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特許7465383注文受付管理システム、注文受付管理方法、及び注文受付管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】注文受付管理システム、注文受付管理方法、及び注文受付管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20240403BHJP
【FI】
G06Q50/12
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023033145
(22)【出願日】2023-03-03
【審査請求日】2023-03-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504301432
【氏名又は名称】株式会社カカクコム
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】福田 将大
(72)【発明者】
【氏名】磯田 賢史
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-134969(JP,A)
【文献】特許第6562482(JP,B1)
【文献】特開2020-129334(JP,A)
【文献】特開2018-156433(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2018-0040540(KR,A)
【文献】韓国登録特許第1972487(KR,B1)
【文献】特開2022-091354(JP,A)
【文献】特開2022-136984(JP,A)
【文献】特開2021-101325(JP,A)
【文献】特開2020-149519(JP,A)
【文献】国際公開第2020/090020(WO,A1)
【文献】特開2021-077415(JP,A)
【文献】特開2013-069074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
来店者の有する来店者端末を通じて店舗の座席に対応した座席情報を取得する座席情報取得部と、
前記来店者端末に対応した認証情報を生成し、前記座席情報と前記認証情報との組み合わせからなる認証コードを生成する認証コード付与部と、
前記来店者端末を通じての前記店舗内のメニュー情報の閲覧を受け付けて前記来店者端末へ前記メニュー情報を送信する閲覧受付部と、
前記来店者端末を通じての前記メニュー情報に掲載のメニューの注文を受け付ける注文受付部と、
前記店舗における所定条件を契機に前記認証コードを失効させる失効処理部と、
を備え、
前記閲覧受付部の前記メニュー情報の閲覧の受け付け際し、前記来店者端末前記認証コードと登録された前記認証コードとが照合され、または、
前記注文受付部の前記メニューの注文の受け付けに際し、前記来店者端末の前記認証コードと、登録された前記認証コードとが照合され、
前記認証コードと、登録された前記認証コードとが互いに所定の関係性満たていることを前記メニュー情報の閲覧の受け付け、または、前記メニューの注文の受け付けの契機とする
ことを特徴とする注文受付管理システム。
【請求項2】
前記閲覧受付部の前記メニュー情報の閲覧の受け付け際し、前記来店者端末前記認証コードと登録された前記認証コードとが照合され、かつ、
前記注文受付部の前記メニューの注文の受け付けに際し、前記来店者端末の前記認証コードと、登録された前記認証コードとが照合され、
前記認証コードと、登録された前記認証コードとが互いに所定の関係性満たていることを前記メニュー情報の閲覧の受け付け、及び、前記メニューの注文の受け付けの契機とする請求項1に記載の注文受付管理システム。
【請求項3】
前記認証コード付与部は前記来店者端末に備えられ、前記来店者に対応した認証情報を生成し、前記座席情報と前記認証情報との組み合わせからなる認証コードを生成し、前記認証コードを登録する請求項1に記載の注文受付管理システム。
【請求項4】
前記店舗における前記来店者の決済完了を受け付ける決済受付部を備える請求項1に記載の注文受付管理システム。
【請求項5】
前記認証コード付与部は、前記来店者端末が複数台であり各々の前記来店者端末が単一の前記座席情報を取得した場合、各々の前記来店者端末に対して互いに異なる前記認証情報を生成し、各々の前記来店者端末に対して互いに異なる前記認証コードを生成し各々の前記来店者端末へ送信する請求項1に記載の注文受付管理システム。
【請求項6】
前記座席情報は二次元バーコードである請求項1に記載の注文受付管理システム。
【請求項7】
前記認証情報は、前記座席情報取得部が前記座席情報を取得した時刻を有する請求項1に記載の注文受付管理システム。
【請求項8】
前記認証コード付与部は、前記認証コードを予め所定数備え、所定数の中から順送りにより前記認証コードを指定する請求項1に記載の注文受付管理システム。
【請求項9】
前記座席情報の更新に際し、
前記店舗の前記座席に対応した更新後の座席数及び座席配置を受け付ける更新座席受付部と、
前記更新後の座席数及び座席配置に対応した更新後の前記座席情報を生成する座席情報生成部と、が備えられる請求項1に記載の注文受付管理システム。
【請求項10】
前記失効処理部における所定条件は、少なくとも前記来店者からの会計の依頼を契機とする請求項1に記載の注文受付管理システム。
【請求項11】
前記失効処理部における前記認証コードの失効は、前記店舗からの退店を契機とする請求項1に記載の注文受付管理システム。
【請求項12】
前記注文受付部は、前記来店者端末からの失効した前記認証コードによる前記メニューの注文の受け付けを拒絶する請求項11に記載の注文受付管理システム。
【請求項13】
コンピュータが、
来店者の有する来店者端末を通じて店舗の座席に対応した座席情報を取得する座席情報取得ステップと、
前記来店者端末に対応した認証情報を生成し、前記座席情報と前記認証情報との組み合わせからなる認証コードを生成する認証コード付与ステップと、
前記来店者端末を通じての前記店舗内のメニュー情報の閲覧を受け付けて前記来店者端末へ前記メニュー情報を送信する閲覧受付ステップと、
前記来店者端末を通じての前記メニュー情報に掲載のメニューの注文を受け付ける注文受付ステップと、
