活性剤2の濡れ特性の特定
表面張力及び表面動態に加えて、化合物の濡れ特性を様々な表面上で試験した。例えば、ポリエチレン-HDなどの疎水性基材は、水よりも非常に低い接触角39.3°の表面濡れを呈する。テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基材上では、測定した接触角は、水よりも非常に低く、57.4°であった(表3)。
【0178】
【表3】
【0179】
例3a:
6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド(界面活性剤3)の合成
6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸(11.99g、75.36mmol)を、Dean-Starkトラップを取り付けた丸底フラスコ中のトルエン(50mL)に溶解した。次に、ドデカノール(12.68g、75.36mmol)及びp-トルエンスルホン酸一水和物(PTSA)(14.33g、75.36mmol)を添加した。反応物を加熱し、Dean-Starkトラップに水が見られなくなるまで、24時間にわたって還流させた。溶媒を真空除去し、得られた固体をヘキサンで洗浄した。固体をジクロロメタン(200mL)に溶解し、飽和炭酸ナトリウムで洗浄して、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートを51%の収率で得た。1H NMR(DMSO)δ 4.00(t,J=6.5Hz,2H),2.27(t,J=7.3Hz,2H),2.13-2.16(m,2H),2.01(s,6H),1.54-1.53(m,6H),1.27-1.18(m,20H),0.86(t,3H)。
【0180】
ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエート(100mg、0.305mmol)を、水(10mL)中に溶解した。濃塩酸(11.14mg、0.305mmol)を添加した。
【0181】
例3b:
界面活性剤3の臨界ミセル濃度(CMC)の特定
臨界ミセル濃度(CMC)を調べた。水中での濃度と共に変化する表面張力から、CMCは、約1.4mmolであると特定した。この界面活性剤で到達可能である最小表面張力のプラトー値は、約30mN/m、すなわち30mN/m±3mN/mである。図5は、これらの結果のプロットであり、表面張力対濃度を示している。結果のプロットから、CMCでの表面張力は、約30mN/m以下である。プロットはさらに、2.7mmol以上の濃度において、表面張力が33mN/m以下であることも示している。
【0182】
例3c:
界面活性剤3の動的表面張力の特定
動的表面張力を、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時での変化を測定する最大泡圧式張力計で特定した。図6は、表面張力対時間のプロットを表し、1~100msの時間間隔で、表面張力が約50mN/mから約40mN/mに急速に低下することを示している。100~50000msの時間間隔では、表面張力は、40mN/mから約34mN/mにゆっくり低下し、CMCでの表面張力の飽和値に漸近的に近づいている。
【0183】
例3d:
界面活性剤3の濡れ特性の特定
表面張力及び表面動態に加えて、化合物の濡れ特性を様々な表面上で試験した。例えば、ポリエチレン-HDなどの疎水性基材は、接触角42.5°の表面濡れを呈する。テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基材上では、測定した接触角は、水よりも非常に低く、66.6°であった(表4)。
【0184】
【表4】
【0185】
例4a:
4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート(界面活性剤4)の合成
6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸(11.99g、75.36mmol)を、Dean-Starkトラップを取り付けた丸底フラスコ中のトルエン(50mL)に溶解した。次に、ドデカノール(12.68g、75.36mmol)及びp-トルエンスルホン酸一水和物(PTSA)(14.33g、75.36mmol)を添加した。反応物を加熱し、Dean-Starkトラップに水が見られなくなるまで、24時間にわたって還流させた。溶媒を真空除去し、得られた固体をヘキサンで洗浄した。固体をジクロロメタン(200mL)に溶解し、飽和炭酸ナトリウムで洗浄して、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートを51%の収率で得た。1H NMR(DMSO)δ 4.00(t,J=6.5Hz,2H),2.27(t,J=7.3Hz,2H),2.13-2.16(m,2H),2.01(s,6H),1.54-1.53(m,6H),1.27-1.18(m,20H),0.86(t,3H)。
【0186】
ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエート(1.0g、3.05mmol)を、酢酸エチル(30mL)中に溶解した。次に、1,4-ブタンスルトン(0.62g、4.57mmol)を添加し、この混合物を加熱して12時間還流した。反応物を室温まで冷却し、溶媒を真空除去した。1H NMR(DMSO)δ 4.00(t,J=6.7Hz,2H),3.29-3.15(m,4H),2.97(s,6H),2.47(t,J=7.4Hz,2H),2.33(t,J=7.4Hz,2H),1.81-1.70(m,2H),1.66-1.55(m,6H),1.32-1.23(m,20H),0.86(t,J=6.9Hz,3H)。
【0187】
例4b:
界面活性剤4の臨界ミセル濃度(CMC)の特定
臨界ミセル濃度(CMC)を調べた。水中での濃度と共に変化する表面張力から、CMCは、約0.1mmolであると特定した。この界面活性剤で到達可能である最小表面張力のプラトー値は、約38mN/m、すなわち38mN/m±3.8mN/mである。図7は、これらの結果のプロットであり、表面張力対濃度を示している。結果のプロットから、表面張力は、CMCでは約38mN/mであり、1mmol以上の濃度では、表面張力は37mN/m以下である。
【0188】
例4c:
界面活性剤4の動的表面張力の特定