前記店舗における所定条件を契機に前記認証コードを失効させる失効処理ステップと、
を実行し、
前記閲覧受付ステップの前記メニュー情報の閲覧の受け付け際し、前記来店者端末前記認証コードと登録された前記認証コードとが照合され、または、
前記注文受付ステップの前記メニューの注文の受け付けに際し、前記来店者端末の前記認証コードと、登録された前記認証コードとが照合され、
前記認証コードと、登録された前記認証コードとが互いに所定の関係性満たていることを前記メニュー情報の閲覧の受け付け、または、前記メニューの注文の受け付けの契機とする
ことを特徴とする注文受付管理方法。
【請求項14】
コンピュータに、
来店者の有する来店者端末を通じて店舗の座席に対応した座席情報を取得する座席情報取得機能と、
前記来店者端末に対応した認証情報を生成し、前記座席情報と前記認証情報との組み合わせからなる認証コードを生成する認証コード付与機能と、
前記来店者端末を通じての前記店舗内のメニュー情報の閲覧を受け付けて前記来店者端末へ前記メニュー情報を送信する閲覧受付機能と、
前記来店者端末を通じての前記メニュー情報に掲載のメニューの注文を受け付ける注文受付機能と、
前記店舗における所定条件を契機に前記認証コードを失効させる失効処理機能と、を実現させ、
前記閲覧受付機能の前記メニュー情報の閲覧の受け付け際し、前記来店者端末前記認証コードと登録された前記認証コードとが照合され、または、
前記注文受付機能の前記メニューの注文の受け付けに際し、前記来店者端末の前記認証コードと、登録された前記認証コードとが照合され、
前記認証コードと、登録された前記認証コードとが互いに所定の関係性満たていることを前記メニュー情報の閲覧の受け付け、または、前記メニューの注文の受け付けの契機とする
ことを特徴とする注文受付管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文受付管理システム、注文受付管理方法、及び注文受付管理プログラムに関し、特に飲食店等への来店者の有する端末を通じてのメニュー注文における注文受付管理システム、注文受付管理方法、及び注文受付管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に飲食店における来店者からの注文の受け付けでは、店舗従業員が来店者の座る座席に出向き、店舗従業員の保有する端末を通じて受け付けていた。また、座席に設置された注文用の端末から来店者自身が注文を入力していた。
【0003】
ここで、店舗運営側にあっては、来店者からの迅速な注文の受付と飲食物の提供が急務である。しかしながら店舗内の従業員数の増加は経費の増大となる。また、座席設置の注文用端末の導入に際しても導入、運営の経費負担が増す。
【0004】
このようなことから、店舗における注文の受け付けに際し、来店者の保有する端末(来店者端末)、いわゆるスマートフォン等を介して、直接店舗側に注文可能とするシステムが提案されている(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-151934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
来店者の保有する端末を店舗内における飲食物の注文用の端末として利用することにより、店舗内の従業員数の削減は可能となり、また、店舗側の機器導入の経費負担も圧縮されることとなり、店舗側の利点が大きい。しかしながら、来店者の保有する端末を活用するため、店舗内における来店者の誤着席、来店者の入退店の把握、誤った注文の発生等の問題も露見し始めている。
【0007】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、来店者の保有する端末を用いる店舗における注文の受け付けに際し、誤った注文、不正な注文等を防ぎ、店舗の安全性を高めた注文受付管理システム、注文受付管理方法、及び注文受付管理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、実施形態の注文受付管理システムは、来店者の有する来店者端末を通じて店舗の座席に対応した座席情報を取得する座席情報取得部と、来店者に対応した認証情報を生成し、座席情報と認証情報との組み合わせからなる認証コードを生成する認証コード付与部と、来店者端末を通じての店舗内のメニュー情報の閲覧を受け付けて来店者端末へメニュー情報を送信する閲覧受付部と、来店者端末を通じてのメニュー情報に掲載のメニューの注文を受け付ける注文受付部と、店舗における所定条件を契機に認証コードを失効させる失効処理部とを備え、閲覧受付部の前記メニュー情報の閲覧の受け付け、または、注文受付部の前記メニューの注文の受け付けに際し、前記認証コードと登録された前記認証コードとが照合され、互いに所定の関係性が満たされていることを契機とすることを特徴とする。
【0009】
さらに、注文受付管理システムにおいて、閲覧受付部のメニュー情報の閲覧の受け付け、及び、注文受付部のメニューの注文の受け付けに際し、認証コードと登録された認証コードとが照合され、互いに所定の関係性が満たされていることを契機とすることとしてもよい。
【0010】
さらに、注文受付管理システムにおいて、認証コード付与部は、来店者に対応した認証情報を生成し、座席情報と前記認証情報との組み合わせからなる認証コードを生成し、認証コードを登録するとともに認証コードを来店者端末へ送信することとしてもよい。
【0011】
さらに、注文受付管理システムにおいて、認証コード付与部は来店者端末に備えられ、来店者に対応した認証情報を生成し、座席情報と認証情報との組み合わせからなる認証コードを生成し、認証コードを登録することとしてもよい。
【0012】
さらに、注文受付管理システムは、店舗における来店者の決済完了を受け付ける決済受付部を備えることとしてもよい。
【0013】
さらに、注文受付管理システムの認証コード付与部は、来店者端末が複数台であり各々の来店者端末が単一の座席情報を取得した場合、各々の来店者端末に対して互いに異なる認証情報を生成し、各々の来店者端末に対して互いに異なる認証コードを生成し各々の来店者端末へ送信することとしてもよい。
【0014】
さらに、注文受付管理システムにおける座席情報は二次元バーコードであることとしてもよい。
【0015】
さらに、注文受付管理システムにおける認証情報は、座席情報取得部が座席情報を取得した時刻を有することとしてもよい。