動的表面張力を、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時での変化を測定する最大泡圧式張力計で特定した。図8は、表面張力対時間のプロットを表し、化合物が、およそ1秒で表面を完全に飽和したことを示している。プロットから、動的表面張力は、4000ms以上の表面経過時間で、40.5mN/m以下である。
【0189】
例4d:
界面活性剤4の濡れ特性の特定
表面張力及び表面動態に加えて、化合物の濡れ特性を様々な表面上で試験した。例えば、ポリエチレン-HDなどの疎水性基材は、接触角46.5°の表面濡れを呈する。テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基材上では、測定した接触角は、水よりも非常に低く、62.7°であった(表5)。
【0190】
【表5】
【0191】
例5a:
6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド(界面活性剤5)の合成
6-アミノヘキサン酸(5.0g、38.11mmol)を、Dean-Starkトラップを取り付けた丸底フラスコ中のトルエン(50mL)に溶解した。次に、ドデカノール(6.41g、38.11mmol)及びp-トルエンスルホン酸一水和物(PTSA)(7.24g、38.11mmol)を添加した。反応物を加熱し、Dean-Starkトラップに水が見られなくなるまで、24時間にわたって還流させた。溶媒を真空除去し、得られた固体をヘキサンで洗浄した。固体をジクロロメタン(200mL)に溶解し、飽和炭酸ナトリウムで洗浄して、ドデシル6-アミノヘキサノエートを40%の収率で得た。
【0192】
ドデシル6-アミノヘキサノエート(100mg、0.363mmol)を、水(10mL)中に溶解した。次に、濃塩酸(13.23mg、0.363mmol)を添加した。
【0193】
例5b:
界面活性剤5の臨界ミセル濃度(CMC)の特定
臨界ミセル濃度(CMC)を調べた。水中での濃度と共に変化する表面張力から、CMCは、約0.75mmolであると特定した。この界面活性剤で到達可能である最小表面張力のプラトー値は、約23mN/m、すなわち23mN/m±2.3mN/mである。図9は、これらの結果のプロットであり、表面張力対濃度を示している。結果のプロットから、表面張力は、CMCでは約23mN/mであり、0.7mmol以上の濃度では、表面張力は23.2mN/m以下である。
【0194】
例5c:
界面活性剤5の動的表面張力の特定
動的表面張力を、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時での変化を測定する最大泡圧式張力計で特定した。図10は、表面張力対時間のプロットを示し、化合物が、およそ1.5秒で表面を完全に飽和したことを示している。プロットから、動的表面張力は、3185ms以上の表面経過時間で、28.5mN/m以下である。
【0195】
例5d:
界面活性剤5の濡れ特性の特定
表面張力及び表面動態に加えて、化合物の濡れ特性を様々な表面上で試験した。例えば、ポリエチレン-HDなどの疎水性基材は、非常に低い接触角16.6°の表面濡れを呈する。テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基材上では、測定した接触角は、水よりも非常に低く、39.3°であった(表6)。
【0196】
【表6】
【0197】
実施例6:
プレテクスチャリング剤のための配合物
この実施例では、本明細書に記載された界面活性剤1~5の1つ又は複数であり得る界面活性剤を含むプレテクスチャリング剤のための配合物が、提供される。該配合物の成分が、以下の表7に示される。
【0198】
【表7】
【0199】
実施例7
エッチャントのための配合物
この実施例では、本明細書に記載された界面活性剤1~5の1つ又は複数であり得る界面活性剤を含むエッチャントとしての使用のための配合物が、提供される。該配合物が、以下の表8に示される。
【0200】
【表8】
【0201】
実施例8
フォトレジスト剥離剤のための配合物
この実施例では、本明細書に記載された界面活性剤1~5の1つ又は複数であり得る界面活性剤を含むフォトレジスト剥離剤としての使用のための配合物が、提供される。該配合物が、以下の表9に示される。
【0202】
【表9】
【0203】
形態
形態1は、式I
【0204】
【化19】
【0205】
(式中、R及びRは、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC~Cアルキルから成る群より選択されてよく、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素はRでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC~Cアルキルから成る群より選択され、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい)で示される少なくとも1種の界面活性剤と;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオンと;1種又は複数の溶媒と、を含む、プレテクスチャリング剤のための配合物である。
【0206】
形態2は、1種又は複数の酸をさらに含む、形態1の配合物である。
【0207】
形態3は、1種又は複数の塩基をさらに含む、形態1又は形態2のどちらかの配合物である。
【0208】
形態4は、1種又は複数のキレート化剤をさらに含む、形態1~3のいずれかの配合物である。
【0209】
形態5は、界面活性剤が以下の式:
【0210】
【化20】
【0211】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、形態1~4のいずれかによる配合物である。
【0212】
形態6は、界面活性剤が以下の式:
【0213】
【化21】
【0214】
を有するドデシル 6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、形態1~4のいずれかによる配合物である。
【0215】
形態7は、界面活性剤が以下の式:
【0216】
【化22】
【0217】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、形態1~4のいずれかによる配合物である。
【0218】
形態8は、界面活性剤が以下の式:
【0219】
【化23】
【0220】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、形態1~4のいずれかによる配合物である。