【0016】
さらに、注文受付管理システムの認証コード付与部は、認証コードを予め所定数備え、所定数の中から順送りにより認証コードを指定することとしてもよい。
【0017】
さらに、注文受付管理システムにおける座席情報の更新に際し、店舗の座席に対応した更新後の座席数及び座席配置を受け付ける更新座席受付部と、更新後の座席数及び座席配置に対応した更新後の座席情報を生成する座席情報生成部とが備えられることとしてもよい。
【0018】
さらに、注文受付管理システムの失効処理部における所定条件は、少なくとも前記来店者からの会計の依頼を契機とすることとしてもよい。
【0019】
さらに、注文受付管理システムの失効処理部における認証コードの失効は、店舗からの退店を契機とすることとしてもよい。
【0020】
さらに、注文受付管理システムの注文受付部は、来店者端末からの失効した認証コードによるメニューの注文の受け付けを拒絶することとしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の注文受付管理システムによると、来店者の有する来店者端末を通じて店舗の座席に対応した座席情報を取得する座席情報取得部と、来店者に対応した認証情報を生成し、座席情報と認証情報との組み合わせからなる認証コードを生成する認証コード付与部と、来店者端末を通じての店舗内のメニュー情報の閲覧を受け付けて来店者端末へメニュー情報を送信する閲覧受付部と、来店者端末を通じてのメニュー情報に掲載のメニューの注文を受け付ける注文受付部と、店舗における所定条件を契機に認証コードを失効させる失効処理部とを備え、閲覧受付部の前記メニュー情報の閲覧の受け付け、または、注文受付部の前記メニューの注文の受け付けに際し、前記認証コードと登録された前記認証コードとが照合され、互いに所定の関係性が満たされていることを契機とするため、来店者の保有する端末を店舗内における飲食物の注文用の端末として利用することにより、店舗内の従業員数の削減は可能となり、また、店舗側の機器導入の経費負担も圧縮可能となり、来店者の保有する端末を用いる店舗における注文の受け付けに際し、誤った注文、不正な注文等を防ぎ、店舗の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態の注文受付管理システムの構成を示す概要図である。
図2】注文受付管理システムの構成を示すブロック図である。
図3】座席情報の取得時を示す模式図である。
図4】認証コード付与時の模式図である。
図5】認証コードの照合時の模式図である。
図6】来店者端末におけるメニュー情報の閲覧時の模式図である。
図7】来店者端末における注文時の模式図である。
図8】実施形態の注文受付管理方法を説明する第1フローチャートである。
図9】実施形態の注文受付管理方法を説明する第2フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施形態の注文受付管理システムは、レストラン、喫茶店、居酒屋等の各種の飲食店の店舗に来店する来店者が、来店者自身の保有する来店者端末を通じて当該飲食店の提供するメニューを直接注文出来るように管理するシステムである。注文受付管理システムの実行に際しては、当該システムを導入した飲食店の店舗単体に設置、もしくは、インターネット回線で接続された店舗の運営側等に設置されたサーバ(コンピュータ)により管理、制御される。
【0024】
図1は実施形態の注文受付管理システム1の構成を示す模式図である。注文受付管理システム1では、前提として飲食店等の店舗2の座席3に座席情報4が付されている。次に、店舗2の座席3に座席情報4が来店者(図示せず)の有する来店者端末20を通じて入力される。そして、来店者端末20はインターネット回線等のネットワーク回線9を通じてサーバ(コンピュータ)10にアクセス可能となる。
【0025】
来店者の有する来店者端末20は、スマートフォン、タブレット端末等である。座席情報4の形態は特段制約されることはなく、座席情報4は店舗2内の座席3同士を互いに区別できる情報であり、店舗2内の座席3を一意に特定できる情報が含まれていれば良い。また、座席情報4は店舗2のテーブルの他に、店舗2の椅子自体を個別に特定できる情報としてもよい。実施形態では座席情報4として二次元バーコードが使用される。他に、座席情報4は店舗2内の座席3に固有の座席番号(数字、文字の組み合わせ等)としてもよい。来店者端末20を通じての座席情報4の取得に際しては、来店者端末20に実装されているカメラ(図示せず)による撮影、来店者端末20へのタッチ操作または音声読み上げによる入力のいずれとしても良い。実施形態では来店者端末20による座席情報4の二次元バーコードの撮影としている。二次元バーコードとしては、QRコード(登録商標)等が例示される。
【0026】
また、座席情報4には二次元バーコードの他に、NFC(近距離無線通信:Near Field Communication)を内蔵した機器(ICチップ)等が採用される。座席情報4にNFCの機器を用いることにより、店舗2の座席3と来店者の有する来店者端末20との間において通信が可能となり、来店者端末20は座席情報4に含まれる座席の位置等の情報を受信することができる。
【0027】
実施形態では、来店者が来店者端末20により座席情報4の二次元バーコードを撮影すると、webブラウザが起動する。そしてそのまま来店者は、来店中の店舗のwebページ(ホームページ)にアクセス可能となる。前述のタッチ操作または音声読み上げの場合には、来店者は別途店舗のwebページ(ホームページ)の起動時にアクセスしてタッチ操作または音声読み上げにより座席情報を入力することとなる。タッチ操作に際しては、店舗2内の座席マップが表示され、希望する座席をタッチする態様がある。音声読み上げに際しては、座席情報4に記載の情報を来店者が来店者端末20に読んでの入力となる。また、サーバ(コンピュータ)10側において、座席情報4の受信後、当該座席3に対する各種のステータスを管理する処理も加えられる。さらに、座席情報4の読み取り等の入力、サーバ(コンピュータ)10への送信後、座席情報4はサーバ10に自動的に登録されるようにしてもよい。
【0028】
ここで言う各種のステータスとは、例えば、次の状態(ステータス)の流れである。始めに{空席}の状態であり、店舗内の機器(店員の所持する店舗内の端末等)により、座席の状態(ステータス)は{食事中}へ変更される。その後、来店者から飲食物が注文され、店舗に対して会計が依頼される。そこで、座席の状態(ステータス)は{会計待ち}に変更され、来店者から店舗への会計が行われ、座席の状態(ステータス)は{会計済み}に変更される。この後、来店者は店舗から退店し、座席の状態(ステータス)は{準備中}に変更される。そこで、座席(テーブル)の清掃、食器、カトラリーが補充され、次の来店者の受け入れ準備が完了後に座席の状態(ステータス)は{空席}に変更される。以降はこの繰り返しである。
【0029】
各種ステータスを管理する処理の態様として、店舗2の従業員は従業員用の端末を保持し、この従業員用の端末を通じて座席3の状態を「空席」から「食事中」へ変更操作するようにしてもよい。もしくは、来店者が座席情報4を通じてのアクセスした後、当該アクセス要求を受けて店舗2の従業員が従業員用の端末を通じて座席3の状態を「空席」から「食事中」へ変更操作するようにしてもよい。なお、これらの場合は、当該操作後初めて、来店者は座席情報4を通じてのアクセスが可能となる。
【0030】
図2は注文受付管理システム1のサーバ(コンピュータ)10の構成を示すブロック図である。サーバ(コンピュータ)10は信号受信、演算実行、記憶等の各種の動作制御に必要なコンピュータ等のハードウェアからなり、CPU11、ROM12、RAM13、記憶部14、I/O15(インプット/アウトプットインターフェイス)等を実装する。
【0031】
サーバ(コンピュータ)10の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、サーバ(コンピュータ)10は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行することで実現される。このプログラムを格納する記録媒体は、「一時的でない有形の媒体」、例えば、CD、DVD、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、このプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(図1のネットワーク回線9、その他の通信ネットワーク、放送波等)を介して注文受付管理システム1のサーバ(コンピュータ)10に供給されてもよい。
【0032】
サーバ(コンピュータ)10の記憶部14は、HDDまたはSSD等の公知の記憶装置である。記憶部14は、各種のデータ、照合、判定、注文受付管理プログラム、同プログラムの実行に必要な各種のデータ等を記憶する。また、各種の算出、演算等の演算実行する各機能部はCPU11等の演算素子である。ネットワーク回線9はI/O15に接続される。なお、サーバ(コンピュータ)10は、パーソナルコンピュータ(PC)としてもよく、操作部となるキーボード、マウス、ディスプレイ等はI/O15に接続される(図示せず)。
【0033】
サーバ(コンピュータ)10のCPU11における各機能部は、図2のブロック図のとおり示される。各機能部は、座席情報取得部110、認証コード付与部120、閲覧受付部130、注文受付部140、決済受付部150、失効処理部160、さらに、更新座席受付部210、座席情報生成部220、出力部230等を備える。サーバ(コンピュータ)10のCPU11の動作、実行は、ソフトウェア的に、メインメモリにロードされた注文受付管理プログラム等により実現される。なお、認証コード付与部120はサーバ(コンピュータ)10内とする他、来店者端末側に設ける構成としてもよい。
【0034】
座席情報取得部110は、来店者の有する来店者端末を通じて店舗の座席に対応した座席情報を取得する。
【0035】
図3の模式図は、来店者(図示せず)の有する来店者端末20が、店舗2の座席3に付された座席情報4である二次元バーコードを撮影している状況である。座席情報4は店舗2の座席3に1個ずつ設置されている。図示では来店者は3名であり、各々が来店者端末20(20a,20b,20c)を有し、各人が座席情報4の二次元バーコードを撮影している。すなわち、来店者端末が複数台(図示では3台)の状況である。図示のように、各来店者の来店者端末20(20a,20b,20c)のそれぞれの表示部21(液晶、有機EL等の画面)に座席情報4の二次元バーコードが表示され、撮影対象が各来店者により確認されている。
【0036】
図示の実施形態では、来店者の各人がそれぞれ座席情報4を読み取っている。この場合、複数の来店者内においてその1名をグループの代表として登録し、グループの人数を固定する設定も加えられる。来店者人数の固定により、不正利用が回避される。実施形態の座席に対応した座席情報は、店舗内のテーブルへ二次元バーコードを設置する形態としている。他に、店舗の椅子自体へ座席情報としての二次元バーコードを付す形態としてもよい。または、店舗の来店者の入口(エントランス)に座席と座席情報(二次元バーコード)の一覧表を掲示する形態としてもよい。
【0037】
さらに加えて、例えば、店舗2の座席3に対応した座席情報4としての二次元バーコード等が記載されたカードを複数枚予め用意される。来店者に対し、座席3に対応した座席情報4(二次元バーコード等が記載)のカードが配布される。そして、来店者は当該カードの読み込みを通じてアクセスし、注文をしてもらう。その後、メニューの飲食物の提供時、もしくは支払時に当該座席情報4(二次元バーコード等が記載)のカードは回収される。また、座席情報4は、店舗2の実際の座席3と対応する場合に限られない。例えば、店舗2から飲食物をテイクアウト注文する場合、テイクアウト注文用として予め仮想の座席を複数設定し、この仮想の座席に座席情報4としての二次元バーコード等が記載されたカードを複数枚予め用意してもよい。
【0038】
認証コード付与部120は、来店者に対応した認証情報を生成し、座席情報と認証情報との組み合わせからなる認証コードを生成する。認証コード付与部120は、実施形態のようにサーバ(コンピュータ)10内に備える構成とすることに加え、認証コード付与部120に対応する機能を来店者端末側(端末ブラウザ等)にアプリケーションソフトウェア等として保持させるようにしてもよい。実施形態の説明は、認証コード付与部120はサーバ(コンピュータ)10内に備えられる態様として開示される。
【0039】