【0221】
形態9は、界面活性剤が以下の式:
【0222】
【化24】
【0223】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、形態1~4のいずれかによる配合物である。
【0224】
形態10は、式I
【0225】
【化25】
【0226】
(式中、R及びRは、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC~Cアルキルから成る群より選択されてよく、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素はRでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC~Cアルキルから成る群より選択され、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい)で示される少なくとも1種の界面活性剤と;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオンと;1種又は複数の消泡剤と、を含む、プレテクスチャリング剤のための配合物である。
【0227】
形態11は、1種又は複数の酸をさらに含む、形態10の配合物である。
【0228】
形態12は、1種又は複数の塩基をさらに含む、形態10又は形態11のどちらかの配合物である。
【0229】
形態13は、1種又は複数のキレート化剤をさらに含む、形態10~12のいずれかの配合物である。
【0230】
形態14は、1種又は複数の溶媒をさらに含む、形態10~13のいずれかの配合物である。
【0231】
形態15は、界面活性剤が以下の式:
【0232】
【化26】
【0233】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、形態10~14のいずれかによる配合物である。
【0234】
形態16は、界面活性剤が以下の式:
【0235】
【化27】
【0236】
を有するドデシル 6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、形態10~14のいずれかによる配合物である。
【0237】
形態17は、界面活性剤が以下の式:
【0238】
【化28】
【0239】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、形態10~14のいずれかによる配合物である。
【0240】
形態18は、界面活性剤が以下の式:
【0241】
【化29】
【0242】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、形態10~14のいずれかによる配合物である。
【0243】
形態19は、界面活性剤が以下の式:
【0244】
【化30】
【0245】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、形態10~14のいずれかによる配合物である。
【0246】
形態20は、式I
【0247】
【化31】
【0248】
(式中、R及びRは、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC~Cアルキルから成る群より選択されてよく、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素はRでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC~Cアルキルから成る群より選択され、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい)で示される少なくとも1種の界面活性剤と;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオンと;フッ化水素酸(HF)と、を含む、エッチャントのための配合物である。
【0249】
形態21は、1種又は複数の酸化剤をさらに含む、形態20の配合物である。
【0250】
形態22は、1種又は複数のキレート化剤をさらに含む、形態20又は形態21のどちらかの配合物である。
【0251】
形態23は、界面活性剤が以下の式:
【0252】
【化32】
【0253】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、形態20~22のいずれかによる配合物である。
【0254】
形態24は、界面活性剤が以下の式:
【0255】
【化33】
【0256】
を有するドデシル 6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、形態20~22のいずれかによる配合物である。
【0257】
形態25は、界面活性剤が以下の式:
【0258】
【化34】
【0259】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、形態20~22のいずれかによる配合物である。
【0260】
形態26は、界面活性剤が以下の式:
【0261】
【化35】
【0262】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、形態20~22のいずれかによる配合物である。
【0263】
形態27は、界面活性剤が以下の式:
【0264】
【化36】
【0265】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、形態20~22のいずれかによる配合物である。
【0266】
形態28は、式I
【0267】
【化37】
【0268】
(式中、R及びRは、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC~Cアルキルから成る群より選択されてよく、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素はRでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC~Cアルキルから成る群より選択され、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい)で示される少なくとも1種の界面活性剤と;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオンと;アルカノールアミンと、を含む、フォトレジスト剥離配合物のための配合物である。