認証コード付与部120がサーバ(コンピュータ)10内に備えられる態様にあっては、認証コード付与部120は、来店者に対応した認証情報を生成し、座席情報と認証情報との組み合わせからなる認証コードを生成し、認証コードを登録するとともに認証コードを来店者端末へ送信する。これに代えて、認証コード付与部120に対応する機能を来店者端末側に保持される場合、認証コード付与部120は、来店者に対応した認証情報を生成し、座席情報と認証情報との組み合わせからなる認証コードを生成し、認証コードを登録する。
【0040】
図4の模式図では、各々の来店者端末20(20a,20b,…)の表示部21に、座席情報4が表示される。図示では二次元バーコードそのものではなく、二次元バーコードから読み取られた座席3の表示である。例えば、表示はテーブル番号「7」等の内容である。むろん、これ以外にも座席情報4は店舗名称、禁煙または喫煙の種別、予約の有無等の内容も合わせて表示しても良い。
【0041】
認証情報5は、いわゆるトークン等と称され、その日時、その座席に着席した来店者の来店者端末20(20a,20b,…)に対し、来店者端末毎に異なる認証情報5が生成され、送信される。図示の例では、来店者端末20aと20bの表示部21に表示される座席情報4は互いに同一であるものの、来店者端末20aと20bでは認証情報5は、例えば、「A1234」と「B7890」のように来店者端末毎に異なる。また、認証情報5は、座席情報取得部110において座席情報4を取得した時刻を含めることができる。時刻を含めることにより、来店者端末の識別性を高めることができる。なお、認証情報5は、各々の来店者端末20(20a,20b,…)が使用しているブラウザにおいて生成されることとしてもよい。その場合、認証情報5は個々の端末のブラウザ毎に異なる。
【0042】
そこで、座席情報4とこれに対応した認証情報5の2つ情報の組み合わせからなる認証コード6が生成され、認証コード6はサーバ10の記憶部14に登録(記憶)される。自明ながら、来店者端末20aと20bでは認証情報5が異なるため、認証コード6もそれぞれ異なる。認証コード6は、数字、文字、記号等の組み合わせ等からなる情報であり、後述するメニューの閲覧、メニューの注文に際して用いられる。敢えて認証コード6を生成し、来店者端末20に送信する理由としては、メニューの閲覧、メニューの注文の都度、座席情報4の撮影(入力)と送信と、これに対応した認証情報5の生成、送信が繰り返される煩雑さを解消するためである。
【0043】
注文受付管理システム1では、来店者が店舗2に来店して、来店者が所定の座席に案内された後、店舗2の従業員から当該座席の座席情報4が来店中(使用中)となったことがサーバ(コンピュータ)10側(いわゆる注文受付管理システム1側)に送信される。つまり、注文受付管理システム1では、来店者端末を通じて店舗の座席に対応した座席情報4が取得され、また、各来店者に対応して認証情報5が生成される。そして、座席情報4と認証情報5の組み合わせから各来店者に固有の認証コード6が生成される。
【0044】
そこで、注文受付管理システム1では座席情報4から店舗2内の座席の稼働状態が把握可能となる。さらに、来店者が店内において座席を変更するとしても、店舗2の従業員による座席情報4の更新が認証コード6に反映可能である。それゆえ、来店者は店舗2内で座席を変更した際に改めて認証コード6の取得の操作を行う必要は無い。
【0045】
詳しく述べると、来店者(飲食客)が店舗に来店後、当該店舗の店員が来店者を座席に案内した時点において、店舗内の機器(店員の所持する店舗内の端末等)により、座席の状態(状況、ステータス)は「空席」から「食事中」へ変更される。当該時点において、サーバ10で座席に連動した「来店ID」が発行される。そして、来店IDと来店者端末20(20a,20b,…)の認証コード6が関係づけ(紐付け)られる。なお、認証コード6の情報のみでは、来店者端末が1組のグループであるかどうかの特定はできない。このため、来店IDが用いられる。来店IDと認証コード6が関係づけられる利点として、来店者端末20と店舗2内の座席が直接紐づく管理ではないため、例えば、1番のテーブルで注文した来店者が2番のテーブルへ移動した場合の対処が容易である。来店IDに紐づくため、来店IDの座席情報4を変更すればよく、容易に席移動の管理が可能となる。
【0046】
具体的には、或る来店者の認証コードが「abc」でありその来店IDが「RRR」であるとし、他の来店者の認証コードが「def」でありその来店IDが「RRR」であるとする。このように認証コードと来店IDが紐付けられる。そして、前出の来店IDの「RRR」に対応した座席情報(座席ID)として「ZZZ」が取得される。つまり、2名の来店者は同一の座席(テーブル)に案内された着席したことになる。この座席情報(座席ID)の「ZZZ」は、実際の店舗内の座席(テーブル)に固有の情報である。
【0047】
ここで、座席情報(座席ID)の「ZZZ」が店舗内の1番テーブルであり、2名の来店者が、座席情報(座席ID)の「YYY」の他の座席(テーブル)に移動した際には、来店IDに紐付いた座席情報(座席ID)を当初の「ZZZ」から新たに「YYY」に変更することで足りる。
【0048】
仮に、来店IDによる管理が行われない場合、管理は座席情報と認証情報(トークン)により行われることとなる。座席情報が変更されるとその都度新たに認証コードが生成(発行)され、来店者の認証が煩雑となる。なお、座席情報と認証情報(トークン)による管理であるとしても、二次元バーコード等の座席情報を介してのメニューの注文自体は可能でる。従って、来店IDによる管理が加わることにより、来店者の店舗内における座席の移動の管理がより容易となる。
【0049】
加えて、実施形態の注文受付管理システム1では、来店者の店舗2への来店前の段階、すなわち、当該店舗2への来店予約の段階においても、店舗2の従業員から当該座席の座席情報4が予約中(使用中)となったことがサーバ(コンピュータ)10側(いわゆる注文受付管理システム1側)に送信されるようにしてもよい。こうすると、予約を含めて店舗2内の座席の管理、客回転率の予定が組み立てやすくなる。
【0050】
メニューの閲覧とメニューの注文の都度、座席情報4の撮影を来店者に要求するとなれば、来店者にとっての処理は極めて煩雑となる。また、メニューの閲覧とメニューの注文の都度、逐次認証情報5の生成と来店者端末20への送信とする構成では、サーバ(コンピュータ)10への処置負荷が増加する。従って、一度の来店者の来店、着席に1回の認証コード6の生成、来店者端末20への送信とすることにより、来店者の余分な処理負担の軽減、注文受付管理システム1のサーバ(コンピュータ)10への処理負荷の軽減が図られる。
【0051】
閲覧受付部130は、来店者端末20を通じての店舗内のメニュー情報の閲覧を受け付けて来店者端末20へ前記メニュー情報を送信する。当該閲覧受付部130は、来店者端末20から送信された認証コード6を登録された認証コード6との照合を行い、互いに所定の関係性であることを契機として店舗2内のメニュー情報の閲覧を受け付けることとしてもよい。
【0052】
図5の模式図では、来店者端末20(図示では1台の来店者端末20a)に対し、生成された認証コード6が送信された状態である。送信された認証コード6はこれを受信した来店者端末20において記憶される。そして、図6の模式図では、メニュー情報が各来店者の来店者端末20(20a,20b,20c)のそれぞれに送信され、来店者端末20(20a,20b,20c)のそれぞれの表示部21にメニュー23が表示されている。
【0053】
メニュー情報が来店者端末に送信される前提として、実施形態では、前述のとおり登録(記憶)された認証コード6と、現在送信中の認証コード6が互いに所定の関係性であるか否か照合される。互いに所定の関係性であることとは、登録(記憶)された認証コード6と、現在送信中の認証コード6が互いに同一であることをいう。照合の結果、互いの認証コード6が同一の場合、メニュー情報が来店者端末に送信される。なお、照合の結果、互いの認証コード6が同一でないと判定された場合、メニュー情報が来店者端末に送信されず、例えば、「再度認証コードを送信してください。」等のメッセージの文言が表示部21を表示するように注意情報が注文受付管理システム1のサーバ(コンピュータ)10から来店者端末に送信される。認証コード相互の所定の関係性としては、例えば、一方が2222であり、他方が7777のように、合計が9999となる等の相互の組み合わせにおいて所定の関係性が満たされる場合も含まれる。このほか、或る整数と素因数分解の整数の関係も含まれる。これらの関係は次述の注文受付部140においても同様である。
【0054】
注文受付部140は、来店者端末20を通じてのメニュー情報に掲載のメニューの注文を受け付ける。当該注文受付部140は、来店者端末20から送信された認証コード6を登録された認証コード6との照合を行い、同一であることを契機としてメニュー情報に掲載のメニューの注文を受け付けることとしてもよい。
【0055】
閲覧受付部130のメニュー情報の閲覧の受け付けと、注文受付部140のメニューの注文を受け付けにおいては、来店者端末20から送信された認証コード6と登録された認証コード6とが照合され、互いに所定の関係性が充足されていることを契機とする。ここで、認証コード6の照合と所定の関係性の充足については、閲覧受付部130のメニュー情報の閲覧の受け付けと、注文受付部140のメニューの注文を受け付けのいずれか一方でもよく、もしくは、実施形態のように閲覧受付部130と注文受付部140の両方としてもよい。
【0056】
図7の模式図では、来店者端末20(図示では1台の来店者端末20b)に表示部21にメニュー23が表示されている。そこで、来店者端末20bを有する来店者が来店者端末20bを操作してメニュー23から希望の飲食物を選択して注文することができる。サーバ(コンピュータ)10が注文を受け付ける際、来店者端末20bに送信された認証コード6が注文と一緒に送信される。
【0057】
そこで、実施形態では、前述のとおり登録(記憶)された認証コード6と、注文と一緒に送信された認証コード6が互いに所定の関係性であるか否か照合される。互いに所定の関係性であることとは、登録(記憶)された認証コード6と、現在送信中の認証コード6が互いに同一であることをいう。照合の結果、互いの認証コード6が同一の場合、注文が認証され、サーバ(コンピュータ)10から注文認証の情報が店舗に送信され、店舗において当該注文の飲食物が調理、提供される。なお、照合の結果、互いの認証コード6が同一でないと判定された場合、注文認証の情報は店舗に送信されず、例えば、「再度認証コードを送信してください。」等のメッセージの文言が来店者端末20bの表示部21を表示するように注意情報が注文受付管理システム1のサーバ(コンピュータ)10から来店者端末に送信される。
【0058】
決済受付部150は店舗2における来店者の決済完了を受け付ける。
【0059】
店舗における注文の受付は、来店者の1度の来店から当該来店者の金銭の支払い(決済)の完了までである。そこで、注文受付管理システム1の適用範囲を明確化し、誤注文、不正使用を回避するべく、来店者の決済完了の受付けを区切りとしている。来店者の決済完了については、認証コード6が店舗2側と共有されていて、来店者が店舗2側へ飲食代金を支払ったときに、店舗側が来店者からの決済と認証コード6とを結びつけて店舗2からサーバ(コンピュータ)10へ決済完了の情報を送信することができる。
【0060】
より具体的に述べると、店舗における座席の状態は、次の状態(ステータス)の流れとなる。始めに{空席}であり、座席へ案内される。来店者は{食事中}であり、当該飲食の会計が依頼される。そして、来店者の{会計待ち}、{会計済み}と変化し、来店者が当該店舗から退店し、{準備中}となる。注文の受付は{会計待ち}になった段階で終了する。これは、会計依頼後の新たな注文発生を防ぐ観点からである。ただし、支払い金額確認等のためにメニューの閲覧は可能な状態とされている。つまり、「{会計待ち}、{会計済み}」の段階は、メニューの閲覧のみ可能であり、注文の受付はできない状態となる。「{準備中}」の段階は、メニュー閲覧及び注文の受付いずれもできない状態となる。
【0061】
加えて、来店者が来店者端末20に内蔵されている電子マネー、暗号資産、あるいは連携しているクレジットカード等により決済する場合、各種の決済と連動して認証コード6とともに決済完了の情報が来店者端末20から直接サーバ(コンピュータ)10へ送信されるようにしてもよい。なお、来店者の決済完了後に来店者端末20には、例えば、「お食事ありがとうございました。」のような画面を表示させて(ページへ遷移させて)、不正注文を惹起させるような注文画面が残らないようにしてもよい。
【0062】