【0269】
形態29は、スルホキシドをさらに含む、形態28の配合物である。
【0270】
形態30は、スルホンをさらに含む、形態28の配合物である。
【0271】
形態31は、グリコールエーテルをさらに含む、形態28~30のいずれかの配合物である。
【0272】
形態32は、界面活性剤が以下の式:
【0273】
【化38】
【0274】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、形態28~31のいずれかによる配合物である。
【0275】
形態33は、界面活性剤が以下の式:
【0276】
【化39】
【0277】
を有するドデシル 6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、形態28~31のいずれかによる配合物である。
【0278】
形態34は、界面活性剤が以下の式:
【0279】
【化40】
【0280】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、形態28~31のいずれかによる配合物である。
【0281】
形態35は、界面活性剤が以下の式:
【0282】
【化41】
【0283】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、形態28~31のいずれかによる配合物である。
【0284】
形態36は、界面活性剤が以下の式:
【0285】
【化42】
【0286】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、形態28~31のいずれかによる配合物である。
【0287】
形態37は、式I
【0288】
【化43】
【0289】
(式中、R及びRは、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC~Cアルキルから成る群より選択されてよく、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素はRでさらに置換されてもよく、この場合Rは、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC~Cアルキルから成る群より選択され、C~Cアルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい)で示される少なくとも1種の界面活性剤と;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオンと;1種又は複数の溶媒及び1種又は複数の消泡剤の少なくとも1つと、を含む、プレテクスチャリング剤のための配合物である。
【0290】
形態38は、1種又は複数の酸をさらに含む、形態37の配合物である。
【0291】
形態39は、1種又は複数の塩基をさらに含む、形態37又は形態38のどちらかの配合物である。
【0292】
形態40は、1種又は複数のキレート化剤をさらに含む、形態37~39のいずれかの配合物である。
【0293】
形態41は、界面活性剤が以下の式:
【0294】
【化44】
【0295】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド;
以下の式:
【0296】
【化45】
【0297】
を有するドデシル 6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド;
以下の式:
【0298】
【化46】
【0299】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;
以下の式:
【0300】
【化47】
【0301】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート;
以下の式:
【0302】
【化48】
【0303】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;及び
それらの組み合わせ、
の少なくとも1つを含む、形態37~40のいずれかによる配合物である。
【0304】
形態42は、界面活性剤が以下の式:
【0305】
【化49】
【0306】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド;
以下の式:
【0307】
【化50】
【0308】
を有するドデシル 6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド;
以下の式:
【0309】
【化51】
【0310】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;
以下の式:
【0311】
【化52】
【0312】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート;
以下の式:
【0313】
【化53】
【0314】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;及び
それらの組み合わせ、
の少なくとも1つを含む、形態20~22のいずれかによる配合物である。
【0315】
形態43は、界面活性剤が以下の式:
【0316】
【化54】
【0317】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド;
以下の式:
【0318】
【化55】
【0319】
を有するドデシル 6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド;
以下の式:
【0320】
【化56】
【0321】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;
以下の式:
【0322】
【化57】
【0323】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート;
以下の式:
【0324】
【化58】
【0325】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;及び
それらの組み合わせ、
の少なくとも1つを含む、形態28~31のいずれかによる配合物である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10