失効処理部160は、店舗2における所定条件を契機に認証コードを失効させる。ここで認証コードの失効とは、決済受付部150により受け付けられる店舗2における少なくとも来店者からの会計の依頼、または来店者の決済完了が契機となる。さらに、認証コードの失効として店舗2からの退店も契機とすることができる。
【0063】
通常、来店者は自己の飲食代金の支払いを終えた後、そのまま退店する。つまり、来店者端末を利用した注文受付の管理、運用は当該来店に対しては役割を終えたこととなる。そこで、一度の来店に際して認証コードが失効される。なお、実施形態では、認証コード付与部120は認証コードを毎回ランダムに生成してもよい。これに加え、認証コード付与部120は、予め所定数(例えば、1万とおり)備え、所定数の中から順次来店者の来店ごとに順送りにより認証コードを指定することとしてもよい。もしくは、所定数の中から順次来店者の来店ごとに使用されていない認証コードをランダムに指定することとしてもよい。
【0064】
仮に、来店者端末20からwebページを介し注文受付管理システム1のサーバ(コンピュータ)10との接続が続いていて、来店者端末20の表示部21にメニュー23が表示されて注文の受付けが可能となる場合であっても、決済後の来店者は自己の来店者端末20に送信された認証コード6(失効した認証コード6)を用いて再度のメニュー23からの飲食物の選択、注文は拒絶される。つまり、サーバ(コンピュータ)10において、来店者の決済を契機に認証コード6自体を失効させることにより、注文の認証を防ぎ、かつ、サーバ(コンピュータ)10から注文認証の情報を店舗に送信することがなくなる。万が一、失効した認証コード6によるサーバ(コンピュータ)10へのアクセスが生じた場合、例えば、「お客様のご注文を承ることが出来ません。」等のメッセージの文言が表示部21を表示するように注意情報が注文受付管理システム1のサーバ(コンピュータ)10から来店者端末に送信される。
【0065】
加えて、退店後一定期間の経過後(1週間、または店舗側にて設定した期間の経過後)、同一の端末、同一の座席であっても注文は可能となる。これは、一定期間が経過した後に、同一の来店者が再度来店する際の不具合を生じさせないためである。その際、前回来店時の認証コードではなく、新しい認証コードが改めて付与される。
【0066】
一連の処理から、来店者の故意(いたずら)または過失(誤操作)による注文が防がれる。結果として、店舗2では、誤った注文による飲食物の調理、提供の誤作業が解消され、材料、人件費の損失が回避される。当該注文受付管理システムにより、来店者の有する来店者端末自体を店舗における注文用の機器に活用することにより、店舗内の従業員を介してのメニューの注文の受け付けが減り、従業員数と従業員の作業時間が圧縮する。そこで、店舗運営経費は縮減可能となる。また、来店者は保有する来店者端末(スマートフォン等)を用いてメニューの注文ができるため、注文に要する時間短縮が可能となり、顧客満足度の向上につながる。また、注文受付管理システム(注文受付管理プログラム)はチェーン店の店舗本部への設置(導入)が可能であるため、座席毎に専用端末機器を設置する場合と比較して導入経費が圧縮可能となる。
【0067】
これまでの説明及び図示から明らかなように、認証コード付与部120では、来店者端末20が複数台(図示の20a,20b,20c)であり各々の来店者端末が単一の座席情報4を取得した場合であっても、各々の来店者に対応した認証情報5が生成される。そして、各々の来店者端末20a,20b,20cに対して互いに異なる認証コード6が生成され、各々の来店者端末へ送信される。従って、店舗への来店が2名以上のグループとなる場合でも、グループ客への対応と、当該グループ客内の来店者個人が直接メニューの注文を可能とすることができる。
【0068】
さらに、注文受付管理システム1のサーバ(コンピュータ)10は機能部として、更新座席受付部210、座席情報生成部220、出力部230等を備える。更新座席受付部210は座席情報4の更新に際し、店舗2の座席3に対応した更新後の座席数及び座席配置を受け付ける。座席情報生成部220は更新後の座席数及び座席配置に対応した更新後の座席情報4を発行する。出力部230は更新後の座席情報4を店舗に対して出力(送信)する。
【0069】
実施形態の注文受付管理システム1では、店舗2の座席3に付される座席同士を識別する座席情報4として二次元バーコードが使用される。ここで、店舗では、店内の雰囲気を変えたり、提供する飲食物を変更したりするため、店内改装(模様替え)が行われる。このとき、店舗内の座席数の増減、座席配置が改装前から更新(変更)される。すると、従前の座席情報4としての二次元バーコードは店内改装後には使用できなくなる。座席情報4の更新が可能であるため、不正な注文、不正な利用の抑制効果を得ることができる。
【0070】
そこで、注文受付管理システム1は、更新座席受付部210を通じて店内改装に伴う店舗内の座席数の増減、座席配置変更に対応するべく更新後の座席数及び座席配置の入力が可能としている。そして、座席情報生成部220により、更新後の座席数及び座席配置に対応した更新後の座席情報4が生成される。二次元バーコードの場合、更新後の座席数及び座席配置に店舗のwebページ(ホームページ)にアクセス可能とするURLも含められる。
【0071】
出力部230を通じて店舗側へ出力(送信)された更新後の座席情報4は、当該店舗において印刷等され、所定の座席に貼付される。あるいは、予め座席に電子値札(ESL:Electric Shelf Labels)等の表示装置が設置され、店舗側での更新後の座席情報4の受信後、二次元バーコードの表示更新が可能とするようにしても良い。この場合、座席への貼付の間違い等の人為的な錯誤を減らすことができる。
【0072】
加えて、座席情報4として二次元バーコードの代替として、もしくは二次元バーコードと併用してNFCの店舗側の機器を設置しても二次元バーコードの場合と同様に、不正な注文、不正な利用への抑止効果が生じる。また、NFCのICチップ自体は低廉に実装可能であるため、店内改装(模様替え)に際しての座席変更についても安価に対応可能である。
【0073】
実施形態の注文受付管理システム1によると、来店者が来店者端末20から注文受付管理システム1のサーバ(コンピュータ)10にメニュー23の注文の情報が送信される。そうすると、注文受付管理システム1側において当該店舗2のメニュー単位でのメニュー注文のデータ取得、蓄積が可能となる。さらに、店舗2の存在する地域の他の注文受付管理システム1を導入した飲食店においても同様にメニュー単位でのメニュー注文のデータ取得、蓄積が可能となる。このことから、データを利用した店舗運営のマネジメントへの活用が可能となる。例えば、時間帯別の客稼働率がわかるようになる。そこで、店舗2に対し、他店舗の情報との比較から、『メニューに「AAAA」のように記載すれば売り上げがBB%上がる。』等のデータを提示することができる。
【0074】
さらに、当該店舗2の営業時間帯別(11時から13時の昼間、17時から20時の夜間、21時から23時の夜間)に随時のメニューの迅速な変更が可能となり、時間帯別の来店者に的確に対応可能である。また、頻繁に来店する来店者に対しては、メニューの注文の傾向を踏まえて来店者毎にメニューの構成、品目を変更してもよい。来店者毎の個別対応が実現される。
【0075】
また、飲食店のランキングを示したウェブサイトに加盟の店舗(全国、地方、都道府県別)、同業者(和食、洋食、エスニック料理等の料理ジャンル別)における分析、改善提案も可能となる。加えて、メニューには、タイトル、説明文に写真、飲食動画等も包含可能であるため、写真等の注文向上の効果の検証に役立てることができる。
【0076】
これらに加えて、注文受付管理システム側における店舗のメニュー単位でのメニュー注文のデータ取得、蓄積から、極端なメニュー注文に対しての不正行為の発覚にも役立てることができる。例えば、通常営業ではメニュー「CCC」は一人の1度の注文に多くても5皿以下であるところ、一人から1度に15皿の注文があれば、誤注文または不正注文のおそれありとして、料理の作成前に確認を促すことができる。
【0077】
これより、図8図9のフローチャートを用い、実施形態の注文受付管理システム1における注文受付管理方法と注文受付管理プログラムをともに説明する。注文受付管理方法は、注文受付管理プログラムに基づいて、サーバ(コンピュータ)10のCPU11により実行される。注文受付管理プログラムは、図1及び図2のサーバ(コンピュータ)10に対して、座席情報取得機能、認証コード付与機能、閲覧受付機能、注文受付機能、決済受付機能、失効処理機能を実行させる。さらに、注文受付管理プログラムは、更新座席受付機能、座席情報生成機能、出力機能等の各種機能を実行させる。なお、各機能は前述の注文受付管理システム1の説明と重複するため、詳細は省略する。
【0078】
図8のフローチャートより、サーバ(コンピュータ)10の処理は、座席情報取得ステップ(S110)、認証コード付与ステップ(S120)、閲覧受付ステップ(S130)、注文受付ステップ(S140)、決済受付ステップ(S150)、失効処理ステップ(S160)の各種ステップを備える。むろん、サーバ(コンピュータ)10自体の可動に必要な各種ステップは当然に含まれる。なお、認証コード付与ステップ(S120)の機能が来店者端末側において実行される場合、認証コード付与ステップは省略される。
【0079】
座席情報取得機能は、来店者の有する来店者端末20を通じて店舗2の座席3に対応した座席情報4を取得する(S110;座席情報取得ステップ)。認証コード付与機能は、来店者に対応した認証情報5を生成し、座席情報4と認証情報5との組み合わせからなる認証コードを生成する(S120;認証コード付与ステップ)。閲覧受付機能は、来店者端末20を通じての店舗2内のメニュー情報の閲覧を受け付け来店者端末20へメニュー情報を送信する(S130;閲覧受付ステップ)。
【0080】
注文受付機能は、来店者端末20を通じてのメニュー情報に掲載のメニューの注文を受け付ける(S140;注文受付ステップ)。決済受付機能は、店舗2における来店者の決済完了を受け付ける(S150;決済受付ステップ)。失効処理機能は、店舗2における所定条件を契機に認証コード6を失効させる(S160;失効処理ステップ)。なお、適宜の出力、送信の機能、ステップも適式に備えられる。
【0081】
図9のフローチャートより、サーバ(コンピュータ)10の処理は、更新座席受付ステップ(S210)、座席情報生成ステップ(S220)、出力ステップ(S230)の各種ステップを備える。更新座席受付機能は、店舗2の座席3に対応した更新後の座席数及び座席配置を受け付ける(S210;更新座席受付ステップ)。座席情報生成機能は、更新後の座席数及び座席配置に対応した更新後の座席情報4を生成する(S220;座席情報生成ステップ)。出力機能は、更新後の座席情報4を店舗2に対して出力(送信)する(S230;出力ステップ)。
【0082】
上述した本発明のコンピュータプログラムは、プロセッサが読み取り可能な記録媒体に記録されていてよく、記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。
【0083】
なお、上記コンピュータプログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【符号の説明】
【0084】
1 注文受付管理システム
2 店舗
3 座席
4 座席情報
5 認証情報
6 認証コード
9 ネットワーク回線
10 サーバ(コンピュータ)
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 記憶部
15 I/O
110 座席情報取得部
120 認証コード付与部
130 閲覧受付部
140 注文受付部
150 決済受付部
160 失効処理部
210 更新座席受付部
220 座席情報生成部
230 出力部
【要約】
【課題】来店者の保有する端末を用いる店舗における注文の受け付けに際し、誤った注文、不正な注文等を防ぎ店舗での安全性を高めた注文受付管理システムを提供する。
【解決手段】来店者の有する来店者端末を通じて店舗の座席に対応した座席情報を取得する座席情報取得部と、来店者に対応した認証情報を生成し座席情報と認証情報との組み合わせからなる認証コードを生成する認証コード付与部と、店舗内のメニュー情報の閲覧を受け付けて来店者端末へメニュー情報を送信する閲覧受付部と、メニュー情報に掲載のメニューの注文を受け付ける注文受付部と、店舗における所定条件を契機に認証コードを失効させる失効処理部を備え、閲覧受付部または注文受付部では、認証コードと登録された認証コードの照合を行い所定の関係性を確認する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9